説明

竹からの抽出のトリテルペノイドサポゲニン化合物の製法と用途

当発明は竹から抽出したトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)の組成物及びその製法と用途を提示するものである。イネ科所属の竹の竹茹(チクジョ)などの部位から超臨界CO2流体抽出技術の採用によりトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)を抽出する。抽出物中トリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)の含有量は10〜90%、フリーデリン(friedelin)とルペノン(lupenon)の含有量はそれぞれ5〜35%及び1%〜10%である。当発明の抽出物は優良な抗フリーラジカル、抗酸化、抗腫瘍、降血圧など生理と薬理の活性を持っているため、心・脳血管疾病と抗腫瘍の予防・治療薬および健康食品としても利用でき、それ以外に、日用化粧品の領域においても応用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
当発明は竹から抽出したトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)の化合物、抽出方法及び用途に及ぶ。当発明は超臨界CO2流体抽出技術の採用により竹からトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)組成物を抽出するもので、この組成物はフリーデリン(friedelin)、ルペノン(lupenon)およびその同族体を主とするペンタシリクトリテルペノイド(pentacylic triterpenoids )の混合物として、心・脳血管疾病と抗腫瘍の予防・治療薬および健康食品としても利用でき、それ以外に、日用化粧品の領域においても応用できる。
【背景技術】
【0002】
竹はイネ科(Gramineae)の竹亜科(Bambusoideae)に属し、全世界でおよそ70余属、1200余種があり、竹林の面積は約2,000万haに達する。中国は世界の竹主産国の1つとして、およそ40余属、400余種を有しており、世界の竹種類資源の3分の1を占め、竹林の面積は400万haに達する。剛竹属(Phyllostachys Sieb. et Zucc)は全世界において50余種があり、中国では一部の品種以外のほとんどの種類が産出され、そのうち、経済価値の最も高い孟宗竹(モウソウチク)林の面積は約250万haに達し、これは世界のモウソウチク総量の90%以上を占めている。
【0003】
竹は全世界において最も利用価値のある天然植物のひとつである。竹は森林資源の重要構成部分として、その高い経済価値により「貧者の黄金」と称えられるだけでなく、更に広範な生態環境機能と社会的効果も有している。竹の有効成分及びその生物学効果における研究は日本と中国が主導的であり、インド、ブラジル、米国及び韓国などの国でも若干の研究が行われている。各国の行った竹類における研究は著しい地域的な特徴を持ち、通常は皆本国の資源特色を持つ竹の品種を研究対象としたものである。
【0004】
日本では20世紀1970年代から赤竹属(Sasa Makino et shbata)の赤竹亜属(Subgen. Sasa)、中華ロチク亜科(Subgen. Sasamorpha)中の草本型の竹[竹草と称する、英語名は
Bamboo grass、つまりSasa albomarginta Makino & Shibataなどの品種]における系統的な研究開発が行われ、更に一連の国内特許を出願した。1990年代以降も剛竹属の品種に関わる若干の研究があった。例えばSakai、Wataru が1980年に出願した特許 [Healthful feed containing bamboo extract, JP Patent57074049]は溶剤の利用により剛竹属竹の柔らかい茎から抽出を行い、また抽出物を家禽、家畜、魚貝類、ペット(pet)及び実験動物などの飼料中に添加するというものであり、同年に出願した別の特許 [Healthful food containing bamboo extract, JP Patent 57039753] は以下のようなものである。剛竹属竹の柔らかい茎を粉砕した後に、メタノール、エタノール、クロロフォルム、ベンゼン或はお湯で室温の下で約2週間抽出を行い、又は容器中に入れて水蒸気により180℃まで加熱、蒸留した後の冷却により精油と水の混合物を取得し、減圧濃縮後の産物を多種類の食品に添加することができる。これ以外に、痔疾に対し治療作用のある竹抽出物の特許出願もある。これは主に乾留や水蒸気蒸留により抽出物を取得した後、シリカゲルカラム利用により分離した痔疾治療、降血圧及びリラックス作用のある不同活性部位(Different active sites)を取得し、そのうち、痔疾治療部位は経口投与または外部適用の別なくすべて独特な効果[Production of bamboo extract having effect for hemorrhoids、 JP Patent 57038721]を有する。Kuboyama, N.らは(1981)竹葉の抽出物およびそのリグニンの抗腫瘍活性を報告している[Anti tumor activity of bamboo leaf extracts, JPN J PHARMACOL, 1979, 29(SUPPL.):170; Anti tumor activities of bamboo leaf extracts and its lignin, FOLIA PHARMACOL JPN, 1981, 77(6):579-596]。Sato, Tらは(1986)一種の竹葉抽出物の溶液が歯肉の治療に用いうることを報告している[The use in periodontal therapy
of a bamboo leaf extract solution, Nippon Shishubyo Gakkai Kaishi,1986, 28(2):752-757]。Kenji, Matsui.らが1990年に出願した特許では、一種或は多種の有機溶剤を使って、斑竹(ハンチク)、モウソウチク、金毛竹など剛竹属の竹から抽出した有効成分が多種類の頭垢(ふけ)菌類の抑制、皮膚老化の予防・治療及び脂質の過酸化を抑制できる安定的な製品であるとしている[Skin, scalp and hair agent containing component of suppressing growth of dandruff fungus extracted from bamboo, JP Patent 3251518]。Nishina, A.らは1991に、モウソウチクの茎の皮から抗菌活性成分である2,6-ジメトキシ-p-ベンゾキノン(2,6-Dimethoxy-p-benzoquinone)を検出した[ J of Agric & Food Chem,1991,
39(2):266-269]。Kiyooka, Takatoshi.が1995年に出願した発明特許は「有機溶剤抽出方法による竹の皮からの脱臭剤製造」[JP Patent 9094290]である。Yamanaka, Satoshiらは1998年に、竹の乾留液の抗菌活性及びその応用を報告した[Anti-microbial activity of bamboo dry distillate and its application, Gekkan Fudo Kemikaru, 1998, 14(9): 57-60]。Makino, Akimitsu は1998年に日本発明特許「竹の抽出物の肉類添加剤としての応用」[JP Patent 11346719]を出願した。Mie UniversityのSakai Kojiらは1999年に、タケノコの殻から初めて2種の抗酸化成分ウマゴヤシ素(Tricin)とタクシフォリン(Taxifolin)
を分離し、またPOV方法によりその抗酸化活性はそれぞれα-トコフェロール(α-tocopherol)の10%及び1%となることを測定した[Isolation of antioxidative compounds from bamboo shoots sheath, Nippon Shokuhin Kagaku Kaishi, 1999, 46(7): 491-493]。
【0005】
中国は「竹の王国」とも称され、竹は中国で長い食用の歴史[胡春水らの竹の薬膳史及び竹食品の開発。竹研究誌1999,18(1):27-31] を持つと同時に、漢方薬と健康食品開発の重要資源ともなり、国の漢方薬現代化建設においても重要な意義を持っている。《中国漢方薬資源志要》内の12,694種の漢方薬中には、計10属32種の竹類が収録されており、1990版の《中国薬典》の中では5種の竹類植物が記載されている。各々の竹種類の竹の葉、竹の地下茎、竹茹(チクジョ)、竹瀝(チクレキ)、竹実(竹果物)、竹ざお、竹膏(タケコウ)、竹黄(チクオウ)、タケノコ、竹砂仁(チクサジン,Amomum villosum bambusae)、竹苓(チクリョウ)、竹衣、竹精、タケマウス、竹ハチなどは皆異なる治療効を持っている[張佐玉氏ら、「竹の漢方薬と健康食品開発中の潜在力」、漢方薬現代化、2000,2(3):54〜56]。中国では竹成分の研究及びバイオ利用の領域において大量の研究を行った。その中でも、申請者は竹葉のフラボノイド方面においての研究が系統的かつ十全である。竹葉の抽出物(Extract of Bamboo Leaves、Ebl971)は申請者がここ数年来、中国において最も豊かな竹資源である剛竹属の竹を対象として開発した天然バイオフラボン類の調合剤であり、主にオリンティン(Orientin)、イソオリンティン(Homoorientin)、ビテキシン(Vitexin)とイソビテキシン(Isovitexin)など4種のC-グリコシル誘導体フラボンを含有している [張英、「天然機能性竹葉抽出物――竹葉フラボノイド」、中国食品添加剤、2002,(3):54〜58,66]。Ebl971は優れた抗フリーラジカル、抗酸化、抗老化、抗菌、抗ウィルス効果および心・脳血管保護、高齢退化性疾病の予防・治療などの生物学的効果を有する[張英ら、「竹の葉の有効成分及び抗活性酸素フリーラジカルの効能研究」、竹研究誌1996,15(3):17-24。張英ら、「毛金竹(P. nigra var. henonis,)葉の抽出物の抗老化作用の実験研究」、竹研究誌1997,16 (4):62-67。張英、「竹葉の抽出物類SOD活性のピロガロール自動酸化法による測定」、食品科学、1997,18(5)47-49。Ying Z. et al, The Bio-antioxidative Activity of Functional Factors in Bamboo Leaves, in: Proceedings of The 3rd International Conference of Food Science and Technology, October 19-23,1997, Davis, U.S.A. Ed. J. R. Whitaker, Food and Nutrition Press, 1998 pp266-273。張英、「竹葉抽出物類SOD活性の総合考察」、中国食品学報1998, 2(2):62-66。張英ら、「フラボノイド類化合物の活性酸素フリーラジカル除去効能比較研究」、天然産物の研究開発1998,10(4):26-33。張英ら、「竹の葉機能因子のバイオ抗酸素活性研究」、栄養学報1998,20(3):367-371。Chun Hu, Ying Zhang, and David D. Kitts, Evaluation of antioxidant
and Prooxidant Activities of Bamboo Phyllostachys nigra Var. Henonis Leaf Extract in vitro, J. Agric Food Chem., 2000, 48,3170-3176.]。Ebl971は豊かな原料ソース
、明確な機能因子、良好な食用安全性(実際無毒)、高効率で安定的な調合剤品質(耐水、耐熱、耐酸分解)及びそのさっぱりとして甘い香りの竹風味により、ここ数年来、天然機能性食品添加剤領域及び医薬健康食品の領域で頭角を現してきている。2000年及び2001年に、国家特許管理局は申請者の1998年に出願した2つの発明特許権をそれぞれ授与した[張英、「フラボノイド類化合物のエキス及び粉剤の生産方法」、中国特許 ZL 98 1 04564.2。張英、「竹葉のフラボン抽出物を添加した保健ビール」、中国特許ZL 98 1 04563.4]。中国でのほぼすべて研究は皆剛竹属の竹種、特に金毛竹、モウソウチクと桂竹(ケイチク)をめぐって展開されてきた。
【0006】
インドの竹分野の事業は、竹米(竹果物)栄養、タケノコ加工、竹繊維製造及び竹葉の飼料などの方面で展開し、研究の対象も本土特有の資源であるバンブサ(Bambusa)属とデンドロカラムス(Dendrocalamus)属の竹品種である。
【0007】
ブラジルは南米の竹地域に位置し、主にバンブサ(Bambusa)属とデンドロカラムス(Dendrocalamus)属の密生竹種類である。ブラジルはかつてデンドロカラムス(Dendrocalamus)属の竜竹(Dendrocalamus giganteus Munro)の中から発ガン物質を検出した。Ferreira,
V.L.P.らは1992年に、異なる加工方法で竜竹笋中の発ガン物質を除去することを報告した[Elimination of cyanogenic compounds of bamboo shoots Dendrocalamus-Giganteus Munro by different processes, REV ESP CIENC TECNOL ALIMENTOS, 1992, 32(2):175-184]。
【0008】
米国の本土にはほとんど竹がないが、ここ数年来、竹類製品の保健作用に関する認識が深まるにつれ、タケノコなどを研究する研究機関が現れた。Purdue大学の食品&栄養学部のStory,J.A.らは1992に、カリフォルニア州のAnaheimで開催された米国実験生物学連邦会議上でタケノコはマウスの血清コレステロールのレベルを下げる効果を持つとの報告を行った[Bamboo shoots lower serum cholesterol in rats, FASEB(FED AM SOC EXP BIOL)
J,1992, 6(5): A1653]。Rutgers大学のHe YiHuiは博士論文でタケノコの体内外でコレステロールのレベルを下げる作用における系統的な研究を行った後で、主に植物性ステロイド(phytosterols)が作用していると認識した[The hypocholestolemic effect of bamboo shoot in vivo and in vitro (Phyllostachys edulis, Phytosterols) 1998]。
【0009】
現在、世界各国の竹抽出物に関する研究を概観すると、抽出方法においては水抽出法、有機溶剤抽出法および水蒸気蒸留による抽出法などがあるが、有効な成分における化学研究および生理と薬理活性の構造・効果との関係における研究はきわめて少ない。
【0010】
当発明が及ぶ植物の来源は竹全般(茎、根、葉、枝、タケノコを含む)であるが、主として竹の外表皮(Bamboo bark)についてのものであり、採用部位は《中薬辞海》(第1巻)[中国医薬科学技術出版社1993,pp2137〜2139]所載の竹茹と基本的に同じく、包括する竹種類の出所と範囲もそれに相似し、かつ剛竹属の竹種を主としている。
【0011】
《中薬辞海》中に記載されている竹茹[Bamboo Shavings]は、竹皮(《金匱要略》)、青竹茹(《神農本草経集注》)、淡竹皮茹(《別録》)、淡竹茹(《食療本草》)、麻巴(《草木便方》)、竹二青(《上海常用中薬草》)などの異名を持ち、イネ科の剛竹属、バンブサ(Bambusa)属とデンドロカラムス(Dendrocalamus)属中の竹種類の茎から削り取った外層皮、又はその下層のものである。規格品の竹茹は通常淡竹と人面竹2種類に分けられる。そのうち、淡竹(ハチク)(Phyllostachys nigra var. henonis (Bean) Stapf ( P. henryi Rendle))は甘竹(《広群芳譜》)、白竹(江蘇)、毛金竹(浙江)など別名を持ち、人面竹(P. aurea Carr. ex A.& C.Riviere,)は布袋竹(《台湾植物志》)とも称される。これ以外にも幾つかの種類が比較的広範に竹茹として引用されていおり、それらは粉緑竹(P. glauca McClure)―別名淡竹(江蘇)、桂竹(ケイチク) (P. makinoi Hayata)、
篌竹(ホウチク)( P. nidularia Munro)― 別名花竹(貴州)、槍刀竹(チャトチク)(浙江)、筆笋竹(広東)、剛竹(P. viridis (Young) McClure)、青稈竹(Bambusa tuldoides Munro)、チンコ竹(B. pervariabilis McClure)、粉単竹(B. chungii McClure) [Lingnania
chungii (McClure) McClure]、大頭典竹Dendroclamopsis beecheyana (Munro) Keng f. Var. Pubescens (P. F. Li) 、別名大頭甜竹(《中国竹類植物志略》)、 竹Dendrocalamus affinis Rendle (Sinicalamus affinis (Rendle) McClure)である。採用する竹種類の分布情況によって推定すると、長江流域では散生竹中の淡竹を主とし、次いで人面竹、桂竹、篌竹、粉緑竹、剛竹などがあり、華南と南西地域では密生竹種類中の青稈竹が主であり、次いで大頭典竹、粉単竹、チンコ竹、慈竹(ジチク)などがある。
【0012】
竹茹は臨床常用の漢方薬の一つとして、胃熱嘔吐、胸隔煩悶などの症状に多く用いられる。竹茹の伝統的な製剤方法は不純物を取り除いた後、短く切るか又は小さな団子状に練った後姜汁を加えて黄色になるまで炒めて調合薬として用いる。竹茹は《神農本草経集注》に初めて記載され、歴代の本草経にはすべてその効果が記載されている。例えば《綱目》の記載によると、竹茹は「急性発熱及びその疲労再発、小児の発熱化膿性炎症、妊娠婦の胎動」を治癒でき、張▲路▼編著の《本経逢原》の記載によると「竹茹は専ら胃・臟腑の発熱症状を治め、虚症による気の異常と多渇症、胃虚症による嘔逆など治療の主薬である。咳時に吐出す血を帯びた唾液、出産後の虚症による気の異常の治療に用いられる。《金匱》には、出産後の虚症による気の異常と嘔吐症状の治療に竹皮大丸を用いることが記載されている。《大金方》の記載には、出産後の内虚症、煩熱及び息苦しい症状の治療に甘竹茹スープを飲み、出産後の虚症による気の異常と頭痛、息苦しさ、煩悶症状の治療に淡竹茹スープを飲む。内虚症の治療には甘いものを採用し、煩悶症状の治療には淡いもので胃の発熱を治めるなどそれぞれその薬用理論を持っている。竹茹は気血の循環を促す特徴を持っているため、気血の流れを順調にし、かつ外因性の病原体の浸入を防ぐ」とされている。賈所学の《薬品化義》には、「竹茹は、軽能く実を去り、涼能く熱を去り、 苦能く降下し、もっぱら発熱性痰を清し、寧神かつ血気の停滞を順調にさせる上品。主に胃の発熱兆候、胃虚乾吐、発熱咳き、痰熱吐き気、酒傷嘔吐、痰涎酸水、心悸動悸、焦躁、睡眠不安、これらの胆胃熱痰兆候の治療に皆効果がある」と記載されている。清黄宮繍の《本草求真》には、「竹茹は薄甘味、気は寒く滑らかで、邪熱侵肺かつ肺滋養の不足の原因で焦躁口渇不安、胸詰嘔吐、血吐き、出血などの症状者は皆竹茹薬の服用に適する」と記載されている。
【0013】
《中国薬典2002版》には、竹茹を「淡竹、青稈竹、及び大頭典竹」と称し、「竹茹は甘味、微寒、入肺、胃経。効用と主治:清熱化痰、焦躁を取り除き嘔吐を止める。痰熱咳嗽、胆火による痰の挟み、煩熱嘔吐、心悸失眠、脳卒中による無気力昏睡、舌硬く失語症、胃熱嘔吐、妊娠つわり、胎動不安などの症状に用いる」と記載されている。しかしながら、漢方医薬は竹茹の成分と薬理における研究が非常に不足し、長期にわたり、竹茹の成分も薬理も詳細不明の状態にある。ただ《中薬辞海》(第1巻)[中国医薬科学技術出版社1993,pp2138] で、竹茹は2,5-ジメトキシ-p-ベンゾキノン(2、5-Dimethoxy p-benzoquinone)、p-水酸基ベンズアルデヒド(p-Hydroxy benzoaldehyde)、シリンガーアルデヒド(Syringaaldehyde)などcAMPホスホジエステラーゼの抑制作用を持つ成分を含有していることが言及されている。竹茹中のトリテルペノイド(triterpenoid)成分の存在に言及した文献はこれまでのところ見られない。
【0014】
これに対し、中国民間でよく用いられる「漢方薬の淡竹葉」[Herba Loophatheri, (英)Common Lopatherum Herb] の成分記述でトリテルペノイド(triterpenoid)の物質に言及しているが、ここでの「淡竹葉」はイネ科植物の淡竹葉(Lophatherum gracile Brongn)の茎と葉(多年生の草本、竹亜科に属しない)を指すものであり、その出所は浙江、江蘇、湖南、湖北などの地域である。薄甘味、寒性、心・腎両経に入り、清熱除煩、体液の分泌を促すことによる利尿の効用を持ち、熱病焦躁口渇、小便の赤く渋く濁る、口炎症と舌の水
疱瘡、歯肉が腫れて痛みがある症候に適用される。記載によると、淡竹葉の茎と葉には主にArundoin、Cylindrin、Taraxerol、Friedelinおよびb-sitosterol、stigmasterol、campesterol、taraxasterolなどのトリテルペノイド(triterpenoids)とステロイド類の物質が含まれ、その地上部分にはフェノール(phenol)類物質、アミノ酸、有機酸および糖類物質を含有している。最近、瀋陽薬科大学の陳泉ら研究者は淡竹葉の成分に対し比較的に系統的な研究[陳泉ら、「漢方薬淡竹葉の化学成分研究」、瀋陽薬科大学学報、2002,19(1):23-24と2002, 19(4):257-258] を行い、前後して、4-hydroxy-3,5-dimethoxybenzaldehyde、trans-p-hydroxy cinnamic acid、 tricin、tricin-7-O-b-D-glucosyl、vitexin、vanillic aldehyde、thymineおよびadenineなど8つの化合物を分離・鑑定したが、トリテルペノイド(triterpenoid)に対しては言及しなかった。
【0015】
多くのトリテルペノイド(triterpenoid)は30個の炭素原子からなり、6つのイソプレン(isoprenes)の縮合から構成されると認められている。トリテルペノイド(triterpenoid)とサポニンは自然界に広く存在する重要な生物活性成分であり、化学構造によってトリテルペノイドサポニン(triterpenoid saponins)とステロイドサポニン(steroid saponins)の2種に分けられる。ここ30年来、有機化合物における研究手段の進歩に伴い、多くの重要な薬草、例えば人参、三七人参、絞股藍(ジャオグラン)、柴胡(サイコ)、黄耆(オウギ)、遠志(オンジ)、商陸(ショウリク)、桔梗(キキョウ)、知母
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などに含有されているサポニンにおける系統的な研究が進められると同時に、その生物活性と薬用価値も次第に認識され、かつ日増しに重視されてきている。これらの物質は多種類の生物活性を有している。いわば、抗菌、抗ウィルス、抗ガン、抗生育、抗炎、降脂血、降血圧、降血糖、免疫調節など、心血管システム、神経システム、副腎皮質システムと酵素活性などの方面において生理活性を持ち、すでに天然薬物研究中の重要領域となっている [姚新生責任編集、「天然薬物化学」(第3版)、人民衛生出版社 2001,257-294。 呉寿金ら、「ここ数年来サポニンの薬理活性研究概況」、国外医薬・植物薬分冊、1994,9(6): 246-252]。
【0016】
トリテルペノイド(triterpenoid)類の化合物中には、ペンテシリクトリテルペノイド(pentacyclic triterpenoids)類の数量が多く、その主要種類としてはoleanane、ursane、lupinane及びfriedelaneなどがある。そのうち、friedelaneはoleanen hydroxymethylからの位置変動による産物である。Tripterygium wilfordiiはニシキギ科植物に所属し、中国では民間薬品として長く使用されている歴史を持ち、ここ数年来、臨床の応用が益々広く、特にリューマチ疾患に対し独特の治療効果があるため、国内外で広く注目され、またその中から多種のトリテルペノイド類物質が分離取得され、その中の一種はfriedelane類のトリテルペノイドである。例えば、triptergoneはTripterygium wilfordiiの皮と根の中心部を取り除いた後に、分離取得したトリテルペノイド(triterpenoid)であり、その化学名は3-hydroxy-25-nor-friedel-3, 1(10)-dien-2-one-30-oic acidで、これは25位のメチル基を失ったfriedelaneの誘導体である。ニシキギ科植物に所属する Kokona zeylanicaから分離・鑑定したfriedelane類化合物、又はその分解産物は20余個あり、Leslieらの研究者はこの植物の茎の皮から11個の化合物を分離取得し、これらは皆friedel-3-ketone類の化合物である。
【0017】
トリテルペノイド(triterpenoid)の抽出と分離方法は大体4種に分けられる。(1) エタノールやメタノールを使って抽出し、抽出物を直接に分離する。(2) メタノール類の溶剤を使って抽出した後、抽出物を石油エーテル、クロロフォルム、酢酸エチルなど溶剤の手順に従って抽出を行い、その後、更なる分離を行う。トリテルペノイド(triterpenoid)の成分は主にクロロフォルムの抽出ステップから取得する。(3)誘導体を取得した後、更なる分離を行う。即ち、抽出物を先にエーテルによる抽出を行った後、ジアゾメタンを使ってメチル化させてメチルエステルの誘導体を取得するものである。或は抽出物を通常の方
法によりアセチル化させてアセチル誘導体を取得した後、更なる分離を行う。(4)多くのトリテルペノイド(triterpenoid)は植物体の中ではサポニンの形式で存在し、トリテルペノイドサポニンの加水分解の後で取得することができる。即ち、トリテルペノイドサポニンの加水分解を行った後、その加水分解の産物をクロロフォルムなどの溶剤を使って抽出し、その後分離を行うものである。化学溶剤による抽出方法は、技術処理過程が長く、溶剤消耗量が多く、操作環境が劣るのみでなく、より重要なのは、抽出物の品質が不安定で、重金属と残留農薬の含有量が正常レベルを超えやすく、それに抽出産出率も低い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
当発明の目的は竹から抽出したトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)の組成物について、製法及びその用途を提示するものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
当発明の第1部分では、竹から抽出したトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)の化合物を提示しており、当該化合物についてfriedelinを標準品とするバニリンルアルデヒド(vanillic aldehyde)〜過塩素酸比色法により測定したトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)の含有量は10〜90%、GC-MS技術の採用により測定したfriedelinとlupenone含有量はそれぞれ5〜35%及び1%〜10%である。
【0020】
ある優選例の中で、トリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)の含有量は40〜80%、friedelinとlupenoneの含有量はそれぞれ15〜25%及び3〜6%であることを述べた。
【0021】
もう一つの優選例の中では次の内容を述べている。トリテルペノイドサポゲニン(total
triterpenoid sapogenins)は、friedelinとlupenone及びその同族体を主とするpentacylic triterpenoidsの混合物であり、外観は黄色又は黄緑色の粉末、融点74〜79°C、臭化カリウム分析による赤外線スペクトルの測定で、この混合物は2917、2849、1716、1463、1382及び720cm-1の所で特徴的な吸収ピークを示すもので、トリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)を純粋なスペクトルを持つ二塩化メチル(CH2Cl2)に溶解させた後、300〜700nmの波長範囲内でスキャンを行うと、412nmの所に強吸収、665nmの所に次強吸収を示し、また505、535及び605nmの付近ではそれぞれ弱吸収を示した。
【0022】
当発明の第2部分では、竹からのトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)物質の抽出方法及びその実施ステップを提示した。
【0023】
(a)イネ科所属の竹の茎、竹の葉、タケノコ、タケノコの殻、竹根、或はその混合物を超臨界の二酸化炭素流体との混合により抽出を行い、竹の中の遊離状態のトリテルペノイドなどの低極性物質を二酸化炭素に溶解させる。その間、抽出温度は50〜65°C、抽出圧力は25〜35Mpaとする。
【0024】
(b) 上述の遊離状態のトリテルペノイドが溶解されている二酸化炭素流体の圧力を変えて、二酸化炭素を気化分離させるにより析出されるトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)を取得する。その間、分離温度は35〜45°C、分離圧力は5〜10Mpaとする。
【0025】
ある優選例で述べた原料は10〜20メッシュの粒度の竹粉末であり、またステップ(a)ではエントレイナー(entrainer)を使用し、そのエントレイナー(entrainer)の体積使用量はCO2量の5〜15%で、そのうち、二酸化炭素気体は循環利用され、循環ダイナミック抽出を行う時間は2〜5時間である。
【0026】
もう一つの優選例で述べたエントレイナー(entrainer)は、メタノール、エタノールとアセトン、又はその混合物から選定される。
【0027】
別の優選例で述べた竹は、剛竹属(Phyllostachys)、バンブサ(Bambusa)属とデンドロカラムス(Dendrocalamus)属から選定される。
【0028】
当発明の第3部分では、発明のトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)化合物の次の用途を提示した。トリテルペノイドサポゲニン(Total triterpenoid sapogenins)及びそのfriedelin単量体(monomer)は、降血圧、抗心不全、抗心筋虚血、抗脳虚血、抗老人性痴呆及び抗腫瘍の新薬製造、漢方・西洋薬の複合調合薬剤、および心・脳血管疾患の予防・治療と抗腫瘍の健康食品と複合調合薬剤の製造に用いられる。
【0029】
トリテルペノイドサポゲニン(Total triterpenoid sapogenins)はスキンケアとヘアケアの効果因子としてスキンケア用品、シャンプーやヘアケア用品、入浴剤など日用化粧品の製造に用いられる。
【0030】
トリテルペノイドサポゲニン(Total triterpenoid sapogenins)中のpentacyclic triterpenoidsは、心・脳血管疾病の予防・治療と抗腫瘍薬物、健康食品、および日用化粧品の製造に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
当発明は超臨界CO2流体抽出技術の利用によりイネ科所属の剛竹属、バンブサ(Bambusa)属及びデンドロカラムス(Dendrocalamus)属の竹(竹の茎、竹の枝、竹の葉、タケノコと竹根を含む)中、特に剛竹属の竹品種の竹茹からのトリテルペノイド物質の抽出方法を提示する。
【0032】
当発明の具体的な実施計画は次の通りである。
【0033】
竹の粉末(通常は10〜20メッシュの粒度にする)をCO2超臨界抽出釜の中に入れる。温度50〜65°C、圧力25〜35MPaの下で、エントレイナー(entrainer)を使用又は不使用の状態で循環ダイナミック抽出を2〜5時間行うことにより竹茹の抽出物(コードネーム:EZR2002)を取得する。エントレイナー(entrainer)は、メタノール、エタノール及びアセトンなどの有機溶剤を選定し、使用量は通常CO2量の5〜15%(v/v)とする。
【0034】
当発明の長所は次の通り。
【0035】
(1)多種の生理と薬理活性を持つペンタシリクトリテルペノイド(pentacylic triterpenoids )類化合物を含む竹類来源を提示した。(2)超臨界CO2流体抽出技術の採用により竹茹からトリテルペノイドサポゲニン(Total triterpenoid sapogenins)物質の高効率な抽出を実現すると同時に、高精度かつ高品質の製品を取得し、またその主要成分の構成と含有量の変化範囲を明らかにした。(3)竹のトリテルペノイドサポゲニン(Total triterpenoid
sapogenins)及びその代表的化合物(friedelin)の降血圧作用、抗腫瘍活性及びその皮膚生理効果における系統的な研究を行うにより、これらの物質が医薬、健康食品および日用化粧品などの応用領域において広い将来性を持っていることを掲示した。
【0036】
以下の優選例では当発明における詳細な論述を行うが、それらは当発明についての制限を構成するものではない。
【0037】
実施例1A 淡竹抽出物の製造
淡竹抽出物の製造ステップは、(1)20メッシュの粒度の剛竹属の淡竹(Phyllostachys
nigra var. henonis、 別名:毛金竹、金毛竹)の竹茹粉末を抽出釜内に入れ、温度を55°Cまで引上げた後、CO2ポンプを始動して圧力を30MPaまで引上げ、また予熱器を経過して抽出釜内に入れる。(2)エントレイナー(entrainer)のポンプを起動して、10%体積比のアセトンが予熱器を経過して抽出釜内に入るようにする。55°Cの下でダイナミック抽出を3時間行う。その間、分離釜1の設定分離圧力を8 MPa、温度45°Cにし、分離釜2の設定分離圧力を5〜6 MPa、温度27〜30°Cにする。分離釜1から目的産物を取得した後、低温の下で乾燥、粉砕によりEZR2002を121g取得し、その産出率はおよそ2.2%。(3)分離釜2からエントレイナー(entrainer)を回収する。
【0038】
実施例1B モウソウチク抽出物の製造
剛竹属のモウソウチク(Phyllostachys pubescens、楠竹(ナンチク)とも称する)のタケノコを原料に、それを乾燥、粉砕した後、超臨界の状態で抽出を行う。その間、抽出温度を60°C、圧力25 MPa、抽出時間は5hにし、エントレイナー(entrainer)は10%体積比のエタノールに変える以外、その他の条件は実施例1Aと同じく、EZR2002の産出率はおよそ0.98%。
【0039】
実施例1C 青皮竹抽出物の製造
バンブサ(Bambusa)属の青皮竹[Bambusa textiles MuClure、別名:籤竹(ヒゴチク)、山青竹]の全般を原料に、それを乾燥、粉砕した後、超臨界で抽出する。その間、抽出温度を50°C、圧力30 MPa、抽出時間は4hにし、エントレイナー(entrainer)は不使用、分離釜の分離設定圧力を6 MPa、温度40°Cにして目的産物を取得し、また低温の下で乾燥、粉砕によりEZR2002を取得し、その産出率はおよそ1.1%。
【0040】
実施例2 竹抽出物の特徴
実施例1A〜1Cで超臨界CO2抽出方法により取得した竹抽出物(EZR2002と総称する)製品の特徴を論述した。(実施例1A〜1Cでの抽出物の特徴は同じ。)
EZR2002はfriedelin、lupenoneおよびその同族体を主とするペンテシリクトリテルペノイド(pentacylic triterpenoids )類化合物の混合物であり、外観は黄色或は黄録色の粉末であり、融点は74〜79°C。臭化カリウムによる赤外線スペクトルで、混合物は2917、2849、1716、1463、1382及び720cm-1の所で特徴的な吸収ピークを示す(別図1参照)。EZR2002を純粋なスペクトルを持つ二塩化メチル(CH2Cl2)に溶解させた後、300〜700nmの波長範囲内でスキャンを行うと、412nmの所に強吸収、665nmの所に次強吸収を示し、また505、535及び605nmそれぞれの付近に弱吸収を示す(別図2参照)。
【0041】
friedelinを標準品とするバニリンルアルデヒド(vanillic aldehyde)〜過塩素酸比色法により測定したEZR2002の異なるバッチ(different batches)のトリテルペノイドサポゲニン(Total triterpenoid sapogenins)の含有量は55〜75%。GC-MS技術による分析と測定の結果からその主要遊離状態のトリテルペノイド(triterpenoid)は、friedelin、friedelan-3-β-ol、lupenoneとlupeolなどのペンテシリクトリテルペノイド(pentacylic triterpenoids )類化合物であることを示した。そのうち、MS-GS分析技術の実験条件は次の通り。
【0042】
器具: Agilent会社製造のGC 6890〜MS 5973。
【0043】
GC条件:
検測器: FID, 280°C
パイプ: HP5毛細管
導入気体: N2
H2の流速:30ml/min
空気流速:200ml/min
末端気流注入速度:50ml/min
プログラム化の温度上昇:100°Cの下で2min維持した後に、20°C/min の速率で270°Cまで上昇させて50min維持する。
【0044】
サンプル注入:無分流のサンプル注入、注入量は1μl、温度280°C。
【0045】
MSの条件:
パイプ:HP5-MS毛細管
導入気体:ヘリウム気体
パイプ内の流速:1ml/min
プログラム化の温度上昇:100°Cの下で3min維持した後に、20°C/min の速率で270°Cまで上昇させて50min維持する。
【0046】
検測方法:品質のスキャン範囲:18-500m/z、倍増管の電圧:1600ev、データベースはNIST98。
【0047】
フランスのEXTRASYNTHESE会社から購入したfriedelinとlupenone標準品(HPLC純粋)のGC-MS技術対比分析と定量検測によると、EZR2002の異なるバッチのfriedelin平均含有量は20.2±5.2%、lupenone平均含有量は5.2±1.5%。EZR2002サンプル及びそのfriedelinとlupenone標準品のGC-MSスペクトルは別図3〜6を参照。
【0048】
当発明は、竹抽出物(コードネームはEZR2002)を心・脳血管疾病の予防・治療と抗腫瘍の薬物および健康食品、それ以外に、スキンケアの効果因子として日用化粧品における用途も包括した。実施例3〜6では、当発明抽出物の各種の生理と薬理活性を実証した。
【0049】
実施例3 EZR2002の抗フリーラジカル活性
Vc-Cu++-H2O2-酵母多糖の水酸基フリーラジカル産出システムを採用して、化学発光法による測定[張英ら、「竹の葉の有効成分と抗活性酸素フリーラジカル効能研究」、竹研究誌, 1996, 15(3):17-24]で、EZR2002の水酸基フリーラジカルに対するIC50は39.6±10.5mg/mlであり、比色法による測定でEZR2002のDPPHフリーラジカルに対するEC50は300.4±50.6mg/mlから、より強い活性酸素フリーラジカルの除去能力を示しているため、バイオ抗酸剤として応用の潜在力を有しているものである。
【0050】
実施例4 EZR2002の自発性高血圧症マウスに対する降血圧作用
4.1 実験用の原材料
実験に際して、EZR2002をツイーン 80 (Tween-80)の助溶剤添加及び蒸留水を加えることにより、20と60mg/mlの溶液を調製する。対照組に20%のTween-80を100g体重当たり0.5mlの用量で投与する。
【0051】
自発性高血圧症のマウス(SHR):18週間目、雄、体重300〜365gのマウスを中国科学院上海実験動物センターより提供、動物合格証番号:
1123474045510_1.html&qt=&qty=&qtb=%A4%B5%A4%F3%A4%BA%A4%A4&qtk=0&lc=14&lp=12&svp=SEEK&item=MAIN,NODE,4582
動合証字152号。
【0052】
4.2 実験方法
意識あるマウスの血圧測定はSHRマウス用電子血圧メーター(北京・中日友好病院製造)を採用して尾動脈の間接的血圧測定法によりマウスを38°Cの温度コントロール可能の箱内に入れて15〜20分間加熱すると同時に、収縮血圧と心拍を測定する。
【0053】
自発性高血圧症の実験マウス18匹を、6匹を1組として無作為に3組に分ける。対照組にツイーン 80 (Tween-80)を投与し、EZR2002は一日当たり100mg/kgと300mg/kgの2つの薬投与量に分けて投与する。投与の1週間前から血圧測定を行い、血圧が安定してから実験を始めることとし、1日に一回ずつ、連続1週間投与を行うと同時に、投与後の第1、4、7日目にそれぞれマウスの血圧測定を行う。初回の投与時にあたり、まず投与前のマウスの血圧を測定し、その後灌胃投与し、2、4、6h目それぞれにおける薬物のマウスに対する降圧作用を測定する。その結果、EZR2002の降圧作用は4〜6hにおいてピークを示した。第4及び7日目の実験中、マウス血圧の測定時期は投与前(即ち前回次の投与後24時間目)と投与後4時間目に設定する。
【0054】
4.3実験結果
一日当たり100mg/kg 投与量のEZR2002投与組は、実験開始の当日に測定した投与前のマウス収縮血圧195±8mmHgが、投与後の2時間目(2h)には179±14mmHgに下がり、投与後の4hと6h目の収縮血圧はそれぞれ169±18と165±19mmHgになったことから、投与前に比べてそれぞれ明らかな血圧低下(p<0.05とp<0.01)の効果が見られた。一日当たり300mg/kg投与量のEZR2002投与組は、実験開始の当日に測定した投与前のマウス収縮血圧199±7mmHgが、投与後の2時間目(2h)には179±14mmHgに下がり、投与後の4hと6h目の収縮血圧はそれぞれ181±14と179±6mmHgになったことから、投与前に比べてそれぞれ明らかな血圧低下(p<0.05とp<0.01)の効果が見られた。表1を参照。
【0055】
【表1】

【0056】
一日当たり300mg/kg投与量のEZR2002投与組は、実験開始の4日目で投与前に測定した血圧(即ち、前回次の投与後24時間目)はそれぞれ193±8と189±20mmHgで、この血圧は対照組のマウス血圧(190±18 mmHg)に比べて明らかな格差が出ていない。同様に、2組の実験マウスを7日目の投与前に測定した血圧(即ち、前回次の投与後24時間目)はそれぞれ184±13と187±18mmHgで、この血圧は対照組のマウス血圧(187±20mmHg)に比べて明らかな格差が出ていない。この実験結果はEZR2002の降血圧作用の維持時間は24時間より短いことを示したものである。
【0057】
【表2】

【0058】
一日当たりEZR2002投与量がそれぞれ100mg/kg及び300mg/kgの7日間の実験中、1、4、7日目のマウスの血圧観察で、すべて明らかな降血圧作用を示した(表3参照)。投与期間のマウス心拍数の観察から、EZR2002はマウスの心拍に対し明らかな影響を示さず(表4参照)、対照組のマウスは実験期間中に渡り血圧に明らかな変化は出なかった。(表1、2、3参照)。
【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
4.4結論
竹茹からの抽出物(EZR2002)は、自発性高血圧症マウスに対し明らかな降血圧作用を有する。
【0062】
実施例5 EZR2002及びその分離成分の抗腫瘍活性
5.1 EZR2002の抗腫瘍活性物質の生体外選別
5.1.1選別方法 sulforhodamine B, SRB蛋白染色法
microculture tetrozolium, MTT還元法
5.1.2 細胞株 P388小マウスの白血病細胞とA549ヒトの肺腺癌細胞
5.1.3 作用時間 48時間と72時間
5.1.4 活性評価指標
無効: 10-5mol/L< 85%
弱い効果: 10-5mol/L 3 85% 或10-6mol/L >50%
強い効果: 10-6mol/L 3 85% 或10-7mol/L >50%
【0063】
【表5】

【0064】
【表6】

【0065】
5.1.5 実験結果: 表5、6を参照。
【0066】
5.1.6 結論
EZR2002はP388小マウス白血病及びA549ヒト肺腺癌細胞株に対し抑制作用があり、抗ガン活性を有する。
【0067】
5.2 EZR2002から分離取得したfriedelinの生体外抗ガン作用
EZR2002の抗腫瘍能力をいま一歩評価するため、申請者はさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Silica Gel Column chromatography )と向流クロマトグラフィー(Countercurrent Chromatography)の製造技術を採用してEZR2002からFriedelin成分を分離取得し、GC-MS分析により分離成分の純度測定値は90.5%であることを確認した。瀋陽薬科大学の国家沈陽新薬安全評価研究重点実験室に委託してMTT方法採用により、Friedelin単量体サンプルにおける生体外抗ガン活性の評価を行った。
【0068】
5.2.1細胞株
この度の実験は、A375(ヒトの黒色素瘤(human melanoma))、L929(小マウスの肺上皮癌)、Hela(ヒトの子宮頸癌)及びTHP-1(ヒトの大食細胞瘤(macrophage tumor))の4種の細胞株を活性選別として用いた。そのうち、前の3種はアドヘレント細胞(Adherent Cell)で、第4種は浮遊細胞である。
【0069】
5.2.2実験材料と培養条件
全ての細胞は皆RPMI-1640の培養液により培養し、この培養液は10%の牛胎子血清、100U/mLのペニシリン、100mg/mLのストレプトマイシン、0.2%のNaHCO3を含有する。各成分はすべてイオン除去かつ3度蒸留の水で調製し、溶解した後に0.22μmの濾過膜により濾過除菌し、また牛胎子血清は使用に際し56°Cの温度で30分間加熱により不活発化される。細胞は上述の培養液により、温度37°CかつCO2濃度5%の培養箱に入れて培養する。
【0070】
5.2.3方法と効果
対数増殖期のA375、L929、Hela細胞は5×104/mLの密度に、THP-1はより小さいためその密度を1×105/mLに調整して、96ウェルプレート(100μL/well)内に接種する。浮遊細胞は4時間培養後、アドヘレント細胞(Adherent Cell)は12時間培養後サンプルを加える。Friedelinのサンプルは予め超音波の助溶作用によりDMSOに溶解させた後、DMSO濃度<0.1 % (v/v)の 培養液に溶解させる。 その後、サンプルを7.5、15、30、60、120、240、480及び960μmol/L の8つの濃度に分け、またそれぞれの濃度を4つの平行ウェルを設けると同時に陰性対照組も設ける。細胞にサンプルを加えて引き続き24時間と48時間培養後に、細胞液に5mg/mL濃度のMTT溶液をウェルごとに15μl(15μl/well)注入する。
【0071】
48時間培養した後、1500rpm回転速度で5分間の遠心濾過により表面に浮いているものを取り除き、その後、培養ウェルの細胞にDMSO (150μl/well)を加えてから、マイクロバイブレーター(micro-vibrator)により10分間の弱振動を行って結晶を完全に溶解させた後、enzyme-labeledメーターにより492nmの所の吸光度(OD値)を測定する。このデータに基づいて薬物の細胞増殖に対する抑制率を算出し、またBliss法によりFriedelinの50%阻害濃度(IC50)を求める。(結果は表7)。
【0072】
【表7】

【0073】
5.2.4 陽性対照物との比較
当実験はde-methyl-cantharidinを陽性対照物として用い、8表は120mmol/L濃度のde-methyl-cantharidin物質の24時間目と48時間目にA375細胞、L929細胞及びHela細胞における抑制率、及び相応のFriedelinデータを列記したものである。
【0074】
【表8】

【0075】
5.2.5 結論
EZR2002から分離取得したFriedelin単量体成分のA375(ヒトの黒色素瘤(human melanoma))、L929(小マウスの肺上皮癌)、Hela(ヒトの子宮頸癌)及びTHP-1(ヒトの大食細胞瘤(macrophage tumor))の4種の癌細胞の増殖に対しそれぞれ程度の異なる抑制作用を持ち、またその抑制率は時間・投与量と関係を持っている。
【0076】
Friedelinサンプルは24時間目でHela細胞とTHP-1細胞に対し確実な作用を示すことから、Friedelinは上述の細胞に対し敏感性が高く、逆にA375細胞とL929細胞に対する敏感性はやや低いものとなっている。
【0077】
陽性薬物 (de-methyl-cantharidin) との抑制効果の比較からFriedelinはかなり強い抗ガン活性を有しているため、抗ガン剤や健康食品として開発することができ、同時に、FriedelinはEZR2002に含まれている主要抗ガン活性成分であることも実証した。
【0078】
実施例6 EZR2002の皮膚生理活性
EZR2002の日用化粧品領域における応用の将来性を評価するため、申請者は復旦大学公衆衛生学院の皮膚生理毒理研究室に委託し、EZR2002の皮膚生理効果におけるテストを行った。
【0079】
6.1 実験材料と方法
6.1.1サンプルの取扱い
EZR2002をDMSOに十分溶解させた後、孔径0.22μmの濾過膜より濾過・除菌を行ってから、無血清のDMEMを加えて希釈することにより濃度が0.5%、0.05%、0.005%及び0.0005%のサンプルに調製し、又これらのサンプルは-4°Cの温度条件で保存し、無血清のDMEMを対照物とした。
【0080】
6.1.2試薬と容器
K-SFM培地(Gibcol会社、USA)、DMEM培地、インシュリン、小牛血清(NBS)、ヒドロコルチゾン(hydrocortison)、ペニシリン、ストレプトマイシン、トリプシン(trypsinase)、フィコール(Ficoll)、96 ウェルプレートと24 ウェルプレート、及び直径35mmの培養皿と25cm2培養瓶(Corning会社、USA)。
【0081】
6.1.3 器具
enzyme-labeledメーター(BIO-TEK会社)、pHメーター、超クリーンベンチ(super-clean bench)、培養箱、722分光光度計(spectrophotometer)。
【0082】
6.1.4皮膚細胞の初代培養
出生3日目のSDマウスの背中皮膚を剥ぎ取り、0.25%濃度のトリプシン(trypsinase)冷消化法(cold digestion method)により表皮角化細胞(epidermal keratinocytes)を準備し、K-SFM培地により細胞密度を1×106/mlに調整してから、96ウェルプレートと24ウェルプレートにそれぞれ接種する。接種後24時間目に1回目となる培地交換を行い、その後は2〜3日ごとに一回ずつ培地を交換する。上述の培養細胞が成長により80%融合された時点で、サンプルを添加する。
【0083】
6.1.5 脂質の過酸化産物(MDA)とスーパーオキシドジムターゼ(SOD)の測定
MDAの測定はTBA比色法により行い、SODの測定は亜硝酸塩還元法(nitrite reduction method)により行い、試薬の箱は南京建成生物公司の提供による。
【0084】
6.1.6安全性の評価とテスト
1999年国家衛生部公布の「化粧品衛生規範」中の評価プログラムと方法に基づいて行うこととし、テスト用サンプルの濃度は10%に設定する。(1)皮膚刺激試験: 0.2mlのサンプルを毎日一回ずつ、毎次1時間、連続14日間皮膚に塗る。(2)眼刺激試験:0.1mlのサンプルを試験動物の結膜嚢中に滴下し、毒に感染後の1、24、48、72時間目、及び4、7日目において動物眼に対し検査を行う。
【0085】
6.2結果
6.2.1皮膚に対する抗老化作用
EZR2002は0.0005%〜0.005%の投与量の範囲(即ち、体重1kg当たり5〜50mgの投与量)内で皮膚細胞のMDAレベルは対照組に比べて著しく低く、またSOD活性は対照組に比べて著しく高かった。表9参照。
【0086】
【表9】

【0087】
6.2.2安全性
皮膚刺激試験及び眼刺激試験による結果はすべて陰性であることから、皮膚および眼に対し無刺激性であることが確認された。
【0088】
6.3結論
EZR2002は体重1kg当たり5〜50mgの投与量の範囲内でかなり強い抗酸化損傷作用を有すると同時に、皮膚のSOD活性を強め、酸化産物のMDA形成を減少させるため、スキンケアやヘアケアなど日用化粧品における応用に関し良好な生理学的効果を有する。
【0089】
当発明の中で言及されている文献はすべて当出願の参考として引用されているものであり、それらの文献ごとに単独で参考引用されているのと同然である。このほか、当分野の技術者は当発明の上述の講義内容を閲覧後に、当発明に対する各種の変動や修正を行うことができ、それらの等価形式は、同様に当明細書添付の特許請求の範囲が限定する範囲内に含まれるものであることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】EZR2002のIRスペクトル写真(臭化カリウムにより測定)
【図2】EZR2002のUVスペクトル写真(純粋なスペクトルを持つ二塩化メチル(CH2Cl2)に溶解させた後の測定)
【図3】EZR2002のGC-MSスペクトル写真(同時に、friedelinの質量スペクトル棒状図も示す)
【図4】EZR2002のGC-MSスペクトル写真(同時に、lupenoneの質量スペクトル棒状図も示す)
【図5】friedelin標準品のGC-MSスペクトル写真
【図6】lupenone標準品のGC-MSスペクトル写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
friedelinを標準品とするバニリンルアルデヒド(vanillic aldehyde)〜過塩素酸比色法により測定したトリテルペノイドサポゲニンの含有量が10〜90%、GC-MS技術により測定したfriedelinとlupenoneの含有量がそれぞれ5〜35%及び1%〜10%となることを特徴とする竹から抽出したトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)の組成物。
【請求項2】
トリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)の含有量が40〜80%、friedelin及びlupenoneの含有量はそれぞれ15〜25%及び3〜6%となる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
トリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)が、friedelinとlupenone及びその同族体を主とするpentacylic triterpenoidsの混合物であり、外観は黄色又は黄緑色の粉末、融点74〜79°C、臭化カリウム分析による赤外線スペクトルの測定で、この混合物は2917、2849、1716、1463、1382及び720cm-1の所で特徴的な吸収ピークを示すもので、トリテルペノイドサポゲニンを純粋なスペクトルを持つ二塩化メチル(CH2Cl2)に溶解させた後、300〜700nmの波長の範囲内でスキャンを行うと、412nmの所に強吸収、665nmの所に次強吸収を示し、また505、535及び605nmのそれぞれの付近に弱吸収を示す、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
以下のステップを含む、竹からトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)物質を抽出する方法。
(a)イネ科に所属する竹の茎、竹の葉、タケノコ、タケノコの殻、竹根、或はその混合物を超臨界の二酸化炭素流体と混合により抽出を行い、竹の中の遊離状態のトリテルペノイドなどの低極性物質を二酸化炭素に溶解させるステップであって、抽出温度は50〜65°C、抽出圧力は25〜35Mpaとするステップ、
(b)上述の遊離状態のトリテルペノイドが溶解されている二酸化炭素流体の圧力を変えることにより二酸化炭素を気化分離させると同時に、これに伴って析出されるトリテルペノイドサポゲニンを取得するステップであって、分離温度は35〜45°C、分離圧力は5〜10Mpaとするステップ。
【請求項5】
原料が10〜20メッシュの粒度の竹粉末であり、またステップ(a)ではエントレイナー(entrainer)を使用し、そのエントレイナーの体積使用量はCO2量の5〜15%を占め、かつ、二酸化炭素気体は循環利用され、循環ダイナミック抽出を行う時間は2〜5時間である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
エントレイナー(entrainer)が、メタノール、エタノール、アセトン、又はその混合物から選定される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
竹が、剛竹属(Phyllostachys)、バンブサ(Bambusa)属及びデンドロカラムス(Dendrocalamus)属から選定したものである、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
降血圧、抗心不全、抗心筋虚血、抗脳虚血、抗老人性痴呆及び抗腫瘍の新薬製造、漢方・西洋薬の複合調合薬剤、および心・脳血管疾患の予防・治療と抗腫瘍の健康食品と複合調合薬剤の製造に用いられるものである、請求項1で述べたトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)組成物の使用。
【請求項9】
スキンケア及びヘアケアの有効因子として日用化粧品の製造に用いられる、請求項1で述べられたトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)組成物の使用。
【請求項10】
トリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)中のpentacylic triterpenoidsが、心・脳血管疾病の予防・治療と抗腫瘍薬物、健康食品、および日用化粧品の製造に用いられる、竹から抽出したトリテルペノイドサポゲニン(total triterpenoid sapogenins)の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−512330(P2006−512330A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557744(P2004−557744)
【出願日】平成15年4月28日(2003.4.28)
【国際出願番号】PCT/CN2003/000309
【国際公開番号】WO2004/052383
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(505218959)上海▲ユン▼騰▲植▼物提取科技▲発▼展有限公司 (1)
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI YUNTENG PLANT−EXTRACT SCIENCE AND TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO., LTD.
【出願人】(505218948)杭州浙大力夫生物科技有限公司 (3)
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY (HANGZHOU) LEAF BIO−TECHNOLOGY CO., LTD.
【Fターム(参考)】