端子装置及びロック装置
【課題】組み付け作業を簡略化できる端子装置、ひいてはロック装置を提供する。
【解決手段】端子装置は、互いに嵌合されることにより内部に第2収納室72aを形成する第1ケース72及び第2ケース71と、第2収納室72a内に配置された4本の端子91〜94とを備える。この端子装置は、端子91〜94と、隣接する各端子91〜94同士を連結するように設けられ、押圧されることにより分断して、各端子91〜94を連結した状態から各端子91〜94を分離した状態に変わる3本の連結部91c、92c、93cとを有する統合端子90を備える。第1ケース72と第2ケース71とは、互いに嵌合されることにより、各端子91〜94の一面S1側から他面S2側へ向けて各連結部91c、92c、93cを押圧して分断させ、各端子91〜94を分離した状態とするように構成されている。
【解決手段】端子装置は、互いに嵌合されることにより内部に第2収納室72aを形成する第1ケース72及び第2ケース71と、第2収納室72a内に配置された4本の端子91〜94とを備える。この端子装置は、端子91〜94と、隣接する各端子91〜94同士を連結するように設けられ、押圧されることにより分断して、各端子91〜94を連結した状態から各端子91〜94を分離した状態に変わる3本の連結部91c、92c、93cとを有する統合端子90を備える。第1ケース72と第2ケース71とは、互いに嵌合されることにより、各端子91〜94の一面S1側から他面S2側へ向けて各連結部91c、92c、93cを押圧して分断させ、各端子91〜94を分離した状態とするように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は端子装置及びロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来のロック装置が開示されている。このロック装置は、車両用ドア等の車両用開閉体を施錠状態又は解錠状態とするロック装置本体と、ロック装置本体に併設される端子装置とを備えている。
【0003】
端子装置は、互いに嵌合されることにより内部に収納室を形成する第1ケース及び第2ケースと、収納室内に配置された2本の端子とを備えている。2本の端子は、第1ケース及び第2ケースが互いに嵌合される前において、統合端子として第1ケース又は第2ケースに配置される。統合端子は、2本の端子と、隣接する各端子同士を連結するように設けられた1本の連結部とを有している。
【0004】
統合端子を第1ケースに配置した後、連結部をパンチ等により押圧すると、連結部が分断して各端子が連結された状態から分離した状態に変わる。最後に、第1ケース及び第2ケースが互いに嵌合されることにより、各端子が収納室内の所定の位置に配置された状態で端子装置が組み上がる。そして、端子装置の収納室内には、ロック装置本体を操作することにより、車両用開閉体を解錠状態に切り替える切替手段が設けられることとなる。切替手段を構成する電気部品の少なくとも一部は、各端子により電気的に接続されることとなる。
【0005】
こうして、上記従来の端子装置及びロック装置は、2本の端子を収納室内の所定の位置に配置する作業の簡略化を図っている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−266027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記従来の端子装置、ひいてはロック装置に対しては、製造コストの低廉化のため、組み付け作業の一層の簡略化が求められている。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、組み付け作業を簡略化できる端子装置、ひいてはロック装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の端子装置は、互いに嵌合されることにより内部に収納室を形成する第1ケース及び第2ケースと、前記収納室内に配置された2本以上の端子とを備えた端子装置であって、
2本以上の前記端子と、隣接する各前記端子同士を連結するように設けられ、押圧されることにより分断して、各前記端子を連結した状態から各前記端子を分離した状態に変わる1本又は2本以上の連結部とを有する統合端子を備え、
前記第1ケースと前記第2ケースとは、互いに嵌合されることにより、各前記端子の一面側から他面側へ向けて各前記連結部を押圧して分断させ、各前記端子を分離した状態とするように構成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
本発明の端子装置では、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合されると、それに伴って各連結部が分断され、その結果、各端子が分離した状態となる。このため、上記従来の端子装置において必要であったパンチ等の工具による各連結部の分断作業が不要となる。
【0011】
したがって、本発明の端子装置は組み付け作業を簡略化でき、その結果として、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0012】
本発明の端子装置において、第1ケースと第2ケースとは、互いに嵌合されることにより、各端子の一面と他面とに当接して各端子を挟持し、かつ各連結部の分断した部位を隔離するように構成され得る(請求項2)。
【0013】
この場合、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合された後には、各端子が収納室内で位置ずれし難い。このため、この端子装置は、収納室内の電気部品と各端子との電子的接続が断たれたり、各連結部の分断した部位同士が短絡したりする不具合を生じ難くすることができる。
【0014】
本発明の端子装置において、第1ケースは、各端子の他面に当接する2個以上の受承部と、隣接する各受承部間に凹設された1個又は2個以上の隔離用凹部とを有し得る。また、第2ケースは、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合されることにより、各端子の一面に当接して、各端子を各受承部とともに挟持する2個以上の挟持部と、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合されることにより、各端子の一面側から他面側へ向けて各連結部を押圧して分断させ、各連結部の分断した部位とともに各隔離用凹部内に収容される1個又は2個以上の押圧部とを有し得る(請求項3)。
【0015】
この場合、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合されることにより、各受承部と各挟持部とが各端子の一面と他面とに当接して各端子を確実に挟持し、かつ各連結部の分断した部位と各押圧部とが各隔離用凹部内に収容されて、収納室内の他の部材から隔離される。このため、各端子が収納室内で位置ずれして電気部品と各端子との電子的接続が断たれたり、各連結部の分断した部位同士が短絡したりする不具合を確実に生じ難くすることができる。また、押圧部が各連結部を分断する際に破損しても、その破片が隔離用凹部内に収容される。このため、押圧部の破片が収納室内を移動して可動部材の動作を妨げる不具合をも生じ難くすることができる。
【0016】
本発明の端子装置において、各押圧部は、各連結部を押圧して分断させる刃部と、各連結部の幅方向両端側で各端子の一面側から他面側へ向けて各刃部と一体に突出する一対の補強壁とを有し、刃部と両補強壁とは、突出方向に直交する断面で見て、H字形状をなしていることが好ましい(請求項4)。
【0017】
この場合、刃部が両補強壁により補強されるので、各連結部を押圧して分断させる際に破損し難い。
【0018】
上記の場合において、両補強壁は、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合される途中において、刃部が各連結部を押圧するより先に各連結部を幅方向で挟んで、各連結部の幅方向の位置ずれを規制することが好ましい(請求項5)。
【0019】
この場合、補強壁により、各連結部の幅方向の位置ずれを規制できるので、各刃部による各連結部の分断を確実に行わせることができ、本発明の作用効果を確実に奏することができる。
【0020】
さらに、上記の場合において、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合される途中において、各補強壁は各連結部の長さ方向の略全域に亘って各連結部を挟んで、各連結部の長さ方向の位置ずれを規制することが好ましい(請求項6)。
【0021】
この場合、補強壁により、各連結部の長さ方向の位置ずれをも規制できるので、各刃部による各連結部の分断をより確実に行わせることができ、本発明の作用効果をより確実に奏することができる。
【0022】
本発明の端子装置において、両端側に位置する2本の端子は、各連結部とは反対側に設けられた係合部をそれぞれ有し得る。また、第1ケースには、各係合部と係合する被係合部が形成され得る(請求項7)。
【0023】
この場合、統合端子を第1ケースに配置することにより、各係合部と各被係合部とが係合して、統合端子が第1ケースに対して位置決めされる。このため、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合される際にも、統合端子が位置ずれし難くなる。
【0024】
上記の場合において、各係合部は、両端側に位置する2本の端子から各連結部とは反対側に突出する切片が各端子の他面側に屈曲されたものであり得る。また、被係合部は、第1ケースに凹設され、各係合部が嵌合する形状とされ得る(請求項8)。
【0025】
この場合、各係合部と各被係合部を形成することは容易であるので、この端子装置は製造コストの低廉化を図ることができる。
【0026】
本発明の端子装置において、各押圧部は、各連結部の略中央を押圧して分断させ得る(請求項9)。
【0027】
この場合、各連結部が分断されると、両端側の2本の端子を除く各端子の両側面に各連結部の分断した部位ができて、受承部を挟んだ状態となる。また、両端側の2本の端子に上記の係合部が設けられていれば、その2本の端子の一方の側面に連結部の分断した部位ができ、他方の側面に設けられた係合部とともに受承部を挟んだ状態となる。このため、この端子装置は、各端子の位置ずれを一層生じ難くすることができる。
【0028】
本発明のロック装置は、車両用開閉体を施錠状態又は解錠状態とするロック装置本体と、ロック装置本体に併設される本発明の端子装置とを備えるロック装置であって、収納室内には、ロック装置本体を操作することにより、車両用開閉体を解錠状態に切り替える切替手段が設けられ、切替手段を構成する電気部品の少なくとも一部は、各端子により電気的に接続されていることを特徴とする(請求項10)。
【0029】
本発明のロック装置は、上述した端子装置が奏する作用効果を享受することができるので、製造コストの低廉化を図ることができる。また、上述した押圧部と隔離用凹部とを有する構成であれば、押圧部が各連結部を分断する際に破損しても、その破片が収納室内を移動して切替手段の動作を妨げる不具合を生じ難くすることができるので、車両用開閉体を施錠状態又は解錠状態とする動作を確実に行うことができる。
【0030】
切替手段を構成する電気部品とは、例えば、切替手段を構成する切替レバーを駆動する電気モータや、ロック装置本体を構成するポールの揺動角度を検出するセンサ等である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。なお、図1に示すように、テールゲート9側を後側として前後方向、左右方向及び上下方向を規定している。すなわち、テールゲート9の反対側である車両前方を前側と規定している。また、車両前方を向いた状態における左側(図1における紙面奥側)を左側と規定し、車両前方を向いた状態における右側(図1における紙面手前側)を右側と規定している。そして、図2及び図3に示す前後方向、左右方向及び上下方向は、全て図1の各方向に対応している。
【実施例】
【0032】
図1に示すように、実施例の端子装置は、自動車に適用されるロック装置1の一部を構成するものである。ロック装置1は、車両用開閉体の具体的態様であるテールゲート9の下方の車内側に配設されている。そして、ロック装置1は、後述する通り、フォーク11がストライカ79を係止したり、係止を解除することにより、テールゲート9を閉じたまま保持する施錠状態又はテールゲート9を開くことができる解錠状態とするものである。以下、ロック装置1の各構成要素について説明し、その後で、実施例の端子装置について詳しく説明する。
【0033】
図1及び図2に示すように、ロック装置1は、ロック装置本体70と、第1ケース72と、第2ケース71と、切替手段50とを備えている。
【0034】
ロック装置本体70は、鋼板が折り曲げ加工されてなる取付部材73を有している。取付部材73には、上端側において左右方向に略水平に延在する一対の取付部73bと、下方に凹む第1収納室73aとが形成されている。取付部73bは、図1に示すように、テールゲート9の下側端面に締結固定されるためのものである。第1収納室73aには、図1及び図2に示すように、後述するフォーク11及びポール12が収納されている。また、取付部材73には、図2に示すように、下端縁中央から上方に向けて深く溝状に切り欠かれた進入口78が形成されている。進入口78には、テールゲート9の開閉に伴ってロック装置1が移動する際、ストライカ79が相対的に進入するようになっている。
【0035】
第1ケース72は、熱可塑性樹脂の射出成形品であり、開口72bを有する略箱形状のものである。第1ケース72は、図1に示すように、取付部材73の上面後端側において、開口72bを車内側(前方)に向けた状態で併設されている。
【0036】
第2ケース71は、熱可塑性樹脂の射出成形品であり、開口72bを塞ぐことが可能な略蓋形状に形成されたものである。第2ケース71は、取付部材73の上面後端側において、車内側(前方)から開口72bを塞ぐように第1ケース72に嵌合固定されている。
【0037】
第1ケース72と第2ケース71とは、互いに嵌合されることより、内部に第2収納室72aを形成している。第2収納室72a内には、後述する切替手段50が収納されている。
【0038】
図2に示すように、第1ケース72及び第2ケース71の右側面からは、四角い筒状にコネクタ部72eが一体に凸設されている。
【0039】
第1収納室73a内には、フォーク11及びポール12が進入口78を左右から挟むように設けられている。
【0040】
フォーク11は、進入口78の左側(図2に示すように、車両前方を向いた状態における左側。)に配設され、取付部材73の底部から第1収納室73a内に向けて立設された揺動軸14aに揺動可能に軸支されている。そして、フォーク11は、図示しないコイルバネにより、揺動軸14a回りで反時計方向に揺動するように付勢されている。なお、本実施例における「時計方向」及び「反時計方向」は、図2の断面図に対面した状態を基準としている。
【0041】
フォーク11の進入口78側に位置する部位は、上側凸部11aと下側凸部11bとに分岐している。そして、上側凸部11aと下側凸部11bとの間に形成された凹部11cには、進入口78内に進入したストライカ79が収まるようになっている。図2に示す状態が、フォーク11が進入口78の底部でストライカ79を係止することによりテールゲート9が閉じたまま保持される施錠状態である。上側凸部11aのポール12に対面する先端側には、後述するストッパ部12aと当接可能なラッチ面19aが形成されている。フォーク11の外周縁は、上側凸部11aの先端から時計方向に円弧状に形成されている。円弧状のカーブ11dと揺動軸14aの軸芯との距離は、時計方向に進むにつれて短くされている。
【0042】
円弧状のカーブ11dの上方には、レバー式マイクロセンサ89が配設されている。レバー式マイクロセンサ89は、フォーク11が図2に示す状態となっているとき、レバー89aが円弧状のカーブ11dに押されて導通状態となるようになっている。そして、図3に示すように、フォーク11が揺動軸14a回りで反時計方向に揺動すれば、レバー89aが円弧状のカーブ11dから離れて非導通状態となるようになっている。
【0043】
レバー式マイクロセンサ89には、図2に示すように、第2収納室72a内に配設された細長い金属薄板製の端子93、94の一端側が電気的に接続されている。また、端子93、94の他端側は、コネクタ部72e内に突出する入出力端子93a、94aとされている。レバー式マイクロセンサ89は、端子93、94を介して、導通状態又は非導通状態であることを外部に伝達する。
【0044】
ポール12は、進入口78の右側(車両前方を向いた状態における右側。)に配設され、取付部材73の底部から第1収納室73a内に向けて立設された揺動軸14bに揺動可能に軸支されている。そして、ポール12は、図示しないコイルバネにより、揺動軸14b回りで時計方向に揺動するように付勢されている。
【0045】
ポール12の進入口78側に位置する部位は、フォーク11の上側凸部11aに向けて突出するように形成され、その先端側がストッパ部12aとされている。ストッパ部12aは、フォーク11が進入口78の底部でストライカ79を係止した状態において、上側凸部11aのラッチ面19aに当接することにより、フォーク11を反時計方向に揺動させないように固定して施錠状態とするようになっている。
【0046】
ポール12の揺動軸14bより上方に位置する部位は、ストッパ部12aと分岐しつつ、第2ケース71及び第1ケース72の下面に向けて突出するように形成され、その先端側が被当接部12bとされている。被当接部12bは、詳細は後述するが、切替レバー51の一端である当接部51bが当接することにより、反時計方向に押されて変位するようになっている。
【0047】
図3に示すように、被当接部12bが反時計方向に変位すれば、ポール12は、コイルバネの付勢力に抗しつつ、揺動軸14b回りで反時計方向に揺動するようになっている。この際、ストッパ部12aがフォーク11のラッチ面19aから離反するので、ポール12がフォーク11を開放する。このため、フォーク11がコイルバネの付勢力により揺動軸14a回りで反時計方向に揺動して、ストライカ79を進入口78から離脱する方向に変位させる。その結果、フォーク11は、進入口78内においてストライカ79を係止しない状態に切り替わり、テールゲート9は解錠状態とされる。この際、テールゲート9は、完全に閉じた状態から少し開いた状態に変位する。
【0048】
逆に、ストライカ79が進入口78内に進入する場合には、フォーク11及びポール12が上述の動作とは逆に動作する。そして、図2に示すように、ストライカ79が進入口78の底部まで進入すれば、フォーク11は、元の状態まで揺動し、ストッパ部12aがラッチ面19aに当接して施錠状態に戻る。
【0049】
切替手段50は、図2に示すように、第2収納室72aに収納されており、切替レバー51と駆動手段80とを有している。
【0050】
切替レバー51は、熱可塑性樹脂の射出成形により、上方に扇型歯車82dが形成され、中央に軸穴51aが形成され、下方に当接部51bが形成された細長い板形状のものである。
【0051】
軸穴51aは、第1ケース72の内側から前方(図2における紙面手前側)に向けて凸設された揺動軸72cに挿通されている。このため、切替レバー51は、揺動軸72c回りで揺動可能となっている。図2は、切替レバー51が初期位置にある状態を示している。また、図3は、切替レバー51が最大揺動位置にある状態を示している。
【0052】
図2に示すように、当接部51bは、第2ケース71及び第1ケース72の下面側に形成された当接部用開口72dよりも下方に突出し、被当接部12bの右側に延在している。
【0053】
扇型歯車82dの上方、すなわち、第2収納室72aの上方右側には、小径ギヤ82c及びウォームホイール82bが配設されている。前方に位置する小径ギヤ82cと後方(図2における紙面奥側)に位置するウォームホイール82bとは同軸であり、熱可塑性樹脂の射出形成や金属材料の切削加工等により一体成型されている。小径ギヤ82c及びウォームホイール82bは、第1ケース72の内側から前方に向けて凸設された回転軸75によって、回転可能に軸支されている。
【0054】
小径ギヤ82cは、扇型歯車82dと噛み合っている。一方、ウォームホイール82bは、下方に配設されたウォームギヤ82aと噛み合っている。ウォームギヤ82aは、第2収納室72aの上方左側に配設されたモータ81の回転軸に一体回転可能に固定されている。
【0055】
モータ81には、第2収納室72a内に配設された細長い金属薄板製の端子91、92の一端側が電気的に接続されている。また、端子91、92の他端側は、コネクタ部72e内に突出する入出力端子91a、92aとされている。モータ81は、端子91、92を介して、外部から給電される。
【0056】
ウォームホイール82bの後面側には、リターンスプリング83が配設されている。リターンスプリング83の一端は、第1ケース72からウォームホイール82bの後面側に向けて凸設された第1ケース側係止部83aに係止されている。他方、リターンスプリング83の他端は、ウォームホイール82bの後面側から第1ケース72に向けて凸設されたウォームホイール側係止部83bに係止されている。このため、ウォームホイール82bは、リターンスプリング83により時計方向に回転するように付勢されている。
【0057】
扇型歯車82dと、小径ギヤ82cと、ウォームホイール82bと、ウォームギヤ82aとを有してギヤ機構82が構成されている。また、モータ81と、ギヤ機構82と、リターンスプリング83とを有して駆動手段80が構成されている。そして、駆動手段80は、後述する通り、切替レバー51を図2に示す初期位置と図3に示す最大揺動位置との間で往復動作させる。
【0058】
このような構成である実施例のロック装置1では、図1及び図2に示す初期状態において、使用者が開閉ハンドル9aを操作してテールゲート9を開こうとする場合、下記のようにして、切替手段50が自動によりロック装置本体70を操作して、テールゲート9を解錠状態とする。
【0059】
まず、使用者がテールゲート9を開こうとして開閉ハンドル9aを引くと、図示しない制御手段が端子91、92を介して、モータ81に電力を供給してウォームギヤ82aを回転させる。これにより、ウォームギヤ82aと噛合するウォームホイール82bが反時計方向に回転し、小径ギヤ82cもウォームホイール82bと一体に反時計方向に回転する。そして、図3に示すように、小径ギヤ82cと噛み合う扇型歯車82dを介して、切替レバー51が揺動軸72c回りで時計方向に揺動し、当接部51b及び当接部12bを介して、ポール12に作用する。
【0060】
その結果、上述の通り、ポール12がフォーク11を開放し、フォーク11が揺動軸14a回りで反時計方向に揺動する。その結果、フォーク11は、進入口78内においてストライカ79を係止しない状態に切り替わり、テールゲート9は解錠状態とされる。
【0061】
そして、使用者が開閉ハンドル9aを戻すと、制御手段がモータ81への電力の供給を停止する。これにより、切替レバー51は、リターンスプリング83により時計方向に付勢されたウォームホイール82b及び小径ギヤ82cに駆動されて、図3に示す最大揺動位置から逆方向に揺動して、初期位置へと復帰する。このため、ポール12も逆方向に揺動し、ストッパ部12aがフォーク11の外周面に付勢されて、いつでもフォーク11を固定可能な状態になる。その後、使用者がテールゲート9を閉めようとすれば、ストライカ79が進入口78に進入して、フォーク11を逆方向に揺動させるので、フォーク11及びポール12が上述とは逆に動作する。そして、ストライカ79が進入口78の底部まで進入すれば、図2に示す施錠状態へと戻る。
【0062】
この際、制御手段には、端子93、94を介して、レバー式マイクロセンサ89が導通状態及び非導通状態のどちらの状態であるかが伝達される。このため、制御手段は、テールゲート9が施錠状態となっているか否かをレバー式マイクロセンサ89からの信号に基づいて判断することが可能となっている。
【0063】
このように動作するロック装置1において、第1ケース72及び第2ケース71と、端子91〜94とは、実施例の端子装置を構成するものでもある。以下、実施例の端子装置について詳しく説明する。本実施例の端子装置の要部は、図2において二点鎖線Zで囲った範囲である。このため、以下、図2と、二点鎖線Zで示す要部を拡大した図4〜図12とを参照しつつ説明する。
【0064】
図2に示すように、実施例の端子装置は、互いに嵌合されることにより内部に第2収納室72aを形成する第1ケース72及び第2ケース71と、収納室72a内に配置された4本の端子91〜94とを備えている。
【0065】
第1ケース72は、二点鎖線Zで囲った範囲において、図4に示す形状とされている。第2ケース71は、図2の二点鎖線Zで囲った範囲において、図4及び図5に示す形状とされている。4本の端子91〜94は、初めに、図4に示す形状とされた統合端子90として用意される。第1ケース72、第2ケース71及び統合端子90の二点鎖線Zで囲った範囲以外の部分については図示を省略する。
【0066】
図4に示すように、統合端子90は、並列する4本の端子91〜94と、隣接する各端子91〜94同士を連結するように設けられた3本の連結部91c、92c、93cとを有している。各連結部91c〜93cは、各端子91〜94が延在する方向と直交する1本の直線上に直列している。統合端子90の紙面上側を向く面を一面S1と規定し、統合端子90の紙面下側を向く面を他面S2と規定する。
【0067】
並列する各端子91〜94のうち、両端側に位置する2本の端子91、94は、各連結部91c〜93cとは反対側に突出する切片が他面S1側に略直角に屈曲されてなる係合部91d、94dをそれぞれ有している。
【0068】
各連結部91c〜93cの他面S2側において、中央には各端子91〜94が延在する方向と平行に第1溝C1が凹設され、各端子91〜94と接する両端側には第1溝C1と平行に第2溝C2、C3が凹設されている。第1溝C1は、各連結部91c〜93cが一面S1側から他面S2側に向けて押圧される際に、中央で分断し易くするためのものである。第2溝C2、C3は、各連結部91c〜93cが他面S1側に屈曲し易くするためのものである。
【0069】
統合端子90は、金属薄板が打ち抜き加工されることにより、各端子91〜94と各連結部91c〜93cと、各係合部91d、94dとが一体に形成される。
【0070】
第1ケース72は、底面72fからリブ状に凸設された受承部111a、112a、113a、114aを有している。各受承部111a〜114aは、各端子91〜94と等しい間隔で並列している。各受承部111a〜114a間には、各受承部111a〜114aが延在する方向と直交する2本の直線上にそれぞれ直列する複数のリブ119が形成されている。各受承部111a〜114a間には、各受承部111a〜114aと複数のリブ119とにより囲まれて3個の矩形穴が形成されており、これらの矩形穴が隔離用凹部111c、112c、113cとされている。
【0071】
受承部111aは隔離用凹部111cとは反対側に膨出しており、その一部に切り欠き状の被係合部111dが凹設されている。また、受承部114aは隔離用凹部114cとは反対側に膨出しており、その一部に切り欠き状の被係合部114dが凹設されている。
【0072】
図4及び図5に示すように、第2ケース71は、裏面71fからリブ状に凸設された挟持部111b、112b、113b、114bを有している。各挟持部111b〜114bは、各端子91〜94と等しい間隔で並列している。各挟持部111b〜114b間には、各挟持部111b〜114bが延在する方向と直交する1本の直線上に直列する3個の押圧部121、122、123が凸設されている。
【0073】
より詳しくは、押圧部121は、挟持部111bと挟持部112bとの間において裏面71fから楔状に凸設された刃部121bと、刃部121bを挟持部111b、112bが延在する方向の前後で挟みつつ、刃部121bと一体に突出する一対の補強壁121aとを有している。一対の補強壁121aはそれぞれ衝立板形状とされ、その間隔は連結部91cの幅より若干広くされている。また、一対の補強壁121aが突出する長さは、刃部121bよりも長くされている。さらに、一対の補強壁121aにおける連結部91cの長さ方向と平行な方向の長さは、連結部91cの長さより若干短くされている。刃部121bと一対の補強壁121aとは、刃部121bが突出する方向に直交する断面で見て、「H」字形状となっている。このため、刃部121bは、一対の補強壁121aに補強されて破損し難くなっている。
【0074】
押圧部122は、挟持部112bと挟持部113bとの間において刃部122bと、一対の補強壁122aとを有している。押圧部123は、挟持部113bと挟持部114bとの間において刃部123bと、一対の補強壁123aとを有している。刃部122b、123b及び一対の補強壁122a、123aの構成は、刃部121b及び一対の補強壁121aの構成と同一であるので説明は省略する。
【0075】
各刃部121b〜123b及び各補強壁121a〜123aは、第1ケース72と第2ケース71とが互いに嵌合されることにより、各隔離用凹部111c〜113c内に収容される大きさとされている。
【0076】
このような構成である実施例の端子装置では、下記の工程により組み付け作業が実施される。
【0077】
初めに、図6及び図7に示すように、統合端子90を第1ケース72内に配置して、各端子91〜94の他面S2に各受承部111a〜114aが当接した状態とする。この際、統合端子90の各係合部91d、94dと、第1ケース72の被係合部111d、114dとが嵌合して、統合端子90が第1ケース72に対して位置決めされる。また、各連結部91c〜93cは、各隔離用凹部111c〜113cの上方に位置した状態となる。
【0078】
次に、上述した切替手段50を第1ケース72に組み付ける。なお、切替手段50を第1ケース72に組み付ける途中、又は組み付けた後に、統合端子90を第1ケース72内に配置する構成であってもかまわない。
【0079】
次に、第1ケース72と第2ケース71とを互いに嵌合させる。まず、図7に示すように、第2ケース71を第1ケース72の上方に位置させた後、第1ケース72に接近させる。
【0080】
そうすると、図8に示すように、第1ケース72と第2ケース71とが互いに嵌合される途中において、各刃部121b〜123bが各連結部91c〜93cを押圧するより先に、各補強壁121a〜123aが各連結部91c〜93cを幅方向で挟んだ状態となる。この際、各補強壁121a〜123aは、各連結部91c〜93cの長さ方向の略全域に亘って各連結部91c〜93cを幅方向で挟む。その結果、各連結部91c〜93cの幅方向及び長さ方向の位置ずれが規制される。
【0081】
図9に示すように、第2ケース71を第1ケース72にさらに接近させると、各刃部121b〜123bが各連結部91c〜93cを押圧する。その結果、各連結部91c〜93cは、各隔離用凹部111c〜113c内に向けて屈曲するように変形し、強度の弱い中央の第1溝C1近傍で分断する。その結果、各連結部91c〜93cは、各端子91〜94を連結した状態から各端子91〜94を分離した状態に変わる。
【0082】
図10に示すように、第2ケース71を第1ケース72に完全に接近させると、第1ケース72と第2ケース71とが互いに嵌合された状態となる。そうすると、各挟持部111b〜114bは、各端子91〜94の一面S1に当接して、各端子91〜94を各受承部111a〜114aとともに挟持する。また、各連結部91c〜93cの分断した部位と各刃部121b〜123bと各補強壁121a〜123aとが各隔離用凹部111c〜113c内に収容される。この際、各刃部121b〜123bは、各連結部91c〜93cの分断した部位同士を遠ざけるように、双方の間に位置する。
【0083】
図11に示すように、各連結部91c〜93cは、分断した後も各補強壁121a〜123aに幅方向で挟まれたままであるので、各連結部91c〜93cの分断した部位と連続する各端子91〜94も、各端子91〜94の延在する方向に位置ずれしないように規制される。また、各端子91〜94は、各連結部91c〜93cの長さより若干短くされた各補強壁121a〜123aに挟まれるので、各端子91〜94の延在方向と直交する方向にも位置ずれしないように規制される。
【0084】
なお、図12に示すように、例えば、連結部92cが第1溝C1近傍ではなく第2溝C3近傍で分断した場合であっても、連結部92cの分断した部位同士は、隔離用凹部112c内で隔離されるので、双方が短絡する不具合は生じない。
【0085】
こうして、端子装置の組み付け作業が終了すると、モータ81が端子91、92の一端側に電気的に接続された状態となるとともに、レバー式マイクロセンサ89が端子93、94の一端側に電気的に接続された状態となる。また、各端子91〜94の他端側は、コネクタ部72e内に突出する入出力端子91a〜94aとなる。そして、ロック装置本体70に対して、一体となった第1ケース72及び第2ケース71が組み合わされることによりロック装置1が完成し、自動車等に搭載される。
【0086】
ここで、上述の構成である実施例のロック装置1では、第1ケース72と第2ケース71とが互いに嵌合されると、それに伴って各連結部91c〜93cが分断され、その結果、各端子91〜94が分離した状態となる。このため、上記従来のロック装置において必要であったパンチ等の工具による各連結部91c〜93cの分断作業が不要となる。
【0087】
したがって、実施例のロック装置1は組み付け作業を簡略化でき、その結果として、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0088】
また、このロック装置1において、第1ケース72と第2ケース71とは、互いに嵌合されることにより、各端子91〜94の一面S1と他面S2とに当接して各端子91〜94を挟持し、かつ各連結部91c〜93cの分断した部位を隔離するので、各端子91〜94が第2収納室72a内で位置ずれし難い。このため、このロック装置1は、第2収納室72a内のモータ81やレバー式マイクロセンサ89と各端子91〜94との電子的接続が断たれたり、各連結部91c〜93cの分断した部位同士が短絡したりする不具合を生じ難くすることができる。
【0089】
特に、このロック装置1では、第1ケース72が受承部111a〜114aと隔離用凹部111c〜113cとを有し、第2ケース71が挟持部111b〜114bと押圧部121〜123とを有している。このようなロック装置1では、第1ケース72と第2ケース71とが互いに嵌合されることにより、各受承部111a〜114aと各挟持部111b〜114bとが各端子91〜94の一面S1と他面S2とに当接して各端子91〜94を確実に挟持し、かつ各連結部91c〜93cの分断した部位と各押圧部121〜123とが各隔離用凹部111c〜113c内に収容されて、第2収納室72a内の他の部材から隔離される。このため、各端子91〜94が第2収納室72a内で位置ずれして、モータ81やレバー式マイクロセンサ89と各端子91〜94との電子的接続が断たれたり、各連結部91c〜93cの分断した部位同士が短絡したりする不具合を確実に生じ難くすることができる。また、各押圧部121〜123が各連結部91c〜93cを分断する際に破損しても、その破片が隔離用凹部111c〜113c内に収容される。このため、押圧部121〜123の破片が第2収納室72a内を移動してモータ81、ウォームホイール82b及び切替レバー51等の可動部材の動作を妨げる不具合をも生じ難くすることができる。その結果、このロック装置1は、テールゲート9を施錠状態又は解錠状態とする動作を確実に行うことができる。
【0090】
また、このロック装置1にといて、各押圧部121〜123は、各連結部91c〜93cを押圧して分断させる刃部121b〜123bと、各連結部91c〜93cの幅方向両端側で各端子91〜94の一面S1側から他面S2側へ向けて各刃部121b〜123bと一体に突出する一対の補強壁121a〜123aとを有している。刃部121b〜123bと補強壁121a〜123aとは、それぞれ突出方向に直交する断面で見て、H字形状をなしている。このため、各刃部121b〜123bがそれぞれ補強壁121a〜123aにより補強されているので、各連結部91c〜93cを押圧して分断させる際に破損し難い。
【0091】
さらに、このロック装置1は、各押圧部121〜123が有する補強壁121a〜123aにより、各連結部91c〜93cの幅方向及び長さ方向の位置ずれを規制して、各刃部121b〜123bによる各連結部91c〜93cの分断を確実に行わせることができる。
【0092】
また、このロック装置1では、統合端子90を第1ケース72内に配置することにより、係合部91d、94dと被係合部111d、114dとが係合して、統合端子90が第1ケース72に対して位置決めされる。このため、補強壁121a〜123aが各連結部91c〜93cの幅方向及び長さ方向の位置ずれを規制するより前の段階においても、統合端子90が位置ずれし難い。
【0093】
さらに、上述の形状である各係合部91d、94d及び被係合部111d、114dを形成することは容易であるので、このロック装置1は、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0094】
また、このロック装置1において、各刃部121b〜123bは、各連結部91c〜93cの中央を押圧して分断させるので、図10に示すように、端子92、93の両側面に各連結部91c〜93cの分断した部位ができて、受承部112a、113aを挟んだ状態となる。また、両端側の端子91、94の一方の側面に連結部91c、93cの分断した部位ができ、他方の側面に設けられた係合部91d、94dとともに受承部111a、114aを挟んだ状態となる。このため、この端子装置は、各端子91〜94の位置ずれを一層生じ難くすることができる。
【0095】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0096】
例えば、図4等に示す第1ケース72、第2ケース71及び統合端子90の構成は、図2の二点鎖線Zで囲った範囲以外の1又は複数の箇所にも設けられ得る。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は端子装置及びロック装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施例の端子装置が適用されたロック装置の側面図である。
【図2】実施例の端子装置が適用されたロック装置に係り、図1のII−II断面を示す断面図である。
【図3】実施例の端子装置が適用されたロック装置に係り、図1のII−II断面を示す断面図である。
【図4】実施例の端子装置に係り、第1ケース、第2ケース及び統合端子を示す要部拡大斜視図である。
【図5】実施例の端子装置に係り、図4の矢視V方向から見た第2ケースの要部拡大斜視図である。
【図6】実施例の端子装置に係り、第1ケースに統合端子を配置した状態を示す要部拡大斜視図である。
【図7】実施例の端子装置に係り、第1ケースと第2ケースとを互いに嵌合されて、各端子を分離した状態する工程を説明する要部拡大断面図である。
【図8】実施例の端子装置に係り、第1ケースと第2ケースとを互いに嵌合されて、各端子を分離した状態する工程を説明する要部拡大断面図である。
【図9】実施例の端子装置に係り、第1ケースと第2ケースとを互いに嵌合されて、各端子を分離した状態する工程を説明する要部拡大断面図である。
【図10】実施例の端子装置に係り、第1ケースと第2ケースとを互いに嵌合されて、各端子を分離した状態する工程を説明する要部拡大断面図である。
【図11】実施例の端子装置に係り、図4の矢視V方向から見た第2ケースの要部拡大斜視図である(第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合されて、各端子が分離した状態。)。
【図12】実施例の端子装置に係り、端子が中央以外の箇所で分離した状態を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0099】
1…ロック装置ロック装置
9…車両用開閉体(テールゲート)
50…切替手段
70…ロック装置本体
71…第2ケース
72…第1ケース
72a…収納室(第2収納室)
81、89…電気部品(81…モータ、89…レバー式マイクロセンサ)
90…統合端子
91、92、93、94…端子
91c、92c、93c…連結部
91d、94d…係合部
111a、112a、113a、114a…受承部
111b、112b、113b、114b…挟持部
111c、112c、113c…隔離用凹部
111d、114d…被係合部
121、122、123…押圧部
121a、122a、123a…補強壁
121b、122b、123b…刃部
S1…端子の一面
S2…端子の他面
【技術分野】
【0001】
本発明は端子装置及びロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来のロック装置が開示されている。このロック装置は、車両用ドア等の車両用開閉体を施錠状態又は解錠状態とするロック装置本体と、ロック装置本体に併設される端子装置とを備えている。
【0003】
端子装置は、互いに嵌合されることにより内部に収納室を形成する第1ケース及び第2ケースと、収納室内に配置された2本の端子とを備えている。2本の端子は、第1ケース及び第2ケースが互いに嵌合される前において、統合端子として第1ケース又は第2ケースに配置される。統合端子は、2本の端子と、隣接する各端子同士を連結するように設けられた1本の連結部とを有している。
【0004】
統合端子を第1ケースに配置した後、連結部をパンチ等により押圧すると、連結部が分断して各端子が連結された状態から分離した状態に変わる。最後に、第1ケース及び第2ケースが互いに嵌合されることにより、各端子が収納室内の所定の位置に配置された状態で端子装置が組み上がる。そして、端子装置の収納室内には、ロック装置本体を操作することにより、車両用開閉体を解錠状態に切り替える切替手段が設けられることとなる。切替手段を構成する電気部品の少なくとも一部は、各端子により電気的に接続されることとなる。
【0005】
こうして、上記従来の端子装置及びロック装置は、2本の端子を収納室内の所定の位置に配置する作業の簡略化を図っている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−266027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記従来の端子装置、ひいてはロック装置に対しては、製造コストの低廉化のため、組み付け作業の一層の簡略化が求められている。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、組み付け作業を簡略化できる端子装置、ひいてはロック装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の端子装置は、互いに嵌合されることにより内部に収納室を形成する第1ケース及び第2ケースと、前記収納室内に配置された2本以上の端子とを備えた端子装置であって、
2本以上の前記端子と、隣接する各前記端子同士を連結するように設けられ、押圧されることにより分断して、各前記端子を連結した状態から各前記端子を分離した状態に変わる1本又は2本以上の連結部とを有する統合端子を備え、
前記第1ケースと前記第2ケースとは、互いに嵌合されることにより、各前記端子の一面側から他面側へ向けて各前記連結部を押圧して分断させ、各前記端子を分離した状態とするように構成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
本発明の端子装置では、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合されると、それに伴って各連結部が分断され、その結果、各端子が分離した状態となる。このため、上記従来の端子装置において必要であったパンチ等の工具による各連結部の分断作業が不要となる。
【0011】
したがって、本発明の端子装置は組み付け作業を簡略化でき、その結果として、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0012】
本発明の端子装置において、第1ケースと第2ケースとは、互いに嵌合されることにより、各端子の一面と他面とに当接して各端子を挟持し、かつ各連結部の分断した部位を隔離するように構成され得る(請求項2)。
【0013】
この場合、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合された後には、各端子が収納室内で位置ずれし難い。このため、この端子装置は、収納室内の電気部品と各端子との電子的接続が断たれたり、各連結部の分断した部位同士が短絡したりする不具合を生じ難くすることができる。
【0014】
本発明の端子装置において、第1ケースは、各端子の他面に当接する2個以上の受承部と、隣接する各受承部間に凹設された1個又は2個以上の隔離用凹部とを有し得る。また、第2ケースは、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合されることにより、各端子の一面に当接して、各端子を各受承部とともに挟持する2個以上の挟持部と、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合されることにより、各端子の一面側から他面側へ向けて各連結部を押圧して分断させ、各連結部の分断した部位とともに各隔離用凹部内に収容される1個又は2個以上の押圧部とを有し得る(請求項3)。
【0015】
この場合、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合されることにより、各受承部と各挟持部とが各端子の一面と他面とに当接して各端子を確実に挟持し、かつ各連結部の分断した部位と各押圧部とが各隔離用凹部内に収容されて、収納室内の他の部材から隔離される。このため、各端子が収納室内で位置ずれして電気部品と各端子との電子的接続が断たれたり、各連結部の分断した部位同士が短絡したりする不具合を確実に生じ難くすることができる。また、押圧部が各連結部を分断する際に破損しても、その破片が隔離用凹部内に収容される。このため、押圧部の破片が収納室内を移動して可動部材の動作を妨げる不具合をも生じ難くすることができる。
【0016】
本発明の端子装置において、各押圧部は、各連結部を押圧して分断させる刃部と、各連結部の幅方向両端側で各端子の一面側から他面側へ向けて各刃部と一体に突出する一対の補強壁とを有し、刃部と両補強壁とは、突出方向に直交する断面で見て、H字形状をなしていることが好ましい(請求項4)。
【0017】
この場合、刃部が両補強壁により補強されるので、各連結部を押圧して分断させる際に破損し難い。
【0018】
上記の場合において、両補強壁は、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合される途中において、刃部が各連結部を押圧するより先に各連結部を幅方向で挟んで、各連結部の幅方向の位置ずれを規制することが好ましい(請求項5)。
【0019】
この場合、補強壁により、各連結部の幅方向の位置ずれを規制できるので、各刃部による各連結部の分断を確実に行わせることができ、本発明の作用効果を確実に奏することができる。
【0020】
さらに、上記の場合において、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合される途中において、各補強壁は各連結部の長さ方向の略全域に亘って各連結部を挟んで、各連結部の長さ方向の位置ずれを規制することが好ましい(請求項6)。
【0021】
この場合、補強壁により、各連結部の長さ方向の位置ずれをも規制できるので、各刃部による各連結部の分断をより確実に行わせることができ、本発明の作用効果をより確実に奏することができる。
【0022】
本発明の端子装置において、両端側に位置する2本の端子は、各連結部とは反対側に設けられた係合部をそれぞれ有し得る。また、第1ケースには、各係合部と係合する被係合部が形成され得る(請求項7)。
【0023】
この場合、統合端子を第1ケースに配置することにより、各係合部と各被係合部とが係合して、統合端子が第1ケースに対して位置決めされる。このため、第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合される際にも、統合端子が位置ずれし難くなる。
【0024】
上記の場合において、各係合部は、両端側に位置する2本の端子から各連結部とは反対側に突出する切片が各端子の他面側に屈曲されたものであり得る。また、被係合部は、第1ケースに凹設され、各係合部が嵌合する形状とされ得る(請求項8)。
【0025】
この場合、各係合部と各被係合部を形成することは容易であるので、この端子装置は製造コストの低廉化を図ることができる。
【0026】
本発明の端子装置において、各押圧部は、各連結部の略中央を押圧して分断させ得る(請求項9)。
【0027】
この場合、各連結部が分断されると、両端側の2本の端子を除く各端子の両側面に各連結部の分断した部位ができて、受承部を挟んだ状態となる。また、両端側の2本の端子に上記の係合部が設けられていれば、その2本の端子の一方の側面に連結部の分断した部位ができ、他方の側面に設けられた係合部とともに受承部を挟んだ状態となる。このため、この端子装置は、各端子の位置ずれを一層生じ難くすることができる。
【0028】
本発明のロック装置は、車両用開閉体を施錠状態又は解錠状態とするロック装置本体と、ロック装置本体に併設される本発明の端子装置とを備えるロック装置であって、収納室内には、ロック装置本体を操作することにより、車両用開閉体を解錠状態に切り替える切替手段が設けられ、切替手段を構成する電気部品の少なくとも一部は、各端子により電気的に接続されていることを特徴とする(請求項10)。
【0029】
本発明のロック装置は、上述した端子装置が奏する作用効果を享受することができるので、製造コストの低廉化を図ることができる。また、上述した押圧部と隔離用凹部とを有する構成であれば、押圧部が各連結部を分断する際に破損しても、その破片が収納室内を移動して切替手段の動作を妨げる不具合を生じ難くすることができるので、車両用開閉体を施錠状態又は解錠状態とする動作を確実に行うことができる。
【0030】
切替手段を構成する電気部品とは、例えば、切替手段を構成する切替レバーを駆動する電気モータや、ロック装置本体を構成するポールの揺動角度を検出するセンサ等である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。なお、図1に示すように、テールゲート9側を後側として前後方向、左右方向及び上下方向を規定している。すなわち、テールゲート9の反対側である車両前方を前側と規定している。また、車両前方を向いた状態における左側(図1における紙面奥側)を左側と規定し、車両前方を向いた状態における右側(図1における紙面手前側)を右側と規定している。そして、図2及び図3に示す前後方向、左右方向及び上下方向は、全て図1の各方向に対応している。
【実施例】
【0032】
図1に示すように、実施例の端子装置は、自動車に適用されるロック装置1の一部を構成するものである。ロック装置1は、車両用開閉体の具体的態様であるテールゲート9の下方の車内側に配設されている。そして、ロック装置1は、後述する通り、フォーク11がストライカ79を係止したり、係止を解除することにより、テールゲート9を閉じたまま保持する施錠状態又はテールゲート9を開くことができる解錠状態とするものである。以下、ロック装置1の各構成要素について説明し、その後で、実施例の端子装置について詳しく説明する。
【0033】
図1及び図2に示すように、ロック装置1は、ロック装置本体70と、第1ケース72と、第2ケース71と、切替手段50とを備えている。
【0034】
ロック装置本体70は、鋼板が折り曲げ加工されてなる取付部材73を有している。取付部材73には、上端側において左右方向に略水平に延在する一対の取付部73bと、下方に凹む第1収納室73aとが形成されている。取付部73bは、図1に示すように、テールゲート9の下側端面に締結固定されるためのものである。第1収納室73aには、図1及び図2に示すように、後述するフォーク11及びポール12が収納されている。また、取付部材73には、図2に示すように、下端縁中央から上方に向けて深く溝状に切り欠かれた進入口78が形成されている。進入口78には、テールゲート9の開閉に伴ってロック装置1が移動する際、ストライカ79が相対的に進入するようになっている。
【0035】
第1ケース72は、熱可塑性樹脂の射出成形品であり、開口72bを有する略箱形状のものである。第1ケース72は、図1に示すように、取付部材73の上面後端側において、開口72bを車内側(前方)に向けた状態で併設されている。
【0036】
第2ケース71は、熱可塑性樹脂の射出成形品であり、開口72bを塞ぐことが可能な略蓋形状に形成されたものである。第2ケース71は、取付部材73の上面後端側において、車内側(前方)から開口72bを塞ぐように第1ケース72に嵌合固定されている。
【0037】
第1ケース72と第2ケース71とは、互いに嵌合されることより、内部に第2収納室72aを形成している。第2収納室72a内には、後述する切替手段50が収納されている。
【0038】
図2に示すように、第1ケース72及び第2ケース71の右側面からは、四角い筒状にコネクタ部72eが一体に凸設されている。
【0039】
第1収納室73a内には、フォーク11及びポール12が進入口78を左右から挟むように設けられている。
【0040】
フォーク11は、進入口78の左側(図2に示すように、車両前方を向いた状態における左側。)に配設され、取付部材73の底部から第1収納室73a内に向けて立設された揺動軸14aに揺動可能に軸支されている。そして、フォーク11は、図示しないコイルバネにより、揺動軸14a回りで反時計方向に揺動するように付勢されている。なお、本実施例における「時計方向」及び「反時計方向」は、図2の断面図に対面した状態を基準としている。
【0041】
フォーク11の進入口78側に位置する部位は、上側凸部11aと下側凸部11bとに分岐している。そして、上側凸部11aと下側凸部11bとの間に形成された凹部11cには、進入口78内に進入したストライカ79が収まるようになっている。図2に示す状態が、フォーク11が進入口78の底部でストライカ79を係止することによりテールゲート9が閉じたまま保持される施錠状態である。上側凸部11aのポール12に対面する先端側には、後述するストッパ部12aと当接可能なラッチ面19aが形成されている。フォーク11の外周縁は、上側凸部11aの先端から時計方向に円弧状に形成されている。円弧状のカーブ11dと揺動軸14aの軸芯との距離は、時計方向に進むにつれて短くされている。
【0042】
円弧状のカーブ11dの上方には、レバー式マイクロセンサ89が配設されている。レバー式マイクロセンサ89は、フォーク11が図2に示す状態となっているとき、レバー89aが円弧状のカーブ11dに押されて導通状態となるようになっている。そして、図3に示すように、フォーク11が揺動軸14a回りで反時計方向に揺動すれば、レバー89aが円弧状のカーブ11dから離れて非導通状態となるようになっている。
【0043】
レバー式マイクロセンサ89には、図2に示すように、第2収納室72a内に配設された細長い金属薄板製の端子93、94の一端側が電気的に接続されている。また、端子93、94の他端側は、コネクタ部72e内に突出する入出力端子93a、94aとされている。レバー式マイクロセンサ89は、端子93、94を介して、導通状態又は非導通状態であることを外部に伝達する。
【0044】
ポール12は、進入口78の右側(車両前方を向いた状態における右側。)に配設され、取付部材73の底部から第1収納室73a内に向けて立設された揺動軸14bに揺動可能に軸支されている。そして、ポール12は、図示しないコイルバネにより、揺動軸14b回りで時計方向に揺動するように付勢されている。
【0045】
ポール12の進入口78側に位置する部位は、フォーク11の上側凸部11aに向けて突出するように形成され、その先端側がストッパ部12aとされている。ストッパ部12aは、フォーク11が進入口78の底部でストライカ79を係止した状態において、上側凸部11aのラッチ面19aに当接することにより、フォーク11を反時計方向に揺動させないように固定して施錠状態とするようになっている。
【0046】
ポール12の揺動軸14bより上方に位置する部位は、ストッパ部12aと分岐しつつ、第2ケース71及び第1ケース72の下面に向けて突出するように形成され、その先端側が被当接部12bとされている。被当接部12bは、詳細は後述するが、切替レバー51の一端である当接部51bが当接することにより、反時計方向に押されて変位するようになっている。
【0047】
図3に示すように、被当接部12bが反時計方向に変位すれば、ポール12は、コイルバネの付勢力に抗しつつ、揺動軸14b回りで反時計方向に揺動するようになっている。この際、ストッパ部12aがフォーク11のラッチ面19aから離反するので、ポール12がフォーク11を開放する。このため、フォーク11がコイルバネの付勢力により揺動軸14a回りで反時計方向に揺動して、ストライカ79を進入口78から離脱する方向に変位させる。その結果、フォーク11は、進入口78内においてストライカ79を係止しない状態に切り替わり、テールゲート9は解錠状態とされる。この際、テールゲート9は、完全に閉じた状態から少し開いた状態に変位する。
【0048】
逆に、ストライカ79が進入口78内に進入する場合には、フォーク11及びポール12が上述の動作とは逆に動作する。そして、図2に示すように、ストライカ79が進入口78の底部まで進入すれば、フォーク11は、元の状態まで揺動し、ストッパ部12aがラッチ面19aに当接して施錠状態に戻る。
【0049】
切替手段50は、図2に示すように、第2収納室72aに収納されており、切替レバー51と駆動手段80とを有している。
【0050】
切替レバー51は、熱可塑性樹脂の射出成形により、上方に扇型歯車82dが形成され、中央に軸穴51aが形成され、下方に当接部51bが形成された細長い板形状のものである。
【0051】
軸穴51aは、第1ケース72の内側から前方(図2における紙面手前側)に向けて凸設された揺動軸72cに挿通されている。このため、切替レバー51は、揺動軸72c回りで揺動可能となっている。図2は、切替レバー51が初期位置にある状態を示している。また、図3は、切替レバー51が最大揺動位置にある状態を示している。
【0052】
図2に示すように、当接部51bは、第2ケース71及び第1ケース72の下面側に形成された当接部用開口72dよりも下方に突出し、被当接部12bの右側に延在している。
【0053】
扇型歯車82dの上方、すなわち、第2収納室72aの上方右側には、小径ギヤ82c及びウォームホイール82bが配設されている。前方に位置する小径ギヤ82cと後方(図2における紙面奥側)に位置するウォームホイール82bとは同軸であり、熱可塑性樹脂の射出形成や金属材料の切削加工等により一体成型されている。小径ギヤ82c及びウォームホイール82bは、第1ケース72の内側から前方に向けて凸設された回転軸75によって、回転可能に軸支されている。
【0054】
小径ギヤ82cは、扇型歯車82dと噛み合っている。一方、ウォームホイール82bは、下方に配設されたウォームギヤ82aと噛み合っている。ウォームギヤ82aは、第2収納室72aの上方左側に配設されたモータ81の回転軸に一体回転可能に固定されている。
【0055】
モータ81には、第2収納室72a内に配設された細長い金属薄板製の端子91、92の一端側が電気的に接続されている。また、端子91、92の他端側は、コネクタ部72e内に突出する入出力端子91a、92aとされている。モータ81は、端子91、92を介して、外部から給電される。
【0056】
ウォームホイール82bの後面側には、リターンスプリング83が配設されている。リターンスプリング83の一端は、第1ケース72からウォームホイール82bの後面側に向けて凸設された第1ケース側係止部83aに係止されている。他方、リターンスプリング83の他端は、ウォームホイール82bの後面側から第1ケース72に向けて凸設されたウォームホイール側係止部83bに係止されている。このため、ウォームホイール82bは、リターンスプリング83により時計方向に回転するように付勢されている。
【0057】
扇型歯車82dと、小径ギヤ82cと、ウォームホイール82bと、ウォームギヤ82aとを有してギヤ機構82が構成されている。また、モータ81と、ギヤ機構82と、リターンスプリング83とを有して駆動手段80が構成されている。そして、駆動手段80は、後述する通り、切替レバー51を図2に示す初期位置と図3に示す最大揺動位置との間で往復動作させる。
【0058】
このような構成である実施例のロック装置1では、図1及び図2に示す初期状態において、使用者が開閉ハンドル9aを操作してテールゲート9を開こうとする場合、下記のようにして、切替手段50が自動によりロック装置本体70を操作して、テールゲート9を解錠状態とする。
【0059】
まず、使用者がテールゲート9を開こうとして開閉ハンドル9aを引くと、図示しない制御手段が端子91、92を介して、モータ81に電力を供給してウォームギヤ82aを回転させる。これにより、ウォームギヤ82aと噛合するウォームホイール82bが反時計方向に回転し、小径ギヤ82cもウォームホイール82bと一体に反時計方向に回転する。そして、図3に示すように、小径ギヤ82cと噛み合う扇型歯車82dを介して、切替レバー51が揺動軸72c回りで時計方向に揺動し、当接部51b及び当接部12bを介して、ポール12に作用する。
【0060】
その結果、上述の通り、ポール12がフォーク11を開放し、フォーク11が揺動軸14a回りで反時計方向に揺動する。その結果、フォーク11は、進入口78内においてストライカ79を係止しない状態に切り替わり、テールゲート9は解錠状態とされる。
【0061】
そして、使用者が開閉ハンドル9aを戻すと、制御手段がモータ81への電力の供給を停止する。これにより、切替レバー51は、リターンスプリング83により時計方向に付勢されたウォームホイール82b及び小径ギヤ82cに駆動されて、図3に示す最大揺動位置から逆方向に揺動して、初期位置へと復帰する。このため、ポール12も逆方向に揺動し、ストッパ部12aがフォーク11の外周面に付勢されて、いつでもフォーク11を固定可能な状態になる。その後、使用者がテールゲート9を閉めようとすれば、ストライカ79が進入口78に進入して、フォーク11を逆方向に揺動させるので、フォーク11及びポール12が上述とは逆に動作する。そして、ストライカ79が進入口78の底部まで進入すれば、図2に示す施錠状態へと戻る。
【0062】
この際、制御手段には、端子93、94を介して、レバー式マイクロセンサ89が導通状態及び非導通状態のどちらの状態であるかが伝達される。このため、制御手段は、テールゲート9が施錠状態となっているか否かをレバー式マイクロセンサ89からの信号に基づいて判断することが可能となっている。
【0063】
このように動作するロック装置1において、第1ケース72及び第2ケース71と、端子91〜94とは、実施例の端子装置を構成するものでもある。以下、実施例の端子装置について詳しく説明する。本実施例の端子装置の要部は、図2において二点鎖線Zで囲った範囲である。このため、以下、図2と、二点鎖線Zで示す要部を拡大した図4〜図12とを参照しつつ説明する。
【0064】
図2に示すように、実施例の端子装置は、互いに嵌合されることにより内部に第2収納室72aを形成する第1ケース72及び第2ケース71と、収納室72a内に配置された4本の端子91〜94とを備えている。
【0065】
第1ケース72は、二点鎖線Zで囲った範囲において、図4に示す形状とされている。第2ケース71は、図2の二点鎖線Zで囲った範囲において、図4及び図5に示す形状とされている。4本の端子91〜94は、初めに、図4に示す形状とされた統合端子90として用意される。第1ケース72、第2ケース71及び統合端子90の二点鎖線Zで囲った範囲以外の部分については図示を省略する。
【0066】
図4に示すように、統合端子90は、並列する4本の端子91〜94と、隣接する各端子91〜94同士を連結するように設けられた3本の連結部91c、92c、93cとを有している。各連結部91c〜93cは、各端子91〜94が延在する方向と直交する1本の直線上に直列している。統合端子90の紙面上側を向く面を一面S1と規定し、統合端子90の紙面下側を向く面を他面S2と規定する。
【0067】
並列する各端子91〜94のうち、両端側に位置する2本の端子91、94は、各連結部91c〜93cとは反対側に突出する切片が他面S1側に略直角に屈曲されてなる係合部91d、94dをそれぞれ有している。
【0068】
各連結部91c〜93cの他面S2側において、中央には各端子91〜94が延在する方向と平行に第1溝C1が凹設され、各端子91〜94と接する両端側には第1溝C1と平行に第2溝C2、C3が凹設されている。第1溝C1は、各連結部91c〜93cが一面S1側から他面S2側に向けて押圧される際に、中央で分断し易くするためのものである。第2溝C2、C3は、各連結部91c〜93cが他面S1側に屈曲し易くするためのものである。
【0069】
統合端子90は、金属薄板が打ち抜き加工されることにより、各端子91〜94と各連結部91c〜93cと、各係合部91d、94dとが一体に形成される。
【0070】
第1ケース72は、底面72fからリブ状に凸設された受承部111a、112a、113a、114aを有している。各受承部111a〜114aは、各端子91〜94と等しい間隔で並列している。各受承部111a〜114a間には、各受承部111a〜114aが延在する方向と直交する2本の直線上にそれぞれ直列する複数のリブ119が形成されている。各受承部111a〜114a間には、各受承部111a〜114aと複数のリブ119とにより囲まれて3個の矩形穴が形成されており、これらの矩形穴が隔離用凹部111c、112c、113cとされている。
【0071】
受承部111aは隔離用凹部111cとは反対側に膨出しており、その一部に切り欠き状の被係合部111dが凹設されている。また、受承部114aは隔離用凹部114cとは反対側に膨出しており、その一部に切り欠き状の被係合部114dが凹設されている。
【0072】
図4及び図5に示すように、第2ケース71は、裏面71fからリブ状に凸設された挟持部111b、112b、113b、114bを有している。各挟持部111b〜114bは、各端子91〜94と等しい間隔で並列している。各挟持部111b〜114b間には、各挟持部111b〜114bが延在する方向と直交する1本の直線上に直列する3個の押圧部121、122、123が凸設されている。
【0073】
より詳しくは、押圧部121は、挟持部111bと挟持部112bとの間において裏面71fから楔状に凸設された刃部121bと、刃部121bを挟持部111b、112bが延在する方向の前後で挟みつつ、刃部121bと一体に突出する一対の補強壁121aとを有している。一対の補強壁121aはそれぞれ衝立板形状とされ、その間隔は連結部91cの幅より若干広くされている。また、一対の補強壁121aが突出する長さは、刃部121bよりも長くされている。さらに、一対の補強壁121aにおける連結部91cの長さ方向と平行な方向の長さは、連結部91cの長さより若干短くされている。刃部121bと一対の補強壁121aとは、刃部121bが突出する方向に直交する断面で見て、「H」字形状となっている。このため、刃部121bは、一対の補強壁121aに補強されて破損し難くなっている。
【0074】
押圧部122は、挟持部112bと挟持部113bとの間において刃部122bと、一対の補強壁122aとを有している。押圧部123は、挟持部113bと挟持部114bとの間において刃部123bと、一対の補強壁123aとを有している。刃部122b、123b及び一対の補強壁122a、123aの構成は、刃部121b及び一対の補強壁121aの構成と同一であるので説明は省略する。
【0075】
各刃部121b〜123b及び各補強壁121a〜123aは、第1ケース72と第2ケース71とが互いに嵌合されることにより、各隔離用凹部111c〜113c内に収容される大きさとされている。
【0076】
このような構成である実施例の端子装置では、下記の工程により組み付け作業が実施される。
【0077】
初めに、図6及び図7に示すように、統合端子90を第1ケース72内に配置して、各端子91〜94の他面S2に各受承部111a〜114aが当接した状態とする。この際、統合端子90の各係合部91d、94dと、第1ケース72の被係合部111d、114dとが嵌合して、統合端子90が第1ケース72に対して位置決めされる。また、各連結部91c〜93cは、各隔離用凹部111c〜113cの上方に位置した状態となる。
【0078】
次に、上述した切替手段50を第1ケース72に組み付ける。なお、切替手段50を第1ケース72に組み付ける途中、又は組み付けた後に、統合端子90を第1ケース72内に配置する構成であってもかまわない。
【0079】
次に、第1ケース72と第2ケース71とを互いに嵌合させる。まず、図7に示すように、第2ケース71を第1ケース72の上方に位置させた後、第1ケース72に接近させる。
【0080】
そうすると、図8に示すように、第1ケース72と第2ケース71とが互いに嵌合される途中において、各刃部121b〜123bが各連結部91c〜93cを押圧するより先に、各補強壁121a〜123aが各連結部91c〜93cを幅方向で挟んだ状態となる。この際、各補強壁121a〜123aは、各連結部91c〜93cの長さ方向の略全域に亘って各連結部91c〜93cを幅方向で挟む。その結果、各連結部91c〜93cの幅方向及び長さ方向の位置ずれが規制される。
【0081】
図9に示すように、第2ケース71を第1ケース72にさらに接近させると、各刃部121b〜123bが各連結部91c〜93cを押圧する。その結果、各連結部91c〜93cは、各隔離用凹部111c〜113c内に向けて屈曲するように変形し、強度の弱い中央の第1溝C1近傍で分断する。その結果、各連結部91c〜93cは、各端子91〜94を連結した状態から各端子91〜94を分離した状態に変わる。
【0082】
図10に示すように、第2ケース71を第1ケース72に完全に接近させると、第1ケース72と第2ケース71とが互いに嵌合された状態となる。そうすると、各挟持部111b〜114bは、各端子91〜94の一面S1に当接して、各端子91〜94を各受承部111a〜114aとともに挟持する。また、各連結部91c〜93cの分断した部位と各刃部121b〜123bと各補強壁121a〜123aとが各隔離用凹部111c〜113c内に収容される。この際、各刃部121b〜123bは、各連結部91c〜93cの分断した部位同士を遠ざけるように、双方の間に位置する。
【0083】
図11に示すように、各連結部91c〜93cは、分断した後も各補強壁121a〜123aに幅方向で挟まれたままであるので、各連結部91c〜93cの分断した部位と連続する各端子91〜94も、各端子91〜94の延在する方向に位置ずれしないように規制される。また、各端子91〜94は、各連結部91c〜93cの長さより若干短くされた各補強壁121a〜123aに挟まれるので、各端子91〜94の延在方向と直交する方向にも位置ずれしないように規制される。
【0084】
なお、図12に示すように、例えば、連結部92cが第1溝C1近傍ではなく第2溝C3近傍で分断した場合であっても、連結部92cの分断した部位同士は、隔離用凹部112c内で隔離されるので、双方が短絡する不具合は生じない。
【0085】
こうして、端子装置の組み付け作業が終了すると、モータ81が端子91、92の一端側に電気的に接続された状態となるとともに、レバー式マイクロセンサ89が端子93、94の一端側に電気的に接続された状態となる。また、各端子91〜94の他端側は、コネクタ部72e内に突出する入出力端子91a〜94aとなる。そして、ロック装置本体70に対して、一体となった第1ケース72及び第2ケース71が組み合わされることによりロック装置1が完成し、自動車等に搭載される。
【0086】
ここで、上述の構成である実施例のロック装置1では、第1ケース72と第2ケース71とが互いに嵌合されると、それに伴って各連結部91c〜93cが分断され、その結果、各端子91〜94が分離した状態となる。このため、上記従来のロック装置において必要であったパンチ等の工具による各連結部91c〜93cの分断作業が不要となる。
【0087】
したがって、実施例のロック装置1は組み付け作業を簡略化でき、その結果として、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0088】
また、このロック装置1において、第1ケース72と第2ケース71とは、互いに嵌合されることにより、各端子91〜94の一面S1と他面S2とに当接して各端子91〜94を挟持し、かつ各連結部91c〜93cの分断した部位を隔離するので、各端子91〜94が第2収納室72a内で位置ずれし難い。このため、このロック装置1は、第2収納室72a内のモータ81やレバー式マイクロセンサ89と各端子91〜94との電子的接続が断たれたり、各連結部91c〜93cの分断した部位同士が短絡したりする不具合を生じ難くすることができる。
【0089】
特に、このロック装置1では、第1ケース72が受承部111a〜114aと隔離用凹部111c〜113cとを有し、第2ケース71が挟持部111b〜114bと押圧部121〜123とを有している。このようなロック装置1では、第1ケース72と第2ケース71とが互いに嵌合されることにより、各受承部111a〜114aと各挟持部111b〜114bとが各端子91〜94の一面S1と他面S2とに当接して各端子91〜94を確実に挟持し、かつ各連結部91c〜93cの分断した部位と各押圧部121〜123とが各隔離用凹部111c〜113c内に収容されて、第2収納室72a内の他の部材から隔離される。このため、各端子91〜94が第2収納室72a内で位置ずれして、モータ81やレバー式マイクロセンサ89と各端子91〜94との電子的接続が断たれたり、各連結部91c〜93cの分断した部位同士が短絡したりする不具合を確実に生じ難くすることができる。また、各押圧部121〜123が各連結部91c〜93cを分断する際に破損しても、その破片が隔離用凹部111c〜113c内に収容される。このため、押圧部121〜123の破片が第2収納室72a内を移動してモータ81、ウォームホイール82b及び切替レバー51等の可動部材の動作を妨げる不具合をも生じ難くすることができる。その結果、このロック装置1は、テールゲート9を施錠状態又は解錠状態とする動作を確実に行うことができる。
【0090】
また、このロック装置1にといて、各押圧部121〜123は、各連結部91c〜93cを押圧して分断させる刃部121b〜123bと、各連結部91c〜93cの幅方向両端側で各端子91〜94の一面S1側から他面S2側へ向けて各刃部121b〜123bと一体に突出する一対の補強壁121a〜123aとを有している。刃部121b〜123bと補強壁121a〜123aとは、それぞれ突出方向に直交する断面で見て、H字形状をなしている。このため、各刃部121b〜123bがそれぞれ補強壁121a〜123aにより補強されているので、各連結部91c〜93cを押圧して分断させる際に破損し難い。
【0091】
さらに、このロック装置1は、各押圧部121〜123が有する補強壁121a〜123aにより、各連結部91c〜93cの幅方向及び長さ方向の位置ずれを規制して、各刃部121b〜123bによる各連結部91c〜93cの分断を確実に行わせることができる。
【0092】
また、このロック装置1では、統合端子90を第1ケース72内に配置することにより、係合部91d、94dと被係合部111d、114dとが係合して、統合端子90が第1ケース72に対して位置決めされる。このため、補強壁121a〜123aが各連結部91c〜93cの幅方向及び長さ方向の位置ずれを規制するより前の段階においても、統合端子90が位置ずれし難い。
【0093】
さらに、上述の形状である各係合部91d、94d及び被係合部111d、114dを形成することは容易であるので、このロック装置1は、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0094】
また、このロック装置1において、各刃部121b〜123bは、各連結部91c〜93cの中央を押圧して分断させるので、図10に示すように、端子92、93の両側面に各連結部91c〜93cの分断した部位ができて、受承部112a、113aを挟んだ状態となる。また、両端側の端子91、94の一方の側面に連結部91c、93cの分断した部位ができ、他方の側面に設けられた係合部91d、94dとともに受承部111a、114aを挟んだ状態となる。このため、この端子装置は、各端子91〜94の位置ずれを一層生じ難くすることができる。
【0095】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0096】
例えば、図4等に示す第1ケース72、第2ケース71及び統合端子90の構成は、図2の二点鎖線Zで囲った範囲以外の1又は複数の箇所にも設けられ得る。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は端子装置及びロック装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施例の端子装置が適用されたロック装置の側面図である。
【図2】実施例の端子装置が適用されたロック装置に係り、図1のII−II断面を示す断面図である。
【図3】実施例の端子装置が適用されたロック装置に係り、図1のII−II断面を示す断面図である。
【図4】実施例の端子装置に係り、第1ケース、第2ケース及び統合端子を示す要部拡大斜視図である。
【図5】実施例の端子装置に係り、図4の矢視V方向から見た第2ケースの要部拡大斜視図である。
【図6】実施例の端子装置に係り、第1ケースに統合端子を配置した状態を示す要部拡大斜視図である。
【図7】実施例の端子装置に係り、第1ケースと第2ケースとを互いに嵌合されて、各端子を分離した状態する工程を説明する要部拡大断面図である。
【図8】実施例の端子装置に係り、第1ケースと第2ケースとを互いに嵌合されて、各端子を分離した状態する工程を説明する要部拡大断面図である。
【図9】実施例の端子装置に係り、第1ケースと第2ケースとを互いに嵌合されて、各端子を分離した状態する工程を説明する要部拡大断面図である。
【図10】実施例の端子装置に係り、第1ケースと第2ケースとを互いに嵌合されて、各端子を分離した状態する工程を説明する要部拡大断面図である。
【図11】実施例の端子装置に係り、図4の矢視V方向から見た第2ケースの要部拡大斜視図である(第1ケースと第2ケースとが互いに嵌合されて、各端子が分離した状態。)。
【図12】実施例の端子装置に係り、端子が中央以外の箇所で分離した状態を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0099】
1…ロック装置ロック装置
9…車両用開閉体(テールゲート)
50…切替手段
70…ロック装置本体
71…第2ケース
72…第1ケース
72a…収納室(第2収納室)
81、89…電気部品(81…モータ、89…レバー式マイクロセンサ)
90…統合端子
91、92、93、94…端子
91c、92c、93c…連結部
91d、94d…係合部
111a、112a、113a、114a…受承部
111b、112b、113b、114b…挟持部
111c、112c、113c…隔離用凹部
111d、114d…被係合部
121、122、123…押圧部
121a、122a、123a…補強壁
121b、122b、123b…刃部
S1…端子の一面
S2…端子の他面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに嵌合されることにより内部に収納室を形成する第1ケース及び第2ケースと、前記収納室内に配置された2本以上の端子とを備えた端子装置であって、
2本以上の前記端子と、隣接する各前記端子同士を連結するように設けられ、押圧されることにより分断して、各前記端子を連結した状態から各前記端子を分離した状態に変わる1本又は2本以上の連結部とを有する統合端子を備え、
前記第1ケースと前記第2ケースとは、互いに嵌合されることにより、各前記端子の一面側から他面側へ向けて各前記連結部を押圧して分断させ、各前記端子を分離した状態とするように構成されていることを特徴とする端子装置。
【請求項2】
前記第1ケースと前記第2ケースとは、互いに嵌合されることにより、各前記端子の一面と他面とに当接して各前記端子を挟持し、かつ各前記連結部の分断した部位を隔離するように構成されている請求項1記載の端子装置。
【請求項3】
前記第1ケースは、各前記端子の他面に当接する2個以上の受承部と、隣接する各前記受承部間に凹設された1個又は2個以上の隔離用凹部とを有し、
前記第2ケースは、前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに嵌合されることにより、各前記端子の一面に当接して、各前記端子を各前記受承部とともに挟持する2個以上の挟持部と、前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに嵌合されることにより、各前記端子の一面側から他面側へ向けて各前記連結部を押圧して分断させ、各前記連結部の分断した部位とともに各前記隔離用凹部内に収容される1個又は2個以上の押圧部とを有する請求項2記載の端子装置。
【請求項4】
各前記押圧部は、各前記連結部を押圧して分断させる刃部と、各前記連結部の幅方向両端側で各前記端子の一面側から他面側へ向けて各前記刃部と一体に突出する一対の補強壁とを有し、
前記刃部と両前記補強壁とは、突出方向に直交する断面で見て、H字形状をなしている請求項3記載の端子装置。
【請求項5】
両前記補強壁は、前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに嵌合される途中において、前記刃部が各前記連結部を押圧するより先に各前記連結部を幅方向で挟んで、各前記連結部の幅方向の位置ずれを規制する請求項4記載の端子装置。
【請求項6】
前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに嵌合される途中において、各前記補強壁は各前記連結部の長さ方向の略全域に亘って各前記連結部を挟んで、各前記連結部の長さ方向の位置ずれを規制する請求項5記載の端子装置。
【請求項7】
両端側に位置する2本の前記端子は、各前記連結部とは反対側に設けられた係合部をそれぞれ有し、
前記第1ケースには、各前記係合部と係合する被係合部が形成されている請求項1乃至6のいずれか1項記載の端子装置。
【請求項8】
各前記係合部は、両端側に位置する2本の前記端子から各前記連結部とは反対側に突出する切片が各前記端子の他面側に屈曲されたものであり、
前記被係合部は、前記第1ケースに凹設され、各前記係合部が嵌合する形状とされている請求項7記載の端子装置。
【請求項9】
各前記押圧部は、各前記連結部の略中央を押圧して分断させる請求項1乃至8のいずれか1項記載の端子装置。
【請求項10】
車両用開閉体を施錠状態又は解錠状態とするロック装置本体と、
前記ロック装置本体に併設される請求項1乃至9のいずれか1項記載の端子装置とを備えるロック装置であって、
前記収納室内には、前記ロック装置本体を操作することにより、前記車両用開閉体を前記解錠状態に切り替える切替手段が設けられ、
前記切替手段を構成する電気部品の少なくとも一部は、各前記端子により電気的に接続されていることを特徴とするロック装置。
【請求項1】
互いに嵌合されることにより内部に収納室を形成する第1ケース及び第2ケースと、前記収納室内に配置された2本以上の端子とを備えた端子装置であって、
2本以上の前記端子と、隣接する各前記端子同士を連結するように設けられ、押圧されることにより分断して、各前記端子を連結した状態から各前記端子を分離した状態に変わる1本又は2本以上の連結部とを有する統合端子を備え、
前記第1ケースと前記第2ケースとは、互いに嵌合されることにより、各前記端子の一面側から他面側へ向けて各前記連結部を押圧して分断させ、各前記端子を分離した状態とするように構成されていることを特徴とする端子装置。
【請求項2】
前記第1ケースと前記第2ケースとは、互いに嵌合されることにより、各前記端子の一面と他面とに当接して各前記端子を挟持し、かつ各前記連結部の分断した部位を隔離するように構成されている請求項1記載の端子装置。
【請求項3】
前記第1ケースは、各前記端子の他面に当接する2個以上の受承部と、隣接する各前記受承部間に凹設された1個又は2個以上の隔離用凹部とを有し、
前記第2ケースは、前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに嵌合されることにより、各前記端子の一面に当接して、各前記端子を各前記受承部とともに挟持する2個以上の挟持部と、前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに嵌合されることにより、各前記端子の一面側から他面側へ向けて各前記連結部を押圧して分断させ、各前記連結部の分断した部位とともに各前記隔離用凹部内に収容される1個又は2個以上の押圧部とを有する請求項2記載の端子装置。
【請求項4】
各前記押圧部は、各前記連結部を押圧して分断させる刃部と、各前記連結部の幅方向両端側で各前記端子の一面側から他面側へ向けて各前記刃部と一体に突出する一対の補強壁とを有し、
前記刃部と両前記補強壁とは、突出方向に直交する断面で見て、H字形状をなしている請求項3記載の端子装置。
【請求項5】
両前記補強壁は、前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに嵌合される途中において、前記刃部が各前記連結部を押圧するより先に各前記連結部を幅方向で挟んで、各前記連結部の幅方向の位置ずれを規制する請求項4記載の端子装置。
【請求項6】
前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに嵌合される途中において、各前記補強壁は各前記連結部の長さ方向の略全域に亘って各前記連結部を挟んで、各前記連結部の長さ方向の位置ずれを規制する請求項5記載の端子装置。
【請求項7】
両端側に位置する2本の前記端子は、各前記連結部とは反対側に設けられた係合部をそれぞれ有し、
前記第1ケースには、各前記係合部と係合する被係合部が形成されている請求項1乃至6のいずれか1項記載の端子装置。
【請求項8】
各前記係合部は、両端側に位置する2本の前記端子から各前記連結部とは反対側に突出する切片が各前記端子の他面側に屈曲されたものであり、
前記被係合部は、前記第1ケースに凹設され、各前記係合部が嵌合する形状とされている請求項7記載の端子装置。
【請求項9】
各前記押圧部は、各前記連結部の略中央を押圧して分断させる請求項1乃至8のいずれか1項記載の端子装置。
【請求項10】
車両用開閉体を施錠状態又は解錠状態とするロック装置本体と、
前記ロック装置本体に併設される請求項1乃至9のいずれか1項記載の端子装置とを備えるロック装置であって、
前記収納室内には、前記ロック装置本体を操作することにより、前記車両用開閉体を前記解錠状態に切り替える切替手段が設けられ、
前記切替手段を構成する電気部品の少なくとも一部は、各前記端子により電気的に接続されていることを特徴とするロック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−67362(P2010−67362A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229934(P2008−229934)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(591038587)株式会社アンセイ (48)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(591038587)株式会社アンセイ (48)
【Fターム(参考)】
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