説明

空隙距離計測方法、現像カートリッジの検査装置

【課題】人手に頼ることなく、対向して非接触で回転するローラ部材Aとローラ部材Bとの間の周期的に変動する空隙距離の空隙距離計測方法及びこの方法を使用した現像カートリッジの検査装置の提供。
【解決手段】対向するローラ部材Aとローラ部材Bとの間にAC電圧を印加し、前記ローラ部材Aと、前記ローラ部材Bとの間の空隙距離を計測する空隙距離計測方法において、少なくとも非接触の状態で前記ローラ部材Aと前記ローラ部材Bのどちらか一方を回転させながら、前記AC電圧と流れた電流を測定することによって放電開始電圧Vsを求め、前記放電開始電圧Vsを基点に前記AC電圧を上げた時の前記ローラ部材Aと、前記ローラ部材Bとの間の放電電流の変化量を測定することで、前記ローラ部材Aと前記ローラ部材Bとの間の空隙距離の回転による変動量を計測する空隙距離計測方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向して非接触で回転するローラ部材Aとローラ部材Bとの間の空隙距離計測方法及びこの空隙距離計測方法を用いた検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記電子写真方式等を採用した複写機やレーザプリンタ、或いはファクシミリ等の画像形成装置に用いられる現像装置においては、有機感光体(OPC)等を用いた感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像するために、少なくともトナーを含む現像剤を表面に担持して、像担持体(感光体ドラム)の表面に対向した状態で回転する現像剤担持体としての現像ロールが、当該現像装置の主要機能部材として用いられている。上記現像剤としては、磁性又は非磁性トナーのみからなる磁性一成分系現像剤や、磁性又は非磁性のトナーとキャリアからなる二成分系現像剤などが使用される。上記現像剤担持体の内、磁性一成分系現像剤用の現像剤担持体としては、現像剤の搬送量を調整するため、アルミニウム又はその合金等からなる円筒状基体の表面に、ブラスト処理を施すことによって粗面化処理したものが用いられる場合がある。
【0003】
又、現像剤担持体としては、現像剤の摩擦帯電量を調整したり、現像ゴーストを防止するためなどに、表面に被膜を設けた現像剤担持体が用いられる場合もある。この現像剤担持体の表面に設けられる被膜としては、例えば、ゴム被膜や、特開平9−230690号公報に開示されている樹脂被膜や、特開平7−281517号公報に開示されているMo(モリブデン)とOとHとを主な構成成分とする無機系のめっき被膜、或いは特開平8−202140号公報に開示されているNi(ニッケル)めっき被膜等が挙げられる。
【0004】
そして、現像剤担持体としては、使用する現像剤の摩擦帯電特性などによって、上述した被膜の内、何れかの被膜が選択されて使用される。上記の如く構成される現像剤担持体は、当該現像剤担持体を回転自在に支持し、かつ回転駆動させるため、その両端部にフランジ部材やギヤ等を取り付けた状態で、現像装置本体の内部に組み込まれて使用される。又、現像装置は、単独で画像形成装置に装着される以外に、ユーザーが自ら画像形成装置本体に容易に着脱可能であり、交換し易いようにカートリッジに組み込まれた状態で使用されることもある。
【0005】
画像形成装置に装着した状態で現像装置が使用されると、現像剤担持体は、回転駆動され、当該現像剤担持体の表面に現像剤が担持されるとともに、現像剤担持体の表面に担持される現像剤の量が、現像剤規制部材によって規制される。そして、上記現像剤担持体の表面に所定量担持された現像剤は、現像剤担持体の回転に伴って、静電潜像が形成された像担持体(感光体ドラム)の表面に対向する現像位置へと搬送され、像担持体(感光体ドラム)表面の静電潜像が現像される。この時、画像不良の一つとして、現像剤の現像が現像剤担持体の円周方向で不均一になることによって発生する濃度ムラがある。この濃度ムラは、現像剤担持体と像担持体(感光体ドラム)の空隙距離や現像剤担持体の電気抵抗などの周期的変動によって引き起こされる。
【0006】
現像剤担持体と像担持体(感光体ドラム)の空隙距離の周期的変動は、現像剤担持体の外径とその振れ、像担持体(感光体ドラム)の円筒度、現像剤担持体と像担持体(感光体ドラム)のギャップ保持部材(例えば、コロ)の寸法など多くの部材特性値とその組合せによって引き起こされる現象であることから、部材単品で保証することが非常に難しく、従来、実機又は実機代替の検査機による実写検査が行われてきた。例えば、特開平6−27082号公報には回転可能に装着される電子写真感光体ドラムの外周部に帯電器や露光光源、電位測定用のプローブを取り付けた取り付け部材を設け、ドラムの長さ方向の電気特性を測定する電子写真感光体ドラム検査装置が開示されている。又、特開平6−168316号公報には画像形成装置の各構成部品に不良があると不良に応じた画質不良症状が用紙上に現れることに着目して、ラインセンサカメラで画像形成を行った用紙をラインセンサカメラで撮像し、得られた撮像画像より画質不良を定量的に検出出来るようにした技術が開示されている。
【0007】
これらの様に、実写検査を行うには、検査を人手に頼らざるを得ないことから検査工数が多く掛かること、又官能検査であるが故の信頼性の欠如や、ペーパーやトナー等の検査用消耗品が多く必要であることなど多くの問題点があった。
【0008】
これらの問題点を解決するために、実写検査に頼らず濃度ムラを検知する技術の検討が成されてきた。例えば、濃度ムラの発生する要因の一つとして現像剤担持体と像担持体(感光体ドラム)の空隙距離を安定にするため、現像剤担持体へ電圧を印加して現像剤担持体と像担持体との間の放電開始電圧を求め、そこから現像剤担持体と像担持体との空隙距離を算出する部材間の空隙距離測定方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は次の欠点を有している。現像剤担持体と像担持体が回転して動く時、通常、現像剤担持体の外径振れ等の影響を受け、現像剤担持体と像担持体の空隙距離は周期的に変動するが、特許文献1に記載の技術は放電開始電圧のみに着目した計測であるため、得られる測定値は空隙距離の最小値を表している。即ち、空隙距離の周期的変動の大きさを測定する方法となっていない。このため、現像剤担持体の周面と像担持体との空隙距離を測定していないため空隙距離のバラツキに伴う濃度ムラ対策に対しては不十分な技術となっている。このため、周期的に変動する現像剤担持体と像担持体との空隙距離を測定する空隙距離計測方法及び空隙距離計測方法を使用した現像カートリッジの検査装置の開発が望まれていた。
【特許文献1】特開平9−318308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記状況に鑑み成されたものであり、その目的は人手に頼ることなく、ローラ部材Aと対向して配置され非接触で回転するローラ部材Bとの間の周期的に変動する空隙距離の空隙距離計測方法及びこの方法を使用した現像カートリッジの検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
【0012】
1.対向するローラ部材Aとローラ部材Bとの間にAC電圧を印加し、前記ローラ部材Aと、前記ローラ部材Bとの間の空隙距離を計測する空隙距離計測方法において、少なくとも非接触の状態で前記ローラ部材Aと前記ローラ部材Bのどちらか一方を回転させながら、前記AC電圧と流れた電流を測定することによって放電開始電圧Vsを求め、前記放電開始電圧Vsを基点に前記AC電圧を上げた時の前記ローラ部材Aと、前記ローラ部材Bとの間の放電電流の変化量を測定することで、前記ローラ部材Aと前記ローラ部材Bとの間の空隙距離の回転による変動量を計測することを特徴とする空隙距離計測方法。
【0013】
2.前記ローラ部材Aが電子写真装置における現像剤担持体であり、ローラ部材Bが基準ローラであることを特徴とする前記1に記載の空隙距離計測方法。
【0014】
3.前記ローラ部材Aが電子写真装置における像担持体であり、ローラ部材Bが基準ローラであることを特徴とする前記1に記載の空隙距離計測方法。
【0015】
4.前記ローラ部材Aが電子写真装置における現像剤担持体であり、ローラ部材Bが電子写真装置における像担持体であることを特徴とする前記1に記載の空隙距離計測方法。
【0016】
5.電子写真装置に使用する現像カートリッジの検査装置であって、前記検査装置は、前記1又は2に記載の空隙距離計測方法を用いたことを特徴とする現像カートリッジの検査装置。
【発明の効果】
【0017】
人手に頼ることなく、ローラ部材Aと対向して配置され非接触で回転するローラ部材Bとの間の周期的に変動する空隙距離の空隙距離計測方法及びこの方法を使用した現像カートリッジの検査装置を提供することが出来、検査工程の効率化、安定した高画質品質の生産が可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態を図1〜図9を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】
図1は非接触で回転するローラ部材Aとローラ部材Bとの状態を示す模式図である。
【0020】
図中、1はローラ部材Aを示し、2はローラ部材Bを示す。101はローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙Sの距離を設定された値にするために、ローラ部材Aの軸102に取り付けられた空隙設定部材を示し、ローラ部材Aの両端に取り付けられている。空隙設定部材の径をローラ部材Aよりも大きくすることでローラ部材Aとローラ部材Bとを非接触の状態とすることが可能となっている。本図に示す様に空隙設定部材の径を変えることによりローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離は理論上は設計的に変えることが可能となっている。しかしながら、ローラ部材Aに使用した基材の真円度、異物付着、基材の表面に塗設された膜厚がローラ部材Aの幅方向及び周面で一定でない場合、ローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離は幅方向及び周面で一定でなくなっている。
【0021】
本発明は本図に示すように対向して非接触で回転するローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離をローラ部材Bの幅方向と周面とで計測する方法である。即ち、物体と物体とをある距離を置いて設置し、その物体と物体との間に電圧を印加して行く場合、印加電圧が低い内は両者の間に電流は流れないが、次第に印加電圧を上げて行くとある電圧になった時に突然電流が流れ始める。この電流が流れ始めた時の電圧を放電開始電圧と呼ぶが、放電開始電圧と物体間の距離との間には一定の関係が成り立つことが知られている(パッシェンの法則)。このパッシェンの法則を利用した計測方法である。
【0022】
図2はローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離を計測する計測装置の模式図である。
【0023】
図中、3は計測装置を示す。計測装置3はローラ部材A1にAC電圧を印加する電源ユニット301と、ローラ部材A1にAC電圧を印加して行った時、放電によりローラ部材B2を介して流れる放電電流を検知する放電電流検知ユニット302と、放電電流検知ユニット302で検知した放電電流を記録処理する処理機303とを有している。ローラ部材B2は誘電体、電気抵抗体、導電体であってもよい。尚、放電電流検知ユニット302はローラ部材B2が導電体の場合、ローラ部材A1の放電によるダメージを防止するために過電流制限抵抗302aを配設することが好ましい。
【0024】
本発明は、パッシェンの法則を利用し、ローラ部材A1に電圧を印加し、放電開始電圧を求め、この放電開始電圧を基点に、所定量電圧を上げた時のローラ部材A1とローラ部材B2の間に流れる放電電流の変化量を測定することで、ローラ部材A1とローラ部材B2との空隙距離の周期的変動の大きさを測定する方法である。以下、図3〜図8で本発明の具体的な測定方法を説明する。
【0025】
図3ローラ部材Aとローラ部材Bとの放電特性の一例を示した概略図である。
【0026】
図中、横軸はローラ部材Aへの印加電圧(ピーク・ツー・ピーク電圧)Vpp、縦軸は放電電流Irを示す。本図に示す様にローラ部材Aへの印加電圧Vppを上げて行くとあるところで電流が流れ出す。この電圧を放電開始電圧Vsと呼ぶ。その後、印加電圧Vppを上げると電流も傾きθをもって増大して行くが、その曲線はローラ部材A、及びローラ部材Bの材質、及び電圧を印加する回路の回路定数に依存するものである(ここでは簡便のため直線で示してある)。
【0027】
ここで、傾きθはローラ部材Aの材質、ローラ部材Bの抵抗等により決定されるパラメータであり、放電開始電圧Vsはローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離Dsで決まるパラメータである。
【0028】
放電開始電圧Vsは空隙距離Dsを用いて式1で表されることが、パッシェンの法則として知られている。
【0029】
式1 放電開始電圧Vs=316(V)+6.2×Ds(μm)
図4はローラ部材Aとローラ部材Bとを回転させた時の空隙距離Dsと放電電流Irの関連を示す概略図である。図4(a)はローラ部材Aとローラ部材Bとを回転させながら印加電圧(Vpp)を上げ電流が流れた状態(放電開始電圧Vsを求めた状態)の空隙距離Dsと放電電流Irの関連を示す概略図である。図4(b)は図4(a)の状態から印加電圧(Vpp)を更に上げた時の空隙距離Dsと放電電流Irの関連を示す概略図である。
【0030】
横軸はローラ部材A及びローラ部材Bの周方向の位置Xを示す。曲線はローラ部材Aの周方向の位置とローラ部材Bとの空隙距離Dsの変化を示す。尚、ローラ部材Aとローラ部材Bは、それぞれ所定の回転数で回転していることから、両者間の空隙距離Dsはローラ部材Aとローラ部材Bの回転周期で変動するため、本図では簡便のためサインカーブで変化するものとして表示している。
【0031】
Tはローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離Dsが狭くなる領域を示す。この領域で放電が開始され放電電流Irが流れる。
【0032】
ローラ部材Aとローラ部材Bとは、それぞれ所定の回転数で回転していることから、両者間の空隙距離Dsはローラ部材Aとローラ部材Bとの回転周期で変動する。この時、時間と共に変動するローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離Ds(t)は式2として表される。
【0033】
式2 空隙距離Ds(t)=Ds+ΔDs×sin(ωt)
式中、空隙距離Dsは平均値を示す。ΔDsは空隙距離Dsの変動幅を示し、sin(ωt)はローラ部材A(現像剤担持体)とローラ部材B(像担持体)との回転の各速度を示す。
【0034】
この時、図3に示す特性に従い、最も狭い空隙距離Dsの箇所から電流が流れ始め、図4(b)に示す様に印加電圧の上昇に伴い総電流も増加する。図4(b)に示す状態の放電開始電圧Vsは式2を式1に代入することで式3として表される。
【0035】
式3 放電開始電圧Vs=316+6.2×(Ds+ΔDs×sin(ωt))
式中、空隙距離Dsは平均値を示す。
【0036】
図5は式3に示される関係を示す概略図である。
【0037】
横軸はローラ部材Aの周方向の位置Xを示し、縦軸は放電開始電圧Vsを示す。曲線は図4に示すローラ部材Aの周方向の位置とローラ部材Bとの空隙距離Dsの変化を示す曲線と同じである。網掛部の面積はある印加電圧Vppがローラ部材Aに印加された時に流れる放電電流の相対的な大きさを表している。
【0038】
印加電圧Vppを変えた時に、印加電圧Vppが放電開始電圧Vsを超える位置が放電発生領域となり、本図に示す網掛部の面積(放電電流の相対値)は、式4で表すことが出来る。尚、相対放電電流とは、放電電流の相対値(絶対値ではないという意味)のことを言う。
【0039】
式4 (放電電流の相対値)=∫(Va−Vs)dx
式中、Vaは印加電圧Vppが放電開始電圧Vsを超えている時の印加電圧を示す。
【0040】
図6はローラ部材Aの周方向の位置とローラ部材Bとの空隙距離の変動幅の変化と放電電流との関係を示す概略図である。図6(a)はローラ部材Aの周方向の位置とローラ部材Bとの空隙距離Dsの変動幅ΔDsが大きい場合の放電電流の関係を示す概略図である。図6(b)はローラ部材Aの周方向の位置とローラ部材Bとの空隙距離Dsの変動幅ΔDsが小さい場合の放電電流の関係を示す概略図である。
【0041】
横軸はローラ部材Aの周方向の位置Xを示し、縦軸は放電開始電圧Vsを示す。曲線は図4に示すローラ部材Aの周方向の位置とローラ部材Bとの空隙距離の変化を示す曲線と同じである。尚、図6(a)と図6(b)とは最小の空隙距離Dsを揃えて図示してある。
【0042】
空隙距離Dsの変動幅ΔDsが大きいとは、ローラ部材Aの周面とローラ部材Bの周面とのどちらか又は双方に差が大きい凹凸(ローラ部材Aの周面とローラ部材Bの周面とのうねりとも言う)が存在することを意味している。空隙距離Dsの変動幅ΔDsが小さいとは、ローラ部材Aの周面とローラ部材Bの周面とのどちらか又は双方に差が小さい凹凸(ローラ部材Aの周面とローラ部材Bの周面とのうねりとも言う)が存在することを意味している。
【0043】
本図は、電圧Vaを印加した時の相対的な放電電流の大きさを表す網掛部の面積は、(ΔDs大)<(ΔDs小)の関係にあることを示している。即ち、ローラ部材Aの周面とローラ部材Bの周面2本の回転することで生じる空隙距離が最小の時に放電が開始される距離最小時放電開始電圧Vsminから印加電圧Vppを超える電圧Vaに上げた時の電流変化量が、(ΔDs大)<(ΔDs小)の関係にあることを示している。
【0044】
図7はローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離Dsの変動幅ΔDsが変化した時の放電特性の一例を示した概略図である。本図は、式3と式4をもとに計算し相対放電電流を求め作図したものである。
【0045】
横軸は印加電圧Vppを、縦軸は相対放電電流値を示す。Aは空隙距離Dsの変動幅ΔDsが30μm、Bは空隙距離Dsの変動幅ΔDsが20μm、Cは空隙距離Dsの変動幅ΔDsが10μm、Dは空隙距離Dsの変動幅ΔDsが0の時の印加電圧Vppに対する放電特性曲線を示す。
【0046】
θAは放電特性曲線Aの放電開始点から印加電圧を上げて行った時の初期(放電開始点から印加電圧を約100v上げた時点)の相対放電電流の変化量の勾配を示す。θBは放電特性曲線Bの放電開始点から印加電圧を上げて行った時の初期(放電開始点から印加電圧を約100v上げた時点)の相対放電電流の変化量の勾配を示す。θCは放電特性曲線Cの放電開始点から印加電圧を上げて行った時の初期(放電開始点から印加電圧を約100v上げた時点)の相対放電電流の変化量の勾配を示す。θDは放電特性曲線Dの放電開始点から印加電圧を上げて行った時の初期(放電開始点から印加電圧を約100v上げた時点)の相対放電電流の変化量の勾配を示す。
【0047】
本図に示す様に各放電特性曲線(A〜D)の各勾配(θA〜θD)は、空隙距離Dsの変動幅ΔDsが小さくなるに従って順次大きく(θA<θB<θC<θD)なっている。尚、本発明においてローラ部材Bに印加する電圧はAC成分が存在することが必須であるが、使用するローラの種類により適宜DC成分を重畳してAC+DCを印加してもよい。DC成分の重畳により放電開始電圧が低下して計擦測がより容易と出来るので好ましい。本発明において使用するAC電圧の周波数は放電が安定して計測精度が向上することから1000〜4000Hzの範囲が好ましく、1500〜3000Hzがより好ましい。
【0048】
本発明は図2〜図7に示す原理を用いて、ローラ部材Aとローラ部材Bとの周方向の空隙距離Dsの変動幅ΔDsを放電特性曲線の勾配として検知し、予め設定した閾値aに対して検知した放電特性曲線の勾配を管理することで、ローラ部材A又はローラ部材Bに由来する故障を防止する技術に関するものである。
【0049】
図8は図2に示す計測装置を使用し、ローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離を計測する時のフロー図である。
【0050】
図8に基づきローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離計測方法を説明する。
手順1では、図2に示す計測装置にローラ部材Aとローラ部材Bとを対向して非接触状態に設置し、回転させる。ローラ部材Aとローラ部材Bとの平均空隙距離は0.15mm、回転速度180rpmとした。ローラ部材Aへの印加電圧(ピーク・ツー・ピーク電圧)Vppを上げて行き、電流が流れ出す印加電圧Vpp初期値を設定する。この時点では、
i=0 Vpp=Vpp(i)となっている。
【0051】
式中 i:処理の回数を示す
Vpp:印加電圧(ピーク・ツー・ピーク電圧)
Vpp(i):印加電圧の変化の回数を示す
手順2では、ローラ部材Aとローラ部材Bとの間を流れる放電電流Irが放電開始電流値I1を超えているか否かを判定する。
手順3では、放電電流Irが放電開始電流値I1を超えていないと判定した場合、印加電圧Vpp値を1ステップアップ(V1は100V程度)上げ、放電電流Irが放電開始電流値I1を超える状態とする。
【0052】
i=i+1、Vpp(i)=Vpp(i−1)+V1
式中 i+1:i回目の処理回数
Vpp(i):i回目の印加電圧
1:1ステップアップする電圧
手順4では、放電電流Irが放電開始電流値I1を超え放電を開始する状態の放電開始電圧Vs(n)を決定する。
【0053】
Vs(n)=(Vpp(i)+Vpp(i−1))/2
式中 Vpp(i):i回目の印加電圧
手順5では、手順4までで求めた放電開始電圧Vs(n)をローラ部材Aへ印加する。
【0054】
Vpp=Vs(n)
式中 Vpp:印加電圧
Vs(n):放電開始電圧
手順6では、放電開始電圧Vs(n)をローラ部材Aへ印加した時、流れる電流(I1)を測定する。
手順7では、印加電圧Vpp値を放電開始電圧Vs(n)よりも1ステップアップ(V2は40V程度)する。
【0055】
Vs(n+1)=Vs(n)+V2
式中 Vs(n+1):放電開始電圧よりも1ステップアップした時の印加電圧
Vs(n):放電開始電圧
2:1ステップアップする電圧
手順8では、手順7で印加電圧Vpp値を1ステップアップした時の放電電流を測定する。
【0056】
2=Ir
式中 I2:放電開始電圧Vs(n)よりも1ステップアップした時の放電
電流
Ir:放電電流
手順9では、印加電圧Vpp値を手順8よりも更に1ステップアップする。
【0057】
Vs(n+2)=Vs(n+1)+V2
式中 Vs(n+2):放電開始電圧よりも2ステップアップした印加電圧
Vs(n+1):放電開始電圧よりも1ステップアップした印加電圧
2:更に1ステップアップする電圧
手順10では、手順9で印加電圧Vpp値を更に1ステップアップした時の放電電流を測定する。
【0058】
3=Ir
式中 I3:放電開始電圧Vs(n+1)よりも更に1ステップアップした
時の放電電流
Ir:放電電流
手順11では、手順6で放電開始電圧Vsにおいて流れた電流Irから、手順7で印加電圧を40V上げた時に流れた電流、手順9で更に印加電圧を上げた時に流れた電流より、印加電圧Vpp値に対する電流Irの勾配変化(ΔIr/ΔVpp)を算出(図7に示す放電特性曲線の勾配θを求める)する。
手順12では、手順11で求めた放電特性曲線の勾配θと予め設定した閾値aに対して、θ≧aの場合は合格とし、θ<aの場合は不合格とする、ローラ部材A又はローラ部材Bの合否を判定する。
【0059】
本発明においてローラ部材A、ローラ部材Bとしては、1)ローラ部材Aが電子写真装置における現像剤担持体、ローラ部材Bが基準ローラの場合、2)ローラ部材Aが電子写真装置における像担持体、ローラ部材Bが基準ローラの場合、3)ローラ部材Aが電子写真装置における像担持体、ローラ部材Bが現像剤担持体の場合、4)ローラ部材Aが電子写真装置における現像剤担持体、ローラ部材Bが像担持体の場合の組合せが挙げられる。基準ローラとしては、周方向及び幅方向の表面特性、回転時の揺れ特性が予め求められているローラである。本発明では距離のバラツキのムラを計測したい側のローラ部材を回転させることが必須である。ローラ部材Bの回転による距離のムラを計測する場合にはローラ部材Bを回転させ、ローラ部材Aの回転による距離のムラを計測する場合にはローラ部材Aを回転させ、ローラ部材Aとローラ部材Bの両方の回転による距離のムラを計測する場合にはローラ部材Aとローラ部材Bを回転させる。回転による計測のムラを計測する必要のないローラは回転させないのが好ましい。但し、回転による計測のムラを計測する必要のないローラの精度が十分に高いことが判っている場合には回転による計測のムラを計測する必要のないローラを回転させても実用上問題ない。
【0060】
図1〜図8に示す空隙距離計測方法により非接触で回転するローラ部材Aとローラ部材Bの空隙距離を測定する空隙距離計測方法により次の効果が挙げられる。
1.実技検査を行うことなくローラ部材A、ローラ部材Bの良否を判定することが可能となった。
2.ローラ部材A、ローラ部材Bの良否の判定が人手に頼らないため検査工数が低減し検査の効率化が可能となった。
3.従来行われていた実技検査が官能検査であるのに対して、本発明の空隙距離計測方法は機器による計測検査であるため良否判定のバラツキがなくなり製品の信頼性の向上が可能となった。
【0061】
図1〜図8に示す空隙距離計測方法は電子写真装置における現像カートリッジの検査装置に適用することが可能である。尚、本発明で現像カートリッジとは少なくとも現像ローラとトナーを蓄える空間と現像ローラの表面へトナーを供給するための機構を有する交換可能な現像ユニットを示すが、感光体、帯電器、クリーニングブレード等のプロセス要素を含むものの総称である。
【0062】
図9は図1〜図8に示す空隙距離計測方法を使用した現像カートリッジの検査装置の模式図である。図9(a)は現像剤担持体までを有する現像カートリッジの検査装置の模式図である。図9(b)は現像剤担持体と像担持体とを有する現像カートリッジ(プロセスカートリッジ)の検査装置の模式図である。
【0063】
図9(a)に付き説明する。図中、4aは検査装置を示す。検査装置4aは現像カートリッジ5の現像剤担持体501(本発明のローラ部材Aに該当する)にAC電圧を印加する電源ユニット401と、現像剤担持体501にAC電圧を印加して行った時、放電により基準ローラ6(本発明のローラ部材Bに該当する)を介して流れる放電電流を検知する放電電流検知ユニット402と、放電電流検知ユニット402で検知した放電電流を記録処理する処理機403とを有している。基準ローラ6は誘電体、電気抵抗体、導電体であってもよい。尚、放電電流検知ユニット402は基準ローラ6が導電体の場合、現像剤担持体501の放電によるダメージを防止するために過電流制限抵抗402aを配設することが好ましい。図9(a)に示す検査装置4aを使用して現像カートリッジ5を検査するには、図8に示すフローに従って検査することが可能である。
【0064】
図9(b)に付き説明する。図中、4bは検査装置を示す。検査装置4bは現像カートリッジ(プロセスカートリッジ)7の現像剤担持体701(本発明のローラ部材Aに該当する)にAC電圧を印加する電源ユニット401と、現像剤担持体701にAC電圧を印加して行った時、放電により像担持体702(本発明のローラ部材Bに該当する)を介して流れる放電電流を検知する放電電流検知ユニット402と、放電電流検知ユニット402で検知した放電電流を記録処理する処理機403とを有している。像担持体702は誘電体、電気抵抗体、導電体であってもよい。尚、放電電流検知ユニット402は像担持体702が導電体の場合、現像剤担持体701の放電によるダメージを防止するために過電流制限抵抗402aを配設することが好ましい。図9(b)に示す検査装置4aを使用して現像カートリッジ5を検査するには、図8に示すフローに従って検査することが可能である。
【0065】
図9に示す現像カートリッジの検査装置を使用して現像カートリッジを検査することで次の効果が挙げられる。
1.実写検査を行うことなく現像カートリッジの良否を判定することが可能となった。
2.現像カートリッジの良否の判定が人手に頼らないため検査工数が低減し検査の効率化が可能となった。
3.従来行われていた実写検査が官能検査であるのに対して、本発明の空隙距離計測方法は機器による計測検査であるため良否判定のバラツキがなくなり製品の信頼性の向上が可能となった。
【0066】
次に、本発明に係わる現像剤担持体に付き説明する。
【0067】
現像剤担持体は、導電性の基体の上に弾性層、導電性物質を含む樹脂層及び表面コート層を有する構成が知られている。具体的な例としては、特開2006−30770号公報、同2006−58847号公報等に記載されている構成が挙げられる。
【0068】
次に、本発明に係わる像担持体に付き説明する。
【0069】
像担持体としては、ドラム状のアルミニウム基体上に、無機光導電性材料を用いた感光層や有機光導電性材料を用いた感光層を設けた構成が知られている。具体的な例としては、例えば特開2006−195428号公報、同2006−194933号公報、同2006−184426号公報、同2006−39596号公報、同2006−171401号公報、同2006−194932号公報、同2006−178295号公報等に記載されている構成が挙げられる。
【0070】
尚、本発明の現像カートリッジの検査は現像ローラ上にトナーが担持されていない状態で行うのが基本形態であるが、使用するトナーの抵抗が比較的高い場合にはカートリッジにトナーを充填して現像ローラ上にトナーの薄層が形成された状態であっても全く問題なく検査を実施して良否判定実施することが出来る。このようにトナーが現像ローラ上に担持された状態で検査可能な例として非磁性1成分トナーを挙げることが出来る。このため、生産ラインの構成の制約を受けることなく実施することが出来るという特徴を有している。
【実施例】
【0071】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0072】
実施例1
(現像カートリッジの検査装置の準備)
図9(a)に示す検査装置を準備した。基準ローラとしては、直径30mm、長さ250mm、表面粗さRZ(10点平均粗さ)0.2μmのアルミニウム製のローラを準備した。
【0073】
(現像カートリッジの準備)
コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製の未検査品の現像カートリッジ(製品名magicolor 2300DL用 黒トナーを充填済み)を10台準備し試料No.101〜110とした。比較の現像カートリッジとして、故意に現像剤担持体の芯振れ精度を変え空隙間距離の変動幅を大きくするように改造した現像カートリッジを作製し試料No.111〜115とした。
【0074】
(空隙間距離の測定)
準備した現像カートリッジNo.101〜115に付き、図8に示すフローに従って放電開始点から印加電圧を徐々に上げて行った時に空隙間距離の変化に伴い流れる放電電流の変化量から図7に示す放電特性曲線を作成した。
【0075】
空隙間距離の測定条件
基準ローラの回転数:65rpm
現像剤担持体の回転数:180rpm
基準ローラと現像剤担持体との設置間隙:150μm
現像剤担持体の印加電圧(Vpp)
AC電圧:1500〜2500V(周波数2000Hzの矩形波)
DC電圧:+135V
基準ドラムの印加電圧:−500V
放電開始後に上げる印加電圧(Vpp)
1ステップアップ印加電圧(Vpp):40V
2ステップアップ印加電圧(Vpp):80V
評価
作製した各現像カートリッジの合否判定を放電特性曲線から行い、合否判定の確認を以下に示す実技検査で行い以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表1に示す。
【0076】
放電特性曲線からの合否判定
作製した各試料No.101〜115の放電特性曲線から放電開始電圧、勾配(θ)を求め、予め決めた勾配(θ)の閾値に対し、低ければ不合格、高ければ合格とした。尚、閾値は0.003とした。
【0077】
合否判定の確認
準備した各試料No.101〜115に付き、合否判定の正当性を濃度バラツキで確認するため以下に示す方法で測定し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表1に示す。
【0078】
濃度バラツキの評価方法
評価装置として、市販のカラーレーザプリンタ「magicolor 2300DL2300DL(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」を用い、作製した現像カートリッジを装填して、常温低湿環境(20℃、10%RH)にてA4サイズにて反射濃度が概ね0.5となる中間調のプリントを行い、現像ローラの周期で現れる中間調画像の濃度バラツキの有無を目視で評価を行った。尚、評価は何れも黒のカートリッジに関して行い、他のイエロー、マゼンタ、シアンはダミーとして検査の対象としない現像カートリッジを装着して画像の出力を行った。
【0079】
濃度バラツキ
○:画像上に濃度バラツキが判別出来ず良好
△:画像上に濃度バラツキが若干判別出来るが、実用上問題ないレベル
×:画像上の濃度バラツキが顕著で画像品質が低下し、実用上の問題あり
【0080】
【表1】

【0081】
故意に周方向の空隙間距離の変動幅を大きくするように改造した比較試料No.111〜115は合否判定の結果から何れも不合格となり、又、濃度バラツキは製品化は出来ないレベルであることが確認され、本発明の有効性が確認された。
【0082】
実施例2
(現像カートリッジの検査装置の準備)
図9(b)に示す検査装置を準備した。
【0083】
(現像カートリッジ(プロセスカートリッジ)の検査装置の準備)
コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製の未検査品の現像カートリッジ(プロセスカートリッジ)(製品名magicolor 5430DL用 感光体あり、マゼンタトナーを充填済み)を10台準備し試料No.201〜210とした。比較の現像カートリッジ(プロセスカートリッジ)として、像担持体のアルミニウム素管やフランジの振れ精度、現像ローラの表面粗さ、現像ローラの振れ精度を変え、故意に現像剤担持体と像担持体との空隙間距離の変動幅を大きくするように改造した現像カートリッジ(プロセスカートリッジ)を作製し試料No.211〜215とした。
【0084】
(空隙間距離の測定)
準備した現像カートリッジNo.201〜215に付き、図8に示すフローに従って放電開始点から印加電圧を徐々に上げて行った時に空隙間距離の変化に伴い流れる放電電流の変化量から図7に示す放電特性曲線を作成した。
【0085】
空隙間距離の測定条件
像担持体の回転数:118rpm
現像剤担持体の回転数:331rpm
像担持体と現像剤担持体との設置間隙:150μm
現像剤担持体の印加電圧(Vpp)
AC電圧:1500〜2500V(周波数2000Hzの矩形波)
DC電圧:+135V
基準ドラムの印加電圧:−500V
放電開始後に上げる印加電圧(Vpp)
1ステップアップ印加電圧(Vpp):40V
2ステップアップ印加電圧(Vpp):80V
評価
作製した各現像カートリッジ(プロセスカートリッジ)の合否判定を放電特性曲線から行い、合否判定の確認を以下に示す実技検査で行い以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
【0086】
放電特性曲線からの合否判定
作製した各試料No.201〜215の放電特性曲線から放電開始電圧、勾配(θ)を求め、予め決めた勾配(θ)の閾値に対し、低ければ不合格、高ければ合格とした。尚、閾値は0.0025とした。
【0087】
合否判定の確認
準備した各試料No.201〜215に付き、合否判定の正当性を濃度バラツキで確認するため以下に示す方法で測定し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
【0088】
濃度バラツキの評価方法
評価装置として、市販のカラーレーザプリンタmagicolor 5430DL(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)を用い、作製した現像カートリッジ(プロセスカートリッジ)を装填して、常温低湿環境(20℃、10%RH)にてA4サイズにて反射濃度が概ね0.5となる中間調のプリントを行い、像担持体(感光体)と現像剤担持体(現像ローラ)の組合せの周期で現れる中間調画像の濃度のバラツキを目視で評価を行った。尚、評価は何れもマゼンタのカートリッジに関して行い、他の黒、イエロー、シアンはダミーとして検査の対象としない現像カートリッジを装着して画像の出力を行った。
【0089】
濃度バラツキ
○:画像上に濃度バラツキが判別出来ず良好
△:画像上に濃度バラツキが若干判別出来るが、実用上問題ないレベル
×:画像上の濃度バラツキが顕著で画像品質が低下し、実用上の問題あり
【0090】
【表2】

【0091】
故意に周方向の空隙間距離の変動幅を大きくするように改造した試料No.211〜215は合否判定の結果から何れも不合格となり、又、実技検査でも細線再現性、カブリ濃度、濃度バラツキ何れも製品化は出来ないことが確認され、本発明の有効性が確認された。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】非接触で回転するローラ部材Aとローラ部材Bとの状態を示す模式図である。
【図2】ローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離を計測する計測装置の模式図である。
【図3】ローラ部材Aとローラ部材Bとの放電特性の一例を示した概略図である。
【図4】ローラ部材Aとローラ部材Bとを回転させた時の空隙距離Dsと放電電流Irの関連を示す概略図である。
【図5】式3に示される関係を示す概略図である。
【図6】ローラ部材Aの周方向の位置とローラ部材Bとの空隙距離の変動幅の変化と放電電流との関係を示す概略図である。
【図7】ローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離Dsの変動幅ΔDsが変化した時の放電特性の一例を示した概略図である。
【図8】図2に示す計測装置を使用し、ローラ部材Aとローラ部材Bとの空隙距離を計測する時のフロー図である。
【図9】図1〜図8に示す空隙距離計測方法を使用した現像カートリッジの検査装置の模式図である。
【符号の説明】
【0093】
1 ローラ部材A
2 ローラ部材B
3 計測装置
301、401 電源ユニット
302、402 放電電流検知ユニット
302a、402a 過電流制限抵抗
4a、4b 検査装置
5 現像カートリッジ
501、701 現像剤担持体
6 基準ローラ
7 現像カートリッジ(プロセスカートリッジ)
702 像担持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向するローラ部材Aとローラ部材Bとの間にAC電圧を印加し、前記ローラ部材Aと、前記ローラ部材Bとの間の空隙距離を計測する空隙距離計測方法において、
少なくとも非接触の状態で前記ローラ部材Aと前記ローラ部材Bのどちらか一方を回転させながら、
前記AC電圧と流れた電流を測定することによって放電開始電圧Vsを求め、
前記放電開始電圧Vsを基点に前記AC電圧を上げた時の前記ローラ部材Aと、前記ローラ部材Bとの間の放電電流の変化量を測定することで、前記ローラ部材Aと前記ローラ部材Bとの間の空隙距離の回転による変動量を計測することを特徴とする空隙距離計測方法。
【請求項2】
前記ローラ部材Aが電子写真装置における現像剤担持体であり、ローラ部材Bが基準ローラであることを特徴とする請求項1に記載の空隙距離計測方法。
【請求項3】
前記ローラ部材Aが電子写真装置における像担持体であり、ローラ部材Bが基準ローラであることを特徴とする請求項1に記載の空隙距離計測方法。
【請求項4】
前記ローラ部材Aが電子写真装置における現像剤担持体であり、ローラ部材Bが電子写真装置における像担持体であることを特徴とする請求項1に記載の空隙距離計測方法。
【請求項5】
電子写真装置に使用する現像カートリッジの検査装置であって、
前記検査装置は、請求項1又は2に記載の空隙距離計測方法を用いたことを特徴とする現像カートリッジの検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−96243(P2008−96243A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277348(P2006−277348)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】