説明

粉末スプレー塗装ガンとこのためのプラスチック製ハウジング

粉末スプレー塗装ガンとそのガンハウジング。スプレーガンハウジング(2)が、粉末放出チューブ(20)が取り付けられている銃床(4)と、粉末吸入チューブ(10)が取り付けられているグリップ(6)とを構成するプラスチック製の一体状の本体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項第1項に定義されている粉末スプレー塗装ガンのためのプラスチック製スプレーガンハウジングに関する。
【0002】
本発明は、さらに、こうしたプラスチック製ハウジングが取り付けられている粉末スプレー塗装ガンに関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第3,608,823号が、塗装粉末で物体を静電スプレー塗装するための粉末スプレーガンを開示している。このガンは、塗装粉末を静電帯電させるための幾つかの高電圧電極を備える。ホースが粉末スプレー塗装ガンの中を通って延びる粉末ダクトを構成する。1つの実施形態では、上記ホースはガンの銃床の中だけを通って延びるだけであり、および、後部銃床末端において粉末給送ホースに連結されることが可能である。別の実施形態では、粉末ホースは銃床とガングリップとの両方の中を通って延びる。
【0004】
米国特許第4,993,645号が、一方の脚部がガン銃床の中に差し込まれかつ他方の脚部がガングリップの中に差し込まれることが可能である、傾斜した粉末ダクトを有するガンを示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的が、アーク放電と粉末蓄積との危険性をもたらす境界面をより少なく含む形に粉末スプレー塗装ガンを設計することである。
【0006】
さらに、本発明の粉末スプレー塗装ガンは、軽量であり、かつ、製造において経済的であるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的は、本発明の独立特許請求項の特徴によって達成される。
【0008】
本発明のさらに別の有利な特徴が従属特許請求項に定義されている。
【0009】
本発明を、好ましい例示的な実施形態の添付図面に関連付けて、以下で説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に示されているスプレーガンハウジング2はプラスチックで作られており、および、粉末スプレー塗装ガンの基本的なケーシングを構成する。このガンハウジング2は、射出成形法またはモールドキャスティング法または類似のプラスチック成形手順によって一体的に形成されたケーシングであり、上記ケーシングは、銃床4と、この銃床4から下方に斜めに延びるグリップ6とを少なくとも備える。この銃床4は、その縦方向4に直線状に延びる放出粉末ダクト8を画定する。グリップ6は、縦方向のグリップ方向に延びる直線状の吸入粉末ダクト10を画定する。2つの粉末ダクト8、10の軸方向の中心線12、14が、図1では図面の平面である共通平面内に位置しており、および、したがって、上記2つの中心線は交差する。2つの粉末ダクト8、10の管状ダクト20、22のそれぞれの互いに隣接した末端16、18が互いに連通する。
【0011】
この2つの粉末ダクト8、10とガンハウジング2は共に1つの構成要素を形成する。
【0012】
管状ダクト20、22の互いに隣接した末端16、18は、2つの粉末チューブ8、10が一体状の構成要素の形に互いに連続的に合併する形で、互いに連通するだろう。
【0013】
図1に示されている本発明の好ましい実施形態では、管状ダクト20、22の互いに隣接した末端16、18は、ガンハウジング2が製造される時に一体状のガンハウジング2のプラスチックによる射出成形またはキャストモールディングによって被覆されており、かつ、この結果として上記プラスチック内に封入されている、電気絶縁材料で作られている傾斜したチューブスタブ(tube stub)24によって互いに連通する。この傾斜したチューブスタブ24は、粉末チューブ8、10の中を通る空気流によって空気圧で動かされる塗装粉末流に対する耐摩耗性がより高いように、プラスチックの一体状ガンハウジング2よりも高い耐摩耗性を有する材料で作られていることが好ましい。したがって、この傾斜したチューブスタブ24は、ガンハウジング2のプラスチック以外のプラスチックで作られており、または、セラミック、または、硬質ガラス、または、別の耐摩耗性材料で作られていることが好ましい。この傾斜チューブスタブ24の材料は、耐摩耗性を実現するように、かつ、粉末の堆積が上記スタブ上では妨げられるように、選択されなければならない。
【0014】
しかし、傾斜チューブスタブ24は、さらに、他の目的のために使用されてもよく、すなわち、射出成形用金型コアを支持するために、および/または、ガンハウジング2の製造中にガンハウジング2内に別個の空間を画定するために使用されてもよい。傾斜タブスタブが後者の目的のためだけに機能する時には、この傾斜タブスタブは、ガンハウジング2と同じプラスチックで作られてもよく、または、異なるプラスチックで作られてもよい。傾斜チューブスタブ24の材料が、両方の利点を得るために、すなわち、一方では、粉末摩擦を原因とする摩耗を減少させるために、かつ、2つの粉末チューブ8、10の間の移行範囲内で粉末が接着/堆積する危険性を低減させるために、および、他方では、射出成形または別のプラスチック成形手順を使用する時にガンハウジング2の製造を容易にするために、バンハウジング(bun housing)2のプラスチックよりも高い耐摩耗性を有するべきであるが。
【0015】
傾斜チューブスタブ24は放出チューブ脚部26を備え、この放出チューブ脚部26は、銃床4の放出粉末チューブ8の中に軸方向に延び、かつ、これに軸方向に隣接する放出チューブダクト20のセグメントよりも著しく短い。傾斜チューブスタブ24は、さらに、グリップ6の吸入チューブ要素10に中に軸方向に延びる吸入チューブ脚部28を備える。
【0016】
一実施形態では、吸入チューブ脚部28はグリップ6の全長にわたって延びてよいが、図1に示されている好ましい実施形態では、その長さはグリップ6よりも著しく短く、および、その上に、好ましくは、吸入チューブ脚部28に隣接している吸入チューブダクト22のセグメントよりも著しく短い。
【0017】
移行場所における突出部または端縁が塗装粉末を集めることを防止するために、傾斜チューブスタブ24によって構成されている傾斜チューブダクトが、縦方向のダクト方向において、吸入チューブダクト22をそれぞれに有する放出チューブダクト20と整合させられていることが好ましい。
【0018】
後部ハウジングチャンバ30がガンハウジング2内に画定されており、および、傾斜チューブスタブ24から後部に延び、および、後部ハウジング末端32において開口の中に現れ出る。この傾斜チューブスタブ24は、放出チューブ脚部26から離れているその後部において、ガンハウジング2のプラスチックによって覆われることなしに後部ハウジングチャンバ30内に自由に露出させられている側方の後部区域36を備える。射出成形によって、または、別の成形手順において、ガンハウジングを製造する時に、傾斜チューブスタブ24は、所定位置に置かれることが可能な金型コアを、3つの側部から、すなわち、下部後部チャンバ30を形成するために後部から、放出チューブダクト20を形成するために前部から、および、吸入チューブダクト22を形成するために下方から、引き離された状態に保つだろう。この手順では、チューブスタブ24は、金型コアによって所望の位置に保たれる。
【0019】
本発明の別の実施形態では、傾斜チューブスタブ24の外側表面(後側区域36を含む)が、ガンハウジング2からのプラスチックで射出被覆される。このようにして、チューブダクト20、22と傾斜チューブスタブ24とによって画定されている粉末ダクトが、さらに、例えば接地のようなより低い電位に向かってアーク放電する高電圧を回避するために、電気的に絶縁されている。この特徴は、塗装粉末が導電性粒子を含む時に特に重要である。
【0020】
図示されている図1の実施形態では、傾斜チューブスタブ24は、その左側、その右側、その隅内側(angle inside)、および、その隅頂部側(angle top side)において、ガンハウジング2のプラスチックによって取り囲まれており、および、チューブ脚部26、28は、管状ダクト20、22のオフセットした末端区域の中に入る。傾斜チューブスタブ24の上記後側区域36だけが、ガンハウジング2からのプラスチックによって覆われていない。
【0021】
図1の好ましい実施形態では、傾斜チューブスタブ24の後側区域36は、放出チューブ脚部26によって(しかし反対方向に)軸方向に形成されているチューブ筒(tube muff)の形状である。
【0022】
少なくとも1つの電線、好ましくは図4に示されているケーブル42を通過させるための貫通穴40が、下部後部ハウジングチャンバ30の下部壁38の中に形成されている。
【0023】
省略されている別の実施形態では、ケーブル42はグリップ6までしか延びず、この場合には、ケーブル42は、リードスイッチ44に達する導体の電気端子に連結されている。
【0024】
グリップ6は、グリップ前部の全部または大部分を画定する。後部グリップ外殻50はグリップ6の後部上に取り付けられ、および、図4に示されている形でケーブル42を通過させる。グリップ6の吸入粉末チューブ10は、図1と図4とに示されているように、粉末ホース54に連結するために、その下端区域52においてプラグイン式要素として設計されている。リードスイッチ44を駆動する引き金46が、上部グリップ末端区域内において前部に配置されている。グリップ6は、好ましくは少なくとも4cmだけ銃床4の下部末端から下方に延びる。
【0025】
図1と図4とに示されているように、上部ハウジングチャンバ60は後部ハウジング末端32から前部ハウジング末端62に延び、および、上記チャンバ60は、高電圧発生装置48の挿入を可能にするために、少なくとも後部ハウジング末端32において開いている。
【0026】
図4に示されている高電圧発生装置48は、少なくとも1つの変圧器64と、最先端技術の原理に基づいたカスケード回路66とを備える。
【0027】
ガンハウジング2が、放出粉末チューブ8のチューブダクト20に対して平行に銃床4を通って前部ハウジング末端62まで延びる少なくとも1つの圧縮空気ダクト70、72も含むことが好ましい。図1の実施形態では、圧縮空気ダクト70、72は、グリップ4によって構成されておりかつ粉末放出チューブ8に対して平行にグリップ6の上部末端から前部ハウジング末端62まで延びる圧縮空気放出ダクト70と、粉末吸入チューブ10に対して平行にグリップ6の下部末端から上部末端に延びかつ圧縮空気ダクト70の後端の中に現れ出る圧縮空気吸入ダクト72とから成る。
【0028】
省略されている別の実施形態では、圧縮空気ダクト70、72が圧縮空気放出ダクト70だけから成ってよく、この場合に、グリップ6に面する上記圧縮空気ダクトの末端には、下部ハウジング壁74内に形成されておりかつグリップ6から前部ハウジング末端62まで延びる省略されている圧縮空気吸入穴が備え付けられている。
【0029】
前部ハウジング末端62は、粉末放出ダクト20の区域内と、圧縮空気ダクト70、72の区域内と、さらに、好ましくは、上部ハウジングチャンバ60の区域内とに、開いている。
【0030】
上部ハウジングチャンバ60は、傾斜チューブスタブ24を越えて、および、さらには、下部後部ハウジングチャンバ30を越えて、後方に延びる。
【0031】
放出チューブダクト20は、粉末放出チューブ8によって、圧縮空気放出ダクト70と上部ハウジングチャンバ60とから隔離されている。粉末放出チューブ8の上部領域の後方延長部分が、上部ハウジングチャンバ60と後部ハウジングチャンバ32との間の隔壁76であるように設計されている。この隔壁76が無い場合には、後部下部ハウジングチャンバ30は、上部ハウジングチャンバ60の後部セグメントから隔離されないだろうが、しかし、この設計は、さらに、本発明の適用可能な実施形態である。
【0032】
上部ハウジング壁78は、上部ハウジングチャンバ60のカバー壁を構成し、および、後部ハウジング末端32から前部ハウジング末端62に延びる。この上部ハウジング壁78には、非使用時にガンハウジングまたは関連の粉末スプレー塗装ガンを吊り下げるためのフック82を受けて貼り付けるためのアダプタ80が、好ましくはその上部ハウジング壁78の後部末端において、取り付けられている。アダプタ80はガンハウジング2と一体状である。別の実施形態では、このフック82は、さらに、ガンハウジング2と一体状であってもよい。
【0033】
本発明は、さらに、ガンハウジング2の上述の特徴の少なくとも1つまたは好ましくは幾つかを有するガンハウジングを備える粉末スプレー塗装ガン102にも関する。
【0034】
この粉末スプレー塗装ガン102は、図4から図10に示されている。幾つかの特徴がさらに図1と図3に示されている。したがって、ハウジング末端32は、すでに上述した形で下部後部ハウジングチャンバ30と上部ハウジングチャンバ60の後部セグメントとの組合せである、後部に対して開いている2つのハウジングチャンバ30、60、または、後部に対して開いている単一のチャンバを備える。図6に特に詳細に示されているように、本発明においては、この後方に開いているハウジング末端32は、後部ハウジング末端32の中に挿入されておりかつ外側ハウジング壁の内側表面に対して半径方向に封着されている閉鎖本体84によって閉じられている。例示的に述べると、少なくとも1つの半径方向シール86が、上記半径方向の封止特徴のために使用されてよい。この閉鎖本体84は、例えば1つまたは複数のねじ88によって、取り外し自在にガンハウジング2に取り付けられている。このために、ガンハウジング2の後部末端32の端面に、1つまたは複数のねじ山付きの穿孔90が備えられてよい。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、閉鎖本体84はその内側に電気回路92を備え、および、この電気回路92はさらにリードスイッチ44を含む。さらに、この閉鎖本体84が、スプレーされるべき粉末の速度(単位時間当たりの量)を調整するために使用される手動で操作される操作要素、例えば、電力放出を増加させるための押しボタン96、または、電力放出を減少させるための押しボタン98を備えることが好ましい。この2つの押しボタン96、98は閉鎖本体84の後部上に構成されており、および、図8に示されている。この操作要素96、98が圧力キーであることが好ましい。この操作要素は、さらに、静電容量式または誘導式のタッチセンサであってもよい。さらに別の操作要素が、高電圧発生装置48の電圧を調整するために使用されてもよい。
【0036】
本発明の特殊な実施形態では、粉末が、粉末スプレー塗装ガン102から離して配置されている電子制御ユニット内の1つまたは複数のプログラムの働きに応じて、粉末ホース54(図4)を通して粉末スプレー塗装ガン102に送り込まれる。上記制御ユニットが高電圧発生装置48の出力電圧を調整することを可能にすることが好ましい。本発明の特定の実施形態では、粉末スプレー塗装ガンの電気回路92は、特定の操作要素を使用することによって1組のプログラムから選択される形に設計されてもよい。本発明の特定の実施形態では、2つの操作要素96、98を同時に作動させることによって、動作が、省略されている制御ユニット内に記憶されている別の塗装プログラムに切り替えられるだろう。
【0037】
図6の半径方向のシール86によって概略的に示されているように、閉鎖本体84をガンハウジング2の中に差し込むことによって、および、軸方向の封止の代わりに半径方向の封止を使用することによって、または、軸方向の封止に加えて半径方向の封止を使用することによって、ハウジングチャンバ30、60の後端が、ガンハウジング2の端面と閉鎖本体84の端面との間の軸方向のシールによる場合よりも適切に封止されるだろう。こうした半径方向の封止は、個別の要素/構成要素の製造公差による影響を受けない。
【0038】
粉末スプレー塗装ガン102の別の特殊な特徴が、ガンハウジング2の前部ハウジング末端62に軸方向に挿入された電気絶縁スペーサ104である。
【0039】
このスペーサ104は、好ましくはスペーサ104とガンハウジング2の外側周囲壁との間に半径方向に形成されている少なくとも1つの封止リング105によって、封止される。さらに、封止リング107は、スペーサ104とガンハウジングとの間に取り付けられてもよい。
【0040】
本発明の特殊な特徴では、スペーサ104は、好ましくは少なくとも粉末放出チューブ8の下流の末端において、ガンハウジング2に超音波溶接される。図3はこのような超音波溶接部109を示す。
【0041】
超音波溶接および/またはシールの代わりに、接着剤も使用されてよい。
【0042】
図3と図4に示されているように、粉末出口チューブ8は、下部ハウジング壁74よりも、上部ハウジング壁78よりも、および、上記の下部壁と上部壁とを連結する側壁よりもわずかに短く、および、これらの壁は、全体として円形に丸いことが好ましく、および、ねじ山付きのブッシュ108の中にねじ込まれるように雄ねじ106がその外周部に設けられていることが好ましい。
【0043】
スペーサ104は、粉末放出チューブ8の粉末出口ダクト20の前端に軸方向に隣接する中央連結ダクト108と、上部ハウジングチャンバ60の前端62に軸方向に隣接する上部連結ダクト110とを含む。この上部連結ダクト110の前端は電気接点112によって閉じられており、および、この電気接点112は、その前端面において、上部連結ダクト110の外側で、塗装粉末をスプレーするためにスプレーユニット116上に取り付けられている高電圧電極114に接続されているかまたは少なくとも接続可能である別の(省略されている)電気端子と導電接触することが可能である。
【0044】
スプレーユニット116は、ねじ山付きのブッシュ108によってガンハウジング2の前端に取り付けられており、および、図4に例示的に示されているように、スペーサ104の端面に押し当てる形で締め付け固定されている。スペーサ104は、ガンハウジング2とスプレーユニット116との間に配置されている。スペーサ104が下部連結ダクト120を含むことが好ましく、この下部連結ダクト120は、スプレーユニット116内に受け入れられる電気絶縁チューブ122の中を通して圧縮空気を送り込みかつ電極114を収容する圧縮空気放出ダクト70の前端に軸方向に隣接する。別の実施形態では、チューブ122自体がこのような電極であってもよい。圧縮空気は、塗装粉末の凝集/接着を排除するために、高電圧電極116から塗装粉末を吹き飛ばすために使用される。スペーサ104は、ガンハウジング2から電気接点112を引き離す。このようにして、さもなければ高電圧発生装置48の高電圧端子と接点112との間の劣悪な接続のために生じることがある、ガンハウジングのプラスチックに対するコロナ放電による損傷/破壊の危険性が、低減させられるかまたは回避される。
【0045】
圧縮空気をフィルタするフィルタ124が、連結ダクト120内で使用されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、本発明の粉末スプレー塗装ガンのためのガンハウジングの軸方向の断面図である。
【図2】図2は、サイズを2倍に拡大した図1に関する切取図IIである。
【図3】図3は、サイズを3倍に拡大した図1に関する切取図IIIである。
【図4】図4は、図1と図2と図3のガンハウジングを示す本発明の粉末スプレー塗装ガンの縦断面図である。
【図5】図5は、図4の平面V−Vにおいて示されているガンハウジングが取り付けられている本発明の粉末スプレー塗装ガンの縦断面図である。
【図6】図6は、かなり拡大した拡大比における、図4に縦断面図で示されている封止要素と同じ封止要素である。
【図7】図7は、本発明の粉末スプレー塗装ガンの側面図である。
【図8】図8は、図7の粉末スプレー塗装ガンの背面図である。
【図9】図9は、図7の粉末スプレー塗装ガンの正面図である。
【図10】図10は、図7の粉末スプレー塗装ガンの平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末スプレー塗装ガンのためのプラスチック製ガンハウジング(2)であって、
銃床(4)および前記銃床(4)から下方に延びるグリップ(6)という構成要素を少なくとも構成する一体状のプラスチック製構造であり、前記銃床(4)は、縦方向の銃床方向に直線状に延びかつ粉末を案内する粉末放出チューブ(8)を構成し、前記グリップ(6)は、前記グリップの縦方向に直線状に延びかつ前記粉末を案内する働きをする粉末吸入チューブ(10)を構成し、前記2つの粉末チューブ(8、10)の軸方向の中心線(12、14)が共通平面内に形成されており、前記中心線は互いに交差し、および、塗装粉末を案内する前記動力チューブ(8、10)の一方の粉末チューブのチューブダクト(20、22)の互いに隣接した末端(16、18)が、直接的に、または、連結要素を介して、互いに連結されていることを特徴とするプラスチック製ガンハウジング。
【請求項2】
前記チューブダクト(20、22)の前記互いに隣接した末端(16、18)は、射出成形またはモールドキャスティングによって一体状の構造のプラスチックによって囲まれている電気絶縁性の傾斜チューブスタブ(24)によって互いに連結されていることと、前記傾斜チューブスタブ(24)は、前記銃床(4)の前記粉末放出チューブ(8)の中に軸方向に入るチューブ放出脚部(26)を備え、前記脚部(26)は、それに隣接する前記粉末放出チューブ(8)の粉末案内セグメントよりも著しく短いことと、前記傾斜チューブスタブ(24)は前記グリップ(6)の前記粉末吸入チューブ(10)の中に軸方向に入るチューブ吸入脚部(28)を備えることとを特徴とする請求項1に記載のスプレーガンハウジング。
【請求項3】
前記グリップ(6)の前記粉末吸入チューブ(10)の中に入る前記傾斜チューブスタブ(24)の前記チューブ吸入脚部(28)は、それに隣接する前記粉末吸入チューブ(10)の前記粉末案内セグメントよりも著しく短いことを特徴とする請求項2に記載のスプレーガンハウジング。
【請求項4】
下部後部ハウジングチャンバ(30)が前記ガンハウジング(2)内に画定されており、および、前記傾斜チューブスタブ(24)から後方に延び、および、後部ハウジング末端において自由に外に出ることを特徴とする請求項2また3に記載のスプレーガンハウジング。
【請求項5】
前記傾斜チューブスタブ(24)は、前記チューブ放出脚部(26)から離れているその後部側において、射出されたガンハウジングプラスチックによって囲まれることなしに前記下部後部ハウジングチャンバ(30)内に自由な形で配置されている後部側部区域を備えることを特徴とする請求項4に記載のスプレーガンハウジング。
【請求項6】
前記傾斜チューブスタブ(24)のすべての外側表面が、射出されたガンハウジングプラスチックによって囲まれている請求項4に記載のスプレーガンハウジング。
【請求項7】
連結穴(40)が、少なくとも1つの電線(42)を通過させるために、前記下部後部ハウジングチャンバ(30)の下部壁(38)の中に形成されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載のスプレーガンハウジング。
【請求項8】
前記傾斜チューブスタブ(24)は、前記ガンハウジングのプラスチックよりも耐摩耗性が高い材料で作られていることと、前記傾斜チューブスタブは塗装粉末の堆積を妨げることとを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載のスプレーガンハウジング。
【請求項9】
前記グリップ(6)は、前記銃床(4)から開始して、少なくとも4cmは下方に延びることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のスプレーガンハウジング。
【請求項10】
前記後部ハウジング末端(32)から前記前部ハウジング末端(62)に延びており、かつ、高電圧発生装置(48)の挿入を可能にするために前記後部ハウジング末端(32)において開口している、上部ハウジングチャンバ(60)を構成することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のスプレーガンハウジング。
【請求項11】
前記銃床の中を通って前記粉末放出チューブ(8)の前記チューブダクト(20)に対して平行に前記前部ハウジング末端まで延びるセグメント(70)を備える少なくとも1つの圧縮空気ダクト(70、72)を構成することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のスプレーガンハウジング。
【請求項12】
前記圧縮空気ダクト(70、72)は、前記粉末吸入チューブ(10)の前記チューブダクト(22)に対して平行に前記グリップ(6)の中を通って同様に延びるセグメント(72)を備えることを特徴とする請求項1に記載のスプレーガンハウジング。
【請求項13】
上記請求項の少なくとも1つに定義されている少なくとも1つのガンハウジング(2)によって特徴付けられる粉末スプレー塗装ガン。
【請求項14】
前記後部ハウジング末端(32)は、前記後部に対して開いており、かつ、前記後部端部において1つのハウジングチャンバ(30、60)のこの最小を閉鎖し、前記後部ハウジング末端の中に挿入されており、前記内側ハウジング壁に対して半径方向に封止されており、および、前記ガンハウジング(2)に対して取り外し自在に付着させられている閉鎖本体(84)によって閉鎖されている、少なくとも1つのハウジングチャンバ(30、60)を構成することを特徴とする請求項13に記載の粉末スプレー塗装ガン。
【請求項15】
電気絶縁スペーサ(104)が、前記前部ハウジング末端(62)において、前記ガンハウジング(2)の前記前部ハウジング末端の中に挿入されており、前記スペーサ(104)には、前記粉末放出ダクト(20)の末端に軸方向に隣接する中央連結ダクト(108)と、請求項8に記載の前記上部ハウジングチャンバ(60)に軸方向に隣接する上部連結ダクト(110)とが取り付けられており、前記上部連結ダクト(110)の前記前端は電気端子(112)によって封止されており、前記電気端子(112)は、前記上部連結ダクト(110)内において、高電圧発生装置の高電圧端子によって接触されることが可能であり、および、前記上部連結ダクト(110)の前方かつ外側に位置しているその前部側部上において、塗装粉末をスプレーするスプレーユニット(116)上に取り付けられている少なくとも1つの電気高電圧電極(114)に連結されている別の電気端子によって接触されることが可能であり、および、一方では、前記スプレーユニットは、前記ガンハウジング(2)の前記前端に取り付けられており、および、前記スペーサ(104)は前記ガンハウジング(2)と前記スプレーユニット(116)との間に配置されていることを特徴とする請求項13または14に記載の粉末スプレー塗装ガン。
【請求項16】
前記スペーサ(104)は前記ガンハウジング(2)に超音波溶接されていることを特徴とする請求項15に記載の粉末スプレー塗装ガン。
【請求項17】
前記スペーサ(104)は、前記ガンハウジングの前記粉末放出チューブ(8)に超音波溶接されていることを特徴とする請求項16に記載の粉末スプレー塗装ガン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−536677(P2008−536677A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507179(P2008−507179)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【国際出願番号】PCT/IB2006/000881
【国際公開番号】WO2006/111811
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(501060792)イーテーベー ゲマ アクチェンゲゼルシャフト (8)
【Fターム(参考)】