説明

糖コーティングプロセスおよびそのためのバッフル

本発明は、コーティング装置内のコーティングパン(50)内で用いるバッフル(10)と、バッフル(10)を製造する方法とを提供する。本発明はさらに、本発明のバッフル(10)とコーティングパン(50)とを用いて薬剤をコーティングする方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は糖コーティングプロセスおよびコーティング装置に用いるバッフルに関する。
【背景技術】
【0002】
糖コーティングプロセスは製菓業界で生まれた。おそらく、味をマスキングする最古の薬学プロセスの1つである。タブレットの糖コーティングが用いられる頻度は比較的低いが、おそらく一貫して高品質の製品を製造するために必要なコーティング技術のレベルのために、世界中の多くの会社が糖コーティングを維持してきた。その理由としては、例えば原料が安価で簡単に手に入ること、原料が世界的に受け入れられていること(色を除けば)、コーティングされたタブレットの外見が非常に良いこと、および水を用いた感熱品用プロセスおよび処理に低温が適していることなど様々な要素が挙げられる。
【0003】
糖コーティングの付与手順は複雑であるが、「基本的」には以下の工程を含む。1)動作中を通じてずっとコーティングパンの状態(例えば空気流量、湿度、および土台の温度など)を適切に維持すること。2)適切なまたは滴定された容量のコーティング溶液/懸濁液を、滝状に落下する/流動するタブレットに継続的に複数回付与すること。3)回転速度を適切にしてコーティング溶液/懸濁液をチャージ中の各タブレットの表面全体に均一に分布させること。4)コーティング溶液/懸濁液を付与する度に乾燥させて次回の付与までに必ず均一に分布させること。
【0004】
糖コーティングプロセスにおいて均一にコーティングするための要素は例えば、十分なコーティング媒体を付与してバッチ内の全タブレットの表面に行き渡らせること、コーティング媒体を十分流動的にしてバッチ内の全タブレットの表面に行き渡らせること、コーティングパンおよびバッフルの寸法および形状を適切にして十分混合させ、「デッドスポット」すなわち逆の言い方をすると「湿ったスポット」の発生を防止すること、を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため薬剤をコーティングするために、混合およびコーティングの高度な均一性を示す適切なバッフル設計が熱望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、バッフルであって、上縁と底縁と側縁とを含む第1の面であって、第1の面が平坦であり、上縁と底縁とが収束して、側縁に対して遠位にある第1の側先端部を形成する、第1の面と;上縁と底縁と側縁とを含む第2の面であって、第2の面が湾曲しており、上縁と底縁とが収束して、側縁に対して遠位にある第2の側先端部を形成する、第2の面とを含むバッフルを提供する。バッフルの第1の面と第2の面とが上縁のそれぞれで接合している。さらに、第1の面と第2の面との接合部が、約45°以上で且つ約120°以下の内角を形成している。さらに、第1の側先端部と第2の側先端部とが収束して単一の先端部を形成している。いくつかの実施形態では、第1の面と第2の面とが上縁でシームレスに接合している。
【0007】
本発明がさらに提供するのは、コーティングパンであって、薬剤を受け取る円筒部表面と、円筒部表面の一端と接する外部壁と、円筒部表面の他端と接する内部壁と、少なくとも1つの上記のバッフルとを含むコーティングパンである。バッフルを形成する第1および第2の面の側縁がコーティングパンの内方壁または外方壁と接している。さらに、バッフルを形成する第1および第2の面の底縁がコーティングパンの円筒部表面と接している。いくつかの実施形態では、コーティングパン内のバッフルの少なくとも1つの単一の先端部が円筒部表面の幅方向全体に延びていない。いくつかの実施形態では、コーティングパンは、互いに逆方向を向いた少なくとも2個のバッフルを含む。
【0008】
本発明がさらに提供するのは、上記のコーティングパンを含むコーティング装置である。
【0009】
本発明がさらに提供するのは、バッフルを製造する方法であって、バッフルを製造する方法は、バッフルのテンプレートを作成することと、テンプレートに基づいてバッフル材料を切断し形作ることとを含む方法である。いくつかの実施形態では、バッフルのテンプレートを作成するためにコーティングパンの輪郭を用いる。いくつかの実施形態ではテンプレートは、約1インチ以上で約8インチ以下の高さを有し、コーティングパンの円筒部表面の幅より約0.1インチ以上で約4インチ以下だけ短い長さを有する。いくつかの実施形態では、バッフルの内角は約90°である。いくつかの実施形態では、バッフルの材料は旋盤で形作られたテフロン(登録商標)である。
【0010】
本発明がさらに提供するのは、薬剤をコーティングする方法であって、薬剤とコーティング組成物とを本明細書に記載のコーティングパンに導入することと、コーティングパンを回転させることとを含む方法である。いくつかの実施形態では、コーティング組成物が少なくとも1つの糖を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の代表的なバッフル(10)を示す。
【図2】図2は、本発明の代表的なバッフル(10)の断面図である。
【図3】図3は、本発明の代表的なコーティングパン(50)内の代表的なバッフル(10)を示す。
【図4】図4は、本発明の代表的なコーティングパン(50)の円筒部表面(52)に対するバッフル(10)の位置を示す。
【図5】図5は、様々なバッフル設計を用いた場合の様々な重量増加レベルでの重量ばらつきを示す。
【図6】図6は、様々なバッフルを用いた場合の様々な重量増加レベルでの、コーティング済みタブレットの重量ばらつきを示す。
【図7】図7は、様々なバッフルを用いた場合の重量増加レベル100%での、コーティング済みタブレットのMPA含有量均一性を示す。
【図8】図8は、GCX−1000でコーティングした様々なバッフルを用いた場合の様々な重量増加レベルでの、コーティング済みタブレットの重量ばらつきを示す。(凡例はグラフのバーの順序を反映している。)
【図9】図9は、GCX1000でコーティングした様々なバッフルを用いた場合の重量増加レベル100%での、コーティング済みタブレットのMPA含有量均一性を示す。
【図10】図10は、パン内に取り付けられたバッフルAを示す。
【図11】図11は、パン内に取り付けられたバッフルBを示す。
【図12】図12は、パン内に取り付けられたバッフルCを示す。
【図13】図13は、パン内に取り付けられたバッフルBおよびバッフルDを示し、バッフルDが観察者に最も近い。
【図14】図14は、パン内に取り付けられたバッフルEの2つのビューを示す。
【図15】図15は、パン内に取り付けられたバッフルFを示す。
【図16】図16は、パン内に取り付けられたバッフルGを示す。バッフルGは本発明の実施形態である。
【図17】図17は、パン内に取り付けられたバッフルHを示す。
【図18】図18は、パン内に取り付けられたバッフルIの2つのビューを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
いくつかの実施形態では、本発明はバッフル(10)を提供する。バッフルは例えば、薬剤をコーティングする任意のコーティング装置内で様々なコーティングパンにおいて用いることができる。本発明のバッフルを用いてコーティング可能な適切な薬剤はタブレットなどを含むがこれに限られない。
【0013】
図1を参照すると、バッフル(10)は第1の面(20)と第2の面(30)とを有する。第1の面(20)は、3つの縁、すなわち上縁(22)と底縁(24)と側縁(26)とを有する。第1の面(20)の上縁(22)と底縁(24)とが収束して、第1の面(20)の側縁(26)に対して遠位にある第1の側先端部(28)を形成している。いくつかの実施形態では、第1の面(20)は平坦(平面状)であり湾曲していない。
【0014】
さらに図1を参照すると、第2の面(30)もまた3つの縁、すなわち上縁(32)と底縁(34)と側縁(36)とを有する。第2の面(30)の上縁(32)と底縁(34)とが収束して、第2の面(30)の側縁(36)に対して遠位にある第2の側先端部(38)を形成している。いくつかの実施形態では、第2の面(30)は側縁(36)から第2の側先端部(38)にかけて凸状に湾曲している。
【0015】
さらに図1を参照すると、第1の面(20)と第2の面(30)とはそれぞれの上縁(22)および(32)で接合し、第1の側先端部(28)と第2の側先端部(38)とが収束して、単一のバッフルユニット(10)を形成している。いくつかの実施形態では、面(20)および(30)の接合は、当該分野で通常用いられる1以上の締結具(図示せず)によって達成可能である。締結具は例えば、ボルト、ねじ、ヒンジ、リベットなどの機械的締結具であってもよい。締結具はさらに、糊、エポキシなどの化学剤を含んでもよい。あるいは第1の面(20)および第2の面(30)によって形成される接合はシームレスであってもよい。従っていくつかの実施形態では、第1および第2の面(20)および(30)は単一の一体ユニットとして製造することができる。いくつかの実施形態では、第1の面および第2の面のそれぞれの上縁の接合によって形成される縁(22/32)は丸みを帯びており、タブレットがバッフル上を平滑に回転できるようになっている。
【0016】
図2を参照すると、第1のおよび第2の面(20)および(30)の接合は、約45°以上、約50°以上、約55°以上、約60°以上、約65°以上、約70°以上、約775°以上、約80°以上、または約85°以上の内角(40)を形成している。さらに第1および第2の面(20)および(30)によって形成される内角(40)は、約120°以下、約115°以下、約110°以下、約105°以下、約100°以下、または約95°以下である。いくつかの実施形態では、内角は約90°である。上記において用語「約」は±1°を意味する。図1を参照するといくつかの実施形態では、第1の側先端部(28)および/または第2の側先端部(38)から上縁(22)および/または(32)に沿ったバッフルの長さは、少なくとも約6インチ、少なくとも約8インチ、少なくとも約10インチ、少なくとも約12インチ、少なくとも約14インチ、少なくとも約16インチ、少なくとも約18インチ、少なくとも約20インチ、少なくとも約24インチまたはそれ以上である。いくつかの実施形態では、第1の側先端部(28)および/または第2の側先端部(38)から上縁(22)および/または(32)に沿ったバッフルの長さは、第1の側先端部(28)と第2の側先端部(38)との収束部と円筒部表面(52)の端部との間の間隔が以下のようになるように選択されている。
【0017】
さらに図2を参照すると、バッフル(10)の高さは約1インチから約8インチ、約5インチから約8インチ、約7インチから約8インチ、または約2インチから約4インチである。本明細書において、バッフルの高さは側縁(26)と側縁(36)との交差点と表面点との間の距離である。本明細書において、表面点とは、バッフルが何らかの表面(例えば図4を参照のこと)上に置かれた場合の表面上の点であって、側縁(26)が表面と交差する点と側縁(36)が表面と交差する点との間の中間点である。図3を参照すると、いくつかの実施形態では、バッフル(10)の高さは約3インチである。いくつかの実施形態では、バッフル(10)の高さは約6.5インチである。さらにバッフル(10)の長さは、コーティングパン(50)の円筒部表面(52)の幅よりも、約1/16インチ以上、約1/2インチ以上、または約1インチ以上であって且つ約4インチ以下、約3インチ以下、または約2インチ以下だけ短い。従ってバッフル(10)の単一の先端部とコーティングパン(50)の円筒部表面(52)の縁との間には間隔があく。上記において用語「約」は±1/4インチを意味する。
【0018】
バッフル(10)の面(20)および(30)には穿孔があってもなくてもよいが、ない方が好ましい。バッフル(10)の面(20)および(30)は、薬剤をコーティングするのに適していればいずれの材料で形成されてもよい。用いられる材料は例えばステンレス鋼、プラスチック、ガラスファイバ、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))などであるが、これらに限られない。いくつかの実施形態では、面(20)および(30)の表面は平滑である。
【0019】
本発明はさらに、コーティングパン(50)を提供する。図3を参照すると、コーティングパン(50)は、薬剤を受け取る円筒部表面(52)と、円筒部表面(52)の一端と接する外方壁(54)と、円筒部表面(52)の他端と接する内方壁(56)と、上記したような少なくとも1つのバッフル(10)とを含む。図4を参照すると、バッフル(10)の面(20)および(30)の側縁(26)および(36)はコーティングパン(50)の内方壁(56)または外方壁(54)と接している。バッフル(10)を形成する面(20)および(30)の底縁(24)および(34)は、コーティングパン(50)の円筒部表面(52)に接している。コーティングパン(50)は少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも6個のバッフル(10)を含んでもよい。バッフル(10)は、当業者に公知の任意の手段(例えば上記の手段を含む)でコーティングパン(50)に締結されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の側先端部(28)と第2の側先端部(38)との収束部によって形成された、少なくとも1つのバッフル(10)の単一の先端部は円筒部表面(52)の幅方向全体には延びていない。図4を参照すると、これにより第1の側先端部(28)と第2の側先端部(38)との収束部と円筒部表面(52)の端部との間に間隔があいている。いくつかの実施形態では、第1の側先端部(28)と第2の側先端部(38)との収束部によって形成された、いずれのバッフル(10)の先端部も円筒部表面(52)の幅方向全体には延びていない。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の側先端部(28)と第2の側先端部(38)との収束部と円筒部表面(52)の端部との間の間隔は、第1の側先端部(28)および/または第2の側先端部(38)から上縁(22)および/または(32)に沿ったバッフルの長さの約2%から約50%、約2%から約30%、約2%から約20%、約2%から約15%、約10%から約15%、約12%から約13%、または約2%から約10%である。いくつかの実施形態では、この間隔は上記長さの約12.5%である。
【0022】
2個以上のバッフル(10)がコーティングパン(50)内にある場合、いくつかの実施形態では、バッフル(10)のうち少なくとも2個が互いに逆方向に向けられる。図3を参照すると、2個のバッフル(10)のうち一方のバッフル(10)の側縁(26)および(36)がコーティングパン(50)の内方壁(56)に接し、他方のバッフル(10)の側縁(26)および(36)がコーティングパン(50)の外方壁(54)に接するように向けられている。この向きを図4にも示す。
【0023】
いくつかの実施形態では、図4に示すように、バッフル(10)の平坦面(20)がコーティングパン(50)の円筒部表面(52)に対して直交するようになっている。他の実施形態では、バッフル(10)の平坦面(20)がコーティングパン(50)の円筒部表面(52)に対していずれの所望の角度をなしていてもよい。
【0024】
本発明はさらに、上記のコーティングパン(50)を含むコーティング装置(図示せず)を提供する。コーティング装置は当業者には周知であり市販されている。適切なコーティング装置は、24”Comp−U−Labコーター(Thomas Engineering,Inc.,Hoffman Estates,IL)を含むがこれに限られない。
【0025】
本発明はさらに、バッフル(10)の製造方法を提供する。例えば、コーティングパン(50)の輪郭を用いてバッフル(10)のテンプレート(例えば、厚紙、木、プラスチック製のテンプレート)を作成してもよい。バッフル材料(例えば上記のいずれの材料でもよい)を切断してテンプレートに従った形状にしてもよい。いくつかの実施形態では、旋盤を用いてバッフル(10)を形作ってもよい。バッフル(10)は任意の手段でコーティングパン(50)に締結することができる。いくつかの実施形態では、穿孔付きの既存の土台の穴を介してバッフル(10)をコーティングパン(50)にねじ止めする。
【0026】
本発明はさらに、薬剤をコーティング組成物と共にコーティングする方法を提供する。上記方法は、薬剤とコーティング組成物とを本明細書に記載の任意のコーティングパン(50)に導入することと、コーティングパン(50)を回転させることとを含む。好ましくはコーティング組成物は少なくとも1つの糖を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、コーティング方法によって生成した複数の薬剤組成物のひび割れ率は、約5%以下、約4%以下、または約3%以下である。上記において「複数」とは、100以上の薬剤組成物を意味する。上記において用語「約」は±0.5%を意味する。ひび割れ率は、コーティングされた100の薬剤をプレキシガラス管(37deg±2degで、内径1インチ×36インチ)に沿って1リットルのステンレス鋼製ビーカー(同じ角度で保持)まで下方に摺動させることによって測定する。この工程をさらに4回繰り返した。その後コーティングを検査して、ひび割れのパーセンテージを得る。
【0028】
都合のよいことに薬剤は、本明細書に記載のコーティングパン(50)とバッフル(10)とを備えた市販のコーティング装置を用いて、当業者に公知の標準的方法および手順によって公知の手順に従ってコーティングすることができる。典型的なまたは好ましいプロセス条件が与えられた場合でも、特に記載がない限り他のプロセス条件を用いてもよいことが理解される。最適なコーティング条件は特定の薬剤組成物およびコーティング組成物によって変化するが、そのような条件は当業者が通常の最適手順によって決定することができる。薬剤コーティングの当業者であれば、ここで提示する工程の性質および順序は薬剤コーティングを最適化するという目的のために変更してもよいことを認識する。例えば薬剤をコーティングする際に適した参考文献はStuart C. Porter、「Introduction to the Coating of Pharmaceutical Oral, Solid−dosage Forms、Pharmaceutical Unit Processes and Solid Dosage Form Development:Industry and Regulatory Perspectives(薬剤の経口固体投与体入門、薬剤ユニット処理と固体投与体の開発:産業および調節の観点)」(1997年5月28日)である。この文献はその全体を参考のため本明細書に援用する。
【0029】
本明細書に記載のバッフルは、様々な薬剤(例えば2006年11月7日出願の米国仮特許出願シリアルナンバー60/864,718に記載の薬剤)をコーティングするために用いることができる。上記出願はその全体を参考のため本明細書に援用する。
【0030】
実施例
本発明の代表的な薬剤のコーティングを以下により詳細に述べる。以下の実施例は本発明を説明するためのものであり、決して本発明を限定するものではない。当業者であれば、実質的に同一の結果をもたらすために変更または改変可能な様々な重要でないパラメータを容易に認識する。
【0031】
実施例1
コーティング組成物
本明細書に記載のバッフルを用いた薬剤のコーティングの実施例
サイズ0.412インチ×0.225インチ×0.034インチの卵形両凸型ヒドロゲルベースのプレマリンタブレットを用いてコーティングを試した。タブレットは0.375%の共役エストロゲンと、15%の微結晶セルロース(Avicel PH101)と、48.51%の乾燥乳糖単水和物スプレーと、27.5%のHPMC K100M CRと0.25%のステアリン酸マグネシウムとを含み、平均重量120mgであり、関連標準偏差は0.5〜1.4%の範囲であった。タブレットコアの堅さは7から10scuの範囲であった。
【0032】
コーティングした薬剤のいくつかの特性を観察し監視した。これらの特性は例えば、物理的外見、ひび割れた糖コーティングのパーセンテージ、重量ばらつき(様々な重量増加における)、および得られたタブレット中のMPAの含有量均一性を含む。フィルムコーティング用に設計されたバッフルあるいはさらに従来の糖コーティング用に設計されたバッフルを用いてコーティングしたタブレットは受容不能な重量ばらつきおよび含有量均一性を有することが判明した。穿孔付きコーティングパン内でのバッフルの位置を変えても混合効率は向上しなかった。対称的なV字形状バッフル設計であれば手動の糖コーティングプロセスの性質上、重量ばらつきは向上したかもしれないが、ひび割れた糖コーティングおよび壊れたタブレットのパーセンテージが高すぎたためにこれを試すことはしなかった。本発明の実施形態であるバッフルでは、混合環境が向上した。なぜなら重量ばらつきが低く含有量均一性を示し、ダメージの少ないタブレットが観察されたからである。さらに、タブレットの物理的外見もより綺麗であった。本発明の実施形態であるバッフルを用いた場合、タブレットの縁がより速く丸みを帯び、付与プロセスも他のバッフル設計で用いたものに比べて簡素であった。本発明の実施形態であるバッフルをGCX−1000にスケールアップした場合、従来の糖およびフィルムコーティング用バッフルに比べて混合効率が優れていることが明確に示された。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
実施例2
製造プロセス
MPAフィラー懸濁液の調製
以下の工程を用いてMPAフィラー懸濁液を調製した。
【0037】
1)適切なサイズの被覆した容器内で精製した水を加える。高剪断ミキサーで混合しながら水を65℃±5℃まで加熱しスクロースを加える。65℃まで再加熱する。すべてのスクロースが溶けるまで混合する。
【0038】
2)上記溶液を40〜40℃まで冷却する。高剪断ミキサーを用いて、ポリエチレングリコール、ポビドンK25、微結晶セルロースおよびCab−O−Silを渦にゆっくりと加える。高剪断ミキサーを用いて、上記溶液をさらに1分間混合する。
【0039】
3)上記懸濁液を高剪断ミキサーで混合しながら35〜39℃まで冷却し、ラウリル硫酸ナトリウムおよびMPAをゆっくりと加える。
【0040】
4)付与プロセス全体を通じてタンクの温度を35℃から39℃に維持しながら、低剪断ミキサーを用いて混合し続ける。
【0041】
Comp−U−Labコーターを用いた場合のMPAフィラー懸濁液の付与
1)様々な設計のバッフルを備えた24”穿孔付きコーティングパンに約33,333ヒドロゲルプレマリンタブレットコアをロードする。
【0042】
2)入口の温度を40℃に設定し、流入空気を75cfmに設定する。露点11℃、排気温度35℃で、タブレットを約30℃まで予備加熱する。
【0043】
3)タブレットの平均重量増加が106mgになるまで、パンを18rpmで回転させながら、MPAフィラー懸濁液を1回ごとに増量しながら注射器で注入する。注入する毎に180〜330秒間回転させ(空気はコーティングパンを介して通らない)、その後60〜180秒間乾燥させる。
【0044】
GCX−1000にスケールアップした場合のMPAフィラー懸濁液の付与
1)様々な設計のバッフルを備えたGCX−1000コーターに約166,666ヒドロゲルプレマリンタブレットコアをロードする。
【0045】
2)入口の温度を35℃に設定し、流入空気を250cfmに設定する。露点12℃、排気温度30℃で、タブレットを約30℃まで予備加熱する。
【0046】
3)ブーム上に等距離に2個のグラコガンを取り付ける。グラコガンに液圧式ノズル(スプレー式11001SSチップ)を取り付ける。グラコポンプ(ピストンポンプ)を懸濁液供給ラインに連結する。敷き詰められたタブレット全体を覆う扇形噴射を得るために、懸濁液噴射圧を80〜100psiに調整し、タブレットの平均重量増加が106mgになるまで、MPAフィラー懸濁液を1回ごとに増量しながら噴射させる。注入する毎に180〜300秒間回転させ(空気はコーティングパンを介して通らない)、その後60〜180秒間乾燥させる。
【0047】
色付き懸濁液の調製
1)適切なサイズの被覆した容器内で精製した水を加える。高剪断ミキサーで混合しながら水を65℃±5℃まで加熱しスクロースを加える。65℃まで再加熱する。すべてのスクロースが溶けるまでかき回し続ける。
【0048】
2)ポビドンおよび二酸化チタンを加える。高剪断ミキサーを用いて混合し、懸濁液が均質になったことを確認する。
【0049】
3)Cab−O−Silを加え、高剪断ミキサーを用いて混合して、均質な懸濁液を生成する。
【0050】
4)懸濁液を35〜39℃まで冷却する。
【0051】
5)付与プロセス全体を通じてタンクの温度を35℃から39℃に維持しながら、低剪断ミキサーを用いて混合し続ける。
【0052】
色付き懸濁液の付与
1)専用に設計されたバッフルを備えたComp−U−Labコーターに取り付けた24”穿孔付きコーティングパンに、約33,333プレマリン/MPA充填タブレットをロードする。
【0053】
2)入口の温度を40℃に設定し、流入空気を75cfmに設定する。露点11℃、排気温度35℃で、タブレットを約30℃まで予備加熱する。
【0054】
3)タブレットの平均重量増加が25mgになるまで、パンを18rpmで回転させながら、色付き懸濁液を1回ごとに増量しながら注入する。注入する毎に180〜330秒間回転させ(空気はコーティングパンを介して通らない)、その後60〜180秒間乾燥させる。
【0055】
研磨剤の調製と付与
1)ミネラルスピリット(無臭)中にカルナバ蝋、NF、#120を激しく攪拌して懸濁することにより、研磨懸濁液を調製する。
【0056】
2)回転するタブレットに研磨懸濁液を付与する。満足のいく光沢が得られるまで回転を続ける。
【0057】
実施例3
バッフル設計
この研究で評価したバッフルの全特性を表4にリストアップする。
【0058】
【表4】

【0059】
バッフルAは主にフィルムコーティングに用いられる。
【0060】
バッフルBは糖コーティングバッフルである。バッフルBはパンの前から後ろに延びていなかったため、混合中にパンの後部にデッドゾーンがあったか否かは不明である。
【0061】
手作りの6.5インチ延長部をバッフルBに取り付けた(バッフルC)。これがバッフルDにつながる。
【0062】
バッフルEの目的は、取付構造が混合の均一性に何らかの貢献をするか否かを評価することであった。
【0063】
バッフルAからEではすべて、パン内のタブレットの分布パターンが非対称となったため、混合中にパンの後部でタブレットの分布のバランスをとるためにバッフルFを設計した。
【0064】
バッフルG(本明細書の図1および図2)は本発明の実施形態である。第1の面および第2の面の上縁の接合により形成された縁(22/32)に丸みをつけて、タブレットがバッフル上でより平滑に回転可能となるようにしている。
【0065】
この設計により、バッフルA〜Fで見られた、コーティング中に湿ったタブレットがバッフルの下部に付着するという状態がなくなった。さらにバッフルG(本明細書の図3および図4)のパン内の取付構造により、デッドゾーンの発生が効果的に防止される。なぜなら、バッフルは混合中、タブレットを強制的に後ろから前に、およびその逆方向に移動させるからである。
【0066】
バッフルHは、タブレット流に対する抵抗を弱め、タブレットが杭間の空間を通過する際に互いに最大に接触することが可能となるように設計した。このユニークな設計の別の利点は、すべての杭がさらなる実験用に再構成可能なことである。これによりタブレットからタブレットへコーティング材料がより良好に分布され、その結果、より均一な表面が生成される。
【0067】
バッフルIはバッフルFに対する改良として生成した。バッフルFを用いたコーティング中、バッフルの後部に付着したタブレットがあることが観察された。付着を低減するため、各バッフルの後部に穿孔付き延長部を取り付けた。
【0068】
実施例4
Comp−U−Lab 24を用いた混合効率の研究
混合効率の研究は、同重量で色の異なる3個のタブレットをパンにチャージすることによって行った。パンの前部位置に紫色のタブレットを置き、中央部に白のタブレットを置き、コーティングパンの後部にピンクのタブレットを置いた。注射器を用いて、滝状に落下するタブレットにコーティング懸濁液を付与した。1サイクルの回転および乾燥の後、パンを停止し、パンの前部位置、中央部位置、後部位置から100個のタブレットを回収した。パン内のこれら3つの位置における各色のタブレットの分布は、各色のタブレットの数を数えることによって算出した。パンを再度スタートさせ、コーティング懸濁液のショットを再度行って、1サイクルの回転および乾燥を行った。2度目のショット後の分布を算出した。この手順を繰り返してさらにもう一度ショットを行って分布を算出した。
【0069】
混合効率の研究は、バッフルB、E、FおよびGを用いて行った。表5、6、7および8に示すデータより、バッフルB、FおよびGを用いた場合、1度目のショット後でさえも分布は均一に近かったことがわかる。しかしバッフルEの場合は、3度目のショット後でさえもパンの後部でタブレットは均一に混合していない。したがってこのタイプのバッフルの並べ方では、効率的な混合はなされない。
【0070】
【表5】

【0071】
【表6】

【0072】
【表7】

【0073】
【表8】

【0074】
実施例5
物理的外見の評価
タブレットの物理的外見を、目視または拡大鏡でコーティング中のタブレットの表面異常を観察することによって調べた。ほとんどの場合、糖コーティングはタブレットの外見を向上させるために行われる。得られる色および研磨プロセスの質は基板フィラーコーティングの均一性に大きく依存する。従って充填タブレットがひび割れたり欠けたりしていないことを確かめることが重要である。
【0075】
様々なバッフルを用いて製造したバッチの物理的外見とひび割れたタブレットのパーセンテージとを評価した。結果を表9に示す。バッフルFを用いてコーティングしたタブレットでは、ひび割れたタブレットのパーセンテージが高かった。さらにコーティングしたタブレットの外見も悪い。他方バッフルGでは、綺麗な外観を有しひび割れのパーセンテージの低いタブレットが生成された。バッフルFを用いたコーティングプロセスの間、バッフルによって起こる「棚効果」のために湿ったタブレットがコーティングパンの底に落下するのが観察された。「棚効果」は、パンに対するバッフルの形状および角度によって起こった。湿ったタブレットがバッフルに保持されパンの上部まで運ばれた。この「棚効果」により、異常に大量のタブレットが破壊された。さらに湿ったタブレットが常にバッフルの後部に付着した。バッフルGの場合、湿ったタブレットはパンの底に落下せずに回転した。コーティングプロセス全体を通じて付着の問題はなく、このことが良好な外見および強力なコーティング(ひび割および壊れたタブレットが少ない)に貢献した可能性がある。バッフルHは外見のよいタブレットを提供することができるが、コーティングプロセス中にバッフルの先端に大量の糖結晶が蓄積された。このバッフルを用いてコーティングしたタブレットはひび割れのパーセンテージが高い。バッフルIでは、バッフルFで見られた付着の問題は解決していた。しかしこの場合も依然「棚効果」が存在したため、タブレットはコーティングパンの底まで回転しないで落下した。そのためこのバッフルではひび割れたタブレットおよび脆いタブレットのパーセンテージが高い。
【0076】
【表9】

【0077】
実施例6
タブレットのひび割れパーセンテージ
コーティングしたタブレットを管に沿ってステンレス鋼製ビーカーまで下方に摺動させた。このプロセスを4回繰り返した。その後、糖コーティングしたものに対してひび割れパーセンテージを調べた。結果を上記表9に示す。
【0078】
実施例7
Comp−U−Lab 24を用いた様々なコーティング段階での重量バラツキ研究
コーティング中の様々な重量増加で約100個のタブレットサンプルを採取した。Mocon Automatic Balance Analysisテスター(Modern Controls,Inc.Minneapolis,MN)を用いて100個のタブレットの重量ばらつきを評価した。
【0079】
重量ばらつきのテストは、バッフルA、C、DおよびEを用い、目標重量増加レベルを25%、50%、75%および100%として行った。バッフルBを用いてコーティングしたバッチの重量ばらつきは目標重量増加レベルを100%のみにして評価した。
【0080】
バッフルAは糖コーティングの重量ばらつきを減少させるという点では効率的ではなかった。100%の付与で、重量ばらつき係数は5%に近かった。手作りの延長部を備えたバッフルCでは、重量ばらつきが最大となり効率はさらに悪かった。バッフルBの長さを増加させて作成したバッフルDでは混合効率は向上しなかった。重量増加を100%とした際にバッフルBを用いた場合とバッフルDを用いた場合とを比べても重量ばらつきに向上が見られなかったからである。
【0081】
バッフルEの場合、バッフルのうち1個をパンの後ろから前へ残り2個と同じ方向に取り付けた。この並べ方では、パン内のタブレットの移動パターンが異なった。タブレットはコーティング中のほとんどの期間、パンの後部に留まるという傾向が観察された。図5に示すように、この実験による重量ばらつきはバッフルBによる実験と大幅には変わらなかった。従ってこの設計は混合均一性を向上させるという利点を提供することはできなかった。均一な混合を行って重量ばらつきのRSDをできる限り減少させるためには、湿ったタブレットをコーティングパンの後ろから前へ、そしてその逆方向へ移動させる必要があると考えられる。
【0082】
バッフルF、G、HおよびIに関する研究結果を図6に示す。これら4つのタイプの設計のうちバッフルFが最も一貫して最低重量ばらつきをもたらしているのが明らかである。受容可能な重量ばらつきを提供するという点で、バッフルGはバッフルHおよびバッフルFよりも優れている。バッフルIを作成するために用いたバッフルFの穿孔付き延長部は、重量ばらつきの点では何の利点ももたらさなかった。
【0083】
実施例8
含有量均一性の評価
24”コーターでのコーティングプロセスが完了すると、MPAの含有量均一性を測定した。結果を図7に示す。この結果は、MPAの含有量均一性についてバッフルGおよびFが他のバッフルよりも良好なタブレットを生成したと結論づけている。しかしバッフルFはバッフルGで示されたものほど綺麗なタブレットを生成することはない。
【0084】
実施例9
縁の丸み付け速度の比較
糖コーティングプロセスにおいて縁の丸み付け速度は別の重要な要素である。なぜなら、丸み付け速度がコーティングプロセスの長さ、最終的なバッチ外見の結果、ひび割れたタブレットのパーセンテージ、および溶解可変性を決定し得るからである。糖コーティングの特性のために、タブレットの表面は縁よりもコーティング溶液/懸濁液で覆い易い。タブレットの縁に丸みをつけるのに時間がかかればかかるほど、糖コーティングプロセスは長くかかる。縁の丸み付け速度に影響を与える要素はいくつかあるが、タブレットがどのように移動するかを決定するパン混合メカニズムが最も重要な要素の1つである。あるバッフルで得られた縁の丸み付け速度を、30%の重量増加レベルでコーティングしたタブレットを撮像することによって調査した。このレベルの重量増加で丸みのついたタブレットの縁が存在するということは、丸み付け速度が速く混合が効率的であることを示す。
【0085】
バッフルF、GおよびHを用いて目標重量増加レベルを30%(32mg)としてタブレットをコーティングした際、バッフルFおよびバッフルHのバッチを用いて生成したタブレットがまだ処理時間を必要としているときに、バッフルGを用いてコーティングしたタブレットの縁は丸みを帯びた。従ってバッフルGで達成した縁丸み付け速度はバッフルFおよびHで達成したものよりも速かった。なぜならバッフルGの設計はより効率的な混合を提供することができるからである。
【0086】
実施例10
GCX−1000へのスケールアップ
フィラーコーティングプロセスをGCX−1000のバッチサイズにスケールアップした。通常のフィルムコーティングおよび糖コーティングバッフルに加えてスケールアップしたバッフルGを含む様々なバッフル設計を評価した。様々なコーティング段階でのタブレットの重量ばらつきを、Comp−U−Lab 24”スケールと同じ評価方法を用いて測定した。さらにMPAの含有量均一性を決定した。図8は、様々なコーティング段階でのタブレットの重量ばらつきを示し、図9は、MPA含有量均一性の結果を示す。これらの結果により、より大きいスケールではバッフルGの混合効率が高いことが確認された。
【0087】
本研究における糖コーティングの全ての局面から評価すると、本発明の実施形態であるバッフルGが、良好な外見、速い縁丸み付け速度、低いひび割れ率、および低い重量ばらつきに加えて良好な含有量均一性を提供した。バッフルGは、小スケールである本研究に加えてより大きなスケールでもデッドスポットの発生が効果的に防止できるような良好な混合能力を示した。
【0088】
本特許文献で言及した特許、特許出願、および書籍を含む刊行物の各々はその全体を参考のため本明細書に援用する。
【0089】
本出願は2006年11月7日出願の米国仮特許出願シリアル番号60/864,726に基づく優先権を主張する。上記米国仮特許出願はその全体を参考のため本明細書に援用する。
【0090】
当業者であれば理解するように、本発明の好ましい実施形態に対しては、本発明の思想から逸脱することなく数多くの変更および変形が可能である。このような変更および改変のすべては本発明の範囲に含まれる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上縁(22)と底縁(24)と側縁(26)とを含み、平坦であり、かつ前記上縁と前記底縁とが収束して前記側縁に対して遠位に位置する第1の側先端部(28)を形成する第1の面と、
上縁(32)と底縁(34)と側縁(36)とを含み、前記第2の面が湾曲し、前記上縁と前記底縁とが収束して前記側縁に対して遠位に位置する第2の側先端部(38)を形成する第2の面と、を含み、
前記第1の面と前記第2の面とが前記上縁のそれぞれで接合し、前記第1の面と前記第2の面との接合部が、約45°以上で且つ約120°以下の内角を形成し、前記第1の側先端部と前記第2の側先端部とが収束して単一の先端部を形成している、バッフル。
【請求項2】
前記内角が約60°以上で且つ約105°以下である、請求項1に記載のバッフル。
【請求項3】
前記内角が約75°以上で且つ約100°以下である、請求項1に記載のバッフル。
【請求項4】
前記内角が約90°以上である、請求項1に記載のバッフル。
【請求項5】
前記第1の面と前記第2の面とが前記上縁のそれぞれでシームレスに接合している、請求項1から4のいずれかひとつに記載のバッフル。
【請求項6】
前記バッフルの材料がポリテトラフルオロエチレンである、請求項1から5のいずれかひとつに記載のバッフル。
【請求項7】
前記バッフルの前記第2の面が前記側縁から前記第2の側先端部にかけて凸状に湾曲している、請求項1から6のいずれかひとつに記載のバッフル。
【請求項8】
図1、2、3、4または16のいずれかひとつに実質的に示されているバッフル。
【請求項9】
薬剤を受け取る円筒部表面と、
前記円筒部表面の一端と接する外部壁と、
前記円筒部表面の他端と接する内部壁と、
請求項1から8のいずれかひとつに記載の、少なくとも1つのバッフルであって、前記バッフルを形成する前記第1および第2の面の側縁が前記コーティングパンの前記内方壁または前記外方壁と接しており、前記バッフルを形成する前記第1および第2の面の前記底縁が前記コーティングパンの前記円筒部表面と接しているバッフル、
を含む、コーティングパン。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかひとつに記載の、複数のバッフルを含む、請求項9に記載のコーティングパン。
【請求項11】
4つ以上のバッフルを含む、請求項10に記載のコーティングパン。
【請求項12】
前記バッフルの少なくとも2つが互いに逆方向を向いており、一方のバッフルの前記第1の面および前記第2の面の前記側縁が前記コーティングパンの前記内方壁に接し、他方のバッフルの前記第1の面および前記第2の面の前記側縁が前記コーティングパンの前記外方壁に接している、請求項10または11に記載のコーティングパン。
【請求項13】
前記バッフルの単一の先端部と前記円筒部表面の端部との間に間隔を有するように、前記少なくとも1つのバッフルの前記単一の先端部が前記コーティングパンの前記円筒部表面の幅方向全体に延びていない、請求項9から12のいずれかひとつに記載のコーティングパン。
【請求項14】
前記間隔が、前記バッフルの長さであって、前記単一の先端部から前記上縁に沿った長さの約2%から約50%の距離である、請求項13に記載のコーティングパン。
【請求項15】
前記1以上のバッフルの前記第1の平坦な面が前記コーティングパンの前記円筒部表面に対して直交するようになっている、請求項9から14のいずれかひとつに記載のコーティングパン。
【請求項16】
請求項9から15のいずれかひとつに記載のコーティングパンを含むコーティング装置。
【請求項17】
薬剤をコーティングする方法であって、前記薬剤とコーティング組成物とを請求項9から15のいずれかひとつに記載のコーティングパンに導入する工程と、前記コーティングパンを回転させる工程とを含む、方法。
【請求項18】
前記コーティング組成物が少なくとも1つの糖を含む、請求項17に記載の方法。





【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公表番号】特表2010−509053(P2010−509053A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536418(P2009−536418)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/083631
【国際公開番号】WO2008/058073
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(591011502)ワイス エルエルシー (573)
【Fターム(参考)】