説明

管理サーバ、通信システム及びプログラム

【課題】同一の加入契約者が複数の移動通信端末に加入契約した場合において、通信料金の割引サービスが適用されるべき者が移動通信端末を利用したときに割引サービスを適用する。
【解決手段】通信要求取得部1111は、第1移動通信端末により送信された通信要求を取得する。端末特定部1112は、通信要求取得部1111が通信要求を取得すると、第1移動通信端末と加入契約者が同一である第2移動通信端末を、加入契約者情報DBを参照して特定する。位置関係特定部1113は、端末特定部1112により特定された第1及び第2移動通信端末の位置関係を特定する。例えば、位置関係特定部1113は、第1及び第2移動通信端末が位置するセルを特定する。許可部1114は、位置関係特定部1113により特定された位置関係が第1及び第2移動通信端末が近接していることを示す近接条件を満たす場合、通信料金の割引サービスを適用した通信を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末の通信料金の割引サービスに関する。
【背景技術】
【0002】
通信事業者は、携帯電話機やスマートフォンなどの移動通信端末の普及や、移動通信端末の利用促進を目的として、通信料金の割引サービスを加入契約者に提供することがある。例えば、特許文献1は、携帯電話の利用料金の団体割引契約による割引サービスを利用して、加入契約者である団体の構成員の携帯電話の利用料金を、個人契約での割引サービスよりも安くするための仕組みを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−85099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、用途ごとに移動通信端末を使い分けるといった理由で、ひとりのユーザが複数の移動通信端末を所有することがある。この場合、複数の移動通信端末に同一の加入契約者が加入契約することになる。これに対し、通信事業者が、自社の移動通信端末に2台以上加入契約した加入契約者に対して基本料金等の通信料金を割引く割引サービスを提供することで、その加入契約のより一層の促進を期待することができる。しかしながら、複数の移動通信端末に加入契約した加入契約者が、そのうちの一部の端末を他人に使用させている状況を技術的に判定できない場合がある。そのため、通信事業者にしてみればこのような割引サービスの導入が難しい場合がある。例えば、特許文献1に記載された技術では、実際に携帯電話を利用する者が加入契約者であるかを判定することなく、団体割引契約による割引サービスが適用されている。
そこで、本発明の目的は、同一の加入契約者が複数の移動通信端末に加入契約した場合において、通信料金の割引サービスが適用されるべき者が移動通信端末を利用したときに割引サービスを適用するための仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の管理サーバは、第1移動通信端末により送信された通信要求を取得する通信要求取得部と、前記通信要求取得部が前記通信要求を取得すると、前記第1移動通信端末と加入契約者が同一である第2移動通信端末を特定する端末特定部と、前記端末特定部により同一の加入契約者のものとして特定された前記第1及び第2移動通信端末の位置関係を特定する位置関係特定部と、前記位置関係特定部により特定された位置関係が前記第1及び第2移動通信端末が近接していることを示す所定の近接条件を満たす場合、当該近接条件を満たさない場合よりも前記加入契約者に課される通信料金を割り引いた通信を許可する許可部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の管理サーバにおいて、基地局と通信する前記第1及び第2移動通信端末における当該基地局からの受信電波の強度と、当該基地局を識別する基地局IDとを取得する位置特定情報取得部を備え、前記位置関係特定部は、前記位置特定情報取得部が取得した基地局IDと前記受信電波の強度とにより定まる当該第1及び第2移動通信端末の位置関係を特定し、前記許可部は、前記第1及び第2移動通信端末間の距離が閾値未満であることを示す位置関係を前記近接条件とし、前記位置関係特定部により特定された位置関係が当該近接条件を満たす場合に、前記通信料金を割引いた通信を許可するようにしてもよい。
この構成において、前記基地局は、前記受信電波を送信する各方向に対応して複数のセクタが設定されたものであり、前記位置特定情報取得部は、前記受信電波の強度及び基地局IDのほか、当該受信電波を送信したアンテナに対応する前記セクタを識別するセクタIDを取得し、前記位置関係特定部は、前記位置特定情報取得部が取得した基地局ID、セクタID及び受信強度に基づいて前記セクタ内での前記第1及び第2移動通信端末の位置をそれぞれ算出した後に前記第1及び第2移動通信端末間の距離を算出し、当該距離を前記位置関係として特定するようにしてもよい。
【0007】
本発明の管理サーバにおいて、前記第1及び第2移動通信端末は、基地局と通信し、前記位置関係特定部は、前記第1及び第2移動通信端末が通信する基地局を特定し、前記許可部は、前記第1及び第2移動通信端末が共通の前記基地局と通信することを前記近接条件とし、当該近接条件を満たす場合に前記通信料金を割引いた通信を許可するようにしてもよい。
【0008】
本発明の管理サーバにおいて、前記位置関係特定部は、前記第1移動通信端末が通信する期間中に、所定期間ごとに前記位置関係を特定するようにしてもよい。
本発明の管理サーバにおいて、前記許可部は、前記位置関係が前記近接条件を満たさない場合、前記通信要求に応じた通信を許可しないようにしてもよい。
【0009】
本発明の通信システムは、第1移動通信端末と、第2移動通信端末と、管理サーバとを備え、前記管理サーバは、前記第1移動通信端末により送信された通信要求を取得する通信要求取得部と、前記通信要求取得部が前記通信要求を取得すると、前記第1移動通信端末と加入契約者が同一である前記第2移動通信端末を特定する端末特定部と、前記端末特定部により同一の加入契約者のものとして特定された前記第1及び第2移動通信端末の位置関係を特定する位置関係特定部と、前記位置関係特定部により特定された位置関係が前記第1及び第2移動通信端末が近接していることを示す所定の近接条件を満たす場合、当該近接条件を満たさない場合よりも前記加入契約者に課される通信料金を割り引いた通信を許可する許可部とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明のプログラムは、コンピュータに、第1移動通信端末により送信された通信要求を取得する通信要求取得ステップと、前記通信要求取得ステップにおいて前記通信要求を取得すると、前記第1移動通信端末と加入契約者が同一である第2移動通信端末を特定する端末特定ステップと、前記端末特定ステップにおいて同一の加入契約者のものとして特定された前記第1及び第2移動通信端末の位置関係を特定する位置関係特定ステップと、前記位置関係特定ステップにおいて特定された位置関係が前記第1及び第2移動通信端末が近接していることを示す所定の近接条件を満たす場合、当該近接条件を満たさない場合よりも前記加入契約者に課される通信料金を割り引いた通信を許可するステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、同一の加入契約者が複数の移動通信端末に加入契約した場合において、通信料金の割引サービスが適用されるべき者が移動通信端末を利用したときに割引サービスを適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】通信システムの構成を示すブロック図。
【図2】管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図。
【図3】加入契約者情報のデータ構造を示す図。
【図4】課金データのデータ構造を示す図。
【図5】第1移動通信端末の構成を示すブロック図。
【図6】管理サーバの制御部の機能的構成を示す機能ブロック図。
【図7】基地局の設置場所とセルとの関係を模式的に表す図。
【図8】通信システムにおける動作手順を示すシーケンスチャート。
【図9】基地局の設置場所とセルとの関係を模式的に表す図。
【図10】近接条件を説明する図。
【図11】管理サーバの制御部の機能的構成を示す機能ブロック図。
【図12】通信システムにおける動作手順を示すシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、通信システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、通信システム1は、移動通信網100と、移動通信網100に収容される複数の移動通信端末200とにより構成される。移動通信網100は、例えばIMT−2000に準拠し、通信方式としてW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)を用いる通信網である。移動通信網100は、移動通信網100を運用する通信事業者と加入契約を行った者が所有する移動通信端末200に対して、通話サービスやパケット通信を用いたデータ通信サービスを提供する。移動通信端末200は、IMT−2000方式の通信規格に従って無線通信を行う無線通信端末である。
【0014】
図1には、複数の移動通信端末200のうち、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bを示す。第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bは同一の加入契約者により加入契約されたものである。すなわち、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bは、本来、同一の加入契約者であるユーザによって使用されるべきものである。加入契約者が同一であるか否かについては、例えば、加入契約を希望する者が加入契約を申し込む際に通信事業者により定められた規定に従って決定され、それに関わる情報が後述する加入契約者情報DB140に登録されることで決まる。なお、当該規定の内容によっては、例えば、個人名義で加入契約された移動通信端末200と、その個人が属する法人の名義で加入契約された移動通信端末200とが同一の加入契約者として扱われる場合もあり得る。すなわち、複数の移動通信端末200の加入契約者が同一である場合、必ずしもそれらの名義までもが同一であるとは限らない。
また、第1移動通信端末200aは、加入契約者のサブ端末として使用されるものとし、ここではスマートフォンである。第2移動通信端末200bは、加入契約者のメイン端末として使用されるものとし、ここでは携帯電話端末である。各移動通信端末200がメイン端末であるか、又はサブ端末であるかを示す情報は、後述するように移動通信網100側でも管理される。また、メイン端末となる移動通信端末200は加入契約者毎に1台ずつであり、それ以外の移動通信端末200はサブ端末である。
【0015】
移動通信網100は、管理サーバ110と、複数の交換機121を有する交換ネットワーク120と、基地局130と、加入契約者情報DB(Data Base)140と、課金サーバ装置150とを備える。図1では、図面が煩雑になることを防ぐために、交換ネットワーク120に含まれる交換機121のうちの1つのみを示す。また、図1には、この交換機121に接続される基地局130のうちの基地局130a〜130cのみを示す。
【0016】
管理サーバ110は、移動通信網100を経由する通信を管理するサーバ装置である。管理サーバ110は、移動通信網100経由の通信チャネルの確立するための制御や、移動通信端末200の位置登録制御などを行う。
交換ネットワーク120は、複数の交換機121を接続したネットワークである。交換機121は、1又は複数の基地局130と接続されている。交換機121は、自機に接続された基地局130がカバーする無線エリア(つまり、セル)内に位置する移動通信端末200から取得した通信要求に応じて、回線交換機能及びパケット交換機能を実現する。基地局130により定められるセルは、マクロセルと呼ばれる半径数百mから数Kmの範囲をカバーする無線エリアである。
基地局130は、移動通信網100の通信サービスエリア内に多数設置された広域基地局であり、自局のセル内に位置する移動通信端末200と無線通信を行う。
加入契約者情報DB140は、移動通信網100を運用する通信事業者と加入契約を結んだ加入契約者に関する情報を記憶するデータベースである。
課金サーバ装置150は、各加入契約者に課される通信料金を加入契約者毎に記述した課金データ151を記憶し、課金データ151を用いて通信料金を管理するサーバ装置である。課金サーバ装置150は、例えば交換機121により行われる通信サービスの種別や、通信時間、通信距離などを積算して行なわれる通信料金の計算結果を取得して、移動通信端末200ごとに加入契約者に課される通信料金を記憶する。
【0017】
図2は、管理サーバ110のハードウェア構成を示すブロック図である。管理サーバ110は、制御部111と、通信部112と、通信網用インタフェース113とを備える。制御部111は、CPU(Central Processing Unit)を含む演算装置やメモリを備え、プログラムを実行することにより管理サーバ110の各部の動作を制御する。通信部112は、交換ネットワーク120に接続するためのインタフェースである。通信部112は、交換ネットワーク120及び基地局130経由で移動通信端末200と通信する。通信網用インタフェース113は、交換ネットワーク120経由で加入契約者情報DB140及び課金サーバ装置150と通信する。
【0018】
図3は、加入契約者情報DB140が記憶する加入契約者情報のデータ構造を示す図である。図3に示すように、加入契約者情報は、「加入契約者ID」と、「端末ID」と、「エリアID」と、「メイン/サブ端末」という各情報を対応付けた構造である。加入契約者IDは、各移動通信端末200を識別する識別情報である。加入契約者情報DB140において互いに共通する加入契約者IDを含む複数の加入契約者情報があった場合、それらが互いに同一の加入契約者に関する加入契約者情報ということである。端末IDは、各移動通信端末200を識別する識別情報である。端末IDは、ここでは4桁の数値で表すが、SIM(Subscriber Identity Module)カード等で特定される端末識別情報や各移動通信端末200に割り当てられた電話番号などを用いることができる。図3に示す端末ID「0001」は第1移動通信端末200aを識別し、端末ID「0002」は第2移動通信端末200bを識別するものである。エリアIDは、管理サーバ110により行われる位置登録制御によって特定される、移動通信端末200が位置するエリア(以下、「位置登録エリア」という。)を識別する識別情報である。位置登録制御において、管理サーバ110は、移動通信端末200から送信されてくる位置登録要求信号を受信する。この位置登録要求信号には、送信元の移動通信端末200を識別する端末IDと、移動通信端末200が位置する位置登録エリアを識別するエリアIDとが含まれている。管理サーバ110は、端末IDに対応させてエリアIDを図示せぬホームメモリに記憶させて位置登録制御を行う。また、この位置登録制御時には、管理サーバ110は、加入契約者情報DB140のエリアIDも書き換える。「メイン/サブ端末」は、各移動通信端末200が加入契約者のメイン端末か又はサブ端末のどちらであるかを示す。ここでは、各加入契約者が最初に加入契約した移動通信端末200がメイン端末となり、それ以外の移動通信端末200がサブ端末になるものとする。
なお、各移動通信端末200がメイン端末又はサブ端末のどちらになるかについては、例えば加入契約者により決められてもよく、その決め方は任意である。
【0019】
図3に示される加入契約者情報によると、加入契約者ID「USER01」で識別される加入契約者は、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bに加入契約している。そして、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bの双方がエリアID「AREA−1」で識別される位置登録エリア内に位置する。例えば、ユーザが第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bの双方を携帯している場合には、加入契約者情報におけるエリアIDは一致する。加入契約者ID「USER02」や「USER03」で識別される加入契約者は、それぞれ、加入契約者ID「USER01」で識別される加入契約者とは異なる者である。そして、端末ID「0003」,「0004」で識別される移動通信端末200はそれぞれメイン端末である。
【0020】
図4は、課金サーバ装置150が記憶する課金データ151のデータ構造を示す図である。課金サーバ装置150は、通話やデータ通信などの通信の種別ごとに分類して課金額を課金データ151に記述するが、説明を簡単にするために、図4には移動通信端末200毎の通信料金の合計額のみを示す。
課金データ151は、「端末ID」と「通信料金」とを対応付けた構造である。端末IDは、加入契約者情報DB140に記述されるものと同じであり、各移動通信端末200を識別する。通信料金は、対応付けられた端末IDが示す移動通信端末200の加入契約者に課される課金額を表す。図4に示す各端末IDの移動通信端末200の加入契約者に課される通信料金は、以下の根拠に基づいて定められる。
【0021】
まず、端末ID「0001」、「0002」及び「0003」の移動通信端末200の加入契約者は、通信料金が「¥4000」で固定である料金プランで加入契約しているものとする。上述したように、端末ID「0001」及び「0002」の移動通信端末200の加入契約者は同一であり、複数台の移動通信端末200を加入契約している。このような加入契約者については、通信事業者により通信料金の割引サービスが適用される。ここでは、サブ端末の通信料金を所定の割引率で割り引く(ここでは、2割引)割引サービスが適用される。よって、図4に示すように、端末ID「0001」の移動通信端末200の加入契約者に課される通信料金は、¥4000の2割引である「¥3200」である。一方、端末ID「0002」及び「0003」の移動通信端末200はメイン端末であるから割引サービスは適用されず、それぞれ通信料金は「¥4000」である。端末ID「0004」の移動通信端末200の加入契約者は、一定の通信量以上の通信を行った場合に、その通信量に応じて通信料金が加算される従量制を採用した料金プランで加入契約しているものとする。図4に示される課金データ151には、端末ID「0004」の移動通信端末200の加入契約者に課される通信料金として、「¥4400」と記述されている。
【0022】
図5は、第1移動通信端末200aの構成を示すブロック図である。図5に示すように、第1移動通信端末200aは、制御部201と、音声入出力部202と、無線通信部203と、UI(User Interface)部204と、記憶部205とを備える。
制御部201は、CPUを含む演算装置やメモリを備え、プログラムを実行することにより第1移動通信端末200aの各部の動作を制御する。音声入出力部202は、受話音声を収音するマイクや送話音声を放音するスピーカなどを備え、音声の入出力に関する機能を実現する。無線通信部203は、無線通信回路やアンテナを備え、移動通信網100に接続するためのインタフェースである。UI部204は、タッチパネルによりユーザからの操作を受け付けるとともに、表示面に表示する画像により情報を報知する。記憶部205は、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)を備え、各種のデータを記憶する。
第2移動通信端末200bは、ユーザの操作を受け付ける操作部と表示面に画像を表示する表示部とが別個に設けられる点を除いて、第1移動通信端末200aと同等のハードウェア構成を有しているとみなしてよい。
【0023】
図6は、管理サーバ110の制御部111の機能的構成を示す機能ブロック図である。制御部11は、プログラムを実行することにより、通信要求取得部1111と、端末特定部1112と、位置関係特定部1113と、許可部1114とに相当する機能を実現する。以下、サブ端末である第1移動通信端末200aが移動通信網100に対して通信要求する場合の機能的構成を説明する。
通信要求取得部1111は、第1移動通信端末200aによって送信された通信要求メッセージが基地局130及び交換ネットワーク120経由で通信部112により受信されると、受信された通信要求メッセージを取得する。通信要求メッセージは、移動通信端末200が、移動通信網100に対して、通信チャネルを確立してその通信チャネルを用いた通信の開始を要求する際に送信するメッセージである。通信要求メッセージは、例えば、音声通信やデータ通信の通信チャネルの確立を要求するものである。
【0024】
端末特定部1112は、通信要求取得部1111が通信要求メッセージを取得すると、通信要求メッセージを送信した第1移動通信端末200aと加入契約者が同一である移動通信端末200を特定する。端末特定部1112は、第1移動通信端末200aを識別する端末IDに対応付けて加入契約者情報DB140に記憶された端末IDで識別される移動通信端末200を特定する。図4に示される加入契約者情報DB140に従えば、端末特定部1112は第2移動通信端末200bを特定する。
【0025】
位置関係特定部1113は、端末特定部1112により同一の加入契約者のものとして特定された第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bの位置関係を特定する。ここでは、位置関係特定部1113は、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bが通信する基地局130を特定することで、両端末の位置関係を特定する。位置関係特定部1113は、各移動通信端末200から受信する信号に付加された基地局IDを参照して、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bが通信する基地局130を特定する。
【0026】
許可部1114は、位置関係特定部1113により特定された位置関係が、移動通信端末200同士が近接していることを示す所定の近接条件を満たす場合、通信料金の割引サービスを適用した通信を許可する。近接条件は、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bの位置が或る程度近いことを示す条件として予め決められている。具体的には、近接条件は、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bが共通の基地局130と通信することを示す。許可部1114は、近接条件を満たすと判断した場合、通信部112によって交換ネットワーク120の交換機121と通信し、通信要求メッセージに応じた通信を許可することを示す許可信号を交換機121に送信する。交換機121は、許可部1114により送信された許可信号を受信すると、通信要求メッセージに従って通信チャネルを確立する。第1移動通信端末200aは、交換機121により確立された通信チャネルを用いて、移動通信網100を経由の通信を開始する。許可部1114は、近接条件を満たさないと判断した場合、通信要求メッセージに応じた通信を許可しないことを示す不許可信号を交換機121に送信する。交換機121は、許可部1114により送信された不許可信号を受信すると、通信要求メッセージに従った通信チャネルを確立しない。
【0027】
ここで、管理サーバ110が、通信要求メッセージに従った通信チャネルの確立を許可するか又は不許可とするかを、加入契約者が同一である複数の移動通信端末200の位置関係により決定する理由について説明する。
図7は、基地局130の設置場所とセルとの関係を模式的に表す図である。ここではエリアID「AREA−1」で識別される位置登録エリア内に基地局130a〜130cが設置されているものとする。
図7に示すように、位置登録エリアには、基地局130aにより定まるセルa、基地局130bにより定まるセルb、及び基地局130cにより定まるセルcが構成される。第1移動通信端末200aの位置(「★」で図示する位置)と、第2移動通信端末200bの位置(「☆」で図示する位置)とが同一のセルa内にある場合、両端末の位置関係が近接条件を満たすものとして管理サーバ110により通信チャネルの確立が許可される。例えば、同一の加入契約者であるユーザの手元に第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bの双方がある場合には、この近接条件を満たす可能性がかなり高い。この場合、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bの加入契約者が他者にそのうちの一方の端末を使わせている可能性は、両端末が近接しているという理由から低いと考えられる。
【0028】
一方、第1移動通信端末200aの位置がセルa内であり、第2移動通信端末200bの位置がセルb又はセルc(「(☆)」で図示する位置)内にある場合のように、これらが互いに異なるセル内にある場合、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bは近接条件を満たさない。近接条件を満たさない場合は、両端末は距離が離れた位置にあり、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bが同一ユーザの手元にない可能性が高い。この場合、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bの加入契約者が、他者に一方の端末を使わせている可能性がある。このような利用が行われた場合に通信料金の割引サービスが適用されると、ひとりのユーザが複数台の移動通信端末200を利用することの特典として通信事業者が割引サービスを提供するという、本実施形態の割引サービスの趣旨に反するため、管理サーバ110は割引サービスを適用した通信を許可しない。すなわち、管理サーバ110は、通信チャネルを確立しないことで割引サービスを適用しないようにしている。
次に、通信システム1の動作について説明する。
【0029】
図8は、通信システム1における動作手順を示すシーケンスチャートである。以下、サブ端末である第1移動通信端末200aが移動通信網100に対して通信要求する場合の動作を説明する。
第1移動通信端末200aのユーザが通話を希望し、UI部204を操作してアドレス帳から通話相手を指定して、通話開始を指定するソフトボタンを操作したとする。この操作を契機に、制御部201は、無線通信部203によって音声通信の通信チャネルの確立を要求するための通信要求メッセージを送信する(ステップSA1)。ここで、図7に「★」で示す位置に第1移動通信端末200aが位置する場合、基地局130aが第1移動通信端末200aからの通信要求メッセージを受信する。なお、この通信要求メッセージには、通信要求メッセージの送信元である第1移動通信端末200aを示す端末IDや、第1移動通信端末200aが通信する基地局130aの基地局IDが含まれる。
【0030】
管理サーバ110の制御部111は、基地局130a及び交換ネットワーク120経由で、通信部112により通信要求メッセージを受信してこれを取得する。次に、制御部111は、通信要求メッセージの送信元である第1移動通信端末200aがサブ端末であるか否かを判断する(ステップSA2)。ここでは、制御部111は、通信要求メッセージに含まれる端末ID(ここでは、「0001」)を指定して、この端末IDの移動通信端末200がメイン端末かサブ端末かの通知要求を、通信網用インタフェース113によって加入契約者情報DB140に送信する。加入契約者情報DB140は、通知要求を受信すると、この通知要求で指定された端末ID「0001」を含む加入契約者情報の「メイン/サブ端末」を参照する。そして、加入契約者情報DB140は、通知要求で指定された端末IDの移動通信端末200がメイン端末又はサブ端末のどちらであるかの通知を、管理サーバ110に送信する。
【0031】
管理サーバ110の制御部111は、通信網用インタフェース113によって管理サーバ110から受信した通知に応じて、通信要求メッセージの送信元の第1移動通信端末200aがサブ端末であると判断すると(ステップSA2;YES)、この第1移動通信端末200aが通信する基地局130を特定する(ステップSA3)。ここでは、制御部111は、通信要求メッセージに含まれる基地局IDを参照して、第1移動通信端末200aが基地局130aと通信することを特定する。
次に、制御部111は、第1移動通信端末200aと加入契約者が同一である移動通信端末200を、加入契約者情報DB140に基づいて特定する(ステップSA4)。ここでは、制御部111は、第1移動通信端末200aの端末ID「0001」を指定して、加入契約者が同一である移動通信端末200の通知要求を、通信網用インタフェース113によって加入契約者情報DB140に送信する。加入契約者情報DB140は、通知要求を受信すると、この通知要求で指定された端末ID「0001」と加入契約者IDが同一である加入契約者情報を、第1移動通信端末200aに送信する。加入契約者情報DB140では、端末ID「0001」に対応付けられた加入契約者IDは「USER01」であり、加入契約者ID「USER01」に対応付けられる端末IDは「0001」及び「0002」である。よって、加入契約者情報DB140は、端末IDは「0001」及び「0002」を含む加入契約者情報を、管理サーバ110に送信する。
【0032】
次に、管理サーバ110は、加入契約者情報DB140から受信した加入契約者情報に基づき、第1移動通信端末200aと加入契約者が同一であると指定された第2移動通信端末200bに着呼要求を送信する(ステップSA5)。このとき、制御部111は、加入契約者情報に基づいて第2移動通信端末200bが位置する位置登録エリアを特定し、この位置登録エリア内の基地局130経由で、第2移動通信端末200bに着呼要求を送信する。
なお、この時点では、第2移動通信端末200bが位置登録エリア内のどの基地局130により定まるセル内に位置するかは不明である。
【0033】
第2移動通信端末200bは着呼要求を受信すると、自端末が位置するセルの基地局130と通信して応答信号を送信する(ステップSA6)。この応答信号には、その送信元である第2移動通信端末200bを識別する識別情報(ここでは、端末IDである。)が含まれる。第2移動通信端末200bは、基地局130からの受信電波のうち、最も強度が大きい受信電波の送信元の基地局130と通信する。よって、図7に「☆」で示す位置に第2移動通信端末200bが位置する場合、第2移動通信端末200bは基地局130aに応答信号を送信する。
【0034】
管理サーバ110の制御部111は、基地局130及び交換機121を含む交換ネットワーク120経由で、通信部112により基地局130aを示す基地局IDが付加された応答信号を受信する。
次に、制御部111は、受信した応答信号に基づいて、第2移動通信端末200bが通信した基地局を特定する(ステップSA7)。制御部111は、応答信号に含まれる基地局IDを参照して、第2移動通信端末200bが基地局130aと通信することを特定する。
【0035】
次に、制御部111は、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bが同一のセル内に位置するか否かを判断する(ステップSA8)。この条件を満たす場合、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bは近接条件を満たすことになる。このように、近接条件は、端末間距離がおよそ500m〜1km以内に収まることを想定して決められている。よって、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bが同一セル内に位置すれば、端末間距離はおおよそこの距離範囲内に収まると推定される。
ここでは、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bの双方がセルa内に位置するので、制御部111はステップSA8の処理で「YES」と判断する。そして、制御部111は、ステップSA1の処理で第1移動通信端末200aから受信した通信要求メッセージに従って、通信料金の割引サービスを適用した通信を許可する(ステップSA9)。ここでは、制御部111は、交換ネットワーク120の交換機121に通信チャネルの確立を許可する許可信号を送信する。交換機121は、管理サーバ110からの許可信号の受信を契機に、通信相手となる通話先に着呼要求を送信する。そして、通話先からの応答があると、交換機121は第1移動通信端末200aと通話先との間に音声通信の通信チャネルを確立し、この通信チャネルを用いて音声通信を行う。
なお、ここでは音声通信を例に挙げて説明したがデータ通信の場合も、通信チャネルの確立の手順は同様である。
【0036】
ところで、ステップSA8の処理において、制御部111は、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bが同一のセル内に位置しないと判断した場合(ステップSA8;NO)、通信要求メッセージに応じた通信チャネルの確立を許可しない。すなわち、制御部111は、通信路の確立を許可しないことを示す不許可信号を交換ネットワーク120の交換機121に送信する。不許可信号を受信した交換機121は、通信要求メッセージに従って通信チャネルの確立しない。
この場合、制御部111は、通信チャネルを確立できなかった旨のメッセージを第1移動通信端末200aに通知するとよい。例えば、制御部111は、第1移動通信端末200aのUI部204に「接続できませんでした。」というメッセージを表示させるための制御信号を、通信部112により送信する。第1移動通信端末200aに表示されたこのメッセージを見たユーザは、第2移動通信端末200bが手元にあることを確認して、再度、通信チャネルの確立を試みるとよい。
【0037】
また、制御部111は、ステップSA2の処理で通信要求メッセージの送信元がメイン端末と判断した場合(ステップSA2;NO)、ステップSA9の処理に進んで通信を許可する。すなわち、制御部111は、メイン端末からの通信要求メッセージを受信した場合、そのメイン端末と、これと同一加入契約者のサブ端末との位置関係に関わらず、通信を許可する。このようにするのは、メイン端末が行う通信の通信料金の割引サービスを通信事業者が提供していないからである。
【0038】
また、制御部111は、ステップSA4の処理において、第2移動通信端末200bの位置登録エリアが第1移動通信端末200aと異なると判断した場合、ステップSA5〜SA7の処理をスキップして、さらに、ステップSA8の処理で「NO」と判定し、通信チャネルの確立を許可しないようにしてもよい。位置登録エリアが異なる場合には、第1移動通信端末200aと第2移動通信端末200bとが同一のセル内に位置することはないからである。
【0039】
以上説明した第1実施形態によれば、移動通信網100の管理サーバ110は、加入契約者が同一である複数の移動通信端末200が同一のセル内に位置することを近接条件として、通信チャネルの確立の許可又は不許可を判断し、その判断に応じた制御を行う。これにより、これらの移動通信端末200が他のユーザに貸し出された場合を判定し、不正に割引サービスが適用される可能性を抑えることができ、通信事業者による割引サービスの導入への障害を減らすことができる。このようにして、通信システム1の移動通信網100によれば、通信料金の割引サービスが適用されるべき者が移動通信端末200を利用した場合にその割引サービスを適用できる。また、この構成によれば、従来の通信システムに大規模な設備を導入する必要がなく、管理サーバ110は、既存の基地局130を用いてこれらの移動通信端末200の位置関係を把握することができるので、設置及び運用コストの増大を抑えることもできる。
【0040】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態の通信システム1は、加入契約者が同一である複数の移動通信端末200の位置関係を特定するための構成が上述した第1実施形態とは相違する。以下の説明で、通信システム1の全体構成や各装置のハードウェア構成は第1実施形態と共通する。また、本実施形態の通信システム1の構成のうち、第1実施形態と共通するものは同一の符号を付して表し、その各構成の説明及び図示を適宜省略する。
【0041】
図9は、基地局130の設置場所とセルとの関係を模式的に表す図である。ここでは、エリアID「AREA−1」で識別される位置登録エリア内に位置する基地局130a〜130cについて図示する。
図9に示すように、基地局130aにより定まるセルa、基地局130bにより定まるセルb及び基地局130cにより定まるセルcが存在するものとする。セルa,b,cは一部で互いに領域が重なり合っている。ここでは、第1移動通信端末200aの位置(「★」で図示する位置)がセルa内にあり、第2移動通信端末200bの位置(「☆」で図示する位置)がセルb内に位置する。この場合、両端末の距離は近接しているものの、第1移動通信端末200aが基地局130aと通信し、第2移動通信端末200bが基地局130bと通信するので、通信相手の基地局130が異なる。どの基地局130が通信相手となるかは、移動通信端末200の位置のみならず、基地局130が送信する電波の強度やその送信方向、基地局130の設置場所などにより左右される。よって、移動通信端末200の位置するセルのみを参照する方法では、両端末の近接の程度を正確に把握することができない場合があると考えられる。
【0042】
図10は、この実施形態における近接条件を説明する図である。
基地局130はセクタ化されており、電波を送信する各方向に対応して複数のセクタが設定されている。図10に示すように、基地局130により定まるセルは3つのセクタに分割される。ここでは、基地局130aのセルは図示のとおりセクタsa1,sa2,sa3に等分割され、基地局130bのセルは図示のとおりセクタsb1,sb2,sb3に等分割された場合を想定する。各セクタに対応して設けられるセクタアンテナは、図示の矢印方向Da1〜Da3,Db1〜Db3を指向中心とした指向性を持つアンテナである。
【0043】
第1に、移動通信端末200がセクタアンテナから受信する信号を参照すれば、移動通信端末200がどのセクタ内に位置するかを把握することができる。つまり、移動通信端末200が基地局130に対してどの方位に位置するのかを把握することができる。なお、基地局130は、基地局IDとともにセクタアンテナを識別するセクタIDを送信する。このセクタIDを参照すれば、移動通信端末200がどのセクタアンテナから電波を受信したのかを特定することができる。
第2に、移動通信端末200が基地局130から受信する電波は、基地局130からの距離が大きくなるにつれて次第に減衰する。つまり、移動通信端末200が基地局130から遠ざかるほど、セクタアンテナからの受信電波の強度が小さくなる。よって、移動通信端末200におけるセクタアンテナからの電波の受信強度を参照すれば、移動通信端末200の基地局130からの距離がどの程度であるかを把握することができる。例えば、基地局130からの距離の2乗に比例して電波の受信強度が低下するとみなすことも可能である。少なくとも、セクタアンテナの送信する電波の強度と、移動通信端末200における当該電波の受信強度とが既知であれば、移動通信端末200の基地局130からの距離を推測することができる。
【0044】
以上のように、移動通信端末200がどのセクタアンテナから電波を受信し、また、その受信強度がどの程度であるかを参照すれば、移動通信端末200の端末位置を算出することが可能である。ただし、セクタアンテナからの距離に応じて電波の受信強度は変化し、また、移動通信端末200は1組の基地局ID、セクタID及び受信強度のデータセットを用いて端末位置を算出するので、この方法では、例えば図10に帯状領域T1,T2で示したように帯状の領域で端末位置が算出される。しかしながら、上述した第1実施形態と同様、割引サービスの適用の有無を決めるために、1加入契約者が加入契約した複数の移動通信端末200の端末間距離がおよそ500m〜1km以内であるという近接条件を満たすか否かを判断できればよいことを考えれば、この帯状領域が求まるだけで十分であるといえる。
【0045】
図10に示すように、例えば、第1移動通信端末200aがセクタsa1内に位置し、帯状領域T1という端末位置が算出され、第2移動通信端末200bがセクタsb2内に位置し、帯状領域T2という端末位置が算出されたとする。この場合、例えば各帯状領域の重心同士の距離を端末間距離としてよい。この場合、マクロセルの大きさに照らせば、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bは、近接条件を満たすとみなして差し支えない。一方で、各移動通信端末200が同一の基地局130と通信する場合であっても、異なるセクタアンテナからの受信強度の方が大きかったり、その受信強度がかなり小さかったりする場合には、近接条件を満たさないとみなされる。例えば、図10に示す領域T3内に第1移動通信端末200aが位置したり、図10に示す領域T4内に第2移動通信端末200bが位置したりする場合には、両端末が500m〜1kmという閾値以下の距離で近接しておらず、この場合は近接条件を満たさないとみなされる。
以上説明した考え方により、管理サーバ110は複数の移動通信端末200の位置関係を特定する。このために、管理サーバ110は、基地局ID、セクタID及び移動通信端末200における電波の受信強度を含む位置特定情報を、基地局130経由で移動通信端末200から受信する。管理サーバ110は、この位置特定情報を用いて各移動通信端末200の端末位置を算出し、複数の移動通信端末200の位置関係を特定する。
【0046】
図11は、管理サーバ110の制御部111の機能的構成を示す機能ブロック図である。制御部11は、プログラムを実行することにより、通信要求取得部1111と、端末特定部1112と、位置関係特定部1113と、許可部1114と、位置特定情報取得部1115とに相当する機能を実現する。通信要求取得部1111及び端末特定部1112が実現する機能は、上述した第1実施形態と同じである。
位置特定情報取得部1115は、移動通信端末200から通信部112経由で位置特定情報を取得する。移動通信端末200は、例えば、基地局130から受信された電波の受信強度を測定する。そして、移動通信端末200は、測定した受信強度と、予め基地局130から取得しておいた基地局ID及びセクタIDを含む位置特定情報を、基地局130経由で移動通信網100に送信する。当該電波は、例えば、基地局130が定期的に送信するパイロット信号に係る電波である
位置関係特定部1113は、位置特定情報取得部1115が取得した位置特定情報を参照して、移動通信端末200が通信するセクタアンテナを示す基地局ID及びセクタIDと、位置特定情報取得部1115が取得した受信強度とに基づいて、各移動通信端末200のそれぞれの端末位置を算出する。
許可部1114は、位置関係特定部1113により特定された位置関係が、第1移動通信端末200及び第2移動通信端末200bの端末間の距離が閾値未満である位置関係であることを近接条件とし、当該近接条件を満たす場合に通信料金を割引いた通信を許可する。
【0047】
図12は、通信システム1における動作手順を示すシーケンスチャートである。以下では、第1移動通信端末200aが通信要求メッセージを送信する場合の動作について説明する。ステップSA1〜SA4の処理ステップは上述した第1実施形態と同じであるから、その説明を省略する。
管理サーバ110の制御部111は、ステップSA4の処理で加入契約者が同一である移動通信端末200を特定すると、位置特定情報の送信を要求する送信要求信号を、通信部112により各移動通信端末200に送信する(ステップSB5)。ここでは、制御部111は、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bのそれぞれに送信要求信号を送信する。送信要求信号を受信した第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bは、基地局130からの受信電波の強度を測定するとともに、予め取得しておいた基地局ID及びセクタIDを特定して、位置特定情報を生成する。そして、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bは、基地局130に位置特定情報を送信する(ステップSB6)。管理サーバ110の制御部111は、第1移動通信端末200a及び第2移動通信端末200bにより送信された位置特定情報を、基地局130経由で通信部112により受信する。
【0048】
次に、制御部111は、位置特定情報に基づいて、各移動通信端末200の端末位置を算出する(ステップSB7)。ここでは、上述したように、制御部111は、位置特定情報で絞り込める領域(例えば、図10の領域T1,T2)を端末位置として算出するとよい。そして、制御部111は、算出した端末位置に基づいて、近接条件を満たすか否かを判断する(ステップSB8)。ここで、制御部111は、位置特定情報で絞り込める領域の重心同士の距離を端末間の距離として算出し、この端末間の距離が閾値未満である場合には近接条件を満たすと判断する(ステップSB8;YES)。そして、制御部111は、割引サービスを適用した通信を許可する(ステップSB9)。ステップSB9の処理は、上述した第1実施形態のステップSA9と同じでよい。一方、制御部111は、近接条件を満たさないと判断すると(ステップSB8;NO)、通信要求メッセージに応じた通信を許可しない。制御部111が実行する通信の不許可の場合の制御についても、上述した第1実施形態と同じでよい。
【0049】
以上説明した第2実施形態の通信システム1によれば、上述した第1実施形態の構成よりもより詳細に移動通信端末200同士の位置関係を特定することができ、仮にそれらが位置するセルが異なっていても、両者の近接の程度を管理サーバ110は把握することができる。これにより、加入契約者自身によって移動通信端末200が利用されている場合に限って割引サービスを適用した通信を許可する、という趣旨に沿って、通信事業者が割引サービスを提供する精度をより高めることができる。また、管理サーバ110は位置特定情報に基づいて端末位置を算出するので、通信システム1の導入による設置・運用コストが増大することを抑えられるし、システム構成が複雑化することもない。
【0050】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
[変形例1]
上述した各実施形態では、管理サーバ110が割引サービスを適用した通信を許可しない場合には、通信要求メッセージに応じた通信チャネルを確立しないようにしていた。管理サーバ110が行う割引サービスを適用した通信を許可しないための制御は、これ以外のものであってもよい。
例えば、管理サーバ110は割引サービスを適用しないものの、通信料金の割引をしないで、通信要求メッセージに応じた通信チャネルを確立してもよい。この場合、例えば、管理サーバ110は同一の移動通信端末200について閾値以上の回数だけ近接条件を満たさなかったと判断すると、以降、割引サービスを適用せずに通常の通信料金として通信を許可する。図4の例を用いれば、加入契約者ID「USER01」の第1移動通信端末200aにも「¥4000」の通信料金が課される。この場合、制御部111の許可部1114は、通信網用インタフェース113によって、課金サーバ装置150に通信料金の書き換えを指示する指示信号を送信するとよい。この指示信号には、例えば、割引サービスを適用しないことを示す指示と、どの移動通信端末200に関する指示であるかを示す端末IDとが含まれる。課金サーバ装置150は、指示信号を受信すると、指示信号により指定される端末IDに対応付けられた通信料金を書き換えて、課金データ151を更新する。
【0051】
また、通信システム1では、固定料金の割引のみならず、例えば従量制の契約プランで加入契約した加入契約者を示す加入契約者ID「USER04」に対して、従量部分の通信料金の割引が行われてもよい。
また、通信事業者により、サブ端末でなくメイン端末の通信料金を割引くサービスが提供されてもよいし、サブ端末とメイン端末とを区別せずに、1加入契約者が加入契約したすべての移動通信端末200に対して割引サービスが提供されてもよい。さらに、1加入契約者が3台以上の移動通信端末200に加入契約した場合、管理サーバ110は、第1及び第2実施形態と同様、通信要求メッセージを送信したサブ端末1つについてのみメイン端末との位置関係を特定してもよいし、通信要求メッセージを送信した移動通信端末200(メイン又はサブ端末)と、加入契約者が同一であるそれ以外のすべての移動通信端末200との位置関係をそれぞれ特定し、すべての位置関係が近接条件を満たした場合に限り、通信料金の割引サービスを適用した通信を許可してもよい。
要するに、本発明の管理サーバは、近接条件を満たした場合に、1加入契約者が加入契約した複数の移動通信端末のうち少なくとも一部の端末の通信料金を、当該近接条件を満たさない場合に比べて割引くための制御を行えばよい。よって、管理サーバ110は、近接条件を満たさない場合には、通信料金に割増料金を加算してもよい。
【0052】
[変形例2]
管理サーバ110は上述した第1、第2実施形態の方法以外で、第1移動通信端末200aと第2移動通信端末200bとの位置関係を特定してもよい。例えば、各移動通信端末200が赤外線通信方式や、接触式又は非接触式のICチップを用いた通信方式や、近距離無線通信方式などの、移動通信網100を経由しない通信を行う通信手段を備えるものとする。そして、通信要求メッセージの送信開始前に、同一加入契約者の移動通信端末200同士でこの通信手段による通信を行い、この通信が成功した場合に近接条件を満たすとみなしてもよい。この場合、通信要求メッセージを送信する移動通信端末200は、同一加入契約者の移動通信端末200との通信により近接条件を満たすと判断した場合に、その旨を管理サーバ110に通知する。管理サーバ110はこの通知を受け取った場合に限り、割引サービスを適用した通信を許可する。
【0053】
また、位置登録エリアが狭い場合には、位置登録エリアが同一とすることを近接条件としてもよい。また、GPS(Global Positioning System)による測位結果を用いて、管理サーバ110が同一加入契約者の端末間距離が閾値以下である場合に、近接条件を満たすようにしてもよい。
また、上述した第1及び第2実施形態の位置関係の特定に係る構成を組み合わせてもよい。この場合、管理サーバ110は、同一加入契約者の複数の移動通信端末200が同一セル内に位置し、かつ、端末間距離が閾値未満である場合に、割引サービスを適用した通信を許可する。
また、上述した各実施形態ではマクロセルを想定していたが、例えばフェムトセルのように無線エリアの範囲が狭い場合(フェムトセルであれば、およそ半径数mから数十mの範囲)には、第2実施形態のように端末間距離を用いる方法がより好適である。よって、無線エリアの範囲が閾値以下である場所に限って、第2実施形態のように端末間距離を用いる方法を採用してもよい。また、基地局はセクタ化されていないものであってもよい。
また、管理サーバ110は、位置関係の特定のたびに端末位置を算出するのではなく、近接条件を満たしている場合の移動通信端末200が位置する基地局、セクタ及び電波の受信強度の対応関係を記述したデータベースを予め記憶し、このデータベースと位置特定情報との照合により、近接条件を満たすか否かを判断してもよい。
【0054】
また、上述した第2実施形態では、管理サーバ110は、移動通信端末200ごとに1つの基地局からの電波の受信強度を用いて端末位置を算出していたが、2以上の基地局130からの電波の受信強度を用いて1つの移動通信端末200の端末位置を算出してもよい。このようにすれば、管理サーバ110により算出される端末位置の精度が向上する。
【0055】
[変形例3]
上述した各実施形態では、通信要求メッセージを管理サーバ110が受信したことを契機に、管理サーバ110が近接条件を満たすか否かを判断していた。これに対し、通信が開始されてから移動通信端末200同士の位置関係が変化し、途中で近接条件を満たさなくなる場合が考えられる。そこで、位置関係特定部1113は、移動通信端末200が通信する期間中に所定期間ごと(例えば、1分ごと)に、加入契約者が同一である他の移動通信端末200との位置関係を特定するようにしてもよい。この場合、許可部1114は、位置関係特定部1113で最新の位置関係が特定されると、その特定結果に応じた制御を行う。つまり、通信中に近接条件を満たさなくなった場合、そこで通信チャネルを切断したり、割引サービスの適用を取りやめたりする、という実施が可能である。
管理サーバ110は、移動通信端末200から通信要求メッセージを受信したことを契機に割引サービスを適用した通信の許可の有無を判断するものである。よって、ユーザにより通信開始を指示する操作が行われた場合に限らず、移動通信端末200が自発的に移動通信網100に通信要求メッセージを送信するたびに、管理サーバ110が割引サービスを適用した通信の許可の有無を判断するとよい。
【0056】
[変形例4]
サブ端末である一の移動通信端末200が短期間に何度も通信接続を試みることが考えられる。そこで、管理サーバ110は、通信要求メッセージに従って通信を許可した場合、その通信要求メッセージの取得を契機に特定した位置関係を決められた期間だけ保持しておく。そして、管理サーバ110は、その保持期間内に同一の端末から通信要求メッセージを取得した場合には、メイン端末との位置関係を特定することなく、通信を許可してもよい。つまり、上述した第1実施形態の構成では、管理サーバ110はステップSA2〜SA8の処理を省略し、上述した第2実施形態の構成では、管理サーバ110はステップSA2〜SB8の処理を省略する。
短期間内に複数端末の位置関係が大きく変化することはほとんどない。よって、この変形例の構成によれば、管理サーバ110は加入契約者自身によって移動通信端末200が利用されている場合に通信料金の割引サービスを適用しつつ、通信システム1における通信接続に必要な処理を減らすことができる。
【0057】
[変形例5]
上述した第1実施形態のステップSA5の処理に応じて第2移動通信端末200bが応答信号を送信しなかった場合や、上述した第2実施形態のステップSB5の処理に応じて第2移動通信端末200bからの応答がなかった場合に、管理サーバ110は通信要求メッセージに従った通信を許可するようにしてもよい。第2移動通信端末200bからの応答信号がなかった場合とは、例えば第2移動通信端末200bが電源オフである場合が考えられるし、その時点で第2移動通信端末200bが使用されていない可能性が高く、第2移動通信端末200bの不正利用の可能性が低いと考えられるからである。よって、管理サーバ110は、ユーザの利便性も考慮して、第1移動通信端末200aから送信された通信要求メッセージに応じた通信を許可するようにしてもよい。
【0058】
この場合、位置関係特定部1113は、第2移動通信端末200bの応答がなかった場合には電源オフであるとみなして、近接条件を満たすか否かに関わらず通信料金を割引いた通信を許可する。なお、第2移動通信端末200bが電源オフであることを確認するため、通信システム1を以下のように構成してもよい。第2移動通信端末200bの電源がオン又はオフされたときには、その旨を示す信号を第2移動通信端末200bが管理サーバ110に送信する。そして、管理サーバ110がこの信号の受信の有無に基づいて各移動通信端末200の電源のオンオフの状況をデータベースに記録しておき、このデータベースを参照して第2移動通信端末200bの電源がオン又はオフのどちらであるかを判断してもよい。
また、管理サーバ110が、第2移動通信端末200bが電源オフである場合にも通信料金の割引サービスを適用しない、という実施も可能である。
【0059】
[変形例6]
上述した各実施形態では、本発明の移動通信端末がスマートフォンや携帯電話端末である場合を説明したが、本発明は、その他の移動通信端末に適用することも可能である。例えば、本発明は、例えば、モバイルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯ゲーム機等の様々な移動通信端末に適用することができる。
また、管理サーバ110、加入契約者情報DB140及び課金サーバ装置150は別個の装置で実現される態様に限らず、これら各装置の機能を1つのサーバ装置が実現してもよい。
上述した管理サーバ110の制御部111が実現する各機能は、複数のプログラムの組み合わせによって実現され、又は、複数のハードウェア資源の協働によって実現され得る。
【符号の説明】
【0060】
1…通信システム、100…移動通信網、110…管理サーバ、111…制御部、1111…通信要求取得部、1112…端末特定部、1113…位置関係特定部、1114…許可部、1115…位置特定情報取得部、112…通信部、113…通信網用インタフェース、120…交換ネットワーク、121…交換機、130,130a,130b,130c…基地局、140…加入契約者情報DB、150…課金サーバ装置、151…課金データ、200…移動通信端末、200a…第1移動通信端末、200b…第2移動通信端末、201…制御部、202…音声入出力部、203…無線通信部、204…UI部、205…記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1移動通信端末により送信された通信要求を取得する通信要求取得部と、
前記通信要求取得部が前記通信要求を取得すると、前記第1移動通信端末と加入契約者が同一である第2移動通信端末を特定する端末特定部と、
前記端末特定部により同一の加入契約者のものとして特定された前記第1及び第2移動通信端末の位置関係を特定する位置関係特定部と、
前記位置関係特定部により特定された位置関係が前記第1及び第2移動通信端末が近接していることを示す所定の近接条件を満たす場合、当該近接条件を満たさない場合よりも前記加入契約者に課される通信料金を割り引いた通信を許可する許可部と
を備えることを特徴とする管理サーバ。
【請求項2】
基地局と通信する前記第1及び第2移動通信端末における当該基地局からの受信電波の強度と、当該基地局を識別する基地局IDとを取得する位置特定情報取得部を備え、
前記位置関係特定部は、前記位置特定情報取得部が取得した基地局IDと前記受信電波の強度とにより定まる当該第1及び第2移動通信端末の位置関係を特定し、
前記許可部は、前記第1及び第2移動通信端末間の距離が閾値未満であることを示す位置関係を前記近接条件とし、前記位置関係特定部により特定された位置関係が当該近接条件を満たす場合に、前記通信料金を割引いた通信を許可する
ことを特徴とする請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記基地局は、前記受信電波を送信する各方向に対応して複数のセクタが設定されたものであり、
前記位置特定情報取得部は、前記受信電波の強度及び基地局IDのほか、当該受信電波を送信したアンテナに対応する前記セクタを識別するセクタIDを取得し、
前記位置関係特定部は、前記位置特定情報取得部が取得した基地局ID、セクタID及び受信強度に基づいて前記セクタ内での前記第1及び第2移動通信端末の位置をそれぞれ算出した後に前記第1及び第2移動通信端末間の距離を算出し、当該距離を前記位置関係として特定する
ことを特徴とする請求項2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記第1及び第2移動通信端末は、基地局と通信し、
前記位置関係特定部は、前記第1及び第2移動通信端末が通信する基地局を特定し、
前記許可部は、前記第1及び第2移動通信端末が共通の前記基地局と通信することを前記近接条件とし、当該近接条件を満たす場合に前記通信料金を割引いた通信を許可する
ことを特徴とする請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項5】
前記位置関係特定部は、前記第1移動通信端末が通信する期間中に、所定期間ごとに前記位置関係を特定する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記許可部は、前記位置関係が前記近接条件を満たさない場合、前記通信要求に応じた通信を許可しない
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の管理サーバ。
【請求項7】
第1移動通信端末と、
第2移動通信端末と、
管理サーバと
を備え、
前記管理サーバは、
前記第1移動通信端末により送信された通信要求を取得する通信要求取得部と、
前記通信要求取得部が前記通信要求を取得すると、前記第1移動通信端末と加入契約者が同一である前記第2移動通信端末を特定する端末特定部と、
前記端末特定部により同一の加入契約者のものとして特定された前記第1及び第2移動通信端末の位置関係を特定する位置関係特定部と、
前記位置関係特定部により特定された位置関係が前記第1及び第2移動通信端末が近接していることを示す所定の近接条件を満たす場合、当該近接条件を満たさない場合よりも前記加入契約者に課される通信料金を割り引いた通信を許可する許可部と
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項8】
コンピュータに、
第1移動通信端末により送信された通信要求を取得する通信要求取得ステップと、
前記通信要求取得ステップにおいて前記通信要求を取得すると、前記第1移動通信端末と加入契約者が同一である第2移動通信端末を特定する端末特定ステップと、
前記端末特定ステップにおいて同一の加入契約者のものとして特定された前記第1及び第2移動通信端末の位置関係を特定する位置関係特定ステップと、
前記位置関係特定ステップにおいて特定された位置関係が前記第1及び第2移動通信端末が近接していることを示す所定の近接条件を満たす場合、当該近接条件を満たさない場合よりも前記加入契約者に課される通信料金を割り引いた通信を許可するステップと
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−216934(P2012−216934A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79751(P2011−79751)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(503220750)ドコモ・テクノロジ株式会社 (58)
【Fターム(参考)】