説明

筺体の製造方法

【課題】ボスやリブ等の補助部材を備え、肉薄で軽量な筺体を比較的容易に製造できる筺体の製造方法を提供する。
【解決手段】シート11の表面に接着剤12を塗布する。その後、例えば真空圧空成形機等によりシート11を基材14の表面に密着させて、接着剤12を基材14の表面に転写する。次いで、射出成形機により基材14の接着剤12が付着した部分に熱可塑性樹脂を射出して、補助部材を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筺体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パーソナルコンピュータ及び携帯型オーディオ装置等の電子機器は、小型化及び軽量化が進んでいる。それにともない、電子機器用筺体にも薄肉化及び軽量化が要求されている。
【0003】
電子機器用筐体には、電子部品を収納するという役割だけでなく、電子部品を衝撃から保護するハウジング部品としての役割もある。このため、電子機器用筺体には、強度が高いことも要求されている。
【0004】
一般的に、電子機器の筺体は、箱状の基材と、基材の内側に配置されたボスやリブ等の補助部材とを有する。例えば、基材の内側にねじ止め用のボスを設けることにより、ねじを筺体の外面に露出させることなく電子部品を筺体に固定することができる。また、基材の内側にリブを設けることにより筺体の強度が確保され、基材の厚みを薄くして重量を軽減することができる。
【0005】
このような筺体の製造方法として、例えば基材及び補助部材を射出成形により一体的に成形する方法と、基材と補助部材とを個別に製造して接着剤で接合する方法とがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−70796号公報
【特許文献2】特開平5−92546号公報
【特許文献3】特開平7−98566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ボスやリブ等の補助部材を備え、肉薄且つ軽量な筺体を比較的容易に製造できる筺体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術の一観点によれば、シートの表面に接着剤を塗布する工程と、前記シートを基材の表面に密着させて前記接着剤を前記基材の表面に転写する工程と、射出成形機により前記基材の前記接着剤が付着した部分に熱可塑性樹脂を射出して補助部材を形成する工程とを有する筺体の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
上記の一観点によれば、ボスやリブ等の補助部材を備え、肉薄且つ軽量な筺体を比較的容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施形態に係る筺体の製造方法を説明する模式図(その1)である。
【図2】図2は、実施形態に係る筺体の製造方法を説明する模式図(その2)である。
【図3】図3は、実施形態に係る筺体の製造方法を説明する模式図(その3)である。
【図4】図4は、実施形態に係る筺体の製造方法を説明する模式図(その4)である。
【図5】図5は、実施形態に係る筺体の製造方法を説明する模式図(その5)である。
【図6】図6は、接着剤の塗布厚と接着力との関係を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
【0012】
前述したように、電子機器用筺体の製造方法として、基材及び補助部材を射出成形により一体的に形成する方法や、基材と補助部材とを個別に製造して接着剤で接合する方法などがある。
【0013】
射出成形では、ボスやリブを有する筺体を比較的簡単に、且つ低コストで製造することができる。しかし、射出成形では、基材部分の厚みを薄くすることが難しく、筺体のより一層の軽量化は難しい。
【0014】
一方、基材と補助部材とを個別に製造して接合する方法では、基材として例えば薄くても強度が高い金属板等を使用することができるので、筺体の重量を軽くすることができる。但し、この方法では基材に接着剤を塗布する工程や補助部材を接着剤の上に配置する工程が必要であるが、現状では箱状の基材の内側に補助部材を容易に接合する方法は確立されてなく、製造コストが高くなるという難点がある。
【0015】
以下の実施形態では、ボスやリブ等の補助部材を備え、肉薄で軽量な筺体を比較的容易に製造できる筺体の製造方法について説明する。
【0016】
(実施形態)
図1〜図5は、実施形態に係る筺体の製造方法を工程順に説明する模式図である。
【0017】
まず、図1に示す工程を説明する。この図1に示す工程では、柔軟性を有するシート11を用意し、印刷マスク13を用いたスクリーン印刷法により、シート11の所定の領域上に接着剤12を塗布する。接着剤12の塗布厚は、例えば30μmとする。
【0018】
本実施形態では、後述するようにシート11に塗布した接着剤12を基材14の内側に転写する。このため、シート11には、接着剤12を精度よく塗布でき、転写までの間に接着剤12のにじみや位置ずれが発生せず、転写する際に接着剤12が容易に剥離できることが要求される。
【0019】
本実施形態では、シート11が、ポリオレフィン、ポリアミド又はフッ素樹脂等の樹脂により形成されているものとする。これらの樹脂は、上述の要求を満足することができ、接着剤12に含まれる有機溶剤に溶解されることもない。
【0020】
シート11は、例えばポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)及びポリテトラフロロエチレン(PTFE)のうちから選択された樹脂により形成すればよい。
【0021】
シート11には、接着剤12を基材14に転写する際に基材14の内面形状に追従する柔軟性も要求される。シート11の厚みが100μmを超えると、十分な柔軟性が得られないことがある。また、シート11の厚みが50μm未満であると、接着剤12を基材14に転写する際にシート11が破れてしまうことがある。このため、シート11の厚みは、50μm〜100μmとすることが好ましい。
【0022】
接着剤12には、シート11に対する適度な接着力が要求される。接着剤12は後工程でシート11から分離されるので、シート11に対する接着力が強すぎることは好ましくない。
【0023】
本実施形態では、接着剤12として、例えば、スチレン・ブタジェン・スチレンゴム、ニトリルゴム、又はクロロプレンゴム等を有機溶剤に溶解したゴム系溶剤タイプの接着剤を使用する。これらのゴム系溶剤タイプの接着剤は、前述の樹脂により形成されたシート11に対する適度な接着力を有する。
【0024】
また、これらのゴム系溶剤タイプの接着剤は、乾燥すると固化して接着力を失うが、固化した後でも加熱により接着力が回復するいわゆるホットメルト性を有する。ホットメルト性を有する接着剤は、塗布から接合までの時間(オープンタイム)を気にしなくてよいため、取り扱いが容易である。
【0025】
更に、ホットメルト性を有する接着剤は、固化した後であれば粘着性が殆どないので、接着剤の表面に塵埃の付着を防止するためのセパレータを貼付しなくてもよい。
【0026】
なお、本実施形態ではスクリーン印刷によりシート11に接着剤12を塗布しているが、接着剤12の塗布方法はスクリーン印刷に限定されるものではなく、平版印刷又は無版印刷等の他の方法を採用してもよい。また、接着剤12の塗布厚を確保するために、接着剤12を複数回印刷して接着剤層を重ねてもよい。
【0027】
次に、図2に示す工程を説明する。図2に示す工程では、真空圧空成形機15を用いて、シート11に塗布した接着剤12を基材14に転写する。
【0028】
基材14は、例えばアルミニウム合金板又はマグネシウム合金板等の金属板をプレスして箱状に加工したものである。ここでは、基材14が、矩形状の底板部と、底板部の縁からほぼ垂直に立ち上がる側板部とを有するものとする。
【0029】
なお、基材14は、プレス加工した金属板に限定されるものではなく、例えばガラス繊維や炭素繊維を用いたFRP(Fiber Reinforced Plastics)等により作製したものでもよい。
【0030】
真空圧空成形機15は、上側に基材14を配置する凹部が設けられた金型18と、金型18との間でシート11の縁部を挟んで固定するシート固定部材16とを有する。また、金型18の上方には、シート11を加熱するためのヒータ17が配置されている。更に、真空圧空成形機15内の空間は、バルブ19を介して真空ポンプ(図示せず)に接続されている。
【0031】
接着剤12を基材14に転写するために、図2のように金型18の凹部内に基材14を配置し、基材14の上にシート11を位置決めして配置する。そして、金型18とシート固定部材16とによりシート11の縁部を挟んでシート11を固定した後、真空ポンプを稼動させて真空圧空成形機15内を所定の圧力まで減圧する。また、ヒータ17に給電して、シート11を例えば80℃〜100℃に加熱する。この加熱により、シート11に塗布された接着剤12の接着力が回復する。
【0032】
なお、真空圧空成形機15内でヒータ17によりシート11を加熱する替わりに、真空圧空成形機15内に載置する前にシート11を加熱しておいてもよい。また、金型18にヒータを組み込んで、金型18側からシート11を加熱してもよい。
【0033】
次に、真空圧空成形機15内のシート11の上側に大気を導入する。これにより、シート11の上側と下側とで圧力差が生じるので、シート11が基材14の内側の面に密着する。このとき、シート11の上側に大気圧よりも高い圧力を加えてもよい。
【0034】
その後、シート11が基材14の内面に十分に密着したら、ヒータ17への給電を停止する。そして、温度が低下して基材14と接着剤12との間の接着力が十分に確保されるのを待つ。
【0035】
次いで、真空圧空成形機15から基材14を取り外し、基材14からシート11を剥離する。このとき、接着剤12はシート11よりも基材14に強く接着しているので、接着剤12とシート11とを容易に分離することができる。このようにして、基材14の内面に接着剤12が転写される。
【0036】
図3は、接着剤12を転写後の基材14を表した模式的断面図である。この図3のように、本実施形態では、基材14の底板部の所定領域上と、側板部の内面とに接着剤12が転写されたものとする。
【0037】
なお、本実施形態では真空圧空成形機15を用いてシート11から基材14の内面に接着剤12を転写しているが、真空圧空成形機15に替えて真空成形機又は圧空成形機等を用いてもよい。
【0038】
次に、図4に示す工程を説明する。図4に示す工程では、射出成形機20の金型21a,21b間に基材14を配置する。金型21a,21bは、組み合わせると所望の補助部材の形状のキャビティ(金型空間)22を形成する。基材14には、キャビティ22に対応する位置に接着剤12が転写されている。
【0039】
キャビティ22内に射出機23から溶融状態の熱可塑性樹脂を射出すると、射出時の圧力により熱可塑性樹脂と接着剤12とが密着する。また、接着剤12は、熱可塑性樹脂により加熱されて接着力を回復する。その後、キャビティ22内で熱可塑性樹脂が硬化すると、キャビティ22内の熱可塑性樹脂(補助部材)と基材14とが接着剤12を介して強固に接合される。
【0040】
なお、キャビティ22内に射出する熱可塑性樹脂は接着剤12に対する接着力が高いものであればよく、特に限定する必要はない。例えば、熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン又はポリエステル等を使用することができる。
【0041】
次いで、金型21a,21bを開いて基材14を取り出す。このようにして、図5の模式的斜視図のように、基材14の内側にねじ止め用のボス2及び補強用のリブ3等の補助部材が設けられた筺体1が完成する。
【0042】
上述したように、本実施形態によれば、印刷法及び転写法を用いて箱状の基材14の内面に接着剤を付着させ、接着剤が付着している部分に射出成形機により樹脂を射出して、ボス2やリブ3等の補助部品を形成する。このため、ボス2やリブ3等の補助部材を有する箱状の筺体1を比較的容易に製造することができる。
【0043】
また、本実施形態では、例えば基材14の内側にリブ3を形成することにより、基材14の厚みを薄くしても十分な強度を確保することができ、筺体1を軽量化することができる。更に、基材14の内側にねじ止め用のボス2を形成することにより、電子部品を固定するためのねじ等が筺体1の外側に露出することを回避できる。
【0044】
更にまた、本実施形態では、基材14と補助部材とを異なる材料で作製することができる。このため、例えば基材14として薄肉の金属板を使用することで、筺体1のより一層の軽量化を図ることができる。
【0045】
なお、接着剤12の伸び率の調整、発泡の抑制、又は塗布厚の調整などのために、接着剤12に充填剤を添加してもよい。その場合は、接着剤12に対する濡れ性及び分散性がよいことから、例えばシリカ、ガラスバルーン、及びガラスフレーク等の珪酸系充填剤を添加することが好ましい。
【0046】
また、充填材として、接着剤12に市販の熱膨張マイクロカプセルを添加してもよい。熱膨張マイクロカプセルは例えばアクリル等の樹脂からなる外殻の内側に膨張剤が充填されたものであり、熱を与えると膨張剤が膨張する。
【0047】
接着剤12に熱膨張マイクロカプセルを添加すると、接着剤12の塗布厚を容易に調整することができる。また、例えば電子機器を廃棄する際に筺体1を加熱して接着剤12に含まれる熱膨張マイクロカプセルを十分に膨張させると、基材14と補助部材とを容易に分離することができて、材料のリサイクルが容易になる。
【0048】
なお、接着剤12を乾燥させる際に熱膨張マイクロカプセルが膨張しないように、熱膨張温度が接着剤12の乾燥温度よりも高い熱膨張マイクロカプセルを使用することが好ましい。
【0049】
次に、上述の方法により筐体を実際に製造し、基材と補助部材との接合強度を調べた結果について説明する。
【0050】
(実施例1)
高密度ポリエチレン(株式会社プライムポリマー製ハイゼックス5100B)のペレットを270℃に加熱して溶解した後、ローラ圧延機により圧延して、厚みが60μmのシートト11を作製した。
【0051】
また、市販のクロロプレンゴム接着剤(セメダイン株式会社製CS4503F)100gに対し、イソホロン(溶剤)70gと、平均粒径が2μmのシリカ2gとを添加して、スクリーン印刷用接着剤12とした。
【0052】
そして、80メッシュのステンレススクリーンを用いて、シート11の所定の領域上に接着剤12を印刷した。接着剤12の塗布厚さは約30μmとした。その後、80℃の温度下に約30分間保持して、接着剤12を固化させた。
【0053】
一方、260mm(縦)×160mm(横)×0.5mm(厚み)のマグネシウム合金板(AZ31B)を用意し、このマグネシウム合金板をサーボプレス機で絞り加工して、深さが10mmの浅い箱状の基材14を作製した。
【0054】
そして、真空圧空成形機を用いて、シート11に印刷した接着剤12を基材14の内側の面に転写した(図2参照)。このとき、ヒータ17に通電して、接着剤12を90℃の温度に加熱し20秒間保持した。
【0055】
その後、基材14を射出成形機の金型内に配置し、接着剤12が付着している部分に熱可塑性樹脂(ポリカーボネート)を射出して、ボス2及びリブ3等の補助部材を形成した(図4参照)。このときの加熱温度は300℃、射出速度は50mm/s、金型温度は約100℃である。
【0056】
このようにして製造した筐体1の側板部分とボス部分とを切り出して引張試験を実施し、基材と樹脂との接着力を測定した。その結果、基材と樹脂との接着力は約6MPaであった。
【0057】
(実施例2)
市販のクロロプレンゴム接着剤(セメダイン株式会社製CS4503F)100gに対し、イソホロン70gと、平均粒径が20μmの熱膨張マイクロカプセル10gとを添加して、スクリーン印刷用接着剤12とした。そして、この接着剤12を実施例1で使用したのと同様のシート11の上にスクリーン印刷した。接着剤12の塗布厚は20μmとした。
【0058】
その後、実施例1と同様にして基材14の内側に接着剤を転写した後、130℃の温度で10分間加熱した。この加熱により接着剤12中の熱膨張マイクロカプセルが膨張して、接着剤12の塗布厚は約30μmとなった。
【0059】
次に、実施例1と同様に、基材14を射出成形機の金型内に配置し、熱可塑性樹脂(ポリカーボネート)を射出してボス及びリブを形成した。
【0060】
このようにして製造した筺体1の側板部分とボス部分とを切り出して引張試験を実施し、基材と樹脂との接着力を測定した。その結果、基材と樹脂との接着力は約5MPaであった。
【0061】
なお、実施例2の方法により製造した筺体は、接着剤に熱膨張マイクロカプセルが含まれているので、例えば170℃に加熱することにより熱膨張マイクロカプセルが更に膨張して接着剤の接着力が著しく減少し、基材と樹脂とを容易に分離することができる。
【0062】
ところで、接着剤の接着力は、接着剤の塗布厚に関係する。図6は、横軸に接着剤の塗布厚をとり、縦軸に接着力をとって、両者の関係を表した図である。
【0063】
この図6からわかるように、シリカや熱膨張マイクロカプセルを添加していない接着剤(主剤のみ)の場合は、塗布厚を30μmとすれば5MPa以上の接着力を確保できる。また、図6から、接着剤(主剤)にシリカや熱膨張マイクロカプセルを添加することにより、接着力が向上することがわかる。
【0064】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0065】
(付記1)シートの表面に接着剤を塗布する工程と、
前記シートを基材の表面に密着させて前記接着剤を前記基材の表面に転写する工程と、
射出成形機により前記基材の前記接着剤が付着した部分に熱可塑性樹脂を射出して補助部材を形成する工程と
を有することを特徴とする筺体の製造方法。
【0066】
(付記2)前記基材が、箱状の形状を有することを特徴とする付記1に記載の筺体の製造方法。
【0067】
(付記3)前記シートを基材の表面に密着させる工程では、真空圧空成形機、真空成形機又は圧空成形機のいずれかを使用することを特徴とする付記1又は2に記載の筺体の製造方法。
【0068】
(付記4)前記シートが、ポリオレフィン、ポリアミド及びフッ素樹脂のいずれかにより形成されていることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の筺体の製造方法。
【0069】
(付記5)前記接着剤は、ホットメルト性を有することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の筺体の製造方法。
【0070】
(付記6)前記接着剤は、スチレン・ブタジェン・スチレンゴム、ニトリルゴム、又はクロロプレンゴムのいずれかを主成分とすることを特徴とする付記5に記載の筺体の製造方法。
【0071】
(付記7)前記接着剤には珪酸系充填剤が添加されていることを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の筺体の製造方法。
【0072】
(付記8)前記接着剤には熱膨張マイクロカプセルが添加されていることを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の筺体の製造方法。
【0073】
(付記9)前記補助部材が、電子部品を固定するためのボス又は補強用リブであることを特徴とする付記1乃至8のいずれか1項に記載の筺体の製造方法。
【符号の説明】
【0074】
1…筺体、2…ボス、3…リブ、11…シート、12…接着剤、13…印刷マスク、14…基材、15…真空圧空成形機、16…シート固定部材、17…ヒータ、18…金型、19…バルブ、20…射出成形機、21a,21b…金型、22…キャビティ、23…射出機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの表面に接着剤を塗布する工程と、
前記シートを基材の表面に密着させて前記接着剤を前記基材の表面に転写する工程と、
射出成形機により前記基材の前記接着剤が付着した部分に熱可塑性樹脂を射出して補助部材を形成する工程と
を有することを特徴とする筺体の製造方法。
【請求項2】
前記基材が、箱状の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の筺体の製造方法。
【請求項3】
前記シートを基材の表面に密着させる工程では、真空圧空成形機、真空成形機又は圧空成形機のいずれかを使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の筺体の製造方法。
【請求項4】
前記シートが、ポリオレフィン、ポリアミド及びフッ素樹脂のいずれかにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の筺体の製造方法。
【請求項5】
前記接着剤は、ホットメルト性を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の筺体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−18159(P2013−18159A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152043(P2011−152043)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】