説明

筋骨格障害およびそれに関連する症状の処置のための方法、組成物およびキット

本発明は筋骨格障害、例えば、変形性関節炎、またはそれに関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹を、このような疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹または骨性腫脹と診断されたまたはそれらを発症する危険性がある患者に、四置換ピリミドピリミジン、例えば、ジピリダモールまたはアデノシン活性上方制御因子を、一つまたは複数のさらなる薬剤との組み合わせで投与することにより処置するための方法、組成物およびキットを特徴とする。本発明はさらに、筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者を、該患者に四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子を一つまたは複数のさらなる薬剤との組み合わせで投与することにより処置するための方法、組成物およびキットを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は筋骨格障害の処置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
関節炎のような筋骨格障害は、高齢者の間で最も多い、身体障害の原因の一つである。三つの最もよく見られるタイプの関節炎は変形性関節炎(OA)、関節リウマチ(RA)および痛風である。変形性関節炎は最もよく見られる関節疾患であり、その存在の放射線学的証拠が人口の50%に見られる。
【0003】
OAは手、背下部、首、ならびに膝、腰および足の関節のような体重を支える関節に影響を与える。手のOAの年発生率は40歳未満の者では1,000人当たり新患約50例であり、40〜59歳では1,000人当たり65例および60歳以上では1,000人当たり110例にまで上昇する。
【0004】
OAは、関節部位によって異なりうる多因子性の病因を持った、ゆっくり進行する変性疾患と特徴付けられている。軟骨、つまり関節内で骨の末端をクッションで支える組織が破壊し磨滅し始めると、OAが起こる。症例によっては、全ての軟骨が磨滅し、互いに擦り合った骨を残すこともある。早期疾患の関節鏡検査は、軟骨損傷の有る関節のおよそ半数において滑膜炎を明らかにしており、早期OAを有する患者での限局性の炎症反応を示唆している。さらに、多数の調査からC反応性タンパク質(CRP)とOAとの間の関連性が確認されている。CRPは急性期反応タンパク質であり、その産生はサイトカイン、詳しくはインターロイキン-6 (IL-6)によって刺激される。炎症過程と血漿CRPおよび炎症誘発性サイトカインの上昇との間の相関関係は周知である。CRPは同様に、関節リウマチの炎症活動に関連付けられている。
【0005】
OAの症状はこわばりおよび間欠的な軽度の疼痛から重篤な関節痛および生体力学的機能の障害に及ぶ。症状としては疲労を挙げることもできる。ほとんどの形態のOAには治療法が存在していないが、さまざまな療法は、患者が症状を管理し、その全般的な生活の質を改善する助けになりうる。OAの対症療法には伝統的に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の投与、局所の鎮痛療法、関節内コルチコステロイド注射および外科手術が含まれる。
【0006】
インドメタシン、ケトプロフェン、イブプロフェン、アセチルサリチル酸(ASA)およびフルルビプロフェンのようなNSAIDによるOAの処置は、局所炎症を低減し、炎症誘発性物質のレベルを減弱することにより疼痛を軽減することができる。しかしながら、長期にわたるNSAIDの使用は、著しい胃腸(GI)毒性によって損なわれる。関節リウマチを有するNSAID服用患者1,921例を含む大規模な多施設の、前向き観察研究から、重篤なGI合併症で入院した患者の81%は従前にGIの問題がなかったことが報告された。このことは、臨床医がGI副作用の危険性のある患者を特定することを困難にしている。米国では、RAまたはOAを有する患者の間でNSAID関連のGI合併症での入院が毎年107,000例あり、NSAID関連の死亡が毎年16,500例あると内輪に見積もられてきた。この死亡数は喘息、子宮頸がんおよび悪性黒色腫の全てを含めた死者数とほぼ同じくらい高い。
【0007】
ステロイドは、OAの処置に使用されている公知の強力な抗炎症剤である。しかしながら、ステロイドの抗炎症性用量の長期投与はまた、周知の毒性によって制限される。例えば、ステロイドの長期使用は骨粗しょう症、高血圧、神経学的合併症、最適とは言えない免疫反応および眼障害と関連付けられており、治療状況でのその有用性を制限している。例えば、関連する毒性を制限しながら、ステロイドの強力な抗炎症効果、または別の部類の薬物の治療効果を保持した治療剤は、OAまたは他の筋骨格障害を有する患者にとって非常に有益なものであろう。
【発明の開示】
【0008】
発明の概要
本発明は、本明細書において記述されているように、四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子を、単独であるいはコルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID) (例えば、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、アスピリン、スリンダク、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、ナブメトン、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸ナトリウム、サリチルサリチル酸、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナミン酸ナトリウム、メロキシカム、オキサプロジン、スリンダクもしくはトルメチン)、COX-2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブもしくはルミラコキシブ)、生物製剤(例えば、アバタセプト、アデリムマブ、セルトリズマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ、リツキシマブもしくはトシリズマブ)、小分子免疫調節物質(例えば、VX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカサン、ミコフェノレートもしくはメリメポジブ)、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD) (例えば、メトトレキセートもしくはレフルノミド)、キサンチン(例えば、テオフィリン)、非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI) (例えば、シクロスポリン、タクロリムス、アスコマイシン、ピメクロリムス、ラパマイシンもしくはエベロリムス)、ビタミンD類似体(例えば、カルシポトリエンもしくはカルシポトリオール)、ソラレン(例えば、メトキサレン)、レチノイド(例えば、アシトレチンもしくはタゾレテン)、5-アミノサリチル酸(例えば、メサラミン、スルファサラジン、バルサラジド2ナトリウムもしくはオルサラジンナトリウム)、硫酸ヒドロキシクロロキン、ペニシラミン、またはそのいずれかの類似体を含む、いくつかの併用化合物のいずれかとの組み合わせで、その必要性がある患者に投与することにより患者において、筋骨格障害、あるいは筋骨格障害に関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹または骨性腫脹を処置するための方法、組成物およびキットを特徴とする。
【0009】
したがって、本発明は、一例を挙げれば、筋骨格障害に関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、または骨性腫脹、例えば、変形性関節炎を、このような疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹または骨性腫脹と診断されたまたはそれらを発症する危険性がある患者に、四置換ピリミドピリミジン、例えば、ジピリダモール、またはアデノシン活性上方制御因子、および第二の薬物、例えば、コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキンまたはペニシラミンを、四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子および第二の薬物が患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日、10日、5日、24時間、12時間、6時間、3時間またはさらに1時間以内で投与されるように、投与することにより処置するための方法を特徴とする。患者は処置の後に、例えば、処置から50日以内に疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹または骨性腫脹の軽減を経験することが望ましい。疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹または骨性腫脹の軽減は、当技術分野において公知の任意の方法、例えば、10 cm視覚的アナログ尺度、Likert尺度、Lequesne指数、WOMAC指数、Piper疲労感尺度または疲労感に関する多次元評価尺度を用いて測定することができる。例えば、10 cm視覚的アナログ尺度またはLikert尺度を利用したAUSCAN指数を使用することができる。
【0010】
本発明は同様に、筋骨格障害、例えば、変形性関節炎を、このような障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジン、例えば、ジピリダモール、またはアデノシン活性上方制御因子、および第二の薬物、例えば、コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキンまたはペニシラミンを、四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子および第二の薬物が患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日、10日、5日、24時間、12時間、6時間、3時間またはさらに1時間以内で投与されるように、投与することにより処置するための方法を特徴とする。
【0011】
上記の例のいずれかにおいて、四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子および第二の薬物は、同じまたは異なる薬学的製剤中で投与することができる。第二の薬物がコルチコステロイドである場合、四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子は、有用なコルチコステロイド投与量、例えば、0.1〜1500 mg/日、0.5〜30 mg/日または0.5〜10 mg/日との組み合わせで、任意の有用な投与量、例えば、0.5〜800 mg/日または18〜600 mg/日で投与することができる。本発明の方法において使用される化合物は、例えば、局所または全身投与用に製剤化することができ、高、中または低投与量で製剤化することができる。
【0012】
さらに、第三の薬物、例えば、コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキンまたはペニシラミンは、四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子、第二の薬物および第三の薬物が患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日、10日、5日、24時間、12時間、6時間、3時間またはさらに1時間以内で投与されるように、患者に投与することができる。
【0013】
本発明はさらに、(i) 四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子および第二の薬物、例えば、コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキンまたはペニシラミンを含有する組成物; ならびに(ii) 筋骨格障害、またはそれに関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、もしくは骨性腫脹と診断されたまたはそれらを発症する危険性がある患者に該組成物を投与するための使用説明書、を含むキットを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、(i) 四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子; (ii) 第二の薬物、例えば、コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキンおよびペニシラミン; ならびに(iii) 筋骨格障害、またはそれに関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、もしくは骨性腫脹と診断されたまたはそれらを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子および第二の薬物を投与するための使用説明書、を含むキットを特徴とする。
【0015】
本発明は同様に、(i) 四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子; (ii) 第二の薬物、例えば、コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキンおよびペニシラミン; (iii) 第三の薬物、例えば、コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキンまたはペニシラミン; ならびに(iv) 筋骨格障害、またはそれに関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、もしくは骨性腫脹と診断されたまたはそれらを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子、第二の薬物および第三の薬物を投与するための使用説明書、を含むキットを特徴とする。
【0016】
本発明はさらに、(i) 薬物、例えば、コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキンまたはペニシラミン; ならびに(ii) 筋骨格障害、またはそれに関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹と診断されたまたはそれらを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子および該薬物を投与するための使用説明書、を含むキットを特徴とする。
【0017】
本発明はさらに、(i) 四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子; ならびに(ii) 筋骨格障害、例えば、変形性関節炎、またはそれに関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、もしくは骨性腫脹と診断されたまたはそれらを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子および第二の薬物、例えば、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾロン)、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキンまたはペニシラミンを投与するための使用説明書、を含むキットを特徴とする。
【0018】
本発明の方法、組成物およびキットに有用な四置換ピリミドピリミジンは、例えば、モピダモール、ジピリダモール、一酢酸ジピリダモール、2,6-二置換4,8-ジベンジルアミノピリミド[5,4-d]ピリミジン、1-((2,7-ビス(2-メチル-4-モルホリニル)-6-フェニル-4-プテリジニル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ)-2-プロパノール、アササンチン、2,6-ジ-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-メトキシ-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、2,6-ビス-(2,3-ジメトキシプロポキシ)-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、2,6-ビス[N,N-ジ(2-メトキシ)エチル]-4,6-ジ-ピペリジノピリミドピリミジンおよび2,6-ビス(ジエタノールアミノ)-4,8-ジ-4-メトキシベンジルアミノピリミドピリミジンを含む。
【0019】
本発明の方法、組成物およびキットに有用なコルチコステロイドは、例えば、アルゲストン、6-アルファ-フルオロプレドニゾロン、6-アルファ-メチルプレドニゾロン、6-アルファ-メチルプレドニゾロン21-アセテート、6-アルファ-メチルプレドニゾロン21-ヘミスクシネートナトリウム塩、6-アルファ,9-アルファ-ジフルオロプレドニゾロン21-アセテート17-ブチレート、アンシナファル、ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン一水和物、6-ベータ-ヒドロキシコルチゾール、ベタメタゾン、ベタメタゾン-17-バレレート、ブデソニド、クロベタゾール、プロピオン酸クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、ピバル酸クロコルトロン、コルチゾン、酢酸コルチゾン、コルトドクソン、デフラザコート、21-デオキシコルチゾール、デプロドン、デシノロン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン-21-アセテート、ジクロリゾン、ジフロラゾン、二酢酸ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ドキシベタゾール、フルドロコルチゾン、フルメタゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルモキソニド、フルニソリド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、9-フルオロコルチゾン、フルオロヒドロキシアンドロステンジオン、フルオロメトロン、酢酸フルオロメトロン、フルオキシメステロン、フルプレジデン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、フォルモコルタール、ハルシノニド、ハロメタゾン、ハロプレドン、ヒルカノシド、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、6-ヒドロキシデキサメタゾン、イソフルプレドン、酢酸イソフルプレドン、イソプレドニデン、メクロリゾン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、パラメタゾン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、メタスルホ安息香酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロンテブテート、プレドニゾロン-21-ヘミスクシネート遊離酸、プレドニゾロン-21-アセテート、プレドニゾロン-21(ベータ-D-グルクロニド)、プレドニゾン、プレドニリデン、プロシノニド、トラロニド、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンアセトニド21-パルミテート、二酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンヘキサアセトニドおよびワートマニンを含む。例えば、本発明の有用な組み合わせの一つはジピリダモールおよびプレドニゾロンを含む。
【0020】
本発明の方法、組成物およびキットのいずれかにおいて、ある種の化合物の類似体を化合物それら自体の代わりに利用することができる。四置換ピリミドピリミジンおよび他の化合物の類似体は、本明細書において記述されている。化合物(例えば、プレドニゾロン)または化合物の部類(例えば、コルチコステロイド)の構造類似体は、それが関連する化合物または部類と同じ活性を有する必要はない。したがって、非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤の類似体は、必ずしも免疫抑制剤として作用するわけではない。
【0021】
本発明の方法、組成物およびキットは、上記の組み合わせの各成分を個別に用いる方法および組成物と比較して、筋骨格障害、またはそれに関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹に苦しむまたは苦しむ危険性がある患者の処置の有効性、安全性、忍容性または満足感の増大を有することが望ましい。
【0022】
「コルチコステロイド」とは、水素化されたシクロペンタノペルヒドロフェナントレン環系によって特徴付けられる任意の天然または合成化合物を意味する。天然コルチコステロイドは、一般に、副腎皮質によって産生される。合成コルチコステロイドはハロゲン化されてもよい。例示的なコルチコステロイドは本明細書において記述されている。
【0023】
「四置換ピリミドピリミジン」とは、式(I)を有する化合物を意味する:

式中、各Zおよび各Z'が独立してN、O、C、

である。ZまたはZ'がOまたは

であるなら、p=1であり、ZまたはZ'がN、

であるなら、p=2であり、ZまたはZ'がCであるなら、p=3である。式(I)において、本明細書において定義されているように、各R1は独立してX、OH、N-アルキル(ここでアルキル基は1〜20個、より好ましくは1〜5個の炭素原子を有する); 1〜20個、より好ましくは1〜5個の炭素原子を有する分枝もしくは非分枝アルキル基; または複素環である。あるいは、p>1である場合、共通のZまたはZ'原子からの2つのR1基が互いに組み合わされて、kが4および6を含めた、4から6の整数である-(CY2)k-を表してもよい。各Xは独立してY、CY3、C(CY3)3、CY2CY3、(CY2)1〜5OY、nが3および7を含めた、3〜7である構造CnY2n-1の置換または非置換シクロアルカンである。各Yは独立してH、F、Cl、BrまたはIである。一つの態様において、各Zは同じ部分であり、各Z'は同じ部分であり、ZおよびZ'は異なる部分である。
【0024】
本発明の方法、キットおよび組成物で用いるのに特に有用な四置換ピリミドピリミジンは、ジピリダモール(2,6-ビス(ジエタノールアミノ)-4,8-ジピペリジノピリミド(5,4-d)ピリミジンとしても公知); 2,6-二置換4,8-ジベンジルアミノピリミド[5,4-d]ピリミジン; モピダモール; 一酢酸ジピリダモール; R-E 244 (1-((2,7-ビス(2-メチル-4-モルホリニル)-6-フェニル-4-プテリジニル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ)-2-プロパノール); TX-3301 (アササンチン); NU3026 (2,6-ジ-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-メトキシ-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン); NU3059 (2,6-ビス-(2,3-ジメチオキシプロポキシ)-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン); NU3060 (2,6-ビス[N,N-ジ(2-メトキシ)エチル]-4,6-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン); およびNU3076 (2,6-ビス(ジエタノールアミノ)-4,8-ジ-4-メトキシベンジルアミノピリミドピリミジン)である。他の四置換ピリミドピリミジンは、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第3,031,450号および同第4,963,541号に記述されている。
【0025】
「アデノシン活性上方制御因子」とは、本明細書において記述されているように、アデノシン、ならびにアデノシン受容体アゴニスト、アデノシン輸送阻害剤、アデノシンキナーゼ阻害剤およびホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤のような、アデノシンの生理的作用を模倣するまたは増強する任意の化合物を意味する。
【0026】
「非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤」または「NsIDI」とは、炎症誘発性サイトカインの産生もしくは分泌を減らす、イムノフィリンを結合する、または炎症誘発性反応の下方制御を引き起こす任意の非ステロイド性薬剤を意味する。NsIDIはシクロスポリン、タクロリムス、アスコマイシン、ピメクロリムスのような、カルシニューリン阻害剤、およびカルシニューリンのホスファターゼ活性を阻害する他の薬剤(ペプチド、ペプチド断片、化学修飾ペプチドまたはペプチド模倣体)を含む。NsIDIはラパマイシン(シロリムス)およびエベロリムスも含み、これらはFK506結合タンパク質のFKBP-12に結合し、抗原誘導性の白血球増殖およびサイトカイン分泌を遮断する。
【0027】
「小分子免疫調節物質」とは、炎症誘発性サイトカインの産生または分泌を減らす、炎症誘発性反応の下方制御を引き起こす、または別の方法で免疫系をイムノフィリン非依存的に調節する非ステロイド性の、NsIDI以外の化合物を意味する。例示的な小分子免疫調節物質は、VX 702 (Vertex Pharmaceuticals)、SCIO 469 (Scios)、ドラマピモド(Boehringer Ingelheim)、RO 30201195 (Roche)およびSCIO 323 (Scios)のようなp38 MAPキナーゼ阻害剤、DPC 333 (Bristol Myers Squibb)のようなTACE阻害剤、プラナルカサン(Vertex Pharmaceuticals)のようなICE阻害剤、ならびにミコフェノレート(Roche)およびメリメポジブ(Vertex Pharamceuticals)のようなIMPDH阻害剤である。
【0028】
「低投与量」とは、任意のヒト疾患または状態の処置のため所与の投与経路に向けて製剤化される特定化合物の最低基準の推奨投与量よりも少なくとも5% (例えば、少なくとも10%、20%、50%、80%、90%またはさらに95%)低いことを意味する。例えば、吸入による投与に向けて製剤化されるコルチコステロイドの低投与量は、経口投与に向けて製剤化されるコルチコステロイドの低投与量とは異なるであろう。
【0029】
「高投与量」とは、任意のヒト疾患または状態の処置のための特定化合物の最高基準の推奨投与量よりも少なくとも5% (例えば、少なくとも10%、20%、50%、100%、200%またはさらに300%)高いことを意味する。
【0030】
「中投与量」とは、低投与量と高投与量との間の投与量を意味する。
【0031】
「処置する」とは、筋骨格障害、例えば、変形性関節炎、またはそれに関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹の処置または予防のために組成物を投与または処方することを意味する。
【0032】
「患者」とは任意の動物(例えば、ヒト)を意味する。本発明の方法、組成物およびキットを用いて処置できる他の動物は、ウマ、イヌ、ネコ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ハムスター、サル、モルモット、ラット、マウス、トカゲ、ヘビ、ヒツジ、ウシ、魚および鳥を含む。
【0033】
「十分な量」とは、筋骨格障害を臨床上適切な様式で処置または予防するのに必要とされる、本発明の組み合わせでの、化合物の量を意味する。筋骨格障害によって引き起こされるまたは筋骨格障害の一因となる状態の治療的処置に向けて本発明を実践するのに使用される活性化合物の十分な量は、投与の様式、患者の年齢体重、および全般的健康に応じて変化する。最終的に、処方者が適切な量および投与計画を決定するであろう。さらに、有効量は行政当局(米国食品医薬品局のような)が判定し、承認しているように、各薬剤単独に比べて、筋骨格障害を有する患者の処置において安全かつ有効な、本発明の組み合わせでの化合物のその量でありうる。
【0034】
「より有効」とは、方法、組成物またはキットが比較対象の別の方法、組成物またはキットよりも高い有効性を示す、毒性が低い、より安全である、より好都合である、忍容性が高い、もしくは安価であること、または高い処置満足感を提供することを意味する。有効性は、当業者が所与の適応に適した任意の標準的な方法を用いて測定することができる。
【0035】
「全身投与」とは、皮膚以外の全ての投与経路を意味し、具体的には局所的および経皮的な投与経路を除く。
【0036】
「徐放」または「制御放出」とは、治療上活性な成分が製剤から、成分の治療上有益な(しかし、有毒なレベルに満たない)レベル、例えば、血中レベルが、例えば、約8〜約18時間に及ぶ長時間にわたり維持されるような制御された速度で放出され、したがって例えば、8時間または18時間、剤形を付与することを意味する。
【0037】
「筋骨格障害」とは、免疫系に関連する筋肉、靭帯、骨、関節、軟骨または他の結合組織の障害を意味する。最も多く存在する筋骨格障害のなかには、関節炎のさまざまな形態、例えば、変形性関節炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチおよび痛風である。他の筋骨格障害には後天性骨過形成症候群、末端肥大症、強直性脊椎炎、ベーチェット病、骨疾患、滑液包炎、軟骨疾患、慢性疲労症候群、コンパートメント症候群、先天性甲状腺機能低下症、先天性ミオパチー、含歯性嚢胞、皮膚筋炎、汎発性特発性骨増殖症、デュビュイトラン拘縮、好中球増加筋肉痛症候群、筋膜炎、フェルティ症候群、線維筋痛、外反母趾、感染性関節炎、関節疾患、カブキ様顔貌症候群、レッグペルテス病、狼瘡、ライム病、メラス症候群、代謝性骨疾患、ミトコンドリア性筋障害、混合性結合組織病、筋疾患、筋ジストロフィー、筋骨格異常、筋骨格疾患、筋炎、骨化性筋炎、壊疽性筋膜炎、神経原性関節障害、変形性骨炎、骨軟骨炎、骨軟化症、骨髄炎、骨壊死、骨粗しょう症、パジェット病、ピエールロバン症候群、リウマチ性多発性筋痛、多発性筋炎、ポリオ後遅発性筋萎縮症、偽痛風、乾癬性関節炎、反応性関節炎、ライター病、再発性多発性軟骨炎、腎性骨ジストロフィー、横紋筋融解症、リウマチ性疾患、リウマチ熱、強皮症、シバー病(踵骨骨端炎(calceneal apophysitis))、シェーグレン症候群、脊椎脊髄疾患、脊髄狭窄症、スティル病、滑膜炎、顎関節障害、腱障害、テニス肘、腱滑膜炎、ティーツェ症候群およびヴェグナー肉芽腫症が含まれる。
【0038】
「A群筋骨格障害」とは、関節炎(例えば、変形性関節炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチもしくは痛風)、強直性脊椎炎、ベーチェット病、滑液包炎、皮膚筋炎、筋膜炎、線維筋痛、狼瘡、筋炎、骨化性筋炎、壊疽性筋膜炎、リウマチ性多発性筋痛、乾癬性関節炎、再発性多発性軟骨炎、リウマチ熱、強皮症、シェーグレン症候群、スティル病またはヴェグナー肉芽腫症を意味する。
【0039】
「B群筋骨格障害」とは、A群筋骨格障害ではない、免疫系に関連する筋肉、靭帯、骨、関節、軟骨または他の結合組織の障害を意味する。例示的なB群筋骨格障害は後天性骨過形成症候群、末端肥大症、慢性疲労症候群、先天性甲状腺機能低下症、含歯性嚢胞、汎発性特発性骨増殖症、デュビュイトラン拘縮、好中球増加筋肉痛症候群、フェルティ症候群、外反母趾、カブキ様顔貌症候群、レッグペルテス病、ライム病、メラス症候群、神経原性関節障害、変形性骨炎、骨軟骨炎、骨軟化症、骨髄炎、骨壊死、骨粗しょう症、パジェット病、ピエールロバン症候群、多発性筋炎、ポリオ後遅発性筋萎縮症、偽痛風、ライター病、腎性骨ジストロフィー、横紋筋融解症、シバー病(踵骨骨端炎)、脊髄狭窄症、滑膜炎、腱障害、テニス肘、腱滑膜炎およびティーツェ症候群である。
【0040】
本発明において使用される化合物の一般的記述において、置換基中の特定タイプの原子数は、一定の範囲として、例えば、1〜7個の炭素原子を含有するアルキル基またはC1〜7アルキルとして一般的に与えられる。このような範囲への言及は、特定の範囲内の整数の原子数の各々を有する基への具体的な言及を含むよう意図される。例えば、1〜7個の炭素原子のアルキル基はC1、C2、C3、C4、C5、C6およびC7の各々を含む。C1〜7ヘテロアルキルは、例えば、1個または複数個のヘテロ原子に加えて1〜7個の炭素原子を含む。原子および他のタイプの原子の他の数は、同様の様式で示すことができる。
【0041】
本明細書において用いられる場合、「アルキル」という用語および「アルク-」という接頭語は、直鎖基も分枝鎖基もともに含み、環状基、すなわち、シクロアルキルを含む。環状基は単環式または多環式であってよく、3個および6個を含めた、3〜6個の環炭素原子を有することが好ましい。例示的な環状基はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基を含む。C1〜7アルキル基は置換されてもまたは置換されなくてもよい。例示的な置換基はアルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン化物基、ヒドロキシル基、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、二置換アミノ基、第四級アミノ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基およびカルボキシル基を含む。C1〜7アルキルは、限定されるものではないが、メチル; エチル; n-プロピル; イソプロピル; シクロプロピル; シクロプロピルメチル; シクロプロピルエチル; n-ブチル; iso-ブチル; sec-ブチル; tert-ブチル; シクロブチル; シクロブチルメチル; シクロブチルエチル; n-ペンチル; シクロペンチル; シクロペンチルメチル; シクロペンチルエチル; 1-メチルブチル; 2-メチルブチル; 3-メチルブチル; 2,2-ジメチルプロピル; 1-エチルプロピル; 1,1-ジメチルプロピル; 1,2-ジメチルプロピル; 1-メチルペンチル; 2-メチルペンチル; 3-メチルペンチル; 4-メチルペンチル; 1,1-ジメチルブチル; 1,2-ジメチルブチル; 1,3-ジメチルブチル; 2,2-ジメチルブチル; 2,3-ジメチルブチル; 3,3-ジメチルブチル; 1-エチルブチル; 2-エチルブチル; 1,1,2-トリメチルプロピル; 1,2,2-トリメチルプロピル; 1-エチル-1-メチルプロピル; 1-エチル-2-メチルプロピル; およびシクロヘキシルを含む。
【0042】
「C2〜7アルケニル」とは、1個または複数個の二重結合を含有し、かつ2〜7個の炭素原子を有する分枝または非分枝炭化水素基を意味する。C2〜7アルケニルは、各環が望ましくは3〜6個の成員を有する単環式または多環式の環を任意で含んでもよい。C2〜7アルケニル基は置換されてもまたは置換されなくてもよい。例示的な置換基はアルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン化物基、ヒドロキシル基、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、二置換アミノ基、第四級アミノ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基およびカルボキシル基を含む。C2〜7アルケニルは、限定されるものではないが、ビニル; アリル; 2-シクロプロピル-1-エテニル; 1-プロペニル; 1-ブテニル; 2-ブテニル; 3-ブテニル; 2-メチル-1-プロペニル; 2-メチル-2-プロペニル; 1-ペンテニル; 2-ペンテニル; 3-ペンテニル; 4-ペンテニル; 3-メチル-1-ブテニル; 3-メチル-2-ブテニル; 3-メチル-3-ブテニル; 2-メチル-1-ブテニル; 2-メチル-2-ブテニル; 2-メチル-3-ブテニル; 2-エチル-2-プロペニル; 1-メチル-1-ブテニル; 1-メチル-2-ブテニル; 1-メチル-3-ブテニル; 2-メチル-2-ペンテニル; 3-メチル-2-ペンテニル; 4-メチル-2-ペンテニル; 2-メチル-3-ペンテニル; 3-メチル-3-ペンテニル; 4-メチル-3-ペンテニル; 2-メチル-4-ペンテニル; 3-メチル-4-ペンテニル; 1,2-ジメチル-1-プロペニル; 1,2-ジメチル-1-ブテニル; 1,3-ジメチル-1-ブテニル; 1,2-ジメチル-2-ブテニル; 1,1-ジメチル-2-ブテニル; 2,3-ジメチル-2-ブテニル; 2,3-ジメチル-3-ブテニル; 1,3-ジメチル-3-ブテニル; 1,1-ジメチル-3-ブテニルおよび2,2-ジメチル-3-ブテニルを含む。
【0043】
「C2〜7アルキニル」とは、1個または複数個の三重結合を含有し、かつ2〜7個の炭素原子を有する分枝または非分枝炭化水素基を意味する。C2〜7アルキニルは、各環が望ましくは5個または6個の成員を有する単環式、二環式または三環式の環を任意で含んでもよい。C2〜7アルキニル基は置換されてもまたは置換されなくてもよい。例示的な置換基はアルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン化物基、ヒドロキシ基、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、二置換アミノ基、第四級アミノ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基およびカルボキシル基を含む。C2〜7アルキニルは、限定されるものではないが、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、5-ヘキセン-1-イニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル; 1-メチル-2-プロピニル; 1-メチル-2-ブチニル; 1-メチル-3-ブチニル; 2-メチル-3-ブチニル; 1,2-ジメチル-3-ブチニル; 2,2-ジメチル-3-ブチニル; 1-メチル-2-ペンチニル; 2-メチル-3-ペンチニル; 1-メチル-4-ペンチニル; 2-メチル-4-ペンチニル; および3-メチル-4-ペンチニルを含む。
【0044】
「C2〜6ヘテロシクリル」および「複素環」という用語は、互換的に使用されており、飽和、部分的に不飽和または不飽和(芳香族)である、かつ2〜6個の炭素原子ならびにN、OおよびSからなる群より独立して選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子からなる、かつ上記に定義の複素環のいずれかがベンゼン環に縮合されている任意の二環式基を含む、安定な5員〜7員の単環式または7員〜14員の二環式の複素環をいう。ヘテロシクリル基は置換されてもまたは置換されなくてもよい。例示的な置換基はアルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン化物基、ヒドロキシ基、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、二置換アミノ基、第四級アミノ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基およびカルボキシル基を含む。窒素および硫黄へテロ原子は任意で酸化されてもよい。複素環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子を介して共有結合されてもよく、例えば、イミダゾリニル環は、環の炭素原子位置のいずれかでまたは窒素原子の位置で連結されてもよい。複素環中の窒素原子は任意で四級化されてもよい。複素環中のS原子およびO原子の総数が1を超えるなら、これらのヘテロ原子は互いに隣接しないことが好ましい。複素環は、限定されるものではないが、1H-インダゾール、2-ピロリドニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、2H-ピロリル、3H-インドリル、4-ピペリドニル、4aH-カルバゾール、4H-キノリジニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダザロニル、カルバゾリル、4aH-カルバゾリル、b-カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニルペリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、カルボリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、1,4,5,6-テトラヒドロピリジニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、キサンテニルを含む。好ましい5〜10員複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、トリアジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、1H-インダゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、オキシインドリル、ベンゾオキサゾリニル、キノリニルおよびイソキノリニルを含むが、これらに限定されるものではない。好ましい5〜6員複素環は、限定されるものではないが、ピリジニル、ピリミジニル、トリアジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、ピロリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,4,5,6-テトラヒドロピリジニルおよびテトラゾリルを含む。
【0045】
「C6〜12アリール」とは、共役π電子を有する炭素原子から構成される環系を有する芳香族基(例えば、フェニル)を意味する。アリール基は6〜12個の炭素原子を有する。アリール基は任意で、各環が望ましくは5個または6個の成員を有する単環式、二環式または三環式の環を含んでもよい。アリール基は置換されてもまたは置換されなくてもよい。例示的な置換基はアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン化物基、フルオロアルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、一置換アミノ基、二置換アミノ基および第四級アミノ基を含む。
【0046】
「C7〜14アルクアリール」とは、7〜14個の炭素原子を有するアリール基(例えば、ベンジル、フェネチルまたは3,4-ジクロロフェネチル)によって置換されたアルキルを意味する。
【0047】
「C3〜10アルクヘテロシクリル」とは、1個または複数個のヘテロ原子に加えて7〜14個の炭素原子を有するアルキル置換複素環基(例えば、3-フラニルメチル、2-フラニルメチル、3-テトラヒドロフラニルメチルまたは2-テトラヒドロフラニルメチル)を意味する。
【0048】
「C1〜7ヘテロアルキル」とは、N、O、SおよびPからなる群より独立して選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子に加えて1〜7個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を意味する。ヘテロアルキルは、限定されるものではないが、第三級アミン、第二級アミン、エーテル、チオエーテル、アミド、チオアミド、カルバメート、チオカルバメート、ヒドラゾン、イミン、ホスホジエステル、ホスホロアミデート、スルホンアミドおよびジスルフィドを含む。ヘテロアルキルは任意で、各環が望ましくは3〜6個の成員を有する単環式、二環式または三環式の環を含んでもよい。ヘテロアルキル基は置換されてもまたは置換されなくてもよい。例示的な置換基はアルコキシ基、アリールオキシ基、スルフヒドリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン化物基、ヒドロキシル基、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、二置換アミノ基、第四級アミノ基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基およびカルボキシル基を含む。
【0049】
「アシル」とは、RがC1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルクアリール、C3〜10アルクヘテロシクリルまたはC1〜7ヘテロアルキルから選択される式R-C(O)-を有する化学部分を意味する。
【0050】
「アルコキシ」とは、RがC1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルクアリール、C3〜10アルクヘテロシクリルまたはC1〜7ヘテロアルキルから選択される式-ORを有する化学置換基を意味する。
【0051】
「アリールオキシ」とは、RがC6〜12アリール基である式-ORを有する化学置換基を意味する。
【0052】
「ハロゲン化物」とは、臭素、塩素、ヨウ素またはフッ素を意味する。
【0053】
「フルオロアルキル」とは、フッ素で置換されているアルキル基を意味する。
【0054】
「パーフルオロアルキル」とは、炭素原子およびフッ素原子のみからなるアルキル基を意味する。
【0055】
「カルボキシアルキル」とは、RがC1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルクアリール、C3〜10アルクヘテロシクリルまたはC1〜7ヘテロアルキルから選択される式-(R)-COOHを有する化学部分を意味する。
【0056】
「ヒドロキシアルキル」とは、RがC1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルクアリール、C3〜10アルクヘテロシクリルまたはC1〜7ヘテロアルキルから選択される式-(R)-OHを有する化学部分を意味する。
【0057】
「アルキルチオ」とは、RがC1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C2〜7アルキニル、C2〜6ヘテロシクリル、C6〜12アリール、C7〜14アルクアリール、C3〜10アルクヘテロシクリルまたはC1〜7ヘテロアルキルから選択される式-SRの化学置換基を意味する。
【0058】
「アリールチオ」とは、RがC6〜12アリール基である式-SRの化学置換基を意味する。
【0059】
「第四級アミノ」とは、R、R'、R''およびR'''が各々独立してアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基である式-(R)-N(R')(R'')(R''')+の化学置換基を意味する。Rは、置換基としての第四級アミノ窒素を別の部分に連結するアルキル基でありうる。窒素原子Nは、アルキル基および/またはアリール基の4個の炭素原子に共有結合されて、窒素原子の位置で正電荷を生じる。
【0060】
「薬学的に許容される塩」という用語は、正しい医学的判断の範囲内にあり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴うことなくヒトおよび下等動物の組織と接触させて用いるのに適し、かつ妥当な損益比にふさわしい塩を表す。薬学的に許容される塩は当技術分野において周知である。塩は本発明の化合物の最終的な単離および精製の間にその場で調製され、または遊離塩基官能基を適当な有機酸と反応させることにより分離されうる。代表的な酸付加塩は酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などを含む。代表的アルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、ならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含むが、これらに限定されるものではない、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウムおよびアミンカチオンを含む。
【0061】
本発明において有用な化合物は、本明細書において記述されている化合物を、ジアステレオ異性体および鏡像異性体のような異性体、その塩、エステル、アミド、チオエステル、溶媒和物ならびに多形体を含め、それらの薬学的に許容される形態のいずれかでも、本明細書において記述されている化合物のラセミ混合物および純粋な異性体でも含む。一例として、「プレドニゾロン」とは遊離塩基および任意の薬学的に許容されるその塩(例えば、酢酸プレドニゾロン)を意味する。
【0062】
本発明において有用な化合物は同様に、同位体標識化合物でありうる。有用な同位体は水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素(例えば、2H、3H、13C、14C、15N、180、170、31P、32P、35S、18Fおよび36Cl)を含む。同位体標識化合物は、同位体非標識試薬の代わりに容易に利用可能な同位体標識試薬を用いて化合物を合成することにより調製することができる。
【0063】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から、および特許請求の範囲から明らかであろう。
【0064】
詳細な説明
本発明は、筋骨格障害、またはこのような障害に関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹の処置に有用な方法、組成物およびキットを特徴とする。本発明によれば、筋骨格障害、または関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹は、有効量の四置換ピリミドピリミジンまたはその類似体(例えば、アデノシン活性上方制御因子)の、単独でのまたはコルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)、キサンチン、非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、ペニシラミンもしくはそのいずれかの類似体を含む、一つもしくは複数の併用化合物との組み合わせでの、投与によって処置することができる。
【0065】
一例を挙げれば、筋骨格障害、例えば、変形性関節炎の処置は、四置換ピリミドピリミジン(またはその類似体、例えば、アデノシン活性上方制御因子)およびコルチコステロイド、例えば、プレドニゾロンを、そのような処置の必要性がある患者に投与することによって行うことができる。同様に、本発明の方法を用いて筋骨格障害に関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹または骨性腫脹を処置することが可能である。
【0066】
場合によっては、本発明の組み合わせの各成分は、特定の疾患ネットワークの一部だけに影響を与え、独力で効果不十分または効果なしとすることができ、一方でその組み合わせはどの成分単独の毒性も反復せずに一つまたは複数の治療効果を選択的に増幅する。例えば、四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子およびコルチコステロイドの組み合わせは、毒性の著しい低下をもたらしながら、どの薬剤単独の有効量の投与と比較しても増幅された抗炎症作用または免疫抑制作用をもたらすことができる。
【0067】
さまざまな態様に対する投与経路は、局所投与、経皮投与および全身投与(静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、吸入投与、直腸投与、口腔投与、腟内投与、くも膜下投与、腹腔内投与、関節内投与、眼投与または経口投与のような)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0068】
上述の治療法のいずれも筋骨格障害の処置に有用な従来の医薬とともに施されてもよい。
【0069】
四置換ピリミドピリミジン
本発明の方法、組成物およびキットにおいて使用できる四置換ピリミドピリミジンは、上記に定義されているように、式(I)を有する。本発明の方法、組成物およびキットにおいて有用である四置換ピリミドピリミジンは、2,6-二置換4,8-ジベンジルアミノピリミド[5,4-d]ピリミジンを含む。特に有用な四置換ピリミドピリミジンは、ジピリダモール(2,6-ビス(ジエタノールアミノ)-4,8-ジピペリジノピリミド(5,4-d)ピリミジンとしても公知); モピダモール; 一酢酸ジピリダモール; R-E 244 (1-((2,7-ビス(2-メチル-4-モルホリニル)-6-フェニル-4-プテリジニル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ)-2-プロパノール); TX-3301 (アササンチン); NU3026 (2,6-ジ-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-メトキシ-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン); NU3059 (2,6-ビス-(2,3-ジメチオキシプロポキシ)-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン); NU3060 (2,6-ビス[N,N-ジ(2-メトキシ)エチル]-4,6-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン); およびNU3076 (2,6-ビス(ジエタノールアミノ)-4,8-ジ-4-メトキシベンジルアミノピリミドピリミジン)を含む。他の四置換ピリミドピリミジンは米国特許第3,031,450号および同第4,963,541号に記述されている。
【0070】
筋骨格障害、またはそれに関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹を処置するためのジピリダモールの標準的な推奨投与量は、50〜400 mg/日、例えば、90、100、150、180、200、270または360 mg/日であるが、さらに少なく(わずか1、10もしくは25 mg/日)またはさらに多く(例えば、500、600、750もしくは1,000 mg/日)投与されてもよい。
【0071】
アデノシンおよびアデノシン活性上方制御因子
ジピリダモールはアデノシン活性上方制御因子である。必要なら、別のアデノシン活性上方制御因子を本発明の方法、組成物およびキットのなかでジピリダモールの代わりに使用することができる。適当なアデノシン活性上方制御因子は、以下に論じられているアデノシン受容体アゴニスト、アデノシン輸送阻害剤、アデノシンキナーゼ阻害剤およびホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤である。
【0072】
アデノシン受容体アゴニスト
本発明の方法、組成物およびキットにおいて利用できるアデノシン受容体アゴニストの例は、アデノシンヘミ硫酸塩、アデノシンアミン同種固体(congener solid)、N6-(4-アミノ-3-ヨードフェニル)メチル-5'-N-メチルカルボキシアミドアデノシン(I-AB-MECA); N-((2-メチルフェニル)メチル)アデノシン(メトリフジル); 2-(1-ヘキシニル)-N-メチルアデノシン(HEMADO); N-(1-メチル-2-フェニルエチル)アデノシン(R-PIA); N6-(R-4-ヒドロキシフェニルイソプロピル)アデノシン(HPIA); N6-シクロペンチルアデノシン(CPA); N6-シクロペンチル-2-(3-フェニルアミノカルボニルトリアゼン-1-イル)アデノシン(TCPA); N-((1S,トランス)-2-ヒドロキシシクロペンチル)アデノシン(GR 79236); N6-シクロヘキシルアデノシン(CHA); 2-クロロ-N6-シクロペンチルアデノシン(CCPA); N-エチルカルボキシアミドアデノシン(NECA); 2-(4-(2-カルボキシエチル)フェネチルアミノ)-5'-N-エチルカルボキシアミドアデノシン(CGS 21680); N6-(3-ヨードベンジル)-5'-N-メチルカルボキシアミドアデノシン(IB-MECA); 2-(シクロヘキシルメチリデンヒドラジノ)アデノシン(WRC 0470); 2-(4-(2-カルボキシエチル)フェネチルアミノ)-5'-N-エチルカルボキシアミドアデノシン(CGS 21680); N6-(2-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(2-メチルフェニル)エチル)アデノシン(DPMA); ヘキシニルアデノシン-5'-N-エチルカルボキシアミド(HE-NECA); 2-[(2-アミノエチル-アミノカルボニルエチル)フェニルエチルアミノ]-5'-N-エチル-カルボキシアミドアデノシン(APEC); 2-クロロ-N6-(3-ヨードベンジル)-5'-N-メチルカルボキシアミドアデノシン(2-Cl-IB-MECA); 2-フェニルアミノアデノシン(CV 1808); 3'-アミノアデノシン-5'-ウロンアミド; CV Therapeutics(商標)小分子薬テカデノソン(Tecadenoson) (CVT-510); レガデノソン(Regadenoson) (CVT 3146); およびCarisa (CVT 3033); およびAderis Pharmaceuticals(商標)小分子薬2-[2-(4-クロロフェニル)エトキシ]アデノシン(MRE 0094)、1-デオキシ-1-[6-[[(ヨードフェニル)メチル]アミノ]-9H-プリン-9-イル]-N-メチル-(-D-リボフランウロンアミド) (CF1O1)、セロデノソン(Selodenoson) (DTI-0009)およびビノデノソン(Binodenoson) (MRE-0470)である。他のアデノシン受容体アゴニストは、参照により本明細書に組み入れられるGao et al., JPET, 298: 209-218 (2001); 米国特許第5,278,150号、同第5,877,180号、同第6,232,297号; 米国特許出願公開第20050261236号およびPCT公開第WO/9808855号において記述され主張されているものである。
【0073】
アデノシン輸送阻害剤
本発明の方法、組成物およびキットにおいて利用できるアデノシン輸送阻害剤は、3-[1-(6,7-ジエトキシ-2-モルホリノキナゾリン-4-イル)ピペリジン-4-イル]-1,6-ジメチル-2,4(1H,3H)-キナゾリンジオン塩酸塩(KF24345); 6-(4-ニトロベンジル)-チオイノシン(NBI)および6-(2-ヒドロキシ-5-ニトロベンジル)-チオグアノシン(NBG); 6-[4-(1-シクロヘキシル-1H-テトラゾール-5-イル)ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン(シロスタゾール); (2-アミノ-4,5-ジメチル-3-チエニル)-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メタノン(PD 81723); 3,7-ジヒドロ-3-メチル-1-(5-オキソヘキシル)-7-プロピル-1H-プリン-2,6-ジオン(プロペントフィリン); 6-[(4-ニトロベンジル)チオ]-9-β-D-リボフラノシルプリン(ニトロベンジルチオイノシン) (NBMR); 3,4,5-トリメトキシ-, (テトラヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン-1,4(5H)-ジイル)ジ-3,1-プロパンジイル安息香酸, エステル(ジラゼプ); ヘキソベンジン; ジピリダモール; ならびに各々が参照により本明細書に組み入れられるFredholm, J. Neurochem. 62:563-573 (1994)、Noji et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 300:200-205 (2002); およびCrawley et al.; Neurosci. Lett. 36:169-174 (1983)に記述されているアデノシン輸送阻害剤を含む。
【0074】
アデノシンキナーゼ阻害剤
アデノシンキナーゼ阻害剤は、本発明の方法、組成物およびキットにおいて使用できるアデノシン活性上方制御因子である。アデノシンキナーゼ阻害剤はヌクレオシド様または非ヌクレオシド様のいずれかと一般的に記述されている。
【0075】
ヌクレオシド様アデノシンキナーゼ阻害剤
本発明の方法、組成物およびキットにおいて使用できるヌクレオシド様アデノシンキナーゼ阻害剤は、5-ヨードツベルシジン(5IT)および2-ジアリールツベルシジン類似体; 5'-デオキソ-5'-デオキシ-5-ヨードツベルシジン(5'd-5IT); ならびに5'-デオキソ-5'-アミノアデノシン(NH2dADO)を含む。他のヌクレオシド様アデノシンキナーゼ阻害剤は、各々が参照により本明細書に組み入れられるMcGaraughty et al., Current Topics in Medicinal Chemistry 5:43-58 (2005); Ugarkar, J. Med. Chem. 43:2883-2893 (2000); Ugarkar et al., J. Med. Chem. 43:2894-2905 (2000); Kaplan and Coyle, Eur. J. Pharmacol. 1:1-8 (1998); およびSinclair et al. Br. J. Pharmacol. 5:1037-1044 (2001)に記述されている。
【0076】
非ヌクレオシド様アデノシンキナーゼ阻害剤
本発明の方法、組成物およびキットにおいて使用できる非ヌクレオシド様アデノシンキナーゼ阻害剤は、5-ブロモピロロピロリジン; 4-アミノ-5-(3-ブロモフェニル)-7-(6-モルホリノ-ピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン(ABT-702)を含む。他の非ヌクレオシド様AK阻害剤は、各々が参照により本明細書に組み入れられるMcGaraughty et al., Current Topics in Medicinal Chemistry 5:43-58 (2005)、Gomtsyan and Lee, Current Pharmaceutical Design 10:1093-1103 (2004); Jarvis et al. J. Pharm. Exp. Ther. 295:1156-1164 (2000); Kowaluk, et al. J. Pharm. Exp. Ther. 295:1165-1174 (2000); および独国特許出願第DE 10141212 A1号に記述されている。
【0077】
ホスホジエステラーゼ阻害剤
ホスホジエステラーゼのいくつかのアイソザイムは、アデノシン-5-一リン酸塩(5'-AMP)へのcAMPの分解を触媒することにより調節スイッチの役割を果たす。ホスホジエステラーゼの阻害剤はcAMPレベルの増大をもたらすことができ、これが今度は抗炎症作用の増大をもたらすことができる。
【0078】
I型ホスホジエステラーゼ阻害剤
本発明の方法、組成物およびキットにおいて利用できるI型PDE阻害剤は、(3-アルファ,16-アルファ)-エブルナメニン-14-カルボン酸エチルエステル(ビンポセチン(Vinpocetine)); 1 8-メトキシメチル-3-イソブチル-1-メチルキサンチン(MIMX); 1-カルボキシ-2,3,4,4a,4b,5,6,6a,6b,7,8,8a,8b,9,10,10a,14,16,17,17a,17b,18,19,19a,19b,20,21,21a,21b,22,23,23a-ドトリアコンタヒドロ-14-ヒドロキシ-8a,10a-ビス(ヒドロキシメチル)-14-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)-1,4,4a,6,6a,17b,19b,21b-オクタメチルベータ-D-グルコピラノシドウロン酸(Ks-505a); シス-5,6a,7,8,9,9a-ヘキサヒドロ-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニルメチル)-5-メチル-シクロペンタ(4,5)イミダゾ(2,1-b)プリン-4(3H)-オン(SCH 51866); および2-o-プロポキシフェニル-8-アザプリン-6-オン(ザプリナスト(Zaprinast))を含む。他のI型PDE阻害剤は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第20040259792号および同第20050075795号に記述されている。
【0079】
II型ホスホジエステラーゼ阻害剤
本発明の方法、組成物およびキットにおいて利用できるII型PDE阻害剤は、エリトロ-9-(2-ヒドロキシ-3-ノニル)アデニン(EHNA); 2,3,6,7-テトラヒドロ-9,10-ジメトキシ-3-メチル-2-((2,4,6-トリメチルフェニル)イミノ)-4H-ピリミド(6,1-a)イソキノリン-4-オン(トレキンシン); ND7001 (Neuro3D Pharmaceuticals); およびBAY 60-7550 (Alexis Biochemicals)を含む。他のII型PDE阻害剤は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第20030176316号に記述されている。
【0080】
III型ホスホジエステラーゼ阻害剤
本発明の方法、組成物およびキットにおいて利用できるIII型PDE阻害剤は、3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX); 6-ジヒドロ-2-メチル-6-オキソ-3,4'-ビピリジン)-5-カルボニトリル(ミルリノン); およびN-シクロヘキシル-4-((1,2-ジヒドロ-2-オキソ-6-キノリニル)オキシ)-N-メチル-ブタンアミド(シロスタミド)を含む。他のIII型PDE阻害剤は、各々が参照により本明細書に組み入れられる以下の特許および特許出願に記述されている: EP 0 653 426、EP 0 294 647、EP 0 357 788、EP 0 220 044、EP 0 326 307、EP 0 207 500、EP 0 406 958、EP 0 150 937、EP 0 075 463、EP 0 272 914およびEP 0 112 987、米国特許第4,963,561号; 同第5,141,931号、同第6,897,229号および同第6,156,753号; 米国特許出願第20030158133号、同第20040097593号、同第20060030611号および同第20060025463号; WO 96/15117; DE 2825048; DE 2727481; DE 2847621; DE 3044568; DE 2837161; およびDE 3021792。
【0081】
IV型ホスホジエステラーゼ阻害剤
本発明の方法、組成物およびキットにおいて利用できるIV型PDE阻害剤は、4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-ピロリドン(ロリプラム)および4-(3-ブトキシ-4-メトキシベンジル)-2-イミダゾリジノン(Ro20-1724)を含む。他のIV型PDE阻害剤は、各々が参照により本明細書に組み入れられる以下の特許、特許出願および参考文献に記述されている: 米国特許第3,892,777号、同第4,193,926号、同第4,655,074号、同第4,965,271号、同第5,096,906号、同第5,124,455号、同第5,272,153号、同第6,569,890号、同第6,953,853号、同第6,933,296号、同第6,919,353号、同第6,953,810号、同第6,949,573号、同第6,909,002号および同第6,740,655号; 米国特許出願第20030187052号、同第20030187257号、同第20030144300号、同第20030130254号、同第20030186974号、同第20030220352号、同第20030134876号、同第20040048903号、同第20040023945号、同第20040044036号、同第20040106641号、同第20040097593号、同第20040242643号、同第20040192701号、同第20040224971号、同第20040220183号、同第20040180900号、同第20040171798号、同第20040167199号、同第20040146561号、同第20040152754号、同第20040229918号、同第20050192336号、同第20050267196号、同第20050049258号、同第20060014782号、同第20060004003号、同第20060019932号、同第20050267196号、同第20050222207号、同第20050222207号、同第20060009481号; PCT公開第WO 92/079778号; ならびにMolnar-Kimber, K.L. et al. J. Immunol., 150:295A (1993)。
【0082】
V型ホスホジエステラーゼ阻害剤
本発明の方法、組成物およびキットにおいて使用できるV型PDE阻害剤は、各々が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,992,192号、同第6,984,641号、同第6,960,587号、同第6,943,166号、同第6,878,711号および同第6,869,950号、ならびに米国特許出願第20030144296号、同第20030171384号、同第20040029891号、同第20040038996号、同第20040186046号、同第20040259792号、同第20040087561号、同第20050054660号、同第20050042177号、同第20050245544号、同第20060009481号に記述されているものを含む。
【0083】
VI型ホスホジエステラーゼ阻害剤
本発明の方法、組成物およびキットにおいて使用できるVI型PDE阻害剤は、各々が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第20040259792号、同第20040248957号、同第20040242673号および同第20040259880号に記述されているものを含む。
【0084】
VII型ホスホジエステラーゼ阻害剤
本発明の方法、組成物およびキットにおいて使用できるVII型PDE阻害剤は、各々が参照により本明細書に組み入れられる以下の特許、特許出願および参考文献に記述されているものを含む: 米国特許第6,838,559号、同第6,753,340号、同第6,617,357号および同第6,852,720号; 米国特許出願第20030186988号、同第20030162802号、同第20030191167号、同第20040214843号および同第20060009481号; PCT公開第WO 00/68230号; ならびにMartinez et al., J. Med. Chem. 43:683-689 (2000)。
【0085】
非選択的ホスホジエステラーゼ阻害剤
本発明の方法、組成物およびキットにおいて使用できる非選択的PDE阻害剤は、テオフィリン、パパベリンおよびイブジラストを含む。本発明の方法、組成物およびキットにおいて使用できる他のPDE阻害剤は、米国特許第6,953,774号に記述されている。
【0086】
コルチコステロイド
必要なら、一つもしくは複数のコルチコステロイドが本発明の方法において投与されてもよく、または本発明の組成物の中に、四置換ピリミドピリミジンもしくはその類似体、例えば、アデノシン活性上方制御因子とともに製剤化されてもよい。本発明者らのデータから、コルチコステロイドのプレドニゾロンとの組み合わせでのジピリダモールは、顕著な副作用なしに変形性関節炎に関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害および腫脹の軽減に有効であり; したがって、四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子およびコルチコステロイドの組み合わせは、いずれかの薬剤単独よりも、筋骨格障害、例えば、変形性関節炎、またはこのような障害に関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹の処置にいっそう有効でありうることが明らかである。適当なコルチコステロイドは11-アルファ,17-アルファ,21-トリヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン; 11-ベータ,16-アルファ,17,21-テトラヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン; 11-ベータ,16-アルファ,17,21-テトラヒドロキシプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン; 11-ベータ,17-アルファ,21-トリヒドロキシ-6-アルファ-メチルプレグナ-4-エン-3,20-ジオン; 11-デヒドロコルチコステロン; 11-デオキシコルチゾール; 11-ヒドロキシ-1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン; 11-ケトテストステロン; 14-ヒドロキシアンドロスト-4-エン-3,6,17-トリオン; 15,17-ジヒドロキシプロゲステロン; 16-メチルヒドロコルチゾン; 17,21-ジヒドロキシ-16-アルファ-メチルプレグナ-1,4,9(11)-トリエン-3,20-ジオン; 17-アルファ-ヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオン; 17-アルファ-ヒドロキシプレグネノロン; 17-ヒドロキシ-16-ベータ-メチル-5-ベータ-プレグナ-9(11)-エン-3,20-ジオン; 17-ヒドロキシ-4,6,8(14)-プレグナトリエン-3,20-ジオン; 17-ヒドロキシプレグナ-4,9(11)-ジエン-3,20-ジオン; 18-ヒドロキシコルチコステロン; 18-ヒドロキシコルチゾン; 18-オキソコルチゾール; 21-デオキシアルドステロン; 21-デオキシコルチゾン; 2-デオキシエクジソン; 2-メチルコルチゾン; 3-デヒドロエクジソン; 4-プレグネン-17-アルファ,20-ベータ,21-トリオール-3,11-ジオン; 6,17,20-トリヒドロキシプレグナ-4-エン-3-オン; 6-アルファ-ヒドロキシコルチゾール; 6-アルファ-フルオロプレドニゾロン、6-アルファ-メチルプレドニゾロン、6-アルファ-メチルプレドニゾロン 21-アセテート、6-アルファ-メチルプレドニゾロン21-ヘミスクシネートナトリウム塩、6-ベータ-ヒドロキシコルチゾール、6-アルファ,9-アルファ-ジフルオロプレドニゾロン21-アセテート17-ブチレート、6-ヒドロキシコルチコステロン; 6-ヒドロキシデキサメタゾン; 6-ヒドロキシプレドニゾロン; 9-フルオロコルチゾン; ジプロピオン酸アルクロメタゾン; アルドステロン; アルゲストン; アルファダーム; アマジノン; アムシノニド; アナゲストン; アンドロステンジオン; アネコルタブアセテート; ベクロメタゾン; ジプロピオン酸ベクロメタゾン; ジプロピオン酸ベクロメタゾン一水和物; ベタメタゾン-17-バレレート; 酢酸ベタメタゾンナトリウム; リン酸ベタメタゾンナトリウム; ベタメタゾンバレレート; ボラステロン; ブデソニド; カルステロン; クロルマジノン; クロロプレドニゾン; クロロプレドニゾンアセテート; コレステロール; クロベタゾール; プロピオン酸クロベタゾール; クロベタゾン; クロコルトロン; ピバル酸クロコルトロン; クロゲストン; クロプレドノール; コルチコステロン; コルチゾール; コルチゾールアセテート; コルチゾールブチレート; コルチゾールシピオネート; コルチゾールオクタノエート; リン酸コルチゾールナトリウム; コハク酸コルチゾールナトリウム; コルチゾールバレレート; コルチゾン; コルチゾンアセテート; コルトドキソン; ダツラオロン; デフラザコート、21-デオキシコルチゾール、デヒドロエピアンドロステロン; デルマジノン; デオキシコルチコステロン; デプロドン; デシノロン; デソニド; デソキシメタゾン; デキサフェン; デキサメタゾン; デキサメタゾン21-アセテート; デキサメタゾンアセテート; リン酸デキサメタゾンナトリウム; ジクロリゾン; ジフロラゾン; ジフロラゾンジアセテート; ジフルコルトロン; ジヒドロエラテリシンa; ドモプレドネート; ドキシベタゾール; エクジソン; エクジステロン; エンドリゾン; エノキソロン; フルシノロン; フルドロコルチゾン; フルドロコルチゾンアセテート; フルゲストン; フルメタゾン; フルメタゾンピバレート; フルモキソニド; フルニソリド; フルオシノロン; フルオシノロンアセトニド; フルオシノニド; 9-フルオロコルチゾン; フルオコルトロン; フルオロヒドロキシアンドロステンジオン; フルオロメトロン; フルオロメトロンアセテート; フルオキシメステロン; フルプレドニデン; フルプレドニゾロン; フルランドレノリド; フルチカゾン; フルチカゾンプロピオネート; フォルメボロン; フォルメスタン; フォルモコルタール; ゲストノロン; グリデリニン; ハルシノニド; ヒルカノシド; ハロメタゾン; ハロプレドン; ハロプロゲステロン; ヒドロコルチゾンシピオネート(hydrocortiosone cypionate); ヒドロコルチゾン; ヒドロコルチゾン21-ブチレート; ヒドロコルチゾンアセポネート; ヒドロコルチゾンアセテート; ヒドロコルチゾンブテプレート; ヒドロコルチゾンブチレート; ヒドロコルチゾンシピオネート; ヒドロコルチゾンヘミスクシネート; ヒドロコルチゾンプロブテート; リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム; コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム; ヒドロコルチゾンバレレート; ヒドロキシプロゲステロン; イノコステロン; イソフルプレドン; イソフルプレドンアセテート; イソプレドニデン; メクロリゾン; メコルトロン; メドロゲストン; メドロキシプロゲステロン; メドリゾン; メゲストロール; メゲストロールアセテート; メレンゲストロール; メプレドニゾン; メタンドロステノロン; メチルプレドニゾロン; メチルプレドニゾロンアセポネート; メチルプレドニゾロンアセテート; メチルプレドニゾロンヘミスクシネート; コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム; メチルテストステロン; メトリボロン; モメタゾン; モメタゾンフロエート; モメタゾンフロエート一水和物; ニソン; ノメゲストロール; ノルゲストメット; ノルビニステロン; オキシメステロン; パラメタゾン; パラメタゾンアセテート; ポナステロン; プレドニソラメート; プレドニゾロン; プレドニゾロン21-ヘミスクシネート; プレドニゾロンアセテート; プレドニゾロンファルネシレート; プレドニゾロンヘミスクシネート; プレドニゾロン-21(ベータ-D-グルクロニド); プレドニゾロンメタスルホベンゾエート; リン酸プレドニゾロンナトリウム; プレドニゾロンステアグレート; プレドニゾロンテブテート; プレドニゾロンテトラヒドロフタレート; プレドニゾン; プレドニバール; プレドニリデン; プレグネノロン; プロシノニド; トラロニド; プロゲステロン; プロメゲストン; ラポンチステロン; リメキソロン; ロキシボロン; ルブロステロン; スチゾフィリン; チキソコルトール; トプテロン(topterone); トリアムシノロン; トリアムシノロンアセトニド; トリアムシノロンアセトニド21-パルミテート; 二酢酸トリアムシノロン; トリアムシノロンヘキサアセトニド; トリメゲストン; ターケステロン; およびワートマニンを含む。
【0087】
コルチコステロイドの標準的な推奨投与量は、例えば、Merck Manual of Diagnosis & Therapy (17th Ed. MH Beers et al., Merck & Co.)およびPhysicians' Desk Reference 2003 (57th Ed. Medical Economics Staff et al., Medical Economics Co., 2002)に示されている。一つの態様において、投与されるコルチコステロイドの投与量は、本明細書において定義されるように、プレドニゾロン投与量に等しい投与量である。例えば、低投与量のコルチコステロイドは低投与量のプレドニゾロンに等しい投与量と見なすことができる。
【0088】
本発明の組み合わせがコルチコステロイドと併せて処置に使用される場合、コルチコステロイドもしくは四置換ピリミドピリミジン(もしくはアデノシン活性上方制御因子)のみの投与によるまたはコルチコステロイドおよび四置換ピリミドピリミジンもしくはアデノシン活性上方制御因子の組み合わせの投与による同一の効果を達成するのに必要とされるものと考えられる投与量を実質的に下回る程度にまで個々の成分の投与量を実質的に減らすことが可能である。例えば、四置換ピリミドピリミジン/コルチコステロイドの組み合わせにおいて、いずれかの化合物のみの投与に適した投与量と比較すると、四置換ピリミドピリミジンまたはコルチコステロイドの投与量の低減が筋骨格障害、またはそれに関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹の処置に有効でありうる。そのような組み合わせに例示的な投与量範囲は、50〜400 mg/日の四置換ピリミドピリミジン、例えば、ジピリダモール、またはアデノシン活性上方制御因子および0.01〜30 mg/日のコルチコステロイド、例えば、プレドニゾロンである。二つまたはそれ以上のコルチコステロイドが同じ処置のなかで投与されてもよい。
【0089】
ステロイド受容体調節物質
ステロイド受容体調節物質(例えば、アンタゴニストおよびアゴニスト)を本発明の方法、組成物およびキットにおいて、コルチコステロイドの代わりとしてまたはコルチコステロイドに加えて使用することができる。したがって、一つの態様において、本発明は四置換ピリミドピリミジンおよび糖質コルチコイド受容体調節物質または他のステロイド受容体調節物質の組み合わせ、ならびにそれを用いて筋骨格障害、またはこのような障害に関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹を処置する方法を特徴とする。
【0090】
本発明の方法、組成物およびキットにおいて使用できる糖質コルチコイド受容体調節物質は、各々が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,380,207号、同第6,380,223号、同第6,448,405号、同第6,506,766号および同第6,570,020号、米国特許出願公開第2003/0176478号、同第2003/0171585号、同第2003/0120081号、同第2003/0073703号、同第2002/015631号、同第2002/0147336号、同第2002/0107235号、同第2002/0103217号および同第2001/0041802号、ならびにPCT公開第WO00/66522号に記述されている化合物を含む。本発明の方法、組成物およびキットにおいて同様に使用できる他のステロイド受容体調節物質は、各々が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,093,821号、同第6,121,450号、同第5,994,544号、同第5,696,133号、同第5,696,127号、同第5,693,647号、同第5,693,646号、同第5,688,810号、同第5,688,808号および同第5,696,130号に記述されている。
【0091】
他の化合物
本発明の方法、組成物およびキットにおいて、コルチコステロイドの代わりとしてまたはコルチコステロイドに加えて使用できる他の化合物はA-348441 (Karo Bio)、副腎皮質抽出物(GlaxoSmithKline)、アルサクチド(Aventis)、アメブコート(Schering AG)、アメロメタゾン(Taisho)、ATSA (Pfizer)、ビトルテロール(Elan)、CBP-2011 (InKine Pharmaceutical)、セバラセタム(Novartis)、CGP-13774 (Kissei)、シクレソニド(Altana)、シクロメタゾン(Aventis)、酪酸クロベタゾン(GlaxoSmithKline)、クロプレドノール(Hoffmann-La Roche)、コリスマイシンA (Kirin)、ククルビタシンE (NIH)、デフラザコート(Aventis)、プロピオン酸デプロドン(SSP)、デキサメタゾンアセフレート(Schering-Plough)、リノール酸デキサメタゾン(GlaxoSmithKline)、吉草酸デキサメタゾン(Abbott)、ジフルプレドナート(Pfizer)、ドモプレドナート(Hoffmann-La Roche)、エビラチド(Aventis)、エチプレドノールジクロアセテート(IVAX)、フルアザコート(Vicuron)、フルモキソニド(Hoffmann-La Roche)、フルオコルチンブチル(Schering AG)、フルオコルトロン一水和物(Schering AG)、GR-250495X (GlaxoSmithKline)、ハロメタゾン(Novartis)、ハロプレドン(Dainippon)、HYC-141 (Fidia)、イコメタゾンエンブテート(Hovione)、イトロシノニド(AstraZeneca)、L-6485 (Vicuron)、リポコルト(Lipocort) (Draxis Health)、ロシコルトン(Aventis)、メクロリゾン(Schering-Plough)、ナフロコート(Bristol-Myers Squibb)、NCX-1015 (NicOx)、NCX-1020 (NicOx)、NCX-1022 (NicOx)、ニココルトニド(Yamanouchi)、NIK-236 (Nikken Chemicals)、NS-126 (SSP)、Org-2766 (Akzo Nobel)、Org-6632 (Akzo Nobel)、P16CM、プロピルメステロロン(Schering AG)、RGH-1113 (Gedeon Richter)、ロフレポニド(AstraZeneca)、パルミチン酸ロフレポニド(AstraZeneca)、RPR-106541 (Aventis)、RU-26559 (Aventis)、Sch-19457 (Schering-Plough)、T25 (Matrix Therapeutics)、TBI-PAB (Sigma-Tau)、チカベソンプロピオネート(Hoffmann-La Roche)、チフルアドム(Solvay)、チモベゾン(Hoffmann-La Roche)、TSC-5 (Takeda)およびZK-73634 (Schering AG)を含む。
【0092】
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)
必要なら、本発明の四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子をナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、アスピリン、スリンダク、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、ナブメトン、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸ナトリウム、サリチルサリチル酸(サルサレート)、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナミン酸ナトリウム、メロキシカム、オキサプロジン、スリンダクおよびトルメチンのような、一つまたは複数の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)と併せて投与することができる。
【0093】
四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子がアセチルサリチル酸との組み合わせで投与される場合、この組み合わせは筋骨格障害、例えば、変形性関節炎、またはこのような障害に関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹の処置に有効であることが望ましい。したがって、アセチルサリチル酸またはその類似体との組み合わせでの四置換ピリミドピリミジンまたは四置換ピリミドピリミジン類似体(例えば、アデノシン活性上方制御因子)の組み合わせは、いずれかの薬剤単独よりも、筋骨格障害、または関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹の処置にいっそう有効でありうる。
【0094】
商標名アスピリンでも公知のアセチルサリチル酸は、サリチル酸のアセチル誘導体であり、以下の構造式を有する。

【0095】
アスピリンは頭痛ならびに筋肉および関節の痛みの緩和に有用である。アスピリンは同様に、熱、炎症および腫脹の軽減に有効であり、したがって、例えば、変形性関節炎の処置に使用されている。したがって、四置換ピリミドピリミジンまたはその類似体(例えば、ジピリダモール、またはアデノシン活性上方制御因子)およびアセチルサリチル酸(アスピリン)またはその類似体の組み合わせを、本明細書に記載の障害の処置または予防を増強するために投与することもできる。
【0096】
NSAIDは、本出願において記述されている組み合わせのいずれか一つと併せて投与することができる。例えば、筋骨格障害に苦しむ患者を四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子およびコルチコステロイドの組み合わせで最初に処置することができ、患者をNSAIDでさらに処置することができる。
【0097】
アセチルサリチル酸の投与量は当業者に公知であり、一般的には、1日あたり約70 mg〜約350 mgの範囲である。より低用量またはより高用量のアスピリンが必要とされる場合、ジピリダモールおよびアスピリンを含有する製剤は、0〜25 mg、25〜50 mg、50〜70 mg、70〜75 mg、75〜80 mg、80〜85 mg、85〜90 mg、90〜95 mg、95〜100 mg、100〜150 mg、150〜160 mg、160〜250 mg、250〜300 mg、300〜350 mg、または350〜1000 mgのアスピリンを含有することができる。
【0098】
本発明の組み合わせがNSAIDと併せて処置に使用される場合、NSAID (例えば、アセチルサリチル酸)もしくは四置換ピリミドピリミジン(もしくはアデノシン活性上方制御因子)のみの投与によるまたはNSAID (例えば、アセチルサリチル酸)および四置換ピリミドピリミジンもしくはアデノシン活性上方制御因子の組み合わせの投与による同一の効果を達成するのに必要とされるものと考えられる投与量を実質的に下回る程度にまで個々の成分の投与量を実質的に減らすことが可能である。
【0099】
二つまたはそれ以上のNSAIDが同じ処置のなかで投与されてもよい。
【0100】
非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤
一つの態様において、本発明は四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子および非ステロイド性イムノフィリン依存性免疫抑制剤(NsIDI)を、任意でコルチコステロイドまたは本明細書において記述されている他の薬剤とともに利用する方法、組成物およびキットを特徴とする。
【0101】
一つの態様において、NsIDIはシクロスポリンであり、これは1日につき1キログラムあたり0.05〜50ミリグラムの量で(例えば、経口的には1日につき1キログラムあたり0.1〜12ミリグラムの量で)投与される。別の態様において、NsIDIはタクロリムスであり、1日につき1キログラムあたり0.0001〜20ミリグラムの量で(例えば、経口的には1日につき1キログラムあたり0.01〜0.2ミリグラムの量で)投与される。別の態様において、NsIDIはラパマイシンであり、1日につき0.1〜500ミリグラムの量で(例えば、6 mg/日の単回負荷用量、続いて2 mg/日の維持用量で)投与される。別の態様において、NsIDIは、0.75〜8 mg/日の投与量で投与されるエベロリムスである。さらに他の態様において、NsIDIはピメクロリムスであり、1日につき0.1〜200ミリグラムの量で(例えば、アトピー性皮膚炎を処置するには1%クリーム/1日2回もしくは乾癬の処置の場合には1日に60 mgとして)投与され、またはNsIDIは、患者を処置するのに十分な量および頻度で投与されるカルシニューリン結合ペプチドである。
【0102】
本発明の組み合わせがNsIDIと併せて処置に使用される場合、NsIDIもしくは四置換ピリミドピリミジン(もしくはアデノシン活性上方制御因子)のみの投与によるまたはNSAIDおよび四置換ピリミドピリミジンもしくはアデノシン活性上方制御因子の組み合わせの投与による同一の効果を達成するのに必要とされるものと考えられる投与量を実質的に下回る程度にまで個々の成分の投与量を実質的に減らすことが可能である。
【0103】
二つまたはそれ以上のNsIDIが同じ処置のなかで投与されてもよい。
【0104】
治療法
本発明は筋骨格障害、例えば、変形性関節炎の処置に有用な治療法を提供する。本発明によれば、筋骨格障害、またはこのような障害に関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹は、有効量の四置換ピリミドピリミジンまたはその類似体(例えば、アデノシン活性上方制御因子)の、単独でのまたはコルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、ペニシラミンおよびそのいずれかの類似体を含む、一つもしくは複数の併用化合物との組み合わせでの、投与によって処置することができる。
【0105】
本発明による治療法は、単独でまたは別の治療法との併用で行われてもよく、家庭で、医院で、診療所で、病院の外来部門で、または病院で提供されてもよい。治療法の期間は、処置される疾患または障害のタイプ、患者の年齢および状態、患者の疾患の段階およびタイプ、ならびにどのように患者が処置に応答するかに依る。さらに、筋骨格障害を発症する危険性がより高い人(例えば、加齢によるホルモンの変化を起こしている人)が、症状の発現を阻止するまたは遅延するように処置を受けてもよい。
【0106】
本発明の方法のいずれかの特定の態様において、当該化合物は相互に14日以内で、相互に10日以内に、相互に5日以内に、相互に24時間以内に、相互に12時間以内に、相互に6時間以内に、相互に3時間以内に、相互に1時間以内に、または同時に投与される。当該化合物は単一の組成物として一緒に製剤化されてもよく、または別々に製剤化され投与されてもよい。一方または両方の化合物が低投与量でまたは高投与量で投与されてもよく、その各々が本明細書において定義されている。コルチコステロイド、NSAID (例えば、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、アスピリン、スリンダク、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、ナブメトン、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸ナトリウム、サリチルサリチル酸(サルサレート)、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナミン酸ナトリウム、メロキシカム、オキサプロジン、スリンダクおよびトルメチン)、COX-2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブおよびルミラコキシブ)、生物製剤(例えば、アバタセプト、アデリムマブ、アトリズマブ、CDP-870、セルトリズマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ(inflixamab)、リツキシマブおよびトシリズマブ)、小分子免疫調節物質(例えば、VX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカサン、ミコフェノレートおよびメリメポジブ)、DMARD (例えば、メトトレキセート、レフルノミド、ミノサイクリン、オーラノフィン、金チオリンゴ酸ナトリウム、アウロチオグルコースおよびアザチオプリン)、キサンチン(例えば、テオブロミン、テオフィリン、アミノフィリンおよびカフェイン)、NsIDI (例えば、シクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムスおよびISAtx247)、ビタミンD類似体(例えば、カルシポトリオール、タカルシトールおよびマキサカルシトール)、ソラレン(例えば、メトキサレンおよびトリオキシサレン)、レチノイド(例えば、トレチノイン、イソトレチノインおよびアシトレチン(acetretin))、5-アミノサリチル酸(例えば、メサラミン、スルファサラジン、バルサラジド2ナトリウムおよびオルサラジンナトリウム)、硫酸ヒドロキシクロロキン、ペニシラミン、またはその類似体のような、一つまたは複数の他の化合物を同じく患者に投与することが望ましいかもしれない。
【0107】
組み合わせ療法において、組み合わせの各成分の投与量および投与頻度は独立的に制御することができる。例えば、一つの化合物を1日3回投与し、一方でもう一つの化合物を1日1回投与することができる。組み合わせ療法は、患者の身体が未だ予見できない任意の副作用から回復する機会を有するように、休止期間を含む断続的なサイクルで施すことができる。1回の投与で両方の化合物が送達されるように、化合物を一緒に製剤化することもできる。
【0108】
化合物は錠剤、カプセル剤、エリキシル剤もしくはシロップ剤の形態で経口的に、または坐剤の形態で経直腸的に投与することができる。化合物の非経口投与は、例えば、食塩水の形態でまたは化合物をリポソームに組み入れて行われることが適している。化合物それ自体が溶解されるのに十分可溶性でない場合、エタノールのような可溶化剤を適用することができる。
【0109】
本発明の方法、組成物およびキットは他の方法、組成物およびキットよりも有効であることが望ましい。
【0110】
変形性関節炎
本発明の方法、組成物およびキットは変形性関節炎、またはそれに関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹の処置に使用することができる。必要なら、変形性関節炎を処置するのに通常使用される一つまたは複数の薬剤を本発明の方法、組成物およびキットにおいて、コルチコステロイドの代わりとしてまたはコルチコステロイドに加えて使用することができる。そのような薬剤はNSAID (例えば、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、アスピリン、スリンダク、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、ナブメトン、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸ナトリウム、サリチルサリチル酸(サルサレート)、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナミン酸ナトリウム、メロキシカム、オキサプロジン、スリンダクおよびトルメチン)、COX-2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブおよびルミラコキシブ)、生物製剤(例えば、アバタセプト、アデリムマブ、アトリズマブ、CDP-870、セルトリズマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ(inflixamab)、リツキシマブおよびトシリズマブ)、小分子免疫調節物質(例えば、VX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカサン、ミコフェノレートおよびメリメポジブ)、DMARD (例えば、メトトレキセート、レフルノミド、ミノサイクリン、オーラノフィン、金チオリンゴ酸ナトリウム、アウロチオグルコースおよびアザチオプリン)、キサンチン(例えば、テオブロミン、テオフィリン、アミノフィリンおよびカフェイン)、NsIDI (例えば、シクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムスおよびISAtx247)、ビタミンD類似体(例えば、カルシポトリオール、タカルシトールおよびマキサカルシトール)、ソラレン(例えば、メトキサレンおよびトリオキシサレン)、レチノイド(例えば、トレチノイン、イソトレチノインおよびアシトレチン(acetretin))、5-アミノサリチル酸(例えば、メサラミン、スルファサラジン、バルサラジド2ナトリウムおよびオルサラジンナトリウム)、硫酸ヒドロキシクロロキン、ペニシラミン、またはその類似体を含む。したがって、一つの態様において、本発明は変形性関節炎、またはそれに関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹の処置のための、上記の薬剤のいずれかとの四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子の組み合わせ、ならびに方法およびキットを特徴とする。
【0111】
組成物の製剤
本発明の組み合わせの投与は、任意の適当な手段によることができる。当該化合物は任意の適当な担体物質の中に任意の適当な量で含有されてもよく、一般には組成物の全重量の1〜95重量%の量で存在する。組成物は経口の、非経口(例えば、静脈内、筋肉内)の、直腸の、皮膚の、経鼻の、膣内の、吸入、皮膚(パッチ)の、または眼内の投与経路に適した剤形で提供することができる。したがって、組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、懸濁液、乳濁液、溶液、ヒドロゲルを含むゲル、ペースト、軟膏、クリーム、硬膏剤、水薬、浸透圧送達装置、坐剤、浣腸、注射剤、インプラント、スプレイまたはエアロゾルの形態であってよい。組成物は従来の薬学的実践にしたがって製剤化することができる(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, 2000, ed. A.R. Gennaro, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia、およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, eds. J. Swarbrick and J. C. Boylan, 1988-1999, Marcel Dekker, New Yorkを参照のこと)。
【0112】
組み合わせの各化合物は、当技術分野において公知のさまざまな様式で製剤化することができる。例えば、第一および第二の薬剤を一緒にまたは別々に製剤化することができる。第一および第二の薬剤は薬剤の同時投与またはほぼ同時投与のため一緒に製剤化されることが望ましい。そのような同時製剤化の組成物は、例えば、同じ丸剤、カプセル剤、液体または他の製剤の中に一緒に製剤化された四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子およびコルチコステロイドを含むことができる。「四置換ピリミドピリミジン/コルチコステロイド」の製剤化をいう場合、利用される製剤化技術は組み合わせの個々の薬剤、および本発明の他の組み合わせ(例えば、四置換ピリミドピリミジン/NSAIDまたは四置換ピリミドピリミジン/NsIDI)の製剤化にも有用であると理解されるべきである。異なる薬剤に対して異なる製剤化戦略を用いることにより、各薬剤の薬物動態特性を適当に調和させることができる。
【0113】
個々にまたは別々に製剤化された薬剤をキットとして一緒に包装することができる。限定するものではない例としては、例えば、2つの丸剤、丸剤および散剤、坐剤およびバイアル中の液体、2つの局所クリームを含むキットが挙げられる。キットは、例えば、散剤形状を再構成するためのバイアル、注射用の注射器、個別調整されたIV送達系、または吸入器のような、患者への単位用量の投与に役立つ任意の成分を含むことができる。さらに、単位用量キットは組成物の調製および投与に関する使用説明書を含むことができる。
【0114】
キットは患者一人に向けた単回使用の単位用量、特定の患者に向けた複数回使用のもの(一定用量でもしくは治療の進行に合わせて個々の化合物は効力が変化するかもしれない)として製造されてもよく; またはキットは複数の患者への投与に適した複数用量を含んでもよい(「バルク包装」)。キット成分はカートン、ブリスター包装、ボトル、チューブなどの中にまとめられてもよい。
【0115】
制御および/または持続放出製剤
活性薬剤の一方または両方が制御および/または持続放出に向けて製剤化されている本発明の組み合わせのいずれか一つ、例えば、四置換ピリミドピリミジン/コルチコステロイドの組み合わせの投与は、例えば、四置換ピリミドピリミジンまたは第二の薬剤が(i) 狭い治療指数(例えば、有害な副作用もしくは毒性反応につながる血漿濃度と、治療効果につながる血漿濃度との間の差が小さい; 一般に、治療指数TIは半有効量(ED50)に対する半致死量(LD50)の比と定義されている); (ii) 胃腸管における狭い吸収ウィンドウ; (iii) 短い生物学的半減期を有する; または(iv) 一緒に使用される場合、筋骨格障害、または関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹を処置するのに治療上有効である量にまで、各成分の薬物動態特性が各薬剤の寄与を最大にするよう改変されなければならない場合に、有用である。したがって、両薬剤の血漿レベルを治療レベルに維持するために必要とされうる頻繁な投薬を回避するため、徐放性製剤を使用することができる。例えば、本発明の好ましい経口組成物では、本発明の組み合わせの一方または両方の薬剤に対して10から20時間の半減期および平均滞留時間が観察される。
【0116】
治療化合物の放出速度が代謝速度を上回る制御および/または持続放出を得るために、多くの戦略を実行することができる。例えば、制御放出は製剤パラメータおよび成分の適切な選択(例えば、適当な制御放出組成物およびコーティング)により得ることができる。例としては、単一または複数単位の錠剤またはカプセル剤組成物、油溶液、懸濁液、乳濁液、マイクロカプセル、マイクロスフェア、ナノ粒子、パッチおよびリポソームが挙げられる。四置換ピリミドピリミジンもしくはアデノシン活性上方制御因子および/または併用化合物(例えば、本明細書において記述されているように、コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、ペニシラミンおよびその類似体)が周期的な間隔で放出されるように、放出機構を制御することができる。放出は同時であってもよく; または、一方の特定薬剤の早期放出がもう一方よりも望ましい場合、組み合わせの薬剤の一方の遅延放出をもたらしてもよい。
【0117】
四置換ピリミドピリミジン/併用化合物の組み合わせがコルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキンまたはペニシラミンのような、一つまたは複数のさらなる化合物と組み合わされる場合、さらなる化合物の放出機構は、本明細書において記述されている四置換ピリミドピリミジン/併用化合物の組み合わせの放出機構のように制御されてもよく、周期的な間隔で同様に放出される。放出は同時であってもよく; または、一方の特定薬剤の早期放出がもう一方よりも望ましい場合、組み合わせの薬剤の一方の遅延放出をもたらしてもよい。
【0118】
血中での四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子の一定レベルを得ることが必要とされる場合、この活性物質を安定した速度で放出可能にするペレットの形態での四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子から始めることが有利であろう。例えば、ジピリダモールペレットをアセチルサリチル酸と一緒に処理して、対応する薬物製剤(drug preparations)を形成させることができる。アセチルサリチル酸が最初に放出されるべきであると意図されるなら、ジピリダモールペレットは、この活性物質の放出を遅延させるコーティングでコーティングすることができ、アセチルサリチル酸を含有する核は、胃液に可溶性であるコーティングでコーティングすることができる。活性物質の制御放出を有するジピリダモールペレットの場合は、米国特許第4,367,217号に示されている指示にしたがって調製されたペレットを使用することが特に有利である。
【0119】
制御および/または持続放出製剤は、分解性もしくは非分解性のポリマー、ヒドロゲル、オルガノゲル、または薬剤の生体吸収、半減期もしくは生体分解を改変する他の物理的構築体を含んでもよい。制御および/または持続放出製剤は患部に、内部からまたは外部から、塗布されるまたは別の方法で適用される材料であってもよい。一例を挙げれば、本発明は、関心対象の部位にまたはその近傍に(例えば、関節炎を起こした関節の近位に)外科的に挿入される生体分解性の巨丸剤またはインプラントを提供する。もう一例を挙げれば、制御放出製剤のインプラントは、臓器内に挿入することができる。
【0120】
本発明の組み合わせのいずれか一つの制御放出製剤において、ヒドロゲルを使用することができる。そのようなポリマーは、少なくとも一つの分解性領域で分けられた重合可能な、非分解性領域を有するマクロマーから形成される。例えば、米国特許第5,626,863号に記述されている通り、分解によって、非分解性領域(具体的には重合ゲル)が分離されるように、水溶性の、非分解性領域はマクロマーの中心核を形成し、核に付着された少なくとも二つの分解性領域を有しうる。ヒドロゲルとしてはアクリレートを挙げることができ、これはエオシン色素、紫外または可視光線のようないくつかの開始系によって容易に重合されうる。ヒドロゲルとしてはポリエチレングリコール(PEG)を挙げることもでき、これは高度に親水性かつ生体適合性である。ヒドロゲルとしてはオリゴグリコール酸を挙げることもでき、これはエステル結合の加水分解によって非毒性代謝物であるグリコール酸に容易に分解されうるポリ(α-ヒドロキシ酸)である。他の鎖伸長部はポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物およびポリペプチドを含むことができる。制御された速度での送達に向けて本発明のさまざまな組み合わせを捕捉し、均質に分散するために使用できる生体分解性のネットワークに、ネットワーク全体をゲル化することができる。
【0121】
キトサンおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)とのキトサンの混合物は、例えば、Inouye et al., Drug Design and Delivery 1: 297-305, 1987により記述されているように、薬物の徐放用の媒体として用いられている。これらの化合物および上記の組み合わせのいずれか一つの薬剤の混合物は、200 kg/cm2で圧縮されると、被検者への投与後に活性薬剤がゆっくり放出される錠剤になる。放出特性はキトサン、CMC-Naおよび活性薬剤の比率を変化させることで変えることができる。錠剤はラクトース、CaHPO4二水和物、スクロース、結晶セルロースまたはクロスカルメロースナトリウムを含め、他の添加物を含有することもできる。いくつかの例を表1に示す。
【0122】
(表1)

【0123】
Baichwalは米国特許第6,245,356号のなかで、非晶形の治療上活性な薬物の凝集粒子、ゲル化剤、イオン化可能なゲル強度増強剤および不活性希釈剤を含む、徐放性経口固体剤形について記述している。ゲル化剤はキサンタンガムおよび周囲の液体に曝露されるとキサンタンガムと架橋結合できるローカストビーンガムの混合物でありうる。好ましくは、イオン化可能なゲル増強剤は、キサンタンガムとローカストビーンガムとの間の架橋結合の強度を増強するように作用し、それによって製剤の薬物成分の放出を長引かせる。キサンタンガムおよびローカストビーンガムに加えて、同様に使用可能な許容されるゲル化剤は、当技術分野において周知のゲル化剤を含む。例としてはアルギネート、カラギーナン、ペクチン、グアーガム、加工デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、および他のセルロース材料のような、天然のもしくは改変された天然のガム、または例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルセルロースのようなポリマー、ならびに前記の混合物が挙げられる。
【0124】
本発明の組み合わせに有用な別の製剤において、BaichwalおよびStaniforthは米国特許第5,135,757号のなかで、ヘテロ多糖(例えば、キサンタンガムまたはその誘導体のような)および水溶液の存在下においてヘテロ多糖と架橋結合できる多糖材料(例えば、ガラクトマンナンおよび最も好ましくはローカストビーンガム)を含んだ約20〜70重量%またはそれ以上の重量%の親水性材料、ならびに約30〜80重量%の不活性な薬学的増量剤(例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、キシリトール、フルクトースまたはその混合物のような)を含む、薬学的賦形剤として用いられる自由流動性の徐放顆粒形成について記述している。賦形剤を本発明の組み合わせ、または組み合わせ薬剤と混合した後に、混合物を錠剤のような固体の剤形に直接圧縮する。このようにして形成された錠剤は、摂取されて胃液に曝露されると、薬物をゆっくり放出する。薬物に対する賦形剤の量を変化させることで、徐放性を得ることができる。
【0125】
本発明の組み合わせに有用な別の製剤において、Shellは米国特許第5,007,790号のなかで、薬物の溶解性によって制御される速度で溶液状態の薬物を放出する徐放性の経口薬剤形について記述している。この剤形は、投与期間にわたって物理的な完全性を維持するが、その後、急速に溶解する親水性の、水膨潤性架橋ポリマーの中に溶解性が限られた薬物(例えば、プレドニゾロン、または本発明において有用なその他任意の薬剤のような)の複数個の分散粒子を含んだ錠剤またはカプセル剤を含む。摂取されると、粒子は膨潤して胃滞留を促進し、胃液が粒子に浸透し、薬物を溶解し、粒子から薬物を浸出させることを可能にし、固体状態の薬物よりも胃による忍容性が一般的に高い溶液状態で、薬物が胃に達することを確実にする。プログラムされた、ポリマーの最終的溶解は、ポリマーの性質および架橋結合の程度に依存する。ポリマーは非繊維性かつその非架橋状態で実質的に水溶性であり、架橋結合の程度は所望とされる期間、通常は少なくとも約4時間から8時間またはさらに12時間だが、この選択は組み入れられた薬物および関連する医学的処置に依存する期間、ポリマーが不溶のままであることを可能とするのに十分である。本発明において使用できる適当な架橋ポリマーの例は、ゼラチン、アルブミン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびキチンである。ポリマーに応じて、架橋結合は熱処理もしくは放射線処理によってまたはアルデヒド、ポリアミノ酸、金属イオンなどのような架橋剤の使用を通じて達成することができる。
【0126】
本発明の組み合わせのいずれかの製剤において有用なpH制御胃腸薬送達のためのシリコンマイクロスフェアが、Carelli et al., Int. J. Pharmaceutics 179: 73-83, 1999により記述されている。そのように記述されたマイクロスフェアは、サイズ範囲500〜1000 μmのシリコンマイクロスフェアの中にカプセル封入されている種々の割合のポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) (Eudragit L100またはEudragit S100)および架橋ポリエチレングリコール8000で作られたpH感受性の半相互貫入ポリマーヒドロゲルである。
【0127】
徐放製剤は、水易溶性ではないが、水によってゆっくり攻撃され除去される、または水がゆっくり浸透しうるコーティングを含むことができる。したがって、例えば、本発明の組み合わせはKitamoriら(米国特許第4,036,948号)によって記述されているような、連続流動条件の下で結合剤の溶液によりスプレイコーティングすることができる。水溶性結合剤はα化(pregelatinized)デンプン(例えば、α化トウモロコシデンプン、α化ジャガイモデンプン)、α化加工デンプン、水溶性セルロース(例えば、ヒドロキシプロピル-セルロース、ヒドロキシメチル-セルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、カルボキシメチル-セルロース)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン、アラビアガムおよびゼラチン、ならびにセルロース誘導体(例えば、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチル-フタル酸セルロース、エチルセルロース)のような、有機溶媒溶解性の結合剤を含む。
【0128】
徐放性を有する、本発明の組み合わせ、またはその成分は、スプレイ乾燥技術によって製剤化することもできる。一例を挙げれば、Espositio et al., Pharm. Dev. Technol. 5: 267-78, 2000により記述されているように、プレドニゾロンは、小型スプレイ乾燥機、モデル190 (Buchi, Laboratorium Technik AG, Flawil, Germany)を用いてメチアクリレート(methyacrylate)微小粒子(Eudragit RS)の中にカプセル封入されている。微小粒子形成に最適な条件は、アセトニトリル10 mL中にプレドニゾロン50 mgを含有する溶液を0.5 mL/分の供給(ポンプ)速度、噴霧空気600 L/時間の流速、80℃での乾燥空気温度加熱、および吸引乾燥空気28 m3/時間の流速であることが分かった。
【0129】
徐放性の組み合わせのさらに別の形態は、微小透析セルとして働く膜中での組み合わせ薬剤粒子のマイクロカプセル封入によって調製することができる。そのような製剤において、胃液はマイクロカプセル壁に浸透してマイクロカプセルを膨潤させ、活性薬剤を透析により浸出させる(例えば、Tsuei et al.、米国特許第5,589,194号を参照のこと)。市販されているこの種の徐放性システムの一つは、アカシアガム/ゼラチン/エチルアルコールの膜を有するマイクロカプセルからなる。この製品はEurand Limited (France)から商標名Diffucaps(商標)で入手可能である。このように製剤化されたマイクロカプセルは、従来のゼラチンカプセルの中で運ばれてもよく、または錠剤化されてもよい。
【0130】
他の持続放出製剤の例は米国特許第5,422,123号に記述されている。したがって、ジピリダモールのような四置換ピリミドピリミジン、またはアデノシン活性上方制御因子である活性物質の制御放出システムは、(a) 有効量の活性物質を含むかつ規定の幾何学的形状を有する貯蔵核(deposit-core)、ならびに(b) 少なくとも活性物質と、(1) 膨潤性ポリマー材料のゲル化可能なポリマー材料との比が1:9〜9:1の範囲にある、水または水性の液体との接触により膨潤するポリマー材料およびゲル化可能なポリマー材料、ならびに(2) 膨潤化性もゲル化性もともに有する単一のポリマー材料からなる群より選択される少なくとも一つの成員とを含有する貯蔵核に適用された支持プラットホームであって、貯蔵核の表面を部分的に覆う、かつ貯蔵核の水和による変化に従う、かつ水性の液体中でゆっくり可溶性および/またはゆっくりゲル化可能であるように該貯蔵核に適用された、弾性支持体である支持プラットホームを含むことができる。支持プラットホームはヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなポリマー、グリセリドのような可塑剤、ポリビニルピロリドンのような結合剤、ラクトースおよびシリカのような親水性物質、ならびに/またはステアリン酸マグネシウムおよびグリセリドのような疎水性物質を含んでもよい。ポリマーは典型的には支持プラットホームの、重量で30〜90%、例えば約35〜40%を構成する。可塑剤は支持プラットホームの、重量で少なくとも2%、例えば約15〜20%を構成してもよい。結合剤、親水性物質および疎水性物質は典型的には、合計して支持プラットホームの、重量で約50%、例えば約40〜50%となる。
【0131】
炎症性腸疾患の治療用のブデソニド制御放出製剤(3 mgのカプセル)は、AstraZenecaから入手可能である(Entocort (商標)として販売されている)。コルチコステロイドに有用な徐放性製剤は米国特許第5,792,476号にも記述されており、この製剤は少なくとも90重量%の糖質コルチコイドが、患者の小腸への該糖質コルチコイドの移行から約1〜3時間後に始まって約40〜80分の時間内に放出されるような、調節された徐放性を有する活性物質として糖質コルチコイド2.5〜7 mgを含む。活性物質のこれらの低用量レベルを可能にするためには、活性物質、すなわちプレドニゾロンまたはプレドニゾンのような、糖質コルチコイドを微粉化し、デンプンおよびラクトースのような、公知の希釈剤と適当に混合し、PVP (ポリビニルピロリドン)とともに顆粒化する。さらに、pH 6.8に耐性を示す徐放性の内層およびpH 1.0に耐性を示す徐放性の外層で顆粒を積層する。内層はEudragit (登録商標) RL (第四級アンモニウム基の含量が低いアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとのコポリマー)で作られており、外層はEudragit (登録商標) L (メタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルから合成されたアニオンポリマー)で作られている。
【0132】
本明細書において記述されている組み合わせのいずれか一つのために二層錠を製剤化することができ、この場合には、組み合わせの各薬剤で異なる個別の顆粒化を行い、二つの薬剤を二層プレスで圧縮して単一の錠剤を形成させる。例えば、制御放出のために製剤化されたジピリダモール90 mg、180 mg、200 mg、360 mgまたは400 mgを、t1/2がジピリダモールのt1/2に近づくように製剤化されているプレドニゾロン3 mgと同じ錠剤中で組み合わせることができる。二層錠で使用されるものを含めて、持続放出製剤の例は、米国特許第6,548,084号のなかで見出すことができる。シクロデキストリンはα-(1,4)結合中に天然のD(+)-グルコピラノース単位を含有する環状多糖である。それぞれ6、7または8つのグルコピラノース単位を含有するアルファ-、ベータ-およびガンマ-シクロデキストリンが最もよく使用され、適当な例は国際公開公報第91/11172号、同第94/02518号および同第98/55148号に記述されている。構造的には、シクロデキストリンの環状の性質が、非極性または疎水性の内部空洞を有する円環またはドーナツ様の形状を形成し、第二級ヒドロキシル基がシクロデキストリンの円環の片側に位置し、第一級ヒドロキシル基が反対側に位置する。第二級ヒドロキシル基が位置する側は第一級ヒドロキシル基が位置する側よりも大きな直径を有する。シクロデキストリンの内部空洞が疎水性であるため、さまざまな化合物の包接が可能になる。(Comprehensive Supramolecular Chemistry, Volume 3, J. L. Atwood et al., eds., Pergamon Press (1996); Cserhati, Analytical Biochemistry 225: 328-32, 1995; Husain et al., Applied Spectroscopy 46: 652-8, 1992)。シクロデキストリンの疎水性空洞に適合しうるさまざまな薬物との包接複合体を形成することにより、または他の生物学的に活性な分子と非共有結合複合体を形成することにより、シクロデキストリンはさまざまな治療化合物の送達媒体として使用されている。米国特許第4,727,064号は、実質的に水溶性が低い薬物と、薬物が混合物のシクロデキストリンと包接複合体を形成している、非晶質の水溶性シクロデキストリンに基づく混合物とからなる薬学的製剤(pharmaceutical preparations)について記述している。
【0133】
薬物-シクロデキストリン複合体の形成は、薬物の溶解性、溶解速度、生物学的利用能および/または安定性の特性を改変することができる。
【0134】
スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(SBE-β-CD、CyDex, Inc, Overland Park, KSから商業的に利用可能であり、CAPTISOL (登録商標)として販売されている)も本発明の組み合わせ薬剤の徐放性製剤の調製における補助として使用することができる。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースマトリックス中で圧縮されたプレドニゾロンおよびSBE-β-CDを含む徐放錠が調製されている(Rao et al., J. Pharm. Sci. 90: 807-16, 2001を参照のこと)。さまざまなシクロデキストリンの使用の別の例において、EP 1109806 B1はパロキセチンのシクロデキストリン複合体について記述しており、ここでは無水または水和物の形のα-、γ-またはβ-シクロデキストリン(エプタキス(2-6-ジ-O-メチル)-β-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-メチル)-β-シクロデキストリン、モノスクシニルエプタキス(2,6-ジ-O-メチル)-β-シクロデキストリンまたは2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む)が薬剤のシクロデキストリンとの複合体比1:0.25〜1:20を形成した。
【0135】
米国特許出願第10/021,294号および同第10/021,312号に記述されているように、ポリマーシクロデキストリンも調製されている。そのように形成されたシクロデキストリンポリマーは本発明の組み合わせ薬剤の製剤化に有用でありうる。これらの多機能性のポリマーシクロデキストリンはInsert Therapeutics, Inc., Pasadena, CAから市販されている。
【0136】
薬剤との直接的な複合体形成の代わりとして、シクロデキストリンを補助添加剤として、例えば、担体、希釈剤または可溶化剤として使用することができる。シクロデキストリンおよび本発明の組み合わせの他の薬剤を含む製剤を、本明細書において記述されているシクロデキストリン製剤の調製と同様の方法により調製することができる。
【0137】
リポソーム製剤
本発明の組み合わせのいずれか一つの一方もしくは両方の成分、または二つもしくはそれ以上の薬剤の混合物を一緒に、投与用のリポソーム担体に組み入れることができる。リポソーム担体は三つの一般的なタイプの小胞形成脂質成分からなる。第一のものは、リポソームにおける小胞構造の大部分を形成する小胞形成脂質を含む。一般に、これらの小胞形成脂質は疎水性および極性頭部基の部分を有する任意の両親媒性脂質を含み、これは(a) リン脂質によって例示されるように、水中で二層性小胞を自発的に形成することができるか、または(b) その疎水性部分が二重層膜の内側の疎水性領域に接触し、その極性頭部基の部分が膜の外側の極性表面に向くようにして、脂質二重層に安定的に組み入れられている。
【0138】
このタイプの小胞形成脂質は、好ましくは二つの炭化水素鎖、典型的にはアシル鎖、および極性頭部基を有するものである。この部類に含まれるのはホスファチジルコリン(PC)、PE、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルイノシトール(PI)、およびスフィンゴミエリン(SM)のような、リン脂質であり、この場合、二つの炭化水素鎖が典型的には約14〜22個の炭素原子長であり、かつさまざまな不飽和度を有する。アシル鎖がさまざまな飽和度を有する上記の脂質およびリン脂質は、商業的に入手することができ、または公表済みの方法にしたがって調製することができる。本発明において含まれうる他の脂質は、糖脂質およびコレステロールのような、ステロールである。
【0139】
第二の一般的成分は、組成物中でポリマー層を形成するポリマー鎖で誘導体化されている小胞形成脂質を含む。第二の一般的な小胞形成脂質成分として使用できる小胞形成脂質は、第一の一般的な小胞形成脂質成分について記述されているもののいずれかである。リン脂質のような、ジアシル鎖を有する小胞形成脂質が好ましい。例示的なリン脂質の一つは、活性化ポリマーとのカップリングに好都合な反応性アミノ基を供与するホスファチジルエタノールアミン(PE)である。例示的なPEはジステアリルPE (DSPE)である。
【0140】
誘導体化脂質において好ましいポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、好ましくは1,000〜15,000ダルトンの、より好ましくは2,000〜10,000ダルトンの、最も好ましくは2,000〜5,000ダルトンの分子量を有するPEG鎖である。適当でありうる他の親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミドおよびポリジメチルアクリルアミド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ならびにヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースのような、誘導体化セルロースを含む。
【0141】
さらに、とりわけPEGセグメントを含め、これらのポリマーのブロックコポリマーまたはランダムコポリマーが適当でありうる。PEGのような、親水性ポリマーで誘導体化された脂質を調製する方法は、例えば、米国特許第5,013,556号に記述されているように、周知である。
【0142】
任意である第三の一般的な小胞形成脂質成分は、脂質アンカーであり、これによって標的化部分がアンカー中のポリマー鎖を通じリポソームに固定される。さらに、標的化基は、標的部分の生物学的活性が失われないような様式で、ポリマー鎖の遠位末端に位置する。脂質アンカーは、リポソーム二重層表面の外層中の脂質を固定するのに役立つ疎水性部分、ポリマー内側の末端が共有結合的に付着される極性頭部基、および標的化部分との共有結合性カップリングのために活性化されるまたはされうる遊離(外側)ポリマー末端を有する。これらのタイプの脂質アンカー分子の調製法を以下に記述する。
【0143】
リポソームの形成において使用される脂質成分は約70〜90パーセントの小胞形成脂質、1〜25パーセントのポリマー誘導体化脂質、および0.1〜5パーセントの脂質アンカーのモル比で存在することが好ましい。例示的製剤の一つは50〜70モルパーセントの非誘導体化PE、20〜40モルパーセントのコレステロール、0.1〜1モルパーセントの、標的化部分とのカップリングのため遊離末端に化学的に反応性の基を有するPE-PEG (3500)ポリマー、5〜10モルパーセントの、PEG 3500ポリマー鎖で誘導体化されたPE、および1モルパーセントのアルファ-トコフェロールを含む。
【0144】
リポソームは、選択されたサイズ範囲の、典型的には約0.03〜0.5ミクロンの実質的に均一なサイズを有するように調製されることが好ましい。REVおよびMLVに有効な分粒法の一つは0.03〜0.2ミクロンの範囲の、典型的には0.05、0.08、0.1または0.2ミクロンの、選択された均等な孔径を有する一連のポリカーボネート膜を通じたリポソーム水性懸濁液の押し出しを含む。
【0145】
膜の孔径は、調製物が同じ膜を通じて二回またはそれ以上の回数押し出される場合には特に、その膜を通じた押し出しにより作出されたリポソームの最大径におおよそ対応する。ホモジナイゼーション法は同様に、リポソームを100 nmまたはそれ以下のサイズに小型化するのに有用である。
【0146】
本発明のリポソーム製剤は少なくとも一つの界面活性剤を含む。本明細書において記述されているさまざまな組み合わせの製剤に有用である適当な界面活性剤は、下記の部類に属する化合物を含む: ポリエトキシル化脂肪酸、PEG-脂肪酸ジエステル、PEG-脂肪酸モノエステルおよびジエステル混合物、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、アルコール-油エステル交換生成物、ポリグリセリン脂肪酸エステル(polyglycerized fatty acids)、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステルおよびグリセロールエステルの混合物、モノおよびジグリセリド、ステロールおよびステロール誘導体、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、ならびにイオン界面活性剤。各クラスの賦形剤の市販の例を以下に示す。
【0147】
ポリエトキシル化脂肪酸を本明細書において記述されている組み合わせのいずれか一つの製剤のための賦形剤として使用することができる。市販のポリエトキシル化脂肪酸モノエステル界面活性剤の例としては、モノラウリル酸PEG 4-100 (Crodet Lシリーズ、Croda)、モノオレイン酸PEG 4-100 (Crodet Oシリーズ、Croda)、モノステアリン酸PEG 4-100 (Crodet Sシリーズ、Croda、およびMyrjシリーズ、Atlas/ICI)、ジステアリン酸PEG 400 (Cithrol 4DSシリーズ、Croda)、モノラウリン酸PEG 100、200、または300 (Cithrol MLシリーズ、Croda)、モノオレイン酸PEG 100、200、または300 (Cithrol MOシリーズ、Croda)、ジオレイン酸PEG 400 (Cithrol 4DOシリーズ、Croda)、モノステアリン酸PEG 400〜1000 (Cithrol MSシリーズ、Croda)、ステアリン酸PEG-1 (Nikkol MYS-1EX、Nikko、およびCoster K1、Condea)、ステアリン酸PEG-2 (Nikkol MYS-2、Nikko)、オレイン酸PEG-2 (Nikkol MYO-2、Nikko)、ラウリン酸PEG-4 (Mapeg (登録商標) 200 ML、PPG)、オレイン酸PEG-4 (Mapeg (登録商標) 200 MO、PPG)、ステアリン酸PEG-4 (Kessco (登録商標) PEG 200 MS、Stepan)、ステアリン酸PEG-5 (Nikkol TMGS-5、Nikko)、オレイン酸PEG-5 (Nikkol TMGO-5、Nikko)、オレイン酸PEG-6 (Algon OL 60、Auschem SpA)、オレイン酸PEG-7 (Algon OL 70、Auschem SpA)、ラウリン酸PEG-6 (Kessco (登録商標) PEG300 ML、Stepan)、ラウリン酸PEG-7 (Lauridac 7、Condea)、ステアリン酸PEG-6 (Kessco (登録商標) PEG300 MS、Stepan)、ラウリン酸PEG-8 (Mapeg (登録商標) 400 ML、PPG)、オレイン酸PEG-8 (Mapeg (登録商標) 400 MO、PPG)、ステアリン酸PEG-8 (Mapeg (登録商標) 400 MS、PPG)、オレイン酸PEG-9 (Emulgante A9、Condea)、ステアリン酸PEG-9 (Cremophor S9、BASF)、ラウリン酸PEG-10 (Nikkol MYL-10、Nikko)、オレイン酸PEG-10 (Nikkol MYO-10、Nikko)、ステアリン酸PEG-12 (Nikkol MYS-10、Nikko)、ラウリン酸PEG-12 (Kessco (登録商標) PEG 600 ML、Stepan)、オレイン酸PEG-12 (Kessco (登録商標) PEG 600 MO、Stepan)、リシノール酸PEG-12 (CAS #9004-97-1)、ステアリン酸PEG-12 (Mapeg (登録商標) 600 MS、PPG)、ステアリン酸PEG-15 (Nikkol TMGS-15、Nikko)、オレイン酸PEG-15 (Nikkol TMGO-15、Nikko)、ラウリン酸PEG-20 (Kessco (登録商標) PEG 1000 ML、Stepan)、オレイン酸PEG-20 (Kessco (登録商標) PEG 1000 MO、Stepan)、ステアリン酸PEG-20 (Mapeg (登録商標) 1000 MS、PPG)、ステアリン酸PEG-25 (Nikkol MYS-25、Nikko)、ラウリン酸PEG-32 (Kessco (登録商標) PEG 1540 ML、Stepan)、オレイン酸PEG-32 (Kessco (登録商標) PEG 1540 MO、Stepan)、ステアリン酸PEG-32 (Kessco (登録商標) PEG 1540 MS、Stepan)、ステアリン酸PEG-30 (Myrj 51)、ラウリン酸PEG-40 (Crodet L40、Croda)、オレイン酸PEG-40 (Crodet O40、Croda)、ステアリン酸PEG-40 (Emerest (登録商標) 2715、Henkel)、ステアリン酸PEG-45 (Nikkol MYS-45、Nikko)、ステアリン酸PEG-50 (Myrj 53)、ステアリン酸PEG-55 (Nikkol MYS-55、Nikko)、オレイン酸PEG-100 (Crodet O-100、Croda)、ステアリン酸PEG-100 (Ariacel 165、ICI)、オレイン酸PEG-200 (Albunol 200 MO、Taiwan Surf.)、オレイン酸PEG-400 (LACTOMUL、Henkel)およびオレイン酸PEG-600 (Albunol 600 MO、Taiwan Surf.)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のポリエトキシル化脂肪酸の一つまたは複数を含んでもよい。
【0148】
ポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルを本明細書において記述されている組み合わせのいずれかのための賦形剤として使用することもできる。市販のポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルの例としては、ジラウリン酸PEG-4 (Mapeg (登録商標) 200 DL、PPG)、ジオレイン酸PEG-4 (Mapeg (登録商標) 200 DO、PPG)、ジステアリン酸PEG-4 (Kessco (登録商標) 200 DS、Stepan)、ジラウリン酸PEG-6 (Kessco (登録商標) PEG 300 DL、Stepan)、ジオレイン酸PEG-6 (Kessco (登録商標) PEG 300 DO、Stepan)、ジステアリン酸PEG-6 (Kessco (登録商標) PEG 300 DS、Stepan)、ジラウリン酸PEG-8 (Mapeg (登録商標) 400 DL、PPG)、ジオレイン酸PEG-8 (Mapeg (登録商標) 400 DO、PPG)、ジステアリン酸PEG-8 (Mapeg (登録商標) 400 DS、PPG)、ジパルミチン酸PEG-10 (Polyaldo 2PKFG)、ジラウリン酸PEG-12 (Kessco (登録商標) PEG 600 DL、Stepan)、ジステアリン酸PEG-12 (Kessco (登録商標) PEG 600 DS、Stepan)、ジオレイン酸PEG-12 (Mapeg (登録商標) 600 DO、PPG)、ジラウリン酸PEG-20 (Kessco (登録商標) PEG 1000 DL、Stepan)、ジオレイン酸PEG-20 (Kessco (登録商標) PEG 1000 DO、Stepan)、ジステアリン酸PEG-20 (Kessco (登録商標) PEG 1000 DS、Stepan)、ジラウリン酸PEG-32 (Kessco (登録商標) PEG 1540 DL、Stepan)、ジオレイン酸PEG-32 (Kessco (登録商標) PEG 1540 DO、Stepan)、ジステアリン酸PEG-32 (Kessco (登録商標) PEG 1540 DS、Stepan)、ジオレイン酸PEG-400 (Cithrol 4DOシリーズ、Croda)およびジステアリン酸PEG-400 (Cithrol 4DSシリーズ、Croda)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルの一つまたは複数を含んでもよい。
【0149】
PEG-脂肪酸モノ-およびジ-エステル混合物を本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することができる。市販のPEG-脂肪酸モノ-およびジ-エステル混合物の例としては、モノ、ジラウリン酸PEG 4-150 (Kessco (登録商標) モノ、ジラウリン酸PEG 200-6000、Stepan)、モノ、ジオレイン酸PEG 4-150 (Kessco (登録商標) モノ、ジオレイン酸PEG 200-6000、Stepan)およびモノ、ジステアリン酸PEG 4-150 (Kessco (登録商標) モノ、ジステアリン酸200-6000、Stepan)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のPEG-脂肪酸モノ-およびジ-エステル混合物の一つまたは複数を含んでもよい。
【0150】
さらに、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルを本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することができる。市販のポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルの例としては、ラウリン酸PEG-20グリセリル(Tagat (登録商標) L、Goldschmidt)、ラウリン酸PEG-30グリセリル(Tagat (登録商標) L2、Goldschmidt)、ラウリン酸PEG-15グリセリル(Glycerox Lシリーズ、Croda)、ラウリン酸PEG-40グリセリル(Glycerox Lシリーズ、Croda)、ステアリン酸PEG-20グリセリル(Capmul (登録商標) EMG、ABITEC)およびAldo (登録商標) MS-20 KFG、Lonza)、オレイン酸PEG-20グリセリル(Tagat (登録商標) O、Goldschmidt)ならびにオレイン酸PEG-30グリセリル(Tagat (登録商標) O2、Goldschmidt)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルの一つまたは複数を含んでもよい。
【0151】
アルコール-油エステル交換生成物を本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することもできる。市販のアルコール-油エステル交換生成物の例としては、PEG-3ヒマシ油(Nikkol CO-3、Nikko)、PEG-5、9および16ヒマシ油(ACCONON CAシリーズ、ABITEC)、PEG-20ヒマシ油(Emalex C-20、Nihon Emulsion)、PEG-23ヒマシ油(Emulgante EL23)、PEG-30ヒマシ油(Incrocas 30、Croda)、PEG-35ヒマシ油(Incrocas-35、Croda)、PEG-38ヒマシ油(Emulgante EL 65、Condea)、PEG-40ヒマシ油(Emalex C-40、Nihon Emulsion)、PEG-50ヒマシ油(Emalex C-50、Nihon Emulsion)、PEG-56ヒマシ油(Eumulgin (登録商標) PRT 56、Pulcra SA)、PEG-60ヒマシ油(Nikkol CO-60TX、Nikko)、PEG-100ヒマシ油、PEG-200ヒマシ油(Eumulgin (登録商標) PRT 200、Pulcra SA)、PEG-5硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-5、Nikko)、PEG-7硬化ヒマシ油(Cremophor WO7、BASF)、PEG-10硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-10、Nikko)、PEG-20硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-20、Nikko)、PEG-25硬化ヒマシ油(Simulsol (登録商標) 1292、Seppic)、PEG-30硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-30、Nikko)、PEG-40硬化ヒマシ油(Cremophor RH 40、BASF)、PEG-45硬化ヒマシ油(Cerex ELS 450、Auschem Spa)、PEG-50硬化ヒマシ油(Emalex HC-50、Nihon Emulsion)、PEG-60硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-60、Nikko)、PEG-80硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-80、Nikko)、PEG-100硬化ヒマシ油(Nikkol HCO-100、Nikko)、PEG-6トウモロコシ油(Labrafil (登録商標) M 2125 CS、Gattefosse)、PEG-6アーモンド油(Labrafil (登録商標) M 1966 CS、Gattefosse)、PEG-6杏仁油(Labrafil (登録商標) M 1944 CS、Gattefosse)、PEG-6オリーブ油(Labrafil (登録商標) M 1980 CS、Gattefosse)、PEG-6落花生油(Labrafil (登録商標) M 1969 CS、Gattefosse)、PEG-6硬化パーム核油(Labrafil (登録商標) M 2130 BS、Gattefosse)、PEG-6パーム核油(Labrafil (登録商標) M 2130 CS、Gattefosse)、PEG-6トリオレイン(Labrafil (登録商標) M 2735 CS、Gattefosse)、PEG-8トウモロコシ油(Labrafil (登録商標) WL 2609 BS、Gattefosse)、PEG-20トウモロコシグリセリド(Crovol M40、Croda)、PEG-20アーモンドグリセリド(Crovol A40、Croda)、トリオレイン酸PEG-25 (TAGAT (登録商標) TO、Goldschmidt)、PEG-40パーム核油(Crovol PK-70)、PEG-60トウモロコシグリセリド(Crovol M70、Croda)、PEG-60アーモンドグリセリド(Crovol A70、Croda)、PEG-4カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(Labrafac (登録商標) Hydro、Gattefosse)、PEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Labrasol、Gattefosse)、PEG-6カプリル酸/カプリン酸グリセリド(SOFTIGEN (登録商標) 767、Huls)、ラウロイルマクロゴール-32グリセリド(GELUCIRE 44/14、Gattefosse)、ステアロイルマクロゴールグリセリド(GELUCIRE 50/13、Gattefosse)、植物油およびソルビトールのモノ、ジ、トリ、テトラエステル(SorbitoGlyceride、Gattefosse)、テトライソステアリン酸ペンタエリトリチル(Crodamol PTIS、Croda)、ジステアリン酸ペンタエリトリチル(Albunol DS、Taiwan Surf.)、テトラオレイン酸ペンタエリトリチル(Liponate PO-4、Lipo Chem.)、テトラステアリン酸ペンタエリトリチル(Liponate PS-4、Lipo Chem.)、テトラカプリル酸テトラカプリン酸ペンタエリトリチル(Liponate PE-810、Lipo Chem.)ならびにテトラオクタン酸ペンタエリトリチル(Nikkol Pentarate 408、Nikko)が挙げられる。界面活性剤のこの範疇における油として同様に含まれるのは、ビタミンA、D、E、Kなどのような、油溶性ビタミンである。したがって、トコフェリルコハク酸PEG-1000 (TPGS、Eastmanから入手可能)のような、これらのビタミンの誘導体も適当な界面活性剤である。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のアルコール-油エステル交換生成物の一つまたは複数を含んでもよい。
【0152】
ポリグリセリン脂肪酸エステルを本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することもできる。市販のポリグリセリン脂肪酸エステルの例としては、ステアリン酸ポリグリセリル-2 (Nikkol DGMS、Nikko)、オレイン酸ポリグリセリル-2 (Nikkol DGMO、Nikko)、イソステアリン酸ポリグリセリル-2 (Nikkol DGMIS、Nikko)、オレイン酸ポリグリセリル-3 (Caprol (登録商標) 3GO、ABITEC)、オレイン酸ポリグリセリル-4 (Nikkol Tetraglyn 1-O、Nikko)、ステアリン酸ポリグリセリル-4 (Nikkol Tetraglyn 1-S、Nikko)、オレイン酸ポリグリセリル-6 (Drewpol 6-1-O、Stepan)、ラウリン酸ポリグリセリル-10 (Nikkol Decaglyn 1-L、Nikko)、オレイン酸ポリグリセリル-10 (Nikkol Decaglyn 1-O、Nikko)、ステアリン酸ポリグリセリル-10 (Nikkol Decaglyn 1-S、Nikko)、リシノール酸ポリグリセリル-6 (Nikkol Hexaglyn PR-15、Nikko)、リノール酸ポリグリセリル-10 (Nikkol Decaglyn 1-LN、Nikko)、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-6 (Nikkol Hexaglyn 5-O、Nikko)、ジオレイン酸ポリグリセリル-3 (Cremophor GO32、BASF)、ジステアリン酸ポリグリセリル-3 (Cremophor GS32、BASF)、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-4 (Nikkol Tetraglyn 5-O、Nikko)、ジオレイン酸ポリグリセリル-6 (Caprol (登録商標) 6G20、ABITEC)、ジオレイン酸ポリグリセリル-2 (Nikkol DGDO、Nikko)、トリオレイン酸ポリグリセリル-10 (Nikkol Decaglyn 3-O、Nikko)、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10 (Nikkol Decaglyn 5-O、Nikko)、セプタオレイン酸ポリグリセリル-10 (Nikkol Decaglyn 7-O、Nikko)、テトラオレイン酸ポリグリセリル-10 (Caprol (登録商標) 10G4O、ABITEC)、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10 (Nikkol Decaglyn 10-IS、Nikko)、デカオレイン酸ポリグリセリル-101 (Drewpol 10-10-O、Stepan)、モノ、ジオレイン酸ポリグリセリル-10 (Caprol (登録商標) PGE 860、ABITEC)およびポリリシノール酸ポリグリセリル(Polymuls、Henkel)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のポリグリセリン脂肪酸エステルの一つまたは複数を含んでもよい。
【0153】
さらに、プロピレングリコール脂肪酸エステルを本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することができる。市販のプロピレングリコール脂肪酸エステルの例としては、モノカプリル酸プロピレングリコール(Capryol 90、Gattefosse)、モノラウリン酸プロピレングリコール(Lauroglycol 90、Gattefosse)、オレイン酸プロピレングリコール(Lutrol OP2000、BASF)、ミリスチン酸プロピレングリコール(Mirpyl)、モノステアリン酸プロピレングリコール(LIPO PGMS、Lipo Chem.)、ヒドロキシステアリン酸プロピレングリコール、リシノール酸プロピレングリコール(PROPYMULS、Henkel)、イソステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール(Myverol P-O6、Eastman)、ジカプリル酸ジカプリン酸プロピレングリコール(Captex (登録商標) 200、ABITEC)、ジオクタン酸プロピレングリコール(Captex (登録商標) 800、ABITEC)、カプリル酸カプリン酸プロピレングリコール(LABRAFAC PG、Gattefosse)、ジラウリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸プロピレングリコール(Kessco (登録商標) PGDS、Stepan)、ジカプリル酸プロピレングリコール(Nikkol Sefsol 228、Nikko)およびジカプリン酸プロピレングリコール(Nikkol PDD、Nikko)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のプロピレングリコール脂肪酸エステルの一つまたは複数を含んでもよい。
【0154】
プロピレングリコールエステルおよびグリセロールエステルの混合物を本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することができる。一つの好ましい混合物はプロピレングリコールおよびグリセロールのオレイン酸エステルからなる(Arlacel 186)。これらの界面活性剤の例としてはオレイン酸エステル(ATMOS 300、ARLACEL 186、ICI)およびステアリン酸エステル(ATMOS 150)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のプロピレングリコールエステルおよびグリセロールエステルの混合物の一つまたは複数を含んでもよい。
【0155】
さらに、モノおよびジグリセリドを本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することができる。市販のモノおよびジグリセリドの例としては、モノパルミトレイン(C16:1) (Larodan)、モノエライジン(C18:1) (Larodan)、モノカプロイン(C6) (Larodan)、モノカプリリン(Larodan)、モノカプリン(Larodan)、モノラウリン(Larodan)、モノミリスチン酸グリセリル(C14) (Nikkol MGM、Nikko)、モノオレイン酸グリセリル(C18:1) (PECEOL、Gattefosse)、モノオレイン酸グリセリル(Myverol、Eastman)、モノオレイン酸/リノール酸グリセロール(OLICINE、Gattefosse)、モノリノール酸グリセロール(Maisine、Gattefosse)、リシノール酸グリセリル(Softigen (登録商標) 701、Huls)、モノラウリン酸グリセリル(ALDO (登録商標) MLD、Lonza)、モノパルミチン酸グリセロール(Emalex GMS-P、Nihon)、モノステアリン酸グリセロール(Capmul (登録商標) GMS、ABITEC)、モノおよびジオレイン酸グリセリル(Capmul (登録商標) GMO-K、ABITEC)、パルミチン酸/ステアリン酸グリセリル(CUTINA MD-A、ESTAGEL-G18)、酢酸グリセリル(Lamegin (登録商標) EE、Grunau GmbH)、ラウリン酸グリセリル(Imwitor (登録商標) 312、Huls)、クエン酸/乳酸/オレイン酸/リノール酸グリセリル(Imwitor (登録商標) 375、Huls)、カプリル酸グリセリル(Imwitor (登録商標) 308、Huls)、カプリル酸/カプリン酸グリセリル(Capmul (登録商標) MCM、ABITEC)、カプリル酸モノおよびジグリセリド(Imwitor (登録商標) 988、Huls)、カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Imwitor (登録商標) 742、Huls)、モノおよびジアセチル化モノグリセリド(Myvacet (登録商標) 9-45、Eastman)、モノステアリン酸グリセリル(Aldo (登録商標) MS、Arlacel 129、ICI)、モノおよびジグリセリドの乳酸エステル(LAMEGIN GLP、Henkel)、ジカプロイン(C6) (Larodan)、ジカプリン(C10) (Larodan)、ジオクタノイン(C8) (Larodan)、ジミリスチン(C14) (Larodan)、ジパルミチン(C16) (Larodan)、ジステアリン(Larodan)、ジラウリン酸グリセリル(C12) (Capmul (登録商標) GDL、ABITEC)、ジオレイン酸グリセリル(Capmul (登録商標) GDO、ABITEC)、脂肪酸のグリセロールエステル(GELUCIRE 39/01、Gattefosse)、ジパルミトレイン(C16:1) (Larodan)、1,2および1,3-ジオレイン(C18:1) (Larodan)、ジエライジン(C18:1) (Larodan)ならびにジリノレイン(C18:2) (Larodan)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のモノおよびジグリセリドの一つまたは複数を含んでもよい。
【0156】
ステロールおよびステロール誘導体を本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することもできる。市販のステロールおよびステロール誘導体の例としては、コレステロール、シトステロール、ラノステロール、PEG-24コレステロールエーテル(Solulan C-24、Amerchol)、PEG-30コレスタノール(Phytosterol GENEROLシリーズ、Henkel)、PEG-25フィトステロール(Nikkol BPSH-25、Nikko)、PEG-5ソヤステロール(Nikkol BPS-5、Nikko)、PEG-10ソヤステロール(Nikkol BPS-1O、Nikko)、PEG-20ソヤステロール(Nikkol BPS-20、Nikko)およびPEG-30ソヤステロール(Nikkol BPS-30、Nikko)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のステロールおよびステロール誘導体の一つまたは複数を含んでもよい。
【0157】
ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルを本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することもできる。市販のポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルの例としては、PEG-10ラウリン酸ソルビタン(Liposorb L-10、Lipo Chem.)、PEG-20モノラウリン酸ソルビタン(Tween (登録商標) 20、Atlas/ICI)、PEG-4モノラウリン酸ソルビタン(Tween (登録商標) 21、Atlas/ICI)、PEG-80モノラウリン酸ソルビタン(Hodag PSML-80、Calgene)、PEG-6モノラウリン酸ソルビタン(Nikkol GL-1、Nikko)、PEG-20モノパルミチン酸ソルビタン(Tween (登録商標) 40、Atlas/ICI)、PEG-20モノステアリン酸ソルビタン(Tween (登録商標) 60、Atlas/ICI)、PEG-4モノステアリン酸ソルビタン(Tween (登録商標) 61、Atlas/ICI)、PEG-8モノステアリン酸ソルビタン(DACOL MSS、Condea)、PEG-6モノステアリン酸ソルビタン(Nikkol TS 106、Nikko)、PEG-20トリステアリン酸ソルビタン(Tween (登録商標) 65、Atlas/ICI)、PEG-6テトラステアリン酸ソルビタン(Nikkol GS-6、Nikko)、PEG-60テトラステアリン酸ソルビタン(Nikkol GS-460、Nikko)、PEG-5モノオレイン酸ソルビタン(Tween (登録商標) 81、Atlas/ICI)、PEG-6モノオレイン酸ソルビタン(Nikkol TO-106、Nikko)、PEG-20モノオレイン酸ソルビタン(Tween (登録商標) 80、Atlas/ICI)、PEG-40オレイン酸ソルビタン(Emalex ET 8040、Nihon Emulsion)、PEG-20トリオレイン酸ソルビタン(Tween (登録商標) 85、Atlas/ICI)、PEG-6テトラオレイン酸ソルビタン(Nikkol GO-4、Nikko)、PEG-30テトラオレイン酸ソルビタン(Nikkol GO-430、Nikko)、PEG-40テトラオレイン酸ソルビタン(Nikkol GO-440、Nikko)、PEG-20モノイソステアリン酸ソルビタン(Tween (登録商標) 120、Atlas/ICI)、PEGヘキサオレイン酸ソルビトール(Atlas G-1086、ICI)、ポリソルベート80 (Tween (登録商標) 80、Pharma)、ポリソルベート85 (Tween (登録商標) 85、Pharma)、ポリソルベート20 (Tween (登録商標) 20、Pharma)、ポリソルベート40 (Tween(登録商標) 40、Pharma)、ポリソルベート60 (Tween (登録商標) 60、Pharma)およびPEG-6ヘキサステアリン酸ソルビトール(Nikkol GS-6、Nikko)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルの一つまたは複数を含んでもよい。
【0158】
さらに、ポリエチレングリコールアルキルエーテルを本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することができる。市販のポリエチレングリコールアルキルエーテルの例としては、PEG-2オレイルエーテル、オレス-2 (Brij 92/93、Atlas/ICI)、PEG-3オレイルエーテル、オレス-3 (Volpo 3、Croda)、PEG-5オレイルエーテル、オレス-5 (Volpo 5、Croda)、PEG-10オレイルエーテル、オレス-10 (Volpo 10、Croda)、PEG-20オレイルエーテル、オレス-20 (Volpo 20、Croda)、PEG-4ラウリルエーテル、ラウレス-4 (Brij 30、Atlas/ICI)、PEG-9ラウリルエーテル、PEG-23ラウリルエーテル、ラウレス-23 (Brij 35、Atlas/ICI)、PEG-2セチルエーテル(Brij 52、ICI)、PEG-10セチルエーテル(Brij 56、ICI)、PEG-20セチルエーテル(Brij 58、ICI)、PEG-2ステアリルエーテル(Brij 72、ICI)、PEG-10ステアリルエーテル(Brij 76、ICI)、PEG-20ステアリルエーテル(Brij 78、ICI)およびPEG-100ステアリルエーテル(Brij 700、ICI)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のポリエチレングリコールアルキルエーテルの一つまたは複数を含んでもよい。
【0159】
糖エステルを本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することもできる。市販の糖エステルの例としては、ジステアリン酸スクロース(SUCRO ESTER 7、Gattefosse)、ジステアリン酸/モノステアリン酸スクロース(SUCRO ESTER 11、Gattefosse)、ジパルミチン酸スクロース、モノステアリン酸スクロース(Crodesta F-160、Croda)、モノパルミチン酸スクロース(SUCRO ESTER 15、Gattefosse)およびモノラウリン酸スクロース(Saccharose monolaurate 1695、Mitsubisbi-Kasei)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記の糖エステルの一つまたは複数を含んでもよい。
【0160】
ポリエチレングリコールアルキルフェノールは同様に、本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として有用である。市販のポリエチレングリコールアルキルフェノールの例としては、PEG-10-100ノニルフェノールシリーズ(Triton Xシリーズ、Rohm & Haas)およびPEG-15-100オクチルフェノールエーテルシリーズ(Triton Nシリーズ、Rohm & Haas)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のポリエチレングリコールアルキルフェノールの一つまたは複数を含んでもよい。
【0161】
ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することもできる。これらの界面活性剤はSynperonic PEシリーズ(ICI)、Pluronic (登録商標)シリーズ(BASF)、Lutrol (BASF)、Supronic、Monolan、PluracareおよびPlurodacの一つまたは複数を含め、さまざまな商標名の下で入手可能である。これらのコポリマーの一般名称は「ポロキサマー」(CAS 9003-11-6)である。これらのポリマーは下記の式を有する:
HO(C2H4O)a(C3H6O)b(C2H4O)aH
ここで「a」および「b」は、それぞれポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレン単位の数を示す。これらのコポリマーは1000〜15000ダルトンに及ぶ分子量で、およびエチレンオキシド/プロピレンオキシドの重量比0.1〜0.8で入手可能である。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーの一つまたは複数を含んでもよい。
【0162】
PEG 300、PEG 400およびPEG 600のような、ポリオキシエチレンを本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することができる。
【0163】
ソルビタン脂肪酸エステルを本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することもできる。市販のソルビタン脂肪酸エステルの例としては、モノラウリン酸ソルビタン(Span-20、Atlas/ICI)、モノパルミチン酸ソルビタン(Span-40、Atlas/ICI)、モノオレイン酸ソルビタン(Span-80、Atlas/ICI)、モノステアリン酸ソルビタン(Span-60、Atlas/ICI)、トリオレイン酸ソルビタン(Span-85、Atlas/ICI)、セスキオレイン酸ソルビタン(Arlacel-C、ICI)、トリステアリン酸ソルビタン(Span-65、Atlas/ICI)、モノイソステアリン酸ソルビタン(Crill 6、Croda)およびセスキステアリン酸ソルビタン(Nikkol SS-15、Nikko)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のソルビタン脂肪酸エステルの一つまたは複数を含んでもよい。
【0164】
低級アルコール(C2〜C4)および脂肪酸(C8〜C18)のエステルは、本発明で用いるのに適した界面活性剤である。これらの界面活性剤の例としては、オレイン酸エチル(Crodamol EO、Croda)、ミリスチン酸イソプロピル(Crodamol IPM、Croda)、パルミチン酸イソプロピル(Crodamol IPP、Croda)、リノール酸エチル(Nikkol VF-E、Nikko)およびリノール酸イソプロピル(Nikkol VF-IP、Nikko)が挙げられる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記の低級アルコール脂肪酸エステルの一つまたは複数を含んでもよい。
【0165】
さらに、イオン性界面活性剤を本明細書において記述されている組み合わせのいずれかの製剤のための賦形剤として使用することができる。有用なイオン性界面活性剤の例としては、カプロン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリストレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミトレイン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、リシノール酸ナトリウム、リノール酸ナトリウム、リノレン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル)、テトラデシル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシンナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、ウルソデオキシコール酸ナトリウム、ケノデオキシコール酸ナトリウム、タウロケノデオキシコール酸ナトリウム、グリコケノデオキシコール酸ナトリウム、コリルサルコシンナトリウム、N-メチルタウロコール酸ナトリウム、卵黄リン脂質、水添ダイズレシチン、ジミリストイルレシチン、レシチン、水添レシチン、リゾホスファチジルコリン、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ジエタノールアミン、リン脂質、ポリオキシエチレン-10オレイルエーテルリン酸、脂肪アルコールまたは脂肪アルコールエトキシレートとリン酸または無水物とのエステル化生成物、エーテルカルボキシレート(脂肪アルコールエトキシレートの末端OH基の酸化による)、スクシニル化モノグリセリド、ステアリルフマル酸ナトリウム、コハク酸水素ステアロイルプロピレングリコール、モノおよびジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ、ジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のグリセリル-ラクトエステル、アシル乳酸、脂肪酸の乳酸エステル、ステアロイル-2-乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、エトキシル化硫酸アルキル、アルキルベンゼンスルホン、α-オレフィンスルホネート、イセチオン酸アシル、アシルタウリン、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、スルホコハク酸オクチルナトリウム、スルホコハク酸ウンデシレナミド-MEA-ナトリウム、臭化ヘキサデシルトリアンモニウム、臭化デシルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルアンモニウム、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、ジイソブチルフェノキシエトキシジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ベタイン(トリアルキルグリシン)、ラウリルベタイン(N-ラウリル、N,N-ジメチルグリシン)ならびにエトキシル化アミン(ポリオキシエチレン-15ココナッツアミン)が挙げられる。簡単にするため、典型的な対イオンを上に示している。しかしながら、任意の生体に許容される対イオンを使用できることを当業者は理解するであろう。例えば、脂肪酸はナトリウム塩として示されているが、例えば、アルカリ金属カチオンまたはアンモニウムのような、他のカチオン対イオンを使用することもできる。本発明による組み合わせのいずれかの一つまたは複数の成分の製剤は、上記のイオン性界面活性剤の一つまたは複数を含んでもよい。
【0166】
本発明の製剤中に存在する賦形剤は、リポソーム内に隔離された四置換ピリミドピリミジンもしくはアデノシン活性上方制御因子、またはコルチコステロイド、あるいは組み合わせの任意のものの清澄な、または乳白色の水分散液を、担体が形成するような量で存在する。リポソームまたは固体脂質ナノ粒子製剤の調製に必要な界面活性賦形剤の相対量は、公知の方法を用いて判定される。例えば、リポソームはSzoka et al, 1980に詳述されているものなどの、さまざまな技術によって調製することができる。多重膜小胞(MLV)を単純な脂質フィルム水和法によって形成することができる。この手順では、適当な有機溶媒に溶解された前述のタイプのリポソーム形成脂質の混合物を容器内で蒸発させて薄いフィルムを形成し、これを次いで水性媒質で覆う。脂質フィルムは水和して、典型的には約0.1〜10ミクロンのサイズを有するMLVを形成する。
【0167】
他の確立されたリポソーム製剤技術を必要に応じて適用することができる。例えば、細胞取り込みを促進するためのリポソームの使用は、米国特許第4,897,355号および同第4,394,448号に記述されている。
【0168】
経口用の固体剤形
経口用の製剤は、無毒の薬学的に許容される賦形剤との混合物の中に活性成分を含有する錠剤を含む。これらの賦形剤は例えば、不活性希釈剤または増量剤(例えば、スクロースおよびソルビトール)、平滑剤、滑沢剤ならびに抗接着剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、シリカ、硬化植物油またはタルク)であってもよい。
【0169】
二つの化合物を錠剤、カプセルもしくはその他の媒体中でともに混合してもよく、または分割してもよい。一例を挙げれば、第一の化合物は錠剤の内部に含有されており、第二の化合物は外側にあり、その結果、第二の化合物の大部分が第一の化合物の放出前に放出される。
【0170】
経口用の製剤は同様に、チュアブル錠として、または活性成分が不活性固体希釈剤と混合されている硬ゼラチンカプセルとして、または活性成分が水もしくは油性媒質と混合されている軟ゼラチンカプセルとして供与されてもよい。
【0171】
したがって、経口用に適した組成物の場合、経口媒体(例えば、カプセル)は0.01%〜25% (w/w)もしくはそれ以上の四置換ピリミドピリミジンもしくは類似体(例えば、アデノシン活性上方制御因子)および/またはさらなる薬剤、好ましくは0.01%〜10% (w/w)の、より好ましくは0.05%〜4% (w/w)の活性薬剤を含有する。カプセルは毎日1〜4回、または必要に応じて服用することができる。
【0172】
例えば、経口投与に適したジピリダモールの場合、経口媒体は0.01%〜5% (w/w)の、好ましくは0.01%〜2% (w/w)の、より好ましくは0.01%〜1% (w/w)のジピリダモールを含有する。
【0173】
本明細書において記述されている方法を行うには、ジピリダモールもしくはジピリダモール類似体および/またはさらなる薬剤の化合物を含有する経口媒体が経口的に服用されることが好ましい。例えば、カプセルは、筋骨格障害、またはこのような障害に関連する疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹もしくは骨性腫脹に苦しむ患者によって夕方に一回および午前中に服用されることができる。
【0174】
局所製剤
組成物は同様に、0.0001%〜25% (w/w)またはそれ以上の四置換ピリミドピリミジンおよび/または類似体(例えば、アデノシン活性上方制御因子)ならびに0.001%〜25% (w/w)またはそれ以上の別の化合物、例えば、コルチコステロイドを含有する局所的媒体により局所用に適合されてもよい。このような組み合わせにおいて、四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子は持続放出機構に供されることが好ましい。
【0175】
一つの組み合わせにおいて、四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子およびコルチコステロイドは、例えば、0.0001%〜10% (w/w)の、または0.0005%〜4% (w/w)の活性薬剤でありうる。クリームは毎日1〜4回、または必要に応じて適用されることができる。例えば、局所投与に適したプレドニゾロンの場合、局所的媒体は0.01%〜5% (w/w)の、好ましくは0.01%〜2% (w/w)の、より好ましくは0.01%〜1% (w/w)のプレドニゾロンを、0.0001%〜2% (w/w)の、より好ましくは0.0005%〜1% (w/w)の四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子との組み合わせで含有する。
【0176】
本明細書において記述されている方法を行うには、例えば、コルチコステロイドまたはコルチコステロイド類似体と組み合わせて四置換ピリミドピリミジンまたはアデノシン活性上方制御因子を含有する局所的媒体が被験者の不快部位に適用されることが好ましい。例えば、クリームを変形性関節炎に苦しむ被験者の手に適用することができる。
【0177】
吸入
鼻腔内投与または吸入による投与の場合、本発明の活性化合物は、患者によって圧縮されるもしくはポンピングされるポンプスプレイ容器から溶液もしくは懸濁液の形態で、または適当な高圧ガス、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素もしくは他の適当なガスの使用により、加圧された容器もしくは噴霧器からエアロゾルスプレイ状として送達されることが好都合である。加圧されたエアロゾルの場合、投与量単位は、定量を送達するための弁を供与することで確定されてもよい。加圧された容器または噴霧器は、活性化合物の溶液または懸濁液を含んでもよい。吸入器または通気器に用いられるカプセルおよびカートリッジ(例えば、ゼラチンで作られた)は、本発明の化合物およびラクトースまたはデンプンのような、適当な粉末基剤の粉末混合物を含有するように配合されてもよい。
【0178】
投与量
本発明の組み合わせのいっそう高い効力を考えると、低用量(本明細書において定義されているように)の四置換ピリミドピリミジンもしくはアデノシン活性上方制御因子および/またはさらなる薬剤を使用できることが理解されよう。これらの投与量は患者の健康および状態に応じて変化するであろう。したがって、一方または両方の薬剤の中投与量またはさらに高投与量を使用することができる。
【0179】
組み合わせでの各薬物の投与は独立して、例えば、1日〜1年間、毎日1〜4回であってよく、さらに患者の生涯にわたってもよい。慢性的な、長期投与が多くの場合に指示されるであろう。
【0180】
疼痛、機能および疲労指数
本発明の方法、組成物またはキットのいずれかの有効性を測定するために、測定指数を使用することができる。本発明の方法、組成物およびキットにおいて有用である指数は、各々が当技術分野において周知である視覚的アナログ尺度(VAS)、Likert尺度、Lequesne指数、WOMAC指数、AUSCAN指数、Piper疲労感尺度および疲労感に関する多次元評価(MAF)尺度を含む。疼痛、機能、疲労、こわばり、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、骨性腫脹または他の変数を測定するために、そのような指数を使用することができる。
【0181】
視覚的アナログ尺度(VAS)は一次元量の尺度をもたらす。VASでは、一定の距離間隔で、例えば、10×1 cm(ten 1-cm)の間隔でハッシュマークを描画した線図のような、距離による表示を一般に利用する。例えば、患者に質問をして、痛感に最もよく一致する線上の箇所を選択することにより痛感を位置付けることができ、この場合、線の一端が「無痛」(0 cmのスコア)に相当し、線のもう一端は「耐え難い痛み」(10 cmのスコア)に相当する。この手順は、患者がどれほどの痛みを感じているかに関する定量的情報を得るための単純かつ迅速なアプローチになる。VAS尺度は、例えば、疲労感を測定するのに使用することもできる。VAS尺度およびその使用法は、例えば、米国特許第6,709,406号および同第6,432,937号に記述されている。
【0182】
Likert尺度は同様に、一次元量の尺度をもたらす。一般に、Likert尺度は、低値(例えば、0は痛みなしを意味する)から高値(例えば、7は激しい痛みを意味する)に及ぶ離散的整数値を有する。痛みを経験している患者に質問をし、経験した疼痛の程度に対応した低値から高値の数字を選択する。Likert尺度は、例えば、疲労感を測定するのに使用することもできる。Likert尺度およびその使用法は、例えば、米国特許第6,623,040号および同第6,766,319号に記述されている。
【0183】
Lequesne指数および西オンタリオ大学・マクマスター大学(Western Ontario and McMaster Universities; WOMAC)変形性関節炎指数では、自己記入質問表を用いてOA患者の膝および腰における疼痛、機能およびこわばりを評価する。WOMACでは膝も腰もともに網羅されるのに対し、Lequesne質問表は膝用に一枚および腰用に別に一枚ある。これらの質問表はVASまたはLikertに比べ多くの情報量を含むので、それらは有用である。WOMAC指数の質問表もLequesne指数の質問表もともに、例えば外科的設定(例えば、膝および股関節形成術)においてなど、OAにおいて十分に有効性が確認されている。それらの計量的特徴は有意差があるとは言えない。
【0184】
AUSCAN (Australian-Canadian手関節炎)指数では、妥当性、信頼性および反応性を有する患者自己申告式質問表を利用する。一例を挙げれば、この質問表には三次元(疼痛5問、こわばり1問、身体機能9問)にわたる、15の質問が含まれる。AUSCAN指数では、例えば、LikertまたはVAS尺度を利用することができる。
【0185】
Piper疲労感尺度は、研究目的で開発され、がん患者で試験された、疲労感に関する41項目の尺度である(Piper et al. (1989), The development of an instrument to measure the subjective dimension of fatigue. In S. Funk, E. Tornquist, M. Champagne, & R. Wiese (Eds.). Key aspects of comfort: Management of pain, fatigue, and nausea (pp. 199-207). New York: Springer.)。Piper疲労感尺度を修正した、疲労感に関する多次元評価(MAF)尺度には15項目が含まれており、1 (疲労感なし)から50 (重篤な疲労感)に及ぶスコアで、重篤度(#1-2)、苦悩度(#3)、日常生活活動への支障の程度(#4-14)および頻度(#15)の四次元の疲労感を測定する。MAFはRA患者において有効性が確認されている(Belza, J. Rheumatol. 22:639-643, 1995)。
【0186】
実施例
以下の実施例は、本発明を例示するよう意図されており、本発明を決して限定するよう意図されない。
【0187】
実施例1
プレドニゾロン3 mgおよびジピリダモール200〜400 mgを含有する新規融合薬剤の効果を試験するために、42日間の多施設・無作為化・盲検・プラセボ対照試験を実施した。本試験において、変形性手関節炎を有する患者を被験者登録した。腫脹および圧痛関節が複数あり、X線写真によるKellgren Lawrence (K-L)スコアが2以上、さらに100 mm AUSCAN (Australian-Canadian)視覚的アナログ尺度による疼痛スコアが少なくとも30 mmの患者を適格とした。主要評価項目を疼痛の減少とし、42日目におけるAUSCAN疼痛下位尺度の指数を用いた。患者83例をノルウェーの4施設に登録し、無作為化により2つの治療群に均等に割り付けた。93%が女性で、平均年齢は60歳であった。K-Lスコアは11例(13%)が2、残り72例(87%)は3以上であった。表2に示すように、42日目におけるジピリダモール/プレドニゾロン併用投与群のAUSCAN疼痛スコアは、プラセボ群と比較して、ベースライン時から統計的に有意に減少した(p=0.006、ただしp値はベースライン値で調整後の共分散分析(ANCOVA)を用いて決定し、42日目におけるAUSCAN疼痛変化の平均に群間差はみられないという帰無仮説を検証した)。ジピリダモール/プレドニゾロン併用投与群のベースライン時からの変化の平均は-102.4、プラセボ群のベースライン時からの変化の平均は-30.9 mmであった。調整後の平均の差は71.5 mmであった(95%信頼区間(CI): 16.05, 126.87)。
【0188】
(表2)AUSCAN疼痛スコアのデータの概要

a) ベースライン値で調整後の共分散分析(ANCOVA)によるp値であり、EOS/42日目のAUSCAN疼痛変化の平均に群間差はみられないという帰無仮説を検証する(片側検定におけるLS平均値の差を提示する)。
注意: 疼痛スコアはAUSCAN変形性手関節炎指数の項目1〜5の和である。
【0189】
これらのデータをさらに、身体機能、こわばり、関節痛および患者グローバル評価スコア(患者には全ての症状を考慮して自分の変形性関節炎を評価するよう依頼した)を含む追加の臨床尺度とともに、表3 (本試験のプロトコールに従った患者)および表4 (登録した全患者)に示している。表3および4は、ベースライン時の平均値(標準偏差(SD))、ベースライン時と比較した42日目の変化(LS平均値の標準誤差(SEM))、および治療効果(試験の併用群からプラセボを引いた平均差(95%信頼区間CI))を示している。プロトコール毎の患者群のベースライン時に対する改善率(100×改善の平均/ベースライン時の平均)は、33% (疼痛)、20% (身体機能)、32% (こわばり)、39% (関節痛)および38% (患者グローバル評価)であった。
【0190】
(表3)有効性変数データの概要(プロトコール毎の集団)

【0191】
(表4)有効性変数データの概要(包括解析集団)

【0192】
各患者について、関節動作時に圧痛/疼痛を呈する手関節の数、運動機能障害、軟部組織の腫脹、または骨性腫脹を試験期間中に定期的に計数し記録し、カテゴリー別に平均罹患関節数を測定した。調査結果を表5、7、9および11 (本試験のプロトコールに従った患者の場合)、ならびに表6、8、10および12 (登録した全患者)に示している。
【0193】
(表5)試験来院による関節計数(関節動作時の圧痛/疼痛) (プロトコール毎の集団)

【0194】
(表6)試験来院による関節計数(関節動作時の圧痛/疼痛) (包括解析集団)

【0195】
(表7)試験来院による関節計数(運動制限) (プロトコール毎の集団)

【0196】
(表8)試験来院による関節計数(運動制限) (包括解析集団)

【0197】
(表9)試験来院による関節計数(軟部組織の腫脹) (プロトコール毎の集団)

【0198】
(表10)試験来院による関節計数(軟部組織の腫脹) (包括解析集団)

【0199】
(表11)試験来院による関節計数(骨性腫脹) (プロトコール毎の集団)

【0200】
(表12)試験来院による関節計数(骨性腫脹) (包括解析集団)

【0201】
本試験により、本試験で検討したジピリダモール/プレドニゾロン併用が変形性手関節炎の疼痛、圧痛、運動機能障害および腫脹の減少に対する有効性を示し、また全般的に忍容性良好であったということが結論付けられる。
【0202】
本明細書に記述の試験は下記のガイドラインにしたがって実施した。
【0203】
試験薬併用群またはプラセボ群に、午前8時に1回と午後1時に1回の1日2回、経口投与した。試験薬併用群の錠剤は2段階の用量についてブリスター包装し、表13と14に示すように投与した。プラセボ錠は表15に示すように投与した。
【0204】
(表13)試験薬併用、1〜7日目

【0205】
(表14)試験薬併用、8〜42日目

【0206】
(表15)プラセボ、1〜42日目

【0207】
各登録患者について、全病歴を各患者の最初のスクリーニング来院時に入手した。病歴には人口統計学的背景情報および変形性関節炎歴を含めた。
【0208】
全身理学検査はスクリーニング来院時に実施した。さらに、試験終了時および追跡調査来院時にも全身理学検査を実施し、ベースライン状態からの変化を評価した。これには圧痛および腫脹の関節検査を含めた。
【0209】
心拍数、呼吸数、血圧、体温などのバイタルサインを各来院時に測定した。身長および体重はスクリーニング来院の間に測定した。
【0210】
AUSCAN (視覚的アナログ尺度(VAS))検査では、妥当性、信頼性および反応性を有する三次元患者自己申告式質問表を、追跡調査来院時を除く各来院時に実施し記録した。この質問表には、三次元(疼痛5問、こわばり1問、身体機能9問)にわたる、15の質問が含まれた。
【0211】
手の罹患関節数は、追跡調査来院時を除く各来院時に計数し記録した。これには圧痛、運動制限、軟部組織の腫脹および骨性腫脹の関節検査を含めた。解析に用いた関節は遠位指節間・近位指節間・指節間・中手指節・手根中手関節であった(両手の合計22)。
【0212】
手の疼痛は標準的な視覚的アナログ尺度(VAS)で評価した。この尺度は左端と右端にそれぞれ「無痛」、「考えられる限りの最も強い痛み」と表示された10 cm (100 mm)の横線からなる。患者には、この線上に印を付けて、経験した疼痛の程度に対応した視覚的アナログ疼痛尺度を完成させるよう指示した。尺度の左端から印までの距離(mm)を測定して疼痛の程度を計算した。手の関節痛(VAS)評価は、追跡調査来院時を除く各来院時に実施し記録した。
【0213】
患者グローバル(VAS)検査を用いて、100 mm視覚的アナログ尺度による患者の全般的な疼痛を評価した。これには試験来院当時に経験した全ての疼痛を評価した。患者グローバル(VAS)は、追跡調査来院時を除く各来院時に実施し記録した。
【0214】
スクリーニング来院前6カ月以内にX線検査を実施しなかった場合、または患者が以前にOAの異常を示さなかった場合は、スクリーニング来院の間にX線写真を撮影した。患者がスクリーニング来院前6カ月以内にX線検査を実施していた場合は、そのX線写真をスクリーニングの目的で使用した。Kellgren-Lawrenceスコア方式によりOAのX線学的重篤度を評価した。
【0215】
有害事象(AE)のモニタリングは、試験期間を通して実施した。重篤有害事象(SAE)などの新規の有害事象は、追跡調査来院期間を通して症例報告書(CRF)に記録した。有害事象は臨床試験実施基準にしたがって追跡調査した。重篤有害事象は速やかに報告し、それらが消散するまで、あるいは患者の安定的もしくは慢性的な症状または介入疾患が原因であると明確に判断されるまで監視した。
【0216】
全ての併用薬、処置および支持療法を、来院時に毎回記録した。
【0217】
リウマトイド因子検査用の血液検体は、スクリーニング来院時に採取した。赤血球沈降速度検査用の血液検体は、スクリーニング来院時および42日目に採取した。
【0218】
ヘマトクリット、ヘモグロビン、赤血球(RBC)数、血小板数および白血球(WBC)数とその分画の分析用血液検体は、スクリーニング来院時、28日目、42日目および56日目に採取した。全ての検体は午前中に採取した。患者には、採血前に絶食するよう指示した。
【0219】
ナトリウム、カリウム、塩素、マグネシウムおよびカルシウム濃度の分析用血液検体を、スクリーニング来院時、28日目、42日目および56日目に採取した。全ての検体は午前中に採取した。患者には、採血前に絶食するよう指示した。
【0220】
血中尿素窒素(BUN)、アルカリホスファターゼ、血清中クレアチニン、(総)ビリルビン、尿酸、AST (SGOT)、乳酸脱水素酵素(LDH)、ALT (SGPT)、アルブミンおよびグルコースの分析用血液検体は、スクリーニング来院時、28日目、42日目および56日目に採取した。全ての検体は午前中に採取した。患者には、採血前に絶食するよう指示した。
【0221】
妊娠の可能性のある女性に対する尿妊娠テストをスクリーニング来院時に実施した。投与の前に本結果が得られ、陰性であることが要求された。女性が妊娠しているか、または本試験に参加している間に妊娠が疑われる場合、速やかに治療担当医師に報告し、試験薬を完全に中止することが義務付けられた。
【0222】
CRP、TNFα、IL-1、IL-2、IL-6、IL-8、IL-12およびIFNγの分析用血清検体は、ベースライン来院時のほか、7日目、14日目、28日目および42日目にも採取した。検体の採取は、患者が朝の試験薬用量を服用した後に実施した。
【0223】
患者には、彼らが医療的ケアの権利を損なうことなく、いつでも、いかなる理由でも本試験から離脱する権利があることを告げた。さらに治験責任医師は、以下のいずれかの理由により患者を本試験から離脱させる権利があった: 介入疾患、容認できない有害事象の発生、患者の要求、プロトコール違反、管理上の理由、追跡調査のために再来院できなかったこと、または治験責任医師の判断でその後の治療のために容認できない患者の症状の一般的もしくは特異的な変化。
【0224】
離脱の時点で、全ての適正な試験処置を終了した。患者が本試験から離脱した一義的な理由を記録した。患者が無作為化の前に離脱した場合は、患者の補充を行った。
【0225】
実施例2
RA被験者の血清CRPおよびサイトカインに対するジピリダモール/プレドニゾロン+DMARD治療の効果をプラセボ+DMARD治療と比較するために、42日間の多施設・無作為化・盲検・プラセボ対照試験を実施した。中等度から重度のRAと診断された被験者の合計59例が登録した。被験者の人口統計の概要を表16に示している。本試験への登録にあたっては、血清CRP濃度が少なくとも2.2 mg/L、疾患活動性スコア(DAS28)が4.5以上、さらに少なくとも3カ月間DMARD治療を受けており、スクリーニングの時点で定量の投薬を少なくとも28日間受けている被験者を適格とした。
【0226】
(表16)ジピリダモール/プレドニゾロン+DMARD試験の被験者の人口統計 (包括解析集団)

略語: SD = 標準偏差
【0227】
被験者を、無作為化によりジピリダモール/プレドニゾロン併用またはプラセボを用いた治療群に1:1に割り付けた。適格被験者全員に、標準用量のDMARD治療を行った。被検薬は1日2回、午前8時と午後1時に経口投与した。被験者には、プレドニゾロン3 mg (午前に2 mg、午後に1 mg)およびジピリダモール200 mg (午前に100 mg、午後に100 mg) (または同量のプラセボ)を1日目から7日目まで毎日投与し、その後、プレドニゾロン3 mg (午前に2 mg、午後に1 mg)およびジピリダモール400 mg (午前に200 mg、午後に200 mg) (または同量のプラセボ)を8日目から42日目まで毎日投与した。プロトコール毎の集団の試験結果(欠測値に対してLOCF法(直前値を代入して欠測補完)を適用)を表17にまとめている。
【0228】
(表17)ベースライン時から試験42日目までの有効性の評価に関するジピリダモール/プレドニゾロン+DMARDおよびプラセボ+DMARDを用いた処置の概要 (プロトコール毎の集団、欠測値に対してLOCF法を適用)



a CRP、HAQ_DI、臨床医および患者のグローバル評価、患者の疼痛評価、ESR、ならびに関節計数について、ベースライン時からの変化をベースライン時からのパーセント変化に対して計算した。
b 42日目の(評価の)減少率に対するウィルコクソンの片側順位和検定のP値。
c 42日目のACR20反応率に対するフィッシャーの片側直接確率検定のP値。
d 42日目の平均DAS 28または平均疲労感VASスコアのベースラインに対する調整後の片側共分散分析(ANCOVA)のP値。
略語: SE = 標準誤差、SD = 標準偏差、HAQ_DI = 健康評価アンケート障害指数。
【0229】
CRPの平均(±標準偏差)ベースライン値は、プラセボ投与の被験者群(17.7253±17.12870 mg/L)とジピリダモール/プレドニゾロン投与の被験者群(18.2552±21.39383 mg/L)において有意差はみられなかった。ベースライン時におけるプラセボ群のCRP値の中央値(12.6650 mg/L)は、ジピリダモール/プレドニゾロン群の中央値(9.1390 mg/L)に比べ、わずかに高かった。主要評価項目(ベースライン時から42日目までのパーセント変化の中央値)については、ジピリダモール/プレドニゾロン群(49.50)とプラセボ群(-18.90)間に統計学的な有意差がみられた(p=0.0235、ウィルコクソンの片側順位和検定)。CRP では、42日目に少なくとも70%の減少を記録したのはプラセボ群が27例のうち1例(4%)であるのに対し、ジピリダモール/プレドニゾロン群は19例のうち合計6例(32%)であった(p=0.01463、フィッシャーの片側直接確率検定)。
【0230】
さらに、有効性の副次的および補助的評価項目の結果は、以下のようにプラセボに対しジピリダモール/プレドニゾロンが優位であった。
・ ACR 20において少なくとも20%の減少を認めたのは、プラセボ群の8例(30%)に対し、ジピリダモール/プレドニゾロン群は12例(63%)であった(p=0.02492、フィッシャーの片側直接確率検定)。ACR 50およびACR 70において基準に当てはまる被験者は、プラセボ群よりもジピリダモール/プレドニゾロン群に多いという傾向がみられた。
・ DAS 28 (尺度0〜10)について、ベースライン時(LS平均値±SE)から42日目までのジピリダモール/プレドニゾロン群(1.6±0.32)対プラセボ群(-0.7±0.27)の調整後の変化の平均の差は、統計学的に有意であった(p=0.0163、片側共分散分析(ANCOVA))。
・ HAQ_DI (尺度0〜3)の結果について、ベースライン時から42日目までのパーセント変化の中央値は、プラセボ群(0.0)に対するジピリダモール/プレドニゾロン群(-14.286)の優位性が統計学的に有意であった(p=0.0386、ウィルコクソンの片側順位和検定)。
・ 臨床医のグローバル評価(VAS 0〜100 mm)の結果について、ベースライン時から42日目までのパーセント変化の中央値は、プラセボ群(-6.00)に対するジピリダモール/プレドニゾロン群(35.50)の優位性が統計学的に有意であった(p=0.0320、ウィルコクソンの片側順位和検定)。
・ 患者のグローバル評価(VAS 0〜100 mm)の結果について、ベースライン時から42日目までのパーセント変化の中央値は、プラセボ群(1.40)に対するジピリダモール/プレドニゾロン群(40.50)の優位性が統計学的に有意であった(p=0.0102、ウィルコクソンの片側順位和検定)。
・患者の疼痛評価(VAS 0〜100 mm)の結果について、ベースライン時から42日目までのパーセント変化の中央値は、プラセボ群(-14.30)に対するジピリダモール/プレドニゾロン群(41.40)の優位性が統計学的に有意であった(p=0.0157、ウィルコクソンの片側順位和検定)。
・ 疲労感VAS(0〜100 mm)について、ベースライン時(LS平均値±SE)から42日目までのジピリダモール/プレドニゾロン群(27.2±5.14)対プラセボ群(-14.3±4.31)の調整後の変化の平均の差は、統計学的に有意であった(p=0.0314、片側ANCOVA)。
・ ESRの結果について、ベースライン時から42日目までのパーセント変化の中央値は、プラセボ群(3.15)に対するジピリダモール/プレドニゾロン群(32.70)の優位性が統計学的に有意であった(p=0.0061、ウィルコクソンの片側順位和検定)。
・ 全体的な圧痛関節数(ベースライン時から42日目まで)について、プラセボ群に対してジピリダモール/プレドニゾロン群に優位の傾向が認められた。腫脹関節数は、2治療間で臨床的には注目に値しなかった。
【0231】
概して、包括解析集団(欠測値に対してLOCF法を適用)の結果は、プロトコール毎の集団(欠測値に対してLOCF法を適用)の結果との差は注目すべきものではなかった。
【0232】
本試験により、本試験で検討したジピリダモール/プレドニゾロン+DMARD治療が、RA被験者のCRP濃度の減少に対する有効性を示し、また本試験で検討した有効性の副次的および補助的尺度において有効性を示したということが結論付けられる。
【0233】
実施例3
実施例2に記載された試験を、疲労感情報の集合を含むまでに拡大した。疲労感は、二つの別々の手段、すなわち単問の疲労感VAS、および複合的な尺度である疲労感に関する多次元評価(MAF)尺度で測定した。
【0234】
VAS尺度について、患者に「あなたは先週どのくらい疲労(疲れ)を感じましたか?」と質問した。図1Aに示すように、42日目におけるジピリダモール/プレドニゾロン併用投与+DMARD治療群のVAS疲労感スコアは、プラセボ+DMARD群と比較して、ベースライン時から統計的に有意に減少した(p=0.031)。42日間の試験の間に得られたプラセボ群および併用群のVAS測定値を図1Bに示している。ベースライン時のVAS値の平均は、プラセボ群が58.9 mm、ジピリダモール/プレドニゾロン併用群が61.9 mmであった。
【0235】
MAF尺度について、患者に対し、ここ1週間の疲労感パターンを検討し、重篤度、苦悩度、日常生活活動への支障の程度および頻度の四次元の疲労感を測定する15の質問に答えるよう依頼した。図2Aに示すように、42日目において、ジピリダモール/プレドニゾロン+DMARD併用投与群のMAF疲労感スコアは、プラセボ+DMARD群と比較して、ベースライン時から統計的に有意に減少した(p=NS)。42日間の試験の間に得られたプラセボ群および併用群のMAF測定値を図2Bに示している。ベースライン時のMAF値の平均は、プラセボ群が26.7、ジピリダモール/プレドニゾロン併用群が27.6であった。本試験で検討したジピリダモール/プレドニゾロン併用が、疲労感の減少に対する有効性を示したということが結論付けられる。
【0236】
他の態様
本発明の記述の方法およびシステムのさまざまな変更および変形は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく当業者には明らかであろう。本発明を具体的な望ましい態様に関連して記述してきたが、主張される本発明はこのような具体的な態様に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際に、医学分野、免疫学分野、薬理学分野、内分泌学分野、または関連分野の当業者には明らかな、本発明を実施するために記述されている様式のさまざまな変更は、本発明の範囲内であることが意図される。
【0237】
本明細書において言及されている全ての刊行物は、各個々の刊行物が参照により具体的かつ個別的に組み入れられるかのごとくと同じ程度まで参照により本明細書に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【0238】
【図1】図1A〜1Bは、プラセボまたはジピリダモール/プレドニゾロンの組み合わせのいずれかの投与後の疲労測定の比較を示すグラフである。測定は視覚的アナログ尺度(VAS)を用いて行った。
【図2】図2A〜2Bは、プラセボまたはジピリダモール/プレドニゾロンの組み合わせのいずれかの投与後の疲労測定の比較を示すグラフである。測定は疲労感に関する多次元評価(MAF)尺度を用いて行った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筋骨格障害に関連する疼痛を処置するための方法であって、該疼痛と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンおよびコルチコステロイドを投与する段階を含み、該四置換ピリミドピリミジンおよび該コルチコステロイドが該患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日以内で投与される方法。
【請求項2】
筋骨格障害に関連する疲労を処置するための方法であって、該疲労と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンおよびコルチコステロイドを投与する段階を含み、該四置換ピリミドピリミジンおよび該コルチコステロイドが該患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日以内で投与される方法。
【請求項3】
筋骨格障害に関連する圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹または骨性腫脹を処置するための方法であって、該圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹または骨性腫脹と診断されたまたはそれらを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンおよびコルチコステロイドを投与する段階を含み、該四置換ピリミドピリミジンおよび該コルチコステロイドが該患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日以内で投与される方法。
【請求項4】
B群筋骨格障害を処置するための方法であって、該筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンおよびコルチコステロイドを投与する段階を含み、該四置換ピリミドピリミジンおよび該コルチコステロイドが該患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日以内で投与される方法。
【請求項5】
B群筋骨格障害が後天性骨過形成症候群、末端肥大症、慢性疲労症候群、先天性甲状腺機能低下症、含歯性嚢胞、汎発性特発性骨増殖症、デュビュイトラン拘縮、好中球増加筋肉痛症候群、フェルティ症候群、外反母趾、カブキ様顔貌症候群、レッグペルテス病、ライム病、メラス症候群、神経原性関節障害、変形性骨炎、骨軟骨炎、骨軟化症、骨髄炎、骨壊死、骨粗しょう症、パジェット病、ピエールロバン症候群、多発性筋炎、ポリオ後遅発性筋萎縮症、偽痛風、ライター病、腎性骨ジストロフィー、横紋筋融解症、シバー病(踵骨骨端炎)、脊髄狭窄症、滑膜炎、腱障害、テニス肘、腱滑膜炎、およびティーツェ症候群からなる群より選択される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される第三の薬物を患者に投与する段階をさらに含み、四置換ピリミドピリミジン、コルチコステロイド、および該第三の薬物が該患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日以内で投与される、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
第三の薬物がコルチコステロイドまたはDMARDである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
患者が処置の後に疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、または骨性腫脹の軽減を経験する、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、または骨性腫脹の軽減が処置から50日以内に起こる、請求項8記載の方法。
【請求項10】
疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、または骨性腫脹の軽減が10 cm視覚的アナログ尺度、Likert尺度、Lequesne指数、WOMAC指数、Piper疲労感尺度、または疲労感に関する多次元評価尺度を用いて測定される、請求項8記載の方法。
【請求項11】
疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、または骨性腫脹の軽減が10 cm視覚的アナログ尺度またはLikert尺度を利用したAUSCAN指数を用いて測定される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
筋骨格障害が変形性関節炎である、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
四置換ピリミドピリミジンおよびコルチコステロイドが相互に10日以内で投与される、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】
四置換ピリミドピリミジンおよびコルチコステロイドが相互に5日以内で投与される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
四置換ピリミドピリミジンおよびコルチコステロイドが相互に24時間以内で投与される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
四置換ピリミドピリミジンおよびコルチコステロイドが同時に投与される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
四置換ピリミドピリミジンがモピダモール、ジピリダモール、一酢酸ジピリダモール、2,6-ジ-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-メトキシ-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、2,6-ビス-(2,3-ジメトキシプロポキシ)-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、2,6-ビス[N,N-ジ(2-メトキシ)エチル]-4,6-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、または2,6-ビス(ジエタノールアミノ)-4,8-ジ-4-メトキシベンジルアミノピリミドピリミジンである、請求項1〜16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
四置換ピリミドピリミジンがジピリダモールである、請求項17記載の方法。
【請求項19】
コルチコステロイドがアルゲストン、6-アルファ-フルオロプレドニゾロン、6-アルファ-メチルプレドニゾロン、6-アルファ-メチルプレドニゾロン21-アセテート、6-アルファ-メチルプレドニゾロン21-ヘミスクシネートナトリウム塩、6-アルファ,9-アルファ-ジフルオロプレドニゾロン21-アセテート17-ブチレート、アンシナファル、ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン一水和物、6-ベータ-ヒドロキシコルチゾール、ベタメタゾン、ベタメタゾン-17-バレレート、ブデソニド、クロベタゾール、プロピオン酸クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、ピバル酸クロコルトロン、コルチゾン、酢酸コルチゾン、コルトドクソン、デフラザコート、21-デオキシコルチゾール、デプロドン、デシノロン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン-21-アセテート、ジクロリゾン、ジフロラゾン、二酢酸ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ドキシベタゾール、フルドロコルチゾン、フルメタゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルモキソニド、フルニソリド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、9-フルオロコルチゾン、フルオロヒドロキシアンドロステンジオン、フルオロメトロン、酢酸フルオロメトロン、フルオキシメステロン、フルプレジデン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、フォルモコルタール、ハルシノニド、ハロメタゾン、ハロプレドン、ヒルカノシド、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、6-ヒドロキシデキサメタゾン、イソフルプレドン、酢酸イソフルプレドン、イソプレドニデン、メクロリゾン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、パラメタゾン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、メタスルホ安息香酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロンテブテート、プレドニゾロン-21-ヘミスクシネート遊離酸、プレドニゾロン-21-アセテート、プレドニゾロン-21(ベータ-D-グルクロニド)、プレドニゾン、プレドニリデン、プロシノニド、トラロニド、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンアセトニド21-パルミテート、二酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンヘキサアセトニド、またはワートマニンである、請求項1〜18のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
コルチコステロイドがプレドニゾロンである、請求項19記載の方法。
【請求項21】
四置換ピリミドピリミジンがジピリダモールである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
四置換ピリミドピリミジンおよびコルチコステロイドが同じ薬学的製剤として投与される、請求項1〜21のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
四置換ピリミドピリミジンが0.5〜800 mg/日の量で投与され、コルチコステロイドが0.1〜1500 mg/日の量で投与される、請求項1〜22のいずれか一項記載の方法。
【請求項24】
四置換ピリミドピリミジンが18〜600 mg/日の量で投与され、コルチコステロイドが0.5〜30 mg/日の量で投与される、請求項23記載の方法。
【請求項25】
コルチコステロイドが0.5〜10 mg/日の量で投与される、請求項24記載の方法。
【請求項26】
四置換ピリミドピリミジンまたはコルチコステロイドが局所投与用に製剤化される、請求項1〜25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
四置換ピリミドピリミジンまたはコルチコステロイドが全身投与用に製剤化される、請求項1〜25のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
四置換ピリミドピリミジンまたはコルチコステロイドが低投与量で投与される、請求項1〜27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
四置換ピリミドピリミジンまたはコルチコステロイドが高投与量で投与される、請求項1〜27のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
(i) 四置換ピリミドピリミジンおよびコルチコステロイドを含む組成物; ならびに
(ii) 筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に該組成物を投与するための使用説明書
を含む、キット。
【請求項31】
(i) 四置換ピリミドピリミジン;
(ii) コルチコステロイド; ならびに
(iii) 筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に該四置換ピリミドピリミジンおよび該コルチコステロイドを投与するための使用説明書
を含む、キット。
【請求項32】
(i) 四置換ピリミドピリミジン;
(ii) コルチコステロイド;
(iii) コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される第三の薬物; ならびに
(iv) 筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に該四置換ピリミドピリミジン、該コルチコステロイド、および該第三の薬物を投与するための使用説明書
を含む、キット。
【請求項33】
第三の薬物がDMARDである、請求項32記載のキット。
【請求項34】
(i) コルチコステロイド; ならびに
(ii) 筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンおよび該コルチコステロイドを投与するための使用説明書
を含む、キット。
【請求項35】
(i) 四置換ピリミドピリミジン; ならびに
(ii) 筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に該四置換ピリミドピリミジンおよびコルチコステロイドを投与するための使用説明書
を含む、キット。
【請求項36】
四置換ピリミドピリミジンがジピリダモールである、請求項30〜35のいずれか一項記載のキット。
【請求項37】
四置換ピリミドピリミジンがモピダモール、一酢酸ジピリダモール、2,6-ジ-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-メトキシ-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、2,6-ビス-(2,3-ジメトキシプロポキシ)-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、2,6-ビス[N,N-ジ(2-メトキシ)エチル]-4,6-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、または2,6-ビス(ジエタノールアミノ)-4,8-ジ-4-メトキシベンジルアミノピリミドピリミジンである、請求項30〜35のいずれか一項記載のキット。
【請求項38】
コルチコステロイドがプレドニゾロンである、請求項30〜37のいずれか一項記載のキット。
【請求項39】
筋骨格障害が変形性関節炎である、請求項30〜38のいずれか一項記載のキット。
【請求項40】
筋骨格障害に関連する疼痛を処置するための方法であって、該疼痛と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンと、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される第二の薬物とを投与する段階を含み、該四置換ピリミドピリミジンおよび該第二の薬物が該患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日以内で投与される方法。
【請求項41】
筋骨格障害に関連する疲労を処置するための方法であって、該疲労と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンと、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される第二の薬物とを投与する段階を含み、該四置換ピリミドピリミジンおよび該第二の薬物が該患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日以内で投与される方法。
【請求項42】
筋骨格障害に関連する圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、または骨性腫脹を処置するための方法であって、該圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、または骨性腫脹と診断されたまたはそれらを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンと、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される第二の薬物とを投与する段階を含み、該四置換ピリミドピリミジンおよび該第二の薬物が該患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日以内で投与される方法。
【請求項43】
筋骨格障害を処置するための方法であって、該筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンと、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される第二の薬物とを投与する段階を含み、該四置換ピリミドピリミジンおよび該第二の薬物が該患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日以内で投与される方法。
【請求項44】
コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される第三の薬物を患者に投与する段階をさらに含み、該四置換ピリミドピリミジン、該第二の薬物、および該第三の薬物が該患者を処置するのに十分な量で同時にまたは相互に14日以内で投与される、請求項40〜43のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
患者が処置の後に疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、または骨性腫脹の軽減を経験する、請求項40〜42のいずれか一項記載の方法。
【請求項46】
疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、または骨性腫脹の軽減が処置から50日以内に起こる、請求項45記載の方法。
【請求項47】
疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、または骨性腫脹の軽減が10 cm視覚的アナログ尺度、Likert尺度、Lequesne指数、WOMAC指数、Piper疲労感尺度、または疲労感に関する多次元評価尺度を用いて測定される、請求項45記載の方法。
【請求項48】
疼痛、疲労、圧痛、運動機能障害、軟部組織の腫脹、または骨性腫脹の軽減が10 cm視覚的アナログ尺度またはLikert尺度を利用したAUSCAN指数を用いて測定される、請求項47記載の方法。
【請求項49】
筋骨格障害が変形性関節炎である、請求項40〜48のいずれか一項記載の方法。
【請求項50】
四置換ピリミドピリミジンおよび第二の薬物が相互に10日以内で投与される、請求項40〜49のいずれか一項記載の方法。
【請求項51】
四置換ピリミドピリミジンおよび第二の薬物が相互に5日以内で投与される、請求項50記載の方法。
【請求項52】
四置換ピリミドピリミジンおよび第二の薬物が相互に24時間以内で投与される、請求項51記載の方法。
【請求項53】
四置換ピリミドピリミジンおよび第二の薬物が同時に投与される、請求項52記載の方法。
【請求項54】
四置換ピリミドピリミジンがモピダモール、ジピリダモール、一酢酸ジピリダモール、2,6-ジ-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-メトキシ-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、2,6-ビス-(2,3-ジメトキシプロポキシ)-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、2,6-ビス[N,N-ジ(2-メトキシ)エチル]-4,6-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、または2,6-ビス(ジエタノールアミノ)-4,8-ジ-4-メトキシベンジルアミノピリミドピリミジンである、請求項40〜53のいずれか一項記載の方法。
【請求項55】
四置換ピリミドピリミジンがジピリダモールである、請求項54記載の方法。
【請求項56】
NSAIDがナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、アスピリン、スリンダク、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、イブプロフェン、ナブメトン、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸ナトリウム、サリチルサリチル酸、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、メクロフェナミン酸ナトリウム、メロキシカム、オキサプロジン、スリンダク、またはトルメチンである、請求項40〜55のいずれか一項記載の方法。
【請求項57】
COX-2阻害剤がロフェコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、またはルミラコキシブである、請求項40〜55のいずれか一項記載の方法。
【請求項58】
生物製剤がアバタセプト、アデリムマブ、セルトリズマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ、またはトシリズマブである、請求項40〜55のいずれか一項記載の方法。
【請求項59】
小分子免疫調節物質がVX 702、SCIO 469、ドラマピモド、RO 30201195、SCIO 323、DPC 333、プラナルカサン、ミコフェノレート、またはメリメポジブである、請求項40〜55のいずれか一項記載の方法。
【請求項60】
DMARDがメトトレキセートまたはレフルノミドである、請求項40〜55のいずれか一項記載の方法。
【請求項61】
キサンチンがテオフィリンである、請求項40〜55のいずれか一項記載の方法。
【請求項62】
NsIDIがシクロスポリン、タクロリムス、アスコマイシン、ピメクロリムス、ラパマイシン、またはエベロリムスである、請求項40〜55のいずれか一項記載の方法。
【請求項63】
ビタミンD類似体がカルシポトリエンまたはカルシポトリオールである、請求項40〜55のいずれか一項記載の方法。
【請求項64】
ソラレンがメトキサレンである、請求項40〜55のいずれか一項記載の方法。
【請求項65】
レチノイドがアシトレチンまたはタゾレテンである、請求項40〜55のいずれか一項記載の方法。
【請求項66】
5-アミノサリチル酸がメサラミン、スルファサラジン、バルサラジド2ナトリウム、またはオルサラジンナトリウムである、請求項40〜55のいずれか一項記載の方法。
【請求項67】
四置換ピリミドピリミジンおよび第二の薬物が同じ薬学的製剤として投与される、請求項40〜66のいずれか一項記載の方法。
【請求項68】
四置換ピリミドピリミジンまたは第二の薬物が局所投与用に製剤化される、請求項40〜67のいずれか一項記載の方法。
【請求項69】
四置換ピリミドピリミジンまたは第二の薬物が全身投与用に製剤化される、請求項40〜67のいずれか一項記載の方法。
【請求項70】
四置換ピリミドピリミジンまたは第二の薬物が低投与量で投与される、請求項40〜69のいずれか一項記載の方法。
【請求項71】
四置換ピリミドピリミジンまたは第二の薬物が高投与量で投与される、請求項40〜69のいずれか一項記載の方法。
【請求項72】
(i) 四置換ピリミドピリミジンと、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される第二の薬物とを含む組成物; ならびに
(ii) 筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に該組成物を投与するための使用説明書
を含む、キット。
【請求項73】
(i) 四置換ピリミドピリミジン;
(ii) NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される第二の薬物; ならびに
(iii) 筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に該四置換ピリミドピリミジンおよび該第二の薬物を投与するための使用説明書
を含む、キット。
【請求項74】
(i) 四置換ピリミドピリミジン;
(ii) NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される第二の薬物;
(iii) コルチコステロイド、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される第三の薬物; ならびに
(iv) 筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に該四置換ピリミドピリミジン、該第二の薬物、および該第三の薬物を投与するための使用説明書
を含む、キット。
【請求項75】
(i) NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される薬物; ならびに
(ii) 筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に四置換ピリミドピリミジンおよび該薬物を投与するための使用説明書
を含む、キット。
【請求項76】
(i) 四置換ピリミドピリミジン; ならびに
(ii) 筋骨格障害と診断されたまたはそれを発症する危険性がある患者に該四置換ピリミドピリミジンと、NSAID、COX-2阻害剤、生物製剤、小分子免疫調節物質、DMARD、キサンチン、NsIDI、ビタミンD類似体、ソラレン、レチノイド、5-アミノサリチル酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、およびペニシラミンからなる群より選択される第二の薬物とを投与するための使用説明書
を含む、キット。
【請求項77】
四置換ピリミドピリミジンがジピリダモールである、請求項72〜76のいずれか一項記載のキット。
【請求項78】
四置換ピリミドピリミジンがモピダモール、一酢酸ジピリダモール、2,6-ジ-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-メトキシ-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、2,6-ビス-(2,3-ジメトキシプロポキシ)-4,8-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、2,6-ビス[N,N-ジ(2-メトキシ)エチル]-4,6-ジ-ピペリジノピリミドピリミジン、または2,6-ビス(ジエタノールアミノ)-4,8-ジ-4-メトキシベンジルアミノピリミドピリミジンである、請求項72〜76のいずれか一項記載のキット。
【請求項79】
筋骨格障害が変形性関節炎である、請求項72〜78のいずれか一項記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−527465(P2009−527465A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552449(P2008−552449)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/002224
【国際公開番号】WO2007/089617
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(501273808)コンビナトアールエックス インコーポレーティッド (21)
【Fターム(参考)】