説明

窒素含有ヘテロアリール誘導体

フラビウイルス科のウイルス感染症を治療するための式(I)の化合物、組成物、および方法を開示する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、製薬化学の分野、特にフラビウイルス科のウイルスによって少なくとも部分的に媒介される哺乳類のウイルス感染症を治療するための化合物、組成物、および方法に関する。なお、本出願は、その出願の全内容物が本明細書に組み入れられる、2003年6月4日に提出された米国特許出願第60/476,141号の恩典を主張する。
【0002】
参考文献
以下の参考文献を本出願において上付き文字で引用する:

【0003】
上記の出版物および出願は、それぞれの個々の出版物または出願が、その全内容物が参照により組み入れられることが特におよび個々に示される場合と同じ程度に、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0004】
技術の現状
フラビウイルス科のウイルスは、三つの属からなる:ペスチウイルス、フラビウイルス、およびヘパシウイルス(C型肝炎ウイルス)。これらの属の中で、フラビウイルスおよびヘパシウイルスは、ヒトの重要な病原体であり、世界中に存在する。ヒト疾患に関連するフラビウイルスは、デング熱ウイルス、黄熱病ウイルス、および日本脳炎ウイルスを含め、38種存在する。フラビウイルスは、広範な急性熱性疾患ならびに脳および出血性疾患を引き起こす。ヘパシウイルスは現在、世界の人口の約2〜3%に感染しており、慢性肝疾患、肝硬変、肝細胞癌、および肝不全に至る持続的な感染症を引き起こす。ヒトペスチウイルスは、動物のペスチウイルスとしての特徴が詳細に示されていない。しかし、血清学的調査から、ヒトにおけるかなりのペスチウイルス曝露が示されている。ヒトにおけるペスチウイルス感染症は、先天性の脳損傷、小児胃腸炎、およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)陽性患者における慢性的な下痢1-6が含まれるがこれらに限定されないであろういくつかの疾患に関与している。
【0005】
現在、ペスチウイルスまたはフラビウイルス感染症を予防または治療するための抗ウイルス薬はない。ヘパシウイルス、すなわちC型肝炎ウイルス(HCV)感染症の場合、インターフェロンα(IFN)が現在、米国における唯一の承認薬である。HCVは、輸血後肝炎および散発性の非A非B肝炎の主要な原因物質である。HCV感染症は、慢性的に感染した(しかも伝染性の)保因者の高い割合において潜伏しており、保因者は何年ものあいだ臨床症状を示さない可能性がある。
【0006】
現在、慢性HCVに関して唯一の許容される治療はインターフェロン(IFN-α)であるが、これは少なくとも6ヶ月間の治療を必要として、および/または感染細胞においてウイルス複製を阻害して、人によっては肝機能も改善することができるリババリンを必要とする。
【0007】
IFN-αは、抗ウイルス、免疫調節、および抗腫瘍活性のような生物作用を特徴とする天然に存在する小さいタンパク質ファミリーに属し、いくつかの疾患、特にウイルス感染症に反応したほとんどの動物有核細胞によって産生および分泌される。IFN-αは、細胞間連絡および免疫学的制御に影響を及ぼす重要な増殖分化調節物質である。しかし、インターフェロンによるHCVの治療は、長期の有効性が限られており、反応率は約25%である。さらに、インターフェロンによるHCVの治療はしばしば、疲労、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、軽度の脱毛、精神作用および関連障害、自己免疫現象および関連障害、ならびに甲状腺機能障害のような有害な副作用に関連している。
【0008】
リバビリン(1-β-D-リボフラノシル-1 H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド)は、イノシン5'-一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害剤であり、HCVの治療においてIFN-αの有効性を増強する。リバビリンの導入にもかかわらず、50%より多い患者が、現行の標準的なインターフェロン-α(IFN)およびリバビリン治療によってウイルスを消失しない。現在までに、慢性C型肝炎ウイルスの標準治療は、PEG-IFNプラスリバビリンの組み合わせに変更されている。しかし、多くの患者がなおも、主にリバビリンに関連した有意な副作用を示す。リバビリンは、現在の推奨用量で治療した患者の10〜20%において有意な溶血を引き起こし、薬物は催奇形性であり、しかも胎児毒性を有する。
【0009】
ウイルスと戦うためにその他のアプローチが講じられている。それらには、例えばHCV複製を阻害するためにアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはリボザイムを応用することが含まれる。さらに、HCVタンパク質を直接阻害して、ウイルス複製を妨害する低分子量化合物は、HCV感染症を制御するための魅力的な戦略であると考えられている。NS3/4Aセリンプロテアーゼ、リボ核酸(RNA)ヘリカーゼ、RNA-依存的RNAポリメラーゼは、新薬に関して可能性がある標的であると見なされている7,8
【0010】
Devosら9は、プリンおよびピリミジンヌクレオシド誘導体ならびにHCV RNA複製の阻害剤としてのその使用に関して記述している。Sommadossiら10は、1'、2'、または3'-改変ヌクレオシドについて、およびHCVに感染した宿主を治療するためにそれを用いることに関して記述している。Carrollら11,12は、RNA依存的RNAウイルスポリメラーゼの阻害剤としてのヌクレオシドを記述している。
【0011】
HCVおよびフラビウイルス科に属する他のウイルスの世界中の流行レベルに関する事実を考慮すると、フラビウイルス科のウイルスの治療に関して新しい有効な薬剤が強く必要である。本発明は、そのような感染症を治療するための化合物を提供する。
【発明の開示】
【0012】
発明の概要
本発明は、HCVのようなフラビウイルス科に属するウイルスによって少なくとも部分的に媒介される哺乳類のウイルス感染症の治療において有用である新規化合物に向けられる。詳しくは、本発明の化合物は以下の式(I)によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩である。:

式中、
R1は、-OR7および-NR8R9からなる群より選択され、式中R7は水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R8およびR9は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立して選択されるか、またはR8およびR9は、それに垂下する窒素原子と共に複素環または置換複素環基を形成し;
R2およびR12は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立して選択 されるか、またはR2およびR12は、それに垂下する炭素原子と共に、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環、または置換複素環基を形成し;
R3は、水素およびアルキルからなる群より選択され;またはR2およびR3は、R2に垂下する炭素原子およびR3に垂下する窒素原子と共に、複素環または置換複素環基を形成し;
それぞれのR4は、ハロ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、シアノ、およびヒドロキシルからなる群より独立して選択され;
Qは、-O-、-S(O)q-、および-N(R3)-からなる群より選択され、R3は上記の通りであり、qは0、1または2であり;
Xは、酸素、硫黄および=NR11からなる群より選択され、R11は、水素またはアルキルであり;
R5は、アルキレンまたは置換アルキレンであり;
R6は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;かつ
nは0〜3である。
【0013】
一つの態様において、R12はHであり、R2は、アミノ酸、好ましくはL-アミノ酸の側鎖である。
【0014】
一つの態様において、式Iの化合物は、以下の式Iaの構造を有する:

式中、R2、R3、R4、R6、R7およびnは上記の通りである。
【0015】
本発明のなお他の好ましい態様は、以下の式Ibの化合物によって表されるか、またはその薬学的に許容される塩である:

式中、
R2、R3、R4、R7およびnは上記の通りであり、
それぞれのR10は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、およびR8およびR9が上記の通りである-C(O)NR8R9からなる群より独立して選択され;かつ
pは0〜5である。
【0016】
本発明のもう一つの態様において、本発明の化合物は以下の式IIによって表されるか、またはその薬学的に許容される塩である:

式中、
R2、R3、R4、R6、R8、R9、およびnは上記の通りである。
【0017】
なおもう一つの態様において、本発明の化合物は以下の式IIIによって表されるか、またはその薬学的に許容される塩である:

式中、R4、R6、R8、R9、およびnは上記の通りであって、Zは水素、ヒドロキシ、ハロ、アルキル、およびアリールからなる群より選択され、Yは-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2O(モルフォリノ)、-CH2CH2S-(チオモルフォリノ)、-CH2CH2NH-(ピペラジニル)からなる群より選択される。
【0018】
本発明のもう一つの態様において、本発明の化合物は以下の式IVによって表されるか、またはその薬学的に許容される塩である:

式中、
Z、Y、R4、R8、R10、pおよびnは、上記の通りである。
【0019】
本出願の代表的な化合物を下記の表に示す。
【0020】
【表1】

【0021】
【表2】

【0022】
【表3】

【0023】
本発明の範囲に含まれる化合物には、例えば以下に記載される化合物(その薬学的に許容される塩を含む)が含まれる:
2-{[2-(4-ベンジルオキシ-フェニル)-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル]-アミノ}-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸(化合物76);
2-[(1-シクロヘキシル-2-{2-フルオロ-4-[3-(アミノカルボニル)-6-(4-クロロフェニル)ベンジルオキシ]-フェニル}-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸(化合物61);
2-[(2-{4-[2-ブロモ-5-(4-ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ベンジルオキシ]-2-フルオロ-フェニル}-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸(化合物65);
2-[(1-シクロヘキシル-2-{2-フルオロ-4-[3-(4-ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ベンジルオキシ]-フェニル}-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸(化合物66);
2-(4-ベンジルオキシ-フェニル)-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸[1-カルバモイル-2-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-エチル]-アミド(化合物77);
2-[(2-{4-[4'-クロロ-4-(4-ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ビフェン-2-イルメトキシ]-2-フルオロ-フェニル}-1-シクロヘキシル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸(化合物64);
2-({1-シクロヘキシル-2-[4-(ナフタレン-2-イルメトキシ)-フェニル]-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル}-アミノ)-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸(化合物80);および
3-(4-{[1-({2-[4-(4-カルバモイル-4'-クロロ-ビフェン-2-イルメトキシ)-2-フルオロ-フェニル]-1-シクロヘキシル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル}-アミノ)-シクロペンタンカルボニル]-アミノ}-フェニル)-アクリル酸(化合物83)。
【0024】
本発明のなおもう一つの態様において、薬学的に許容される希釈剤および本明細書に記述の一つまたはそれ以上の化合物の治療的有効量を含む薬学的組成物が提供される。
【0025】
本発明のなおもう一つの態様において、上記の薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、ウイルス感染症がHCVのようなフラビウイルス科に属するウイルスによって少なくとも部分的に媒介される、哺乳類におけるウイルス感染症を治療または予防する方法が提供される。
【0026】
本発明のなおもう一つの態様において、本発明の化合物が、HCVに対して活性な一つまたはそれ以上の薬剤の治療的有効量の投与と組み合わせて投与される、哺乳類におけるウイルス感染症を治療または予防する方法が提供される。HCVに対して活性な薬剤には、リバビリン、レボビリン、サイモシンα-1、NS3セリンプロテアーゼ阻害剤、およびイノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、インターフェロン-α、PEG化インターフェロン-αの単独、またはリバビリンもしくはレボビリンとの組み合わせが含まれる。好ましくは、HCVに対して活性なさらなる薬剤は、インターフェロン-α、またはPEG化インターフェロン-αの単独またはリバビリンもしくはレボビリンとの組み合わせである。
【0027】
発明の詳細な説明
本発明は、フラビウイルス科のウイルス感染症を治療するための化合物、組成物、および方法に向けられる。しかし、本発明を詳細に記述する前に、以下の用語を最初に定義する:
【0028】
定義
本発明を詳細に記述する前に、特に明記していなければ、如何なる特定の組成物または薬学的担体もそれらが変化する可能性があることから、本発明はそれらに限定されないと理解すべきである。同様に、本明細書において用いた用語は、特定の態様を記述する目的に限って示され、本発明の範囲を制限すると意図されないと理解すべきである。
【0029】
本明細書および請求の範囲において用いられるように、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「それ(the)」には、本文が明らかにそうでないことを明記している場合を除き、複数形が含まれる。このように、例えば、組成物における「薬学的に許容される希釈剤」という用語には、二つまたはそれ以上の薬学的に許容される希釈剤等が含まれる。
【0030】
以下の本明細書および請求の範囲において、多数の用語が参照されるが、それらは以下の意味を有するように定義されるであろう。
【0031】
本明細書において用いられるように、「アルキル」とは、炭素原子1〜10個、好ましくは炭素原子1〜5個、より好ましくは炭素原子1〜3個を有する一価のアルキル基を指す。この用語の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル等のような基である。
【0032】
「置換アルキル」とは、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より独立して選択される置換基1〜3個、好ましくは置換基1〜2個を有するアルキル基を指す。
【0033】
本明細書において用いられるように、「アルキレン」は、炭素原子1〜10個、好ましくは炭素原子1〜5個、より好ましくは炭素原子1〜3個を有する二価のアルキル基を指す。この用語の例は、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレン等のような基である。
【0034】
「置換アルキレン」とは、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より独立して選択される置換基1〜3個、好ましくは置換基1〜2個を有するアルキレン基を指す。
【0035】
「アルコキシ」は、「アルキル-O-」基を指し、これには例としてメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロピキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ等が含まれる。
【0036】
「置換アルコキシ」は、「置換アルキル-O-」基を指す。
【0037】
「アシル」は、H-C(O)-、アルキル-C(O)-、置換アルキル-C(O)-、アルケニル-C(O)-、置換アルケニル-C(O)-、アルキニル-C(O)-、置換アルキニル-C(O)-、シクロアルキル-C(O)-、置換シクロアルキル-C(O)-、アリール-C(O)-、置換アリール-C(O)-、ヘテロアリール-C(O)-、置換ヘテロアリール-C(O)-、複素環-C(O)-、および置換複素環-C(O)-基を指す。
【0038】
「アシルアミノ」は、-C(O)NRR基を指し、それぞれのRが水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より独立して選択され、それぞれのRがそれに垂下する窒素原子と共に結合して複素環または置換複素環を形成する。
【0039】
「アシルオキシ」は、アルキル-C(O)O-、置換アルキル-C(O)O-、アルケニル-C(O)O-、置換アルケニル-C(O)O-、アルキニル-C(O)O-、置換アルキニル-C(O)O-、アリール-C(O)O-、置換アリール-C(O)O-、シクロアルキル-C(O)O-、置換シクロアルキル-C(O)O-、ヘテロアリール-C(O)O-、置換ヘテロアリール-C(O)O-、複素環-C(O)O-、および置換複素環-C(O)O-基を指す。
【0040】
「アルケニル」は、炭素原子2〜6個、より好ましくは炭素原子2〜4個、およびアルケニル不飽和部位少なくとも1個、および好ましくは1〜2個を有するアルケニル基を指す。
【0041】
「置換アルケニル」は、如何なるヒドロキシル置換もビニル炭素原子に垂下しない条件で、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より独立して選択される、置換基1〜3個、好ましくは置換基1〜2個を有するアルケニル基を指す。
【0042】
「アルキニル」は、炭素原子2〜6個、より好ましくは炭素原子2〜3個を有し、アルキニル不飽和部位少なくとも1個、好ましくは1〜2個を有するアルキニル基を指す。
【0043】
「置換アルキニル」は、如何なるヒドロキシル置換もアセチレン炭素元素に垂下しない条件で、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より独立して選択される置換基1〜3個、好ましくは置換基1〜2個を有するアルキニル基を指す。
【0044】
「アミノ」は-NH2基を指す。
【0045】
「置換アミノ」は、-NR'R"基を指し、式中R'およびR"は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より独立して選択され、R'およびR"は、R'およびR"がいずれも水素ではない条件で、それに結合する窒素と共に複素環または置換複素環を形成する。R'が水素であって、R"がアルキルである場合、置換アミノ基は時に、本明細書においてアルキルアミノと呼ばれる。R'およびR"がアルキルである場合、置換アミノ基は、本明細書においてジアルキルアミノと呼ばれる。
【0046】
「アミノアシル」は、-NR'''C(O)アルキル、-NR'''C(O)置換アルキル、-NR'''C(O)-シクロアルキル、-NR'''C(O)置換シクロアルキル、-NR'''C(O)アルケニル、-NR'''C(O)置換アルケニル、-NR'''C(O)アルキニル、-NR'''C(O)置換アルキニル、-NR'''C(O)アリール、-NR'''C(O)置換アリール、-NR'''C(O)ヘテロアリール、-NR'''C(O)置換ヘテロアリール、-NR'''C(O)複素環、およびR'''が水素またはアルキルである-NR'''C(O)置換複素環基を指す。
【0047】
「アリール」または「Ar」は、単一の環(例えばフェニル)を有する、または結合点が芳香族炭素原子上に存在する条件で、縮合環が芳香族であってもなくてもよい(例えば、2-ベンズオキサゾリノン、2H-1,4-ベンズオキサジン-3(4H)-オン-7-イル等)多数の縮合環(例えば、ナフチルまたはアンスリル)を有する、炭素原子6〜14個の一価芳香族炭素環基を指す。好ましいアリールには、フェニルおよびナフチルが含まれる。
【0048】
「置換アリール」は、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、チオール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシからなる群より独立して選択される置換基1〜3個、好ましくは置換基1〜2個によって置換されたアリール基を指す。
【0049】
「アリールオキシ」は、アリール-O-基を指し、これには例としてフェノキシ、ナフトキシ等が含まれる。
【0050】
「置換アリールオキシ」は、置換アリール-O-基を指す。
【0051】
「カルボキシル」は、-COOHまたはその塩を指す。
【0052】
「カルボキシルエステル」は、アルキル、置換アルキル、アリール、および置換アリールが本明細書において定義されたとおりである、-C(O)O-アルキル、-C(O)O-置換アルキル、-C(O)O-アリール、-C(O)O-置換アリール基を指す。
【0053】
「シクロアルキル」は、例としてアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル等が含まれる単環または多数の環を有する炭素原子3〜10個の環状アルキル基を指す。
【0054】
「置換シクロアルキル」は、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および環状複素環からなる群より独立して選択される置換基1〜5個を有するシクロアルキル基を指す。
【0055】
「シクロアルコキシ」は、-O-シクロアルキル基を指す。
【0056】
「置換シクロアルコキシ」は、-O-置換シクロアルキル基を指す。
【0057】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを指し、好ましくはフルオロまたはクロロである。
【0058】
「ヘテロアリール」は、炭素原子1〜15個、好ましくは炭素原子1〜10個、および環内に酸素、窒素、および-S(O)q(qはゼロ、1または2)からなる群より選択されるヘテロ原子1〜4個の芳香族基を指す。そのようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジルまたはフリル)または多数の縮合環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有しうる。好ましいヘテロアリールには、ピリジル、ピロリル、インドリル、チオフェニル、およびフリルが含まれる。
【0059】
「置換ヘテロアリール」は、置換アリールに関して定義される同じ基の置換基から独立して選択される置換基1〜3個によって置換されたヘテロアリール基を指す。
【0060】
「ヘテロアリールオキシ」は、-O-ヘテロアリール基を指し、「置換ヘテロアリールオキシ」は、-O-置換ヘテロアリール基を指す。
【0061】
「複素環」または「複素環の」は、炭素原子1〜10個、および結合点が複素環原子である条件で、融合環系において、一つまたはそれ以上の環がアリールまたはヘテロアリールとなりうる環内に窒素、硫黄、または酸素からなる群より選択されるヘテロ原子1〜4個からなる単環または多数の縮合環を有する飽和または不飽和基を指す。
【0062】
「置換複素環」は、置換シクロアルキルに関して定義された置換基と同じ置換基1〜3個によって置換された複素環基を指す。
【0063】
複素環およびヘテロアリール基の例には、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリジン、アクリジン、フェナンスロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルフォリニル、チオモルフォリニル(チアモルフォリニルとも呼ばれる)、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニル等が含まれるがこれらに限定されない。
【0064】
「ヘテロシクリルオキシ」とは、-O-複素環基を指し、「置換ヘテロシクリルオキシ」とは、-O-置換複素環基を指す。
【0065】
「アミノ酸」という用語は、式HR19NCH(R2)COOHのα-アミノ酸を指し、式中R2はアミノ酸の鎖として先に定義した通りであり、R19は水素、アルキル、置換アルキル、またはアリールである。
【0066】
「薬学的に許容される塩」は、当技術分野で周知の多様な有機および無機対イオンに由来する、化合物の薬学的に許容される塩を指し、例としてナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム等が含まれる;そして分子が塩基性の官能基を含む場合、塩酸、臭化水素酸、酒石酸、メシル酸、酢酸、マレイン酸、シュウ酸等のような有機または無機酸の塩が含まれる。
【0067】
先に定義した全ての置換基において、それらに対するさらなる置換基によって置換基を定義することによって得られたポリマー(例えば、それ自身が置換アリール基によって置換される置換基として置換アリール基を有する置換アリール)は、本明細書に含まれないと意図されると理解される。そのような場合、そのような置換基の最大数は3である。すなわち、上記の定義のそれぞれは、例えば、置換アリール基が-置換アリール-(置換アリール)-置換アリールに限定されるという制限によって限定される。
【0068】
同様に、上記の定義には、許容されない置換パターン(例えば、メチルをエテニルまたはアセチレン不飽和に対してα位の5フルオロ基またはヒドロキシル基に置換)は含まれないと意図されると理解すべきである。そのような許容されない置換パターンは当業者に周知である。
【0069】
一般的な合成法
本発明の化合物は、以下の一般的な方法および技法を用いて容易に入手できる開始材料から調製することができる。典型的または好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応対のモル比、溶媒、圧力等)が与えられれば、特に明記していなければ、他のプロセス条件も同様に用いることができると認識されるであろう。最適な反応条件は、用いる特定の反応体または溶媒に応じて変化する可能性があるが、そのような条件は、通常の最適化技法によって当業者によって決定することができる。
【0070】
さらに、当業者に明らかなように、特定の官能基が望ましくない反応を受けることを防止するために、通常の保護基が必要である可能性がある。様々な官能基に関する適した保護基と共に、特定の官能基を保護および脱保護するための適した条件は当技術分野で周知である。例えば、多数の保護基が、T.W. Greene and G.M. Wuts、「Protecting Groups in Organic Synthesis」、第二版、Wiley、ニューヨーク州、1991およびそこに引用されている参考文献に記述されている。
【0071】
さらに、本発明の化合物は典型的に、一つまたはそれ以上のカイラル中心を含むであろう。したがって、望ましければそのような化合物は、純粋な立体異性体として、すなわち個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマーとして、または立体異性体に富む混合物として調製または単離することができる。そのような立体異性体(および濃縮混合物)は全て、特に明記していなければ本発明の範囲に含まれる。純粋な立体異性体(または濃縮混合物)は、例えば当技術分野で周知の光学活性開始材料または立体選択的試薬を用いて調製してもよい。または、そのような化合物のラセミ混合物は、例えばカイラルカラムクロマトグラフィー、カイラル分解物質等を用いて分離することができる。
【0072】
以下の合成プロトコールは、本明細書に記述の化合物を調製するための全般的な方法を説明する。特に、下記の合成スキームIは、本発明の化合物の調製のための一つの方法を説明する。
【0073】
スキーム1

式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R12およびnは、上記の通りであり、Lは脱離基である。
【0074】
上記のスキーム1において、選択的に置換されたp-シアノフェノール、化合物1は、化合物1を無水塩酸のメタノール溶液に接触させることによって、対応するメトキシイミド塩酸塩、化合物2に変換される。反応は、通常の条件、好ましくは約0℃〜室温までの温度で行う。反応は、実質的に完了するまで、典型的に約1〜12時間継続する。反応が完了した後、得られたメトキシイミド塩酸塩、化合物2を、抽出、濾過、沈殿等のような通常の技術によって回収することができる;または精製および/または単離を行わずに次の段階において用いることができる。
【0075】
次に、メトキシイミド塩酸塩、化合物2を、環形成を行う条件でメチル3-アミノ-4-シクロヘキシルアミノベンゾエート、化合物3の少なくとも化学量論的同等物に接触させる。反応は好ましくは、無水メタノール、無水エタノール等のようなプロトン性溶媒において不活性大気中で約50℃〜約75℃の上昇した温度で好ましくは環流しながら行う。反応は、実質的に完了するまで、典型的に約1〜24時間継続する。反応が完了した後、得られた2-(選択的に置換されたp-ヒドロキシ-フェニル)ベンズイミダゾール、化合物4を、中和、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、濾過等のような通常の技術によって回収することができる;または精製および/または単離を行わずに次の段階において用いることができる。
【0076】
または、この段階の反応順序は、市販の4-ヒドロキシベンズアルデヒド(示していない)を化合物3と共に利用することができる。反応は、少量の水およびOxone(登録商標)の存在下でDMFのような適した溶媒中で行う。反応は好ましくは、約0℃〜約40℃の上昇した温度で行う。反応は実質的に完了するまで、典型的に約1〜10時間継続する。反応が完了した後、化合物4を、中和、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、濾過等のような通常の技術によって回収することができる;または精製および/または単離を行わずに次の段階において用いることができる。
【0077】
次に、2-(選択的に置換されたp-ヒドロキシフェニル)ベンズイミダゾール、化合物4を、当技術分野で周知の方法によって、対応する置換アルコキシ誘導体である化合物6に誘導体化する。一つの好ましい方法において、化合物4を、DMF、アセトン、2-ブタノン等のような不活性希釈剤中で、炭酸カリウムのような適したアルカリまたはアルカリ土類の塩に接触させて、ヒドロキシル基のアルカリまたはアルカリ土類金属塩を形成する。この塩は一般的に単離しないが、インサイチューで置換アルキル化合物L-R5-R6(式中、Lはクロロ、ブロモ、ヨード、メシレート、トシレート等のような脱離基である)の少なくとも一等量と反応させると、エーテルを生じる。反応は好ましくは、約50℃〜約100℃の上昇した温度で行う。反応は、実質的に完了するまで、典型的に約1〜10時間継続する。反応が完了した後、対応するアルコキシド誘導体である化合物6を、中和、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、濾過等のような通常の技術によって回収することができる;または精製および/または単離を行わずに次の段階において用いることができる。
【0078】
本反応において用いられる置換アルキルハロゲン化物の例には、(1-ブロモエチル)ベンゼン、t-ブチル-3-(ブロモメチル)-4-ブロモベンゾエート、メチル-4-ブロモベンゾエート等が含まれるがこれらに限定されない。好ましい態様において、置換アルキルハロゲン化物がカルボキシル基に置換されている場合、この基は、ベンズイミダゾール基に直接結合したカルボキシル基と比較して直交方向に保護される。そのような直交方向の保護によって、このカルボキシル基はベンズイミダゾール基に直接結合したカルボキシル基と比較して異なるように誘導体化されうる。
【0079】
次に、化合物6のメチルカルボキシルエステルを通常の加水分解技法によって対応する酸官能基に変換して化合物7を得て、これを中和、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、濾過等のような通常の技術によって回収することができ;または精製および/または単離を行わずに次の段階において用いることができる。
【0080】
化合物7の酸官能基を、当技術分野で周知の通常のカップリング条件を用いて化合物8の一級または二級アミノ基にカップリングさせる。例えば、このカップリング反応は、カルボジイミド、BOP試薬(ベンゾトリアゾル-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスホネート)等のような周知のカップリング試薬を用いて行うことができる。適したカルボジイミドには、例としてジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-(3-ジメチルアミノ-プロピル)-3-エチルカルボジイミド(EDC)等が含まれる。望ましければ、例えば、Tetrahedron Letters 34(48)、7685(1993)に記載されるものを含むカルボジイミドカップリング反応のポリマー支持型も同様に用いてもよい。さらに、N-ヒドロキシスクシニミド、1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール、ペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテート等のような周知のカップリングプロモーターを用いてカップリング反応を促進してもよい。必要であれば、N,N-ジイソプロピルエチルアミンのような適した塩基を用いて、反応の際に生成した酸を除去することができる。
【0081】
カップリング反応は典型的に、化合物7を、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド等のような不活性希釈剤中で、約1〜約2等量のカップリング試薬および少なくとも1等量、好ましくは約1〜約1.2等量の化合物8に接触させることによって行われる。一般的に、この反応は、温度約0℃〜約37℃で約12〜約24時間行う。反応の完了後、化合物9は、中和、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、濾過等を含む通常の技術によって回収される。
【0082】
スキーム1において用いられる開始材料は、当技術分野において周知であるか、または当技術分野で認識された方法によって調製することができる。例えば、例として4-シアノフェノール、2-クロロ-4-ヒドロキシベンゾニトリル、2-フルオロ-4-ヒドロキシベンゾニトリル、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンゾニトリル等を含む化合物1の多くの例が、Aldrich Chemical Company、ミルウォーキー、ウィスコンシン州、アメリカから市販されている。周知の化学を用いるそのような化合物またはその他の既知の4-シアノフェノールの誘導体化は、化合物1における多様な化合物を調製するための容易な経路を提供する。
【0083】
Qが硫黄である本発明の化合物を提供するために、ハロゲン化アリールとNaSHの反応、またはジアゾニウム塩とNaSHとの反応からチオール基を調製することができる。
【0084】
同様に、市販の3,4-ジヒドロキシベンゾニトリルは、3-ヒドロキシ-4-PgO-ベンゾニトリル(Pgは保護基である)を提供するために通常の技術を用いて選択的に保護することができる。次に、3-ヒドロキシ基を周知の化学を用いて望ましいように改変して、例としてアルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、エステル基、カルバメート基、カルボキシル基(例えば、ヒドロキシル基が下記に示すハロ基に変換され、次にハロ基がGrinard試薬の形成の後に周知の化学を用いて二酸化炭素を添加することによってカルボキシル基に変換される)等を含む多様な誘導体を提供することができる。その後、保護基Pgは除去されて、スキーム1において用いられる誘導体化化合物が得られる。
【0085】
Qが-N(R3)-である式Iの化合物に関して、これらの化合物は、対応する4-アミノベンゾニトリル化合物およびその誘導体から容易に調製される。例えば、4-アミノベンゾニトリルおよび4-アミノ-2-クロロベンゾニトリルは市販されている。後者の化合物のクロロ基は、上記のように選択的に誘導体化されて、多様な誘導体を提供することができる。さらに、アミノ基は当技術分野で周知の方法によって選択的にモノアルキル化することができる。しかし、アミノ基が化合物3にカップリングされるまで望ましくない反応からアミノ基を遮蔽するために、ブロック基を必要とすることがあると理解される。そのようなカップリングは当技術分野において周知である。Lがベンジルブロミドのようなハロ基である場合、反応には典型的に、生成した酸を除去するために、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)のような適した塩基が含まれるであろう。
【0086】
3-アミノ-4-シクロヘキシルアミノベンゾエート、化合物3に関して、これらの化合物は当技術分野で周知の技法によって容易に調製することができる。一つの好ましい調製法を下記のように合成スキーム2に記載する:
【0087】
スキーム2

【0088】
特に、スキーム2において、メチル-4-クロロ-3-ニトロベンゾエート、化合物10(塩酸のような酸の触媒量と共に市販の4-クロロ-3-ニトロ安息香酸とメタノールの反応によって調製される)を、通常のカップリング条件で市販のシクロヘキシルアミン、化合物11の1〜3等量と混合する。反応は好ましくは、約30℃〜約75℃の上昇した温度でDMSOのような不活性溶媒において行う。反応は、実質的に完了するまで、典型的に約1〜48時間継続する。反応が完了すると、得られたメチル4-シクロヘキシルアミノ-3-ニトロベンゾエート、化合物12(時に本明細書において化合物50と呼ばれる)を、中和、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、濾過等のような通常の技術によって回収することができる;または精製および/または単離を行わずに次の段階において用いることができる。
【0089】
次に、化合物12のニトロ基を通常の条件で水素化すると、対応するメチル4-シクロヘキシルアミノ-3-アミノベンゾエート、化合物3が得られ、これを中和、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、濾過等のような通常の技術によって回収することができる。化合物3は、時に本明細書において化合物51と呼ばれる。
【0090】
同様に、化合物5は、市販されているか、または当技術分野において認識された技術によって調製することができる、当技術分野で周知の化合物のグループを表す。例えば、適した市販の化合物には、例えば、臭化ベンジル、1-ブロモエチルベンゼン、2-メトキシベンジルクロリド、3-メトキシベンジル-クロリド、4-メトキシベンジルクロリド、2-クロロベンジルブロミド、3-クロロベンジルブロミド、4-クロロベンジルブロミド等が含まれる。さらに、当技術分野において周知の方法を用いる市販の化合物の誘導体化を用いてスキーム1における化合物5として有用な適した化合物を提供することができる。そのような誘導体化技法の一つの例を以下のようにスキーム3に示す:
【0091】
スキーム3

【0092】
スキーム3において、市販の4-ブロモ-3-メチル安息香酸、化合物15を、無水条件において、さらに不活性大気中で、DMFと塩化メチレンの溶媒混合物において、塩化オキサリルを用いる通常の方法によって、対応するt-ブチルエステルに変換させる。無水物(示していない)が形成されると、t-ブチルエステルである化合物16(時に、本明細書において化合物54と呼ばれる)への変換は、THF中でt-ブトキシドカリウムの過剰量に接触させることによって得られる。反応は典型的に、約0℃〜約40℃で反応が完了するまでの期間、好ましくは約1〜10時間行われる。反応が終了すると、得られたt-ブチル-4-ブロモ-3-メチルベンゾエート、化合物16を、中和、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、濾過等のような通常の技術によって回収することができる;または精製および/または単離を行わずに次の段階において用いることができる。
【0093】
次に、化合物16を、α、α-アゾイソブチロニトリル(AIBN)およびN-ブロモスクシニミド(NBS)の双方のモル過剰量に接触させる。反応は、上昇した温度で好ましくは環流して反応が完了するまで約10〜24時間維持する。反応が終了すると、得られたt-ブチル-4-ブロモ-3-ブロモメチルベンゾエート、化合物17(時に、本明細書において化合物55と呼ばれる)を、中和、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、濾過等のような通常の技術によって回収することができる;または精製および/または単離を行わずに次の段階において用いることができる。
【0094】
周知の化学および容易に入手できる開始材料を用いるその他の誘導体化技法は当業者に容易に明らかであろう。
【0095】
化合物8によって表されるアミノ酸またはアミノ酸アミドは、既知の化合物であるか、または通常の合成技法によって既知の化合物から調製することができる化合物のいずれかである。本反応において用いられる適したアミノ酸の例には、トリプトファン、5-ヒドロキシトリプトファン、グリシン、チロシン、L-プロリン、トランス-4-ヒドロキシル-L-プロリン、シス-4-ヒドロキシル-L-プロリン、トランス-3-フェニル-L-プロリン、シス-3-フェニル-L-プロリン、L-(2-メチル)プロリン、L-ピペコリン酸、L-アゼチジン-2-カルボン酸、L-インドリン-2-カルボン酸、L-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、L-チアゾリジン-4-カルボン酸、L-(5,5-ジメチル)チアゾリジン-4-カルボン酸、L-チアモルフォリン-3-カルボン酸、グリシン、2-tert-ブチルグリシン、D,L-フェニルグリシン、L-アラニン、N-メチルアラニン、N-メチル-L-フェニルアラニン、L-ジフェニルアラニン、サルコシン、D,L-フェニルサルコシン、L-アスパラギン酸、-tert-ブチルエステル、L-グルタミン酸、-tert-ブチルエステル、L-(O-ベンジル)セリン、1-アミノシクロプロパンカルボン酸、1-アミノシクロブタンカルボン酸、1-アミノシクロペンタンカルボン酸(シクロロイシン)、1-アミノシクロヘキサンカルボン酸、L-セリン等が含まれるがこれらに限定されない。望ましければ、メチルエステル、エチルエステル等のようなアミノ酸の対応するカルボン酸エステルを上記の反応に用いることができる。その後、通常の試薬および条件、すなわち、メタノール/水のような不活性希釈剤における水酸化アルカリ金属による処置を用いて、エステル基をカルボン酸に加水分解すると、式Iの化合物の遊離の酸または酸の塩が得られる。さらに、通常のアミド形成技法を用いて、カルボン酸のアミド化を行うことができる。そのような技法は、アミド化を行うための条件下で適したアミンと酸またはその活性化型との反応を伴う。
【0096】
有用性、試験および投与
有用性
本発明は、C型肝炎ウイルスのようなフラビウイルス科のウイルスを含む抗ウイルス活性を有する新規化合物を提供する。本発明の化合物は、RNA依存的RNAポリメラーゼを含む複製に関係する酵素を阻害することによってウイルス複製を阻害する。それらはまた、フラビウイルス科のウイルスの活性または増殖において用いられるその他の酵素を阻害してもよい。
【0097】
本発明の化合物は、ウイルスを治療するために、単独で、または他の化合物と組み合わせて用いてもよい。
【0098】
投与および薬学的組成物
一般的に、本発明の化合物は類似の有用性を有する薬剤に関して許容された任意の投与様式によって治療的有効量で投与されるであろう。本発明の化合物、すなわち活性成分の実際の量は、治療される疾患の重症度、被験者の年齢および相対的健康、用いる化合物の効力、投与経路および投与剤形、ならびに他の要因のような多数の要因に依存するであろう。薬物は、1日に1回より多く、好ましくは1日1回または2回投与することができる。
【0099】
式I、Ia、Ib、II、III、またはIVの化合物の治療的有効量は、1日にレシピエントの体重1 kgあたり約0.1〜20 mgの範囲、より好ましくは約0.1〜10 mg/kg/日であろう。
【0100】
一般的に、本発明の化合物は、以下の経路のいずれか一つによって薬学的組成物として投与されるであろう:経口、全身(例えば、経皮、鼻腔内、または坐剤)、または非経口(例えば、筋肉内、静脈内、または皮下)投与。好ましい投与方法は、疾患の程度に応じて調節することができる簡便な毎日投与レジメを用いる経口である。組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、半固体、粉剤、徐放性製剤、溶液、懸濁液、エリキシル剤、エアロゾル、または他の任意の適当な組成物の形となりうる。本発明の化合物を投与するためのもう一つの好ましい方法は吸入である。これは、呼吸器に直接治療薬剤を輸送するための有効な方法である(米国特許第5,607,915号を参照されたい)。
【0101】
製剤の選択は、薬物投与様式および薬物の生物学的利用率のような様々な要因に依存する。吸入による輸送の場合、化合物は、液体溶液、懸濁液、エアロゾル噴射剤、または乾燥粉末として調製して、投与のための適したディスペンサーにローディングすることができる。薬学的吸入装置-ネブライザーインヘラー、定用量インヘラー(MDI)、および乾燥粉末インヘラー(DPI)のいくつかのタイプがある。ネブライザー装置は、治療薬剤を患者の呼吸器に運ばれる霧として噴霧させる高速の空気の流れを生成する。MDIは典型的に、圧縮ガスと共に包装される製剤である。作動させると、装置は、圧縮ガスによって治療薬剤の一定量を放出し、このように、一定量の薬剤を投与する信頼できる方法を提供する。DPIは、装置によって呼吸の際に患者の吸気流に分散することができる自由に流動する粉末の形で治療薬剤を分散させる。自由に流動する粉末を得るために、治療薬剤を乳糖のような賦形剤と共に製剤化するる。治療薬剤の一定量はカプセル型で保存され、各作動毎に分配される。
【0102】
最近、生物学的利用率は表面積が増加すると、すなわち粒子径が減少すると増加することができるという原理に基づいて、特に生物学的利用率が不良な薬剤に関して薬学的製剤が開発されている。例えば、米国特許第4,107,288号は、クロスリンクした高分子マトリクスにおいて活性材料が支持されている大きさ約10〜1,000 mmの粒子を有する薬学的製剤を記述している。米国特許第5,145,684号は、薬物が表面改変剤の存在下でナノ粒子に粉砕(平均粒子径400 nm)されて、薬物が顕著に高い生物学的利用率を示す薬学的製剤を生じるように液体培地に分散されている薬学的製剤の産生を記述している。
【0103】
組成物は一般的に、式I、Ia、Ib、II、III、またはIVの化合物を少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤と共に含む。許容される賦形剤は非毒性であって、投与を補助し、式I、Ia、Ib、II、III、またはIVの化合物の治療利益に有害な影響を及ぼさない。そのような賦形剤は如何なる固体、液体、半固体であってもよく、またはエアロゾル組成物の場合には、当業者に一般的に利用可能なガス様賦形剤であってもよい。
【0104】
固体薬学的賦形剤には、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、乳糖、蔗糖、ゼラチン、麦芽、米、穀粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク等が含まれる。液体および半固体賦形剤は、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールおよび石油、動物、植物、または合成起源の油を含む様々な油、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油等から選択してもよい。特に注射用溶液のための好ましい液体担体には、滅菌水、滅菌生理食塩液、滅菌デキストロース水溶液、および滅菌グリコールが含まれる。
【0105】
圧縮ガスを用いて、本発明の化合物をエアロゾルの形で分散してもよい。本発明の目的にとって適した不活性ガスは、窒素、二酸化炭素等である。
【0106】
他の適した薬学的賦形剤およびその製剤は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、E.W. Martin編(Mack Publishing Company、第18版、1990)に記述されている。
【0107】
製剤における化合物の量は、当業者によって用いられる完全な範囲内で変化させることができる。典型的に、製剤は、式I、Ia、Ib、II、III、またはIVの化合物を製剤全体に基づいて重量%で、約0.01〜99.99重量%で含み、残りは一つまたはそれ以上の適した薬学的賦形剤であろう。好ましくは、化合物は、約1〜80重量%のレベルで存在する。式I、Ia、Ib、II、III、またはIVの化合物を含む代表的な薬学的製剤を下記に示す。
【0108】
実施例
下記の実施例において、以下の略語は以下の意味を有する。略語が定義されていない場合、一般的に許容された意味を有する。
AIBN=α,α-アゾイソブチロニトリル
aq.=水性
BOP=ベンゾトリアゾル-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMEM=ダルベッコ改変イーグル培地
DMF=N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
ESI=エレクトロスプレーイオン化
g=グラム
h=時間
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
M=モル濃度
M+H+=親質量分析ピーク+H+
mM=ミリモル濃度
MeOH=メタノール
mg=ミリグラム
min.=分
mL=ミリリットル
mmol=ミルモル
MS=質量分析
N=規定
pfp=ペンタフルオロフェニルラジカル
phまたはΦ=フェニル
psi=ポンド/平方インチ
t-Bu=t-ブチル保護基
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
μL=マイクロリットル
nm=ナノメートル
nM=ナノモル濃度
NBS=N-ブロモスクシニミド
NTA=ニトリロトリ酢酸
NTP=ヌクレオチド三リン酸
mM=ミリモル濃度
DTT=ジチオスレイトール
EDTA=エチレンジアミン四酢酸
IU=国際単位
μg=マイクログラム
HBTU=O-ベンゾトリアゾル-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチル-ウロニウムヘキサフルオロホスフェート
【0109】
下記の実施例に、本発明の化合物を作製するために有用な化合物および中間体を示す。
【0110】
スキーム4

【0111】
実施例1
2-({2-[4-(4-カルバモイル-4'-クロロ-ビフェン-2-イルメトキシ)-2-フルオロ-フェニル]-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル}-アミノ)-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸塩酸塩(化合物61)の調製
上記のスキーム1は以下の技法に対応する。
【0112】
1.4-シクロヘキシルアミノ-3-ニトロ安息香酸メチルエステル(化合物50)
メチル-4-クロロ-3-ニトロベンゾエート(25 g、0.116 mol)をDMSO(75 ml)に溶解して、シクロヘキシルアミン(25 ml、0.243 mol)を加えた。混合物を60℃で24時間攪拌して水によって希釈した。沈殿物を濾過によって回収して水によって洗浄し、乾燥させると化合物50(32.2 g、99%)が得られた。MS(ESI)279.13(M+H+)。
【0113】
2.3-アミノ-4-シクロヘキシルアミノ-安息香酸メチルエステル(先に記述した化合物51または化合物3
化合物50(10.57 g、37.9 mol)をMeOH(130 ml)において5%Pd/C(150 mg)上でH2下で30分間水素化した。反応物をセライトによって濾過して、溶液を蒸発させると茶色の固体(9.4 g、99%)が得られた。MS(ESI)249.17(M+H+)。
【0114】
3.2-フルオロ-4-ヒドロキシ-ベンズイミド酸メチルエステル(化合物52)
2-フルオロ-4-ヒドロキシベンゾニトリル(3.55 g、25.89 mmol)を無水MeOH(100 ml)に溶解して、溶液を無水塩酸中で0℃で1時間通気した後、室温でさらに1時間通気した。溶媒を蒸発させた後、固体残渣を高真空下で2時間乾燥させると、粗化合物52が得られ、これを次の段階の反応に直接用いた。
【0115】
4.1-シクロヘキシル-2-(2-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(化合物53)
粗化合物52を無水MeOH(150 ml)に溶解した。次に、化合物51(4.0 g、16.11 mmol)を加えた。反応混合物をアルゴン下で環流しながら16時間攪拌して室温まで冷却した。形成された沈殿物を濾過して水によって洗浄し、高真空下で乾燥させると化合物53(3.2 g、54%)が得られた。MS(ESI)369.17(M+H+)。
【0116】
5.4-ブロモ-3-メチル-安息香酸tert-ブチルエステル(化合物54)
4-ブロモ-3-メチル安息香酸(3.5 g、16.27 mmol)を、アルゴン下で無水ジクロロメタン(25 ml)中に懸濁した。DMF(0.5 ml)を加えて、塩化オキサリル(1.7 ml)を室温で加えた。反応混合物を室温で20分間攪拌して、塩化オキサリル(0.5 ml)を滴下した。混合物を室温でさらに2時間攪拌した。溶媒を蒸発させた。残渣を無水THF(25 ml)に溶解して氷浴中で冷却した。tert-ブトキシドカリウム(3.65 g、32.52 mmol)の無水THF(20 ml)溶液を0℃で滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌して、水(100 ml)を加えた。混合物をEtOAcによって抽出して、有機相を塩水および水によって洗浄して、無水MgSO4上で乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、茶色の油が得られた(3.78 g、86%)。MS(ESI)272.76(M+H+)。
【0117】
6.4-ブロモ-3-ブロモメチル-安息香酸tert-ブチルエステル(化合物55)
化合物54(1.83 g、6.75 mmol)、N-ブロモスクシニミド(1.38 g、7.75 mmol)およびAIBN(1.27 g、7.75 mmol)を四塩化炭素(CCl4)中で環流しながら16時間攪拌した後、室温まで冷却した。反応混合物を濾過して、濾液を短いカラムに通過させ、クロロホルムによって洗浄した。溶媒を蒸発させた後、結晶が得られた(0.23 g、98%)。MS(ESI)351.65(M+H+)。
【0118】
7.2-[4-(2-ブロモ-5-tert-ブトキシカルボニル-ベンジルオキシ)-2-フルオロ-フェニル]-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(化合物56)
化合物53(1.0 g、2071 mmol)、化合物55(1.9 g、5.43 mmol)、およびK2CO3(0.76 g)の混合物を無水DMF(40 ml)中で80℃で2時間攪拌して、室温まで冷却した。混合物を濾過してCHCl3によって洗浄した。濾液を蒸発乾固させた。残渣をCHCl3-MeOH(50:1)によって溶出するクロマトグラフィーによって精製すると、化合物56(0.84 g、98%)が得られた。MS(ESI)639.15、637.15(M+H+)。
【0119】
8.2-[4-(4-tert-ブトキシカルボニル-4'-クロロ-ビフェン-2-イルメトキシ)-2-フルオロ-フェニル]-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(化合物57)
化合物56(0.45 g、0.71 mmol)、4-クロロベンゼンホウ酸(0.33 g、2.11 mmol)およびPd(Ph3P)4(80 mg)をトルエン(25 ml)およびMeOH(6 ml)にアルゴン下で溶解した。2 M MaHCO3水溶液(2.5 ml)を加えた。反応混合物をアルゴン下で70℃で16時間攪拌して、室温まで冷却した。溶媒を蒸発させた後、残渣をCHCl3-MeOH(50:1)によって溶出するクロマトグラフィーによって精製すると、化合物57(0.49 g、96%)が得られた。MS(ESI)669.26(M+H+)。
【0120】
9.2-[4-(4-カルボキシル-4'-クロロ-ビフェン-2-イルメトキシ)-2-フルオロ-フェニル]-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(化合物58)
化合物57(0.3 g)の無水ジクロロメタン(10 ml)溶液にトリフルオロ酢酸(10 ml)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を蒸発させた後、固体を得た(0.285 g、98%)。MS(ESI)611.14(M+H+)。
【0121】
10.2-[4-(4-カルバモイル-4'-クロロ-ビフェン-2-イルメトキシ)-2-フルオロ-フェニル]-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(化合物59)
化合物58(0.18 g、0.294 mmol)の無水DMF(5 ml)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.11 ml)の存在下でpfpトリフルオロアセテート(0.1 ml、0.588 mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を室温で8時間攪拌した後、2 M NH3の2-プロパノール溶液(2 ml)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させた後、残渣をCHCl3-MeOH(40:1)によって溶出するクロマトグラフィーによって精製すると、固体(0.15 g、83%)が得られた。MS(ESI)612.19(M+H+)。
【0122】
11.2-[4-(4-カルバモイル-4'-クロロ-ビフェン-2-イルメトキシ)-2-フルオロ-フェニル]-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸(化合物60)
化合物59(0.12 g、0.196 mmol)をMeOH(6 ml)に溶解して2 M NaOH水溶液(3 ml)を加えた。反応混合物を45℃で2.5時間攪拌して0℃に冷却した。混合物を5 N HClによってpH 3に中和した。溶媒を蒸発させた後、残渣を高真空下で乾燥させて、DMFに溶解した。濾過後、濾液を蒸発させて少量まで濃縮し、緩衝液A(1%TFA水溶液)および緩衝液B(1%TFAアセトニトリル)を10%緩衝液B〜70%緩衝液Bで用いるC18逆相HPLCによって産物を分離すると、白色固体(83%)が得られた。MS(ESI)599.18、597.18(M+H+)。
【0123】
12.2-({2-[4-(4-カルバモイル-4'-クロロ-ビフェン-2-イルメトキシ)-2-フルオロ-フェニル]-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル}-アミノ)-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸塩酸塩(化合物61)
化合物60(80 mg、0.134 mmol)の無水DMF(3 ml)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.1 ml)の存在下でpfpトリフルオロアセテート(69 μL、0.408 mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で14時間攪拌した。溶媒を蒸発させた後、残渣をEtOAC(30 ml)に溶解して、溶液を水(10 ml)によって洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を蒸発乾固させて、残渣を無水DMF(5 ml)に溶解した。L-5-ヒドロキシトリプトファン(59 mg、0.268 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(50 μl)を上記の溶液に加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。HPLCによる化合物の分離は化合物60の分離技法に従った。産物をMeOH(2 ml)に溶解して4 N HClの1,4-ジオキサン(0.5 ml)溶液を0℃で加えた。溶液を水(25 ml)によって希釈して、凍結乾燥すると淡褐色の粉末(15 mg、14%)が得られた。
【0124】

【0125】
スキーム5

【0126】
実施例2
2-[(2-{4-[4'-クロロ-4-(4-ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ビフェン-2-イルメトキシ]-2-フルオロフェニル}-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸塩酸塩(化合物64)の調製
上記のスキーム2は以下の技法に対応する。
【0127】
1.2-{4-(4'-クロロ-4-(ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ビフェン-2-イルメトキシ)-2-フルオロ-フェニル}-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(化合物62)
段階1:化合物58(0.21 g、0.34 mmol)のDMF(10 ml)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.12 ml)の存在下でpfpトリフルオロアセテート(0.12 ml、0.39 mmol)を0℃で滴下した。反応物を室温で8時間攪拌して蒸発乾固させた。残渣をEtOAc(80 ml)に溶解した。溶液を水(10 ml×2)によって洗浄して、無水Na2SO4上で乾燥させて、蒸発させた。
【0128】
段階2:残渣を無水DMF(8 ml)に溶解して、4-ヒドロキシピペリジン(69.3 mg、0.68 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.1 ml)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させた後、残渣をCHCl3-MeOH(40:1)によって溶出するクロマトグラフィーによって精製すると、淡黄色の粉末(0.2 g、84%)が得られた。MS(ESI)696.23(M+H+)。
【0129】
2.2-{4-(4'-クロロ-4-(ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ビフェン-2-イルメトキシ)-2-フルオロフェニル}-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸(化合物63)
化合物62(0.18 g、0.259 mmol)を、実施例1における化合物60の調製技法に従って加水分解すると、化合物63が得られた。収率:85%。MS(ESI)684.25、683.25、682.25(M+H+)。
【0130】
3.2-[(2-{4-[4'-クロロ-4-(4-ヒドロキシル-1-ピペリジン-1-カルボニル)-ビフェン-2-イルメトキシ]-2-フルオロフェニル}-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸塩酸塩(化合物64)
化合物64は、実施例1における化合物60の調製技法に従って、化合物63(90 mg、0.132 mmol)、pfpトリフルオロアセテート(58μl、0.264 mmol)、およびL-5-ヒドロキシトリプトファン(97 mg、0.44 mmol)から調製した。収率:46%。
【0131】

【0132】
スキーム6

【0133】
実施例3
2-[(2-{4-[2-ブロモ-5-(4-ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ベンジルオキシ]-2-フルオロ-フェニル}-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸塩酸塩(化合物65)の調製
上記のスキーム6は以下の技法に対応する。
【0134】
1.2-{4-[2-ブロモ-5-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボニル)-ベンジルオキシ]-2-フルオロ-フェニル}-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(化合物68)
化合物56(0.308 g、0.483 mmol)を無水ジクロロメタン(3 ml)に溶解してTFA(3 ml)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を蒸発させた後、残渣をジクロロメタン(3 ml)およびDMF(3 ml)に溶解した。
【0135】
上記の溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.4 ml)を加えた後、pfpトリフルオロアセテート(0.4 ml)を0℃で加えた。反応物を室温で6時間攪拌して、実施例2の段階2における化合物62の調製技法に従って調製した。
【0136】
上記の残渣を、化合物62の調製技法に従って、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.1 ml)の存在下で無水DMF(5 ml)において4-ヒドロキシピペリジン(97.7 mg、0.996 mmol)と反応させた。これによって淡色の泡(0.31 g、97%)が得られた。MS(ESI)666.15、664.15(M+H+)。
【0137】
2.2-{4-[2-ブロモ-5-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボニル)-ベンジルオキシ]-2-フルオロ-フェニル}-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸(化合物69)
本化合物は、実施例1における化合物60の調製技法に従って調製した。収率95%。MS(ESI)652.16、650.17(M+H+)。
【0138】
3.2-[(2-{4-[2-ブロモ-5-(4-ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ベンジルオキシ]-2-フルオロ-フェニル}-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸塩酸塩(化合物65)
化合物69(0.17 g、0.261 mmol)を、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(90 μl)の存在下で無水DMF(8 ml)中でpfpトリフルオロアセテート(90 μL、0.522)によって処置した後、実施例2における化合物64の調製技法に従ってL-5-ヒドロキシトリプトファン(0.115 g、0.522 mmol)との反応を行うと、化合物65(0.116 g、74%)が得られた。MS(ESI)855.25、854.25、852.25(M+H+)。
【0139】

【0140】
スキーム7

【0141】
実施例4
2-[(1-シクロヘキシル-2-{2-フルオロ-4-[3-(4-ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ベンジルオキシ]-フェニル}-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸塩酸塩(化合物66)の調製
上記のスキーム7は以下の技法に対応する。
【0142】
1.3-メチル安息香酸tert-ブチルエステル
4-ブロモ-3-メチル-安息香酸tert-ブチルエステル(0.39 g、1.438 mmol)を10%Pd-C(0.5 g)上でH2下(50 psi)でEtOAc-MeOH(4:1、20 ml)において5時間水素化した。Celiteを通して濾過した後、濾液を蒸発乾固した。収率:97%。MS(ESI)193.28(M+H+)。
【0143】
2.3-ブロモメチル安息香酸tert-ブチルエステル
粗3-メチル安息香酸tert-ブチルエステルを、実施例1における化合物55の調製技法に従って、CCl4(30 ml)中でNBS(0.31 g、1.726 mmol)、AIBN(0.28 g、1.726 mmol)と反応させた。CHCl3-MeOH(50:1)によって溶出するクロマトグラフィーによって分離した後、二つの産物の混合物が得られた。それらの一つはMS(ESI)272.76(M+H+)を有する産物(61%純粋)であった。この混合物はこれ以上分離せずに次の段階の反応に直接用いた。
【0144】
3.2-[4-(3-tert-ブトキシカルボニル-ベンジルオキシ)-2-フルオロ-フェニル]-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(化合物70)
化合物53(0.242 g、0.656 mmol)を、実施例1における化合物56の調製技法に従って、DMF(8 ml)中でK2CO3(0.18 g)の存在下で粗3-ブロモメチル-安息香酸tert-ブチルエステル(0.178 g)と反応させた。CHCl3-MeOH(55:1)によって溶出するクロマトグラフィーによって精製すると、化合物70(0.118 g)が得られた。MS(ESI)559.23(M+H+)。
【0145】
4.1-シクロヘキシル-2-{2-フルオロ-4-[3-(4-ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ベンジルオキシ]-フェニル}-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸(化合物71)
化合物71は、実施例2における化合物62の調製技法に従って、化合物70(0.115 g、0.206 mmol)および4-ヒドロキシピペリジン(41 mg、0.412 mmol)から調製した。産物はこれ以上精製を行わずに次の段階の反応に用いた。
【0146】
上記の粗産物を、実施例1における化合物60の調製技法に従って加水分解した。これによって固体(96.1 mg、80%)が得られた。MS(ESI)572.27(M+H+)。
【0147】
5.2-[(1-シクロヘキシル-2-{2-フルオロ-4-[3-(4-ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ベンジルオキシ]-フェニル}-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸塩酸塩(化合物66)
化合物66は、実施例1における化合物61の調製技法に従って、化合物71(70 mg、0.122 mmol)およびL-5-ヒドロキシトリプトファン(54 mg、0.244 mmol)から調製した。収率:64%。
【0148】

【0149】
スキーム8

【0150】
実施例5
2-{[2-(4-ベンジルオキシ-フェニル)-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル]-アミノ}-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸塩酸塩(化合物76)の調製
上記のスキーム8は以下の技法に対応する。
【0151】
1.1-シクロヘキシル-2-(4-ヒドロキシフェニル)-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(化合物73)
化合物51(3 g、12.08 mmol)をDMF(15 ml)および水(0.5 ml)に溶解した。4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.844 g、15.1 mmol)を加えた後、Oxone(登録商標)(4.827 g、7.85 mmol)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌して、水(6 ml)を加えた。懸濁液を2 N NaOH水溶液によって0℃でpH 9まで中和した。沈殿物を濾過によって回収し、水によって洗浄して乾燥すると、灰色の粉末(3.4 g、81%)が得られた。MS(ESI)351.17(M+H+)。
【0152】
2.2-(4-ベンジルオキシ-フェニル)-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(化合物74)
化合物74は、実施例1における化合物56の調製技法に従ってDMF(20 ml)中でK2CO3(0.47 g)の存在下で化合物73(0.6 g、1.71 mmol)および臭化ベンジル(0.407 ml、3.42 mmol)から調製した。収率:96%。MS(ESI)441.25(M+H+)。
【0153】
3.2-(4-ベンジルオキシ-フェニル)-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸(化合物75)
化合物75は、実施例1における化合物60の調製技法に従って化合物74(0.428 g、0.971 mmol)から調製した。収率:99%。MS(ESI)447.21(M+H+)。
【0154】
4.2-{[2-(4-ベンジルオキシ-フェニル)-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル]-アミノ}-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸塩酸塩(化合物76)
化合物76は、実施例1における化合物61の調製技法に従って、化合物71(0.1 g、0.234 mmol)およびL-5-ヒドロキシトリプトファン(0.103 g、0.468 mmol)から調製した。収率:82%。
【0155】

【0156】
スキーム9

実施例6
2-(4-ベンジルオキシ-フェニル)-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸[1-カルバモイル-2-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-エチル]-アミド塩酸塩(化合物77)の調製
上記のスキーム9は以下の技法に対応する。
【0157】
化合物77は、実施例1における化合物59の調製技法に従って化合物76(0.1 g)から調製した。収率:74%。
【0158】

【0159】
スキーム10

【0160】
実施例7
2-({1-シクロヘキシル-2-[4-(ナフタレン-2-イルメトキシ)-フェニル]-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル}-アミノ)-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸塩酸塩(化合物80)の調製
上記のスキーム10は、以下の技法に対応する。
【0161】
1.1-シクロヘキシル-2-[4-(ナフタレン-2-イルメトキシ)-フェニル]-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸メチルエステル(化合物78)
化合物78は実施例1における化合物56の調製技法に従ってDMF(8 ml)中でK2CO3(0.158 g)の存在下で化合物73(0.2 g、0.57 mmol)と共に2-(ブロモメチル)ナフタレン(0.252 g、1.14 mmol)から調製した。収率:94%。MS(ESI)491.26(M+H+)。
【0162】
2.1-シクロヘキシル-2-[4-(ナフタレン-2-イルメトキシ)-フェニル]-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボン酸(化合物79)
化合物79は、実施例1における化合物60の調製技法に従って化合物78(0.108 g、0.22 mmol)から調製した。収率:96%。MS(ESI)477.24(M+H+)。
【0163】
3.2-({1-シクロヘキシル-2-[4-(ナフタレン-2-イルメトキシ)-フェニル]-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル}-アミノ)-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸塩酸塩(化合物80)
化合物80は、実施例1における化合物61の調製技法に従って化合物79(90 mg、0.189 mmol)およびL-5-ヒドロキシトリプトファン(83 mg、0.378 mmol)から調製した。収率:80%。
【0164】

【0165】
スキーム11

【0166】
実施例8
3-(4-{[1-({2-[4-(4-カルバモイル-4'-クロロ-ビフェン-2-イルメトキシ)-2-フルオロ-フェニル]-1-シクロヘキシル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル}-アミノ)-シクロペンタンカルボニル]-アミノ}-フェニル)-アクリル酸(化合物83)の調製
上記のスキーム11は、以下の技法に対応する。
【0167】
1.3-{4-[(1-tert-ブトキシカルボニルアミノ-シクロペンタンカルボニル)-アミノ]-フェニル}-アクリル酸エチルエステル(化合物81)
1-tert-ブトキシカルボニルアミノ-シクロペンタンカルボン酸(1 g、4.36 mmol)、HATU(1.22 g、4.36 mmol)およびDIEA(1.52 ml、8.72 mmol)の混合物を無水DMF(10 ml)中で室温で30分間攪拌した。3-(4-アミノフェニル)-アクリル酸エチルエステル(1 g、5.23 mmol)を加えた。反応混合物を室温で4日間攪拌した。形成された沈殿物を濾過によって回収して、エーテルによって洗浄すると、化合物81(42%)が得られた。MS(ESI)403.25(M+H+)。
【0168】
2.3-{4-[(1-アミノ-シクロペンタンカルボニル)-アミノ]-フェニル}-アクリル酸エチルエステル(化合物82)
化合物81(300 mg)に4 N HClのジオキサン溶液(5 ml)を加えて、反応混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去した後、化合物82が得られた。収率:100%。MS(ESI)303.16(M+H+)。
【0169】
3.3-(4-{[1-({2-[4-(4-カルバモイル-4'-クロロ-ビフェン-2-イルメトキシ)-2-フルオロ-フェニル]-1-シクロヘキシル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル}-アミノ)-シクロペンタンカルボニル]-アミノ}-フェニル)-アクリル酸(化合物83)
化合物60(50 mg、0.0836 mmol)の無水DMF(3 ml)溶液にDIEA(36.4 μl、0.21 mmol)の存在下で、HBTU(36.4 mg、0.096 mmol)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。化合物82(36.4 mg、0.0878 mmol)を加えて、反応混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去した後、残渣をMeOH(2 ml)に溶解して、2 N NaOH水溶液(1 ml)を加えた。混合物を45℃で2時間攪拌して、氷浴中で冷却した。反応溶液を4 N HClによってpH 3に中和した。溶媒を除去した後、残渣を乾燥させて、少量のMeOHに溶解し、沈殿物を濾過した。C18逆相HPLCによる精製およびHCl塩の形成は、化合物61の調製技法に従った。収率64%。
【0170】

【0171】
生物学的実施例
実施例1
抗C型肝炎活性
化合物は、HCVポリメラーゼを阻害することによって、複製サイクルにおいて必要な他の酵素を阻害することによって、または他の経路によって抗C型肝炎活性を示すことができる。これらの活性を評価するために、多くのアッセイが公表されている。培養においてHCVウイルスの肉眼的な増加を評価する一般的な方法は、Milesらの米国特許第5,738,985号に開示されている。インビトロアッセイは、Ferrariら、Jnl. of Vir. 73:1649〜1654、1999;Ishiiら、Hepatology 29:1227〜1235、1999;Lohmannら、Jnl. of Bio. Chem. 274:10807〜10815、1999;およびYamashitaら、Jnl. of Bio. Chem. 273:15479〜15486、1998において報告されている。
【0172】
1996年9月27日に提出された国際公開公報第97/12033号は、エモリー大学によってC. HagedornおよびA. Reinoldusを発明者とし、1995年9月に提出された米国特許出願第60/004,383号に対する優先権を主張するが、本明細書に記述の化合物の活性を評価するために用いることができるHCVポリメラーゼアッセイについて記述している。もう一つのHCVポリメラーゼアッセイは、Bartholomeuszら、「Hepatitis C Virus(HCV)RNA polymerase assay using cloned HCV non-structural proteins:Antiviral Therapy 」、1996:1(補則4)18〜24頁によって報告されている。
【0173】
HCV薬によるキナーゼ活性減少を測定するスクリーニングは、Katzeらの米国特許第6,030,785号、Delvecchioらの米国特許、およびJubinらの米国特許第5,759,795号に開示されている。提案されるHCV薬のプロテアーゼ阻害活性を測定するスクリーニングは、Suらの米国特許第5,861,267号、De Francescoらの米国特許第5,739,002号、およびHoughtonらの米国特許第5,597,691号に開示されている。
【0174】
実施例2
レプリコンアッセイ
HCV RNA依存的RNAポリメラーゼに関して本発明の化合物をスクリーニングするために、細胞株ET(Huh-lucubineo-ET)を用いる。ET細胞株に、I389luc-ubi-neo/NS3-3'/ETを有するRNA転写物を安定にトランスフェクトさせる;レプリコンは、ファイアフライのルシフェラーゼ-ユビキチン-ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ融合体タンパク質および細胞培養適応変異(E1202G;T1280I;K1846T)を含むEMCV-IRES開始NS3-5Bポリタンパク質を有する(Kriegerら、2001および未公表データ)。ET細胞は、10%仔ウシ胎児血清、2 mMグルタミン、ペニシリン(100 IU/ml)/ストレプトマイシン(100 μg/ml)、1×非必須アミノ酸、および250 μg/ml G418(「ゲネチシン」)を添加したDMEMにおいて増殖させる。それらは全て、Life Technologies(ベセスダ、メリーランド州)から入手可能である。細胞を96ウェルプレートにおいて0.5〜1.0×104個/ウェルで播種して、24時間インキュベートしてからヌクレオシド類似体を添加する。次に、化合物それぞれ5および50 μMをウェルに加える。ルシフェラーゼ活性は、溶解緩衝液および基質(カタログ番号Glo-lysis緩衝液E2661およびBright-GloルシフェラーゼシステムE2620、Promega、マディソン、ウィスコンシン州)を添加することによって48〜72時間後に測定する。細胞はアッセイのあいだコンフルエントになりすぎてはならない。複製の%阻害は、化合物を含まない対照と比較してプロットされるであろう。同じ条件で、細胞増殖試薬WST-1(Roche、ドイツ)を用いて化合物の細胞障害性を決定する。抗ウイルス活性を示すが有意な細胞障害性を示さない化合物を選択して、IC50およびTC50を決定する。
【0175】
実施例3
組換え型HCV-N5bのクローニングおよび発現
NS5bタンパク質のコード配列を、以下のプライマーを用いてLohmann, V.ら(1999)Science 285:110〜113によって記述されるようにpFKI389luc/NS3-3'/ETからPCRによってクローニングした:

【0176】
クローニングした断片は、C末端のアミノ酸残基21個が欠失している。クローニングした断片を、タンパク質のカルボキシ末端でエピトープタグ(His)6を提供するIPTG-誘導型発現プラスミドに挿入する。
【0177】
組換え型酵素をXL-1細胞において発現させ、発現の誘導後、タンパク質をニッケル-NTAカラム上でのアフィニティクロマトグラフィーを用いて精製する。保存条件は、-20℃で10 mMトリス-HCl、pH 7.5、50 mM NaCl、0.1 mM EDTA、1 mM DTT、20%グリセロールである。
【0178】
実施例4
HCV-NS5b酵素アッセイ
ポリメラーゼ活性は、HCVゲノムの一部を含むビオチン化したヘテロポリマー鋳型を用いて、RNA産物への放射標識UTPの取り込みを測定することによってアッセイする。典型的に、アッセイ混合物(50 μl)は10 mMトリス-HCl(pH 7.5)、5 mM MgCl2、0.2 mM EDTA、10 mM KCl、1単位/μl RNAsin、1 mM DTT、[3H]-UTPを含む各10 μM NTP、および10 ng/μlヘテロポリマー鋳型を含む。試験化合物を最初に100%DMSOに溶解して、5%DMSOを含む水性緩衝液においてさらに希釈する。典型的に、化合物は1 nM〜100 μMの濃度で試験する。反応は酵素を添加して開始して、37℃で2時間継続させる。100 mM EDTA 8 μlによって反応を停止させて、反応混合物(30 μl)をストレプトアビジンコーティングシンチレーション近位マイクロタイタープレート(FlashPlates)に移して、4℃で一晩インキュベートした。放射活性の取り込みはシンチレーション計数によって決定する。
【0179】
製剤実施例
以下は、式I、Ia、Ib、II、IIIまたはIVの化合物を含む代表的な薬学的製剤である。
【0180】
実施例1
錠剤の処方
以下の成分を十分に混合して一本線のある錠剤に打錠する。

【0181】
実施例2
カプセル製剤
以下の成分を十分に混合してゼラチン硬カプセルに充填する。

【0182】
実施例3
懸濁液製剤
以下の成分を混合して経口投与のための懸濁液を形成する。

【0183】
実施例4
注射剤
以下の成分を混合して注射剤を形成する。

【0184】
実施例5
坐剤製剤
全量2.5 gの坐剤は、本発明の化合物をWitepsol(登録商標)H-15(飽和植物脂肪酸のトリグリセリド;Riches-Nelson、ニューヨーク州)と混合することによって調製し、以下の組成を有する:


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩:

式中、
R1は、-OR7および-NR8R9からなる群より選択され、式中R7は水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択され;
R8およびR9は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立して選択されるか、またはR8およびR9は、それに垂下する窒素原子と共に複素環または置換複素環基を形成し;
R2およびR12は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立して選択されるか、またはR2およびR12は、それに垂下する炭素原子と共に、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環、または置換複素環基を形成し;
R3は、水素およびアルキルからなる群より選択されるか;またはR2およびR3は、R3に垂下する窒素原子と共に、複素環または置換複素環基を形成し;
それぞれのR4は、ハロ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、シアノ、およびヒドロキシルからなる群より選択され;
Qは、酸素、qが0、1または2である-S(O)q-、およびR3が上記の通りである-N(R3)-からなる群より選択され;
Xは、酸素、硫黄、およびR11が水素またはアルキルである=NR11からなる群より選択され;
R5は、アルキレンまたは置換アルキレンであり;
R6は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;かつ
nは0〜3である。
【請求項2】
化合物が式Iaによって表される、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:

式中、
R2、R3、R4、R6、R7およびnは上記の通りである。
【請求項3】
化合物が式Ibによって表される、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:

式中、
R2、R3、R4、R7およびnは既に定義された通りであり;
pは0〜5であり;
それぞれのR10は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、ならびにR8およびR9が既に定義された通りである-C(O)NR8R9からなる群より独立して選択される。
【請求項4】
化合物が式IIによって表される、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:

式中、
R2、R3、R4、R6、R8、およびR9は上記の通りである。
【請求項5】
化合物が式IIIによって表される、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:

式中、
R4、R6、R8、R9、およびnは上記の通りであり;
Zは水素、ヒドロキシ、ハロ、アルキル、およびアリールからなる群より選択され;
Yは-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2O-、-CH2CH2S-、および-CH2CH2NH-、からなる群より選択される。
【請求項6】
化合物が、式IVによって表される、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:

式中、
Z、Y、R4、R8、R10、pおよびnは、上記の通りである。
【請求項7】
以下からなる群より選択される化合物:
2-{[2-(4-ベンジルオキシ-フェニル)-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル]-アミノ}-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸;
2-[(1-シクロヘキシル-2-{2-フルオロ-4-[3-(アミノカルボニル)-6-(4-クロロフェニル)ベンジルオキシ]-フェニル}-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸;
2-[(2-{4-[2-ブロモ-5-(4-ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ベンジルオキシ]-2-フルオロ-フェニル}-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸;
2-[(1-シクロヘキシル-2-{2-フルオロ-4-[3-(4-ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ベンジルオキシ]-フェニル}-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸;
2-(4-ベンジルオキシ-フェニル)-1-シクロヘキシル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸[1-カルバモイル-2-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-エチル]-アミド;
2-[(2-{4-[4'-クロロ-4-(4-ヒドロキシル-ピペリジン-1-カルボニル)-ビフェン-2-イルメトキシ]-2-フルオロ-フェニル}-1-シクロヘキシル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル)-アミノ]-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸;
2-({1-シクロヘキシル-2-[4-(ナフタレン-2-イルメトキシ)-フェニル]-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル}-アミノ)-3-(5-ヒドロキシ-1H-インドル-3-イル)-プロピオン酸;および
3-(4-{[1-({2-[4-(4-カルバモイル-4'-クロロ-ビフェン-2-イルメトキシ)-2-フルオロ-フェニル]-1-シクロヘキシル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボニル}-アミノ)-シクロペンタンカルボニル]-アミノ}-フェニル)-アクリル酸;
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
薬学的に許容される希釈剤、および請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物または該化合物の二つもしくはそれ以上の混合物の治療的有効量を含む、薬学的組成物。
【請求項9】
請求項8記載の薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、フラビウイルス科に属するウイルスによって少なくとも部分的に媒介される哺乳類におけるウイルス感染症を治療または予防する方法。
【請求項10】
フラビウイルス科に属するウイルスがHCVである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
HCVに対して活性な一つまたはそれ以上の薬剤の治療的有効量の投与と組み合わされる請求項9記載の方法。
【請求項12】
薬剤が、リバビリン、レボビリン、サイモシンα-1、NS3セリンプロテアーゼ阻害剤、およびイノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、インターフェロン-α、PEG化インターフェロン-αの単独、またはリバビリンもしくはレボビリンとの組み合わせである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
薬剤が、インターフェロン-αもしくはPEG化インターフェロン-αの単独またはリバビリンもしくはレボビリンとの組み合わせである、請求項12記載の方法。

【公表番号】特表2006−526663(P2006−526663A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515223(P2006−515223)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/017856
【国際公開番号】WO2004/108687
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(505446356)ジェネラブス テクノロジーズ インコーポレーティッド (2)
【Fターム(参考)】