説明

純水供給システム、純水を用いた洗浄システムおよび洗浄方法

【課題】半導体の量産工場での純水の製造量を増加させることなく、溶存ガスをほとんど含まない純水と、溶存ガスを含む純水を供給できるシステムを提供する。
【解決手段】溶存ガス濃度0.4ppm以下の純水を製造する純水製造手段と、前記純水製造手段から純水を供給可能な第1の純水供給手段と、前記純水製造手段と連結部により連結され、該連結部を介して前記純水製造手段から移送された前記純水に気体を溶存させる溶存手段と、前記溶存手段で気体を溶存させた純水を供給可能な第2の純水供給手段とを有することを特徴とする純水供給システムにより、純水を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、純水供給システム、純水を用いた洗浄システムおよび洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程では、洗浄工程で純水が大量に用いられる。一方で、半導体装置や配線パターンの微細化は急速に進んでおり、洗浄工程でパーティクルが発生すると製品の歩留まりを落とすことになることから、洗浄工程で使用される純水の純度を非常に高くすることが求められている。さらに、シリコンウェハへの自然酸化膜形成抑制の目的で、純水中の溶存酸素の除去が行われており、従来はN2脱気法が採用されていた。
【0003】
しかしながら、N2脱気法により溶存酸素が除去された純水中には飽和状態の窒素が溶存しており、ウェット洗浄時に気泡が発生することがあった。その抑制のため、溶存ガス全体の除去が求められ、近年では、特許文献1に開示されているように、真空脱気方法が採用されている。真空脱気法により溶存ガスが除去された純水中には、0.1〜0.4ppm程度のガスしか存在しない。
【0004】
さらに、半導体集積回路の高密度化が進むにつれ、半導体集積回路装置の製造時の洗浄工程で用いる純水は、有機物、微粒子、菌やイオンといった不純物が高純度に取り除かれていることが要求されている。
【0005】
ここで、半導体製造工程においては、常温(25℃)の純水での洗浄(以下、純水リンスと称する場合がある)、40〜70℃の純水での洗浄(以下、温水リンスと称する場合がある)、硫酸と過酸化水素の混合液でのSPM洗浄、アンモニア水と過酸化水素の混合液でのAPM洗浄など、多くの洗浄工程がある。近年の基板の大型化に伴い、洗浄槽で基板を洗浄することが困難となり、毎葉型の洗浄装置を用いることが多くなっている。毎葉型の洗浄装置では、初め基板を低速で回転させ、この状態で基板表面全面を覆うように洗浄液を供給し、その後、基板を高速で回転させることで基板上から洗浄液を除去する。通常は、この工程を複数回行うことで洗浄を行っている。
【0006】
SPM洗浄に用いる洗浄液は硫酸濃度が高く粘性が高いため、その後に純水リンスを行っても硫酸の除去に時間がかかる。そこで、SPM洗浄後は70℃の温水リンスが施されることが一般的である。一方、毎葉型の洗浄装置を用いる場合、APM洗浄後や通常のリンス工程でも温水リンスを行うことが一般的に行われるようになってきた。
【0007】
しかし、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等の窒化シリコン系の絶縁膜が表面に露出した基板を、SPM洗浄した後、真空脱気法により溶存ガスが除去された純水を用いて40℃以上の純水で温水リンスを行うと、図2に示すように、基板上に大量のパーティクルが発生する問題があった。
【0008】
この原因は、窒化シリコン系の絶縁膜には、Si、N以外に、成膜に使用された気体成分由来のO、Cl、NOxなどが残留している。また、その最表面の結合として、Si−N結合のみでなく、Si−O結合、N−N結合などが存在している。一方、純水は純度が高いほど益々ハングリーウォータとなり、より優れた洗浄力を発揮する。このため、窒化シリコン系の絶縁膜が表面に露出した基板を、SPM洗浄した後、真空脱気法により溶存ガスが除去された純水を用いて40℃以上の純水で温水リンスを行うと、窒化シリコン系の絶縁膜(シリコン窒化膜やシリコン酸窒化膜など)の表面の不安定層部の残留成分と容易に反応し、さらに、Si−N結合とも反応し、窒化シリコン系絶縁膜のエッチングにより生成物を発生することが原因と思われる。
【0009】
また、窒化シリコン系の絶縁膜が表面に露出した基板を、真空脱気法により溶存ガスが除去された純水を用いて40℃以上の純水で温水リンスを行うと、APM洗浄後や通常のリンス工程での温水リンスでも、基板上に大量のパーティクルが発生することが確認された。
【0010】
図3は、真空脱気法で製造された溶存ガス濃度が0.4ppmの純水による25℃の純水リンスおよび70℃の温水リンスした場合に、シリコン窒化膜が表面に露出した基板上に発生するパーティクル数を示した図である。各リンスの左側の群はSPM洗浄後の基板のリンス、右側の群はSPM洗浄なしの基板のリンスにより発生したパーティクル数を示している。
【0011】
溶存ガス濃度が0.4ppm以下の純水を用いた70℃の温水リンスの場合、SPM洗浄後及びSPM洗浄なしの基板のいずれにおいても表面にパーティクルが大量に発生した。25℃の純水リンスでは、パーティクルは発生するものの、基板上に形成される半導体素子に影響を及ぼさない数にとどまっている。
【0012】
図4は、真空脱気法で製造された溶存ガス濃度が0.4ppmの純水による25℃の純水リンスおよび70℃の温水リンスした場合に、シリコン窒化膜の膜減り量を示した図である。各リンスの左側の群はSPM洗浄後の基板のリンス、右側の群はSPM洗浄なしの基板のリンスによるシリコン窒化膜の膜減り量を示している。
【0013】
溶存ガス濃度が0.4ppm以下の純水を用いた70℃の温水リンスの場合、SPM洗浄後及びSPM洗浄なしの基板のいずれにおいてもシリコン窒化膜の膜減り量が大きかった。25℃の純水リンスでは、シリコン窒化膜の膜減り量は小さかった。
【0014】
以上の結果から、温水リンスにより発生するパーティクルは、シリコン窒化膜の膜減りに起因することが分かる。図5は、基板表面に発生したパーティクル数とシリコン窒化膜の膜減り量(エッチング量)との関係を示す図である。図5に示されるように、シリコン窒化膜の膜減り量と基板表面に発生するパーティクル数は相関関係があることが分かる。
【0015】
なお、N2脱気法で製造された溶存窒素量が16〜20ppmの純水を通常の温水リンスに使用することで、窒化シリコン系の絶縁膜が露出した半導体基板の表面にパーティクルが発生するのを防止することは可能である。しかし、他の洗浄工程では、溶存する窒素に起因する気泡の発生を抑えることができず、半導体の製造歩留まりを落としてしまう可能性があり使用することが困難である。
【0016】
一方、半導体工程では純水が大量に使用され、且つ、製造工程で純水が不足すると製造ラインが停止するため、製造ラインの停止を防ぐために過剰な純水が製造されている。ここで、真空脱気法による純水とN2脱気法による純水を同時に製造するとなると、各工程で使用される純水の量にあった量の純水をそれぞれ製造する必要がある。しかし、量産工場の半導体製造工程において、各洗浄工程を通過する半導体基板の量を正確に把握することは困難であり、従来よりも大量の純水を製造する必要が生じる。量産工場の場合、半導体工場での水の消費量は、一般家庭に換算すると数万人分の水を消費するので2種類の純水をそれぞれ大量に製造することは好ましくない。
【特許文献1】特開平10−335294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、半導体の量産工場での純水の製造量を増加させることなく、溶存ガスをほとんど含まない純水と、溶存ガスを含む純水を供給できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、溶存ガス濃度0.4ppm以下の純水を製造する純水製造手段と、前記純水製造手段から純水を供給可能な第1の純水供給手段と、前記純水製造手段と連結部により連結され、該連結部を介して前記純水製造手段から移送された前記純水に気体を溶存させる溶存手段と、前記溶存手段で気体を溶存させた純水を供給可能な第2の純水供給手段とを有することを特徴とする純水供給システムである。
【0019】
前記溶存手段にて溶存させる気体としては、不活性ガスまたは二酸化炭素を用いることができる。
【0020】
前記第2の純水供給手段から供給される純水の温度を調整する温度調整手段をさらに有することができる。前記温度調整手段としては、例えば加熱手段が利用でき、前記連結部、前記溶存手段、及び前記第2の純水供給手段のいずれかに設置することができる。このとき、前記第2の純水供給手段から供給される純水は、温度が40〜80℃で、溶存ガス濃度が4〜20ppmに調整することができる。
【0021】
また、本発明は、溶存ガス濃度0.4ppm以下の純水を製造する純水製造手段と、前記純水製造手段から純水を供給可能な第1の純水供給手段と、前記純水製造手段と連結部により連結され、該連結部を介して前記純水製造手段から移送された前記純水に気体を溶存させる溶存手段と、前記溶存手段で気体を溶存させた純水を供給可能な第2の純水供給手段と、前記第1の純水供給手段及び/又は前記第2の純水供給手段と連結され、前記第1の純水供給手段又は前記第2の純水供給手段から供給される純水を利用して、基板を洗浄する洗浄手段とを有することを特徴とする洗浄システムである。
【0022】
前記基板としては、表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜が露出した基板が挙げられる。
【0023】
前記溶存手段にて溶存させる気体としては、不活性ガスまたは二酸化炭素を用いることができる。
【0024】
前記第2の純水供給手段から供給される純水の温度を調整する温度調整手段をさらに有することができる。前記温度調整手段としては、例えば加熱手段が利用でき、前記連結部、前記溶存手段、及び前記第2の純水供給手段のいずれかに設置することができる。このとき、前記第2の純水供給手段から供給される純水は、温度が40〜80℃で、溶存ガス濃度が4〜20ppmに調整することができる。
【0025】
前記洗浄システムは、SPM洗浄した基板を、前記第2の純水供給手段から供給される、温度が40〜80℃で溶存ガス濃度が4〜20ppmに調整された純水で洗浄するのに好適である。前記洗浄システムは、APM洗浄した基板を、前記第2の純水供給手段から供給される純水で洗浄するのに好適である。
【0026】
前記第1の純水供給手段及び/又は前記第2の純水供給手段から供給される純水に、フッ酸を混入させるフッ酸混入手段をさらに有していてもよい。
【0027】
さらに、本発明は、前記洗浄システムを用い、前記第1の純水供給手段又は前記第2の純水供給手段から供給される純水を利用して、基板を洗浄する洗浄方法である。
【0028】
例えば、前記第2の純水供給手段から供給される純水で、SPM洗浄した基板を洗浄する洗浄方法として適用できる。また、前記第1の純水供給手段又は前記第2の純水供給手段から供給される純水で、APM洗浄した基板を洗浄する洗浄方法として適用できる。
【0029】
さらに、前記第1の純水供給手段及び/又は前記第2の純水供給手段から供給される純水に、フッ酸を混入させるフッ酸混入手段をさらに有する洗浄システムを用い、前記第1の供給手段又は前記第2の供給手段から供給される、フッ酸が混入された純水で、基板を洗浄する洗浄方法として適用できる。前記フッ酸が混入された純水としては、例えば、55質量%フッ酸1質量部に対して、前記第1の供給手段又は前記第2の供給手段から供給される純水100〜500質量部を混合したものを用いることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、溶存ガスをほとんど含まない純水と、溶存ガスを含む純水を一つの純水製造装置から供給できるシステムを提供できる。すなわち、例えば、表面にシリコン窒化膜あるいはシリコン酸窒化膜が露出した基板表面の温水リンスに用いる、溶存ガスをほとんど含まない純水を用意することができ、例えば、SPM工程後の温水リンスに用いる、溶存ガスを含む純水を用意することもできる。この結果、半導体量産工場の水の製造量を増加させることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は、本発明に係る洗浄システムの一実施形態の構成を示す模式図である。
【0032】
この洗浄システムでは、本発明に係る純水供給システム20が、洗浄手段である洗浄槽1及び11に接続されている。この純水供給システム20は、純水製造手段である純水製造装置10により製造された純水を、第1の純水供給手段である第1の純水貯蔵槽16及び第2の純水供給手段である第2の純水貯蔵槽6から洗浄槽に供給することができる構成となっている。なお、洗浄槽1及び11は、図1のシステムのように第1の純水貯蔵槽16及び第2の純水貯蔵槽6に別々に連結されていてもよく、両方の純水貯蔵槽に連結されていてもよい。両方の純水貯蔵槽に連結されている場合は、洗浄槽は1つでも構わない。
【0033】
純水製造装置10では、真空脱気法により、常圧(大気圧)下で溶存ガス濃度0.4ppm以下の低溶存ガス濃度に調整された純水が製造される。純水製造装置10で製造された純水は、通常常温(25℃前後)の温度である。
【0034】
純水製造装置10には、第1の純水供給手段である第1の純水貯蔵槽16が、配管13−1及び13−2により連結されている。このような構成により、純水製造装置10で製造された純水を、低溶存ガス濃度のまま、第1の純水貯蔵槽16から洗浄槽11に供給することができる。
【0035】
第1の純水貯蔵槽16や配管13−1または13−2の周囲に、第1の純水貯蔵槽16から洗浄槽11に供給される純水の温度を調整する温度調整手段を設置することもできる。温度調整手段としては、後述する加熱手段や冷却手段を用いることができる。
【0036】
一方で、純水製造装置10には、溶存手段である溶存装置7と第2の純水供給手段である第2の純水蓄槽6とが、配管3−1、3−2及び3−3により連結されている。溶存装置7には、レギュレータ8を介して高圧気体を貯えたガスボンベ9が接続されており、ガスボンベ9から気体を一定の圧力で供給することで、純水製造装置10で製造された純水に所定量の気体を溶存させることができる。そして、所定の溶存ガス濃度に調整された純水を、第2の純水貯蔵槽6から洗浄槽1に供給することができる。
【0037】
溶存装置7において純水に気体を溶存させる方式としては、例えば、気体が充填された密閉容器中に純水を落下させる落下方式、密閉容器中に貯えられた純水中に気体を供給しバブルさせるバブル方式が挙げられる。いずれも、大気中の酸素を溶存させないために、密閉容器中で行うことが好ましい。落下方式の場合、落下させる純水の表面積を大きければ気体の溶存効率が良くなるので、純水を液滴化して落下させることが好ましい。例えば市販のスプレーノズルを用いることで、容易に純水を液滴化することができる。落下させる純水の液滴の粒径は、5μm〜2mmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。バブル方式の場合、気体が純水の表面と接触した状態になっているので、密閉容器中の気体の圧力と純水の温度とで純水中に溶存する気体の飽和量が規定される。
【0038】
純水に溶存させる気体としては、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスや、二酸化炭素が挙げられる。
【0039】
純水に溶存させる気体の量は、溶存装置7内の温度と供給される気体の圧力により調整することができる。得られる純水の溶存ガス濃度は、大気圧下で、4ppm以上であることが好ましく、また20ppm以下であることが好ましく、16ppm以下であることがより好ましい。この溶存ガス濃度が4ppm以上であれば、パーティクルの発生なく温水リンスができる。また、溶存ガス濃度を20ppm以下とすることで、温水の温度が80℃であっても、溶存する気体による気泡が基板上に形成され難くなる。
【0040】
第2の純水貯蔵槽6の周囲には、第2の純水貯蔵槽6内の純水を加熱する加熱手段であるヒーター5が配置されている。そして、第2の純水貯蔵槽6及びヒーター5により構成される温水製造装置4により、第2の純水貯蔵槽6から洗浄槽1に供給される純水を加熱することができる。加熱手段としては、ヒーターに限らず、熱交換装置などの通常用いられる他の装置でもよい。
【0041】
第2の純水貯蔵槽6から洗浄槽1に供給される純水の温度は、40℃以上であることが好ましく、また80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましい。純水の温度が40℃以上であれば、SPM洗浄後の温水リンスに使用しても効率良く硫酸の除去が可能であり、80℃以下であれば、純水中に溶存する気体に起因する気泡が基板へ付着することはない。工程の管理を考慮すると、70℃以下であることがより好ましい。
【0042】
常温よりも低い温度の純水を供給する必要がある場合は、加熱手段の代わりに冷却手段を設置すればよい。冷却手段としては、冷却媒体を用いる装置、熱交換装置などの通常用いられる装置を用いることができる。また、常温の純水を供給すればよい場合は、加熱手段や冷却手段のような温度調整手段を有さない構成とすることもできる。また、配管3−2から分岐して直接洗浄槽1につないだ配管を設置して、その分岐部分の切り替えにより常温の純水を供給するシステムとすることもできる。
【0043】
第2の純水貯蔵槽6から供給される純水の温度を調整する温度調整手段は、溶存装置7や配管3−1、3−2または3−3の周囲に設置してもよい。特に、配管3−1、溶存装置7または第2の純水貯蔵槽6に設置されていることが好ましい。
【0044】
また、図1のシステムにおける溶存装置7及び温水洗浄装置4を一体化したものに相当する、温度調整機能を有する溶存装置を用いることもできる。洗浄槽1に供給される純水の温度が所望の温度よりも高いこともあるので、洗浄槽1と接続される配管の途中に、さらに冷却手段を設置した純水貯蔵槽を有する構成とすることもできる。
【0045】
さらに、第1の純水貯蔵槽16及び/又は第2の純水貯蔵槽6から洗浄槽に供給される純水に、フッ酸を混入させるフッ酸混入手段をさらに有していてもよい。こうすることで、所望によりフッ酸が混入された純水で基板を洗浄することができる。フッ酸混入手段の設置箇所は特に限定されず、配管3−1、3−2、3−3、13−1若しくは13−2、溶存装置7、第1の純水貯蔵槽16、または第2の純水貯蔵槽6に設置することができる。
【0046】
混入させるフッ酸は、例えば55質量%のフッ酸(フッ化水素水溶液)を用いることができる。フッ酸と純水との混合比に関しては、フッ酸1質量部に対して純水100〜500質量部が好ましい。
【0047】
なお、各配管は、並列に複数有していてもよく、途中で分岐していてもよい。
【0048】
このような構成により、溶存ガスをほとんど含まない純水と、溶存ガスを含む純水とを所望により洗浄槽に供給できるシステムとなる。例えば、量産半導体製造工場で使用される純水製造装置から、表面にシリコン窒化物系の絶縁膜が露出する半導体基板を温水で洗浄する工程の洗浄槽にのみ窒素が溶存する純水を供給することができる。このとき、溶存装置を洗浄槽の直近の場所に配置でき、また溶存装置ではその洗浄槽に供給するために必要な量の純水に気体を溶存させるだけで良いので、小型の溶存装置を用いることができる。
【0049】
以上のシステムを用いることで、洗浄槽では第1の純水貯蔵槽16または第2の純水貯蔵槽から供給される純水で半導体基板2を洗浄することができる。洗浄槽で洗浄する半導体基板2としては、例えば表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜が露出した基板や、その基板をSPM洗浄またはAPM洗浄した後の基板が挙げられる。
【0050】
SPM洗浄した基板の洗浄は、第2の純水貯蔵槽から供給される、温度が40〜80℃で溶存ガス濃度が4〜20ppmに調整された純水で行うことが好ましい。APM洗浄した基板の洗浄は、第1の純水貯蔵槽又は第2の純水貯蔵槽から供給される、常温の純水で行うことが好ましいが、洗浄時間の短縮のために温度が40〜80℃の純水で行ってもよい。
【実施例】
【0051】
次に、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板を洗浄する実施例により、本発明を説明する。
【0052】
<実施例1>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をSPM洗浄した。その後、溶存窒素濃度4ppm、温度40℃に調整された純水を用いて、SPM洗浄後の半導体基板に温水リンスを行った。
【0053】
なお、温水リンスに用いた純水は、図1に示す構成の装置により製造した。具体的には、まず、純水製造装置10において、真空脱気法により溶存ガス濃度0.4ppmの純水を製造した。次に、その純水を、高圧窒素ボンベが接続された溶存装置7に移送し、溶存窒素濃度4ppmの純水を製造した。そして、その純水を温水製造装置4のヒーター5により40℃に温めた上で、洗浄槽1に供給した。
【0054】
<実施例2>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をSPM洗浄した。その後、実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度16ppm、温度40℃に調整された純水を用いて、SPM洗浄後の半導体基板に温水リンスを行った。
【0055】
<実施例3>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をSPM洗浄した。その後、実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度4ppm、温度70℃に調整された純水を用いて、SPM洗浄後の半導体基板に温水リンスを行った。
【0056】
<実施例4>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をSPM洗浄した。その後、実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度16ppm、温度70℃に調整された純水を用いて、SPM洗浄後の半導体基板に温水リンスを行った。
【0057】
<実施例5>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をSPM洗浄した。その後、実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度20ppm、温度70℃に調整された純水を用いて、SPM洗浄後の半導体基板に温水リンスを行った。
【0058】
<実施例6>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をAPM洗浄した。その後、実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度4ppm、温度70℃に調整された純水を用いて、APM洗浄後の半導体基板に温水リンスを行った。
【0059】
<実施例7>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をAPM洗浄した。その後、実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度16ppm、温度70℃に調整された純水を用いて、APM洗浄後の半導体基板に温水リンスを行った。
【0060】
<実施例8>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をAPM洗浄した。その後、実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度20ppm、温度70℃に調整された純水を用いて、APM洗浄後の半導体基板に温水リンスを行った。
【0061】
<実施例9>
実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度4ppm、温度70℃に調整された純水を用いて、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板に温水リンスを行った。
【0062】
<実施例10>
実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度16ppm、温度70℃に調整された純水を用いて、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板に温水リンスを行った。
【0063】
<実施例11>
実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度20ppm、温度70℃に調整された純水を用いて、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板に温水リンスを行った。
【0064】
<実施例12>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をSPM洗浄した。その後、純水100質量部に55質量%フッ酸1質量部を混入した上で、溶存ガス濃度0.4ppm、温度25℃に調整された希フッ酸(DHF:Diluted Hydrofluoric Acid)を用いて、SPM洗浄後の半導体基板を洗浄した。さらに、溶存ガス濃度0.4ppm、温度25℃に調整された純水を用いて、希フッ酸洗浄後の半導体基板にリンスを行った。
【0065】
なお、洗浄に用いた希フッ酸は、図1に示す構成に加えて、配管13−1の途中にフッ酸混入手段を設置した。具体的には、まず、純水製造装置10において、真空脱気法により溶存ガス濃度0.4ppmの純水を製造した。次に、その純水を第1の純水貯蔵槽16に移送する際に、フッ酸混入手段から55質量%フッ酸を混入させた。そして、得られた希フッ酸を洗浄槽11に供給した。
【0066】
<実施例13>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をSPM洗浄した。その後、実施例12と同様の方法で、純水500質量部に55質量%フッ酸1質量部を混入した上で、溶存ガス濃度0.4ppm、温度25℃に調整された希フッ酸を用いて、SPM洗浄後の半導体基板を洗浄した。さらに、溶存ガス濃度0.4ppm、温度25℃に調整された純水を用いて、希フッ酸洗浄後の半導体基板にリンスを行った。
【0067】
<実施例14>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をSPM洗浄した。その後、純水100質量部に55質量%フッ酸1質量部を混入した上で、溶存窒素濃度4ppm、温度25℃に調整された希フッ酸を用いて、SPM洗浄後の半導体基板を洗浄した。さらに、溶存窒素濃度4ppm、温度25℃に調整された純水を用いて、希フッ酸洗浄後の半導体基板にリンスを行った。
【0068】
なお、洗浄に用いた希フッ酸は、図1に示す構成に加えて、配管3−1の途中にフッ酸混入手段を設置した装置により製造した。具体的には、まず、純水製造装置10において、真空脱気法により溶存ガス濃度0.4ppmの純水を製造した。次に、その純水を、高圧窒素ボンベが接続された溶存装置7に移送する際に、フッ酸混入手段から55質量%フッ酸を混入させた。その後、実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度を4ppmに調整した。そして、得られた希フッ酸を洗浄槽1に供給した。
【0069】
<実施例15>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をSPM洗浄した。その後、実施例14と同様の方法で、純水500質量部に55質量%フッ酸1質量部を混入した上で、溶存窒素濃度16ppm、温度25℃に調整された希フッ酸を用いて、SPM洗浄後の半導体基板を洗浄した。さらに、溶存窒素濃度16ppm、温度25℃に調整された純水を用いて、希フッ酸洗浄後の半導体基板にリンスを行った。
【0070】
<実施例16>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をAPM洗浄した。その後、実施例12と同様の方法で、純水100質量部に55質量%フッ酸1質量部を混入した上で、溶存ガス濃度0.4ppm、温度25℃に調整した希フッ酸を用いて、APM洗浄後の半導体基板を洗浄した。さらに、溶存ガス濃度0.4ppm、温度25℃に調整された純水を用いて、希フッ酸洗浄後の半導体基板にリンスを行った。
【0071】
<実施例17>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をAPM洗浄した。その後、実施例12と同様の方法で、純水500質量部に55質量%フッ酸1質量部を混入した上で、溶存ガス濃度0.4ppm、温度25℃に調整された希フッ酸を用いて、APM洗浄後の半導体基板を洗浄した。さらに、溶存ガス濃度0.4ppm、温度25℃に調整された純水を用いて、希フッ酸洗浄後の半導体基板にリンスを行った。
【0072】
<実施例18>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をAPM洗浄した。その後、実施例14と同様の方法で、純水100質量部に55質量%フッ酸1質量部を混入した上で、溶存窒素濃度4ppm、温度25℃に調整された希フッ酸を用いて、APM洗浄後の半導体基板を洗浄した。さらに、溶存窒素濃度4ppm、温度25℃に調整された純水を用いて、希フッ酸洗浄後の半導体基板にリンスを行った。
【0073】
<実施例19>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をAPM洗浄した。その後、実施例14と同様の方法で、純水500質量部に55質量%フッ酸1質量部を混入した上で、溶存窒素濃度16ppm、温度25℃に調整された希フッ酸を用いて、APM洗浄後の半導体基板を洗浄した。さらに、溶存窒素濃度16ppm、温度25℃に調整された純水を用いて、希フッ酸洗浄後の半導体基板にリンスを行った。
【0074】
<実施例20>
実施例12と同様の方法で、純水100質量部に55質量%フッ酸1質量部を混入した上で、溶存ガス濃度0.4ppm、温度25℃に調整された希フッ酸を用いて、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板を洗浄した。さらに、溶存ガス濃度0.4ppm、温度25℃に調整された純水を用いて、希フッ酸洗浄後の半導体基板にリンスを行った。
【0075】
<実施例21>
実施例12と同様の方法で、純水500質量部に55質量%フッ酸1質量部を混入した上で、溶存ガス濃度0.4ppm、温度25℃に調整された希フッ酸を用いて、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板を洗浄した。さらに、溶存ガス濃度0.4ppm、温度25℃に調整された純水を用いて、希フッ酸洗浄後の半導体基板にリンスを行った。
【0076】
<実施例22>
実施例14と同様の方法で、純水100質量部に55質量%フッ酸1質量部を混入した上で、溶存窒素濃度4ppm、温度25℃に調整された希フッ酸を用いて、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板を洗浄した。さらに、溶存窒素濃度4ppm、温度25℃に調整された純水を用いて、希フッ酸洗浄後の半導体基板にリンスを行った。
【0077】
<実施例23>
実施例14と同様の方法で、純水500質量部に55質量%フッ酸1質量部を混入した上で、溶存窒素濃度16ppm、温度25℃に調整された希フッ酸を用いて、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板を洗浄した。さらに、溶存窒素濃度16ppm、温度25℃に調整された純水を用いて、希フッ酸洗浄後の半導体基板にリンスを行った。
【0078】
<参考例1>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をSPM洗浄した。その後、温度40℃に調整された純水(溶存ガス濃度0.4ppm)を用いて、SPM洗浄後の半導体基板に温水リンスを行った。
【0079】
なお、温水リンスに用いた純水は、図1に示す構成に加えて、第1の純水貯蔵槽16にヒーターを設置した装置により製造した。具体的には、まず、純水製造装置10において、真空脱気法により溶存ガス濃度0.4ppmの純水を製造した。次に、その純水を第1の純水貯蔵槽16に移送した。そして、その純水を第1の純水貯蔵槽16のヒーターにより40℃に温めた上で、洗浄槽11に供給した。
【0080】
<参考例2>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をSPM洗浄した。その後、実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度16ppmに調整された純水(温度:25℃)を加熱せずに用いて、SPM洗浄後の半導体基板に純水リンスを行った。
【0081】
<参考例3>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をSPM洗浄した。その後、純水製造装置10により製造された溶存ガス濃度0.4ppmの純水(温度:25℃)をそのまま用いて、SPM洗浄後の半導体基板に純水リンスを行った。
【0082】
<参考例4>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をAPM洗浄した。その後、参考例1と同様の方法で、温度40℃に調整された純水(溶存ガス濃度0.4ppm)を用いて、APM洗浄後の半導体基板に温水リンスを行った。
【0083】
<参考例5>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をAPM洗浄した。その後、実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度16ppmに調整された純水(温度:25℃)を加熱せずに用いて、APM洗浄後の半導体基板に純水リンスを行った。
【0084】
<参考例6>
まず、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板をAPM洗浄した。その後、純水製造装置10により製造された溶存ガス濃度0.4ppmの純水(温度:25℃)をそのまま用いて、APM洗浄後の半導体基板に純水リンスを行った。
【0085】
<参考例7>
参考例1と同様の方法で、温度40℃に調整された純水(溶存ガス濃度0.4ppm)を用いて、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板に温水リンスを行った。
【0086】
<参考例8>
実施例1と同様の方法で、溶存窒素濃度16ppmに調整された純水(温度:25℃)を加熱せずに用いて、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板に純水リンスを行った。
【0087】
<参考例9>
純水製造装置10により製造された溶存ガス濃度0.4ppmの純水(温度:25℃)をそのまま用いて、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板に純水リンスを行った。
【0088】
洗浄の結果を表1〜3に示す。
【0089】
【表1】

【0090】
【表2】

【0091】
【表3】

【0092】
洗浄後のパーティクルの発生状態をパーティクルカウンターを用いて測定し、基板上に形成される半導体素子に影響を及ぼすパーティクルが検出されない場合を「無」、そのようなパーティクルが検出された場合を「有」と判定した。
【0093】
実施例1〜8では、SPM洗浄後およびAPM洗浄後の半導体基板の温水リンスに溶存ガス濃度が4〜20ppmの純水を用いが、パーティクルの発生は無かった。実施例9〜11では、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板の温水リンスに溶存ガス濃度が4〜20ppmの純水を用いたが、パーティクルの発生は無かった。
【0094】
実施例12〜19では、SPM洗浄後およびAPM洗浄後の半導体基板を希フッ酸で洗浄した後に純水でリンスを行ったが、パーティクルの発生は無かった。実施例20〜23では、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板を希フッ酸で洗浄した後に純水でリンスを行ったが、パーティクルの発生は無かった。
【0095】
参考例1では、SPM洗浄後の半導体基板のリンスに溶存ガス濃度が0.4ppmで40℃の純水を用いたところ、パーティクルが発生した。参考例2及び3では、SPM洗浄後の半導体基板のリンスに溶存ガス濃度が0.4ppm及び16ppmで25℃の純水を用いたが、パーティクルの発生は無かった。
【0096】
参考例4では、APM洗浄後の半導体基板のリンスに溶存ガス濃度が0.4ppmで40℃の純水を用いたところ、パーティクルが発生した。参考例5及び6では、APM洗浄後の半導体基板のリンスに溶存ガス濃度が0.4ppm及び16ppmで25℃の純水を用いたが、パーティクルの発生は無かった。
【0097】
参考例7では、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板のリンスに溶存ガス濃度が0.4ppmで40℃の純水を用いたところ、パーティクルが発生した。参考例8及び9では、表面にシリコン窒化膜が形成された半導体基板のリンスに溶存ガス濃度が0.4ppm及び16ppmで25℃の純水を用いたが、パーティクルの発生は無かった。
【0098】
通常、SPM洗浄およびAPM洗浄を連続して行う工程も多々あり、リンスの温度をその前の洗浄工程毎に変えない方が好ましく、温水リンス工程に統一する方が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る洗浄システムの一実施形態の構成を示す模式図である。
【図2】基板上にパーティクルが発生した状態を示した図である。
【図3】真空脱気法で製造された溶存ガス濃度が0.4ppmの純水による25℃の純水リンスおよび70℃の温水リンスした場合に、シリコン窒化膜が表面に露出した基板上に発生するパーティクル数を示した図である。
【図4】真空脱気法で製造された溶存ガス濃度が0.4ppmの純水による25℃の純水リンスおよび70℃の温水リンスした場合に、シリコン窒化膜の膜減り量を示した図である。
【図5】基板表面に発生したパーティクル数とシリコン窒化膜の膜べり量(エッチング量)との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
1 第2の洗浄槽
2 半導体基板
3−1、3−2、3−3 配管
4 温水製造装置
5 ヒーター
6 第2の純水貯蔵槽
7 溶存装置
8 レギュレータ
9 ガスボンベ
10 純水製造装置
11 第1の洗浄槽
13−1、13−2 配管
16 第1の純水貯蔵槽
20 純水供給システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶存ガス濃度0.4ppm以下の純水を製造する純水製造手段と、
前記純水製造手段から純水を供給可能な第1の純水供給手段と、
前記純水製造手段と連結部により連結され、該連結部を介して前記純水製造手段から移送された前記純水に気体を溶存させる溶存手段と、
前記溶存手段で気体を溶存させた純水を供給可能な第2の純水供給手段と
を有することを特徴とする純水供給システム。
【請求項2】
前記溶存手段にて溶存させる気体が、不活性ガスまたは二酸化炭素である請求項1に記載の純水供給システム。
【請求項3】
前記第2の純水供給手段から供給される純水の温度を調整する温度調整手段をさらに有する請求項1または2に記載の純水供給システム。
【請求項4】
前記温度調整手段として、加熱手段を有する請求項3に記載の純水供給システム。
【請求項5】
前記加熱手段が、前記連結部、前記溶存手段、及び前記第2の純水供給手段のいずれかに設置されている請求項4に記載の純水供給システム。
【請求項6】
前記第2の純水供給手段から供給される純水は、温度が40〜80℃で、溶存ガス濃度が4〜20ppmである請求項4または5に記載の純水供給システム。
【請求項7】
溶存ガス濃度0.4ppm以下の純水を製造する純水製造手段と、
前記純水製造手段から純水を供給可能な第1の純水供給手段と、
前記純水製造手段と連結部により連結され、該連結部を介して前記純水製造手段から移送された前記純水に気体を溶存させる溶存手段と、
前記溶存手段で気体を溶存させた純水を供給可能な第2の純水供給手段と、
前記第1の純水供給手段及び/又は前記第2の純水供給手段と連結され、前記第1の純水供給手段又は前記第2の純水供給手段から供給される純水を利用して、基板を洗浄する洗浄手段と
を有することを特徴とする洗浄システム。
【請求項8】
前記基板は、表面にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜が露出した基板である請求項7に記載の洗浄システム。
【請求項9】
前記溶存手段にて溶存させる気体が、不活性ガスまたは二酸化炭素である請求項7または8に記載の洗浄システム。
【請求項10】
前記第2の純水供給手段から供給される純水の温度を調整する温度調整手段をさらに有する請求項7〜9のいずれか1項に記載の洗浄システム。
【請求項11】
前記温度調整手段として、加熱手段を有する請求項10に記載の洗浄システム。
【請求項12】
前記加熱手段が、前記連結部、前記溶存手段、及び前記第2の純水供給手段のいずれかに設置されている請求項11に記載の洗浄システム。
【請求項13】
前記第2の純水供給手段から供給される純水は、温度が40〜80℃で、溶存ガス濃度が4〜20ppmである請求項11または12に記載の洗浄システム。
【請求項14】
SPM洗浄した基板を、前記第2の純水供給手段から供給される純水で洗浄するために用いる請求項13に記載の洗浄システム。
【請求項15】
APM洗浄した基板を、前記第1の純水供給手段又は前記第2の純水供給手段から供給される純水で洗浄するために用いる請求項7〜14に記載の洗浄システム。
【請求項16】
前記第1の純水供給手段及び/又は前記第2の純水供給手段から供給される純水に、フッ酸を混入させるフッ酸混入手段をさらに有する請求項7〜15のいずれか1項に記載の洗浄システム。
【請求項17】
請求項7〜16のいずれか1項に記載の洗浄システムを用い、前記第1の純水供給手段又は前記第2の純水供給手段から供給される純水を利用して、基板を洗浄する洗浄方法。
【請求項18】
請求項14に記載の洗浄システムを用い、前記第2の純水供給手段から供給される純水で、SPM洗浄した基板を洗浄する洗浄方法。
【請求項19】
請求項15に記載の洗浄システムを用い、前記第1の純水供給手段又は前記第2の純水供給手段から供給される純水で、APM洗浄した基板を洗浄する洗浄方法。
【請求項20】
請求項16に記載の洗浄システムを用い、前記第1の純水供給手段又は前記第2の純水供給手段から供給される、フッ酸が混入された純水で、基板を洗浄する洗浄方法。
【請求項21】
前記フッ酸が混入された純水が、55質量%フッ酸1質量部に対して、前記第1の供給手段又は前記第2の供給手段から供給される純水100〜500質量部を混合したものである請求項20に記載の洗浄方法。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−251127(P2007−251127A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333322(P2006−333322)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】