立軸形回転電機の回転子
【課題】回転子スポークの径方向に配置した板状の立骨部分に柔軟性を持たせることにより、焼き嵌めにより発生する圧縮力を低減すること。
【解決手段】立て位置に配置される回転軸に固定されて径方向に伸延する複数枚の板状の立骨2-5および2-6、当該板状の立骨の側面を連結する円板状の補強材2-3、2-4等で形成された回転子スポーク2と、その外周に焼き嵌めされた円環状の回転子リム3と、更に回転子リム3の外周に取付けられた複数個の回転子磁極4とから構成された立軸形回転電機の回転子において、回転子スポーク2を構成する板状の立骨を径方向に複数個に分割し、当該分割された立骨2-5および2-6の相互間を立骨よりも弾性係数が小さい部材2-7で接合した。
【解決手段】立て位置に配置される回転軸に固定されて径方向に伸延する複数枚の板状の立骨2-5および2-6、当該板状の立骨の側面を連結する円板状の補強材2-3、2-4等で形成された回転子スポーク2と、その外周に焼き嵌めされた円環状の回転子リム3と、更に回転子リム3の外周に取付けられた複数個の回転子磁極4とから構成された立軸形回転電機の回転子において、回転子スポーク2を構成する板状の立骨を径方向に複数個に分割し、当該分割された立骨2-5および2-6の相互間を立骨よりも弾性係数が小さい部材2-7で接合した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は立軸形回転電機の回転子に係り、特に、回転軸に固定された回転子スポークと、回転子リムとを焼き嵌めにより結合するようにした立軸形回転電機の回転子に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、水車発電機などの立軸形回転電機の回転子は、図11で示すように、立位置に配置された回転軸1と、この回転軸1に固定されて径方向に伸延する回転子スポーク2と、この回転子スポーク2の外周に取付けられた円環状に構成された回転子リム3と、この回転子リム3の外周に取付けられた突極形の複数個の回転子磁極4とから構成されている。
【0003】
ここで、前記回転子スポーク2は、回転軸1の円周方向に等間隔、かつ、径方向に溶接等で固定された複数枚の板状の立骨2-1と、これら複数枚の立骨2-1の外径側端面にそれぞれ取付けられ、キー溝を掘った棒状部材(以下、キーバーという)2-2と、立骨2-1の上面および下面の回転軸1から外径側端面に亘る部分に溶接で固定された補強材としての円板2-3および円板2-4から構成されている。
【0004】
この回転子スポーク2が担う機能は、回転子リム3および回転子磁極4の重量に対する鉛直方向の支持、運転中の遠心力や図示しない固定子からの磁気吸引力などに対する径方向の支持および回転軸1の下部に直結された水車軸から回転子リム3へのトルクの伝達である。
【0005】
回転子リム3は、回転数の上昇に伴って遠心力により外側に膨らむため、回転子スポーク2と回転子リム3との結合部には回転数の2乗に比例した隙間が生じる。
この結合部にできた隙間は、運転中に振動等を誘引する可能性があるため、この隙間の発生を防ぐために予め回転子スポーク2の外径を回転子リム3の内径よりも一定の回転数における回転子リム3の内径の拡大分に相当する量だけ大きくしておき、回転子リム3を回転子スポーク2に焼き嵌めして組立てる方法がある。この組立方法では、回転子の静止時に回転子スポーク2と回転子リム3との結合部に対して径方向に大きな圧縮力が生じる。従来技術の回転子では、径方向に発生する圧縮力に耐え得る強度を回転子スポークに備えるように製作されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−253162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した回転子スポークの強度を高める方法の場合、焼き嵌めによって回転子スポーク側に発生する圧縮力は、回転子スポークと回転子リムの剛性比に依存するため、回転子スポークの強度を上げると剛性が高まる。この結果、回転子スポークと回転子リムとの径方向に生じる圧縮力はさらに高くなり、その分、回転子スポークや回転子リムの設計および製作に困難をきたすという欠点があった。
【0008】
本発明は上述した欠点に鑑みて、回転子スポークの径方向に配置した板状の立骨部分に柔軟性を持たせることにより、焼き嵌めにより発生する圧縮力を低減することのできる回転電機の回転子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、立て位置に配置される回転軸に固定されて径方向に伸延する複数枚の板状の立骨、当該板状の立骨の側面を連結する円板状の補強材および立骨の外径側端面に取付けられたキーバーにより形成された回転子スポークと、この回転子スポーク外周に設けたキーバーに焼き嵌めされた円環状の回転子リムと、この回転子リムの外周にダブテールによって取付けられた突極形の複数個の回転子磁極とから構成された立軸形回転電機の回転子において、前記回転子スポークを構成する板状の立骨を径方向に複数個に分割し、当該分割された立骨相互間を立骨よりも弾性係数が小さい部材で接合したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば回転子スポークの機能を損なうことなく径方向の剛性を小さくできるため、焼き嵌めにより回転子スポークと回転子リムとの間に発生する圧縮力を低減させることのできる立軸形回転電機の回転子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1に係る立軸形回転電機の回転子の側部断面図。
【図2】図1の立軸形回転電機の回転子の矢視平面図。
【図3】本発明の実施形態2に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図。
【図4】本発明の実施形態3に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図。
【図5】本発明の実施形態4に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図。
【図6】本発明の実施形態5に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図であり、(a)は一方の側面に湾曲した形状の吸収部材を適用した例を、(b)はS字形に湾曲した形状の吸収部材を適用した例をそれぞれ示す図。
【図7】本発明の実施形態6に係る立軸形回転電機の回転子の主要部側部断面図。
【図8】本発明の実施形態7に係る立軸形回転電機の回転子の主要部側部断面図。
【図9】本発明の実施形態8に係る立軸形回転電機の回転子の主要部側部断面図。
【図10】本発明の実施形態9に係る立軸形回転電機の回転子の主要部側部断面図。
【図11】従来の技術の立軸形回転電機の回転子の側部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面を参照して本発明に係る立軸形回転電機の回転子の実施形態について説明する。なお、各図を通して同一または対応する部品には同一符号または関連する符号を付けて重複する説明は適宜省くものとする。
【0013】
[実施形態1]
図1は本実施形態1に係る立軸形回転電機の回転子の側部断面図であり、図2は図1を矢視方向から見た平面図である。
【0014】
図1および図2において、本実施形態1に係る立軸形回転電機の回転子は、立て位置に配置される回転軸1と、この回転軸1に固定されて放射状すなわち径方向に伸延するように形成された回転子スポーク2と、この回転子スポーク2の外周に焼き嵌めにより取付けられた円環状に構成された回転子リム3と、この回転子リム3の外周に更に取付けられた突極形の複数個の回転子磁極4とから構成している点、および前記回転子スポーク2を立骨、キーバーおよび補強用円板とで構成している点は従来例の図11と同じであるが、本実施形態1が従来例と特に異なる点は、回転子スポーク2である。
【0015】
すなわち、本実施形態1による回転子スポーク2は、立骨2-1をその放射方向の中間位置で複数個(図では2個)に分割して第1の立骨2-5および第2の立骨2-6とし、この第1の立骨2-5および第2の立骨2-6を中間接合部材である板状の伸縮部材2-7を介して溶接により結合するように構成した点が大きく異なる点であり、さらに異なる点は補強用の円板2-3および円板2-4が第2の立骨2-6の外径部近傍だけの上面および下面に溶接されている点である。その他の構成は従来例とほぼ同じなので説明を省略する。
【0016】
なお、前記第1の立骨2-5および第2の立骨2-6は、通常炭素鋼で製作され、これに対して前記伸縮部材2-7は回転子スポーク2の機能を損なわない程度の強度を有し、かつ、炭素鋼よりも弾性係数の小さい材質、例えばアルミニウム材で製作される。この結果、第1の立骨2-5と、第2の立骨2-6と伸縮部材2-7とは、異種金属溶接となる。
【0017】
次に、本実施形態1の作用について述べる。
回転子スポーク2と回転子リム3とを焼き嵌めしたことによって結合部であるリムキー5部分に作用する圧縮力は、第2の立骨2-6を介して伸縮部材2-7に伝達される。前述したように伸縮部材2-7は、第1の立骨2-5および第2の立骨2-6よりも弾性係数が小さいため、伸縮部材2-7が縮むことにより、第1の立骨2-5、第2の立骨2-6、伸縮部材2-7からなる回転子スポーク2の径方向の剛性が小さくなり、圧縮力を低減することができる。
【0018】
以上述べたように、本実施形態1によれば回転子スポーク2の機能を損なうことなく径方向の剛性を小さくできるため、焼き嵌めにより回転子スポーク2と回転子リム3との間に発生する圧縮力を低減することのできる立軸形回転電機の回転子を提供できる。
【0019】
[実施形態2]
図3は実施形態2に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図を示す。
前述した図1、2に示す実施形態1では、中間接合部材として伸縮部材2-7を採用し、異種金属の伸縮部材2-7と第1の立骨2-5、第2の立骨2-6とを溶接により結合したが、本実施形態2は図3で示すように、溶接に替えて板状の伸縮部材2-7を2枚用意して第1の立骨2-5および第2の立骨2-6の端部を挟み、その挟んだ部分をボルト6-1、6-2にて一体的に結合するようにしたものである。
【0020】
これにより第1の立骨2-5および第2の立骨2-6と材質が異なる伸縮部材2-7を容易に結合することができるうえ、実施形態1と同様な作用効果を奏することができる。
【0021】
[実施形態3]
図4は実施形態3に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図を示す。
本実施形態3は、図4で示すように、第1の立骨2-5と第2の立骨2-6との間に中間接合部材として炭素鋼製の円筒部材7を介在させて、第1の立骨2-5と円筒部材7間、円筒部材7と第2の立骨2-6間とを溶接により結合したものである。この場合の円筒部材7の材質は、第1の立骨2-5、第2の立骨2-6と同じ材質でなくてもよい。
【0022】
本実施形態3によれば、焼き嵌めによる圧縮力に対して、円筒部材11が楕円に変形することにより、第1の立骨2-5、第2の立骨2-6、円筒部材7からなる回転子スポーク2の径方向の剛性が小さくなり、圧縮力を低減することができる。
【0023】
[実施形態4]
図5は実施形態4に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図を示す。
本実施形態4は、前述した実施形態3の一部を変更した実施形態であり、図4に示した中間接合部材である円筒部材7と同等の2個の円筒部材7-1および7-2を設けたものである。
【0024】
本実施形態4は前述した実施形態3に比べて、各々の円筒部材7-1、7-2の変形量が小さくなるため、径方向の剛性の調整幅を大きくすることができる。
【0025】
なお、円筒部材7-1と7-2との大きさは同じでなくてもよく、また、円筒部材は3個以上であってもよい。さらに、円筒部材7-1と7-2との間に第3の立骨を配置するように構成してもよい。
【0026】
[実施形態5]
図6は実施形態5に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図であり、(a)は一方の側面側にのみ湾曲した形状の吸収部材8を適用した例を、(b)はS字形に湾曲した形状の吸収部材9を適用した例をそれぞれ示す図である。
【0027】
本実施形態5は、図6(a)、(b)で示すように、第1の立骨2-5と第2の立骨2-6との間に中間接合部材として、炭素鋼で製作され一方の側面側にのみに湾曲した形状の吸収部材8、あるいはS字形に湾曲した形状の吸収部材9を介在させて、第1の立骨2-5と吸収部材8(または9)間、吸収部材8(または9)と第2の立骨2-6間とを溶接により結合し、吸収部材8あるいは吸収部材9で回転子スポーク2の径方向の動きを吸収することができるようにしたものである。
【0028】
回転子の運転中、回転子リムが遠心力で膨張するとき、一方の側面側にのみに湾曲した形状の吸収部材8(図6(a))または、S字形に湾曲した形状の吸収部材9(図6(b))が変形することにより、第1の立骨2-5、第2の立骨2-6、吸収部材8(または吸収部材9)からなる回転子スポーク2の径方向の剛性が小さくなり、圧縮力を低減することができる。
【0029】
なお、図6(a)、(b)では第1の立骨2-5、第2の立骨2-6および吸収部材8(または9)の3者を別体とし、それぞれの間を溶接で結合するようにしたが、本実施形態5はこれに限定されるものではなく、第1の立骨2-5、第2の立骨2-6および吸収部材8(または9)を初めから一体の材料で形成するようにしてもよい。このように一体の材料で形成する場合は、部品点数を低減することができる。
【0030】
[実施形態6]
図7は実施形態6に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図である。
本実施形態6は、図7で示すように第2の立骨2-6の内径側端部の上端部7-61および下端部7-62をそれぞれ上部および下部に突出させて回転軸1との接合部とし、これら上端部7-61、下端部7-62および回転軸1間に隙間Gを設けたものである。
【0031】
本実施形態6の構成の場合、第2の立骨2-6の断面積は減少するが、断面係数はさほど変化しないため、回転子リム3および回転子磁極等4の重量を支持する機能は損なうことなく、径方向の剛性を小さくすることが可能である。
【0032】
[実施形態7]
図8は実施形態7に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図である。
本実施形態7は、図8で示すように回転軸1との結合部となる第2の立骨2-6の内径側端部と、外径側端部との中間部2-63を上部および下部に膨らませ、かつ、内部に立骨2-6の高さと同等の長さを有する回転軸方向の長穴Hを設けるようにしたものである。
【0033】
本実施形態7の場合、前述した実施形態6のように回転軸1との結合部となる上端部7-61、下端部7-62が回転軸1の軸方向に突出しないので、実施形態6の場合よりも、中心体1の軸長を短くすることができる。
【0034】
[実施形態8]
図9は実施形態8に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図である。
上述した実施形態1〜7の場合、従来構造に比べ回転子スポークの径方向の剛性を小さくする分、回転子リム3および回転子磁極4等の重量による組立後の回転子スポーク2外周側の軸方向変位が大きくなる。
【0035】
そこで、本実施形態8は、組立後の前記回転子スポークの外周側が、前記回転子リムおよび回転子磁極の重量によって前記回転軸方向下部に変位する量を補正する角度だけ前記立骨あるいは中間接合部材を回転軸の水平横断面に対して予め軸方向上部に傾斜させるために、第1の立骨2-5と第2の立骨2-6との間に配置され中間結合部材である前記伸縮体2-7あるいは円筒部材7あるいは吸収部材8(9)の径方向の上面長さL1を下面長さL2よりも予定寸法分だけ短く(L1<L2)し、組立前の状態で前記回転子スポーク2の構成部品である第2の立骨2-6を回転軸の水平横断面に対して所定角度θだけ上側に傾斜して取付けるようにしたものである。組立後は回転子スポーク2の角度θがゼロ若しくはゼロに近くなる。
【0036】
なお、本実施形態を、図7あるいは図8に適用する場合は、回転軸1に対する立骨2-6の取り付け角度をθだけ軸方向上部に傾ければ実現することができる。
【0037】
[実施形態9]
図10は実施形態9に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図である。
本実施形態10は、図10で示すように、第1の立骨2-5と第2の立骨2-6とをリンク9により結合したものである。
【0038】
本実施形態10によれば、焼き嵌めによる内径方向の圧縮力を、第2の立骨2-6が持ち上がることにより吸収することができる。
【符号の説明】
【0039】
1…回転軸、2…回転子スポーク、2-2…キーバー、2-3…補強用円板、2-4…補強用円板、2-5…第1の立骨、2-6…第2の立骨、2-7…伸縮体、3…回転子リム、4…回転子磁極、5…リムキー、6-1、6-2…ボルト、7、7-1、7-2…円筒部材、8,9…吸収部材、10…リンク。
【技術分野】
【0001】
本発明は立軸形回転電機の回転子に係り、特に、回転軸に固定された回転子スポークと、回転子リムとを焼き嵌めにより結合するようにした立軸形回転電機の回転子に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、水車発電機などの立軸形回転電機の回転子は、図11で示すように、立位置に配置された回転軸1と、この回転軸1に固定されて径方向に伸延する回転子スポーク2と、この回転子スポーク2の外周に取付けられた円環状に構成された回転子リム3と、この回転子リム3の外周に取付けられた突極形の複数個の回転子磁極4とから構成されている。
【0003】
ここで、前記回転子スポーク2は、回転軸1の円周方向に等間隔、かつ、径方向に溶接等で固定された複数枚の板状の立骨2-1と、これら複数枚の立骨2-1の外径側端面にそれぞれ取付けられ、キー溝を掘った棒状部材(以下、キーバーという)2-2と、立骨2-1の上面および下面の回転軸1から外径側端面に亘る部分に溶接で固定された補強材としての円板2-3および円板2-4から構成されている。
【0004】
この回転子スポーク2が担う機能は、回転子リム3および回転子磁極4の重量に対する鉛直方向の支持、運転中の遠心力や図示しない固定子からの磁気吸引力などに対する径方向の支持および回転軸1の下部に直結された水車軸から回転子リム3へのトルクの伝達である。
【0005】
回転子リム3は、回転数の上昇に伴って遠心力により外側に膨らむため、回転子スポーク2と回転子リム3との結合部には回転数の2乗に比例した隙間が生じる。
この結合部にできた隙間は、運転中に振動等を誘引する可能性があるため、この隙間の発生を防ぐために予め回転子スポーク2の外径を回転子リム3の内径よりも一定の回転数における回転子リム3の内径の拡大分に相当する量だけ大きくしておき、回転子リム3を回転子スポーク2に焼き嵌めして組立てる方法がある。この組立方法では、回転子の静止時に回転子スポーク2と回転子リム3との結合部に対して径方向に大きな圧縮力が生じる。従来技術の回転子では、径方向に発生する圧縮力に耐え得る強度を回転子スポークに備えるように製作されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−253162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した回転子スポークの強度を高める方法の場合、焼き嵌めによって回転子スポーク側に発生する圧縮力は、回転子スポークと回転子リムの剛性比に依存するため、回転子スポークの強度を上げると剛性が高まる。この結果、回転子スポークと回転子リムとの径方向に生じる圧縮力はさらに高くなり、その分、回転子スポークや回転子リムの設計および製作に困難をきたすという欠点があった。
【0008】
本発明は上述した欠点に鑑みて、回転子スポークの径方向に配置した板状の立骨部分に柔軟性を持たせることにより、焼き嵌めにより発生する圧縮力を低減することのできる回転電機の回転子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、立て位置に配置される回転軸に固定されて径方向に伸延する複数枚の板状の立骨、当該板状の立骨の側面を連結する円板状の補強材および立骨の外径側端面に取付けられたキーバーにより形成された回転子スポークと、この回転子スポーク外周に設けたキーバーに焼き嵌めされた円環状の回転子リムと、この回転子リムの外周にダブテールによって取付けられた突極形の複数個の回転子磁極とから構成された立軸形回転電機の回転子において、前記回転子スポークを構成する板状の立骨を径方向に複数個に分割し、当該分割された立骨相互間を立骨よりも弾性係数が小さい部材で接合したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば回転子スポークの機能を損なうことなく径方向の剛性を小さくできるため、焼き嵌めにより回転子スポークと回転子リムとの間に発生する圧縮力を低減させることのできる立軸形回転電機の回転子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1に係る立軸形回転電機の回転子の側部断面図。
【図2】図1の立軸形回転電機の回転子の矢視平面図。
【図3】本発明の実施形態2に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図。
【図4】本発明の実施形態3に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図。
【図5】本発明の実施形態4に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図。
【図6】本発明の実施形態5に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図であり、(a)は一方の側面に湾曲した形状の吸収部材を適用した例を、(b)はS字形に湾曲した形状の吸収部材を適用した例をそれぞれ示す図。
【図7】本発明の実施形態6に係る立軸形回転電機の回転子の主要部側部断面図。
【図8】本発明の実施形態7に係る立軸形回転電機の回転子の主要部側部断面図。
【図9】本発明の実施形態8に係る立軸形回転電機の回転子の主要部側部断面図。
【図10】本発明の実施形態9に係る立軸形回転電機の回転子の主要部側部断面図。
【図11】従来の技術の立軸形回転電機の回転子の側部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面を参照して本発明に係る立軸形回転電機の回転子の実施形態について説明する。なお、各図を通して同一または対応する部品には同一符号または関連する符号を付けて重複する説明は適宜省くものとする。
【0013】
[実施形態1]
図1は本実施形態1に係る立軸形回転電機の回転子の側部断面図であり、図2は図1を矢視方向から見た平面図である。
【0014】
図1および図2において、本実施形態1に係る立軸形回転電機の回転子は、立て位置に配置される回転軸1と、この回転軸1に固定されて放射状すなわち径方向に伸延するように形成された回転子スポーク2と、この回転子スポーク2の外周に焼き嵌めにより取付けられた円環状に構成された回転子リム3と、この回転子リム3の外周に更に取付けられた突極形の複数個の回転子磁極4とから構成している点、および前記回転子スポーク2を立骨、キーバーおよび補強用円板とで構成している点は従来例の図11と同じであるが、本実施形態1が従来例と特に異なる点は、回転子スポーク2である。
【0015】
すなわち、本実施形態1による回転子スポーク2は、立骨2-1をその放射方向の中間位置で複数個(図では2個)に分割して第1の立骨2-5および第2の立骨2-6とし、この第1の立骨2-5および第2の立骨2-6を中間接合部材である板状の伸縮部材2-7を介して溶接により結合するように構成した点が大きく異なる点であり、さらに異なる点は補強用の円板2-3および円板2-4が第2の立骨2-6の外径部近傍だけの上面および下面に溶接されている点である。その他の構成は従来例とほぼ同じなので説明を省略する。
【0016】
なお、前記第1の立骨2-5および第2の立骨2-6は、通常炭素鋼で製作され、これに対して前記伸縮部材2-7は回転子スポーク2の機能を損なわない程度の強度を有し、かつ、炭素鋼よりも弾性係数の小さい材質、例えばアルミニウム材で製作される。この結果、第1の立骨2-5と、第2の立骨2-6と伸縮部材2-7とは、異種金属溶接となる。
【0017】
次に、本実施形態1の作用について述べる。
回転子スポーク2と回転子リム3とを焼き嵌めしたことによって結合部であるリムキー5部分に作用する圧縮力は、第2の立骨2-6を介して伸縮部材2-7に伝達される。前述したように伸縮部材2-7は、第1の立骨2-5および第2の立骨2-6よりも弾性係数が小さいため、伸縮部材2-7が縮むことにより、第1の立骨2-5、第2の立骨2-6、伸縮部材2-7からなる回転子スポーク2の径方向の剛性が小さくなり、圧縮力を低減することができる。
【0018】
以上述べたように、本実施形態1によれば回転子スポーク2の機能を損なうことなく径方向の剛性を小さくできるため、焼き嵌めにより回転子スポーク2と回転子リム3との間に発生する圧縮力を低減することのできる立軸形回転電機の回転子を提供できる。
【0019】
[実施形態2]
図3は実施形態2に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図を示す。
前述した図1、2に示す実施形態1では、中間接合部材として伸縮部材2-7を採用し、異種金属の伸縮部材2-7と第1の立骨2-5、第2の立骨2-6とを溶接により結合したが、本実施形態2は図3で示すように、溶接に替えて板状の伸縮部材2-7を2枚用意して第1の立骨2-5および第2の立骨2-6の端部を挟み、その挟んだ部分をボルト6-1、6-2にて一体的に結合するようにしたものである。
【0020】
これにより第1の立骨2-5および第2の立骨2-6と材質が異なる伸縮部材2-7を容易に結合することができるうえ、実施形態1と同様な作用効果を奏することができる。
【0021】
[実施形態3]
図4は実施形態3に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図を示す。
本実施形態3は、図4で示すように、第1の立骨2-5と第2の立骨2-6との間に中間接合部材として炭素鋼製の円筒部材7を介在させて、第1の立骨2-5と円筒部材7間、円筒部材7と第2の立骨2-6間とを溶接により結合したものである。この場合の円筒部材7の材質は、第1の立骨2-5、第2の立骨2-6と同じ材質でなくてもよい。
【0022】
本実施形態3によれば、焼き嵌めによる圧縮力に対して、円筒部材11が楕円に変形することにより、第1の立骨2-5、第2の立骨2-6、円筒部材7からなる回転子スポーク2の径方向の剛性が小さくなり、圧縮力を低減することができる。
【0023】
[実施形態4]
図5は実施形態4に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図を示す。
本実施形態4は、前述した実施形態3の一部を変更した実施形態であり、図4に示した中間接合部材である円筒部材7と同等の2個の円筒部材7-1および7-2を設けたものである。
【0024】
本実施形態4は前述した実施形態3に比べて、各々の円筒部材7-1、7-2の変形量が小さくなるため、径方向の剛性の調整幅を大きくすることができる。
【0025】
なお、円筒部材7-1と7-2との大きさは同じでなくてもよく、また、円筒部材は3個以上であってもよい。さらに、円筒部材7-1と7-2との間に第3の立骨を配置するように構成してもよい。
【0026】
[実施形態5]
図6は実施形態5に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図であり、(a)は一方の側面側にのみ湾曲した形状の吸収部材8を適用した例を、(b)はS字形に湾曲した形状の吸収部材9を適用した例をそれぞれ示す図である。
【0027】
本実施形態5は、図6(a)、(b)で示すように、第1の立骨2-5と第2の立骨2-6との間に中間接合部材として、炭素鋼で製作され一方の側面側にのみに湾曲した形状の吸収部材8、あるいはS字形に湾曲した形状の吸収部材9を介在させて、第1の立骨2-5と吸収部材8(または9)間、吸収部材8(または9)と第2の立骨2-6間とを溶接により結合し、吸収部材8あるいは吸収部材9で回転子スポーク2の径方向の動きを吸収することができるようにしたものである。
【0028】
回転子の運転中、回転子リムが遠心力で膨張するとき、一方の側面側にのみに湾曲した形状の吸収部材8(図6(a))または、S字形に湾曲した形状の吸収部材9(図6(b))が変形することにより、第1の立骨2-5、第2の立骨2-6、吸収部材8(または吸収部材9)からなる回転子スポーク2の径方向の剛性が小さくなり、圧縮力を低減することができる。
【0029】
なお、図6(a)、(b)では第1の立骨2-5、第2の立骨2-6および吸収部材8(または9)の3者を別体とし、それぞれの間を溶接で結合するようにしたが、本実施形態5はこれに限定されるものではなく、第1の立骨2-5、第2の立骨2-6および吸収部材8(または9)を初めから一体の材料で形成するようにしてもよい。このように一体の材料で形成する場合は、部品点数を低減することができる。
【0030】
[実施形態6]
図7は実施形態6に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図である。
本実施形態6は、図7で示すように第2の立骨2-6の内径側端部の上端部7-61および下端部7-62をそれぞれ上部および下部に突出させて回転軸1との接合部とし、これら上端部7-61、下端部7-62および回転軸1間に隙間Gを設けたものである。
【0031】
本実施形態6の構成の場合、第2の立骨2-6の断面積は減少するが、断面係数はさほど変化しないため、回転子リム3および回転子磁極等4の重量を支持する機能は損なうことなく、径方向の剛性を小さくすることが可能である。
【0032】
[実施形態7]
図8は実施形態7に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図である。
本実施形態7は、図8で示すように回転軸1との結合部となる第2の立骨2-6の内径側端部と、外径側端部との中間部2-63を上部および下部に膨らませ、かつ、内部に立骨2-6の高さと同等の長さを有する回転軸方向の長穴Hを設けるようにしたものである。
【0033】
本実施形態7の場合、前述した実施形態6のように回転軸1との結合部となる上端部7-61、下端部7-62が回転軸1の軸方向に突出しないので、実施形態6の場合よりも、中心体1の軸長を短くすることができる。
【0034】
[実施形態8]
図9は実施形態8に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図である。
上述した実施形態1〜7の場合、従来構造に比べ回転子スポークの径方向の剛性を小さくする分、回転子リム3および回転子磁極4等の重量による組立後の回転子スポーク2外周側の軸方向変位が大きくなる。
【0035】
そこで、本実施形態8は、組立後の前記回転子スポークの外周側が、前記回転子リムおよび回転子磁極の重量によって前記回転軸方向下部に変位する量を補正する角度だけ前記立骨あるいは中間接合部材を回転軸の水平横断面に対して予め軸方向上部に傾斜させるために、第1の立骨2-5と第2の立骨2-6との間に配置され中間結合部材である前記伸縮体2-7あるいは円筒部材7あるいは吸収部材8(9)の径方向の上面長さL1を下面長さL2よりも予定寸法分だけ短く(L1<L2)し、組立前の状態で前記回転子スポーク2の構成部品である第2の立骨2-6を回転軸の水平横断面に対して所定角度θだけ上側に傾斜して取付けるようにしたものである。組立後は回転子スポーク2の角度θがゼロ若しくはゼロに近くなる。
【0036】
なお、本実施形態を、図7あるいは図8に適用する場合は、回転軸1に対する立骨2-6の取り付け角度をθだけ軸方向上部に傾ければ実現することができる。
【0037】
[実施形態9]
図10は実施形態9に係る立軸形回転電機の回転子の主要部平面図である。
本実施形態10は、図10で示すように、第1の立骨2-5と第2の立骨2-6とをリンク9により結合したものである。
【0038】
本実施形態10によれば、焼き嵌めによる内径方向の圧縮力を、第2の立骨2-6が持ち上がることにより吸収することができる。
【符号の説明】
【0039】
1…回転軸、2…回転子スポーク、2-2…キーバー、2-3…補強用円板、2-4…補強用円板、2-5…第1の立骨、2-6…第2の立骨、2-7…伸縮体、3…回転子リム、4…回転子磁極、5…リムキー、6-1、6-2…ボルト、7、7-1、7-2…円筒部材、8,9…吸収部材、10…リンク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立て位置に配置される回転軸に固定されて径方向に伸延する複数枚の板状の立骨、当該板状の立骨の側面を連結する円板状の補強材および立骨の外径側端面に取付けられたキーバーにより形成された回転子スポークと、この回転子スポーク外周に設けたキーバーに焼き嵌めされた円環状の回転子リムと、この回転子リムの外周に取付けられた突極形の複数個の回転子磁極とから構成された立軸形回転電機の回転子において、
前記回転子スポークを構成する板状の立骨を径方向に複数個に分割し、当該分割された立骨相互間を、回転子スポークの径方向の剛性を小さくする中間接合部材によって結合したことを特徴とする立軸形回転電機の回転子。
【請求項2】
前記中間接合部材は、前記立骨よりも弾性係数が小さい部材で構成されていることを特徴とする請求項1記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項3】
前記中間接合部材は、前記分割された立骨相互間をボルトにて結合したことを特徴とする請求項2記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項4】
前記分割された立骨相互間を接合する中間接合部材として、前記立骨相互間を円筒部材により接合することを特徴とする請求項1記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項5】
前記円筒部材を2つ以上径方向に配置して接合したことを特徴とする請求項4記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項6】
前記中間接合部材は、前記立骨の径方向の圧縮力を吸収し得る形状の部材としたことを特徴とする請求項1記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項7】
立て位置に配置される回転軸に固定されて径方向に伸延する複数枚の板状の立骨、当該板状の立骨の側面を連結する円板状の補強材および立骨の外径側端面に取付けられたキーバーにより形成された回転子スポークと、この回転子スポーク外周のキーバーに焼き嵌めされた円環状の回転子リムと、この回転子リムの外周に取付けられた突極形の複数個の回転子磁極とから構成された立軸形回転電機の回転子において、
前記立骨の回転軸との接合部に上端部および下端部を残して空間部を設けたことを特徴とする立軸形回転電機の回転子。
【請求項8】
立て位置に配置される回転軸に固定されて径方向に伸延する複数枚の板状の立骨、当該板状の立骨の側面を連結する円板状の補強材および立骨の外径側端面に取付けられたキーバーにより形成された回転子スポークと、この回転子スポーク外周のキーバーに焼き嵌めされた円環状の回転子リムと、この回転子リムの外周に取付けられた突極形の複数個の回転子磁極とから構成された立軸形回転電機の回転子において、
前記立骨の径方向の中間部に回転軸方向の長穴を設けたことを特徴とする立軸形回転電機の回転子。
【請求項9】
組立後の前記回転子スポークの外周側が、前記回転子リムおよび回転子磁極の重量によって前記回転軸方向下部に変位する量を補正する角度だけ前記立骨あるいは中間接合部材を回転軸の水平横断面に対して予め軸方向上部に傾斜させたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項10】
前記中間接合部材は、前記分割された立骨相互間を接合するリンク機構としたことを特徴とする請求項1記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項1】
立て位置に配置される回転軸に固定されて径方向に伸延する複数枚の板状の立骨、当該板状の立骨の側面を連結する円板状の補強材および立骨の外径側端面に取付けられたキーバーにより形成された回転子スポークと、この回転子スポーク外周に設けたキーバーに焼き嵌めされた円環状の回転子リムと、この回転子リムの外周に取付けられた突極形の複数個の回転子磁極とから構成された立軸形回転電機の回転子において、
前記回転子スポークを構成する板状の立骨を径方向に複数個に分割し、当該分割された立骨相互間を、回転子スポークの径方向の剛性を小さくする中間接合部材によって結合したことを特徴とする立軸形回転電機の回転子。
【請求項2】
前記中間接合部材は、前記立骨よりも弾性係数が小さい部材で構成されていることを特徴とする請求項1記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項3】
前記中間接合部材は、前記分割された立骨相互間をボルトにて結合したことを特徴とする請求項2記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項4】
前記分割された立骨相互間を接合する中間接合部材として、前記立骨相互間を円筒部材により接合することを特徴とする請求項1記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項5】
前記円筒部材を2つ以上径方向に配置して接合したことを特徴とする請求項4記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項6】
前記中間接合部材は、前記立骨の径方向の圧縮力を吸収し得る形状の部材としたことを特徴とする請求項1記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項7】
立て位置に配置される回転軸に固定されて径方向に伸延する複数枚の板状の立骨、当該板状の立骨の側面を連結する円板状の補強材および立骨の外径側端面に取付けられたキーバーにより形成された回転子スポークと、この回転子スポーク外周のキーバーに焼き嵌めされた円環状の回転子リムと、この回転子リムの外周に取付けられた突極形の複数個の回転子磁極とから構成された立軸形回転電機の回転子において、
前記立骨の回転軸との接合部に上端部および下端部を残して空間部を設けたことを特徴とする立軸形回転電機の回転子。
【請求項8】
立て位置に配置される回転軸に固定されて径方向に伸延する複数枚の板状の立骨、当該板状の立骨の側面を連結する円板状の補強材および立骨の外径側端面に取付けられたキーバーにより形成された回転子スポークと、この回転子スポーク外周のキーバーに焼き嵌めされた円環状の回転子リムと、この回転子リムの外周に取付けられた突極形の複数個の回転子磁極とから構成された立軸形回転電機の回転子において、
前記立骨の径方向の中間部に回転軸方向の長穴を設けたことを特徴とする立軸形回転電機の回転子。
【請求項9】
組立後の前記回転子スポークの外周側が、前記回転子リムおよび回転子磁極の重量によって前記回転軸方向下部に変位する量を補正する角度だけ前記立骨あるいは中間接合部材を回転軸の水平横断面に対して予め軸方向上部に傾斜させたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の立軸形回転電機の回転子。
【請求項10】
前記中間接合部材は、前記分割された立骨相互間を接合するリンク機構としたことを特徴とする請求項1記載の立軸形回転電機の回転子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−125193(P2011−125193A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282949(P2009−282949)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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