説明

端末加工光ファイバ

【課題】 光ファイバ端部のクラッドの表面に金属メッキが施されるとともに、該金属メッキの外周に金属パイプが挿通され、さらに、その外周に金属製コネクタが装着された端末加工光ファイバにおいて、端末部の放熱特性並びに耐久性を改善させることにある。
【解決手段】 光ファイバ2の端部のクラッド表面2bは光ファイバ2と金属メッキ層(4)の両者に化学結合した分子接着剤層3で被覆され、分子接着剤層3の表面には、これに化学結合した無電解金属メッキ層4が形成され、更に、無電解金属メッキ層4の表面に電解金属メッキ層5を形成する。さらに、金属メッキ層の外周に金属パイプ6を挿通、その外周に金属製コネクタ7を装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー用ファイバあるいはファイバレーザに使用される端末加工光ファイバに関する。
【背景技術】
【0002】
ファイバレーザ等の高エネルギーファイバの接続部(コネクタ)において、ファイバの固定手段として接着材を用いた場合、発生した熱により光ファイバが焼損してしまうという問題が発生した。また、接着材の熱劣化や経年変化により、接続部の耐久性の問題も生じていた。
そこで、これらの問題を解消するため、接着材の代わりに、ガラス接合用特殊はんだを用いる方法が提案された。(特許文献1)
しかし、この方法は超音波装置による超音波加熱を行なう必要があり安価な方法ではなかった。さらに、この方法で使用する、はんだは鉛を主成分とするガラス接合用特殊はんだであって、作業時あるいは製品廃棄時において環境面での問題もあった。
【0003】
一方、この方法とは別な方法として2層の金属膜を被覆する方法が提案されている。(特許文献2)
しかしながら、この方法では、金属膜を被覆する前工程として、光ファイバの芯線に触媒を付与する工程を要する等、工程が複雑化するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭62−154406号全文
【特許文献2】特開2006−349995号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、上記の課題を解消するとともに、光ファイバの端部表面に金属メッキが施されるとともに、該金属メッキの外周に金属パイプが挿通され、さらに、その外周に金属製コネクタが装着された端末加工光ファイバにおいて、接続部の放熱特性並びに耐久性を改善させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、光ファイバの端末部のクラッド表面を該クラッドと金属メッキの両者に化学結合した分子接着剤層で被覆することで光ファイバからの放熱およびメッキ強度を改善することを想到し本発明に到達した。
さらに、光ファイバの被覆層剥離開始部近傍のファイバとコネクタ間に光学接着剤を充填し、金属メッキ部で発生したクラッド伝搬光を除去するとともに、光ファイバを補強することを想到し本発明に到達した。
【0007】
本発明によれば、光ファイバの端末部のクラッド表面に金属メッキが施されるとともに、該金属メッキの外周に金属パイプが挿通され、さらに、その外周に金属製コネクタが装着された端末加工光ファイバにおいて、該光ファイバの端部表面は該光ファイバと金属メッキの両者に化学結合した分子接着剤層で被覆され、該分子接着剤層の表面には、これに化学結合した無電解金属メッキ層が形成され、該無電解金属メッキ層の表面に電解金属メッキ層が上乗せされていることを特徴とする端末加工光ファイバが提供される。
さらに好ましい態様として、上記した請求項1に記載の端末加工光ファイバにおいて、該光ファイバのシース剥離開始部近傍と該金属製コネクタ間に光学接着剤が充填されている端末加工光ファイバが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の端末加工光ファイバにあっては、以下に記載した優れた効果が期待できる。
(1)
光ファイバの熱が放熱特性に優れた金属メッキ層に速やかに伝達されるので端末部の放熱特性が格段に改善される。
(2)
分子接着剤と光ファイバおよび金属メッキ層が三位一体的な密着構造体を形成するので光ファイバの外周に金属メッキ層が強固に被覆され端末部の耐久性が格段に改善される。
(3)
好ましい態様によれば、金属メッキ層で発生したクラッド伝搬光を光ファイバのシース剥離開始部近傍と金属製コネクタ間に充填した光学接着剤により除去でき、より一層の放熱効果が期待できると同時に光ファイバ接続部の耐久性が向上する。
(4) 超音波加熱器等特殊な装置を必要とせず、製造工程が簡略化される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の端末加工光ファイバを示す構造図である。
【図2】図1の端末加工光ファイバの中間加工品を示す構造図である。
【図3】図2において、分子接着剤層、無電解メッキ層および電解金属メッキ層の順で被覆してなる端末加工光ファイバの中間加工品のA−A断面図である。
【図4】本発明の端末加工光ファイバの別の態様を示す構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の端末加工光ファイバの実施形態の一例について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3において、1は端末光ファイバ、2は光ファイバで2aはコア、2bはクラッド2cは被覆層、3は分子接着剤層、4は無電解金属メッキ層、5は電解金属メッキ層、6は金属パイプ、7はコネクタで、7aはコネクタ7のフェルール部である。図4において、8は光学接着剤、9は耐熱部材、10はファイバ固定ネジである。
ここで、特徴的なことは、光ファイバ2と無電解金属メッキ層4との間に、双方に化学接着した分子接着剤層3が介在していることである。
【0011】
図3は、図2の中間加工品のA−A断面図であり、光ファイバ2のクラッド2b表面に、分子接着剤層3、無電解メッキ層4、および電解金属メッキ層5の順にオーバーコートした状態を示す。
【0012】
光ファイバ2としては、ファイバレーザ用に適した石英ガラス等の耐熱性に優れたガラスファイバの常用品を用いればよい。
【0013】
分子接着剤層3を構成する分子接着剤の典型的な例としては、アルコキシ基とトリアジンジチオール基とを有するものが挙げられる。この分子接着剤のアルコキシ基は、光ファイバ2のクラッド2bの表面に生起させたOH基とエーテル結合し他方、該トリアジンジチオール基は、分子接着剤層3に担持された無電解金属メッキ触媒とイオン結合する。そして、このイオン結合した触媒に無電解メッキ層4が析出する。このようにして、分子接着剤層3は、光ファイバ2と無電解メッキ層4の双方に化学接着した形で介在してくる。しかも、分子接着剤自体、10nm以下の超極薄膜の形成能を有している。したがって、光ファイバ2で発生した熱は、この超極薄膜を経て瞬時に無電解メッキ層4へ伝達される利点が生じる。
【0014】
以下に、アルコキシ基とトリアジンジチオール基とを有する分子接着剤の構造の一例を一般式(1)で示す。
【0015】
【化1】

(1)

【0016】
一般式(1)において、RはH−またはC−,n−C−,CH=CHCH−などの残基、Rは−CHCH−,−CHCHCH−,−CHCHSCHCH−,−CHCHNHCHCHCH−,−(CHCHNCHCHCH−,−C−,−C−,−CHCHOCONHCHCHCH−などの残基、YはCHO−,CO−,n−CO−などの残基、nは1〜3の整数、そして、MはHまたはLi,Na,金属基材,Ceなどが例示される。
【0017】
上述した分子接着剤自体は、日本接着学会誌 Vol.43 No.6に、金属、プラスチック、セラミック材料を接着するものとして紹介されている。しかし、この文献には、それら化合物の多官能性と選択的反応性を、光ファイバに応用して、光ファイバと金属メッキ層との間に封着するような概念は示されていない。
なお、金属メッキ部の幅は 放熱効果とコネクタのスぺースを考慮し10mm〜20mmが好ましい範囲である。
【0018】
本発明の端末加工光ファイバ1は、好ましくは、以下のA〜Gの工程を経て形成される。
A.光ファイバ2の端部近傍、所定の表面に亘ってOH基を生起させる工程
B.該光ファイバ2を、アルコキシ基とトリアジンジチオール基とを有する分子接着剤の溶液でオーバーコート(例えば、浸漬)して、次いで、該OH基と分子接着剤のアルコキシ基とを反応させ、エーテル結合させる工程、
C.該エーテル反応後に生じる分子接着剤層3の表面に無電解金属メッキ触媒を担持させ、該触媒を分子接着剤層3のSH基とイオン結合させる工程、
D.該イオン結合した触媒に無電解メッキ層4を析出させる工程、および、
E.該析出した無電解金属メッキ層4に電解金属メッキ層5を上乗せする工程。
F. 電解金属メッキ層5上に金属パイプ6を挿通する工程。
G.金属パイプ6上にコネクタ7を装着する工程。
【0019】
工程Aでは、光ファイバ2に周知のコロナ放電、テトラエッチ処理やSA処理を施して、表面OH基を生起させる。
【0020】
工程Bでは、分子接着剤層3を形成する。このためには、表面OH基化した光ファイバ2を、アルコキシ基とトリアジンジチオール基とを有する分子接着剤の溶液に浸漬する。その後、OH基と分子接着剤のアルコキシ基とを加熱反応させ、エーテル結合させる。このとき、アルコキシ基が加水分解され、ついで表面OH基との脱水縮合反応でエーテル結合が生じ、光ファイバ2と分子接着剤層3の間に強固な接着界面が生じる。反応形態としては、光ファイバ2を分子接着剤の溶液に15℃〜90℃で1秒〜15分程度浸漬してから、50℃〜240℃で30秒〜60分程度加熱するのが有効である。
【0021】
上記の分子接着剤の溶液は、水、メタノールやエタノールなどのアルコール類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルや安息香酸エチルなどのエステル類、ジブチルエーテルやアニソールなどのエーテル類、あるいはベンゼンやトルエンなどの芳香族炭化水素類の単独または混合溶剤を用いて得られる。このときの分子接着剤の濃度は0.01wt%〜1wt%の範囲で調整すればよい。また、このような溶液のオーバーコートの手段としては、浸漬、スプレコーティングやパッディングなどがある。
【0022】
工程Cでは、上記分子接着剤層3に無電解金属メッキ触媒を担持する。このためには、工程Bを経た光ファイバ2を、パラジウム塩、白金塩、銀塩、塩化スズ、あるいはアミン錯体などのメッキ触媒の水溶液に浸漬すればよい。触媒濃度は、触媒の種類によって多少変わるが、一般には、0.5wt%〜5wt%の範囲にあればよい。浸漬条件は15℃〜70℃、30秒〜60分程度でよい。この浸漬処理中に、上記のメッキ触媒は分子接着剤のSH基にイオン結合する。
【0023】
工程Dでは、工程Cを経た光ファイバ2を無電解メッキ浴に浸漬して、分子接着剤層3のSH基にイオン結合した触媒上に無電解金属メッキ層4を析出させる。この時点で、光ファイバ2と無電解金属メッキ層4との間に介在する分子接着剤層3は、両者に双方向的に化学結合した形態を取るに至る。該無電解メッキ浴は斯界で常用されている浴であればよい。この無電解金属メッキ層4としては、特に膜厚が0.02μm〜3μmの銅メッキ層が好ましい。
【0024】
工程Eでは、無電解金属メッキ層4の外表面に、電解金属メッキ層5を上乗せする。
この電解金属メッキ層5を形成する際には、硫酸銅電気メッキやシアン化銅電気メッキ等の通常のメッキ処方を採用すればよい。この電解金属メッキ層5は、特に膜厚が0.5μm〜30μmの銅メッキ層が好ましい。
【0025】
工程Fでは、工程Eで掲載された電解金属メッキ層5上に金属パイプ6を挿通する。
ここで、金属パイプ6は熱伝導性に優れたものであれば良く、銅、黄銅、鉄、アルミ二ウム等から適宜選択すればよいが、その中でも熱伝導性、加工性に優れた銅が好ましい。
次に金属パイプ6を電解金属メッキ層5上に確実に固定するため、はんだにて両者を接続する。
【0026】
最後の工程Gでは、上記工程Fで得られた電解金属メッキ層5上に金属パイプ6が挿通された光ファイバの金属パイプ6上にコネクタ7を装着させて本発明の端末加工光ファイバ1が完成する。
なお、図1では、コネクタ7として、チャック式コネクタを使用したが、これに限定されることなく各種コネクタが使用可能である。
【0027】
次に、本発明の端末加工光ファイバの別の態様について図4を基に説明する。
この態様では、光ファイバ2のシース剥離開始部P近傍の光ファイバ2と金属製コネクタ7間に光学接着剤8充填した態様が示されている。
こうすることで、金属メッキ層5で発生したクラッド伝搬光が光ファイバのシース剥離開始部近傍Pと金属製コネクタ7間に充填した光学接着剤8により除去されるので一層の放熱効果が期待できるとともに、光学接着剤8により光ファイバ2とコネクタ7が強固に固定されるので光ファイバ接続部の耐久性が向上する。
ここで使用する光学接着剤8は光ファイバ2のクラッド2bより屈折率が高く、熱伝達性並びに耐熱性に優れた材料で構成されていることが肝要である。
なぜなら、光ファイバ2のクラッド2bより屈折率が低いと、クラッド2bからコア2aに反射してしまい、金属メッキ層5で発生したクラッド伝搬光を除去できず熱の集中が起き放熱効果が期待できないとともに耐熱性が確保できないからである。
ここで、光学接着剤8の充填長さは、あまり短かったり充填量が少ないとクラッド伝搬光の除去効果がなく、ファイバのコネクタへの固定強度不足になり、逆に厚さが厚すぎるとかえって熱抵抗や熱膨張が大きくなるので長さは5mm〜100mm、厚さは0.01mm〜10mmが好ましい範囲であり、さらに好ましくは長さが10mm〜15mm、厚さが0.1mm〜0.5mmである。
【0028】
さらに、この態様において、同図で示すように、光ファイバ2の入射端近傍、コネクタ7のフェルール部7aのクラッドの外周にクラッド伝搬光を逃がすための耐熱部材9を挿通する。こうすることで、入射端により近い部分でクラッド伝搬光が除去できるのでより一層の放熱効果が期待できる。耐熱部材9としては、クラッドより屈折率の高いサファイアやダイヤモンドやガラスが使用される。
なお、本態様では、図1の場合と異なり金属メッキ部を金属パイプ6にネジ孔を設け、ファイバ固定ネジ10により光ファイバを固定しているので確実な固定ができる。
【実施例】
【0029】
以下は、図1の端末加工光ファイバの製造例である。
【0030】
先ず、線径が0.5mmのファイバ2の端部10cm程度の被覆層2cを除去しクラッド2bを露出させた。
次いで、クラッド2bを露出させたファイバ端部を治具で固定した上で光ファイバ2を1cm/secの速さで全周・全面を2度、コロナ処理して、表面をOH基化した(工程A)。
【0031】
上記のOH基化されたで光ファイバ2を分子接着材の0.1g/Lのエタノール溶液中に、25℃で10分浸漬放置してから、70℃で30分間の加熱した後、未反応の分子接着剤を洗浄・除去した(工程B)。ここで、用いた分子接着剤の構造は、一般式(1)において、R=−H、R=−CHCHCH−、Y=CO−、M=−H、およびn=3である。
【0032】
次に、工程Bを経た光ファイバ2を、塩化パラジウム(無電解金属メッキ触媒)を0.03wt%の濃度で含有する触媒処理液に32℃で3分間浸漬して、分子接着剤層3に該触媒を担持させた。その後、該触媒が担持された光ファイバ2を触媒処理液から取り出し、0.97wt%フッ化水素系水溶液で洗浄した(工程C)。
【0033】
更に、工程Cを経た光ファイバ2を無電解メッキ槽に30分間浸漬した。このときのメッキ槽には、硫酸銅濃度7.7g/L、還元剤量2.15g/L、水酸化ナトリウム濃度5.7g/L、および水溶液pH12.5の硫酸銅水溶液を投入し、槽温度を36℃に設定した。無電解金属メッキ層4で被覆された光ファイバ2をメッキ槽から取り出し、乾燥・固化させた。このときの無電解金属メッキ層4の膜厚は0.5μmであった(工程D)。この時点で、分子接着剤は、光ファイバ2と無電解金属メッキ層4間に介在して、両者を双方向的に化学接着させた分子接着剤層3として機能している。
【0034】
次に、工程Eでは、工程Dを経た光ファイバ2を、70g/Lの硫酸銅水溶液に浸漬し、電流密度3.0A/dm2、通電時間60分間の条件下で電解メッキを施した。このとき、無電解金属メッキ層4の外表面に、膜厚が30μmの電解金属メッキ層5が形成された(工程E)。なお、ここでは、金属メッキの長さは13mmとした。
【0035】
次に、工程Fでは、工程Eを経た光ファイバ2の金属メッキ層上に、内径0.5mm、厚さ0.2mm、長さ13mmの銅パイプ6を挿通し、はんだ付けし金属メッキ層上に固定した。
【0036】
最後の工程Gでは、工程Fを経た銅パイプ6が挿通された光ファイバ2の上に、内径 0.9mm、厚さ2mm、長さ20mmの黄銅からなるチャック式コネクタを装着して、本発明の端末加工光ファイバ1が完成した。
【0037】
このようにして得た端末加工光ファイバ1の放熱特性について試験したところ、本実施例による放熱機構の放熱特性は、60W/m・K以上の熱伝導率を呈し、常温下での十分な放熱特性が確保されていることが分かる。
【0038】
以上の例は、本発明の一例に過ぎず、本発明の思想の範囲内であれば、種々の変更および応用が可能であることは言うまでもない。例えば、本発明の光ファイバ加工品は、その設置空間に応じた形状に対して、種々変形されて供されることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0039】
1 端末加工光ファイバ
2 光ファイバ
2a 光ファイバのコア
2b 光ファイバのクラッド
2c 光ファイバの被覆層
3 分子接着剤層
4 無電解金属メッキ層
5 電解金属メッキ層
6 金属パイプ
7 コネクタ(チャック式)
7a フェルール部
8 光学接着剤
9 耐熱部材
10 ファイバ固定ネジ
p 光ファイバのシース剥離開始部

















【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバの端末部のクラッド表面に金属メッキが施されるとともに、該金属メッキの外周に金属パイプが挿通され、さらに、その外側に金属製コネクタが装着された端末加工光ファイバにおいて、
(a)該光ファイバの端末部のクラッド表面が該クラッドと該金属メッキの両者に化学結合した分子接着剤層で被覆され、
(b)該分子接着剤層の表面には、これに化学結合した無電解金属メッキ層が形成され、更に、
(c)該無電解金属メッキ層の表面に電解金属メッキ層が上乗せされていることを特徴とする端末加工光ファイバ。
【請求項2】
該光ファイバのシース剥離開始部近傍の該光ファイバと該金属製コネクタとの隙間に光学接着剤が充填されている請求項1に記載の端末加工光ファイバ。
【請求項3】
該光ファイバの入射端近傍の該クラッドの外周にクラッド伝搬光を逃がすための耐熱部材を挿通し、さらに、その外周に金属製フェルールが装着された請求項1または2のいずれかに記載の端末加工光ファイバ。
【請求項4】
該金属メッキの長さが10mm〜20mmである請求項1〜3のいずれかに記載の端末加工光ファイバ。
【請求項5】
該光学接着剤の充填長さが5mm〜100mmである請求項1〜4のいずれかに記載の端末加工光ファイバ。
【請求項6】
該光学接着剤の厚さが0.01mm〜10mmである請求項1〜5のいずれかに記載の端末加工光ファイバ。
【請求項7】
該分子接着剤層の厚さが10μm以下である請求項1〜6のいずれかに記載の端末加工光ファイバ。
【請求項8】
該分子接着剤層が、アルコキシ基とトリアジンジチオール基とを有する分子接着剤からなる請求項1〜7のいずれかに記載の端末加工光ファイバ。
【請求項9】
該アルコキシ基が、該光ファイバ表面に発生させたOH基とエーテル結合し他方、該トリアジンジチオール基が、該分子接着剤層に担持された無電解金属メッキ触媒とイオン結合している請求項1〜8のいずれかに記載の端末加工光ファイバ。
【請求項10】
ファイバレーザ用として有用な請求項1〜9のいずれかに記載の端末加工光ファイバ。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−224303(P2010−224303A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72544(P2009−72544)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000226932)日星電気株式会社 (98)
【Fターム(参考)】