等半径で、かつ/または、螺旋状の分析ゾーンを含む光ディスク、ならびに、関連するディスクドライブシステムおよび方法
光ディスクは、内周部および外周部を有する基板と、基板に付随するオペレーション層とを備える。オペレーション層は、情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含む。分析エリアは、調査特徴物を含む。分析エリアは、基板の内周部と外周部との間に配置され、かつ、情報トラックに沿って配向されており、それによって、電磁エネルギーの入射ビームが情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析ゾーン内の全ての調査特徴物が円周方向にインタロゲートされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、2003年1月15日に出願された米国特許出願第10/347,155号の優先権の利益を主張する。この米国特許出願は、その全内容が参照により本明細書に援用される。
【0002】
[著作権で保護されたものに関する陳述]
この特許文書の開示の一部は、著作権保護の対象になるものを含む。著作権者(copyright owner)は、この特許文書または特許の開示が特許商標庁のファイルまたは記録に掲載される場合に、当該特許文書または特許の開示の何人による複製に対しても異議を有さないが、それ以外では、いかなるものであれすべての著作権を留保する。
【背景技術】
【0003】
<1.発明の分野>
本発明は、包括的には、光ディスク、光ディスクドライブ、および光ディスクインタロゲーション方法に関し、詳細には、光バイオディスクの分析ゾーンの代替的な構成に関する。より具体的には、最良の実施の形態に従って以下で説明する特定の実施の形態に制限されることなく、本発明は、等半径で、かつ/または、螺旋状の分析ゾーンを含む光ディスク、ならびに、関連するディスクドライブシステムおよび方法に関する。便宜上、等半径、e−半径、e−rad、およびeRadという用語は、本明細書では交換可能に利用することができる。
【0004】
<2.背景技術の説明>
光バイオディスクは、バイオコンパクトディスク(BCD(Bio-Compact Disc))、バイオ光ディスク、光分析ディスク、またはコンパクトバイオディスクとも呼ばれ、さまざまなタイプの生化学分析を行う技術分野において知られている。特に、この光ディスクは、光記憶デバイスのレーザ源を利用して、ディスク自体の作用面上またはその近傍の生化学反応を検出する。これらの反応は、多くは300ミクロンよりも小さな1つまたは複数の寸法を有するディスク内部の小さな流路で発生していることもあるし、ディスクの開いた表面で発生する反応の場合もある。システムが何であろうと、通常、異なる反応を同時に検出するために、または、エラー検出の目的で同じ反応を繰り返すために、複数の反応サイトが必要とされる。
【0005】
これら反応サイトの現在の配置は、それら反応サイトをディスクの単一の半径に沿って配置すること、すなわち、ディスクの単一の各座標に配置することである。しかしながら、この構成はさまざまな限界を有する。これらの限界について以下で要約する。
【0006】
第1に、ディスクドライブシステムのレーザヘッドは、すべてのスポットを読み出すために、ディスクの半径方向の全範囲をカバーしなければならない。これが必要であるということは、読み出し時間が長いことを意味し、詳細には、読み出し時間が、より狭い半径範囲を読み出すのに要する時間よりも長くなることを意味する。
【0007】
さらに、半径方向に延長しなければならない、または、レーザ源と共に移動しなければならない、透過光線の検出器を有するディスクドライブシステムが必要となる。そうしなければ、或る一定の半径部分のレーザ光は検出器に当たらなくなる。
【0008】
反応サイトの現在の構成の別の限界は、表面の細胞捕捉を含む検出メカニズムにおいて、捕捉されない細胞が、ディスクの回転中に他のすべての捕捉領域にわたって移動し、これらの位置における反応を妨げるおそれがあるということである。これに加えて、それら細胞は、半径方向に配列された検出領域から離れるために、通常、最大で40mmの大きな距離を移動しなければならない。
【0009】
その上、半径と共に求心力が変動することによって、細胞またはビーズの捕捉確率、分布、または濃度の変動が導入されるおそれがある。
【0010】
さらに別の限界は、ディスクの流路の外側の半径部分が、ディスク自体の外縁に近くなり、それによって、流路からディスク外部へ液漏れが生じる可能性があるということである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、既知の技術の限界を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明は、光バイオディスクの分析ゾーンの代替的な構成、ならびに、関連するディスクドライブシステムおよび方法を対象とする。
【0013】
より具体的には、本発明は、光分析バイオディスクを対象とする。このディスクは、有利には、内周部および外周部を有する基板と、この基板に付随するオペレーション層であって、情報トラックに沿って配置された符号化情報を含む、オペレーション層と、調査特徴物を含む分析エリアとを含む。分析エリアは、内周部と外周部との間に配置され、かつ、情報トラックに沿って配向されてなっており、それによって、電磁エネルギーの入射ビームが情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析エリア内の調査特徴物がそれにより円周方向にインタロゲートされる。
【0014】
また、本発明は、上記で定義した光分析ディスクも対象とする。この光分析ディスクでは、電磁エネルギーの入射ビームが情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析エリア内の調査特徴物が、それによって、螺旋状の経路に従って、または、一般的には、変化する角座標の経路に従って、インタロゲートされる。
【0015】
基板は、円周が内周部から外周部にかけての半径の関数として増加する一連のほぼ円形の情報トラックを含むことが好ましく、分析エリアは、事前に選択された個数の円形の情報トラック間に円周方向に伸びることが好ましく、調査特徴物は、事前に選択された内周と外周との間の円形の情報トラックにほぼ沿ってインタロゲートされることが好ましい。
【0016】
好ましい実施の形態によると、分析エリアは流体チャンバを含む。バイオディスクの回転は、調査特徴物を分析エリアに沿ってほぼ均一な分布、かつ/または、分析エリアに沿ってほぼ一様な分布に分散させることが好ましい。
【0017】
さらに、本発明は、光分析バイオディスクも対象とする。本実施の形態では、バイオディスクは、内周部および外周部を有する基板と、調査特徴物を含む分析ゾーンであって、基板の内周部と外周部との間に配置され、変化する角座標に従って伸びる、分析ゾーンと、を含む。分析ゾーンは、ほぼ円周方向または螺旋状の経路に従って伸びることが好ましい。
【0018】
分析ゾーンは、変化する角座標および動径座標に従って伸びることが好ましい。代替的
な一実施の形態では、分析ゾーンは、変化する角座標およびほぼ一定の動径座標に従って伸びる。
【0019】
ディスクは、基板に付随するオペレーション層であって、情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含む、オペレーション層を含むことが好ましい。
【0020】
別の好ましい実施の形態によると、基板は一連の情報トラックを含む。この一連の情報トラックは、好ましくは、ほぼ円形の外形を有し、円周が、内周部から外周部にかけての半径の関数として増加する。また、分析ゾーンは、情報トラックにほぼ沿って配向されており、それによって、電磁エネルギーの入射ビームが情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析ゾーン内の調査特徴物が円周方向にインタロゲートされる。分析ゾーンは、事前に選択された個数の円形の情報トラック間に円周方向に伸びることがより好ましく、調査特徴物は、事前に選択された内周と外周との間の円形の情報トラックにほぼ沿ってインタロゲートされることがより好ましい。
【0021】
別の好ましい実施の形態では、分析ゾーンは、変化する角座標に従って配列された複数の反応サイトおよび/または複数の捕捉ゾーンもしくはターゲットゾーンを含む。
【0022】
また、光分析バイオディスクは、基板の内周部と外周部との間に配置された複数の分析ゾーンも含むことができ、これら複数の分析ゾーンの少なくとも1つは、変化する角座標に従って伸びる。
【0023】
これら複数の分析ゾーンは、ほぼ円周方向の経路に従って伸び、バイオディスクの内周部の周りに同心円状に配列されることが好ましい。
【0024】
異なる一実施の形態では、ディスクは、各分析ゾーンがほぼ円周方向の経路に従って伸び、各段がバイオディスク上の各動径座標に配列される、多段の分析ゾーンを含む。
【0025】
さらに好ましい一実施の形態では、分析ゾーンは、変化する角座標に従って伸びる1つまたは複数の流体チャンバを含み、このチャンバ(複数可)は、変化する角座標に従って伸びる中央部、および、半径方向に従って伸びる2つの側方アーム部を有する。
【0026】
このチャンバの中央部は角度広がりθaを有し、これらチャンバのアーム部間に構成される角度θとの比θa/θは0.25以上であることが好ましい。
【0027】
さらに、このような実施の形態は、分析ゾーンが、ほぼ円周方向の経路に従って伸びる少なくとも液体を収容する流路を含み、当該流路の曲率半径rcおよび当該流路内に収容される液柱の長さbの比rc/bが0.5以上であることを提供することができる。比rc/bは、1以上であることがより好ましい。
【0028】
その上、光分析ディスクは、分析ゾーンに対してバイオディスク自体の小動径座標に配置された2つの注入ポートを含むことができる。このようなポートは、流体チャンバの各側方アーム部の一方の端部にそれぞれ配置されることが好ましい。
【0029】
さらに好ましい一実施の形態では、少なくとも1つの流体チャンバは、変化する角座標に従って伸びる流体流路である。
【0030】
このような実施の形態では、ディスクは、多段の分析流体流路を含むことができる。これらの分析流体流路は、やがては、異なる分析評価、異なる血液型、異なる濃度の培養細胞等を備える。1組の流体流路は、ほぼ同じ動径座標に配列することもできる。さらに、
流体流路は、同じサイズまたは異なるサイズを有することができる。
【0031】
ディスクは、反射型光バイオディスクとすることもできるし、透過型光バイオディスクとすることもできる。前の実施の形態のように、バイオディスクの回転は、調査特徴物を分析ゾーンに沿ってほぼ均一な分布および/またはほぼ一様な分布に分散させることが好ましい。
【0032】
別の好ましい実施の形態によると、光分析バイオディスクは、内周部および外周部を有する基板と、調査特徴物を含み、かつ、基板の内周部と外周部との間に配置された分析ゾーンとを含む。この分析ゾーンは、ほぼ円周方向の経路に沿って伸びる少なくとも一部を有する少なくとも1つの液体を収容する流路を含む。この流路の円周方向の部分の曲率半径rcおよびこの流路内に収容される液柱の長さbの比rc/bが0.5以上であることが好ましい。比rc/bは、1以上であることがより好ましい。本実施の形態においても、ディスクは、反射型光バイオディスクとすることもできるし、透過型光バイオディスクとすることもできる。
【0033】
また、本発明は、これまでに定義された光分析バイオディスクと共に使用される光分析バイオディスクシステムも対象とする。このシステムは、変化する角座標に従って調査特徴物をインタロゲートするように適合された調査特徴物のインタロゲーションデバイスを含む。
【0034】
このようなインタロゲーションデバイスは、電磁エネルギーの入射ビームがディスクの情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析ゾーン内の全ての調査特徴物がそれによって円周方向にインタロゲートされるようなものとすることができる。
【0035】
インタロゲーションデバイスは、ほぼ一定の動径座標において、変化する角座標に従って、あるいは、変化する角座標および動径座標に従って、調査特徴物をインタロゲートするように適合されることが好ましい。
【0036】
インタロゲーションデバイスは、螺旋状の経路またはほぼ円周方向の経路に従って調査特徴物をインタロゲートするのに使用されることがより好ましい。
【0037】
さらに好ましい一実施の形態によると、インタロゲーションデバイスは、変化する角座標に従って配列された複数の反応サイトまたは捕捉ゾーンもしくはターゲットゾーンの調査特徴物をインタロゲートするのに利用される。
【0038】
また、本発明は、これまでに定義された光分析バイオディスク内の調査特徴物のインタロゲーション方法も対象とする。この方法は、変化する角座標に従った、好ましくは螺旋状の経路またはほぼ円周方向の経路に従った調査特徴物のインタロゲーションを提供する。
【0039】
このようなインタロゲーションステップも、電磁エネルギーの入射ビームがディスク情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析ゾーン内の全ての調査特徴物がそれによって円周方向にインタロゲートされるようなものとすることができる。
【0040】
インタロゲーションステップは、ほぼ一定の動径座標において、変化する角座標に従った、あるいは、変化する角座標および動径座標に従った、調査特徴物のインタロゲーションを提供することが好ましい。
【0041】
さらに好ましい一実施の形態によると、インタロゲーションステップは、変化する角座
標に従って配列された複数の同様のまたは異なる反応サイト、捕捉ゾーン、もしくはターゲットゾーンにおける調査特徴物のインタロゲーションを提供する。
【0042】
本発明または本発明の異なる態様は、以下の同一出願人による同時係属中の特許出願に開示されたディスク、分析評価、およびシステムにおいて容易に実施でき、それらディスク等に適合でき、または、それらディスク等と組み合わせて使用することができる。
【0043】
1999年8月23日に出願された「Methods and Apparatus for Analyzing Operational and Non-operational Data Acquired from Optical Discs」と題する米国特許出願第09/378,878号;1999年8月23日に出願された「Methods and Apparatus for Optical Disc Data Acquisition Using Physical Synchronization Markers」と題する米国仮特許出願第60/150,288号;1999年10月26日に出願された「Trackable Optical Discs with Concurrently Readable Analyte Material」と題する米国特許出願第09/421,870号;2000年8月21日に出願された「Methods and Apparatus for Optical Disc Data Acquisition Using Physical Synchronization Markers」と題する米国特許出願第09/643,106号;2001年11月15日に出願された「Optical Biodiscs with Reflective Layers」と題する米国特許出願第09/999,274号;2001年11月20日に出願された「Methods and Apparatus for Detecting and Quantifying Lymphocytes with Optical Biodiscs」と題する米国特許出願第09/988,728号;2001年11月19日に出願された「Methods and Apparatus for Blood Typing with Optical Bio-discs」と題する米国特許出願第09/988,850号;2001年11月20日に出願された「Apparatus and Methods for Separating Agglutinants and Disperse Particles」と題する米国特許出願第09/989,684号;2001年11月27日に出願された「Dual Bead Assays Including Optical Biodiscs and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第09/997,741号;2001年11月30日に出願された「Apparatus and Methods for Separating Components of Particulate Suspension」と題する米国特許出願第09/997,895号;2001年12月7日に出願された「Optical Discs for Measuring Analytes」と題する米国特許出願第10/005,313号;2001年12月10日に出願された「Methods for Detecting Analytes Using Optical Discs and Optical Disc Readers」と題する米国特許出願第10/006,371号;2001年12月10日に出願された「Multiple Data Layer Optical Discs for Detecting Analytes」と題する米国特許出願第10/006,620号;2001年12月10日に出願された「Optical Disc Assemblies for Performing Assays」と題する米国特許出願第10/006,619号;2001年12月14日に出願された「Detection System For Disk-Based Laboratory and Improved Optical Bio-Disc Including Same」と題する米国特許出願第10/020,140号;2001年12月21日に出願された「Surface Assembly for Immobilizing DNA Capture Probes and Bead-Based Assay Including Optical Bio-Discs and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/035,836号;2002年1月4日に出願された「Dual Bead Assays Including Covalent Linkages for Improved Specificity and Related Optical Analysis Discs」と題する米国特許出願第10/038,297号;2002年1月10日に出願された「Optical Disc Analysis System Including Related Methods for Biological and Medical Imaging」と題する米国特許出願第10/043,688号;2002年1月14日に出願された「Optical Disc Analysis System Including Related Signal Processing Methods and Software」と題する米国仮出願第60/348,767号;2002年2月26日に出願された「Methods for DNA Conjugation Onto Solid Phase Including Related Optical Biodiscs and Disc Drive Systems」と題する米国特許出願第10/086,941号;2002年2月28日に出願された「Methods for Decreasing Non-Specific Binding of Beads in Dual Bead Assays Including Related Optical Biodiscs and Disc Drive Systems」と題する米国特許出願第10/087
,549号;2002年3月14日に出願された「Dual Bead Assays Using Cleavable Spacers and/or Ligation to Improve Specificity and Sensitivity Including Related Methods and Apparatus」と題する米国特許出願第10/099,256号;同じく2002年3月14日に出願された「Use of Restriction Enzymes and Other Chemical Methods to Decrease Non-Specific Binding in Dual Bead Assays and Related Bio-Discs, Methods, and System Apparatus for Detecting Medical Targets」と題する米国特許出願第10/099,266号;2002年4月11日に出願された「Multi-Parameter Assays Including Analysis Discs and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/121,281号;2002年5月16日に出願された「Variable Sampling Control for Rendering Pixelization of Analysis Results in a Bio-Disc Assembly and Apparatus Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/150,575号;2002年5月17日に出願された「Surface Assembly For Immobilizing DNA Capture Probes
in Genetic Assays Using Enzymatic Reactions to Generate Signals in Optical Bio-Discs and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/150,702号;2002年7月12日に出願された「Optical Disc System and Related Detecting and Decoding Methods for Analysis of Microscopic Structures」と題する米国特許出願第10/194,418号;同じく2002年7月12日に出願された「Multi-Purpose Optical Analysis Disc for Conducting Assays and Various Reporting Agents for Use
Therewith」と題する米国特許出願第10/194,396号;2002年7月19日に出願された「Transmissive Optical Disc Assemblies for Performing Physical Measurements and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/199,973号;2002年7月22日に出願された「Optical Analysis Disc and Related Drive Assembly for Performing Interactive Centrifugation」と題する米国特許出願第10/201,591号;2002年7月24日に出願された「Method and Apparatus for Bonded Fluidic Circuit for Optical Bio-Disc」と題する米国特許出願第10/205,011号;同じく2002年7月24日に出願された「Magnetic Assisted Detection of Magnetic Beads Using Optical Disc Drives」と題する米国特許出願第10/205,005号;2002年8月29日に出願された「Methods for Qualitative and Quantitative Analysis of Cells and Related Optical Bio-Disc Systems」と題する米国特許出願第10/230,959号;2002年8月30日に出願された「Capture Layer Assemblies
for Cellular Assays Including Related Optical Analysis Discs and Methods」と題する米国特許出願第10/233,322号;2002年9月6日に出願された「Nuclear Morphology Based Identification and Quantification of White Blood Cell Types Using Optical Bio-Disc Systems」と題する米国特許出願第10/236,857号;2002年9月11日に出願された「Methods for Differential Cell Counts Including Related Apparatus and Software for Performing Same」と題する米国特許出願第10/241,512号;2002年10月24日に出願された「Segmented Area Detector for Biodrive and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/279,677号;2002年11月13日に出願された「Optical Bio-Discs and Fluidic Circuits for Analysis of Cells and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/293,214号;2002年11月15日に出願された「Methods and Apparatus for Blood Typing with Optical Bio-Discs」と題する米国特許出願第10/298,263号;2002年11月27日に出願された「Magneto-Optical Bio-Discs and Systems Including Related Methods」と題する米国特許出願第10/307,263号;2003年1月13日に出願された「Method and Apparatus for Visualizing Data」と題する米国特許出願第10/341,326号;2003年1月14日に出願された「Methods and Apparatus for Extracting Data From an Optical Analysis Disc」と題する米国特許出願第10/345,122号;2003年1月15日に出願された「Optical Discs Including Equi-Radial and/or Spiral Analysis Zones and Related Disc Drive Systems and Methods」と題する米国特許出願第10/347,155号;2003年1月1
7日に出願された「Bio-Safe Dispenser and Optical Analysis Disc Assembly」と題する米国特許出願第10/347,119号;2003年1月21日に出願された「Multi-Purpose Optical Analysis Disc for Conducting Assays and Related Methods for Attaching Capture Agents」と題する米国特許出願第10/348,049号;2003年1月21日に出願された「Processes for Manufacturing Optical Analysis Discs with Molded Microfluidic Structures and Discs Made According Thereto」と題する米国特許出願第10/348,196号;2003年1月23日に出願された「Methods for Triggering Through Disc Grooves and Related Optical Analysis Discs and System」と題する米国特許出願第10/351,604号;2003年1月23日に出願された「Bio-Safety Features for Optical Analysis Discs and Disc System Including Same」と題する米国特許出願第10/351,280号;2003年1月24日に出願された「Manufacturing Processes for Making Optical Analysis Discs Including Successive Patterning Operations and Optical Discs Thereby Manufactured」と題する米国特許出願第10/351,244号;2003年1月27日に出願された「Processes for Manufacturing Optical Analysis Discs with Molded Microfluidic Structures and Discs Made According Thereto」と題する米国特許出願第10/353,777号;2003年1月28日に出願された「Method and Apparatus for Logical Triggering」と題する米国特許出願第10/353,839号;2003年1月30日に出願された「Methods For Synthesis of Bio-Active Nanoparticles and Nanocapsules For Use in Optical Bio-Disc
Assays and Disc Assembly Including Same」と題する米国特許出願第10/356,666号;および、2003年2月19日に出願された「Methods and an Apparatus for Multi-Use Mapping of an Optical Bio-Disc」と題する米国特許出願第10/370,272号。これらの出願のすべては、その全内容が参照により本明細書に援用される。したがって、これらの出願は、あたかも本明細書で完全に繰り返されたように、本明細書のサポートとして背景および関係した開示を提供する。
【0044】
本明細書で開示した本発明による上述した方法および装置は、1つまたは複数の利点を有することができる。これらの利点には、ディスク上の処理が、経験豊富な技術者が試験を行う必要なく簡単で迅速であること、サンプル量が少なくてすむこと、安価な材料を使用できること、および既知の光ディスクフォーマットおよびドライブ製造を使用できることが含まれるが、これらに限定されるものではない。これらの特徴および利点ならびに他の特徴および利点は、添付図面の図および技術例とあわせて以下の詳細な説明を参照すことによってより良く理解されよう。
【0045】
本発明のさらに別の目的は、本発明に寄与する別の特徴および本発明から生じる利点と共に、添付図面の図に示された本発明の好ましい実施の形態の以下の説明から明らかになるであろう。添付図面の図全体を通じて、同じ参照番号は同じコンポーネントを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明は、ディスクドライブシステム、光バイオディスク、画像処理技法、分析方法、および関連ソフトウェアを対象とする。本発明のこれらの態様のそれぞれを以下でさらに詳細に説明する。
【0047】
<ドライブシステムおよび関連ディスク>
図1は、生化学分析を行う光バイオディスク110の斜視図であり、詳細には、細胞計数および分画細胞計数(differential cell count)を行う光バイオディスク110の斜視図である。本光バイオディスク110は、光ディスクドライブ112および表示モニタ114と共に示されている。このタイプのディスクドライブおよびディスク分析システムに関するさらに詳細な内容は、本発明と同時係属中であり、同一出願人により2001年11月9日に出願された「Disk Drive System and Methods for Use with Bio-discs」と
題する米国特許出願第10/008,156号、および、2002年1月10日に出願された「Optical Disc Analysis System Including Related Methods For Biological and Medical Imaging」と題する米国特許出願第10/043,688号に開示されている。これら米国特許出願の双方は、参照により本明細書に援用される。
【0048】
図2は、光バイオディスク110の一実施の形態の主要な構造要素の分解斜視図である。図2は、本発明で使用できる反射ゾーン光バイオディスク110(以下「反射型ディスク」)の一例である。主要な構造要素には、キャップ部116、接着部材または流路層118、および基板120が含まれる。キャップ部116は、1つまたは複数の注入ポート122および1つまたは複数の排出ポート124を含む。キャップ部116は、ポリカーボネートから形成することができ、図2の視点から見てその底部を反射面146(図4に示す)でコーティングされることが好ましい。好ましい実施の形態では、トリガマークまたはトリガマーキング126が、反射層142(図4に示す)の表面に含まれる。トリガマーキング126には、バイオディスクの3つの層すべての透明ウィンドウ、不透明エリア、または、反射エリアもしくは半反射エリアが含まれ得る。反射エリアまたは半反射エリアは、情報で符号化されており、図10に示すようなプロセッサ166へデータを送信し、図6および図10に示すようなインタロゲーションビームまたは入射ビーム152の操作機能と相互作用する。
【0049】
図2に示す第2の要素は、接着部材または流路層118である。この接着部材または流路層118には、流体回路128またはU流路が形成されている。この流体回路128は、膜を打ち抜くか、または、切り取って、プラスチックフィルムを除去し、図に示すような形状を形成することによって形成される。流体回路128のそれぞれは、フロー流路130および戻り流路132を含む。図2に示す流体回路128のいくつかは、混合チャンバ134を含む。2つの異なるタイプの混合チャンバ134が示されている。第1のものは、フロー流路130に対して対称的に形成された対称混合チャンバ136である。第2のものは、オフセット混合チャンバ138である。このオフセット混合チャンバ138は、図に示すようにフロー流路130の一方の側に形成される。
【0050】
図2に示す第3の要素は、ターゲットゾーンまたは捕捉ゾーン140を含む基板120である。基板120は、ポリカーボネートで作製されることが好ましく、前述した反射層142が、その上部に堆積されている(図4に示す)。ターゲットゾーン140は、図に示す形状、あるいは、任意の所望の形状で反射層142を除去することによって形成される。あるいは、ターゲットゾーン140は、反射層142を施す前にターゲットゾーン140のエリアをマスクすることを含むマスク技法によって形成することもできる。反射層142は、アルミニウムや金等の金属から形成することができる。
【0051】
図3は、図2に示す光バイオディスク110の平面図であり、キャップ部116上の反射層146が透明で示され、それによって、ディスク内に位置する流体回路128、ターゲットゾーン140、およびトリガマーキング126が明らかになっている。
【0052】
図4は、本発明で使用できる一実施の形態による反射ゾーン型光バイオディスク110の拡大斜視図である。この図は、光バイオディスク110のさまざまな層の一部を含み、主要な各層、基板、コーティング、または膜の部分断面図を示すように切り取られている。図4は、反射層142でコーティングされた基板120を示している。反射層142の上には、活性層144が施される。好ましい実施の形態では、この活性層144は、ポリスチレンから形成することができる。あるいは、ポリカーボネート、金、活性化ガラス、改質ガラス、または変性ポリスチレンを使用することもできる。変性ポリスチレンは、例えば、ポリスチレン−co−マレイン酸無水物(polystyrene-co-maleic anhydride)である。これに加えて、ヒドロゲルを使用することもできる。あるいは、本実施の形態で示
すように、プラスチック接着部材118が活性層144の上に施される。プラスチック接着部材118の露出部分は、切り取られるか、または、打ち抜かれたU字型形状を示し、このU字型形状が流体回路128を形成する。本バイオディスクの反射ゾーンの実施の形態の最後の主要な構造層はキャップ部116である。このキャップ部116は、その底部に反射面146を含む。反射面146は、アルミニウムや金等の金属で作製することができる。
【0053】
次に図5を参照して、透過型光バイオディスク110の主要な構造要素の分解斜視図を示す。透過型光バイオディスク110の主要な構造要素には、同様に、キャップ部116、接着部材または流路部材118、および基板120層が含まれる。キャップ部116は、1つまたは複数の注入ポート122および1つまたは複数の排出ポート124を含む。キャップ部116は、ポリカーボネート層から形成することができる。図6および図9に最も良く示すように、オプションのトリガマーキング126を薄い半反射層143の表面に含めることができる。トリガマーキング126には、バイオディスクの3つの層すべての透明ウィンドウ、不透明エリア、または、反射エリアもしくは半反射エリアが含まれ得る。反射エリアまたは半反射エリアは、情報で符号化されており、図10のプロセッサ166へデータを送信し、図6および図10のインタロゲーションビーム152の操作機能と相互作用する。
【0054】
図5に示す第2の要素は、接着部材または流路層118である。この接着部材または流路層118には、流体回路128またはU流路が形成されている。この流体回路128は、膜を打ち抜くか、または、切り取って、プラスチック皮膜を除去し、図に示すような形状を形成することによって形成される。流体回路128のそれぞれは、フロー流路130および戻り流路132を含む。図5に示す流体回路128のいくつかは、混合チャンバ134を含む。2つの異なるタイプの混合チャンバ134が示されている。第1のものは、フロー流路130に対して対称的に形成された対称混合チャンバ136である。第2のものは、オフセット混合チャンバ138である。このオフセット混合チャンバ138は、図に示すようにフロー流路130の一方の側に形成される。
【0055】
図5に示す第3の要素は、ターゲットゾーンまたは捕捉ゾーン140を含んでも良い基板120である。基板120は、ポリカーボネートで作製されることが好ましく、前述した図6の薄い半反射層143が、その上部に堆積されている。図5および図6に示すディスク110の基板120に付随する半反射層143は、図2、図3、および図4に示す反射型ディスク110の基板120上の反射層142よりもかなり薄い。半反射層143がより薄いことによって、インタロゲーションビーム152の一部は、図6および図12に示すように、透過型ディスクの構造層を透過することが可能になる。この薄い半反射層143は、アルミニウムや金等の金属から形成することができる。
【0056】
図6は、図5に示す光バイオディスク110の透過型の実施の形態の基板120および半反射層143の拡大斜視図である。薄い半反射層143は、アルミニウムや金等の金属から作製することができる。好ましい実施の形態では、図5および図6に示す透過型ディスクの薄い半反射層143は、約100〜300Åの厚さであり、400Åを超えることはない。この薄い半反射層143によって、入射ビームまたはインタロゲーションビーム152の一部は、半反射層143を貫通して通過し、図10および図12の上部検出器158によって検出されることが可能になる一方、光の一部は、入射経路に沿って反射または折り返される。以下に示すように、表1は、金皮膜の厚さに対する当該金皮膜の反射特性および透過特性を示している。金皮膜層は、800Åより大きな厚さでは、十分に反射性を有する。一方、金皮膜を通過する光の透過しきい値密度は約400Åである。
【0057】
表1に加えて、図7は、金の厚さに基づく、薄い半反射層143の反射および透過の性
質の逆関係のグラフ表示を提供する。図7に示すグラフで使用される反射値および透過値は絶対値である。
【0058】
【表1】
【0059】
次に図8を参照して、図5および図6に示す透過型光バイオディスク110の平面図を示す。キャップ部116が透明であることによって、ディスク内に位置する流体流路、トリガマーキング126、およびターゲットゾーン140が明らかになっている。
【0060】
図9は、透過型ディスクの実施の形態による光バイオディスク110の拡大斜視図である。ディスク110は、そのさまざまな層の一部が、主要な各層、基板、コーティング、または膜の部分断面図を示すように切り取られた状態で示されている。図9は、透明なキャップ部116、基板120上の薄い半反射層143、およびトリガマーキング126を有する透過型ディスクのフォーマットを示している。本実施の形態では、トリガマーキング126は、キャップの上部に配置された不透明な材料を含む。あるいは、トリガマーキング126は、ディスクの薄い反射層143にエッチングされた透明で反射しないウィンドウによって形成することもできるし、図10のトリガ検出器160から来る信号を吸収するか、または、反射しない任意のマークによって形成することもできる。また、図9は、図示した形状、あるいは、任意の所望の形状で指定されたエリアをマーキングすることによって形成されたターゲットゾーン140も示している。ターゲットゾーン140を示すためのマーキングは、基板120上の薄い半反射層143に作製することもできるし、基板120の底部(ディスクの下部)に作製することもできる。あるいは、ターゲットゾーン140は、当該ターゲットゾーン140を除く薄い半反射層143全体をマスクすることを含むマスク技法によっても形成することができる。本実施の形態では、ターゲットゾーン140は、薄い半反射層143上にインクをシルクスクリーニングすることによって作製することができる。図5、図8、および図9に示す透過型ディスクフォーマットでは、ターゲットゾーン140は、代替的に、ディスク上に符号化されたアドレス情報によって定義することもできる。本実施の形態では、ターゲットゾーン140は、物理的に識別可能なエッジ境界を含まない。
【0061】
図9の参照を続けて、薄い半反射層143上に施された活性層144が示されている。
好ましい実施の形態では、この活性層144は、2%のポリスチレンの10から200μmの薄い層である。あるいは、ポリカーボネート、金、活性化ガラス、改質ガラス、または変性ポリスチレンを使用することもできる。変性ポリスチレンは、例えば、ポリスチレン−co−マレイン酸無水物である。これに加えて、ヒドロゲルを使用することもできる。本実施の形態で示すように、プラスチック接着部材118が活性層144の上に施される。プラスチック接着部材118の露出部分は、切り取られるか、または、打ち抜かれたU字型形状を示し、このU字型形状が流体回路128を形成する。
【0062】
本バイオディスク110のこの透過型の実施の形態の最後の主要な構造層は、透明で反射しないキャップ部116である。このキャップ部116は、注入ポート122および排出ポート124を含む。
【0063】
次に図10を参照して、光学部品148、入射ビームまたはインタロゲーションビーム152を生成する光源150、戻りビーム154、および透過ビーム156を示すブロック斜視図を表す。図4に示す反射型バイオディスクの場合、戻りビーム154は、光バイオディスク110のキャップ部116の反射面146から反射される。本光バイオディスク110のこの反射型の実施の形態では、戻りビーム154は、下部検出器157によって検出され、信号エレメントが存在するかどうかが分析される。他方で透過型バイオディスクのフォーマットでは、透過ビーム156が、前述した上部検出器158によって検出され、この場合も、信号エレメントが存在するかどうかが分析される。透過型の実施の形態では、上部検出器158として光検出器を使用することができる。
【0064】
また、図10は、ハードウェアトリガメカニズムも示している。このハードウェアトリガメカニズムは、ディスク上のトリガマーキング126および前述したトリガ検出器160を含む。ハードウェアトリガメカニズムは、反射型バイオディスク(図4)および透過型バイオディスク(図9)の双方で使用される。トリガメカニズムによって、プロセッサ166は、インタロゲーションビーム152が各ターゲットゾーン140における例えば所定の反応サイトにある時にのみデータを収集することが可能になる。さらに、透過型バイオディスクシステムでは、ソフトウェアトリガを使用することもできる。このソフトウェアトリガは、インタロゲーションビーム152が各ターゲットゾーン140のエッジにヒットするとすぐにデータを収集するように、下部検出器を使用してプロセッサ166に信号を送る。図10は、さらに、光バイオディスク110の回転を制御する駆動モータ162およびコントローラ164も示している。また、図10は、透過光バイオディスクに関連した戻りビーム154および透過ビーム156を処理するために、別法において実施されるプロセッサ166および分析器168も示している。
【0065】
図11に示すように、光バイオディスク110の反射型ディスクの実施の形態の部分断面図が提示されている。図11は、基板120および反射層142を示す。上記で示したように、反射層142は、アルミニウム、金、他の適切な反射材料等の材料から作製することができる。本実施の形態では、基板120の上面は滑らかである。また、図11は、反射層142の上に施された活性層144も示している。図11にも示すように、ターゲットゾーン140は、反射層142の所望の位置のエリアまたは部分を除去することによって、あるいは、反射層142を施す前に所望のエリアをマスクすることによって形成される。図11にさらに示すように、プラスチック接着部材118が活性層144の上に施される。また、図11は、キャップ部116および当該キャップ部116に付随する反射面146も示している。したがって、キャップ部116が、所望の切り取り形状を含めてプラスチック接着部材118に施されると、それによって、フロー流路130が形成される。図11に示す矢印によって示されるように、入射ビーム152の経路は、最初、ディスク110の下から基板120へ向かって方向付けられる。次に、入射ビームは、反射層142に近い点で合焦する。この合焦は、反射層142の一部が存在しないターゲットゾ
ーン140で起こるので、活性層144を通ってフロー流路130内への経路に沿って入射が続く。次に、入射ビーム152は、フロー流路を上方に向かって横断し続け、最終的に、反射面146に入射する。この時点で、入射ビーム152は、入射経路に沿って折り返されるか、または、反射され、それによって、戻りビーム154を形成する。
【0066】
図12は、バイオディスク110の透過型の実施の形態の部分断面図である。図12は、透明なキャップ部116、および、基板120上の薄い半反射層143を有する透過型ディスクのフォーマットを示している。また、図12は、薄い半反射層143の上に施された活性層144も示している。好ましい実施の形態では、透過型ディスクは薄い半反射層143を有する。この薄い半反射層143は、厚さが約100〜300オングストロームであって400オングストロームを超えることがないアルミニウムや金等の金属から作製される。この薄い半反射層143によって、図10の光源150からの入射ビームまたはインタロゲーションビーム152の一部は、ディスクを貫通して上方へ通過し、上部検出器158によって検出されることが可能になる一方、光の一部は、入射ビームと同じ経路に沿って反対方向に反射して戻される。この配置では、戻りビームまたは反射ビーム154は、半反射層143から反射される。したがって、このように、戻りビーム154は、フロー流路130に入ることはない。図13および図14と共により詳細に説明するように、反射光または戻りビーム154は、半反射層143内または半反射層143上に形成された、事前に記録された情報トラックにおける入射ビーム152をトラッキングするのに使用することができる。図12に示すディスクの実施の形態では、物理的に画定されたターゲットゾーン140は存在してもよいし、存在しなくてもよい。ターゲットゾーン140は、基板120上の薄い半反射層143に作製された直接的なマーキングによって作製することができる。これらのマーキングは、シルクスクリーニングまたは任意の等価な方法を使用して形成することができる。ターゲットゾーンを画定するのに物理的な印が使用されない、代替的な実施の形態(例えば、符号化されたソフトウェアアドレス指定が利用される場合等)では、フロー流路130を、調査特徴物の検査が行われる限定されたターゲットエリアとして有効に使用することができる。
【0067】
図13は、バイオディスク110の反射型ディスクの実施の形態のトラックを横断面図である。この図は、ディスクの半径およびフロー流路に沿って縦方向に観察されている。図13は、基板120および反射層142を含む。本実施の形態では、基板120は一連の溝170を含む。これらの溝170は、ディスクの中心付近から外縁に向けて伸びる螺旋状の形状である。溝170は、インタロゲーションビーム152がディスクの螺旋状の溝170に沿ってトラッキングできるように実施される。このタイプの溝170は、「ウォブル溝(wobble groove)」として知られている。起伏状または波状の側壁を有する底部が溝170を形成する一方、隆起したまたは立ち上がる部分が螺旋の隣接する溝170を分離する。本実施の形態で溝170の上に施された反射層142は、図示するように、事実上、等角である。また、図13は、反射層142の上に施された活性層144も示している。図13に示すように、ターゲットゾーン140は、反射層142の所望の位置のエリアまたは部分を除去することによって、あるいは、反射層142を施す前に所望のエリアをマスクすることによって形成される。図13にさらに示すように、プラスチック接着部材118が活性層144の上に施される。また、図13は、キャップ部116および当該キャップ部116に関連した反射面146も示している。したがって、キャップ部116が、所望の切り取り形状を含めてプラスチック接着部材118に施されると、それによって、フロー流路130が形成される。
【0068】
図14は、例えば、図12で説明したようなバイオディスク110の透過型ディスクの実施の形態のトラックの横断面図である。この図は、ディスクの半径およびフロー流路に沿って縦方向に観察されている。図14は、基板120および薄い半反射層143を示している。この薄い半反射層143によって、光源150からの入射ビームまたはインタロ
ゲーションビーム152は、ディスクを貫通して通過し、上部検出器158によって検出されることが可能になる一方、光の一部は、戻りビーム154の形で反射して戻される。薄い半反射層143の厚さは、ディスク読み取り装置が自身のトラッキング能力を維持するのに必要な反射光の最小量によって決定される。本実施の形態の基板120は、図13で説明したものと同様に一連の溝170を含む。本実施の形態の溝170も、ディスクの中心付近から外縁に向けて伸びる螺旋状の形状であることが望ましい。溝170は、インタロゲーションビーム152がこの螺旋に沿ってトラッキングできるように実施される。また、図14は、薄い半反射層143の上に施された活性層144も示している。図14にさらに示すように、プラスチック接着部材または流路層118が活性層144の上に施される。また、図14は、反射面146を伴わないキャップ部116も示している。したがって、キャップが、所望の切り取り形状を含めてプラスチック接着部材118に施されると、それによって、フロー流路130が形成され、入射ビーム152の一部は、実質的に反射されることなく、フロー流路130を通過することが可能になる。
【0069】
図15は、反射型ディスクの全体の厚さおよびその初期屈折特性を示す図11と同様の図である。図16は、透過型ディスクの全体の厚さおよびその初期屈折特性を示す図12と同様の図である。これらの部分は溝170に沿って切断されているので、溝170は図15および図16には見られない。図15および図16は、これらの実施の形態において溝170に対して垂直に位置する狭いフロー流路130の存在を示している。図13、図14、図15、および図16は、各反射型ディスクおよび透過型ディスクの全体の厚さを示している。これらの図では、最初に基板120と相互作用する入射ビーム152が示されている。基板120は、図示するように、入射ビームの経路を変更して、ビーム152が反射層142または薄い半反射層143上での合焦を提供する屈折特性を有する。
【0070】
<計数方法および関連ソフトウェア>
例示の背景として、光ディスクのデータを使用して白血球の計数を行う多数の方法および関連アルゴリズムを本明細書でさらに詳細に説明する。これらの方法および関連アルゴリズムは、白血球の計数に限定されるものではなく、あらゆるタイプの粒状物質の計数を行うことに容易に適用することができる。あらゆるタイプの粒状物質には、赤血球、白血球、ビーズ、ならびに、光学読み取り装置によって検出可能な類似の光シグネチャ(optical signature)を生成する生物学的および非生物学的の双方の他のあらゆる物体が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
図17〜図21に関して説明するような本発明に関連した方法およびアルゴリズムの以下の説明は、例示のため、細胞の計数を対象とする。いくつかの変更により、これらの方法およびアルゴリズムは、サイズが細胞と類似した他のタイプの物体の計数にも適用することができる。本明細書では、細胞計数方法およびアルゴリズムのデータ評価の態様を概略的に説明して、本発明の方法および装置に関連した背景を提供する。光バイオディスクからの調査データの取り込みおよび処理を行う方法およびアルゴリズムは、広い一般的な適用範囲を有し、次の米国仮出願にさらに詳細に開示されている。すなわち、同一出願人により2001年5月16日に出願された「Variable Sampling Control For Rendering Pixelation of Analysis Results In Optical Bio-Disc Assembly And Apparatus Relating Thereto」と題する米国仮出願第60/291,233号、および、上記で援用した「Methods For Differential Cell Counts Including Related Apparatus And Software For Performing Same」と題する米国仮出願第60/404,921号に開示されている。前者の米国仮出願は、参照により本明細書に援用される。以下の説明では、これらの方法およびアルゴリズムの基本的な方式を簡潔な説明で提示する。図10に示すように、生物学的試験サンプルの属性に関する情報が、その試験サンプルとの相互作用によって変更または変調された電磁気放射のビームの形で光バイオディスク110から取り出される。図2、図3、図4、図11、図13、および図15と共に説明した反射光バイオディスクの
場合、戻りビーム154が、生物学的サンプルに関する情報を運ぶ。上述したように、このような生物学的サンプルに関する情報は、基本的に、入射ビームがフロー流路130またはターゲットゾーン140内に入り、したがって、サンプルと接触した場合にのみ戻りビームに含まれる。バイオディスク110の反射型の実施の形態では、戻りビーム154は、反射層142内もしくは反射層142上に符号化された情報、または、それ以外に、図13および図14に示すウォブル溝170に符号化された情報も運ぶことができる。当業者には明らかであるように、対応する入射ビームが反射層142と接触した場合にのみ、事前に記録された情報が、ターゲットゾーンを有する反射型ディスクの戻りビーム154に含まれる。このような情報は、情報を保持する反射層142が除去されているか、または、通常存在しないエリアに入射ビーム152がある時の戻りビーム154には含まれない。図5、図6、図8、図9、図12、図14、および図16と共に説明した透過光バイオディスクの場合には、透過ビーム156が生物学的サンプルに関する情報を運ぶ。
【0072】
図10を続けて参照して、生物学的試験サンプルに関する情報は、それが反射型ディスクの戻りビーム154から取得されようが、透過型ディスクの透過ビーム156から取得されようが、プロセッサ166に送られて信号処理される。この処理は、下部検出器157(反射型ディスク)または上部検出器158(透過型ディスク)によって検出されたアナログ信号の離散的なデジタル形式への変換を含む。
【0073】
次に図17を参照して、信号変換は、アナログ信号210を一定の時間間隔212でサンプリングすること、および、その信号の対応する瞬時アナログ振幅214を離散的な2値整数216として符号化することを含む。サンプリングは、或る開始時刻218で開始されて、或る終了時刻220で停止される。任意のアナログ/デジタル変換プロセスに関連した共通の2つの値は、サンプリング周波数およびビット深度である。サンプリング周波数は、サンプリングレートとも呼ばれ、単位時間あたりに取得されるサンプル数である。サンプリング周波数が高いほど、連続したサンプル間の時間間隔212は小さくなり、その結果、元のアナログ信号210と比較してデジタル信号222の忠実度は高くなる。ビット深度は、各サンプル点において、アナログ信号210のサンプリングされた振幅214を符号化するのに使用されるビット数である。ビット深度が大きいほど、2値整数216は、元のアナログ振幅214をより良く近似することになる。本実施の形態では、サンプリングレートは8MHzであり、サンプルあたりのビット深度は12ビットである。これによって、0〜4095(0から(2n−1))の整数サンプルの範囲が可能になる。ここで、nはビット深度である。この組み合わせは、他の実施の形態において必要な特定の精度に対応するように変更することができる。限定ではなく例として、一般に細胞よりも小さいビーズを計数する方法を必要とする実施の形態では、サンプリング周波数を増加させることが望ましい場合がある。サンプリングされたデータは、次に、アナログ/デジタル変換のためにプロセッサ166へ送信される。
【0074】
アナログ/デジタル変換の間、レーザの経路に沿って連続した各サンプル点224は、1次元配列226としてディスクまたはメモリに連続して記憶される。連続した各トラックは、独立した1次元配列を与え、この独立した1次元配列は、画像に類似した2次元配列228(図20A)を生成する。
【0075】
図18は、光バイオディスク110の斜視図であり、指定された部分の拡大された詳細な斜視図は、捕捉された白血球230を示している。この白血球230は、光バイオディスクのトラック232を基準として配置されている。白血球230は、本明細書では、例示のためにのみ使用される。上記で示したように、ビーズや凝集物質等の他の物体または調査特徴物をここで利用することができる。図示するように、入射ビーム152が白血球230と相互作用することによって、反射型ディスクの戻りビーム154または透過型ディスクの透過ビーム156のいずれかの形で、信号を含んだビームが生成される。このビ
ームは、検出器157または158のいずれかによって検出される。
【0076】
図19Aは、図18に示す光バイオディスク110のトラック232を基準として配置された白血球230の別のグラフ表示である。図18および図19Aに示すように、白血球230は、約4つのトラックA、B、C、およびDをカバーする。図19Bは、図19および図19Aの白血球210から導出された一連のシグネチャトレース(signature trace)を示している。図19Bに示すように、検出システムは、トラックA、B、C、およびDに対応する4つのアナログ信号A、B、C、およびDを提供する。図19Bにさらに示すように、アナログ信号A、B、C、およびDのそれぞれは、白血球230に関する特定の情報を運ぶ。したがって、図示するように、白血球230をスキャンすることによって、検出および処理が可能な入射ビームの異なる摂動が生じる。以下でさらに詳細に説明するように、アナログシグネチャトレース(信号)210は、次に、プロセッサ166へ送られて、図20Aおよび図20Cに示すような類似のデジタル信号222へ変換される。
【0077】
図20は、図20A、図20B、図20C、および図20Dの間の関係を示すグラフ表示である。図20A、図20B、図20C、および図20Dは、図19Bからのシグネチャトレースのデジタル信号222への変換の描画図である。デジタル信号222は、1次元配列226として記憶され、データ入力244用の2次元配列228に結合される。
【0078】
次に図20Aを特に参照して、図18および図19Aに示す光バイオディスクのトラックAおよびBからのサンプリングされたアナログ信号210が示されている。プロセッサ166は、次に、アナログ信号210の対応する瞬時アナログ振幅214を離散的な2値整数216として符号化する(図17参照)。その結果の一連のデータ点が、サンプリングされたアナログ信号210に類似したデジタル信号222である。
【0079】
次に図20Bを参照して、トラックAおよびB(図20A)からのデジタル信号222は、独立した1次元メモリ配列226として記憶される。連続した各トラックは、対応する1次元配列を与える。この1次元配列が、先行する1次元配列と組み合わされると、画像に類似した2次元配列228が生成する。次に、このデジタルデータは、サンプル点224(図17)の2次元配列228としてメモリまたはディスクに記憶される。これらのサンプル点224は、サンプルエリアの特定の点における戻りビーム154または透過ビーム156(図18)の相対的な強度を表す。次に、2次元配列は、図20Bに表すように、生のファイルまたは画像ファイルの形でメモリまたはディスクに記憶される(240)。次に、画像ファイル240に記憶されたデータは、メモリへ取り出されて(242)、図10に示す分析器168へのデータ入力244として使用される。
【0080】
図20Cは、図18および図19Aに示す光バイオディスクのトラックCおよびDからのサンプリングされたアナログ信号210を示している。プロセッサ166は、次に、アナログ信号210の対応する瞬時アナログ振幅214を離散的な2値整数216(図17)として符号化する。その結果の一連のデータ点が、サンプリングされたアナログ信号210に類似したデジタル信号222である。
【0081】
次に図20Dを参照して、トラックCおよびDからのデジタル信号222は、独立した1次元メモリ配列226として記憶される。連続した各トラックは、対応する1次元配列を与える。この1次元配列は、先行する1次元配列と組み合わされると、画像に類似した2次元配列228を生成する。次に、上記のように、このデジタルデータは、サンプル点224(図17)の2次元配列228としてメモリまたはディスクに記憶される。このサンプル点224は、サンプルエリアの特定の点における戻りビーム154または透過ビーム156(図18)の相対的な強度を表す。次に、2次元配列は、図20Bに表すように
、生のファイルまたは画像ファイル240の形でメモリまたはディスクに記憶される。上記で示したように、次に、画像ファイル240に記憶されたデータは、メモリへ取り出されて(242)、図10の分析器168へのデータ入力244として使用される。
【0082】
計算アルゴリズムおよび処理アルゴリズムは、分析器168(図10)に記憶され、入力データ244に適用されて、有用な出力結果262(図21)を生成する。この出力結果は、表示モニタ114(図10)に表示することができる。
【0083】
次に図21を参照して、本発明に関連した処理方法および計算アルゴリズムによるデータ評価の主要なステップの論理フローチャートを示す。本処理方法の第1の主要なステップは、入力データ244を受け取ることを含む。上述したように、データ評価は、0から4096の範囲の整数の配列から開始する。
【0084】
次の主要なステップ246は、計数を行うディスクのエリアを選択することである。このエリアが画定されると、次の目的は、その画定されたエリアに含まれるすべての白血球を実際に計数することになる。ステップ246の実施態様は、ディスクの構成およびユーザのオプションに依存する。限定ではなく例として、図2および図5に示すターゲットゾーン140等のウィンドウを有するディスクを使用した発明の実施の形態では、ソフトウェアは、このウィンドウを認識して、分析および計数用にそのウィンドウの部分をクロッピングする。図2に示す実施の形態等の好ましい一実施の形態では、ターゲットゾーンまたはウィンドウは、1×2mmの長方形の形状を有し、その各端部には半円形の部分を有する。本実施の形態では、ソフトウェアは、各ウィンドウの内部の標準的な長方形の1×2mmのエリアをクロッピングする。本実施の形態の一態様では、読み取り装置は、数個の連続したサンプル値を取り込んで、数個の異なるウィンドウの細胞数を比較することができる。
【0085】
図5、図6、図8、および図9に示すような、ウィンドウを有さない透過型ディスクを使用する発明の実施の形態では、ステップ246は、2つの異なる方法の一方で実行することができる。固定座標を有する点を基準として標準的な長方形の中心を配置することによるか、または、濃い色素のスポットとすることができる基準マークを検出することによるかのいずれかで、標準的な長方形の位置が選択される。基準マークが使用される場合、所望のコントラストを有する色素が、細胞の2つのクラスタに関するディスクの特定の位置に堆積される。次に、光ディスク読み取り装置は、それら細胞のクラスタの一方の中心にスキップするように指示され、次に、標準的な長方形が、選択されたクラスタの中心に配置される。
【0086】
ステップ246に関して上述したユーザのオプションについて、ユーザは、マウス選択またはそれ以外のものによる直接的な対話によって、長方形エリア等、細胞計数用の所望のサンプルエリアの形状を指定することができる。このソフトウェアの本実施の形態では、これは、マウスを使用して、長方形をクリックし、モニタ114に表示された光バイオディスク導出画像の所望の部分の上に当該長方形をドラッグすることを含む。評価エリアの選択方法を問わず、各長方形エリアは、次のステップ248で計数を行うために評価される。
【0087】
図21の第3の主要なステップはステップ248である。ステップ248は、背景の照度を均一化することを対象とする。このプロセスは、いくつかのハードウェア構成において引き起こされ得る背景の均一性のばらつきを補正する。背景照度の均一化は、背景全体、または、細胞でない画像部分が、任意の背景値Vbackgroundを有する平面に近づくように、各サンプル点の強度レベルを補う(offset)。Vbackgroundは、標準的な長方形サンプルエリアにわたって平均値を求めること等の多くの方法で決定する
ことができるが、本実施の形態では、この値は2000に設定される。選択された長方形サンプルエリアの各点Pの値Vは、数(Vbackground+(V−Pの近傍にわたる平均値))に置き換えられ、必要ならば切り捨てられて、実際の可能な値の範囲に適合される。この実際の可能な値の範囲は、本発明の好ましい実施の形態では0から4095である。近傍の寸法は、細胞のサイズよりも十分に大きく、かつ、標準的な長方形のサイズよりも十分に小さくなるように選択される。
【0088】
図21のフローチャートの次のステップは、正規化ステップ250である。正規化ステップ250を行う際に、線形変換が、標準的な長方形のサンプルエリアのデータを用いて実行され、平均が2000となり、標準偏差が600となるようにされる。必要な場合には、その値は、0から4096の範囲に適合するように切り捨てられる。背景照度均一化ステップ248に加えてこのステップ250により、ソフトウェアは、ハードウェアの変更および調整の影響を受けにくくなる。限定ではなく例として、上部検出器158(図18)等の検出回路機構の信号利得は、結果の細胞計数に大きな影響を与えることなく変化することができる。
【0089】
図21に示すように、フィルタリングステップ252が次に実行される。標準的な長方形の各点Pについて、ステップ248で示したものよりも小さな寸法を有するPの近傍の点であって、Vbackgroundとは十分に異なる値を有する点の個数が計算される。計算された点は、画像の細胞のサイズに近づくはずである。この個数が十分に大きい場合には、Pにおける値は元の値に維持され、そうでない場合には、Pにおける値にはVbackgroundが割り当てられる。このフィルタリングオペレーションは、雑音を除去するように実行され、最適な場合には、細胞のみが画像に残る一方、背景は一様に等しいVbackgroundになる。
【0090】
図21に示すように、不良な成分を除去することを対象とするオプションのステップ254を実行することができる。掻き傷、気泡、埃、それ以外の同様のムラ等の欠陥が、フィルタリングステップ252を通過することがある。これらの欠陥は、直接的に、または、画像のヒストグラムの全体的な分布に影響を与えることによって、細胞の計数誤差を引き起こすことがある。通常、これらの欠陥は、サイズが細胞よりも十分に大きく、次のようにステップ254で除去することができる。まず、選択された領域と同じ寸法を有する2値画像が形成される。この2値画像におけるAは、元の画像の対応する点の値がVbackgroundに等しい場合には白として定義され、そうでない場合には黒として定義される。次に、黒の点の連結された成分が抽出される。次に、後続の侵食および膨張が適用されて、成分の見え方が規則化される。そして最後に、定義されたしきい値よりも大きな成分が除去される。このオプションのステップの一実施の形態では、この成分は、元の画像の対応するサンプル点に値Vbackgroundを割り当てることによって、元の画像から除去される。どの成分が計数可能な物体を構成し、どれが除去されるべきかを決定するしきい値は、ユーザが定義した値である。このしきい値も、計数される調査特徴物、すなわち、白血球、赤血球、または他の生物学的物質に応じて変化することがある。オプションのステップ254の後、ステップ248、250、および252は繰り返されることが好ましい。
【0091】
図21に示す次の主要な処理ステップはステップ256である。このステップ256は、明るい中心によって細胞を計数することを対象とする。計数ステップ256は、いくつかのサブステップから成る。これらのサブステップの最初のものは、重畳を実行することを含む。この重畳サブステップでは、重畳映像(convolved picture)と呼ばれる補助配列が形成される。点Pにおける重畳映像の値は、Pの円形の近傍におけるフィルタリング後の映像の積分の結果である。より正確に言うと、一特定の実施の形態では、積分される関数は、vが2000よりも大きい場合にはv−2000に等しい関数であり、vが20
00以下である場合には0に等しい関数である。計数ステップ256で実行される次のサブステップは、細胞のサイズについて、或る半径の近傍における重畳映像の極大値を検出することである。次に、互いの閉じた近傍において同じ値を有する2重の極大値が回避される。計数ステップ256の最後のサブステップでは、残りの極大値が細胞を示すものであると宣言される。
【0092】
いくつかのハードウェア構成では、いくつかの細胞は、明るい中心を伴わないで見えることがある。これらの場合には、暗い周縁のみが見え、以下の2つのオプションのステップ258および260が役立つ。
【0093】
ステップ258は、検出された細胞を映像から除去することを対象とする。ステップ258では、検出済みの各細胞の中心の周りの円形領域が値2000で満たされて、明るい中心および暗い周縁の双方を有する細胞が2回検出されないようにされる。
【0094】
ステップ260は、暗い周縁によって追加された細胞を計数することを対象とする。ステップ258の後の画像を用いて2つの変換が行われる。このルーチンの最初のサブステップであるサブステップ(a)では、各点の値vが(2000−v)に置き換えられ、その結果が負である場合には、0に置き換えられる。次に、サブステップ(b)では、結果の映像が、内部半径R1および外部半径R2のリングで重畳される。R1およびR2は、それぞれ、細胞の予想された最小半径および最大半径である。このリングは、その後、サブステップ(d)で、左、右、上、および下へシフトされる。サブステップ(c)では、4回のシフトの結果が合計される。この変換後、暗い周縁の細胞の画像は、4つの花弁の花のように見える。最後に、サブステップ(d)では、サブステップ(c)で取得された関数の最大値が、計数ステップ256で使用された方法と同様の方法で検出される。それらの最大値は、ステップ256で除外された細胞を示すものであると宣言される。
【0095】
計数ステップ256の後、または、オプションとして使用された場合の計数ステップ260の後、図21に示す最後の主要なステップは、結果出力ステップ262である。標準的な長方形において検出された細胞の個数は、図1および図5に示すモニタ114に表示され、識別された各細胞は、表示された光バイオディスク導出画像において、十字でマーキングされる。
【0096】
<光ディスク分析ゾーンの代替的な構成>
次に、本発明によるバイオディスクの好ましい実施の形態を、図22〜図39に関して説明する。これら後半の実施の形態のディスクのさまざまな特徴は、図1〜図21を参照してすでに示しており、したがって、このような共通の特徴は、以下では再び説明しないことにする。したがって、簡単にするために、図22〜図39では、原則として、バイオディスクを図1〜図21の特徴と差別化する特徴のみを表すものとする。
【0097】
さらに、本発明のバイオディスクの以下の説明は、反射型光バイオディスクだけでなく透過型光バイオディスクにも容易に適用することができる。
【0098】
図22は、本発明による光バイオディスクの一実施の形態の主要な構造要素の分解斜視図である。この光バイオディスクは、この場合、全体が1によって示される。
【0099】
図23は、バイオディスク1の平面図である。この平面図において、バイオディスク1のキャップ部116は、ディスク1自体の内部コンポーネントを明らかにするために透明で表されている。
【0100】
図22および図23に関して、光バイオディスク1は、前の図に関してすでに紹介した
主要な構造要素を含む。すなわち、前述したキャップ部116、接着部材または流路層118、および基板120を含む。
【0101】
キャップ部116は、1つまたは複数の注入ポート122を含む。単なる例として、かつ、簡単にするために、図22および図23では、2つの注入ポート122のみを示す。
【0102】
接着部材または流路層118には、流体チャンバ2が形成されている。この流体チャンバ2では、調査特徴物の検査を行うことができる。この流体チャンバ2については、以下でより詳細に説明することにする。常に例として、かつ、簡単にするために、図22および図23では、1つの流体チャンバ2のみを示す。
【0103】
基板120は、バイオディスク1の円形の内周部3、および、内周部3と同心の円形の外周部4を画定している。
【0104】
基板120は、1つまたは複数の反応サイト5を含む。図22および図23では、反応サイト5の単一の組または配列のみを含むディスクが、単に例として、かつ、単なる例示の目的で示されている。
【0105】
当業者には、反応サイト5が一般的なターゲットゾーンまたは捕捉ゾーンに存在し得ることが理解されよう。図1から図21を参照してすでに示したように、このようなターゲットゾーンは、ディスクの反射層または半反射層の所望の位置のエリアまたは部分を物理的に除去することにより、あるいは、反射層または半反射層を施す前に所望のエリアをマスクすることにより形成することができる。あるいは、上記ですでに示したように、透過型ディスクでは、ターゲットゾーンは、薄い半反射層上にインクをシルクスクリーニングすることによって作製することもできるし、ディスクに符号化されたアドレス情報によって画定することもできる。
【0106】
また、バイオディスク1は、基板120において、一連の情報トラックも提供する。この一連の情報トラックは、図1〜図21の実施の形態に関してすでに説明したトラック170と類似のものであり、したがって、図22および図23では表されていない。
【0107】
一般に、情報トラックは、ほぼ円形のプロファイルを有し、その円周は、通常は螺旋のプロファイルに従い、ディスク1の内周部3から外周部4にかけて、半径の関数として増加する。
【0108】
さらに、バイオディスク1は、基板120に付随するオペレーション層も提供することができる。このオペレーション層は、1つまたは複数の情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含み、例えば、図1〜図21を参照して紹介した反射層142に類似した層である。
【0109】
次に、図22および図23に関して、流体チャンバ2のより詳細な説明を提供する。
【0110】
まず第1に、バイオディスク1は、流体チャンバ2と一致して、調査特徴物を含む分析エリアまたは分析ゾーンを提供することが理解されよう。この分析エリアまたは分析ゾーンは、全体が6によって示される。
【0111】
本発明が扱う分析ゾーンには、任意のタイプの反応サイト(複数可)、スポットの配列(複数可)、捕捉サイト(複数可)または捕捉ゾーン(複数可)、ターゲットゾーン(複数可)、観察ウィンドウ(複数可)等が含まれ得る。一般に、分析ゾーンは、いかなるタイプ、性質、および構成であっても、任意のターゲット分析ゾーンとすることができる。
【0112】
本発明の一般的な教示によると、分析ゾーン6、したがって流体チャンバ2は、図1〜図21を参照して説明した実施の形態の構成に対する代替的な構成を有する。この代替的な構成は、電磁エネルギーの入射ビームが情報トラックに沿ってトラッキングする時に、このトラッキングによって、分析ゾーン6内の全ての調査特徴物が、変化する角座標に従ってインタロゲートされるような構成であり、図1〜図21の実施の形態のような単一の半径に沿った(すなわち、固定された角座標の)ものではない。
【0113】
容易に理解でき、かつ、図23に示されるように、「角座標」によると、ディスク1の平面図において、ディスク基準半径軸xと、例えば調査特徴物といった要素の実際の半径位置に対応するディスク半径軸rとの間に画定された平面角αが、当該角座標と共に対象となる。この角座標では、基準系の中心は、もちろん、ディスク1自体の中心に設定される。同様に、「動径座標」によると、例えば調査特徴物といった要素の、対応する半径軸rに沿った実際の位置が、当該動径座標と共に対象となる。
【0114】
好ましい実施の形態によると、分析ゾーン6は、情報トラックにほぼ沿って配向されている。
【0115】
図22および図23に示す特定の実施の形態では、流体チャンバ2は、ディスクの内周部3および外周部4と同心のほぼ円周方向の外形に従って伸びる中央部21と、ほぼ半径方向に沿って伸びる2つの側方アーム部23および24とを有する流体回路または流体流路である。
【0116】
したがって、反応サイト5は、流体流路の中央部21の円周方向の広がりに沿って、すなわち円周方向の弧にほぼ沿って分散される。したがって、本発明によると、反応サイト5は、前述の実施の形態のように、単一の半径に沿って、すなわち単一の角座標で配列されず、一定の半径において変化する角座標で配列される。
【0117】
したがって、電磁エネルギーの入射ビームが情報トラックに沿ってトラッキングすると、分析ゾーン6内の調査特徴物は、それにより、ほぼ円周方向の経路に従ってインタロゲートされる。
【0118】
以下では、この円周方向の配列を「等半径(eRad)」と呼ぶことにし、等半径を提供するディスクを「eRadディスク」と呼ぶことにする。したがって、便宜上、用語「等半径」、「e半径」、「e−rad」、または「eRad」は、本明細書では交換可能に利用することができる。
【0119】
eRadディスク1の使用によって生じる課題は、ディスク自体における注入ポート122の配置である。図23に示すように、対応する流路2の円周部21に関して異なる半径位置に注入ポート122を有することが可能である。しかしながら、最終的には流路に収容される液体がポート122から漏れることを誘発する求心力を防止するために、流路の中央部21は、注入ポート122に対して大きな動径座標にあることが好ましい。
【0120】
変形した一実施の形態によると、注入ポートが密閉され、すなわち、漏れないように保証される場合には、流路の中央部が注入ポートよりも小さな半径にあることも可能である。
【0121】
図24は、本発明によるバイオディスクの別の好ましい実施の形態の平面図を示している。本実施の形態は、ここでは10によって示す。このバイオディスクのキャップ部は、ディスク10自体の内部コンポーネントを明らかにするために透明で表されている。
【0122】
図24に示すように、ディスク10は、複数の等半径の流体流路2および反応サイト5の対応する配列を提供する。これら複数の等半径の流体流路2は、ディスクの内周部3と同心の多段で配列されている。
【0123】
また、ディスク10は、注入ポート122の同心配列も提供する。上述したように、好ましくは、一定の流路2に付随する注入ポート122が、その流路自体の円周部分に対して小さな動径座標に配列される場合、これらすべての注入ポート122は、単一の、通常は小さな動径座標に配置される必要はない。
【0124】
図24のディスクの実施の形態によって、単一の動径座標の反応サイトを利用するディスクの潜在的な限界を克服することが可能になる。すなわち、この後者の事例では、ディスクの単一の半径に適合できる反応または分析の組数が少なくなるということを克服することが可能になる。
【0125】
これまでに説明したeRadディスクは、ディスクドライブシステムの光源および検出器の双方がすべての反応サイトを検出するためにカバーしなければならない半径の範囲が大きく削減されるので、データの読み出しが非常に高速であるという利点を提供することが理解されよう。
【0126】
さらに、未結合細胞(unbound cell)または一般に検出粒子が反応領域を避けるのに必要な距離は、既知の技術の半径ディスクと比較して小さい。さらに、このような未結合粒子(unbound particle)が他の反応領域に移動することもない。
【0127】
これに加えて、eRadディスクによって、限られたサイズの検出器を有するディスクドライブシステムの使用が可能になる。
【0128】
本発明によるeRadディスクの別の利点は、求心力が、すべての反応サイトまたはターゲット領域にわたって一定であるということである。
【0129】
既知の技術のディスクと比較して、eRadディスクのさらに別の利点は、占有されるディスクの半径方向の広がりが小さくなるということであり、これによって、流路の端部とディスクの端部との間の距離が大きくなり、その結果、より良い接着性が達成され、液漏れの可能性を削減することが達成される。
【0130】
図25は、本発明によるバイオディスクの別の好ましい実施の形態の平面図を示している。本実施の形態は、ここでは11によって示す。本実施の形態では、ディスク自体のキャップ部は、ディスクの内部コンポーネントを明らかにするために透明で表されている。
【0131】
図25に関して、ディスク11は、流体チャンバ12を含み、したがって、分析ゾーンを含む。この流体チャンバ12は、変化する角座標および動径座標に従って、詳細には螺旋に従って展開する経路に沿って伸びている。したがって、本実施の形態も、同じ螺旋状経路に従って分散された反応サイトまたはターゲットゾーン13を提供する。
【0132】
本実施の形態の螺旋状分析ゾーンは、ディスク11の事前に選択された個数の円形の情報トラックの間に円周方向に伸びており、調査特徴物は、事前に選択された内周と外周との間の円形の情報トラックにほぼ沿ってインタロゲートされる。
【0133】
螺旋状の配列によって、既知の技術の半径の解決法の利点と、上述したeRadの解決法が融合する。実際には、分析ゾーンの螺旋状の構成は、分析ゾーン自体の半径方向の広
がりが大きく削減されることを意味し、その結果、半径の解決法に関しては、求心力の変動が小さくなると同時に、eRadの解決法に関しては、より多くの個数の流路をディスク上に得ることが可能になることを意味する。
【0134】
さらに、この螺旋状の配列、一般的に言うと、変化する角座標および変化する動径座標の双方を分析ゾーンごとに提供する配列では、個々のチャンバまたは流路は、eRadの解決法よりも長くすることができる。それによって、例えば複製目的または較正目的で、より多くの個数のターゲットゾーンまたは反応サイトを得ることが可能になる。
【0135】
その上、図26に概略的に示すように、螺旋状の経路が浅い角度を有する場合であっても、例えば細胞、ビーズ等の未結合粒子は、例えば他の反応サイトといった他のターゲットゾーンと交わることはない。
【0136】
特に、液体を収容するチャンバまたは流路に関して、図27A〜図27Cは、対応する構成パラメータの好ましい選択に関係するものである。
【0137】
図27A〜図27Cは、図22および図23に関して説明したバイオディスク1の円周方向の流路2を示しているが、同じく考慮すべき事項は、本発明のすべての実施の形態に当てはめることができ、すなわち、変化する角座標に従ってインタロゲートされる傾向がある分析ゾーンを有するあらゆるディスクに当てはめることができる。
【0138】
考慮されている特定の実施の形態とは無関係に、ディスクの回転により引き起こされる液柱の静水圧によって、流体チャンバの壁の最大圧力が、極大動径座標に対応するそのチャンバ自体の部分にかかることが当業者には理解される。
【0139】
図27Aに関して、液漏れを制限するために、液柱の長さは、圧力が加わるエリアと比較して小さくなるべきである。この液柱の長さは、bによって示され、流路の半径方向の広がりに直接関係する。この圧力が加わるエリアは、rcによって示される最大半径における流路の曲率半径に関係する。これら2つの変数の比rc/bが小さい場合、流路の端部における圧力は高くなり、液漏れの可能性は高い。したがって、好ましくは、このアスペクト比は、できるだけ高く維持されるべきである。詳細には、液漏れの可能性を低減するために、好ましくは、流路は0.5以上の比rc/bを有するべきである。より好ましくは、この比は1以上であるべきである。
【0140】
図27Bは、ほぼ一定の角座標に従って展開する流路の場合の比rc/bと、本発明の変化する角座標に従って展開する流路との比較を可能にするものである。前者のほぼ一定の角座標に従って展開する流路は、例えば、図1〜図21と共に説明した実施の形態の半径方向の流路である。
【0141】
図27Cに関して、さらに好ましい状況として、rcとほぼ同様の曲率半径を有する流路長の角度広がりθaは、流路自体の半径方向に向いたアーム間の角度θとの比が少なくとも0.25にあるべきである。そうでない場合、液柱の力が発揮されるエリアは依然として高すぎることになる。
【0142】
本発明の別の実施の形態、態様、詳細、および属性を図28〜図39に示す。
【0143】
図28Aは、本発明の等半径流路を組み込んだ反射型バイオディスクの分解斜視図である。この一般的な構成は、図2に示す半径方向流路ディスクに対応する。図28Aに示すバイオディスク1のe−radの実施態様も、同様に、キャップ116、流路層118、および基板120を含む。流路層118は、等半径の流体流路2を含む一方、基板120
は、反応サイト5の対応する配列を含む。
【0144】
図28Bは、図28Aに示すディスクの平面図である。図28Bは、さらに、透明なキャップ部を有するeRadディスクの一実施の形態の平面図も示している。このディスクは、ABO化学作用ならびに2つの血液型(A+およびAB+)を有する2段の円周方向の流体流路を有する。図28Bに示すように、本発明のディスクの製造段階において、複数のエントリポートを最終的には異なる動径座標で先験的に提供することも可能であり、その結果、等半径、螺旋状、または半径方向の反応サイトおよび/または流路が1つのディスク上で可能になる。これらのチャネルは、異なる試験スイートに使用することもできるし、単一の試験スイートの複数のサンプルに使用することもできる。
【0145】
図28Cは、e半径の反射型ディスクの異なる層を示す切り取り部分を有する、図28Aに示すディスクの斜視図である。この図は、図4に示す反射型ディスク110と同様のものである。図28Cに示す反射型バイオディスク1のe−radの実施態様も、同様に、反射層142、反射層142の上に施された活性層144、およびキャップ部116上の反射層146を含む。
【0146】
図29Aは、本発明のe半径の流路を利用する透過型バイオディスクの分解斜視図である。この一般的な構成は、図5に示す半径方向流路ディスクに対応する。図29Aに示すバイオディスク1の透過e−radの実施態様も、同様に、キャップ116、流路層118、および基板120を含む。流路層118は、等半径の流体流路2を含む一方、基板120は、反応サイト5の対応する配列を含む。
【0147】
図29Bは、図29Aに示す透過e−radディスクの平面図である。図29Bは、さらに、ABO化学作用ならびに2つの血液型(A+およびAB+)を有する2段の円周方向の流体流路も示している。上述したように、分析評価が分析ゾーン6で実行される。
【0148】
図29Cは、e−radの透過型バイオディスクの本実施の形態の異なる層を示す切り取り部分を有する、図29Aに示すディスクの斜視図である。この図は、図9に示す透過型ディスク110と同様のものである。図29Cに示す透過型バイオディスク1のe−radの実施態様も、同様に、薄い半反射層143、および、薄い半反射層143の上に施された活性層144を含む。
【0149】
図30は、透明なキャップ部を有するeRadディスクの一実施の形態の平面図を示している。このディスクは、2つの異なる分析評価、すなわちCD4/CD8化学作用およびABO/RH化学作用を有する2段の円周方向の流体流路を有する。このディスク1は、生物学的に安全なジュエルケース117に入れて示されている。
【0150】
図31は、透明なキャップ部を有するCD4/CD8のeRadディスクの一実施の形態の平面図を示している。このディスクは6つの円周方向の流体流路を有し、これら6つの円周方向の流体流路は、ほぼ同じ動径座標に配列され、3つの濃度の培養細胞を含む。図31のディスク1も、生物学的に安全なジュエルケース117に入れて示されている。
【0151】
図32は、透明なキャップ部を有するeRadディスクの一実施の形態の平面図を示している。このディスク1は、ほぼ同じ動径座標に配列された4つの円周方向の流体流路2を有する。
【0152】
図33は、ほぼ同じ動径座標に配列された4つの円周方向の流体流路2を有するeRadディスクの接着部材または流路層118の一実施の形態の平面図を示している。この接着層は、約80ミクロンの厚さを有し、シルクスクリーン粘着材料から作製されることが
好ましい。
【0153】
図34は、それぞれが2段の4つの円周方向の流体流路を有するeRadディスクの接着部材または流路層118の一実施の形態の平面図を示している。この接着層は、約100ミクロンの厚さを有し、粘着材料から作製されることが好ましい。
【0154】
図35は、ほぼ同じ動径座標に配列された6つの円周方向の流体流路2を有するeRadディスクの接着部材または流路層118の一実施の形態の平面図を示している。この接着層は、約100ミクロンの厚さを有し、粘着材料から作製されることが好ましい。
【0155】
図36は、ほぼ同じ動径座標に配列された4つの円周方向の流体流路2を有するeRadディスクの接着部材または流路層118の別の実施の形態の平面図を示している。この接着層は、約100ミクロンの厚さを有し、粘着材料から作製されることが好ましい。
【0156】
図37は、そのキャップ部が透明であるように表されたeRadディスク1の一実施の形態の概略平面図を示している。このディスクは、ほぼ同じ動径座標に配列された4つの円周方向の流体流路2を有する。各流体流路は、円周方向の経路に従ってインタロゲートされる傾向にある各反応サイトを含む。
【0157】
図38は、そのキャップ部が透明であるように表されたeRadディスク1の代替的な一実施の形態の概略平面図を示している。このディスクは、非対称に配列され、詳細には、異なる動径座標に配列された3つの円周方向の流体流路2を有する。
【0158】
図39は、そのキャップ部が透明であるように表されたeRadディスク1の代替的な一実施の形態の概略平面図を示している。このディスクは、異なるサイズの2つの円周方向の流体流路2を有する。
【0159】
また、本発明は、図1および図10と共に説明したタイプの光分析ディスクドライブシステムも提供する。この光分析ディスクドライブシステムは、図10と共にすでに上述した調査特徴物のインタロゲーション手段、詳細には光源、光検出器(複数可)、および関連した光学部品を含む。
【0160】
本発明によると、インタロゲーション手段は、変化する角座標に従って、好ましくは円周方向または螺旋状に、ディスク分析ゾーン内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される。
【0161】
ディスクの配列およびシステムの配列は、調査特徴物が、ディスク自体の回転により、チャンバに沿ってほぼ均一な分布に分散されるようなものであることが好ましい。
【0162】
ディスクの回転により、調査特徴物の濃度が分析チャンバに沿ってほぼ一様な分布に分散されることがより好ましい。
【0163】
また、本発明は、これまで説明したように、バイオディスクおよび光ディスクドライブシステムを使用する分析方法も提供する。この方法は、電磁エネルギーの入射ビームがディスクの情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析ゾーン内の全ての調査特徴物が、変化する角座標に従って、詳細には円周方向の経路または螺旋状の経路に従ってインタロゲートされるようなディスクの調査特徴物のインタロゲーションステップを提供する。
【0164】
<結言>
この明細書で言及したすべての特許、仮出願、特許出願、および他の刊行物は、その全内容が参照により本明細書に援用される。
【0165】
一定の好ましい実施の形態に関して本発明を詳細に説明してきたが、本発明は、それらの実施の形態そのものに限定されるものでないことが理解されるべきである。逆に、本発明を実施する現在の最良の形態を説明した本開示に鑑み、当業者には、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、多くの変更および変形が思い浮かぶであろう。したがって、本発明の範囲は、上記説明によるのではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意義および均等の範囲内に入るすべての変化、変更、および変形は、特許請求の範囲の範囲内にあるとみなされるべきである。
【0166】
さらに、本開示に鑑み、当業者は、日常の実験程度のものを使用して、本明細書で説明した本発明の特定の実施の形態の多くの均等物を認識し、または、確認することができる。このような均等物も、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】バイオディスクシステムの描画図である。
【図2】反射型バイオディスクの分解斜視図である。
【図3】図2に示すディスクの平面図である。
【図4】切り取り部分を用いてディスクの異なる層を示す、図2に示すディスクの斜視図である。
【図5】透過型バイオディスクの分解斜視図である。
【図6】ディスクの半反射層の機能的側面を示す切り取り部分を有する、図5に示すディスクを表す斜視図である。
【図7】薄い金の薄膜の厚さと透過率との間の関係を示すグラフである。
【図8】図5に示すディスクの平面図である。
【図9】図6に示すタイプの半反射層を含んだディスクの様々な層を示す切り取り部分を有する、図5に示すディスクの斜視図である。
【図10】図1のシステムをより詳細に示す斜視ブロック図である。
【図11】反射型光バイオディスクに形成されたフロー流路を示す図2、図3、および図4に示す当該反射型光バイオディスクの半径方向に垂直に切り取られた部分断面図である。
【図12】透過型光バイオディスクに形成されたフロー流路および上部検出器を示す図5、図8、および図9に示す当該透過型光バイオディスクの半径に垂直に切り取られた部分断面図である。
【図13】反射型光バイオディスクに形成されたウォブル溝を示す図2、図3、および図4に示す当該反射型光バイオディスクの縦方向部分断面図である。
【図14】透過型光バイオディスクに形成されたウォブル溝および上部検出器を示す図5、図8、および図9に示す当該透過型光バイオディスクの縦方向部分断面図である。
【図15】反射型ディスクの全体の厚さおよび反射型ディスクの初期屈折特性を示す図11と同様の図である。
【図16】透過型ディスクの全体の厚さおよび透過型ディスクの初期屈折特性を示す図12と同様の図である。
【図17】サンプリングされたアナログ信号の、1次元配列として記憶される対応するデジタル信号への変換の描画図である。
【図18】指定された部分の拡大詳細図が、バイオディスクのトラックに対して位置決めされて、入射ビームと相互作用した後で信号を含むビームを生成する、捕捉された白血球を示す光ディスクの斜視図である。
【図19A】光バイオディスクのトラックを基準として配置された白血球のグラフ表示である。
【図19B】図19Aの白血球から導出された一連のシグネチャトレースである。
【図20】図20A、図20B、図20C、および図20Dの関係を示すグラフ表示である。
【図20A】図20B、図20C、および図20Dと共に観察すると、図19Bからのシグネチャトレースの、1次元配列として記憶されてデータ入力用の2次元配列に結合されるデジタル信号への変換の描画図を形成する図である。
【図20B】図20A、図20C、および図20Dと共に観察すると、図19Bからのシグネチャトレースの、1次元配列として記憶されてデータ入力用の2次元配列に結合されるデジタル信号への変換の描画図を形成する図である。
【図20C】図20A、図20B、および図20Dと共に観察すると、図19Bからのシグネチャトレースの、1次元配列として記憶されてデータ入力用の2次元配列に結合されるデジタル信号への変換の描画図を形成する図である。
【図20D】図20A、図20B、および図20Cと共に観察すると、図19Bからのシグネチャトレースの、1次元配列として記憶されてデータ入力用の2次元配列に結合されるデジタル信号への変換の描画図を形成する図である。
【図21】本発明に関連した処理方法および計算アルゴリズムによるデータ評価の主要なステップを示す論理フローチャートである。
【図22】本発明によるバイオディスクの一実施の形態の分解斜視図である。
【図23】図22のディスクの平面図である。
【図24】本発明によるバイオディスクの別の実施の形態の平面図である。
【図25】本発明によるバイオディスクのさらに別の実施の形態の平面図である。
【図26】検体粒子の動きを示す図25のバイオディスクの一部の平面図の概略図である。
【図27A】図22のバイオディスクに関連し、バイオディスクの構成パラメータが示されたバイオディスクの一部の平面図の概略図である。
【図27B】図2のバイオディスクに関連し、バイオディスクの構成パラメータが示されたバイオディスクの一部の平面図の概略図である。
【図27C】図22のバイオディスクに関連し、バイオディスクの構成パラメータが示されたバイオディスクの一部の平面図の概略図である。
【図28A】本発明の等半径流路を組み込んだ反射型バイオディスクの分解斜視図である。
【図28B】図28Aに示すディスクの平面図である。
【図28C】切り取り部分を用いてe半径反射型ディスクの異なる層を示す図28Aに示すディスクの斜視図である。
【図29A】本発明のe半径流路を利用する透過型バイオディスクの分解斜視図である。
【図29B】図29Aに示すディスクの平面図である。
【図29C】e−rad透過型バイオディスクの本実施の形態の層を示す切り取り部分を有する図29Aに示すディスクの斜視図である。
【図30】生物学的に安全なジュエルケース中に示す本発明のバイオディスクの別の実施の形態の平面図である。
【図31】生物学的に安全なジュエルケース中に示す本発明のバイオディスクの別の実施の形態の平面図である。
【図32】本発明のバイオディスクの実施の形態の接着部材または流路層の平面図である。
【図33】本発明のバイオディスクの実施の形態の接着部材または流路層の平面図である。
【図34】本発明のバイオディスクの実施の形態の接着部材または流路層の平面図である。
【図35】本発明のバイオディスクの実施の形態の接着部材または流路層の平面図である。
【図36】本発明のバイオディスクの実施の形態の接着部材または流路層の平面図である。
【図37】捕捉ゾーンまたはターゲットゾーンを有するe−radチャネルを示す本発明によるバイオディスクのさらに別の実施の形態の平面図である。
【図38】捕捉ゾーンまたはターゲットゾーンを有するe−radチャネルを示す本発明によるバイオディスクのさらに別の実施の形態の平面図である。
【図39】捕捉ゾーンまたはターゲットゾーンを有するe−radチャネルを示す本発明によるバイオディスクのさらに別の実施の形態の平面図である。
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、2003年1月15日に出願された米国特許出願第10/347,155号の優先権の利益を主張する。この米国特許出願は、その全内容が参照により本明細書に援用される。
【0002】
[著作権で保護されたものに関する陳述]
この特許文書の開示の一部は、著作権保護の対象になるものを含む。著作権者(copyright owner)は、この特許文書または特許の開示が特許商標庁のファイルまたは記録に掲載される場合に、当該特許文書または特許の開示の何人による複製に対しても異議を有さないが、それ以外では、いかなるものであれすべての著作権を留保する。
【背景技術】
【0003】
<1.発明の分野>
本発明は、包括的には、光ディスク、光ディスクドライブ、および光ディスクインタロゲーション方法に関し、詳細には、光バイオディスクの分析ゾーンの代替的な構成に関する。より具体的には、最良の実施の形態に従って以下で説明する特定の実施の形態に制限されることなく、本発明は、等半径で、かつ/または、螺旋状の分析ゾーンを含む光ディスク、ならびに、関連するディスクドライブシステムおよび方法に関する。便宜上、等半径、e−半径、e−rad、およびeRadという用語は、本明細書では交換可能に利用することができる。
【0004】
<2.背景技術の説明>
光バイオディスクは、バイオコンパクトディスク(BCD(Bio-Compact Disc))、バイオ光ディスク、光分析ディスク、またはコンパクトバイオディスクとも呼ばれ、さまざまなタイプの生化学分析を行う技術分野において知られている。特に、この光ディスクは、光記憶デバイスのレーザ源を利用して、ディスク自体の作用面上またはその近傍の生化学反応を検出する。これらの反応は、多くは300ミクロンよりも小さな1つまたは複数の寸法を有するディスク内部の小さな流路で発生していることもあるし、ディスクの開いた表面で発生する反応の場合もある。システムが何であろうと、通常、異なる反応を同時に検出するために、または、エラー検出の目的で同じ反応を繰り返すために、複数の反応サイトが必要とされる。
【0005】
これら反応サイトの現在の配置は、それら反応サイトをディスクの単一の半径に沿って配置すること、すなわち、ディスクの単一の各座標に配置することである。しかしながら、この構成はさまざまな限界を有する。これらの限界について以下で要約する。
【0006】
第1に、ディスクドライブシステムのレーザヘッドは、すべてのスポットを読み出すために、ディスクの半径方向の全範囲をカバーしなければならない。これが必要であるということは、読み出し時間が長いことを意味し、詳細には、読み出し時間が、より狭い半径範囲を読み出すのに要する時間よりも長くなることを意味する。
【0007】
さらに、半径方向に延長しなければならない、または、レーザ源と共に移動しなければならない、透過光線の検出器を有するディスクドライブシステムが必要となる。そうしなければ、或る一定の半径部分のレーザ光は検出器に当たらなくなる。
【0008】
反応サイトの現在の構成の別の限界は、表面の細胞捕捉を含む検出メカニズムにおいて、捕捉されない細胞が、ディスクの回転中に他のすべての捕捉領域にわたって移動し、これらの位置における反応を妨げるおそれがあるということである。これに加えて、それら細胞は、半径方向に配列された検出領域から離れるために、通常、最大で40mmの大きな距離を移動しなければならない。
【0009】
その上、半径と共に求心力が変動することによって、細胞またはビーズの捕捉確率、分布、または濃度の変動が導入されるおそれがある。
【0010】
さらに別の限界は、ディスクの流路の外側の半径部分が、ディスク自体の外縁に近くなり、それによって、流路からディスク外部へ液漏れが生じる可能性があるということである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、既知の技術の限界を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明は、光バイオディスクの分析ゾーンの代替的な構成、ならびに、関連するディスクドライブシステムおよび方法を対象とする。
【0013】
より具体的には、本発明は、光分析バイオディスクを対象とする。このディスクは、有利には、内周部および外周部を有する基板と、この基板に付随するオペレーション層であって、情報トラックに沿って配置された符号化情報を含む、オペレーション層と、調査特徴物を含む分析エリアとを含む。分析エリアは、内周部と外周部との間に配置され、かつ、情報トラックに沿って配向されてなっており、それによって、電磁エネルギーの入射ビームが情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析エリア内の調査特徴物がそれにより円周方向にインタロゲートされる。
【0014】
また、本発明は、上記で定義した光分析ディスクも対象とする。この光分析ディスクでは、電磁エネルギーの入射ビームが情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析エリア内の調査特徴物が、それによって、螺旋状の経路に従って、または、一般的には、変化する角座標の経路に従って、インタロゲートされる。
【0015】
基板は、円周が内周部から外周部にかけての半径の関数として増加する一連のほぼ円形の情報トラックを含むことが好ましく、分析エリアは、事前に選択された個数の円形の情報トラック間に円周方向に伸びることが好ましく、調査特徴物は、事前に選択された内周と外周との間の円形の情報トラックにほぼ沿ってインタロゲートされることが好ましい。
【0016】
好ましい実施の形態によると、分析エリアは流体チャンバを含む。バイオディスクの回転は、調査特徴物を分析エリアに沿ってほぼ均一な分布、かつ/または、分析エリアに沿ってほぼ一様な分布に分散させることが好ましい。
【0017】
さらに、本発明は、光分析バイオディスクも対象とする。本実施の形態では、バイオディスクは、内周部および外周部を有する基板と、調査特徴物を含む分析ゾーンであって、基板の内周部と外周部との間に配置され、変化する角座標に従って伸びる、分析ゾーンと、を含む。分析ゾーンは、ほぼ円周方向または螺旋状の経路に従って伸びることが好ましい。
【0018】
分析ゾーンは、変化する角座標および動径座標に従って伸びることが好ましい。代替的
な一実施の形態では、分析ゾーンは、変化する角座標およびほぼ一定の動径座標に従って伸びる。
【0019】
ディスクは、基板に付随するオペレーション層であって、情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含む、オペレーション層を含むことが好ましい。
【0020】
別の好ましい実施の形態によると、基板は一連の情報トラックを含む。この一連の情報トラックは、好ましくは、ほぼ円形の外形を有し、円周が、内周部から外周部にかけての半径の関数として増加する。また、分析ゾーンは、情報トラックにほぼ沿って配向されており、それによって、電磁エネルギーの入射ビームが情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析ゾーン内の調査特徴物が円周方向にインタロゲートされる。分析ゾーンは、事前に選択された個数の円形の情報トラック間に円周方向に伸びることがより好ましく、調査特徴物は、事前に選択された内周と外周との間の円形の情報トラックにほぼ沿ってインタロゲートされることがより好ましい。
【0021】
別の好ましい実施の形態では、分析ゾーンは、変化する角座標に従って配列された複数の反応サイトおよび/または複数の捕捉ゾーンもしくはターゲットゾーンを含む。
【0022】
また、光分析バイオディスクは、基板の内周部と外周部との間に配置された複数の分析ゾーンも含むことができ、これら複数の分析ゾーンの少なくとも1つは、変化する角座標に従って伸びる。
【0023】
これら複数の分析ゾーンは、ほぼ円周方向の経路に従って伸び、バイオディスクの内周部の周りに同心円状に配列されることが好ましい。
【0024】
異なる一実施の形態では、ディスクは、各分析ゾーンがほぼ円周方向の経路に従って伸び、各段がバイオディスク上の各動径座標に配列される、多段の分析ゾーンを含む。
【0025】
さらに好ましい一実施の形態では、分析ゾーンは、変化する角座標に従って伸びる1つまたは複数の流体チャンバを含み、このチャンバ(複数可)は、変化する角座標に従って伸びる中央部、および、半径方向に従って伸びる2つの側方アーム部を有する。
【0026】
このチャンバの中央部は角度広がりθaを有し、これらチャンバのアーム部間に構成される角度θとの比θa/θは0.25以上であることが好ましい。
【0027】
さらに、このような実施の形態は、分析ゾーンが、ほぼ円周方向の経路に従って伸びる少なくとも液体を収容する流路を含み、当該流路の曲率半径rcおよび当該流路内に収容される液柱の長さbの比rc/bが0.5以上であることを提供することができる。比rc/bは、1以上であることがより好ましい。
【0028】
その上、光分析ディスクは、分析ゾーンに対してバイオディスク自体の小動径座標に配置された2つの注入ポートを含むことができる。このようなポートは、流体チャンバの各側方アーム部の一方の端部にそれぞれ配置されることが好ましい。
【0029】
さらに好ましい一実施の形態では、少なくとも1つの流体チャンバは、変化する角座標に従って伸びる流体流路である。
【0030】
このような実施の形態では、ディスクは、多段の分析流体流路を含むことができる。これらの分析流体流路は、やがては、異なる分析評価、異なる血液型、異なる濃度の培養細胞等を備える。1組の流体流路は、ほぼ同じ動径座標に配列することもできる。さらに、
流体流路は、同じサイズまたは異なるサイズを有することができる。
【0031】
ディスクは、反射型光バイオディスクとすることもできるし、透過型光バイオディスクとすることもできる。前の実施の形態のように、バイオディスクの回転は、調査特徴物を分析ゾーンに沿ってほぼ均一な分布および/またはほぼ一様な分布に分散させることが好ましい。
【0032】
別の好ましい実施の形態によると、光分析バイオディスクは、内周部および外周部を有する基板と、調査特徴物を含み、かつ、基板の内周部と外周部との間に配置された分析ゾーンとを含む。この分析ゾーンは、ほぼ円周方向の経路に沿って伸びる少なくとも一部を有する少なくとも1つの液体を収容する流路を含む。この流路の円周方向の部分の曲率半径rcおよびこの流路内に収容される液柱の長さbの比rc/bが0.5以上であることが好ましい。比rc/bは、1以上であることがより好ましい。本実施の形態においても、ディスクは、反射型光バイオディスクとすることもできるし、透過型光バイオディスクとすることもできる。
【0033】
また、本発明は、これまでに定義された光分析バイオディスクと共に使用される光分析バイオディスクシステムも対象とする。このシステムは、変化する角座標に従って調査特徴物をインタロゲートするように適合された調査特徴物のインタロゲーションデバイスを含む。
【0034】
このようなインタロゲーションデバイスは、電磁エネルギーの入射ビームがディスクの情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析ゾーン内の全ての調査特徴物がそれによって円周方向にインタロゲートされるようなものとすることができる。
【0035】
インタロゲーションデバイスは、ほぼ一定の動径座標において、変化する角座標に従って、あるいは、変化する角座標および動径座標に従って、調査特徴物をインタロゲートするように適合されることが好ましい。
【0036】
インタロゲーションデバイスは、螺旋状の経路またはほぼ円周方向の経路に従って調査特徴物をインタロゲートするのに使用されることがより好ましい。
【0037】
さらに好ましい一実施の形態によると、インタロゲーションデバイスは、変化する角座標に従って配列された複数の反応サイトまたは捕捉ゾーンもしくはターゲットゾーンの調査特徴物をインタロゲートするのに利用される。
【0038】
また、本発明は、これまでに定義された光分析バイオディスク内の調査特徴物のインタロゲーション方法も対象とする。この方法は、変化する角座標に従った、好ましくは螺旋状の経路またはほぼ円周方向の経路に従った調査特徴物のインタロゲーションを提供する。
【0039】
このようなインタロゲーションステップも、電磁エネルギーの入射ビームがディスク情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析ゾーン内の全ての調査特徴物がそれによって円周方向にインタロゲートされるようなものとすることができる。
【0040】
インタロゲーションステップは、ほぼ一定の動径座標において、変化する角座標に従った、あるいは、変化する角座標および動径座標に従った、調査特徴物のインタロゲーションを提供することが好ましい。
【0041】
さらに好ましい一実施の形態によると、インタロゲーションステップは、変化する角座
標に従って配列された複数の同様のまたは異なる反応サイト、捕捉ゾーン、もしくはターゲットゾーンにおける調査特徴物のインタロゲーションを提供する。
【0042】
本発明または本発明の異なる態様は、以下の同一出願人による同時係属中の特許出願に開示されたディスク、分析評価、およびシステムにおいて容易に実施でき、それらディスク等に適合でき、または、それらディスク等と組み合わせて使用することができる。
【0043】
1999年8月23日に出願された「Methods and Apparatus for Analyzing Operational and Non-operational Data Acquired from Optical Discs」と題する米国特許出願第09/378,878号;1999年8月23日に出願された「Methods and Apparatus for Optical Disc Data Acquisition Using Physical Synchronization Markers」と題する米国仮特許出願第60/150,288号;1999年10月26日に出願された「Trackable Optical Discs with Concurrently Readable Analyte Material」と題する米国特許出願第09/421,870号;2000年8月21日に出願された「Methods and Apparatus for Optical Disc Data Acquisition Using Physical Synchronization Markers」と題する米国特許出願第09/643,106号;2001年11月15日に出願された「Optical Biodiscs with Reflective Layers」と題する米国特許出願第09/999,274号;2001年11月20日に出願された「Methods and Apparatus for Detecting and Quantifying Lymphocytes with Optical Biodiscs」と題する米国特許出願第09/988,728号;2001年11月19日に出願された「Methods and Apparatus for Blood Typing with Optical Bio-discs」と題する米国特許出願第09/988,850号;2001年11月20日に出願された「Apparatus and Methods for Separating Agglutinants and Disperse Particles」と題する米国特許出願第09/989,684号;2001年11月27日に出願された「Dual Bead Assays Including Optical Biodiscs and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第09/997,741号;2001年11月30日に出願された「Apparatus and Methods for Separating Components of Particulate Suspension」と題する米国特許出願第09/997,895号;2001年12月7日に出願された「Optical Discs for Measuring Analytes」と題する米国特許出願第10/005,313号;2001年12月10日に出願された「Methods for Detecting Analytes Using Optical Discs and Optical Disc Readers」と題する米国特許出願第10/006,371号;2001年12月10日に出願された「Multiple Data Layer Optical Discs for Detecting Analytes」と題する米国特許出願第10/006,620号;2001年12月10日に出願された「Optical Disc Assemblies for Performing Assays」と題する米国特許出願第10/006,619号;2001年12月14日に出願された「Detection System For Disk-Based Laboratory and Improved Optical Bio-Disc Including Same」と題する米国特許出願第10/020,140号;2001年12月21日に出願された「Surface Assembly for Immobilizing DNA Capture Probes and Bead-Based Assay Including Optical Bio-Discs and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/035,836号;2002年1月4日に出願された「Dual Bead Assays Including Covalent Linkages for Improved Specificity and Related Optical Analysis Discs」と題する米国特許出願第10/038,297号;2002年1月10日に出願された「Optical Disc Analysis System Including Related Methods for Biological and Medical Imaging」と題する米国特許出願第10/043,688号;2002年1月14日に出願された「Optical Disc Analysis System Including Related Signal Processing Methods and Software」と題する米国仮出願第60/348,767号;2002年2月26日に出願された「Methods for DNA Conjugation Onto Solid Phase Including Related Optical Biodiscs and Disc Drive Systems」と題する米国特許出願第10/086,941号;2002年2月28日に出願された「Methods for Decreasing Non-Specific Binding of Beads in Dual Bead Assays Including Related Optical Biodiscs and Disc Drive Systems」と題する米国特許出願第10/087
,549号;2002年3月14日に出願された「Dual Bead Assays Using Cleavable Spacers and/or Ligation to Improve Specificity and Sensitivity Including Related Methods and Apparatus」と題する米国特許出願第10/099,256号;同じく2002年3月14日に出願された「Use of Restriction Enzymes and Other Chemical Methods to Decrease Non-Specific Binding in Dual Bead Assays and Related Bio-Discs, Methods, and System Apparatus for Detecting Medical Targets」と題する米国特許出願第10/099,266号;2002年4月11日に出願された「Multi-Parameter Assays Including Analysis Discs and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/121,281号;2002年5月16日に出願された「Variable Sampling Control for Rendering Pixelization of Analysis Results in a Bio-Disc Assembly and Apparatus Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/150,575号;2002年5月17日に出願された「Surface Assembly For Immobilizing DNA Capture Probes
in Genetic Assays Using Enzymatic Reactions to Generate Signals in Optical Bio-Discs and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/150,702号;2002年7月12日に出願された「Optical Disc System and Related Detecting and Decoding Methods for Analysis of Microscopic Structures」と題する米国特許出願第10/194,418号;同じく2002年7月12日に出願された「Multi-Purpose Optical Analysis Disc for Conducting Assays and Various Reporting Agents for Use
Therewith」と題する米国特許出願第10/194,396号;2002年7月19日に出願された「Transmissive Optical Disc Assemblies for Performing Physical Measurements and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/199,973号;2002年7月22日に出願された「Optical Analysis Disc and Related Drive Assembly for Performing Interactive Centrifugation」と題する米国特許出願第10/201,591号;2002年7月24日に出願された「Method and Apparatus for Bonded Fluidic Circuit for Optical Bio-Disc」と題する米国特許出願第10/205,011号;同じく2002年7月24日に出願された「Magnetic Assisted Detection of Magnetic Beads Using Optical Disc Drives」と題する米国特許出願第10/205,005号;2002年8月29日に出願された「Methods for Qualitative and Quantitative Analysis of Cells and Related Optical Bio-Disc Systems」と題する米国特許出願第10/230,959号;2002年8月30日に出願された「Capture Layer Assemblies
for Cellular Assays Including Related Optical Analysis Discs and Methods」と題する米国特許出願第10/233,322号;2002年9月6日に出願された「Nuclear Morphology Based Identification and Quantification of White Blood Cell Types Using Optical Bio-Disc Systems」と題する米国特許出願第10/236,857号;2002年9月11日に出願された「Methods for Differential Cell Counts Including Related Apparatus and Software for Performing Same」と題する米国特許出願第10/241,512号;2002年10月24日に出願された「Segmented Area Detector for Biodrive and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/279,677号;2002年11月13日に出願された「Optical Bio-Discs and Fluidic Circuits for Analysis of Cells and Methods Relating Thereto」と題する米国特許出願第10/293,214号;2002年11月15日に出願された「Methods and Apparatus for Blood Typing with Optical Bio-Discs」と題する米国特許出願第10/298,263号;2002年11月27日に出願された「Magneto-Optical Bio-Discs and Systems Including Related Methods」と題する米国特許出願第10/307,263号;2003年1月13日に出願された「Method and Apparatus for Visualizing Data」と題する米国特許出願第10/341,326号;2003年1月14日に出願された「Methods and Apparatus for Extracting Data From an Optical Analysis Disc」と題する米国特許出願第10/345,122号;2003年1月15日に出願された「Optical Discs Including Equi-Radial and/or Spiral Analysis Zones and Related Disc Drive Systems and Methods」と題する米国特許出願第10/347,155号;2003年1月1
7日に出願された「Bio-Safe Dispenser and Optical Analysis Disc Assembly」と題する米国特許出願第10/347,119号;2003年1月21日に出願された「Multi-Purpose Optical Analysis Disc for Conducting Assays and Related Methods for Attaching Capture Agents」と題する米国特許出願第10/348,049号;2003年1月21日に出願された「Processes for Manufacturing Optical Analysis Discs with Molded Microfluidic Structures and Discs Made According Thereto」と題する米国特許出願第10/348,196号;2003年1月23日に出願された「Methods for Triggering Through Disc Grooves and Related Optical Analysis Discs and System」と題する米国特許出願第10/351,604号;2003年1月23日に出願された「Bio-Safety Features for Optical Analysis Discs and Disc System Including Same」と題する米国特許出願第10/351,280号;2003年1月24日に出願された「Manufacturing Processes for Making Optical Analysis Discs Including Successive Patterning Operations and Optical Discs Thereby Manufactured」と題する米国特許出願第10/351,244号;2003年1月27日に出願された「Processes for Manufacturing Optical Analysis Discs with Molded Microfluidic Structures and Discs Made According Thereto」と題する米国特許出願第10/353,777号;2003年1月28日に出願された「Method and Apparatus for Logical Triggering」と題する米国特許出願第10/353,839号;2003年1月30日に出願された「Methods For Synthesis of Bio-Active Nanoparticles and Nanocapsules For Use in Optical Bio-Disc
Assays and Disc Assembly Including Same」と題する米国特許出願第10/356,666号;および、2003年2月19日に出願された「Methods and an Apparatus for Multi-Use Mapping of an Optical Bio-Disc」と題する米国特許出願第10/370,272号。これらの出願のすべては、その全内容が参照により本明細書に援用される。したがって、これらの出願は、あたかも本明細書で完全に繰り返されたように、本明細書のサポートとして背景および関係した開示を提供する。
【0044】
本明細書で開示した本発明による上述した方法および装置は、1つまたは複数の利点を有することができる。これらの利点には、ディスク上の処理が、経験豊富な技術者が試験を行う必要なく簡単で迅速であること、サンプル量が少なくてすむこと、安価な材料を使用できること、および既知の光ディスクフォーマットおよびドライブ製造を使用できることが含まれるが、これらに限定されるものではない。これらの特徴および利点ならびに他の特徴および利点は、添付図面の図および技術例とあわせて以下の詳細な説明を参照すことによってより良く理解されよう。
【0045】
本発明のさらに別の目的は、本発明に寄与する別の特徴および本発明から生じる利点と共に、添付図面の図に示された本発明の好ましい実施の形態の以下の説明から明らかになるであろう。添付図面の図全体を通じて、同じ参照番号は同じコンポーネントを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明は、ディスクドライブシステム、光バイオディスク、画像処理技法、分析方法、および関連ソフトウェアを対象とする。本発明のこれらの態様のそれぞれを以下でさらに詳細に説明する。
【0047】
<ドライブシステムおよび関連ディスク>
図1は、生化学分析を行う光バイオディスク110の斜視図であり、詳細には、細胞計数および分画細胞計数(differential cell count)を行う光バイオディスク110の斜視図である。本光バイオディスク110は、光ディスクドライブ112および表示モニタ114と共に示されている。このタイプのディスクドライブおよびディスク分析システムに関するさらに詳細な内容は、本発明と同時係属中であり、同一出願人により2001年11月9日に出願された「Disk Drive System and Methods for Use with Bio-discs」と
題する米国特許出願第10/008,156号、および、2002年1月10日に出願された「Optical Disc Analysis System Including Related Methods For Biological and Medical Imaging」と題する米国特許出願第10/043,688号に開示されている。これら米国特許出願の双方は、参照により本明細書に援用される。
【0048】
図2は、光バイオディスク110の一実施の形態の主要な構造要素の分解斜視図である。図2は、本発明で使用できる反射ゾーン光バイオディスク110(以下「反射型ディスク」)の一例である。主要な構造要素には、キャップ部116、接着部材または流路層118、および基板120が含まれる。キャップ部116は、1つまたは複数の注入ポート122および1つまたは複数の排出ポート124を含む。キャップ部116は、ポリカーボネートから形成することができ、図2の視点から見てその底部を反射面146(図4に示す)でコーティングされることが好ましい。好ましい実施の形態では、トリガマークまたはトリガマーキング126が、反射層142(図4に示す)の表面に含まれる。トリガマーキング126には、バイオディスクの3つの層すべての透明ウィンドウ、不透明エリア、または、反射エリアもしくは半反射エリアが含まれ得る。反射エリアまたは半反射エリアは、情報で符号化されており、図10に示すようなプロセッサ166へデータを送信し、図6および図10に示すようなインタロゲーションビームまたは入射ビーム152の操作機能と相互作用する。
【0049】
図2に示す第2の要素は、接着部材または流路層118である。この接着部材または流路層118には、流体回路128またはU流路が形成されている。この流体回路128は、膜を打ち抜くか、または、切り取って、プラスチックフィルムを除去し、図に示すような形状を形成することによって形成される。流体回路128のそれぞれは、フロー流路130および戻り流路132を含む。図2に示す流体回路128のいくつかは、混合チャンバ134を含む。2つの異なるタイプの混合チャンバ134が示されている。第1のものは、フロー流路130に対して対称的に形成された対称混合チャンバ136である。第2のものは、オフセット混合チャンバ138である。このオフセット混合チャンバ138は、図に示すようにフロー流路130の一方の側に形成される。
【0050】
図2に示す第3の要素は、ターゲットゾーンまたは捕捉ゾーン140を含む基板120である。基板120は、ポリカーボネートで作製されることが好ましく、前述した反射層142が、その上部に堆積されている(図4に示す)。ターゲットゾーン140は、図に示す形状、あるいは、任意の所望の形状で反射層142を除去することによって形成される。あるいは、ターゲットゾーン140は、反射層142を施す前にターゲットゾーン140のエリアをマスクすることを含むマスク技法によって形成することもできる。反射層142は、アルミニウムや金等の金属から形成することができる。
【0051】
図3は、図2に示す光バイオディスク110の平面図であり、キャップ部116上の反射層146が透明で示され、それによって、ディスク内に位置する流体回路128、ターゲットゾーン140、およびトリガマーキング126が明らかになっている。
【0052】
図4は、本発明で使用できる一実施の形態による反射ゾーン型光バイオディスク110の拡大斜視図である。この図は、光バイオディスク110のさまざまな層の一部を含み、主要な各層、基板、コーティング、または膜の部分断面図を示すように切り取られている。図4は、反射層142でコーティングされた基板120を示している。反射層142の上には、活性層144が施される。好ましい実施の形態では、この活性層144は、ポリスチレンから形成することができる。あるいは、ポリカーボネート、金、活性化ガラス、改質ガラス、または変性ポリスチレンを使用することもできる。変性ポリスチレンは、例えば、ポリスチレン−co−マレイン酸無水物(polystyrene-co-maleic anhydride)である。これに加えて、ヒドロゲルを使用することもできる。あるいは、本実施の形態で示
すように、プラスチック接着部材118が活性層144の上に施される。プラスチック接着部材118の露出部分は、切り取られるか、または、打ち抜かれたU字型形状を示し、このU字型形状が流体回路128を形成する。本バイオディスクの反射ゾーンの実施の形態の最後の主要な構造層はキャップ部116である。このキャップ部116は、その底部に反射面146を含む。反射面146は、アルミニウムや金等の金属で作製することができる。
【0053】
次に図5を参照して、透過型光バイオディスク110の主要な構造要素の分解斜視図を示す。透過型光バイオディスク110の主要な構造要素には、同様に、キャップ部116、接着部材または流路部材118、および基板120層が含まれる。キャップ部116は、1つまたは複数の注入ポート122および1つまたは複数の排出ポート124を含む。キャップ部116は、ポリカーボネート層から形成することができる。図6および図9に最も良く示すように、オプションのトリガマーキング126を薄い半反射層143の表面に含めることができる。トリガマーキング126には、バイオディスクの3つの層すべての透明ウィンドウ、不透明エリア、または、反射エリアもしくは半反射エリアが含まれ得る。反射エリアまたは半反射エリアは、情報で符号化されており、図10のプロセッサ166へデータを送信し、図6および図10のインタロゲーションビーム152の操作機能と相互作用する。
【0054】
図5に示す第2の要素は、接着部材または流路層118である。この接着部材または流路層118には、流体回路128またはU流路が形成されている。この流体回路128は、膜を打ち抜くか、または、切り取って、プラスチック皮膜を除去し、図に示すような形状を形成することによって形成される。流体回路128のそれぞれは、フロー流路130および戻り流路132を含む。図5に示す流体回路128のいくつかは、混合チャンバ134を含む。2つの異なるタイプの混合チャンバ134が示されている。第1のものは、フロー流路130に対して対称的に形成された対称混合チャンバ136である。第2のものは、オフセット混合チャンバ138である。このオフセット混合チャンバ138は、図に示すようにフロー流路130の一方の側に形成される。
【0055】
図5に示す第3の要素は、ターゲットゾーンまたは捕捉ゾーン140を含んでも良い基板120である。基板120は、ポリカーボネートで作製されることが好ましく、前述した図6の薄い半反射層143が、その上部に堆積されている。図5および図6に示すディスク110の基板120に付随する半反射層143は、図2、図3、および図4に示す反射型ディスク110の基板120上の反射層142よりもかなり薄い。半反射層143がより薄いことによって、インタロゲーションビーム152の一部は、図6および図12に示すように、透過型ディスクの構造層を透過することが可能になる。この薄い半反射層143は、アルミニウムや金等の金属から形成することができる。
【0056】
図6は、図5に示す光バイオディスク110の透過型の実施の形態の基板120および半反射層143の拡大斜視図である。薄い半反射層143は、アルミニウムや金等の金属から作製することができる。好ましい実施の形態では、図5および図6に示す透過型ディスクの薄い半反射層143は、約100〜300Åの厚さであり、400Åを超えることはない。この薄い半反射層143によって、入射ビームまたはインタロゲーションビーム152の一部は、半反射層143を貫通して通過し、図10および図12の上部検出器158によって検出されることが可能になる一方、光の一部は、入射経路に沿って反射または折り返される。以下に示すように、表1は、金皮膜の厚さに対する当該金皮膜の反射特性および透過特性を示している。金皮膜層は、800Åより大きな厚さでは、十分に反射性を有する。一方、金皮膜を通過する光の透過しきい値密度は約400Åである。
【0057】
表1に加えて、図7は、金の厚さに基づく、薄い半反射層143の反射および透過の性
質の逆関係のグラフ表示を提供する。図7に示すグラフで使用される反射値および透過値は絶対値である。
【0058】
【表1】
【0059】
次に図8を参照して、図5および図6に示す透過型光バイオディスク110の平面図を示す。キャップ部116が透明であることによって、ディスク内に位置する流体流路、トリガマーキング126、およびターゲットゾーン140が明らかになっている。
【0060】
図9は、透過型ディスクの実施の形態による光バイオディスク110の拡大斜視図である。ディスク110は、そのさまざまな層の一部が、主要な各層、基板、コーティング、または膜の部分断面図を示すように切り取られた状態で示されている。図9は、透明なキャップ部116、基板120上の薄い半反射層143、およびトリガマーキング126を有する透過型ディスクのフォーマットを示している。本実施の形態では、トリガマーキング126は、キャップの上部に配置された不透明な材料を含む。あるいは、トリガマーキング126は、ディスクの薄い反射層143にエッチングされた透明で反射しないウィンドウによって形成することもできるし、図10のトリガ検出器160から来る信号を吸収するか、または、反射しない任意のマークによって形成することもできる。また、図9は、図示した形状、あるいは、任意の所望の形状で指定されたエリアをマーキングすることによって形成されたターゲットゾーン140も示している。ターゲットゾーン140を示すためのマーキングは、基板120上の薄い半反射層143に作製することもできるし、基板120の底部(ディスクの下部)に作製することもできる。あるいは、ターゲットゾーン140は、当該ターゲットゾーン140を除く薄い半反射層143全体をマスクすることを含むマスク技法によっても形成することができる。本実施の形態では、ターゲットゾーン140は、薄い半反射層143上にインクをシルクスクリーニングすることによって作製することができる。図5、図8、および図9に示す透過型ディスクフォーマットでは、ターゲットゾーン140は、代替的に、ディスク上に符号化されたアドレス情報によって定義することもできる。本実施の形態では、ターゲットゾーン140は、物理的に識別可能なエッジ境界を含まない。
【0061】
図9の参照を続けて、薄い半反射層143上に施された活性層144が示されている。
好ましい実施の形態では、この活性層144は、2%のポリスチレンの10から200μmの薄い層である。あるいは、ポリカーボネート、金、活性化ガラス、改質ガラス、または変性ポリスチレンを使用することもできる。変性ポリスチレンは、例えば、ポリスチレン−co−マレイン酸無水物である。これに加えて、ヒドロゲルを使用することもできる。本実施の形態で示すように、プラスチック接着部材118が活性層144の上に施される。プラスチック接着部材118の露出部分は、切り取られるか、または、打ち抜かれたU字型形状を示し、このU字型形状が流体回路128を形成する。
【0062】
本バイオディスク110のこの透過型の実施の形態の最後の主要な構造層は、透明で反射しないキャップ部116である。このキャップ部116は、注入ポート122および排出ポート124を含む。
【0063】
次に図10を参照して、光学部品148、入射ビームまたはインタロゲーションビーム152を生成する光源150、戻りビーム154、および透過ビーム156を示すブロック斜視図を表す。図4に示す反射型バイオディスクの場合、戻りビーム154は、光バイオディスク110のキャップ部116の反射面146から反射される。本光バイオディスク110のこの反射型の実施の形態では、戻りビーム154は、下部検出器157によって検出され、信号エレメントが存在するかどうかが分析される。他方で透過型バイオディスクのフォーマットでは、透過ビーム156が、前述した上部検出器158によって検出され、この場合も、信号エレメントが存在するかどうかが分析される。透過型の実施の形態では、上部検出器158として光検出器を使用することができる。
【0064】
また、図10は、ハードウェアトリガメカニズムも示している。このハードウェアトリガメカニズムは、ディスク上のトリガマーキング126および前述したトリガ検出器160を含む。ハードウェアトリガメカニズムは、反射型バイオディスク(図4)および透過型バイオディスク(図9)の双方で使用される。トリガメカニズムによって、プロセッサ166は、インタロゲーションビーム152が各ターゲットゾーン140における例えば所定の反応サイトにある時にのみデータを収集することが可能になる。さらに、透過型バイオディスクシステムでは、ソフトウェアトリガを使用することもできる。このソフトウェアトリガは、インタロゲーションビーム152が各ターゲットゾーン140のエッジにヒットするとすぐにデータを収集するように、下部検出器を使用してプロセッサ166に信号を送る。図10は、さらに、光バイオディスク110の回転を制御する駆動モータ162およびコントローラ164も示している。また、図10は、透過光バイオディスクに関連した戻りビーム154および透過ビーム156を処理するために、別法において実施されるプロセッサ166および分析器168も示している。
【0065】
図11に示すように、光バイオディスク110の反射型ディスクの実施の形態の部分断面図が提示されている。図11は、基板120および反射層142を示す。上記で示したように、反射層142は、アルミニウム、金、他の適切な反射材料等の材料から作製することができる。本実施の形態では、基板120の上面は滑らかである。また、図11は、反射層142の上に施された活性層144も示している。図11にも示すように、ターゲットゾーン140は、反射層142の所望の位置のエリアまたは部分を除去することによって、あるいは、反射層142を施す前に所望のエリアをマスクすることによって形成される。図11にさらに示すように、プラスチック接着部材118が活性層144の上に施される。また、図11は、キャップ部116および当該キャップ部116に付随する反射面146も示している。したがって、キャップ部116が、所望の切り取り形状を含めてプラスチック接着部材118に施されると、それによって、フロー流路130が形成される。図11に示す矢印によって示されるように、入射ビーム152の経路は、最初、ディスク110の下から基板120へ向かって方向付けられる。次に、入射ビームは、反射層142に近い点で合焦する。この合焦は、反射層142の一部が存在しないターゲットゾ
ーン140で起こるので、活性層144を通ってフロー流路130内への経路に沿って入射が続く。次に、入射ビーム152は、フロー流路を上方に向かって横断し続け、最終的に、反射面146に入射する。この時点で、入射ビーム152は、入射経路に沿って折り返されるか、または、反射され、それによって、戻りビーム154を形成する。
【0066】
図12は、バイオディスク110の透過型の実施の形態の部分断面図である。図12は、透明なキャップ部116、および、基板120上の薄い半反射層143を有する透過型ディスクのフォーマットを示している。また、図12は、薄い半反射層143の上に施された活性層144も示している。好ましい実施の形態では、透過型ディスクは薄い半反射層143を有する。この薄い半反射層143は、厚さが約100〜300オングストロームであって400オングストロームを超えることがないアルミニウムや金等の金属から作製される。この薄い半反射層143によって、図10の光源150からの入射ビームまたはインタロゲーションビーム152の一部は、ディスクを貫通して上方へ通過し、上部検出器158によって検出されることが可能になる一方、光の一部は、入射ビームと同じ経路に沿って反対方向に反射して戻される。この配置では、戻りビームまたは反射ビーム154は、半反射層143から反射される。したがって、このように、戻りビーム154は、フロー流路130に入ることはない。図13および図14と共により詳細に説明するように、反射光または戻りビーム154は、半反射層143内または半反射層143上に形成された、事前に記録された情報トラックにおける入射ビーム152をトラッキングするのに使用することができる。図12に示すディスクの実施の形態では、物理的に画定されたターゲットゾーン140は存在してもよいし、存在しなくてもよい。ターゲットゾーン140は、基板120上の薄い半反射層143に作製された直接的なマーキングによって作製することができる。これらのマーキングは、シルクスクリーニングまたは任意の等価な方法を使用して形成することができる。ターゲットゾーンを画定するのに物理的な印が使用されない、代替的な実施の形態(例えば、符号化されたソフトウェアアドレス指定が利用される場合等)では、フロー流路130を、調査特徴物の検査が行われる限定されたターゲットエリアとして有効に使用することができる。
【0067】
図13は、バイオディスク110の反射型ディスクの実施の形態のトラックを横断面図である。この図は、ディスクの半径およびフロー流路に沿って縦方向に観察されている。図13は、基板120および反射層142を含む。本実施の形態では、基板120は一連の溝170を含む。これらの溝170は、ディスクの中心付近から外縁に向けて伸びる螺旋状の形状である。溝170は、インタロゲーションビーム152がディスクの螺旋状の溝170に沿ってトラッキングできるように実施される。このタイプの溝170は、「ウォブル溝(wobble groove)」として知られている。起伏状または波状の側壁を有する底部が溝170を形成する一方、隆起したまたは立ち上がる部分が螺旋の隣接する溝170を分離する。本実施の形態で溝170の上に施された反射層142は、図示するように、事実上、等角である。また、図13は、反射層142の上に施された活性層144も示している。図13に示すように、ターゲットゾーン140は、反射層142の所望の位置のエリアまたは部分を除去することによって、あるいは、反射層142を施す前に所望のエリアをマスクすることによって形成される。図13にさらに示すように、プラスチック接着部材118が活性層144の上に施される。また、図13は、キャップ部116および当該キャップ部116に関連した反射面146も示している。したがって、キャップ部116が、所望の切り取り形状を含めてプラスチック接着部材118に施されると、それによって、フロー流路130が形成される。
【0068】
図14は、例えば、図12で説明したようなバイオディスク110の透過型ディスクの実施の形態のトラックの横断面図である。この図は、ディスクの半径およびフロー流路に沿って縦方向に観察されている。図14は、基板120および薄い半反射層143を示している。この薄い半反射層143によって、光源150からの入射ビームまたはインタロ
ゲーションビーム152は、ディスクを貫通して通過し、上部検出器158によって検出されることが可能になる一方、光の一部は、戻りビーム154の形で反射して戻される。薄い半反射層143の厚さは、ディスク読み取り装置が自身のトラッキング能力を維持するのに必要な反射光の最小量によって決定される。本実施の形態の基板120は、図13で説明したものと同様に一連の溝170を含む。本実施の形態の溝170も、ディスクの中心付近から外縁に向けて伸びる螺旋状の形状であることが望ましい。溝170は、インタロゲーションビーム152がこの螺旋に沿ってトラッキングできるように実施される。また、図14は、薄い半反射層143の上に施された活性層144も示している。図14にさらに示すように、プラスチック接着部材または流路層118が活性層144の上に施される。また、図14は、反射面146を伴わないキャップ部116も示している。したがって、キャップが、所望の切り取り形状を含めてプラスチック接着部材118に施されると、それによって、フロー流路130が形成され、入射ビーム152の一部は、実質的に反射されることなく、フロー流路130を通過することが可能になる。
【0069】
図15は、反射型ディスクの全体の厚さおよびその初期屈折特性を示す図11と同様の図である。図16は、透過型ディスクの全体の厚さおよびその初期屈折特性を示す図12と同様の図である。これらの部分は溝170に沿って切断されているので、溝170は図15および図16には見られない。図15および図16は、これらの実施の形態において溝170に対して垂直に位置する狭いフロー流路130の存在を示している。図13、図14、図15、および図16は、各反射型ディスクおよび透過型ディスクの全体の厚さを示している。これらの図では、最初に基板120と相互作用する入射ビーム152が示されている。基板120は、図示するように、入射ビームの経路を変更して、ビーム152が反射層142または薄い半反射層143上での合焦を提供する屈折特性を有する。
【0070】
<計数方法および関連ソフトウェア>
例示の背景として、光ディスクのデータを使用して白血球の計数を行う多数の方法および関連アルゴリズムを本明細書でさらに詳細に説明する。これらの方法および関連アルゴリズムは、白血球の計数に限定されるものではなく、あらゆるタイプの粒状物質の計数を行うことに容易に適用することができる。あらゆるタイプの粒状物質には、赤血球、白血球、ビーズ、ならびに、光学読み取り装置によって検出可能な類似の光シグネチャ(optical signature)を生成する生物学的および非生物学的の双方の他のあらゆる物体が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
図17〜図21に関して説明するような本発明に関連した方法およびアルゴリズムの以下の説明は、例示のため、細胞の計数を対象とする。いくつかの変更により、これらの方法およびアルゴリズムは、サイズが細胞と類似した他のタイプの物体の計数にも適用することができる。本明細書では、細胞計数方法およびアルゴリズムのデータ評価の態様を概略的に説明して、本発明の方法および装置に関連した背景を提供する。光バイオディスクからの調査データの取り込みおよび処理を行う方法およびアルゴリズムは、広い一般的な適用範囲を有し、次の米国仮出願にさらに詳細に開示されている。すなわち、同一出願人により2001年5月16日に出願された「Variable Sampling Control For Rendering Pixelation of Analysis Results In Optical Bio-Disc Assembly And Apparatus Relating Thereto」と題する米国仮出願第60/291,233号、および、上記で援用した「Methods For Differential Cell Counts Including Related Apparatus And Software For Performing Same」と題する米国仮出願第60/404,921号に開示されている。前者の米国仮出願は、参照により本明細書に援用される。以下の説明では、これらの方法およびアルゴリズムの基本的な方式を簡潔な説明で提示する。図10に示すように、生物学的試験サンプルの属性に関する情報が、その試験サンプルとの相互作用によって変更または変調された電磁気放射のビームの形で光バイオディスク110から取り出される。図2、図3、図4、図11、図13、および図15と共に説明した反射光バイオディスクの
場合、戻りビーム154が、生物学的サンプルに関する情報を運ぶ。上述したように、このような生物学的サンプルに関する情報は、基本的に、入射ビームがフロー流路130またはターゲットゾーン140内に入り、したがって、サンプルと接触した場合にのみ戻りビームに含まれる。バイオディスク110の反射型の実施の形態では、戻りビーム154は、反射層142内もしくは反射層142上に符号化された情報、または、それ以外に、図13および図14に示すウォブル溝170に符号化された情報も運ぶことができる。当業者には明らかであるように、対応する入射ビームが反射層142と接触した場合にのみ、事前に記録された情報が、ターゲットゾーンを有する反射型ディスクの戻りビーム154に含まれる。このような情報は、情報を保持する反射層142が除去されているか、または、通常存在しないエリアに入射ビーム152がある時の戻りビーム154には含まれない。図5、図6、図8、図9、図12、図14、および図16と共に説明した透過光バイオディスクの場合には、透過ビーム156が生物学的サンプルに関する情報を運ぶ。
【0072】
図10を続けて参照して、生物学的試験サンプルに関する情報は、それが反射型ディスクの戻りビーム154から取得されようが、透過型ディスクの透過ビーム156から取得されようが、プロセッサ166に送られて信号処理される。この処理は、下部検出器157(反射型ディスク)または上部検出器158(透過型ディスク)によって検出されたアナログ信号の離散的なデジタル形式への変換を含む。
【0073】
次に図17を参照して、信号変換は、アナログ信号210を一定の時間間隔212でサンプリングすること、および、その信号の対応する瞬時アナログ振幅214を離散的な2値整数216として符号化することを含む。サンプリングは、或る開始時刻218で開始されて、或る終了時刻220で停止される。任意のアナログ/デジタル変換プロセスに関連した共通の2つの値は、サンプリング周波数およびビット深度である。サンプリング周波数は、サンプリングレートとも呼ばれ、単位時間あたりに取得されるサンプル数である。サンプリング周波数が高いほど、連続したサンプル間の時間間隔212は小さくなり、その結果、元のアナログ信号210と比較してデジタル信号222の忠実度は高くなる。ビット深度は、各サンプル点において、アナログ信号210のサンプリングされた振幅214を符号化するのに使用されるビット数である。ビット深度が大きいほど、2値整数216は、元のアナログ振幅214をより良く近似することになる。本実施の形態では、サンプリングレートは8MHzであり、サンプルあたりのビット深度は12ビットである。これによって、0〜4095(0から(2n−1))の整数サンプルの範囲が可能になる。ここで、nはビット深度である。この組み合わせは、他の実施の形態において必要な特定の精度に対応するように変更することができる。限定ではなく例として、一般に細胞よりも小さいビーズを計数する方法を必要とする実施の形態では、サンプリング周波数を増加させることが望ましい場合がある。サンプリングされたデータは、次に、アナログ/デジタル変換のためにプロセッサ166へ送信される。
【0074】
アナログ/デジタル変換の間、レーザの経路に沿って連続した各サンプル点224は、1次元配列226としてディスクまたはメモリに連続して記憶される。連続した各トラックは、独立した1次元配列を与え、この独立した1次元配列は、画像に類似した2次元配列228(図20A)を生成する。
【0075】
図18は、光バイオディスク110の斜視図であり、指定された部分の拡大された詳細な斜視図は、捕捉された白血球230を示している。この白血球230は、光バイオディスクのトラック232を基準として配置されている。白血球230は、本明細書では、例示のためにのみ使用される。上記で示したように、ビーズや凝集物質等の他の物体または調査特徴物をここで利用することができる。図示するように、入射ビーム152が白血球230と相互作用することによって、反射型ディスクの戻りビーム154または透過型ディスクの透過ビーム156のいずれかの形で、信号を含んだビームが生成される。このビ
ームは、検出器157または158のいずれかによって検出される。
【0076】
図19Aは、図18に示す光バイオディスク110のトラック232を基準として配置された白血球230の別のグラフ表示である。図18および図19Aに示すように、白血球230は、約4つのトラックA、B、C、およびDをカバーする。図19Bは、図19および図19Aの白血球210から導出された一連のシグネチャトレース(signature trace)を示している。図19Bに示すように、検出システムは、トラックA、B、C、およびDに対応する4つのアナログ信号A、B、C、およびDを提供する。図19Bにさらに示すように、アナログ信号A、B、C、およびDのそれぞれは、白血球230に関する特定の情報を運ぶ。したがって、図示するように、白血球230をスキャンすることによって、検出および処理が可能な入射ビームの異なる摂動が生じる。以下でさらに詳細に説明するように、アナログシグネチャトレース(信号)210は、次に、プロセッサ166へ送られて、図20Aおよび図20Cに示すような類似のデジタル信号222へ変換される。
【0077】
図20は、図20A、図20B、図20C、および図20Dの間の関係を示すグラフ表示である。図20A、図20B、図20C、および図20Dは、図19Bからのシグネチャトレースのデジタル信号222への変換の描画図である。デジタル信号222は、1次元配列226として記憶され、データ入力244用の2次元配列228に結合される。
【0078】
次に図20Aを特に参照して、図18および図19Aに示す光バイオディスクのトラックAおよびBからのサンプリングされたアナログ信号210が示されている。プロセッサ166は、次に、アナログ信号210の対応する瞬時アナログ振幅214を離散的な2値整数216として符号化する(図17参照)。その結果の一連のデータ点が、サンプリングされたアナログ信号210に類似したデジタル信号222である。
【0079】
次に図20Bを参照して、トラックAおよびB(図20A)からのデジタル信号222は、独立した1次元メモリ配列226として記憶される。連続した各トラックは、対応する1次元配列を与える。この1次元配列が、先行する1次元配列と組み合わされると、画像に類似した2次元配列228が生成する。次に、このデジタルデータは、サンプル点224(図17)の2次元配列228としてメモリまたはディスクに記憶される。これらのサンプル点224は、サンプルエリアの特定の点における戻りビーム154または透過ビーム156(図18)の相対的な強度を表す。次に、2次元配列は、図20Bに表すように、生のファイルまたは画像ファイルの形でメモリまたはディスクに記憶される(240)。次に、画像ファイル240に記憶されたデータは、メモリへ取り出されて(242)、図10に示す分析器168へのデータ入力244として使用される。
【0080】
図20Cは、図18および図19Aに示す光バイオディスクのトラックCおよびDからのサンプリングされたアナログ信号210を示している。プロセッサ166は、次に、アナログ信号210の対応する瞬時アナログ振幅214を離散的な2値整数216(図17)として符号化する。その結果の一連のデータ点が、サンプリングされたアナログ信号210に類似したデジタル信号222である。
【0081】
次に図20Dを参照して、トラックCおよびDからのデジタル信号222は、独立した1次元メモリ配列226として記憶される。連続した各トラックは、対応する1次元配列を与える。この1次元配列は、先行する1次元配列と組み合わされると、画像に類似した2次元配列228を生成する。次に、上記のように、このデジタルデータは、サンプル点224(図17)の2次元配列228としてメモリまたはディスクに記憶される。このサンプル点224は、サンプルエリアの特定の点における戻りビーム154または透過ビーム156(図18)の相対的な強度を表す。次に、2次元配列は、図20Bに表すように
、生のファイルまたは画像ファイル240の形でメモリまたはディスクに記憶される。上記で示したように、次に、画像ファイル240に記憶されたデータは、メモリへ取り出されて(242)、図10の分析器168へのデータ入力244として使用される。
【0082】
計算アルゴリズムおよび処理アルゴリズムは、分析器168(図10)に記憶され、入力データ244に適用されて、有用な出力結果262(図21)を生成する。この出力結果は、表示モニタ114(図10)に表示することができる。
【0083】
次に図21を参照して、本発明に関連した処理方法および計算アルゴリズムによるデータ評価の主要なステップの論理フローチャートを示す。本処理方法の第1の主要なステップは、入力データ244を受け取ることを含む。上述したように、データ評価は、0から4096の範囲の整数の配列から開始する。
【0084】
次の主要なステップ246は、計数を行うディスクのエリアを選択することである。このエリアが画定されると、次の目的は、その画定されたエリアに含まれるすべての白血球を実際に計数することになる。ステップ246の実施態様は、ディスクの構成およびユーザのオプションに依存する。限定ではなく例として、図2および図5に示すターゲットゾーン140等のウィンドウを有するディスクを使用した発明の実施の形態では、ソフトウェアは、このウィンドウを認識して、分析および計数用にそのウィンドウの部分をクロッピングする。図2に示す実施の形態等の好ましい一実施の形態では、ターゲットゾーンまたはウィンドウは、1×2mmの長方形の形状を有し、その各端部には半円形の部分を有する。本実施の形態では、ソフトウェアは、各ウィンドウの内部の標準的な長方形の1×2mmのエリアをクロッピングする。本実施の形態の一態様では、読み取り装置は、数個の連続したサンプル値を取り込んで、数個の異なるウィンドウの細胞数を比較することができる。
【0085】
図5、図6、図8、および図9に示すような、ウィンドウを有さない透過型ディスクを使用する発明の実施の形態では、ステップ246は、2つの異なる方法の一方で実行することができる。固定座標を有する点を基準として標準的な長方形の中心を配置することによるか、または、濃い色素のスポットとすることができる基準マークを検出することによるかのいずれかで、標準的な長方形の位置が選択される。基準マークが使用される場合、所望のコントラストを有する色素が、細胞の2つのクラスタに関するディスクの特定の位置に堆積される。次に、光ディスク読み取り装置は、それら細胞のクラスタの一方の中心にスキップするように指示され、次に、標準的な長方形が、選択されたクラスタの中心に配置される。
【0086】
ステップ246に関して上述したユーザのオプションについて、ユーザは、マウス選択またはそれ以外のものによる直接的な対話によって、長方形エリア等、細胞計数用の所望のサンプルエリアの形状を指定することができる。このソフトウェアの本実施の形態では、これは、マウスを使用して、長方形をクリックし、モニタ114に表示された光バイオディスク導出画像の所望の部分の上に当該長方形をドラッグすることを含む。評価エリアの選択方法を問わず、各長方形エリアは、次のステップ248で計数を行うために評価される。
【0087】
図21の第3の主要なステップはステップ248である。ステップ248は、背景の照度を均一化することを対象とする。このプロセスは、いくつかのハードウェア構成において引き起こされ得る背景の均一性のばらつきを補正する。背景照度の均一化は、背景全体、または、細胞でない画像部分が、任意の背景値Vbackgroundを有する平面に近づくように、各サンプル点の強度レベルを補う(offset)。Vbackgroundは、標準的な長方形サンプルエリアにわたって平均値を求めること等の多くの方法で決定する
ことができるが、本実施の形態では、この値は2000に設定される。選択された長方形サンプルエリアの各点Pの値Vは、数(Vbackground+(V−Pの近傍にわたる平均値))に置き換えられ、必要ならば切り捨てられて、実際の可能な値の範囲に適合される。この実際の可能な値の範囲は、本発明の好ましい実施の形態では0から4095である。近傍の寸法は、細胞のサイズよりも十分に大きく、かつ、標準的な長方形のサイズよりも十分に小さくなるように選択される。
【0088】
図21のフローチャートの次のステップは、正規化ステップ250である。正規化ステップ250を行う際に、線形変換が、標準的な長方形のサンプルエリアのデータを用いて実行され、平均が2000となり、標準偏差が600となるようにされる。必要な場合には、その値は、0から4096の範囲に適合するように切り捨てられる。背景照度均一化ステップ248に加えてこのステップ250により、ソフトウェアは、ハードウェアの変更および調整の影響を受けにくくなる。限定ではなく例として、上部検出器158(図18)等の検出回路機構の信号利得は、結果の細胞計数に大きな影響を与えることなく変化することができる。
【0089】
図21に示すように、フィルタリングステップ252が次に実行される。標準的な長方形の各点Pについて、ステップ248で示したものよりも小さな寸法を有するPの近傍の点であって、Vbackgroundとは十分に異なる値を有する点の個数が計算される。計算された点は、画像の細胞のサイズに近づくはずである。この個数が十分に大きい場合には、Pにおける値は元の値に維持され、そうでない場合には、Pにおける値にはVbackgroundが割り当てられる。このフィルタリングオペレーションは、雑音を除去するように実行され、最適な場合には、細胞のみが画像に残る一方、背景は一様に等しいVbackgroundになる。
【0090】
図21に示すように、不良な成分を除去することを対象とするオプションのステップ254を実行することができる。掻き傷、気泡、埃、それ以外の同様のムラ等の欠陥が、フィルタリングステップ252を通過することがある。これらの欠陥は、直接的に、または、画像のヒストグラムの全体的な分布に影響を与えることによって、細胞の計数誤差を引き起こすことがある。通常、これらの欠陥は、サイズが細胞よりも十分に大きく、次のようにステップ254で除去することができる。まず、選択された領域と同じ寸法を有する2値画像が形成される。この2値画像におけるAは、元の画像の対応する点の値がVbackgroundに等しい場合には白として定義され、そうでない場合には黒として定義される。次に、黒の点の連結された成分が抽出される。次に、後続の侵食および膨張が適用されて、成分の見え方が規則化される。そして最後に、定義されたしきい値よりも大きな成分が除去される。このオプションのステップの一実施の形態では、この成分は、元の画像の対応するサンプル点に値Vbackgroundを割り当てることによって、元の画像から除去される。どの成分が計数可能な物体を構成し、どれが除去されるべきかを決定するしきい値は、ユーザが定義した値である。このしきい値も、計数される調査特徴物、すなわち、白血球、赤血球、または他の生物学的物質に応じて変化することがある。オプションのステップ254の後、ステップ248、250、および252は繰り返されることが好ましい。
【0091】
図21に示す次の主要な処理ステップはステップ256である。このステップ256は、明るい中心によって細胞を計数することを対象とする。計数ステップ256は、いくつかのサブステップから成る。これらのサブステップの最初のものは、重畳を実行することを含む。この重畳サブステップでは、重畳映像(convolved picture)と呼ばれる補助配列が形成される。点Pにおける重畳映像の値は、Pの円形の近傍におけるフィルタリング後の映像の積分の結果である。より正確に言うと、一特定の実施の形態では、積分される関数は、vが2000よりも大きい場合にはv−2000に等しい関数であり、vが20
00以下である場合には0に等しい関数である。計数ステップ256で実行される次のサブステップは、細胞のサイズについて、或る半径の近傍における重畳映像の極大値を検出することである。次に、互いの閉じた近傍において同じ値を有する2重の極大値が回避される。計数ステップ256の最後のサブステップでは、残りの極大値が細胞を示すものであると宣言される。
【0092】
いくつかのハードウェア構成では、いくつかの細胞は、明るい中心を伴わないで見えることがある。これらの場合には、暗い周縁のみが見え、以下の2つのオプションのステップ258および260が役立つ。
【0093】
ステップ258は、検出された細胞を映像から除去することを対象とする。ステップ258では、検出済みの各細胞の中心の周りの円形領域が値2000で満たされて、明るい中心および暗い周縁の双方を有する細胞が2回検出されないようにされる。
【0094】
ステップ260は、暗い周縁によって追加された細胞を計数することを対象とする。ステップ258の後の画像を用いて2つの変換が行われる。このルーチンの最初のサブステップであるサブステップ(a)では、各点の値vが(2000−v)に置き換えられ、その結果が負である場合には、0に置き換えられる。次に、サブステップ(b)では、結果の映像が、内部半径R1および外部半径R2のリングで重畳される。R1およびR2は、それぞれ、細胞の予想された最小半径および最大半径である。このリングは、その後、サブステップ(d)で、左、右、上、および下へシフトされる。サブステップ(c)では、4回のシフトの結果が合計される。この変換後、暗い周縁の細胞の画像は、4つの花弁の花のように見える。最後に、サブステップ(d)では、サブステップ(c)で取得された関数の最大値が、計数ステップ256で使用された方法と同様の方法で検出される。それらの最大値は、ステップ256で除外された細胞を示すものであると宣言される。
【0095】
計数ステップ256の後、または、オプションとして使用された場合の計数ステップ260の後、図21に示す最後の主要なステップは、結果出力ステップ262である。標準的な長方形において検出された細胞の個数は、図1および図5に示すモニタ114に表示され、識別された各細胞は、表示された光バイオディスク導出画像において、十字でマーキングされる。
【0096】
<光ディスク分析ゾーンの代替的な構成>
次に、本発明によるバイオディスクの好ましい実施の形態を、図22〜図39に関して説明する。これら後半の実施の形態のディスクのさまざまな特徴は、図1〜図21を参照してすでに示しており、したがって、このような共通の特徴は、以下では再び説明しないことにする。したがって、簡単にするために、図22〜図39では、原則として、バイオディスクを図1〜図21の特徴と差別化する特徴のみを表すものとする。
【0097】
さらに、本発明のバイオディスクの以下の説明は、反射型光バイオディスクだけでなく透過型光バイオディスクにも容易に適用することができる。
【0098】
図22は、本発明による光バイオディスクの一実施の形態の主要な構造要素の分解斜視図である。この光バイオディスクは、この場合、全体が1によって示される。
【0099】
図23は、バイオディスク1の平面図である。この平面図において、バイオディスク1のキャップ部116は、ディスク1自体の内部コンポーネントを明らかにするために透明で表されている。
【0100】
図22および図23に関して、光バイオディスク1は、前の図に関してすでに紹介した
主要な構造要素を含む。すなわち、前述したキャップ部116、接着部材または流路層118、および基板120を含む。
【0101】
キャップ部116は、1つまたは複数の注入ポート122を含む。単なる例として、かつ、簡単にするために、図22および図23では、2つの注入ポート122のみを示す。
【0102】
接着部材または流路層118には、流体チャンバ2が形成されている。この流体チャンバ2では、調査特徴物の検査を行うことができる。この流体チャンバ2については、以下でより詳細に説明することにする。常に例として、かつ、簡単にするために、図22および図23では、1つの流体チャンバ2のみを示す。
【0103】
基板120は、バイオディスク1の円形の内周部3、および、内周部3と同心の円形の外周部4を画定している。
【0104】
基板120は、1つまたは複数の反応サイト5を含む。図22および図23では、反応サイト5の単一の組または配列のみを含むディスクが、単に例として、かつ、単なる例示の目的で示されている。
【0105】
当業者には、反応サイト5が一般的なターゲットゾーンまたは捕捉ゾーンに存在し得ることが理解されよう。図1から図21を参照してすでに示したように、このようなターゲットゾーンは、ディスクの反射層または半反射層の所望の位置のエリアまたは部分を物理的に除去することにより、あるいは、反射層または半反射層を施す前に所望のエリアをマスクすることにより形成することができる。あるいは、上記ですでに示したように、透過型ディスクでは、ターゲットゾーンは、薄い半反射層上にインクをシルクスクリーニングすることによって作製することもできるし、ディスクに符号化されたアドレス情報によって画定することもできる。
【0106】
また、バイオディスク1は、基板120において、一連の情報トラックも提供する。この一連の情報トラックは、図1〜図21の実施の形態に関してすでに説明したトラック170と類似のものであり、したがって、図22および図23では表されていない。
【0107】
一般に、情報トラックは、ほぼ円形のプロファイルを有し、その円周は、通常は螺旋のプロファイルに従い、ディスク1の内周部3から外周部4にかけて、半径の関数として増加する。
【0108】
さらに、バイオディスク1は、基板120に付随するオペレーション層も提供することができる。このオペレーション層は、1つまたは複数の情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含み、例えば、図1〜図21を参照して紹介した反射層142に類似した層である。
【0109】
次に、図22および図23に関して、流体チャンバ2のより詳細な説明を提供する。
【0110】
まず第1に、バイオディスク1は、流体チャンバ2と一致して、調査特徴物を含む分析エリアまたは分析ゾーンを提供することが理解されよう。この分析エリアまたは分析ゾーンは、全体が6によって示される。
【0111】
本発明が扱う分析ゾーンには、任意のタイプの反応サイト(複数可)、スポットの配列(複数可)、捕捉サイト(複数可)または捕捉ゾーン(複数可)、ターゲットゾーン(複数可)、観察ウィンドウ(複数可)等が含まれ得る。一般に、分析ゾーンは、いかなるタイプ、性質、および構成であっても、任意のターゲット分析ゾーンとすることができる。
【0112】
本発明の一般的な教示によると、分析ゾーン6、したがって流体チャンバ2は、図1〜図21を参照して説明した実施の形態の構成に対する代替的な構成を有する。この代替的な構成は、電磁エネルギーの入射ビームが情報トラックに沿ってトラッキングする時に、このトラッキングによって、分析ゾーン6内の全ての調査特徴物が、変化する角座標に従ってインタロゲートされるような構成であり、図1〜図21の実施の形態のような単一の半径に沿った(すなわち、固定された角座標の)ものではない。
【0113】
容易に理解でき、かつ、図23に示されるように、「角座標」によると、ディスク1の平面図において、ディスク基準半径軸xと、例えば調査特徴物といった要素の実際の半径位置に対応するディスク半径軸rとの間に画定された平面角αが、当該角座標と共に対象となる。この角座標では、基準系の中心は、もちろん、ディスク1自体の中心に設定される。同様に、「動径座標」によると、例えば調査特徴物といった要素の、対応する半径軸rに沿った実際の位置が、当該動径座標と共に対象となる。
【0114】
好ましい実施の形態によると、分析ゾーン6は、情報トラックにほぼ沿って配向されている。
【0115】
図22および図23に示す特定の実施の形態では、流体チャンバ2は、ディスクの内周部3および外周部4と同心のほぼ円周方向の外形に従って伸びる中央部21と、ほぼ半径方向に沿って伸びる2つの側方アーム部23および24とを有する流体回路または流体流路である。
【0116】
したがって、反応サイト5は、流体流路の中央部21の円周方向の広がりに沿って、すなわち円周方向の弧にほぼ沿って分散される。したがって、本発明によると、反応サイト5は、前述の実施の形態のように、単一の半径に沿って、すなわち単一の角座標で配列されず、一定の半径において変化する角座標で配列される。
【0117】
したがって、電磁エネルギーの入射ビームが情報トラックに沿ってトラッキングすると、分析ゾーン6内の調査特徴物は、それにより、ほぼ円周方向の経路に従ってインタロゲートされる。
【0118】
以下では、この円周方向の配列を「等半径(eRad)」と呼ぶことにし、等半径を提供するディスクを「eRadディスク」と呼ぶことにする。したがって、便宜上、用語「等半径」、「e半径」、「e−rad」、または「eRad」は、本明細書では交換可能に利用することができる。
【0119】
eRadディスク1の使用によって生じる課題は、ディスク自体における注入ポート122の配置である。図23に示すように、対応する流路2の円周部21に関して異なる半径位置に注入ポート122を有することが可能である。しかしながら、最終的には流路に収容される液体がポート122から漏れることを誘発する求心力を防止するために、流路の中央部21は、注入ポート122に対して大きな動径座標にあることが好ましい。
【0120】
変形した一実施の形態によると、注入ポートが密閉され、すなわち、漏れないように保証される場合には、流路の中央部が注入ポートよりも小さな半径にあることも可能である。
【0121】
図24は、本発明によるバイオディスクの別の好ましい実施の形態の平面図を示している。本実施の形態は、ここでは10によって示す。このバイオディスクのキャップ部は、ディスク10自体の内部コンポーネントを明らかにするために透明で表されている。
【0122】
図24に示すように、ディスク10は、複数の等半径の流体流路2および反応サイト5の対応する配列を提供する。これら複数の等半径の流体流路2は、ディスクの内周部3と同心の多段で配列されている。
【0123】
また、ディスク10は、注入ポート122の同心配列も提供する。上述したように、好ましくは、一定の流路2に付随する注入ポート122が、その流路自体の円周部分に対して小さな動径座標に配列される場合、これらすべての注入ポート122は、単一の、通常は小さな動径座標に配置される必要はない。
【0124】
図24のディスクの実施の形態によって、単一の動径座標の反応サイトを利用するディスクの潜在的な限界を克服することが可能になる。すなわち、この後者の事例では、ディスクの単一の半径に適合できる反応または分析の組数が少なくなるということを克服することが可能になる。
【0125】
これまでに説明したeRadディスクは、ディスクドライブシステムの光源および検出器の双方がすべての反応サイトを検出するためにカバーしなければならない半径の範囲が大きく削減されるので、データの読み出しが非常に高速であるという利点を提供することが理解されよう。
【0126】
さらに、未結合細胞(unbound cell)または一般に検出粒子が反応領域を避けるのに必要な距離は、既知の技術の半径ディスクと比較して小さい。さらに、このような未結合粒子(unbound particle)が他の反応領域に移動することもない。
【0127】
これに加えて、eRadディスクによって、限られたサイズの検出器を有するディスクドライブシステムの使用が可能になる。
【0128】
本発明によるeRadディスクの別の利点は、求心力が、すべての反応サイトまたはターゲット領域にわたって一定であるということである。
【0129】
既知の技術のディスクと比較して、eRadディスクのさらに別の利点は、占有されるディスクの半径方向の広がりが小さくなるということであり、これによって、流路の端部とディスクの端部との間の距離が大きくなり、その結果、より良い接着性が達成され、液漏れの可能性を削減することが達成される。
【0130】
図25は、本発明によるバイオディスクの別の好ましい実施の形態の平面図を示している。本実施の形態は、ここでは11によって示す。本実施の形態では、ディスク自体のキャップ部は、ディスクの内部コンポーネントを明らかにするために透明で表されている。
【0131】
図25に関して、ディスク11は、流体チャンバ12を含み、したがって、分析ゾーンを含む。この流体チャンバ12は、変化する角座標および動径座標に従って、詳細には螺旋に従って展開する経路に沿って伸びている。したがって、本実施の形態も、同じ螺旋状経路に従って分散された反応サイトまたはターゲットゾーン13を提供する。
【0132】
本実施の形態の螺旋状分析ゾーンは、ディスク11の事前に選択された個数の円形の情報トラックの間に円周方向に伸びており、調査特徴物は、事前に選択された内周と外周との間の円形の情報トラックにほぼ沿ってインタロゲートされる。
【0133】
螺旋状の配列によって、既知の技術の半径の解決法の利点と、上述したeRadの解決法が融合する。実際には、分析ゾーンの螺旋状の構成は、分析ゾーン自体の半径方向の広
がりが大きく削減されることを意味し、その結果、半径の解決法に関しては、求心力の変動が小さくなると同時に、eRadの解決法に関しては、より多くの個数の流路をディスク上に得ることが可能になることを意味する。
【0134】
さらに、この螺旋状の配列、一般的に言うと、変化する角座標および変化する動径座標の双方を分析ゾーンごとに提供する配列では、個々のチャンバまたは流路は、eRadの解決法よりも長くすることができる。それによって、例えば複製目的または較正目的で、より多くの個数のターゲットゾーンまたは反応サイトを得ることが可能になる。
【0135】
その上、図26に概略的に示すように、螺旋状の経路が浅い角度を有する場合であっても、例えば細胞、ビーズ等の未結合粒子は、例えば他の反応サイトといった他のターゲットゾーンと交わることはない。
【0136】
特に、液体を収容するチャンバまたは流路に関して、図27A〜図27Cは、対応する構成パラメータの好ましい選択に関係するものである。
【0137】
図27A〜図27Cは、図22および図23に関して説明したバイオディスク1の円周方向の流路2を示しているが、同じく考慮すべき事項は、本発明のすべての実施の形態に当てはめることができ、すなわち、変化する角座標に従ってインタロゲートされる傾向がある分析ゾーンを有するあらゆるディスクに当てはめることができる。
【0138】
考慮されている特定の実施の形態とは無関係に、ディスクの回転により引き起こされる液柱の静水圧によって、流体チャンバの壁の最大圧力が、極大動径座標に対応するそのチャンバ自体の部分にかかることが当業者には理解される。
【0139】
図27Aに関して、液漏れを制限するために、液柱の長さは、圧力が加わるエリアと比較して小さくなるべきである。この液柱の長さは、bによって示され、流路の半径方向の広がりに直接関係する。この圧力が加わるエリアは、rcによって示される最大半径における流路の曲率半径に関係する。これら2つの変数の比rc/bが小さい場合、流路の端部における圧力は高くなり、液漏れの可能性は高い。したがって、好ましくは、このアスペクト比は、できるだけ高く維持されるべきである。詳細には、液漏れの可能性を低減するために、好ましくは、流路は0.5以上の比rc/bを有するべきである。より好ましくは、この比は1以上であるべきである。
【0140】
図27Bは、ほぼ一定の角座標に従って展開する流路の場合の比rc/bと、本発明の変化する角座標に従って展開する流路との比較を可能にするものである。前者のほぼ一定の角座標に従って展開する流路は、例えば、図1〜図21と共に説明した実施の形態の半径方向の流路である。
【0141】
図27Cに関して、さらに好ましい状況として、rcとほぼ同様の曲率半径を有する流路長の角度広がりθaは、流路自体の半径方向に向いたアーム間の角度θとの比が少なくとも0.25にあるべきである。そうでない場合、液柱の力が発揮されるエリアは依然として高すぎることになる。
【0142】
本発明の別の実施の形態、態様、詳細、および属性を図28〜図39に示す。
【0143】
図28Aは、本発明の等半径流路を組み込んだ反射型バイオディスクの分解斜視図である。この一般的な構成は、図2に示す半径方向流路ディスクに対応する。図28Aに示すバイオディスク1のe−radの実施態様も、同様に、キャップ116、流路層118、および基板120を含む。流路層118は、等半径の流体流路2を含む一方、基板120
は、反応サイト5の対応する配列を含む。
【0144】
図28Bは、図28Aに示すディスクの平面図である。図28Bは、さらに、透明なキャップ部を有するeRadディスクの一実施の形態の平面図も示している。このディスクは、ABO化学作用ならびに2つの血液型(A+およびAB+)を有する2段の円周方向の流体流路を有する。図28Bに示すように、本発明のディスクの製造段階において、複数のエントリポートを最終的には異なる動径座標で先験的に提供することも可能であり、その結果、等半径、螺旋状、または半径方向の反応サイトおよび/または流路が1つのディスク上で可能になる。これらのチャネルは、異なる試験スイートに使用することもできるし、単一の試験スイートの複数のサンプルに使用することもできる。
【0145】
図28Cは、e半径の反射型ディスクの異なる層を示す切り取り部分を有する、図28Aに示すディスクの斜視図である。この図は、図4に示す反射型ディスク110と同様のものである。図28Cに示す反射型バイオディスク1のe−radの実施態様も、同様に、反射層142、反射層142の上に施された活性層144、およびキャップ部116上の反射層146を含む。
【0146】
図29Aは、本発明のe半径の流路を利用する透過型バイオディスクの分解斜視図である。この一般的な構成は、図5に示す半径方向流路ディスクに対応する。図29Aに示すバイオディスク1の透過e−radの実施態様も、同様に、キャップ116、流路層118、および基板120を含む。流路層118は、等半径の流体流路2を含む一方、基板120は、反応サイト5の対応する配列を含む。
【0147】
図29Bは、図29Aに示す透過e−radディスクの平面図である。図29Bは、さらに、ABO化学作用ならびに2つの血液型(A+およびAB+)を有する2段の円周方向の流体流路も示している。上述したように、分析評価が分析ゾーン6で実行される。
【0148】
図29Cは、e−radの透過型バイオディスクの本実施の形態の異なる層を示す切り取り部分を有する、図29Aに示すディスクの斜視図である。この図は、図9に示す透過型ディスク110と同様のものである。図29Cに示す透過型バイオディスク1のe−radの実施態様も、同様に、薄い半反射層143、および、薄い半反射層143の上に施された活性層144を含む。
【0149】
図30は、透明なキャップ部を有するeRadディスクの一実施の形態の平面図を示している。このディスクは、2つの異なる分析評価、すなわちCD4/CD8化学作用およびABO/RH化学作用を有する2段の円周方向の流体流路を有する。このディスク1は、生物学的に安全なジュエルケース117に入れて示されている。
【0150】
図31は、透明なキャップ部を有するCD4/CD8のeRadディスクの一実施の形態の平面図を示している。このディスクは6つの円周方向の流体流路を有し、これら6つの円周方向の流体流路は、ほぼ同じ動径座標に配列され、3つの濃度の培養細胞を含む。図31のディスク1も、生物学的に安全なジュエルケース117に入れて示されている。
【0151】
図32は、透明なキャップ部を有するeRadディスクの一実施の形態の平面図を示している。このディスク1は、ほぼ同じ動径座標に配列された4つの円周方向の流体流路2を有する。
【0152】
図33は、ほぼ同じ動径座標に配列された4つの円周方向の流体流路2を有するeRadディスクの接着部材または流路層118の一実施の形態の平面図を示している。この接着層は、約80ミクロンの厚さを有し、シルクスクリーン粘着材料から作製されることが
好ましい。
【0153】
図34は、それぞれが2段の4つの円周方向の流体流路を有するeRadディスクの接着部材または流路層118の一実施の形態の平面図を示している。この接着層は、約100ミクロンの厚さを有し、粘着材料から作製されることが好ましい。
【0154】
図35は、ほぼ同じ動径座標に配列された6つの円周方向の流体流路2を有するeRadディスクの接着部材または流路層118の一実施の形態の平面図を示している。この接着層は、約100ミクロンの厚さを有し、粘着材料から作製されることが好ましい。
【0155】
図36は、ほぼ同じ動径座標に配列された4つの円周方向の流体流路2を有するeRadディスクの接着部材または流路層118の別の実施の形態の平面図を示している。この接着層は、約100ミクロンの厚さを有し、粘着材料から作製されることが好ましい。
【0156】
図37は、そのキャップ部が透明であるように表されたeRadディスク1の一実施の形態の概略平面図を示している。このディスクは、ほぼ同じ動径座標に配列された4つの円周方向の流体流路2を有する。各流体流路は、円周方向の経路に従ってインタロゲートされる傾向にある各反応サイトを含む。
【0157】
図38は、そのキャップ部が透明であるように表されたeRadディスク1の代替的な一実施の形態の概略平面図を示している。このディスクは、非対称に配列され、詳細には、異なる動径座標に配列された3つの円周方向の流体流路2を有する。
【0158】
図39は、そのキャップ部が透明であるように表されたeRadディスク1の代替的な一実施の形態の概略平面図を示している。このディスクは、異なるサイズの2つの円周方向の流体流路2を有する。
【0159】
また、本発明は、図1および図10と共に説明したタイプの光分析ディスクドライブシステムも提供する。この光分析ディスクドライブシステムは、図10と共にすでに上述した調査特徴物のインタロゲーション手段、詳細には光源、光検出器(複数可)、および関連した光学部品を含む。
【0160】
本発明によると、インタロゲーション手段は、変化する角座標に従って、好ましくは円周方向または螺旋状に、ディスク分析ゾーン内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される。
【0161】
ディスクの配列およびシステムの配列は、調査特徴物が、ディスク自体の回転により、チャンバに沿ってほぼ均一な分布に分散されるようなものであることが好ましい。
【0162】
ディスクの回転により、調査特徴物の濃度が分析チャンバに沿ってほぼ一様な分布に分散されることがより好ましい。
【0163】
また、本発明は、これまで説明したように、バイオディスクおよび光ディスクドライブシステムを使用する分析方法も提供する。この方法は、電磁エネルギーの入射ビームがディスクの情報トラックに沿ってトラッキングする際に、分析ゾーン内の全ての調査特徴物が、変化する角座標に従って、詳細には円周方向の経路または螺旋状の経路に従ってインタロゲートされるようなディスクの調査特徴物のインタロゲーションステップを提供する。
【0164】
<結言>
この明細書で言及したすべての特許、仮出願、特許出願、および他の刊行物は、その全内容が参照により本明細書に援用される。
【0165】
一定の好ましい実施の形態に関して本発明を詳細に説明してきたが、本発明は、それらの実施の形態そのものに限定されるものでないことが理解されるべきである。逆に、本発明を実施する現在の最良の形態を説明した本開示に鑑み、当業者には、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、多くの変更および変形が思い浮かぶであろう。したがって、本発明の範囲は、上記説明によるのではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意義および均等の範囲内に入るすべての変化、変更、および変形は、特許請求の範囲の範囲内にあるとみなされるべきである。
【0166】
さらに、本開示に鑑み、当業者は、日常の実験程度のものを使用して、本明細書で説明した本発明の特定の実施の形態の多くの均等物を認識し、または、確認することができる。このような均等物も、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】バイオディスクシステムの描画図である。
【図2】反射型バイオディスクの分解斜視図である。
【図3】図2に示すディスクの平面図である。
【図4】切り取り部分を用いてディスクの異なる層を示す、図2に示すディスクの斜視図である。
【図5】透過型バイオディスクの分解斜視図である。
【図6】ディスクの半反射層の機能的側面を示す切り取り部分を有する、図5に示すディスクを表す斜視図である。
【図7】薄い金の薄膜の厚さと透過率との間の関係を示すグラフである。
【図8】図5に示すディスクの平面図である。
【図9】図6に示すタイプの半反射層を含んだディスクの様々な層を示す切り取り部分を有する、図5に示すディスクの斜視図である。
【図10】図1のシステムをより詳細に示す斜視ブロック図である。
【図11】反射型光バイオディスクに形成されたフロー流路を示す図2、図3、および図4に示す当該反射型光バイオディスクの半径方向に垂直に切り取られた部分断面図である。
【図12】透過型光バイオディスクに形成されたフロー流路および上部検出器を示す図5、図8、および図9に示す当該透過型光バイオディスクの半径に垂直に切り取られた部分断面図である。
【図13】反射型光バイオディスクに形成されたウォブル溝を示す図2、図3、および図4に示す当該反射型光バイオディスクの縦方向部分断面図である。
【図14】透過型光バイオディスクに形成されたウォブル溝および上部検出器を示す図5、図8、および図9に示す当該透過型光バイオディスクの縦方向部分断面図である。
【図15】反射型ディスクの全体の厚さおよび反射型ディスクの初期屈折特性を示す図11と同様の図である。
【図16】透過型ディスクの全体の厚さおよび透過型ディスクの初期屈折特性を示す図12と同様の図である。
【図17】サンプリングされたアナログ信号の、1次元配列として記憶される対応するデジタル信号への変換の描画図である。
【図18】指定された部分の拡大詳細図が、バイオディスクのトラックに対して位置決めされて、入射ビームと相互作用した後で信号を含むビームを生成する、捕捉された白血球を示す光ディスクの斜視図である。
【図19A】光バイオディスクのトラックを基準として配置された白血球のグラフ表示である。
【図19B】図19Aの白血球から導出された一連のシグネチャトレースである。
【図20】図20A、図20B、図20C、および図20Dの関係を示すグラフ表示である。
【図20A】図20B、図20C、および図20Dと共に観察すると、図19Bからのシグネチャトレースの、1次元配列として記憶されてデータ入力用の2次元配列に結合されるデジタル信号への変換の描画図を形成する図である。
【図20B】図20A、図20C、および図20Dと共に観察すると、図19Bからのシグネチャトレースの、1次元配列として記憶されてデータ入力用の2次元配列に結合されるデジタル信号への変換の描画図を形成する図である。
【図20C】図20A、図20B、および図20Dと共に観察すると、図19Bからのシグネチャトレースの、1次元配列として記憶されてデータ入力用の2次元配列に結合されるデジタル信号への変換の描画図を形成する図である。
【図20D】図20A、図20B、および図20Cと共に観察すると、図19Bからのシグネチャトレースの、1次元配列として記憶されてデータ入力用の2次元配列に結合されるデジタル信号への変換の描画図を形成する図である。
【図21】本発明に関連した処理方法および計算アルゴリズムによるデータ評価の主要なステップを示す論理フローチャートである。
【図22】本発明によるバイオディスクの一実施の形態の分解斜視図である。
【図23】図22のディスクの平面図である。
【図24】本発明によるバイオディスクの別の実施の形態の平面図である。
【図25】本発明によるバイオディスクのさらに別の実施の形態の平面図である。
【図26】検体粒子の動きを示す図25のバイオディスクの一部の平面図の概略図である。
【図27A】図22のバイオディスクに関連し、バイオディスクの構成パラメータが示されたバイオディスクの一部の平面図の概略図である。
【図27B】図2のバイオディスクに関連し、バイオディスクの構成パラメータが示されたバイオディスクの一部の平面図の概略図である。
【図27C】図22のバイオディスクに関連し、バイオディスクの構成パラメータが示されたバイオディスクの一部の平面図の概略図である。
【図28A】本発明の等半径流路を組み込んだ反射型バイオディスクの分解斜視図である。
【図28B】図28Aに示すディスクの平面図である。
【図28C】切り取り部分を用いてe半径反射型ディスクの異なる層を示す図28Aに示すディスクの斜視図である。
【図29A】本発明のe半径流路を利用する透過型バイオディスクの分解斜視図である。
【図29B】図29Aに示すディスクの平面図である。
【図29C】e−rad透過型バイオディスクの本実施の形態の層を示す切り取り部分を有する図29Aに示すディスクの斜視図である。
【図30】生物学的に安全なジュエルケース中に示す本発明のバイオディスクの別の実施の形態の平面図である。
【図31】生物学的に安全なジュエルケース中に示す本発明のバイオディスクの別の実施の形態の平面図である。
【図32】本発明のバイオディスクの実施の形態の接着部材または流路層の平面図である。
【図33】本発明のバイオディスクの実施の形態の接着部材または流路層の平面図である。
【図34】本発明のバイオディスクの実施の形態の接着部材または流路層の平面図である。
【図35】本発明のバイオディスクの実施の形態の接着部材または流路層の平面図である。
【図36】本発明のバイオディスクの実施の形態の接着部材または流路層の平面図である。
【図37】捕捉ゾーンまたはターゲットゾーンを有するe−radチャネルを示す本発明によるバイオディスクのさらに別の実施の形態の平面図である。
【図38】捕捉ゾーンまたはターゲットゾーンを有するe−radチャネルを示す本発明によるバイオディスクのさらに別の実施の形態の平面図である。
【図39】捕捉ゾーンまたはターゲットゾーンを有するe−radチャネルを示す本発明によるバイオディスクのさらに別の実施の形態の平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周部および外周部を有する基板と、
該基板に付随するオペレーション層であって、情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含む、オペレーション層と、
調査特徴物(investigational feature)を含む分析エリアであって、該分析エリアは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、かつ、前記情報トラックに沿って配向されており、それによって、電磁エネルギーの入射ビームが前記情報トラックに沿ってトラッキングする際に、該分析エリア内の全ての調査特徴物がそれにより円周方向にインタロゲートされる(interrogated)、分析エリアと、
を含む光分析ディスク。
【請求項2】
内周部および外周部を有する基板と、
該基板に付随するオペレーション層であって、情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含む、オペレーション層と、
調査特徴物を含む分析エリアであって、該分析エリアは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、かつ、前記情報トラックに沿って配向されており、それによって、電磁エネルギーの入射ビームが前記情報トラックに沿ってトラッキングする際に、該分析エリア内の全ての調査特徴物がそれにより螺旋状経路に従ってインタロゲートされる、分析エリアと、
を含む光分析ディスク。
【請求項3】
内周部および外周部を有する基板と、
該基板に付随するオペレーション層であって、情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含む、オペレーション層と、
調査特徴物を含む分析エリアであって、該分析エリアは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、かつ、前記情報トラックに沿って配向されており、それによって、電磁エネルギーの入射ビームが前記情報トラックに沿ってトラッキングする際に、該分析エリア内の全ての調査特徴物がそれにより変化する角座標の経路に従ってインタロゲートされる、分析エリアと、
を含む光分析ディスク。
【請求項4】
前記基板は、円周が前記内周部から前記外周部にかけての半径の関数として増加する一連のほぼ円形の情報トラックを含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項5】
前記分析エリアは、事前に選択された個数の円形の情報トラック間で円周方向に伸びる、請求項4に記載の光分析ディスク。
【請求項6】
前記調査特徴物は、事前に選択された内周と外周との間の前記円形の情報トラックにほぼ沿ってインタロゲートされる、請求項5に記載の光分析ディスク。
【請求項7】
前記分析エリアは流体チャンバを含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項8】
前記ディスクの回転が、調査特徴物を前記分析エリアに沿ってほぼ均一な分布に分散させる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光分析バイオディスク。
【請求項9】
前記ディスクの回転が、前記調査特徴物の濃度を前記分析エリアに沿ってほぼ一様な分布に分散させる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項10】
内周部および外周部を有する基板と、
調査特徴物を含む分析ゾーンであって、該分析ゾーンは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、変化する角座標に従って伸びる、分析ゾーンと、
を含む光分析ディスク。
【請求項11】
内周部および外周部を有する基板と、
調査特徴物を含む分析ゾーンであって、該分析ゾーンは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、変化する角座標および動径座標に従って伸びる、分析ゾーンと、を含む光分析ディスク。
【請求項12】
内周部および外周部を有する基板と、
調査特徴物を含む分析ゾーンであって、該分析ゾーンは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、変化する角座標およびほぼ一定の動径座標に従って伸びる、分析ゾーンと、
を含む光分析ディスク。
【請求項13】
内周部および外周部を有する基板と、
調査特徴物を含む分析ゾーンであって、該分析ゾーンは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、ほぼ円周方向の経路に従って伸びる、分析ゾーンと、
を含む光分析ディスク。
【請求項14】
内周部および外周部を有する基板と、
調査特徴物を含む分析ゾーンであって、該分析ゾーンは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、ほぼ螺旋状の経路に従って伸びる、分析ゾーンと、
を含む光分析ディスク。
【請求項15】
前記基板に付随するオペレーション層であって、情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含む、オペレーション層、をさらに含む、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項16】
前記基板は、一連の情報トラックを含み、前記分析ゾーンは、前記情報トラックにほぼ沿って配向され、それによって電磁エネルギーの入射ビームが該情報トラックに沿ってトラッキングする際に、前記分析ゾーン内の全ての調査特徴物が円周方向にインタロゲートされる、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項17】
前記情報トラックは、ほぼ円形であり、円周が、前記内周部から前記外周部にかけての半径の関数として増加する、請求項16に記載の光分析ディスク。
【請求項18】
前記分析ゾーンは、事前に選択された個数の円形の情報トラック間で円周方向に伸びる、請求項17に記載の光分析ディスク。
【請求項19】
前記調査特徴物は、事前に選択された内周と外周との間の前記円形の情報トラックにほぼ沿ってインタロゲートされる、請求項18に記載の光分析ディスク。
【請求項20】
前記分析ゾーンは、変化する角座標に従って配列された複数の反応サイトを含む、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項21】
前記分析ゾーンは、変化する角座標に従って配列された複数の捕捉ゾーンまたはターゲットゾーンを含む、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項22】
前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置された複数の分析ゾーンを備え、該複数の分析ゾーンの少なくとも1つは、変化する角座標に従って伸びる、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項23】
前記複数の分析ゾーンは、ほぼ円周方向の経路に従って伸び、前記バイオディスクの内周部の周りに同心円状に配列される、請求項22に記載の光分析ディスク。
【請求項24】
多段の分析ゾーンをさらに含む、請求項22に記載の光分析ディスク。
【請求項25】
各分析ゾーンは、ほぼ円周方向の経路に従って伸び、各段は、該ディスク上の各動径座標に配列される、請求項24に記載の光分析ディスク。
【請求項26】
前記分析ゾーンは、変化する角座標に従って伸びる少なくとも1つの流体チャンバを含む、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項27】
前記少なくとも1つの流体チャンバは、変化する角座標に従って伸びる中央部、および、ほぼ半径方向に従って伸びる2つの側方アーム部を有する、請求項26に記載の光分析ディスク。
【請求項28】
前記チャンバの中央部は角度広がりθaを有し、前記チャンバのアーム部間に構成される角度θとの比θa/θが0.25以上である、請求項27に記載の光分析ディスク。
【請求項29】
前記分析ゾーンは、少なくともほぼ円周方向の経路に従って伸びる液体を収容する流路を含み、該流路の曲率半径rcおよび該流路内に収容される液柱の長さbの比rc/bは0.5以上である、請求項26ないし28のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項30】
前記比rc/bは1以上である、請求項29に記載の光分析ディスク。
【請求項31】
前記分析ゾーンに対してバイオディスクの小さな動径座標に配置された2つの注入ポートを含む、請求項26に記載の光分析ディスク。
【請求項32】
前記少なくとも1つの流体チャンバの各側方アーム部の一方の端部にそれぞれ配置された2つの注入ポートを含む、請求項27に記載の光分析ディスク。
【請求項33】
前記少なくとも1つの流体チャンバは流体流路である、請求項26に記載の光分析ディスク。
【請求項34】
変化する角座標に従って伸びる複数の分析流体流路をさらに含む、請求項33に記載の光分析ディスク。
【請求項35】
多段の分析流体流路をさらに含む、請求項34に記載の光分析ディスク。
【請求項36】
ABO化学作用および2つの異なる血液型を有する2段の円周方向の流体流路をさらに含む、請求項35に記載の光分析ディスク。
【請求項37】
2つの異なる分析評価を有する2段の円周方向の流体流路をさらに含む、請求項35に記載の光分析ディスク。
【請求項38】
前記2つの分析評価は、CD4/CD8化学作用およびABO/RH化学作用を含む、
請求項37に記載の光分析ディスク。
【請求項39】
前記複数の流体流路は、ほぼ同じ動径座標に配列される、請求項34に記載の光分析ディスク。
【請求項40】
ほぼ同じ動径座標に配列された6つの円周方向の分析流体流路をさらに含む、請求項39に記載の光分析ディスク。
【請求項41】
ほぼ同じ動径座標に配列された4つの円周方向の分析流体流路をさらに含む、請求項39に記載の光分析ディスク。
【請求項42】
前記複数の流体流路は異なる濃度の培養細胞を含む、請求項34に記載の光分析ディスク。
【請求項43】
前記複数の流体流路は異なる動径座標に配列される、請求項34に記載の光分析ディスク。
【請求項44】
前記複数の流体流路は異なるサイズを有する、請求項34に記載の光分析ディスク。
【請求項45】
反射型光バイオディスクで実施される、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項46】
透過型光バイオディスクで実施される、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項47】
前記ディスクの回転が、調査特徴物を前記分析ゾーンに沿ってほぼ均一な分布に分散させる、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項48】
前記ディスクの回転が、前記調査特徴物の濃度を前記分析ゾーンに沿ってほぼ一様な分布に分散させる、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項49】
内周部および外周部を有する基板と、
調査特徴物を含み、かつ、該基板の該内周部と該外周部との間に配置された分析ゾーンであって、該分析ゾーンが、ほぼ円周方向の経路に沿って伸びる少なくとも一部を有する少なくとも1つの液体を収容する流路を含み、該流路の円周方向の部分の曲率半径rcおよび該流路内に収容される液柱の長さbの比rc/bが0.5以上である、分析ゾーンと、
を含む、光分析ディスク。
【請求項50】
前記比rc/bは1以上である、請求項49に記載の光分析ディスク。
【請求項51】
反射型光バイオディスクで実施される、請求項49に記載の光分析ディスク。
【請求項52】
透過型光バイオディスクで実施される、請求項49に記載の光分析ディスク。
【請求項53】
調査特徴物を含む分析ゾーンを有する光分析バイオディスクと共に使用される光分析ディスクシステムであって、変化する角座標に従って前記調査特徴物をインタロゲートするように適合されたインタロゲーション手段を含む、光分析ディスクシステム。
【請求項54】
情報トラックと、調査特徴物を含む分析ゾーンとを有する光分析ディスクと共に使用さ
れる光分析ディスクシステムであって、該システムは、電磁エネルギーの入射ビームが前記情報トラックに沿ってトラッキングする際に、前記分析ゾーン内の全ての調査特徴物がそれによって円周方向にインタロゲートされるようなインタロゲーション手段を含む、光分析ディスクシステム。
【請求項55】
前記インタロゲーション手段は、ほぼ一定の動径座標において、変化する角座標に従って前記調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項56】
前記インタロゲーション手段は、変化する角座標および動径座標に従って前記調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項57】
前記インタロゲーション手段は、螺旋状の経路に従って前記調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項58】
前記インタロゲーション手段は、ほぼ円周方向の経路に従って前記調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項59】
前記インタロゲーション手段は、変化する角座標に従って配列された複数の反応サイトの調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項60】
前記インタロゲーション手段は、変化する角座標に従って配列された複数の捕捉ゾーンまたはターゲットゾーンの調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項61】
前記インタロゲーション手段は、少なくとも1つが変化する角座標に沿って配向された、複数の分析ゾーンの調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項62】
前記インタロゲーション手段は、多段の分析ゾーンの調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項61に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項63】
前記インタロゲーション手段は、変化する角座標に従って伸びる少なくとも1つの流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項64】
前記インタロゲーション手段は、複数の流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項63に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項65】
前記インタロゲーション手段は、多段の流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項66】
前記インタロゲーション手段は、ほぼ同じ動径座標に配列された複数のほぼ円周方向の流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項67】
前記インタロゲーション手段は、異なる動径座標に配列された流体チャンバ内の調査特
徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項68】
前記インタロゲーション手段は、異なるサイズの流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項69】
前記インタロゲーション手段は、ABO化学作用および2つの血液型を有する流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項70】
前記インタロゲーション手段は、異なる分析評価を有する流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項71】
前記インタロゲーション手段は、CD4/CD8化学作用およびABO/RH化学作用を有する流体流路内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項72】
前記インタロゲーション手段は、異なる濃度の培養細胞を含む流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項73】
前記配列は、前記バイオディスクの回転が、調査特徴物を前記分析ゾーンに沿ってほぼ均一な分布に分散させるものである、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項74】
前記配列は、前記バイオディスクの回転が、調査特徴物を前記分析ゾーンに沿ってほぼ一様な分布に分散させるものである、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項75】
前記光分析ディスクは、反射型光バイオディスクで実施される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項76】
前記光分析ディスクは、透過型光バイオディスクで実施される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項77】
光分析バイオディスク内の調査特徴物のインタロゲーション方法であって、変化する角座標に従って前記特徴物のインタロゲーションを提供し、該光分析バイオディスクは該特徴物を含む分析ゾーンを有することを特徴とする方法。
【請求項78】
情報トラックと、調査特徴物を含む分析ゾーンとを有する光分析ディスク内の該特徴物のインタロゲーション方法であって、電磁エネルギーの入射ビームが前記情報トラックに沿ってトラッキングする際に、前記分析ゾーン内の全ての調査特徴物がそれによって円周方向にインタロゲートされるような前記調査特徴物のインタロゲーションステップを提供する方法。
【請求項79】
前記インタロゲーションステップは、ほぼ一定の動径座標において、変化する角座標に従った前記調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項80】
前記インタロゲーションステップは、変化する角座標および動径座標に従った前記調査
特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項81】
前記インタロゲーションステップは、螺旋状の経路に従った前記調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項82】
前記インタロゲーションステップは、ほぼ円周方向の経路に従った前記調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項83】
前記インタロゲーションステップは、変化する角座標に従って配列された複数の反応サイトの調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項84】
前記インタロゲーションステップは、変化する角座標に従って配列された複数の捕捉ゾーンまたはターゲットゾーンの調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項85】
前記インタロゲーションステップは、複数の分析ゾーンであって、該複数の分析ゾーンの少なくとも1つが、変化する角座標に従って伸びる、複数の分析ゾーンの調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項86】
前記インタロゲーションステップは、多段の分析ゾーンの調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記インタロゲーションステップは、変化する角座標に従って伸びる少なくとも1つの流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項88】
前記インタロゲーションステップは、複数の流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記インタロゲーションステップは、多段の流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記インタロゲーションステップは、ほぼ同じ動径座標に配列された複数の円周方向の流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記インタロゲーションステップは、異なる動径座標に配列された流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項88に記載の方法。
【請求項92】
前記インタロゲーションステップは、異なるサイズの流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項88に記載の方法。
【請求項93】
前記インタロゲーションステップは、異なる分析評価を有する流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項88に記載の方法。
【請求項94】
前記インタロゲーションステップは、異なる濃度の培養細胞を含む流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項88に記載の方法。
【請求項95】
前記バイオディスクの回転が、調査特徴物を前記分析ゾーンに沿ってほぼ均一な分布に
分散させる、請求項77または78に記載の方法。
【請求項96】
前記バイオディスクの回転が、調査特徴物を前記分析ゾーンに沿ってほぼ一様な分布に分散させる、請求項77または78に記載の方法。
【請求項1】
内周部および外周部を有する基板と、
該基板に付随するオペレーション層であって、情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含む、オペレーション層と、
調査特徴物(investigational feature)を含む分析エリアであって、該分析エリアは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、かつ、前記情報トラックに沿って配向されており、それによって、電磁エネルギーの入射ビームが前記情報トラックに沿ってトラッキングする際に、該分析エリア内の全ての調査特徴物がそれにより円周方向にインタロゲートされる(interrogated)、分析エリアと、
を含む光分析ディスク。
【請求項2】
内周部および外周部を有する基板と、
該基板に付随するオペレーション層であって、情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含む、オペレーション層と、
調査特徴物を含む分析エリアであって、該分析エリアは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、かつ、前記情報トラックに沿って配向されており、それによって、電磁エネルギーの入射ビームが前記情報トラックに沿ってトラッキングする際に、該分析エリア内の全ての調査特徴物がそれにより螺旋状経路に従ってインタロゲートされる、分析エリアと、
を含む光分析ディスク。
【請求項3】
内周部および外周部を有する基板と、
該基板に付随するオペレーション層であって、情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含む、オペレーション層と、
調査特徴物を含む分析エリアであって、該分析エリアは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、かつ、前記情報トラックに沿って配向されており、それによって、電磁エネルギーの入射ビームが前記情報トラックに沿ってトラッキングする際に、該分析エリア内の全ての調査特徴物がそれにより変化する角座標の経路に従ってインタロゲートされる、分析エリアと、
を含む光分析ディスク。
【請求項4】
前記基板は、円周が前記内周部から前記外周部にかけての半径の関数として増加する一連のほぼ円形の情報トラックを含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項5】
前記分析エリアは、事前に選択された個数の円形の情報トラック間で円周方向に伸びる、請求項4に記載の光分析ディスク。
【請求項6】
前記調査特徴物は、事前に選択された内周と外周との間の前記円形の情報トラックにほぼ沿ってインタロゲートされる、請求項5に記載の光分析ディスク。
【請求項7】
前記分析エリアは流体チャンバを含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項8】
前記ディスクの回転が、調査特徴物を前記分析エリアに沿ってほぼ均一な分布に分散させる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光分析バイオディスク。
【請求項9】
前記ディスクの回転が、前記調査特徴物の濃度を前記分析エリアに沿ってほぼ一様な分布に分散させる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項10】
内周部および外周部を有する基板と、
調査特徴物を含む分析ゾーンであって、該分析ゾーンは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、変化する角座標に従って伸びる、分析ゾーンと、
を含む光分析ディスク。
【請求項11】
内周部および外周部を有する基板と、
調査特徴物を含む分析ゾーンであって、該分析ゾーンは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、変化する角座標および動径座標に従って伸びる、分析ゾーンと、を含む光分析ディスク。
【請求項12】
内周部および外周部を有する基板と、
調査特徴物を含む分析ゾーンであって、該分析ゾーンは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、変化する角座標およびほぼ一定の動径座標に従って伸びる、分析ゾーンと、
を含む光分析ディスク。
【請求項13】
内周部および外周部を有する基板と、
調査特徴物を含む分析ゾーンであって、該分析ゾーンは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、ほぼ円周方向の経路に従って伸びる、分析ゾーンと、
を含む光分析ディスク。
【請求項14】
内周部および外周部を有する基板と、
調査特徴物を含む分析ゾーンであって、該分析ゾーンは前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置され、ほぼ螺旋状の経路に従って伸びる、分析ゾーンと、
を含む光分析ディスク。
【請求項15】
前記基板に付随するオペレーション層であって、情報トラックにほぼ沿って配置された符号化情報を含む、オペレーション層、をさらに含む、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項16】
前記基板は、一連の情報トラックを含み、前記分析ゾーンは、前記情報トラックにほぼ沿って配向され、それによって電磁エネルギーの入射ビームが該情報トラックに沿ってトラッキングする際に、前記分析ゾーン内の全ての調査特徴物が円周方向にインタロゲートされる、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項17】
前記情報トラックは、ほぼ円形であり、円周が、前記内周部から前記外周部にかけての半径の関数として増加する、請求項16に記載の光分析ディスク。
【請求項18】
前記分析ゾーンは、事前に選択された個数の円形の情報トラック間で円周方向に伸びる、請求項17に記載の光分析ディスク。
【請求項19】
前記調査特徴物は、事前に選択された内周と外周との間の前記円形の情報トラックにほぼ沿ってインタロゲートされる、請求項18に記載の光分析ディスク。
【請求項20】
前記分析ゾーンは、変化する角座標に従って配列された複数の反応サイトを含む、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項21】
前記分析ゾーンは、変化する角座標に従って配列された複数の捕捉ゾーンまたはターゲットゾーンを含む、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項22】
前記基板の前記内周部と前記外周部との間に配置された複数の分析ゾーンを備え、該複数の分析ゾーンの少なくとも1つは、変化する角座標に従って伸びる、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項23】
前記複数の分析ゾーンは、ほぼ円周方向の経路に従って伸び、前記バイオディスクの内周部の周りに同心円状に配列される、請求項22に記載の光分析ディスク。
【請求項24】
多段の分析ゾーンをさらに含む、請求項22に記載の光分析ディスク。
【請求項25】
各分析ゾーンは、ほぼ円周方向の経路に従って伸び、各段は、該ディスク上の各動径座標に配列される、請求項24に記載の光分析ディスク。
【請求項26】
前記分析ゾーンは、変化する角座標に従って伸びる少なくとも1つの流体チャンバを含む、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項27】
前記少なくとも1つの流体チャンバは、変化する角座標に従って伸びる中央部、および、ほぼ半径方向に従って伸びる2つの側方アーム部を有する、請求項26に記載の光分析ディスク。
【請求項28】
前記チャンバの中央部は角度広がりθaを有し、前記チャンバのアーム部間に構成される角度θとの比θa/θが0.25以上である、請求項27に記載の光分析ディスク。
【請求項29】
前記分析ゾーンは、少なくともほぼ円周方向の経路に従って伸びる液体を収容する流路を含み、該流路の曲率半径rcおよび該流路内に収容される液柱の長さbの比rc/bは0.5以上である、請求項26ないし28のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項30】
前記比rc/bは1以上である、請求項29に記載の光分析ディスク。
【請求項31】
前記分析ゾーンに対してバイオディスクの小さな動径座標に配置された2つの注入ポートを含む、請求項26に記載の光分析ディスク。
【請求項32】
前記少なくとも1つの流体チャンバの各側方アーム部の一方の端部にそれぞれ配置された2つの注入ポートを含む、請求項27に記載の光分析ディスク。
【請求項33】
前記少なくとも1つの流体チャンバは流体流路である、請求項26に記載の光分析ディスク。
【請求項34】
変化する角座標に従って伸びる複数の分析流体流路をさらに含む、請求項33に記載の光分析ディスク。
【請求項35】
多段の分析流体流路をさらに含む、請求項34に記載の光分析ディスク。
【請求項36】
ABO化学作用および2つの異なる血液型を有する2段の円周方向の流体流路をさらに含む、請求項35に記載の光分析ディスク。
【請求項37】
2つの異なる分析評価を有する2段の円周方向の流体流路をさらに含む、請求項35に記載の光分析ディスク。
【請求項38】
前記2つの分析評価は、CD4/CD8化学作用およびABO/RH化学作用を含む、
請求項37に記載の光分析ディスク。
【請求項39】
前記複数の流体流路は、ほぼ同じ動径座標に配列される、請求項34に記載の光分析ディスク。
【請求項40】
ほぼ同じ動径座標に配列された6つの円周方向の分析流体流路をさらに含む、請求項39に記載の光分析ディスク。
【請求項41】
ほぼ同じ動径座標に配列された4つの円周方向の分析流体流路をさらに含む、請求項39に記載の光分析ディスク。
【請求項42】
前記複数の流体流路は異なる濃度の培養細胞を含む、請求項34に記載の光分析ディスク。
【請求項43】
前記複数の流体流路は異なる動径座標に配列される、請求項34に記載の光分析ディスク。
【請求項44】
前記複数の流体流路は異なるサイズを有する、請求項34に記載の光分析ディスク。
【請求項45】
反射型光バイオディスクで実施される、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項46】
透過型光バイオディスクで実施される、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項47】
前記ディスクの回転が、調査特徴物を前記分析ゾーンに沿ってほぼ均一な分布に分散させる、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項48】
前記ディスクの回転が、前記調査特徴物の濃度を前記分析ゾーンに沿ってほぼ一様な分布に分散させる、請求項10ないし14のいずれか1項に記載の光分析ディスク。
【請求項49】
内周部および外周部を有する基板と、
調査特徴物を含み、かつ、該基板の該内周部と該外周部との間に配置された分析ゾーンであって、該分析ゾーンが、ほぼ円周方向の経路に沿って伸びる少なくとも一部を有する少なくとも1つの液体を収容する流路を含み、該流路の円周方向の部分の曲率半径rcおよび該流路内に収容される液柱の長さbの比rc/bが0.5以上である、分析ゾーンと、
を含む、光分析ディスク。
【請求項50】
前記比rc/bは1以上である、請求項49に記載の光分析ディスク。
【請求項51】
反射型光バイオディスクで実施される、請求項49に記載の光分析ディスク。
【請求項52】
透過型光バイオディスクで実施される、請求項49に記載の光分析ディスク。
【請求項53】
調査特徴物を含む分析ゾーンを有する光分析バイオディスクと共に使用される光分析ディスクシステムであって、変化する角座標に従って前記調査特徴物をインタロゲートするように適合されたインタロゲーション手段を含む、光分析ディスクシステム。
【請求項54】
情報トラックと、調査特徴物を含む分析ゾーンとを有する光分析ディスクと共に使用さ
れる光分析ディスクシステムであって、該システムは、電磁エネルギーの入射ビームが前記情報トラックに沿ってトラッキングする際に、前記分析ゾーン内の全ての調査特徴物がそれによって円周方向にインタロゲートされるようなインタロゲーション手段を含む、光分析ディスクシステム。
【請求項55】
前記インタロゲーション手段は、ほぼ一定の動径座標において、変化する角座標に従って前記調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項56】
前記インタロゲーション手段は、変化する角座標および動径座標に従って前記調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項57】
前記インタロゲーション手段は、螺旋状の経路に従って前記調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項58】
前記インタロゲーション手段は、ほぼ円周方向の経路に従って前記調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項59】
前記インタロゲーション手段は、変化する角座標に従って配列された複数の反応サイトの調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項60】
前記インタロゲーション手段は、変化する角座標に従って配列された複数の捕捉ゾーンまたはターゲットゾーンの調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項61】
前記インタロゲーション手段は、少なくとも1つが変化する角座標に沿って配向された、複数の分析ゾーンの調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項62】
前記インタロゲーション手段は、多段の分析ゾーンの調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項61に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項63】
前記インタロゲーション手段は、変化する角座標に従って伸びる少なくとも1つの流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項64】
前記インタロゲーション手段は、複数の流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項63に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項65】
前記インタロゲーション手段は、多段の流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項66】
前記インタロゲーション手段は、ほぼ同じ動径座標に配列された複数のほぼ円周方向の流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項67】
前記インタロゲーション手段は、異なる動径座標に配列された流体チャンバ内の調査特
徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項68】
前記インタロゲーション手段は、異なるサイズの流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項69】
前記インタロゲーション手段は、ABO化学作用および2つの血液型を有する流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項70】
前記インタロゲーション手段は、異なる分析評価を有する流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項71】
前記インタロゲーション手段は、CD4/CD8化学作用およびABO/RH化学作用を有する流体流路内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項72】
前記インタロゲーション手段は、異なる濃度の培養細胞を含む流体チャンバ内の調査特徴物をインタロゲートするように適合される、請求項64に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項73】
前記配列は、前記バイオディスクの回転が、調査特徴物を前記分析ゾーンに沿ってほぼ均一な分布に分散させるものである、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項74】
前記配列は、前記バイオディスクの回転が、調査特徴物を前記分析ゾーンに沿ってほぼ一様な分布に分散させるものである、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項75】
前記光分析ディスクは、反射型光バイオディスクで実施される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項76】
前記光分析ディスクは、透過型光バイオディスクで実施される、請求項53または54に記載の光分析ディスクシステム。
【請求項77】
光分析バイオディスク内の調査特徴物のインタロゲーション方法であって、変化する角座標に従って前記特徴物のインタロゲーションを提供し、該光分析バイオディスクは該特徴物を含む分析ゾーンを有することを特徴とする方法。
【請求項78】
情報トラックと、調査特徴物を含む分析ゾーンとを有する光分析ディスク内の該特徴物のインタロゲーション方法であって、電磁エネルギーの入射ビームが前記情報トラックに沿ってトラッキングする際に、前記分析ゾーン内の全ての調査特徴物がそれによって円周方向にインタロゲートされるような前記調査特徴物のインタロゲーションステップを提供する方法。
【請求項79】
前記インタロゲーションステップは、ほぼ一定の動径座標において、変化する角座標に従った前記調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項80】
前記インタロゲーションステップは、変化する角座標および動径座標に従った前記調査
特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項81】
前記インタロゲーションステップは、螺旋状の経路に従った前記調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項82】
前記インタロゲーションステップは、ほぼ円周方向の経路に従った前記調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項83】
前記インタロゲーションステップは、変化する角座標に従って配列された複数の反応サイトの調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項84】
前記インタロゲーションステップは、変化する角座標に従って配列された複数の捕捉ゾーンまたはターゲットゾーンの調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項85】
前記インタロゲーションステップは、複数の分析ゾーンであって、該複数の分析ゾーンの少なくとも1つが、変化する角座標に従って伸びる、複数の分析ゾーンの調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項86】
前記インタロゲーションステップは、多段の分析ゾーンの調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記インタロゲーションステップは、変化する角座標に従って伸びる少なくとも1つの流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項77または78に記載の方法。
【請求項88】
前記インタロゲーションステップは、複数の流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記インタロゲーションステップは、多段の流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記インタロゲーションステップは、ほぼ同じ動径座標に配列された複数の円周方向の流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記インタロゲーションステップは、異なる動径座標に配列された流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項88に記載の方法。
【請求項92】
前記インタロゲーションステップは、異なるサイズの流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項88に記載の方法。
【請求項93】
前記インタロゲーションステップは、異なる分析評価を有する流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項88に記載の方法。
【請求項94】
前記インタロゲーションステップは、異なる濃度の培養細胞を含む流体チャンバ内の調査特徴物のインタロゲーションを提供する、請求項88に記載の方法。
【請求項95】
前記バイオディスクの回転が、調査特徴物を前記分析ゾーンに沿ってほぼ均一な分布に
分散させる、請求項77または78に記載の方法。
【請求項96】
前記バイオディスクの回転が、調査特徴物を前記分析ゾーンに沿ってほぼ一様な分布に分散させる、請求項77または78に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28A】
【図28B】
【図28C】
【図29A】
【図29B】
【図29C】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28A】
【図28B】
【図28C】
【図29A】
【図29B】
【図29C】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公表番号】特表2006−513428(P2006−513428A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−566894(P2004−566894)
【出願日】平成15年7月10日(2003.7.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/021671
【国際公開番号】WO2004/065964
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(501074711)バースタイン テクノロジーズ,インコーポレイティド (5)
【出願人】(591177749)長岡実業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年7月10日(2003.7.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/021671
【国際公開番号】WO2004/065964
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(501074711)バースタイン テクノロジーズ,インコーポレイティド (5)
【出願人】(591177749)長岡実業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]