説明

粒子及びその製造方法、並びに、トナー及びこれを用いた画像形成方法

【課題】 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかにより、樹脂微粒子の表面に樹脂被覆層が形成されてなり、帯電性に優れ、特にトナーなどとして好適な粒子及び該粒子の製造方法、並びに、該粒子の製造方法により製造されたトナー及び該トナーを用い、高画質化が可能な画像形成方法も提供。
【解決手段】 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて樹脂微粒子の表面に環状構造を有するオレフィン系共重合体を含有する樹脂被覆層を形成する樹脂被覆層形成工程を少なくとも含んでなり、前記オレフィン系共重合体のガラス転移温度が60〜180℃であり、かつ数平均分子量が1,000〜120,000である粒子の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられるトナーなどとして好適な粒子及びその製造方法、並びに、トナー及びこれを用いた画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置などの画像形成装置においては、感光性材料を含む感光体を帯電及び露光することによって、感光体に静電荷潜像を形成する工程、トナーを含む現像剤によってその静電荷潜像を現像して可視画像を形成する工程、現像剤によって構成される可視画像を紙などの記録材に転写する工程、転写された可視画像を加熱や加圧などの手段によって記録材に定着させる工程、並びに感光体の表面に残留した現像剤を除去する工程を通じて、記録体に画像が形成される。また、トナージェット(トナー飛翔記録)を用いる画像形成装置においては、トナーを帯電させる工程、開口電極に印加する電場を制御することによって、帯電したトナーをその開口電極の開口を通じて紙などの記録材へ向かって飛翔させて、記録材にトナー像を形成する工程、記録材に付着したトナーを加熱や加圧などの手段によって定着させる工程を通じて、記録体に画像が形成される。
【0003】
このような画像形成装置においては、トナー及びトナーを含む現像剤は、画像形成剤として用いられている。なお、トナーを含む現像剤は、トナーを含む一成分現像剤並びにトナー及びキャリアを含む二成分現像剤を含む。また、トナーは、結着樹脂、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤、流動性付与剤、無機微粒子、樹脂微粒子などを含む樹脂粒子である。代表的なトナーの製造方法としては、溶融混練粉砕法、及び(懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法などを含む)液体溶媒中での重合法が主流である。
【0004】
更に、近年では、省エネルギーを向上させると共に環境に対する影響が少ないトナーの製造方法が要求されている。このようなトナーの製造方法に対して、RESS(Rapid Expansion of Supercritical Solution;超臨界流体の急速膨張)法を用いる粒子の製造方法が注目されている。RESS法では、超界流体に可溶な物質を超臨界流体に溶解させ、その物質が溶解した超臨界流体を急速膨張させて、超臨界流体におけるその物質の溶解度を低下させ、その物質からなる微粒子を生成させることができる。
【0005】
例えば、トナー中の着色剤の含有量を増加させつつ、その分散性を維持し、少量のトナーで所望の画像品位を達成できると共に、省エネルギー化も達成できるトナーの製造方法として、結着樹脂成分を、超臨界流体中あるいは亜臨界流体中にて溶解して、着色剤成分と混合し、上記超臨界流体中あるいは亜臨界流体中における結着樹脂成分の溶解度を低下せしめて、上記結着樹脂成分を、結着樹脂成分の内部に着色剤成分を分散させながら粒子状に析出させるトナーの製造方法が提案されている(特許文献1参照)。また、前記特許文献1には、結着樹脂成分と、着色剤成分とを有する母核トナー粒子のための表面改質材成分を、超臨界流体中あるいは亜臨界流体中にて溶解して、上記母核トナー粒子と混合し、上記超臨界流体中あるいは亜臨界流体中における表面改質材成分の溶解度を低下させて、上記表面改質材成分を、上記母核トナー粒子の表面に析出させるトナーの製造方法も開示されている。前記特許文献1のトナーの製造方法においては、超臨界流体中あるいは亜臨界流体中における結着樹脂成分の溶解度の低下は、急速膨張、貧溶媒導入、界面活性剤導入の何れかの方法による。
【0006】
しかしながら、前記特許文献1のように、超臨界流体中あるいは亜臨界流体中における結着樹脂成分の溶解度を、急速膨張、貧溶媒導入、及び界面活性剤導入の何れかの方法によって低下させると、析出するトナー粒子の間における相互の凝集及び合着が容易に起こるため、トナー粒子の粒子形状、粒子径、及び粒径分布を制御することが困難であり、不均一な形状のトナー粒子、大粒径であるトナー粒子の凝集体、粒径分布の広いトナーが形成されてしまうという問題がある。
【0007】
一方、環境に悪影響を及ぼさずに、高分子固体原料、特に粉体塗料原料を、安定的に微粒子化する方法として、高分子固体原料を、二酸化炭素及び極性有機溶媒を用いて超臨界相に溶解させ、急速膨張させる高分子微粒子の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
前記特許文献2によれば、極性有機溶媒が、微粒子化した高分子を溶解することがないため、高分子微粒子の凝集及び合着を抑制することができる可能性があるが、高分子微粒子の表面に極性有機溶媒が残留してしまう。このため、得られる高分子微粒子を乾燥させて、極性有機溶媒を高分子微粒子から除去する必要がある。
【0008】
【特許文献1】特開2001−312098号公報
【特許文献2】特開平8−113652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかにより、樹脂微粒子の表面に電気的に優れた特性を持つ樹脂被覆層が形成されてなり、帯電性に優れ、特にトナーなどとして好適な粒子及び該粒子の製造方法、並びに、該粒子を含むトナー及び該トナーを用い、高画質化が可能な画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて樹脂微粒子の表面に環状構造を有するオレフィン系共重合体を含有する樹脂被覆層を形成する樹脂被覆層形成工程を少なくとも含み、
前記オレフィン系共重合体のガラス転移温度が60〜180℃であり、かつ数平均分子量が1,000〜120,000であることを特徴とする粒子の製造方法である。
<2> 樹脂被覆層が、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかと、樹脂微粒子と、ガラス転移温度が60〜180℃であり、かつ数平均分子量が1,000〜120,000である環状構造を有するオレフィン系共重合体とを接触させて形成される前記<1>に記載の粒子の製造方法である。
<3> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、樹脂微粒子を溶解させることなく、環状構造を有するオレフィン系共重合体を溶解可能である前記<1>から<2>のいずれかに記載の粒子の製造方法である。
<4> 樹脂被覆層の形成が、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに溶解されている環状構造を有するオレフィン共重合体を析出させることにより行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載の粒子の製造方法である。
<5> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、単体及び混合物のいずれかである前記<1>から<4>のいずれかに記載の粒子の製造方法である。
<6> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、少なくとも二酸化炭素を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の粒子の製造方法である。
<7> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、エントレーナーを含む前記<1>から<6>のいずれかに記載の粒子の製造方法である。
<8> エントレーナーの含有量が、0.1〜10質量%である前記<7>に記載の粒子の製造方法である。
<9> エントレーナーが、極性有機溶媒である前記<7>から<8>のいずれかに記載の粒子の製造方法である。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の粒子の製造方法により製造されることを特徴とする粒子である。
<11> 前記<10>に記載の粒子を含むことを特徴とするトナーである。
<12> 前記<11>に記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器である。
<13> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<11>に記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
<14> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を前記<11>に記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<15> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<11>に記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
【0011】
本発明の粒子の製造方法は、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて樹脂微粒子の表面に環状構造を有するオレフィン系共重合体を含有する樹脂被覆層を形成する樹脂被覆層形成工程を少なくとも含み、前記オレフィン系共重合体のガラス転移温度が60〜180℃であり、かつ数平均分子量が1,000〜120,000である。該本発明の粒子の製造方法によれば、樹脂微粒子の表面を被覆する樹脂被覆層が、転移温度が60〜180℃であり、かつ数平均分子量が1,000〜120,000である環状構造を有するオレフィン系共重合体から形成されているので、電気的に優れた特性を持つ粒子を容易に効率よく製造することができる。
【0012】
本発明の粒子は、本発明の前記粒子の製造方法により製造されるので、電気的に優れた特性を有する樹脂被覆層を有し、特にトナーとして好適である。
【0013】
本発明のトナーは、本発明の前記粒子の製造方法により製造される粒子を含むので、帯電性能及び表面性状などに優れる。
【0014】
本発明の現像剤においては、本発明の前記トナーを含むので、前記現像剤を用いて電子写真法により画像形成を行うと、帯電性能に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
【0015】
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナーが収容されてなるので、該トナー入り容器に収容されたトナーを用いて電子写真法により画像形成を行うと、帯電性能等に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
【0016】
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を本発明の前記トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する。その結果、画像形成装置に着脱可能であり、利便性に優れ、また、前記本発明のトナーを用いているので、帯電性能等に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
【0017】
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を本発明の前記トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する。該本発明の画像形成装置においては、前記静電潜像形成手段が、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する。前記現像手段が、該静電潜像を本発明の前記トナーを用いて現像して可視像を形成する。前記転写手段が、前記可視像を記録媒体に転写する。前記定着手段が、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる。その結果、帯電性能等に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
【0018】
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を本発明の前記トナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む。該本発明の画像形成方法においては、前記静電潜像形成工程において、静電潜像担持体上に静電潜像が形成される。前記現像工程において、前記静電潜像が前記本発明のトナーを用いて現像され、可視像が形成される。前記転写工程において、前記可視像が記録媒体に転写される。前記定着工程において、前記記録媒体に転写された転写像が定着される。その結果、帯電性能等に優れ、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかにより、樹脂微粒子の表面に電気的に優れた特性を有する樹脂被覆層が形成されているので、帯電性に優れ、特にトナーなどとして好適な粒子及び該粒子の製造方法、並びに、該粒子を含むトナー及び該トナーを用い、高画質化が可能な画像形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(粒子及び粒子の製造方法)
本発明の粒子の製造方法は、樹脂被覆層形成工程を少なくとも含み、樹脂微粒子の製造工程、更に必要に応じて、適宜選択したその他の工程を含む。
本発明の粒子は、本発明の前記粒子の製造方法により得られる。
以下、本発明の粒子の製造方法の説明を通じて、本発明の粒子の詳細についても明らかにする。
【0021】
<樹脂微粒子の製造工程>
前記樹脂微粒子の製造工程は、前記樹脂微粒子を製造する工程である。なお、本発明においては、前記「樹脂微粒子」とは、樹脂微粒子そのものは勿論、樹脂微粒子に着色剤、帯電制御剤、離型剤、などを含んでいても構わない。
【0022】
前記樹脂微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粉砕法、重合法により得られる樹脂微粒子などが挙げられる。該重合法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、懸濁法、乳化法、分散法などが挙げられる。
また前記トナーは、前記粉砕法、重合法の他、マイクロカプセル化法(スプレードライ法、コアセルベーション法等)などにより製造されてもよい。
前記樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0023】
前記粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂を含む材料を溶融及び混練し、粉砕、分級等することにより、前記樹脂微粒子を製造する方法である。なお、該粉砕法の場合、前記樹脂微粒子の平均円形度を上げる目的で、得られた樹脂微粒子に対し、機械的衝撃力を与えて形状を制御してもよい。この場合、前記機械的衝撃力は、例えば、ハイブリタイザー、メカノフュージョンなどの装置を用いて前記樹脂微粒子に付与することができる。
【0024】
前記重合法による樹脂微粒子としては、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
また、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、分散重合等によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合樹脂、熱硬化性樹脂、などで形成された樹脂微粒子は粒径分布がシャープであり好適である。これらの中でも、分散重合で得られた樹脂微粒子は、更に粒径がシャープであるため、好適である。また、トナーに低温定着性を付与するなら、ポリエステル系樹脂やポリオール系樹脂からなる樹脂微粒子を選択することができる。つまり、狙いとする樹脂微粒子の設計に併せて樹脂選択を行うことができる。
【0025】
ここで、前記分散重合法について具体的に説明する。
まず、親水性有機液体に、該親水性有機液体に溶解する高分子化合物分散剤を加え、これに該親水性液体には溶解するが、生成する重合体は該親水性液体には膨潤されるかほとんど溶解しない。これに1種又は2種以上のビニルモノマーを加えて粒子を形成する。あらかじめ、目的の粒子径よりは小さいが粒度分布の狭い重合体を利用して上述の系にて成長させる反応も含まれる。成長反応に利用するモノマーは種粒子を製造したものと同じモノマーでもまた、別のモノマーでもよいが、重合体は親水性有機液体に溶解してはならない。このような方法により得られた重合体分散液は、次の樹脂被覆層形成工程において、そのまま使用することができ、製造工程の簡素化に寄与する。
【0026】
前記親水性有機液体としては、用いられるビニルモノマーを溶解して、得られた樹脂微粒子(重合体粒子)は溶解しない液体が用いられる。前記液体としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール類などが挙げられる。これらの有機液体は一種もしくは二種以上の混合物を用いることができる。なお、アルコール類、及びエーテルアルコール類以外の有機液体で上述のアルコール類、及びエーテルアルコール類と併用することで、有機液体の生成重合体粒子に対して溶解性を持たせない条件下で種々SP値を変化させ、重合条件を変え生成される粒子の大きさ及び粒子同士の合一及び新粒子の発生を抑制することが可能である。
前記有機液体としては、例えば、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;四塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ等のケトン類;ギ酸ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セルソルブアセテート等のエステル類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの酸類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン等の硫黄、窒素含有有機化合物類;水、などが挙げられる。
前記親水性有機液体を主体とした溶媒にSO2−、NO-、PO43-、Cl-、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、その他の無機質イオンが存在した状態で重合を行ってもよい。また、重合開始時と重合途中、重合末期とそれぞれ混合溶媒の種類及び組成を変化させ生成する重合体粒子の平均粒子径、粒子径分布、乾燥条件などを調節することができる。
【0027】
前記高分子化合物分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、又は無水マレイン酸等の酸類;アクリル系単量体;ビニルアルコール、又はビニルアルコールのエーテル類;ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、又はこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;複素環を有する化合物;等の各種単量体のホモポリマー、又はこれらの共重合体;ポリオキシエチレン系樹脂、セルロース類、などが挙げられる。
【0028】
前記高分子化合物分散剤は、使用する親水性有機液体、目的とする重合体粒子の種及び種粒子の製造か成長粒子の製造により適宜選択されるが、特に重合体粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で重合体粒子表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有機液体への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。また、立体的に粒子同士の反発を高めるために、分子鎖がある程度の長さのもの、特に分子量が1万以上のものが好適である。しかし、あまり分子量が高いと、液粘度の上昇が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重合体の粒子表面への析出確率のばらつきを与えるため注意を要する。また、先に挙げた高分子化合物分散剤の単量体を一部目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存させておくことも安定化には効果がある。
【0029】
一般に、種粒子製造時の高分子化合物分散剤の使用量は目的とする重合体粒子形成用の単量体の種類によって異なるが、前記親水性有機液体に対し、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。前記高分子化合物分散剤の濃度が低い場合には生成する重合体粒子は比較的大径のものが得られ、濃度の高い場合には小粒子が得られるが、10質量%を超えて用いても小径化への効果は少ない。
【0030】
また、これら高分子化合物分散剤と併用して無機化合物微粉体、界面活性剤を用いても、生成重合体粒子の安定化及び粒子径分布の改良を更に高めることができるが、成長反応の際に粒子同士の合一を防ぐ目的で添加するビニルモノマー溶液や種粒子分散液に、これら材料を存在させて重合を行ってもよい。初期に生成する粒子は親水性有機液体中と重合体粒子表面に平衡を保った分配された高分子分散剤によって安定化されるが、未反応のビニルモノマーが親水性有機液体中にかなり存在する場合はいくぶん膨潤され粘着性を持ち、高分子分散安定剤の立体的反発力にうち勝って凝集してしまう。
【0031】
更に極端に親水性有機液体に対してモノマーの量が多い場合は、生成する重合体が完全に溶解してしまう重合がある程度進行しないと析出してこない。この場合の析出の状態は粘着性の高い塊状物を形成する様式をとる。したがって樹脂微粒子を製造する時のモノマーの親水性有機液体に対する量は、特に制限はなく、親水性有機液体の種類によって多少異なるが、100質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
【0032】
前記重合開始剤としては、使用される溶媒に可溶の通常のラジカル開始剤が使用される。前記重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤;ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオクトエート、過硫酸カリウム等のような過酸化物系重合開始剤、あるいはこれにチオ硫酸ナトリウム、アミン等を併用した系などが用いられている。
前記重合開始剤の添加量は、ビニルモノマー100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。重合は親水性有機液体に高分子分散剤を完全に溶解した後、1種又は2種以上のビニルモノマー、重合開始剤等を添加し、反応槽内の流れが均一になるような速度で撹拌しながら、用いた重合開始剤の分散速度に対応した温度に加熱して行う。なお、重合初期の温度が生成する粒子径に大きな影響を与えるため、単量体を添加した後に温度を重合温度まで上げ、重合開始剤を少量の溶媒に溶かして投入した方が好ましい。
【0033】
前記重合の際には、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性気体にて反応容器の空気中酸素を充分に追い出すことが好ましい。もし、酸素パージが不充分であると微粒子が発生し易くなることがある。
【0034】
前記重合を高重合率域で行うには、5〜40時間の重合時間が好ましい。所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合を停止させたり、また、重合開始剤を順次添加したり、高圧下で反応を行うことにより重合速度を速めることができる。
【0035】
また、樹脂微粒子の平均分子量を調節することを目的として連鎖移動定数の大きな化合物を共存させて重合を行ってもよい。該連鎖移動定数の大きな化合物としては、例えば、メルカプト基を持つ低分子化合物、四塩化炭素、四臭化炭素、などが挙げられる。
前記樹脂微粒子の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,000以上が好ましく、2,000〜10,000,000がより好ましく、3,000〜1,000,000が更に好ましい。前記重量平均分子量が1,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
【0036】
前記樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30〜70℃が好ましく、40〜65℃がより好ましい。前記ガラス転移温度(Tg)が、30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
前記樹脂微粒子の体積平均粒径としては、3〜12μmが好ましく、4〜8μmがより好ましい。
【0037】
前記樹脂微粒子は、特にトナーの母体粒子として用いる場合には、着色剤、帯電制御剤、離型剤、その他の成分を含有することが好ましい。
【0038】
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、などが挙げられる。これらの中でも、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、ストロンチウム、ホウ素、ケイ素、ニッケル、鉄、クロム、ジルコニウムなどが挙げられる。
【0039】
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、などが挙げられる。
【0040】
前記帯電制御剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂微粒子100質量部に対し0.5〜5質量部が好ましく、1〜3質量部がより好ましい。該添加量が、0.5質量部未満であると、トナーの帯電特性の悪化が見られることがあり、5質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
【0041】
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、などが好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、低分子量ポリオレフィンワックス、合成炭化水素系ワックス、天然ワックス類、石油ワックス類、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、これらの各種変性ワックスなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオレフィンワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記合成炭化水素ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックスが挙げられる。
前記天然ワックス類としては、例えば、蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックスなどが挙げられる。
前記石油ワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。
前記高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸などが挙げられる。
【0042】
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある他、定着機への紙の巻き付きなどが発生することがある。
【0043】
前記離型剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂微粒子100質量部に対し1〜20質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましい。
【0044】
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0045】
前記染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.SOLVENT YELLOW(6,9,17,31,35,100,102,103,105)、C.I.SOLVENT ORANGE(2,7,13,14,66)、C.I.SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143.145,146,149,150,151,157,158)、C.I.SOLVENT VIOLET(31,32,33,37)、C.I.SOLVENT BLUE(22,63,78,83〜86,191,194,195,104)、C.I.SOLVENT GREEN(24,25)、C.I.SOLVENT BROWN(3,9)などが挙げられる。
また、市販染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保土ケ谷化学社製の愛染SOT染料Yellow−1,3,4、Orange−1,2,3、Scarlet−1、Red−1,2,3、Brown−2、Blue−1,2、Violet−1、Green−1,2,3、Black−1,4,6,8;BASF社製のSudan染料Yellow−146,150、Orange−220、Red−290,380,460、Blue−670;三菱化成社製のダイアレジンYellow−3G,F,H2G,HG,HC,HL、Orange−HS,G、Red−GG,S,HS,A,K,H5B、Violet−D、Blue−J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−C、Brown−A;オリエント化学工業社製のオイルカラーYEllow−3G,GG−S,#105、Orange−PS,PR,#201、Scarlet−#308,Red−5B,Brown−GR,#416、Green−BG、#502、Blue−BOS、IIN、Black−HBB,#803,EB,EX;住友化学工業社製のスミプラストブルーGP,OR、レッドFB,3B、イエローFL7G,GC;日本化薬社製のカヤロンポリエステルブラックEX−SF300、カヤセットRed−B、ブルーA−2R、等を使用することができる。
【0046】
前記着色剤の添加量は、特に制限はなく、着色度に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂微粒子100質量部に対し1〜50質量部が好ましい。
【0047】
前記その他の成分である流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記樹脂微粒子に添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
【0048】
また、前記樹脂粒子に、上記帯電制御剤、離型剤、着色剤などの添加剤を含有させる方法としては、樹脂粒子と各種添加剤を混合した後に混練する方法、後述する樹脂被覆層形成工程と同様に超臨界流体及び亜臨界流体のいずれかを用いる方法、などが挙げられ、樹脂粒子と各種添加剤を混合した後に混練する方法が特に好ましい。
【0049】
前記樹脂粒子と各種添加剤を混合した後に混練する方法では、具体的には、樹脂粒子と公知の添加剤や樹脂をヘンシェルミキサー等の混合機により混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサー、連続式の2軸押出し機(例えば、KTK型2軸押出し機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出し機(東芝機械社製)、TEX型2軸押出し機(日本製鋼所社製)、PCM型2軸押出し機(池貝鉄工社製)、KEX型2軸押出し機(栗本鉄工所社製))、連続式の1軸混練機(例えば、コ・ニーダ(ブッス社製)等の熱混練機)等を用いて構成材料を混練し、場合によっては、各種射出機等でペレット状やシート状に成形し、冷却することで、樹脂粒子に前記各種添加剤を含有させることができる。必要に応じて、ハンマーミル等を用いて樹脂を粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により、所定の粒度に分級することもできる。
【0050】
<樹脂被覆層形成工程>
前記樹脂被覆層形成工程は、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて、前記樹脂微粒子の表面に環状構造を有するオレフィン系共重合体を含有する樹脂被覆層を形成する工程である。
【0051】
前記環状構造を有するオレフィン系共重合体のガラス転移温度(Tg)は60〜180℃であり、60〜120℃がより好ましい。
また、前記環状構造を有するオレフィン系共重合体の数平均分子量(Mn)は1,000〜120,000であり、2,000〜50,000がより好ましい。
前記環状構造を有するオレフィン系共重合体のガラス転移温度及び数平均分子量が、上記範囲を外れると、樹脂微粒子に優れた帯電性を有する樹脂被覆層を形成することができないことがある。
【0052】
前記環状構造を有するオレフィン系共重合体としては、ガラス転移温度が60〜180℃であり、かつ数平均分子量が1,000〜120,000であれば特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記環状構造を有するオレフィン系共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、トパスAG−09(ティコナ社製)、などが挙げられる。
【0053】
前記樹脂被覆層は、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかと、樹脂微粒子と、ガラス転移温度が60〜180℃であり、かつ数平均分子量が1,000〜120,000である環状構造を有するオレフィン系共重合体とを接触させて形成されることが好ましい。
【0054】
−超臨界流体及び亜臨界流体−
前記超臨界流体とは、気体と液体の中間的な性質を持ち、物質移動や熱移動が早く、粘度が低いなどの性質を有すると共に、温度、圧力を変化させことによって、その密度、誘電率、溶解度パラメータ、自由体積などを連続的に大きく変化させることができる流体を意味する。更に、前記超臨界流体は、有機溶媒と比べて極めて小さな界面張力のため、微少な起伏(表面)であっても追随し、超臨界流体で濡らすことができる。
前記超臨界流体としては、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度及び圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさず、臨界温度以上、かつ、臨界圧力以上の状態にある流体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度、臨界圧力が低いものが好ましく、また、前記亜臨界流体としては、前記臨界点近傍の温度及び圧力領域において高圧液体として存在する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0055】
前記超臨界流体又は亜臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、メタノール、エタノール、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、クロロトリフロロメタン、ジメチルエーテルなどが好適に挙げられる。これらの中でも、二酸化炭素は、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃と容易に超臨界状態をつくり出せると共に、不燃性、不活性で取扱い性が容易で、非水系であるので、樹脂微粒子の表面を疎水化することができる点から特に好ましい。
前記超臨界流体又は前記亜臨界流体は、1種単独で単体として使用してもよいし、2種以上を併用して混合物として使用してもよい。
【0056】
前記超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記臨界温度としては、−273〜300℃が好ましく、0〜200℃がより好ましい。また、前記臨界圧力としては、5〜100MPaが好ましく、10〜50MPaがより好ましい。
【0057】
本発明においては、前記超臨界流体又は前記亜臨界流体の性質を積極的に利用し、樹脂被覆層形成を行うことが可能である。
前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、前記樹脂微粒子を溶解させることなく、樹脂被覆層形成材料としての環状構造を有するオレフィン系共重合体を溶解可能であることが好ましい。
そして、樹脂被覆層の形成が、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに溶解されている樹脂被覆層形成材料としての環状構造を有するオレフィン系共重合体を析出させることにより行われることが好ましい。
前記樹脂被覆層の形成は、超臨界流体中で溶質としての環状構造を有するオレフィン系共重合体の溶解度(温度、圧力で制御)を制御し、樹脂微粒子の表面に均一な樹脂被覆層の形成(析出)を行うことが可能である。具体的には、樹脂微粒子が溶解しない条件で環状構造を有するオレフィン系共重合体を溶解又は微分散した後、減圧することで、環状構造を有するオレフィン系共重合体を樹脂微粒子の表面に析出、固定化させて均一な樹脂被覆層の形成を行う。
また、超臨界流体は、目的生成物との分離も容易であり、回収再利用ができることから、溶媒を使用しない低環境負荷の画期的な製造方法が実現できる。
【0058】
前記超臨界流体及び前記亜臨界流体に加え、他の流体を併用することもできる。該他の流体としては、前記樹脂被覆層形成材料としての環状構造を有するオレフィン系共重合体の溶解度をコントロールしやすいものが好ましい。具体的には、メタン、エタン、プロパン、エチレン、などが好適に挙げられる。
【0059】
また、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体に加え、エントレーナー(共沸剤)を添加することもできる。該エントレーナーの添加により、樹脂被覆層の形成がより容易に行われる。前記エントレーナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、極性有機溶媒が好ましい。該極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサン、トルエン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、アンモニア、メラミン、尿素、チオエチレングリコールなどが挙げられる。これらの中でも、樹脂溶解度の高い点から、クロロホルムなどの洗浄及び除去助剤が特に好ましい。該クロロホルムを添加することにより、樹脂被覆層形成材料としての環状構造を有するオレフィン系共重合体の樹脂微粒子の表面における析出効果が増大する。なお、超臨界流体又は亜臨界流体は、樹脂微粒子を溶解させることなく、各種樹脂被覆層を形成する材料を溶解可能である種類から選択するのが好ましい。特に、樹脂微粒子に対し、常温、常圧下で貧溶媒性を示す低級アルコール系溶媒が好適である。
【0060】
前記エントレーナーとしては、使用する樹脂微粒子が溶解しないもの、あるいは若干の膨潤をきたすもの、具体的には、溶解性パラメータ〔SP値〕と使用する樹脂微粒子の〔SP値〕との差は1.0以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。例えば、スチレン−アクリル系樹脂に対しては、〔SP値〕が高いメタノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール系か、あるいは〔SP値〕が低いn−ヘキサン、n−ヘプタン等を使用することが好ましい。もちろん〔SP値〕の差が大きいと、樹脂微粒子に対する濡れが悪くなり、樹脂微粒子の良好な分散が得られないため、最適な〔SP値〕差は2〜5が好ましい。
また、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかとエントレーナーとの混合流体におけるエントレーナーの含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、エントレーナーとしての効果が得られ難くなることがあり、10質量%を超えると、エントレーナーの液体としての性質が強くなりすぎ、超臨界乃至は亜臨界状態が得られにくくなることがある。
【0061】
前記樹脂被覆層形成材料としての環状構造を有するオレフィン系共重合体の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂微粒子100質量部に対し1〜300質量部が好ましく、10〜200質量部がより好ましい。
【0062】
前記樹脂被覆層の形成の方法としては、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体の少なくともいずれかを、前記樹脂微粒子に接触させる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、前記樹脂被覆層の形成に用いられる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記樹脂微粒子に樹脂被覆層形成処理を施すための耐圧容器と、前記超臨界流体を供給する加圧ポンプと、を備えた装置が好適に挙げられる。該装置を用いた処理方法としては、まず、前記耐圧容器に前記樹脂微粒子を仕込み、該耐圧容器内に、加圧ポンプにより前記超臨界流体を供給し、前記樹脂微粒子に前記超臨界流体を接触させて、樹脂被覆層形成用材料としての環状構造を有するオレフィン系共重合体を前記樹脂微粒子表面に析出させ、該樹脂被覆層形成材料としての環状構造を有するオレフィン系共重合体を含む超臨界流体を排出する。そして、前記超臨界流体を、常温及び常圧下に戻すと、該超臨界流体が気体となるため、溶媒の除去が不要となる他、従来必要とされていた樹脂微粒子表面の洗浄で生ずる廃水が不要となり、環境への負荷が低減される。
【0063】
前記樹脂被覆層の形成を行う温度としては、使用する前記超臨界流体又は前記亜臨界流体の臨界温度以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該臨界温度の上限としては、前記樹脂微粒子を形成する物質の融点以下であるのが好ましく、前記樹脂微粒子同士の癒着などの凝集が生じない温度であるのがより好ましい。また前記臨界温度の下限としては、前記超臨界流体に添加することができる前記他の流体が気体として存在することができる温度が好ましい。
具体的には、前記樹脂被覆層の形成を行う温度としては、0〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。前記温度が60℃を超えると、樹脂微粒子が溶解することがある。
【0064】
前記樹脂被覆層の形成を行う圧力としては、使用する前記超臨界流体又は前記亜臨界流体の臨界圧力以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜60MPaが好ましい。
【0065】
ここで、樹脂被覆層形成装置を用いた樹脂微粒子表面に環状構造を有するオレフィン系重合体からなる樹脂被覆層を形成する方法について説明する。図1に示す樹脂被覆層形成装置では、反応容器9としては、容積が1000cmのものを用いた。図1中、2はエントレーナータンク、4は加圧ポンプ、6は温度センサ、113は、噴射ノズル、114は、圧力センサである。
超臨界流体とするガスとして二酸化炭素(CO)を用いた。樹脂被覆層形成材料としての環状構造を有するオレフィン系重合体を反応容器9内に投入し、樹脂微粒子としての樹脂微粒子を投入した。
【0066】
次に、二酸化炭素ガスを、ガスボンベ1より供給し、加圧ポンプ3にて昇圧し、バルブ7を介して反応容器9に導入した。この際、バルブ5は閉じられており、噴出容器112側には二酸化炭素ガスは導入されていない。ここで、排出及び噴出用の減圧バルブ8は閉じたままであり、高圧状態の二酸化炭素導入により、反応容器9内の圧力が上昇する。また、ヒーター117にて反応容器9内の温度を320Kに調整した。
反応容器9内の圧力が7.3MPa以上にて、反応容器9内は超臨界状態となる。また、各バルブ5、7を調整して反応容器9内の圧力を20MPaに設定し、反応容器9内の、環状構造を有するオレフィン系重合体を溶解させた状態に設定した。この状態で、バルブ5、7を閉じ、反応容器9内の溶解状態を120分間維持し、超臨界流体を十分拡散、回流させた。その後、バルブ6を開き、反応容器内の圧力を10MPaに調整し、そのまま60分維持した。その後、再度高圧ポンプ側から二酸化炭素ガスを導入し反応容器内の圧力を10MPaに保ちながら二酸化炭素の導入を続けた。このとき上記混合溶液に含まれている超臨界流体二酸化炭素と、超臨界二酸化炭素中に溶解させた環状構造を有するオレフィン系重合体は、図示していない回収機構により回収され、更に図示していない分別装置により二酸化炭素と環状構造を有するオレフィン系共重合体とに互いに分離され、それぞれ再利用される。
【0067】
超臨界二酸化炭素の導入を続けることで、反応容器9内の溶解していた環状構造を有するオレフィン系重合体は全て容器外に排出され、反応容器9内には、析出した環状構造を有するオレフィン系共重合体を樹脂被覆層にもつ樹脂微粒子と超臨界二酸化炭素流体のみとなる。その後、バルブを開放し、超臨界二酸化炭素流体を気化させ、乾燥した環状構造を有するオレフィン系共重合体を樹脂被覆層にもつ樹脂微粒子を製造することができる。
【0068】
(粒子)
以上の工程により、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて前記樹脂微粒子の表面に樹脂被覆層を形成してなる本発明の粒子が得られる。
前記粒子は、ガラス転移温度が60〜180℃であり、かつ数平均分子量が1,000〜120,000である環状構造を有するオレフィン系共重合体を樹脂被覆層材料として用いており、電気的特性の優れた樹脂被覆層を有するので、例えば、ディスプレー・フィルム視聴用の後方投影スクリーン、磁気記録媒体、液晶表示用スペーサ、各種照明器具等の光拡散剤;カラムの充填剤;診断薬用の担体、ドラッグデリバリーシステム、バイオリアクター等に用いられる樹脂粒子を製造する際の種粒子(単分散粒子);接着剤;金属又はセラミックの代替材料;電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられる画像形成粒子に用いられる樹脂粒子等が挙げられる。
なお、前記粒子は、そのまま用いることも可能であるし、必要に応じて、添加物と混合して表面を修飾する処理、添加物を固定化する処理、超臨界流体又は亜臨界流体の存在下で添加剤を浸漬、抽出、被覆等の処理を加えることもできる。
【0069】
(トナー)
本発明のトナーは、本発明の前記粒子の製造方法により製造された粒子を含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
【0070】
前記トナーは、その形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、画像濃度、平均円形度、体積平均粒径、体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)などを有していることが好ましい。
【0071】
前記画像濃度は、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定した濃度値が、1.90以上が好ましく、2.00以上がより好ましく、2.10以上が特に好ましい。
前記画像濃度が、1.90未満であると、画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。
前記画像濃度は、例えば、imagio Neo 450(株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>;株式会社リコー製)に現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cmのベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成し、得られたベタ画像における任意の6箇所の画像濃度を、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定し、その平均値を算出することにより、測定することができる。
【0072】
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.900〜0.980が好ましく、0.950〜0.975がより好ましい。なお、前記平均円形度が0.94未満の粒子が15%以下であるものが好ましい。
前記平均円形度が、0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.980を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記平均円形度は、例えば、トナーを含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法などにより計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)等を用いて計測することができる。
【0073】
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3〜8μmが好ましい。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
【0074】
前記トナーにおける体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)としては、1.00〜1.25が好ましく、1.10〜1.25がより好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)が、1.25を超えると、二成分現像剤では、現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーが薄層化し、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、また、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
【0075】
前記体積平均粒径、及び、前記体積平均粒子径と個数平均粒子径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、例えば、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」」を用いて測定することができる。
【0076】
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリアなどの適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
【0077】
−キャリア−
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
【0078】
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
【0079】
前記芯材の粒径としては、体積平均粒径で、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
【0080】
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0081】
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
【0082】
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
【0083】
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
【0084】
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
【0085】
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
【0086】
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含有しているので、画像形成時において、帯電性能に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明の前記トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
【0087】
(トナー入り容器)
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
【0088】
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
【0089】
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図2に示すように、感光体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。なお、103は露光手段を表す。
前記感光体101としては、後述する画像形成装置と同様のものを用いることができる。
前記帯電手段102としては、任意の帯電部材が用いられる。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の電子写真装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
【0090】
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
【0091】
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
【0092】
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
【0093】
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
【0094】
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
【0095】
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
【0096】
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
【0097】
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
【0098】
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該現像剤に含まれるトナーは、本発明の前記トナーである。
【0099】
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
【0100】
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
【0101】
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
【0102】
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
【0103】
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
【0104】
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
【0105】
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
【0106】
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図3を参照しながら説明する。図3に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」という)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
【0107】
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終転写材としての転写紙95に現像像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
【0108】
現像装置40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
【0109】
図3に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
【0110】
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図4を参照しながら説明する。図4に示す画像形成装置100は、図3に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図3に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図4においては、図3におけるものと同じものは同符号で示した。
【0111】
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図5を参照しながら説明する。図5に示すタンデム画像形成装置120は、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置120は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図5中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置120においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
【0112】
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
【0113】
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
【0114】
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図6に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図6中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、該トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
【0115】
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
【0116】
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
【0117】
本発明の画像形成装置及び画像形成方法では、帯電性能などに優れた本発明の前記トナーを用いているので、高画質画像が効率よく得られる。
【実施例】
【0118】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0119】
(実施例1)
−微粒重合粒子溶液の調製−
スチレン108質量部、n−ブチルアクリレート39質量部、及びメタクリル酸9.6質量部からなる単量体混合液に、エステルワックス64質量部を添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
次いで、攪拌装置、温度センサ、冷却管、及び窒素導入装置を取り付けた3.0Lのセパラブルフラスコに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム7.0質量部をイオン交換水2400質量部に溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下、360rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。循環経路を有する機械式分散機により、セパラブルフラスコに入っている前記界面活性剤溶液(80℃)中に、前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)の分散液を調製した。得られた分散液中に、過硫酸カリウム0.8質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行い、[微粒重合粒子溶液1]を調製した。
次に、得られた[微粒重合粒子溶液1]に、過硫酸カリウム7.7質量部をイオン交換水240質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、十分攪拌した後、80℃で、スチレン380質量部、n−ブチルアクリレート137.5質量部、メタクリル酸36質量部、及びt−ドデシルメルカプタン14.5質量部からなる単量体混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、60分間にわたり加熱攪拌することにより重合(第2段重合)を行った後、40℃まで冷却して、[微粒重合粒子溶液2]を調製した。
【0120】
−着色剤分散液の調製−
イオン交換水160質量部に、n−ドデシル硫酸ナトリウム9.6質量部を入れ、溶解させた溶液に、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25B)20質量部を攪拌下にて徐々に添加し、次いで、高剪断力で混合可能なホモミキサー(特殊機化工社製、TK式)を用いて分散処理することにより、[着色剤分散液]を調製した。
【0121】
−会合粒子の形成−
[微粒重合粒子溶液2]1200質量部と、イオン交換水2000質量部と、前記[着色剤分散液]とを、温度センサ、冷却管、窒素導入装置、及び攪拌装置を取り付けた5Lの四つ口フラスコに入れ攪拌した。
液温を30℃に調整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.5質量部をイオン交換水72質量部に溶解した水溶液を、30℃攪拌下にて10分間かけて添加した。5分間放置した後に昇温を開始し、この系を10分間かけて90℃まで昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が6.0μmになった時点で、塩化ナトリウム115質量部をイオン交換水700質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。更に、液温度90℃±2℃にて液温を保持しながら6時間攪拌することにより融着を継続させた。その後、6℃/分の条件で30℃まで冷却した。得られた会合粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸により系のpHを4以下にして酸洗浄(25℃、10分間)を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500質量部を加えて再スラリー化し、水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を数回繰返し、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて45℃にて24時間乾燥を行い、[重合体粒子(トナー)1]を得た。[重合体粒子(トナー)1]の体積平均粒径(Dv)は6.0μm、Dv/Dnは1.23であった。
【0122】
−樹脂被覆層形成工程−
樹脂粒子表面に樹脂被覆層を形成する方法としては、図1に示す装置を用いた。反応容器9としては、容積が1000cmのものを用いた。この実施例では、超臨界流体とするガスとして二酸化炭素(CO)を用いた。樹脂被覆層材料として環状構造を有するオレフィン系重合体である、ガラス転移温度(Tg)が67℃、数平均分子量(Mn)が4,600であるティコナ社製「トパスAG−09」5gを反応容器9内に投入し、樹脂粒子として前記着色重合体粒子作製工程で得られた[重合体粒子(トナー)1]を300g投入した。
次に、二酸化炭素ガスを、ガスボンベ1より供給し、加圧ポンプ3にて昇圧し、バルブ7を介して反応容器9に導入した。この際、バルブ15は閉じられており、噴出容器112側には二酸化炭素ガスは導入されていない。ここで、排出及び噴出用の減圧バルブ8は閉じたままであり、高圧状態の二酸化炭素導入により、反応容器9内の圧力が上昇する。また、ヒーター117にて反応容器9内の温度を320Kに調整した。
反応容器9内の圧力が7.3MPa以上にて、反応容器9内は超臨界状態となる。また、各バルブ5、7を調整して反応容器9内の圧力を20MPaに設定し、反応容器9内の、環状構造を有するオレフィン系重合体を溶解させた状態に設定した。この状態で、バルブ5,7を閉じ、反応容器9内の溶解状態を120分間維持し、超臨界流体を十分拡散、回流させた。その後、バルブ6を開き、反応容器内の圧力を10MPaに調整し、そのまま60分間維持した。その後、再度高圧ポンプ側から二酸化炭素ガスを導入し反応容器内の圧力を10MPaに保ちながら二酸化炭素の導入を続けた。このとき上記混合溶液に含まれている超臨界流体二酸化炭素と、超臨界二酸化炭素中に溶解させた環状構造を有するオレフィン系重合体は、図示していない回収機構により回収され、更に図示していない分別装置により二酸化炭素と環状構造を有するオレフィン系共重合体とに互いに分離され、それぞれ再利用される。
【0123】
超臨界二酸化炭素の導入を続けることで、反応容器9内の溶解していた環状構造を有するオレフィン系重合体は全て容器外に排出され、反応容器9内には、析出した環状構造を有するオレフィン系共重合体を樹脂被覆層にもつ樹脂粒子と超臨界二酸化炭素流体のみとなる。この後、バルブ6を開放し、超臨界二酸化炭素流体を気化させ、乾燥した環状構造を有するオレフィン系共重合体を樹脂被覆層にもつ樹脂粒子を得た。
【0124】
(比較例1)
実施例1において、樹脂被覆層形成工程を行わない以外は、実施例1と同様にして、比較トナー1を作製した。
【0125】
−現像剤の作製−
次に、得られたトナー1及び比較トナー1をそれぞれ100質量部に対し、疎水化処理が施された体積平均粒子径12nmのシリカ(日本アエロジル社製、商品名「NA50H」)0.8質量部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて表面処理を行い、現像剤を作製した。
【0126】
次に、得られた実施例1及び比較例1の各現像剤について、以下のようにして、画像濃度、帯電量、及び総合評価を実施した。結果を表1に示す。
【0127】
<画像濃度>
得られた実施例1及び比較例1の各現像剤について、非磁性一成分現像方式レーザープリンター(京セラミタ社製、DP−560)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>、株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cmのベタ画像を形成した。該ベタ画像の形成は、前記複写紙8000枚に対して、繰り返し行った。得られたベタ画像の画像濃度を、初期及び8000枚耐久後について、目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。
なお、得られた画像濃度が高い程、高濃度の画像が形成できる。この評価は本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法の実施例に相当する。
〔評価基準〕
○:初期及び8000枚耐久後において、画像濃度に変化がなく、高画質が得られた。
△:8000枚耐久後において、やや画像濃度が低下し、画質が低下した。
×:8000枚耐久後において、著しく画像濃度低下し、画質が大きく低下した。
【0128】
<帯電量>
各現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込みブローして帯電量を求めた。なお、現像剤濃度は4.5〜5.5質量%に調整した。
【0129】
<総合評価>
上記諸特性の評価結果から、総合的に判断して、下記基準で評価した。
○:良好
×:不良(実使用不能)
【0130】
【表1】

表1の結果から、超臨界流体により樹脂被覆層が形成された樹脂微粒子を含むトナーを用いた実施例1は、比較例1の現像剤に比べ、帯電性能に優れ、高画像濃度が得られることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明の粒子の製造方法は、環境に対する負荷が小さい。また該方法により製造される本発明の粒子は、帯電性能などに優れ、特にトナーとして好適に用いられ、高品質な画像形成に好適に使用される。本発明のトナーを用いた本発明の前記現像剤、前記トナー入り容器、前記画像形成方法、及び前期プロセスカートリッジは、高品質な画像形成に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】図1は、本発明の樹脂被覆層形成工程において使用する装置の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略説明図である。
【図3】図3は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の例を示す概略説明図である。
【図4】図4は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の例を示す概略説明図である。
【図5】図5は、本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。
【図6】図6は、図5に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
【符号の説明】
【0133】
1 ガスボンベ
3 加圧ポンプ
5、7、8 バルブ
9 反応容器
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて樹脂微粒子の表面に環状構造を有するオレフィン系共重合体を含有する樹脂被覆層を形成する樹脂被覆層形成工程を少なくとも含み、
前記オレフィン系共重合体のガラス転移温度が60〜180℃であり、かつ数平均分子量が1,000〜120,000であることを特徴とする粒子の製造方法。
【請求項2】
樹脂被覆層が、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかと、樹脂微粒子と、ガラス転移温度が60〜180℃であり、かつ数平均分子量が1,000〜120,000である環状構造を有するオレフィン系共重合体とを接触させて形成される請求項1に記載の粒子の製造方法。
【請求項3】
超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、樹脂微粒子を溶解させることなく、環状構造を有するオレフィン系共重合体を溶解可能である請求項1から2のいずれかに記載の粒子の製造方法。
【請求項4】
樹脂被覆層の形成が、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに溶解されている環状構造を有するオレフィン共重合体を析出させることにより行われる請求項1から3のいずれかに記載の粒子の製造方法。
【請求項5】
超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、単体及び混合物のいずれかである請求項1から4のいずれかに記載の粒子の製造方法。
【請求項6】
超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、少なくとも二酸化炭素を含む請求項1から5のいずれかに記載の粒子の製造方法。
【請求項7】
超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、エントレーナーを含む請求項1から6のいずれかに記載の粒子の製造方法。
【請求項8】
エントレーナーの含有量が、0.1〜10質量%である請求項7に記載の粒子の製造方法。
【請求項9】
エントレーナーが、極性有機溶媒である請求項7から8のいずれかに記載の粒子の製造方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の粒子の製造方法により製造されることを特徴とする粒子。
【請求項11】
請求項10に記載の粒子を含むことを特徴とするトナー。
【請求項12】
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項11に記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【公開番号】特開2006−346557(P2006−346557A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−174822(P2005−174822)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】