説明

簡易診断装置及び簡易診断システム

【課題】 店舗等において、安価に直ぐに検診結果を被検者に提供できる簡易診断装置を得る。
【解決手段】 A業者の店舗(例えば、銀行、スーパ、デパート、事務所等)に配置されたプチ診断装置1とA業者の中央センターのサーバ2とを通信ネットワーク3で接続してなり、プチ診断装置1が被検者5の血液、血流、血圧等の簡易診断(プチ診断情報Fiともいう)を画面6に表示すると共に、その診断情報を記載した印刷シート8をプリンタ7から印刷させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は店舗等に置かれた簡易診断装置に関し、特に血液採集器によって簡易的な診断を行う簡易診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は自宅において血液を採取して、それを検診センターに送付して検診結果を得ることも可能となってきている。
【0003】
例えば、特開2002−243726号は、遠心分離装置をもちいることなく血液中の非血球成分を分離するものである。
【特許文献1】特開2002−243726号公報
【特許文献2】特開平10−185920号公報
【特許文献3】特開2002−73807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、自宅等において血液を採集する装置は、高価であり、またその検診結果を得るには時間を要するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の簡易診断装置は、血液採集器が多数収納可能な血液採集器ユニットと、
前記血液採集ユニットの血液採集器を1個毎に排出する取出機構部と、前記血液採集器の血液を検査し、この検査値を出力する血液検査機構と、前記血液の検査値毎に簡易診断情報を記憶した第1の記憶手段と、所定のフォームに前記簡易診断情報を印字した印字シートを出力すると共に画面に表示させる手段とを備えたことを要旨とする。
【0006】
また、本発明の簡易診断システムは、店舗に簡易診断装置を設け、この簡易診断装置で得た診断サービス情報をセンターのサーバに送信して管理させる簡易診断システムであって、
前記簡易診断装置は、
前記血液の検査値毎に簡易診断情報を記憶した第1の記憶手段と、
前記店舗の本日の食材リスト及び特売リストを記憶した第2の記憶手段と、
血液採集器が多数収納可能な血液採集器ユニットと、
前記血液採集ユニットの血液採集器を1個毎に排出する取出機構部と、
前記血液採集器の血液を検査し、この検査値を出力する血液検査機構と、
所定のフォームに前記簡易診断情報を印字した印字シートをプリンタから出力すると共に画面に表示させる手段と、
前記店舗を運営している業者のカードの情報をカードリーダで読み取って、前記カードのカード番号を通信ネットワークを介して前記サーバに送信して認証結果を得る手段と、
前記認証結果が利用可能な場合に、前記取出機構及び血液検査機構を起動させる手段と、
血液検査機構部の前記検査値を含む前記第1の記憶手段の簡易診断情報を診断結果とする手段と、して前記プリンタから印刷シートを出力すると共に画面に表示させる手段と、
前記診断結果に対応する食材リスト又は特売リストの食材を前記第2の記憶手段から抽出し、この食材と前記簡易診断情報を診断サービス情報として前記印刷シートに印字すると共に画面に表示させる手段と
を備えたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
以上のように本発明は、店舗内でいつでも安価に簡易的な検診を直ぐに得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は本実施の形態の簡易健康診断システム構成図である。
【0009】
本実施の形態の簡易健康診断システムは、図1に示すように、A業者の店舗(例えば、銀行、スーパ、デパート、事務所等)に配置されたプチ診断装置1とA業者の中央センターのサーバ2とを通信ネットワーク3で接続してなり、プチ診断装置1が被検者5の血液、血流、血圧等の簡易診断(プチ診断情報Fiともいう)を画面6に表示すると共に、その診断情報を記載した印刷シート8をプリンタ7から印刷させる。
【0010】
このプチ診断装置1を使用するにはA業者と被検者5とが契約したクレジットカード9を用いるのがよい。また、このクレジットカード9のカード番号(会社コードを含む)をクレジット機構のサーバ(図示せず)に送信して認証を受けると共に、プチ診断情報Fiに含まれている受付情報(受付番号、カード番号、年月日、店番号等)及びプチ診断結果FQと検査決定項目の組みをA業者の中央センターのサーバ2に送信して、被検者5の履歴とする。
【0011】
また、プチ診断装置1はA店の店内サーバ10に接続されている。この店内サーバ10は食材データベース10aと、特売データベース10bとを備えている。
【0012】
すなわち、プチ診断装置1は、プチ診断情報Fiを得た後にLANを介して店内サーバ10と通信を行い、プチ診断結果FQからどのような食材がよいか及びその食材の特売品目を食材データベース10a、特売データベース10bから得る。
【0013】
図2はプチ診断装置1の概略構成図である。図2に示すように、このプチ診断装置1は、複数の血液採集器袋21を内蔵可能な血液採集器ユニット22を有する。この血液採集器袋21は、血液採集可能な構造(採血管、スポンジ樹脂等)の血液採集器23がビニール袋に入れられたものであり、図2に示すように採血管の一端をスポンジに埋め込んでいる。
【0014】
また、プチ診断装置1は、図1に示すように、取出機構部24と、血液採集器袋26の取出受け部25と、血液検査機構部26と、血液採集器23の廃棄箱27と、血流検出機構部28、プリンタ7等を備えている。さらに、血圧測定用バンド31と、血圧測定部32等を備えている。
【0015】
取出機構部24は、内部に血液採集器袋21を複数蓄積する筒状のポケットを備え、これを下方から1個毎に取り出して取出受け部25に排出する。また、残量カウンタを備え、残量を血液検査指示部34に知らせている。
【0016】
血液検査機構部26は、血液採集器23の採血管からの血液を受ける面を有した光学バイオセンサ(図示せず)を備え、この受け面の血液の検査を行う。この血液検査は、例えば総淡白質、血糖値、尿酸、肝機能等の検査を行う。そして、血液採集器23及び光学バイオセンサを廃棄箱27に排出する。
【0017】
また、血液検査機構部26は、血液検査結果をメモリ41に記憶する。この血液検査結果は血液検査指示部34からの受け付け番号に関連させて記憶する。
【0018】
血流検出機構部28は、図2に示すように被検者5の手の甲に光を当てる発光器29及び手の甲を撮影するデジタルカメラ30等を備えて、撮影した手の甲の画像データを血流解析部39に出力する。
【0019】
血流解析部39は、血液検査機構部26からの画像データから所定個所の静脈を拡大して、秒速あたりの静脈流の速度、ヒモグロビン値等を算出する。そして、この血流の解析結果をメモリ44に記憶する。記憶にあたっては受付番号に関連させて記憶する。
【0020】
また、コンピュータの機能として、モード判定部35と、血液検査指示部34と、血流検査指示部37と、検査結果出力部38と、血流解析部39と、データ消去部40等を備えている。
【0021】
さらに、記憶手段として、血液の検査結果が記憶されるメモリ41と、検査決定項目が記憶されるメモリ42と、印刷フォームが記憶されているメモリ43と、血流の解析結果が記憶されるメモリ44等を備えている。
【0022】
血流解析部39は、血液検査機構部26からの画像データから所定個所の静脈を拡大して、秒速あたりの静脈流の速度、ヒモグロビン値等を算出する。例えば、血糖値、たんぱく質の値を算出する。そして、この血流の解析結果をメモリ44に記憶する。
【0023】
モード判定部35は、被検者5によって検査項目が決定されると、メモリ42から決定された検査項目を読み込む。この検査項目決定情報(血液、血圧、血流等)は受け付け番号に関連付けられて記憶されている。
【0024】
このモード判定部は画面に図3(a)に示すプチ検査取扱画面を表示し、これらの項目を被検者5に選択させる。図3(b)に選択結果の画面(検査決定項目画面)を示す。図3(b)にはプチ血液検査、血流検査の2つが選択され、これらが検査決定項目情報にされたことを示している。
【0025】
そして、検査項目が血液検査の場合は、血液検査指示部34を起動させる。また、血流検査の場合は、血流検査指示部37を起動させる。また、血圧検査の場合は血液検査部32を起動させる。
【0026】
血液検査指示部34は、モード判定部35から血液検査であることが知らせられると、取出機構部24を起動させて、取出機構部24からの残量を確認し、残量があるときはし血液検査機構部26を起動させる。このとき、受付番号をモード判定部35は血液検査機構部26に送出する。
【0027】
血流検査指示部37は、血流検査であることが知らせられると、発光器29及びカメラ30を起動させる。
【0028】
検査結果出力部38は、血液検査、血流検査、血圧検査等(いずれかの組合せ、全部の組合せでもよい)からなる検査決定項目情報がモード判定部35から知らせられると、
この検査決定項目情報に対応する印刷フォームをメモリ43から読み込む。
【0029】
そして、検査項目決定情報の検査結果が書き込まれているメモリ44、メモリ35、メモリ41を引当て、引き当てたメモリに書き込まれている検査結果(血液検査結果、血流検査結果、血圧検査結果を読み込み、「○○の疑い」、「○○が不足」、「○○が過剰」等のプチ診断結果FQを得る。そして、検査結果、プチ診断結果FQ及び受付情報等からなるプチ診断情報Fiを印刷フォームに従って生成してプリンタ7に出力すると共に画面に表示する。このとき年月日も印刷及び表示する。 例えば、プリンタ7は図4に示すような診断結果を記載した印刷シートを出力する。
【0030】
前述のプチ診断結果FQは、検査結果の値に「○○の疑い」、「○○が不足」、「○○が過剰」を対応させたて−ブル(図示せず)を予め備えて、このテーブルの比較で判断している。
【0031】
また、検査結果出力部38は、このプチ診断情報Fiをメモリ38aに記憶する。
【0032】
データ消去部40は、印字部33が検査結果を書き込んだ印刷シートを排出したかどうかを監視し、印刷シートを排出した場合は、メモリ35、メモリ41、メモリ44、38aに記憶された情報を全て消去する。
【0033】
従って、被検者5は店内で簡単にプチ診断情報を得ることができる。
【0034】
また、本実施の形態は検査結果から店の最適な食材を知らせることが可能である。これを実施の形態2として以下に説明する。
【0035】
<実施の形態2>
図5は実施の形態2のプチ診断装置の概略構成図である。図5に示すように、プチ診断装置は、カードリーダ50と、認証結果出力部53と、最適食材提供部55等を備えている。
【0036】
カードリーダ50は、カード9が挿入されるとその磁気データを読み込み、カード番号(クレジット会社名、店名を含む)を抽出し、これを認証結果出力部53に出力する。
【0037】
また、カードリーダ50は、印刷シート8が排出されると、挿入されたカード9を排出する。
【0038】
認証結果出力部53は、読み込んだカード番号を検査結果情報に関連させてメモリ38aに記憶する。そして、このカード番号をインターネットを介してA会社の中央センターのサーバ2に送信して認証結果を得る。この認証結果は画面5に出力する。
【0039】
また、認証結果出力部53は、図示しないメモリに予め検査項目毎の料金又はポイントを記憶して、この料金又はポイントをカード番号に付加して送信するようにしてもよい。
【0040】
特に、スーパ、百貨店(以下単に販売店という)に本装置を配置した場合は、近年は販売店の商品を購入する毎に、ポイントがついてその合計ポイントで商品割引がなされている。
【0041】
そして、本装置は、簡単な血液採集器23であっても、それは使い捨てにしている。このため、例えば、血液検査の場合はポイントを1とすると、センターのサーバは、カード番号に対応するポイントから1を減算するようにする。
【0042】
つまり、モード判定部35は、図6(a)に示すように、プチ検査取扱項目画面の各項目毎にポイント値を表示し、検査決定項目画面においては例えば図6(b)に示すように合計ポイントも表示する。
【0043】
最適食材提供部55は、メモリ38aに記憶されているプチ診断情報Fi(検査結果情報及びプチ診断結果及び受け付け情報(受け付け番号、カード番号、年月日、店番号等))を読み込み、このプチ診断結果に基づいて推薦食材を判断し、この推薦食材に対応する食材がデータベース10a、10bに記憶されているかどうかを判断する。
【0044】
この推薦食材の判断は、プチ診断結果(「○○の疑い」、「○○が不足」、「○○が過剰」等)に、予め食材名を対応させたテーブル45を設け、このテーブルから推薦食材名を判断する。
【0045】
そして、特売用のデータベース10bに判断した食材が存在した場合は、その特売の食材と値段とプチ診断情報とを組み(総称してプチ診断サービス情報という)にして検査結果・食材送信部55に送信すると共に、画面5に表示すると共に、これをプリンタ7に出力して印刷させる(図7(a)参照)。
【0046】
検査結果・食材送信部55は、プチ診断サービス情報のうちで、受け付け情報と検査項目とプチ診断結果とを読み出して、これ組み(プチ診断サービス情報)にして中央センターのサーバ2に送信する。
【0047】
中央センターのサーバ2は、このプチ診断サービス情報をデータベースに蓄積する(図7(b)参照)。
【0048】
すなわち、蓄積されたプチ診断サービス情報を解析すると、この被検者はどのような食材が現在不足しているかが分かるので、適当な時期に不足している食材のダイレクトメールを発送するなどができる。
【0049】
なお、上記実施の形態では、検査結果から本日の特売品をその検査結果に添付して知らせるとしたが、その食材の料理レシピ等或いは次回の特売予定品等を組み合わせて提供してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施の形態の簡易健康診断システムの概略構成図である。
【図2】プチ診断装置1の概略構成図である。
【図3】チ診断装置の画面を説明する説明図である。
【図4】検査結果を説明する説明図である。
【図5】実施の形態2のプチ診断装置の概略構成図である。
【図6】実施の形態2のプチ診断装置の画面の説明図である。
【図7】実施の形態2のプチ診断装置の検査結果を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0051】
1 プチ診断装置
2 サーバ
8 印刷シート
9 クレジットカード
10 店内サーバ
10a 食材データベース
10b 特売データベース10
21 血液採集器袋
22 血液採集器ユニット
24 取出機構部
26 血液採集器袋
27 廃棄箱
28 血流検出機構部
31 血圧測定用バンド
32 血圧測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液採集器が多数収納可能な血液採集器ユニットと、
前記血液採集ユニットの血液採集器を1個毎に排出する取出機構部と、
前記血液採集器の血液を検査し、この検査値を出力する血液検査機構と、
前記血液の検査値毎に簡易診断情報を記憶した第1の記憶手段と、
所定のフォームに前記簡易診断情報を印字した印字シートを出力すると共に画面に表示させる手段と
を有することを特徴とする簡易診断装置。
【請求項2】
店舗に簡易診断装置を設け、この簡易診断装置で得た診断サービス情報をセンターのサーバに送信して管理させる簡易診断システムであって、
前記簡易診断装置は、
前記血液の検査値毎に簡易診断情報を記憶した第1の記憶手段と、
前記店舗の本日の食材リスト及び特売リストを記憶した第2の記憶手段と、
血液採集器が多数収納可能な血液採集器ユニットと、
前記血液採集ユニットの血液採集器を1個毎に排出する取出機構部と、
前記血液採集器の血液を検査し、この検査値を出力する血液検査機構と、
所定のフォームに前記簡易診断情報を印字した印字シートをプリンタから出力すると共に画面に表示させる手段と、
前記店舗を運営している業者のカードの情報をカードリーダで読み取って、前記カードのカード番号を通信ネットワークを介して前記サーバに送信して認証結果を得る手段と、
前記認証結果が利用可能な場合に、前記取出機構及び血液検査機構を起動させる手段と、
血液検査機構部の前記検査値を含む前記第1の記憶手段の簡易診断情報を診断結果とする手段と、して前記プリンタから印刷シートを出力すると共に画面に表示させる手段と、
前記診断結果に対応する食材リスト又は特売リストの食材を前記第2の記憶手段から抽出し、この食材と前記簡易診断情報を診断サービス情報として前記印刷シートに印字すると共に画面に表示させる手段と
を有することを特徴とする簡易診断システム。
【請求項3】
前記食材リスト及び特売リストの食材には値段が対応させられ、前記診断サービス情報に値段を含ませていることを特徴とする請求項2記載の簡易診断システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−261776(P2009−261776A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117310(P2008−117310)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(505219532)
【Fターム(参考)】