説明

端末装置、中継装置、会議支援システム及びプログラム

【課題】メモの記入後にその送信を指示したり、一旦送信したメモを取り消したりすることができる端末装置、中継装置、会議支援システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】液晶ディスプレイ613に表示された会議資料に対して、タッチペン110aを用いてタッチパネル612に書き込まれたメモ画像を検出し、液晶ディスプレイ613に表示する。表示されたメモ画像は、タッチペン110aにてメモ画像送信キー1603がタッチされたのを契機に他の装置へ送信される。液晶ディスプレイ613に表示されたメモ画像をタッチペン110aにて消去した後にメモ画像送信キー1603がタッチされると、メモ画像を消去した表示画像が他の装置へ送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、中継装置、会議支援システム及びプログラムに関し、特に、会議の出席者の間で会議資料に対するメモを交換する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会議や打合せ等、何人かで面と向かって相談する場合、特に話が込み入ってくると、手元の資料に書き込んだメモを見せ合いながら話を進めることがしばしば行われる。そのような例は、地図を見ながら目的地への経路を検討する場合や、図面を参照しながら機械設計を行う場合など枚挙にいとまがない。
近年、広く普及しているテレビ会議システムに対しても、そのような要請があることに変わりはなく、メモを見せ合いながら会議を進めることができるのが望ましい。このため、例えば、複数の拠点の間でテレビ会議を催す際に、個々の拠点で入力されたメモデータをそれぞれ他の拠点へ送信する技術が開発されている。
【0003】
しかしながら、メモの中には他の出席者に見せる必要のないものもあるので、すべてのメモデータが他の拠点へ送信されてしまっては困る場合もある。
このため、メモを入力する際にローカル描画モードが設定されていたら、メモデータの他の拠点への送信を禁止する技術が提案されている(特許文献1を参照)。このようにすれば、手許の端末にすべてのメモを表示しながら、必要なメモだけを他の拠点へ送信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−165171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ローカル描画モードで入力されたメモであっても後から他の拠点へ送信する必要が生じることが有り得る。また、逆に、一旦送信したメモを後から取り消したい場合もあるが、このような操作は上記の従来技術によってはできない。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、メモの記入後にその送信を指示したり、一旦送信したメモを取り消したりして、メモの書き損じを解消することができる端末装置、中継装置、会議支援システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る端末装置は、複数の端末装置がネットワーク接続されてなる会議支援システムに含まれる端末装置であって、会議資料への書き込みのデータをユーザから受け付ける受付手段と、会議資料への書き込みのデータを他の端末装置から受信する受信手段と、受付手段にて受け付けたデータである自データと、受信手段にて受信したデータである他データとを合成して合成データを生成する合成手段と、合成データを表示する表示手段と、ユーザから送信指示を受け付けると、自データを他の端末装置へ送信する送信手段と、を備え、合成手段は、受信手段にて受信した他データのうち、他の端末装置ごとに最新の他データを合成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにすれば、送信手段にてメモ(自データ)の記入後にその送信を指示することができ、合成手段にて一旦送信したメモを次に送信したメモに置き換えて合成するので、先のメモを取り消すことができる。
この場合において、表示手段が、自データのうち、送信手段にて既に送信した部分と、未だ送信していない部分とを相異なる態様で表示すれば、既送信部分と未送信部分とを明確に区別することができる。
【0008】
また、合成手段は、自データ並びに他データに加えて、更に、会議資料を表示する会議資料データも併せて合成し、受付手段は、表示手段の表示面上に配設されたタッチパネルにて、データを受け付けることを特徴とする。
また、送信手段が、自データを圧縮して他の端末装置へ送信すれば、ネットワークの負荷を低減して、円滑な通信を実現することができる。
【0009】
また、受信手段は、中継装置を介して、他の端末装置からデータを受信し、他の端末装置からデータは、中継装置にて、1つのデータに合成されているとしても良い。このようにすれば、データの合成に要する端末装置の処理負荷を低減することができる。
また、本発明に係る中継装置は、複数の端末装置がネットワーク接続されてなる会議支援システムにおいて、複数の端末装置の間で送受信される、会議資料への書き込みのデータを中継する中継装置であって、データを端末装置から受信する受信手段と、受信したデータを合成する合成手段と、合成したデータを端末装置へ送信する送信手段と、を備え、合成手段は、合成したデータの送信先となる端末装置以外の端末装置から受信したデータを合成することを特徴とする。このようにすれば、不要な部分を消去したデータを端末装置から中継装置へ送信することによってできる。
【0010】
この場合において、会議資料を表示する会議資料データを記録する記録手段を備え、送信手段は、合成手段にて合成したデータと共に会議資料データを送信すれば、端末装置からのメモ(データ)と会議資料データとを対応付けて端末装置に表示させることができる。
また、合成手段にて合成したデータと、会議資料データとを合成して印刷する印刷手段を備えれば、メモを追加した会議資料を議事録として印刷出力して、会議の出席者に配布する等できる。
【0011】
また、本発明に係る会議支援システムは、複数の端末装置と、会議資料への書き込みのデータであって、複数の端末装置の間で送受信されるデータを中継する中継装置とを含む会議支援システムであって、端末装置は、それぞれ、ユーザからデータを受け付ける受付手段と、中継装置からデータを受信する第1の受信手段と、受付手段にて受け付けたデータである自データと、受信手段にて受信したデータである他データとを合成して合成データを生成する第1の合成手段と、合成データを表示する表示手段と、ユーザから送信指示を受け付けると、自データを他の端末装置へ送信する第1の送信手段と、を備え、第1の合成手段は、最後に受信した他データのみを合成し、中継装置は、端末装置からデータを受信する第2の受信手段と、受信したデータを合成する第2の合成手段と、合成したデータを端末装置へ送信する第2の送信手段と、を備え、第2の合成手段は、合成したデータの送信先となる端末装置以外の端末装置から受信した最新のデータを合成することを特徴とする。
【0012】
このようにすれば、メモの記入後にその送信を指示したり、一旦送信したメモを取り消したりすることができ、かつ、端末装置の処理負荷を低減することができる。
また、本発明に係るプログラムは、複数の端末装置がネットワーク接続されてなる会議支援システムに含まれる端末装置が実行するプログラムであって、会議資料への書き込みのデータをユーザから受け付ける受付ステップと、会議資料への書き込みのデータを他の端末装置から受信する受信ステップと、受付ステップにて受け付けたデータである自データと、受信ステップにて受信したデータである他データとを合成して合成データを生成する合成ステップと、合成データを表示する表示ステップと、ユーザから送信指示を受け付けると、自データを他の端末装置へ送信する送信ステップと、を含み、合成ステップは、受信ステップにて受信した他データのうち、他の端末装置ごとに最新の他データを合成することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るプログラムは、複数の端末装置がネットワーク接続されてなる会議支援システムにおいて、複数の端末装置の間で送受信される、会議資料への書き込みのデータを中継する中継装置が実行するプログラムであって、データを端末装置から受信する受信ステップと、受信したデータを合成する合成ステップと、合成したデータを端末装置へ送信する送信ステップと、を含み、合成ステップは、合成したデータの送信先となる端末装置以外の端末装置から受信したデータを合成することを特徴とする。
【0014】
このようなプログラムを用いることによっても、上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る会議支援システムの主要な構成を示す図である。
【図2】MFP100のハードウェア構成を示す図である。
【図3】MFP100の主要な機能構成を示すブロック図である。
【図4】画像管理テーブル310のデータ構造を示す図である。
【図5】レイヤ画像マージ部305が元画像データ311とクライアント画像データ312とから生成するマージ画像を例示する図である。
【図6】PC110のハードウェア構成を示す図である。
【図7】PC110の主要な機能構成を示すブロック図である。
【図8】MFP100の動作を示すフローチャートである。
【図9】画像データ記録処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】MFP100とPC110〜113の間で画像データを送受信する際のデータ構造を示す図である。
【図11】画像データ配信処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】画像データ印刷処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】PC110の主要な動作を示すフローチャートである。
【図14】画像データ受信処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】タッチ入力処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16】PC110の液晶ディスプレイ613の表示画面を示す図である。
【図17】送信モード切替処理の詳細を示すフローチャートである。
【図18】送信モード毎の液晶ディスプレイ613の表示を示す図であって、(a)は一括モードにおける表示を示し、(b)は逐次モードにおける表示を示す。
【図19】メモ画像送信処理の詳細を示すフローチャートである。
【図20】手書き入力処理の詳細を示すフローチャートである。
【図21】検出された座標位置に図形を表示する手順を例示する図である。
【図22】入力モード切替処理の詳細を示すフローチャートである。
【図23】入力モード毎の液晶ディスプレイ613の表示を示す図であって、(a)は書込モードにおける表示を示し、(b)は消去モードにおける表示を示す。
【図24】消去モードにおける操作を例示する図である。
【図25】本発明の変形例に係る画像データの送信操作を例示する図である。
【図26】本発明の変形例に係る画像データの送信を取り消す際の操作を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る会議支援システム及び会議支援プログラムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1] システム構成
まず、本実施の形態に係る会議支援システムのシステム構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る会議支援システムの主要な構成を示す図である。図1に示されるように、会議支援システム1は、多機能周辺装置(MFP: multifunction peripheral)100並びにパーソナルコンピュータ(PC: personal computer)110〜113がネットワーク120にて接続されてなる。
【0017】
MFP100はプリンタ機能やファクシミリ機能、コピー機能、スキャナ機能等の機能を兼ね備えている。また、PC110〜113はそれぞれタッチパネル110a〜113aと、タッチペン110b〜113bとを備えており、表示画面にて直接ペン入力を受け付けることができる。
[2] MFP100の構成
次に、MFP100の構成について説明する。
【0018】
図2は、MFP100のハードウェア構成を示す図である。図2に示されるように、MFP100は、CPU(central processing unit)201、ROM(read only memory)202、RAM(random access memory)203、HDD(hard disk drive)204、NIC(network interface card)205、入出力インタフェース206、操作パネル211、スキャナ212、プリントエンジン213及びファクシミリ・インタフェース214を備えている。
【0019】
なお、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、NIC205及び入出力インタフェース206は内部バス200にて接続されている。また、操作パネル211、スキャナ212、プリントエンジン213及びファクシミリ・インタフェース214は入出力バス210を介して入出力インタフェース206に接続されている。
CPU201は、電源投入時にROM202からブートプログラムを読み出して起動し、RAM203を作業用メモリ領域として処理を実行する。HDD204は会議資料等のデータを記録する。NIC205は、ネットワーク120を介してCPU201がPC110〜113と相互に通信するための処理を実行する。
【0020】
入出力インタフェース206は、CPU201が操作パネル211、スキャナ212、プリントエンジン213及びファクシミリ・インタフェース214を制御するためのインタフェース装置である。
操作パネル211はハードキー211a、タッチパネル211b及び液晶ディスプレイ(LCD: liquid crystal display)211cを備えている。操作パネル211は液晶ディスプレイ211cにてユーザに対する情報表示を行なったり、ハードキー211aやタッチパネル211bにてユーザからの指示入力を受け付けたりする。
【0021】
スキャナ212はCPU201の制御の下、原稿を読み取って、画像データを生成する。生成された画像データはHDD204に記録される。プリントエンジン213はHDD204に記録された画像データを用いて、電子写真方式によりカラー画像を形成し、記録シートに印刷する。ファクシミリ・インタフェース214は、ファクシミリ回線を介して画像データを送受信するためのインタフェース装置である。
【0022】
以上のような構成のハードウェアを用いて、MFP100は以下のような機能を実現する。図3は、MFP100の主要な機能構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、MFP100は通信制御部301、受信画像管理部302、画像配信管理部303、レンダリング処理部304、レイヤ画像マージ部305、入力処理部306、印字指示受付部307、表示処理部308及び画像形成制御部309といった機能要素を含んでいる。これらの機能は、CPU201がHDD204からプログラムを読み出し、実行することによって実現される。
【0023】
通信制御部301は、NIC205を制御し、ネットワーク120を介してPC110〜113との間でデータの送受信を行う。通信制御部301は、TCP/IP(transmission control protocol / internet protocol)等のプロトコル処理も実行する。
受信画像管理部302は、ネットワーク120を介してPC110〜113から受信した画像データを管理する。受信画像管理部302が管理する画像データは、会議の発表者から受信した会議資料である元画像データ311や会議の参加者から受信した画像データであるクライアント画像データ312である。
【0024】
受信画像管理部302が管理する画像データはRAM203に記録され、画像管理テーブル310を用いて管理される。画像管理テーブル310もまたRAM203に記録される。
図4は、画像管理テーブル310のデータ構造を示す図である。図4に示されるように、画像管理テーブル310は会議登録テーブル、元画像テーブル及び格納アドレステーブルの3種類のテーブルからなっている。会議登録テーブルには、登録されている会議の数と、個々の会議の識別子であって会議登録数分の会議識別子と、が記録されている。
【0025】
元画像テーブルは、会議識別子ごとに設けられたテーブルであって、対応する会議識別子と、関連する元画像の数と、元画像数分の元画像識別子と、が記録されている。
また、格納アドレステーブルは、元画像識別子ごとに設けられたテーブルであって、対応する元画像識別子と、元画像データ311の格納アドレスと、元画像データ311のサイズが記録されている。なお、格納アドレスはRAM203における記録位置を示すものである。
【0026】
格納アドレステーブルには、更に、当該会議のクライアント数と、クライアント数分のIPアドレス、画像データ格納アドレス及び画像データサイズも記録されている。この画像データ格納アドレスは、クライアント画像データ312が格納されているアドレスであり、画像データサイズはクライアント画像データ312のデータ長である。
さて、レンダリング処理部304は、受信画像管理部302がPC110〜113からベクタ情報として受信した画像データをビットマップ情報に変換し、クライアント画像データ312としてRAM203に格納する。画像データをベクタ情報として送受信すれば、通信データ量を低減することができる。
【0027】
画像配信管理部303は、RAM203に記録されている元画像データ311やクライアント画像データ312をマージした(重ね合わせた)画像データをPC110〜113のそれぞれに配信する。この際、画像配信管理部303は、画像データの配信先を指定して、レイヤ画像マージ部305に画像データを生成するように要求する。
元画像データ311やPC110〜113それぞれからのクライアント画像データ312はそれぞれ1つのレイヤとして管理される。レイヤ画像マージ部305は、画像配信管理部303から要求に応じて、RAM203から元画像データ311やクライアント画像データ312を読み出し、これらをマージして(重ね合わせて)1つのレイヤからなる画像データを生成する。
【0028】
この場合において、画像配信管理部303が指定した配信先からのクライアント画像データ312はマージの対象から除外される。また、レイヤ画像マージ部305は、画像形成制御部309からの要求によっても元画像データ311とクライアント画像データ312とをマージして、画像データ(以下、「マージ画像」という。)を生成する。
図5は、レイヤ画像マージ部305が元画像データ311とクライアント画像データ312とから生成するマージ画像を例示する図である。図5に示されるように、レイヤ画像マージ部305は、画像配信管理部303からマージ画像の生成を要求されると、指定された配信先のクライアント画像データ312を除く、クライアント画像データ312と元画像データ311とからマージ画像を生成する。
【0029】
また、画像形成制御部309からマージ画像の生成を要求されると、元画像データ311と全てのクライアント画像データ312とからマージ画像501が生成される。生成されたマージ画像は、画像配信管理部303によって指定された配信先に配信されたり、画像形成制御部309によって印刷されたりする。
入力処理部306は、H/Wキー211aやタッチパネル211bによるユーザ入力を受け付ける。入力処理部306にて受け付けたユーザ入力が印刷指示ならば、印刷指示受付部307は画像形成制御部309に指示された画像の印刷を要求する。
【0030】
画像形成制御部309は、レイヤ画像マージ部305に要求して画像データを生成させ、当該画像データをプリントエンジン213に印刷させる。表示処理部308は、画像形成制御部309がプリントエンジン213に印刷処理を実行させている間、液晶ディスプレイ211cにその旨を表示させる。
[3] PC110〜113の構成
次に、PC110〜113の構成について説明する。PC110〜113は何れも同様の構成を備えているので、ここでは、PC110の構成についてのみ説明し、以ってPC111〜113の説明に代える。
【0031】
図6は、PC110のハードウェア構成を示す図である。図6に示されるように、PC110は、CPU601、ROM602、RAM603、HDD604、NIC605、入出力インタフェース606、キーボード611、タッチパネル612及び液晶ディスプレイ613を備えている。
なお、CPU601、ROM602、RAM603、HDD604、NIC605及び入出力インタフェース606は内部バス600にて接続されている。また、キーボード611、タッチパネル612及び液晶ディスプレイ613は入出力バス610を介して入出力インタフェース606に接続されている。
【0032】
CPU601は、電源投入時にROM602からブートプログラムを読み出して起動し、RAM603を作業用メモリ領域として処理を実行する。HDD604は元画像データを記録する。NIC605は、ネットワーク120を介してCPU601がMFP100や他のPCと相互に通信するための処理を実行する。
入出力インタフェース606は、CPU601がキーボード611、タッチパネル612及び液晶ディスプレイ613とデータの受け渡しをするためのインタフェース装置である。入出力インタフェース606は液晶ディスプレイ613にてユーザに対する情報表示を行なったり、キーボード611やタッチパネル612にてユーザからの指示入力を受け付けたりする。
【0033】
以上のような構成のハードウェアを用いて、PC110は以下のような機能を実現する。図7は、PC110の主要な機能構成を示すブロック図である。
図7に示されるように、PC110は通信制御部701、受信画像管理部702、画像配信管理部703、入力処理部704、座標取得部705、手書き描画部706、表示処理部707、レイヤ画像マージ部708及びレンダリング処理部709といった機能要素を含んでいる。これらの機能は、CPU601がHDD604からプログラムを読み出し、実行することによって実現される。
【0034】
通信制御部701は、NIC605を制御したり、TCP/IP等のプロトコル処理も行ったりすることによって、MFP100や他のPCとの間で、ネットワーク120を介したデータの送受信を行う。
受信画像管理部702は、ネットワーク120を介してMFP100から受信したマージ画像データ710を管理する。また、PC110のユーザが会議の参加者であって、発表者ではない場合には、MFP100から受信した元画像データ711も管理する。これらの画像データは、RAM603に記録される。
【0035】
座標取得部705は、タッチペン110aがタッチパネル612に触れた位置の座標値を取得して、入力処理部704に通知する。入力処理部704は座標取得部705から通知された座標値や、キーボード611による入力値に応じて、手書き描画部706や画像配信管理部703に入画像の記録や画像の配信を要求する。
手書き描画部706は、PC110のユーザがタッチペン110aにタッチパネル612に入力したメモ画像を、座標値と座標値とを結ぶベクタ情報としてRAM603に記録する。
【0036】
レンダリング処理部709は、レイヤ画像マージ部からの要求に応じて、ベクタ情報であるメモ画像データ712をビットマップ情報に変換し、レイヤ画像マージ部へ出力する。
レイヤ画像マージ部708は、RAM603に記録されているマージ画像データ710と元画像データ711とを読み出す。また、レイヤ画像マージ部708はレンダリング処理部709に要求して、ビットマップ情報化されたメモ画像データ712を出力させる。
【0037】
そして、レイヤ画像マージ部708は、マージ画像データ710、元画像データ711及び、ビットマップ情報化されたメモ画像データ712をマージして得られた画像データを、表示処理部707へ出力する。表示処理部707は入力された画像データを液晶ディスプレイ613にて表示する。
[4] MFP100の動作
次に、MFP100の動作について説明する。
【0038】
図8は、MFP100の動作を示すフローチャートである。図8に示されるように、MFP100は、先ず、PC110〜113の何れかから画像データを受信したか否かを確認して、画像データを受信していたら(S801:YES)、当該画像データをRAM203に記録するために、画像データ記録処理を実行する(S802)。
画像データ記録処理の実行を完了したら、新たな画像データによってPC110〜113の液晶ディスプレイ表示を更新するために、画像データ配信処理を実行する(S803)。また、PC110〜113の何れからも画像データを受信していない場合には(S801:NO)、会議の議事録として画像データを印刷する画像データ印刷処理を実行する(S805)。
【0039】
ステップS803、S805の処理を完了したら、ステップS801へ進み、上記の処理を繰り返す。
(1) 画像データ記録処理(S802)
図9は、画像データ記録処理の詳細を示すフローチャートである。図9に示されるように、画像データ記録処理においては、先ず、受信した画像データが元画像データであるか否かが確認される。
【0040】
図10は、MFP100とPC110〜113の間で画像データを送受信する際のデータ構造を示す図である。本実施の形態においては、会議識別子フィールト1001、元画像識別子フィールド1002、画像データ数フィールド1003及び画像データフィールド1004が設けられる。また、画像データ格納フィールド1004には、画像データ数フィールド1003にて示される数の画像データが格納される(図10では、n個)。
【0041】
画像データ#1〜#nはそれぞれ種別フィールド1011、サイズフィールド1012及び画像データフィールド1013からなっている。種別フィールド1011は、画像データフィールドに格納された画像データが元画像データ、マージ画像データ及びメモ画像データの何れの種別に属するかを示す値が格納される。
サイズフィールド1012は、画像データフィールド1013に格納された画像データのサイズをバイト単位で示す値が格納される。画像データフィールド1013には、画像データそのものが格納される。
【0042】
画像データは、TCP/IP手順を用いて送受信される。すなわち、図10に示されるような構造を有するデータにTCPヘッダが添付され、そのサイズに応じて複数に分割された後、それぞれIPヘッダを添付されたIPパケットとして送受信される。画像データを受信したMFP100やPC110〜113は画像データに添付されたIPヘッダを参照して送信元のIPアドレスを取得することができる。
【0043】
さて、受信画像管理部302は、受信した画像データの種別フィールドの値を参照し、その値がメモ画像データを示している場合には(S901:YES)、レンダリング処理部304に当該画像データ(メモ画像データ)をベクタ情報からビットマップ情報へ変換させる(S902)。
受信した画像データの種別がメモ画像データでない場合(S901:NO)、並びに、ステップS902の処理の後、画像データがRAM203に記録され(S903)、画像管理テーブル310が更新される(S904)。この場合において、上述の会議識別子フィールド1001や元画像識別子フィールド1002の値、更に、送信元のIPアドレスが画像管理テーブル310の該当欄に記録される。
【0044】
以上の処理を完了したら上位ルーチンに復帰する。
(2) 画像データ配信処理(S803)
次に、画像データ配信処理について説明する。
図11は、画像データ配信処理の詳細を示すフローチャートである。画像データ記録処理(S802)が完了すると、PC110〜113の液晶ディスプレイ表示を更新するために、画像配信管理部303にて元画像データ311とマージ画像データとが配信される。
【0045】
図11に示されるように、画像データ記録処理においては、配信先、すなわち。PC110〜113のそれぞれについてステップS1102からステップS1107までの処理が実行される。
先ず、マージ画像を生成するために、クライアント画像データ312毎にステップS1103からステップS1104までの処理が実行される。すなわち、画像管理テーブル310の格納アドレステーブルを参照して、IPアドレスフィールドの値が配信先のIPアドレスに一致しない場合には(S1103:NO)、当該IPアドレスに対応する画像データ格納アドレスに格納された画像データをマージ画像にマージする(S1104)。
【0046】
IPアドレスフィールドの値が配信先のIPアドレスに一致する場合は(S1103:YES)、画像データをマージしない。このようにして、配信先から受信した画像データ以外の画像データをマージしたマージ画像が生成されたら、当該マージ画像データを当該配信先へ送信するとともに(S1106)、元画像データ311を当該配信先へ送信する(S1107)。
【0047】
この送信の場合においても、図10のデータ構造が採用され、会議識別子フィールド並びに元画像識別子フィールドには、受信画像管理部302にて受信した会議識別子フィールド並びに元画像識別子フィールドの値がそれぞれ格納される。また、画像データ数フィールドには値2が格納され、画像データフィールドには元画像データとマージ画像データとが格納される。
【0048】
すべての配信先について上述の処理を完了したら、上位ルーチンに復帰する。
(3) 画像データ印刷処理(S805)
次に、画像データ印刷処理について説明する。
図12は、画像データ印刷処理の詳細を示すフローチャートである。図12に示されるように、先ず、レイヤ画像マージ部305にて、すべてのクライアント画像データ312をマージしたマージ画像データを作成する(S1201)。当該マージ画像データに、更に、レイヤ画像マージ部305にて元画像データ311をマージする(S1202)。こうして得られたマージ画像を会議の議事録として、画像形成制御部309にてプリントエンジン213を制御することによって、印刷する(S1203)。
【0049】
[5] PC110の動作
次に、PC110の動作について説明する。PC111〜113も同様に動作するので、PC110の動作の説明を以ってPC111〜113の動作の説明に代える。
図13は、PC110の主要な動作を示すフローチャートである。図13に示されるように、PC110は、通信制御部701にて画像データを受信すると(S1301:YES)、画像データ受信処理を実行する(S1302)。また、通信制御部701にて画像データを受信していない場合(S1301:NO)、タッチペン110aによるタッチパネル612に対するタッチ入力を検出したら(S1303:YES)、タッチ入力処理を実行する(S1304)。
【0050】
ステップS1302、S1304の処理を完了した後、及びタッチ入力も検出しなかった場合には(S1303:NO)、ステップS1301へ進んで上記の処理を繰り返す。
(1) 画像データ受信処理(S1302)
次に、画像データ受信処理について説明する。
図14は、画像データ受信処理の詳細を示すフローチャートである。図14に示されるように、先ず、受信画像管理部702は通信制御部701から画像データを受け取ると、当該画像データの種別フィールドを参照する(S1401)。そして、種別フィールドの値が元画像データを指していたら(S1402:YES)、RAM603に元画像データ711として記録する(S1403)。
【0051】
また、種別フィールドの値がマージ画像を指していたら(S1402:NO)、RAM603にマージ画像データ710として記録する(S1406)。その後、レイヤ画像マージ部708が、RAM603に記録されているマージ画像データ710、元画像データ711及びメモ画像データ712をマージする(S1404)。
これによって得られたデータを液晶ディスプレイ613に表示することによって、表示処理部707はディスプレイ表示を更新する(S1405)。その後、上位ルーチンに復帰する。
【0052】
(2) タッチ入力処理(S1304)
次に、タッチ入力処理について説明する。
図15は、タッチ入力処理の詳細を示すフローチャートである。図15に示されるように、先ず、タッチペン110aがタッチパネル612に触れると、CPU601に割込み信号が入力される。この割込み信号の入力を契機として、座標取得部705がタッチパネル612からタッチペン110aが触れた位置の座標データを取得する(S1501)。
【0053】
図16は、PC110の液晶ディスプレイ613の表示画面を示す図である。図16に示されるように、液晶ディスプレイ613には、手書き領域1601が示されると共に、元画像送信キー1602、メモ画像送信キー1603、入力モード切替キー1604及び送信モード切替キー1605が表示される。元画像送信キー1602、メモ画像送信キー1603、入力モード切替キー1604及び送信モード切替キー1605は何れもいわゆるソフトキーである。
【0054】
さて、座標取得部705にて取得した座標値が送信モード切替キー1605の表示領域内にある場合には(S1502:YES)、送信モード切替キー1605が押下されたと判断して、送信モード切替処理を実行する(S1503)。
座標値が元画像送信キー1602の表示領域内にある場合は(S1504:YES)、元画像送信キー1602が押下されたと判断して、元画像データ711をMFP100へ送信する(S1505)。
【0055】
座標値がメモ画像送信キー1603の表示領域内にある場合には(S1506:YES)、メモ画像送信キー1603が押下されたと判断して、メモ画像送信処理を実行する(S1507)。
座標値が手書き領域1601内にある場合は(S1508:YES)、手書き入力された図形等を記録するために手書き入力処理を実行する(S1509)。
【0056】
座標値が入力モード切替キー1604内にある場合は(S1510:YES)、入力モード切替処理を実行する(S15011)。
ステップS1503、S1505、S1507、S1509及びS1511の処理の後、及び、ステップS1510で判定が否定的である場合には、上位ルーチンに復帰する。
(3) 送信モード切替処理(S1503)
次に、送信モード切替処理について説明する。PC110のユーザは、メモ画像を送信する方法として、一括モードと逐次モードの何れかの送信モードを選択することができる。
【0057】
一括モードにおいては、タッチパネル612にて入力された画像は一旦、RAM603に蓄積されてから、ユーザの指示によって一括してMFP100へ送信される。また、逐次モードにおいては、タッチパネル612にて入力されたがぞは逐次、MFP100へ送信される。
図17は、送信モード切替処理の詳細を示すフローチャートである。図17に示されるように、入力処理部704は現在の送信モードを参照して、逐次モードならば(S1701:YES)、一括モードに遷移する(S1702)。また、逐次モードでなければ(S1701:NO)、逐次モードに遷移する(S1703)。
【0058】
その後、新たな送信モードに合わせて液晶ディスプレイ613の表示を更新して、上位ルーチンに復帰する。図18は、送信モード毎の液晶ディスプレイ613の表示を示す図であって、(a)は一括モードにおける表示を示し、(b)は逐次モードにおける表示を示す。
図18(a)に示されるように、一括モードにおいては、送信モード切替キー1605上に「一括」の文字が表示され、一括モードである旨が示される。また、メモ画像を一括送信する時期をユーザに指示させるために、メモ画像送信キー1603が有効化される。
【0059】
また、逐次モードにおいては、図18(b)に示されるように、送信モード切替キー1605上に「逐次」の文字が表示され、逐次モードである旨が示される。また、メモ画像は逐次送信されるので、メモ画像送信キー1603の表示がハーフトーンに切り替えられて、メモ画像送信キー1603が無効化されている旨が表示される。
(4) メモ画像送信処理(S1507)
次に、メモ画像送信処理について説明する。
【0060】
図19は、メモ画像送信処理の詳細を示すフローチャートである。図19に示されるように、メモ画像送信処理においては、先ず、現在の送信モードが一括モードであるか否かが確認される。そして、送信モードが一括モードならば(S1901:YES)、メモ画像データ712がMFP100へ送信される(S1902)。
(5) 手書き入力処理(S1509)
次に、手書き入力処理について説明する。
【0061】
図20は、手書き入力処理の詳細を示すフローチャートである。図20に示されるように、手書き入力処理においては、先ず、手書き描画部706が、タッチペン110aにてタッチパネル612に触れた位置に液晶ディスプレイ613にて、所定の図形を表示する。
図21は、検出された座標位置に図形を表示する手順を例示する図である。先ず、タッチパネル612のタッチペン110aが触れた位置(タッチ位置)2102が検出されると(図21(a))、当該タッチ位置を中心とする円(図形2103)を破線にて描画する(図21(b))。そして、当該図形2103を灰色に塗りつぶした後(図21(c))、直前に描画した図形2101と図形2103とをこれらの直径に等しい太さの灰色の直線で接続する。
【0062】
このように、破線にて境界を区画し灰色に塗りつぶすことによって、メモ画像中の未送信の部分が表示される。
今回描画した図形と、直前に描画した図形とを接続するか否かは、例えば、これらの図形に係るタッチ位置を検出した時間間隔が所定時間(例えば、1秒)を下回るか否かによって判定すればよい。すなわち、検出時間間隔が1秒未満ならば接続し、さもなければ、接続しないものとしても良い。
【0063】
上述のようにして図形を描画したら、ベクタ情報が生成される(S2002)。図21に示される例においては、図形2101、2103に係るタッチ位置の座標値と、これらの接続関係がベクタ情報とされる。また、他の図形と接続されない孤立図形の場合には、座標位置のみがベクタ情報とされる。そして、生成されたベクタ情報がメモ画像データ712に追加されることによって、メモ画像データ712が更新される(S2003)。
【0064】
最後に、送信モードが逐次モードである場合には(S2004:YES)、画像配信管理部703はメモ画像データ712をRAM603から読み出して、MFP100に送信する。これと同時に、未送信表示されたメモ画像の境界を区画する破線が実線に変更され、灰色に塗りつぶされた部分が黒色に変更される。これによって、メモ画像の当該部分が送信済みである旨が表示される(図21(e))。
【0065】
メモ画像データ712は、MFP100に配信されることによって、他のPCの液晶ディスプレイにも表示されるようになる。
(6) 入力モード切替処理(S1511)
次に、入力モード切替処理について説明する。PC110のユーザは、メモ画像を書き込む方法として、書込モードと消去モードの何れかの入力モードを選択することができる。
【0066】
図22は、入力モード切替処理の詳細を示すフローチャートである。図22に示されるように、入力処理部704は現在の入力モードを参照して、書込モードならば(S2201:YES)、消去モードに遷移する(S2202)。また、書込モードでなければ(S2201:NO)、書込モードに遷移する(S2203)。
その後、新たな送信モードに合わせて液晶ディスプレイ613の表示を更新して、上位ルーチンに復帰する。図23は、入力モード毎の液晶ディスプレイ613の表示を示す図であって、(a)は書込モードにおける表示を示し、(b)は消去モードにおける表示を示す。
【0067】
図23(a)に示されるように、書込モードにおいては、入力モード切替キー1604上に「書込」の文字が表示され、書込モードである旨が示される。また、消去モードにおいては、図23(b)に示されるように、入力モード切替キー1604上に「消去」の文字が表示され、消去モードである旨が示される。
図24は、消去モードにおける操作を例示する図である。図24に示されるように、入力モードが消去モードである場合に、タッチペン110aが触れた点が何れかの図形上にある場合、例えば、図形2402上の点にタッチペン110aが触れた場合には(図24(a))、図形2402と図形2402に接続された図形2041並びにこれらの図形を接続する直線の表示が変更される。
【0068】
例えば、接続された図形領域(図2401、2402及びこれらを接続する直線部分)の境界が破線で表示され、内部が灰色で表示される(図24(b))。この状態から、所定時間(例えば、1秒)以内に、当該図形領域の外部の点にタッチペン110aが触れることなく、タッチペン110aの接触が検出されなくなった場合には、当該図形領域を構成する図形のベクタ情報がメモ画像データ712から削除される。
【0069】
そして、削除後のメモ画像データ712に基づいて、液晶ディスプレイ613の表示が更新される(図24(c))。この場合において、図形2401、2402に接続しない図形、例えば、図形2403は削除されずに表示され続ける。また、削除後のメモ画像データ712は上述のように、送信モードに応じて逐次的に、または一括して他のPCへ送信される。
【0070】
このようにして、一旦、記入したメモが消去される。
[6] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記実施の形態においては特に言及しなかったが、ネットワーク120は構内網(LAN: local area netwoek)であっても良いし、広域網(WAN: wide area network)であっても良い。
【0071】
(2) 上記実施の形態においては、専ら端末としてPCを用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、電子ペーパ等、パーソナルコンピュータ以外の端末でも良い。また、入力手段はタッチペンに限らず、キーボードやマウス等、タッチペン以外の手段でも良い。
(3) 上記実施の形態においては、PC110〜113からのメモ画像データを一旦、MFP100に集めてから、各PCへ配信する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて以下のようにしても良い。
【0072】
すなわち、メモ画像データをMFP100に送信するのに代えて、PC110〜113が互いに直接、メモ画像データを送り合うとしても良い。この場合には、PC110〜113がそれぞれメモ画像データ(クライアント画像データ)をマージして液晶ディスプレイに表示する必要がある。このマージに要する処理は、上記実施の形態においては、MFP100について説明した通りである。
【0073】
(4) 上記実施の形態においては、未送信の図形を灰色で表示し、送信済みの図形を黒色で表示する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて、他の色を用いても良い。
例えば、未送信の図形を赤色で表示し、送信済みの図形を青色で表示するなど、カラー表示を用いても良い。更に、ユーザにカラーでメモ画像の入力を行わせる場合には、未送信の図形は薄い色調で表示し、送信済みの図形は濃い色調で表示しても良い。図形を表示する色の如何に関わりなく、送信の有無を区別することができれば、どのような色を用いても良い。
【0074】
(5) 上記実施の形態においては、画像データをベクタ情報のままで送信する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、画像データを圧縮して送信しても良い。PC110〜113のユーザが何れも頻繁にメモを記入する場合には、頻繁にメモ画像データが送信され、ネットワーク120の輻輳が発生するおそれがある。
【0075】
これに対して、画像データを圧縮して送信すれば、ネットワーク120の負荷を低減して輻輳の発生を抑制することができる。
(6) 上記実施の形態においては、元画像データをPC110〜113からMFP100へ送信することによって他のPCへ配信する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。
【0076】
すなわち、MFP100が備えるスキャナ212にて会議資料を読み取って画像データを生成し、当該画像データを元画像データ311としても良い。このようにしても、本発明の効果は同じである。
(7) 上記実施の形態においては、何れのPCもメモ画像データすべてを送信する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて以下のようにしても良い。
【0077】
すなわち、入力した図形(メモ)のうち、指定された図形に係る画像データのみを送信しても良い。図25は、本変形例に係る画像データの送信操作を例示する図である。図25に示されるように、未送信の図形2501、2502はその輪郭が実線で表示され、内部が灰色で表示されている(図25(a))。
この状態において、図形2501外の点2503から別の点2504へタッチペン110aをドラッグすると、破線にて区画される矩形領域2505が表示される(図25(b))。この図形2501を囲む矩形領域2505が表示されている状態でタッチペン110aをタッチパネル612から離すと、図形2501の境界の表示が実線から破線に変更される(図25(c))。
【0078】
この表示状態において、液晶ディスプレイ613に表示されている「送信状態を変更するキー」(図示省略)をタッチペン110aにて触れると、図形2501に係るベクタ情報と他の送信済みの図形に係るベクタ情報とがMFP100へ送信される。そして、図形2501の境界が実線で表示され、内部が黒色で表示されることによって、図形2501が送信済みである旨が表示される(図25(d))。
【0079】
図26は、画像データの送信を取り消す際の操作を例示する図である。図26(a)には、送信済みの図形2601、2602が表示されている。これに対して、上述と同様の操作によって、破線にて区画される矩形領域を表示させ(図26(b))、図形2601を選択状態にする(図26(c))。すなわち、図形2601の境界を破線にて表示させ、内部を灰色で表示させる。
【0080】
この表示状態において、上記の「送信状態を変更するキー」をタッチペン110aにて触れると、図形2501に係るベクタ情報を除く送信済みの図形に係るベクタ情報がMFP100を介して他のPCへ配信される。これによって、他のPCでは、図形2601が表示されなくなる。
また、PC110においては、図形2601の境界が実線で表示され、内部が灰色で表示されることによって、図形2601の送信が取り消され、他のPCでは表示されなくなった旨が示される。
【0081】
なお、選択状態をより分かり易く表示するために、上述の表示方法に代えて、例えば、選択状態にある図形を点滅表示しても良い。
(8) 上記実施の形態においては、MFP100を用いてPC110〜113に画像データを配信する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、MFP以外の装置を用いて画像データを配信しても良い。通信機能を備えたコンピュータであれば、MFPでなくても上記の処理を実行させることができる。
【0082】
また、MFP100から画像データの配信を受けるPCの台数が4台に限定されないのは言うまでもなく、3台以下、或いは5台以上であっても本発明の効果に変わりはない。これはPC以外の端末装置を用いる場合であっても同じである。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明に係る端末装置、中継装置、会議支援システム及びプログラムは、会議の出席者の間で会議資料に対するメモを交換する技術として有用である。
【符号の説明】
【0084】
1…………………会議支援システム
100……………多機能周辺装置
110〜113…パーソナルコンピュータ
120……………ネットワーク
301、701…通信制御部
302、702…受信画像管理部
303、703…画像配信管理部
304、709…レンダリング処理部
305、708…レイヤ画像マージ部
306、704…入力処理部
307……………印字指示受付部
308……………表示処理部
309……………画像形成制御部
310……………画像管理テーブル
705……………座標取得部
706……………手書き描画部
707……………表示処理部
1601…………手書き領域
1602…………元画像送信キー
1603…………メモ画像送信キー
1604…………入力モード切替キー
1605…………送信モード切替キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置がネットワーク接続されてなる会議支援システムに含まれる端末装置であって、
会議資料への書き込みのデータをユーザから受け付ける受付手段と、
会議資料への書き込みのデータを他の端末装置から受信する受信手段と、
受付手段にて受け付けたデータである自データと、受信手段にて受信したデータである他データとを合成して合成データを生成する合成手段と、
合成データを表示する表示手段と、
ユーザから送信指示を受け付けると、自データを他の端末装置へ送信する送信手段と、を備え、
合成手段は、受信手段にて受信した他データのうち、他の端末装置ごとに最新の他データを自データとの合成に用いる
ことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
表示手段は、自データのうち、送信手段にて既に送信した部分と、未だ送信していない部分とを相異なる態様で表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
合成手段は、自データ並びに他データに加えて、更に、会議資料を表示する会議資料データも併せて合成し、
受付手段は、表示手段の表示面上に配設されたタッチパネルにて、データを受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
送信手段は、自データを圧縮して他の端末装置へ送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
受信手段は、中継装置を介して、他の端末装置からデータを受信し、
他の端末装置からデータは、中継装置にて、1つのデータに合成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項6】
複数の端末装置がネットワーク接続されてなる会議支援システムにおいて、複数の端末装置の間で送受信される、会議資料への書き込みのデータを中継する中継装置であって、
データを端末装置から受信する受信手段と、
受信したデータを合成する合成手段と、
合成したデータを端末装置へ送信する送信手段と、を備え、
合成手段は、合成したデータの送信先となる端末装置以外の端末装置から受信したデータを合成する
ことを特徴とする中継装置。
【請求項7】
会議資料を表示する会議資料データを記録する記録手段を備え、
送信手段は、合成手段にて合成したデータと共に会議資料データを送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の中継装置。
【請求項8】
合成手段にて合成したデータと、会議資料データとを合成して印刷する印刷手段を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の中継装置。
【請求項9】
複数の端末装置と、会議資料への書き込みのデータであって、複数の端末装置の間で送受信されるデータを中継する中継装置とを含む会議支援システムであって、
端末装置は、それぞれ、
ユーザからデータを受け付ける受付手段と、
中継装置からデータを受信する第1の受信手段と、
受付手段にて受け付けたデータである自データと、受信手段にて受信したデータである他データとを合成して合成データを生成する第1の合成手段と、
合成データを表示する表示手段と、
ユーザから送信指示を受け付けると、自データを他の端末装置へ送信する第1の送信手段と、を備え、
第1の合成手段は、受信した最新の他データのみを合成し、
中継装置は、
端末装置からデータを受信する第2の受信手段と、
受信したデータを合成する第2の合成手段と、
合成したデータを端末装置へ送信する第2の送信手段と、を備え、
第2の合成手段は、合成したデータの送信先となる端末装置以外の端末装置から受信した最新のデータを合成する
ことを特徴とする会議支援システム。
【請求項10】
複数の端末装置がネットワーク接続されてなる会議支援システムに含まれる端末装置が実行するプログラムであって、
会議資料への書き込みのデータをユーザから受け付ける受付ステップと、
会議資料への書き込みのデータを他の端末装置から受信する受信ステップと、
受付ステップにて受け付けたデータである自データと、受信ステップにて受信したデータである他データとを合成して合成データを生成する合成ステップと、
合成データを表示する表示ステップと、
ユーザから送信指示を受け付けると、自データを他の端末装置へ送信する送信ステップと、を含み、
合成ステップは、受信ステップにて受信した他データのうち、他の端末装置ごとに最新の他データを合成する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
複数の端末装置がネットワーク接続されてなる会議支援システムにおいて、複数の端末装置の間で送受信される、会議資料への書き込みのデータを中継する中継装置が実行するプログラムであって、
データを端末装置から受信する受信ステップと、
受信したデータを合成する合成ステップと、
合成したデータを端末装置へ送信する送信ステップと、を含み、
合成ステップは、合成したデータの送信先となる端末装置以外の端末装置から受信したデータを合成する
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−251919(P2010−251919A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−97345(P2009−97345)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】