説明

紙をコートする方法

本発明は、コート剤として、EN ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)による3〜50cm3/10minのメルトボリュームフローレイト(MVR)を有する生分解性の脂肪族−芳香族ポリエステルが使用されることにより特徴付けられる、紙をコートする方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙をコートする方法に関するものであって、コート剤として、以下のもの:
i)コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸及びブラシル酸からなる群から選択される、1つ又はそれ以上のジカルボン酸誘導体又はジカルボン酸 成分i〜iiを基準として、40〜70モル%;
ii)テレフタル酸誘導体 成分i〜iiを基準として、60〜30モル%;
iii)C2〜C8−アルキレンジオール又はC2〜C6−オキシアルキレンジオール 成分i〜iiを基準として、98〜102モル%;
iv)二官能性又は多官能性のイソシアナート、イソシアヌラート、オキサゾリン、エポキシド、無水カルボン酸及び/又は少なくとも三官能性のアルコール又は少なくとも三官能性のカルボン酸からなる群から選択される、鎖延長剤及び/又は架橋剤 成分i〜iiiの全質量を基準として、0.00〜2質量%;
v)天然デンプン又は可塑化デンプン、天然繊維、木粉からなる群から選択される、有機充填剤及び/又は白亜、沈降性炭酸カルシウム、グラファイト、セッコウ、導電性カーボンブラック(Leitruss)、酸化鉄、塩化カルシウム、ドロマイト、カオリン、二酸化ケイ素(石英)、炭酸ナトリウム、二酸化チタン、ケイ酸塩、ウォラストナイト、雲母、モンモリロナイト(Montmorellonite)、タルク、ガラス繊維及び鉱物繊維からなる群から選択される、無機充填剤 成分i〜ivの全質量を基準として、0.00〜50質量%及び
vi)安定剤、核剤、滑剤及び離型剤、界面活性剤、ワックス、帯電防止剤、防曇剤、染料、顔料、UV吸収剤、UV安定剤又はその他のプラスチック添加剤の少なくとも1つ 成分i〜ivの全質量を基準として、0.00〜2質量%
を含有し、かつEN ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)による3〜50cm3/10minのメルトボリュームフローレイト(MVR)を有する生分解性の脂肪族−芳香族ポリエステルが使用されることによって特徴付けられている。
【0002】
さらに、本発明は、紙をコートする方法に関するものであって、コート剤として次のもの:
・次のもの:
i)コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸及びブラシル酸からなる群から選択される、1つ又はそれ以上のジカルボン酸誘導体又はジカルボン酸 成分i〜iiを基準として、40〜70モル%;
ii)テレフタル酸誘導体 成分i〜iiを基準として、60〜30モル%;
iv)C2〜C8−アルキレンジオール又はC2〜C6−オキシアルキレンジオール 成分i〜iiを基準として、98〜102モル%;
iv)二官能性又は多官能性のイソシアナート、イソシアヌラート、オキサゾリン、エポキシド、無水カルボン酸及び/又は少なくとも三官能性のアルコール又は少なくとも三官能性のカルボン酸からなる群から選択される、鎖延長剤及び/又は架橋剤 成分i〜iiiの全質量を基準として、0.00〜2質量%;
v)天然デンプン又は可塑化デンプン、天然繊維、木粉からなる群から選択される、有機充填剤及び/又は白亜、沈降性炭酸カルシウム、グラファイト、セッコウ、導電性カーボンブラック、酸化鉄、塩化カルシウム、ドロマイト、カオリン、二酸化ケイ素(石英)、炭酸ナトリウム、二酸化チタン、ケイ酸塩、ウォラストナイト、雲母、モンモリロナイト、タルク、ガラス繊維及び鉱物繊維からなる群から選択される、無機充填剤 成分i〜ivの全質量を基準として、0.00〜50質量%及び
vi)安定剤、核剤、滑剤及び離型剤、界面活性剤、ワックス、帯電防止剤、防曇剤、染料、顔料、UV吸収剤、UV安定剤又はその他のプラスチック添加剤の少なくとも1つ 成分i〜ivの全質量を基準として、0.00〜2質量%;
の縮合により得ることができ、かつEN ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)による3〜50cm3/10minのメルトボリュームフローレイト(MVR)を有する生分解性の脂肪族−芳香族ポリエステル5〜95質量%と、
・ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノアート、キトサン、グルテンからなる群から選択される1つ又はそれ以上のポリマー及び1つ又はそれ以上の脂肪族/芳香族ポリエステル、例えばポリブチレンスクシナート、ポリブチレンスクシナート−アジパート又はポリブチレンスクシナート−セバカート、ポリブチレンテレフタラート−コ−アジパート 95〜5質量%と、
・相溶化剤(Vertraeglichkeitsvermittlers) 0〜2質量%と
を含有するポリマー混合物が使用されることにより特徴付けられている。
【0003】
国際公開(WO-A)第92/09654号、国際公開(WO-A)第96/15173号、国際公開(WO-A)第2006/097353〜097356号には、例えばポリブチレンテレフタラート−スクシナート、−アジパート、−セバカート、−アゼラート及び−ブラシラートが、及び国際公開(WO)第2006/074815号には、これらの脂肪族−芳香族ポリエステルとポリ乳酸又はポリヒドロキシアルカノアートのような他の生分解性ポリマーとの混合物が、記載されている。紙をこれらのポリマー又はポリマー混合物でコートする可能性は、これらの明細書には明示的に説明されていない。
【0004】
紙を公知のポリエステル及びポリエステル混合物でコートすることを試みた場合に、比較的厚い層のみが比較的ゆっくりと製造されることができた。
【0005】
本発明の目的は、それに応じて、紙をコートするためにより好適である生分解性のポリエステルもしくはポリエステル混合物を提供することであった。
【0006】
意外なことに、目下、冒頭に記載された紙コートする方法が見出され、前記方法は、EN ISO 1133(190℃、2.16 kg荷重)による3〜50cm3/10minのメルトボリュームフローレイト(MVR)を有するポリエステル及び/又はこの種のポリエステルを含有するポリマー混合物を使用することにより特徴付けられている。
【0007】
特に適しているのは、EN ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)による5〜25cm3/10min及び特に好ましくは5〜12cm3/10 minのメルトボリュームフローレイト(MVR)を有するポリエステルである。
【0008】
前記ポリエステルと、特にポリ乳酸のような他の生分解性ポリマーとのポリマー混合物が使用される場合に、これらのポリマーも高い流動性を有することが有利であることが判明している。
【0009】
例えば、EN ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)による4〜100cm3/10min及び特に好ましくは9〜70cm3/10minのメルトボリュームフローレイト(MVR)を有するポリ乳酸が混合相手として適していることが判明している。
【0010】
前記のように、紙をコートするためには、流動性ポリエステルと、特にポリ乳酸のような流動性の混合相手とからなるポリマー混合物が特に好適である。得られるポリマー混合物については、好ましくは、EN ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)による4〜70cm3/10min及び特に好ましくは10〜30cm3/10minのメルトボリュームフローレイト(MVR)となる。さらに、流動性ポリエステルと前記の流動性ポリマー混合物との混合物は、紙のコートに適している。
【0011】
脂肪族ジオール及び脂肪族/芳香族ジカルボン酸をベースとする部分芳香族ポリエステルは、ポリエーテルエステル、ポリエステルアミド又はポリエーテルエステルアミドのようなポリエステル誘導体であるとも理解される。適した部分芳香族ポリエステルには、鎖延長されていない線状ポリエステル(国際公開(WO)第92/09654号)が含まれる。特に、ブタンジオール、テレフタル酸及び脂肪族C6〜C18−ジカルボン酸、例えばアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びブラシル酸からなる脂肪族/芳香族ポリエステル(例えば国際公開(WO)第2006/097353〜097356号に記載されている)は、適している混合相手である。鎖延長された及び/又は分枝鎖状の部分芳香族ポリエステルが好ましい。後者は、冒頭に記載された国際公開(WO)第96/15173〜15176、21689〜21692、25446、25448号又は国際公開(WO)第98/12242号から公知であり、これらは参照により明らかに開示に含まれる。異なる部分芳香族ポリエステルの混合物も同じように考慮に値する。
【0012】
冒頭に記載されたように、本発明による紙をコートする方法には、次のもの:
i)コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸及びブラシル酸からなる群から選択される、1つ又はそれ以上のジカルボン酸誘導体又はジカルボン酸 成分i〜iiを基準として、40〜70モル%;
ii)テレフタル酸誘導体 成分i〜iiを基準として、60〜30モル%;
v)C2〜C8−アルキレンジオール又はC2〜C6−オキシアルキレンジオール 成分i〜iiを基準として、98〜102モル%;
iv)二官能性又は多官能性のイソシアナート、イソシアヌラート、オキサゾリン、エポキシド、無水カルボン酸及び/又は少なくとも三官能性のアルコール又は少なくとも三官能性のカルボン酸からなる群から選択される、鎖延長剤及び/又は架橋剤 成分i〜iiiの全質量を基準として、0.00〜2質量%;
v)天然デンプン又は可塑化デンプン、天然繊維、木粉からなる群から選択される、有機充填剤及び/又は白亜、沈降性炭酸カルシウム、グラファイト、セッコウ、導電性カーボンブラック、酸化鉄、塩化カルシウム、ドロマイト、カオリン、二酸化ケイ素(石英)、炭酸ナトリウム、二酸化チタン、ケイ酸塩、ウォラストナイト、雲母、モンモリロナイト、タルク、ガラス繊維及び鉱物繊維からなる群から選択される、無機充填剤 成分i〜ivの全質量を基準として、0.00〜50質量%及び
vi)安定剤、核剤、滑剤及び離型剤、界面活性剤、ワックス、帯電防止剤、防曇剤、染料、顔料、UV吸収剤、UV安定剤又はその他のプラスチック添加剤の少なくとも1つ 成分i〜ivの全質量を基準として、0.00〜2質量%;
を含有し、かつEN ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)による3〜50cm3/10minのメルトボリュームフローレイト(MVR)を有する生分解性の脂肪族−芳香族ポリエステルが適している。
【0013】
好ましくは使用される脂肪族−芳香族ポリエステルは、次のもの:
i)コハク酸、アゼライン酸、ブラシル酸及び好ましくはアジピン酸、特に好ましくはセバシン酸からなる群から選択される、1つ又はそれ以上のジカルボン酸誘導体又はジカルボン酸 成分i〜iiを基準として、52〜65モル%及び特に58モル%;
ii)テレフタル酸誘導体 成分i〜iiを基準として、48〜35モル%及び特に42モル%;
iii)1,4−ブタンジオール 成分i〜iiを基準として、98〜102モル%及び
iv)多官能性のイソシアナート、イソシアヌラート、オキサゾリン、無水マレイン酸のような無水カルボン酸、エポキシド(特にエポキシド含有ポリ(メタ)アクリラート)及び/又は少なくとも三官能性のアルコール又は少なくとも三官能性のカルボン酸からなる群から選択される、鎖延長剤及び/又は架橋剤 成分i〜iiiの全質量を基準として、0〜2質量%、好ましくは0.01〜2質量%
を含有する。
【0014】
紙をコートするためには、52〜65モル%及び特に好ましくは52〜58モル%の高い割合の脂肪族ジカルボン酸を有する脂肪族−芳香族ポリエステルが特に適している。前記脂肪族−芳香族ポリエステル中のより高い割合の脂肪族ジカルボン酸と共に、より薄い層が達成されることができる。これらのポリエステルからなるフィルムは、塗工設備中で、溶融物共振(Schmelzeresonanz)のより低い傾向を示す。
【0015】
脂肪族ジカルボン酸として、好ましくはアジピン酸及び特に好ましくはセバシン酸が適している。セバシン酸含有ポリエステルは、再生可能な原料としても入手可能であり、かつより薄いフィルムに引き伸ばされることができるという利点を有する。これらのポリエステルからなるフィルムは、塗工設備中でさらに、溶融物共振のより低い傾向を示す。
【0016】
記載されたポリエステルの合成は、国際公開(WO-A)第92/09654号、国際公開(WO-A)第96/15173号に又は好ましくはPCT/EP2009/054114及びPCT/EP2009/054116に記載された方法に従って、好ましくは二段階の反応カスケードにおいて行われる。まず最初に、前記ジカルボン酸誘導体は前記ジオールと、エステル交換触媒の存在でプレポリエステルに変換される。このプレポリエステルは、一般的に50〜100mL/g、好ましくは60〜80mL/gの粘度数(VZ)を有する。触媒として、通常、亜鉛触媒、アルミニウム触媒及び特にチタン触媒が使用される。テトラ(イソプロピル)オルトチタン酸塩及び特にテトラブチルオルトチタン酸塩(TBOT)のようなチタン触媒は、文献においてしばしば使用されるスズ触媒、アンチモン触媒、コバルト触媒及び鉛触媒、例えばスズジオクタノアートに比べて、生成物中に残留している残存量の触媒又は触媒の副次生成物がより有毒ではないという利点を有する。この事情は、生分解性ポリエステルの場合に特に重要である、それというのも、これらのポリエステルはコンポスト化を通じて環境中へ直接到達しうるからである。
【0017】
前記の双方の方法を用いて、所望のMVR範囲は、滞留時間、反応温度、及び塔反応器での頂部抜出し量のようなプロセスパラメーターの選択によって既に単独で注文通りに製造されることができる。
【0018】
記載された濃度範囲内の成分iv)の添加によるか又はポリマー混合物の場合に適した相溶化剤により、MVRをより高い値への適合が達成されることができる。
【0019】
本発明によるポリエステルは、引き続き、第二工程において、国際公開(WO)第96/15173号及び欧州特許出願公開(EP-A)第488 617号明細書に記載された方法により製造される。前記プレポリエステルは、鎖延長剤vib)と、例えばジイソシアナート又はエポキシド含有ポリメタクリラートと、鎖延長反応において50〜450mL/g、好ましくは80〜250mL/gのVZを有するポリエステルに変換される。
【0020】
通例、多官能性のイソシアナート、イソシアヌラート、オキサゾリン、エポキシド、無水カルボン酸、少なくとも三官能性のアルコール又は少なくとも三官能性のカルボン酸からなる群から選択される、架橋剤(iva)及び/又は鎖延長剤(ivb)は、成分i〜iiiの全質量を基準として、0.01〜2質量%、好ましくは0.2〜1.5質量%及び特に好ましくは0.35〜1質量%、使用される。鎖延長剤(ivb)として、多官能性の及び特に二官能性のイソシアナート、イソシアヌラート、オキサゾリン、無水カルボン酸又はエポキシドが考慮に値する。
【0021】
鎖延長剤並びに少なくとも3個の官能基を有するアルコール又はカルボン酸誘導体は、架橋剤とも解されることができる。特に好ましい化合物は、3〜6個の官能基を有する。例示的に、次のものを挙げることができる:酒石酸、クエン酸、リンゴ酸;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン;ペンタエリトリトール;ポリエーテルトリオール及びグリセリン、トリメシン酸、トリメリト酸、トリメリト酸無水物、ピロメリト酸及びピロメリト酸二無水物。好ましいのは、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール及び特にグリセリンのようなポリオールである。成分ivを用いて、構造粘性を有する生分解性ポリエステルが合成されることができる。これらの溶融物の流動学的挙動は改善される;前記生分解性ポリエステルは、より容易に加工されることができる、例えば溶融凝固によってより良好に、フィルムに引き伸ばされることができる。化合物ivは、擬似塑性(scherentzaehend)作用を有する、すなわち負荷下での粘度はより低くなる。
【0022】
鎖延長剤の例は、以下により詳細に記載される。
【0023】
エポキシドは、特に、スチレン、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルベースのエポキシド基含有コポリマーであると理解される。エポキシド基を有する単位は、好ましくはグリシジル(メタ)アクリラートである。コポリマーの20質量%超、特に好ましくは30質量%超及び特に好ましくは50質量%超のグリシジルメタクリラート割合を有するコポリマーが有利であることが判明している。これらのポリマー中のエポキシド当量(EEW)は、好ましくは150〜3000g/当量及び特に好ましくは200〜500g/当量である。前記ポリマーの平均分子量(質量平均)MWは、好ましくは2000〜25,000、特に3000〜8,000である。前記ポリマーの平均分子量(数平均)Mnは、好ましくは400〜6,000、特に1000〜4,000である。多分散性(Q)は、一般的に1.5〜5である。前記のタイプのエポキシド基含有コポリマーは、例えば、BASF Resins B.V.から商標 Joncryl(登録商標) ADRで販売されている。鎖延長剤として特に適しているのは、Joncryl(登録商標) ADR 4368である。
【0024】
通例、架橋性の(少なくとも三官能性の)化合物は、重合のより早期の時点で添加することが有意義である。
【0025】
二官能性の鎖延長剤として、次の化合物が適している:
芳香族ジイソシアナートivbは、とりわけ、トルイレン−2,4−ジイソシアナート、トルイレン−2,6−ジイソシアナート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアナート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4′−ジフェニルメタン−ジイソシアナート、ナフチレン−1,5−ジイソシアナート又はキシリレン−ジイソシアナートであると理解される。それらの中では、2,2′−、2,4′−並びに4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナートが特に好ましい。一般的に、後者のジイソシアナートは混合物として使用される。副次的な量で、例えば全質量を基準として5質量%までで、前記ジイソシアナートは、ウレチオン基も、例えばイソシアナート基をキャップするために、含有することができる。
【0026】
脂肪族ジイソシアナートは、本発明の範囲内で、とりわけ、炭素原子2〜20個、好ましくは炭素原子3〜12個を有する線状又は分枝鎖状のアルキレンジイソシアナート又はシクロアルキレンジイソシアナート、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート又はメチレン−ビス(4−イソシアナトシクロ−ヘキサン)であると理解される。特に好ましい脂肪族ジイソシアナートは、イソホロンジイソシアナート及び特に1,6−ヘキサメチレンジイソシアナートである。
【0027】
好ましいイソシアヌラートには、炭素原子2〜20個、好ましくは炭素原子3〜12個を有するアルキレンジイソシアナート又はシクロアルキレンジイソシアナート、例えばイソホロンジイソシアナート又はメチレン−ビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)から誘導される脂肪族イソシアヌラートが含まれる。その場合に、前記アルキレンジイソシアナートは、線状並びに分枝鎖状であることができる。特に好ましくは、n−ヘキサ−メチレンジイソシアナートをベースとするイソシアヌラート、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアナートの環状の三量体、五量体又は高級オリゴマーである。
【0028】
2,2′−ビスオキサゾリンは、Angew. Chem. Int. Ed., Vol. 11 (1972), p. 287-288からの方法により一般的に得ることができる。特に好ましいビスオキサゾリンは、R1が単結合、(CH2z−アルキレン基[ここで、z=2、3又は4]、例えばメチレン、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、又はフェニレン基を表すものである。特に好ましいビスオキサゾリンとして、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、ビス(2−オキサゾリニル)メタン、1,2−ビス(2−オキサゾリニル)エタン、1,3−ビス(2−オキサゾリニル)プロパン又は1,4−ビス(2−オキサゾリニル)ブタン、特に1,4−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼン、1,2−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼン又は1,3−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼンを挙げることができる。
【0029】
本発明によるポリエステルは、通例、5000〜100000g/molの範囲内、特に10000〜75000g/molの範囲内、好ましくは15000〜38000g/molの範囲内の数平均分子量(Mn)、30000〜300000g/mol、好ましくは60000〜200000g/molの質量平均分子量(Mw)及び1〜6、好ましくは2〜4のMw/Mn比を有する。粘度数は、50〜450g/mL、好ましくは80〜250g/mLである(o−ジクロロ−ベンゼン/フェノール(質量比50/50)中で測定)。融点は、85〜150℃の範囲内、好ましくは95〜140℃の範囲内である。
【0030】
脂肪族ジカルボン酸iは、酸成分i及びiiを基準として、40〜70モル%、好ましくは52〜65モル%及び特に好ましくは52〜58モル%で使用される。セバシン酸、アゼライン酸及びブラシル酸は、再生可能な原料、特にひまし油から入手可能である。
【0031】
テレフタル酸iiは、酸成分i及びiiを基準として、60〜30モル%、好ましくは48〜35モル%及び特に好ましくは48〜42モル%で使用される。
【0032】
テレフタル酸及び脂肪族ジカルボン酸は、遊離酸として又はエステル形成性誘導体の形で使用されることができる。エステル形成性誘導体として、特に、ジ−C1〜C6−アルキルエステル、例えばジメチルエステル、ジエチルエステル、ジ−n−プロピルエステル、ジ−イソプロピルエステル、ジ−n−ブチルエステル、ジ−イソブチルエステル、ジ−t−ブチルエステル、ジ−n−ペンチルエステル、ジ−イソペンチルエステル又はジ−n−ヘキシルエステルを挙げることができる。前記ジカルボン酸の無水物が同様に使用されることができる。
【0033】
その場合に、ジカルボン酸又はそれらのエステル形成性誘導体は、個々に又は混合物として使用されることができる。
【0034】
1,4−ブタンジオールは、再生可能な原料から入手可能である。PCT/EP2008/006714には、パスツレラセエ(Pasteurellaceae)の種類由来の微生物を用いる多様な炭水化物から出発する1,4−ブタンジオールの生物工学的な製造方法が開示されている。
【0035】
通例、重合の始めに、前記ジオール(成分iii)対前記酸(成分i及びii)は、1.0〜2.5:1及び好ましくは1.3〜2.2:1のジオール対二酸の比に調節される。過剰量のジオールは前記重合の間に除去されるので、重合の終了時にほぼ等モル比が確立される。ほぼ等モルは、0.98〜1.02:1のジオール/二酸比であると理解される。
【0036】
挙げたポリエステルは、ヒドロキシ末端基及び/又はカルボキシル末端基を各々任意の比で有することができる。挙げた部分芳香族ポリエステルは、末端基変性されることもできる。こうして、例えばOH−末端基は、フタル酸、無水フタル酸、トリメリト酸、トリメリト酸無水物、ピロメリト酸又はピロメリト酸無水物との反応により酸変性されることができる。好ましいのは、1.5mg KOH/g未満の酸価を有するポリエステルである。
【0037】
好ましい一実施態様において、天然デンプン又は可塑化デンプン、天然繊維、木粉からなる群から選択される、有機充填剤及び/又は白亜、沈降性炭酸カルシウム、グラファイト、セッコウ、導電性カーボンブラック、酸化鉄、塩化カルシウム、ドロマイト、カオリン、二酸化ケイ素(石英)、炭酸ナトリウム、二酸化チタン、ケイ酸塩、ウォラストナイト、雲母、モンモリロナイト、タルク、ガラス繊維及び鉱物繊維からなる群から選択される、無機充填剤が、成分i〜ivの全質量を基準として、1〜80質量%、好ましくは5〜35質量%、添加される。
【0038】
デンプン及びアミロースは、天然である、すなわち熱可塑化されていないか又は可塑剤で、例えばグリセリン又はソルビトールで熱可塑化されていることができる(欧州特許出願公開(EP-A)第539 541号明細書、欧州特許出願公開(EP-A)第575 349号明細書、欧州特許(EP)第652 910号明細書)。
【0039】
天然繊維は、例えばセルロース繊維、大麻繊維、サイザル麻、ケナフ、ジュート、亜麻、マニラ麻(Abacca)、ヤシ繊維又はコルデンカ(Cordenka)繊維であると理解される。
【0040】
好ましい繊維状充填剤として、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維及び天然繊維を挙げることができ、その際にE−ガラスとしてのガラス繊維が特に好ましい。これらのガラス繊維は、ロービングとして又は特にチョップトガラス(Schnittglas)として市販の形で使用されることができる。これらの繊維は、一般的に、3〜30μm、好ましくは6〜20μm及び特別に好ましくは8〜15μmの直径を有する。コンパウンド中の繊維長は、通例、20μm〜1000μm、好ましくは180〜500μm及び特別に好ましくは200〜400μmである。
【0041】
本発明による生分解性ポリエステル混合物は、当業者に公知の、しかし発明に本質的ではない別の成分を含有することができる。例えば、プラスチック技術において常用の添加剤、例えば安定剤;核剤、例えばポリブチレンテレフタラート、N,N′−エチレン−ビス−ステアリルアミド、亜鉛フェニルホスホナート、グラファイト、タルク、白亜、沈降性炭酸カルシウム、カオリン、ケイ砂、ケイ酸塩;滑剤及び離型剤、例えばステアリン酸塩(特にステアリン酸カルシウム);可塑剤(Plastifizierer)、例えばクエン酸エステル(特にアセチル−トリブチルシトラート)、グリセリン酸エステル、例えばトリアセチルグリセリン又はエチレングリコール誘導体、界面活性剤、例えばポリソルベート、パルミタート又はラウラート;ワックス、例えばみつろう又はみつろうエステル;帯電防止剤、UV吸収剤;UV安定剤;防曇剤又は着色剤。前記添加剤は、本発明によるポリエステルを基準として、0〜5質量%、特に0.1〜2質量%の濃度で使用される。可塑剤は、0.1〜10質量%で本発明によるポリエステル中に含まれていることができる。特に好ましいのは、核剤0.1〜1質量%の使用である。
【0042】
本発明による生分解性コポリマー混合物の個々の成分からの製造は、公知の方法により行われることができる(欧州特許(EP)第792 309号明細書及び米国特許(US)第5,883,199号明細書)。例えば、全ての混合相手が1つの処理工程において、当業者に公知の混合装置、例えばニーダー又は押出機中で、高められた温度で、例えば120℃〜300℃の温度で混合され、かつ反応されることができる。
【0043】
典型的なコポリマー混合物は、次のもの:
・本発明によるコポリマー 5〜95質量%、好ましくは30〜90質量%、特に好ましくは50〜70質量%及び
・ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノアート、キトサン及びグルテンからなる群から選択される1つ又はそれ以上のポリマー及び脂肪族ジオール及び脂肪族/芳香族ジカルボン酸をベースとする1つ又はそれ以上のポリエステル、例えばポリブチレンスクシナート(PBS)、ポリブチレンスクシナート−アジパート(PBSA)、ポリブチレンスクシナート−セバカート(PBSSe)、ポリブチレンテレフタラート−コ−アジパート(PBTA) 95〜5質量%、好ましくは70〜10質量%、特に好ましくは50〜30質量%及び
・相溶化剤 0〜2質量%
を含有する。
【0044】
好ましくは、前記コポリマー混合物はそしてまた、相溶化剤0.05〜2質量%を含有する。好ましい相溶化剤は、無水マレイン酸のような無水カルボン酸及び特にスチレン、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルをベースとする前記のエポキシド基含有コポリマーである。エポキシド基を有する単位は、好ましくはグリシジル(メタ)アクリラートである。前記のタイプのエポキシド基含有コポリマーは、例えば BASF Resins B.V.から商標Joncryl(登録商標) ADRで販売されている。相溶化剤として特に適しているのは、例えばJoncryl(登録商標) ADR 4368である。
【0045】
適したポリエステル混合物は、
・請求項1から4までに記載のコポリマー 20〜90質量%、好ましくは30%〜50%、特に好ましくは35%〜45%及び
・ポリヒドロキシアルカノアート及び特にポリ乳酸からなる群から選択される1つ又はそれ以上のポリマー 80〜10質量%、好ましくは70%〜50%、特に好ましくは65%〜55%及び
・エポキシド含有ポリ(メタ)アクリラート 0〜2質量%
を含有する。
【0046】
ポリマー混合物は、乾燥混合物として又はコンパウンドとして使用されることができる。
【0047】
生分解性ポリエステルとして、例えばポリ乳酸が適している。次の性質の概要を有するポリ乳酸が好ましくは使用される:
・ISO 1133による190℃及び2.16kgでの0.5〜100ml/10分、好ましくは5〜70ml/10分、特に好ましくは9〜50ml/10分のメルトボリュームフローレイト(MVR)
・240℃未満の融点;
・55℃よりも大きいガラス点(Tg)
・1000ppm未満の含水量
・0.3%未満のモノマー残留含量(ラクチド)。
・50 000ダルトンよりも多い分子量。
【0048】
好ましいポリ乳酸は、例えばNatureWorks(登録商標)6201D、6202 D、6251 D、3051 D及び特に3251 D(NatureWorks社のポリ乳酸)である。
【0049】
請求項1記載の脂肪族−芳香族ポリエステルと、ポリ乳酸とを含有するポリマー混合物は、紙をコートするのに特に好適である。特に、ここでは、ポリ乳酸が連続相を形成するポリマー混合物が好都合であることが判明している。このことは、しばしばポリ乳酸を50質量%より多く含有するポリマー混合物中で保証される。これらの混合物は、純PLAと比較して、フラットダイの去った後のメルトフラッグ(Schmelzefahne)のより低い収縮(Einschnuerung)に傑出している − いわゆるネックイン(Neck-in)は、少なくとも10%、好ましくは20〜80%だけ、特に好ましくは30〜60%だけ減少されている。純ポリ−ブチレン−アジパート−テレフタラートPBATと比較して、メルトフラッグは明らかにより安定であり、かつ<30g/m2、好ましくは<20g/m2、特に好ましくは<17g/m2へのより良好な引伸ばし性を可能にする。セルロース基体(紙、厚紙)への良好な付着は、冷却条件に応じて、>100m/minの高いウェブ速度によって得られたままである。
【0050】
ポリヒドロキシアルカノアートは、まず第一にポリ−4−ヒドロキシブチラート及びポリ−3−ヒドロキシブチラートであると理解され、さらに、前記のヒドロキシブチラートと3−ヒドロキシバレラート又は3−ヒドロキシヘキサノアートとのコポリエステルが含まれている。ポリ−3−ヒドロキシブチラート−コ−4−ヒドロキシブチラートは、特にMetabolix社から知られている。これらは、商標名Mirel(登録商標)で販売されている。ポリ−3−ヒドロキシブチラート−コ−3−ヒドロキシヘキサノアートは、P&G又はKaneka社から知られている。ポリ−3−ヒドロキシブチラートは、例えばPHB Industrial社から商標Biocycle(登録商標)で及びTianan社から名称Enmat(登録商標)で販売されている。
【0051】
前記ポリヒドロキシアルカノアートは、通例、100,000〜1,000,000及び好ましくは300,000〜600,000の分子量Mwを有する。
【0052】
ポリカプロラクトンは、Daicel社から製品名Placcel(登録商標)で上市されている。
【0053】
冒頭に挙げられたポリエステル及びポリマー混合物は、良好な皮膜特性と同時に高い生分解性を有する。
【0054】
本発明の意味で、"生分解性の"という特徴は、物質又は物質混合物については、この物質又は物質混合物が、DIN EN 13432に相応して少なくとも90%の生分解度百分率を有する場合に、満たされている。
【0055】
一般的に、生分解性は、前記ポリエステル(混合物)が、適切かつ検出可能な期間内に崩壊することに結びつく。前記分解は、酵素的に、加水分解的に、酸化的に及び/又は電磁放射線、例えば紫外線の作用により行われうるものであり、かつたいてい大部分が、細菌、酵母、菌類及び藻類のような微生物の作用により引き起こされうる。生分解性は、例えば、ポリエステルをコンポストと混合し、かつ特定の時間にわたって貯蔵することによって定量されることができる。例えば、DIN EN 13432によれば、CO2を含まない空気を、コンポスト化中の熟成されたコンポストに送り、かつこのコンポストを、定義された温度プログラムにかける。この場合に、生分解性は、前記試料の正味CO2放出量(試料なしのコンポストによるCO2放出の差し引いた後の)対前記試料の最大CO2放出量(前記試料の炭素含量から計算)の比を通して、生分解度百分率として定義される。生分解性ポリエステル(混合物)は、通例、コンポスト化の数日後に既に、菌類成長、クラック形成及びホール形成のような明らかな分解現象を示す。
【0056】
生分解性を測定する他の方法は、例えばASTM D 5338及びASTM D 6400-4に記載されている。
【0057】
本発明による方法のポリエステルは、そのうえ極めて良好な付着特性を有する。それらのポリエステルの製造のためには、押出塗工並びに積層法が適している。これらの方法の組合せも考えられる。
【0058】
本発明による方法は、例えば、単層で紙をコートするのに採用されることができる(一層コート)。平均の坪量は、ここでは通例10〜50g/m2及び好ましくは15〜30g/m2である。
【0059】
坪量は、通例4.5インチ(114.3mm)の直径を有する打ち抜いた円形物を用いて決定される。コートされた及びコートされていない円形物が秤量される。質量差及び既知の面積を通じて、坪量[単位:g/m2]が示されることができる。
【0060】
しかしまた多層コートも、紙の場合にはあくまでも普通である。通例、2〜7層及び好ましくは2〜3層が紙のコートにおいて使用される。多層コートは、溶接特性、バリヤー特性及び前記層のための厚紙への前記コートの付着を個々に最適化するという可能性を提供する。平均の坪量は、ここでは通例、10〜60g/m2及び好ましくは15〜35g/m2である。
【0061】
例えば、外層又はカバー層は通例、例えば耐引っかき性、温度安定でなければならず、かつあまり粘着性であってはならない。製造プロセスにおいてチルロール上でのフィルムの粘着を既に単独で回避するために、粘着傾向は減少されていなければならない。好ましくは、この層は、脂肪族−芳香族ポリエステル40〜60質量%、ポリ乳酸60〜40質量%、及びワックス0〜5質量%、分散助剤(例えばステアリン酸、オレイン酸の金属塩、エチレン−ビス−ステアリルアミド、酸アミド(例えばエルカ酸アミド、オレイン酸アミド))0〜10質量%及びブロッキング防止剤0〜5%を有するワックス配合物0〜10質量%からなる混合物からなる。
【0062】
中間層は通例、より剛性であり、かつ支持層又はバリヤー層とも呼ばれうる。薄いフィルムでの紙のコートにおいて、中間層は完全に割愛されることもできる。中間層は、好ましくはポリ乳酸50〜100質量%及び脂肪族−芳香族ポリエステル0〜50質量%を有する。
【0063】
内層は、厚紙のへの接触層を生成する。この内層は通例、軟らかくなければならず、かつ厚紙もしくは紙上に良好に付着しなければならない。これは好ましくは、脂肪族−芳香族ポリエステル50〜100%及びポリ乳酸0〜50%からなる。
【0064】
紙の三層コートが好ましい。前記コートは、好ましくは次のように構成される:
i)脂肪族−芳香族ポリエステル40〜60質量%及びポリ乳酸60〜40質量%及びワックス、分散助剤及びブロッキング防止剤を有するワックス配合物0〜10質量%からなる混合物を含有する外層;一般的に、外層は、層厚の20〜40%になる。
ii)ポリ乳酸50〜100質量%及び脂肪族−芳香族ポリエステル0〜50質量%を含有する中間層;一般的に、中間層は、層厚の20〜40%になる;及び
iii)脂肪族−芳香族ポリエステル50〜100%及びポリ乳酸0〜50%からなる、厚紙への内部接触層。一般的に、内層は、層厚の20〜40%になる。
【0065】
紙の二層コートは、同様に好ましい。前記コートは、好ましくは次のように構成される:
i)脂肪族−芳香族ポリエステル40〜60質量%及びポリ乳酸60〜40質量%及びワックス、分散助剤及びブロッキング防止剤を有するワックス配合物0〜10質量%からなる混合物を含有する外層;一般的に、外層は、層厚の20〜50%になる。
iii)脂肪族−芳香族ポリエステル50〜100%及びポリ乳酸0〜50%からなる、厚紙への内部接触層。ここでは、内層は、通例、支持機能及び/又はバリヤー機能を引き受ける。一般的に、内層は、層厚の50〜80%になる。
【0066】
紙の多層コートのためには、一般的に同時押出法が採用される。好ましいのは、同時押出塗工である。
【0067】
2又はそれ以上のフィルムをラミネートへと結合させるのに適した積層法は、押出し積層であり、これは前記コート法として同様に適している。
【0068】
前記押出塗工は、薄いポリマー層を、紙、厚紙、又は金属層を有する多層フィルムのようなフレキシブルな基体上に、100〜600m/minの高いウェブ速度で塗布するために開発された。本発明によるポリエステルは、前記基体を油、脂肪及び水分から保護し、かつそれ自体及び紙、厚紙及び金属とのそれらの溶接適性により、例えばコーヒーカップ、飲料カートン又は冷凍品用の厚紙の製造を可能にする。
【0069】
本発明によるポリエステルは、ポリエチレン用の既存の押出塗工設備で加工されることができる(J. Nentwig: Kunststofffolien, Hanser Verlag, Muenchen 2006, p.195; H. J. Saechtling: Kunststoff Taschenbuch, Hanser Verlag, Muenchen 2007, p.256; C. Rauwendaal:L Polymer Extrusion, Hanser Verlag, Muenchen 2004, p.547)。
【0070】
紙及び厚紙への高められた付着に加えて、本発明による方法において使用されるポリエステル及びポリエステル混合物は、公知の解決手段と比較して、押出塗工において溶融物共振のより低い傾向を示すので、コートプロセスにおいて高められたウェブ速度で作業されることができ、かつ有意な材料節約が達成されることができる。
【0071】
特に、本発明による紙をコートする方法は、乾燥食品、例えばコーヒー、茶、スープ粉末、ソース粉末用の紙袋;液体、例えば化粧品、洗剤、飲料用の紙袋;ラミネートチューブ;紙の手提げ袋(Papiertragetaschen);アイスクリーム、菓子(例えばチョコバー及びシリアルバー(Muesli-Riegel))用のラミネート紙及び同時押出物、紙粘着テープ;カートンカップ(紙コップ)、ヨーグルトカップ;ミールトレイ(Menueschalen);ラップカートン容器(gewickelten Kartonbehaeltern)(缶、ドラム)、外装(ワインボトル、食品)用の湿潤強度のある厚紙;塗工厚紙製の果物箱;ファーストフードプレート;クラムシェル(Clamp Shells);飲料カートン及び洗剤や洗浄剤のような液体用のカートン、冷凍品カートン、氷包装(例えばアイスカップ、円錐形アイスクリームウェハース用の包装材料);紙ラベル;草花用植木鉢及び植木鉢の製造に適している。
【0072】
応用技術的な測定:
部分芳香族ポリエステルの分子量Mn及びMwを次のように測定した:
部分芳香族ポリエステル15mgを、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)10ml中に溶解させた。この溶液のそれぞれ125μlを、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて分析した。測定を室温で実施した。溶離のために、HFIP+0.05質量%トリフルオロ酢酸Ka塩を使用した。溶離速度は0.5ml/minであった。その際に次のカラムの組合せを使用した(全てのカラムが日本のShowa Denko Ltd.社製):Shodex(登録商標) HFIP-800P(直径8mm、長さ5cm)、Shodex(登録商標) HFIP-803(直径8mm、長さ30cm)、Shodex(登録商標) HFIP-803(直径8mm、長さ30cm)。部分芳香族ポリエステルを、RI検出器(示差屈折率測定法)を用いて検出した。校正を、Mn=505〜Mn=2,740,000の分子量を有する狭い分布のポリメタクリル酸メチル標準を用いて行った。この区間の外側にある溶離範囲は、外挿により決定した。
【0073】
粘度数の測定を、DIN 53728第3部、1985年1月3日、キャピラリー粘度測定法に従って行った。マイクロ−ウベローデ、M−II型を使用した。溶剤として、質量比50/50の混合物:フェノール/ジクロロベンゼンを使用した。
【0074】
メルトボリュームフローレイト(MVR)の測定を、EN ISO 1133に従って行った。試験条件は190℃、2.16kgであった。融解時間は4分であった。MVRは、指示された条件:温度、荷重及びピストンの位置の下で、規定の長さ及び規定の直径の押出し金型を経て、溶融されたプラスチック成形品を押し出す速度を与える。押出し可塑度計の円筒中で規定の時間内に押し出される体積が測定される。
【0075】
層厚を、直径が114.3mm(4.5インチ)の打ち抜いた円形物から測定した。コートされた及びコートされていない円形物を秤量し、かつ質量差を算出し、これから坪量(質量差/円形物面積)を計算した。ポリマー密度は、以下の例において1.25g/cm3であった。それゆえ、中間層厚[単位:μm]を計算することができた。
【0076】
生分解性ポリエステル混合物及び比較のために製造された混合物の分解速度を、次のように測定した:
生分解性ポリエステル混合物及び比較のために製造された混合物から、190℃でプレスすることにより、30μmの厚さを有するフィルムをそれぞれ製造した。これらのフィルムを、2×5cmのエッジ長さを有する正方形片にそれぞれ裁断した。これらのフィルム片の質量をそれぞれ測定し、かつ"100質量%"として定義した。4週の期間に亘って、前記フィルム片を、乾燥器中で湿ったコンポスト土の充填されたプラスチック容器中で58℃に加熱した。週1回、前記フィルム片の残っている質量をそれぞれ測定し、かつ質量%に(試験開始時に算出し、かつ"100質量%"として定義された質量を基準として)換算した。
【0077】
試験構成:
パイロットプラント塗工設備(ER-WE-PA)は、主押出機A(Reifenhaeuser、直径80mm−30D)及び直径60mm/長さ25Dを有する3つの押出機(B、C、D)からなっていた。Ecoflex F BX 7011(約2.5cm3/10minのMVRを有するBASF SE社のポリブチレンテレフタラートアジパート、以下に使用される全てのMVR値は、EN ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)により測定されている)の使用の場合に、81 1/minで約90kg/hの処理量を達成することができた。主押出機の処理量(Reifenhaeuser、直径80mm−30D)は77 1/minの回転数で190kg/hであった。押出機の処理量を変えて、できるだけ薄い層厚を達成した。
【0078】
同時押出設備は、7層までの同時押出を1000mmのダイ幅及び0.5mmの調節ギャップ幅を用いて可能にするダイ同時押出し用の金型を有していた。溶融物チャネル中への差込物により、異なる層を併せて使用することができた。前記設備は、押出機Aとしての主押出機及び押出機Bとしての60の押出機を有する形AAABBBBの2層アダプター差込物(Cloeren社、端部封入を有する)を備えていた。外層Aを全厚の40%で、厚紙上の内層Bを全厚の60%で操作した。
【0079】
厚紙材料として、約200g/m2の連量(坪量)を有する、コーヒーカップ用の典型的な材料を使用した。この厚紙材料を、プラスチック溶融物の接触の前に、フレームイオン化ユニットを用いて活性化した(ガスバーナー)。
【0080】
全てのコートを、250℃の材料温度及び4バールのチルロール上への通常の接触圧で厚紙上へ押し出した。その際に、ウェブ速度は30m/min〜200m/minにわたった。より高い速度は、パイロットプラント上で生成物に依存して溶融物共振をまねいた。
【0081】
使用されたポリエステル:
ポリエステル1
参考材料として、まず最初に2.5cm3/10minのMVRを有するEcoflex F BX 7011(BASF SE社のポリブチレンテレフタラート−アジパート)を使用した。
【0082】
ポリエステル1/ワックスブレンド
チルロール上への粘着を減少させるために、Ecoflex F BX 7011をベースとし、生分解性ワックス5%及びステアリン酸カルシウム10%を含有する購入により入手可能なEcoflex バッチ SL 2を使用した。
【0083】
ポリエステル2
3.3cm3/10minのMVRを有するポリブチレンテレフタラートセバカート。
【0084】
ポリエステル2/ワックスブレンド
このブレンドは、乾燥混合物であり、かつポリエステル2 85質量%、生分解性ワックス5%及びステアリン酸カルシウム10%を含有する。
【0085】
ポリエステル3
8.0cm3/10minのMVRを有するポリブチレンテレフタラートアジパート。
【0086】
ポリエステル4
6.4cm3/10minのMVRを有するポリブチレンテレフタラートセバカート。
【0087】
1.比較例
パイロットプラントの主押出機Aを、ベース層の形成のためのポリエステル1を用いて紙上に、かつ副押出機Bを、カバー層の形成のためのポリエステル1 90%及びポリエステル1/ワックスブレンド10%からなる混合物を用いて操作した。材料温度は双方の場合に250℃であった。
【0088】
80m/minの最大ウェブ速度で、26μmの平均層厚が達成された。前記コートは、厚紙マトリックス中の繊維引裂けを伴ってのみ、剥離されることができた。>80m/minのウェブ速度で、前記コートは部分的に、繊維引裂けなしに厚紙から剥離されることができた。処理量の増減又は溶融物ウェブ幅の動的変化(溶融物共振)のような流動不安定性は、120m/minからやっと生じた。
【0089】
ポリエステル1は、化石原料をベースとしているので、比較例中の再生可能な原料の割合は0%であった。
【0090】
2.例
比較例1と同じ条件下で、ポリエステル1の代わりにポリエステル2を(ベース層)、及びポリエステル1/ワックスブレンドの代わりにポリエステル2/ワックスブレンドを(カバー層)、使用した。
【0091】
80m/minの最大ウェブ速度で、28.6μmの平均層厚(比較例1に対して参考層厚の−10%)が達成された。前記コートは、厚紙マトリックス中の繊維引裂けを伴ってのみ、剥離されることができた。>80m/minのウェブ速度で、前記コートは部分的に、繊維引裂けなしに厚紙から剥離されることができた。処理量の増減又は溶融物ウェブ幅の動的変化(溶融物共振)のような流動不安定性は、150m/minからやっと生じた。
【0092】
より少ない層厚による材料節約は、比較例1に比べて10%であった。再生可能な原料の割合は38%であった。
【0093】
3.例
ポリエステル3 45%及びポリ乳酸(NatureWorks 3251 D)55%からなるコンパウンドを、カバー層のために副押出機B中で使用した。主押出機Aを、ポリエステル1を用いて操作した。材料温度は255℃であった。
【0094】
120m/minの最大ウェブ速度で、19μmの平均層厚(参考層厚の−41%)が達成された。前記コートは、厚紙マトリックス中の繊維引裂けを伴ってのみ、剥離されることができた。処理量の増減又は溶融物ウェブ幅の動的変化(溶融物共振)のような流動不安定性は、140m/minから生じた。
【0095】
参考に比べた材料節約は、41%であった。再生可能な原料の割合は22%であった。
【0096】
4.例
ポリエステル4 24%、ポリエステル1 16%及びポリ乳酸(NatureWorks 3251 D)60%からなるコンパウンドを、主押出機A及び副押出機B中で使用した。材料温度は258℃であった。
【0097】
170m/minの最大ウェブ速度で、16.5μmの平均層厚(参考層厚の−48%)が達成された。前記コートは、厚紙マトリックス中の繊維引裂けを伴ってのみ、剥離されることができた。処理量の増減又は溶融物ウェブ幅の動的変化(溶融物共振)のような流動不安定性は、240m/minからやっと生じた。特に低いネックインが観察された。
【0098】
参考に比べた材料節約は、48%であった。再生可能な原料の割合は、このコート中で69%であった。
【0099】
5.例 − 三層コート
前記設備のCloerenフィードブロックを、構成AABBBCCが生じるように組み換えた。主押出機に加えて、押出機Bに匹敵する副押出機Cを使用した。次の混合物を使用した:
押出機B(厚さの28.5%、カバー層):ポリエステル4 24%、ポリエステル3 16%及びポリ乳酸(NatureWorks 3251 D)60%からなるコンパウンド
押出機A(厚さの43%、中間層):ポリ乳酸(NatureWorks 3251 D) 80%、ポリエステル2 20%からなるコンパウンド
押出機C(厚さの28.5%、内層):ポリエステル4 24%、ポリエステル1 16%及びポリ乳酸(NatureWorks 3251 D)60%からなるコンパウンド。
【0100】
150m/minの最大ウェブ速度で、21μmの平均層厚(参考層厚の−34%)が達成された。前記コートは、厚紙マトリックス中の繊維引裂けを伴ってのみ、剥離されることができる。処理量の増減又は溶融物ウェブ幅の動的変化(溶融物共振)のような流動不安定性は、190m/minからやっと生じた。低いネックインが観察された。
【0101】
この3層同時押出しを用いて、150m/minのウェブ速度で、参考に比べて34%の材料節約が達成された。再生可能な原料の割合は、このコートの場合に77%であった。
【0102】
本発明による方法を用いて、溶融物共振は大幅に回避されることができる。さらに、流動不安定性(しま、フローパターン又は動的に変化された処理量)は生じなかった。最終的に、紙/厚紙上での極めて良好な付着が達成された。このことは、紙/厚紙の剥離の際の繊維引裂けにより現れた。特に、薄いコートが達成されることができ、このことはかなりの材料節約をもたらした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙をコートする方法であって、コート剤として、次のもの:
i)コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸及びブラシル酸からなる群から選択される、1つ又はそれ以上のジカルボン酸誘導体又はジカルボン酸 成分i〜iiを基準として、40〜70モル%;
ii)テレフタル酸誘導体 成分i〜iiを基準として、60〜30モル%;
iii)C2〜C8−アルキレンジオール又はC2〜C6−オキシアルキレンジオール 成分i〜iiを基準として、98〜102モル%;
iv)二官能性又は多官能性のイソシアナート、イソシアヌラート、オキサゾリン、エポキシド、無水カルボン酸及び/又は少なくとも三官能性のアルコール又は少なくとも三官能性のカルボン酸からなる群から選択される、鎖延長剤及び/又は架橋剤 成分i〜iiiの全質量を基準として、0.00〜2質量%;
v)天然デンプン又は可塑化デンプン、天然繊維、木粉からなる群から選択される、有機充填剤及び/又は白亜、沈降性炭酸カルシウム、グラファイト、セッコウ、導電性カーボンブラック、酸化鉄、塩化カルシウム、ドロマイト、カオリン、二酸化ケイ素(石英)、炭酸ナトリウム、二酸化チタン、ケイ酸塩、ウォラストナイト、雲母、モンモリロナイト、タルク、ガラス繊維及び鉱物繊維からなる群から選択される、無機充填剤 成分i〜ivの全質量を基準として、0.00〜50質量%及び
vi)安定剤、核剤、滑剤及び離型剤、界面活性剤、ワックス、帯電防止剤、防曇剤、染料、顔料、UV吸収剤、UV安定剤又はその他のプラスチック添加剤の少なくとも1つ 成分i〜ivの全質量を基準として、0.00〜2質量%
を含有し、かつEN ISO 1133(190℃、2.16 kg荷重)による3〜50cm3/10minのメルトボリュームフローレイト(MVR)を有する生分解性の脂肪族−芳香族ポリエステルを使用することを特徴とする、紙をコートする方法。
【請求項2】
紙をコートする方法であって、コート剤として、次のもの:
・次のもの:
i)コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸及びブラシル酸からなる群から選択される、1つ又はそれ以上のジカルボン酸誘導体又はジカルボン酸 成分i〜iiを基準として、40〜70モル%;
ii)テレフタル酸誘導体 成分i〜iiを基準として、60〜30モル%;
iii)C2〜C8−アルキレンジオール又はC2〜C6−オキシアルキレンジオール 成分i〜iiを基準として、98〜102モル%;
iv)二官能性又は多官能性のイソシアナート、イソシアヌラート、オキサゾリン、エポキシド、無水カルボン酸及び/又は少なくとも三官能性のアルコール又は少なくとも三官能性のカルボン酸からなる群から選択される、鎖延長剤及び/又は架橋剤 成分i〜iiiの全質量を基準として、0.00〜2質量%;
v)天然デンプン又は可塑化デンプン、天然繊維、木粉からなる群から選択される、有機充填剤及び/又は白亜、沈降性炭酸カルシウム、グラファイト、セッコウ、導電性カーボンブラック、酸化鉄、塩化カルシウム、ドロマイト、カオリン、二酸化ケイ素(石英)、炭酸ナトリウム、二酸化チタン、ケイ酸塩、ウォラストナイト、雲母、モンモリロナイト、タルク、ガラス繊維及び鉱物繊維からなる群から選択される、無機充填剤 成分i〜ivの全質量を基準として、0.00〜50質量%及び
vi)安定剤、核剤、滑剤及び離型剤、界面活性剤、ワックス、帯電防止剤、防曇剤、染料、顔料、UV吸収剤、UV安定剤又はその他のプラスチック添加剤の少なくとも1つ 成分i〜ivの全質量を基準として、0.00〜2質量%
の縮合により得られ、かつEN ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)による3〜50cm3/10minのメルトボリュームフローレイト(MVR)を有する生分解性の脂肪族−芳香族ポリエステル5〜95質量%と、
・ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノアート、キトサン、グルテンからなる群から選択される1つ又はそれ以上のポリマー及びポリブチレンスクシナート、ポリブチレンスクシナート−アジパート又はポリブチレンスクシナート−セバカート、ポリブチレンテレフタラート−コ−アジパートのような1つ又はそれ以上の脂肪族/芳香族ポリエステル 95〜5質量%と、
・相溶化剤 0〜2質量%と
を含有するポリマー混合物を使用することを特徴とする、紙をコートする方法。
【請求項3】
ポリエステルの成分i)及びii)が、次のように定義されている:
i)コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸及びブラシル酸からなる群から選択される、1つ又はそれ以上のジカルボン酸誘導体又はジカルボン酸 成分i〜iiを基準として、52〜65モル%;
ii)テレフタル酸誘導体 成分i〜iiを基準として、48〜35モル%、
請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
ポリエステルの成分i)中で、セバシン酸又はセバシン酸と前記の他の二酸との混合物を使用する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項5】
ポリマー混合物が、
・成分i)〜vi)のポリエステル 20〜90質量%
・ポリ乳酸 80〜10質量%及び
・エポキシド含有ポリ(メタ)アクリラート 0〜2質量%
を含有する、請求項2記載の方法。
【請求項6】
ポリ乳酸が、EN ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)による9〜70cm3のメルトボリュームフローレイト(MVR)を有する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
ポリマー混合物が、EN ISO 1133(190℃、2.16kg荷重)による10〜30cm3/10minのメルトボリュームフローレイト(MVR)を有する、請求項5記載の方法。
【請求項8】
ポリマー混合物中でポリ乳酸が連続相を形成する、請求項5記載の方法。
【請求項9】
ポリマー混合物が核剤0.1〜1質量%を含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
積層によって、請求項1から9までのいずれか1項記載の紙をコートする方法。
【請求項11】
押出法によって、請求項1から9までのいずれか1項記載の紙をコートする方法。
【請求項12】
同時押出法によって、請求項1から9までのいずれか1項記載の紙を多層コートする方法。
【請求項13】
i)脂肪族−芳香族ポリエステル40〜60質量%及びポリ乳酸60〜40質量%及びワックス、分散助剤及びブロッキング防止剤を有するワックス配合物0〜10質量%からなる混合物を含有する外層;
ii)場合により、ポリ乳酸50〜100質量%及び前記脂肪族−芳香族ポリエステル0〜50質量%を含有する中間層及び
iii)脂肪族−芳香族ポリエステル50〜100%及びポリ乳酸0〜50%からなる、厚紙への内部の接触層
を有する、請求項12記載の紙を三層コートする方法。
【請求項14】
i)脂肪族−芳香族ポリエステル40〜60質量%及びポリ乳酸60〜40質量%及びワックス、分散助剤及びブロッキング防止剤を有するワックス配合物0〜10質量%からなる混合物を含有する外層及び
iii)脂肪族−芳香族ポリエステル50〜100%及びポリ乳酸0〜50%からなる、厚紙への内部の接触層
を有する、請求項120記載の紙を二層コートする方法。
【請求項15】
乾燥食品、液体用の紙袋、ラミネートチューブ、紙の手提げ袋、ラミネート紙及び同時押出物、紙粘着テープ、カートンカップ、ヨーグルトカップ、ミールトレイ、ラップカートン容器、外装用の湿潤強度のある厚紙、塗工厚紙製の果物箱、ファーストフードプレート、クラムシェル、飲料カートン、液体用カートン、冷凍品カートン、氷包装、紙ラベル、草花用植木鉢又は植木鉢を製造するための、請求項1から14までのいずれか1項記載の紙をコートする方法。

【公表番号】特表2012−504195(P2012−504195A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528306(P2011−528306)
【出願日】平成21年9月22日(2009.9.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/062262
【国際公開番号】WO2010/034712
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】