説明

糖尿病者用ドリンク剤

【課題】 人体に害のない物質を主な原料とし、かつ、どのような場所においても容易に服用することのできる糖尿病者用ドリンク剤を提供する。
【解決手段】 微細化した食用可能動物の膵臓を、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体100重量部に対して、ビタミンB1硝酸塩を50重量部、ビタミンB2リン酸エステルを25重量部、ビタミンB6を50重量部、ニコチン酸アミドを25重量部、そして、50%エタノール水を250重量部混合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖尿病者用のドリンク剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年における我が国の糖尿病者の数は上昇を続け、現在では720万人にも達すると言われている。
【0003】
この糖尿病は大きく二つに分類される。一つはいわゆる成人型と呼ばれるインスリン非依存型であり、膵臓からインスリンが分泌されるものの、それが身体の中で十分に作用しない状況が作られ、そのために血糖の調整が円滑に行われず糖尿病になるタイプである。もう一つは、膵臓からインスリンが殆ど分泌されないために血糖が極めて高くなるタイプである。いずれにしても、糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンに大きく起因する。
【0004】
従来から、こうした糖尿病を治療あるいは予防するために多くの薬剤が開発されてきた(例えば、特許文献1および2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の糖尿病者用の薬剤は、一般に、化学物質を主な原料として製造されるため、多少の差はあれ、何らかの副作用が生じる。そして、この副作用を抑えるために、糖尿病とは直接関係のない薬剤を服用しなければならないことも多々あり、結果としてさらに健康を害することになり易い。
【0006】
また、糖尿病者用の薬剤としては固形状や粉末状が一般的であるが、それらは水と一緒に服用する必要がある。従って、例えば、外出先などにおいて水を調達することができない場合には服用することが困難であるといった問題が発生する。
【0007】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、人体に害のない物質を主な原料とし、かつ、どのような場所においても容易に服用することのできる糖尿病者用ドリンク剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
図1を参照して説明する。請求項1に記載の発明は、糖尿病者用のドリンク剤であって、微細化した食用可能動物の膵臓を、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体100重量部に対して、ビタミンB1硝酸塩を50重量部、ビタミンB2リン酸エステルを25重量部、ビタミンB6を50重量部、ニコチン酸アミドを25重量部、そして、50%エタノール水を250重量部混合してなるものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、糖尿病者用のドリンク剤であって、微細化した牛、豚、または鶏の膵臓を、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体100重量部に対して、ビタミンB1硝酸塩を50重量部、ビタミンB2リン酸エステルを25重量部、ビタミンB6を50重量部、ニコチン酸アミドを25重量部、そして、50%エタノール水を250重量部混合してなるものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、糖尿病者用のドリンク剤であって、牛、豚、または鶏の膵臓を、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体を20mgと、ビタミンB1硝酸塩を10mgと、ビタミンB2リン酸エステルを5mgと、ビタミンB6を10mgと、ニコチン酸アミドを5mgとを、50%エタノール水50mgに混合してなるものである。
【0011】
請求項4に記載の糖尿病者用のドリンク剤は、請求項1の発明において高粘性の液体が、乾燥固化したところの動物の膵臓を粉砕し、苦汁液を加えてから、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5に記載の糖尿病者用のドリンク剤は、請求項1の発明において高粘性の液体が、擂潰した動物の膵臓に苦汁液を加えてから、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び2に記載の糖尿病者用ドリンク剤は、食用可能動物、特に牛、豚、または鶏の膵臓を、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体100重量部に対して、ビタミンB1硝酸塩を50重量部、ビタミンB2リン酸エステルを25重量部、ビタミンB6を50重量部、ニコチン酸アミドを25重量部、そして、50%エタノール水を250重量部混合しており、牛等の膵臓という人体に害のない物質を主な原料としているので、それを服用する糖尿病者に悪影響を及ぼさない。従って、副作用を誘発することなく、糖尿病を治すことができる。
【0014】
また、この糖尿病者用ドリンク剤は、その名の通り液状であるので、外出先などの水を調達することが困難な場所でも容易に服用することができる。
【0015】
請求項3に記載の糖尿病者用ドリンク剤は、牛、豚、または鶏の膵臓を、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体を20mgと、ビタミンB1硝酸塩を10mgと、ビタミンB2リン酸エステルを5mgと、ビタミンB6を10mgと、ニコチン酸アミドを5mgとを、50%エタノール水50mgに混合しているので、同様に、副作用を誘発することなく糖尿病を治すことができる。また、液状であるので、外出先などでも容易に服用することができる。
【0016】
請求項4に記載の糖尿病者用のドリンク剤は、請求項1の発明において高粘性の液体が、乾燥固化したところの動物の膵臓を粉砕し、苦汁液を加えてから、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体であり、容易に高粘性の液体を得ることが出来る。
【0017】
請求項5に記載の糖尿病者用のドリンク剤は、請求項1の発明において高粘性の液体が、擂潰した動物の膵臓に苦汁液を加えてから、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体であり、容易に高粘性の液体を得ることが出来る。
【0018】
これまでに、上記請求項1乃至3に記載の各原料が糖尿病の治療や予防に効果があることは知られていない。しかし、発明者らは複数の糖尿病者に、このドリンク剤を服用してもらった結果、糖尿病の程度を示す血糖値が低下するのを確認した。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る糖尿病者用ドリンク剤の構成原料を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る糖尿病者用ドリンク剤の実施形態を、図1に示す。このドリンク剤は、微細化した牛の膵臓を、肝臓酵素(牛、豚、あるいは鶏の肝臓酵素)によって加水分解して得た高粘性(どろどろ状態)の液体を20mgと、ビタミンB1硝酸塩を10mgと、ビタミンB2リン酸エステルを5mgと、ビタミンB6を10mgと、ニコチン酸アミドを5mgとを、50%エタノール水50mgに混合して製造し、ボトル1に収納したものである。なお、牛の膵臓に代えて、豚や鶏の膵臓を使用することもできる。
【0021】
前記したように、各原料がどのような効果を発揮するかは現在分析中であるが、主な原料である牛の膵臓には、人間の膵臓と同様にインスリンを分泌する機能があると考えられ、そのインスリンまたはインスリンを生成する物質の働きによって糖尿病の治療等に効果があるものと考えられる。なお、肝臓酵素(肝臓に含まれる酵素)は、膵臓を加水分解する触媒として効果的に機能する。
【0022】
また、原料の一つであるビタミンB1硝酸塩は、糖質を分解する酵素を助けて、酵素による糖質の分解を促進する働きがある。こうした働きが糖尿病の治療等に効果的であると考えられる。
【0023】
ビタミンB2リン酸エステルは、脂質と糖質の代謝を促進する働きがあり、そうした働きによって糖尿病の治療等を促す効果があると考えられる。また、ビタミンB6は脂質の代謝を促し脂肪肝などを防止するはたらきがあり、そうしたはたらきが糖尿病の治療等にも貢献するものと考えられる。
【0024】
ニコチン酸アミドも、ビタミンB2と同様に、糖質や脂質の代謝を促進する働きがあり、それが糖尿病の治療等に効果があると考えられる。また、エタノールは、サトウキビやトウモロコシといった天然作物から作られるので、石炭などから作られるメタノールと異なり人体に無害である。従って、ドリンク剤の液体を構成する材料として好ましい。
【0025】
本実施形態に係る糖尿病者用ドリンク剤は、牛の膵臓という人体に害を及ぼさない物質を主な原料としているので、それを服用する糖尿病者に悪影響を与えない。従って、副作用を誘発することなく、糖尿病を治すことができる。また、この糖尿病者用ドリンク剤は液状であるので、外出先などの水を調達することが困難な場所でも容易に服用することができる。
【実施例1】
【0026】
本発明に係る糖尿病者用ドリンク剤を、表1に示すように、微細化した牛の膵臓を、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体(膵臓液体)を20mgと、ビタミンB1硝酸塩を10mgと、ビタミンB2リン酸エステルを5mgと、ビタミンB6を10mgと、ニコチン酸アミドを5mgとを、50%エタノール水50mgに混合して製造した。
【0027】
こうして製造したドリンク剤を、複数の糖尿病者に服用してもらった結果、全糖尿病者の血糖値が低下することを確認した。
【0028】
【表1】

【符号の説明】
【0029】
1 ボトル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】特開2007−284350号公報
【特許文献2】特開2008−231101号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖尿病者用のドリンク剤であって、微細化した食用可能動物の膵臓を、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体100重量部に対して、ビタミンB1硝酸塩を50重量部、ビタミンB2リン酸エステルを25重量部、ビタミンB6を50重量部、ニコチン酸アミドを25重量部、50%エタノール水を250重量部混合してなる糖尿病者用ドリンク剤。
【請求項2】
糖尿病者用のドリンク剤であって、微細化した牛、豚、または鶏の膵臓を、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体100重量部に対して、ビタミンB1硝酸塩を50重量部、ビタミンB2リン酸エステルを25重量部、ビタミンB6を50重量部、ニコチン酸アミドを25重量部、50%エタノール水を250重量部混合してなる糖尿病者用ドリンク剤。
【請求項3】
糖尿病者用のドリンク剤であって、微細化した牛、豚、または鶏の膵臓を、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体を20mgと、ビタミンB1硝酸塩を10mgと、ビタミンB2リン酸エステルを5mgと、ビタミンB6を10mgと、ニコチン酸アミドを5mgとを、50%エタノール水50mgに混合してなる糖尿病者用ドリンク剤。
【請求項4】
高粘性の液体が、乾燥固化したところの動物の膵臓を粉砕し、苦汁液を加えてから、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体であることを特徴とする請求項1に記載の糖尿病者用ドリンク剤。
【請求項5】
高粘性の液体が、擂潰した動物の膵臓に苦汁液を加えてから、肝臓酵素によって加水分解して得た高粘性の液体であることを特徴とする請求項1に記載の糖尿病者用ドリンク剤。

【図1】
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【公開番号】特開2010−222275(P2010−222275A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69688(P2009−69688)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(507171018)
【Fターム(参考)】