説明

筋収縮促進用サポーター及びベルト

【課題】 体に装着することで筋収縮運動を活発にし、代謝能力を高めることにより脂肪燃焼効率を向上させることができる筋収縮促進用サポーター及びベルトを提供する。
【解決手段】 腹部、腕部、太腿や頚部等の被筋肉収縮促進部位に装着して使用される筒状のサポーター1であって、伸縮性を有する素材で網目状に形成された複数の網状体2を伸縮性を有する帯状の連結体3により連結して構成し、また、腹部、腕部、太腿や頚部等の被筋肉収縮促進部位に巻き付けて装着される帯状のベルト10であって、ベルト本体を伸縮性を有する素材で網目状に形成するとともに、網目の数ブロック単位毎に捉えた境界部にベルト本体に対して縦に横断する補強用心材15を設けて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
身体に装着することで筋収縮運動を活発にし、代謝能力を高めることにより脂肪燃焼効率を向上させることができる筋収縮促進用サポーター及びベルトを提供する。
【背景技術】
【0002】
近年、食事バランスの悪化や運動量の低下による肥満は、肥満症或いはメタボリックシンドロームと呼ばれ、糖尿病や動脈硬化等の重大な病気の原因となることから大きな問題になっている。そんな中、肥満を解消するためのサウナスーツ、発汗サポーターや痩身サプリメント等が市販され、また有酸素運動の重要性について言及されている。
【0003】
また、体の一部に着用し、体を適度な力で締め付けするとともに、放射する遠赤外線によって血行を良くして贅肉を取り除く筒状サポーターが公開されている。(例えば、特許文献1。)
【特許文献1】特開平10−211229号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、市販のサウナスーツや発汗サポーター等による発汗では、一時的に発汗分の体重が減少するに止まり、脂肪酸の燃焼はごく僅かであることからダイエット効果は余り期待できない。また、痩身サプリメントは副作用の危険性もあり、使用に注意が必要である。
【0005】
また、上記特許文献1に記載の技術では、該サポーターから放射される遠赤外線によって血行が促進し、新陳代謝が向上することによって脂肪酸が燃焼されるものの、適切なエクササイズ等をしないことから筋収縮運動が行なわれず、その脂肪燃焼効果は薄い。
【0006】
また、該サポーターを装着した後にエクササイズ等の有酸素運動をしたとしても、腱部及び筋腹からなる筋肉のうち、実際に収縮活動を行なうのは筋腹の一部であり、停止から起始までの正しい収縮運動が行なわれないことから、効率的な脂肪酸の燃焼が行なわれない。
【0007】
上記のように筋収縮運動において効率的な脂肪酸の燃焼が行なわれなかった場合には、エネルギーとして消費されなかった脂肪酸が再び脂肪細胞へと送り返されることから、せっかくの有酸素運動も脂肪の減少に繋がらない。すなわち、効率的に脂肪酸を燃焼させるためには、筋収縮運動を適切且つ効率的に行なわせることが肝要である。
【0008】
そこで、本発明は、体に装着することで筋収縮運動を活発にし、代謝能力を高めることにより脂肪燃焼効率を向上させることができる筋収縮促進用サポーター及びベルトを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明に係る筋収縮促進用サポーターは、腹部、腕部、太腿や頚部等の被筋肉収縮促進部位に装着して使用される筒状のサポーターであって、伸縮性を有する素材で網目状に形成された複数の網状体を伸縮性を有する帯状の連結体により連結して構成したことを特徴としている。また、本発明に係る筋収縮促進用ベルトは、腹部、腕部、太腿や頚部等の被筋肉収縮促進部位に巻き付けて装着される帯状のベルトであって、ベルト本体を伸縮性を有する素材で網目状に形成するとともに、網目の数ブロック単位毎に捉えた境界部にベルト本体に対して縦に横断する補強用心材を設けて構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るサポーター及びベルトによれば、体に装着することで網状体の部分が筋繊維の走行方向に停止部から起始部に向かって筋の収縮パターンを細分化させるので、筋収縮運動を活発にすることができる。そのため、筋の運動効率が向上することでエネルギー代謝が増大し、内蔵脂肪から皮下脂肪の順に脂肪がエネルギーとして使われるので、基礎代謝能力が高まり脂肪燃焼効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明を具体的に説明する。図1は、本発明に係る筋収縮促進用サポーター1の外観斜視図である。サポーター1は、筒状に形成され、脇腹部又は腹部に当てる網状体2と前後二枚の網状体2を連結する連結体3とから構成されている。
【0012】
網状体2は、例えば、ゴム、布、合成樹脂、シリコン等の伸縮性素材で構成され、汗等の水分を吸収し難い素材で構成される。網状体2は、脇腹部又は腹部を被覆できる程度の大きさであって、装着者の体型にもよるが、一辺が20〜30cmの矩形状で構成されている。また、網状体2の網目は、一辺が3〜5cmの正方形で形成されている。
【0013】
連結体3は、上記網状体2と同様に、ゴム等の伸縮性素材で構成される。連結体3は、二枚の網状体2が前後となるように、且つサポーター1が筒状に形成されるように網状体2の各左右辺を連結する。筒状に構成されたサポーター1を脂肪の付いた脇腹部又は腹部に網状体2が当たるように装着すると、網状体2及び連結体3の伸縮力による締め付けによって脇腹部又は腹部に網状体2の網目状に圧力が掛かる。ここで、網状体2及び連結体3を構成する伸縮性素材の装着時圧力は、40mmhg以上になるように設定されている。
【0014】
図2は、筋肉4の収縮運動が網状体2の網目状の圧力によって細分化される状態を示す図である。通常、筋肉4の収縮運動は、筋肉4全体で行なわれることは少なく、その中央の筋腹の一部でしか行なわれないことが多々ある。そのため、筋収縮運動を行なわない部分では脂肪酸がエネルギーとして消費されず、脂肪の燃焼効率は低下する。そこで、脂肪の付いた脇腹部又は腹部に網状体2が当たるようにサポーター1を装着し、網状体2及び連結体3の伸縮力によって筋肉4の停止から起始までの間に網目状に圧力が加わることにより、図2の矢印で示したように筋収縮運動が各網目で行なわれる。これにより、筋肉4全体で均等に細分化されて収縮運動が行なわれ、効率的に脂肪酸を燃焼させることができる。
【0015】
また、サポーター1を装着してエクササイズ又はウォーキング等の有酸素運動を行なうことにより、より基礎代謝が向上し、脂肪酸の燃焼効率をさらに向上させることができる。これにより、効果的にメタボリックシンドローム等の改善及び予防を図ることができる。また、サポーター1は、装着しても嵩張らないため装着に違和感はなく、仕事中や家事などの日常で使用することも可能である。
【0016】
図3及び図4は、サポーター1の使用例を示す図であり、図3は、脇腹部に付いた脂肪を燃焼させる際のサポーター1の使用例である。脇腹部の筋肉である外・内腹斜筋に網状体2を当てることにより、伸縮性を有する網状体2及び連結体3が網状体2を当てている脇腹部を締め付け、外・内腹斜筋の筋収縮運動が細分化される。これにより、外・内腹斜筋全体が均等に収縮運動を行なえるようになり、効率的に脇腹部の脂肪を燃焼させることができる。
【0017】
図4は、腹部に付いた脂肪を燃焼させる際のサポーター1の使用例である。上記図3の説明と同様に腹直筋の筋収縮運動が細分化されることにより、腹直筋全体が均等に収縮運動を行なえるようになり、筋の運動効率が向上することでエネルギー代謝が増大し、内臓脂肪から皮下脂肪の順に脂肪がエネルギーとして使われるので、効率的に腹部の脂肪を燃焼させることができる。脂肪が減少すると、血液やリンパの流れもスムーズになり、基礎代謝率自体が向上するので、太りにくい体質になり、痩身メカニズムが持続する。
【0018】
上記実施例では、網状体2を矩形状に構成し、2面を向かい合わせに構成したが、全周の筒状にしてもよく、網状体2の形状もその他多角形状や円形状等に構成してもよく、装着者の体型等に合わせてその形状を自由に構成すればよい。さらに、網状体2及び連結体3の伸縮率も装着者の体型等に合わせて自由に変更することができる。
【0019】
また、図5は、本発明に係る筋収縮促進用ベルト10の構成を示す平面図で、ゴム等の長方形状をした伸縮性素材に孔部11を開けて網目状に形成するとともに、網目の数ブロック単位毎に捉えた境界部12,13,14にベルト本体に対して縦に横断する補強用芯材15をそれぞれ縫製して構成されている。補強用芯材15は、網目状部分が被筋収縮部位の筋収縮パターンを細分化させて筋収縮運動に作用する際に、ベルト10自体の収縮力がベルトの中央部で中弛みしないように網目状部分に均等に加わるように機能させる部材である。また、ベルトの両端部には、巻き付け時にベルトを伸張して固定する面ファスナー部16,17が設けられている。
【0020】
網目状の孔部11は、腹部に対して使用する際には、非伸張時の大きさを2〜10cm四方に形成すればよいが、最良としては3〜5cm四方がよい。かかるベルトの収縮力も、上記と同様に装着した際に、体に約40mmhg以上の圧力がかかるように設定されている。また、後述するように、他の部位に使用する場合は、上腕部では、網目状の孔部11の大きさを1〜7cm(最良は2〜3.5cm)、首では、1〜5cm(最良1.5〜3cm)、太ももでは、1〜8cm(最良2〜4cm)、ふくらはぎでは、1〜8cm(最良2〜4cm)に形成すればよい。
【0021】
図6は、腹部に付いた脂肪を燃焼させる際のベルト10の使用状態を示す図である。上記図3の説明と同様に腹周りの筋肉の筋収縮運動が細分化されることにより、腹筋全体が均等に収縮運動を行なえるようになり、効率的に腹部の脂肪を燃焼させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
上記実施例ではサポーター1を脇腹部及び腹部に使用したが、図7に示したように、その形状を縮小することにより太腿、頚部、二の腕又はふくらはぎ等にも使用することができる。ベルト10についても同様に、その形状を縮小することで他の部位にも使用することができる。また、かかるサポーター1やベルト10をインナー等の衣類の裏側に組み込み衣類と一体化して使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例であるサポーターの構成を示す外観斜視図である。
【図2】実施例のサポーターによる筋肉の収縮状態を示す説明図である。
【図3】サポーターの脇腹部での使用例を示す説明図である。
【図4】サポーターの腹部での使用例を示す説明図である。
【図5】本発明に実施例であるベルトの構成を示す平面図である。
【図6】ベルトの腹部での使用例を示す説明図である。
【図7】実施例に係るサポーターを縮小して太腿、二の腕、頚部で使用出来る様に構成した例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 サポーター
2 網状体
3 連結体
4 筋肉
10 ベルト
11 孔部
12,13,14 境界部
15 補強用芯材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腹部、腕部、太腿や頚部等の被筋肉収縮促進部位に装着して使用される筒状のサポーターであって、伸縮性を有する素材で網目状に形成された複数の網状体を伸縮性を有する帯状の連結体により連結して構成したことを特徴とする筋収縮促進用サポーター。
【請求項2】
腹部、腕部、太腿や頚部等の被筋肉収縮促進部位に巻き付けて装着される帯状のベルトであって、ベルト本体を伸縮性を有する素材で網目状に形成するとともに、網目の数ブロック単位毎に捉えた境界部にベルト本体に対して縦に横断する補強用心材を設けて構成したことを特徴とする筋収縮促進用ベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−264035(P2008−264035A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107436(P2007−107436)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(502100334)有限会社シーシェル (13)
【Fターム(参考)】