説明

粘性材料用ディスペンサ

粘性材料用のディスペンサが、少なくとも2つの向かい合う側壁、第1の閉鎖端部及び第2の閉鎖端部を有する容器を備えており、側壁及び両閉鎖端部が封止体を画定しており、少なくとも一方の閉鎖端部が絞り出し形状を有し、また少なくとも一方の側壁が、絞り出し形状を有する閉鎖端部からもう一方の端部へと延びる折り目を備えており、これにより、その折り目で容器を折り曲げ、内容物を容器の内部から、絞り出し形状を有する閉鎖端部を介して外部へと絞り出すことができるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘性材料用のディスペンサ(供給装置若しくは吐出装置)、キット及び方法に関し、より詳細には、シーラントを吐出するためのディスペンサ、キット及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粘性材料には、シーラント、マスチック樹脂、接着材(adhesive)、ガラス取付用(glazing)、コーク、グラウト材及び接着剤(glue)の各組成物が含まれていてよい。典型的には、そのような粘性材料は、コーキングガンのような押出し装置内に装填されるボール紙製容器又はプラスチック製のディスペンサ若しくはカートリッジ内に、包装され、保存され又は市販されている。上記粘性材料には、建造及び建築用途で利用されるシリコーンシーラント及びコークが含まれる。このような組成物の中には、室温加硫型(RTV)組成物と呼ばれるものもある。これには、湿気硬化型のポリオルガノシロキサンポリマー、充填材及び縮合硬化触媒が含まれていてよい。シーラントとして使用される場合、このような組成物は、湿気不浸透性のチューブ内に包装されていてよく、包装チューブから押し出すことによって基材に塗布することができる。
【0003】
この容器に関連する問題が存在している。例えば、材料の中には、コークディスペンサ又はガン内に装填するためのカートリッジ内に入れられて販売されているものがある。ディスペンサ又はガンは、コーキング工程の部材として購入し、保管し、清浄にし、維持しなくてはならない別の物品である。ディスペンサ又はガンは、特に建築中の建物内の制約された空間では操作が厄介で難しい。また、ディスペンス装置の利用には大きな握力が必要となる場合があり、このことにより、綺麗なシーラントビードを吐出し配置することに対し更なる課題が課される。
【0004】
ある工程では、シーラントの所定量を、ディスペンスチューブ又はカートリッジから裂け目へと直接的に絞り出し、それにより、乾燥した時にその領域がシールされるようにする。通常、ディスペンスチューブ又はカートリッジは、特定のシーリング作業のために必要な量よりも多い材料を収容している。通常、必要量が吐出された後には、チューブ内の未使用量がいくらか残る。未使用量が入ったディスペンスチューブは、廃棄されるか又は将来的な使用のために保管される。廃棄することは不経済であり、また環境的な理由から極めて不都合となり得る。現在のところ、市販されている様々なシーラント組成物に対して利用可能な公知のリサイクル(再利用システム)はない。
【0005】
残りのシーラントが入っている容器を廃棄しない場合には、将来的な使用のために材料が硬化しないように蓋をする必要がある。しかし、シーラントには、揮発性の成分を含んでいるものがあり、そのような揮発性成分が蒸発すると残りの材料は硬化してしまう。また、別のシーラントには、大気酸素に曝されることにより硬化可能なものもあり、その場合には、容器が適切に再閉鎖されていなければ、残りの材料は失われてしまう。
【0006】
いくつかのディスペンス容器は、容器本体に確実に嵌合するための、ノズル係合部、スナップ式ビード及び溝(snap-fit bead and groove)又はねじ山を備えたものとして販売されている。しかし、そのキャップは脆弱な部材であって、割れ易い、又は過度の締付けによって損傷し易い。或いは、スナップ式ビード及び溝は、コーキング作業のためにチューブが次に必要となる時まで、永久的に再閉鎖された嵌合(enduring reclose fit)を提供するものではない。いくつかの略式のキャップ装置は、チューブ開口内にツメを配置し、プラグ型の再閉鎖作用を供するものも含む。或いは、容器キャップを、プラグ機能を付与するためのプラグ部材と共に販売することもできる。しかし、大抵は、このような解決手段は、短い時間を超えた内容物の硬化を防止するものではない。
【0007】
他の再閉鎖の手段は、アルミニウム箔又はプラスチックラップで容器先端を包み、ゴムバンドで固定すること、並びに容器全体を封止可能なプラスチック製小袋内に入れることを含む。しかし、小袋が破れたり、小袋が、チューブの内容物が乾燥するのに十分な空気を収容していたりするので、このような機構は機能しない場合が多い。さらに、箔又はラップを、チューブ及びノズルの周りに空気間隙がないように密にきつく巻き付けることはできない。
【0008】
したがって、現在のディスペンサの廃棄物及び使用の困難性の問題を克服した粘性材料用の容器が必要とされている。また、販売されてる容器の多くが必要以上に高価であるので、このような粘性材料用容器の問題に対処する正当な価格の解決策が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、廃棄、価格及び使用の困難性といった現状の問題を解決する粘性材料用ディスペンサ、方法及びキットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、粘性材料用ディスペンサであって、少なくとも2つの向かい合う側壁、第1の閉鎖端部及び第2の閉鎖端部を有する容器を備えているものであって、側壁及び両閉鎖端部が封入体(enclosure)を画定し、少なくとも一方の閉鎖端部が、絞り出し形状(expressing shape)を有し、少なくとも一方の側壁が、絞り出し形状を有する閉鎖端部からもう一方の閉鎖端部へと延びる折り目を備えており、それにより、折り目で容器を折り曲げて、内容物を、容器の内部から絞り出し形状を有する閉鎖端部を介して外部へと絞り出すことができるようになっているディスペンサとして記述することができる。
【0011】
一態様では、本発明は、シーラントを塗布する方法であって、少なくとも2つの向かい合う側壁、第1の閉鎖端部及び第2の閉鎖端部を有する容器であって、側壁及び両閉鎖端部が、容器シーラント(container sealant)を収容する封入体を画定しており、少なくとも一方の閉鎖端部が、絞り出し形状を有し、少なくとも一方の側壁が、絞り出し形状を有する閉鎖端部からもう一方の閉鎖端部へと延びる折り目を備えている、容器を供し、その容器を折り目で折り曲げて、シーラントを、容器から、絞り出し形状を有する閉鎖端部を介して外部へと絞り出すことを含む方法である。
【0012】
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの小袋の軸線に沿った折り目を有する複数のシールされた小袋、並びに少なくとも1つの小袋内に収容されているシーラントを含むシーラントキットである。
【0013】
また別の態様では、本発明は、シーラントを塗布する方法であって、シーラント作業を特定し、実質的に未使用のシーラントが残ることなく作業が完了するような量のシーラントを有する小袋を選択し、シーラントを小袋から作業部に絞り出すことを含む方法である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】小袋の立面図である。
【図2】小袋の後ろ側の立面図である。
【図3】小袋の、図2の線3−3での断面図である。
【図4】小袋の使用時の概略的な斜視図である。
【図5】小袋の使用時の概略的な斜視図である。
【図6】複数の小袋を有するキットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
シーラントという語は、ここで使用する場合、シリコーン、ラテックス及びアクリルコークを含む全種類のコーク、充填材コンパウンド、接着又はマスチック型材料、例えばスタッコ、コンクリート及びセメント性材料パッチング材(補修材)並びにクラック充填用コンパウンド、パッキング用コンパウンド、排水溝、雨押さえ、天窓又は魚用水槽の継ぎ目若しくはシーラントコンパウンド、ブチル又はゴムシーラント、セメント及びコーク、屋根用セメント、パネル及び建築用接着材、ガラス取付け用コンパウンド及びコーク、溝用及び重ね継ぎ用シーラント(gutter and lap sealrant)、シリカベースの耐火煉瓦、石造り及びセラミックスのクラック用充填材並びにセメント、シリコーンベースの接着剤、エチレングリコール含有ラテックス製のガラス取付けコンパウンド、並びにこれらに類するものを含む。
【0016】
1つの好ましいシーラントは、オルガノポリシロキサン室温加硫型(RTV)組成物である。この室温加硫型シリコーンエラストマー組成物は、シラノール停止(silanol stopped)ベースポリマー又はエラストマー、強化及び/又は増量用充填材、架橋シラン並びに硬化触媒を含んでいてよい。このようなRTV組成物は、反応性の末端基を有するジオルガノポリシロキサンと、1分子当たり少なくとも3つの加水分解反応性部分を有するオルガノシリコーンコンパウンドとを混合することによって調製する。公知のRTV組成物は、様々な接合部間の間隙、例えば建築材料の接合部間の間隙、建造物における構造体と建築材料との接合部、バスタブと壁部又は床部との間の接合部、浴室内のタイル上の割れ目、浴室内の間隙、例えば洗面台周りの間隙及び洗面台支持板と壁部との間の間隙、台所シンクの周り及びその近傍の間隙、自動車、鉄道車両、飛行機、船舶内のパネル間の間隙、様々な電気機器、機械等内のパネル間の間隙が関係する用途のための弾性シーリング材料として広く使用されている。よって、室温加硫型シリコーンシーラントは、広範な様々なコーキング及びシーリング用途で使用することができる。
【0017】
本発明の特徴は、図面、及び本発明の好ましい態様を非限定的に例示して説明する以下の詳細な議論から明らかとなるであろう。
【0018】
図1、図2及び図3に、本発明の態様を示す。図1は、本発明による粘性材料用ディスペンサの正面の立面図である。このディスペンサは、小袋10の形態となっている。図2は、背面から見た小袋10の立面図である。小袋10は、プラスチック又は箔(金属箔)フィルムの2つの薄い側壁である上部フィルム12及び底部フィルム14を備えている。フィルム12、14は、ヒートシールされているか又はエッジ16に沿って結合されていてよく、これにより、図3に示すような第1の閉鎖端部20及び第2の閉鎖端部22を備えた嚢18が形成され、絞り出し形状先端42が形成されている。或いは、上部フィルム12及び底部フィルム14は、折り曲げられて嚢18の形状とされた単一のフィルムを形成していてよい。フィルム材料は、製品の活性(新鮮性)を保証するように水蒸気及び酸素に対して不透過であるか又は透過性がわずかしかないものとすることができる。好ましくは、材料は、1以下の透過率を有する。適切なフィルム材料には、プラスチックフィルム、例えば低密度ポリエチレン若しくは他の熱可塑性プラスチック、又は金属箔フィルム材料が含まれる。小袋10の上部フィルム12は、小袋10に対して長手方向に第2の閉鎖端部22から第1の閉鎖端部20に向かって延びる折り目26を備えている。折り目は、上部フィルム12表面内に印付けされたものであり、それにより、後述するように、小袋10を長手方向に曲げ折ることが容易になっている。この折り目は、プレスされた、曲げ折られた、しわ付けされた線又は切り込み線若しくは引っ掻き線であってよい。
【0019】
図3は、シーラント24を収容している嚢18を示す、小袋10の切断側面図である。上部フィルム12には、シーラント24の体積増加を許容するための襞が付けられていてよい(図示せず)。小袋10は、後述のように折り曲げることができるように中央に折り目26が付けられている。ノズル28は、上部フィルム12及び底部フィルム14の対応する先細の端部から形成されている。ノズル28は、ヒートシールにより閉鎖されていてよく、破くか又はハサミ若しくはナイフで切断することによって、或いは単に、ノズル28へ拡張し(押し出され)、そしてノズル28から拡張する(押し出される)シーラント24の圧力によって開くことができる。或いは一態様では、ノズル28は、鋸歯状にエンボス加工することによって閉鎖することもでき、これにより、破いて開くことが容易となる。
【0020】
ディスペンサの、第2の閉鎖端部22に向かう部分30は、構造及び強さを追加するために、より剛性の又はより厚い材料を備えていてよい。例えば、部分30は、ディスペンサの残りの部分のフィルムと同じフィルムの多層積層フィルムからなっていてよい。或いは、部分30は、ディスペンサの残りの部分のフィルムより密度の大きい異なるフィルムからなっていてよい。
【0021】
図4及び図5に、図1、図2及び図3の小袋10を使用した塗布方法を示す。図示のように、小袋10は、小袋10のエッジ16の対向する両側36、38に置いた親指32及び第二指34で把持することができる。そして、親指32及び第二指34で対向するエッジ36、38に力を掛けることによって、小袋10は折り目26に沿って折り曲げられる。折り曲げは、ユーザが、親指32及び第二指34によって側方の力を掛けながら、折り目26に対して人差し指40の長さを加えることによって容易に行うことができる。折り曲げによって、封入されていたシーラント24が、嚢18内で上方に移動し第1の閉鎖端部20を通って押し出され、ノズル28を介して絞り出される。最初は、シーラント24は、小袋10の嚢18内に収容されていてよく、ノズル28は平坦で、シーラント24が入っていない。しかし、図5に示すように小袋10を折り曲げて押圧すると、シーラントは、ノズル28内へ通し出され、ノズル28は円錐形状となる。この円錐形状によって、シーラント24のノズル28先端からの絞り出しを更に制御して所望のシーラントビード44を形成するためのより高い安定性が得られる。小袋10の両側を大きく折り曲げること(overfolding)によって形成される実質的に剛性の構造は、絞り出し時には固く保持され、これにより、小袋10が操作され、塗布されるシーラントビードの箇所及び形状が制御される。ノズル28は、シーラントがノズルの残りを充填し、先端から流れ出ることを可能にするように形作られていてよい。ノズルは、適切なビードの大きさ、例えば直径l/8インチとなるように形作られていてよい。さらに、ユーザは、適用する圧力及び速度によってビードの大きさを調整することができる。
【0022】
小袋10の大きさは様々であってよいが、約20cm×15cm又はそれより小さくすることができる。例えば、図6に、複数の小袋10がキット50内に入っている本発明の態様を示す。キット50は、シール54で封止可能であり且つ販売時に架けられるようにするための穴目56を有するバック52を含む。複数の小袋10は、同じ形状であっても様々な形状であってもよく、又は同じ大きさであっても様々な大きさ、例えば8cm×6cm又は4cm×2cmを有していてもよく、これにより、様々な作業に対して既に測定済みの量のシーラントが提供される。キット50は、様々な小袋10を提供し、それにより、1つの小袋10を、任意の特定の作業の要求に適合するように選択することができる。
【0023】
本発明のキットから選択された小袋は、任意の特定の作業に対して望ましい量のシーラントを提供することができる。シーラントを塗布するのにコーキングガンを必要としない。実際、追加的な道具又は材料も必要でない。小袋は、比較的小さく、容易に操作して適切なビードを塗布することができる。小袋は、吐出のためのほとんど力を加える必要はなく、大抵の場合、一方の手で、シーラントを十分に吐出させることができる。残ってしまったコークを保管することは回避される。また、キット及び小袋の包装はいずれも安価である。
【0024】
以下の実施例は、例示的なものであって、特許請求の範囲に対する制限として解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0025】
小袋の試料を評価し、粘性材料を吐出するための設計を確立した。
【0026】
試料は、透明のポリプロピレンZiploc(登録商標)製の小袋、薄い(<lmm)黒色のポリプロピレン及びポリエチレンシート、並びにアクリル薄膜(<lmm)から構成されている。シート材料は成形して小袋の形状にヒートシールされるが、それは、まず三角形の端部を有する大きめの上部及び底部の長方形形状を切り出し、それらの片を、三角形の端部を重ね合わせ一方の側でノズルが形成されるようにヒートシールすることによって行われる。小袋のいくつかは、ガゼット付き(マチ付き)で形成される。ガゼットは、小袋の側面及び底面でフィルムを折り曲げることによって形成される。
【0027】
余分な材料は、形成後に小袋から切り離される。各小袋に、材料を充填し、続いてヒートシールして、封入体を形成する。小袋は、約4cm〜20cmの様々な長さ、約2cm〜15cmの様々な幅、約0.5cm〜2cmの様々な厚み(材料で充填された場合)を有している。小袋は、アクリルコーク又はシリコーンシーラントで充填する。
【0028】
評価者のパネルが集められ、20〜30の群から各小袋を評価した。小袋は、内容完全性並びに材料の絞り出しの容易さ及び制御性について評価された。この評価では、パネルは、材料を吐出する前に、各小袋を視覚的及び触覚的に調べた。そして、パネルのメンバーは、各小袋を折り曲げ、その内容物を絞り出した。パネルは、材料ビードの絞り出しの制御の容易さを、試験ボードに書き留めた。また、パネルは、小袋の完全性に関するあらゆる欠陥を観察した。
【0029】
小袋を、アクリルコーク及びシリコーンシーラントの両方の吐出について評価した。パネルは、構成された各小袋について複数回の吐出を実施した。さらに、パネルは、次ステップの評価のための複数の小袋の選択を承認した。工程は、その前の一巡の評価から成功(優れた)とされた小袋の性質に基づいて構成された一連の小袋を用いて繰り返した。
【0030】
パネルは、材料で十分に充填されていない設計、均一なビードを絞り出すために丸いオリフィスを形成していない設計、完全に充填するには可撓性が十分でない小袋の設計を識別した。絞り出しについての欠陥のいくつかは、後続の回の評価で、ノズル角度及び小袋の長さを変えることによって対処される。第1回の評価でのいくつかの設計は、脆弱過ぎて、材料の連続的で滑らかなビードを吐出するために微細な制御が必要であると観察された。これは、(1)小袋の表面の1つをより剛性のプラスチック製シートとし、(2)折り目の長さに沿って小袋を折るようにユーザの作用形式を変え、より剛性のディスペンス構造を提供するようにすることによって、対処される。
【0031】
いくつかの設計は、フィルムが薄すぎると指摘された。そのような小袋では、材料が小袋内で滑りに抵抗し、よって、小袋の内容物を完全に絞り出すことが難しくなる。この問題は、小袋の内側表面積を維持する又は小さくしながら小袋の体積を増加させるためのガセットを備えた設計の小袋によって対処される。
【0032】
小袋のための、折り目を付けられた半剛性のプラスチック製バッキング(裏張り)は、材料の所望の量を保持し、吐出のための折り曲げを容易にするための最良の設計として判定された。小袋は、概して、一方の手で材料を完全に絞り出すように操作されるような大きさ(7cm×5cm×1.5cm)になっている。選択されるディスペンサノズルは、より長い2cm且つより狭い1cmのノズルであり、ノズルを変形させることなく小袋を絞り出すことができる。さらに、選択された小袋の設計は、内側表面積を最小限にしながら体積を増大させるように側方にガセットを有しており、それにより、材料を、一方の手の指による圧縮により吐出させることができる。
【実施例2】
【0033】
結果的に得られた設計は、消費者パネルを代表した他の人によってその機能が試験された。10個の小袋の設計を、6人のパネルに配布した。各人は、一方の手の人差し指で折り目に沿って小袋を手動で押圧する手順に従って、材料を小袋から絞り出し、小袋を長手方向に折り曲げて、小袋ノズルからシーラントを絞り出すように指示された。
【0034】
設計者らによる審査団が、絞り出しの手順を観察し、パネルのコメントを記録した。消費者パネルの応答は、小袋の使用及びコメントを把握するために撮影された。
【0035】
パネルは、提案された設計を良いと認めた。以下のパネルの設計についてのコメントが記録された。「本当に良いものだ! 気に入りました。」「驚くべきことと思う。これについては長所しか言えません。」「使うのがとっても簡単。これを使ってできるビードがいい。よくコントロールできる感じがする。」「もう気に入った。なぜかというと、圧力の操作をきちんとできるからだ。(圧力若しくは量を)大きくも小さくもできる。」「貴社は、家庭で大抵の人が持っている問題、つまり大量(のコーク)を必要としない用途での問題に対処した。」「私が最初に試した様子を見て分かったと思いますが、これを使うのに慣れたら全くプロのようになります。」
上記実施例は、本発明による粘性ディスペンサとしての予測される商業上の成功を示したものである。
【0036】
以上、本発明の好ましい態様について説明したが、本発明の変形及び変更は可能であり、よって、実施例の正確な詳細に限定されるべきではない。本発明は、以下に示す特許請求の範囲の範囲内での変形及び代替を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの向かい合う側壁、第1の閉鎖端部及び第2の閉鎖端部を有する容器を備えており、
前記側壁及び前記両閉鎖端部が封入体を画定し、少なくとも一方の閉鎖端部が絞り出し形状を有し、少なくとも一方の側壁が、前記絞り出し形状を有する閉鎖端部からもう一方の閉鎖端部へと延びる折り目を備えており、これにより、折り目で容器を折り曲げて、内容物を容器の内部から、絞り出し形状を有する閉鎖端部を介して外部へと絞り出すことができるようになっている、粘性材料用ディスペンサ。
【請求項2】
前記折り目が、少なくとも一方の側壁の表面に印付けされた、プレス、折り曲げ又はしわ付けされた線であり、これにより、前記ディスペンサを長手方向に折ることが容易になっている、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項3】
前記容器が、特定された作業のシールに対して釣り合わせられた又は測定された量のコークシーラントを保持する小袋である、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項4】
前記容器が、20cm×15cm又はそれより小さい寸法を有する小袋である、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項5】
前記容器が、8cm×6cm又はそれより小さい寸法を有する小袋である、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項6】
前記容器が、充填時の厚みが0.5cm〜2cmであり、20cm〜4cm×15cm〜2cmの寸法を有する小袋である、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項7】
前記容器が、2cm〜1cmのノズルを有する小袋である、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項8】
前記第1の閉鎖端部及び前記絞り出し形状が、互いに一体的に形成されており、前記絞り出し形状が、容器の長手方向に突出しており、前記第1の閉鎖端部上の中央に配置されている、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項9】
前記側壁が、それ自体に(互いに)向かって倒れ込み、前記折り目の線に沿って折り目が付けられるような可撓性を有する、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項10】
前記絞り出し形状がノズルである、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項11】
前記容器がシーラントを保持する小袋である、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項12】
前記容器が、RTV組成物を含むシーラントを保持する小袋である、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項13】
前記容器が、(i)加水分解可能な置換基を有するポリシロキサンポリマーと(ii)2つ以上の加水分解可能な置換基を有する多官能性シリコーンコンパウンドとの混合物又は反応生成物を含むポリシロキサン成分を含むシーラントを保持する小袋である、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項14】
前記容器が、(i)加水分解可能な置換基を有するポリシロキサンポリマーと(ii)2つ以上の加水分解可能な置換基を有する多官能性シリコーンコンパウンドとの混合物又は反応生成物を含むポリシロキサン成分を含むシーラントを保持し、充填材を含む小袋である、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項15】
前記容器が、(i)加水分解可能な置換基を有するポリシロキサンポリマーと(ii)2つ以上の加水分解可能な置換基を有する多官能性シリコーンコンパウンドとの混合物又は反応生成物を含むポリシロキサン成分を含むシーラントを保持し、充填材及び縮合硬化触媒を含む小袋である、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項16】
前記容器が、長手方向軸線及び内部を有する細長い小袋であって、該小袋が、周りを取り囲む側壁、前記小袋の下流の端部を形成している第1の閉鎖部、及び前記小袋の上流の端部を形成している第2の閉鎖部を備えており、
ノズル形状における取り囲む側壁に対する吐出の延びが、側壁から外側へ向かって延び、内部と流体連通する流路を有する、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項17】
容器の内部内に収容されているシーラントを備え、前記側壁が、可撓性の材料から製造されており、それにより、前記容器を手動で折り曲げて、シーラントを、絞り出し形状から選択された基材表面上へと塗布されたビードとして絞り出すことができる、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項18】
前記側壁が、透明の材料から構成されている、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項19】
前記容器が、塗布されるシーラントのビードとほぼ同じ厚みを有するシーラントを含む嚢である、請求項1に記載の粘性材料用ディスペンサ。
【請求項20】
シーラントを塗布する方法であって、
少なくとも2つの向かい合う側壁と、第1の閉鎖端部と、第2の閉鎖端部とを有する容器を供し、前記側壁及び前記両閉鎖端部が、容器シーラントを収容する封入体を画定し、少なくとも一方の閉鎖端部が、絞り出し形状を有し、少なくとも一方の側壁が、前記絞り出し形状を有する閉鎖端部からもう一方の端部へと延びる折り目を備えており、
前記容器を折り目で折り曲げ、前記シーラントを前記容器から、前記絞り出し形状を有する閉鎖端部を介して外部へと絞り出すことを含む、方法。
【請求項21】
少なくとも1つの小袋の軸線に沿った折り目を有する複数のシールされた小袋、並びに
少なくとも1つの小袋の内部に収容されたシーラント
を含む、シーラントキット。
【請求項22】
前記折り目が、ディスペンサの長手方向の折り曲げを容易にするための、少なくとも一方の側壁の表面へと印付けされた、プレス、折り曲げ又はしわ付けされた線である、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項23】
前記容器が、特定された作業のシールに対して釣り合わせられた又は測定された量のコークシーラントを保持している小袋である、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項24】
前記容器が、20cm×15cm又はそれより小さい寸法を有する小袋である、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項25】
前記第1の閉鎖端部及び前記絞り出し形状が、互いに一体的に形成されており、前記絞り出し形状が、前記容器の長手方向に突出しており、第1の閉鎖端部上で中央に配置されている、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項26】
前記側壁が、それ自体に(互いに)向かって倒れ込み、折り目線で折り目付けされているように可撓性である、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項27】
前記絞り出し形状がノズルである、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項28】
前記容器が、シーラントを保持する小袋である、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項29】
前記容器が、RTV組成物を含むシーラントを保持する小袋である、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項30】
前記容器が、(i)加水分解可能な置換基を有するポリシロキサンポリマーと(ii)2つ以上の加水分解可能な置換基を有する多官能性シリコーンコンパウンドとの混合物又は反応生成物を含むポリシロキサン成分を含むシーラントを保持する小袋である、請求項21に記載のシーラントキット
【請求項31】
前記容器が、(i)加水分解可能な置換基を有するポリシロキサンポリマーと(ii)2つ以上の加水分解可能な置換基を有する多官能性シリコーンコンパウンドとの混合物又は反応生成物を含むポリシロキサン成分を含むシーラントを保持し、充填材を含む小袋である、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項32】
前記容器が、(i)加水分解可能な置換基を有するポリシロキサンポリマーと(ii)2つ以上の加水分解可能な置換基を有する多官能性シリコーンコンパウンドとの混合物又は反応生成物を含むポリシロキサン成分を含むシーラントを保持し、充填材及び縮合硬化触媒を含む小袋である、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項33】
前記容器が、長手方向軸線及び内部を有する細長い小袋であり、該小袋が、周りを取り囲む側壁、前記小袋の下流の端部を形成する第1の閉鎖部、及び前記小袋の上流の端部を形成する第2の閉鎖部を備えており、ノズル形状における前記取り囲む側壁に対する吐出の延びが、側壁から外側に向かって延び、内部と流体連通する流路を有している、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項34】
容器の内部に収容されているシーラントを含み、前記側壁が、可撓性の材料から製造されており、それにより、前記容器を手動で折り曲げ、シーラントを、前記絞り出し形状から選択された基材表面へと塗布されるビードとして絞り出すことができる、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項35】
前記側壁が、透明材料から構成されている、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項36】
前記容器が、塗布されるシーラントのビードとほぼ同じ厚みを有するシーラントを収容する嚢である、請求項21に記載のシーラントキット。
【請求項37】
シーラントを塗布する方法であって、
シーラント作業を特定し、
実質的に未使用のシーラントがない状態で前記作業を完了させるシーラントの量を有する小袋を選択し、
前記小袋から前記作業へとシーラントを絞り出す
ことを含む、方法。
【請求項38】
キット内に収容されている複数の小袋から前記小袋を選択することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
様々な量のシーラントを収容し且つキット内に収容されている複数の小袋から前記小袋を選択することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記小袋を手動で押圧することによってシーラントを絞り出すことを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
折り目に沿って小袋を手動で押圧し、前記小袋を折り曲げて、前記シーラントを絞り出すことを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
折り目に沿って前記小袋を手動で且つ可変に押圧し、前記小袋を折り曲げ、作業をシールするために必要な量のシーラントを絞り出すことを含む、請求項37に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−513163(P2010−513163A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542930(P2009−542930)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/026110
【国際公開番号】WO2008/079313
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】