説明

箱詰め装置およびこれを備えた商品処理システム

【課題】箱詰めに伴う不良品の発生を抑制し、箱詰め処理の効率を高めることが可能な箱詰め装置、商品処理システムを提供する。
【解決手段】商品処理システム1は、システム制御部100が、箱詰め装置6の上流側に配置されたシールチェッカ4から得ることができる包装商品Xのサイズに基づき、段ボール箱Yの中に詰めることが可能な包装商品Xの個数を算出し、算出された個数の包装商品Xを段ボール箱Yの中に詰めるように箱詰め機構79を制御している。そして、箱詰め機構79に含まれるQRコード貼付部95が、段ボール箱Y内に詰められた包装商品Xが不良品でないという情報と箱詰めされた包装商品Xの個数の情報を含むQRコードを段ボール箱Yに貼付している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流側から搬送されてくる物品を受け取って箱内へ詰める箱詰め装置およびこれを備えた商品処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、組み合わせ計量装置や製袋包装機、袋のシール不良を検査するシールチェッカ等の検査装置を含む生産ラインにおいては、検査を終えた正常品の商品を複数並べて段ボール箱等へ箱詰めする箱詰め装置等が用いられている。
そして、大手ユーザにおいては、それぞれの工場で生産した物品を上述のような箱詰め装置によって段ボール箱(通函)に商品を詰め、例えば、他の工場や物流センター等に移動させることが多い。このとき、例えば、特許文献1に示すような、所定の数の商品を立ち姿勢で整列させて段ボール箱に詰め込む箱詰め装置が用いられている。
【0003】
このような場合、箱詰めする段ボール箱にあらかじめ決められた数の商品を詰めて、次の工程(例えば、他の工場や他の物流センター)に送り出している。また、中には、不良品が出荷されることを抑止する効果を高めるために、箱詰めされた商品の重量を計測して所定の範囲に収まっているかどうかを確認してから次の工程に送り出すものもある。
【特許文献1】特開2004−155428号公報(平成16年6月3日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の箱詰め装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、外形が変形しやすい、例えば、軟包材のような商品を箱詰めするような場合においては、外形が変化することによって、段ボール箱内に詰めることができる商品の数が増減することになる。このため、例えば、想定していたよりも大きなサイズの商品が存在した場合には、箱の中に無理に詰め込むこととなって、商品が壊れてしまったり、また、箱が変形したりして不良品を発生させてしまうおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、上述したような箱詰めに伴う不良品の発生を抑制し、箱詰め処理の効率を高めることが可能な箱詰め装置、商品処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る箱詰め装置は、上流側に配置された検査装置において検査された物品を受け取って箱に詰める箱詰め装置であって、判定部と、箱詰め部と、情報付与部と、を備えている。判定部は、検査装置における検査結果に基づいて、箱に詰めることが可能な物品の個数を算出する。箱詰め部は、判定部が算出した個数に従って物品を箱に詰める。情報付与部は、物品が詰められた箱に対して、箱に詰められた物品に関する情報を付与する。
【0007】
ここでは、判定部が、箱詰め装置の上流側に配置された、例えば、シールチェッカ等から得ることができる物品のサイズ等に基づき、箱の中に詰めることが可能な物品の個数を算出している。そして、箱詰め部が、判定部により算出された個数の物品を箱の中に詰めるとともに、情報付与部が、例えば、箱内に詰められた物品が不良品でないという情報や箱詰めされた物品の個数といった箱に詰められた物品に関する情報を段ボール箱に付与している。
【0008】
ここで、商品の生産ラインにおいては、ある工程で生産された物品を、通函としての箱の中に詰め込んで、次の工程に移動させることが一般的に行われている。例えば、組み合わせ計量装置や製袋包装機等によって生産された物品を段ボール箱等へ箱詰めして次の工程、例えば、他の工場等に移動させたりしている。
従来、上述のように箱の中に物品を詰め込んで移動をさせる際には、物品は、あらかじめ決められた数量の物品を詰めこむ箱詰め装置によって箱詰めされていた。ところが、このような箱詰め装置においては、例えば、想定していたよりも大きなサイズの物品が存在すると箱の中に無理やり物品を詰め込むこととなり、物品破壊等の不良品を発生させてしまうおそれがある。また、例えば、想定していたよりも小さなサイズの商品が存在した場合には、所定の個数よりも多くの物品を詰め込むことができる可能性があるが、これに対応することができない。
【0009】
そこで、本発明の箱詰め装置においては、箱詰め装置の上流側に配置されている検査装置における物品の検査結果に基づいて、箱内に詰めることが可能な物品の数を算出し、算出された個数の物品を箱に詰めている。そして、箱内に所定の個数の物品が詰められていないことに対して、例えば、これらの箱内に詰められた物品が不良品でないといった物品に関する情報が付与される。
【0010】
なお、ここで言う箱内に詰めることが可能な物品の数とは、箱内に詰めることができる最大の数量の数であり、かつ、その数量の物品を箱内に詰め込んでも、物品あるいは詰め込まれた箱が壊れないような数量をいう。
これにより、例えば、軟包材のようなサイズが変化するような物品を箱詰めするような場合でも、箱内に無理に物品が詰め込まれることがなくなるので、物品の破壊や箱の変形による不良品が発生しなくなる。また、物品が壊れる等の不具合が発生しない範囲で、詰め込めるだけ詰め込むことが可能となる。そして、箱に対して物品に関する情報を付与することによって、所定の数量等を基準に受け入れ検査を行っている移動先の装置において物品を詰め込まれた箱が不良品として処理されることを回避したり、再計量等の手間を短縮したりすることができる。
【0011】
この結果、物品の詰め過ぎ等による物品または箱における不良品の発生が抑制されることから、箱詰め処理における歩留まりを上げることができ、また、箱内には、箱内に詰め込むことができる最大数量の物品が詰められることによって、箱詰め処理の効率を高めることが可能となる。
【0012】
第2の発明に係る箱詰め装置は、第1の発明に係る箱詰め装置であって、情報付与部は、箱に対して物品に関する情報を含むバーコードを貼付する。
ここでは、箱に対して物品に関する情報を付与するために、物品に関する情報を含むバーコードを箱に貼付している。
なお、ここでいうバーコードとは、例えば、JANコード(JIS−X−0501)や標準物流コード(JIS−X−0502)等の1次元バーコードだけでなく、例えば、QRコード等の2次元バーコード等も含むものとする。
これにより、箱に対して容易に物品に関する情報を付与することが可能となり、次の工程に情報を伝達することが可能となる。
【0013】
第3の発明に係る箱詰め装置は、第1の発明に係る箱詰め装置であって、情報付与部は、箱に対して物品に関する情報を直接印字する。
ここでは、箱に対して物品に関する情報を付与するために、物品に関する情報を箱に直接印字している。
これにより、箱に対して容易に物品に関する情報を付与することが可能となり、次の工程に情報を伝達することが可能となる。
【0014】
第4の発明に係る箱詰め装置は、第1の発明に係る箱詰め装置であって、箱は、ICタグを有しており、情報付与部は、ICタグに対して物品に関する情報を付与する。
ここでは、箱詰め装置で利用する箱として、ICタグ(Radio Frequency Identification、RFID)が取り付けられた箱を利用し、情報付与部が、このICタグに対して物品に関する情報を書き込んでいる。
これにより、箱に対して容易に物品に関する情報を付与することが可能となり、次の工程に情報を伝達することが可能となる。また、次の工程に伝達できる情報量を大きくすることができ、さらに、情報を付与するために要する時間を短縮することができる。
【0015】
第5の発明に係る箱詰め装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る箱詰め装置であって、物品に関する情報は、箱に詰められた物品の数である。
ここでは、箱に詰められた物品の数量を箱に付与している。
これにより、例えば、所定の数量等を基準に受け入れ検査を行っている移動先の装置においても適切に処理されることが可能となり、容易に数量を伝達することができる。
【0016】
第6の発明に係る箱詰め装置は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る箱詰め装置であって、物品に関する情報は、箱に詰められた物品の重量である。
ここでは、箱に詰められた物品の重量を箱に付与している。
【0017】
なお、ここで言う重量とは、箱に詰められた物品の総重量であってもよいし、平均重量であってもよい。
これにより、例えば、所定の重量等を基準に受け入れ検査を行っている移動先の装置においても適切に処理されることが可能となり、容易に重量を伝達することが可能となる。
【0018】
第7の発明に係る箱詰め装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る箱詰め装置であって、箱に詰められる物品は、軟包材である。
ここでは、箱に詰められる物品として、軟包材を挙げている。
ここで、軟包材とは、例えば、スナック菓子等を袋詰めにした袋詰め商品等をいい、一般的に、外力によって変形しやすい。
これにより、サイズの変化が起こりやすい物品に対して、本発明における箱詰め装置を適用することは、箱詰め処理の効率を高める上でより効果が大きい。
【0019】
第8の発明に係る商品処理システムは、前述の箱詰め装置と、検査装置と、を備えている。箱詰め装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る箱詰め装置である。検査装置は、箱詰め装置の上流側に配置されており、物品の各種検査を行う。
【0020】
ここでは、商品処理システムの一つを構成する上述の箱詰め装置が、箱詰め装置の上流側に配置された、例えば、シールチェッカ等が取得できる物品のサイズ等に基づいて、箱の中に詰めることが可能な物品の個数を算出している。そして、箱詰め装置は、算出された個数の物品を箱の中に詰めるとともに、その詰められた物品に関する情報(例えば、箱内に詰められた物品が不良品でないという情報や箱詰めされた物品の個数)を段ボール箱に付与している。
【0021】
ここで、商品処理システムは、組み合わせ計量装置や製袋包装機を含む生産ライン、袋のシール不良を検査するシールチェッカ等の検査装置、検査を終えた正常品の物品を段ボール箱等へ箱詰めする箱詰め装置等から構成されており、生産から検査、箱詰めに係る一連の処理を一元的に管理することができる。そして、通函としての箱の中に詰め込まれた物品は、例えば、他の工場等に移動させる等、次の工程に移動させることが一般的に行われている。
【0022】
従来、上述のように箱の中に物品を詰め込んで移動をさせる際には、物品は、所定数量の物品を詰めこむ箱詰め装置によって箱詰めされていた。ところが、このような箱詰め装置においては、例えば、想定していたよりも大きなサイズの物品が存在した場合、所定個数の物品を箱の中に詰め込むことによって、物品が壊れて不良品を発生させてしまうおそれがある。また、例えば、想定していたよりも小さなサイズの商品が存在した場合、所定の個数よりも多くの物品を詰め込むことができる可能性があるが、これに対応することができない。
【0023】
そこで、本発明の商品処理システムにおいては、箱詰め装置の上流側に配置されている検査装置における物品の検査結果に基づいて、箱内に詰めることが可能な物品の数を算出し、算出された個数の物品を箱に詰めている。そして、箱内に所定の個数の物品が詰められていないことに対して、例えば、これらの箱内に詰められた物品が不良品でないといった、物品に関する情報が付与される。
【0024】
なお、ここで言う箱内に詰めることが可能な物品の数とは、箱内に詰めることができる最大の数量の数であり、かつ、その数量の物品を箱内に詰め込んでも、物品あるいは詰め込まれた箱が壊れないような数量をいう。
これにより、例えば、軟包材のようなサイズが変化するような物品を箱詰めするような場合でも、箱内に無理に物品が詰め込まれることなくなるので、物品の破壊や箱の変形による不良品が発生しなくなる。また、物品が壊れる等の不具合が発生しない範囲で詰め込めるだけ、箱の中に物品を詰め込むことが可能となる。そして、箱に物品に関する情報が付与されることによって、所定の数量等を基準に受け入れ検査を行っている移動先の装置あるいは商品処理システムにおいても適切に処理される。
【0025】
この結果、物品の詰め過ぎ等による物品または箱における不良品の発生が抑制されることから、箱詰め処理における歩留まりを上げることができ、また、箱内には、箱内に詰め込むことができる最大数量の物品が詰められることによって、箱詰め処理の効率を高めることが可能となる。
【0026】
第9の発明に係る商品処理システムは、第8の発明に係る商品処理システムであって、検査装置は、シールチェッカである。
ここでは、箱に詰めることが可能な物品の個数を算出するためにシールチェッカにおける検査結果を利用している。
これにより、物品のサイズに基づいて、箱に詰めることが可能な物品の個数を算出することが可能となる。
【0027】
第10の発明に係る商品処理システムは、第8または第9の発明に係る商品処理システムであって、検査装置は、重量チェッカである。
ここでは、箱に詰めることが可能な物品の個数を算出するために重量チェッカにおける検査結果を利用している。
これにより、物品の重量に基づいて、箱に詰めることが可能な物品の個数を算出することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る箱詰め装置およびこれを備えた商品処理システムによれば、箱詰め処理における歩留まりを上げることができ、箱詰め処理の効率を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の一実施形態に係る商品処理システム1について、図1〜図10を用いて説明すれば以下の通りである。
[商品処理システム1の構成]
本発明の実施の形態に係る商品処理システム1は、供給コンベア装置(図示せず)から供給された、例えば、ポテトチップス等の被包装物Cを計量して包装し、包装された包装商品Xに対して各種検査を実施して箱詰めにするという一連の流れを連続して処理するシステムである。そして、商品処理システム1は、図1〜図3に示されるように、主に、組合せ計量装置2、製袋包装装置3、シールチェッカ(検査装置)4、重量チェッカ(検査装置)5、箱詰め装置6およびシステム制御部(判定部)100を備えている。以下、商品処理システム1の構成装置について詳述する。
【0030】
[組合せ計量装置2]
組合せ計量装置2は、供給コンベア装置から供給された被包装物Cを組合せ計量して所定範囲内の重量にまとめ、それを連続的に製造する袋の中に袋詰めしていく装置である。そして、組合せ計量装置2は、図4に示すように、主として、供給コンベア装置の供給位置の真下に配置される円錐状の分散フィーダ22と、分散フィーダ22の周囲に配置される複数の放射トラフ23と、複数のプールホッパ24、計量ホッパ25および集合排出シュート26を有している。
【0031】
分散フィーダ22は加振装置により振動するようになっており、分散フィーダ22の上面に供給コンベア装置から供給された被包装物Cは、振動によって放射トラフ23へと分散しながら移動する。各放射トラフ23も別の加振装置により振動するようになっており、被包装物Cを外方へ移動させ、プールホッパ24に送出する。
プールホッパ24は、放射トラフ23から被包装物Cを受け取って一時的にプールし、後述する計量包装制御部31からの指令によって下部に設けられている開閉ゲート(図示せず)を開け、計量ホッパ25に被包装物Cを供給する。このプールホッパ24の下方には、計量ホッパ25が設けられている。計量ホッパ25もプールホッパ24と同様に、円周方向に沿って複数配置されている。それぞれの計量ホッパ25は、ホッパ内の被包装物Cの重量を計測するためのロードセル(図示せず)を有しており、またその下部には被包装物Cを集合排出シュート26に投下するための開閉ゲートが設けられている。
【0032】
集合排出シュート26は、各計量ホッパ25から投下された被包装物Cを集めて、後述する製袋包装装置3のチューブ35b(図5参照)に流し落とす。
[製袋包装装置3]
製袋包装装置3は、図4に示すように、製袋包装ユニット33と、この製袋包装ユニット33に対して袋となるフィルムFを供給するフィルム供給ユニット34と、を含むように構成されている。
【0033】
フィルム供給ユニット34は、製袋包装ユニット33の成形機構35(図5参照)に対してシート状のフィルムFを供給するユニットであって、製袋包装ユニット33に隣接して設けられている。
製袋包装ユニット33は、図5に示すように、シート状で送られてくるフィルムFを筒状に成形する成形機構35と、筒状となったフィルムF(以下、筒状フィルムFmという。)を下方に搬送するプルダウンベルト機構36と、筒状フィルムFmの重なり部分を縦にシールする縦シール機構37と、筒状フィルムFmを横にシールすることで包装商品Xの上下の端部を封止する横シール機構38とを有している。
【0034】
成形機構35は、チューブ35bと、フォーマー35aとを有している。チューブ35bは、円筒形状の部材であり、上下端が開口している。このチューブ35bの上端の開口部には、組合せ計量装置2で計量された被包装物Cが投入される。フォーマー35aは、チューブ35bを取り囲むように配置されている。このフォーマー35aの形状は、フィルムロールから繰り出されてきたシート状のフィルムFがフォーマー35aとチューブ35bとの間を通るときに筒状に成形されるような形状となっている。また、成形機構35のチューブ35bやフォーマー35aは、製造する袋の大きさに応じて取り替えることができる。
【0035】
プルダウンベルト機構36は、チューブ35bに巻き付いた筒状フィルムFmを吸着して下方に搬送する機構であり、図5に示すように、チューブ35bを挟んで左右両側にそれぞれベルト36cが設けられている。プルダウンベルト機構36では、吸着機能を有するベルト36cを駆動ローラ36aおよび従動ローラ36bによって回して筒状フィルムFmを下方に運ぶ。なお、図5においては、駆動ローラ36a等を回転させるローラ駆動モータの図示を省略している。
【0036】
縦シール機構37は、チューブ35bに巻き付いた筒状フィルムFmの重なり部分を、一定の圧力でチューブ35bに押しつけながら加熱して縦にシールする機構である。この縦シール機構37は、チューブ35bの正面側に位置しており、ヒータや、そのヒータにより加熱され筒状フィルムFmの重なり部分に接触するヒータベルトを有している。また、縦シール機構37は、図示しないが、ヒータベルトをチューブ35bに近づけたり遠ざけたりするための駆動装置も備えている。
【0037】
横シール機構38は、成形機構35、プルダウンベルト機構36および縦シール機構37の下方に配置されている。横シール機構38は、図5に示すように、ヒータを内蔵する一対のシールジョー39を含むように構成されている。
(計量包装制御部31)
計量包装制御部31は、図1に示されるように、組合せ計量装置2および製袋包装装置3に接続されている。また、計量包装制御部31は、図示しないCPU、ROM、RAM、EEPROM等から構成されており、内蔵された各種制御プログラムを実行することによって、組合せ計量装置2および製袋包装装置3を制御することが可能である。そして、例えば、操作表示ディスプレイ28a(図4参照)や操作スイッチ28b(図4参照)を介してオペレータの操作入力を受け付け、組合せ計量装置2に対して被包装物Cの重量を設定し、製袋包装装置3に対して製袋包装のサイズ等の設定を行う設定プログラム等が含まれている。
【0038】
また、計量包装制御部31は、イーサネット(登録商標)等のネットワーク99によって、システム制御部100と接続されている。そして、計量包装制御部31は、システム制御部100から指示信号を受けて各種プログラムを実行したり、各種データをシステム制御部100に送信したりする。
(組合せ計量装置2と製袋包装装置3との動作概略)
前工程の供給コンベア装置から組合せ計量装置2にポテトチップスが供給されると、ポテトチップスは分散フィーダ22上から振動によって放射状に分散していき、放射トラフ23を介してプールホッパ24に送られる。そこで一時的にプールされた後、ポテトチップスは計量ホッパ25に投入され、各計量ホッパ25のロードセルによって重量の計測が為される。そして、この計量結果を基にした組合せ演算によって選択された幾つかの計量ホッパ25からポテトチップスが集合排出シュート26に投下されると、これらのポテトチップスは製袋包装装置3のチューブ35bに流れ込む。
【0039】
一方、製袋包装装置3においては、フォーマー35aおよびチューブ35bによって筒状フィルムFmがチューブ35bの周囲および下方に作られ、縦シール機構37により縦シールされている。この筒状フィルムFmにポテトチップスがチューブ35bを通って落ちてくると、その間を縫うように横シール機構38による横シールが行われ、横シール部分の中央が横シール機構38に内蔵されているカッターにより切断される。こうして、ポテトチップスが詰められた包装商品(物品)Xが次々に生成されていく。これらの包装商品Xは、搬送コンベア29に載せられ、後工程にあるシールチェッカ4へと搬送されていく(図1参照)。
【0040】
[シールチェッカ4]
シールチェッカ4は、袋のシール不良を検査する装置であって、図1に示すように、包装商品Xを搬送する搬送コンベア部41、包装商品Xを上から押さえる押え具42、押え具42を平行運動させる平行運動機構43、押え具42と平行運動機構43とを移動自在に接合するリンク44、リンク44の下端の回転中心に設けられる回転角検出器(例えば、ロータリーエンコーダ等)45、およびシールチェッカ制御部46を有している。
【0041】
搬送コンベア部41は、前工程の組合せ計量装置2から流れてきた物品を受け入れる部分であり、ベルトコンベア41a、回転駆動ロータ41b、駆動モータ(図示せず)等から構成されている。
押え具42は、リンク44を介して平行運動機構43に、所定の角度の範囲内において回転自在に取り付けられており、包装商品Xが進入してくると、若干斜め上方に持ち上がり、その後、押え具42の自重によって、包装商品Xの袋を押さえ付ける。
【0042】
シールチェッカ制御部46は、駆動モータ47、平行運動機構43、および回転角検出器48と接続されている。また、シールチェッカ制御部46は、図示しないCPU、ROM、RAM、EEPROM等から構成されており、内蔵された各種制御プログラムを実行することによって、シールチェッカ4を制御することが可能である。そして、例えば、回転角検出器45が検出するリンク44の回転角θ(包装商品Xの高さ情報の一例)と、ROM等に格納された所定の基準回転角(所定の閾値の一例)とを比較して、包装商品Xのシールの良否を判別し、測定された回転角θが基準回転角よりも小さい場合は、袋から空気がリークしていると判断するシール検出プログラムが含まれている。
【0043】
また、シールチェッカ制御部46は、イーサネット(登録商標)等のネットワーク99によって、システム制御部100と接続されている。そして、シールチェッカ制御部46は、システム制御部100から指示信号を受けて各種プログラムを実行したり、各種データをシステム制御部100に送信したりする。
[重量チェッカ5]
重量チェッカ5は、包装商品Xの重量が規定値内に収まっているか否かを検査するための装置であって、図1に示すように、主に、搬送コンベア部52と、計量コンベア部54と、振り分けコンベア部(図示せず)と、計量部55と、センサ(図示せず)および重量チェッカ制御部56を有している。
【0044】
搬送コンベア部52は、前工程のシールチェッカ4から流れてきた包装商品Xを受け入れる部分であり、ベルトコンベア52a、回転駆動ロータ52b、駆動モータ(図示せず)等から構成されている。
計量コンベア部54は、搬送コンベア部52の下流に配置されており、ベルトコンベア54a、回転駆動ロータ54b、駆動モータ(図示せず)等から構成されている。
【0045】
振り分けコンベア部(図示せず)は、計量コンベア部54の下流側に配置されており、ベルトコンベア(図示せず)や駆動ロータ(図示せず)、駆動モータ(図示せず)の他に、振り分け機構(図示せず)を有している。
計量部55は、ロードセル(図示せず)を備えており、計量コンベア部54の重量を計測する。ここでは、数百mm秒毎に重量が計測され、計測された重量チェッカ制御部56に送信する。
【0046】
センサは、搬送コンベア52および計量コンベア部54等の搬送経路上に配置されており、搬送されてくる包装商品Xの検知信号を重量チェッカ制御部56に送信する。
重量チェッカ制御部56は、計量部55およびセンサからのデータ送信に基づいて、各部のベルトコンベア52a,54a駆動する駆動モータや振り分け機構の制御を行う。そして、重量チェッカ制御部56は、図示しないCPU、ROM、RAM、ハードディスク等から構成されており、内蔵される各種制御プログラムを実行することによって、重量チェッカ5を制御することが可能である。そして、例えば、計量部55から送られてくる重量値データの変化を監視する重量変化監視プログラムや、計量部55から送られてくる重量値データを基にして物品の重量を算出する物品重量算出プログラムが含まれている。
【0047】
また、重量チェッカ制御部56は、イーサネット(登録商標)等のネットワーク99によって、システム制御部100と接続されている。そして、重量チェッカ制御部56は、システム制御部100から指示信号を受けて各種プログラムを実行したり、各種データをシステム制御部100に送信したりする。
[箱詰め装置6]
箱詰め装置6は、図2,図3に示すように、被包装物Cを納めた軟包材によって形成された包装商品Xを搬送して段ボール箱(箱)Yに箱詰めにするための装置である。箱詰め装置6は、搬送装置61と、受け渡し機構70と、箱詰め機構(箱詰め部)79と、を備えている。
【0048】
(搬送装置61の構成)
搬送装置61は、箱詰め装置6の最上流側に配置されており、図2,図3に示すように、上流側のコンベア59から搬送されてくる包装商品Xを順次下流側へ搬送方向aに沿って搬送する。そして、搬送装置61は、取り込みコンベア62および一対のサイドコンベア63,64を有している。
【0049】
ここで、取り込みコンベア62は、搬送方向aに沿って両端側にガイド65を有している。そして、コンベア59の搬送速度は、取り込みコンベア62の搬送速度よりも遅くなるように設定されている。また、上流側のコンベア59の搬送面は、取り込みコンベア62の搬送面よりも摩擦抵抗が小さくなっており、搬送面上を多少滑らせながら包装商品Xを搬送させることができる。
【0050】
一対のサイドコンベア63,64は、包装商品Xの搬送方向aから見て、略ハの字状に取り込みコンベア62の上方に配置されている。また、サイドコンベア63,64は、包装商品Xの搬送方向aと交差する方向における取り込みコンベア62の搬送面の両端側において、包装商品Xとそれぞれ当接して包装商品Xを所定の速度で下流側へ搬送方向aに沿って搬送する。
【0051】
(受け渡し機構70の構成)
受け渡し機構70は、図3に示すように、搬送装置61の下流側に隣接して配置されており、上流側の搬送装置61から搬送方向aに沿って下流側へ搬送されてくる包装商品Xを受け取って受渡し位置Qに起立姿勢で袋を順次並べる。そして、受け渡し機構70は、図6に示すように、支持プレート71と、4台のパドル72と、を有している。
【0052】
支持プレート71は、図6に示すように、搬送装置61の下流側において、搬送方向aと略対向するように、本体ケース6aの側面部に取り付けられており、中央部に有している回転軸73によって回転可能に支持されている円形プレートである。
4台のパドル72は、搬送装置61の直下流側において、支持プレート71の側面部に円状にそれぞれ配置されており、櫛歯状の載置面をそれぞれ有している。また、パドル72は、それぞれ回転軸を有しており、回転可能に支持プレートにそれぞれ取り付けられている。
【0053】
ここで、パドル72の動作についてより具体的に説明する。
まず、図6に示すP1の位置において、パドル72は、上流側の搬送装置61から搬送されてくる包装商品Xを略水平状態で受け取る。この際、受け取った包装商品Xは図示しない吸引装置によってパドル72の櫛歯状の載置面に固定された状態で保持される。
次に、支持プレート71が回転軸73を中心にして回転方向dの方向に約90°回転する。この間に、パドル72は回転軸72aを中心にして包装商品Xが起立姿勢となるように約90°回転方向eの方向に回転して図6に示すP2の位置に移動する。そして、下流側の受渡し位置Qに包装商品Xを起立姿勢で搬送する。この際、受渡し位置Qにはバケット81,82のうち、いずれか一方が配置されており、包装商品Xを起立姿勢のまま受け取る。
【0054】
さらに、パドル72は、図6に示すP2の位置から支持プレート71が回転軸73を中心にして回転方向dの方向に約90°回転する間に、パドル72が約90°回転方向eの方向に回転軸72aを中心に回転して図6に示すP3の位置に移動する。同様にして、パドル72は、P3の位置からP4の位置に移動する。
このような動作を支持プレート71の側面部に配置された4台のパドル72が順次行うことによって、上流側の搬送装置61から搬送される包装商品Xを下流側の受渡し位置Qに起立姿勢で搬送することができる。
【0055】
(箱詰め機構79の構成)
箱詰め機構79は、図1,図3に示すように、受け渡し機構70の下流側に隣接して配置されており、受渡し位置Qにおいて、上流側の受け渡し機構70から起立姿勢で受け渡される包装商品Xを整列させて所望の形態に集積された1群の包装商品X(以下、包装商品Xの束と示す)を形成し、搬送方向bに沿って排出位置Rまで搬送する。このとき、後述する箱詰め制御部60によって、包装商品Xの束を形成する商品の個数が制御される。さらに、箱詰め機構79は、上記のように、排出位置Rまで包装商品Xの束が搬送されてくると、排出位置Rの側面側にセットされているダンボール箱Yへ包装商品Xの束を集積状態のまま排出して箱詰めする。そして、箱詰め機構79は、搬送機構80および排出機構90を有している。
【0056】
(搬送機構80の構成)
搬送機構80は、図6に示すように、受け渡し機構70の下流側に隣接して配置されている。そして、搬送機構80は、搬送チェーン83,84と、バケット81,82と、駆動部87,88と、を有しており、上流側の受け渡し機構70から受渡し位置Qに起立姿勢で受け渡される包装商品Xを順に受け取って、所定の個数の包装商品Xを整列させて物品Xの束を形成し、下流側の排出位置Rへ搬送する。
【0057】
搬送チェーン83,84は、図6に示すように、搬送機構80における上流側と下流側とにおいて、それぞれ1つずつ設けられている一対の回転軸85,86の間をそれぞれ独立して回転する。そして、搬送チェーン83,84に取り付けられているバケット81,82を、上流側の受渡し位置Qから下流側の排出位置Rまで搬送する。
バケット81,82は、図6に示すように、搬送チェーン83,84にそれぞれ取り付けられており、搬送機構80における上流側と下流側とにおいて、それぞれ1つずつ設けられている一対の回転軸85,86の間をそれぞれ独立して走行する。また、バケット81,82は、それぞれ複数の底板81a,82aを組み合わせて構成されている。バケット81,82において、包装商品Xを起立姿勢に保持するため、上流側の端部の底板81a,82aには底仕切り板81b,82bがそれぞれ設けられている。
【0058】
ここで、バケット81,82における包装商品Xの搬送方法について、バケット81を例に挙げて、図6を用いて以下においてより具体的に説明する。
上流側のパドル72から包装商品Xが搬送されてくると、下流側に待機しているバケット81は、図6に示すように、所定の間隔だけ下流側に移動して、パドル72から受け渡される包装商品Xを載置していく。
【0059】
次に、バケット81は、上流側から受け渡された包装商品Xを所定の個数分載置すると、下流側の排出位置Rまで包装商品Xの束を起立姿勢のまま搬送方向bに沿って搬送する。この際、図6に示すように、バケット81の搬送方向bにおける上流側に隣接して待機していたバケット82が下流側に速やかに移動して、上記バケット81と同様にパドル72から包装商品Xを順に起立姿勢で受け取る。
【0060】
次に、バケット81は、後段にて詳述する排出機構90によってバケット81に起立姿勢で載置されている包装商品Xの束が排出されると、搬送機構80上をさらに搬送方向bの方向に移動する。そして、バケット81は、搬送機構80の下流側の端部まで移動すると搬送機構80の下部に回り込んで搬送方向bと反対の方向に移動してバケット82の搬送方向bにおける直上流側まで移動して待機する。そして、バケット82が所定の個数だけ上流側から包装商品Xを受け取って排出位置Rへ移動すると、速やかに搬送方向bにおける下流側へ移動して上記と同様に包装商品Xを上流側から順に所定の個数だけ受け取る。
【0061】
(排出機構90の構成)
排出機構90は、図3に示すように、上述した搬送機構80の下流側に隣接して配置されており、搬送機構80によって排出位置Rまで搬送されて起立姿勢で整列されている包装商品Xの束を、2段階の横送りによってダンボール箱Yに押し込む。また、排出機構90は、図7に示すように、第1横送り機構91と、第2横送り機構92と、リフト機構93と、QRコード印字部94(図2参照)およびQRコード貼付部(情報付与部)95(図2参照)を有している。
【0062】
第1横送り機構91は、上述した搬送機構90において排出位置Rまで移動してきた包装商品Xの束を図3に示す矢印c方向に横送りして、リフト機構93上へと搬送する。
リフト機構93は、図7に示すように、第1横送り機構91によって搬送機構90から横送りされた複数の包装商品Xの束を、第2横送り機構92によって横送り可能な高さ位置まで略鉛直方向に移動させる。
【0063】
第2横送り機構92は、第1横送り機構91の上段に配置されており、後述するリフト機構93によって持ち上げられた包装商品Xの束を、リフト機構93から段ボール箱Y内へと押し込んで箱詰めする。
QRコード印字部94は、システム制御部100から送信されてくる情報に基づいてQRコード96を印字する部分であって、主に、箱詰めされた包装商品Xの数や重量等の情報を含んだQRコード(バーコード)96をシール紙(図示せず)に印字する。
【0064】
バーコード貼付部95は、QRコード印字部94によってシール紙に印字されたQRコード96を段ボール箱Yに貼り付ける。
(箱詰め制御部60)
箱詰め制御部60は、図2に示されるように、箱詰め装置6に内蔵されている。また、箱詰め制御部60は、図示しないCPU、ROM、RAM、EEPROM等から構成されており、内蔵された各種制御プログラムを実行することによって、搬送装置61と、受け渡し機構70と、箱詰め機構79を制御することが可能である。そして、例えば、後述するシステム制御部100より送信されてくる集積可能数量に基づいて、搬送機構80に包装商品Xを集積させる集積プログラムや、システム制御部100より送信されてくる情報に基づいて、QRコード印字部94にその情報を含むQRコードを印字させる印字プログラム等が含まれている。
【0065】
また、箱詰め制御部60は、イーサネット(登録商標)等のネットワーク99によって、システム制御部100と接続されている。そして、箱詰め制御部60は、システム制御部100から指示信号を受けて各種プログラムを実行したり、各種データをシステム制御部100に送信したりする。
[システム制御部100]
システム制御部(判定部)100は、商品処理システム1に関する各種制御および各種操作を行う部分であって、計量包装制御部31、シールチェッカ制御部46、重量チェッカ制御部56および箱詰め制御部60にイーサネット(登録商標)等のネットワーク99を介して接続されている。そして、システム制御部100は、主に、CPU101、メインメモリとしてのRAM102、ハードディスク103、タッチパネル104、通信インターフェイス105等を備えている。
【0066】
ここでは、システム制御部100の一つの制御である、シールチェッカ4等から得ることができる包装商品Xのサイズに基づき、段ボール箱Yの中に詰めることが可能な包装商品Xの個数を算出し、箱詰め機構79に算出された個数の包装商品Xを箱の中に詰めさせるとともに、QRコード貼付部95に、段ボール箱Y内に詰められた包装商品Xが不良品でないという情報および箱詰めされた包装商品Xの個数の情報を含んだQRコード96を貼り付けさせる制御(以下、箱詰め制御と示す)について説明を行う。
【0067】
(システム制御部100における箱詰め制御の流れ)
システム制御部100は、ハードディスク103に格納された判定制御プログラム106をRAM102に読み込むことにより、CPU101によって図9に示すフローチャートに示すような判定制御プログラム106を実行することが可能な状態となる。
本実施形態のシステム制御部100が行う、箱詰め制御の流れについて、図9、図10を用いて説明すれば以下の通りである。
【0068】
ステップS1では、システム制御部100は、製袋包装装置3において取得することができる袋サイズを取得する。本実施形態においては、システム制御部100が、製袋包装装置3に接続された計量包装制御部31に含まれる、製袋包装装置3に対して製袋包装のサイズ等の設定を行う設定プログラムに問い合わせることによって取得することができる。なお、この問い合わせは、操作の都度、問い合わせても良いし、一度取得した値をハードディスク103等に保存しておいてもよい。
【0069】
ステップS2では、システム制御部100は、シールチェッカ4において取得することができる包装商品Xの厚みを取得する。本実施形態においては、シールチェッカ4を構成するシールチェッカ制御部46に含まれるシール検出プログラムが、システム制御部100に包装商品Xの厚みを送信することによって実現している。
ステップS3では、システム制御部100は、重量チェッカ5において取得することができる包装商品Xの重量を取得する。本実施形態においては、重量チェッカ5を構成する重量チェッカ制御部56に含まれる物品重量算出プログラムが、システム制御部100に包装商品Xの重量を送信することによって実現している。
【0070】
ステップS4では、システム制御部100は、例えば、包装商品Xを箱詰めする段ボール箱Yのサイズや容積、箱詰めバリエーション(例えば、平詰めや縦詰め)等の設定条件を取得する。本実施形態においては、これらの初期条件の設定は、システム制御部100を構成するタッチパネル104等で入力可能であって、これらの初期条件データ107は、ハードディスク103等に保存されている。なお、これらの初期条件データは、箱詰め制御部60に問い合わせて取得する方法であっても良い。
【0071】
ステップS5では、システム制御部100は、ステップS1〜ステップS4において取得したデータに基づいて、段ボール箱Yに集積可能な包装商品Xの個数を算出する。例えば、シールチェッカ4から取得した包装商品Xの厚みと、ハードディスク103に記憶された初期条件における段ボール箱Yのサイズから、段ボール箱Yに集積可能な包装商品Xの個数を算出する。なお、本実施形態で言う段ボール箱Y内に詰めることが可能な包装商品Xの個数とは、段ボール箱Y内に詰めることができる最大の個数であり、かつ、その個数の包装商品Xを段ボール箱Y内に詰め込んでも、包装商品Xあるいは詰め込まれた段ボール箱Yが壊れないような個数をいう。すなわち、起立姿勢で集積した包装商品Xを段ボール箱Yに詰め込む場合には、包装商品Xの厚みに集積する数量を乗じた長さが、詰め込もうとする段ボール箱Yの幅を超えないような範囲とする。
【0072】
ステップS6では、システム制御部100は、ステップS5において算出した段ボール箱Yに集積可能な包装商品Xの個数を箱詰め制御部60へ送信する。
ステップS7では、箱詰め制御部60が、ステップ6において送信された包装商品Xの個数を受信すると、内蔵されている前述の集積プログラムを実行して、搬送機構80における包装商品Xの集積個数を調整する。
【0073】
ステップS8では、システム制御部100は、ステップS1〜ステップS4において取得したデータ、ステップS5において算出した段ボール箱Yに集積可能な包装商品Xの個数等、段ボール箱Yに付与したい情報を箱詰め制御部60へ送信する。本実施形態においては、段ボール箱Y内に詰められた包装商品Xが不良品でないという情報と箱詰めされた包装商品Xの個数の情報を送信する。
【0074】
ステップS9では、箱詰め制御部60が、ステップ8において送信された情報を受信すると、内蔵されている前述の印字プログラムを実行して、QRコード印字部94にその情報を含むQRコードを印字させる。そして、QRコード貼付部95は、QRコード印字部94によってシール紙に印字されたQRコード96を段ボール箱Yに貼付する。
なお、ここで、包装商品Xの移動先である商品処理システムが、段ボール箱Yの重量を閾値として、段ボール箱Y内に詰められた包装商品Xが不良品であると判断するタイプの商品処理システムである場合には、ステップS8において段ボール箱Y内に詰められた包装商品Xが不良品でないという情報と箱詰めされた包装商品Xの重量の情報を送信すればよい。これにより、移動先の商品処理システムにおいて、移動させた段ボール箱Yが不良として処理されることがなくなり、包装商品Xの重量データを容易に伝達することができる。
【0075】
[商品処理システム1の特徴]
(1)
本実施形態の商品処理システム1は、システム制御部100が、箱詰め装置6の上流側に配置されたシールチェッカ4から得ることができる包装商品Xのサイズに基づき、段ボール箱Yの中に詰めることが可能な包装商品Xの個数を算出している。そして、箱詰め機構79が、システム制御部100により算出された個数の包装商品Xを段ボール箱Yの中に詰めるとともに、QRコード貼付部95が、段ボール箱Y内に詰められた包装商品Xが不良品でないという情報と箱詰めされた包装商品Xの個数の情報を含むQRコードを段ボール箱Yに貼付している。
【0076】
これにより、本実施形態の被包装物Cを包装したような包装商品Xを箱詰めするような場合でも、段ボール箱Y内に無理に包装商品Xが詰め込まれることがなくなるので、包装商品Xの破壊や段ボール箱Yの変形による不良品が発生しなくなる。また、包装商品Xが壊れる等の不具合が発生しない範囲で、包装商品Xを詰め込めるだけ詰め込むことが可能となる。
【0077】
また、本段ボール箱Yに詰められた包装商品Xは不良品でないという情報が付与されることによって、所定の数量等を基準に受け入れ検査を行っている移動先の商品処理システムにおいても適切に処理されることになる。さらに、包装商品Xの個数の情報を付与することによって、移動先の商品処理システムあるいは受け取り先に情報を伝達することができ、再計量等の手間を短縮することができる。
【0078】
この結果、詰め過ぎ等による包装商品Xまたは段ボール箱Yにおける不良品の発生が抑制されることから、箱詰め処理における歩留まりを上げることができる。また、段ボール箱Y内には、段ボール箱Y内に詰め込むことができる最大数量の包装商品Xが詰められることによって、箱詰め処理の効率を高めることが可能となる。
(2)
本実施形態の商品処理システム1では、段ボール箱Yに対して包装商品Xに関する情報を付与するために、包装商品Xに関する情報を含むQRコード96を段ボール箱Yに貼付している。
【0079】
これにより、段ボール箱Yに対して容易に包装商品Xに関する情報を付与することが可能となり、次の工程に情報を伝達することが可能となる。
(3)
本実施形態の商品処理システム1では、段ボール箱Yに詰められた包装商品Xの数量の情報を含んだQRコード96を段ボール箱Yに貼付している。
【0080】
これにより、例えば、所定の数量等を基準に受け入れ検査を行っている移動先の商品処理システムにおいても適切に処理されることが可能となり、容易に包装商品Xの数量を伝達することができる。
(4)
本実施形態の商品処理システム1では、段ボール箱Yに詰められる包装商品Xとして、軟包材を扱っている。
【0081】
このように、サイズの変化が起こりやすい軟包材のような包装商品に対して、本発明における商品処理システムを適用することは、箱詰め処理の効率を高める上でより効果が大きい。
(5)
本実施形態の商品処理システム1では、段ボール箱Yに詰めることが可能な包装商品Xの個数を算出するためにシールチェッカ4における検査結果を利用している。
【0082】
これにより、初期条件(段ボール箱Yのサイズ等)および包装商品Xのサイズに基づいて、段ボール箱Yに詰めることが可能な包装商品Xの個数を算出することを可能としている。
(6)
本実施形態の商品処理システム1では、段ボール箱Yに詰めることが可能な包装商品Xの個数を算出するために重量チェッカ5における検査結果を利用している。
【0083】
これにより、初期条件(段ボール箱Yのサイズ等)および包装商品Xの重量に基づいて、段ボール箱Yに詰めることが可能な包装商品Xの個数を算出することを可能としている。
(7)
本実施形態の商品処理システム1では、包装商品Xの各種検査を実行する第1のステップと、第1のステップにおいて取得した検査結果に基づいて、段ボール箱Yに詰めることが可能な包装商品Xの個数を算出する第2のステップと、第2のステップにおいて算出した個数に従って包装商品Xを段ボール箱Yに詰める第3のステップと、第3のステップにおいて包装商品Xが詰められた段ボール箱Yに対して、段ボール箱Yに詰められた包装商品Xに関する情報を付与する第4のステップと、を備えている箱詰め処理プログラムを、システム制御部100(コンピュータ)に含まれるCPU101に実行させることによって、一連の流れを処理している。
【0084】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態の商品処理システム1では、段ボール箱Yに付与する情報として、段ボール箱Y内に詰められた包装商品Xが不良品でないという情報を含んでいる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0085】
例えば、段ボール箱に付与する情報が、箱詰めされた包装商品の個数のみであってもよい。
この場合も、包装商品の破壊や段ボール箱の変形による不良品が発生しなくなるという上記の実施形態に係る商品処理システム1と同様の効果を得ることができる。
(B)
上記実施形態の商品処理システム1では、段ボール箱Yに対して包装商品Xに関する情報を付与するために、QRコード96を段ボール箱Yに貼付する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0086】
例えば、JANコード(JIS−X−0501)や標準物流コード(JIS−X−0502)等の1次元バーコード等も貼付してもよい。ただし、多くの情報量を付与できる点を考慮するとQRコードを貼付する方が望ましい。
(C)
上記実施形態の商品処理システム1では、段ボール箱Yに対して包装商品Xに関する情報を付与するために、QRコード96を段ボール箱Yに貼付する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0087】
例えば、段ボール箱に対して包装商品に関する情報を直接印字してもよい。
また、箱詰め装置で利用する段ボール箱として、図11に示すように、ICタグ97が取り付けられた段ボール箱を利用してもよい。
この場合、ICタグ97に対して包装商品Xに関する情報を書き込むために、ICタグ97に対して所定の周波数を含む電波を出力する電波発生器(図示せず)をQRコード貼付部95の代わりに設置する。
【0088】
これにより、次の工程に伝達できる情報量を大きくすることができ、さらに、情報を付与するために要する時間を短縮することができる。
(D)
上記実施形態の商品処理システム1では、段ボール箱Yに詰められた包装商品Xの数量の情報を含んだQRコード96を段ボール箱Yに貼付する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0089】
例えば、段ボール箱に詰められた包装商品の重量の情報を含んだQRコードを段ボール箱に貼付してもよい。この場合も、上記の実施形態に係る商品処理システム1と同様の効果を得ることができる。
(E)
上記実施形態の商品処理システム1では、システム制御部100に含まれるCPU101が、ハードディスク103に格納された判定制御プログラム106を実行することによって箱詰め制御する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0090】
図8に示す制御ブロックは、プログラム(コンピュータソフトウェア)としてだけでなく、ハードウェアの機能によっても構築することができる。どの機能をソフトウェアで実現し、どの機能をハードウェアにより実現するかについては、処理能力等に応じて適宜決めることが望ましい。
(F)
上記実施形態の商品処理システム1では、パドル72とバケット81,82とを含んで構成され、集積状態の包装商品X(包装商品Xの束)を形成し、段ボール箱Yに詰めるタイプの箱詰め装置6を備えた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0091】
例えば、特開2004−155428に示された箱詰め装置等を備えて商品処理システムを構築してもよく、システム制御部が算出する段ボール箱に集積可能な包装商品の個数に基づいて箱詰めできればよい。
(G)
上記実施形態の商品処理システム1では、検査装置として、シールチェッカ4、重量チェッカ5を備えている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0092】
例えば、検査装置は、シールチェッカや重量チェッカのどちらか一方のみを備える商品処理システムであってもよく、また、他の検査装置を備える商品処理システムであってもよい。
(H)
上記実施形態の商品処理システム1では、段ボール箱Yに詰められる包装商品Xとして、被包装物Cを袋詰めにした袋詰め商品である、軟包材を扱っている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0093】
商品処理システムで扱う商品は、軟包材でなくても、例えば、四角形状の物品等であっても、上記の実施形態に係る商品処理システム1と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明によれば、物品を所定の単位で集積する際の不良品の発生を回避することが可能となるため、例えば、所定の数量の物品を集積、梱包、積込する装置に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の一実施形態に係る商品処理システムの上流側側面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る商品処理システムの下流側側面図。
【図3】本発明の一実施形態に係る商品処理システムの下流側平面図。
【図4】図1の商品処理システムに含まれる組合せ計量装置および製袋包装装置の外観図。
【図5】図4の製袋包装装置に含まれる成形機構の斜視図。
【図6】図2の商品処理システムに含まれる箱詰め装置の側面図
【図7】図1の箱詰め装置に含まれる排出機構の側面図。
【図8】本発明の一実施形態に係る商品処理システムの制御ブロック図。
【図9】本発明の一実施形態に係る商品処理システムの箱詰め制御を示すフローチャート。
【図10】図9の箱詰め制御に伴うデータの流れを示す説明図。
【図11】本発明の他の実施形態に係る商品処理システムで利用される段ボール箱の外観図。
【符号の説明】
【0096】
1 商品処理システム
2 組合せ計量装置
3 製袋包装装置
4 シールチェッカ(検査装置)
5 重量チェッカ(検査装置)
6 箱詰め装置
22 分散フィーダ
23 放射トラフ
24 プールホッパ
25 計量ホッパ
26 集合排出シュート
28a 操作表示ディスプレイ
28b 操作スイッチ
29 搬送コンベア
31 計量包装制御部
33 製袋包装ユニット
34 フィルム供給ユニット
35 成形機構
35a フォーマー
35b チューブ
36 プルダウンベルト機構
36a 駆動ローラ
36b 従動ローラ
36c ベルト
37 縦シール機構
38 横シール機構
39 シールジョー
41 搬送コンベア部
41a ベルトコンベア
41b 回転駆動ロータ
42 押え具
43 平行運動機構
44 リンク
45 回転角検出器
46 シールチェッカ制御部
47 駆動モータ
48 回転角検出器
52 搬送コンベア部
52a ベルトコンベア
52b 回転駆動ロータ
54 計量コンベア部
54a ベルトコンベア
54b 回転駆動ロータ
55 計量部
56 重量チェッカ制御部
59 コンベア
60 箱詰め制御部
61 搬送装置
62 取り込みコンベア
63,64 サイドコンベア
65 ガイド
70 受け渡し機構
71 支持プレート
72 パドル
72a 回転軸
73 回転軸
79 箱詰め機構(箱詰め部)
80 搬送機構
81,82 バケット
81a ,82a 底板
81b ,82b 底仕切り板
83,84 搬送チェーン
85,86 回転軸
87,88 駆動部
90 排出機構
91 第1横送り機構
92 第2横送り機構
93 リフト機構
94 QRコード印字部
95 QRコード貼付部(情報付与部)
96 QRコード(バーコード)
97 ICタグ
99 ネットワーク
100 システム制御部(判定部)
101 CPU
102 RAM
103 ハードディスク
104 タッチパネル
105 通信インターフェイス
106 判定制御プログラム
107 初期条件データ
C 被包装物
Q 受渡し位置
R 排出位置
X 包装商品(物品)
Y 段ボール箱(箱)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側に配置された検査装置において検査された物品を受け取って箱に詰める箱詰め装置であって、
前記検査装置における検査結果に基づいて、前記箱に詰めることが可能な前記物品の個数を算出する判定部と、
前記判定部が算出した前記個数に従って前記物品を前記箱に詰める箱詰め部と、
前記物品が詰められた前記箱に対して、前記箱に詰められた前記物品に関する情報を付与する情報付与部と、
を備えている箱詰め装置。
【請求項2】
前記情報付与部は、前記箱に対して前記物品に関する情報を含むバーコードを貼付する、
請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項3】
前記情報付与部は、前記箱に対して前記物品に関する情報を直接印字する、
請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項4】
前記箱は、ICタグを有しており、
前記情報付与部は、前記ICタグに対して前記物品に関する情報を付与する、
請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項5】
前記物品に関する情報は、前記箱に詰められた前記物品の数である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の箱詰め装置。
【請求項6】
前記物品に関する情報は、前記箱に詰められた前記物品の重量である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の箱詰め装置。
【請求項7】
前記箱に詰められる前記物品は、軟包材である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の箱詰め装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の箱詰め装置と、
前記箱詰め装置の上流側に配置されており、前記物品の各種検査を行う検査装置と、
を備えている商品処理システム。
【請求項9】
前記検査装置は、シールチェッカである、
請求項8に記載の商品処理システム。
【請求項10】
前記検査装置は、重量チェッカである、
請求項8または9に記載の商品処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−87834(P2008−87834A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−272079(P2006−272079)
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】