説明

粉末封入装置及び容器製造方法

【課題】容器への栓の装着などの処理を好適に行う。
【解決手段】粉末封入装置1000は、一端部251が開口し内部に粉末が充填されている容器(例えば組付体2)を収容した状態で密閉されるチャンバ401を有する。粉末封入装置1000は、更に、チャンバ401内及び容器内を脱気する脱気部と、チャンバ401内及び容器内に所定のガスを充填するガス充填部と、チャンバ401内で一端部251に栓40を嵌合させることにより装着する栓装着部450を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末封入装置及び容器製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器内に粉末を充填し、その容器内の空気を脱気した後、容器内にガスを充填し、更に、容器に栓を装着して該容器を気密封止するということについては、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−062077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、容器への栓の装着や、容器内への粉末の充填などの、各種の処理を実現するための具体的な手法(装置構成など)が明らかにされていない。
【0005】
そこで、本発明は、容器への栓の装着などの各種の処理を好適に行うことが可能な粉末封入装置、及び、容器製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一端部が開口し内部に粉末が充填されている容器を収容した状態で密閉されるチャンバと、
前記チャンバ内及び前記容器内を脱気する脱気部と、
前記チャンバ内及び前記容器内に所定のガスを充填するガス充填部と、
前記チャンバ内で前記一端部に栓を嵌合させることにより装着する栓装着部と、
を有することを特徴とする粉末封入装置を提供する。
【0007】
この粉末封入装置によれば、同一のチャンバ内で、容器内の脱気、容器内へのガスの充填、及び、容器への栓の装着を行うことができる。より具体的には、容器を収容した状態で密閉されるチャンバ内で、容器内の脱気と、容器内へのガスの充填と、容器の一端部への栓の装着と、の一連の処理を行うことができる。よって、容器内の不要な雰囲気(例えば酸素など)を極力低減した状態で、容器内にガス(例えば窒素ガスなど)を充填でき、且つ、その後でチャンバ内で栓を装着するので、粉末だけでなく充填したガスも容器に封入されるように栓を装着できる。
【0008】
また、本発明は、一端部が開口し内部に粉末が充填された容器をチャンバ内に収容し、前記チャンバを密閉する工程と、
前記チャンバ内及び前記容器内を脱気する工程と、
前記チャンバ内及び前記容器内に所定のガスを充填する工程と、
前記チャンバ内で前記一端部に栓を嵌合させることにより装着する工程と、
をこの順に行うことを特徴とする容器製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、容器への栓の装着などの処理を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】粉末封入装置のブロック図である。
【図2】粉末封入装置の栓装着装置のチャンバが密閉された状態を示す縦断面図である。
【図3】栓装着装置の分解正面図である。
【図4】栓装着装置のチャンバが大気開放された状態を示す縦断面図である。
【図5】栓装着装置に対する栓のセット動作を説明するための正面図である。
【図6】栓装着装置のブロック図である。
【図7】栓装着装置の正面図及び平面図である。
【図8】栓装着装置の動作を示すタイムチャートである。
【図9】粉末封入装置の粉末充填装置の縦断面図である。
【図10】粉末充填装置の攪拌部材を示す側面図である。
【図11】台座の断面図である。
【図12】台座の平面図である。
【図13】粉末の容器(組付体)を含むボトルキャップが装着されてなる飲料用ボトルの正面図である。
【図14】飲料用ボトルのボトルキャップ周辺の分解縦断面図である。
【図15】栓の縦断面図及び下面図である。
【図16】飲料用ボトルのボトルキャップ周辺の縦断面図である。
【図17】ボトルキャップが開栓した状態を示す縦断面図である。
【図18】粉末の容器(組付体)の正面図である。
【図19】粉末封入装置のリーク検査装置の模式的な正面図である。
【図20】粉末封入装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図21】栓装着装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図22】画像検査を説明するためのボトルキャップの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0012】
本実施形態に係る粉末封入装置1000(図1)について説明する前に、飲料用ボトル3の構成について図13乃至図17を参照して説明する。図13はボトルキャップ10が装着されてなる飲料用ボトル3の正面図である。図14は飲料用ボトル3のボトルキャップ周辺の分解縦断面図である。図15(a)は栓40の縦断面図、図15(b)は栓40の下面図である。図16は飲料用ボトル3のボトルキャップ周辺の縦断面図である。図17は飲料用ボトル3のボトルキャップ周辺の縦断面図であり、ボトルキャップ10が開栓した状態を示す。
【0013】
図13に示すように、飲料用ボトル3は、上端にボトル口部220が形成されているボトル本体210と、ボトル本体210のボトル口部220に装着されたボトルキャップ10とを有する。
ボトルキャップ10は、粉末1の容器(組付体2)と、この容器に装着された栓40と、を有する。
ボトル本体210は、例えば、いわゆるペットボトルの本体部であり、内部に清水などの飲料媒体が収容されている。
図13に示すように、ボトルキャップ10は、ボトル本体210の一端に形成されたボトル口部220に装着されて、該ボトル口部220を閉塞する。
【0014】
図14に示すように、ボトルキャップ10は、例えば、外筒部材(第1部材)30と、内筒部材(第2部材)20と、栓40と、を有している。
【0015】
外筒部材30は、ボトル口部220に装着される装着部36と、装着部36と一体形成された外筒部32と、を有している。外筒部32と装着部36とは二重筒構造をなし、装着部36は外筒部32の周囲に位置している。装着部36の一端(図14での上端)の内周側が外筒部32の外周面に対して環状に連結されることで、装着部36の一端は閉塞されている。装着部36の内周面には、ボトル口部220に形成された雄ネジ部222と螺合する雌ネジ部371と、ボトル口部220に形成されたラッチリング224と係合するラッチ部372と、が形成されている。雌ネジ部371を雄ネジ部222に対して巻き締めすることにより、外筒部材30はボトル本体210に装着される。雌ネジ部371を十分に巻き締めて、ラッチ部372がラッチリング224を乗り越えると、両者は互いに係合し、ボトル本体210に装着された外筒部材30の巻き弛みが規制される。ボトル口部220に外筒部材30が装着された状態で、外筒部32の内部空間は、ボトル本体210の内外を連通させる連通部を構成する。外筒部32の外周面には(図14における外筒部32の上部には)、内筒部材20が装着される雄ネジ部35が形成されている。外筒部32において、雄ネジ部35と装着部36との境界をなす首部301の外周面には、外筒部材30の軸周り方向をラッチ方向とするラッチ爪302が形成されている。
【0016】
内筒部材20は、外筒部32の一端33側から他端34側へ挿入されて、外筒部32を貫通する内筒部(挿入部)22と、内筒部22と一体形成された口蓋部23と、を有している。口蓋部23は、平板状の本体部23aと、この本体部23aの外周に一端が連結された筒状の外周部26と、を有する。内筒部22と、外周部26と、は二重筒構造をなし、外周部26が内筒部22の周囲に位置している。内筒部22の一端部251は開口端となっており、この開口端には、栓40が装着される。内筒部22の他端は本体部23aに連結され、内筒部22と外筒部32とは本体部23aを介して相互に連結されている。本体部23aは、内筒部22の他端と、外周部26の一端と、を閉塞している。口蓋部23は、外筒部材30において(外筒部材30がボトル本体210に装着された状態で)ボトル本体210の外部に位置する部分(具体的には雄ネジ部35)に装着されることで、外筒部32の一端33を閉塞するとともに、ボトル口部220も閉塞する。すなわち、口蓋部23は、ボトル本体210の口蓋を構成する。内筒部22の内部領域は、粉末1を収容する収容部24を構成する。口蓋部23の外周部26の内面には、外筒部32の雄ネジ部35と螺合する雌ネジ部28が形成されている。外周部26の外周面には開栓の際に指の掛かりを良くするための保持溝27が形成されている。内筒部材20には、口蓋部23が開栓されたことを確認するための環状のバンド部50が一体形成されている。バンド部50は、口蓋部23の外周部26の端縁261に対し、脆弱なブリッジ52を介して部分的に連結されている。バンド部50の内周面には、外筒部32の首部301の外周面に形成されたラッチ爪302と係合するラッチ爪54が形成されている。内筒部22の一端部251の外周面には、栓40と係合する環状突起25が形成されている。内筒部22は、外筒部32よりも長く形成され、内筒部材20の雌ネジ部28が外筒部材30の雄ネジ部35に完全に螺着されると、環状突起25は外筒部32より突出する。
【0017】
図15に示すように、栓40は、内筒部22の一端部251に圧入固定されるものであり、内筒部22の一端部251の開口内に押し込まれて開口を閉塞する蓋部42と、この蓋部42の周縁部に立設された外周壁44と、を有し、外周壁44と蓋部42との間には環状凹溝41が形成されている。蓋部42は、外周壁44とともに環状凹溝41を構成する内周壁421と、内周壁421の上部においてテーパー状に縮径するテーパー部422とからなる。蓋部42は、テーパー部422を有するので、蓋部42を内筒部22の一端部251に対して容易に圧入できる。外周壁44の内壁面には、外周壁44の内径を狭める方向に膨出する環状の膨出部47が形成されている。内筒部22の一端部251に蓋部42が押し込まれると、外周壁44と蓋部42との間(つまり環状凹溝41内)に内筒部22の一端部251が嵌入するとともに、内筒部22の環状突起25が膨出部47を乗り越えて該膨出部47と係合する。これにより、栓40は、適度な保持力で内筒部22の一端部251に装着される。栓40は、環状凹溝41内に形成された環状突起43を有し、この環状突起43が内筒部22の一端面に接することにより、栓40の気密性を高める構造となっている。更に、栓40は、外周壁44に形成された環状突起45を有し、この環状突起45が外筒部32の他端34の端面39に接することにより、栓40の気密性を高める構造となっている。
【0018】
内筒部22、口蓋部23の外周部26、外筒部32、装着部36はいずれも円筒状に形成されている。
内筒部材20、外筒部材30および栓40は、リサイクル性の観点から同種のポリマーを母材とするとよい。具体的には、内筒部材20、外筒部材30および栓40は、ポリプロピレン系などの熱可塑性硬質樹脂を主成分とし、射出成形にて作製される。
【0019】
図16に示すように、ボトルキャップ10は、内筒部材20の雌ネジ部28と外筒部材30の雄ネジ部35とを螺合させ、内筒部材20の収容部24内に粉末1を投入し、且つ、内筒部22の一端部251に栓40を装着することにより構成される。
【0020】
このようなボトルキャップ10を、予め飲料媒体(図示略)を収容したボトル本体210のボトル口部220に装着することにより、飲料用ボトル3が構成される。
【0021】
このような飲料用ボトル3の口蓋部23を開栓すると、すなわち、口蓋部23を外筒部材30に対して相対的に軸周りに回動させると、口蓋部23が外筒部材30に対して相対的に開方向に螺進することにより、栓40は外周壁44が外筒部材30の端面39に押下されて、図17に示すように内筒部22より脱離する。
これにより、図17に示すように粉末1が収容部24の外部へ放散され、粉末1と飲料媒体とが混合されることにより、飲料が得られる。なお、粉末1は、例えば、粉茶などである。
なお、口蓋部23の開栓の際に、バンド部50は、ラッチ爪302、54どうしの係合によって外筒部材30に対する回転が規制されるため、脆弱なブリッジ52が破断することにより口蓋部23と分離し、首部301に残置されるので、口蓋部23の開栓を容易に確認できる。
【0022】
図18は組付体2の正面図である。本実施形態では、内筒部材20と外筒部材30とを相互に螺合(巻き締め)して得られる構造物を組付体2という。なお、図18においては、図13、図14、図16、図17とは、内筒部材20及び外筒部材30の上下方向が反転している。
組付体2は、上述した内筒部22を有し、内筒部22内には、粉末1を収容する収容部24が形成されている。すなわち、組付体2は、粉末1の容器として機能する。
【0023】
以下、本実施形態に係る粉末封入装置1000について説明する。
【0024】
図1は本実施形態に係る粉末封入装置1000のブロック図である。
粉末封入装置1000は、例えば、内筒部材20と外筒部材30とを巻き締めて組付体2を作成する組付装置100と、組付体2の除塵を行うイオンエア除塵装置200と、組付体2の収容部24へ粉末1を充填する粉末充填装置300と、内筒部22に栓40を装着してボトルキャップ10を作成する栓装着装置400と、ボトルキャップ10の除塵を行うイオンエア除塵装置500と、ボトルキャップ10の収容部24の密封状態の検査を圧力検知により行うリーク検査装置600と、ボトルキャップ10の収容部24の密封状態の検査を画像認識により行う画像検査装置700と、粉末1の充填重量を検査する重量検査装置800と、を有している。
【0025】
図20は粉末封入装置1000が自動制御により行う一連の処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、組付装置100が、内筒部材20と外筒部材30とを巻き締めて組付体2を作成する(ステップS1)。
次に、組付体2は、後述する台座60上に搭載される(ステップS2)。
次に、イオンエア除塵装置200がイオンエアにより組付体2の除塵を行う(ステップS3)。
次に、粉末充填装置300が組付体2の収容部24内に所定重量の粉末1を充填する(ステップS4)。
次に、栓装着装置400が、収容部24内の脱気(ステップS5)と、収容部24内への所定のガス(例えば窒素ガス)の充填(ステップS6)と、収容部24への栓40の装着(ステップS7)と、を行うことによりボトルキャップ10を作成する。
次に、イオンエア除塵装置500がイオンエアによりボトルキャップ10の除塵を行う(ステップS8)。
次に、リーク検査装置600が圧力検知により収容部24の密封状態の検査を行う(ステップS9)。
次に、画像検査装置700が画像認識により収容部24の密封状態の検査を行う(ステップS10)。
次に、重量検査装置800が粉末1の充填重量の検査を行う(ステップS11)。
こうして、所定重量の粉末1が収容部24内に充填されたボトルキャップ10を作成することができる。
【0026】
以下、粉末封入装置1000についてより詳細に説明する。
【0027】
組付装置100は、内筒部材20と外筒部材30とをそれぞれ保持し、内筒部材20と外筒部材30との何れか一方を他方に対して回転させることにより、雄ネジ部35と雌ネジ部28とを螺合させる(巻き締めする)ことにより、図18に示す組付体2を作成する。
作成された組付体2は、引き続き、組付装置100により、図11に示すような台座60上に個別に搭載される。
組付体2は、内筒部22の一端部251の開口端が上向きとなるように、台座60に載置され、台座60上で位置決めされる。
【0028】
図11に示すように、台座60の上面には、組付体2を位置決めする凹部61が形成されている。凹部61は、導入部61aと、テーパー部61bと、位置決め部61cと、を上から順に有している。導入部61a及び位置決め部61cは、それぞれ円筒状に形成され、それぞれ平面視において円形である。導入部61aの内径は、組付体2の径よりも十分に大きく設定されている。位置決め部61cは、例えば、口蓋部23の外径と同じ内径を有し、組付体2を台座60に対して位置決めする。テーパー部61bは、その上端から下端に向けて徐々に縮径しており、導入部61a内に導入された組付体2の口蓋部23をスムーズに位置決め部61cへ案内する。テーパー部61bの上端の内径は、導入部61aの内径と等しく、テーパー部61bの下端の内径は、位置決め部61cの内径と等しい。
例えば、台座60の下部62は、台座60の上部63よりも平面寸法が小さい。
【0029】
組付体2を保持した台座60は、例えば、図12に示すように、コンベア70により各工程毎の装置間(例えば、イオンエア除塵装置200、粉末充填装置300、栓装着装置400、イオンエア除塵装置500、リーク検査装置600、画像検査装置700、重量検査装置800の各装置間)を搬送される。
【0030】
イオンエア除塵装置200は、組付体2に粉末1を充填する前の段階で、台座60がコンベア70上を搬送される際に、台座60上に保持された組付体2に付着しているパーティクル(例えば、内筒部材20及び外筒部材30を構成する樹脂のパーティクルなど)を組付体2から除去(除塵)する。
図1に示すように、イオンエア除塵装置200は、コンベア70上で搬送される組付体2に向けてプラスイオン(H)とマイナスイオン(O)とを含む空気(イオンエア)を吹き付ける吹付部(第2イオンエア供給部)210と、組付体2の周囲の雰囲気を吸引する吸引部280と、を有する。
吹付部270は、例えば、コンベア70の上方位置に、コンベア70による搬送方向に沿って複数設けられている。吸引部280は、例えば、各吹付部270の下流側に配置されている。つまり、例えば、コンベア70による搬送方向に沿って、吹付部270と吸引部280とが交互に配置されている。
各吹付部270は、例えば、イオンエアを常時吹き出しており、組付体2が各吹付部270の下を通過する際に、組付体2の内筒部22の上向きの開口より、収容部24に向けて、イオンエアが吹き付けられる。樹脂製の組付体2は帯電しやすいため、組付体2にはパーティクルが付着しやすい。例えば、組付体2がプラスに帯電している場合には、イオンエアに含まれるマイナスイオンにより、この帯電が相殺され、それまで組付体2に付着していたパーティクルが容易に組付体2と分離する。更に、このように組付体2から分離したパーティクルを含む雰囲気を吸引部280によって吸引することにより、組付体2へのパーティクルの再付着を抑制し、組付体2を清浄にすることができる。
【0031】
図1に示すように、粉末充填装置300は、収容部24に粉末1を充填する粉末充填部310と、イオンエア吹付部380と、を有する。
【0032】
図9は粉末充填装置300の粉末充填部310の縦断面図である。
図9に示すように、粉末充填部310は、粉末1を内部に貯留するタンク(貯留部)311を有する。このタンク311は、粉末1を外部に排出する排出口312を下端部に有している。タンク311は、例えば、本体部320と、本体部320の下端に着脱可能に設けられる先端部330と、を有している。
本体部320は、内部空間の横断面寸法が下方に向けて小さくなるように形成されている。
先端部330も、内部空間の横断面寸法が下方に向けて小さくなるように形成されている。具体的には、先端部330は、下方に向けてテーパー状に縮径する第1テーパー部331と、筒状の第1筒状部332と、下方に向けてテーパー状に縮径する第2テーパー部333と、筒状の第2筒状部334と、上からこの順に有している。
第1テーパー部331の上端の内径は、本体部320の下端の内径と等しく、第1テーパー部331の上端部が本体部320の下端に連結されている。
第1テーパー部331の下端の内径は、第1筒状部332の内径と等しい。
第2テーパー部333の上端の内径は、第1筒状部332の内径と等しい。
第2テーパー部333の下端の内径は、第2筒状部334の内径と等しい。
第2筒状部334の下端は開口し、排出口312を構成している。
このように、先端部330の内径が下方に向けて段階的に縮径していることにより、先端部330の内径とスクリュー340の外径との差が、下方に向けて徐々に小さくなっている。
【0033】
粉末充填部310は、更に、タンク311内に配置されたスクリュー340を有している。このスクリュー340は、図示しない回転駆動機構により軸周りに回転駆動されて、タンク311内の粉末1を排出口312を介してタンク311外に排出させる。
スクリュー340は、直線的な棒状に形成され上下方向に延在する第1棒状部341と、第1棒状部341よりも大径で、第1棒状部341と同軸上に位置する直線的な棒状の第2棒状部342と、第1棒状部341と同軸上に、第1棒状部341と第2棒状部342との間に位置し、第1棒状部341と第2棒状部342とを連結するテーパー状部343と、を有する。
第1棒状部341の外面には、螺旋状の突条部344が形成されている。
【0034】
スクリュー340が所定方向に回転駆動されることにより、先端部330内の粉末1は、突条部344により下方に押し込まれ、排出口312より下向きに排出される。
なお、スクリュー340のピッチ、すなわち突条部344のピッチは、狭いほど、排出量を高精度に設定でき、広いほど、排出速度を高めることができる。
【0035】
スクリュー340の先端は、排出口312内に位置し、排出口312の内径は、スクリュー340の先端の外径(スクリュー340の先端部の突条部344の外径)と略等しく設定されている。このため、スクリュー340の停止時には、排出口312から粉末1が落下してしまうことが抑制されるようになっている。
【0036】
スクリュー340の第2棒状部342は、図示しない回転駆動機構の回転軸と連結され、この回転軸の回転に伴い、スクリュー340も軸周りに回転する。スクリュー340が一定方向に所定量だけ回転することにより、タンク311内の粉末1を排出口312から所定量だけ排出し、組付体2の収容部24に充填することができる。
【0037】
粉末充填部310は、更に、タンク311内の粉末1を攪拌する攪拌部材350を有している。粉末充填装置300の回転駆動機構の回転軸は、攪拌部材350にも連結され、回転軸の回転駆動に伴い、攪拌部材350も回転軸と同方向に回転するようになっている。
攪拌部材350は、例えば、第2棒状部342の上部の周囲を覆う筒状部351と、この筒状部351の外周面に設けられた攪拌板状部352と、筒状部351の下端より下方に延出する攪拌片353と、を有している。
攪拌片353は、例えば、タンク311の本体部320の下部のテーパー形状に沿って延在し、スクリュー340と本体部320下部の内壁との間に位置する。この攪拌片353は、回転軸及び筒状部351の回転に伴い、スクリュー340の周囲を公転するように移動し、タンク311内の粉末1を攪拌する。これにより、タンク311内の粉末1の嵩密度を均一化する効果が得られる。
攪拌板状部352は、筒状部351の外周面に、例えば、複数個取り付けられ、筒状部351が回転するのに伴って移動する。図10に示すように、攪拌板状部352は、その下部が回転方向前側、上部が回転方向後側となるような角度で、筒状部351に固定されている。このため、攪拌板状部352は、筒状部351の周囲の粉末1を上に持ち上げるような攪拌動作を行う。この攪拌動作によっても、タンク311内の粉末1の嵩密度を均一化する効果が得られる。
【0038】
粉末充填装置300のイオンエア吹付部(イオンエア供給部)320は、排出口312の近傍にイオンエアを吹き付ける(供給する)。イオンエア吹付部380は、例えば、図9に矢印Aで示すように、タンク311の先端部330の外面(より具体的には、例えば、第2筒状部334の外面)に向けて、常時、プラスイオン(H)とマイナスイオン(O)とを含むイオンエアを吹き付ける。これにより、イオンエア除塵装置200による除塵と同様のメカニズムによって、タンク311の外面における排出口312の近傍の部位への粉末1などの付着を抑制できる。よって、例えば、組付体2における収容部24以外の部分への粉末1の落下を抑制することができ、粉末1による組付体2の汚染を抑制できる。また、タンク311の外面に付着した粉末1の、収容部24内への予期しない落下に起因して、粉末1の充填量がばらついてしまうことも抑制できるので、収容部24への粉末1の充填量を均一化できる。
【0039】
粉末充填装置300により組付体2の収容部24に規定量の粉末1を投入する動作は、例えば、以下のように行われる。なお、以下に説明するスクリュー340の回転動作(回転軸の回転動作)、移載装置の動作、ステージの動作は、粉末充填装置300の図示しない制御部の制御下で行われる。
イオンエア除塵装置200による除塵後の組付体2は、台座60上に保持されたままコンベア70により搬送されて、粉末充填装置300へ搬入される。粉末充填装置300は、図示しない移載装置とステージとを有し、このステージの上方には、タンク311の排出口312が配置されている。
コンベア70により搬送されてきた台座60は、先ず、移載装置によりステージ上に移載され、且つ、ステージ上の所定位置に位置決めされる。次に、ステージが上昇することにより、台座60上の組付体2の収容部24の開口へタンク311の排出口312が近接する。
この状態で、スクリュー340を所定量だけ回転駆動させることにより、タンク311内の粉末1が所定量だけ排出口312を介して収容部24内へ投入される。
その後、ステージが下降する。次に、台座60は、図示しない移載装置により、例えば、搬入用のコンベア70とは別の、搬出用のコンベア70へと移載される。そして、このコンベア70は、台座60を栓装着装置400へ向けて搬送する。
すなわち、一端部251が開口し内部に粉末1が充填されている容器としての組付体2を、個別に台座60上に保持した状態で、栓装着装置400へ搬送する。
なお、組付体2を栓装着装置400へ搬送する前に、組付体2を振動(例えば台座60とともに振動)させて、収容部24内の粉末1の嵩密度を高める(粉末1間の空気を減少させ、収容部24内の残存酸素量を低減させる(脱気する))ことも好ましい。
具体的には、例えば、コンベア70の搬送ガイド(進行方向の左右両側に位置し、台座60を搬送方向にガイドする部分)に振動装置(図示略)を取り付け、台座60を粉末充填装置300から栓装着装置400へ搬送する過程で、この振動装置によって、台座60ごと組付体2を振動させることが挙げられる。なお、この振動装置は、台座60の搬送方向に沿って、複数箇所(例えば3箇所)に設けることができる。このような加振による脱気の程度は、台座60及び組付体2を振動させながら移動させる時間の長さを調節することにより、調節することができる。
【0040】
次に、粉末封入装置1000(図1)の栓装着装置400について説明する。
【0041】
図2及び図4は栓装着装置400の一組の栓装着ユニット402及び台座支持ユニット470の縦断面図である。このうち図2はチャンバ401が密閉された状態で、且つ、栓40が組付体2の一端部251に装着される前の状態を示し、図4は栓40が組付体2に装着された後でチャンバ401が大気開放された状態を示す。図3は栓装着装置400の栓装着ユニット402の分解正面図である。図5は栓装着ユニット402に新しい栓40を装着する動作を説明するための正面図である。図6は栓装着装置400のブロック図である。図7(a)は栓装着装置400の正面図であり、複数の栓装着ユニット402及び複数の台座支持ユニット470が示されている。図7(b)は栓装着装置400の下部(下側回転ホルダ480)の平面図である。図8は栓装着装置400の動作を示すタイムチャートである。
【0042】
図21は栓装着装置400が行う一連の処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、台座60がステージ471(図2)上に配置される(ステップS21)。
次に、ステージ471の上昇が開始される(ステップS22)。
次に、台座60とチャンバ本体との気密が確保されることにより、チャンバ401が構成される(ステップS23)とともに、ステージ471の上昇が停止する(ステップS24)。
次に、チャンバ401内を脱気することにより、収容部24も脱気する(ステップS25)。
次に、チャンバ401内に所定のガス(例えば窒素ガス)を充填することにより、収容部24内にも所定のガスを充填する(ステップS26)。
次に、収容部24の一端部251に栓40を装着する(ステップS27)。
次に、チャンバ401内を大気圧に降圧する(ステップS28)。
次に、ステージ471の下降を開始し(ステップS29)、チャンバ401を大気開放する(ステップS30)。
次に、ステージ471の下降が停止する(ステップS31)。
【0043】
以下、栓装着装置400の構成及び動作をより詳細に説明する。
【0044】
図2及び図4に示すように、栓装着装置400は、一端部251が開口し内部に粉末1が充填されている組付体(容器)2を収容した状態で密閉されるチャンバ401を有する。
チャンバ401は、例えば、第1筒状部410と、第1筒状部410内に配置される第2筒状部420と、上記の台座60と、により構成される。すなわち、チャンバ401は、第1及び第2筒状部410、420により構成されるチャンバ本体と、組付体2の底部(飲料用ボトル3の状態では上端部となる部分)を保持及び位置決めし、シールリング411を介してチャンバ本体と密封される台座(容器台座部)60と、を含んで構成される。
【0045】
図2乃至図4に示すように、第1筒状部410は、軸方向が上下方向に延在する筒状に形成され、その下端面には、シールリング411が設けられている。
第2筒状部420も、軸方向が上下方向に延在する筒状に形成され、第1筒状部410内において第1筒状部410と同軸上に配置されている。第2筒状部420の外周面には、Oリング保持溝425が形成され、このOリング保持溝425には、Oリング426が嵌着されている。このOリング426により、第2筒状部420の外周面と第1筒状部410の内周面との気密が確保されている。
【0046】
栓装着装置400は、更に、組付体2の収容部24の一端部251と栓40とが相対する位置で、栓40を係脱自在に保持する栓保持部430を有している。栓保持部430は、例えば、第2筒状部420の下端部に取り付けられている。なお、栓保持部430、並びに、栓保持部430に保持された状態の栓40も、図2の状態ではチャンバ401内に密封状態で収容される。
【0047】
栓保持部430は、例えば、複数(例えば3つ)の栓保持部材431に分割された分割構造をなし、各分割部分である栓保持部材431は、第2筒状部420の下端部において、第2筒状部420の軸周りに等間隔(例えば120度間隔)に配置されている。
各栓保持部材431には、第2筒状部420に形成された係合凹部423に係合される係合突起432と、栓40を保持する栓保持突起433と、Oリング固定凹部434と、が形成されている。係合突起432及び栓保持突起433は、第2筒状部420の軸心側に向けて(内向きに)突出している。
ここで、係合突起432は、Oリング固定凹部434よりも上方に位置し、栓保持突起433は、Oリング固定凹部434よりも下方に位置する。
また、第2筒状部420の下端部において、Oリング固定凹部434と対応する上下位置には、Oリング固定凹部424(図3)が形成されている。
【0048】
各栓保持部材431の係合突起432を第2筒状部420の係合凹部423に嵌入させ、Oリング(栓保持部材シールリング)440をOリング固定凹部434及びOリング固定凹部424(図3)に嵌め込むことにより、各栓保持部材431がOリング440により結束されて、第2筒状部420の下端部に固定(装着)される。なお、この状態で、Oリング440の周方向において、隣り合うOリング固定凹部434どうしの間に位置する部分は、Oリング固定凹部424内に嵌入する。つまり、Oリング440は、第2筒状部420のOリング固定凹部424と、各栓保持部材431のOリング固定凹部434と、により構成される一連の環状の凹部に嵌着される。そして、Oリング440は、この一連の環状の凹部と、第1筒状部410の内周面と、の気密を確保する。つまり、Oリング440は、第2筒状部420及び複数の栓保持部材431と、第1筒状部410の内面と、の気密を保持する。
【0049】
ここで、第2筒状部420において、各栓保持部材431の栓保持突起433と対応する箇所は、それぞれ、栓保持突起433と干渉しないように切り欠かれており、各栓保持部材431が第2筒状部420の下端部に固定された状態で、各栓保持部材431の栓保持突起433は、第2筒状部420の下端部の内周よりも内側に突出している。
そして、これら栓保持突起433の協働により、図2に示すように栓40を保持できるようになっている。
【0050】
栓装着装置400は、更に、密封されたチャンバ401内で一端部251に栓40を装着する栓装着部450を有する。
栓装着部450は、第2筒状部420内に、第2筒状部420と同軸上に配置されている。
この栓装着部450は、例えば、直線状の棒状体451と、この棒状体451の下端に設けられた押込部452と、を有する。
棒状体451の外周面には、Oリング固定溝453が形成され、このOリング固定溝453には、Oリング454が嵌着されている。そして、このOリング454により、棒状体451と、第2筒状部420の内周と、の気密が確保されている。
押込部452は、例えば、棒状体451の径よりも大径の平板な形状に形成されている。例えば、押込部452の平面形状は円形である。
栓装着部450の棒状体451は、栓装着用シリンダ456(図6)に連結され、この栓装着用シリンダ456によって、栓装着部450が上下に移動されるようになっている。栓装着用シリンダ456は、栓装着装置400の制御部403(図6)の制御下で動作する。
棒状体451は、Oリング454を介して第2筒状部420との気密が維持されたままの状態で、第2筒状部420に対して相対的に上下動する(この上下動の際に、Oリング454は第2筒状部420の内周面に対して摺動する)。
棒状体451が栓装着用シリンダ456により下降されることによって、押込部452は、栓保持部430により保持されている栓40を、収容部24の一端部251へ近づく方向(下方)に押し込む。その結果、栓40は、栓保持部430から脱離する。
【0051】
ここで、栓保持部430の各栓保持部材431は、例えば、それぞれ金属により構成されている。
そして、栓装着部450が栓40を一端部251へ近づく方向に押し込むことにより、係合突起432と第2筒状部420の係合凹部423との係合が維持された状態のまま、各栓保持突起433が互いに離間する方向へと、複数の栓保持部材431がそれぞれ徐々に傾動する。この結果、栓40は、栓保持突起433から下方に離脱する。ここで、各栓保持突起433が互いに離間する方向へと、複数の栓保持部材431が傾動する際に、Oリング440は、複数の栓保持部材431により周囲に押し広げられて僅かに伸長する。この際の挙動は、テコの原理による挙動であり、係合突起432の先端部(係合突起432と係合凹部423との接触部)が支点、栓40と栓保持突起433との接触部が力点、Oリング固定凹部434とOリング440との接触部が作用点となる。この際、各栓保持部材431は、例えば、実質的に剛体として挙動する。
そして、押込部452により更に栓40を下方に押し込むことにより、栓40は、収容部24の一端部251に嵌合されて、装着される。
ここで、栓保持突起433が互いに離間する方向へと、複数の栓保持部材431が徐々に傾動することにより、栓保持突起433から栓40が急激に脱落してしまうことが抑制され、栓40と一端部251との接触時の衝撃、栓40が栓保持突起433から離脱する際の衝撃、並びに、栓40が一端部251に嵌合する際の衝撃が緩和される。すなわち、栓40は一端部251に対してソフトに接触するため、収容部24内の粉末1が舞い上がってしまうことが抑制される。
また、栓保持突起433から栓40が離脱する前の段階で、栓40の一部分(例えば蓋部42)が収容部24により(例えば収容部24の内周により)支持され始める動作となるように、栓保持部430と収容部24との位置関係、及び、栓保持部430と第2筒状部420の内周とのクリアランスが設定されていることも好ましい。このようにすることにより、栓40が栓保持突起433から離脱する際の衝撃、並びに、栓40が一端部251に嵌合する際の衝撃が一層緩和される。
なお、係合突起432が係合凹部423に係合した状態において、係合突起432と係合凹部423の内面との間には、このような栓保持部材431の傾動を許容させるクリアランスが存在する。すなわち、例えば、図2に示すように、係合突起432の下面と係合凹部423の底部との間にクリアランスが存在する。
ここで、栓装着部450が栓40を一端部251へ近づく方向に押し込むことにより、栓保持突起433が下方に弾性変形するようにしても良い。そして、栓装着部450が栓40を一端部251へ近づく方向に押し込む際に、複数の栓保持部材431がOリング固定凹部434において屈曲し、各栓保持部材431の下部(Oリング固定凹部434よりも下の部分)が徐々に傾動するようになっていても良い。
【0052】
また、押込部452の下面には、栓40の外面に形成された凹部49(図15(a))に嵌入される凸部455(図3、図4)が形成されている。
ここで、栓保持部430は、栓40を緩く保持しており、複数の栓保持部材431の間において、栓40は、栓装着部450の移動方向と交差する方向において(例えば水平面内において)移動可能となっている。
そして、栓装着部450が収容部24の一端部251へ近づく方向に移動する際に、凸部455が凹部49に嵌入することにより、栓40を栓装着部450の移動方向と交差する方向において(例えば水平面内において)一端部251に対して位置合わせするようになっている。
【0053】
なお、チャンバ401において、一端部251を収容する空間は、図2の状態において、第1筒状部410、第2筒状部420、Oリング426、Oリング454、栓装着部450、シールリング411及び台座60により密閉され、気密状態となる。
【0054】
栓装着装置400は、チャンバ401内及び組付体2の収容部24内を脱気できるように構成されている。
すなわち、第1筒状部410において、Oリング440の配置領域よりも下、且つ、シールリング411よりも上の部分の側壁には、排気口412が形成されている。この排気口412は、図示しない排気配管を介して、排気ポンプ413(図6)に接続されている。また、この排気配管には排気バルブ414(図6)が設けられている。この排気バルブ414を開くと、排気配管及び排気口412を介して、排気ポンプ413とチャンバ401の内部空間とが連通する。この連通状態で排気ポンプ413を稼働させることで、チャンバ401内を脱気できるようになっている。
このように、排気ポンプ413、排気配管、排気バルブ414、排気口412などにより、チャンバ401内及び組付体2の収容部24内を脱気する脱気部が構成されている。
なお、制御部403は、排気ポンプ413及び排気バルブ414の動作制御を行う。
【0055】
栓装着装置400は、チャンバ401内及び組付体2の収容部24内に所定のガスを充填できるように構成されている。所定のガスは、例えば、窒素ガス或いは希ガスなどの不活性ガス(具体的には、例えば、窒素ガス)である。
すなわち、第1筒状部410において、Oリング440の配置領域よりも下、且つ、シールリング411よりも上の部分の側壁には、ガス導入口415が形成されている。このガス導入口415は、図示しないガス導入配管を介して、窒素ガスタンク416(図6)に接続されている。また、このガス導入配管には、図示しない減圧弁とガス供給バルブ417(図6)とが設けられている。ガス供給バルブ417を開くと、ガス導入配管及びガス導入口415を介して、窒素ガスタンク416とチャンバ401の内部空間とが連通し、減圧弁により減圧された窒素ガスがチャンバ401内に導入されるようになっている。
このように、窒素ガスタンク416、ガス導入配管、ガス供給バルブ417、ガス導入口415などにより、チャンバ401内及び組付体2の収容部24内に所定のガスを充填するガス充填部が構成されている。
なお、制御部403は、ガス供給バルブ417の動作制御を行う。
【0056】
図5に示すように、栓装着装置400は、更に、栓保持部430に栓40をセットする栓セット部460を有する。この栓セット部460は、栓40を上面にて支持する栓支持部461を有している。
栓保持部430の栓40を収容部24の一端部251に装着することにより、栓保持部430の栓40が無くなった後で、栓セット部460が第2筒状部420の下方より栓40を上昇させて、栓保持部430に新しい栓40を補充する。この補充の際には、栓セット部460が栓40を上昇させることにより、複数の栓保持突起433が互いに離間する方向へと、複数の栓保持部材431が徐々に傾動する結果、栓40は、栓保持突起433の上方の空間に押し込まれ、複数の栓保持突起433により栓40が保持された状態となる。
栓セット部460の昇降動作は、例えば、栓セット用シリンダ462(図6)により行う。
なお、制御部403は、栓セット用シリンダ462の動作制御を行う。
【0057】
図2及び図4に示すように、栓装着装置400は、台座60を支持するステージ471と、このステージ471を上端部で支持する支持棒472と、ステージ471上の所定位置に台座60を位置決めする位置決めアーム473と、を有している。
ステージ471は平板状に形成され、水平に配置されている。
コンベア70によって栓装着装置400に搬入された台座60は、図示しない移載装置によってステージ471上に供給され、且つ、位置決めアーム473により位置決めされる。位置決めアーム473は、例えば、平面形状が弧状に形成され、台座60の下部62の側面を位置決めする。
【0058】
以上の構成のうち、ステージ471、支持棒472、及び位置決めアーム473により、台座支持ユニット470が構成される。
また、一組の第1及び第2筒状部410、420、栓装着部450、栓保持部430、およびそれらの気密を確保するためのOリングなどにより、栓装着ユニット402が構成される。
【0059】
例えば、図7(a)に示すように、栓装着装置400は、複数(例えば16個)の台座支持ユニット470を保持し、且つ、これら台座支持ユニット470とともに水平面内で回転する下側回転ホルダ480と、下側回転ホルダ480の上方において台座支持ユニット470と同数の栓装着ユニット402を保持し、且つ、これら栓装着ユニット402とともに水平面内で回転する上側回転ホルダ490と、を有する。
更に、図6に示すように、栓装着装置400は、下側回転ホルダ480を回転駆動させる下側ホルダ回転モータ481と、上側回転ホルダ490を回転駆動させる上側ホルダ回転モータ491と、を有する。
なお、制御部403は、下側ホルダ回転モータ481及び上側ホルダ回転モータ491の動作制御を行う。また、制御部403は、下側回転ホルダ480及び上側回転ホルダ490の回転位相を認識するようになっている。
【0060】
図7(b)に示すように、下側回転ホルダ480は、例えば、平面形状が円形に形成され、下側回転ホルダ480の周縁部に、各台座支持ユニット470が等間隔で設けられている。
図7(a)に示すように、各台座支持ユニット470の支持棒472は、下側回転ホルダ480の上面より上方に出没可能となるように、下側回転ホルダ480により保持されている。各支持棒472の下端は、下側回転ホルダ480内に配置されたカム部材482の上面により支持されている。ここで、カム部材482は、下側回転ホルダ480とは独立して固定的に設けられ、下側回転ホルダ480の回転動作に伴って移動はしない。カム部材482の上面における図7(a)の手前側の部分は、回転方向に向けて上り坂となるような傾斜形状に形成されており、下側回転ホルダ480の回転方向に各支持棒472が移動すると、図7(a)に示すように、回転方向における前側に位置する支持棒472から順に、カム部材482の傾斜に従って上昇するようになっている。同様に、カム部材482の上面における図7(a)の奥側の部分は、回転方向に向けて下り坂となる傾斜形状に形成されており、下側回転ホルダ480の回転方向に各支持棒472が移動すると、回転方向における前側に位置する支持棒472から順に、カム部材482の傾斜に従って下降するようになっている。このように、各支持棒472、ひいては、支持棒472を含む各台座支持ユニット470は、あたかも回転木馬のように列をなして周回しながら昇降を繰り返す。
【0061】
一方、各栓装着ユニット402の第1筒状部410は、例えば水平に配置された円盤状の上側回転ホルダ490と連結部492(図2)を介して連結されている。
各栓装着ユニット402は、上側回転ホルダ490の外周に、等間隔に設けられている。
【0062】
ここで、平面視において、上側回転ホルダ490の中心と、下側回転ホルダ480の中心とは一致し、それぞれその中心周りに水平面内で回転する。
また、各台座支持ユニット470の直上の位置にそれぞれ1つずつの栓装着ユニット402が位置するように、各台座支持ユニット470及び各栓装着ユニット402が配置され、且つ、上側回転ホルダ490及び下側回転ホルダ480の回転位相と回転速度が設定される。すなわち、上側回転ホルダ490及び下側回転ホルダ480は互いに同期して回転し、常に、各台座支持ユニット470の直上の位置にそれぞれ1つずつの栓装着ユニット402が位置するようになっている。
【0063】
前工程の粉末充填装置300からコンベア70により搬送されてきた台座60は、図7に矢印Bで示されるように、最低位置に下降している台座支持ユニット470上に移載された後、台座支持ユニット470の周回に伴って周回しつつ、台座支持ユニット470の上昇に伴って上昇する。そして、台座60が上昇しきった位置において、台座60の上面60aが栓装着ユニット402の第1筒状部410の下端のシールリング411に密着されて、台座60、第1及び第2筒状部410、420により密閉状態のチャンバ401が構成される。すなわち、カム部材482は、台座60の上面60aが栓装着ユニット402の下端のシールリング411に密着する位置で台座支持ユニット470の上昇が停止するような形状に形成されている。
台座60、第1及び第2筒状部410、420により密閉状態のチャンバ401が構成されている状態において、台座60上に保持されている組付体2(一端部251が開口し内部に粉末1が充填されている容器)は、チャンバ401内に密封状態で収容される。なお、チャンバ401内に組付体2を密封する前の段階で、予め、栓保持部430に栓40がセットされている。
その後、栓装着ユニット402と台座60とが一体的に、且つ、互いに同期して周回する過程で、すなわち、台座支持ユニット470が最高位置に位置して周回する過程で、栓装着装置400は、チャンバ401内及び組付体2の収容部24内を脱気する工程と、チャンバ401内及び収容部24内に所定のガスを充填する工程と、チャンバ401内で一端部251に栓40を装着することによりボトルキャップ10を作成する工程と、チャンバ401内を大気圧に降圧する工程と、をこの順に行う。
その後、台座支持ユニット470が下降することにより、図4に示すように、栓装着ユニット402と台座60とが分離し、チャンバ401からボトルキャップ10が取り出される。そして、台座支持ユニット470が再び最低位置まで下降し、図7(b)に矢印Cで示されるように台座60がコンベア上に移載される。そして、台座60及び台座60上のボトルキャップ10は、コンベアにより、後工程のイオンエア除塵装置500に向けて搬送される。
なお、台座支持ユニット470が最低位置に位置して周回する過程で、栓セット部460により新しい栓40が栓保持部430に補充される。
【0064】
栓装着装置400は、例えば、図6の排気ポンプ413、排気バルブ414、ガス供給バルブ417、栓装着用シリンダ456、栓セット用シリンダ462及び圧力センサ404を、各栓装着ユニット402毎に有している。すなわち、栓装着装置400は、例えば、これらを16組有している。
【0065】
次に、図8を参照して、組付体2が栓装着装置400に搬入されてから、ボトルキャップ10が栓装着装置400から搬出されるまでの動作を説明する。
【0066】
先ず、初期段階では、チャンバ401は大気開放されており、第1及び第2筒状部410、420内は大気圧である。
その後、台座60が上昇して、密閉状態のチャンバ401が構成されたタイミングT1より、チャンバ401内の脱気が開始される。ここで、タイミングT1は、下側回転ホルダ480及び上側回転ホルダ490の回転位相に基づいて決定される。すなわち、下側回転ホルダ480及び上側回転ホルダ490の回転位相が所定の回転いそうとなったタイミングで、チャンバ401内の脱気が開始される。この脱気は、チャンバ401内が所定の減圧圧力(例えば、0.5atm)となったタイミングT2で終了する。このため、栓装着装置400は、チャンバ401内の圧力を検出する圧力センサ(圧力検出部)404(図6)を有している。圧力センサ404による検出値は制御部403に入力され、制御部403は、この検出値を監視する。そして、脱気の開始後に、この検出値が上記の所定の減圧圧力となった場合に、制御部403は、脱気を終了させる。
【0067】
次に、チャンバ401内への窒素ガスの充填が開始される。この窒素ガス充填は、チャンバ401内が所定のガス充填圧力(例えば、2atm)となったタイミングT3で終了する。すなわち、制御部403は、窒素ガスの充填開始後に、圧力センサ404による検出値が上記の所定のガス充填圧力となった場合に、窒素ガスの充填を終了させる。
【0068】
次に、チャンバ401内で栓装着部450によって一端部251に栓40を装着することによりボトルキャップ10を作成する。なお、栓40の装着を終えたタイミングT4から所定時間の間は、待機時間とし、引き続き、チャンバ401内は上記のガス充填圧力に保持される。
【0069】
次に、上記待機時間の満了後に、チャンバ401内の圧力を大気圧まで降圧する。その後、カム部材482の下り坂に従って、台座支持ユニット470、それに支持された台座60及び台座60上のボトルキャップ10が下降する。その後、台座60及びその上のボトルキャップ10が栓装着装置400から搬出される。
【0070】
ここで、例えば、Oリング426、453、或いはシールリング411の亀裂などにより、チャンバ401を所定の減圧圧力(例えば、上述のように0.5atm)まで減圧できない場合、栓装着ユニット402は、その後の窒素ガス充填動作、及び、栓40の装着動作を行わない。このため、栓40が装着されていない組付体2及びその台座60が、栓装着装置400から搬出される。ここで、栓装着装置400の不良品投入部405(図6)は、制御部403の制御下で、栓40が装着されていない組付体2を保持している台座60を、不良品用のコンベアへ投入する。
同様に、チャンバ401を所定の充填圧力(例えば、上述のように2atm)にできない場合、栓装着ユニット402は、その後の栓40の装着動作を行わない。このため、栓40が装着されていない組付体2及びその台座60が、栓装着装置400から搬出される。そして、不良品投入部405は、制御部403の制御下で、栓40が装着されていない組付体2を保持している台座60を、不良品用のコンベアへ投入する。
このため、良品の搬送用のコンベアには、栓40が装着されたボトルキャップ10及びその台座60が搬出され、このコンベアにより、次工程のイオンエア除塵装置500へ向けて搬送される。
【0071】
イオンエア除塵装置500は、組付体2に栓40を装着してボトルキャップ10を作成した後の段階で、台座60がコンベア70上を搬送される際に、台座60上に保持されたボトルキャップ10に付着しているパーティクルをボトルキャップ10から除去(除塵)する。
図1に示すように、イオンエア除塵装置500は、イオンエア除塵装置200の吹付部270と同様の吹付部(第3イオンエア供給部)510と、ボトルキャップ10の周囲の雰囲気を吸引する吸引部520と、を有する。
吹付部510は、例えば、コンベア70の上方位置に、コンベア70による搬送方向に沿って複数設けられている。吸引部520は、例えば、各吹付部510の下流側に配置されている。つまり、例えば、コンベア70による搬送方向に沿って、吹付部510と吸引部520とが交互に配置されている。
各吹付部510は、例えば、イオンエアを常時吹き出しており、ボトルキャップ10が各吹付部510の下を通過する際に、ボトルキャップ10及び台座60に向けて、イオンエアが吹き付けられる。樹脂製のボトルキャップ10は帯電しやすいため、樹脂製のボトルキャップ10にはパーティクルが付着しやすい。例えば、ボトルキャップ10がプラスに帯電している場合には、イオンエアに含まれるマイナスイオンにより、この帯電が相殺され、それまでボトルキャップ10に付着していたパーティクルが容易にボトルキャップ10と分離する。更に、このようにボトルキャップ10から分離したパーティクルを含む雰囲気を吸引部520によって吸引することにより、ボトルキャップ10へのパーティクルの再付着を抑制し、ボトルキャップ10を清浄にすることができる。このため、仮に、ボトルキャップ10に粉末1が僅かに付着していても、この粉末を好適に除去することができる。
【0072】
図19又は図1に示すように、リーク検査装置600は、ボトルキャップ10の内筒部22の一端部及び栓40を密封状態で収容する検出用収容部610と、検出用収容部610内に負圧を発生させる負圧発生部としてのポンプ620と、検出用収容部610内の圧力を検出する圧力センサ630と、圧力センサ630による検出結果に基づいて内筒部22の密封状態を判定する圧力判定部640と、圧力判定部640により内筒部22の密封状態が不良と判定されたボトルキャップ10を後工程へ流さずに、不良品用のコンベアに投入する不良品投入部650と、検出用収容部610の下方に設けられた昇降ステージ670と、図示しない移載装置と、を有する。
【0073】
イオンエア除塵装置500による除塵後のボトルキャップ10は、引き続き台座60上に保持された状態で、コンベア70によりリーク検査装置600に搬送される。リーク検査装置600の移載装置は、搬送されてきた台座60を昇降ステージ670上に移載する。ここで、台座60は、昇降ステージ670の上面中央に位置決めされる。
昇降ステージ670は、ボトルキャップ10を保持した台座60を支持して昇降する。ここで、昇降ステージ670の上に位置する検出用収容部610には、下向きに開口する中空部611が形成されており、昇降ステージ670により上昇されたボトルキャップ10の内筒部22の一端部及び栓40は中空部611内に入り込む。また、検出用収容部610の下端面には、図示しないシールリングが設けられており、このシールリングが、例えば、ボトルキャップ10の外筒部材30の装着部36の一端(図19での上端)に密着する。これにより、ボトルキャップ10の内筒部22の一端部及び栓40は、中空部611内に密封状態で収容された状態となる。
次に、ポンプ620により中空部611の脱気を行い、中空部611内に負圧を発生させる。例えば、ポンプ620は、中空部611内を0.5atm程度まで減圧したところで停止する。次に、圧力判定部640は、中空部611内に設けられた圧力センサ630による検出結果に基づいて、内筒部22の密封状態(内筒部22に栓40が正常に装着されているか否か)を判定する。ここで、圧力センサ630による検出結果が経時変化する(時間経過に伴い圧力が上昇する)場合、圧力判定部640は、内筒部22の密封状態が異常である(内筒部22に栓40が正常に装着されていない)と判定する。一方、圧力センサ630による検出結果が経時変化しない場合、圧力判定部640は、内筒部22の密封状態が正常である(内筒部22に栓40が正常に装着されている)と判定する。
その後、昇降ステージ670が下降することにより、ボトルキャップ10の内筒部22の一端部及び栓40が検出用収容部610の外に出る。
移載装置は、内筒部22の密封状態が正常であると圧力判定部640により判定されたボトルキャップ10及びその台座60を、リーク検査装置600から画像検査装置700へと台座60を搬送するコンベア70に移載する。
また、不良品投入部650は、内筒部22の密封状態が異常であると圧力判定部640により判定されたボトルキャップ10及びその台座60を、不良品用のコンベアへ投入する。
このため、内筒部22の密封状態が正常であると圧力判定部640により判定されたボトルキャップ10及びその台座60だけが、リーク検査装置600から画像検査装置700へと搬送され、異常と判定されたボトルキャップ10及びその台座60については画像検査装置700には搬送されない。
【0074】
画像検査装置700は、ボトルキャップ10を撮像する撮像部(例えば、2つの撮像部710、720)と、これら撮像部710、720により撮像された画像のそれぞれに基づいて、組付体2と栓40との相対位置関係を検出し、その検出結果に応じてボトルキャップ10における栓40の装着状態を判定する画像判定部730と、装着状態が不良であると判定されたボトルキャップ10を良品用のコンベア70から不良品用のコンベアへ投入する不良品投入部740と、を有する。
【0075】
撮像部710は、720は、それぞれ水平方向を向き、且つ、撮像部710の撮像方向と撮像部720の撮像方向とは互いに交差している。画像判定部730は、撮像部710、720により撮像された画像のそれぞれについて、図22に示す高さh1、h2、h3を認識する。高さh1は栓40の上端の左端Lから装着部36の上端までの高低差であり、高さh2は栓40の上端の左端Rから装着部36の上端までの高低差であり、高さh3は栓40の上端から装着部36の上端Uまでの距離である。更に、画像判定部730は、高さh1とh2とが等しいかどうか、並びに、高さh3が所定の寸法であるかどうかを判定する。そして、画像判定部730は、撮像部710により得られた画像において高さh1とh2とが等しくない場合、撮像部710により得られた画像において高さh3が所定の寸法でない場合、撮像部720により得られた画像において高さh1とh2とが等しくない場合、並びに、撮像部720により得られた画像において高さh3が所定の寸法でない場合、栓40の装着状態が不良であると判定する。不良品投入部740は、画像判定部730により栓40の装着状態が不良であると判定されたボトルキャップ10を不良品用のコンベアへ投入する。また、画像判定部730は、撮像部710、720により得られた画像のそれぞれにおいて、高さh1とh2とが等しく、且つ、高さh3が所定の寸法であるボトルキャップ10については、栓40の装着状態が良好であると判定する。そして、良品用のコンベア70は、画像判定部730により栓40の装着状態が良好であると判定されたボトルキャップ10のみを次工程の重量検査装置800へ搬送する。
【0076】
重量検査装置800は、重量計測部810と、重量判定部820と、不良品投入部830と、移載装置840と、を有する。
移載装置840は、前工程から搬送されてきたボトルキャップ10を台座60上からボトルキャップ10の重量計測用のコンベアに移載する。重量計測部810は、このコンベア上を搬送されるボトルキャップ10の重量を計測する。重量判定部820は、重量計測部810による計測結果が所定の基準内であるか否かを判定する。不良品投入部830は、重量が基準外であると判定されたボトルキャップ10を不良品用のコンベアへ投入する。よって、重量が基準内のボトルキャップ10のみが次工程に搬送される。
こうして、所定量の粉末1が充填された収容部24が栓40により密封されたボトルキャップ10が得られる。
【0077】
その後、所定の液体が充填されたボトル本体210にボトルキャップ10を装着することにより、飲料用ボトル3を製造することができる。
【0078】
以上のような実施形態によれば、粉末封入装置1000の栓装着装置400は、一端部251が開口し内部に粉末1が充填されている容器(組付体2)を密封状態で収容するチャンバ401と、チャンバ401内及び容器内を脱気する脱気部と、チャンバ401内及び容器内に所定のガスを充填するガス充填部と、チャンバ401内で一端部251に栓40を嵌合させることにより装着する栓装着部450と、を有するので、同一のチャンバ401内で、容器内の脱気、容器内へのガスの充填、及び、容器への栓40の装着を行うことができる。より具体的には、容器を密封状態で収容したチャンバ401内で、容器内の脱気と、容器内へのガスの充填と、容器の一端部251への栓40の装着と、の一連の処理を行うことができる。よって、容器内の不要な雰囲気(例えば酸素など)を極力低減した状態で、容器内にガス(例えば窒素ガスなど)を充填でき、且つ、その後で密封状態のチャンバ401内で栓40を装着するので、粉末1だけでなく充填したガスも容器に封入されるように栓40を装着できる。
【0079】
より具体的には、栓装着装置400は、チャンバ401内の圧力を検出する圧力センサ404と、脱気部、ガス充填部及び栓装着部450の動作制御を行う制御部403と、を有し、制御部403は、チャンバ401が密封されると、脱気部に脱気を開始させ、圧力センサ404によりチャンバ401内が所定の圧力に減圧されたことが検出されると、ガス充填部にガスの充填を開始させ、圧力センサ404によりチャンバ401内が所定の圧力となるまでガスが充填されたことが検出されると、栓装着部450に栓40の装着を行わせるので、容器内の脱気とガスの充填とを確実に行ってから、栓40を装着することができる。
【0080】
また、一端部251と栓40とが相対する位置で、栓40を係脱自在に保持する栓保持部430を有し、栓装着部450は、一端部251へ近づく方向に栓40を押し込むことにより、栓40を栓保持部430から脱離させ、且つ、一端部251に装着する。これにより、栓40を適切に一端部251に装着することができる。
【0081】
また、栓装着部450には、栓40の外面に形成された凹部49に嵌入する凸部455が形成され、栓装着部450が一端部251へ近づく方向に移動する際に、凸部455が凹部49に嵌入することにより、栓40を栓装着部450の移動方向と交差する方向において一端部251に対して位置合わせするので、栓40を一端部251に対して位置合わせしながら、栓40を一端部に適切に装着することができる。
【0082】
また、粉末封入装置1000の粉末充填装置300は、チャンバ401内に収容される前の容器に粉末1を充填する粉末充填部310を有し、粉末充填部310は、粉末1を外部に排出する排出口312を有し粉末1を内部に貯留するタンク311と、タンク311内に配置され、回転駆動されることによりタンク311内の粉末1を排出口312を介して外部に排出させるスクリュー340と、を有するので、スクリュー340の回転制御を行うことによって、所定量の粉末1を高精度に排出し、容器に充填することができる。
【0083】
また、スクリュー340の先端は、排出口312内に位置し、排出口312の内径は、スクリュー340の先端の外径と略等しいので、スクリュー340の停止時に、排出口312から粉末1が落下してしまうことを抑制できる。
【0084】
また、粉末充填装置300は、スクリュー340と一体的に動作し、タンク311内の粉末1を攪拌する攪拌部材350を有するので、タンク311内の粉末1の嵩密度を均一化でき、所定量の粉末1を高精度に排出しやすくなる。
【0085】
また、粉末充填装置300は、排出口312にイオンエアを供給するイオンエア吹付部380を有するので、粉末1による組付体2の汚染を抑制できるとともに、粉末1の充填量がばらついてしまうことも抑制できる。
【0086】
また、粉末封入装置1000は、粉末充填部310により粉末1が充填される前の容器にイオンエアを供給する吹付部270を有するので、粉末充填部310により粉末1が充填される前の容器を清浄にすることができる。
【0087】
また、粉末封入装置1000は、栓40が装着された後の容器(ボトルキャップ10)にイオンエアを供給する吹付部510を有するので、栓40が装着された後の容器を清浄にすることができる。
【0088】
また、粉末封入装置1000のリーク検査装置600は、栓40が装着された後の容器の一端部251及び栓40を密封状態で収容する検出用収容部610と、検出用収容部610内に負圧を発生させるポンプ620と、検出用収容部610内の圧力変化を検出する圧力センサ630と、圧力センサ630による検出結果に基づいて、容器の密封状態を判定する圧力判定部640と、を有するので、圧力検知により、栓40により容器が確実に密封されているか否かを判定することができる。
【0089】
また、粉末封入装置1000の画像検査装置700は、栓40が装着された後の容器を撮像する撮像部710、720と、撮像部710、720により撮像された画像に基づいて、容器と栓40との相対位置関係を検出し、その検出結果に応じて容器の密封状態を判定する画像判定部730と、を有するので、画像認識により、栓40により容器が確実に密封されているか否かを判定することができる。
【0090】
また、組付体2又はボトルキャップ10を台座60上に保持した状態で搬送するので、組付体2又はボトルキャップ10の摩耗等の損傷を極力抑制できる。しかも、複数の工程間に亘って共通の台座60を用いることができるため、製造工程のロスを極力低減することができる。
【0091】
なお、容器は、例えば、ボトル本体210のボトル口部220に装着される外筒部材30と、栓40が装着される一端部251を有し、外筒部材30に装着される内筒部材20と、を有し、外筒部材30は、当該外筒部材30がボトル口部220に装着された状態でボトル本体210の内外を連通させる外筒部32を有し、内筒部材20は、外筒部32の一端側から他端側へ貫通するように外筒部32内に挿入される内筒部22と、内筒部22の一端に形成され、外筒部材30においてボトル本体210の外部に位置する部分に装着されることで、外筒部32の一端を閉塞してボトル本体210の口蓋を構成する口蓋部23と、内筒部22内に設けられ粉末1を収容する収容部24と、を有し、内筒部22の他端は、栓40が装着される一端部251であり、内筒部材20を外筒部材30に装着し、且つ、栓40を一端部251に装着した状態から、内筒部材20を栓40から遠ざかる方向へ外筒部材30に対して移動させることにより、栓40が外筒部32の他端により移動規制されて内筒部材20から脱離し、一端部251が開放する。
【符号の説明】
【0092】
1 粉末
2 組付体
3 飲料用ボトル
10 ボトルキャップ
20 内筒部材
22 内筒部
23 口蓋部
23a 本体部
24 収容部
25 環状突起
26 外周部
27 保持溝
28 雌ネジ部
30 外筒部材
32 外筒部
33 一端
34 他端
35 雄ネジ部
36 装着部
39 端面
40 栓
41 環状凹溝
42 蓋部
43 環状突起
44 外周壁
45 環状突起
47 膨出部
49 凹部
50 バンド部
52 ブリッジ
54 ラッチ爪
60 台座
60a 上面
61 凹部
61a 導入部
61b テーパー部
61c 位置決め部
62 下部
63 上部
70 コンベア
100 組付装置
200 イオンエア除塵装置
210 ボトル本体
220 ボトル口部
222 雄ネジ部
224 ラッチリング
251 一端部
261 端縁
270 吹付部
280 吸引部
300 粉末充填装置
301 首部
302 ラッチ爪
310 粉末充填部
311 タンク
312 排出口
320 本体部
330 先端部
331 第1テーパー部
332 第1筒状部
333 第2テーパー部
334 第2筒状部
340 スクリュー
341 第1棒状部
342 第2棒状部
343 テーパー状部
344 突条部
350 攪拌部材
351 筒状部
352 攪拌板状部
353 攪拌片
371 雌ネジ部
372 ラッチ部
380 イオンエア吹付部
400 栓装着装置
401 チャンバ
402 栓装着ユニット
403 制御部
404 圧力センサ
405 不良品投入部
410 第1筒状部
411 シールリング
412 排気口
413 排気ポンプ
414 排気バルブ
415 ガス導入口
416 窒素ガスタンク
417 ガス供給バルブ
420 第2筒状部
421 内周壁
422 テーパー部
423 嵌入凹部
424 リング固定凹部
425 リング保持溝
426 Oリング
430 栓保持部
431 栓保持部材
432 嵌入凸部
433 栓受部
434 リング固定凹部
440 Oリング
450 栓装着部
451 棒状体
452 押込部
453 リング固定溝
454 Oリング
455 凸部
456 栓装着用シリンダ
460 栓セット部
461 栓支持部
462 栓セット用シリンダ
470 台座支持ユニット
471 ステージ
472 支持棒
473 位置決めアーム
480 下側回転ホルダ
481 下側ホルダ回転モータ
482 カム部材
490 上側回転ホルダ
491 上側ホルダ回転モータ
492 連結部
500 イオンエア除塵装置
510 吹付部
520 吸引部
600 リーク検査装置
610 検出用収容部
611 中空部
620 ポンプ
630 圧力センサ
640 圧力判定部
650 不良品投入部
670 昇降ステージ
700 画像検査装置
710 撮像部
720 撮像部
730 画像判定部
740 不良品投入部
800 重量検査装置
810 重量計測部
820 重量判定部
830 不良品投入部
840 移載装置
1000 粉末封入装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部が開口し内部に粉末が充填されている容器を収容した状態で密閉されるチャンバと、
前記チャンバ内及び前記容器内を脱気する脱気部と、
前記チャンバ内及び前記容器内に所定のガスを充填するガス充填部と、
前記チャンバ内で前記一端部に栓を嵌合させることにより装着する栓装着部と、
を有することを特徴とする粉末封入装置。
【請求項2】
前記一端部と前記栓とが相対する位置で、前記栓を係脱自在に保持する栓保持部を更に有し、
前記栓装着部は、前記一端部へ近づく方向に前記栓を押し込むことにより、前記栓を前記栓保持部から脱離させ、且つ、前記一端部に装着することを特徴とする請求項1に記載の粉末封入装置。
【請求項3】
前記チャンバは、
第1筒状部と、第1筒状部内に配置される第2筒状部と、を有し、
前記栓装着部は、前記第2筒状部内に配置され、
前記栓保持部は、
前記栓を係脱自在に保持する複数の栓保持部材を有し、
当該粉末封入装置は、更に、前記複数の前記栓保持部材を結束して前記第2筒状部に装着し、且つ、前記第2筒状部及び前記複数の前記栓保持部材と、前記第1筒状部の内面と、の気密を保持する栓保持部材シールリングを有し、
前記栓保持部材は、
前記栓保持部材において前記栓保持部材シールリングにより結束される部分よりも上方に位置し、前記第2筒状部に係合する係合突起と、
前記栓保持部材において前記栓保持部材シールリングにより結束される部分よりも下方に位置し、前記栓を保持する栓保持突起と、
を有し、
前記栓装着部が前記一端部へ近づく方向に前記栓を押し込むことにより、前記係合突起と前記第2筒状部との係合が維持された状態で、前記栓保持突起が互いに離間する方向へ前記複数の栓保持部材が傾動し、前記栓が前記栓保持突起から脱離することを特徴とする請求項2に記載の粉末封入装置。
【請求項4】
前記栓装着部には、前記栓の外面に形成された凹部に嵌入する凸部が形成され、
前記栓装着部が前記一端部へ近づく方向に移動する際に、前記凸部が前記凹部に嵌入することにより、前記栓を前記栓装着部の移動方向と交差する方向において前記一端部に対して位置合わせすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の粉末封入装置。
【請求項5】
前記チャンバは、
チャンバ本体と、
前記容器の底部を保持及び位置決めし、シールリングを介して前記チャンバ本体と密封される容器台座部と、
を含んで構成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の粉末封入装置。
【請求項6】
前記チャンバ内の圧力を検出する圧力検出部と、
前記脱気部、前記ガス充填部及び前記栓装着部の動作制御を行う制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記チャンバが密封されると、前記脱気部に前記脱気を開始させ、
前記圧力検出部により前記チャンバ内が所定の圧力に減圧されたことが検出されると、前記ガス充填部に前記ガスの充填を開始させ、
前記圧力検出部により前記チャンバ内が所定の圧力となるまで前記ガスが充填されたことが検出されると、前記栓装着部に前記栓の装着を行わせることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の粉末封入装置。
【請求項7】
前記チャンバ内に収容される前の前記容器に前記粉末を充填する粉末充填部を有し、
前記粉末充填部は、
前記粉末を外部に排出する排出口を有し、前記粉末を内部に貯留する貯留部と、
前記貯留部内に配置され、回転駆動されることにより前記貯留部内の前記粉末を前記排出口を介して外部に排出させるスクリューと、
を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の粉末封入装置。
【請求項8】
前記スクリューの先端は、前記排出口内に位置し、
前記排出口の内径は、前記スクリューの先端の外径と略等しいことを特徴とする請求項7に記載の粉末封入装置。
【請求項9】
前記スクリューと一体的に動作し、前記貯留部内の前記粉末を攪拌する攪拌部材を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の粉末封入装置。
【請求項10】
前記排出口にイオンエアを供給するイオンエア供給部を更に有することを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の粉末封入装置。
【請求項11】
前記粉末充填部により前記粉末が充填される前の前記容器にイオンエアを供給する第2イオンエア供給部を更に有することを特徴とする請求項7乃至10の何れか一項に記載の粉末封入装置。
【請求項12】
前記栓が装着された後の前記容器にイオンエアを供給する第3イオンエア供給部を更に有することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の粉末封入装置。
【請求項13】
前記栓が装着された後の前記容器の前記一端部及び前記栓を密封状態で収容する検出用収容部と、
前記検出用収容部内に負圧を発生させる負圧発生部と、
前記検出用収容部内の圧力変化を検出する圧力変化検出部と、
前記圧力変化検出部による検出結果に基づいて、前記容器の密封状態を判定する圧力判定部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の粉末封入装置。
【請求項14】
前記栓が装着された後の前記容器を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された画像に基づいて、前記容器と前記栓との相対位置関係を検出し、その検出結果に応じて前記容器への前記栓の装着状態を判定する画像判定部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の粉末封入装置。
【請求項15】
前記容器は、
ボトルの口部に装着される第1部材と、
前記栓が装着される前記一端部を有し、前記第1部材に装着される第2部材と、
を有し、
前記第1部材は、
当該第1部分が前記口部に装着された状態で前記ボトルの内外を連通させる連通部を有し、
前記第2部分は、
前記連通部の一端側から他端側へ貫通するように前記連通部内に挿入される挿入部と、
前記挿入部の一端に形成され、前記第1部材において前記ボトルの外部に位置する部分に装着されることで、前記連通部の一端を閉塞して前記ボトルの口蓋を構成する口蓋部と、
前記挿入部内に設けられ前記粉末を収容する収容部と、
を有し、
前記挿入部の他端は、前記栓が装着される前記一端部であり、
前記第2部材を前記第1部材に装着し、且つ、前記栓を前記一端部に装着した状態から、前記第2部材を前記栓から遠ざかる方向へ前記第1部材に対して移動させることにより、前記一端部が開放することを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の粉末封入装置。
【請求項16】
一端部が開口し内部に粉末が充填された容器をチャンバ内に収容し、前記チャンバを密閉する工程と、
前記チャンバ内及び前記容器内を脱気する工程と、
前記チャンバ内及び前記容器内に所定のガスを充填する工程と、
前記チャンバ内で前記一端部に栓を嵌合させることにより装着する工程と、
をこの順に行うことを特徴とする容器製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−232770(P2012−232770A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101884(P2011−101884)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(507013062)株式会社フレッシュ (8)
【Fターム(参考)】