端子付き電線および端子装置
【課題】コネクタのコンパクト性を損ない難くしつつ、同軸電線と端子との間の固着力を強化できる端子付き電線を提供することにある。
【解決手段】この端子付き電線1は、電線3と、バレル部52bを有しバレル部52bにて電線3の端部とカシメ接続された端子52と、その内面に接着材を有し、バレル部52bの外周面と電線3の端部側の外周面とに亘って被覆装着され、それらの外周面と接着された熱収縮チューブ7とを備える。
【解決手段】この端子付き電線1は、電線3と、バレル部52bを有しバレル部52bにて電線3の端部とカシメ接続された端子52と、その内面に接着材を有し、バレル部52bの外周面と電線3の端部側の外周面とに亘って被覆装着され、それらの外周面と接着された熱収縮チューブ7とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線の端部に端子をカシメ接続する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば図16の様に、同軸電線100に端子(外導体端子)101を接続する方式には、同軸電線100の端部の偏組100aを外被100b上に折り返し、その折り返した偏組100aの外周だけに端子101のバレル部101aをカシメ接続する方式(即ち、同軸導線100の外被100bと偏組100aとの2カ所でカシメ接続する方式ではなく、偏組100aだけでカシメ接続する方式)がある。
【0003】
通常、カシメ接続には、使用状況に応じて所望の固着力(同軸電線100と端子101との固着力)が要求されるが、上記の様に偏組100aだけでカシメ接続する方式だと、要求される固着力を十分に確保できない(即ち端子101が同軸電線100から抜ける)場合があるという問題がある。
【0004】
この問題を解決する方法として、端子101のバレル部101aを長くすることで、端子101のバレル部101aと同軸電線100の偏組100aとの間のカシメ接続の固着力を強化して、端子101が同軸電線100から抜け難くする案が考えられる。
【0005】
尚、電線の端部に端子がカシメ接続された端子付き電線として特許文献1に記載のものが知られている。
【0006】
【特許文献1】特開平08−022851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の様にバレル部100aを長くすると、端子101にコネクタハウジング(不図示)を装着したときに、バレル部100aがコネクタハウジングから露出して外部と短絡する虞があるので、バレル部101aの長さに合わせてコネクタハウジングを長くする必要があり、コネクタのコンパクト性が損なわれるという問題が生じる。
【0008】
そこで、この発明の課題は、コネクタのコンパクト性を損ない難くしつつ、電線と端子との間の固着力を強化できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する為に、請求項1に記載の発明は、電線と、バレル部を有し、前記バレル部にて前記電線の端部とカシメ接続された端子と、その内面に接着材を有し、前記バレル部の外周面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着され、それらの外周面と接着された熱収縮チューブと、を備えるものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記バレル部は、その後端から後方に延設された板状延設部を有し、前記熱収縮チューブは、更に、前記板状延設部に亘って被覆装着され且つ前記板状延設部の外面と接着されるものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、電線と、その後端から後方に延設された板状延設部を有するバレル部を有し、前記バレル部にて前記電線の端部とカシメ接続された端子と、前記バレル部の外周面と前記板状延設部の外面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着された熱収縮チューブと、を備えるものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記板状延設部の外面に編目状または横縞状の溝が形成されているものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記板状延設部の外面に切り起こし部が形成されているものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記板状延設部の外面に凹凸が形成されているものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記板状延設部は、その後部が外側に曲げられているものである。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記板状延設部は、その後部側の横幅がその前部側の横幅より広く形成されているものである。
【0017】
請求項9に記載の発明は、前記板状延設部は、その延設方向に沿って波型に形成されているものである。
【0018】
請求項10に記載の発明は、バレル部を有し、前記バレル部にて電線の端部とカシメ接続可能な端子と、その内面に接着材を有し、前記バレル部の外周面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着可能で且つそれらの外周面と接着可能な熱収縮チューブと、を備えるものである。
【0019】
請求項11に記載の発明は、前記バレル部は、その後端から後方に延設された板状延設部を有し、前記熱収縮チューブは、更に、前記板状延設部に亘って被覆装着可能で且つ前記板状延設部の外面と接着可能であるものである。
【0020】
請求項12に記載の発明は、その後端から後方に延設された板状延設部を有するバレル部を有し、前記バレル部にて電線の端部とカシメ接続可能な端子と、前記バレル部の外周面と前記板状延設部の外面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着された熱収縮チューブと、を備えるものである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1および請求項10に記載の発明によれば、端子のバレル部の外周面と電線の端部側の外周面とに亘って熱収縮チューブが被覆装着されるので、熱収縮チューブにより端子と電線との間の固着力が強化できる。
【0022】
またバレル部を長くしなくてよいので、コネクタのコンパクト性を損ない難い。
【0023】
また熱収縮チューブの内面に接着材を有するので、熱収縮チューブと電線との間の固着力および熱収縮チューブと端子との間の固着力をより強化でき、これにより端子と電線との間の固着力をより強化できる。
【0024】
請求項2および請求項11に記載の発明によれば、バレル部はその後端から後方に延設された板状延設部を有し、熱収縮チューブは更に前記板状延設部に亘って被覆装着されるので、前記板状延設部により端子と熱収縮チューブとの間の固着力をより強化でき、これにより端子と電線との間の固着力をより強化できる。
【0025】
また熱収縮チューブは、その内面の接着材により板状延設部の外面と接着されるので、端子と熱収縮チューブとの間の固着力をより強化でき、これにより端子と電線との間の固着力をより強化できる。
【0026】
また板状延設部は熱収縮チューブに被覆されるので、外部との短絡が無く、従ってコネクタハウジングを板状延設部に合わせて長くしなくてよいので、コネクタのコンパクト性を損なわない。
【0027】
請求項3および請求項12に記載の発明によれば、端子のバレル部の外周面と電線の端部側の外周面とに亘って熱収縮チューブが被覆装着されるので、熱収縮チューブにより端子と電線との間の固着力が強化できる。
【0028】
またバレル部はその後端から後方に延設された板状延設部を有し、熱収縮チューブは前記板状延設部の外面に亘って被覆装着されるので、前記板状延設部により端子と熱収縮チューブとの間の固着力をより強化でき、これにより端子と電線との間の固着力をより強化できる。
【0029】
また板状延設部は熱収縮チューブに被覆されるので、外部との短絡が無く、従ってコネクタハウジングを板状延設部に合わせて長くしなくてよいので、コネクタのコンパクト性を損なわない。
【0030】
請求項4に記載の発明によれば、板状延設部の外面に編目状または横縞状の溝が形成されているので、端子と熱収縮チューブとの間の摩擦抵抗を増加でき、端子が熱収縮チューブから抜け難くできる(即ち、実質的に端子と電線との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0031】
請求項5に記載の発明によれば、板状延設部の外面に切り起こし部が形成されているので、端子と熱収縮チューブとの間の摩擦抵抗を増加でき、端子が熱収縮チューブから抜け難くできる(即ち、実質的に端子と電線との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0032】
請求項6に記載の発明によれば、板状延設部の外面に凹凸が形成されているので、端子と熱収縮チューブとの間の摩擦抵抗を増加でき、端子が熱収縮チューブから抜け難くできる(即ち、実質的に端子と電線との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0033】
請求項7に記載の発明によれば、板状延設部はその後部が外側に曲げられているので、端子と熱収縮チューブとの間の摩擦抵抗を増加でき、端子が熱収縮チューブから抜け難くできる(即ち、実質的に端子と電線との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0034】
請求項8に記載の発明によれば、板状延設部の後部側の横幅は板状延設部の前部側の横幅よりも広く形成されているので、端子と熱収縮チューブとの間の摩擦抵抗を増加でき、端子が熱収縮チューブから抜け難くできる(即ち、実質的に端子と電線との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0035】
請求項9に記載の発明によれば、板状延設部はその延設方向に沿って波型に形成されているので、端子と熱収縮チューブとの間の摩擦抵抗を増加でき、端子が熱収縮チューブから抜け難くできる(即ち、実質的に端子と電線との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
<実施の形態1>
この実施の形態に係る端子付き電線1は、図1および図2の様に、電線3と、電線3の端部に接続された端子5と、電線3の外周に被覆装着された熱収縮チューブ7とを備えている。尚、端子5にはコネクタハウジング(不図示)が装着され、コネクタが構成される様になっている。
【0037】
電線3は、例えばシールド電線である。ここではシールド電線の一例として電線3が同軸電線である場合で説明する(以後、同軸電線3と呼ぶ)。同軸電線3は、中心導体(単芯導体)3aと、中心導体3aの外周に被覆形成された絶縁層3bと、絶縁層3bの外周に被覆形成された偏組等の金属シールド3cと、金属シールド3cの外周に被覆形成された外被3dとを備えている。
【0038】
同軸電線3の端部側(端子5が接続される側)では、外被3dが皮剥されて金属シールド3cが露出され、例えばその露出された金属シールド3cが外被3dの外周側に折り返されてカシメ接続部3eとされており、また絶縁層3bが除去されて中心導体3aが露出されている。
【0039】
端子5は、内導体端子51と外導体端子52とに分離構成されている。
【0040】
内導体端子51は、例えば相手端子の内周に外嵌合する筒状の接続部51aを有し、その接続部51aの後部にバレル部51bが連設されて構成されている。この内導体端子51は、そのバレル部51bが、露出された中心導体3aにカシメ接続されることで、同軸電線3の端部に接続されている。
【0041】
外導体端子52は、例えば相手端子の外周に内嵌合する筒状の接続部52aを有し、その接続部52aの後部にバレル部52bが連設され、またその接続部52aの内側に内導体端子51を固定保持する筒状の絶縁部材52cが嵌設されて構成されている。
【0042】
この外導体端子52は、その絶縁部材52c内で内導体端子51を固定保持しており、且つそのバレル部52bが同軸電線3のカシメ接続部3eにカシメ接続されることで同軸電線3の端部に接続されている。
【0043】
熱収縮チューブ7は、バレル部52bよりも長い筒状部材であり、その内面に接着材7aを有している。
【0044】
この熱収縮チューブ7は、外導体端子52のバレル部52bの外周面と同軸電線3の端部側の外周面とに亘って締付状に被覆装着され、接着材7aによりそれら各部52b,3の外周面と接着されている。この熱収縮チューブ7は、加熱処理されて収縮することで、バレル部52bの外周面および同軸電線3の外周面に締付状に被覆装着される。
【0045】
尚、外導体端子52と熱収縮チューブ7とにより端子装置が構成されている。
【0046】
以上の様に構成された端子付き電線1によれば、外導体端子52のバレル部52bの外周面と同軸電線3の端部側の外周面とに亘って熱収縮チューブ7が被覆装着されるので、熱収縮チューブ7により外導体端子52と同軸電線3との間の固着力が強化できる。
【0047】
また外導体端子52のバレル部52bを長くしなくてよいので、コネクタのコンパクト性を損ない難い。
【0048】
また熱収縮チューブ7の内面に接着材7aを有するので、熱収縮チューブ7と同軸電線3との間の固着力および熱収縮チューブ7と内導体端子52との間の固着力をより強化でき、これにより内導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる。
【0049】
<実施の形態2>
この実施の形態の端子付き電線1Bは、図3および図4の様に、上記の実施の形態1において、内導体端子52のバレル部52bの後端から後方に延設された板状延設部52dを更に備え、熱収縮チューブ7が、更に板状延設部52dに亘って被覆装着され且つ接着材7aにより板状延設部52dの外面と接着されたものである。尚、この実施の形態および以下の実施の形態では、上記の実施の形態1と同一構成要素には同一符号を付している。
【0050】
板状延設部52dは、例えば、その延設方向の長さは適宜長さで、その横幅Wは同軸電線3の横幅Wdと同程度か、それよりも狭い幅の帯状に形成されている。尚、板状延設部52dの横幅Wは、同軸電線3の横幅Wdより広くなっても構わない。板状延設部52dが同軸電線3の外周面と密接する様に板状延設部52dを同軸電線3の外周面に沿って湾曲させてもよい。
【0051】
板状延設部52dは、図5の様に、外導体端子52の元となる連鎖状端子52eのキャリア52fを例えば点線52kで切断するなどして、キャリア52dとなっている部分で形成されても構わない。
【0052】
以上の様に構成された端子付き電線1Bによれば、外導体端子52のバレル部52bはその後端から後方に延設された板状延設部52dを有し、熱収縮チューブ7は更に板状延設部52dに亘って被覆装着されるので、板状延設部52dにより外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の固着力をより強化でき、これにより外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる。
【0053】
また熱収縮チューブ7は、その内面の接着材7aにより板状延設部52dの外面と接着されるので、外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の固着力をより強化でき、これにより外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる。
【0054】
また板状延設部52dは熱収縮チューブ7に被覆されるので、外部との短絡が無く、従ってコネクタハウジングを板状延設部52dに合わせて長くしなくてよいので、コネクタのコンパクト性を損なわない。
【0055】
尚、この実施の形態では、板状延設部52dにより外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の固着力をより強化されるので、熱収縮チューブ7の内面の接着材7aを省略しても構わない。
【0056】
<実施の形態3>
この実施の形態の端子付き電線1Cは、上記の実施の形態2において、更に、板状延設部52dの外面に、図6の様に編目状の溝(ローレット加工)52gが形成されたものが施されたもの)である。
【0057】
この様にすれば、板状延設部52dの外面に編目状の溝52gが形成されているので、外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の摩擦抵抗を増加でき、外導体端子52が熱収縮チューブ7から抜け難くできる(即ち、実質的に外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0058】
尚、編目状の溝52gの代わりに、図7の様に横縞状(板状延設部52dの横幅W方向に略平行な複数の線状)の溝(セレーション加工)52hを形成してもよい。尚、編目状の溝52gや横縞状の溝52hに限定するものではなく、板状延設部52dの外面に凹凸が形成されるのであれば、どの様な形態であってもよい。これらの様にしても編目状の溝52gの場合と同様の効果を得ることができる。
【0059】
<実施の形態4>
この実施の形態の端子付き電線1Dは、図8および図9の様に、上記の実施の形態2の構成において、更に、板状延設部52dの外面に切り起こし部52iが形成されたものである。
【0060】
切り起こし部52iは、特に限定されないが、例えば板状延設部52dの横幅W方向に沿ってアーチ状に切り起こされたものとなっている。
【0061】
この様にすれば、板状延設部52dの外面に切り起こし部52iが形成されているので、外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の摩擦抵抗を増加でき、外導体端子52が熱収縮チューブ7から抜け難くできる(即ち、実質的に外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0062】
<実施の形態5>
この実施の形態の端子付き電線1Eは、図10の様に、上記の実施の形態2において、板状延設部52dの後部52jが外側に(より詳細には、板状延設部52dの延設方向に対して略直交する様に外側に)曲げられたものである。
【0063】
この様にすれば、板状延設部52dの後部52jが外側に曲げられているので、外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の摩擦抵抗を増加でき、外導体端子52が熱収縮チューブ7から抜け難くできる(即ち、実質的に外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0064】
尚、板状延設部52dの後部52jを、図11の様に、板状延設部52dの前部側に折り返す様に外側に曲げても構わない。この様にしても同様の効果を得ることができる。
【0065】
<実施の形態6>
この実施の形態の端子付き電線1Fは、図12の様に、上記の実施の形態2において、板状延設部52dの後部側の横幅W1が板状延設部52dの前部側の横幅W2より広く形成されたものである。ここでは、板状延設部52dの前部から後部に行くに連れてテーパ状に徐々に幅広となる様に形成されている。
【0066】
この様にすれば、板状延設部52dの後部側の横幅W1が板状延設部52dの前部側の横幅W2より広く形成されているので、外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の摩擦抵抗を増加でき、外導体端子52が熱収縮チューブ7から抜け難くできる(即ち、実質的に外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0067】
<実施の形態7>
この実施の形態の端子付き電線1Gは、図13の様に、上記の実施の形態2において、板状延設部52dが、その延設方向に沿って波型に形成されたものである。
【0068】
この様にすれば、板状延設部52dがその延設方向に沿って波型に形成されているので、外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の摩擦抵抗を増加でき、外導体端子52が熱収縮チューブ7から抜け難くできる(即ち、実質的に外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0069】
尚、上記の実施の形態1〜7では、電線3が同軸電線である場合で説明したが、同軸電線に限定されるものではない。電線3として、例えば図14または図15の様に、その中心に1本の撚線3f(図14)または複数の撚線3f(図15)を有し、その外周に金属シールド(横巻シールドまたは金属箔シールドなど)3cを被覆し、その金属シールド3cの外周に外被3dを被覆した電線でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態1に係る端子付き電線1の側面図である。
【図2】実施の形態1に係る端子付き電線1の側面視の断面図である。
【図3】実施の形態2に係る端子付き電線1Bの側面図である。
【図4】図3の矢示IV方向から見た図(底面図)である。
【図5】外導体端子52の元になる連鎖端子52eを示した図である。
【図6】実施の形態3に係る端子付き電線1Cの底面図である。
【図7】実施の形態3に係る端子付き電線1Cの変形例の底面図である。
【図8】実施の形態4に係る端子付き電線1Dの底面図である。
【図9】図8のIX-IX断面図である。
【図10】実施の形態5に係る端子付き電線1Eの側面図である。
【図11】実施の形態5に係る端子付き電線1Eの変形例の側面図である。
【図12】実施の形態6に係る端子付き電線1Fの底面図である。
【図13】実施の形態7に係る端子付き電線1Gの側面図である。
【図14】電線3の変形例を説明する図である。
【図15】電線3の他の変形例を説明する図である。
【図16】従来の端子付き電線の側面図である。
【符号の説明】
【0071】
1,1B, 1C,1D,1E,1F,1G 端子付き電線
3 同軸電線
3c 金属シールド
3d 外被
3e カシメ接続部
5 端子
7 熱収縮チューブ
7a 接着材
52 外導体端子
52a 接続部
52b バレル部
52d 板状延設部
52g 編目状の溝(ローレット加工)
52h 横縞状の溝(セレーション加工)
52i 切り起こし加工
52j 板状延設部の後部
W 板状延設部の横幅
W1 板状延設部の後部の横幅
W2 板状延設部の前部の横幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線の端部に端子をカシメ接続する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば図16の様に、同軸電線100に端子(外導体端子)101を接続する方式には、同軸電線100の端部の偏組100aを外被100b上に折り返し、その折り返した偏組100aの外周だけに端子101のバレル部101aをカシメ接続する方式(即ち、同軸導線100の外被100bと偏組100aとの2カ所でカシメ接続する方式ではなく、偏組100aだけでカシメ接続する方式)がある。
【0003】
通常、カシメ接続には、使用状況に応じて所望の固着力(同軸電線100と端子101との固着力)が要求されるが、上記の様に偏組100aだけでカシメ接続する方式だと、要求される固着力を十分に確保できない(即ち端子101が同軸電線100から抜ける)場合があるという問題がある。
【0004】
この問題を解決する方法として、端子101のバレル部101aを長くすることで、端子101のバレル部101aと同軸電線100の偏組100aとの間のカシメ接続の固着力を強化して、端子101が同軸電線100から抜け難くする案が考えられる。
【0005】
尚、電線の端部に端子がカシメ接続された端子付き電線として特許文献1に記載のものが知られている。
【0006】
【特許文献1】特開平08−022851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の様にバレル部100aを長くすると、端子101にコネクタハウジング(不図示)を装着したときに、バレル部100aがコネクタハウジングから露出して外部と短絡する虞があるので、バレル部101aの長さに合わせてコネクタハウジングを長くする必要があり、コネクタのコンパクト性が損なわれるという問題が生じる。
【0008】
そこで、この発明の課題は、コネクタのコンパクト性を損ない難くしつつ、電線と端子との間の固着力を強化できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する為に、請求項1に記載の発明は、電線と、バレル部を有し、前記バレル部にて前記電線の端部とカシメ接続された端子と、その内面に接着材を有し、前記バレル部の外周面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着され、それらの外周面と接着された熱収縮チューブと、を備えるものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記バレル部は、その後端から後方に延設された板状延設部を有し、前記熱収縮チューブは、更に、前記板状延設部に亘って被覆装着され且つ前記板状延設部の外面と接着されるものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、電線と、その後端から後方に延設された板状延設部を有するバレル部を有し、前記バレル部にて前記電線の端部とカシメ接続された端子と、前記バレル部の外周面と前記板状延設部の外面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着された熱収縮チューブと、を備えるものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記板状延設部の外面に編目状または横縞状の溝が形成されているものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記板状延設部の外面に切り起こし部が形成されているものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記板状延設部の外面に凹凸が形成されているものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記板状延設部は、その後部が外側に曲げられているものである。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記板状延設部は、その後部側の横幅がその前部側の横幅より広く形成されているものである。
【0017】
請求項9に記載の発明は、前記板状延設部は、その延設方向に沿って波型に形成されているものである。
【0018】
請求項10に記載の発明は、バレル部を有し、前記バレル部にて電線の端部とカシメ接続可能な端子と、その内面に接着材を有し、前記バレル部の外周面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着可能で且つそれらの外周面と接着可能な熱収縮チューブと、を備えるものである。
【0019】
請求項11に記載の発明は、前記バレル部は、その後端から後方に延設された板状延設部を有し、前記熱収縮チューブは、更に、前記板状延設部に亘って被覆装着可能で且つ前記板状延設部の外面と接着可能であるものである。
【0020】
請求項12に記載の発明は、その後端から後方に延設された板状延設部を有するバレル部を有し、前記バレル部にて電線の端部とカシメ接続可能な端子と、前記バレル部の外周面と前記板状延設部の外面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着された熱収縮チューブと、を備えるものである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1および請求項10に記載の発明によれば、端子のバレル部の外周面と電線の端部側の外周面とに亘って熱収縮チューブが被覆装着されるので、熱収縮チューブにより端子と電線との間の固着力が強化できる。
【0022】
またバレル部を長くしなくてよいので、コネクタのコンパクト性を損ない難い。
【0023】
また熱収縮チューブの内面に接着材を有するので、熱収縮チューブと電線との間の固着力および熱収縮チューブと端子との間の固着力をより強化でき、これにより端子と電線との間の固着力をより強化できる。
【0024】
請求項2および請求項11に記載の発明によれば、バレル部はその後端から後方に延設された板状延設部を有し、熱収縮チューブは更に前記板状延設部に亘って被覆装着されるので、前記板状延設部により端子と熱収縮チューブとの間の固着力をより強化でき、これにより端子と電線との間の固着力をより強化できる。
【0025】
また熱収縮チューブは、その内面の接着材により板状延設部の外面と接着されるので、端子と熱収縮チューブとの間の固着力をより強化でき、これにより端子と電線との間の固着力をより強化できる。
【0026】
また板状延設部は熱収縮チューブに被覆されるので、外部との短絡が無く、従ってコネクタハウジングを板状延設部に合わせて長くしなくてよいので、コネクタのコンパクト性を損なわない。
【0027】
請求項3および請求項12に記載の発明によれば、端子のバレル部の外周面と電線の端部側の外周面とに亘って熱収縮チューブが被覆装着されるので、熱収縮チューブにより端子と電線との間の固着力が強化できる。
【0028】
またバレル部はその後端から後方に延設された板状延設部を有し、熱収縮チューブは前記板状延設部の外面に亘って被覆装着されるので、前記板状延設部により端子と熱収縮チューブとの間の固着力をより強化でき、これにより端子と電線との間の固着力をより強化できる。
【0029】
また板状延設部は熱収縮チューブに被覆されるので、外部との短絡が無く、従ってコネクタハウジングを板状延設部に合わせて長くしなくてよいので、コネクタのコンパクト性を損なわない。
【0030】
請求項4に記載の発明によれば、板状延設部の外面に編目状または横縞状の溝が形成されているので、端子と熱収縮チューブとの間の摩擦抵抗を増加でき、端子が熱収縮チューブから抜け難くできる(即ち、実質的に端子と電線との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0031】
請求項5に記載の発明によれば、板状延設部の外面に切り起こし部が形成されているので、端子と熱収縮チューブとの間の摩擦抵抗を増加でき、端子が熱収縮チューブから抜け難くできる(即ち、実質的に端子と電線との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0032】
請求項6に記載の発明によれば、板状延設部の外面に凹凸が形成されているので、端子と熱収縮チューブとの間の摩擦抵抗を増加でき、端子が熱収縮チューブから抜け難くできる(即ち、実質的に端子と電線との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0033】
請求項7に記載の発明によれば、板状延設部はその後部が外側に曲げられているので、端子と熱収縮チューブとの間の摩擦抵抗を増加でき、端子が熱収縮チューブから抜け難くできる(即ち、実質的に端子と電線との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0034】
請求項8に記載の発明によれば、板状延設部の後部側の横幅は板状延設部の前部側の横幅よりも広く形成されているので、端子と熱収縮チューブとの間の摩擦抵抗を増加でき、端子が熱収縮チューブから抜け難くできる(即ち、実質的に端子と電線との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0035】
請求項9に記載の発明によれば、板状延設部はその延設方向に沿って波型に形成されているので、端子と熱収縮チューブとの間の摩擦抵抗を増加でき、端子が熱収縮チューブから抜け難くできる(即ち、実質的に端子と電線との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
<実施の形態1>
この実施の形態に係る端子付き電線1は、図1および図2の様に、電線3と、電線3の端部に接続された端子5と、電線3の外周に被覆装着された熱収縮チューブ7とを備えている。尚、端子5にはコネクタハウジング(不図示)が装着され、コネクタが構成される様になっている。
【0037】
電線3は、例えばシールド電線である。ここではシールド電線の一例として電線3が同軸電線である場合で説明する(以後、同軸電線3と呼ぶ)。同軸電線3は、中心導体(単芯導体)3aと、中心導体3aの外周に被覆形成された絶縁層3bと、絶縁層3bの外周に被覆形成された偏組等の金属シールド3cと、金属シールド3cの外周に被覆形成された外被3dとを備えている。
【0038】
同軸電線3の端部側(端子5が接続される側)では、外被3dが皮剥されて金属シールド3cが露出され、例えばその露出された金属シールド3cが外被3dの外周側に折り返されてカシメ接続部3eとされており、また絶縁層3bが除去されて中心導体3aが露出されている。
【0039】
端子5は、内導体端子51と外導体端子52とに分離構成されている。
【0040】
内導体端子51は、例えば相手端子の内周に外嵌合する筒状の接続部51aを有し、その接続部51aの後部にバレル部51bが連設されて構成されている。この内導体端子51は、そのバレル部51bが、露出された中心導体3aにカシメ接続されることで、同軸電線3の端部に接続されている。
【0041】
外導体端子52は、例えば相手端子の外周に内嵌合する筒状の接続部52aを有し、その接続部52aの後部にバレル部52bが連設され、またその接続部52aの内側に内導体端子51を固定保持する筒状の絶縁部材52cが嵌設されて構成されている。
【0042】
この外導体端子52は、その絶縁部材52c内で内導体端子51を固定保持しており、且つそのバレル部52bが同軸電線3のカシメ接続部3eにカシメ接続されることで同軸電線3の端部に接続されている。
【0043】
熱収縮チューブ7は、バレル部52bよりも長い筒状部材であり、その内面に接着材7aを有している。
【0044】
この熱収縮チューブ7は、外導体端子52のバレル部52bの外周面と同軸電線3の端部側の外周面とに亘って締付状に被覆装着され、接着材7aによりそれら各部52b,3の外周面と接着されている。この熱収縮チューブ7は、加熱処理されて収縮することで、バレル部52bの外周面および同軸電線3の外周面に締付状に被覆装着される。
【0045】
尚、外導体端子52と熱収縮チューブ7とにより端子装置が構成されている。
【0046】
以上の様に構成された端子付き電線1によれば、外導体端子52のバレル部52bの外周面と同軸電線3の端部側の外周面とに亘って熱収縮チューブ7が被覆装着されるので、熱収縮チューブ7により外導体端子52と同軸電線3との間の固着力が強化できる。
【0047】
また外導体端子52のバレル部52bを長くしなくてよいので、コネクタのコンパクト性を損ない難い。
【0048】
また熱収縮チューブ7の内面に接着材7aを有するので、熱収縮チューブ7と同軸電線3との間の固着力および熱収縮チューブ7と内導体端子52との間の固着力をより強化でき、これにより内導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる。
【0049】
<実施の形態2>
この実施の形態の端子付き電線1Bは、図3および図4の様に、上記の実施の形態1において、内導体端子52のバレル部52bの後端から後方に延設された板状延設部52dを更に備え、熱収縮チューブ7が、更に板状延設部52dに亘って被覆装着され且つ接着材7aにより板状延設部52dの外面と接着されたものである。尚、この実施の形態および以下の実施の形態では、上記の実施の形態1と同一構成要素には同一符号を付している。
【0050】
板状延設部52dは、例えば、その延設方向の長さは適宜長さで、その横幅Wは同軸電線3の横幅Wdと同程度か、それよりも狭い幅の帯状に形成されている。尚、板状延設部52dの横幅Wは、同軸電線3の横幅Wdより広くなっても構わない。板状延設部52dが同軸電線3の外周面と密接する様に板状延設部52dを同軸電線3の外周面に沿って湾曲させてもよい。
【0051】
板状延設部52dは、図5の様に、外導体端子52の元となる連鎖状端子52eのキャリア52fを例えば点線52kで切断するなどして、キャリア52dとなっている部分で形成されても構わない。
【0052】
以上の様に構成された端子付き電線1Bによれば、外導体端子52のバレル部52bはその後端から後方に延設された板状延設部52dを有し、熱収縮チューブ7は更に板状延設部52dに亘って被覆装着されるので、板状延設部52dにより外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の固着力をより強化でき、これにより外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる。
【0053】
また熱収縮チューブ7は、その内面の接着材7aにより板状延設部52dの外面と接着されるので、外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の固着力をより強化でき、これにより外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる。
【0054】
また板状延設部52dは熱収縮チューブ7に被覆されるので、外部との短絡が無く、従ってコネクタハウジングを板状延設部52dに合わせて長くしなくてよいので、コネクタのコンパクト性を損なわない。
【0055】
尚、この実施の形態では、板状延設部52dにより外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の固着力をより強化されるので、熱収縮チューブ7の内面の接着材7aを省略しても構わない。
【0056】
<実施の形態3>
この実施の形態の端子付き電線1Cは、上記の実施の形態2において、更に、板状延設部52dの外面に、図6の様に編目状の溝(ローレット加工)52gが形成されたものが施されたもの)である。
【0057】
この様にすれば、板状延設部52dの外面に編目状の溝52gが形成されているので、外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の摩擦抵抗を増加でき、外導体端子52が熱収縮チューブ7から抜け難くできる(即ち、実質的に外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0058】
尚、編目状の溝52gの代わりに、図7の様に横縞状(板状延設部52dの横幅W方向に略平行な複数の線状)の溝(セレーション加工)52hを形成してもよい。尚、編目状の溝52gや横縞状の溝52hに限定するものではなく、板状延設部52dの外面に凹凸が形成されるのであれば、どの様な形態であってもよい。これらの様にしても編目状の溝52gの場合と同様の効果を得ることができる。
【0059】
<実施の形態4>
この実施の形態の端子付き電線1Dは、図8および図9の様に、上記の実施の形態2の構成において、更に、板状延設部52dの外面に切り起こし部52iが形成されたものである。
【0060】
切り起こし部52iは、特に限定されないが、例えば板状延設部52dの横幅W方向に沿ってアーチ状に切り起こされたものとなっている。
【0061】
この様にすれば、板状延設部52dの外面に切り起こし部52iが形成されているので、外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の摩擦抵抗を増加でき、外導体端子52が熱収縮チューブ7から抜け難くできる(即ち、実質的に外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0062】
<実施の形態5>
この実施の形態の端子付き電線1Eは、図10の様に、上記の実施の形態2において、板状延設部52dの後部52jが外側に(より詳細には、板状延設部52dの延設方向に対して略直交する様に外側に)曲げられたものである。
【0063】
この様にすれば、板状延設部52dの後部52jが外側に曲げられているので、外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の摩擦抵抗を増加でき、外導体端子52が熱収縮チューブ7から抜け難くできる(即ち、実質的に外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0064】
尚、板状延設部52dの後部52jを、図11の様に、板状延設部52dの前部側に折り返す様に外側に曲げても構わない。この様にしても同様の効果を得ることができる。
【0065】
<実施の形態6>
この実施の形態の端子付き電線1Fは、図12の様に、上記の実施の形態2において、板状延設部52dの後部側の横幅W1が板状延設部52dの前部側の横幅W2より広く形成されたものである。ここでは、板状延設部52dの前部から後部に行くに連れてテーパ状に徐々に幅広となる様に形成されている。
【0066】
この様にすれば、板状延設部52dの後部側の横幅W1が板状延設部52dの前部側の横幅W2より広く形成されているので、外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の摩擦抵抗を増加でき、外導体端子52が熱収縮チューブ7から抜け難くできる(即ち、実質的に外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0067】
<実施の形態7>
この実施の形態の端子付き電線1Gは、図13の様に、上記の実施の形態2において、板状延設部52dが、その延設方向に沿って波型に形成されたものである。
【0068】
この様にすれば、板状延設部52dがその延設方向に沿って波型に形成されているので、外導体端子52と熱収縮チューブ7との間の摩擦抵抗を増加でき、外導体端子52が熱収縮チューブ7から抜け難くできる(即ち、実質的に外導体端子52と同軸電線3との間の固着力をより強化できる効果が得られる)。
【0069】
尚、上記の実施の形態1〜7では、電線3が同軸電線である場合で説明したが、同軸電線に限定されるものではない。電線3として、例えば図14または図15の様に、その中心に1本の撚線3f(図14)または複数の撚線3f(図15)を有し、その外周に金属シールド(横巻シールドまたは金属箔シールドなど)3cを被覆し、その金属シールド3cの外周に外被3dを被覆した電線でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態1に係る端子付き電線1の側面図である。
【図2】実施の形態1に係る端子付き電線1の側面視の断面図である。
【図3】実施の形態2に係る端子付き電線1Bの側面図である。
【図4】図3の矢示IV方向から見た図(底面図)である。
【図5】外導体端子52の元になる連鎖端子52eを示した図である。
【図6】実施の形態3に係る端子付き電線1Cの底面図である。
【図7】実施の形態3に係る端子付き電線1Cの変形例の底面図である。
【図8】実施の形態4に係る端子付き電線1Dの底面図である。
【図9】図8のIX-IX断面図である。
【図10】実施の形態5に係る端子付き電線1Eの側面図である。
【図11】実施の形態5に係る端子付き電線1Eの変形例の側面図である。
【図12】実施の形態6に係る端子付き電線1Fの底面図である。
【図13】実施の形態7に係る端子付き電線1Gの側面図である。
【図14】電線3の変形例を説明する図である。
【図15】電線3の他の変形例を説明する図である。
【図16】従来の端子付き電線の側面図である。
【符号の説明】
【0071】
1,1B, 1C,1D,1E,1F,1G 端子付き電線
3 同軸電線
3c 金属シールド
3d 外被
3e カシメ接続部
5 端子
7 熱収縮チューブ
7a 接着材
52 外導体端子
52a 接続部
52b バレル部
52d 板状延設部
52g 編目状の溝(ローレット加工)
52h 横縞状の溝(セレーション加工)
52i 切り起こし加工
52j 板状延設部の後部
W 板状延設部の横幅
W1 板状延設部の後部の横幅
W2 板状延設部の前部の横幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線と、
バレル部を有し、前記バレル部にて前記電線の端部とカシメ接続された端子と、
その内面に接着材を有し、前記バレル部の外周面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着され、それらの外周面と接着された熱収縮チューブと、
を備えることを特徴とする端子付き電線。
【請求項2】
前記バレル部は、その後端から後方に延設された板状延設部を有し、
前記熱収縮チューブは、更に、前記板状延設部に亘って被覆装着され且つ前記板状延設部の外面と接着されることを特徴とする請求項1に記載の端子付き電線。
【請求項3】
電線と、
その後端から後方に延設された板状延設部を有するバレル部を有し、前記バレル部にて前記電線の端部とカシメ接続された端子と、
前記バレル部の外周面と前記板状延設部の外面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着された熱収縮チューブと、
を備えることを特徴とする端子付き電線。
【請求項4】
前記板状延設部の外面に編目状または横縞状の溝が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の端子付き電線。
【請求項5】
前記板状延設部の外面に切り起こし部が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の端子付き電線。
【請求項6】
前記板状延設部の外面に凹凸が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の端子付き電線。
【請求項7】
前記板状延設部は、その後部が外側に曲げられていることを特徴とする請求項2または3に記載の端子付き電線。
【請求項8】
前記板状延設部は、その後部側の横幅がその前部側の横幅より広く形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の端子付き電線。
【請求項9】
前記板状延設部は、その延設方向に沿って波型に形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の端子付き電線。
【請求項10】
バレル部を有し、前記バレル部にて電線の端部とカシメ接続可能な端子と、
その内面に接着材を有し、前記バレル部の外周面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着可能で且つそれらの外周面と接着可能な熱収縮チューブと、
を備えることを特徴とする端子装置。
【請求項11】
前記バレル部は、その後端から後方に延設された板状延設部を有し、
前記熱収縮チューブは、更に、前記板状延設部に亘って被覆装着可能で且つ前記板状延設部の外面と接着可能であることを特徴とする請求項10に記載の端子装置。
【請求項12】
その後端から後方に延設された板状延設部を有するバレル部を有し、前記バレル部にて電線の端部とカシメ接続可能な端子と、
前記バレル部の外周面と前記板状延設部の外面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着された熱収縮チューブと、
を備えることを特徴とする端子装置。
【請求項1】
電線と、
バレル部を有し、前記バレル部にて前記電線の端部とカシメ接続された端子と、
その内面に接着材を有し、前記バレル部の外周面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着され、それらの外周面と接着された熱収縮チューブと、
を備えることを特徴とする端子付き電線。
【請求項2】
前記バレル部は、その後端から後方に延設された板状延設部を有し、
前記熱収縮チューブは、更に、前記板状延設部に亘って被覆装着され且つ前記板状延設部の外面と接着されることを特徴とする請求項1に記載の端子付き電線。
【請求項3】
電線と、
その後端から後方に延設された板状延設部を有するバレル部を有し、前記バレル部にて前記電線の端部とカシメ接続された端子と、
前記バレル部の外周面と前記板状延設部の外面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着された熱収縮チューブと、
を備えることを特徴とする端子付き電線。
【請求項4】
前記板状延設部の外面に編目状または横縞状の溝が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の端子付き電線。
【請求項5】
前記板状延設部の外面に切り起こし部が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の端子付き電線。
【請求項6】
前記板状延設部の外面に凹凸が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の端子付き電線。
【請求項7】
前記板状延設部は、その後部が外側に曲げられていることを特徴とする請求項2または3に記載の端子付き電線。
【請求項8】
前記板状延設部は、その後部側の横幅がその前部側の横幅より広く形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の端子付き電線。
【請求項9】
前記板状延設部は、その延設方向に沿って波型に形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の端子付き電線。
【請求項10】
バレル部を有し、前記バレル部にて電線の端部とカシメ接続可能な端子と、
その内面に接着材を有し、前記バレル部の外周面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着可能で且つそれらの外周面と接着可能な熱収縮チューブと、
を備えることを特徴とする端子装置。
【請求項11】
前記バレル部は、その後端から後方に延設された板状延設部を有し、
前記熱収縮チューブは、更に、前記板状延設部に亘って被覆装着可能で且つ前記板状延設部の外面と接着可能であることを特徴とする請求項10に記載の端子装置。
【請求項12】
その後端から後方に延設された板状延設部を有するバレル部を有し、前記バレル部にて電線の端部とカシメ接続可能な端子と、
前記バレル部の外周面と前記板状延設部の外面と前記電線の端部側の外周面とに亘って被覆装着された熱収縮チューブと、
を備えることを特徴とする端子装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−135278(P2008−135278A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320272(P2006−320272)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】
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