説明

粉末充填プロセス

ウェブの主要面内の複数のミクロ凹部を、超微粒子状粉末で充填するための方法であり、この方法において、ウェブは、従動ローラーを含んだ粉末充填ステージに、またその粉末充填ステージを通して連続的に送られる。粉末充填ステージにおいて、粉末は、ローラーの上流側でウェブの上に、または粉末充填ステージのローラーに供給されるが、従動ローラーを使用してウェブのミクロ凹部の中に充填され、前記ローラーは、ウェブの方向に概ね垂直な軸の周りで回転しており、一方でローラーの表面速度とウェブ速度は異なっており、また、ローラーとウェブは、ウェブの上表面とローラーの外表面との間に間隙が存在するように、互いに対して配置されている。超微粒子状粉末を収容するミクロ凹部を有する伸長担体を製造する方法は、説明したようにウェブの主要面内の複数のミクロ凹部に充填するステップと、ミクロ凹部内に装填されておらず、凹部間の表面の領域上に残存する余分な粉末を、ウェブの上表面から除去するステップと、所望により、ウェブをある幅および/または長さにスリッティングおよび/または切断するステップと、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年3月23日に出願された、GB仮出願番号第0605723.6号に優先して請求するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、可撓性ウェブ表面内の複数のミクロ凹部の中に超微粒子状粉末を充填するためのプロセス、ならびに、超微粒子状粉末を収容するミクロ凹部を有する伸長担体を製造する方法に関する。充填ウェブおよび/または伸長担体は好都合にも、生物活性物質、特に薬物を吸入法によって投与する際に使用することができる。
【背景技術】
【0003】
ぜんそくおよび他の呼吸器疾患は、長い間、適切な薬物を吸入することによって治療されてきた。長年にわたり、治療法のうちで最も広く使用されておりかつ便利である2つの選択肢は、加圧式定量噴霧式吸入器(pMDI)内の薬剤溶液または薬剤懸濁液から薬物を吸入すること、または、ドライパウダー吸入器(DPI)から、一般には賦形剤と混合された粉末剤を吸入することであった。地球のオゾン層の枯渇とクロロフルオロカーボン(CFC)の排出との関連についての強い懸念に従い、加圧式吸入器内でのこれらの材料の使用は漸次廃止されており、DPIシステムへの関心が高まってきている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大部分のDPIは、混合散剤リザーバまたは個々の事前に計量した投与量のいずれかを用いている。しかしながら、計量した少量(例えば500マイクログラム以下)の粉末を、吸入器内のバルクリザーバからまたはカプセルもしくはブリスタの中へと正確に調量することに伴う問題が存在する。多数の薬剤、例えば効力のある薬剤では、これによって、ラクトース粉末などの賦形剤を添加する必要が生じ、調量すべき粉末の量が著しく増加する。そのような賦形剤はしかしながら、後の粉末のデアグロメーションの問題を引き起こすことがあり、また乾燥および他の望ましくない影響を患者の口の中に生じることがあるため、一般には望ましくないものである。
【0005】
所定用量の薬物が、薬物で充填された分離したミクロ凹部(約5ミクロンから500ミクロンの深さと、幅が約10ミクロンから500ミクロンの、シート材料の表面における開きとを有する)を含んだシート材料から分配されるドライパウダー吸入器が、米国特許第5,408,994号、第5,437,271号、第5,469,843号、第5,482,032号、および第5,655,523号に開示されている。
【0006】
粉末を基材の上に塗装するための多様な方法が既知である。薬物送達用途における使用が検討されている典型的なものが、米国特許第4,197,289号、第5,699,649号、第5,960,609号、第6,146,685号、第6,319,541号および第6,652,903号、ならびに米国特許出願US2002/0085977に開示されている静電塗装法である。そのような方法は、複雑で、時間がかかり、制御が困難となる傾向がある。
【0007】
粉末を移動ウェブ基材の上に塗布する他の方法には、例えば米国特許第4,088,093号および第6,037,019号に開示されているような流動床法、吹付け法(例えば米国特許第4,288,521号および第5,897,746号)、吸引法(例えば米国特許第4,313,972号)、磁気法(例えば米国特許第4,470,350号)、ならびに散水法(例えば米国特許第4,209,553号および第5,415,717号)が挙げられる。吸入デバイスにおいて使用するための基材の上に懸濁粒子を堆積させる一方法は、懸濁剤の蒸発を必要とするものであり、米国特許第5,503,869号に開示されている。しかしながら、これらの各種の方法のいずれも、薬剤粉末をウェブの表面上のミクロ凹部の中に正確に計量供給するのには適していない。
【0008】
WO特許出願95/21768には、粉末が連続ウェブに装填される間にブリスターキャビティをそれらの粉末で充填するためのプロセスが記載されている。凝集体を砕いて0.1mgから10mgの粉末用量にするために、振動および回転システムが設けられている。そのような大量の粉末は、前述の特許に記載されたミクロ凹部テープに基づく吸入器が送達しようとする少量の粉末と比べて非常に多く、数倍にもなる。
【0009】
US5,192,548には、ミクロ凹部を表側に含んだシート材料の閉ループに、微粒状薬剤を塗装する方法が開示されており、その方法では、微粒状薬剤がシート材料の上に供給され、ローラーが、微粒状薬剤をシート材料の表面に拡散するのを支援し、湾曲した薄板が、微粒子状薬剤をシート材料の表面に塗り付ける働きをする。1つのローラーが、平坦な部分と共に示されており、その平坦な部分は、ローラーの後方で薬剤が堆積するのを防止するのに役立つよう意図したものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ミクロ凹部を超微粒子状粉末(特に、薬物などの生物活性物質)で正確にかつ均一に充填するためのプロセスを提供すること、ならびに/または、そのような超微粒子状粉末で実質的に正確にかつ均一に充填されたミクロ凹部を有する伸長担体を製造するためのプロセス、特に連続的に動作しかつ/もしくは工業規模での使用に好適であるプロセスを提供することが絶えず必要とされている。
【0011】
本発明の一態様によれば、ウェブの主要面内の複数のミクロ凹部を、超微粒子状粉末で充填するための方法が提供され、この方法において、ウェブは、従動ローラーを含んだ粉末充填ステージに、またその粉末充填ステージを通して連続的に送られる。粉末充填ステージにおいて、粉末は、ローラーの上流側でウェブの上に、または粉末充填ステージのローラーに供給されるが、従動ローラーを使用してウェブのミクロ凹部の中に充填され、ローラーは、ウェブの移動方向に概ね横方向な軸の周りで回転しており、一方でローラーの表面速度とウェブ速度は異なっており、また、ローラーとウェブは、ウェブの上表面とローラーの外表面との間に間隙が存在するように、互いに対して配置されている。
【0012】
本発明の別の態様は、超微粒子状粉末を収容するミクロ凹部を有する伸長担体を製造する方法を提供することであり、その方法は、上述したようにウェブの主要面内の複数のミクロ凹部に充填するステップを含み、ミクロ凹部内に装填されておらず、凹部間の表面の領域上に残存する余分な粉末を、ウェブの上表面から除去するステップをさらに含んでいる。加えて、所望により、ミクロ凹部を充填ウェブは、所定の幅および/または所定の長さにスリッティングおよび/または切断することができる。
【0013】
驚くべきことに、異なる速度を従動ローラーの表面とウェブに適用することにより、また、粉末を供給し充填するプロセス動作の間、ローラーの外表面とウェブの上表面との間に間隙を設けるようにローラーとウェブを互いに対して配置することにより、ローラーの外表面は、視覚的に均一(例えば、滑らかさおよび厚さにおいて視覚的に均一)でかつ連続的な層の形で、充実した粉末の被覆を形成し、それによって、ミクロ凹部を望ましくは正確かつ均一に充填することが可能となる。
【0014】
ローラー上での、安定でかつ充実した粉末の被覆の形成は、望ましくは、1.25mm以下の間隙幅を適用することで促進される。0.2mm以上の間隙幅の適用が、安定でかつ滑らかな充填プロセスに望ましい。移動ウェブの凹部の中に粉末を均一に充填する安定したプロセスが、固定した間隙幅に対して見出されているが、しかしながら、ローラーとウェブの配置を柔軟にするという要素が、有利であることが判明しており、したがって間隙は幅が可変となっている。例えば、粉末が間隙で蓄積することを原因とする、ローラーにおける高圧の生成を防止するのを促進するために、ローラーとウェブの配置は、間隙が、例えばばねの使用により、既定の最少幅に向かって偏倚され、しかし同時に、間隙幅における幾分かの可変性、例えばより大きな間隙幅に向かって移動することを許容するような方式で取り決めることができる。
【0015】
ローラー上での、安定で充実した粉末の被覆の形成はまた、望ましくは、ローラーをウェブ移動と同じ方向に回転させることによって促進される。さらに、ローラー表面速度をウェブ速度よりも高いものにすると、充填の間、ローラー上の粉末の安定した被覆を維持するのに有用であることが判明している。ウェブ速度よりも1.1倍以上高いローラーの表面速度は、特に有用であることが判明している。
【0016】
充填における容易性をさらに向上させ、その上に、プロセスの信頼性および安定性を向上させるためには、ローラーにおいてウェブが湾曲部を通過し、その湾曲部において第1の平面と第2の平面がローラーに向かって180°未満の角度(以下で「接触角」と呼ぶ)を規定するように、ウェブを、ローラーへは概ね第1の平面に沿って、またローラーからは概ね第2の平面に沿って送ると望ましいことが判明している。特定の理論に束縛されるものではないが、そのような接触角を設けると、ウェブがローラーにおいて部分的に巻き付き、力の成分が直接、ローラー上の粉末被覆に垂直に与えられると考えられる。
【0017】
本発明によるプロセスでの充填が望ましくは正確かつ均一であることにより、これらのプロセスは、ウェブを充填しかつ/または生物活性物質を充填した伸長担体を製造するのに特に好適となる。さらに、本明細書に開示するプロセスによって提供される、十分に管理され計量された少量の生物活性物質を含む充填ウェブおよび/または伸長担体は、好都合にも、それ自体で、または、1つもしくは複数の生物活性物質を含んだそのような粉末を投与するための送達システムの一部分として利用することができる。
【0018】
従属請求項によって、本発明のさらなる実施形態を定義する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
理解されたいこととして、本発明は、本明細書で説明する本発明の、特有であり、好適であり、望ましく、好都合であり、有利でありかつ好ましい態様のすべての組合わせを網羅している。
【0020】
図1を参照すると、本発明による例示的なプロセスを用いてウェブのミクロ凹部の中に超微粒子状粉末を充填するための例示的な装置(1)の模式図が示してあり、ウェブ(8)は一般に、粉末充填ステージ(15)に、また粉末充填ステージ(15)を通して連続的に送られる。ウェブ(8)は、ロール(図示せず)から送ってもよい。
【0021】
本明細書で説明するプロセスで用いるためのウェブは、複数のミクロ凹部をウェブの主要面に含んでいる。凹部は、好適には円錐台であってもよいが、別法として、超微粒子状粉末を保持するための任意の好適な外形のものであってもよく、その外形には一般に、角錐台、不完全な半球、四面体および他の幾何学的外形ならびに非幾何学的外形が挙げられる。好ましい凹部は、主要面が水平であるとき垂直面に対して約15°から20°の側壁角度を有している。複数の凹部は規則的な配列で設けてもよく、また別法として、凹部の配列は、いかなる形またはパターンを取ってもよく、規則的である必要はない(すなわち、配列は外観において不規則であってもよい)。望ましくは、ミクロ凹部は分離している。
【0022】
凹部は一般に、約5ミクロン〜500ミクロンの深さと、幅が約10ミクロン〜500ミクロンの、ウェブ表面における開きとを有している。凹部は、ウェブの厚さ未満の深さを有しており、したがって、凹部は、ウェブの全厚を貫いて延びる孔は形成していない。例えば、円錐台または不完全な半球など、概ね円形の開きを有する分離した凹部の場合、上述した幅が実際に、円形開口部の直径となる。好ましい凹部は、約5ミクロン〜150ミクロンの幅と、シート材料の表面にある、約50ミクロン〜200ミクロンの開き(例えば、分離した円錐台または不完全な半球などの場合は直径)とを有している。凹部は、約20ミクロン〜2000ミクロンの間隔で、より好適には約300ミクロン〜2000ミクロンの間隔で、好適に離間することができる。凹部は好適には、ウェブの1cm当たり約25個〜1000個に達することができる。各凹部の容積および凹部の間隔または個数は、結果として生じる充填ウェブおよび/または伸長担体の特定の望ましい用途に依存し、生物活性物質(例えば薬物)の場合には、特定の物質の力価に、また物質の単一用量を表すよう意図されたシート材料の面積に依存する。典型的には、ウェブ材料は、単一用量の面積または他の機能単位の尺度で考慮する場合、単位面積当たり実質的に均一な凹部容積を有することが望ましい。
【0023】
凹部は、フォトリソグラフィー的にパターン形成したマグネシウム合金板または他の微細加工した板を使用するマイクロインプリント法などの任意の好適な技法によって、ウェブ材料内に形成することができる。用いうる他の従来の技法が、光イメージングまたはレーザーイメージングである。
【0024】
本明細書で説明するプロセスにおいて使用するためのウェブは、概ね可撓性である。ウェブは、単(層)材であってもよく、また、支持層の上に固定された(例えば積層、接着または押出しされた)層を含んだ積層体であってもよい。支持層は、紙、不織布、織布、網または高分子フィルム(ポリエステルフィルムなど)から形成することができる。好適にも、ウェブは、単材としてまたは支持層に固定されたそのウェブの層として、高分子材料(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレンまたはそれらの混合物、特にポリエチレンまたはポリプロピレンなど)を含むことができる。水分に敏感な粉末を充填するためには、乾燥剤材料を組み込むと望ましい場合もある。さらに、無機塩または十分に分散された導電材料をまたウェブ材料に組み込んで、ウェブ上に堆積しうるいかなる静電荷をも減らすことができる。
【0025】
一般にウェブは、単材から形成されていても積層体として形成されていても、少なくとも25ミクロンの厚さを有している。少なくとも75ミクロンの厚さを有するウェブがより好適であり、また少なくとも100ミクロンの厚さを有するウェブが最も好適である。1000ミクロン以下の厚さを有するウェブが一般に好適であるが、750ミクロン以下の厚さを有するウェブがより好適であり、500ミクロン以下の厚さを有するウェブがさらに好適であり、250ミクロン以下の厚さを有するウェブが最も好適である。単材のウェブに好適な材料の例にはポリプロピレンが挙げられるが、これは、支持層を含まなくても、ポリプロピレンが十分な一体性と耐久性を呈するからである。好適な積層ウェブの例には、ポリエチレン加工クラフト紙が挙げられる。
【0026】
図1に戻るが、ウェブ(8)は、粉末供給ステージ(50)に送ることができ、ここで、超微粒子状粉末(4)がウェブの上表面上に供給されており、前記表面は複数のミクロ凹部(図示せず)を備えている。矢印(10)によって示す全体的方向にウェブが移動すると、ウェブ上の粉末は、従動ローラー(12)を含んだ粉末充填ステージ(15)へと、ウェブと共に進むことになる。
【0027】
粉末供給構成は、粉末充填ステージのローラーへ直接、または粉末充填ステージのローラーの上流側でウェブの表面へ粉末を供給するのに好適な任意の形のものであってよい。図1は、後者の形式の粉末供給を例示的に表現したものを示している。
【0028】
第2の形式の粉末供給において、粉末は、例えば、ローラーの上流の「ロール間隙(nip)」の上流側(例えば、粉末充填ステージのローラーの下の間隙の近く)で、ウェブの上表面の上に与えることができる。過剰な粉末を船首波としてロール間隙で蓄積することで、その船首波はリザーバとして働くことができ、また、粉末塗布プロセスの連続性および均一性を確保することができる。好都合にも、粉末は、ローラーおよびその船首波の上流側で移動ウェブの上に落下させることによって、ロール間隙に供給することができる。あるいは、粉末は、粉末充填ステージのローラーのわずか上流側で粉末の船首波の中に直接供給する(例えば落下させる)ことができる。粉末のそのような供給は、連続的であってもよく、また断続的であっても速度において変動してもよい。大きな粒塊がロール間隙に到達すると、ロール間隙領域へのさらなる粉末挿入の妨害および/または充填における障害につながりうるが、例えばこのことを防止するために、望ましくは、粉末供給構成は、粉末供給の間、大きな粒塊(例えば2mm以上)が形成されないように選択されている。スクリューフィード構成、振動ふるい構成、および波形やすり(粉末試料分取器)構成は、好適となりうる粉末供給システムの例である。好適にも、ウェブは、粉末供給構成またはステージに、また粉末供給構成またはステージを通して、連続的に供給される。好都合にも、図1の模式図に示すように、ウェブは粉末供給ステージ(50)に、また粉末供給ステージ(50)を通って移動するので、スクリューフィード構成(5)を有する振動ホッパー(2)を使用して、粉末(4)をウェブの上に供給する(落下させる)ことができる。
【0029】
粉末供給は、ウェブの幅全体にわたって横方向に広がっている必要はないが、ウェブの幅のほんの一部に供給することができ、例えば、ウェブの中心線に供給することができる。粉末の十分な蓄積が、ローラーにおいてウェブの上部表面上の船首波として作り上げられると、粉末はそれ自体で横方向に広がる傾向がある。約150mmのウェブ幅に対し、一回の供給で通常は十分である。より幅広のウェブに対しては、または、粉末の船首波内で粉末の横方向凝離が生じた場合(例えば、特定の粉末物質のより粗いまたはより細かい粒子が、ウェブの縁部へと優先的に移動する傾向を有している場合)は、ウェブ全体にわたる複数回の供給を用いてもよい。あるいは、回転式もしくは往復式の波形やすりまたは他の好適な構成により、一回の供給を広げて、粉末がウェブ上面の上へ大きく横方向に広がるようにしてもよい。
【0030】
粉末を直接ローラーに供給することの代替案に関して、ここでは粉末は、典型的には、補充されている間、ローラー上の連続する粉末層が維持されるような穏やかな供給によって、直接ローラーの上に簡単に供給することができる。あるいは、ローラーの下流での壁構成を用いて、粉末のリザーバをローラーの下流側で保持してもよく、その下流側からローラーは、そのローラー自体を越えてローラーの上流側のロール間隙へと、粉末を持ち上げて供給し(移送し)、ここで粉末は、連続する被覆層の中に組み込まれて、その層を維持し補充してもよい。ここでもまた、粉末供給構成は、ひどく余分な粉末がローラー上の層を乱すことがなく、また大きな粒塊がローラーにかつ/またはロール間隙に供給されることがないように選択することが望ましい。
【0031】
どちらの種類の粉末供給でも、ローラーの上流側で、またローラーに隣接して(例えばローラーのロール間隙で)、粉末の蓄積物をウェブ上にもたらすように、粉末の供給を実施することが望ましい。そのような(例えば船首波の形をした)蓄積物は、粉末のリザーバとして働いて、ローラーの外表面上の粉末被覆を補充し、したがって粉末充填プロセスの連続性および均一性を確保するのを支援することができる。本明細書で説明するプロセスは、粉末供給をオンもしくはオフにするための、または粉末供給の速度を変更するための自動制御手段を、望ましくは付加的に備えることができる。さらに、粉末の供給は、1つまたは複数のセンサーに応答して望ましくは自動的に制御することができ、そのような1つまたは複数のセンサーは、ローラー上における粉末の蓄積物(例えば粉末の存在および/もしくは量)ならびに/またはウェブ上における粉末の蓄積物(例えば粉末の存在および/または量)を、ローラーの上流側で、例えば船首波において感知する。例えば、好都合にも、1つまたは複数のセンサー(例えば容量センサー(1つもしくは複数)または反射式光電センサー(1つもしくは複数))を使用して、回転ローラー上の粉末の被覆層の厚さを監視することができる。そのような1つまたは複数のセンサーの感度を調節することにより、この被覆層の減損を、被覆層が十分に不均一となるかまたは減損するのに先立って検出して、コーティングの均一性を許容可能なものにすることができ、したがって、粉末供給は、ローラー上の被覆層を補充するように、それに応じてかつ自動的に調節することができる。これと関連してまたはこれに代わるものとして、1つもしくは複数のセンサー(例えば容量センサー(1つもしくは複数のセンサー)または伝送式オプトエレクトロニクス電源/検出器センサー(1つもしくは複数))を使用して、ローラーの上流側、例えば船首波に蓄積した粉末の量を感知すると有利であることが判明している。例えば、伝送式オプトエレクトロニクス電源/検出器を対にしたセンサー構成は、直径23mmのローラーの前縁部の数ミリメートル前方で、粉末のそのような蓄積物の存在を検出するのに非常に有利であることが示されている。粉末の蓄積物のための、そのような1つまたは複数のセンサーは、粉末の量を監視するのに十分好適であり、また、粉末供給を制御する(例えば、粉末供給器をオンおよびオフにするか、または粉末供給の速度を変更するなど)ための自動フィードバックをもたらすのに十分好適である。一般に、粉末がウェブ表面の上にローラーに対する上流側で供給されるプロセスの場合、供給器がローラーに相当に接近して、その結果、粉末供給調整の遅延時間が最少となり、したがって制御が好適に応答することが望ましい。
【0032】
本明細書で説明するプロセスは、ウェブ上でのまたローラーにおける粉末の封じ込めを含んでもよい。例えば、このことは、粉末を横方向に閉じ込める目的で、シート材料の移動ウェブのいずれかの側に、垂直板または金属シムを構成することによって好都合に達成することができる。(垂直方向の閉じ込めは当然ながら、ウェブ自体と重力によってもたらされ、また、適度な長手方向の閉じ込めは、ウェブの運動とプロセス自体の性質によってもたらされる。)望ましくは、垂直板は、ウェブの縁部に対して穏やかに付勢することができ、ウェブが相当に曲がることを回避する一方で、ウェブが時間と共に横に方向を変える上での相違を許容する。好都合にも、付勢したゴムシートを用いることができる。
【0033】
再び図1に戻ると、本発明による例示的なプロセスの模式図が示しており、粉末充填ステージ(15)の従動ローラー(12)が、ウェブの移動方向に対して概ね直角な軸の周りで回転していることが分かる。望ましくは、ローラーは、ウェブの全体的な移動方向(矢印(10)で示す)と同じ方向に、したがって矢印(14)の方向に回転している。さらに、図1から分かるように、ローラー(12)の外表面とウェブ(8)の上表面との間に狭い間隙(16)が存在する。図1の例示的な実施形態において、固い台板(18)をローラーの下にかつローラーから適切に離間して取り付けて通路(6)を形成することにより、間隙(16)がローラーの外表面とウェブの上表面(ローラーに向かって)との間に設けられるように、ローラー(12)とウェブ(8)を互いに対して配置することが可能となっている。具体的には、図1の例示的な実施形態において、ウェブ(8)がローラー(12)と台(18)との間の通路(6)を通過すると、ウェブ上の粉末(4)がローラー(12)の上流側に蓄積物(7)を形成し、間隙(16)がローラーの外表面とウェブの上表面との間に設けられる。ローラーとウェブを、それら双方の間に間隙を設ける目的で互いに対して配置することは、図1に示した台板を、粉末充填ステージの従動ローラーの反対側の他の種類の台要素(例えば、一連の非従動ローラー、ベルト装置、またはドクターブレードもしくは第2のローラー(従動型であっても従動型でなくてもよい))と交換して、ウェブのための通路をローラーと台との間に設けるようにするなど、他の好適な手段によって達成することができる。
【0034】
ウェブの速度とは異なる、好ましくはウェブの速度よりも速いローラー表面速度をプロセス動作の間に適用することに加えて、間隙を設けることによって、連続的でかつ視覚的に均一な粉末層が、ローラーの外表面上に迅速に堆積する。連続的でかつ視覚的に均一な粉末層がローラー上に存在し、この粉末層の形成は(いかなる理論にも束縛されるものではないが)、ローラー表面とウェブとの間隙の存在下で、速度の異なるローラー表面とウェブの、粉末に対する剪断作用によって生じると考えられており、この粉末層が存在することで、望ましくは正確かつ均一に粉末を凹部に挿入することが可能となっているこの粉末層の形成はさらに、好都合にも、ローラー表面がウェブ移動と同じ全体的方向に回転することにより促進される。図1に示す例示的な実施形態に戻ると、充填のまさに最初に、ウェブ(8)および粉末(4)が通路(6)を通過するとき、ウェブは、ローラー(12)の外表面から離れて台板(18)に向かって移動して、ローラーとウェブとの間に間隙(16)を設け、また(それから間もなくして)粉末(9)の連続層がローラーの外表面を形成すると、この粉末の層は次に、ローラーとウェブとの間の間隙を維持することが理解されよう。
【0035】
間隙幅は一般に、プロセスにおいて回転ローラー上に形を成す粉末の層の厚さに影響を与える傾向がある。典型的には、ローラー上に形成された粉末層の厚さは、その間隙幅と類似している。上で説明したように、または図1の例示的な実施形態で示したように、台を粉末充填ステージのローラーと共に用いて通路を設け、したがってウェブとローラーをそれぞれの配置をもたらす実施形態の場合、間隙幅は典型的には、通路の幅からウェブの厚さを引いたものである。特定の間隙幅の選択は、充填する特定の粉末の特性、充填すべきミクロ凹部の寸法およびパターン、ならびにウェブの厚さおよびウェブの厚さにおける変動など、多数の要因に依存する。例えば、約2ミクロンから3ミクロンの質量中央粒径を有し、その粒子の少なくとも95質量%が5ミクロン未満の直径を有する微粒子状硫酸アルブテロールは、0.65mmの間隙幅を用いて、0.2mm厚のシート材料のミクロ凹部の中に十分に充填されたが、類似した粒径分布の微粒子状ラクトース一水和物は、0.45mmおよび0.65mmの間隙で、同じシート材料に十分に充填された。一般に、ローラー上での、安定した丈夫な粉末の被覆の形成は望ましくは、1.25mm以下、より望ましくは1.00mm以下、最も望ましくは0.75mm以下の間隙幅を適用することによって促進される。ウェブの供給および充填の望ましい連続的でかつ円滑なプロセスと共に、安定した粉末の被覆をローラー上に維持するのを促進するにおいて、0.2mm以上の間隙を適用することが望ましく、0.3mm以上がより望ましく、0.4mm以上が最も望ましい。上述のように、柔軟な要素をローラーとウェブとの位置決めに含めると有利であることが判明しており、したがって間隙は幅において可変となっている。例えば、粉末が間隙で蓄積することを原因とする、ローラーにおける高圧の生成を防止するのを促進するために、ローラーとウェブの配置は、間隙が、例えばばねの使用により、既定の最少幅に向かって付勢され、しかし同時に、間隙幅における幾分かの可変性、例えばより大きな間隙幅に向かって移動することを許容するような方式で、取り決めることができる。
【0036】
ローラー上での、安定した丈夫な粉末の被覆の形成は、望ましくは、ローラー表面速度を、ローラーの位置でのウェブ速度よりも速くすることによってさらに促進される。また、粉末が間隙に詰まる危険性(および、プロセスが結果的に障害を起こし、場合によってはウェブが破損する危険性)を最小にする目的で、ウェブの速度に最小因子の1.1(すなわち少なくとも1.1対1の比)を掛けたものを超えるローラー表面速度を用いると有利であることが判明している。最適な速度比の状況は、ウェブ速度、ローラー直径、粉末特性、ウェブ表面特性、および間隙幅など、多数の要因に依存することが判明している。例えば、ウェブ速度が増加すると、ローラー表面速度とウェブ速度との最適比が増加する。一般に、ローラー表面速度とウェブ速度との、少なくとも1.1対1の比が好適であり、少なくとも2対1がより好適であり、少なくとも3対1が最も好適である。全体的なプロセスの安定性のためには、ローラー表面速度とウェブ速度との、10対1以下の比、より好適には7対1以下、最も好適には5対1以下の比を適用すると有利であることが判明している。
【0037】
3メートル毎分以上のウェブ速度が一般に好適であるが、生産率をより高くかつプロセス安定性を全体的により良好にするためには、少なくとも10メートル毎分のウェブ速度が望ましく、少なくとも15メートル毎分がより望ましく、少なくとも17メートル毎分が最も望ましい。一般に、好適な最大ウェブ速度は25メートル毎分である。約20メートル毎分から25メートル毎分のウェブ速度に対し、一般に、ローラー表面速度とウェブ速度との比は、望ましくは少なくとも3:1である。全体的なプロセスおよび充填の信頼性をさらに向上させるためには、ローラー表面速度をウェブ速度に自動的に結び付けると望ましい場合もある。例えば、そのように結び付けることにより、最適でかつ/または望ましいローラー表面速度とウェブ速度との比を、ウェブ速度および/またはローラー表面速度における変化を制して維持することができる。例えば粉末が間隙で詰まることによりプロセスが失速する潜在的傾向を最小にするために、望ましくは、ウェブ速度は、著しい速度変動を伴うことなく(すなわち、10%以下、より好適には7%以下、最も好適には3%以下の速度変動で)概ね維持される。20mm以上の直径を有するローラーに対しては、少なくとも10メートル毎分のウェブ速度を適用すると、充填プロセスの均一性ならびに安定性が向上することが判明している。
【0038】
好適には、ローラーは横断面において円形であり、具体的には、いかなる平坦部分をも有していない。ローラーは、最大で150mmの直径を有することができる。より直径の小さいローラーは、ウェブに対するローラーのロール間隙における望ましい幾何学形状を、したがって粉末充填のための望ましい剪断力をもたらす上で有利であることが判明している。したがって、ローラーは、望ましくは60mm以下、より望ましくは40mm以下、さらに望ましくは30mm以下、最も望ましくは25mm以下の直径を有している。所与のローラー表面速度における遠心加速度を最小にするのを(したがって粉末粒子がそのような遠心加速度の結果としてローラー表面から駆られる可能性を最小にするのを)支援するためには、8mm以上、より望ましくは10mm以上、さらに望ましくは15mm以上、最も望ましくは20mm以上の直径を有するローラーを使用すると望ましいことが判明している。
【0039】
ローラーの表面は好適には、硬調かつ硬質である。ローラーは好適には、金属表面、例えば一体の金属ローラーまたは金属表面を設けたローラーを備えることができる。また、ローラーの表面が概して滑らかであり、例えば彫刻されておらず、また突出した構造を備えていないと望ましいことが判明している。例えば、一体で滑らかなステンレス鋼のローラーが、このプロセスにおける使用に特に好適であることが判明している。アルミニウム合金などの他の材料をローラーに使用してもよい。
【0040】
先に述べたように、充填における容易性をさらに向上させ、その上に、プロセスの信頼性および安定性を向上させるためには、ローラーにおいてウェブが湾曲部を通過するように、ローラーへまたローラーからウェブを供給し、したがってローラーに向かって180°未満の接触角が存在することが望ましいことが判明している。ここで、ウェブは望ましくは、ローラーには概ね第1の平面に沿って、またローラーからは概ね第2の平面に沿って供給され、ローラーにおける第1の平面と第2の平面との交差点は、ローラーに向かって180°未満の角度を規定する。図1の例示的な実施形態を参照すると、全体的なウェブの移動は、矢印(10)で示すように水平面に沿って左から右であり、ローラー(12)にはウェブ(8)は水平面に沿って供給されており、一方でローラーからはウェブは、水平に対して上向きの傾斜を有する平面に沿って供給されていることが分かる。このことは、図2からより理解することができ、図2は、図1の例示的な実施形態のローラー(12)との間での、ウェブ(8)の送りのみの概略図を示している。(確認しやすくするために、ローラーは破線で示しており、粉末、台などは、この概略図では一切示していない。)ここでウェブ(8)は、Aと記された平面に沿ってローラー(12)に送られ、Bと記された第2の平面に沿ってローラーから離れて送られており、これらの平面のローラーにおける交差点は、ローラーに向かって接触角(α)を規定し、その角度は、例示的な実施形態において約173°である。
【0041】
ここでもまた、そのような180°未満の接触角を設けることで、ローラーにおいてウェブが部分的に巻き付き、力の成分が直接ローラー上の粉末層に対して垂直に与えられると考えられている。さらにまた、ウェブが、例えば、180°未満、より好ましくは177°以下、最も好ましくは175°以下の接触角で、ローラーにおける湾曲部を通過するとき、ある力が、ローラー上の粉末被覆層に垂直なウェブ張力の成分として、ウェブ張力による充填プロセスに寄与し、これによって充填ならびにプロセスの信頼性および安定性が向上すると考えられている。より小さな接触角は一般に、より高い安定性を充填プロセスに与える。しかしながら、摩擦、構成部品の摩耗、およびウェブ破損の危険性を最小にするために、望ましくは、接触角は150°以上、より望ましくは160°以上、最も望ましくは170°以上である。
【0042】
理解されたいこととして、望ましい接触角を設けることは、ウェブが水平面に沿ってローラーに送られ、また水平に対して上向きの傾斜を有する平面に沿ってローラーから離れて送られていることを示す図1および2の構成以外の、ローラーにまたローラーからウェブを送る他の構成を使用して達成することができる。例えば、ウェブは、水平に対して下向きの傾斜を有する平面に沿って(水平に対して4°の差で)ローラーに送り、水平面に沿って(すなわち水平面に対して0°の差)または水平面に対して上向きの傾斜を有する平面に沿って(例えば水平面に対して8°の差で)ローラーに送り、ローラーに向かって180°未満の接触角(例えば、それぞれ176°または168°の接触角)を設けることができる。ローラーに向かって180°未満の接触角(例えば、170°の接触角)を設けるように、ウェブが、水平面に対して下向きの傾斜を有する平面に沿って適切な傾斜で(例えば、水平面に対して15°の差で)ローラーに送られる場合、水平面に対して下向きの傾斜を有する平面に沿って(例えば、水平面に対して5°の差で)ウェブをローラーから送ることが可能である。それに対応して、ローラーに向かって180°未満の接触角(例えば、172°の接触角)を設けるように、ウェブが、水平面に対して上向きの傾斜を有する平面に沿って適切な傾斜で(例えば、水平面に対して13°の差で)ローラーから送られる場合、水平面に対して上向きの傾斜を有する平面に沿って(例えば、水平面に対して5°の差で)ウェブをローラーから送ることもまた可能である。
【0043】
所与の粉末材料を特定のウェブのミクロ凹部の中に充填するために、ある基本的な実験を用いて、間隙幅、ウェブ速度、ローラー表面速度およびローラー直径、ならびに接触角およびウェブ張力(該当する場合)などのプロセス変数の好適な組合わせを決定できることは理解されよう。例えば、約2ミクロンから3ミクロンの質量中央粒径を有し、その粒子の少なくとも95質量%が5ミクロン未満の直径を有する微粒子状硫酸アルブテロール粉末を、0.2mm厚のLDPE(低密度ポリエチレン)コーティングされたクラフト紙ウェブ内の分離したミクロ凹部(上面において深さ50ミクロン、幅140ミクロン)の中に充填するために、ウェブ速度の約3.5倍の表面速度で回転する直径23mmの研磨したステンレス鋼ローラーと組み合わせた10メートル毎分のウェブ速度、0.65mmの間隙幅、および約171.5°の接触角を、ウェブがローラーに水平に送られる状態で使用すると、望ましく正確で均一なミクロ凹部の充填と共に、安定で頑健なプロセスがもたらされる。
【0044】
本明細書におけるプロセスは、凹部内に充填されておらず凹部間の表面領域に残存する余分な粉末をウェブの表面から除去するさらなるステップを含んでいると好適であり、また含むことができる。そのような除去は、例えば1つ以上のドクターブレードを使用して、ウェブ表面上の凹部間に残存する残留粉末をこすり落とすことによって達成することができる。そのようなドクターブレードは、好適には、金属(例えばステンレス鋼)、高分子(例えばポリエチレン)および/またはエラストマー(熱可塑性または熱硬化性エラストマー)材料で作ることができる。好都合にも、それらは、移動ウェブに対してある角度で支持された、1mmから3mmの範囲内の厚さの可撓性ゴムシートを備えている。ウェブに対して10°〜60°、より具体的には40°〜50°の範囲の角度が好ましいことがある。好都合にも、ゴムシートは、その長さのうちの一部分が突出した状態で、平行な剛性板の間で保持することができる。移動ウェブシート材料の上面と接触するゴム製ドクターブレードの構成が、図1の例示的な実施形態に示してある。ウェブ(8)は、矢印(10)の方向に2つのドクターブレード(20、30)の下方で移動している。各ドクターブレードワイパー(31)は、厚さ1.5mmでショアA硬度が約70のニトリルゴムシートであってもよく、望ましくは剛性板(34、36)間で保持されている。ウェブ(34)に向かう板は一般に斜角を有しており、ウェブと接触してウェブに損傷を与えないようになっている。ドクターブレードワイパー(31)は望ましくは、ウェブに向かう板(34)の端部を約3mmから6mm越えて、また他の板(36)の端部を約6mm越えて突出しており、板はウェブに対して45°の角度にあり、ウェブに対する板の鉛直高さは、ドクタープレードワイパー(31)のクリーニング縁部(32)がウェブと良好に接触する一方で、ウェブ上における過度な摩擦力を回避するように選択されている。しかしながら、多数の別の構成が構想されることが明らかとなろう。好都合にも、除去した粉末をドクターブレードワイパー(31)の縁部(32)の周りから真空抽出して、プロセスにおいて、余分な粉末が均一にかつ堅実に絶えず除去されるようにすることができる。プロセスを経ることで劣化したり変化したりしない種類の粉末については、収集した粉末は、プロセスの前端へと再循環させることができる。図1から分かるように、ドクターブレード(40)をウェブの下表面で使用して、処理中にウェブの下表面へと沈下しうる粉末を除去すると望ましい場合もある。2つのブレードがウェブの上にあり、その2つのブレードの間に1つのブレードをウェブの下に配置すると、特に良好であることが判明している。それらのブレードの位置および高さは、好ましくは、ウェブがそれぞれのブレードと良好に接触する一方で、ウェブが垂直方向に曲がったり方向変換したりするのを最小限にして、大きな摩擦力または他の力を回避するように選択することができる。一般に、充填ウェブは、余分な粉末の除去装置またはステージへと、またその除去装置またはステージを通して連続的に送られる。
【0045】
望ましくかつ/または必要な場合、プロセスは、例えばテープを提供するために、粉末を充填したウェブを後に所望の幅および/または長さにスリッティングおよび/または切断するための手段をさらに備えていてもよい。剪断スリットナイフ、もしくはクラッシュスリットナイフ、または特に回転式剪断スリットナイフなど、多様なそのような手段のうちのいずれか1つを用いることができる。そのようなスリッティングおよび/または切断は、充填後、典型的には余分な粉末の除去後、インラインプロセスステップ(1つまたは複数)として実施できることは理解されよう。あるいは、そのようなスリッティングおよび/または切断は、オフラインプロセスステップ(1つまたは複数)として実施することができ、このステップにおいて、例えば、充填ウェブはジャンボロール上に格納され、スリッティングおよび/切断のための別個のユニットに移送される。いずれの場合にも、充填ウェブは、スリッティングおよび/または切断用の装置(1つもしくは複数)またはステージ(1つもしくは複数)に、またその装置またはステージを通して連続的に送られることが望ましい。
【0046】
好ましくは、長さと幅との比は5:1を超え、より好ましくは10:1を超え、最も好ましくは100:1と1000:1の間である。好ましくは、伸長担体および/またはテープは、約0.5cm〜3cm、より好ましくは1cm〜2cmの幅を有することになる。充填ウェブおよび/または伸長担体(例えばテープの形式)は、スプールに巻き付けて提供するか、またはロールの形で提供することができる。
【0047】
またプロセスは、粉末の塗布がなされる環境の周囲温度または相対湿度を制御するための手段を備えることができる。このことは、水分に敏感な粉末をウェブに塗布しようとする場合、特に妥当なものとなりうる。好適には、そのウェブ充填プロセスは、使用する粉末材料に適するように温度と相対湿度が制御されたエンクロージャ内で実施することができる。そのようなエンクロージャは、粉末の供給および充填用の機器のみを含み、ウェブが1つの狭いスリットを通じてエンクロージャの中に送られ、別のスリットを通してスリッティングナイフへと抜け出すように寸法決めすることができる。操作者が有害な粉塵にさらされうるのを防止する目的で、空気処理装置および濾過装置をエンクロージャに取り付けると得策となることもある。加えて、ウェブ上にまたは粉末上に存在する静電荷を制御するための手段を用いることができる。例えば、スリーエム社(3M Corporation)から入手可能なものなどの脱イオンファンを、移動ウェブが粉末供給の地点に到達するのに先立ってその移動ウェブに吹付けるように配置することもできる。
【0048】
プロセスを通じてウェブを移送するために用いる構成は、粉末充填ステージの従動ローラーの構成ならびに他の構造要素(例えば、固い台またはドクターブレード)と共に、ウェブの幅全体にわたるウェブ張力の変動を最小にするように、一般に、好適に選択することができる。また、ウェブがスリッティングされて伸長担体にされる場合、さらに上流側、例えばウェブに粉末が充填される地点で、均一な張力をウェブ全体にわたって維持するのを支援する目的で、そのようなスリット付き担体の張力を制御することが望ましい。ウェブ張力を制御するための手段は、当業者には周知である。加えて、横方向に変動するウェブの曲がり、折りたたみまたは縮み、ならびに過度のウェブ縁部の振動は、ウェブ経路を適切に構成し、ウェブの方向変換を適切に制御することで、概ね回避することができる。
【0049】
超微粒子状粉末は一般に、ミクロ凹部内に十分に保持される(おそらくは、静電引力、ファンデルワールス力、物理的引力、また凹部自体の外形によっては機械的結合または溶接の組合わせによる)ので、充填したミクロ凹部の上の被覆層は一般に、ミクロ凹部内に粉末が残存するようにする必要はない。しかしながら、格別な保護のために望ましくかつ/または必要な場合、プロセスは、粉末を充填したミクロ凹部を有するウェブの表面を被覆しかつ/または密封することを含んでもよい。このことは、好適なシート材料をウェブの表面に付着させることによって達成することができる。それに加えてまたはそれに代わって、ウェブまたは伸長担体をロールの状態で格納すると、ロールの次の巻きにおけるウェブまたは伸長担体自体の裏側と接触することにより、実質的に、凹部の上部を密封することになる。
【0050】
本明細書で説明するプロセスおよび方法で使用する超微粒子状粉末は一般に、典型的には10ミクロン以下の質量中央粒径を有している。より好適には、前記質量中央径は7ミクロン以下、さらに好適には5ミクロン以下であり、最も好ましくは、前記平均質量径は1ミクロンから3ミクロンの範囲内にあり、粒子の少なくとも90質量%は5ミクロン未満の直径を有している。
【0051】
粉末は、例えば、「気道への薬物送達(Drug Delivery to the Respiratory Tract)」、D.ガンダートンおよびT.ジョーンズ編(ed. D.Ganderton and T.Jones)、Ellis Horwood、Chichester(1987)発行、頁89〜90に示されているような、圧縮空気で駆動される流体エネルギーミルを使用することによって、または反復段階的ミリングによって、または閉ループミリングシステムを使用することによって、微粒子化することができる。
【0052】
本明細書で説明するプロセスおよび方法は、ウェブを充填すること、および/または、薬物、農業用化学物質、もしくは化粧品など、生物活性物質を充填した伸長担体を製造することに、特に適している。生物活性物質は、例えば、薬剤、ビタミンまたはワクチンであってもよい。使用する粉末は、それ自体が生物活性物質(例えば、微粒子化した薬剤粒子)であってもよく、また生物活性物質をその中またはその上に組み込んだ担体物質(例えば、微粒子化した薬剤粒子と微粒子化したラクトース増量剤または他の賦形剤との混合物、1つ以上の微粒子化した薬剤、噴霧乾燥した薬剤の被覆粒子、またはマイクロカプセルの混合物)であってもよい。
【0053】
さらに、本明細書で説明するプロセスおよび方法で提供される、十分に管理され計量された少量の生物活性物質を含む充填ウェブおよび/または伸長担体は、好都合にも、それ自体で、または、そのような粉末の生物活性物質を経口的に(例えば、生分解性でかつ/もしくは消化可能なウェブ材料を使用して)または局所的に(例えば、薬物または外科テープ、ドレープ、ドレッシングおよび/もしくは包帯の一部として提供される)または経皮、経粘膜(例えば、頬、舌下)、膣、直腸または耳による送達によって人または動物に用いることを目的として投与するための送出システムの一部として利用することができる。
【0054】
そのように調整された充填ウェブおよび/または伸長担体はまた、農業分野における計量した粉末の生物活性物質の散布、例えば成長調整物質、殺虫剤、殺真菌剤または他の農業用化学物質の送達にも十分に好適である。
【0055】
本明細書で説明するプロセスによって提供される、充填ウェブおよび/または伸長担体は、患者によって吸入するための薬物を送達するのに特に好適である。
【0056】
充填ウェブおよび/または伸長担体は好ましくは、薬物をエアゾル化するために用いる力にさらされると、薬剤をばらつきなく解放する。エアゾルデバイスの好ましい実施形態において、超微粒子状の(例えば微粒子化した)薬物は、シート材料の裏側での密着によって、凝集していない状態でエアゾル化される。薬物をエアゾル化するための好適なデバイスが、参照によって本願に援用する米国特許第5,408,994号および第5,619,984号に開示されている。充填ウェブおよび/または伸長担体から薬物をエアゾル化するための、密着以外の手段を用いる他の好適なデバイスが、米国特許第5,619,984号に開示されている。充填ウェブおよび/または伸長担体は好ましくは、カセット内に収容されており患者が要求すると用量ごとに前進するテープの形である。
【0057】
典型的には、単一用量当たり長さ20mm、幅10mmの伸長担体またはテープの領域が、ドライパウダー吸入器における使用に好適である。典型的には、そのような用量の領域は、それぞれ深さ45ミクロン、直径約150ミクロンの200個〜2000個の分離したミクロ凹部を有することができる。好都合にも、伸長担体またはテープの長手方向軸に沿ったミクロ凹部の列は、スリッティングされた位置における横方向の変動性によって生じる「量子化効果」を回避する目的で、その軸に厳密に平行には存在せず、むしろ、その軸に対してわずかな角度(例えば0.5°から2°)で斜めになって位置している。(その斜角は、ミクロ凹部の離間距離と望ましいスリット幅に対して適切に選択することができ、したがって、スリッティングが横方向にどの場所で生じても、厳密な合計のミクロ凹部容積が各(例えば20mm×10mm)用量範囲に存在する。)ドライパウダー吸入器において使用する場合、好ましくは、ミクロ凹部は、フォトリソグラフ的にパターン形成しエッチングした、またはダイヤモンドで加工したパターニングローラーを使用して、低密度ポリエチレン(LDPE)層のキャストエンボスによって設けられる。好適には、前述のLDPE層は、紙の裏材または紙/LDPE積層体の裏材(2枚のLDPE層の間に紙を有する)上に設けられる。
【0058】
吸入器による送達に関し、好適な薬物は、吸入によって投与されうるか、固体であるか、または固体の担体に組み込みうる薬剤または薬剤の組合わせを含んでいる。好適な薬剤には、呼吸器障害の治療のためのもの、例えば気管支拡張薬、コルチコステロイド、およびぜんそくの予防のための薬剤が挙げられる。食欲抑制剤、抗うつ剤、血圧降下薬、抗がん剤、抗コリン作用薬、ドーパミン作動薬、麻薬性鎮痛剤、交感神経ベータ遮断薬、プロスタグランジン、交感神経興奮剤、精神安定剤、ステロイド、ビタミンおよび性ホルモンなどの他の薬剤を、吸入による送達のために用いることができる。狭心症治療薬、抗菌剤、抗生物質、抗炎症剤、抗片頭痛薬、抗ペプシン剤、抗ウイルス剤、心臓血管薬、血糖降下薬(hypoglycemic)、免疫調節薬、肺表面活性剤、およびワクチンを同様に用いることができる。
【0059】
吸入による送達には、用いる薬物が、単一用量をウェブおよび/または伸長担体に、約25cm未満、好ましくは約5cm未満の面積で詰め込むことが可能な力価を呈することが好ましい。0.25cmと2.5cmの間、最も好ましくは1.5cmと2.25cmの間のウェブおよび/または伸長担体が、米国特許第5,408,994号または第5,619,984号に記載されているデバイスなどのデバイスで使用するとき、単一用量を収容するような方式の、またはそのような種類の、薬剤を収容するウェブおよび/または伸長担体がより好ましい。別の形で述べると、充填ウェブおよび/または伸長担体が好都合にも、1cm当たり約25μgと500μgの間の粉末を担持しうるとすれば、薬物の力価は好ましくは、単一用量をウェブおよび/または伸長担体の上述の0.25cmから2.5cmで担持しうるようなものである。
【0060】
吸入による送達に用いうる例示的な薬剤には、限定はしないが、アルブテロール、テルブタリン、フェノテロール、メタプロテレノール、イソプロテレノール、イソエタリン、ビトルテロール、エピネフリン、ツロブテロール、バンブテロール、レプロテロール、アドレナリン、イプラトロピウム、オキシトロピウム、チオトロピウム、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、フルニソリド、ブデソニド、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド、アミノフィリン、ダイフィリン、テオフィリン、クロモリンナトリウム、ネドクロミルナトリウム、ケトチフェン、アゼラスチン、エルゴタミン、シクロスポリン、サルメテロール、フルチカゾン、フォルモテロール、プロカテロール、インダカテロール、TA2005、オマリズマブ、モンテルカスト、ザフィルルカスト、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、デキサメタゾン酢酸塩、プレドニゾン、酢酸メチルプレドニゾロン、ジロートン、インシュリン、アトロピン、プレドニゾロン、ベンズフェタミン、クロルフェンテルミン、アミトリプチリン、イミプラミン、クロニジン、アクチノマイシンC、ブロモクリプチン、ブプレノルフィン、ペンタミジン、カルシトニン、ロイプロリド、アルファ−1−抗トリプシン、インターフェロン、プロプラノロール、ラシコートン(lacicortone)、トリアムシノロン、ジノプロスト、キシロメタゾリン、ジアゼパム、ロラゼパム、葉酸、ニコチンアミド、クレンブテロール、エチニルエストラジオール、レボノルゲストレル、ならびに、薬剤として許容されるそれらの塩およびエステル(酸アルブテロール、フマル酸フォルモテロール、サルメテロールヒドロキシナフトエート、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、プロピオン酸フルチカゾン、臭化チオトロピウム、酢酸ロイプロリドおよびフランカルボン酸モメタゾンなど)が挙げられる。
【0061】
吸入によって同様に送達しうるさらなる薬剤には、限定はしないが、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、塩酸ブプレノルフィン、塩酸プロポキシフェン、プロポキシフェンナプシレート、メペリジン塩酸塩、塩酸ヒドロモルホン、硫酸モルヒネ、クエン酸フェンタニル、塩酸オキシコドン、リン酸コデイン、酒石酸水素ジヒドロコデイン、塩酸ペンタゾシン、酒石酸水素ヒドロコドン、酒石酸レボルファノール、ジフルニサル、ヘロイン、トロラミンサリチル酸塩、塩酸メタドン、塩酸ナルブフィン、ナロルフィン、テトラヒドロカンナビノール、メフェナム酸、酒石酸ブトルファノール、サリチル酸コリン、ブタルビタール、クエン酸フェニルトロキサミン、クエン酸ジフェンヒドラミン、メトトリメプラジン、塩酸シンナメドリン、メプロバメート、酒石酸エルゴタミン、塩酸プロパノロール、イソメテプテンムケート(isometheptene mucate)、ジクロラールフェナゾン、スマトリプタン、リザトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、エレトリプタン、バルビツール酸塩(例えばペントバルビタール、ペントバルビタールナトリウム、セコバルビタールナトリウム)、ベンゾジアゼピン(例えば塩酸フルラゼパム、トリアゾラム、テマゼパム(tomazeparm)、塩酸ミダゾラム(midazolam hydrochloride)、ロラゼパム、塩酸ブスピロン(buspirone hydrochloride)、プラゼパム、塩酸クロルジアゼポキシド、オキサゼパム、クロラゼプ酸二カリウム、ジアゼパム、テマゼパム)リドカイン、プリロカイン、キシロカイン、交感神経ベータ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬(例えばニフェジピン、塩酸ジルチアゼムなど)、硝酸塩(例えばニトログリセリン、硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリトリトール、四硝酸エリトリチル)パモ酸ヒドロキシジン、塩酸ヒドロキシジン、アルプラゾラム、ドロペリドール、ハラゼパム、クロルメザノン、ハロペリドール、コハク酸ロクサピン、塩酸ロクサピン、チオリダジン、塩酸チオリダジン、チオチキセン、塩酸フルフェナジン、フルフェナジンデカノエート、エナント酸フルフェナジン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸クロルプロマジン、ペルフェナジン、クエン酸リチウム、プロクロルペラジン、炭酸リチウム、ブレチリウムトシレート、塩酸エスモロール、塩酸ベラパミル、アミオダロン、塩酸エンカイニド、ジゴキシン、ジギトキシン、塩酸メキシレチン、リン酸ジソピラミド、塩酸プロカインアミド、硫酸キニジン、グルコン酸キニジン、ポリガラクツロ酸キニジン、酢酸フレカイニド、塩酸トカイニド、塩酸リドカイン、フェニルブタゾン、スリンダク、ペニシラミン、サルサレート、ピロキシカム、アザチオプリン、インドメタシン、メクロフェナム酸ナトリウム、金チオリンゴ酸ナトリウム、ケトプロフェン、オーラノフィン、金チオグルコース、トルメチンナトリウム、コルヒチン、アロプリノール、ヘパリン、ヘパリンナトリウム、ワルファリンナトリウム、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、アルトプラーゼ(altoplase)、アミノカプロン酸、ペントキシフィリン、エムピリン、アスクリプティン(ascriptin)、バルプロ酸、ジバルプロエートナトリウム、フェニトイン、フェニトインナトリウム、クロナゼパム、プリミドン、フェノバルビタール(phenobarbitol)、フェノバルビタールナトリウム(phenobarbitol sodium)、カルバマゼピン、アモバルビタールナトリウム、メトスクシミド、メタルビタール、メフォバルビタール、メフェニトイン、フェンスクシミド、パラメタジオン、エトトイン、フェナセミド、セコバルビタールナトリウム(secobarbitol sodium)、クロラゼペート二カリウム、トリメタジオン、エトサクシミド、塩酸ドキセピン、アモキサピン、塩酸トラゾドン、塩酸アミトリプチリン、塩酸マプロチリン、硫酸フェネルジン、塩酸デシプラミン、塩酸ノルトリプチリン、硫酸トラニルシプロミン、塩酸フルオキセチン、塩酸ドキセピン、塩酸イミプラミン、イミプラミンパモエート、ノルトリプチリン、塩酸アミトリプチリン、イソカルボキサジド、塩酸デシプラミン、マレイン酸トリミプラミン、塩酸プロトリプチリン、塩酸ヒドロキシジン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸ブロムフェニルアミン、クレマスチン、アゼラスチン、塩酸シプロヘプタジン、クエン酸テルフェナジン、クレマスチン、塩酸トリプロリジン、マレイン酸カルビノキサミン、塩酸ジフェニルピラリン、酒石酸フェニンダミン、ラミブジン、アバカビル、アシクロビル、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、シドホビル、フォスカーネット、マレイン酸アザタジン、塩酸トリペレナミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸メトジラジン、酒石酸トリムパラジン(trimprazine tartrate)、カンシル酸トリメタファン、塩酸フェノキシベンザミン、塩酸パルジリン、デセルピジン、ジアゾキシド、グアネチジンモノ硫酸、ミノキシジル、レシナミン、ニトロプルシドナトリウム、インドジャボク、アルセロキシロン、フェントラミンメシラート、レセルピン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、アシトレチン(acitretin)、硫酸アミカシン、アズトレオナム、ベンジダミン、カルシポトリオール(calcipotriol)、クロラムフェニコール、パルミチン酸クロラムフェニコール、コハク酸クロラムフェニコールナトリウム、塩酸シプロフロキサシン、塩酸クリンダマイシン、パルミチン酸クリンダマイシン、リン酸クリンダマイシン、エファリズマブ、メトロニダゾール、塩酸メトロニダゾール、硫酸ゲンタマイシン、塩酸リンコマイシン、硫酸トブラマイシン、タクロリムス、塩酸バンコマイシン、硫酸ポリミキシンB、コリスチンメタナトリウム、硫酸コリスチン、テトラサイクリン、グリセオフルビン、ケロコナゾール(keloconazole)、インターフェロンγ、ジドブジン、塩酸アマンタジン、リバビリン、アシクロビル、ペンタミジン(例えばペンタミジンイセチオネート(pentamidine isoethionate))、セファロスポリン(例えばセファゾリンナトリウム、セフラジン、セファクロール、セファピリンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフロキシムアクセチル(cefutoxime axotil)、セフォタキシムナトリウム、セファドロキシル一水化物、セフタジジム、セファレキシン、セファロチンナトリウム、塩酸セファレキシン一水和物、セファマンドールナフテート(cefamandole nafate)、セフォキシチンナトリウム、セホニシドナトリウム、セホラニド、セフトリアキソンナトリウム、セフタジジム、セファドロキシル、セフラジン、セフロキシムナトリウムなど)、ペニシリン(例えばアンピシリン、アモキシシリン、ペニシリンGベンザチン、シクラシリン、アンピシリンナトリウム、結晶ペニシリンGカリウム、ペニシリンVカリウム、ピペラシリンナトリウム、オキサシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、クロキサシリンナトリウム、チカルシリン二ナトリウム、アズロシリンナトリウム、カルベニシリンインダニルナトリウム、結晶ペニシリンGカリウム、ペニシリンGプロカイン、メチシリンナトリウム、ナフシリンナトリウムなど)、エリスロマイシン(例えばエチルコハク酸エリスロマイシン、エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、ラクトビオン酸エリスロマイシン、ステアリン酸エリスロマイシン(erythromycin siearate)、エチルコハク酸エリスロマイシンなど)、テトラサイクリン(例えば、塩酸テトラサイクリン)、塩酸ドキシサイクリン(doxycycline hyclate)、塩酸ミノサイクリン、GM−CSF、エフェドリン、プソイドエフェドリン、塩化アンモニウム、アンドロゲン(例えばダナゾール、テストステロンシピオネート、フルオキシメステロン、メチルテストステロン(ethyltostosterone)、エナント酸テストステロン(testosterone enanihate)、メチルテストステロン、フルオキシメステロン、テストステロンシピオネート)、エストロゲン(例えばエストラジオール、エストロピペート(estropipate)、抱合卵胞ホルモン)プロゲスチン(例えば酢酸メトキシプロゲステロン、酢酸ノルエチンドロン)、レボチロキシンナトリウム、ヒトインシュリン、精製した牛のインシュリン、精製した豚のインシュリン、グリブリド、クロルプロパミド、グリピジド、トルブタミド、トラザミド、ロジグリタゾン、ピオグリタゾン、トログリタゾン、クロフィブレート、デキストロチロキシンナトリウム、プロブコール、ロバスタチン、ロスバスタチン、ナイアシン、DNアーゼ、アルギンアーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、リパーゼ、カルシトニン(calcitonion)、アルファ−1−抗トリプシン、インターフェロン、吸入による送達に好適なタンパク質をコード化するセンスもしくはアンチセンス核酸、エリトロポイエチン、ファモチジン、シメチジン、塩酸ラニチジン、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランゾプラゾール、塩酸メクリジン、ナビロン、プロクロルペラジン、ジメンヒドリナート、塩酸プロメタジン、チエチルペラジン、スコポラミン、シルデナフィル、バルデナフィル、シロミラスト、イミキモドまたはレジキモド(resiquimod)が挙げられる。必要に応じて、これらの薬剤は、別の塩の形で送達することができる。
【0062】
薬物は、1つ以上の微粒子形態を有する1つ以上の薬剤を含んでもよく、また、生理学的に許容できるまたは不活性の賦形剤を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明による例示的なプロセスを用いて、ウェブの主要面上のミクロ凹部の中に超微粒子状粉末を充填するための例示的な装置の模式図である。
【図2】図1に示すローラーとの間におけるウェブの送りの模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブの主要面内の複数のミクロ凹部であって、約5ミクロンから500ミクロンの、ただし前記ウェブの厚さ未満である深さと、深さが約10ミクロンから500ミクロンの、前記ウェブの表面における開きとを有するミクロ凹部を、超微粒子状粉末で充填するための方法であって、
前記ウェブを粉末充填ステージに、また粉末充填ステージを通して連続的に送るステップと、
前記粉末充填ステージにおいて、従動ローラーを使用して前記粉末を前記ウェブの表面上の前記ミクロ凹部の中に充填するステップであって、前記ローラーは、前記ウェブの移動方向に対して概ね垂直な軸の周りで回転しており、一方で前記ローラーの表面速度と前記ウェブ速度は異なっており、前記ローラーとウェブは、前記ウェブの上表面と前記ローラーの外表面との間に間隙が存在するように、互いに対して配置されている、ステップとを含み、
前記粉末は、前記粉末充填ステージの前記ローラーの上流側で前記ウェブの上に、または前記粉末充填ステージの前記ローラーに供給される、方法。
【請求項2】
前記凹部内に充填されておらず、前記凹部間の表面領域に残存する余分な粉末を、前記ウェブの前記表面から除去するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記充填ウェブを所定の幅および/または所定の長さにスリッティングおよび/または切断するステップ(1つまたは複数)をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
超微粒子状粉末を収容するミクロ凹部を有する伸長担体を製造する方法であって、
ウェブの主要面内の複数のミクロ凹部を備えるウェブを準備するステップであって、前記ミクロ凹部は、約5ミクロンから500ミクロンの、ただし前記ウェブの厚さ未満である深さと、深さが約10ミクロンから500ミクロンの、前記ウェブの表面における開きとを有する、ステップと、
前記ウェブを粉末充填ステージに、また粉末充填ステージを通して連続的に送るステップと、
前記粉末充填ステージにおいて、従動ローラーを使用して前記粉末を前記ウェブの表面上の前記ミクロ凹部の中に充填するステップであって、前記ローラーは、前記ウェブの移動方向に対して概ね垂直な軸の周りで回転しており、一方で前記ローラーの表面速度と前記ウェブ速度は異なっており、前記ローラーとウェブは、前記ウェブの上表面と前記ローラーの外表面との間に間隙が存在するように、互いに対して配置されている、ステップと、
ミクロ凹部内に装填されておらず、前記凹部間の表面の領域上に残存する余分な粉末を、前記ウェブの表面から除去するステップと、
所望により、前記ウェブを所定の幅および/または所定の長さにスリッティングおよび/または切断するステップと、を含み、
前記粉末は、前記粉末充填ステージの前記ローラーの上流側で前記ウェブの上に、または前記粉末充填ステージの前記ローラーに供給される、方法。
【請求項5】
前記ローラーは、前記ウェブの移動と同じ方向に回転している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ローラーの前記表面速度は、前記ウェブ速度よりも高い、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ローラー表面速度と前記ウェブ速度との比が少なくとも1.1対1である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ローラー表面速度と前記ウェブ速度との比が少なくとも2対1である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ローラー表面速度と前記ウェブ速度との比が少なくとも3対1である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ローラー表面速度と前記ウェブ速度との比が10対1以下である、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ローラー表面速度と前記ウェブ速度との比が7対1以下である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ローラー表面速度と前記ウェブ速度との比が5対1以下である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記間隙は1.25mm以下である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記間隙は1.00mm以下である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記間隙は0.75mm以下である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記間隙は0.2mm以上である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記間隙は0.3mm以上である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記間隙は0.4mm以上である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記間隙は幅が可変であるが、所定の最小幅に向かって偏倚されている、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記ウェブは、前記ローラーにおいて前記ウェブが湾曲部を通過するように、第1の平面に概ね沿って前記ローラーに送られ、また第2の平面に概ね沿って前記ローラーから送られ、前記第1の平面と前記第2の平面は、前記ローラーに向かって180°未満の角度を規定する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の平面と第2の平面は、前記ローラーに向かって177°以下の角度を規定する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の平面と第2の平面は、前記ローラーに向かって175°以下の角度を規定する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の平面と第2の平面は、前記ローラーに向かって150°以上の角度を規定する、請求項20〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の平面と第2の平面は、前記ローラーに向かって160°以上の角度を規定する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の平面と第2の平面は、前記ローラーに向かって170°以上の角度を規定する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ウェブは少なくとも25ミクロンの厚さを有する、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記ウェブは1000ミクロン以下の厚さを有する、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
粉末は、粉末の蓄積物を前記ローラーの上流側にかつ前記ローラーに隣接して前記ウェブ上に設けるように、前記ローラーの上流側で前記ウェブの上に、または前記粉末充填ステージの前記ローラーに供給される、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記ローラーの上流側の、前記ローラー上および/または前記ウェブ上の粉末の蓄積物を感知するステップと、前記感知するステップに応答して前記粉末供給を自動的に制御するステップとをさらに含む、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記粉末は生物活性物質を含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記生物活性物質は、薬物または農業用化学物質または化粧品である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記生物活性物質は、吸入による投与に好適な薬物である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
請求項4に従って、または請求項4に依存する請求項5〜32のいずれか一項に従って製造される、伸長担体。
【請求項34】
テープの形にした、請求項33に記載の伸長担体。
【請求項35】
スプールに巻き付けたまたはロールの形にした、請求項33または34に記載の伸長担体。
【請求項36】
前記粉末は生物活性物質を含み、前記生物活性物質は、吸入による投与に好適な薬物である、請求項33〜35のいずれか一項に記載の伸長担体。
【請求項37】
請求項36に記載の伸長担体を備えるドライパウダー吸入器。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−536597(P2009−536597A)
【公表日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501735(P2009−501735)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/064654
【国際公開番号】WO2007/112267
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】