説明

窒化物単結晶の製造方法、窒化物単結晶、基板およびデバイス

【課題】より速い結晶育成速度で、高品質かつ高純度の結晶を作成することができる窒化物単結晶の製造方法、窒化物単結晶、基板およびデバイスを提供する。
【解決手段】III族元素を含む原料と、MeX(ここで、MeはB,Al,GaまたはInであり、XはF,Cl,BrまたはIであり、nは1〜3の整数である)を含む組成の鉱化剤と、アンモニアと、III族窒化物から成る種結晶32とを、反応容器11に入れる。反応容器11の内部で、460℃〜600℃の温度および80MPa〜150MPaの圧力で、アモノサーマル法により、種結晶32の表面に窒化物単結晶を成長させる。反応容器11は、Pt、Ir、Au、Ti、V、Zr、Nb、Ta、W、または、これらのうちの複数種類の元素から成る合金で、内壁面11bがライニングまたはコーティングされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物単結晶の製造方法、窒化物単結晶、基板およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
BN、AlN、GaN、InNのようなIII族窒化物の半導体は、直接遷移型のワイドバンドキャップエネルギーにより特徴づけられる。このため、可視光線から紫外線スペクトルの範囲をカバーする電子デバイスや光電子デバイス、光デバイスを製造するのに利用されている。
【0003】
従来、III族窒化物単結晶を製造する方法として、アモノサーマル法(安熱合成法)が利用されている。アモノサーマル法は、超臨界流体への溶解度の温度依存性を利用した結晶育成法であり、溶媒としてアンモニアを用いる。また、超臨界アンモニアへのIII族窒化物原料の溶解度が低いため、溶解度調製剤として酸性または塩基性の鉱化剤が添加される(例えば、特許文献1乃至8参照)。
【0004】
なお、塩基性鉱化剤を使用する場合、III族窒化物原料の溶解度の温度依存性が逆相関となるため、結晶育成温度が高温となり、高品質結晶の作成に有利であるが、高温高圧の育成条件(例えば、550℃、400MPa程度)が必要となる。また、塩基性鉱化剤が貴金属と反応するため、反応容器の防食に貴金属を使用することができず、反応容器の母材から遷移金属などの不純物が混入する可能性がある。さらに、デバイス製作の傷害となるアルカリ金属の不純物が混入する可能性もある。
【0005】
一方、酸性鉱化剤を使用する場合、III族窒化物原料の溶解度の温度依存性が正の相関となるため、比較的低温で結晶を育成することができる。また、低温での育成により結晶中に立方晶が混入することがあるが、六方晶の種結晶を使用することにより、種結晶の上に成長する結晶が六方晶の単相となり、立方晶の混入を防いで高品質の結晶を得ることができる。さらに、酸性鉱化剤は貴金属と反応しないため、反応容器の防食に貴金属を使用することにより、反応容器の腐食を完全に防ぐことができ、反応容器の母材からの不純物の混入を防止することができる。このように、酸性鉱化剤を使用することにより、高品質かつ高純度の結晶を作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6656615号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0234946号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/0209191号明細書
【特許文献4】国際公開2010/005914号
【特許文献5】特開2007−238346号公報
【特許文献6】特開2007−290921号公報
【特許文献7】特開2008−120672号公報
【特許文献8】特表2010−507562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
III族窒化物単結晶の製造に際して、工業的に実用化するためには、低価格かつ高品質のバルク結晶を得なければならず、10μm/時程度の結晶育成速度が必要とされている。しかしながら、特許文献1乃至8に記載のような従来のアモノサーマル法を利用したIII族窒化物単結晶の製造方法では、酸性鉱化剤を使用しても、塩基性鉱化剤を使用しても、結晶育成速度が数μm/時程度であり、さらなる結晶育成速度の高速化が望まれている。
【0008】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、より速い結晶育成速度で、高品質かつ高純度の結晶を作成することができる窒化物単結晶の製造方法、窒化物単結晶、基板およびデバイスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る窒化物単結晶の製造方法は、III族元素を含む原料と、MeX(ここで、MeはB,Al,GaまたはInであり、XはF,Cl,BrまたはIであり、nは1〜3の整数である)を含む組成の鉱化剤と、アンモニアと、III族窒化物から成る種結晶とを反応容器に入れ、アモノサーマル法により、前記種結晶の表面に窒化物単結晶を成長させることを、特徴とする。
【0010】
本発明に係る窒化物単結晶の製造方法で、前記鉱化剤は、(NH)−(MeX)(ここで、XはCl,BrまたはIである)の組成を有していることが好ましい。また、前記鉱化剤は、x(NH)−y(MeX)(ここで、0mol%<x<100mol%、0mol%<y<100mol%、x+y=100mol%である)の組成を有していてもよい。
【0011】
本発明に係る窒化物単結晶の製造方法は、新たな酸性鉱化剤であるMeX(ここで、MeはB,Al,GaまたはInであり、XはF,Cl,BrまたはIであり、nは1〜3の整数である)を含む組成の鉱化剤を使用することにより、数μm/時〜5μm/時程度の結晶成長速度が得られ、従来の鉱化剤を使用した場合と比べてより速い結晶成長速度で窒化物単結晶を製造することができる。また、この鉱化剤は、不純物の元となる水および酸素の影響を受けにくいため、高品質かつ高純度の結晶を作成することができる。
【0012】
また、本発明に係る窒化物単結晶の製造方法で、前記反応容器は内壁面が耐酸性であることが好ましい。特に、前記反応容器は、Pt、Ir、Au、Ti、V、Zr、Nb、Ta、W、または、これらのうちの複数種類の元素から成る合金で、内壁面がライニングまたはコーティングされていることが好ましい。これらの場合、酸性鉱化剤による反応容器の腐食を防ぐことができ、反応容器の母材からの不純物の混入を防止することができる。
【0013】
本発明に係る窒化物単結晶の製造方法は、前記反応容器内で、460℃〜600℃の温度および80MPa〜150MPaの圧力で窒化物単結晶を成長させることが好ましい。この場合、酸性鉱化剤を使用することにより、塩基性鉱化剤を使用する場合と比べて容易に実施可能な低温かつ低圧の条件で結晶を製造することができる。なお、反応容器は、窒化物単結晶の成長に必要な温度および圧力を実現可能なオートクレーブから成ることが好ましい。
【0014】
本発明に係る窒化物単結晶の製造方法で、前記鉱化剤は、粉状、圧搾された形状または多結晶バルク状であることが好ましい。本発明に係る窒化物単結晶の製造方法は、前記鉱化剤を前記原料と混合した後、前記反応容器内で窒化物単結晶を成長させてもよい。成長させた窒化物単結晶を新たな種結晶として、繰り返し窒化物単結晶を成長させてもよい。その際、種結晶として使用するために成長させる窒化物単結晶の大きさを、徐々に大きくしてもよい。
【0015】
また、III族窒化物から成る種結晶として、ウルツ鉱型構造などの六方晶系の結晶構造を有する種結晶を使用することにより、種結晶の表面に高品質の窒化物単結晶を成長させることができる。特に、本発明に係る窒化物単結晶の製造方法で、前記種結晶は、製造される窒化物単結晶と格子整合する結晶もしくは格子整合基板、またはパターンを刻んだ基板から成ることが好ましい。この場合、特に高品質の薄膜状またはバルク状の窒化物単結晶を得ることができる。また、種結晶がパターンを刻んだ基板から成る場合、格子不整合による結晶欠陥を防ぐことができるため、さらに高品質の窒化物単結晶を得ることができる。
【0016】
本発明に係る窒化物単結晶は、本発明に係る窒化物単結晶の製造方法により製造されることを、特徴とする。本発明に係る基板は、本発明に係る窒化物単結晶を用いて製造されることを、特徴とする。本発明に係るデバイスは、本発明に係る基板を用いて製造されることを、特徴とする。
【0017】
このように、本発明に係る窒化物単結晶の製造方法は、新たな酸性鉱化剤を使用して、高品質かつ高純度の本発明に係る窒化物単結晶を製造することができる。また、その窒化物単結晶を用いて、高品質かつ高純度の本発明に係る基板を製造することができる。さらに、その基板を用いて、高品質かつ高純度の本発明に係るデバイスを製造することができる。本発明に係るデバイスは、例えば、電子デバイスや光電子デバイス、光デバイス、ハイパワーエレクトロニクス分野で使用される各種デバイスから成る。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、より速い結晶育成速度で、高品質かつ高純度の結晶を作成することができる窒化物単結晶の製造方法、窒化物単結晶、基板およびデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態の窒化物単結晶の製造方法および窒化物単結晶の製造装置を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の窒化物単結晶の製造方法を示している。なお、本発明の実施の形態の窒化物単結晶は、本発明の実施の形態の窒化物単結晶の製造方法により製造される。本発明の実施の形態の基板は、本発明の実施の形態の窒化物単結晶を用いて製造される。本発明の実施の形態のデバイスは、本発明の実施の形態の基板を用いて製造される。
【0021】
本発明の実施の形態の窒化物単結晶の製造方法は、図1に示す窒化物単結晶の製造装置を使用して実施される。図1に示すように、窒化物単結晶の製造装置10は、反応容器11とバッフル板12とヒーター13とを有している。
【0022】
図1に示すように、反応容器11は、内部を所定の温度および圧力に保持可能なオートクレーブから成っている。反応容器11は、例えば、内部圧力を最高150MPaまで設定可能であり、その内部圧力および最高600℃程度の内部温度に耐え得るようになっている。反応容器11は、上部に、内部に原料などを入れるための、着脱可能かつ内部を密閉可能な蓋11aを有している。また、反応容器11は、Pt、Ir、Au、Ti、V、Zr、Nb、Ta、W、または、これらのうちの複数種類の元素から成る合金などの耐酸性の材質で、内壁面11bがライニングまたはコーティングされている。
【0023】
図1に示すように、バッフル板12は、反応容器11の内部の中間高さ付近に水平に設けられ、反応容器11の内部を上部の結晶成長空間21と下部の原料充填空間22とに区画している。バッフル板12は、開孔率が数%〜数十%程度であり、反応容器11と同様に、耐酸性の材質から成っている。バッフル板12は、1枚だけ設けられていても、複数枚設けられていてもよい。ヒーター13は、外部から反応容器11の内部を加熱可能に、反応容器11の側面を囲うよう設けられている。
【0024】
図1に示すように、本発明の実施の形態の窒化物単結晶の製造方法は、まず、III族元素を含む原料と鉱化剤とを、所定のモル比率で混合し、その混合物31を反応容器11の原料充填空間22に入れる。原料は、例えば、窒化ガリウム等のIII族窒化物の多結晶や、金属ガリウムなどのIII族元素から成る金属である。原料は、III族元素を含む多結晶や金属等のうち1種類のみから成っていてもよく、複数種類を混合したものから成っていてもよい。
【0025】
また、鉱化剤は、MeX(ここで、MeはB,Al,GaまたはInであり、XはF,Cl,BrまたはIであり、nは1〜3の整数である)を含む組成から成る酸性鉱化剤から成っている。鉱化剤は、MeXを含んでいればよく、例えば、(NH)−(MeX)(ここで、XはCl,BrまたはIである)の組成、または、x(NH)−y(MeX)(ここで、0mol%<x<100mol%、0mol%<y<100mol%、x+y=100mol%である)の組成から成っていてもよい。また、鉱化剤は、粉状、圧搾された形状または多結晶バルク状であることが好ましい。
【0026】
次に、反応容器11の内部にバッフル板12を設置した後、III族窒化物から成る種結晶32を、反応容器11の結晶成長空間21に白金(Pt)製のワイヤー33で吊り下げる。種結晶32は、製造する窒化物単結晶が格子整合するよう、ウルツ鉱型構造などの六方晶系の結晶構造を有する結晶もしくは基板、またはパターンを刻んだ基板から成っている。
【0027】
種結晶32を入れたならば、蓋11aを閉じて密封し、乾燥アルゴン(Ar)および窒素(N)で反応容器11を繰り返し洗浄する。洗浄後、反応容器11の内部に連通した導管(図示せず)から、精製したアンモニア(NH)を反応容器11の内部に充填する。その後、導管のバルブを閉じて完全に密閉し、クローズドシステム環境とする。
【0028】
クローズドシステム環境の状態で、反応容器11の内部を80MPa〜150MPaの圧力に保持する。また、同時にヒーター13で、反応容器11の内部を460℃〜600℃の温度に保持する。この温度圧力条件を数日〜半月程度保持し、アモノサーマル法により種結晶32の表面に窒化物単結晶を成長させる。
【0029】
窒化物単結晶の成長後、反応容器11を室温まで冷却し、導管からアンモニアを排出する。その後、アンモニア(NH)を完全に取り除くために、反応容器11の内部を真空にし、反応容器11を窒素(N)で洗浄する。洗浄後、蓋11aを開けて、反応容器11の内部から成長した窒化物単結晶を取りだす。
【0030】
このように、本発明の実施の形態の窒化物単結晶の製造方法によれば、新たな酸性鉱化剤であるMeXを含む組成の鉱化剤を使用することにより、高品質かつ高純度の、薄膜状またはバルク状の窒化物単結晶を製造することができる。また、窒化物単結晶の成長の際には、数μm/時〜5μm/時程度の結晶成長速度が得られ、従来の鉱化剤を使用した場合と比べてより速い結晶成長速度で窒化物単結晶を製造することができる。この鉱化剤は、不純物の元となる水および酸素の影響を受けにくいため、高品質かつ高純度の結晶を作成することができる。
【0031】
本発明の実施の形態の窒化物単結晶の製造方法では、反応容器11の内壁面11bやバッフル板12が耐酸性であるため、酸性鉱化剤による反応容器11やバッフル板12の腐食を防ぐことができる。このため、反応容器11やバッフル板12の母材からの不純物の混入を防止することができ、高純度の窒化物単結晶を得ることができる。また、種結晶32が、六方晶系の結晶構造を有しているため、高品質の窒化物単結晶を得ることができる。酸性鉱化剤を使用するため、塩基性鉱化剤を使用する場合と比べて低温かつ低圧の条件で結晶を製造することができ、実施が容易である。
【0032】
本発明の実施の形態の窒化物単結晶の製造方法により製造された、高品質かつ高純度の窒化物単結晶を用いることにより、高品質かつ高性能の基板や各種デバイスを製造することができる。
【実施例1】
【0033】
反応容器11として、体積30cmのオートクレーブを使用した。原料として多結晶GaN(粒径0.5〜2mm)を2.5gおよび金属Gaを0.3g、鉱化剤として粉末状のGaI(粒径0.5mm以下)を使用し、原料と鉱化剤のモル比率を10.0:1.0〜10.0:3.0とした。また、種結晶32として、六方晶(0001)GaNを使用した。反応容器11の内部を所定の温度および圧力にして数日〜10日間保持し、アモノサーマル法にて窒化物単結晶を成長させた。
【実施例2】
【0034】
反応容器11として、体積30cmのオートクレーブを使用した。原料として多結晶GaN(粒径0.5〜2mm)を2.1gおよび金属Gaを0.4g、鉱化剤として粉末状のGaBrを使用し、原料と鉱化剤のモル比率を10.0:1.0〜10.0:3.0とした。また、種結晶32として、六方晶(0001)GaNを使用した。反応容器11の内部を所定の温度および圧力にして数日〜10日間保持し、アモノサーマル法にて窒化物単結晶を成長させた。
【実施例3】
【0035】
反応容器11として、体積85cmのオートクレーブを使用した。原料としてGaN(粒径0.5〜2mm)、鉱化剤としてGaI−NHIの混合物を使用し、原料と鉱化剤のモル比率を8.0:1.0〜4.0:1.0とした。また、種結晶32として、六方晶(0001)GaNを使用した。また、バッフル板12を最大で2枚使用した。反応容器11の内部を所定の温度および圧力にして数日〜14日間保持し、アモノサーマル法にて窒化物単結晶を成長させた。
【実施例4】
【0036】
反応容器11として、体積85cmのオートクレーブを使用した。原料としてGaN(粒径0.5〜2mm)、鉱化剤としてGaBr−NHBrの混合物を使用し、原料と鉱化剤のモル比率を8.0:1.0〜3.0:1.0とした。また、種結晶32として、六方晶(0001)GaNを使用した。また、バッフル板12を最大で2枚使用した。反応容器11の内部を所定の温度および圧力にして数日〜14日間保持し、アモノサーマル法にて窒化物単結晶を成長させた。
【実施例5】
【0037】
反応容器11として、体積85cmのオートクレーブを使用した。原料としてGaN(粒径0.5〜2mm)、鉱化剤としてGaI−GaIの混合物を使用し、原料と鉱化剤のモル比率を5.0:1.0〜1.0:1.0とした。また、種結晶32として、六方晶(0001)GaNを使用した。また、バッフル板12を最大で2枚使用した。反応容器11の内部を所定の温度および圧力にして数日〜14日間保持し、アモノサーマル法にて窒化物単結晶を成長させた。
【実施例6】
【0038】
反応容器11として、体積85cmのオートクレーブを使用した。原料としてGaN(粒径0.5〜2mm)、鉱化剤としてGaBr−NHBrの混合物を使用し、原料と鉱化剤のモル比率を8.0:1.0〜3.0:1.0とした。また、種結晶32として、六方晶(0001)GaNを使用した。また、バッフル板12を最大で2枚使用した。反応容器11の内部を所定の温度および圧力にして数日〜14日間保持し、アモノサーマル法にて窒化物単結晶を成長させた。
【0039】
実施例1〜6で製造された結晶をX線回折法およびEDS(エネルギー分散型X線分光分析)法により分析したところ、全てウルツ鉱型構造を有するGaN結晶であることが確認された。また、結晶の成長時には、〈0001〉方向へ0.25〜3.8μm/時の結晶成長速度が確認された。結晶成長中には、最高で、〈0001〉方向へ5.0μm/時、〈11−20〉方向へ1.4μm/時の結晶成長速度が確認された。
【符号の説明】
【0040】
10 窒化物単結晶の製造装置
11 反応容器
11a 蓋
11b 内壁面
12 バッフル板
13 ヒーター
21 結晶成長空間
22 原料充填空間
31 混合物
32 種結晶
33 ワイヤー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
III族元素を含む原料と、MeX(ここで、MeはB,Al,GaまたはInであり、XはF,Cl,BrまたはIであり、nは1〜3の整数である)を含む組成の鉱化剤と、アンモニアと、III族窒化物から成る種結晶とを反応容器に入れ、アモノサーマル法により、前記種結晶の表面に窒化物単結晶を成長させることを、特徴とする窒化物単結晶の製造方法。
【請求項2】
前記鉱化剤は、(NH)−(MeX)(ここで、XはCl,BrまたはIである)の組成を有していることを、特徴とする請求項1記載の窒化物単結晶の製造方法。
【請求項3】
前記鉱化剤は、x(NH)−y(MeX)(ここで、0mol%<x<100mol%、0mol%<y<100mol%、x+y=100mol%である)の組成を有していることを、特徴とする請求項1記載の窒化物単結晶の製造方法。
【請求項4】
前記反応容器は内壁面が耐酸性であることを、特徴とする請求項1、2または3記載の窒化物単結晶の製造方法。
【請求項5】
前記反応容器は、Pt、Ir、Au、Ti、V、Zr、Nb、Ta、W、または、これらのうちの複数種類の元素から成る合金で、内壁面がライニングまたはコーティングされていることを、特徴とする請求項4記載の窒化物単結晶の製造方法。
【請求項6】
前記反応容器内で、460℃〜600℃の温度および80MPa〜150MPaの圧力で窒化物単結晶を成長させることを、特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の窒化物単結晶の製造方法。
【請求項7】
前記鉱化剤は、粉状、圧搾された形状または多結晶バルク状であることを、特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の窒化物単結晶の製造方法。
【請求項8】
前記鉱化剤を前記原料と混合した後、前記反応容器内で窒化物単結晶を成長させることを、特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の窒化物単結晶の製造方法。
【請求項9】
前記種結晶は、製造される窒化物単結晶と格子整合する結晶もしくは格子整合基板、またはパターンを刻んだ基板から成ることを、特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の窒化物単結晶の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の窒化物単結晶の製造方法により製造されることを、特徴とする窒化物単結晶。
【請求項11】
請求項10記載の窒化物単結晶を用いて製造されることを、特徴とする基板。
【請求項12】
請求項11記載の基板を用いて製造されることを、特徴とするデバイス。


【図1】
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【公開番号】特開2012−17212(P2012−17212A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153621(P2010−153621)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】