説明

端子台装置

【課題】省配線化を図ると共に、産業用ロボットの駆動停止までの時間を短縮化する。
【解決手段】多光軸光電センサ13の安全信号入力に応じて産業用ロボット11を駆動制御するPLC回路15と端子接続すると共に、安全信号入力に応じて、産業用ロボットへの電力供給を遮断するセイフティリレー回路24を駆動制御する安全回路14と端子接続すべく、入力端子21A及び出力端子21Bを備えたセイフティターミナル16であって、入力端子及び出力端子を通じてPLC回路とのインタフェースを司り、入力端子を通じて安全信号を入力する制御回路用インタフェース23と、入力端子及び出力端子を通じて安全回路とのインタフェースを司り、入力端子を通じて安全信号を入力する安全回路用インタフェース22とを有し、制御回路用インタフェースは、入力端子を通じて安全信号を入力すると、出力端子を通じて同安全信号をPLC回路に通知するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば多光軸光電センサ等の安全機器の安全信号入力に応じて、例えば産業用ロボット等の駆動機械を駆動制御する、例えばPLC等の駆動機械制御回路と外部接続すると共に、前記安全機器の安全信号入力に応じて、前記駆動機械への電力供給を遮断するリレー回路を駆動制御する安全回路と外部接続する、複数の入力端子及び出力端子を備えた、例えば中継端子台等の端子台装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の工場では、産業用ロボットの作業領域に作業者の人体や物体が入ったことを検知して、その産業用ロボットの駆動を停止する産業用ロボット安全管理システムが導入されている(例えば特許文献1参照)。図5は従来の産業用ロボット安全管理システム内部の概略構成を示すブロック図である。
【0003】
図5に示す産業用ロボット安全管理システム30は、所定作業を実行する産業用ロボット31と、この産業用ロボット31に電力を供給する駆動電源32と、この駆動電源32から産業用ロボット31への電力供給を遮断するセイフティリレー回路33と、産業用ロボット31の作業領域への人体・物体の進入を検知する安全機器としての多光軸光電センサ34と、この多光軸光電センサ34の検知結果を安全信号として検知する安全回路35と、産業用ロボット31を駆動制御するPLC回路36とを有し、PLC回路36は、安全回路35を経て多光軸光電センサ34から、例えば人体・物体進入検知の安全信号に応じて、産業用ロボット31への電力供給を停止すべく、駆動電源32を停止制御するものである。
【0004】
この産業用ロボット安全管理システム30によれば、作業領域への人体・物体の進入を検知したことを示す安全信号を多光軸光電センサ34から安全回路35を経て検知すると、産業用ロボット31への電力供給を停止すべく、駆動電源32を停止制御するようにしたので、産業用ロボット31の駆動を停止することで作業領域内の作業者の安全を確保することができる。
【特許文献1】特開2002−54791号公報(要約書及び図1参照)
【特許文献2】特開2005−157666号公報(要約書及び図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の産業用ロボット安全管理システム30によれば、多光軸光電センサ34等の安全機器及び安全回路35間、PLC回路36及び安全回路35間、安全回路35及びセイフティリレー回路33間を接続ケーブルで配線する必要があるため、その配線作業が煩雑化している。
【0006】
また、特許文献1の産業用ロボット安全管理システム30によれば、PLC回路36にて安全回路35を経て、例えば人体・物体進入検知の安全信号を検出すると、産業用ロボット31への電力供給を停止すべく、駆動電源32を停止制御するようにしたが、多光軸光電センサ34等の安全機器を通じて人体・物体進入を検知して産業用ロボット31の駆動を停止するまでに、安全回路35及びPLC回路36を経ることになるため、人体・物体進入検知の安全信号入力から産業用ロボット31の駆動を停止するまでには時間を要する。
【0007】
また、人体・物体進入検知の安全信号入力から産業用ロボット31を駆動停止するまでの時間を短縮化するために、多光軸光電センサ34を通じて人体・物体進入を検知したことを示す安全信号を安全回路35側で検知すると、PLC回路36を経ることなく、駆動電源32から産業用ロボット31への電力供給を瞬時に遮断すべく、セイフティリレー回路33を駆動制御することで産業用ロボット31の駆動を停止することも想定できるが、産業用ロボット31への電力供給を瞬時に遮断した場合、産業用ロボット31が損傷してしまう虞も考えられる。
【0008】
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、省配線化を図ると共に、安全信号入力から産業用ロボット等の駆動機械の駆動停止までの時間を大幅に短縮化することができる機能を備えた端子台装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の端子台装置は、安全機器の安全信号入力に応じて駆動機械を駆動制御する駆動機械制御回路と外部接続すると共に、前記安全機器の安全信号入力に応じて、前記駆動機械への電力供給を遮断するリレー回路を駆動制御する安全回路と外部接続すべく、複数の入力端子及び出力端子を備えた端子台装置であって、前記入力端子及び出力端子を通じて前記駆動機械制御回路との通信インタフェースを司ると共に、前記入力端子を通じて前記安全機器の安全信号を入力する制御回路用インタフェースと、前記入力端子及び出力端子を通じて前記安全回路との通信インタフェースを司ると共に、前記入力端子を通じて前記安全機器の安全信号を入力する安全回路用インタフェースとを有し、前記制御回路用インタフェースは、前記入力端子を通じて前記安全機器の安全信号を入力すると、前記出力端子を通じて同安全信号を駆動機械制御回路に通知するようにした。
【0010】
従って、本発明の端子台装置によれば、前記入力端子及び出力端子を通じて前記駆動機械制御回路との通信インタフェースを司ると共に、前記入力端子を通じて前記安全機器の安全信号を入力する制御回路用インタフェースと、前記入力端子及び出力端子を通じて前記安全回路との通信インタフェースを司ると共に、前記入力端子を通じて前記安全機器の安全信号を入力する安全回路用インタフェースとを備え、前記制御回路用インタフェースは、前記入力端子を通じて前記安全機器の安全信号を入力すると、前記出力端子を通じて同安全信号を駆動機械制御回路に直接通知するようにしたので、制御回路用インタフェース及び安全回路用インタフェースを備えることで接続ケーブルの省配線化を図ると共に、安全回路を経ることなく、制御回路用インタフェースを通じて安全信号を駆動機械制御回路に通知することで、安全信号入力から駆動機械を駆動制御するまでの時間を大幅に短縮化することができる。
【0011】
本発明の端子台装置は、前記リレー回路を着脱可能に内蔵し、前記安全回路用インタフェースは、前記安全回路との通信に応じて前記リレー回路を駆動制御するようにしても良い。
【0012】
従って、本発明の端子台装置によれば、前記リレー回路を着脱可能に内蔵し、前記安全回路用インタフェースは、前記安全回路との通信に応じて前記リレー回路を駆動制御するようにしたので、前記安全回路及びリレー回路間の信号配線を考慮することなく、前記リレー回路の交換作業が容易になる。
【0013】
本発明の端子台装置は、前記制御回路用インタフェースを通じて前記駆動機械制御回路からの表示情報及び、前記安全回路用インタフェースを通じて前記安全回路からの表示情報を表示する表示手段を備えるようにしても良い。
【0014】
従って、本発明の端子台装置によれば、前記制御回路用インタフェースを通じて前記駆動機械制御回路からの表示情報及び、前記安全回路用インタフェースを通じて前記安全回路からの表示情報を表示手段に表示するようにしたので、ユーザは、例えば安全回路や駆動機械制御回路の場所に赴かなくても、表示手段の表示内容を目視することで、安全回路及び駆動機械制御回路に関わる現在状況を把握することができる。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成された本発明の端子台装置によれば、前記入力端子及び出力端子を通じて前記駆動機械制御回路との通信インタフェースを司ると共に、前記入力端子を通じて前記安全機器の安全信号を入力する制御回路用インタフェースと、前記入力端子及び出力端子を通じて前記安全回路との通信インタフェースを司ると共に、前記入力端子を通じて前記安全機器の安全信号を入力する安全回路用インタフェースとを備え、前記制御回路用インタフェースは、前記入力端子を通じて前記安全機器の安全信号を入力すると、前記出力端子を通じて同安全信号を駆動機械制御回路に通知するようにしたので、制御回路用インタフェース及び安全回路用インタフェースを備えることで接続ケーブルの省配線化を図ると共に、安全回路を経ることなく、制御回路用インタフェースを通じて安全信号を駆動機械制御回路に直接通知することで、安全信号入力から駆動機械を駆動制御するまでの時間を大幅に短縮化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の端子台装置に関わる実施の形態を示す産業用ロボット安全管理システムについて説明する。図1は本実施の形態を示す産業用ロボット安全管理システム内部の概略構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示す産業用ロボット安全管理システム1は、所定作業を実行する産業用ロボット11と、この産業用ロボット11に電力を供給する駆動電源12と、産業用ロボット11の作業領域への人体・物体、例えば作業者の身体の進入を検知する多光軸光電センサ13と、この多光軸光電センサ13の検知結果を安全信号として検知する安全回路14と、産業用ロボット11を駆動制御するPLC回路15と、産業用ロボット11、駆動電源12、多光軸光電センサ13、安全回路14及びPLC回路15を端子接続するセイフティターミナル16と、セイフティターミナル16の設定内容を変更するパソコン17と、後述するセイフティターミナル16内部のセイフティリレー回路をリセットするリセットスイッチ18と、産業用ロボット11の駆動を緊急停止する緊急停止スイッチ19とを有している。
【0018】
図2は本実施の形態に関わるセイフティターミナル16内部の概略構成を示すブロック図、図3は同セイフティターミナル16の外観構成(カバーを取外した状態)を端的に示す斜視図である。
【0019】
図2に示すセイフティターミナル16は、複数の入力端子21A及び出力端子21Bと、これら複数の入力端子21A及び出力端子21Bを通じて安全回路14と端子接続すると共に、この安全回路14との通信インタフェースを司る安全回路用インタフェース22と、これら入力端子21A及び出力端子21Bを通じてPLC回路15と端子接続すると共に、このPLC回路15との通信インタフェースを司る制御回路用インタフェース23と、これら入力端子21A及び出力端子21Bを通じて駆動電源12から産業用ロボット11への電力供給を遮断するセイフティリレー回路24と、安全回路用インタフェース22及び制御回路用インタフェース23を通じて様々な情報を表示するモニタ表示部25と、入力端子21A及び出力端子21Bを通じてパソコン17上でセイフティターミナル16の設定内容を設定変更する設定用インタフェース26と、これら安全回路用インタフェース22、制御回路用インタフェース23、セイフティリレー回路24、モニタ表示部25及び設定用インタフェース26間の双方向通信を実現する通信バス27とを有している。
【0020】
また、セイフティターミナル16は、入力端子21Aを通じて多光軸光電センサ13と端子接続し、多光軸光電センサ13の入力、すなわち安全信号を安全回路用インタフェース22及び制御回路用インタフェース23双方に入力するものである。
【0021】
また、セイフティターミナル16は、入力端子21Aを通じて緊急停止スイッチ19と端子接続し、緊急停止スイッチ19の入力、すなわち緊急停止信号を安全回路用インタフェース22及び制御回路用インタフェース23双方に入力するものである。
【0022】
同様にセイフティターミナル16は、入力端子21Aを通じてリセットスイッチ18と端子接続し、リセットスイッチ18の入力、すなわちリセット信号を安全回路用インタフェース22及び制御回路用インタフェース23双方に入力するものである。
【0023】
また、セイフティターミナル16の設定用インタフェース26は、入力端子21A及び出力端子21Bを通じてパソコン17と端子接続し、パソコン17を通じて設定用インタフェース26に設定中の設定内容を変更可能にするものである。尚、設定用インタフェース26の設定内容は、例えば安全回路14やPLC回路15等の設定内容に相当するものである。
【0024】
制御回路用インタフェース23は、入力端子21Aを通じて多光軸光電センサ13からの安全信号を検出すると、出力端子21Bを通じて安全信号をPLC回路15に通知するものである。尚、安全信号は、多光軸光電センサ13にて作業領域内への人体・物体進入の有無を示す信号である。
【0025】
PLC回路15は、制御回路用インタフェース23を通じて、例えば人体・物体進入検知の安全信号を検出すると、産業用ロボット11の駆動を停止すべく、駆動停止信号を産業用ロボット11に通知することで、この産業用ロボット11の駆動を停止するものである。
【0026】
また、安全回路用インタフェース22は、入力端子21Aを通じて多光軸光電センサ13からの安全信号を検出すると、出力端子21Bを通じて安全信号を安全回路14に通知するものである。
【0027】
安全回路14は、安全回路用インタフェース22を通じて、例えば人体・物体進入検知の安全信号を検出すると、産業用ロボット11及び駆動電源12間の電力供給を遮断すべく、リレー遮断信号を安全回路用インタフェース22に通知するものである。そして、安全回路用インタフェース22は、リレー遮断信号を検出すると、このリレー遮断信号をセイフティリレー回路24に通知するものである。さらに、セイフティリレー回路24は、リレー遮断信号を検出すると、産業用ロボット11及び駆動電源12間の電力供給を遮断するものである。
【0028】
セイフティリレー回路24は、セイフティターミナル16内部に対して着脱可能にし、例えばセイフティリレー回路24自体が故障したとしても、同セイフティリレー回路24のみの交換が可能になる。
【0029】
また、モニタ表示部25は、安全回路用インタフェース22を通じて安全回路14の情報及び制御回路用インタフェース23を通じてPLC回路15の情報を通信バス27経由で表示出力するようにしている。従って、ユーザは、例えば安全回路14やPLC回路15の場所に赴かなくても、モニタ表示部25の表示内容を目視することで、安全回路14やPLC回路15の現在状況を把握することができる。
【0030】
尚、請求項記載の端子台装置はセイフティターミナル16、安全機器は多光軸光電センサ13、駆動機械は産業用ロボット11、駆動機械制御回路はPLC回路15、リレー回路はセイフティリレー回路24、安全回路は安全回路14、入力端子は入力端子21A、出力端子は出力端子21B、制御回路用インタフェースは制御回路用インタフェース23、安全回路用インタフェースは安全回路用インタフェース22、表示手段はモニタ表示部25に相当するものである。
【0031】
次に本実施の形態を示す産業用ロボット安全管理システム1の動作について説明する。図4は本実施の形態を示す産業用ロボット安全管理システム1の産業用ロボット安全管理処理に関わる処理動作を示すフロチャートである。
【0032】
図4に示す産業用ロボット安全管理処理とは、産業用ロボット11の作業領域内の人体・物体進入を検知すると、産業用ロボット11の駆動を停止した後、産業用ロボット11への電力供給を遮断することで、作業領域内の作業者の安全を確保するための処理である。
【0033】
図4においてセイフティターミナル16は、制御回路用インタフェース23及び安全回路用インタフェース22を通じて多光軸光電センサ13からの安全信号を検出したか否かを判定する(ステップS11)。
【0034】
セイフティターミナル16は、制御回路用インタフェース23及び安全回路用インタフェース22を通じて安全信号を検出したと判定されると、制御回路用インタフェース23を通じて安全信号をPLC回路15に通知すると共に、安全回路用インタフェース22を通じて安全信号を安全回路14に通知する(ステップS12)。
【0035】
さらに、PLC回路15は、制御回路用インタフェース23を通じて安全信号を検出すると、この安全信号が人体・物体進入検知を示す信号であるか否かを判定し、人体・物体進入検知の安全信号であると判定されると、駆動停止信号を産業用ロボット11に出力する(ステップS13)。その結果、産業用ロボット11は、PLC回路15からの駆動停止信号に応じて駆動を停止する(ステップS14)。
【0036】
安全回路14は、安全回路用インタフェース22を通じて安全信号を検出すると、この安全信号が人体・物体進入検知を示す信号であるか否かを判定し、人体・物体進入検知の安全信号であると判定されると、リレー遮断信号を安全回路用インタフェース22に出力する(ステップS15)。そして、安全回路用インタフェース22は、安全回路14からのリレー遮断信号を検出すると(ステップS16)、駆動電源12から産業用ロボット11への電力供給を遮断すべく、同リレー遮断信号をセイフティリレー回路24に通知する(ステップS17)。
【0037】
セイフティリレー回路24は、リレー遮断信号を検出すると、駆動電源12から産業用ロボット11への電力供給を遮断することで(ステップS18)、この処理動作を終了することになる。
【0038】
図4に示す産業用ロボット安全管理処理によれば、多光軸光電センサ13を通じて作業領域内の人体・物体進入検知を示す安全信号を安全回路用インタフェース22及び制御回路用インタフェース23双方に入力し、制御回路用インタフェース23を通じて同安全信号をPLC回路、安全回路用インタフェース22を通じて同安全信号を安全回路14に通知し、PLC回路15では安全信号に応じて産業用ロボット11の駆動を停止すると共に、この産業用ロボット11の駆動を停止した後、安全回路14では産業用ロボット11への電力供給を遮断するようにしたので、安全回路14で産業用ロボット11への電力供給を遮断する前に、産業用ロボット11の駆動を停止することになるため、産業用ロボット11が損傷することなく、産業用ロボット11の作業領域内における作業者の安全性を確保することができる。
【0039】
本実施の形態によれば、安全回路14及び多光軸光電センサ13を端子接続する安全回路用インタフェース22と、PLC回路15及び多光軸光電センサ13を端子接続する制御回路用インタフェース23とを含むセイフティターミナル16を備えたので、安全回路14、PLC回路15及び多光軸光電センサ13間を接続する接続ケーブルの省配線化を図ることができる。
【0040】
本実施の形態によれば、制御回路用インタフェース23及び安全回路用インタフェース22を通じて多光軸光電センサ13からの安全信号を入力すると、安全回路14を経ることなく、制御回路用インタフェース23を通じて、例えば人体・物体進入検知の安全信号をPLC回路15に直接通知し、その結果、PLC回路15を通じて産業用ロボット11を駆動停止すべく駆動停止信号を出力するようにしたので、安全回路14を通じて産業用ロボット11への電力供給を遮断する前に産業用ロボット11を駆動停止することができるため、安全信号入力から産業用ロボット11の駆動を停止するまでの時間を大幅に短縮化することができる。
【0041】
また、本実施の形態によれば、セイフティターミナル16内にセイフティリレー回路24を着脱可能に内蔵し、安全回路用インタフェース22は、安全回路14からのリレー遮断信号に応じてセイフティリレー回路24を駆動制御するようにしたので、安全回路14及びセイフティリレー回路24間の信号配線を考慮することなく、セイフティリレー回路24の交換作業が容易になる。
【0042】
さらに本実施の形態によれば、制御回路用インタフェース23を通じてPLC回路15からの表示情報及び、安全回路用インタフェース22を通じて安全回路14からの表示情報をモニタ表示部25に表示するようにしたので、ユーザは、例えば安全回路14やPLC回路15の場所に赴かなくても、モニタ表示部25の表示内容を目視することで、安全回路14やPLC回路15に関わる現在状況を把握することができる。
【0043】
尚、上記実施の形態においては、多光軸光電センサ13の安全信号を制御回路用インタフェース23及び安全回路用インタフェース22双方に入力するようにしたが、例えば緊急停止スイッチ18の緊急停止信号であっても、制御回路用インタフェース23及び安全回路用インタフェース22双方に入力し、制御回路用インタフェース23を通じて緊急停止信号をPLC回路15に直接通知することで、PLC回路15は、安全回路14のセイフティリレー回路24による電力供給遮断前に、産業用ロボット11の駆動を緊急停止することができることは言うまでもない。
【0044】
また、PLC回路15で産業用ロボット11の駆動を停止するトリガーとして、多光軸光電センサ13の安全信号や緊急停止スイッチ19の緊急停止信号を例にあげたが、産業用ロボット11の駆動を停止させることを目的とする信号であれば、同様の効果が得られることは言うまでもなく、これら安全信号や緊急停止信号に限定されるものではない。
【0045】
また、上記実施の形態においては、安全機器としてセイフティライトカーテン等の多光軸光電センサ13を例にあげて説明したが、例えばセイフティドアスイッチ、セイフティリミットスイッチ、存在検知スイッチ、イネーブルスイッチや非常停止スイッチ等の機器でもよく、多光軸光電センサ13だけに限定されるものでない。
【0046】
また、上記実施の形態においては、駆動機械として産業用ロボット11を例にあげて説明したが、安全性を確保するために駆動機械の駆動を停止する必要のある駆動機械であれば、同様の効果が得られることは言うまでもなく、産業用ロボット11だけに限定されるものでない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の端子台装置によれば、制御回路用インタフェース及び安全回路用インタフェースを備えることで接続ケーブルの省配線化を図ると共に、安全回路を経ることなく、制御回路用インタフェースを通じて安全信号を駆動機械制御回路に直接通知することで、安全信号入力から駆動機械を駆動制御するまでの時間を大幅に短縮化することができるため、例えば産業用ロボットの作業領域の安全を管理する産業用ロボット安全管理システムに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の端子台装置に関わる実施の形態を示す産業用ロボット安全管理システム内部の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に関わるセイフティターミナル内部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に関わるセイフティターミナルの外観構成(カバーを取外した状態)を示す斜視図である。
【図4】本実施の形態を示す産業用ロボット安全管理システムの産業用ロボット安全管理処理に関わる処理動作を示すフロチャートである。
【図5】従来技術の産業用ロボット安全管理システム内部の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0049】
11 産業用ロボット(駆動機械)
13 多光軸光電センサ(安全機器)
14 安全回路
15 PLC回路(駆動機械制御回路)
16 セイフティターミナル(端子台装置)
21A 入力端子
21B 出力端子
22 安全回路用インタフェース
23 制御回路用インタフェース
24 セイフティリレー回路(リレー回路)
25 モニタ表示部(表示手段)




【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全機器の安全信号入力に応じて駆動機械を駆動制御する駆動機械制御回路と外部接続すると共に、前記安全機器の安全信号入力に応じて、前記駆動機械への電力供給を遮断するリレー回路を駆動制御する安全回路と外部接続すべく、複数の入力端子及び出力端子を備えた端子台装置であって、
前記入力端子及び出力端子を通じて前記駆動機械制御回路との通信インタフェースを司ると共に、前記入力端子を通じて前記安全機器の安全信号を入力する制御回路用インタフェースと、
前記入力端子及び出力端子を通じて前記安全回路との通信インタフェースを司ると共に、前記入力端子を通じて前記安全機器の安全信号を入力する安全回路用インタフェースとを有し、
前記制御回路用インタフェースは、
前記入力端子を通じて前記安全機器の安全信号を入力すると、前記出力端子を通じて同安全信号を駆動機械制御回路に通知することを特徴とする端子台装置。
【請求項2】
前記リレー回路を着脱可能に内蔵し、
前記安全回路用インタフェースは、
前記安全回路との通信に応じて前記リレー回路を駆動制御することを特徴とする請求項1記載の端子台装置。
【請求項3】
前記制御回路用インタフェースを通じて前記駆動機械制御回路からの表示情報及び、前記安全回路用インタフェースを通じて前記安全回路からの表示情報を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の端子台装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−97443(P2008−97443A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280338(P2006−280338)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】