説明

筒体切断具

【課題】 簡素な構成により小型・軽量で取扱いやすく、筒体を容易に切断できる筒体切断具が求められている。
【解決手段】 筒体切断具1は、本体基盤2の下面で被載置部3の隣接位置に第1ローラ6が設けられ、本体基盤2の下面で被載置部3をはさんで第1ローラ6と反対側の位置に第2ローラ9が設けられ、本体基盤2の第1ローラ6の下方位置に切芯ローラ27が設けられ、本体基盤2の第2ローラ9の下方位置で且つ切芯ローラ27との対面位置に丸刃15が設けられ、第2ローラ9は弾性付勢機構13により第1ローラ6に向けて弾性付勢され、切芯ローラ27は位置可変機構38により丸刃15に対し離接移動する構成にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば容器などの胴部を成す筒体を筒周方向に沿って切断する筒体切断具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の筒体を含むものとして、例えばファイバードラムセットが下記の特許文献1に開示されている。かかる文献1開示のファイバードラムセットを図8および図9に示す。各図に示したファイバードラムセット50は、有底円筒状のファイバードラム51と、ファイバードラム51上面のドラム開口53を開閉可能に封止する金属製の蓋体59と、蓋体59をファイバードラム51に固定する金属製の緊締リング60とから成っている。前記のファイバードラム51は、紙シートを巻いて円筒状に形成されたドラム本体(筒体)52の上端開口縁に補強用の金属リング54が外嵌され、金属リング54の上端部分はドラム本体52の上端開口縁を覆うように内向きに巻き込まれて筒開口縁部55となっている。ドラム本体52の下端開口縁にも補強用の金属リング57が外嵌され、紙材製で円板状の封止板56の周縁部分と、ドラム本体52および金属リング57の下端開口縁とが内向きに共巻きされることにより、封止板56がドラム本体52の底面開口(筒開口)63を封止している。そして、金属製の蓋体59がドラム本体52の筒開口縁部55に冠着され、蓋体59の周縁部とドラム本体52のくびれ部58に金属製の緊締リング60が装着されて、蓋体59がドラム本体52に係止されるようになっている。
【0003】
かかるファイバードラム51は廃棄の際に紙材と金属とに分別される。その場合、作業者がカッターナイフや電動丸ノコを用い、ドラム本体52や封止板56の一点鎖線61,62で示した部分を切断して、金属部品を含む部分と紙材のみの部分とに分離していた。
しかしながら、作業者がカッターナイフや電動丸ノコの取扱いに不慣れなときは負傷することが多々あり、慣れるまでに長期間の熟練を要していた。なかでも、電動丸ノコは切断時に大量の紙粉が飛び散るため後の掃除が大変であり、丸刃形状に起因してファイバードラム51の封止板56をその周縁に沿ってうまく切断できないという不具合もあった。
【0004】
そこで、円筒状の紙管を切断する装置の一例が下記の特許文献2に開示されている。かかる文献2開示の切断装置は、一端が装置本体に固定され他端が自由端である円柱状の切芯に、自由端側から紙管を外嵌し、外嵌した紙管を回転させながら丸刃を紙管の外周面側から押し付けて切芯との間で紙管を切断するようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−96929号公報(段落番号〔0002〕〜〔0004〕、図5〜図6)
【特許文献2】特開2002−273686号公報(段落番号〔0009〕〜〔0019〕、図1〜図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前記の切断装置は紙材のみからなる直管円筒状の紙管を切断するように構成されているため、金属リングおよび封止板を有するドラム本体52を切芯の所定切断位置まで外嵌することができないことから、ファイバードラム51の切断に適していない。また、たとえファイバードラム51の切断に適するように改良したとしても前記の切断装置は設備がもともと大掛かりで高価であるため、ファイバードラムの製造工場や、商品入りのファイバードラムを受け取るユーザー工場ごとに個々に保有することは現実的でない。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、簡素な構成により小型・軽量で取扱いやすく、筒体を容易に切断することのできる筒体切断具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る筒体切断具は、使用時に筒体の筒開口縁部に載置される被載置部を一端側に有し把手部が他端側に設けられる本体基盤を備えてなり、本体基盤の下面で被載置部から他端寄りの隣接位置に、筒体の外周面と接して回転する第1ローラが設けられ、本体基盤の下面で被載置部をはさんで第1ローラと反対側の位置に、筒体の内周面と接して回転する第2ローラが設けられ、本体基盤の第1ローラの下方位置に、筒体の外周面と接して回転する切芯ローラが設けられ、本体基盤の第2ローラの下方位置で且つ切芯ローラとの対面位置に、筒体の内周面と接して回転し切芯ローラとの間で筒体を押し切りする丸刃が設けられ、前記第2ローラは第1ローラに対し離接自在に本体基盤に設けられるとともに本体基盤に設けた弾性付勢機構により第1ローラに向けて弾性付勢され、前記切芯ローラは丸刃に対し離接自在に本体基盤に設けられるとともに本体基盤に設けた位置可変機構により丸刃に対し離接移動する構成にしてある。
【0009】
また、前記構成において、切芯ローラよりも大径の円板部材が切芯ローラに同軸に取付けられ、円板部材は、丸刃が筒体の内周面に食い込み切芯ローラが筒体の外周面と接したときに丸刃の刃先と交差するように形成されているものである。
【0010】
そして、前記した各構成において、本体基盤の一端側で丸刃の下方位置に、筒体の少なくとも外周面と接して回転する第3ローラを設け、本体基盤の他端側で第3ローラとの対面位置に、筒体の筒開口を封止している封止板と接して回転する第4ローラを設け、第3ローラが筒体の外周面と接し第4ローラが筒体の封止板と接したときに封止板に食い込む刃物を本体基盤の他端側に設けてなるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る筒体切断具によれば、第1ローラ、第2ローラ、および第3ローラがドラム周方向移動可能に筒体の外周面および内周面を保持するので、筒体切断具を筒体の筒周方向に沿ってスムースに移動させることができる。これにより、従動回転する丸刃および切芯ローラの押し切り作用によって筒体を軽力で切断することができる。また、切芯ローラとの間で筒体を押し切りする丸刃は刃先が鋭利でなくて済み人力により従動回転するので、カッターナイフや電動丸ノコと比べて安全性が高く安心して使用することができる。
【0012】
また、切芯ローラよりも大径の円板部材を切芯ローラに同軸に取付けた場合は、丸刃と切芯ローラとの押し切り作用のみならず、円板部材の外周縁と丸刃の刃先との挟み作用も加わるので、いっそう軽力で容易に筒体を切断することができ、比較的硬い筒体であっても確実に切断することができる。
【0013】
そして、本体基盤の一端側に設けた第3ローラが筒体の外周面と接し、本体基盤の他端側に設けた第4ローラが筒体の封止板と接したときに、刃物が封止板に食い込むように構成した場合は、筒体切断具を筒周方向に移動させるだけで、筒体の封止板をその周縁部に沿って切断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本発明の一実施形態に係る筒体切断具の外観図、図2は前記筒体切断具の底面図、図3は前記筒体切断具の一部断面を含む左側面図、図4は前記筒体切断具の部分を示し、(a)は図3におけるA−A線矢視図、(b)は図3におけるB−B線矢視図、図5は前記筒体切断具の部分を示し、(a)は図3におけるC−C線矢視図、(b)は図3におけるD−D線矢視図である。但し、この実施形態の筒体切断具が適用されるファイバードラムについては図8および図9に示したファイバードラム51と同じ構成であるため、詳説は省略する。
【0015】
各図において、この実施形態に係る筒体切断具1は、ファイバードラム51の筒開口縁部55に載置される被載置部3を前端(一端)2A側に有し、後端(他端)2B側に把手部4が設けられる平面矩形状の本体基盤2を備えている。この本体基盤2は、前端2Aで下向きに折り曲げられて前板部11が設けられ、前板部11の下端が更に後向きに折り返されて底板部12が設けられることにより、左側方から見て逆コ字状に形成されている。また、本体基盤2の後端2Bが下向きに折り曲げられて後板部30が設けられ、後板部30の下端が更に前向きに折り返されて底板部31が設けられることにより、左側方から見てコ字状に形成されている。
【0016】
本体基盤2前部の左右中央には上下貫通するガイド溝7が前後に沿って形成され、ガイド溝7の後方には上下貫通するガイド溝24が前後に沿って形成されている。本体基盤2の下面におけるガイド溝7とガイド溝24の間は前記の被載置部3となっている。被載置部3をはさんでガイド溝7と反対側位置(被載置部3の直後位置)でガイド溝24の両側には、一対の第1ローラ6,6が配備されている。これらの第1ローラ6,6は、それぞれナットなどで本体基盤2下面に固定された垂直向きの枢支軸5,5に回動自在に枢支されている。ガイド溝7には上端にツマミ10を備えた枢支軸8が溝内移動自在に挿通され、枢支軸8の本体基盤2下方位置に第2ローラ9が回動自在に枢支されている。第2ローラ9は第1ローラ6に対し離接自在となっている。
【0017】
弾性付勢機構13は、外周面に雄ネジ部20を有していて前板部11に貫通配備される中空軸19と、中空軸19内の先端側に出没自在に装着された押動ピン22と、中空軸19内に格納されて押動ピン22を先端方向(図3中の矢印G方向)に弾性付勢するコイルスプリング23と、中空軸19内にネジ止めされてコイルスプリング23の末端を係止する蓋体21と、前板部11に固着されて中空軸19の雄ネジ部20と螺合するナット18とから構成されている。この弾性付勢機構13は押動ピン22が枢支軸8を押動することにより第2ローラ9を第1ローラ6に向けて弾性付勢する。
【0018】
ガイド溝24には、本体基盤2の上面を摺動可能な留め部材26を上端に備える枢支軸25が溝内移動自在に挿通されている。枢支軸25は第1ローラ6の下方に配置された切芯ローラ27を回動自在に枢支している。枢支軸25は本体基盤2から切芯ローラ27までの間にホルダ29が外嵌されている。ホルダ29の後面には、後方に延在する連結杆32が連結されている。連結杆32は後板部30に取付けられた軸受部33を貫通して配備され、連結杆32先端の左右側面にピン34が設けられている。ピン34には把手部4の末端部が上下揺動自在に枢支されている。軸受部33の左右側面にピン37が設けられ、把手部4途中の左右側面に設けられたピン36と前記のピン37とは上下揺動自在のリンク腕35で連結されている。すなわち、把手部4を手で上下揺動させることにより、切芯ローラ27が丸刃15に対し離接自在に前後移動するようになっている。かかる機能を呈する位置可変機構38は、前記したホルダ29、連結杆32、軸受部33、ピン34,36,37、および把手部4から構成されている。
【0019】
そして、切芯ローラ27よりも大径の円板部材28が切芯ローラ27の下面に同軸にボルトなどで取付けられている。円板部材28は切芯ローラ27の外周面から径方向に突出している。第2ローラ9下方の底板部12上に垂直向きの枢支軸14が立設され、枢支軸14に平面視円形の丸刃15が回動自在に枢支されている。丸刃15は切芯ローラ27と対面する同じ高さ位置に配置されている。底板部12の左右両側には一対の第3ローラ17,17が配備されている。これらの第3ローラ17,17は、それぞれナットなどで底板部12下面に固定された垂直向きの枢支軸16,16に回動自在に枢支されている。第3ローラ17,17の後端は底板部12の後端縁よりも後方に突出している。尚、切芯ローラ27からの円板部材28の突出長は、丸刃15がドラム本体52の内周面52Bに食い込み切芯ローラ27がドラム本体52の外周面52Aと接したときに丸刃15の刃先15Aと交差する寸法に設定されている。
【0020】
後側の底板部31は切芯ローラ27および円板部材28よりも低い位置に配備されており、前後移動する切芯ローラ27および円板部材28と接触干渉しないようになっている。この底板部31の左右両側には一対の第4ローラ40,40が配備されている。これらの第4ローラ40,40は、それぞれナットなどで底板部31上面に固定された垂直向きの枢支軸39,39に回動自在に枢支されている。第4ローラ40,40の前端は底板部31の前端縁よりも前方に突出している。第4ローラ40,40間の底板部31上には刃ホルダ42が固設されており、この刃ホルダ42とボルト43により刃物41が保持固定される。刃物41の刃先は底板部31の前端縁よりも前方に突出している。
【0021】
引続き、筒体切断具1の使用態様を説明する。まず、把手部4を引き上げて切芯ローラ27および円板部材28を後方に移動させておく(図3)。そして、作業者は片方の手でツマミ10を持ち他方の手で把手部4を持って、筒体切断具1をファイバードラム51の筒開口縁部55の上方にかざす。そして、手に力を入れコイルスプリング23のバネ付勢力に抗してツマミ10を前方(矢印Gの反対方向)に移動させる。これにより、第1ローラ6と第2ローラ9が離れて、本体基盤2の下面に被載置部3が現われる。その状態のまま、筒体切断具1を降ろして被載置部3を筒開口縁部55上に載置させたのち、ツマミ10にかけていた力を弛める。すると、コイルスプリング23のバネ付勢力によって、筒開口縁部55の外周面と内周面が第1ローラ6と第2ローラ9とにより弾性的に挟まれる。このとき、ドラム本体52の内周面52Bに第3ローラ17,17が内接し、丸刃15の刃先15Aが内周面52B側からドラム本体52に食い込む。続いて、把手部4を押し下げると(図6中の矢印H方向)、連結杆32が前進(図6中の矢印J方向)して切芯ローラ27がドラム本体52の外周面52Aに接し、円板部材28の外周縁が外周面52A側からドラム本体52に食い込み、丸刃15の直下で刃先15Aと交差する。
【0022】
そこで、作業者は把手部4およびツマミ10を持って、筒体切断具1全体を筒開口縁部55上でドラム周方向に移動させる。すると、第1ローラ6,6、切芯ローラ27、および円板部材28が従動回転してドラム本体52の外周面52A上をドラム周方向に転動し、第2ローラ9、丸刃15、および第3ローラ17,17が従動回転してドラム本体52の内周面52B上をドラム周方向に転動する。これにより、ドラム本体52は丸刃15と切芯ローラ27の間に挟持されて押し切りされる。このとき、円板部材28は丸刃15の刃先15Aとの挟み作用によりドラム本体52の切断を助ける。そうして、筒体切断具1が筒開口縁部55上を周回すると、ドラム本体52が一点鎖線61で示した位置でドラム周方向に切断され、金属リング54を有する上部部分と残りの下部部分とに分離される。尚、円板部材28を省略した構成であっても、丸刃15と切芯ローラ27による押し切り作用だけで、十分にドラム本体52を切断することができる。
【0023】
上記したように、この実施形態の筒体切断具1は、第1ローラ6,6、第2ローラ9、および第3ローラ17,17がドラム周方向移動可能にファイバードラム51の外周面および内周面を保持するので、ドラム周方向に軽力でスムースに移動させることができる。また、丸刃15と刃物41が、本体基盤2、前板部11、底板部12、後板部30、および底板部31で囲まれた空間内に収容され外部に露出していないので、カッターナイフや電動丸ノコと比べて安全性が高く、熟練を要することなくファイバードラム51の紙材部分の切断に用いることができる。また、筒体切断具1は部品点数が比較的少なく構成が簡素であるので、メンテナンスがしやすく、故障した場合でも簡単かつ迅速に部品交換ができる。また、どこにでもある機械部品を使用して製作されるので安価に提供され、小型(本体基盤2の前後寸法が20cm程度)、軽量(全体重量が1.6kg程度)であるために持ち運びや取扱いが楽である。従って、ファイバードラム51を取り扱う事業所ごとに筒体切断具1を常備しやすく、廃棄物の分別収集に貢献する。
そして、曲率半径Rが違うドラム本体52については、図2に示すように、第1ローラ6,6と第2ローラ9との距離が変わることにより対処されるから、小径のドラム本体52から大径のドラム本体52まで多種類のファイバードラム51を切断することができる。
【0024】
一方、ファイバードラム51の封止板56を切る場合は、図7に示すように、筒体切断具1の把手部4を押し下げて切芯ローラ27を前方に移動させておく。これにより、切芯ローラ27と刃物41の間に広い空間が確保され、ファイバードラム51の金属リング57が切芯ローラ27などと接触干渉しないようになっている。そこで、筒体切断具1の前部を下向きにし、ファイバードラム51の封止板56の周縁近傍位置(1点鎖線62で示す位置(図7および図9))に刃物41を載せ、第3ローラ17,17をドラム本体52の外周面52Aに添接する。そして、筒体切断具1全体を手で押下すると、刃物41が封止板56に食い込んで貫通し、第4ローラ40,40が封止板56上に接地する。この状態で筒体切断具1全体をドラム周方向に移動させる。すると、第4ローラ40,40が封止板56上を転動し、第3ローラ17,17が外周面52A上を転動して筒体切断具1の移動を円滑にする。同時に、刃物41が封止板56の周縁部を切断して切り抜き、ファイバードラム51の底面を開口させるのである。その後、金属リング57の近傍位置のドラム本体52が丸刃15によりドラム周方向に切断される。このようにして、ファイバードラム51はその大部分を占める紙材部分(52,56)と、金属部品(54,57)を含む部分とに分別される。
但し、切断部位の順序は問わない。例えば、刃物41で封止板56を先に切断してファイバードラム51の底面を開放し、その後に金属リング54近傍位置のドラム本体52または金属リング57近傍位置のドラム本体52を、丸刃15で切断するようにしてもよい。
【0025】
尚、第3ローラ17,17は、ドラム本体52を切断する際に丸刃15が食い込み過ぎないようにドラム本体52に対する丸刃15の位置決めをする機能と、筒体切断具1のドラム周方向移動をより円滑にする機能を備えているが、封止板56を切断する構成(刃物41および第4ローラ40,40)を省く場合は第3ローラ17,17を省略しても構わない。このように第3ローラ17,17を省略した場合でも、丸刃15と切芯ローラ27との押し切り作用によりドラム本体52をドラム周方向に切断できることは言うまでもない。
無論、本発明の筒体切断具に用いる各部の形状、構造、材質他は、上述した実施形態に限定されるものでない。
【0026】
そして、上記ではファイバードラムを切断する例を示したが、本発明の筒体切断具の切断対象となる筒体はファイバードラムに限られず、例えば、一般的な紙筒、木筒、竹筒、アルミニウム筒、合成樹脂筒といった比較的切断しやすい素材から成るものが挙げられる。また、筒体の開口形状も円形に限るものでなく、筒開口縁部に載置された筒体切断具が筒周方向に移動可能な形状(楕円形状、角を丸めた多角形状など)であれば、それでよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る筒体切断具の外観図である。
【図2】前記筒体切断具の底面図である。
【図3】前記筒体切断具の一部断面を含む左側面図である。
【図4】前記筒体切断具の部分を示し、(a)は図3におけるA−A線矢視図、(b)は図3におけるB−B線矢視図である。
【図5】前記筒体切断具の部分を示し、(a)は図3におけるC−C線矢視図、(b)は図3におけるD−D線矢視図である。
【図6】前記筒体切断具を用いてファイバードラムのドラム本体を切断する態様を示す使用態様図である。
【図7】前記筒体切断具を用いてファイバードラムの封止板を切断する態様を示す使用態様図である。
【図8】一般的なファイバードラムのセットを示す分解斜視図である。
【図9】前記ファイバードラムのセットを示す正断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 筒体切断具
2 本体基盤
2A 前端(一端)
2B 後端(他端)
3 被載置部
4 把手部
6 第1ローラ
7 ガイド溝
9 第2ローラ
13 弾性付勢機構
15 丸刃
15A 刃先
17 第3ローラ
23 コイルスプリング
24 ガイド溝
27 切芯ローラ
28 円板部材
38 位置可変機構
40 第4ローラ
41 刃物
51 ファイバードラム
52 ドラム本体(筒体)
52A 外周面
52B 内周面
55 筒開口縁部
56 封止板
63 底面開口(筒開口)
G 矢印
J 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時に筒体の筒開口縁部に載置される被載置部を一端側に有し把手部が他端側に設けられる本体基盤を備えてなり、本体基盤の下面で被載置部から他端寄りの隣接位置に、筒体の外周面と接して回転する第1ローラが設けられ、本体基盤の下面で被載置部をはさんで第1ローラと反対側の位置に、筒体の内周面と接して回転する第2ローラが設けられ、本体基盤の第1ローラの下方位置に、筒体の外周面と接して回転する切芯ローラが設けられ、本体基盤の第2ローラの下方位置で且つ切芯ローラとの対面位置に、筒体の内周面と接して回転し切芯ローラとの間で筒体を押し切りする丸刃が設けられ、前記第2ローラは第1ローラに対し離接自在に本体基盤に設けられるとともに本体基盤に設けた弾性付勢機構により第1ローラに向けて弾性付勢され、前記切芯ローラは丸刃に対し離接自在に本体基盤に設けられるとともに本体基盤に設けた位置可変機構により丸刃に対し離接移動する構成にされている筒体切断具。
【請求項2】
切芯ローラよりも大径の円板部材が切芯ローラに同軸に取付けられ、円板部材は、丸刃が筒体の内周面に食い込み切芯ローラが筒体の外周面と接したときに丸刃の刃先と交差するように形成されている請求項1に記載の筒体切断具。
【請求項3】
本体基盤の一端側で丸刃の下方位置に、筒体の少なくとも外周面と接して回転する第3ローラを設け、本体基盤の他端側で第3ローラとの対面位置に、筒体の筒開口を封止している封止板と接して回転する第4ローラを設け、第3ローラが筒体の外周面と接し第4ローラが筒体の封止板と接したときに封止板に食い込む刃物を本体基盤の他端側に設けてなる請求項1または請求項2に記載の筒体切断具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−6701(P2006−6701A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189674(P2004−189674)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(592001506)太陽シールパック株式会社 (2)
【Fターム(参考)】