説明

粉末固形化粧料

【課題】 使用時に塗布具で取りやすく、肌へ伸ばしやすく、肌にしっとり感を与えることができ、なおかつ落下などの衝撃によって割れなどが発生しにくい粉末固形化粧料を提供すること。
【解決手段】 油相成分10〜25質量%と、粉末成分75〜95質量%と、を含む粉末固形化粧料であって、油相成分として、25℃における粘度が300〜3000mPa・sのメチルポリシロキサンを1〜10質量%及び25℃における粘度が500mPa・s以上の脂肪酸エステル系油を5〜15質量%含有し、粉末成分として、平均粒子径が15μm以上のタルクを5〜30質量%含有し、油相成分における上記メチルポリシロキサン及び上記脂肪酸エステル系油の合計含有量が50質量%以上である粉末固形化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末固形化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
アイシャドウ、チークカラー、フェースパウダーなどの粉末固形化粧料は、通常、スポンジ、パフ、チップなどの塗布具に取り、肌に伸ばして用いられる。粉末固形化粧料は、落下などの衝撃によって割れなどが発生しやすく、市場では耐衝撃性に優れたものが求められている。
【0003】
従来、粉末固形化粧料の耐衝撃性を向上させるには、油相成分の配合量を増やすことや高粘度の油を配合することで対応していた(例えば、下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−89409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の粉末固形化粧料は、塗布具で取れ難く、肌へも伸ばし難いものであった。他方で、粉末固形化粧料には、粉っぽさが少ないしっとりとした使用感が求められるようになっている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、使用時に塗布具で取りやすく、肌へ伸ばしやすく、肌にしっとり感を与えることができ、なおかつ落下などの衝撃によって割れなどが発生しにくい粉末固形化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、油相成分10〜25質量%と、粉末成分75〜95質量%と、を含む粉末固形化粧料であって、油相成分として、25℃における粘度が300〜3000mPa・sのメチルポリシロキサンを1〜10質量%及び25℃における粘度が500mPa・s以上の脂肪酸エステル系油を5〜15質量%含有し、粉末成分として、平均粒子径が15μm以上のタルクを5〜30質量%含有し、油相成分における上記メチルポリシロキサン及び上記脂肪酸エステル系油の合計含有量が50質量%以上である粉末固形化粧料を提供する。
【0008】
本発明の粉末固形化粧料は、上記構成を有することにより、使用時に塗布具で取りやすく、肌へ伸ばしやすく、肌にしっとり感を与えることができ、なおかつ落下などの衝撃によって割れなどが発生しにくいものにすることができる。
【0009】
本発明はまた、化粧料基剤と溶剤とを混合して得られるスラリーを容器に充填し、乾燥により溶剤を除去して得られる粉末固形化粧料であって、上記化粧料基剤が、油相成分10〜25質量%と粉末成分75〜95質量%とを含み、油相成分として、25℃における粘度が300〜3000mPa・sのメチルポリシロキサンを1〜10質量%及び25℃における粘度が500mPa・s以上の脂肪酸エステル系油を5〜15質量%含有し、粉末成分として、平均粒子径が15μm以上のタルクを5〜30質量%含有し、油相成分における上記メチルポリシロキサン及び上記脂肪酸エステル系油の合計含有量が50質量%以上である粉末固形化粧料を提供する。
【0010】
本発明の粉末固形化粧料は、上記構成を有することにより、使用時に塗布具で取りやすく、肌へ伸ばしやすく、肌にしっとり感を与えることができ、なおかつ落下などの衝撃によって割れなどが発生しにくいものにすることができる。
【0011】
上記本発明の粉末固形化粧料において、上記メチルポリシロキサンの25℃における粘度が300〜1000mPa・sであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、使用時に塗布具で取りやすく、肌へ伸ばしやすく、肌にしっとり感を与えることができ、なおかつ落下などの衝撃によって割れなどが発生しにくい粉末固形化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の粉末固形化粧料は、油相成分10〜25質量%と、粉末成分75〜95質量%と、を含み、油相成分として、25℃における粘度が300〜3000mPa・sのメチルポリシロキサンを1〜10質量%及び25℃における粘度が500mPa・s以上の脂肪酸エステル系油を5〜15質量%含有し、粉末成分として、平均粒子径が15μm以上のタルクを5〜30質量%含有し、油相成分における上記メチルポリシロキサン及び上記脂肪酸エステル系油の合計含有量が50質量%以上であるものである。なお、本発明において油相成分とは油性成分及び界面活性剤を意味する。
【0014】
25℃における粘度が300〜3000mPa・sのメチルポリシロキサンとしては、市販品を用いることができ、例えば、「KF−96A−300CS」(粘度300mPa・s)、「KF−96A−1000CS」(粘度1000mPa・s)、「KF−96A−3000CS」(以上、信越化学工業(株)、商品名)、「SH200 C Fluid 500CS」(粘度500mPa・s)、「SH200 C Fluid 1000CS」(粘度1000mPa・s)(以上、東レダウ・コーニング(株)、商品名)などが挙げられる。
【0015】
肌への伸ばしやすさの観点から、25℃における粘度が300〜1000mPa・sであるメチルポリシロキサンを配合することが好ましい。
【0016】
25℃における粘度が500mPa・s以上の脂肪酸エステル系油としては、例えば、リンゴ酸ジイソステアリル(粘度5500mPa・s)、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2(粘度38500mPa・s)、ジイソステリン酸ポリグリセリル−2(粘度1160mPa・s)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル(粘度700mPa・s)などの脂肪酸エステルが挙げられる。
【0017】
本発明の粉末固形化粧料において、上記メチルポリシロキサンの含有量は1〜10質量%であり、上記脂肪酸エステル系油の含有量は5〜15質量%であり、且つ、油相成分における上記メチルポリシロキサン及び上記脂肪酸エステル系油の合計含有量が50質量%以上であることが必要である。これらの条件をすべて満たすと、粉末固形化粧料を、使用時に塗布具で取りやすく、肌へ伸ばしやすく、肌にしっとり感を与えることができ、なおかつ落下などの衝撃によって割れなどが発生しにくいものにすることができる。なお、上記メチルポリシロキサンの含有量が、1質量%未満であると、肌へのしっとり感が不十分となり、10質量%を超えると、肌への伸ばしやすさが不十分となる。また、上記脂肪酸エステル系油の含有量が、5質量%未満であると、しっとり感が不十分となり、15質量%を超えると、肌への伸ばしやすさが不十分となる。更に、油相成分における上記メチルポリシロキサン及び上記脂肪酸エステル系油の合計含有量が50質量%未満であると、肌へのしっとり感が不十分となる。
【0018】
しっとり感を得られやすくする観点から、油相成分における上記メチルポリシロキサン及び上記脂肪酸エステル系油の合計含有量は50〜95質量%であることが好ましい。
【0019】
他の油相成分としては、ワセリン、スクワラン、ヒマシ油、オリーブ油、ホホバ油、ラノリン、イソステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの高級アルコール等の油性成分や、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤が挙げられる。
【0020】
平均粒子径が15μm以上のタルクとしては、市販品を用いることができ、例えば、「タルクMS−KY」(平均粒子径25μm)、「タルクMS−KC3」(シリコーン処理品、平均粒子径25μm)、ローズタルク(平均粒子径17μm)(以上、日本タルク(株)製、商品名)、「タルクCT−250」(平均粒子径30μm、山口雲母(株)製、商品名)などが挙げられる。
【0021】
本発明の粉末固形化粧料における上記タルクの含有量は5〜30質量%である。この含有量が、5質量%未満であると、肌へのしっとり感が不十分となり、30質量%を超えると、塗布具への取れやすさ感が不十分となる。
【0022】
本発明の粉末固形化粧料に配合される他の粉末成分としては、平均粒子径が15μm未満のタルク、マイカ、セリサイト、ミリスチン酸亜鉛、ウレタンパウダー、ポリメタクリル酸メチルや、ベンガラ、グンジョウ、雲母チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、合成雲母、紺青、カーボンブラックなどの顔料などが挙げられる。
【0023】
本発明の粉末固形化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記以外の成分を配合することができる。例えば、化粧料で通常使用される防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、薬剤、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合できる。
【0024】
本発明の粉末固形化粧料は、従来より知られている乾式製法及び湿式製法により製造することができる。乾式製法の場合、粉末成分と油相成分との混合物(化粧料基剤)を粉砕機にて解砕し、これを所定の容器に充填し、圧縮成型することにより粉末固形化粧料が得られる。一方、湿式製法の場合、粉末成分と油相成分との混合物(化粧料基剤)に、揮発性溶剤を添加してスラリー化し、このスラリーを所定の容器に充填し、圧縮成型後、乾燥により溶剤を除去することにより粉末固形化粧料が得られる。
【0025】
本発明の粉末固形化粧料は、上記の製法のうちの湿式製法により製造されることが好ましい。すなわち、本発明の粉末固形化粧料は、本発明に係る油相成分及び粉末成分が含まれる化粧料基剤と溶剤とを混合して得られるスラリーを容器に充填し、圧縮成形後、乾燥により溶剤を除去する方法により製造することが好ましい。この場合、乾式製法に比べて油相成分を均一に粉体成分に付着させることができ、得られる粉末固形化粧料は肌への伸ばしやすさが一層向上したものとなる。
【0026】
本実施形態において、上記の化粧料基剤は、油相成分10〜25質量%と粉末成分75〜95質量%とを含み、油相成分として、25℃における粘度が300〜3000mPa・sのメチルポリシロキサンを1〜10質量%及び25℃における粘度が500mPa・s以上の脂肪酸エステル系油を5〜15質量%含有し、粉末成分として、平均粒子径が15μm以上のタルクを5〜30質量%含有し、油相成分における上記メチルポリシロキサン及び上記脂肪酸エステル系油の合計含有量が50質量%以上であるものが用いられ、必要に応じて、その他の成分が配合されてもよい。
【0027】
化粧料基剤に配合される油相成分、粉末成分及びその他の成分は、上述したものを用いることができる。
【0028】
湿式製法で用いられる溶剤としては、軽質イソパラフィンなどの揮発性溶剤などを用いることができる。
【0029】
本実施形態においては上記のスラリーを所定の容器に充填する。所定の容器としては、例えば、金皿、樹脂皿などの中皿が挙げられる。これらの中皿は、粉末固形化粧料が形成された後にそのままコンパクト容器に装着することが可能である。また、コンパクト容器、ジャー容器に直接充填することも可能である。
【0030】
本発明の粉末固形化粧料は、上記の方法によって製造された場合であっても、優れた耐衝撃性を有することができる。
【0031】
本発明の粉末固形化粧料は、アイシャドウ、チークカラー、ファンデーション、フェースパウダー、化粧下地などの化粧料として好適である。
【実施例】
【0032】
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されものではない。
【0033】
(実施例1〜17及び比較例1〜16)
表1〜6に示す組成の化粧料基剤を調製し、下記製造方法により、アイシャドウのサンプルを作製した。得られたサンプルについて、塗布具への取れ感、塗布時の伸び感及びしっとり感、並びに、耐衝撃性の各項目について、以下に示す試験方法及び判定基準により評価判定した。これらの結果を表1〜6に示す。なお、表中の各成分の単位は、特にことわりがない限り、化粧料基剤全量基準での質量%である。また、粘度は25℃における値を示す。
【0034】
【表1】



【0035】
【表2】



【0036】
【表3】



【0037】
【表4】



【0038】
【表5】



【0039】
【表6】



【0040】
<アイシャドウの製造方法>
1) 原料No.1〜13の粉末成分を秤量し、スーパーミキサーにて攪拌混合した。
2) 原料No.14〜30の油相成分を秤量し、約50℃にて溶融し、ディスパーにて攪拌混合した。
3) 2)で得られた混合物を1)の混合物に添加し、スーパーミキサーにて混練した。
4) 3)で得られた混合物に溶剤(出光興産(株)社製、「IPソルベント620MU」)をスラリーにおける含有量が40質量%となる割合で添加し、混練し、スラリーの状態にした。
5) 4)で得られたスラリーを金皿に充填し、圧縮成型し、乾燥により溶剤を除去した。
【0041】
<粉末固形化粧料の評価方法>
1.しっとり感、取れ感、伸び感
専門のパネル5名にて、下記基準による5段階評価を行い、その平均値で評価結果を示した。
(しっとり感)
1:しっとり感を感じる
2:ややしっとり感を感じる
3:普通
4:やや粉っぽく感じる
5:粉っぽく感じる
(取れ感)
1:取れが良い
2:やや取れが良い
3:普通
4:やや取れが悪い
5:取れが悪い
(伸び感)
1:伸びが良い
2:やや伸びが良い
3:普通
4:やや伸びが悪い
5:伸びが悪い
(評価結果の表示)
◎:4点以上
○:3点以上〜4点未満
△:2点以上〜3点未満
×:2点未満
【0042】
2.耐衝撃性
上記で作製した各アイシャドウについて、金皿に粉末固形化粧料が形成された状態のサンプルを、50cmの高さから5回落下させ、下記基準にて評価した。
◎:化粧料にヒビ、ワレなどが見られない。
○:化粧料にわずかにヒビが見られる。
△:化粧料にハッキリとしたヒビが見られる。
×:化粧料にワレが見られた。
【0043】
以下、さらに本発明の粉末固形化粧料の実施例を示す。なお、実施例18〜20に示される粘度は25℃における値を示す。
【0044】
(実施例18)チークカラー
(成分) (配合割合(質量%))
1 メチルパラベン 0.3
2 マイカ 24
3 合成金雲母 20
4 セリサイト 16.3
5 ミリスチン酸亜鉛 1
6 タルク (平均粒子径25μm) 15
7 PMMA(メタクリル酸メチル) 5
8 赤色226号 0.2
9 ベンガラ 0.5
10 黄酸化鉄 1.5
11 黒酸化鉄 0.2
(粉末成分の合計 84.00)
12 リンゴ酸ジイソステアリル(粘度5500mPa・s) 5.5
13 メチルポリシロキサン(粘度300mPa・s) 3.5
14 パルミチン酸エチルヘキシル(粘度11mPa・s) 3.85
15 ペトロラタム(ワセリン) 3
16 セスキイソステアリン酸ソルビタン(ノニオン性活性剤) 0.1
17 トコフェロール 0.05
(油相成分の合計 16.00)
油相成分における、25℃における粘度が300〜3000mPa・sのメチルポリシロキサン及び25℃における粘度が500mPa・s以上の脂肪酸エステル系油の割合:56.25質量%。
【0045】
<製法>
1) 原料No.1〜11の粉末成分を秤量し、スーパーミキサーにて攪拌混合した。
2) 原料No.12〜17の油相成分を秤量し、約50℃にて溶融し、攪拌混合した。
3) 2)で得られた混合物を1)の混合物に添加し、スーパーミキサーにて混練した。
4) 3)で得られた混合物に溶剤(出光興産(株)社製、「IPソルベント620MU」)をスラリーにおける含有量が40質量%となる割合で添加し、混練し、スラリーの状態にした。
5) 4)で得られたスラリーを金皿に充填し、圧縮成型し、乾燥により溶剤を除去した。
【0046】
<評価>
得られたチークカラーのサンプルについて、上記と同様の評価を行ったところ、「しっとり感」、「取れ感」及び「伸び感」について「◎」の評価であり、「耐衝撃性」について「○」の評価であることが確認された。
【0047】
(実施例19)フェースパウダー
(成分) (配合割合(質量%))
1 メチルパラベン 0.3
2 シリコーン処理マイカ 20
3 シリコーン処理合成金雲母 20
4 シリコーン処理セリサイト 16.9
5 ステアリン酸アルミニウム 1.5
6 シリコーン処理タルク(平均粒子径25μm) 20
7 シリカ 5
8 シリコーン処理ベンガラ 0.1
9 シリコーン処理黄酸化鉄 0.2
10 シリコーン処理酸化チタン 3
(粉末成分の合計 87.00)
11 リンゴ酸ジイソステアリル(粘度5500mPa・s) 5
12 メチルポリシロキサン(粘度300mPa・s) 3
13 ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール(粘度12mPa・s)
1.85
14 ペトロラタム(ワセリン) 3
15 セスキイソステアリン酸ソルビタン(ノニオン性活性剤) 0.1
16 トコフェロール 0.05
(油相成分の合計 13.00)
油相成分における、25℃における粘度が300〜3000mPa・sのメチルポリシロキサン及び25℃における粘度が500mPa・s以上の脂肪酸エステル系油の割合:61.54質量%。
【0048】
<製法>
1) 原料No.1〜11の粉末成分を秤量し、スーパーミキサーにて攪拌混合した。
2) 原料No.12〜17の油相成分を秤量し、約50℃にて溶融し、攪拌混合した。
3) 2)で得られた混合物を1)の混合物に添加し、スーパーミキサーにて混練した。
4) 3)で得られた混合物に溶剤(出光興産(株)社製、「IPソルベント620MU」)をスラリーにおける含有量が40質量%となる割合で添加し、混練し、スラリーの状態にした。
5) 4)で得られたスラリーを金皿に充填し、圧縮成型し、乾燥により溶剤を除去した。
【0049】
<評価>
得られたフェースパウダーのサンプルについて、上記と同様の評価を行ったところ、「しっとり感」、「取れ感」「伸び感」及び「耐衝撃性」について「◎」の評価であることが確認された。
【0050】
(実施例20)チークカラー
(成分) (配合割合(質量%))
1 メチルパラベン 0.3
2 マイカ 30
3 合成金雲母 20
4 セリサイト 15.3
5 ミリスチン酸亜鉛 1
6 タルク (平均粒子径25μm) 15
7 PMMA(メタクリル酸メチル) 5
8 赤色226号 0.2
9 ベンガラ 0.5
10 黄酸化鉄 1.5
11 黒酸化鉄 0.2
(粉末成分の合計 89.00)
12 リンゴ酸ジイソステアリル(粘度5500mPa・s) 5
13 メチルポリシロキサン(粘度300mPa・s) 2
14 パルミチン酸エチルヘキシル(粘度11mPa・s) 2.35
15 ペトロラタム(ワセリン) 1.5
16 セスキイソステアリン酸ソルビタン(ノニオン性活性剤) 0.1
17 トコフェロール 0.05
(油相成分の合計 11.00)
油相成分における、25℃における粘度が300〜3000mPa・sのメチルポリシロキサン及び25℃における粘度が500mPa・s以上の脂肪酸エステル系油の割合:63.64質量%。
【0051】
<製法>
1) 原料No.1〜11の粉末成分を秤量し、スーパーミキサーにて攪拌混合した。
2) 原料No.12〜17の油相成分を秤量し、約50℃にて溶融し、攪拌混合した。
3) 2)で得られた混合物を1)の混合物に添加し、スーパーミキサーにて混練した。
4) 3)で得られた混合物を金皿に充填し、圧縮成型した。
【0052】
<評価>
得られたチークカラーのサンプルについて、上記と同様の評価を行ったところ、「しっとり感」及び「取れ感」について「◎」の評価であり、「伸び感」及び「耐衝撃性」について「○」の評価であることが確認された。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
油相成分10〜25質量%と、粉末成分75〜95質量%と、を含む粉末固形化粧料であって、
前記油相成分として、25℃における粘度が300〜3000mPa・sのメチルポリシロキサンを1〜10質量%及び25℃における粘度が500mPa・s以上の脂肪酸エステル系油を5〜15質量%含有し、前記粉末成分として、平均粒子径が15μm以上のタルクを5〜30質量%含有し、
前記油相成分における前記メチルポリシロキサン及び前記脂肪酸エステル系油の合計含有量が50質量%以上である、粉末固形化粧料。
【請求項2】
化粧料基剤と溶剤とを混合して得られるスラリーを容器に充填し、乾燥により前記溶剤を除去して得られる粉末固形化粧料であって、
前記化粧料基剤が、油相成分10〜25質量%と、粉末成分75〜95質量%と、を含み、前記油相成分として、25℃における粘度が300〜3000mPa・sのメチルポリシロキサンを1〜10質量%及び25℃における粘度が500mPa・s以上の脂肪酸エステル系油を5〜15質量%含有し、前記粉末成分として、平均粒子径が15μm以上のタルクを5〜30質量%含有し、前記油相成分における前記メチルポリシロキサン及び前記脂肪酸エステル系油の合計含有量が50質量%以上である、粉末固形化粧料。
【請求項3】
前記メチルポリシロキサンの25℃における粘度が300〜1000mPa・sである、請求項1又は2に記載の粉末固形化粧料。


【公開番号】特開2011−116685(P2011−116685A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274832(P2009−274832)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(591147339)株式会社トキワ (141)
【Fターム(参考)】