説明

精油から汚染物質を除去する方法

精油から汚染物質を除去するための方法であって、汚染物質を含む精油をアルカリ性水溶液に接触させる工程を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、精油から汚染物質を除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
精油とは、果物の皮及び植物の葉、茎、花、樹皮、根、又は小枝から抽出される揮発油であり、通常は、植物又はその果実の香り又は風味を有している。精油は、食物及び飲料の調味料として、香料として、及び医療用に有用である。例えば、精油には、柑橘油などの皮の油が含まれる。柑橘油は、柑橘属果実の皮を絞り出すか押し潰して抽出される。柑橘油は、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、タンジェリン、マンダリン、ダイダイ、及びベルガモットから抽出することができる。他の精油としては、ミント油などの葉の油、丁子油などの香辛料の油、及びバラ油などの花の油が挙げられるが、これに限定されない。
【0003】
精油を抽出する植物及び果物は広く栽培され、その一部はそれが生成する精油のために栽培される。栽培中に、昆虫、菌類及び雑草などの有害生物を抑制するために、植物又は果物又はその両方に農薬を適用することが多い。栽培中に適用される農薬の多くは、収穫物を洗浄することによって除去されるが、精油を抽出する植物又は果物に農薬残留物が残ることがあり、精油とともに抽出されることがある。さらに、腐敗を防止するために、殺菌剤などの農薬を収穫した果物に適用することがあり、その後にこの果物を処理して、精油を生成することがある。それ故、精油は、微量の農薬を含むことがあり、これを本明細書では農業残留物と呼ぶ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、精油から農薬残留物を除去することが望ましく、精油からこのような汚染物質を除去する効果的かつ経済的な方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、精油から汚染物質を除去するために、汚染物質を含む精油をアルカリ性水溶液と接触させる工程を含む方法を提供することによって、前述の課題を解決する。望ましいことに、アルカリ性水溶液は、精油の官能特性を実質的に減少させることなく、精油から汚染物質を除去する。
【0006】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の説明及び特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以上で要約したように、本発明には、精油から汚染物質を除去するために、汚染物質を含む精油をアルカリ性水溶液と接触させる工程を含む方法が含まれる。アルカリ性水溶液は、望ましいことに、精油の官能特性を実質的有意に減少させることなく、汚染物質を除去する。それ故、処理された精油は、その望ましい風味又は香味、あるいはその両方を保ちながら、より純粋である。精油を食物又は飲料に使用する特定の実施形態では、汚染物質を除去することが特に望ましい。いかなる理論にも束縛されないが、本発明の特定の実施形態によれば、アルカリ性水溶液は、(1)汚染物質をイオン化して、これをアルカリ性水溶液中で可溶性にするために、汚染物質から少なくとも1つの陽子を除去するか、(2)汚染物質を、アルカリ性水溶液に陽子を供与できる化合物に転化させ、次いで転化した汚染物質が除去プロセス(1)を経ることによって、精油から汚染物質を除去すると考えられる。それ故、汚染物質又は転化した汚染物質がアルカリ性水溶液の溶液に入り、それによって非水性の精油から除去される。
【0008】
本発明の実施形態により処理可能な精油には、全ての精油が含まれる。精油は、果物の皮、及び植物の葉、茎、花、樹皮、根、又は小枝から抽出された揮発油であり、通常は、果物又は植物の香り及び/又は風味を有する。本発明の実施形態により処理可能な精油のタイプには、柑橘油などの皮の油、ミント油などの葉の油、丁子油などの香辛料の油、バラ油などの花の油、及び茎、樹皮、根及び小枝からの油などの他の植物油が含まれるが、これに限定されない。本発明の実施形態による処理に適した柑橘油には、レモン油、オレンジ油、ライム油、グレープフルーツ油、タンジェリン油、マンダリン油、ダイダイ油、及びベルガモット油が含まれる。本発明の実施形態は、柑橘油から汚染物質を除去するのに特に効果的であるが、どのような精油から汚染物質を除去するのにも適している。
【0009】
本発明の実施形態は、アルカリ性水溶液によって除去される任意の精油汚染物質を除去するのに適切である。本発明の実施形態により精油から除去することが望ましい汚染物質の例としては、殺虫剤、殺菌剤及び除草剤などの農薬が挙げられるが、これに限定されない。汚染物質には、中性の性質である、すなわち酸性でもアルカリ性でもない性質であるものもある。本発明の実施形態により除去可能な中性農薬の例としては、カルバリルが挙げられるが、これに限定されない。例えば、カルバリルは、精油をアルカリ性水溶液と接触させ、カルバリルを1−ナフトールに転化することによって、精油から除去することができる。次に、1−ナフトールから少なくとも1つの陽子を除去するアルカリ性水溶液で、1−ナフトールをイオン化する。イオン化された1−ナフトールはアルカリ性水溶液に可溶性であり、それ故、精油からのカルバリル及び1−ナフトールの除去が達成される。
【0010】
酸性の性質で、少なくとも1つの陽子をアルカリ性水溶液に供与できる汚染物質もある。酸性の性質で、本発明の実施形態により除去可能な農薬の例としては、1−ナフトール及びオルトフェニルフェノール(OPP)が挙げられるが、これに限定されない。例えば、OPPは、精油をアルカリ性水溶液と接触させ、OPPから少なくとも1つの陽子を除去することによって、精油から除去することができる。OPPから陽子を除去すると、これがイオン化し、アルカリ性水溶液に可溶性になる。それ故、イオン化したOPPがアルカリ性水溶液の溶液に入るにつれ、精油からOPPが除去される。
【0011】
本発明の実施形態により除去可能な他の農薬には、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸及び1−ナフトールが含まれるが、これに限定されない。以上は、本発明の実施形態により除去可能な汚染物質の例にすぎず、本発明の実施形態は、他の多くの汚染物質を除去するのにも適切である。
【0012】
本発明の実施形態における適切なアルカリ性水溶液は、精油から汚染物質を除去し、精油の官能特性のみを残す。本発明の実施形態によれば、適切なアルカリ性水溶液には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどを含むアルカリ性水溶液が含まれるが、これに限定されない。水酸化ナトリウムは、微量で安価かつ無毒であるので、消費者製品に使用される精油からカルバリル、OPP、1−ナフトール及び他の農薬を除去するためのアルカリ性水溶液に、特に適切である。当業者に知られているように、溶液中の水酸イオンの力価を特徴とする他のアルカリ性水溶液も、本発明の実施形態で使用するのに適切である。特定の実施形態では、アルカリ性水溶液は7より大きいpHを有する。他の実施形態では、アルカリ性水溶液は約13と14の間のpHを有する。
【0013】
本発明の特定の実施形態によれば、アルカリ性水溶液は、水酸化ナトリウム及び水を含み、水酸化ナトリウムは、アルカリ性水溶液中の水100ミリリットル当たり水酸化ナトリウム約0.1グラムから、アルカリ性水溶液中の水100ミリリットル当たり水酸化ナトリウム約50グラムの範囲の量で、アルカリ性水溶液中に存在する。他の実施形態では、アルカリ性水溶液は、水酸化ナトリウム及び水を含み、水酸化ナトリウムは、アルカリ性水溶液中の水100ミリリットル当たり水酸化ナトリウム約1グラムから、アルカリ性水溶液中の水100ミリリットル当たり水酸化ナトリウム約7グラムの範囲の量で、アルカリ性水溶液中に存在する。
【0014】
精油は、汚染物質を含む精油とアルカリ性水溶液をチェンバー内で混合して、水相と油相を構成する等、従来の方法に従ってアルカリ性水溶液で処理される。このように精油をアルカリ性水溶液と接触させることによって、望ましいことに、汚染物質の少なくとも一部が除去される。汚染物質が、精油からほぼ完全に除去されることが好ましい。
【0015】
アルカリ性水溶液と精油との相対量は、汚染物質の所望の除去が達成されるような量であることが望ましい。本発明の特定の実施形態によれば、精油とアルカリ性水溶液は、アルカリ性水溶液の重量部に対する精油の重量部に基づいて、アルカリ性水溶液に対する精油の比率が、約1:1から約50:1という範囲で組み合わせることができる。他の実施形態では、アルカリ性水溶液の重量部に対する精油の重量部に基づいて、アルカリ性水溶液に対する精油の比率は、約1:1から約20:1という範囲で組み合わせることができる。しかし、汚染物質の所望の除去は、精油とアルカリ性水溶液の比率に加えて、特に、アルカリ性水溶液中の水酸化物の濃度、精油とアルカリ性水溶液との接触時間、精油とアルカリ性水溶液との間で達成される接触の程度、精油及びアルカリ性水溶液の温度、又は精油中の汚染物質の濃度などの要素に依存することが、当業者には理解される。
【0016】
本発明の特定の実施形態は、最高500PPMまでの濃度の汚染物質を含む精油の処理に有用であり得る。他の特定の実施形態では、0.01PPMと100PPMの間の濃度で汚染物質を含む精油を、アルカリ性水溶液に接触させて、汚染物質を除去する。
【0017】
本発明の特定の実施形態によれば、精油とアルカリ性水溶液をチェンバー(chamber)内で混合して、水相と油相を構成することによって、精油から汚染物質を除去する方法が提供される。水相はアルカリ性水溶液を含み、これは精油と接触すると、汚染物質を取り込む。有機相は精油を含み、これは実質的に汚染物質を含まない。有機相は、次に当業者に公知の有機相と水相とを分離する任意の方法で、水相から分離することができる。
【0018】
他の実施形態では、精油とアルカリ性水溶液をチェンバー内で一定の攪拌時間攪拌することによって、精油とアルカリ性水溶液をさらに接触させることができる。このような攪拌により、精油とアルカリ性水溶液が混合されたエマルジョンを形成するので、本発明の実施形態は、精油とアルカリ性水溶液を攪拌した後に、水相と油相を形成するために精油とアルカリ性水溶液を一定時間静置する工程をさらに含むことができる。水相と油相が形成されたら、この2つを相互に分離する。特定の実施形態では、攪拌時間は1時間を超えてもよい。
【0019】
本発明の特定の実施形態によれば、精油とアルカリ性水溶液を混合するチェンバーに、不活性ガスを導入することができる。不活性ガスは、チェンバー内に存在するような任意の気体状酸化剤の少なくとも一部をパージするために使用することができる。このように酸化剤をパージすると、精油の官能特性に影響するような精油の酸化が防止される。本発明の実施形態に適切な不活性ガスの例としては、窒素及びアルゴンが挙げられるが、これに限定されない。
【0020】
特定の実施形態では、アルカリ性水溶液と接触し、次にそこから分離された精油を水洗することにより、この精油から、残留汚染物質及び/又はアルカリを全て除去することができる。水洗には、精油を水と接触させることが含まれ、これによって残留汚染物質及び/又はアルカリが全て水中の溶液に入り、次いで水を精油から分離し、これにより残留汚染物質及び/又はアルカリを除去する。この水洗の詳細なメカニズムについては、当業者には理解されているので、さらに詳細には説明しない。
【0021】
他の実施形態では、精油は、汚染物質を除去するためにアルカリ性水溶液と接触した後で、曇りを呈することがある。このような実施形態では、不透明な材料を除去するために、精油の濾過又は遠心分離を実行することができる。
【0022】
例えば、OPPを含む精油を処理する実施形態では、5%のNaOH水溶液又は7%のKOH溶液を、分液漏斗などの容器内でグレープフルーツ又はレモン油などの精油と1:1の重量比で混合する。混合物を45秒から1分間振盪し、次いで漏斗内で水溶液と油が分離するように放置する。水溶液を漏斗の底部から取り除く。次に、等量の水を油に加え、混合物を振盪して、油と水が分離できるようにし、次に水を取り除くことによって、精油を洗浄する。OPPが汚染物質である場合、反応は非常に迅速で、油を曇らせることがある。曇りを除去するために、油を濾過又は遠心分離することができる。OPPの95から97%は、このようなプロセスで除去することができる。
【0023】
本発明について、以下に、カルバリルの除去について説明する例で、さらに例示する。この例は、いかなる意味でも、本発明の範囲に制限を与えるものとは解釈されない。逆に、本明細書の説明を読んだ後、本発明の範囲及び特許請求の範囲から逸脱することなしに、当業者に思い浮かぶ様々な他の実施形態、修正、及びその等価物があることを明白に理解されたい。
【0024】
実施例1
この実施例では、本発明の実施形態により、汚染物質を含む精油をアルカリ性水溶液と接触させることによって、精油から汚染物質を除去する方法の実施形態の実施例について開示する。
【0025】
常温で圧搾したオレンジ油を105.81グラム含む精油が、15.51PPMでカルバリルを含有していた。オレンジ油を、5重量%の水酸化ナトリウム溶液を含む5.57グラムのアルカリ性水溶液と、磁気攪拌棒を含む三角フラスコ内で接触させた。フラスコの頭隙に窒素を充填した。内容物を室温で2時間、激しく攪拌した。次に、オレンジ油と水酸化ナトリウム溶液が分離するように放置した。次に、油相を#3ワットマンフィルタで濾過した。最後に、オレンジ油を水洗した。油からの水洗分離は、1日から2日間の期間にわたって実行した。オレンジ油を分析した結果、カルバリル又は1−ナフトールは検出されなかった。
【0026】
以上で説明したように、カルバリルを除去するメカニズムは、OPPを除去するメカニズムとは異なると考えられる。その結果、カルバリルの除去の方が時間がかかるが、カルバリルは、その存在が検出できなくなるほど除去することができる。
【0027】
以上は本発明の特定の実施形態に関連するものであり、添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の範囲から逸脱することなしに、これを様々に変更できることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染物質を精油から除去するための方法であって、前記汚染物質を含む前記精油をアルカリ性水溶液に接触させる工程を含む方法。
【請求項2】
前記汚染物質が、中性有機化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記汚染物質が、前記アルカリ性水溶液に少なくとも1つの陽子を供与することができる有機化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記汚染物質が、中性有機化合物であり、前記アルカリ性水溶液が、前記中性有機化合物を、前記アルカリ性水溶液に少なくとも1つの陽子を供与することができる有機化合物に転化する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記汚染物質が、カルバリルである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記中性有機化合物が、カルバリルであり、前記アルカリ性水溶液に少なくとも1つの陽子を供与することができる前記有機化合物が、1−ナフトールである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記汚染物質が、オルトフェニルフェノール又は1−ナフトールである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記精油が、皮の油、葉の油、香辛料の油、及び花の油からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記精油が、柑橘油を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記柑橘油が、レモン油、オレンジ油、ライム油、グレープフルーツ油、マンダリン油、ダイダイ油、及びベルガモット油からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される水酸イオン源を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記アルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム及び水を含み、前記水酸化ナトリウムが、アルカリ性水溶液中に存在する水100ミリリットル当たり水酸化ナトリウム約0.1グラムから、アルカリ性水溶液中に存在する水100ミリリットル当たり水酸化ナトリウム約50グラムの範囲の量で、前記アルカリ性水溶液中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記アルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム及び水を含み、前記水酸化ナトリウムが、アルカリ性水溶液中に存在する水100ミリリットル当たり水酸化ナトリウム約1グラムから、アルカリ性水溶液中に存在する水100ミリリットル当たり水酸化ナトリウム約7グラムの範囲の量で、前記アルカリ性水溶液中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記アルカリ性水溶液が、7より大きいpHを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記アルカリ性水溶液が、約13と約14の間のpHを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記汚染物質が、農業残留物である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記農業残留物が、農薬である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記汚染物質が、カルバリル、オルトフェニルフェノール、1−ナフトール、及び2,4−ジクロロフェノキシ酢酸からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記精油を前記アルカリ性水溶液と接触させる前記工程が、水相及び油相を形成するために、前記精油と前記アルカリ性水溶液をチェンバー(chamber)内で混合する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記水相を前記油相から分離する工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記精油を前記アルカリ性水溶液と接触させる前記工程が、約1:1から約50:1という範囲の精油の重量部に対するアルカリ性水溶液の重量部に基づく精油とアルカリ性水溶液との比率で、前記精油と前記アルカリ性水溶液をチェンバー内で混合する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記精油を前記アルカリ性水溶液と接触させる前記工程が、約1:1から約20:1という範囲の精油の重量部に対するアルカリ性水溶液の重量部に基づく精油とアルカリ性水溶液との比率で、前記精油と前記アルカリ性水溶液をちぇんばー内で混合する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記精油を前記アルカリ性水溶液と接触させる前記工程が、前記精油と前記アルカリ性水溶液をチェンバー内で一定の攪拌時間攪拌する工程を含み、前記方法が、前記攪拌工程の後に、水相及び油相を形成するために、前記精油及びアルカリ性水溶液を一定の静置時間静置する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記攪拌時間が、1時間より長い、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記水相を前記油相から分離する工程をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
不活性ガスを前記チェンバーに導入する工程をさらに含み、前記不活性ガスが、任意の気体状酸化剤の少なくとも一部を前記チェンバーからパージする、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記水相を前記油相から分離する前記工程の後に、前記油相を水と接触させる工程と、次いで前記水を前記油相から分離する工程とをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
汚染物質を精油から除去するために、前記精油の官能特性を実質的に減少させることなく、アルカリ性水溶液が前記汚染物質の少なくとも一部を除去するように、前記汚染物質を含む前記精油を前記アルカリ性水溶液と接触させる工程を含む方法。
【請求項29】
前記アルカリ性水溶液が、前記精油から前記汚染物質を実質的に全部除去する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記汚染物質が、中性有機化合物である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記汚染物質が、前記アルカリ性水溶液に少なくとも1つの陽子を供与することができる有機化合物である、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記汚染物質が、中性有機化合物であり、前記アルカリ性水溶液が、前記中性有機化合物を、前記アルカリ性水溶液に少なくとも1つの陽子を供与することができる有機化合物に転化する、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記汚染物質が、カルバリルである、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記中性有機化合物が、カルバリルであり、少なくとも1つの陽子を供与することができる前記有機化合物が、1−ナフトールである、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記汚染物質が、オルトフェニルフェノール又は1−ナフトールである、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記精油が、柑橘油を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記柑橘油が、レモン油、オレンジ油、ライム油、グレープフルーツ油、マンダリン油、ダイダイ油、及びベルガモット油からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。

【公表番号】特表2009−533494(P2009−533494A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504378(P2009−504378)
【出願日】平成19年3月21日(2007.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/064479
【国際公開番号】WO2007/117902
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(391026058)ザ・コカ−コーラ・カンパニー (238)
【氏名又は名称原語表記】THE COCA−COLA COMPANY
【Fターム(参考)】