端末装置およびそれを備えた通信ネットワークシステム
【課題】ネットワーク全体のスループットを向上可能な端末装置を提供する。
【解決手段】アクセスポイント10は、通信帯域がWiMAXよりも広いWiFiの無線通信方式によって無線通信を行なう。孤立端末である端末装置2は、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出すると、アクセスポイント10の通信範囲に存在する端末装置1,3から送信されるルータ広告を受信する。そして、端末装置2は、ルータ広告に含まれる端末装置1,3の送信レートに基づいて、送信レートがより高い端末装置1を中継端末として選択する。そうすると、端末装置2は、端末装置1を介してアクセスポイント10に接続し、アクセスポイント10を介して通信を行なう。
【解決手段】アクセスポイント10は、通信帯域がWiMAXよりも広いWiFiの無線通信方式によって無線通信を行なう。孤立端末である端末装置2は、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出すると、アクセスポイント10の通信範囲に存在する端末装置1,3から送信されるルータ広告を受信する。そして、端末装置2は、ルータ広告に含まれる端末装置1,3の送信レートに基づいて、送信レートがより高い端末装置1を中継端末として選択する。そうすると、端末装置2は、端末装置1を介してアクセスポイント10に接続し、アクセスポイント10を介して通信を行なう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、孤立端末の救済が可能な端末装置およびそれを備えた通信ネットワークシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
WiFiおよびWiMAX等の様々な無線通信インフラの整備に伴い、複数の無線インターフェースを搭載した端末の普及が進んでいる。そのような端末では、使用用途および無線環境に合わせて使用する無線通信インフラを切り替えるのが一般的である。
【0003】
そのような端末がより良い通信環境を利用するための技術として、セルラネットワーク等の広域無線サービスや、WiFiのアクセスポイントのカバレッジを擬似的に拡大してスループットを向上させるためにWiFiを備えた中継端末を利用したマルチホップ経路を構築する方式が提案されている(非特許文献1)。
【0004】
非特許文献1において提案された方式では、中継端末は、1個の第3世代のインターフェースと、1個のWiFiのインターフェースとを備える。そして、中継端末は、第3世代のインターフェースでセルラネットワークに接続し、WiFiのインターフェースを近隣の端末へ中継機能を提供するために使用する。中継端末が第3世代のインターフェースとWiFiのインターフェースとの間でパケットを中継することにより、セルラネットワークのデッドスポットとなっている地域を削減することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Hung-yu Wei, Richard D. Gitlin, WWAN/WLAN Two-Hop-Relay Architecture for Capacity Enhancement, WCNC04.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、非特許文献1において提案された方式では、セルラネットワークよりも通信帯域が広いWiFiで孤立端末を救済するため、ネットワーク全体のスループットがセルラーネットワークの帯域で頭打ちとなり、WiFiの広い通信帯域を生かせないいう問題がある。
【0007】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ネットワーク全体のスループットを向上可能な端末装置を提供することである。
【0008】
また、この発明の別の目的は、ネットワーク全体のスループットを向上可能な端末装置を備えた通信ネットワークシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明によれば、端末装置は、第1および第2の無線インターフェースと、接続手段とを備える。第1の無線インターフェースは、第1の通信範囲および第1の通信帯域を有し、第1の無線通信方式に従って無線通信を行なう。第2の無線インターフェースは、第1の通信範囲よりも狭い第2の通信範囲と第1の通信帯域よりも広い第2の通信帯域とを有し、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう。接続手段は、第2の無線インターフェースを第2の無線通信方式に従って無線通信を行なうアクセスポイントに直接接続できない場合、中継端末を介して第2の無線インターフェースをアクセスポイントに接続する。
【0010】
好ましくは、接続手段は、第2の無線通信方式に従ってアドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置から送信される制御フレームに基づいて、第2の無線通信方式に従ってアドホックモードで動作する無線インターフェースを有する複数の端末装置から当該端末装置との間の通信品質がより高い端末装置を中継端末として選択し、その選択した中継端末を介して第2の無線インターフェースをアクセスポイントに接続する。
【0011】
好ましくは、接続手段は、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう端末装置から送信される制御フレームに基づいて、第2の無線通信方式に従ってアドホックモードで動作する無線インターフェースを有する中継端末を検出できない場合、受信せずに捨てられるパケットを受信できるようにするモードにおいてパケットを受信することによって当該端末装置の周辺に存在する複数の端末装置を検出し、その検出した複数の端末装置を含む中継経路接続要求をアクセスポイントが接続されたネットワーク上に配置された経路制御装置へ第1の無線インターフェースを介して送信し、中継端末の候補端末である複数の候補端末を含み、かつ、中継経路の接続を許可するための中継経路接続応答を経路制御装置から第1の無線インターフェースを介して受信すると、当該端末装置と複数の候補端末との間の通信品質に基づいて通信品質がより高い候補端末を中継端末として複数の候補端末から選択し、その選択した中継端末を介して第2の無線インターフェースをアクセスポイントに接続する。
【0012】
好ましくは、複数の候補端末は、接続手段によって検出された複数の端末装置から選択された端末装置からなり、または接続手段によって検出された複数の端末装置と、経路制御装置によって検出された端末装置との中から選択された端末装置からなる。
【0013】
また、この発明によれば、端末装置は、第1および第2の無線インターフェースと、経路構築手段とを備える。第1の無線インターフェースは、第1の通信範囲および第1の通信帯域を有し、第1の無線通信方式に従って無線通信を行なう。第2の無線インターフェースは、第1の通信範囲よりも狭い第2の通信範囲と第1の通信帯域よりも広い第2の通信帯域とを有するとともに、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なうアクセスポイントと第2の無線通信方式に従ってインフラストラクチャモードで無線通信を行なう。経路構築手段は、アクセスポイントが接続されたネットワーク上に配置された経路制御装置から第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう無線インターフェースの開放要求を第2の無線インターフェースを介して受信すると、第2の無線インターフェースを中継用の無線インターフェースとして開放するとともに、その開放した第2の無線インターフェースを介して孤立端末との間で経路を構築する。
【0014】
好ましくは、経路構築手段は、第2の無線インターフェースを開放した後、一定時間が経過しても孤立端末から経路構築要求を受信しないとき、第2の無線インターフェースをインフラストラクチャモードでアクセスポイントに再接続する。
【0015】
更に、この発明によれば、通信ネットワークシステムは、基地局と、複数のアクセスポイントと、複数の端末装置と、経路制御装置と、孤立端末とを備える。基地局は、ネットワークに接続されるとともに、第1の通信範囲および第1の通信帯域を有し、第1の無線通信方式に従って無線通信を行なう。複数のアクセスポイントは、ネットワークに接続されるとともに、第1の通信範囲よりも狭い第2の通信範囲と第1の通信帯域よりも広い第2の通信帯域とを有し、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう。複数の端末装置は、基地局およびアクセスポイントと無線通信を行なう。経路制御装置は、ネットワークを介して基地局および複数のアクセスポイントと通信を行なう。孤立端末は、基地局に直接アクセスでき、かつ、複数のアクセスポイントのいずれにも直接接続できない端末装置である。そして、孤立端末は、複数の端末装置のうち、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出した場合、端末装置から選択した中継端末を介してアクセスポイントに接続し、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出できない場合、自己の周辺に存在する複数の周辺端末装置を検出し、その検出した複数の周辺端末装置を含む中継経路接続要求を基地局を介して経路制御装置へ送信し、中継端末の候補端末である複数の候補端末を含み、かつ、中継経路の接続を許可するための中継経路接続応答を経路制御装置から基地局を介して受信すると、自己と複数の候補端末との間の通信品質に基づいて通信品質がより高い候補端末を中継端末として複数の候補端末から選択し、その選択した中継端末を介してアクセスポイントに接続する。また、経路制御装置は、中継経路接続要求に応じて、複数の周辺端末装置から複数の候補端末を選択し、その選択した複数の候補端末へ第2の無線通信方式によって無線通信を行なう無線インターフェースの開放要求を送信し、複数の候補端末から無線インターフェースを開放したことを示す開放応答を受信すると、中継経路接続応答を基地局を介して孤立端末へ送信する。更に、複数の候補端末の各々は、開放要求に応じて無線インターフェースを開放するとともに、その開放した無線インターフェースを介して孤立端末との間で経路を構築する。
【0016】
好ましくは、経路制御装置は、中継経路接続要求に応じて、複数の端末装置のトポロジーを参照して、中継端末に適した端末装置を複数の端末装置から選択し、その選択した端末装置と、複数の周辺端末装置との中から複数の候補端末を選択する。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、端末装置は、より広い通信帯域で無線通信を行なう第2の無線インターフェースによってアクセスポイントに直接接続できない場合、中継端末を介して第2の無線インターフェースをアクセスポイントに接続する。その結果、孤立端末であった端末装置は、より広い通信帯域を用いて通信を行なう。
【0018】
従って、通信ネットワークシステム全体のスループットを向上できる。
【0019】
また、この発明によれば、端末装置は、ネットワーク上に配置された経路制御装置からの開放要求に応じて、より広い通信帯域で無線通信を行なう第2の無線インターフェースを開放し、その開放した第2の無線インターフェースを介して孤立端末との間で経路を構築する。その結果、孤立端末であった端末装置は、より広い通信帯域を用いて通信を行なう。
【0020】
従って、通信ネットワークシステム全体のスループットを向上できる。
【0021】
更に、この発明によれば、通信ネットワークシステムは、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出した場合、中継端末を介して第1のアクセスポイントへアクセスし、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出できない場合、中継端末の候補端末である複数の候補端末を経路制御装置から受け、その受けた複数の候補端末から中継端末を選択し、その選択した中継端末を介して第1のアクセスポイントにアクセスする孤立端末と、複数の候補端末を選択する経路制御装置とを備える。その結果、孤立端末であった端末装置は、より広い通信帯域を用いて通信を行なう。
【0022】
従って、通信ネットワークシステム全体のスループットを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の実施の形態による通信ネットワークシステムの構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す端末装置1の構成図である。
【図3】図1に示すアクセスポイントの構成図である。
【図4】図1に示すホームエージェントの構成図である。
【図5】図1に示す経路制御装置の構成図である。
【図6】孤立端末が中継端末を介してアクセスポイントに接続する方法を説明するための概念図である。
【図7】接続処理の手順を示す図である。
【図8】孤立端末が中継端末を介してアクセスポイントに接続する他の方法を説明するための概念図である。
【図9】接続処理の他の手順を示す図である。
【図10】中継経路を切断するときの概念図である。
【図11】2台の中継端末が中継する場合の概念図である。
【図12】端末装置が取り得る状態の遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0025】
図1は、この発明の実施の形態による通信ネットワークシステムの構成を示す概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による通信ネットワークシステム100は、端末装置1〜6と、アクセスポイント10,20と、基地局30と、ネットワーク40と、ホームエージェント50と、監視サーバ60と、経路制御装置70とを備える。
【0026】
端末装置1〜6は、無線通信空間に配置される。そして、端末装置1〜6の各々は、広域無線サービス(例えば、WiMAX)の1個の無線インターフェースと、WiFiの2個の無線インターフェースとを少なくとも備え、その備えた無線インターフェースによってアクセスポイント10,20および/または基地局30にアクセスする。
【0027】
そして、端末装置1〜6の各々は、後述するように、孤立端末、中継端末および通常端末のいずれかとして機能する。
【0028】
この発明の実施の形態においては、孤立端末とは、WiMAXの基地局に直接アクセスでき、かつ、直接接続可能なアクセスポイントが存在せず、中継経路を通じてのみ、WiFiサービスを利用可能な端末を言う。
【0029】
また、中継端末とは、複数のWiFiのインターフェースを持ち、そのうちのいくつかのインターフェースで中継局としてアドホックモードで孤立端末に中継経路を提供する端末を言う。
【0030】
更に、通常端末とは、複数のWiFiのインターフェースで複数のアクセスポイントと直接リンクを構築し、かつ、中継を行っていない端末を言う。
【0031】
アクセスポイント10,20の各々は、ネットワーク40に接続される。そして、アクセスポイント10,20の各々は、WiFiの無線通信方式によって端末装置1〜6と無線通信を行う。
【0032】
また、アクセスポイント10,20の各々は、自己にアクセスする端末装置のリストである端末リストを定期的に作成し、その作成した端末リストをネットワーク40を介して監視サーバ60へ送信する。
【0033】
更に、アクセスポイント10,20の各々は、端末装置1〜6から受信するパケットの量であるトラフィック量を定期的に計測し、その計測したトラフィック量をネットワーク40を介して監視サーバ60へ送信する。
【0034】
更に、アクセスポイント10,20の各々は、ネットワーク40を介してホームエージェント50および経路制御装置70と通信を行う。
【0035】
更に、アクセスポイント10,20の各々は、無線通信によってビーコンフレームを定期的に送信する。
【0036】
基地局30は、ネットワーク40に接続される。そして、基地局30は、例えば、WiMAXの無線通信方式によって端末装置1〜6と無線通信を行う。
【0037】
また、基地局30は、ネットワーク40を介してホームエージェント50および経路制御装置70と通信を行う。
【0038】
ホームエージェント50は、端末装置1〜6のいずれかと、通信ネットワークシステム100以外のネットワークシステムに存在する通信相手の端末装置との間の通信を中継する。
【0039】
監視サーバ60は、アクセスポイント10,20から受信した端末リストに基づいて、端末装置1〜6およびアクセスポイント10,20の接続状態を示すトポロジーを作成し、その作成したトポロジーを管理する。
【0040】
また、監視サーバ60は、アクセスポイント10,20から受信したトラフィック量およびトポロジーに基づいて、端末装置1〜6の負荷を把握し、その把握した負荷を管理する。
【0041】
経路制御装置70は、端末装置1〜6のいずれかが孤立端末であるとき、その孤立端末から基地局30を介して中継経路接続要求を受信すると、後述する方法によって、孤立端末をアクセスポイント10,20に接続するための処理を行う。
【0042】
WiMAXは、通信範囲REG1を有し、通信帯域BW1を有する。一方、WiFiは、通信範囲REG1よりも狭い通信範囲REG2を有し、通信帯域BW1よりも広い通信帯域BW2を有する。
【0043】
従って、通信ネットワークシステム100は、通信範囲および通信帯域が異なる複数の無線通信方式が混在したネットワークからなる。
【0044】
図2は、図1に示す端末装置1の構成図である。図2を参照して、端末装置1は、アンテナ11〜13と、無線インターフェース14〜16と、通信手段17と、アプリケーションモジュール18とを含む。
【0045】
アンテナ11〜13は、それぞれ、無線インターフェース14〜16に対応して設けられる。
【0046】
無線インターフェース14は、WiMAXの無線通信方式によって無線通信を行う。そして、無線インターフェース14は、基地局30にアクセスし、基地局30との間でパケットを送受信する。
【0047】
即ち、無線インターフェース14は、通信手段17から受けたパケットをアンテナ11を介して基地局30へ送信する。また、無線インターフェース14は、アンテナ11を介してパケットを基地局30から受信し、その受信したパケットを通信手段17へ出力する。
【0048】
無線インターフェース15,16の各々は、WiFiの無線通信方式によって無線通信を行う。そして、無線インターフェース15,16の各々は、インフラストラクチャモードでアクセスポイント10,20にアクセスし、アクセスポイント10,20との間でパケットを送受信する。
【0049】
即ち、無線インターフェース15,16は、通信手段17から受けたパケットをそれぞれアンテナ12,13を介してアクセスポイント10,20へ送信する。また、無線インターフェース15,16は、それぞれアンテナ12,13を介してアクセスポイント10,20からパケットを受信し、その受信したパケットを通信手段17へ出力する。
【0050】
無線インターフェース15,16の各々は、アドホックモードでも動作し、他の端末装置を介してアクセスポイント10,20にアクセスするとともに、他の端末装置とアクセスポイント10,20との間でパケットを中継する。
【0051】
通信手段17は、アプリケーションモジュール18からパケットを受け、その受けたパケットを無線インターフェース14〜16のいずれかを用いて送信する。
【0052】
また、通信手段17は、無線インターフェース14〜16からパケットを受ける。そして、通信手段17は、その受けたパケットの宛先が端末装置1である場合、その受けたパケットをアプリケーションモジュール18へ出力する。一方、通信手段17は、その受けたパケットの宛先が端末装置1でないとき、無線インターフェース15,16のいずれかを用いて中継する。
【0053】
更に、通信手段17は、端末装置1が孤立端末であるとき、後述する方法によって、アドホックモードで端末装置1をアクセスポイント10,20に接続するための処理を行う。
【0054】
更に、通信手段17は、端末装置1が中継端末であるとき、後述する方法によって、アドホックモードで他の端末装置をアクセスポイント10,20に接続するための処理を行う。
【0055】
アプリケーションモジュール18は、パケットを生成して通信手段17へ出力するとともに、通信手段17からパケットを受ける。
【0056】
なお、図1に示す端末装置2〜6の各々も、図2に示す端末装置1と同じ構成からなる。
【0057】
図3は、図1に示すアクセスポイント10の構成図である。図3を参照して、アクセスポイント10は、アンテナ21と、無線インターフェース22と、通信手段23と、有線インターフェース24とを含む。
【0058】
無線インターフェース22は、WiFiの無線通信方式によって無線通信を行う。そして、無線インターフェース22は、通信手段23からパケットを受け、その受けたパケットをアンテナ21を介して送信する。また、無線インターフェース22は、アンテナ21を介してパケットを受信し、その受信したパケットを通信手段23へ出力する。
【0059】
通信手段23は、無線インターフェース22からパケットを受け、その受けたパケットを有線インターフェース24へ出力する。また、通信手段23は、有線インターフェース24からパケットを受け、その受けたパケットを無線インターフェース22へ出力する。
【0060】
有線インターフェース24は、通信手段23からパケットを受け、その受けたパケットをネットワーク40を介してホームエージェント50、監視サーバ60および経路制御装置70へ送信する。
【0061】
また、有線インターフェース24は、ネットワーク40を介してホームエージェント50および経路制御装置70からパケットを受信し、その受信したパケットを通信手段23へ出力する。
【0062】
なお、図1に示すアクセスポイント20も、図3に示すアクセスポイント10と同じ構成からなる。また、図1に示す基地局30も、図3に示すアクセスポイント10と同じ構成からなる。但し、基地局30の無線インターフェース22は、WiMAXの無線通信方式によって無線通信を行う。
【0063】
図4は、図1に示すホームエージェント50の構成図である。図4を参照して、ホームエージェント50は、有線インターフェース51と、通信手段52とを含む。
【0064】
有線インターフェース51は、ネットワーク40を介してパケットを受信し、その受信したパケットを通信手段52へ出力する。
【0065】
また、有線インターフェース51は、通信手段52からパケットを受け、その受けたパケットを送信する。
【0066】
通信手段52は、有線インターフェース51からパケットを受け、その受けたパケットの宛先が端末装置1〜6である場合、自己が管理する端末装置1〜6のホームアドレスと気付アドレスとの対応関係に基づいて、その受けたパケットの宛先を端末装置1〜6の気付アドレスによってカプセル化して有線インターフェース51へ出力する。
【0067】
また、通信手段52は、有線インターフェース51から受けたパケットの宛先が通信ネットワークシステム100以外のネットワークに属する端末装置である場合、その受けたパケットをそのまま有線インターフェース51へ出力する。
【0068】
図5は、図1に示す経路制御装置70の構成図である。図5を参照して、経路制御装置70は、有線インターフェース71と、通信手段72と、制御モジュール73とを含む。
【0069】
有線インターフェース71は、ネットワーク40を介してパケットを受信し、その受信したパケットを通信手段72へ出力する。
【0070】
また、有線インターフェース71は、通信手段72からパケットを受け、その受けたパケットを送信する。
【0071】
通信手段72は、有線インターフェース71からパケットを受け、その受けたパケットに含まれる中継経路接続要求または開放応答をパケットから取り出す。そして、通信手段72は、その取り出した中継経路接続要求または開放応答を制御モジュール73へ出力する。
【0072】
ここで、中継経路接続要求は、孤立端末がアドホックモードでアクセスポイントへ接続するための中継端末の選択を要求するものである。
【0073】
また、開放応答は、WiFiの無線インターフェースの開放を要求する開放要求を経路制御装置70から受信した端末装置が開放要求に応じることを示す応答である。
【0074】
また、通信手段72は、制御モジュール73から中継経路接続応答を受け、その受けた中継経路接続応答を含むパケットを生成する。そして、通信手段72は、その生成したパケットを有線インターフェース71へ出力する。
【0075】
更に、通信手段72は、制御モジュール73から無線インターフェースの開放要求および候補端末を受け、その受けた開放要求を含むパケットを生成する。そして、通信手段72は、その生成したパケットを有線インターフェース71を介して候補端末へ送信する。
【0076】
更に、通信手段72は、制御モジュール73から中継経路接続応答を受け、その受けた中継経路接続応答を含むパケットを生成する。そして、通信手段72は、その生成したパケットを有線インターフェース71へ出力する。
【0077】
制御モジュール73は、中継経路接続要求を通信手段72から受けると、通信手段72および有線インターフェース71を介して監視サーバ60を参照し、端末装置1〜6の負荷を取得する。
【0078】
そして、制御モジュール73は、その取得した端末装置1〜6の負荷と、中継経路接続要求に含まれる端末リストおよび通信品質とに基づいて、孤立端末を中継する中継端末の候補端末を選択する。
【0079】
そうすると、制御モジュール73は、無線インターフェースの開放要求を生成し、その生成した開放要求と、中継端末の候補端末とを通信手段72へ出力する。
【0080】
そして、制御モジュール73は、通信手段72から開放応答を受けると、中継経路接続要求に対する応答である中継経路接続応答を生成し、その生成した中継経路接続応答を通信手段72へ出力する。
【0081】
通信ネットワークシステム100における通信の動作について説明する。図1に示す通信ネットワークシステム100においては、端末装置1〜6は、通信ネットワークシステム100以外の通信ネットワークシステム(図示せず)に含まれる端末装置(図示せず)との間で通信を行なう。
【0082】
この通信ネットワークシステム100以外の通信ネットワークシステムに含まれる端末装置を通信相手ノードと言い、CN(Correspondent Node)と表記する。
【0083】
端末装置1〜6は、単一のホームアドレス(HoA:Home Address)と、気付アドレス(CoA:Care−of Address)とを有する。そして、ホームアドレスHoAおよび気付アドレスCoAは、相互に対応付けられている。
【0084】
ホームエージェント50は、通信ネットワークシステム100に含まれる端末装置1〜6の各々におけるホームアドレスHoAおよび気付アドレスCoAを相互に対応付けて管理している。
【0085】
端末装置1が端末装置CNとの間で通信を行なう場合、端末装置1は、[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]を[SRC(=端末装置のCoA)/DST(=ホームエージェント50のアドレス)]によってカプセル化して[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]]を生成する。そして、端末装置1は、[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]]を含むパケットPKT=[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]]を生成し、その生成したパケットPKTをネットワーク40を経由してホームエージェント50へ送信する。
【0086】
ホームエージェント50の通信手段52は、パケットPKT=[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]]を受信し、その受信したパケットPKT=[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]]のSRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]をデカプセル化してパケットPKT=[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]を生成する。そして、ホームエージェント50の通信手段52は、パケットPKT=[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]を端末装置CNへ送信する。
【0087】
そして、端末装置CNは、パケットPKT=[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]を受信する。
【0088】
端末装置CNが端末装置1へパケットを送信する場合、上述した方法によって、パケットが端末装置CNからホームエージェント50を経由して端末装置1へ送信される。
【0089】
このように、端末装置1と端末装置CNとの間の通信においては、端末装置1の気付アドレスがホームエージェント50と端末装置1との間の通信に用いられる。
【0090】
なお、端末装置2〜6が端末装置CNと通信を行なう際も、上述した方法によって、通信が行なわれる。
【0091】
次に、孤立端末が中継端末を介してアクセスポイント10,20に接続する方法について説明する。
【0092】
図6は、孤立端末が中継端末を介してアクセスポイント10,20に接続する方法を説明するための概念図である。また、図7は、接続処理の手順を示す図である。
【0093】
なお、端末装置1を中継端末1とし、端末装置2を孤立端末として、孤立端末が中継端末を介してアクセスポイント10に接続する方法について説明する。
【0094】
端末装置2がアクセスポイント10,20に直接接続できない場合、端末装置2の無線インターフェース15,16は、全ての周波数チャネルについてスキャンを行い、中継端末1が定期的に送信するアドホックモードのビーコンフレームBcon1を受信し、その受信したビーコンフレームBcon1を通信手段17へ出力する。そして、端末装置2の通信手段17は、ビーコンフレームBcon1に基づいて中継端末を探索する。
【0095】
中継端末1は、無線インターフェースの一つをアドホックモードで動作させる場合、この発明の実施の形態における中継端末として動作することを示すキーワードADMを含むESSIDをアドホックモードのビーコンフレームBcon1に含めてビーコンフレームBcon1を定期的に送信する。
【0096】
端末装置3も、同様にして、ビーコンフレームBcon2を定期的に送信する。
【0097】
従って、端末装置2の通信手段17は、ビーコンフレームBcon1,Bcon2に含まれるESSIDがキーワードADMを含むかを確認することによって、この発明の実施の形態における中継端末を探索できる。
【0098】
[中継端末を探索できた場合]
端末装置2の通信手段17は、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置として端末装置1,3を探索できたものとする。
【0099】
端末装置2の無線インターフェース15は、ビーコンフレームBon1,Bcon2を受信したときの受信信号強度RSSI1,RSSI2を検出し、その検出した受信信号強度RSSI1,RSSI2を通信手段17へ出力する。
【0100】
端末装置2の通信手段17は、受信信号強度RSSI1,RSSI2を受ける。そして、端末装置2の通信手段17は、受信信号強度RSSI1,RSSI2に基づいて、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置から、端末装置2の接続先の中継端末セル(セルとは、端末装置の集まりを意味する)として適切な端末装置1,3を選択する。即ち、端末装置2の通信手段17は、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置のうち、受信信号強度RSSIが大きい方の端末装置1,3を中継端末セルとして選択する。
【0101】
その後、端末装置2の通信手段17は、端末装置1,3が送信するルータ広告RAD_1,RAD_3を受信する。
【0102】
このルータ広告RAD_1は、端末装置1の送信レートrtx1、アドレスプリフィックスADPF1および有効期限VLD1を含む。また、ルータ広告RAD_3は、端末装置1の送信レートrtx3、アドレスプリフィックスADPF3および有効期限VLD3を含む。有効期限VLD1,VLD3の各々は、例えば、10秒〜30秒に設定される。つまり、有効期限VLD1,VLD3の各々は、ルータ広告の送信間隔よりも長い値(数倍以上)に設定される。
【0103】
端末装置2の通信手段17は、ルータ広告RAD_1,RAD_3に含まれる送信レートrtx1,rtx3に基づいて、送信レートがより高い端末装置1を中継端末として選択する。
【0104】
また、端末装置2の通信手段17は、ルータ広告RAD_1のアドレスプリフィックスADPF1と、端末装置2のMAC(Media Access Control)アドレスとに基づいて、気付アドレスCoA2を生成する。
【0105】
そうすると、端末装置2の通信手段17は、端末装置2のホームアドレスHoA2と気付アドレスCoA2とを含む経路構築要求を生成し、その生成した経路構築要求を無線インターフェース15によってアクセスポイント10へ送信する。
【0106】
端末装置1の無線インターフェース16は、経路構築要求を端末装置2から受信し、その受信した経路構築要求を通信手段17へ出力する。そして、端末装置1の通信手段17は、経路構築要求の宛先がアクセスポイント10であることを検知し、経路構築要求を無線インターフェース15によってアクセスポイント10へ送信する。
【0107】
このように、孤立端末である端末装置2は、中継端末(=端末装置1)を選択すると、その選択した中継端末(=端末装置1)を経由して経路構築要求をアクセスポイント10へ送信する(図7の手順1参照)。
【0108】
アクセスポイント10の通信手段23は、経路構築要求を無線インターフェース22を介して受信する。
【0109】
その後、アクセスポイント10の通信手段23は、経路構築要求に対する応答である経路構築応答を生成し、その生成した経路構築応答を端末装置1を経由して端末装置2へ送信する(図7の手順2参照)。そして、端末装置2の通信手段17は、経路構築応答を受信する。これによって、端末装置2から端末装置1を経由してアクセスポイント10までのマルチホップによる経路が構築される。
【0110】
経路構築後、端末装置2は、ホームエージェント50にホームアドレスHoA2と気付アドレスCoA2との対応付けを通知すべく、Mobile IPv6のBinding Updateメッセージをホームエージェント50へ送信する。
【0111】
ホームエージェント50は、Binding Updateメッセージを端末装置2から受信し、ホームアドレスHoA2および気付アドレスCoA2を相互に対応付けて管理する。
【0112】
その後、ホームエージェント50は、Binding Updateメッセージに対する応答であるBinding Acknowledgeメッセージを端末装置2へ送信する。そして、端末装置2は、Binding Acknowledgeメッセージを受信する。
【0113】
端末装置2がアクセスポイント10と無線通信を行う場合、端末装置1は、無線インターフェース15,16によってアクセスポイント10と端末装置2との間でパケットを中継しながら、無線インターフェース15によってインフラストラクチャモードでアクセスポイント10と無線通信を行う。
【0114】
この場合、端末装置1の無線インターフェース16は、アクセスポイント10との間の無線通信をチャネルCH1を用いて行ない、端末装置1の無線インターフェース15は、端末装置2との間の無線通信をチャネルCH2を用いて行なう。
【0115】
[中継端末を探索できない場合]
図8は、孤立端末が中継端末を介してアクセスポイント10,20に接続する他の方法を説明するための概念図である。また、図9は、接続処理の他の手順を示す図である。
【0116】
端末装置2の通信手段17は、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する中継端末を探索できない場合、端末装置2の周辺に位置する端末装置がWiFiの無線インターフェース15,16で送信するパケットをプロミスキャスモードで受信することによって、端末装置2の周辺に位置する端末装置1,3,5を検出する。
【0117】
なお、このプロミスキャスモードは、通常、受信せずに捨てられてしまうパケットを受信できるようにするモードである。
【0118】
端末装置2の無線インターフェース15,16の各々は、プロミスキャスモードでパケットを受信する場合、そのパケットを受信したときの受信信号強度RSSI1,RSSI3,RSSI5を検出し、その検出した受信信号強度RSSI1,RSSI3,RSSI5を通信手段17へ出力する。
【0119】
また、端末装置2の通信手段17は、その受信されたパケットから送信元のアドレスを検出することにより、その検出した周辺の端末装置1,3,5のアドレスAddr1,Addr3,Addr5を取得する。
【0120】
その後、端末装置2の通信手段17は、周辺の端末装置のアドレスAddr1,Addr3,Addr5と、周辺の端末装置に対応する受信信号強度RSSI1,RSSI3,RSSI5とを含む端末リストMNL=[Addr1:RSSI1/Addr3:RSSI3/Addr5:RSSI5]を生成し、その生成した端末リスMNLを含む中継経路接続要求RRE=[MNL]を生成する。
【0121】
そして、端末装置2の通信手段17は、その生成した中継経路接続要求RRE=[MNL]を含むパケットPKT1=[SRC=Addr2/DST=Addr70/RRE]を生成し、その生成したパケットPKT1=SRC=Addr2/DST=Addr70/RRE]を無線インターフェース14を介して経路制御装置70へ送信する。即ち、端末装置2は、WiMAXの通信網を用いて中継経路接続要求RRE=[MNL]を経路制御装置70へ送信する(図8の矢印ARW1、および図9の手順3参照)。
【0122】
経路制御装置70の通信手段72は、有線インターフェース71を介してパケットPKT1=SRC=Addr2/DST=Addr70/RRE]を受信し、その受信したパケットPKT1=SRC=Addr2/DST=Addr70/RRE]を通信手段72へ出力する。
【0123】
そして、経路制御装置70の通信手段72は、パケットPKT1=SRC=Addr2/DST=Addr70/RRE]のDST=Addr70に基づいて、パケットPKT1が経路制御装置70宛てであることを検知する。
【0124】
そうすると、経路制御装置70の通信手段72は、パケットPKT1から送信元SRC=Addr2および中継経路接続要求RRE=[MNL]を取り出し、その取り出した送信元SRC=Addr2および中継経路接続要求RRE=[MNL]を制御モジュール73へ出力する。
【0125】
経路制御装置70の制御モジュール73は、送信元SRC=Addr2および中継経路接続要求RRE=[MNL]を通信手段72から受けると、中継経路接続要求RRE=[MNL]から端末リストMNL=[Addr1:RSSI1/Addr3:RSSI3/Addr5:RSSI5]を取り出し、端末装置2の周辺に存在する端末装置が端末装置1,3,5であることを検知する。
【0126】
そして、経路制御装置70の制御モジュール73は、通信手段72および有線インターフェース71を介して監視サーバ60から端末装置1,3,5のトラフィック量Trf1,Trf3,Trf5を取得する。
【0127】
ここで、トラフィック量Trf1は、端末装置1の無線インターフェース15におけるトラフィック量Trf11と、端末装置1の無線インターフェース16におけるトラフィック量Trf12とからなり、トラフィック量Trf11,Trf12は、それぞれ、無線インターフェース15,16のMACアドレスMACadd15,MACadd16に対応付けられている。トラフィック量Trf3,Trf5についても同様である。
【0128】
その後、経路制御装置70の制御モジュール73は、端末装置1,3,5の受信信号強度RSSI1,RSSI3,RSSI5およびトラフィック量Trf1,Trf3,Trf5に基づいて、良い通信品質を提供可能な複数の端末装置1,3を中継端末の候補端末として選択する。つまり、経路制御装置70の制御モジュール73は、受信信号強度が基準値以上であり、かつ、トラフィック量が基準値以下である端末装置1,3を中継端末の候補端末として選択する。
【0129】
そうすると、経路制御装置70の制御モジュール73は、WiFiの無線インターフェースの開放を要求する開放要求DEMO1,DEMO3を生成し、その生成した開放要求DEMO1,DEMO3をアクセスポイント10を介してそれぞれ端末装置1,3へ送信する(図8の矢印ARW2、および図9の手順4,6参照)。
【0130】
この場合、開放要求DEMO1は、端末装置1の開放すべき無線インターフェース16を指定する情報を含み、開放要求DEMO2は、端末装置3の開放すべき無線インターフェース15を指定する情報を含む。
【0131】
上述したように、トラフィック量Trf11,Trf12;Trf31,Trf32;Trf51,Trf52は、端末装置1,3,5の無線インターフェース15,16に対応付けられているので、制御モジュール73は、複数の端末装置1,3を選択する際、端末装置1,3の無線インターフェース(無線インターフェース15,16のいずれか)を指定して複数の端末装置1,3を選択できる。
【0132】
従って、制御モジュール73は、開放すべき無線インターフェースを指定する情報を含む開放要求DEMO1,DEMO3を生成できる。
【0133】
端末装置1の通信手段17は、無線インターフェース16を介して開放要求DEMO1を受信し、その受信した開放要求DEMO1に応じて、無線インターフェース16の開放を承諾したことを示す開放応答REPO1を生成し、その生成した開放応答REPO1をアクセスポイント10を介して経路制御装置70へ送信する(図8の矢印ARW3、および図9の手順5参照)。その後、端末装置1の無線インターフェース16は、アクセスポイント10との接続を切断され、アドホックモードでの中継用に開放される。
【0134】
また、端末装置3の通信手段17は、無線インターフェース15を介して開放要求DEMO3を受信し、その受信した開放要求DEMO3に応じて、無線インターフェース15の開放を承諾したことを示す開放応答REPO3を生成し、その生成した開放応答REPO3をアクセスポイント10を介して経路制御装置70へ送信する(図8の矢印ARW4、および図9の手順7参照)。その後、端末装置3の無線インターフェース15は、アクセスポイント10との接続を切断され、アドホックモードでの中継用に開放される。
【0135】
経路制御装置70の制御モジュール73は、選択した端末装置1,3の全てから開放応答REPO1,REPO3を受信すると、中継端末の候補端末である端末装置1,3のアドレスを含む中継経路接続応答RRP=[MACadd1/MACadd3]を生成し、その生成した中継経路接続応答RRP=[MACadd1/MACadd3]を基地局30を介して端末装置2へ送信する(図8の矢印ARW5、および図9の手順8参照)。
【0136】
端末装置2の通信手段17は、中継経路接続応答RRP=[MACadd1/MACadd3]を無線インターフェース14を介して受信する。そして、端末装置2の通信手段17は、中継経路接続応答RRP=[MACadd1/MACadd3]のMACadd1/MACadd3を参照して、端末装置1,3が中継端末の候補端末であることを検知する。
【0137】
その後、端末装置2の無線インターフェース15は、アクセスポイント10内の端末装置1,3が送信するルータ広告RAD_1,RAD_3を受信する。
【0138】
これ以降、端末装置2は、上述した「中継端末を探索できた場合」の方法と同じ方法によって、端末装置1を介したマルチホップの経路によってアクセスポイント10に接続する。
【0139】
そして、端末装置2がアクセスポイント10と無線通信を行う場合、端末装置1は、無線インターフェース15,16によってアクセスポイント10と端末装置2との間でパケットを中継する。
【0140】
この場合、端末装置1の無線インターフェース15は、アクセスポイント10との間の無線通信をチャネルCH1を用いて行ない、端末装置1の無線インターフェース16は、端末装置2との間の無線通信をチャネルCH2を用いて行なう。
【0141】
一方、端末装置3の無線インターフェース15は、アドホックモードでの中継用に開放された後、一定時間(=例えば、10秒)を待っても端末装置2(=孤立端末)が接続してこない場合、インフラストラクチャモードに戻り、アクセスポイント10に再接続する。
【0142】
図9においては、端末装置1,3が中継端末の候補端末である場合について説明したが、中継端末の候補端末は、一般的には、n(nは2以上の整数)個の端末装置からなる。この場合、n個の端末装置の各々と経路制御装置70との間で中継インターフェースの開放要求、および中継インターフェースの開放応答が送受信される。
【0143】
中継端末である端末装置1は、端末装置1の移動または端末装置1のユーザの操作によってアクセスポイント10側へのリンクが切断された場合、以下の処理を行ない、下位の端末装置2に提供していた中継経路を切断して中継機能を停止する。
【0144】
なお、上記においては、経路制御装置70の制御モジュール73は、端末装置2(=孤立端末)が検出した周辺の端末装置1,3,5の中から中継端末の候補端末を選択すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、経路制御装置70の制御モジュール73は、通信ネットワークシステム100における端末装置1〜6のトポロジー(監視サーバ60から取得される)を参照して、端末装置2(=孤立端末)の中継に適した端末装置を選択し、その選択した端末装置と、端末装置2(=孤立端末)が検出した周辺の端末装置1,3,5とから、中継端末の候補端末を選択するようにしてもよい。
【0145】
図10は、中継経路を切断するときの概念図である。端末装置1の通信手段17は、ダウンリンクのパケットをアクセスポイント10から受信できないことを確認することによって、アクセスポイント10側のリンクが切断されたことを検知する。
【0146】
そして、端末装置1の通信手段17は、有効期限を“0”に設定したルータ広告RAD_1=[有効期限=0]を生成し、その生成したルータ広告RAD_1を端末装置2へ送信する。
【0147】
端末装置2の通信手段17は、ルータ広告RAD_1=[有効期限=0]を受信し、その受信したルータ広告RAD_1=[有効期限=0]の有効期限=0を参照して、端末装置1−アクセスポイント10間のリンクが切断されたことを検知する。
【0148】
そして、端末装置2の通信手段17は、アクセスポイントの探索を開始する。アクセスポイントを発見できない場合、端末装置2は、上述した「中継端末を探索できた場合」の方法または「中継端末を探索できない場合」の方法に従って、アドホックモードでアクセスポイントに接続する。
【0149】
図11は、2台の中継端末が中継する場合の概念図である。図11を参照して、端末装置1は、アクセスポイント10と端末装置3との間で無線通信を中継し、端末装置3は、端末装置1と端末装置2(=孤立端末)との間で無線通信を中継する。
【0150】
図11に示す中継の態様は、端末装置3が孤立端末として、上述した方法によって、端末装置1を介してアクセスポイント10へ接続し、その後、端末装置2(=孤立端末)が上述した方法によって端末装置3を介してアクセスポイント10へ接続することによって実現される。
【0151】
図11に示すマルチホップによる無線通信においては、端末装置1は、アクセスポイント10との間の無線通信をチャネルCH1を用いて行ない、端末装置3との間の無線通信をチャネルCH2を用いて行なう。また、端末装置3は、端末装置1との間の無線通信をチャネルCH2を用いて行ない、端末装置2(=孤立端末)との間の無線通信をチャネルCH2を用いて行なう。
【0152】
このように、この発明の実施の形態においては、アクセスポイント10に直接接続する端末装置1は、アクセスポイント10との間の無線通信に用いるチャネルCH1と異なるチャネルCH2を用いて下位の端末装置3との間で無線通信を行なう。これは、スループットを向上させるためである。
【0153】
なお、端末装置1,3の各々は、無線通信を中継するのみではなく、無線通信を中継しながら自己で発生したパケットをアクセスポイント10との間で送受信する場合もある。
【0154】
また、この発明の実施の形態においては、中継端末は、2台に限らず、3台以上であってもよい。
【0155】
図12は、端末装置1〜6が取り得る状態の遷移図である。なお、図12は、各端末装置1〜6が2個のWiFiの無線インターフェース15,16を備えている場合の状態の遷移図である。
【0156】
一方の無線インターフェース15をアクセスポイントAPに直接接続し、かつ、他方の無線インターフェース16でアクセスポイントAPを探索している状態ST1からアクセスポイントAPを発見すると、2つの無線インターフェース15,16がアクセスポイントAPに直接接続された状態ST2へ遷移する。
【0157】
そして、状態ST2において、1個の無線インターフェースとアクセスポイントAPとのリンクが切断されると、状態ST1へ遷移する。
【0158】
また、状態ST2において、中継が依頼されると、一方の無線インターフェース14をアクセスポイントAPに直接接続したまま、他方の無線インターフェース16を中継用に開放した状態ST3へ遷移する。
【0159】
そして、状態ST3において、孤立端末が接続していない場合、アクセスポイントAPが発見されると、中継機能を停止して状態ST2へ遷移する。
【0160】
更に、状態ST1において、アクセスポイントAPの発見が失敗した場合、または中継が依頼された場合、状態ST3へ遷移する。
【0161】
更に、状態ST3において、アクセスポイントAPへの接続が切断され、中継が切断されると、アクセスポイントAPに接続されておらず、アクセスポイントAPを探索する状態ST4へ遷移する。
【0162】
そして、状態ST4において、アクセスポイントAPが発見されると、状態ST1へ遷移する。
【0163】
また、状態ST1において、アクセスポイントAPとの接続が切断されると、状態ST4へ遷移する。
【0164】
更に、状態ST4において、アクセスポイントAPの発見に失敗すると、アクセスポイントAPに接続されておらず、中継端末を探索している状態ST5へ遷移する。
【0165】
そして、状態ST5において、中継端末が発生されると、1つの無線インターフェースを中継によってアクセスポイントAPに接続し、アクセスポイントAPを探索している状態ST6へ遷移する。
【0166】
状態ST6において、中継が切断されると、状態ST4へ遷移する。また、状態ST6において、アクセスポイントAPが発見され、中継が切断されると、状態ST1へ遷移する。
【0167】
また、状態ST5において、中継端末の発見に失敗した場合、近隣端末を探索する状態ST7へ遷移する。
【0168】
状態ST7において、中継を依頼すると、状態ST5へ遷移する。
【0169】
なお、状態ST5,ST7が孤立端末になった状態である。
【0170】
図12においては、端末装置1〜6の各々が2個のWiFiの無線インターフェースを備える場合の状態遷移について説明したが、端末装置1〜6の各々が3個以上のWiFiの無線インターフェースを備える場合、図12に示す状態ST1〜ST7よりも多くの状態が存在するが、その場合の状態遷移は、図12に示す状態遷移と同様にして考えられる。
【0171】
上述したように、この発明の実施の形態によれば、端末装置1〜6の各々は、孤立端末、中継端末および通常端末のいずれかとして動作する。そして、端末装置1〜6の各々は、孤立端末である場合、WiFiのアドホックモードによってアクセスポイント10またはアクセスポイント20に接続し、WiFiの無線通信方式によってアクセスポイント10またはアクセスポイント20と無線通信を行なう。
【0172】
その結果、孤立端末は、通信帯域がWiMAXよりも広いWiFiの無線通信方式によってアクセスポイント10またはアクセスポイント20と無線通信を行なう。
【0173】
従って、この発明によれば、通信ネットワークシステム100のスループットを向上できる。
【0174】
上記においては、通信ネットワークシステム100は、通信範囲および通信帯域が異なる複数の無線通信方式としてWiMAXおよびWiFiを採用すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、通信ネットワークシステム100は、通信範囲REG1および通信帯域BW1を有する第1の無線通信方式と、通信範囲REG1よりも狭い通信範囲REG2と通信帯域BW1よりも広い通信帯域BW2とを有する第2の無線通信方式とを採用し、孤立端末を第2の無線通信方式によって無線通信を行なうアクセスポイントに接続するものであればよい。
【0175】
より広い通信帯域を持った無線通信方式によって無線通信を行なう端末装置が孤立端末になった場合に、その孤立端末をアドホックモードでアクセスポイントに接続することによって、通信ネットワークシステム100全体のスループットを向上できるからである。
【0176】
また、上記においては、端末装置2(=孤立端末)は、端末装置1,3から送信されるルータ広告RAD_1,RAD_3に含まれる端末装置1,3の送信レートに基づいて中継端末を選択すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、端末装置2(=孤立端末)は、端末装置1,3から送信されるルータ広告RAD_1,RAD_3を受信したときの受信信号強度に基づいて、受信信号強度が大きい方の端末装置を中継端末として選択してもよく、一般的には、端末装置2と端末装置1,3との間の通信品質に基づいて、通信品質がより高い端末装置を中継端末として選択すればよい。
【0177】
更に、上記においては、経路制御装置70は、端末装置1,3,5の受信信号強度RSSI1,RSSI3,RSSI5および端末装置1,3,5のトラフィック量Trf1,Trf3,Trf5に基づいて、良い通信品質を提供できる端末装置1,3を中継端末の候補端末として端末装置1,3,5から選択すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、経路制御装置70は、端末装置1,2,3,5のトポロジー(監視サーバ60から取得される)を参照して、アクセスする端末数が少ないアクセスポイントに接続している端末装置を中継端末の候補端末として端末装置1,3,5から選択してもよく、一般的には、何らの方法によって、端末装置1,3,5から中継端末の候補端末を選択すればよい。
【0178】
なお、この発明の実施の形態においては、上述した方法によって無線インターフェース15を端末装置1(=中継端末)を介してアクセスポイント10に接続する端末装置2の通信手段17は、「接続手段」を構成する。
【0179】
また、この発明の実施の形態においては、上述した「中継端末を探索できない場合」において、端末装置2(=孤立端末)からの経路構築要求に応じて、経路構築応答を端末装置2(=孤立端末)へ送信して端末装置2(=孤立端末)との間で経路を構築する端末装置1の通信手段17は、「経路構築手段」を構成する。
【0180】
更に、この発明の実施の形態においては、ビーコンフレームBcon1,Bcon2の各々は、「制御フレーム」を構成する。
【0181】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0182】
この発明は、ネットワーク全体のスループットを向上可能な端末装置に適用される。また、この発明は、ネットワーク全体のスループットを向上可能な端末装置を備えた通信ネットワークシステムに適用される。
【符号の説明】
【0183】
1〜6 端末装置、10,20 アクセスポイント、11〜13,21 アンテナ、14〜16,22 無線インターフェース、17,23,52,72 通信手段、18 アプリケーションモジュール、24,51,71 有線インターフェース、30 基地局、40 ネットワーク、50 ホームエージェント、60 監視サーバ、70 経路制御装置、73 制御モジュール、100 通信ネットワークシステム、
【技術分野】
【0001】
この発明は、孤立端末の救済が可能な端末装置およびそれを備えた通信ネットワークシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
WiFiおよびWiMAX等の様々な無線通信インフラの整備に伴い、複数の無線インターフェースを搭載した端末の普及が進んでいる。そのような端末では、使用用途および無線環境に合わせて使用する無線通信インフラを切り替えるのが一般的である。
【0003】
そのような端末がより良い通信環境を利用するための技術として、セルラネットワーク等の広域無線サービスや、WiFiのアクセスポイントのカバレッジを擬似的に拡大してスループットを向上させるためにWiFiを備えた中継端末を利用したマルチホップ経路を構築する方式が提案されている(非特許文献1)。
【0004】
非特許文献1において提案された方式では、中継端末は、1個の第3世代のインターフェースと、1個のWiFiのインターフェースとを備える。そして、中継端末は、第3世代のインターフェースでセルラネットワークに接続し、WiFiのインターフェースを近隣の端末へ中継機能を提供するために使用する。中継端末が第3世代のインターフェースとWiFiのインターフェースとの間でパケットを中継することにより、セルラネットワークのデッドスポットとなっている地域を削減することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Hung-yu Wei, Richard D. Gitlin, WWAN/WLAN Two-Hop-Relay Architecture for Capacity Enhancement, WCNC04.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、非特許文献1において提案された方式では、セルラネットワークよりも通信帯域が広いWiFiで孤立端末を救済するため、ネットワーク全体のスループットがセルラーネットワークの帯域で頭打ちとなり、WiFiの広い通信帯域を生かせないいう問題がある。
【0007】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ネットワーク全体のスループットを向上可能な端末装置を提供することである。
【0008】
また、この発明の別の目的は、ネットワーク全体のスループットを向上可能な端末装置を備えた通信ネットワークシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明によれば、端末装置は、第1および第2の無線インターフェースと、接続手段とを備える。第1の無線インターフェースは、第1の通信範囲および第1の通信帯域を有し、第1の無線通信方式に従って無線通信を行なう。第2の無線インターフェースは、第1の通信範囲よりも狭い第2の通信範囲と第1の通信帯域よりも広い第2の通信帯域とを有し、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう。接続手段は、第2の無線インターフェースを第2の無線通信方式に従って無線通信を行なうアクセスポイントに直接接続できない場合、中継端末を介して第2の無線インターフェースをアクセスポイントに接続する。
【0010】
好ましくは、接続手段は、第2の無線通信方式に従ってアドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置から送信される制御フレームに基づいて、第2の無線通信方式に従ってアドホックモードで動作する無線インターフェースを有する複数の端末装置から当該端末装置との間の通信品質がより高い端末装置を中継端末として選択し、その選択した中継端末を介して第2の無線インターフェースをアクセスポイントに接続する。
【0011】
好ましくは、接続手段は、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう端末装置から送信される制御フレームに基づいて、第2の無線通信方式に従ってアドホックモードで動作する無線インターフェースを有する中継端末を検出できない場合、受信せずに捨てられるパケットを受信できるようにするモードにおいてパケットを受信することによって当該端末装置の周辺に存在する複数の端末装置を検出し、その検出した複数の端末装置を含む中継経路接続要求をアクセスポイントが接続されたネットワーク上に配置された経路制御装置へ第1の無線インターフェースを介して送信し、中継端末の候補端末である複数の候補端末を含み、かつ、中継経路の接続を許可するための中継経路接続応答を経路制御装置から第1の無線インターフェースを介して受信すると、当該端末装置と複数の候補端末との間の通信品質に基づいて通信品質がより高い候補端末を中継端末として複数の候補端末から選択し、その選択した中継端末を介して第2の無線インターフェースをアクセスポイントに接続する。
【0012】
好ましくは、複数の候補端末は、接続手段によって検出された複数の端末装置から選択された端末装置からなり、または接続手段によって検出された複数の端末装置と、経路制御装置によって検出された端末装置との中から選択された端末装置からなる。
【0013】
また、この発明によれば、端末装置は、第1および第2の無線インターフェースと、経路構築手段とを備える。第1の無線インターフェースは、第1の通信範囲および第1の通信帯域を有し、第1の無線通信方式に従って無線通信を行なう。第2の無線インターフェースは、第1の通信範囲よりも狭い第2の通信範囲と第1の通信帯域よりも広い第2の通信帯域とを有するとともに、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なうアクセスポイントと第2の無線通信方式に従ってインフラストラクチャモードで無線通信を行なう。経路構築手段は、アクセスポイントが接続されたネットワーク上に配置された経路制御装置から第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう無線インターフェースの開放要求を第2の無線インターフェースを介して受信すると、第2の無線インターフェースを中継用の無線インターフェースとして開放するとともに、その開放した第2の無線インターフェースを介して孤立端末との間で経路を構築する。
【0014】
好ましくは、経路構築手段は、第2の無線インターフェースを開放した後、一定時間が経過しても孤立端末から経路構築要求を受信しないとき、第2の無線インターフェースをインフラストラクチャモードでアクセスポイントに再接続する。
【0015】
更に、この発明によれば、通信ネットワークシステムは、基地局と、複数のアクセスポイントと、複数の端末装置と、経路制御装置と、孤立端末とを備える。基地局は、ネットワークに接続されるとともに、第1の通信範囲および第1の通信帯域を有し、第1の無線通信方式に従って無線通信を行なう。複数のアクセスポイントは、ネットワークに接続されるとともに、第1の通信範囲よりも狭い第2の通信範囲と第1の通信帯域よりも広い第2の通信帯域とを有し、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう。複数の端末装置は、基地局およびアクセスポイントと無線通信を行なう。経路制御装置は、ネットワークを介して基地局および複数のアクセスポイントと通信を行なう。孤立端末は、基地局に直接アクセスでき、かつ、複数のアクセスポイントのいずれにも直接接続できない端末装置である。そして、孤立端末は、複数の端末装置のうち、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出した場合、端末装置から選択した中継端末を介してアクセスポイントに接続し、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出できない場合、自己の周辺に存在する複数の周辺端末装置を検出し、その検出した複数の周辺端末装置を含む中継経路接続要求を基地局を介して経路制御装置へ送信し、中継端末の候補端末である複数の候補端末を含み、かつ、中継経路の接続を許可するための中継経路接続応答を経路制御装置から基地局を介して受信すると、自己と複数の候補端末との間の通信品質に基づいて通信品質がより高い候補端末を中継端末として複数の候補端末から選択し、その選択した中継端末を介してアクセスポイントに接続する。また、経路制御装置は、中継経路接続要求に応じて、複数の周辺端末装置から複数の候補端末を選択し、その選択した複数の候補端末へ第2の無線通信方式によって無線通信を行なう無線インターフェースの開放要求を送信し、複数の候補端末から無線インターフェースを開放したことを示す開放応答を受信すると、中継経路接続応答を基地局を介して孤立端末へ送信する。更に、複数の候補端末の各々は、開放要求に応じて無線インターフェースを開放するとともに、その開放した無線インターフェースを介して孤立端末との間で経路を構築する。
【0016】
好ましくは、経路制御装置は、中継経路接続要求に応じて、複数の端末装置のトポロジーを参照して、中継端末に適した端末装置を複数の端末装置から選択し、その選択した端末装置と、複数の周辺端末装置との中から複数の候補端末を選択する。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、端末装置は、より広い通信帯域で無線通信を行なう第2の無線インターフェースによってアクセスポイントに直接接続できない場合、中継端末を介して第2の無線インターフェースをアクセスポイントに接続する。その結果、孤立端末であった端末装置は、より広い通信帯域を用いて通信を行なう。
【0018】
従って、通信ネットワークシステム全体のスループットを向上できる。
【0019】
また、この発明によれば、端末装置は、ネットワーク上に配置された経路制御装置からの開放要求に応じて、より広い通信帯域で無線通信を行なう第2の無線インターフェースを開放し、その開放した第2の無線インターフェースを介して孤立端末との間で経路を構築する。その結果、孤立端末であった端末装置は、より広い通信帯域を用いて通信を行なう。
【0020】
従って、通信ネットワークシステム全体のスループットを向上できる。
【0021】
更に、この発明によれば、通信ネットワークシステムは、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出した場合、中継端末を介して第1のアクセスポイントへアクセスし、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出できない場合、中継端末の候補端末である複数の候補端末を経路制御装置から受け、その受けた複数の候補端末から中継端末を選択し、その選択した中継端末を介して第1のアクセスポイントにアクセスする孤立端末と、複数の候補端末を選択する経路制御装置とを備える。その結果、孤立端末であった端末装置は、より広い通信帯域を用いて通信を行なう。
【0022】
従って、通信ネットワークシステム全体のスループットを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の実施の形態による通信ネットワークシステムの構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す端末装置1の構成図である。
【図3】図1に示すアクセスポイントの構成図である。
【図4】図1に示すホームエージェントの構成図である。
【図5】図1に示す経路制御装置の構成図である。
【図6】孤立端末が中継端末を介してアクセスポイントに接続する方法を説明するための概念図である。
【図7】接続処理の手順を示す図である。
【図8】孤立端末が中継端末を介してアクセスポイントに接続する他の方法を説明するための概念図である。
【図9】接続処理の他の手順を示す図である。
【図10】中継経路を切断するときの概念図である。
【図11】2台の中継端末が中継する場合の概念図である。
【図12】端末装置が取り得る状態の遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0025】
図1は、この発明の実施の形態による通信ネットワークシステムの構成を示す概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による通信ネットワークシステム100は、端末装置1〜6と、アクセスポイント10,20と、基地局30と、ネットワーク40と、ホームエージェント50と、監視サーバ60と、経路制御装置70とを備える。
【0026】
端末装置1〜6は、無線通信空間に配置される。そして、端末装置1〜6の各々は、広域無線サービス(例えば、WiMAX)の1個の無線インターフェースと、WiFiの2個の無線インターフェースとを少なくとも備え、その備えた無線インターフェースによってアクセスポイント10,20および/または基地局30にアクセスする。
【0027】
そして、端末装置1〜6の各々は、後述するように、孤立端末、中継端末および通常端末のいずれかとして機能する。
【0028】
この発明の実施の形態においては、孤立端末とは、WiMAXの基地局に直接アクセスでき、かつ、直接接続可能なアクセスポイントが存在せず、中継経路を通じてのみ、WiFiサービスを利用可能な端末を言う。
【0029】
また、中継端末とは、複数のWiFiのインターフェースを持ち、そのうちのいくつかのインターフェースで中継局としてアドホックモードで孤立端末に中継経路を提供する端末を言う。
【0030】
更に、通常端末とは、複数のWiFiのインターフェースで複数のアクセスポイントと直接リンクを構築し、かつ、中継を行っていない端末を言う。
【0031】
アクセスポイント10,20の各々は、ネットワーク40に接続される。そして、アクセスポイント10,20の各々は、WiFiの無線通信方式によって端末装置1〜6と無線通信を行う。
【0032】
また、アクセスポイント10,20の各々は、自己にアクセスする端末装置のリストである端末リストを定期的に作成し、その作成した端末リストをネットワーク40を介して監視サーバ60へ送信する。
【0033】
更に、アクセスポイント10,20の各々は、端末装置1〜6から受信するパケットの量であるトラフィック量を定期的に計測し、その計測したトラフィック量をネットワーク40を介して監視サーバ60へ送信する。
【0034】
更に、アクセスポイント10,20の各々は、ネットワーク40を介してホームエージェント50および経路制御装置70と通信を行う。
【0035】
更に、アクセスポイント10,20の各々は、無線通信によってビーコンフレームを定期的に送信する。
【0036】
基地局30は、ネットワーク40に接続される。そして、基地局30は、例えば、WiMAXの無線通信方式によって端末装置1〜6と無線通信を行う。
【0037】
また、基地局30は、ネットワーク40を介してホームエージェント50および経路制御装置70と通信を行う。
【0038】
ホームエージェント50は、端末装置1〜6のいずれかと、通信ネットワークシステム100以外のネットワークシステムに存在する通信相手の端末装置との間の通信を中継する。
【0039】
監視サーバ60は、アクセスポイント10,20から受信した端末リストに基づいて、端末装置1〜6およびアクセスポイント10,20の接続状態を示すトポロジーを作成し、その作成したトポロジーを管理する。
【0040】
また、監視サーバ60は、アクセスポイント10,20から受信したトラフィック量およびトポロジーに基づいて、端末装置1〜6の負荷を把握し、その把握した負荷を管理する。
【0041】
経路制御装置70は、端末装置1〜6のいずれかが孤立端末であるとき、その孤立端末から基地局30を介して中継経路接続要求を受信すると、後述する方法によって、孤立端末をアクセスポイント10,20に接続するための処理を行う。
【0042】
WiMAXは、通信範囲REG1を有し、通信帯域BW1を有する。一方、WiFiは、通信範囲REG1よりも狭い通信範囲REG2を有し、通信帯域BW1よりも広い通信帯域BW2を有する。
【0043】
従って、通信ネットワークシステム100は、通信範囲および通信帯域が異なる複数の無線通信方式が混在したネットワークからなる。
【0044】
図2は、図1に示す端末装置1の構成図である。図2を参照して、端末装置1は、アンテナ11〜13と、無線インターフェース14〜16と、通信手段17と、アプリケーションモジュール18とを含む。
【0045】
アンテナ11〜13は、それぞれ、無線インターフェース14〜16に対応して設けられる。
【0046】
無線インターフェース14は、WiMAXの無線通信方式によって無線通信を行う。そして、無線インターフェース14は、基地局30にアクセスし、基地局30との間でパケットを送受信する。
【0047】
即ち、無線インターフェース14は、通信手段17から受けたパケットをアンテナ11を介して基地局30へ送信する。また、無線インターフェース14は、アンテナ11を介してパケットを基地局30から受信し、その受信したパケットを通信手段17へ出力する。
【0048】
無線インターフェース15,16の各々は、WiFiの無線通信方式によって無線通信を行う。そして、無線インターフェース15,16の各々は、インフラストラクチャモードでアクセスポイント10,20にアクセスし、アクセスポイント10,20との間でパケットを送受信する。
【0049】
即ち、無線インターフェース15,16は、通信手段17から受けたパケットをそれぞれアンテナ12,13を介してアクセスポイント10,20へ送信する。また、無線インターフェース15,16は、それぞれアンテナ12,13を介してアクセスポイント10,20からパケットを受信し、その受信したパケットを通信手段17へ出力する。
【0050】
無線インターフェース15,16の各々は、アドホックモードでも動作し、他の端末装置を介してアクセスポイント10,20にアクセスするとともに、他の端末装置とアクセスポイント10,20との間でパケットを中継する。
【0051】
通信手段17は、アプリケーションモジュール18からパケットを受け、その受けたパケットを無線インターフェース14〜16のいずれかを用いて送信する。
【0052】
また、通信手段17は、無線インターフェース14〜16からパケットを受ける。そして、通信手段17は、その受けたパケットの宛先が端末装置1である場合、その受けたパケットをアプリケーションモジュール18へ出力する。一方、通信手段17は、その受けたパケットの宛先が端末装置1でないとき、無線インターフェース15,16のいずれかを用いて中継する。
【0053】
更に、通信手段17は、端末装置1が孤立端末であるとき、後述する方法によって、アドホックモードで端末装置1をアクセスポイント10,20に接続するための処理を行う。
【0054】
更に、通信手段17は、端末装置1が中継端末であるとき、後述する方法によって、アドホックモードで他の端末装置をアクセスポイント10,20に接続するための処理を行う。
【0055】
アプリケーションモジュール18は、パケットを生成して通信手段17へ出力するとともに、通信手段17からパケットを受ける。
【0056】
なお、図1に示す端末装置2〜6の各々も、図2に示す端末装置1と同じ構成からなる。
【0057】
図3は、図1に示すアクセスポイント10の構成図である。図3を参照して、アクセスポイント10は、アンテナ21と、無線インターフェース22と、通信手段23と、有線インターフェース24とを含む。
【0058】
無線インターフェース22は、WiFiの無線通信方式によって無線通信を行う。そして、無線インターフェース22は、通信手段23からパケットを受け、その受けたパケットをアンテナ21を介して送信する。また、無線インターフェース22は、アンテナ21を介してパケットを受信し、その受信したパケットを通信手段23へ出力する。
【0059】
通信手段23は、無線インターフェース22からパケットを受け、その受けたパケットを有線インターフェース24へ出力する。また、通信手段23は、有線インターフェース24からパケットを受け、その受けたパケットを無線インターフェース22へ出力する。
【0060】
有線インターフェース24は、通信手段23からパケットを受け、その受けたパケットをネットワーク40を介してホームエージェント50、監視サーバ60および経路制御装置70へ送信する。
【0061】
また、有線インターフェース24は、ネットワーク40を介してホームエージェント50および経路制御装置70からパケットを受信し、その受信したパケットを通信手段23へ出力する。
【0062】
なお、図1に示すアクセスポイント20も、図3に示すアクセスポイント10と同じ構成からなる。また、図1に示す基地局30も、図3に示すアクセスポイント10と同じ構成からなる。但し、基地局30の無線インターフェース22は、WiMAXの無線通信方式によって無線通信を行う。
【0063】
図4は、図1に示すホームエージェント50の構成図である。図4を参照して、ホームエージェント50は、有線インターフェース51と、通信手段52とを含む。
【0064】
有線インターフェース51は、ネットワーク40を介してパケットを受信し、その受信したパケットを通信手段52へ出力する。
【0065】
また、有線インターフェース51は、通信手段52からパケットを受け、その受けたパケットを送信する。
【0066】
通信手段52は、有線インターフェース51からパケットを受け、その受けたパケットの宛先が端末装置1〜6である場合、自己が管理する端末装置1〜6のホームアドレスと気付アドレスとの対応関係に基づいて、その受けたパケットの宛先を端末装置1〜6の気付アドレスによってカプセル化して有線インターフェース51へ出力する。
【0067】
また、通信手段52は、有線インターフェース51から受けたパケットの宛先が通信ネットワークシステム100以外のネットワークに属する端末装置である場合、その受けたパケットをそのまま有線インターフェース51へ出力する。
【0068】
図5は、図1に示す経路制御装置70の構成図である。図5を参照して、経路制御装置70は、有線インターフェース71と、通信手段72と、制御モジュール73とを含む。
【0069】
有線インターフェース71は、ネットワーク40を介してパケットを受信し、その受信したパケットを通信手段72へ出力する。
【0070】
また、有線インターフェース71は、通信手段72からパケットを受け、その受けたパケットを送信する。
【0071】
通信手段72は、有線インターフェース71からパケットを受け、その受けたパケットに含まれる中継経路接続要求または開放応答をパケットから取り出す。そして、通信手段72は、その取り出した中継経路接続要求または開放応答を制御モジュール73へ出力する。
【0072】
ここで、中継経路接続要求は、孤立端末がアドホックモードでアクセスポイントへ接続するための中継端末の選択を要求するものである。
【0073】
また、開放応答は、WiFiの無線インターフェースの開放を要求する開放要求を経路制御装置70から受信した端末装置が開放要求に応じることを示す応答である。
【0074】
また、通信手段72は、制御モジュール73から中継経路接続応答を受け、その受けた中継経路接続応答を含むパケットを生成する。そして、通信手段72は、その生成したパケットを有線インターフェース71へ出力する。
【0075】
更に、通信手段72は、制御モジュール73から無線インターフェースの開放要求および候補端末を受け、その受けた開放要求を含むパケットを生成する。そして、通信手段72は、その生成したパケットを有線インターフェース71を介して候補端末へ送信する。
【0076】
更に、通信手段72は、制御モジュール73から中継経路接続応答を受け、その受けた中継経路接続応答を含むパケットを生成する。そして、通信手段72は、その生成したパケットを有線インターフェース71へ出力する。
【0077】
制御モジュール73は、中継経路接続要求を通信手段72から受けると、通信手段72および有線インターフェース71を介して監視サーバ60を参照し、端末装置1〜6の負荷を取得する。
【0078】
そして、制御モジュール73は、その取得した端末装置1〜6の負荷と、中継経路接続要求に含まれる端末リストおよび通信品質とに基づいて、孤立端末を中継する中継端末の候補端末を選択する。
【0079】
そうすると、制御モジュール73は、無線インターフェースの開放要求を生成し、その生成した開放要求と、中継端末の候補端末とを通信手段72へ出力する。
【0080】
そして、制御モジュール73は、通信手段72から開放応答を受けると、中継経路接続要求に対する応答である中継経路接続応答を生成し、その生成した中継経路接続応答を通信手段72へ出力する。
【0081】
通信ネットワークシステム100における通信の動作について説明する。図1に示す通信ネットワークシステム100においては、端末装置1〜6は、通信ネットワークシステム100以外の通信ネットワークシステム(図示せず)に含まれる端末装置(図示せず)との間で通信を行なう。
【0082】
この通信ネットワークシステム100以外の通信ネットワークシステムに含まれる端末装置を通信相手ノードと言い、CN(Correspondent Node)と表記する。
【0083】
端末装置1〜6は、単一のホームアドレス(HoA:Home Address)と、気付アドレス(CoA:Care−of Address)とを有する。そして、ホームアドレスHoAおよび気付アドレスCoAは、相互に対応付けられている。
【0084】
ホームエージェント50は、通信ネットワークシステム100に含まれる端末装置1〜6の各々におけるホームアドレスHoAおよび気付アドレスCoAを相互に対応付けて管理している。
【0085】
端末装置1が端末装置CNとの間で通信を行なう場合、端末装置1は、[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]を[SRC(=端末装置のCoA)/DST(=ホームエージェント50のアドレス)]によってカプセル化して[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]]を生成する。そして、端末装置1は、[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]]を含むパケットPKT=[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]]を生成し、その生成したパケットPKTをネットワーク40を経由してホームエージェント50へ送信する。
【0086】
ホームエージェント50の通信手段52は、パケットPKT=[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]]を受信し、その受信したパケットPKT=[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]]のSRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]をデカプセル化してパケットPKT=[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]を生成する。そして、ホームエージェント50の通信手段52は、パケットPKT=[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]を端末装置CNへ送信する。
【0087】
そして、端末装置CNは、パケットPKT=[SRC(=端末装置1のHoA)/DST(=端末装置CNのアドレス)]を受信する。
【0088】
端末装置CNが端末装置1へパケットを送信する場合、上述した方法によって、パケットが端末装置CNからホームエージェント50を経由して端末装置1へ送信される。
【0089】
このように、端末装置1と端末装置CNとの間の通信においては、端末装置1の気付アドレスがホームエージェント50と端末装置1との間の通信に用いられる。
【0090】
なお、端末装置2〜6が端末装置CNと通信を行なう際も、上述した方法によって、通信が行なわれる。
【0091】
次に、孤立端末が中継端末を介してアクセスポイント10,20に接続する方法について説明する。
【0092】
図6は、孤立端末が中継端末を介してアクセスポイント10,20に接続する方法を説明するための概念図である。また、図7は、接続処理の手順を示す図である。
【0093】
なお、端末装置1を中継端末1とし、端末装置2を孤立端末として、孤立端末が中継端末を介してアクセスポイント10に接続する方法について説明する。
【0094】
端末装置2がアクセスポイント10,20に直接接続できない場合、端末装置2の無線インターフェース15,16は、全ての周波数チャネルについてスキャンを行い、中継端末1が定期的に送信するアドホックモードのビーコンフレームBcon1を受信し、その受信したビーコンフレームBcon1を通信手段17へ出力する。そして、端末装置2の通信手段17は、ビーコンフレームBcon1に基づいて中継端末を探索する。
【0095】
中継端末1は、無線インターフェースの一つをアドホックモードで動作させる場合、この発明の実施の形態における中継端末として動作することを示すキーワードADMを含むESSIDをアドホックモードのビーコンフレームBcon1に含めてビーコンフレームBcon1を定期的に送信する。
【0096】
端末装置3も、同様にして、ビーコンフレームBcon2を定期的に送信する。
【0097】
従って、端末装置2の通信手段17は、ビーコンフレームBcon1,Bcon2に含まれるESSIDがキーワードADMを含むかを確認することによって、この発明の実施の形態における中継端末を探索できる。
【0098】
[中継端末を探索できた場合]
端末装置2の通信手段17は、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置として端末装置1,3を探索できたものとする。
【0099】
端末装置2の無線インターフェース15は、ビーコンフレームBon1,Bcon2を受信したときの受信信号強度RSSI1,RSSI2を検出し、その検出した受信信号強度RSSI1,RSSI2を通信手段17へ出力する。
【0100】
端末装置2の通信手段17は、受信信号強度RSSI1,RSSI2を受ける。そして、端末装置2の通信手段17は、受信信号強度RSSI1,RSSI2に基づいて、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置から、端末装置2の接続先の中継端末セル(セルとは、端末装置の集まりを意味する)として適切な端末装置1,3を選択する。即ち、端末装置2の通信手段17は、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置のうち、受信信号強度RSSIが大きい方の端末装置1,3を中継端末セルとして選択する。
【0101】
その後、端末装置2の通信手段17は、端末装置1,3が送信するルータ広告RAD_1,RAD_3を受信する。
【0102】
このルータ広告RAD_1は、端末装置1の送信レートrtx1、アドレスプリフィックスADPF1および有効期限VLD1を含む。また、ルータ広告RAD_3は、端末装置1の送信レートrtx3、アドレスプリフィックスADPF3および有効期限VLD3を含む。有効期限VLD1,VLD3の各々は、例えば、10秒〜30秒に設定される。つまり、有効期限VLD1,VLD3の各々は、ルータ広告の送信間隔よりも長い値(数倍以上)に設定される。
【0103】
端末装置2の通信手段17は、ルータ広告RAD_1,RAD_3に含まれる送信レートrtx1,rtx3に基づいて、送信レートがより高い端末装置1を中継端末として選択する。
【0104】
また、端末装置2の通信手段17は、ルータ広告RAD_1のアドレスプリフィックスADPF1と、端末装置2のMAC(Media Access Control)アドレスとに基づいて、気付アドレスCoA2を生成する。
【0105】
そうすると、端末装置2の通信手段17は、端末装置2のホームアドレスHoA2と気付アドレスCoA2とを含む経路構築要求を生成し、その生成した経路構築要求を無線インターフェース15によってアクセスポイント10へ送信する。
【0106】
端末装置1の無線インターフェース16は、経路構築要求を端末装置2から受信し、その受信した経路構築要求を通信手段17へ出力する。そして、端末装置1の通信手段17は、経路構築要求の宛先がアクセスポイント10であることを検知し、経路構築要求を無線インターフェース15によってアクセスポイント10へ送信する。
【0107】
このように、孤立端末である端末装置2は、中継端末(=端末装置1)を選択すると、その選択した中継端末(=端末装置1)を経由して経路構築要求をアクセスポイント10へ送信する(図7の手順1参照)。
【0108】
アクセスポイント10の通信手段23は、経路構築要求を無線インターフェース22を介して受信する。
【0109】
その後、アクセスポイント10の通信手段23は、経路構築要求に対する応答である経路構築応答を生成し、その生成した経路構築応答を端末装置1を経由して端末装置2へ送信する(図7の手順2参照)。そして、端末装置2の通信手段17は、経路構築応答を受信する。これによって、端末装置2から端末装置1を経由してアクセスポイント10までのマルチホップによる経路が構築される。
【0110】
経路構築後、端末装置2は、ホームエージェント50にホームアドレスHoA2と気付アドレスCoA2との対応付けを通知すべく、Mobile IPv6のBinding Updateメッセージをホームエージェント50へ送信する。
【0111】
ホームエージェント50は、Binding Updateメッセージを端末装置2から受信し、ホームアドレスHoA2および気付アドレスCoA2を相互に対応付けて管理する。
【0112】
その後、ホームエージェント50は、Binding Updateメッセージに対する応答であるBinding Acknowledgeメッセージを端末装置2へ送信する。そして、端末装置2は、Binding Acknowledgeメッセージを受信する。
【0113】
端末装置2がアクセスポイント10と無線通信を行う場合、端末装置1は、無線インターフェース15,16によってアクセスポイント10と端末装置2との間でパケットを中継しながら、無線インターフェース15によってインフラストラクチャモードでアクセスポイント10と無線通信を行う。
【0114】
この場合、端末装置1の無線インターフェース16は、アクセスポイント10との間の無線通信をチャネルCH1を用いて行ない、端末装置1の無線インターフェース15は、端末装置2との間の無線通信をチャネルCH2を用いて行なう。
【0115】
[中継端末を探索できない場合]
図8は、孤立端末が中継端末を介してアクセスポイント10,20に接続する他の方法を説明するための概念図である。また、図9は、接続処理の他の手順を示す図である。
【0116】
端末装置2の通信手段17は、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する中継端末を探索できない場合、端末装置2の周辺に位置する端末装置がWiFiの無線インターフェース15,16で送信するパケットをプロミスキャスモードで受信することによって、端末装置2の周辺に位置する端末装置1,3,5を検出する。
【0117】
なお、このプロミスキャスモードは、通常、受信せずに捨てられてしまうパケットを受信できるようにするモードである。
【0118】
端末装置2の無線インターフェース15,16の各々は、プロミスキャスモードでパケットを受信する場合、そのパケットを受信したときの受信信号強度RSSI1,RSSI3,RSSI5を検出し、その検出した受信信号強度RSSI1,RSSI3,RSSI5を通信手段17へ出力する。
【0119】
また、端末装置2の通信手段17は、その受信されたパケットから送信元のアドレスを検出することにより、その検出した周辺の端末装置1,3,5のアドレスAddr1,Addr3,Addr5を取得する。
【0120】
その後、端末装置2の通信手段17は、周辺の端末装置のアドレスAddr1,Addr3,Addr5と、周辺の端末装置に対応する受信信号強度RSSI1,RSSI3,RSSI5とを含む端末リストMNL=[Addr1:RSSI1/Addr3:RSSI3/Addr5:RSSI5]を生成し、その生成した端末リスMNLを含む中継経路接続要求RRE=[MNL]を生成する。
【0121】
そして、端末装置2の通信手段17は、その生成した中継経路接続要求RRE=[MNL]を含むパケットPKT1=[SRC=Addr2/DST=Addr70/RRE]を生成し、その生成したパケットPKT1=SRC=Addr2/DST=Addr70/RRE]を無線インターフェース14を介して経路制御装置70へ送信する。即ち、端末装置2は、WiMAXの通信網を用いて中継経路接続要求RRE=[MNL]を経路制御装置70へ送信する(図8の矢印ARW1、および図9の手順3参照)。
【0122】
経路制御装置70の通信手段72は、有線インターフェース71を介してパケットPKT1=SRC=Addr2/DST=Addr70/RRE]を受信し、その受信したパケットPKT1=SRC=Addr2/DST=Addr70/RRE]を通信手段72へ出力する。
【0123】
そして、経路制御装置70の通信手段72は、パケットPKT1=SRC=Addr2/DST=Addr70/RRE]のDST=Addr70に基づいて、パケットPKT1が経路制御装置70宛てであることを検知する。
【0124】
そうすると、経路制御装置70の通信手段72は、パケットPKT1から送信元SRC=Addr2および中継経路接続要求RRE=[MNL]を取り出し、その取り出した送信元SRC=Addr2および中継経路接続要求RRE=[MNL]を制御モジュール73へ出力する。
【0125】
経路制御装置70の制御モジュール73は、送信元SRC=Addr2および中継経路接続要求RRE=[MNL]を通信手段72から受けると、中継経路接続要求RRE=[MNL]から端末リストMNL=[Addr1:RSSI1/Addr3:RSSI3/Addr5:RSSI5]を取り出し、端末装置2の周辺に存在する端末装置が端末装置1,3,5であることを検知する。
【0126】
そして、経路制御装置70の制御モジュール73は、通信手段72および有線インターフェース71を介して監視サーバ60から端末装置1,3,5のトラフィック量Trf1,Trf3,Trf5を取得する。
【0127】
ここで、トラフィック量Trf1は、端末装置1の無線インターフェース15におけるトラフィック量Trf11と、端末装置1の無線インターフェース16におけるトラフィック量Trf12とからなり、トラフィック量Trf11,Trf12は、それぞれ、無線インターフェース15,16のMACアドレスMACadd15,MACadd16に対応付けられている。トラフィック量Trf3,Trf5についても同様である。
【0128】
その後、経路制御装置70の制御モジュール73は、端末装置1,3,5の受信信号強度RSSI1,RSSI3,RSSI5およびトラフィック量Trf1,Trf3,Trf5に基づいて、良い通信品質を提供可能な複数の端末装置1,3を中継端末の候補端末として選択する。つまり、経路制御装置70の制御モジュール73は、受信信号強度が基準値以上であり、かつ、トラフィック量が基準値以下である端末装置1,3を中継端末の候補端末として選択する。
【0129】
そうすると、経路制御装置70の制御モジュール73は、WiFiの無線インターフェースの開放を要求する開放要求DEMO1,DEMO3を生成し、その生成した開放要求DEMO1,DEMO3をアクセスポイント10を介してそれぞれ端末装置1,3へ送信する(図8の矢印ARW2、および図9の手順4,6参照)。
【0130】
この場合、開放要求DEMO1は、端末装置1の開放すべき無線インターフェース16を指定する情報を含み、開放要求DEMO2は、端末装置3の開放すべき無線インターフェース15を指定する情報を含む。
【0131】
上述したように、トラフィック量Trf11,Trf12;Trf31,Trf32;Trf51,Trf52は、端末装置1,3,5の無線インターフェース15,16に対応付けられているので、制御モジュール73は、複数の端末装置1,3を選択する際、端末装置1,3の無線インターフェース(無線インターフェース15,16のいずれか)を指定して複数の端末装置1,3を選択できる。
【0132】
従って、制御モジュール73は、開放すべき無線インターフェースを指定する情報を含む開放要求DEMO1,DEMO3を生成できる。
【0133】
端末装置1の通信手段17は、無線インターフェース16を介して開放要求DEMO1を受信し、その受信した開放要求DEMO1に応じて、無線インターフェース16の開放を承諾したことを示す開放応答REPO1を生成し、その生成した開放応答REPO1をアクセスポイント10を介して経路制御装置70へ送信する(図8の矢印ARW3、および図9の手順5参照)。その後、端末装置1の無線インターフェース16は、アクセスポイント10との接続を切断され、アドホックモードでの中継用に開放される。
【0134】
また、端末装置3の通信手段17は、無線インターフェース15を介して開放要求DEMO3を受信し、その受信した開放要求DEMO3に応じて、無線インターフェース15の開放を承諾したことを示す開放応答REPO3を生成し、その生成した開放応答REPO3をアクセスポイント10を介して経路制御装置70へ送信する(図8の矢印ARW4、および図9の手順7参照)。その後、端末装置3の無線インターフェース15は、アクセスポイント10との接続を切断され、アドホックモードでの中継用に開放される。
【0135】
経路制御装置70の制御モジュール73は、選択した端末装置1,3の全てから開放応答REPO1,REPO3を受信すると、中継端末の候補端末である端末装置1,3のアドレスを含む中継経路接続応答RRP=[MACadd1/MACadd3]を生成し、その生成した中継経路接続応答RRP=[MACadd1/MACadd3]を基地局30を介して端末装置2へ送信する(図8の矢印ARW5、および図9の手順8参照)。
【0136】
端末装置2の通信手段17は、中継経路接続応答RRP=[MACadd1/MACadd3]を無線インターフェース14を介して受信する。そして、端末装置2の通信手段17は、中継経路接続応答RRP=[MACadd1/MACadd3]のMACadd1/MACadd3を参照して、端末装置1,3が中継端末の候補端末であることを検知する。
【0137】
その後、端末装置2の無線インターフェース15は、アクセスポイント10内の端末装置1,3が送信するルータ広告RAD_1,RAD_3を受信する。
【0138】
これ以降、端末装置2は、上述した「中継端末を探索できた場合」の方法と同じ方法によって、端末装置1を介したマルチホップの経路によってアクセスポイント10に接続する。
【0139】
そして、端末装置2がアクセスポイント10と無線通信を行う場合、端末装置1は、無線インターフェース15,16によってアクセスポイント10と端末装置2との間でパケットを中継する。
【0140】
この場合、端末装置1の無線インターフェース15は、アクセスポイント10との間の無線通信をチャネルCH1を用いて行ない、端末装置1の無線インターフェース16は、端末装置2との間の無線通信をチャネルCH2を用いて行なう。
【0141】
一方、端末装置3の無線インターフェース15は、アドホックモードでの中継用に開放された後、一定時間(=例えば、10秒)を待っても端末装置2(=孤立端末)が接続してこない場合、インフラストラクチャモードに戻り、アクセスポイント10に再接続する。
【0142】
図9においては、端末装置1,3が中継端末の候補端末である場合について説明したが、中継端末の候補端末は、一般的には、n(nは2以上の整数)個の端末装置からなる。この場合、n個の端末装置の各々と経路制御装置70との間で中継インターフェースの開放要求、および中継インターフェースの開放応答が送受信される。
【0143】
中継端末である端末装置1は、端末装置1の移動または端末装置1のユーザの操作によってアクセスポイント10側へのリンクが切断された場合、以下の処理を行ない、下位の端末装置2に提供していた中継経路を切断して中継機能を停止する。
【0144】
なお、上記においては、経路制御装置70の制御モジュール73は、端末装置2(=孤立端末)が検出した周辺の端末装置1,3,5の中から中継端末の候補端末を選択すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、経路制御装置70の制御モジュール73は、通信ネットワークシステム100における端末装置1〜6のトポロジー(監視サーバ60から取得される)を参照して、端末装置2(=孤立端末)の中継に適した端末装置を選択し、その選択した端末装置と、端末装置2(=孤立端末)が検出した周辺の端末装置1,3,5とから、中継端末の候補端末を選択するようにしてもよい。
【0145】
図10は、中継経路を切断するときの概念図である。端末装置1の通信手段17は、ダウンリンクのパケットをアクセスポイント10から受信できないことを確認することによって、アクセスポイント10側のリンクが切断されたことを検知する。
【0146】
そして、端末装置1の通信手段17は、有効期限を“0”に設定したルータ広告RAD_1=[有効期限=0]を生成し、その生成したルータ広告RAD_1を端末装置2へ送信する。
【0147】
端末装置2の通信手段17は、ルータ広告RAD_1=[有効期限=0]を受信し、その受信したルータ広告RAD_1=[有効期限=0]の有効期限=0を参照して、端末装置1−アクセスポイント10間のリンクが切断されたことを検知する。
【0148】
そして、端末装置2の通信手段17は、アクセスポイントの探索を開始する。アクセスポイントを発見できない場合、端末装置2は、上述した「中継端末を探索できた場合」の方法または「中継端末を探索できない場合」の方法に従って、アドホックモードでアクセスポイントに接続する。
【0149】
図11は、2台の中継端末が中継する場合の概念図である。図11を参照して、端末装置1は、アクセスポイント10と端末装置3との間で無線通信を中継し、端末装置3は、端末装置1と端末装置2(=孤立端末)との間で無線通信を中継する。
【0150】
図11に示す中継の態様は、端末装置3が孤立端末として、上述した方法によって、端末装置1を介してアクセスポイント10へ接続し、その後、端末装置2(=孤立端末)が上述した方法によって端末装置3を介してアクセスポイント10へ接続することによって実現される。
【0151】
図11に示すマルチホップによる無線通信においては、端末装置1は、アクセスポイント10との間の無線通信をチャネルCH1を用いて行ない、端末装置3との間の無線通信をチャネルCH2を用いて行なう。また、端末装置3は、端末装置1との間の無線通信をチャネルCH2を用いて行ない、端末装置2(=孤立端末)との間の無線通信をチャネルCH2を用いて行なう。
【0152】
このように、この発明の実施の形態においては、アクセスポイント10に直接接続する端末装置1は、アクセスポイント10との間の無線通信に用いるチャネルCH1と異なるチャネルCH2を用いて下位の端末装置3との間で無線通信を行なう。これは、スループットを向上させるためである。
【0153】
なお、端末装置1,3の各々は、無線通信を中継するのみではなく、無線通信を中継しながら自己で発生したパケットをアクセスポイント10との間で送受信する場合もある。
【0154】
また、この発明の実施の形態においては、中継端末は、2台に限らず、3台以上であってもよい。
【0155】
図12は、端末装置1〜6が取り得る状態の遷移図である。なお、図12は、各端末装置1〜6が2個のWiFiの無線インターフェース15,16を備えている場合の状態の遷移図である。
【0156】
一方の無線インターフェース15をアクセスポイントAPに直接接続し、かつ、他方の無線インターフェース16でアクセスポイントAPを探索している状態ST1からアクセスポイントAPを発見すると、2つの無線インターフェース15,16がアクセスポイントAPに直接接続された状態ST2へ遷移する。
【0157】
そして、状態ST2において、1個の無線インターフェースとアクセスポイントAPとのリンクが切断されると、状態ST1へ遷移する。
【0158】
また、状態ST2において、中継が依頼されると、一方の無線インターフェース14をアクセスポイントAPに直接接続したまま、他方の無線インターフェース16を中継用に開放した状態ST3へ遷移する。
【0159】
そして、状態ST3において、孤立端末が接続していない場合、アクセスポイントAPが発見されると、中継機能を停止して状態ST2へ遷移する。
【0160】
更に、状態ST1において、アクセスポイントAPの発見が失敗した場合、または中継が依頼された場合、状態ST3へ遷移する。
【0161】
更に、状態ST3において、アクセスポイントAPへの接続が切断され、中継が切断されると、アクセスポイントAPに接続されておらず、アクセスポイントAPを探索する状態ST4へ遷移する。
【0162】
そして、状態ST4において、アクセスポイントAPが発見されると、状態ST1へ遷移する。
【0163】
また、状態ST1において、アクセスポイントAPとの接続が切断されると、状態ST4へ遷移する。
【0164】
更に、状態ST4において、アクセスポイントAPの発見に失敗すると、アクセスポイントAPに接続されておらず、中継端末を探索している状態ST5へ遷移する。
【0165】
そして、状態ST5において、中継端末が発生されると、1つの無線インターフェースを中継によってアクセスポイントAPに接続し、アクセスポイントAPを探索している状態ST6へ遷移する。
【0166】
状態ST6において、中継が切断されると、状態ST4へ遷移する。また、状態ST6において、アクセスポイントAPが発見され、中継が切断されると、状態ST1へ遷移する。
【0167】
また、状態ST5において、中継端末の発見に失敗した場合、近隣端末を探索する状態ST7へ遷移する。
【0168】
状態ST7において、中継を依頼すると、状態ST5へ遷移する。
【0169】
なお、状態ST5,ST7が孤立端末になった状態である。
【0170】
図12においては、端末装置1〜6の各々が2個のWiFiの無線インターフェースを備える場合の状態遷移について説明したが、端末装置1〜6の各々が3個以上のWiFiの無線インターフェースを備える場合、図12に示す状態ST1〜ST7よりも多くの状態が存在するが、その場合の状態遷移は、図12に示す状態遷移と同様にして考えられる。
【0171】
上述したように、この発明の実施の形態によれば、端末装置1〜6の各々は、孤立端末、中継端末および通常端末のいずれかとして動作する。そして、端末装置1〜6の各々は、孤立端末である場合、WiFiのアドホックモードによってアクセスポイント10またはアクセスポイント20に接続し、WiFiの無線通信方式によってアクセスポイント10またはアクセスポイント20と無線通信を行なう。
【0172】
その結果、孤立端末は、通信帯域がWiMAXよりも広いWiFiの無線通信方式によってアクセスポイント10またはアクセスポイント20と無線通信を行なう。
【0173】
従って、この発明によれば、通信ネットワークシステム100のスループットを向上できる。
【0174】
上記においては、通信ネットワークシステム100は、通信範囲および通信帯域が異なる複数の無線通信方式としてWiMAXおよびWiFiを採用すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、通信ネットワークシステム100は、通信範囲REG1および通信帯域BW1を有する第1の無線通信方式と、通信範囲REG1よりも狭い通信範囲REG2と通信帯域BW1よりも広い通信帯域BW2とを有する第2の無線通信方式とを採用し、孤立端末を第2の無線通信方式によって無線通信を行なうアクセスポイントに接続するものであればよい。
【0175】
より広い通信帯域を持った無線通信方式によって無線通信を行なう端末装置が孤立端末になった場合に、その孤立端末をアドホックモードでアクセスポイントに接続することによって、通信ネットワークシステム100全体のスループットを向上できるからである。
【0176】
また、上記においては、端末装置2(=孤立端末)は、端末装置1,3から送信されるルータ広告RAD_1,RAD_3に含まれる端末装置1,3の送信レートに基づいて中継端末を選択すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、端末装置2(=孤立端末)は、端末装置1,3から送信されるルータ広告RAD_1,RAD_3を受信したときの受信信号強度に基づいて、受信信号強度が大きい方の端末装置を中継端末として選択してもよく、一般的には、端末装置2と端末装置1,3との間の通信品質に基づいて、通信品質がより高い端末装置を中継端末として選択すればよい。
【0177】
更に、上記においては、経路制御装置70は、端末装置1,3,5の受信信号強度RSSI1,RSSI3,RSSI5および端末装置1,3,5のトラフィック量Trf1,Trf3,Trf5に基づいて、良い通信品質を提供できる端末装置1,3を中継端末の候補端末として端末装置1,3,5から選択すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、経路制御装置70は、端末装置1,2,3,5のトポロジー(監視サーバ60から取得される)を参照して、アクセスする端末数が少ないアクセスポイントに接続している端末装置を中継端末の候補端末として端末装置1,3,5から選択してもよく、一般的には、何らの方法によって、端末装置1,3,5から中継端末の候補端末を選択すればよい。
【0178】
なお、この発明の実施の形態においては、上述した方法によって無線インターフェース15を端末装置1(=中継端末)を介してアクセスポイント10に接続する端末装置2の通信手段17は、「接続手段」を構成する。
【0179】
また、この発明の実施の形態においては、上述した「中継端末を探索できない場合」において、端末装置2(=孤立端末)からの経路構築要求に応じて、経路構築応答を端末装置2(=孤立端末)へ送信して端末装置2(=孤立端末)との間で経路を構築する端末装置1の通信手段17は、「経路構築手段」を構成する。
【0180】
更に、この発明の実施の形態においては、ビーコンフレームBcon1,Bcon2の各々は、「制御フレーム」を構成する。
【0181】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0182】
この発明は、ネットワーク全体のスループットを向上可能な端末装置に適用される。また、この発明は、ネットワーク全体のスループットを向上可能な端末装置を備えた通信ネットワークシステムに適用される。
【符号の説明】
【0183】
1〜6 端末装置、10,20 アクセスポイント、11〜13,21 アンテナ、14〜16,22 無線インターフェース、17,23,52,72 通信手段、18 アプリケーションモジュール、24,51,71 有線インターフェース、30 基地局、40 ネットワーク、50 ホームエージェント、60 監視サーバ、70 経路制御装置、73 制御モジュール、100 通信ネットワークシステム、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信範囲および第1の通信帯域を有し、第1の無線通信方式に従って無線通信を行なう第1の無線インターフェースと、
前記第1の通信範囲よりも狭い第2の通信範囲と前記第1の通信帯域よりも広い第2の通信帯域とを有し、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう第2の無線インターフェースと、
前記第2の無線インターフェースを前記第2の無線通信方式に従って無線通信を行なうアクセスポイントに直接接続できない場合、中継端末を介して前記第2の無線インターフェースを前記アクセスポイントに接続する接続手段とを備える端末装置。
【請求項2】
前記接続手段は、前記第2の無線通信方式に従ってアドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置から送信される制御フレームに基づいて、前記第2の無線通信方式に従ってアドホックモードで動作する無線インターフェースを有する複数の端末装置から当該端末装置との間の通信品質がより高い端末装置を中継端末として選択し、その選択した中継端末を介して前記第2の無線インターフェースを前記アクセスポイントに接続する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記接続手段は、前記第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう端末装置から送信される制御フレームに基づいて、前記第2の無線通信方式に従ってアドホックモードで動作する無線インターフェースを有する中継端末を検出できない場合、受信せずに捨てられるパケットを受信できるようにするモードにおいてパケットを受信することによって当該端末装置の周辺に存在する複数の端末装置を検出し、その検出した複数の端末装置を含む中継経路接続要求を前記アクセスポイントが接続されたネットワーク上に配置された経路制御装置へ前記第1の無線インターフェースを介して送信し、中継端末の候補端末である複数の候補端末を含み、かつ、中継経路の接続を許可するための中継経路接続応答を前記経路制御装置から前記第1の無線インターフェースを介して受信すると、当該端末装置と前記複数の候補端末との間の通信品質に基づいて通信品質がより高い候補端末を中継端末として前記複数の候補端末から選択し、その選択した中継端末を介して前記第2の無線インターフェースを前記アクセスポイントに接続する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記複数の候補端末は、前記接続手段によって検出された複数の端末装置から選択された端末装置からなり、または前記接続手段によって検出された複数の端末装置と、前記経路制御装置によって検出された端末装置との中から選択された端末装置からなる、請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
第1の通信範囲および第1の通信帯域を有し、第1の無線通信方式に従って無線通信を行なう第1の無線インターフェースと、
前記第1の通信範囲よりも狭い第2の通信範囲と前記第1の通信帯域よりも広い第2の通信帯域とを有するとともに、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なうアクセスポイントと前記第2の無線通信方式に従ってインフラストラクチャモードで無線通信を行なう第2の無線インターフェースと、
前記アクセスポイントが接続されたネットワーク上に配置された経路制御装置から前記第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう無線インターフェースの開放要求を前記第2の無線インターフェースを介して受信すると、前記第2の無線インターフェースを中継用の無線インターフェースとして開放するとともに、その開放した第2の無線インターフェースを介して孤立端末との間で経路を構築する経路構築手段とを備える端末装置。
【請求項6】
前記経路構築手段は、前記第2の無線インターフェースを開放した後、一定時間が経過しても前記孤立端末から経路構築要求を受信しないとき、前記第2の無線インターフェースをインフラストラクチャモードで前記アクセスポイントに再接続する、請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
ネットワークに接続されるとともに、第1の通信範囲および第1の通信帯域を有し、第1の無線通信方式に従って無線通信を行なう基地局と、
前記ネットワークに接続されるとともに、前記第1の通信範囲よりも狭い第2の通信範囲と前記第1の通信帯域よりも広い第2の通信帯域とを有し、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう複数のアクセスポイントと、
前記基地局および前記アクセスポイントと無線通信を行なう複数の端末装置と、
前記ネットワークを介して前記基地局および前記複数のアクセスポイントと通信を行なう経路制御装置と、
前記基地局に直接アクセスでき、かつ、前記複数のアクセスポイントのいずれにも直接接続できない端末装置である孤立端末とを備え、
前記孤立端末は、前記複数の端末装置のうち、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出した場合、前記端末装置から選択した中継端末を介して前記アクセスポイントに接続し、前記アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出できない場合、自己の周辺に存在する複数の周辺端末装置を検出し、その検出した複数の周辺端末装置を含む中継経路接続要求を前記基地局を介して前記経路制御装置へ送信し、中継端末の候補端末である複数の候補端末を含み、かつ、中継経路の接続を許可するための中継経路接続応答を前記経路制御装置から前記基地局を介して受信すると、自己と前記複数の候補端末との間の通信品質に基づいて通信品質がより高い候補端末を中継端末として前記複数の候補端末から選択し、その選択した中継端末を介して前記アクセスポイントに接続し、
前記経路制御装置は、前記中継経路接続要求に応じて、前記複数の周辺端末装置から前記複数の候補端末を選択し、その選択した複数の候補端末へ前記第2の無線通信方式によって無線通信を行なう無線インターフェースの開放要求を送信し、前記複数の候補端末から前記無線インターフェースを開放したことを示す開放応答を受信すると、前記中継経路接続応答を前記基地局を介して前記孤立端末へ送信し、
前記複数の候補端末の各々は、前記開放要求に応じて前記無線インターフェースを開放するとともに、その開放した無線インターフェースを介して前記孤立端末との間で経路を構築する、通信ネットワークシステム。
【請求項8】
前記経路制御装置は、前記中継経路接続要求に応じて、前記複数の端末装置のトポロジーを参照して、前記中継端末に適した端末装置を前記複数の端末装置から選択し、その選択した端末装置と、前記複数の周辺端末装置との中から前記複数の候補端末を選択する、請求項7に記載の通信ネットワークシステム。
【請求項1】
第1の通信範囲および第1の通信帯域を有し、第1の無線通信方式に従って無線通信を行なう第1の無線インターフェースと、
前記第1の通信範囲よりも狭い第2の通信範囲と前記第1の通信帯域よりも広い第2の通信帯域とを有し、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう第2の無線インターフェースと、
前記第2の無線インターフェースを前記第2の無線通信方式に従って無線通信を行なうアクセスポイントに直接接続できない場合、中継端末を介して前記第2の無線インターフェースを前記アクセスポイントに接続する接続手段とを備える端末装置。
【請求項2】
前記接続手段は、前記第2の無線通信方式に従ってアドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置から送信される制御フレームに基づいて、前記第2の無線通信方式に従ってアドホックモードで動作する無線インターフェースを有する複数の端末装置から当該端末装置との間の通信品質がより高い端末装置を中継端末として選択し、その選択した中継端末を介して前記第2の無線インターフェースを前記アクセスポイントに接続する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記接続手段は、前記第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう端末装置から送信される制御フレームに基づいて、前記第2の無線通信方式に従ってアドホックモードで動作する無線インターフェースを有する中継端末を検出できない場合、受信せずに捨てられるパケットを受信できるようにするモードにおいてパケットを受信することによって当該端末装置の周辺に存在する複数の端末装置を検出し、その検出した複数の端末装置を含む中継経路接続要求を前記アクセスポイントが接続されたネットワーク上に配置された経路制御装置へ前記第1の無線インターフェースを介して送信し、中継端末の候補端末である複数の候補端末を含み、かつ、中継経路の接続を許可するための中継経路接続応答を前記経路制御装置から前記第1の無線インターフェースを介して受信すると、当該端末装置と前記複数の候補端末との間の通信品質に基づいて通信品質がより高い候補端末を中継端末として前記複数の候補端末から選択し、その選択した中継端末を介して前記第2の無線インターフェースを前記アクセスポイントに接続する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記複数の候補端末は、前記接続手段によって検出された複数の端末装置から選択された端末装置からなり、または前記接続手段によって検出された複数の端末装置と、前記経路制御装置によって検出された端末装置との中から選択された端末装置からなる、請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
第1の通信範囲および第1の通信帯域を有し、第1の無線通信方式に従って無線通信を行なう第1の無線インターフェースと、
前記第1の通信範囲よりも狭い第2の通信範囲と前記第1の通信帯域よりも広い第2の通信帯域とを有するとともに、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なうアクセスポイントと前記第2の無線通信方式に従ってインフラストラクチャモードで無線通信を行なう第2の無線インターフェースと、
前記アクセスポイントが接続されたネットワーク上に配置された経路制御装置から前記第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう無線インターフェースの開放要求を前記第2の無線インターフェースを介して受信すると、前記第2の無線インターフェースを中継用の無線インターフェースとして開放するとともに、その開放した第2の無線インターフェースを介して孤立端末との間で経路を構築する経路構築手段とを備える端末装置。
【請求項6】
前記経路構築手段は、前記第2の無線インターフェースを開放した後、一定時間が経過しても前記孤立端末から経路構築要求を受信しないとき、前記第2の無線インターフェースをインフラストラクチャモードで前記アクセスポイントに再接続する、請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
ネットワークに接続されるとともに、第1の通信範囲および第1の通信帯域を有し、第1の無線通信方式に従って無線通信を行なう基地局と、
前記ネットワークに接続されるとともに、前記第1の通信範囲よりも狭い第2の通信範囲と前記第1の通信帯域よりも広い第2の通信帯域とを有し、第2の無線通信方式に従って無線通信を行なう複数のアクセスポイントと、
前記基地局および前記アクセスポイントと無線通信を行なう複数の端末装置と、
前記ネットワークを介して前記基地局および前記複数のアクセスポイントと通信を行なう経路制御装置と、
前記基地局に直接アクセスでき、かつ、前記複数のアクセスポイントのいずれにも直接接続できない端末装置である孤立端末とを備え、
前記孤立端末は、前記複数の端末装置のうち、アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出した場合、前記端末装置から選択した中継端末を介して前記アクセスポイントに接続し、前記アドホックモードで動作する無線インターフェースを有する端末装置を検出できない場合、自己の周辺に存在する複数の周辺端末装置を検出し、その検出した複数の周辺端末装置を含む中継経路接続要求を前記基地局を介して前記経路制御装置へ送信し、中継端末の候補端末である複数の候補端末を含み、かつ、中継経路の接続を許可するための中継経路接続応答を前記経路制御装置から前記基地局を介して受信すると、自己と前記複数の候補端末との間の通信品質に基づいて通信品質がより高い候補端末を中継端末として前記複数の候補端末から選択し、その選択した中継端末を介して前記アクセスポイントに接続し、
前記経路制御装置は、前記中継経路接続要求に応じて、前記複数の周辺端末装置から前記複数の候補端末を選択し、その選択した複数の候補端末へ前記第2の無線通信方式によって無線通信を行なう無線インターフェースの開放要求を送信し、前記複数の候補端末から前記無線インターフェースを開放したことを示す開放応答を受信すると、前記中継経路接続応答を前記基地局を介して前記孤立端末へ送信し、
前記複数の候補端末の各々は、前記開放要求に応じて前記無線インターフェースを開放するとともに、その開放した無線インターフェースを介して前記孤立端末との間で経路を構築する、通信ネットワークシステム。
【請求項8】
前記経路制御装置は、前記中継経路接続要求に応じて、前記複数の端末装置のトポロジーを参照して、前記中継端末に適した端末装置を前記複数の端末装置から選択し、その選択した端末装置と、前記複数の周辺端末装置との中から前記複数の候補端末を選択する、請求項7に記載の通信ネットワークシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−49929(P2011−49929A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197730(P2009−197730)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「異種無線システム動的利用による信頼性向上技術の研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「異種無線システム動的利用による信頼性向上技術の研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】
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