説明

粉体を搬送するための方法及び装置及び装置のためのアダプタ

【課題】粉体を搬送するための方法において、空気および湿気の封入を排除することのできる方法及び装置を提供する。
【解決手段】搬送容器内に不活性ガスのみが提供されているようになるまで搬送容器を不活性ガスにより洗浄し、次いで空気及び湿気の流入が阻止されるように粉体を不活性ガス雰囲気下に搬送容器内へ充填し、充填の終了後に搬送容器内に不活性ガス過圧が提供されているようにし、必要に応じて搬送容器からの粉体の排出も同様に不活性ガス雰囲気下に行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体を搬送するための方法及び装置及び装置のためのアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
マグネシウムエトキシラートは、例えばポリエチレン製造時に用いられる触媒を製造するために使用される公知の材料である。
【0003】
マグネシウムエトキシラートは空気及び湿気に対して敏感なので、搬送時には特に保護措置を講じる必要がある。
【0004】
マグネシウムエトキシラートを、空気若しくは湿気を排除するために順次に2つの袋内へ包装し、次いで桶内へ包装することが公知である。このようにして、50〜100kgまでの規模のコンテナを達成し、搬送することができる。
【0005】
この公知の包装形式は、50kgの比較的わずかな量しか包装し、搬送することができないという欠点を有している。このようにしては大量の粉体を有意義に包装し搬送することはできない。
【0006】
さらに公知の包装では、不利なことに空気及び湿気の不都合な封入を完全に排除することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の課題は、従来技術の欠点を回避することのできる方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決した本発明による粉体を搬送するための方法によれば、搬送容器内に不活性ガスのみが提供されているようになるまで搬送容器が不活性ガスにより洗浄され、次いで空気及び湿気の流入が阻止されるように粉体が不活性ガス雰囲気下に搬送容器内へ充填され、充填の終了後には不活性ガス過圧が搬送容器内に提供されており、必要に応じて搬送容器からの粉体の排出も同様に不活性ガス雰囲気下に行われる。
【0009】
前記課題を解決した、粉体を搬送するための本発明による方法を実施するための装置によれば、必要に応じて支持フレーム1内に搬送容器2が配置されており、この場合に搬送容器2の上底5には充填開口15、逃し弁26、流出弁27並びに流入弁8が配置されており、搬送容器の底部には流出開口9が配置されている。
【発明の効果】
【0010】
このように構成された本発明による粉体を搬送するための方法及びこの方法を実施するための装置により、従来技術の欠点が回避された。
【0011】
搬送容器は、コンテナ内に搬送容器を積み重ね、搬送することを可能にする支持構造体内に配置されていてよい。
【0012】
本発明による装置のためのアダプタによれば、このアダプタは円筒状の部分18から成っており、この円筒状の部分18には両方のプレート状リング19及び20が配置されており、この場合にこれらのプレート状のリング19には継手ボルト17が配置されており、プレート状リング20には規則的な配置で孔21が配置されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明による装置の側面図Aを示す図1によれば、支持フレーム1内には搬送容器2が配置されている。1,000リットルの容積を有しており、特殊鋼より作製されていてよい前記搬送容器2は、平行六面体状の上部3と円錐状に成形された底部4とから成っている。搬送容器2の上底5にはマンホール6が配置されている。このマンホール6はねじ込みカバー7と6つのアイボルトとによりガス密に閉鎖することができる。さらに搬送容器2の上底5にはガス密な急速継手、例えばストーブリ-継手(Staeubli-Kupplung)8が配置されている。
【0014】
搬送容器の、45°の注ぎ角を有していてよい円錐状に成形された底部4には、流出開口9が配置されている。この流出開口9は、継手ボルトのための6つの懸吊舌片11を備えた円形フランジ10を有している。この円形フランジ10にはフラップ式ねじ(klappschrauben)を有するカバー12が配置されている。さらに流出開口9内には、シールスリーブを有する遮断フラップ13が配置されている。前記支持フレーム1は下端に、フォークリフトのための走入U字形部材14を有している。
【0015】
側面図Aに対して90°の角度に位置している側面図Bを示す図2によれば、流出開口9には遮断フラップ13が配置されている。この遮断フラップ13はレバー13aにより操作される。
【0016】
上底5にはマンホール6に隣接して充填開口15が配置されている。
【0017】
本発明による装置の平面図を示す図3によれば、上底5にはねじ込みカバー7を有するマンホール6が配置されている。さらに上底5には、逃し弁26、ガス密な急速継手、例えばストーブリ-継手8、不活性ガス、例えば窒素のための管片27及び流入開口15が配置されている。
【0018】
この流入開口15は、レバー15aにより操作することのできる遮断フラップを有している。
【0019】
図4によれば、搬送容器2の上底5には流入開口15が配置されている。ガス密に閉鎖することのできる流入開口15には装置15bが配置されており、この装置15bによって充填ホッパ(図示していない)を充填開口15でガス密な位置に保持することができる。
【0020】
図5によれば、アダプタ16には継手ボルト17が配置されている。この継手ボルト17はヒンジにより軸線方向に運動させることができる。前記アダプタ16は円筒状の部分18から成っており、この円筒状の部分18には両方の円形のプレート状リング19及びプレート状リング20が溶接されている。プレート状リング19には継手ボルト17が配置されている。プレート状リング20には、規則的な配置で孔21が配置されている。継手ボルト17は、アダプタ16を、プレート状リング19を介して搬送容器2の流出開口9に固定するために働く。
【0021】
図6によれば、プレート状リング20に設けられた孔21により、接続フランジ22が搬送容器2の流出開口9に固定される。この場合にねじ23が使用され、チューブ25のシール24がプレート状リング20と接続フランジ22との間に保持される。カバー12はプレート状リング20の固定前に取り外される。
【0022】
本発明によれば、搬送容器2が窒素により完全に溢れた後に、粉体、例えばマグネシウムエトキシラートが、充填装置により搬送容器2内へ充填される。この場合に、前記充填装置は充填開口15にガス密に載置される。粉体は搬送容器2内へ流入し、この場合に窒素は、スリーブリ型ボール弁を備えた管片27を介して容器から流出することができる。充填工程の終了後には充填開口はガス密に閉鎖され、この場合に搬送容器内には最大で0.1barの過圧が提供されている必要がある。この過圧は最大で0.1barであってよい。
【0023】
搬送容器2の排出時には、搬送容器2の流出開口9が充填したい容器にガス密に載置される。粉体の流出の間には、不活性ガスがガス密な急速継手、例えばストーブリ-継手8を介して搬送容器2内へ挿入され、これにより、排出の間の空気又は湿気の流入が阻止される。
【0024】
本発明による方法並びに本発明による装置により、有利には空気及び湿気に敏感な粉体、例えばマグネシウムエトキシラートを、損傷されることなしに搬送し、塵埃形成なしに充填することが可能である。さらに100kgから350kgまでの大量の粉体を搬送することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による装置の側面図Aである。
【図2】本発明による装置の上側に設けられた充填開口を示す側面図である。
【図3】本発明による装置の平面図である。
【図4】本発明による装置の側面図Bである。
【図5】本発明によるアダプタの平面図である。
【図6】本発明によるアダプタの側面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 支持フレーム、 2 搬送容器、 3 上部、 4 底部、 5 上底、 6 マンホール、 7 ねじ込みカバー7、 8 ストーブリ-継手、 9 流出開口、 10 円形フランジ、 11 懸吊舌片、 12 カバー、 13 遮断フラップ、 14 走入U字形部材、 15 流入開口、 16 アダプタ、 17 継手ボルト、 18 円筒状の部分、 19,20 プレートリング、 21 孔、 22 接続フランジ、 23 ねじ、 24 シール、 25 チューブ、 26 逃し弁、 27 管片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を搬送するための方法において、搬送容器内に不活性ガスのみが提供されているようになるまで搬送容器を不活性ガスにより洗浄し、次いで空気又は湿気の流入が阻止されるように粉体を不活性ガス雰囲気下に搬送容器内へ充填し、充填の終了後に不活性ガス過圧が搬送容器内に提供されているようにし、必要に応じて搬送容器からの粉体の排出も同様に不活性ガス雰囲気下に行うことを特徴とする、粉体を搬送するための方法。
【請求項2】
請求項1に記載の、粉体を搬送するための方法を実施するための装置において、必要に応じて支持フレーム(1)内に搬送容器(2)が配置されており、該搬送容器(2)の上底(5)に充填開口(15)、逃し弁(26)、流出弁(27)並びに流入弁(8)が配置されており、搬送容器の底部に流出開口(9)が配置されていることを特徴とする、粉体を搬送するための方法を実施するための装置。
【請求項3】
前記流出開口(9)にアダプタ(16)が配置されている、請求項2記載の装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置のためのアダプタにおいて、該アダプタが、円筒状の部分(18)から成っており、該円筒状の部分(18)に両方のプレート状リング(19)及びプレート状リング(20)が配置されており、プレート状のリング(19)に継手ボルト(17)が配置されており、プレート状リング(20)に規則的な配置で孔(21)が配置されていることを特徴とする、請求項3記載の装置のためのアダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−145432(P2007−145432A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−319220(P2006−319220)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(501073862)デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Bennigsenplatz 1, D−40474 Duesseldorf, Germany
【Fターム(参考)】