説明

粉体分散安定剤及びこれを配合した粉体分散組成物

【課題】新規な粉体分散安定剤を提供し、優れた分散安定性を有する粉体分散組成物を提供すること。
【解決手段】下記一般式(a)で表される両末端シリコーン変性グリセリンからなる粉体分散安定剤及びこれを配合する粉体分散組成物である。
(a)


式中、R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基であり、R2は炭素数2〜11のアルキレン基であり、mは10〜120、nは1〜11である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粉体分散安定剤及びこれを含有する粉体分散組成物に関するものである。本発明の粉体分散安定剤及びこれを含有する粉体分散組成物は、特にシリコーン油に粉体を分散させる技術に好ましく使用される。
【背景技術】
【0002】
粉体分散安定剤は種々の産業分野に応用されている。例えば、顔料や充填剤を樹脂溶液に分散させた塗料やインク;炭酸カルシウム、酸化チタン等充填剤をポリ塩化ビニル樹脂等とともに可塑剤に分散させた床材・壁紙・シーリング材用樹脂組成物;フィラードPPで代表される無機充填剤を分散させた樹脂組成物;無機系研磨剤を配合したスプレー洗浄剤等に使用される。このように、粉体を、有機溶剤、可塑剤、樹脂等の油中に分散させる場合、一般的に油中分散剤が使用されている。
【0003】
そして、特許文献1には、アルキレンオキサイドを付加した脂肪酸からなる無機粉体用油中分散剤が開示され、その実施例には、POE(4.5)ラウリルエーテル酢酸、POE(4)ステアリルエーテル酢酸、POE(10)ラウリルエーテル酢酸、POE(12)ステアリルエーテル酢酸、POE(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウムの分散性、安定性が確認されている。
【0004】
一方、特許文献2には、スラリーの粘度調整、潤滑油や液体燃料の改質など、ポリノルボルネン系分散剤が開示されている。
また、印刷インキの分野においては、環境負荷の観点から有機溶媒系から水系インキへと移行しつつある。しかし、水系インキでは速乾性、耐水性が不十分であり、揮発性シリコーン油を溶媒とするインキが検討され、顔料粉体の高分散性が求められている。
このように様々な分野において、優れた粉体分散剤の開発が期待されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−262883号公報
【特許文献2】特開2002−177757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者等は上述の観点に鑑みて鋭意研究した結果、特定構造のBAB型トリブロック共重合体で、さらに共重合体中B部分に相当する構造がある特定の化合物からなる物質が、粉体の分散安定性を著しく向上させることを見出して本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、下記一般式(a)で表される両末端シリコーン変性グリセリンからなることを特徴とする粉体分散安定剤を提供するものである。
(a)
【化1】

式中、R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基であり、R2は炭素数2〜11のアルキレン基であり、mは10〜120、nは1〜11である。
【0008】
また、本発明は、下記一般式(b)で表される両末端シリコーン変性グリセリンからなることを特徴とする粉体分散安定剤を提供するものである。
(b)
【化2】

式中、R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基、mは10〜120、nは1〜11である。
【0009】
さらに、本発明は、HLB値が0.2〜3.0であり、かつ分子量が2000〜20000であることを特徴とする上記の粉体分散安定剤を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、上記の粉体分散安定剤と、粉体と、シリコーン油とを含有することを特徴とする粉体分散組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の粉体分散安定剤は粉体の分散安定性が極めて高く、安定した粉体分散組成物を提供出来る。特にシリコーン油を含有する油中においては粉体の安定性が著しく高い。
本発明の粉体分散安定剤は、ジメチルポリシロキサン鎖とポリグリセリン鎖の分子量を適宜選択することにより、分散組成物中にて様々なHLBや粘度を発揮できる。
図1に粉体分散安定性の模式図を示す。本発明の粉体分散安定剤は、両末端にシリコーン鎖からなる分散サイトがあるため、粉体を、吸着性の非常に高いポリグリセリン鎖からなる吸着サイトに保持しつつ、分散媒の溶媒中にてポリマーが広がり、極めて顕著な分散安定性効果を発揮すると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の粉体分散安定剤の基本構造はBAB型トリブロック共重合体であり、Bは、例えば下記構造(c)で示される片末端水素残基シリコーンなどを用いることができる。
Aはグリセリン残基である。
下記構造(c)の片末端水素シリコーンは公知の化合物である。そして、任意の重合度のBAB型トリブロック共重合体が公知の方法により製造出来る。
(c)
【化3】

式中、R1はそれぞれ、炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基、mは10〜120の数である。
【0013】
AとBとの間の結合は本発明にとって本質的な構造ではないが、本発明に例示される粉体分散安定剤は、化合物(c)と下記構造式(d)で示す化合物を、白金触媒を用い、エーテル結合により結合させたものである。
(d)
【化4】

式中、nは1〜11の数である。
【0014】
BAB型トリブロック共重合体は公知の方法により合成することが出来る。合成スキームを図2に示す。
【0015】
このようにして、下記構造式(a)、(b)で表される粉体分散安定剤が得られる。
(a)
【化5】

式中、R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基であり、R2は炭素数2〜11のアルキル基であり、mは10〜120、nは1〜11である。
(b)
【化6】

式中、R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基、mは10〜120、nは1〜11である。
【0016】
シリコーン鎖の重合度のmは10〜120が好ましい。側鎖置換基はメチル基が好ましいが、フェニルや他のアルキルに置換されていても構わない。
グリセリン鎖の重合度のnは1〜11が好ましい。
本発明の粉体分散安定剤の機能発現には、図1に示すようにBブロックの溶媒中への溶解性とAブロック鎖の粉体表面への高い吸着性が重要である。すなわち、AB両ブロックの親水/親油性のバランス(HLB)が適切な範囲にあることが機能発現に必須となる。HLBは公知の方法により求めることができるが、例えばGriffinの式(HLB値=グリセリン部分子量×20/総分子量)により算出される。本発明の粉体分散安定剤においては、HLBが0.2〜3.0であることが好ましい。
また、粉体同士の凝集を防止するAブロック鎖の広がりは、高分子の分子量に依存し、Bブロック鎖は高分子量であるほど凝集防止効果は高い。一方、粉体への吸着はAブロック鎖のファンデルワールス力等の弱い力によると考えられる。しかし、Aブロック鎖としてポリグリセリンを用いることにより、ポリエチレングリコール等に比較し強い吸着力が得られるため、比較的低い分子量で十分な吸着力が得られる。また、AB両ブロックの分子量が高くなりすぎると、粉体分散組成物の塗り伸ばしが難くなる場合があり、また伸びの重さを感じる場合がある。以上のことから、分子量についても適切な範囲があり、本発明の粉体分散安定剤においては、分子量は2000〜20000が好ましい。
【0017】
本発明の粉体分散安定剤により、粉体が分散される分散媒は油分である。例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等の変性シリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、高重合メチルポリシロキサン等のシリコーン系樹脂等の1種または二種以上の油分が好ましい。
また、シリコーン系分散媒には、本発明の効果を損なわない限り、他の油性成分を配合することも可能である。例えば、流動パラフィン、固形パラフィン、ワセリン、セレシン等の炭化水素油、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油、天然油脂、パーフルオロポリエーテル、ラノリン、カルナバロウ等のワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ビニルピロリド樹脂等の樹脂等が挙げられる。
本発明の粉体分散安定剤は粉体とシリコーン油とを含有する粉体分散組成物に好ましく使用される。
【0018】
分散させる粉体は特に限定されない。特に無機粉体(酸化チタン若しくは酸化亜鉛など)が好ましい。両者の混合粉体においても分散安定性が極めて高いことも本願発明の特質である。
【0019】
粉体の平均粒子径は0.5〜150nmが好ましい。
この場合、酸化チタン若しくは酸化亜鉛の粉体を紫外線散乱剤として配合する場合は、平均粒子径1〜50nmの微粒子が好ましい。
なお、粉体分散安定剤の配合量は適宜決定されるが、粉体分散組成物(粉体分散安定剤と粉体とシリコーン油からなる組成物であって、他に任意の公知成分を含まない組成物)
全量に対して通常0.1〜30質量%である。
【0020】
なお、本発明の粉体分散安定剤は、粉体を表面処理することにより、粉体の分散安定性を向上させることも可能である。
【0021】
本発明の粉体分散組成物、特に微粒子粉体分散物は、粉体と、両末端シリコーン変性グリセリンと、シリコーン系分散媒とを機械的に分散処理することにより製造することができる。
予備混練や分散処理には、必要に応じて加熱しながら、適当な分散機械を用いればよい。調整するスラリーの粘度に応じて、ローラーミル、高圧ホモジナイザー、ビーズミル等の分散機械を適宜選択して用いる。
【実施例】
【0022】
次に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明は、これらの実施例によって限定されない。配合量は特に断りのない限り全量に対する質量%である。
【0023】
「実施例1 本発明の粉体分散安定剤である両末端シリコーン変性グリセリンの合成」
式(e)の片末端水素化ジメチルポリシロキサン(Mw≒4600)100g、トリグリセリンジアリルエーテル3.5g、およびイソプロピルアルコール100gを反応容器に仕込み、3%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.05gを加えて80℃で5時間反応させる。続いて0.01NのHCl水溶液を1.5g添加し、60℃にて3時間加水分解を行った後、1%重曹水0.2gを添加して中和を行った。反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物を得る。




(e)
【化7】

【0024】
「実施例2 本発明の粉体分散安定剤である両末端シリコーン変性グリセリンの合成」
式(e)の片末端水素化ジメチルポリシロキサン(Mw≒4600)100g、テトラグリセリンジアリルエーテル4.3g、およびイソプロピルアルコール100gを反応容器に仕込み、3%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.05gを加えて80℃で5時間反応させる。続いて0.01NのHCl水溶液を1.5g添加し、60℃にて3時間加水分解を行った後、1%重曹水0.2gを添加して中和を行った。反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物を得る。
(e)
【化8】

【0025】
「実施例3 本発明の粉体分散安定剤である両末端シリコーン変性グリセリンの合成」
式(f)の片末端水素化ジメチルポリシロキサン(Mw≒7600)100g、テトラグリセリンジアリルエーテル2.6g、およびイソプロピルアルコール100gを反応容器に仕込み、3%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.05gを加えて80℃で5時間反応させる。続いて0.01NのHCl水溶液を1.5g添加し、60℃にて3時間加水分解を行った後、1%重曹水0.2gを添加して中和を行った。反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物を得る。
(f)
【化9】

【0026】
「実施例4 本発明の粉体分散安定剤である両末端シリコーン変性グリセリンの合成」
式(g)の末端水素化メチルフェニルポリシロキサン(Mw≒5600)100g、トリグリセリンジアリルエーテル2.9gおよびイソプロピルアルコール100gを反応容器に仕込み、3%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.05gを加えて80℃で5時間反応させる。続いて0.01NのHCl水溶液を1.5g添加し、60℃にて3時間加水分解を行った後、1%重曹水0.2gを添加して中和を行った。反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物を得る。


(g)
【化10】

式中、Phはフェニル基を表す。
【0027】
「実施例5 本発明の粉体分散安定剤である両末端シリコーン変性グリセリンの合成」
式(h)の片末端水素化メチルドデシルポリシロキサン(Mw≒5900)100g、トリグリセリンジアリルエーテル2.7gおよびイソプロピルアルコール100gを反応容器に仕込み、3%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.05gを加えて80℃で5時間反応させる。続いて0.01NのHCl水溶液を1.5g添加し、60℃にて3時間加水分解を行った後、1%重曹水0.2gを添加して中和を行った。反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物を得る。
(h)
【化11】

【0028】
上記実施例1〜5の合成スキームを図2に示す。図3に実施例1のIRスペクトルを示す。スペクトル中800、1000、1260、2960cm-1付近のピークよりポリジメチルシロキサンに、また1400cm-1付近にポリグリセリン中の二級アルコールに由来するピークがそれぞれ認められることから、合成はスキーム通り進行し、目的化合物が得られていることが分かる。
【0029】
「分散安定性の評価」
<分散体の作成>
微粒子粉体38g、実施例1、実施例2、の方法で作成した分散剤および比較サンプル5gをシリコーン系分散媒57gに添加し、微粒子粉体との重量比が1:1になるように、ガラスビーズ(1mmΦ)を加え、ペイントシェイカーにて1時間混合してスラリー状の分散体を作成する。また、実施例1で製造した分散剤の代わりに、比較例1の方法で製造した分散剤5gを用いた分散体も同様に作成する。分散させる粉体には、P1とP2を半量ずつの混合粉体を用いる。
用いた各成分を以下に示す。
(1)微粒子粉体(P1):脂肪酸石鹸処理微粒子二酸化チタン
商品名:100TV(テイカ社製)
粒子径:長径約0.03μm、短径約0.005μm
ミリスチン酸アルミニウム処理量:10質量%
(2)微粒子粉体(P2):シリコーン処理シリカ被覆酸化亜鉛
商品名:SS-Activox C80(昭和電工製)
粒子径:約0.03μm
シリカ処理量:20質量%
(3)比較サンプル:ポリエーテル変性シリコーン
商品名:シリコーンKF6017(信越化学工業製)
ポリエーテル変性率:20% 分子量:約6000 HLB値:4.0
(4)分散媒:デカメチルシクロペンタシロキサン
商品名:KF−995(信越化学工業製)
【0030】
<分散特性の評価>
分散物のレオロジー測定を行い、各両末端シリコーン変性グリセリンの粉体の分散安定性を評価する。
(評価方法)
評価装置:TAインスツルメンツ社製 コーンプレート型粘度計 AR1000−N
測定条件:4cm4°スチール製ジオメトリー
せん断速度 0.1s-1〜500s-1 25℃
(結果)
実施例1の両末端シリコーン変性グリセリンを用いた分散体の評価結果を図4に示す。
実施例2の両末端シリコーン変性グリセリンを用いた分散体の評価結果を図5に示す。
比較サンプルであるポリエーテル変性シリコーンを用いた分散体の評価結果を図6に示す。
分散体中の粉体の分散安定性が良好な場合、その流動特性は分散媒であるシリコーンの流動特性を反映することになり、いかなるせん断速度でも粘度がほぼ一定であるニュートニアン的な挙動を示す。
比較サンプルの分散剤を用いた分散体の挙動を表す図6において、酸化チタン(P1)と酸化亜鉛(P2)を混合した分散体は、低せん断速度領域で粘度の大幅な上昇が確認され、粉体が凝集していることが示唆された。
これに対し、実施例1および実施例2で合成される分散剤を用いた分散体の挙動を表す図4においては、酸化チタン(P1)と酸化亜鉛(P2)を混合した分散体は、ほぼニュートニアン的な流動特性を示し、分散安定性が非常に良好であることが示唆された。混合した粉体(P1およびP2)を用いた際に分散体がほぼニュートニアン的な挙動を示す分散剤はこれまでほとんど報告されておらず、本発明の分散安定剤の分散安定性向上効果が非常に高いことを示している。
上記の評価測定から、実施例1〜2の粉体分散安定剤は優れた分散安定剤を発揮する。なお、実施例3〜5の化合物も、実施例1〜2と同様の分散安定性が発揮される。
【0031】
「分散安定性の評価:HLBと分子量の関係」
実施例1〜3、比較サンプルと同様にして合成した両末端シリコーン変性グリセリンおよびポリエーテル変性シリコーンの粉体分散特性を、上記方法と同様にレオロジー測定により評価した結果を下記に示す。各表から、本発明の粉体分散安定剤は優れた分散特性を有することが分かる。












【0032】
【表1】

分散特性
○:良好、△:ほぼ良好、×:不良
【0033】
【表2】

分散特性
○:良好、△:ほぼ良好、×:不良
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の粉体分散安定剤及び粉体分散組成物は、優れた粉体の分散安定性を示し、塗料、インキ、研磨剤等の各種工業用途に利用できる。特にシリコーン油に無機粉体を分散させる組成物に対して有用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の粉体分散安定剤の分散安定性を示す模式図である。
【図2】エーテル結合により得られる本発明の粉体分散安定剤の合成スキームを説明した図である。
【図3】実施例1で製造した両末端シリコーン変性グリセリンのIRスペクトルである。
【図4】実施例1の粉体分散安定剤、シリコーン溶媒を用いた粉体分散組成物のせん断速度を変化させたレオロジー測定結果である。
【図5】実施例2の粉体分散安定剤、シリコーン溶媒を用いた粉体分散組成物のせん断速度を変化させたレオロジー測定結果である。
【図6】比較例サンプルの粉体分散安定剤、シリコーン溶媒を用いた粉体分散組成物のせん断速度を変化させたレオロジー測定結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(a)で表される両末端シリコーン変性グリセリンからなることを特徴とする粉体分散安定剤。
(a)
【化1】

式中、R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基であり、R2は炭素数2〜11のアルキレン基であり、mは10〜120、nは1〜11である。
【請求項2】
下記一般式(b)で表される両末端シリコーン変性グリセリンからなることを特徴とする粉体分散安定剤。
(b)
【化2】

式中、R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基、mは10〜120、nは1〜11である。
【請求項3】
HLB値が0.2〜3.0であり、かつ分子量が2000〜20000であることを特徴とする請求項1または2記載の粉体分散安定剤。
【請求項4】
請求項1〜3記載の粉体分散安定剤と、粉体と、シリコーン油とを含有することを特徴とする粉体分散組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−218472(P2006−218472A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352829(P2005−352829)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】