説明

粘着シート貼付装置及び貼付方法

【課題】離型シートの片面に貼着された状態で供給される粘着シートを、所定長さに切断して基板に貼り付ける粘着シートの貼付において、複数の貼付位置に対して複数の圧着ヘッドを用いて効率的に粘着シートの貼付動作を行う。
【解決手段】複数の粘着シート片のうちの1つを第1の圧着ヘッドによる圧着位置に位置させることで、他の1つの粘着シート片が第2の圧着ヘッドによる圧着位置に位置されるように、第1及び第2の圧着ヘッドの間のヘッド間シート長さを調整するシート長さ調整装置を備えさせ、この調整装置が、離型シートを搬送可能に支持するとともに、その回転軸の位置が可変されることでヘッド間シート長さを調整する調整ローラと、それぞれの圧着位置と調整ローラとの間で、離型シートの表裏を反転させて離型シート側の面を調整ローラに接触させるシート反転部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルやPDP(Plasma Display Panel)に代表されるディスプレイパネル等の基板(対象物)に、実装部品の固定用の粘着シートを貼り付ける粘着シート貼付装置及び貼付方法に関するものであり、特に、離型シート付き粘着シートにおいて所定の長さの粘着シート片を離型シートから剥離して基板に貼り付ける粘着シート貼付装置及び貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、液晶パネル等のディスプレイパネル基板に、実装部品の固定用の粘着シートを貼り付けて、この粘着シートに実装部品を圧着させる部品実装機が知られている。例えば、液晶パネルに離型シート付きのACF(異方性導電フィルム)を貼り付け、ACFの離型シートを剥離した後、ACFに実装部品(例えば、薄型LSIパッケージ部品等)を圧着させて、液晶パネル基板に部品を実装するような部品実装機がある。このような従来の部品実装機においては、ACFを貼り付けるためのACF貼付装置が備えられている。
【0003】
このような従来のACF貼付装置においては、リールに巻回された離型シート付きのACFが供給される際に、ACFを所定の長さに切断し、ステージ上に載置された基板上に供給し、その後、圧着ヘッドにより押圧することで、所定の長さに切断されたACF片を基板上に貼り付けるとともに、離型シートを剥離して、ACFの貼付動作が行われる。このような一連のACF貼付動作が繰り返して行われることで、基板における複数のACF貼付位置に対するACFの貼付動作が行われる。
【0004】
このような従来のACF貼付装置におけるパネル基板4の複数のACF貼付位置に対してACFの貼付動作を行う構成としては、次のようなものがある。例えば、図17の模式図に示す従来のACF貼付装置500では、複数のACF貼付位置とその間の領域に対して、一括してACF3を貼り付ける圧着ヘッド510を備えた構成を有している。一方、図18の模式図に示す従来の別のACF貼付装置600では、一列に配列された複数の圧着ヘッド610を用いて、それぞれの貼付位置に対して、個別にACF片を圧着するような構成を有している。なお、図17及び図18において、520および620がACF供給装置であり、530及び630が離型シート回収装置である。
【0005】
しかしながら、このような従来のACF貼付装置500では、基板においてACFを必要としない箇所にまでACFを貼り付けてしまうことになり、比較的コストが高いACFを無駄にするという問題がある。またACF貼付装置600では、個々の圧着ヘッド610による圧着位置と、離型シート上に形成されたそれぞれのACF片の位置とが合致せず、両者を位置合わせすることが難しい場合があるという問題がある。
【0006】
このような問題点を解決するために、例えば特許文献1に開示されているようなACF貼付装置が従来において提案されている。特許文献1のACF貼付装置においては、第1の圧着ヘッドと第2の圧着ヘッドとの間に、ヘッド間テープ長さを調整するための調整ローラが配置されており、この調整ローラによりそれぞれの圧着ヘッドにより圧着位置に1つのACF片がそれぞれの位置決め可能なようにヘッド間テープ長さの調整が行われる。
【0007】
【特許文献1】特許第3823783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のACF貼付装置では、ヘッド間テープ長さ調整するための調整ローラの周面に、離型シートにおいてそれぞれのACF片が配置されている面が接触する構造となっている。ACF片は粘着性を有しているため、調整ローラに接触することで、調整ローラへのACF片の付着、ACF片の破損、あるいはACF片への異物の付着などの不良が生じる場合がある。このような場合にあっては、効率的な貼付動作が阻害されるだけでなく、確実な貼付動作自体を行うことが困難となる。
【0009】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、離型シートの片面に貼着された状態で供給される粘着シートを、シート搬送経路に沿って搬送し、所定長さに切断して基板に貼り付ける粘着シートの貼付において、基板における粘着シート片の複数の貼付位置に対して、複数の圧着ヘッドを用いて、効率的に粘着シートの貼付動作を行うことができるシート貼付装置及び貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0011】
本発明の第1態様によれば、離型シートの片面に貼着された状態で供給される粘着シートを、シート搬送経路に沿って搬送し、所定長さに切断して基板に貼り付ける粘着シート貼付装置において、
シート搬送経路上の粘着シートに所定ピッチで切り込みを入れることにより離型シート上に所定長さの粘着シート片を複数形成する粘着シート切断装置と、
上記粘着シート切断装置よりも下流側の上記シート搬送経路に沿って上流側から順に配置され、上記複数の粘着シート片のうちの1つを上記離型シート側の面から上記基板に対して押圧して圧着する第1の圧着ヘッドと第2の圧着ヘッドと、
上記第1の圧着ヘッドによる第1の圧着位置に上記粘着シートが配置されるように、上記粘着シート片が形成された上離型シートを、離型シート側の面から支持する第1のシート支持部と、
上記第2の圧着ヘッドによる第2の圧着位置に上記粘着シートが配置されるように、上記粘着シート片が形成された上記離型シートを、離型シート側の面から支持する第2のシート支持部と、
上記複数の粘着シート片のうちの1つを上記第1の圧着位置に位置させることで、他の1つの粘着シート片が上記第2の圧着位置に位置されるように、上記第1の圧着ヘッドと第2の圧着ヘッドとの間のヘッド間シート長さを調整するヘッド間シート長さ調整装置とを備え、
上記ヘッド間シート長さ調整装置は、
上記離型シートを搬送可能に支持するとともに、その回転軸の位置が可変されることで、上記ヘッド間シート長さを調整する調整ローラと、
上記第1及び第2のシート支持部のそれぞれと上記調整ローラとの間で、上記離型シートの表裏を反転させて、離型シート側の面を上記調整ローラに接触させるシート反転部とを備えることを特徴とする粘着シート貼付装置を提供する。
【0012】
本発明の第2態様によれば、上記ヘッド間シート長さ調整装置は、上記調整ローラの上記回転軸の位置を移動可能に、上記調整ローラを支持するローラ位置調整部をさらに備える、第1態様に記載の粘着シート貼付装置を提供する。
【0013】
本発明の第3態様によれば、上記ヘッド間シート長さ調整装置において、
上記調整ローラは、上記回転軸が鉛直方向に配置された水平ローラであって、
上記ローラ位置調整部は、上記水平ローラの上記回転軸を、水平方向において上記第1及び第2の圧着ヘッドの配列方向と直交方向に移動させることで、上記ヘッド間シート長さを調整する、第2態様に記載の粘着シート貼付装置を提供する。
【0014】
本発明の第4態様によれば、上記ヘッド間シート長さ調整装置において、
上記調整ローラは、上記回転軸が鉛直方向に配置された水平ローラであって、
上記シート反転部は、その回転軸が傾斜して配置された傾斜ローラである、第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の粘着シート貼付装置を提供する。
【0015】
本発明の第5態様によれば、上記第1の圧着ヘッドと上記第2の圧着ヘッドを支持するとともに、上記基板における上記粘着シート片の貼付間隔に応じて、上記第1の圧着ヘッドと上記第2の圧着ヘッドとの支持間隔を調整可能とするヘッド間隔調整装置をさらに備える、第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の粘着シート貼付装置を提供する。
【0016】
本発明の第6態様によれば、上記調整ローラを移動させることで、上記それぞれの圧着ヘッドにより上記基板に圧着された上記粘着シート片を上記離型シートから剥離させる、第1態様から第5態様のいずれか1つに記載の粘着シート貼付装置を提供する。
【0017】
本発明の第7態様によれば、離型シートの片面に貼着された状態で供給される粘着シートをシート搬送経路に沿って搬送し、所定長さに切断して基板に貼付ける粘着シート貼付方法において、
上記シート搬送経路上の粘着シートに所定ピッチで切り込みを入れることにより離型シート上に所定長さの粘着シート片を複数形成し、
上記シート搬送経路に沿って上流側から順に配置された第1の圧着ヘッドと第2の圧着ヘッドとの間の上記シート搬送経路において、上記離型シートの表裏を反転させて、離型シート側の面を調整ローラに接触させた状態で上記調整ローラによりヘッド間シート長さを調整しながら上記離型シートを下流側に搬送して、上記第1および第2の圧着ヘッドによるそれぞれの圧着位置に上記複数の粘着シート片の1つをそれぞれ位置決めし、
上記第1および第2の圧着ヘッドにより、上記それぞれの圧着位置に位置決めされた粘着シート片を離型シート側から上記基板に対して圧着することを特徴とする粘着シート貼付方法を提供する。
【0018】
本発明の第8態様によれば、上記粘着シート片を上記基板に対して圧着した後、離型シート側の面に接触した状態の上記調整ローラを移動させることで、上記それぞれの圧着位置に配置されている上記離型シートに対して張力を付加して、上記基板に対して圧着された状態のそれぞれの粘着シート片を上記離型シートから剥離させる、第7態様に記載の粘着シート貼付方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、粘着シート貼付装置において、それぞれのヘッド間のシート長さの調整を行うヘッド間シート長さ調整装置が、それぞれの圧着ヘッドの間に備えられているため、離型シートにおいて、1つの粘着シート片を第1の圧着ヘッドの第1の圧着位置に位置させると、第2の圧着ヘッドの第2の圧着位置に他の1つの粘着シート片を位置させることができる。従って、複数の圧着ヘッドを用いた効率的な粘着シート片の貼り付けを実現することができる。
【0020】
また、ヘッド間シート長さ調整装置において、調整ローラの前後にシート反転部が設けられ、このシート反転部により離型シートが表裏反転された状態にて、調整ローラに支持させることができるため、調整ローラの周面は、常に離型シートの粘着シート片が貼着されていない面(離型シート側の面)に接触した状態とさせることができる。従って、調整ローラに粘着シート片が接触して付着したり、粘着シート片が破損したりすることを確実に防止できる。
【0021】
従って、基板における粘着シート片の複数の貼付位置に対して、複数の圧着ヘッドを用いて、効率的に粘着シートの貼付動作を行うことができるシート貼付装置及び貼付方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
本発明の一の実施形態にかかる離型シート付き粘着シートの貼付装置の一例であるACF貼付装置100の構成を示す模式斜視図を図1に示す。図1のACF貼付装置100は、貼付対象物である液晶パネル基板(以降、「パネル基板」という。)に粘着シートの一例であるACF(異方性導電フィルム)片を貼り付けて、ACF片から離型シートを剥離し、貼り付けられたACFを介してパネル基板に部品を実装可能な状態とさせる装置である。なお、本実施形態においては、粘着シートとして異方性導電粒子が含まれるACFを例にとって説明を行うが、このような粘着シートには異方性導電粒子が含まれないシート(すなわち、導電機能を有さず、接着機能を有するようなシート)が用いられるような場合であってもよい。
【0024】
図1に示すACF貼付装置100においては、パネル基板4を受け取って保持するとともに、保持したパネル基板4の図示X軸方向およびY軸方向の水平方向の移動、並びにZ軸方向の昇降移動、さらにXY平面におけるθ回転移動を行う基板保持ステージ5と、ACF貼付装置100の搬入位置に搬入されたパネル基板4をその下面側から支持しながら図示X軸方向に搬送して、パネル基板4を基板保持ステージ5に移載する基板移載装置13と、パネル載置ステージ5に保持されたパネル基板4の端部が載置される基台である端部載置端部載置ステージ12と対向するように図示X軸方向に配列された複数、例えば4個の圧着ヘッドユニット20とが備えられている。
【0025】
ここで、ACF貼付装置100の構成をさらに詳細に示す模式斜視図を図2に示し、図示Y軸方向からの模式側面図を図3に示す。図2に示すように、端部載置ステージ12には、貼り付け対象物である液晶パネル基板4において、部品が装着される領域である端子部を載置することが可能となっている。なお、液晶パネル基板4において、長辺側の端子部がソース側端子部4aとなっており、短辺側の端子部がゲート側端子部4bとなっており、それぞれの端子部4a、4bにおいて、部品装着のためにACF片が貼り付けられる複数のACF貼付位置Pが配置されている。
【0026】
図2及び図3に示すように、図示X軸方向に沿って一列に配列された4個の圧着ヘッドユニット20の図示左側には、リールに巻回された離型シート付きACFを、それぞれの圧着ヘッドユニット20と端部載置ステージ12との間に供給するACF供給ユニット30が備えられており、図示右側には、ACFが剥離された後の離型シートを回収する離型シート回収ユニット40が備えられている。
【0027】
図2及び図3に示すように、それぞれの圧着ヘッドユニット20は、その下方に配置された端部載置ステージ12と対向する圧着面21aをその下面に有し、ACFの貼り付け動作を行う圧着ヘッド(第1の圧着ヘッド又は第2の圧着ヘッド)の一例であるヘッド21と、このヘッド21を昇降させるヘッド昇降装置22とを備えている。このヘッド21には、図示しない加熱手段が内蔵されており、ヘッド21の圧着面21aを所定の温度に加熱することが可能となっている。
【0028】
ACF供給ユニット30は、離型シート付きACFが巻回されたリール31と、リール31より供給されるACFを案内する複数のローラ32と、離型シートの継ぎ目を検出する検出手段の一例である継ぎ目検出用センサ33と、離型シートに貼り付けられた一連のACFに対して、パネル基板4における部品装着領域の大きさに応じた所定長さのACF片とするための切り込みを形成する粘着シート切断装置の一例であるカッター34と、離型シートにおいて、取り除きたいACFが捨て打ちされるACF捨て打ち部35と、離型シートを介してカッター34及びACF捨て打ち部35に対向して配置され、切り込み形成動作又は捨て打ち動作が行われる際に、離型シートを受けて支持するステージ36とを備えている。
【0029】
離型シート回収ユニット40は、端部載置ステージ12の上方にてACFが剥離された後の離型シートを解除可能に把持しながら図示上向きに移動されることで、リール31からのACFの送り供給動作と、端部載置ステージ12の上方からの離型シートの送り排出動作を行うチャック41(シート送り部)と、このチャック41により送り排出される離型シートを案内するローラ42と、離型シートが回収されるシート回収部43とを備えている。なお、このチャック41は、後述する離型シートの剥離動作などの際に、離型シートを把持するロックチャックとしての機能も有している。
【0030】
それぞれの圧着ヘッドユニット20は、図示X軸方向に沿って個別にその移動を案内しながら支持するヘッド支持部23により支持されている。各々の圧着ヘッドユニット20をヘッド支持部23により支持された状態でX軸方向に移動させることで、個々の圧着ヘッドユニット20の支持位置を個別に調整することが可能となっている。なお、本実施形態においては、ヘッド支持部23がヘッド間隔調整装置の一例となっている。また、それぞれの圧着ヘッドユニット20には、ヘッド21と端部載置ステージ12との間におけるヘッド21の圧着位置(ヘッドの真下の位置)に供給されて配置された離型シート付きACFを略水平な姿勢して支持するシート支持部(例えば、2個のローラにより構成)24が備えられている。
【0031】
また、図1及び図2に示すように、それぞれの圧着ヘッドユニット20の間には、圧着ヘッドユニット20間のACFの長さを調整するヘッド間シート長さ調整装置50(以降、「シート長さ調整装置50」とする。)が備えられている。すなわち、ACF貼付装置100における4個の圧着ヘッドユニット20の間には、合計3個のシート長さ調整装置50が備えられている。ここで、1個のシート長さ調整装置50の模式平面図を図4に示し、模式側面図を図5に示す。なお、離型シート2の一方の面にACF3が貼付けられたものが離型シート付きACFであるが、この離型シート付きACFからACF片が取り除かれて最終的には離型シート2のみが残ることになる。そのため、以降の説明においては、その説明の内容に応じて、離型シート付きACFを、ACF片が残っているあるいは残っていないに拘わらず、単に離型シート2と称するものとする。
【0032】
図2〜図5に示すように、各々のシート長さ調整装置50は、離型シート2(離型シート付きACF)をその周面において搬送可能に支持するとともに、その回転軸が鉛直方向に配置された調整ローラ(水平ローラ)51と、調整ローラ51の前後におけるシート搬送経路に配置され、離型シート2をその周面において搬送可能に支持するとともに、その回転軸がYZ平面内にて水平方向に対して例えば45度傾斜された2個の傾斜ローラ52(シート反転部の一例である)とを備えている。
【0033】
図5に示すように、傾斜ローラ52は、シート支持部24にてそのACF片3が図示下向きに配置されかつ略水平な姿勢で支持された状態の離型シート2が上方に向けて取り出されて、その周面を回り込むようにして支持されることで、シート搬送経路をZ軸方向からY軸方向へと変えるとともに、離型シート2の表裏を反転させる機能を有している。また、傾斜ローラ52の周面は、離型シート2におけるACF片3が貼着されていない側の面に接触している。
【0034】
調整ローラ51は、傾斜ローラ52を経由することで表裏が反転され、その幅方向を鉛直方向とされた離型シート2におけるACF片3が貼着されていない側の面を、その周面に接触させて、周面に沿って離型シート2を支持する。さらに、図4及び図5に示すように、シート長さ調整装置50には、調整ローラ51を図示Y軸方向に移動調整するローラ位置調整部53が備えられている。このローラ位置調整部53にて調整ローラ51の回転軸の位置を図示Y軸方向に沿って移動させることで、ヘッド間シート長さの調整を行うことが可能となっている。なお、調整ローラ51の周面を経由した離型シート2は、もう1つの傾斜ローラ52の周面を回り込むようにして支持されることで、再びそのシート搬送経路がY軸方向からZ軸方向へと戻されるとともに、その表裏も反転されて、次の圧着ヘッドユニット20のシート支持部24へ向かうようなシート搬送経路が形成されている。
【0035】
また、図3に示すように、ACF貼付装置100においてそれぞれの圧着位置にて離型シート2を支持するシート支持部24のシート搬送経路下流側には、隣接するように剥離ローラ25が備えられている。剥離ローラ25は、シート支持部24の下流側のローラと協働して、離型シート2を挟み込むようにしてシート搬送経路上流側へと移動することで、端子部に圧着されたACF片3を離型シート2から剥離させる動作を行う機能を有している。
【0036】
なお、図4及び図5に示すように、シート長さを調整する調整ローラ51は、加熱手段を備える複数のヘッド21の間の空間より離れて手前に引き出されて配置されているため、圧着ヘッドユニット20の間隔ピッチを小さくするようなヘッド配置構成を実現することができる。また、加熱手段を備えたヘッド21より離れて調整ローラ51を配置することができるので、1台の圧着ヘッドユニット20用として使用される所定数のACFをヘッド21間でストックする時でも、ACFがヘッド21よりの熱的影響を受けづらく、ACFの品質低下を抑制できる。
【0037】
また、図2に示すように、ACF貼付装置100は、上述したそれぞれの構成部の動作を互いに関連付けながら統括的に制御する制御装置9を備えている。具体的には、制御装置9は、ACF供給ユニット30から離型シート回収ユニット40までの一連の離型シート2の供給及び回収動作、カッター34によるACF片3の切り込み形成動作、ACF捨て打ち部35によるACF3の捨て打ち動作、圧着ヘッドユニット20によるACF片3の圧着動作、及びシート長さ調整装置50におけるヘッド間シート長さの調整動作などのそれぞれの動作を制御する機能を有している。
【0038】
(ACF貼付装置における全体動作)
次に、このような構成を有するACF貼付装置100において、搬入されるパネル基板4に対するACF片3の貼付動作を行う手順について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
図6のフローチャートのステップS1において、ACF貼付装置100の搬入位置にパネル基板4が搬入され、基板移載装置13により基板保持ステージ5にパネル基板4が移載されて保持される。その後、基板保持ステージ5によりパネル基板4が移動されて、例えばソース側端子部4aが端部載置ステージ12上に載置される。
【0040】
一方、ACF供給ユニット30のリール31に巻き回されているACF3が貼着された状態の離型シート2が、離型シート回収ユニット40に向けたシート搬送経路に送り出されて供給される。具体的には、離型シート回収ユニット40のチャック41によりシート搬送経路上に離型シート2を把持して搬送方向に向けて移動させることで、シート搬送経路における離型シート2の搬送が行われる。リール31から送り出された離型シート2は、ACF捨て打ち部35にて必要に応じてACF3の捨て打ち動作が行われ、さらにカッター34によりACFシートが所定の長さのACF片3となるように切り込みが形成されて、離型シート2上に所定枚数のACF片3が形成される(ステップS2:ACF捨て打ち・ACF所定数カット動作)。
【0041】
その後、複数のACF片3が形成された離型シート2がシート搬送経路に沿って送り出されて、それぞれの圧着ヘッドユニット20における圧着位置に、それぞれのACF片3が位置決めされる。位置決めの後、それぞれの圧着ヘッドユニット20において、ヘッド昇降装置22によりヘッド21が下降されて、離型シート2を介してACF片3がパネル基板4の部品装着位置に押圧されて貼り付けられる(ステップS3)。
【0042】
この貼付動作が行われた後、剥離ローラ25を移動させることで、貼り付けられたACF片3を離型シート2から剥離させる(ステップS4)。さらにパネル基板4にACF片3を貼り付ける箇所がある場合には、これらの一連の動作を繰り返して行う。また、パネル基板4のソース側端子部4aに対するACF片3の貼付動作が完了すると、基板保持ステージ5によりパネル基板4を90度回転させて、ゲート側端子部4bを端部載置ステージ12上に載置する。その後、上述のそれぞれのステップを繰り返して行うことで、ゲート側端子部4bへのACF片3の貼付動作を行う。それぞれの端子部4a及び4bに対する貼付動作が完了すると、基板保持ステージ5からパネル基板4が搬出される(ステップS5)。
【0043】
(ACF貼付装置における詳細動作)
次に、ACF貼付装置100におけるACF貼付動作をさらに詳細に説明する。この説明にあたって、ACF貼付動作の詳細手順を示すフローチャートを図7に示す。また、これらの手順を説明するための模式説明図を図8A〜図8C、及び図9〜図13に示す。
【0044】
まず、図7のステップS1において、ACF貼付装置100にパネル基板4が搬入されて、基板保持ステージ5によりパネル基板4が保持されて、パネル基板4に対するACF片3の貼付動作が開始される。
【0045】
具体的には、ステップS21にて、シート搬送経路に供給された離型シート2に対して、ACF3の捨て打ち動作を行う必要があるかどうかが判断される。例えば、図8Aに示すように、所定の長さに満たないACF片3が離型シート2に残っているような場合には、このACF片3を取り除く必要があり、捨て打ち動作が必要となる。また、ACF片3をパネル基板4に貼り付けた後、離型シート2の剥離動作を行う場合には、剥離ローラ25を離型シート2のACF3の貼着面に接触させる必要がある。そのため、それぞれの圧着ヘッドユニット20において圧着位置の上流側に隣接するようにACF片3が貼着されていない領域が必要となる。このような領域を確保するために、ACF片3の捨て打ち動作が必要となる。さらに、離型シート2の末端部が次の離型シート2の先端部と継ぎ合わせることで、ACF3の連続的な供給が実現可能となる。このような継ぎ目箇所の前後のACFはその長さを十分に確保できない場合もあり、そのような部分におけるACF片3は捨て打ち動作を行って取り除く必要がある。このような種々の理由により、ACFの捨て打ち動作が必要とされる。
【0046】
ステップS21にて捨て打ち動作が必要と判断された場合には、ステップS22にて捨て打ち動作が行われる。具体的には、図8Aに示すように、離型シート2において、捨て打ちをすべきACF3をカッター34により切り込みを入れて所望の長さのACF片3を形成する。その後、形成されたACF片3がACF捨て打ち部35に位置決めされるように離型シート3の送り動作が行われ、図8Bに示すように、ACF捨て打ち部35にACF片3が貼り付けられて、離型シート2から取り除かれる。なお、ステップS21にて捨て打ち動作が必要なしと判断された場合には、ステップS22の捨て打ち動作はスキップされる。
【0047】
次に、ステップS23にて、ACF3が貼着された離型シート2が、ACF片3のカット長さ(所定の長さ)だけ送り動作が行われる。この送り動作が行われた後、ステップS24にて、カッター34によりACF3に切り込みが形成され、所定長さのACF片3が形成される(図8C参照)。その後、ステップS25にて、1台の圧着ヘッドユニット20用として使用される所定枚数のACF片3の形成が完了したかどうかが判断される。所定枚数のACF片3の形成が完了していないと判断された場合には、ステップS23にてカット長さだけの離型シート2の送り動作が行われ、その後、ステップS24にてカット動作によるACF片3の形成が行われる。
【0048】
一方、ステップS25にて、1台の圧着ヘッドユニット20用として使用される所定枚数のACF片3の形成が完了したと判断された場合には、ステップS26にて、次の1台の圧着ヘッドユニット20用として使用されるACF片3の形成動作を行うかどうかが判断される。次の圧着ヘッドユニット20用のACF片3の形成動作を実施すると判断された場合には、上述のステップS21〜S25までのそれぞれの手順が同様に行われて、ACF片3の形成が行われる。全ての圧着ヘッドユニット20用のACF片3の形成が完了したと判断された場合には、それぞれのACF片3が形成された離型シート2の送り動作が行われ、各々の圧着位置において1つのACF片3が位置されるように、離型シート2とそれぞれの圧着位置との位置決めが行われる(ステップS27)。
【0049】
ACF貼付装置100においては、ACF片3の長さ情報、及び各々の圧着ヘッドユニット20にてストックしておくべき必要なACF片3の枚数情報に基づいて算出されたヘッド間における離型シート2の長さに基づいて、シート長さ調整装置50において、ローラ位置調整部53により調整ローラ51の位置が調整されている。このような調整が行われている結果、例えば、離型シート2において形成されたそれぞれのACF片3のうちの1枚のACF片3を、1台の圧着ヘッドユニット20の圧着位置に位置させることで、その他のそれぞれの圧着ヘッドユニット20における圧着位置にもACF片3が1つずつ位置された状態とすることができる。このような状態が、図3に示すような状態である。また、シート長さ調整装置50において、調整ローラ51の前後に傾斜ローラ52が設けられ、この傾斜ローラ52により離型シート2が表裏反転された状態にて、調整ローラ51に支持させることができるため、調整ローラ51に周面およびそれぞれの傾斜ローラ52の周面は、常に離型シート2のACF片3が貼着されていない面に接触した状態とさせることができる。従って、それぞれのローラにACF片3が接触して付着したり、ACF片3が破損したりすることを確実に防止できる。
【0050】
この位置決めが行われた後、ステップS31にて、ACF供給ユニット30及び離型シート回収ユニット40が一体的に下降されて、図9に示すように、離型シート2がその位置決め状態を保持しながら、パネル基板4の端子部4aの近傍に位置される。その後、図10に示すように、それぞれの圧着ヘッドユニット20において、ヘッド昇降装置22によりヘッド21が下降されて(ステップS32)、圧着面21aにて、離型シート2を介してACF片3がACF貼付位置Pに押圧される。それとともに図示しないヒータ等の加熱手段により圧着面21aを介してACF片3が加熱されて、ACF片3が端子部4aに圧着される(ステップS33)。
【0051】
次に、図11に示すように、ステップS34にて、それぞれの圧着ヘッドユニット20において、ヘッド昇降装置22によりヘッド21が上昇されて、ヘッド21によるACF片3の押圧が解除される。その後、ステップS41にて、ACF供給ユニット30及び離型シート回収ユニット40が一体的に上昇される。
【0052】
なお、この状態では、パネル基板4の端子部4aに貼り付けられたそれぞれのACF片3は、離型シート2からまだ剥離されていない状態にある。そのため、図12に示すように、ステップS42にて、それぞれの剥離ローラ25を図示左向きに移動させる(行き動作)ことで、それぞれのACF片3を離型シート2から剥離させる。その後、図13に示すように、ステップS43にて、それぞれの剥離ローラ25を図示右向きに移動させる(戻り動作)ことで、剥離動作を終了させる。
【0053】
パネル基板4のソース側端子部4aに対するACF片3の貼付動作が完了すると、基板保持ステージ5によりパネル基板4のθ回転移動を行ってゲート側端子部4bを端部載置ステージ12上に載置させる。その後、ゲート側端子部4bに対して、ACF片3の貼付動作を、上述のそれぞれのステップを実施することにより行う。全ての貼付動作が完了すると、ステップS5にてパネル基板4が、ACF貼付装置100から搬出される。
【0054】
(剥離動作の変形例)
なお、ACF片3の離型シート2からの剥離動作は、剥離ローラ25を用いた形態にのみ限られることなく、その他様々な態様を適用することができる。例えば、シート長さ調整装置50全体を昇降させる昇降装置を用いて、剥離動作を行う例について、図14〜図16の模式説明図を用いて以下に説明する。
【0055】
まず、図14に示すように、パネル基板4の端子部4aにそれぞれのACF片3が圧着されて、ヘッド21が上昇された後、ACF供給ユニット30及び離型シート回収ユニット40を一体的に上昇させる。その後、図15に示すように、それぞれのシート長さ調整装置50を上昇させる。この上昇動作により、それぞれのACF片3が離型シート2から剥離される。剥離動作が完了すると、図16に示すように、それぞれのシート長さ調整装置50が下降されて元の位置に戻される。
【0056】
上述の実施形態の説明においては、それぞれの圧着ヘッドユニット20が備えるヘッド21の圧着面21aにより、離型シート2を介してACF片3をパネル基板4に圧着するような場合について説明したが、本発明はこのような場合のみに限られるものではない。このような場合に代えて、ACF貼付装置において、例えば、ヘッド21の圧着面21aと、離型シート2との間に保護シートを供給する保護シート供給装置を備えさせるような場合であってもよい。具体的な構成としては、離型シート2の送り方向と直交する方向に保護シートの送り方向が配置され、かつ個々のヘッド21毎に保護シートが配置されるように、保護シートの搬送経路を配置する。これにより、圧着面21aと離型シート2との間に保護シートを介在させることで、例えば、圧着の際に離型シート2の端部よりACF3がはみ出すような場合が生じても、圧着面21aにACF3が付着することを確実に防止することができる。従って、清掃作業等の手間を大幅に低減することができ、効率的な貼付動作を行うことできる。なお、保護シート供給装置において、例えば一度使用した保護シートを巻き取って、次の圧着の際には新たな保護シートを供給するような形態を採用することができる。
【0057】
また、シート長さ調整装置50において、離型シート2の表裏を反転させる(あるいは捻りを付加する)機能を有する傾斜ローラ52として、例えば円筒型のローラを用いるような場合について説明したが、本発明はこのような場合のみに限られるものではない。傾斜ローラ52としては、離型シート2の表裏を反転させて、調整ローラ51の周面にACF片3が形成された面が接触しないようにする機能を有していればよく、例えば、円錐型のローラや搬送経路を変えることができるような異型ローラなどを採用することもできる。
【0058】
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
【0059】
まず、複数の圧着ヘッドユニット20が備えられているACF貼付装置100において、それぞれのヘッド間のシート長さの調整を行うシート長さ調整装置50が、それぞれの圧着ヘッドユニット20の間に備えられているため、離型シート2において、1枚のACF片3を1個の圧着ヘッドユニット20における圧着位置に位置させると、他のそれぞれの圧着ヘッドユニット20における圧着位置にACF片3を1つずつ位置させることができる。従って、複数の圧着ヘッドユニット20を用いた効率的なACF片3の貼付動作を実現することができる。
【0060】
また、シート長さ調整装置50において、水平ローラである調整ローラ51の前後に傾斜ローラ52が設けられ、この傾斜ローラ52により離型シート2が表裏反転された状態にて、調整ローラ51に支持させることができるため、調整ローラ51の周面およびそれぞれの傾斜ローラ52の周面は、常に離型シート2のACF片3が貼着されていない面に接触した状態とさせることができる。従って、それぞれのローラにACF片3が接触して付着したり、ACF片3が破損したりすることを確実に防止できる。
【0061】
また、パネル基板4にACF片3が圧着された後、それぞれのACF片3を離型シート2から剥離させる剥離動作が行われる際には、剥離ローラ25を水平移動させる、あるいはシート長さ調整装置50を上昇させることにより離型シート2に更なる張力が付与されることになる。このように更なる張力が付与されるような場合でも、シート長さ調整装置50において、傾斜ローラ52や調整ローラ51の周面には、ACF片3が接触しないように構成されているため、ローラへのACF片3の付着などの問題が生じることを確実に防止することができる。
【0062】
また、それぞれのシート長さ調整装置50は、調整ローラ51、2つの傾斜ローラ52、及びローラ位置調整部53というように、比較的少ない構成部材で簡単な構造にてコンパクトに構成することができる。したがって、それぞれの圧着ヘッドユニット20の間の間隔ピッチを小さくするようなヘッド配置構成を実現することができ、狭ピッチ化されたACF貼付位置PへのACF片3の貼り付けに対応することができる。
【0063】
従って、複数の圧着ヘッドユニット20によりACF片3の貼付動作を効率的に実現することができるACF貼付装置及び貼付方法を提供することができる。
【0064】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一の実施形態にかかるACF貼付装置の全体模式図
【図2】本実施形態のACF貼付装置の模式構成図
【図3】図2のACF貼付装置の模式側面図
【図4】本実施形態のACF貼付装置が備えるシート長さ調整装置の模式平面図
【図5】図4のシート長さ調整装置の模式側面図
【図6】本実施形態のACF貼付動作における全体動作の手順を示すフローチャート
【図7】本実施形態のACF貼付動作における詳細動作の手順を示すフローチャート
【図8A】図7のフローチャートにおけるACF捨て打ち動作の模式説明図
【図8B】図7のフローチャートにおけるACF捨て打ち動作の模式説明図
【図8C】図7のフローチャートにおけるACFカット動作の模式説明図
【図9】図7のフローチャートの模式説明図であって、それぞれの圧着位置にACF片が位置決めされた状態を示す図
【図10】図7のフローチャートの模式説明図であって、ACF片が圧着されている状態を示す図
【図11】図7のフローチャートの模式説明図であって、それぞれのヘッドが上昇された状態を示す図
【図12】図7のフローチャートの模式説明図であって、剥離動作が開始された状態を示す図
【図13】図7のフローチャートの模式説明図であって、剥離動作が完了した状態を示す図
【図14】剥離動作の変形例の模式説明図であって、ACFの圧着動作が終了した状態を示す図
【図15】剥離動作の変形例の模式説明図であって、シート長さ調整装置を上昇させることで剥離動作が行われている状態を示す図
【図16】剥離動作の変形例の模式説明図であって、シート長さ調整装置を下降させて剥離動作が完了した状態を示す図
【図17】従来のACF貼付装置の模式構成図
【図18】従来の別のACF貼付装置の模式構成図
【符号の説明】
【0066】
2 離型シート
3 ACF(ACF片)
4 パネル基板
4a ソース側端子部
4b ゲート側端子部
5 基板保持ステージ
9 制御装置
12 端部載置ステージ
13 基板移載装置
20 圧着ヘッドユニット
21 ヘッド
22 ヘッド昇降装置
24 シート支持部
25 剥離ローラ
30 ACF供給ユニット
31 リール
32 ローラ
33 継ぎ目検出用センサ
34 カッター
35 捨て打ち部
40 離型シート回収ユニット
41 チャック
42 ローラ
43 シート回収部
50 シート長さ調整装置
51 調整ローラ
52 傾斜ローラ
63 ローラ位置調整部
100 ACF貼付装置
P ACF貼付位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
離型シートの片面に貼着された状態で供給される粘着シートを、シート搬送経路に沿って搬送し、所定長さに切断して基板に貼り付ける粘着シート貼付装置において、
シート搬送経路上の粘着シートに所定ピッチで切り込みを入れることにより離型シート上に所定長さの粘着シート片を複数形成する粘着シート切断装置と、
上記粘着シート切断装置よりも下流側の上記シート搬送経路に沿って上流側から順に配置され、上記複数の粘着シート片のうちの1つを上記離型シート側の面から上記基板に対して押圧して圧着する第1の圧着ヘッドと第2の圧着ヘッドと、
上記第1の圧着ヘッドによる第1の圧着位置に上記粘着シートが配置されるように、上記粘着シート片が形成された上離型シートを、離型シート側の面から支持する第1のシート支持部と、
上記第2の圧着ヘッドによる第2の圧着位置に上記粘着シートが配置されるように、上記粘着シート片が形成された上記離型シートを、離型シート側の面から支持する第2のシート支持部と、
上記複数の粘着シート片のうちの1つを上記第1の圧着位置に位置させることで、他の1つの粘着シート片が上記第2の圧着位置に位置されるように、上記第1の圧着ヘッドと第2の圧着ヘッドとの間のヘッド間シート長さを調整するヘッド間シート長さ調整装置とを備え、
上記ヘッド間シート長さ調整装置は、
上記離型シートを搬送可能に支持するとともに、その回転軸の位置が可変されることで、上記ヘッド間シート長さを調整する調整ローラと、
上記第1及び第2のシート支持部のそれぞれと上記調整ローラとの間で、上記離型シートの表裏を反転させて、離型シート側の面を上記調整ローラに接触させるシート反転部とを備えることを特徴とする粘着シート貼付装置。
【請求項2】
上記ヘッド間シート長さ調整装置は、上記調整ローラの上記回転軸の位置を移動可能に、上記調整ローラを支持するローラ位置調整部をさらに備える、請求項1に記載の粘着シート貼付装置。
【請求項3】
上記ヘッド間シート長さ調整装置において、
上記調整ローラは、上記回転軸が鉛直方向に配置された水平ローラであって、
上記ローラ位置調整部は、上記水平ローラの上記回転軸を、水平方向において上記第1及び第2の圧着ヘッドの配列方向と直交方向に移動させることで、上記ヘッド間シート長さを調整する、請求項2に記載の粘着シート貼付装置。
【請求項4】
上記ヘッド間シート長さ調整装置において、
上記調整ローラは、上記回転軸が鉛直方向に配置された水平ローラであって、
上記シート反転部は、その回転軸が傾斜して配置された傾斜ローラである、請求項1から3のいずれか1つに記載の粘着シート貼付装置。
【請求項5】
上記第1の圧着ヘッドと上記第2の圧着ヘッドを支持するとともに、上記基板における上記粘着シート片の貼付間隔に応じて、上記第1の圧着ヘッドと上記第2の圧着ヘッドとの支持間隔を調整可能とするヘッド間隔調整装置をさらに備える、請求項1から4のいずれか1つに記載の粘着シート貼付装置。
【請求項6】
上記調整ローラを移動させることで、上記それぞれの圧着ヘッドにより上記基板に圧着された上記粘着シート片を上記離型シートから剥離させる、請求項1から5のいずれか1つに記載の粘着シート貼付装置。
【請求項7】
離型シートの片面に貼着された状態で供給される粘着シートをシート搬送経路に沿って搬送し、所定長さに切断して基板に貼付ける粘着シート貼付方法において、
上記シート搬送経路上の粘着シートに所定ピッチで切り込みを入れることにより離型シート上に所定長さの粘着シート片を複数形成し、
上記シート搬送経路に沿って上流側から順に配置された第1の圧着ヘッドと第2の圧着ヘッドとの間の上記シート搬送経路において、上記離型シートの表裏を反転させて、離型シート側の面を調整ローラに接触させた状態で上記調整ローラによりヘッド間シート長さを調整しながら上記離型シートを下流側に搬送して、上記第1および第2の圧着ヘッドによるそれぞれの圧着位置に上記複数の粘着シート片の1つをそれぞれ位置決めし、
上記第1および第2の圧着ヘッドにより、上記それぞれの圧着位置に位置決めされた粘着シート片を離型シート側から上記基板に対して圧着することを特徴とする粘着シート貼付方法。
【請求項8】
上記粘着シート片を上記基板に対して圧着した後、離型シート側の面に接触した状態の上記調整ローラを移動させることで、上記それぞれの圧着位置に配置されている上記離型シートに対して張力を付加して、上記基板に対して圧着された状態のそれぞれの粘着シート片を上記離型シートから剥離させる、請求項7に記載の粘着シート貼付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−251791(P2008−251791A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−90591(P2007−90591)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】