説明

紙葉類取扱装置

【課題】複数の収納庫23a〜23dに残っている紙葉類を全て回収する際に、係員の回収作業の手間を削減できる紙葉類取扱装置10を提供し、係員の満足度を向上させることを目的とする。
【解決手段】主に紙葉類の受け入れや払い出しを行う紙葉類取扱装置10であって、各収納庫に集積されている紙葉類を回収する回収操作入力を係員から受け付ける入力部1bを備え、前記制御部20は、前記回収操作入力を受け付けると、前記各収納庫に分散して収納されている各紙葉類をすべて繰り出し搬送して前記回収庫に集約する集約回収処理を実行する構成であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば紙葉類を取り扱うような紙葉類取扱装置に関し、特に金融機関等の窓口に設置されて窓口対応者によって使用されるような紙葉類取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な紙葉類取扱装置が提案されている(特許文献1、2参照)。
特許文献1記載の還流式紙幣処理装置は、補充・回収するカセットがないタイプである。このような還流式紙幣処理装置は、銀行で一日の窓口業務が終了して装置内の紙葉類が回収される場合に、通常、各カセット内の紙幣が人の手によりカセット毎に回収されることを許容するか、出金口に100枚ずつ紙幣を搬送して回収を許容する。
【0003】
特許文献2記載の紙幣取扱装置は、装置の大型化を抑制しつつ、紙幣の磨耗状態を考慮した入出金を可能とするものである。この特許文献2は、リジェクト庫を紙幣の回収庫にも使用できることが記載されている。
【0004】
しかし、前者の還流式紙幣処理装置は、カセット毎に回収する方法の場合、各収納庫内すべてに少量枚の紙幣が残っているような状態でも全ての収納庫を装置から抜き、紙葉類を回収する必要があった。また、出金口に紙幣を搬送して回収する場合、出金口の容量が収納庫の容量に比べて少ないことから複数回に分割して出金口から紙幣を手で抜き取る必要があった。このため、窓口対応者は、回収作業中、常に装置に張り付いていなければならなかった。
【0005】
また、後者の紙幣取扱装置の場合、リジェクト庫を回収庫として利用できるとの記載があるものの、どのようにして回収庫として利用するのか不明であった。このため、窓口対応者などの係員の回収作業の手間を軽減するような構造や方法は特に提案されていなかった。
【特許文献1】特開2008−134748号公報
【特許文献2】特開2005−18709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上述した問題に鑑み、複数の収納庫に残っている紙葉類を全て回収する際に、係員の回収作業の手間を削減できる紙葉類取扱装置を提供し、係員の満足度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、紙葉類の受け入れに使用される入金口と、該紙葉類の払い出しに使用される出金口と、該紙葉類の種別と枚数を判別する識別部と、前記各部位の間をつなぎ該紙葉類を搬送する搬送路と、該識別部で判別した結果に応じて紙葉類の集積先を切り替える切替部と、該識別部で判別した結果により払い出しに適さないと判断した紙葉類を回収する回収庫と、受け入れた紙葉類や払い出す紙葉類を収納する複数の収納庫と、各部位を制御する制御部と、を有して、主に紙葉類の受け入れや払い出しを行う紙葉類取扱装置であって、各収納庫に集積されている紙葉類を回収する回収操作入力を係員から受け付ける操作入力受付部を備え、前記制御部は、前記回収操作入力を受け付けると、前記各収納庫に分散して収納されている各紙葉類をすべて繰り出し搬送して前記回収庫に集約する集約回収処理を実行する構成である紙葉類取扱装置であることを特徴とする。
好ましい態様として、前記回収庫は、異サイズの紙葉類を積層して収納する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明により、複数の収納庫に残っている紙葉類を全て回収する際に、係員の回収作業の手間を削減できる紙葉類取扱装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は、本発明の一実施形態である紙葉類取扱装置の構成図である。この実施例では、紙葉類として紙幣を使用する場合について説明する。
【0010】
1は窓口対応者が顧客情報や取引情報などを扱うための窓口端末装置である。この窓口端末装置1は、CRTや液晶ディスプレイ等で構成される報知部としての表示部1a、キーボードはマウス等で構成される入力部1b、通信線3で接続された紙葉類搬送装置2と通信する通信部、CPU等で構成される制御部、およびハードディスク等で構成される記憶部が備えられている。
【0011】
2は紙幣の払い出しや預け入れや整理を行う紙葉類搬送装置である。この紙葉類搬送装置2は、通信線3によって2台の窓口端末装置1と接続されている。この紙葉類搬送装置2は、さらに装置の状態を監視するための管理端末装置9と接続することも可能である。
【0012】
紙葉類搬送装置2は、スタートボタン4、入金口5、出金口6、および返却口7を備えている。スタートボタン4は、紙幣の預け入れや整理を開始する際に窓口対応者が押下するスタートボタンである。入金口5は、窓口対応者が紙幣の預け入れや整理をする際に紙葉類搬送装置2内に紙幣を取り込むための入金口である。出金口6は、窓口対応者が紙幣の払い出し、あるいは整理をした際に紙葉類搬送装置2から紙幣を取り出すための出金口である。返却口7は、預け入れや整理の際に発生したリジェクト券を窓口対応者に返却するための返却口である。占有ランプ8は、いずれかの窓口端末装置1によって占有されていることを示すランプである。
【0013】
これらの窓口端末装置1、管理端末装置9、紙葉類搬送装置2により、紙葉類取扱装置10が構成されている。
【0014】
図2は、紙葉類搬送装置2の概略図を示す。
21は計数した紙幣を一時的に集積する一時保留部、22は紙幣の金種、真偽、向き、損傷の程度を判別する識別部、23a〜23dは紙幣を種類別に集積する収納庫、24は識別部22によってリジェクトされた紙幣を収納する回収庫、25は入金口5、識別部22、一時保留部21、出金口6、返却口7をループして紙幣を搬送する上部搬送路、26は上部搬送路25から収納庫23a〜23dおよび回収庫24の上を経由して再び上部搬送路25へと紙幣を搬送する下部搬送路、27は入金口5から上部搬送路25へと紙幣を搬送する入金口搬送路、28は上部搬送路25から出金口6へと紙幣を搬送する出金口搬送路、29は上部搬送路25から返却口7へと紙幣を搬送する返却口搬送路、30は上部搬送路25から一時保留部21へと紙幣を搬送する一時保留部収納搬送路、31は一時保留部21から上部搬送路25へと紙幣を搬送する一時保留部繰出搬送路、32a〜32dは下部搬送路26から収納庫23a〜23dへと紙幣を搬送する収納庫収納搬送路、33a〜33dは収納庫23a〜23dから下部搬送路26へと紙幣を搬送する収納庫繰出搬送路、34は下部搬送路26から回収庫24へと紙幣を搬送する回収庫搬送路、35は紙幣が通過するのを検知する通過センサ、36は紙幣を搬送する方向を切り替えるゲート、37は入金口5に紙幣があるか否かを検知する入金口紙葉類検知センサ、38は出金口6に紙幣があるか否かを検知する出金口紙葉類検知センサ、39は返却口7に紙幣があるか否かを検知する返却口紙葉類検知センサである。
【0015】
図3は、回収庫24の概略図を示す。
回収庫24は、収納庫23a〜23dと同様に、紙葉類を図示左側に片寄せして整列させた状態で且つ平積みで集積可能であり、収納庫23a〜23dと同等量の紙葉類を集積するためのスペースを持つ。52は紙幣を回収庫24内に集積するための搬送路(入口)、50は紙葉類を積み上げるための押圧板であり、集積する紙葉類の量に応じて上下移動が可能である。51a、51bは押圧板の位置まで紙葉類を移動させるためのローラである。
【0016】
この構成により、搬送路52から回収庫24内に搬送されてきた紙幣は、ローラ51a、51bによって回収庫24内に放出され、図示左側の側壁53に端部が衝突し押圧板50の上方に整列する。このとき、紙幣のサイズ(特に紙幣の搬送方向のサイズ)に関わらず側壁53側に紙幣を片寄せして上下に積層して整列収納できるため、異サイズ紙幣を綺麗に整列して積層状態で回収することができる。
【0017】
図4は、紙葉類搬送装置2の制御ブロック図を示す。
紙葉類搬送装置2の制御部20は、業務処理部2a、搬送処理部2bから構成される。101は2台の窓口端末装置1および管理端末装置9の排他制御や各部位を制御する業務処理主制御部、102は窓口端末装置1および管理端末装置9との通信を制御する上位通信制御部、103は窓口対応者の操作入力を受け付けるボタン制御部、104はブザー音を鳴らすブザー制御部、105はランプの点灯/消滅を制御するランプ制御部、106は標示器を制御する標示器制御部、107は搬送処理部2bとの通信を制御する下位通信制御部、108は時計の制御を行う時計制御部、109は業務処理部2aの設定情報を記憶するための記憶部である。
【0018】
また、110は紙幣の搬送を制御する搬送処理主制御部、111は業務処理部2aとの通信を制御する上位通信制御部、112はセンサ制御部、113はゲート制御部、114は搬送モータ制御部、115は搬送路移動量計数部、116は紙幣の判別を行う識別処理部、117は入金口制御部、118は出金口制御部、119は収納庫制御部、120は一時保留庫制御部、121は搬送処理2bの設定情報や最初に識別した紙幣の識別結果を記憶するための記憶部である。
【0019】
以下、紙葉類搬送装置で精査(回収)時の処理について、図5、図6のフローチャートを用いて説明する。
図5、図6は、精査(回収)時の窓口端末装置1の動作を示す動作フロー図である。図7は、窓口端末装置1,2の表示部に表示する係員操作通知画面のイメージ図を示す。
【0020】
窓口端末装置1は、窓口対応者の操作入力による回収開始操作を入力部により受け付けると、紙葉類搬送装置2内の各収納庫23a〜23d及び回収庫24内の媒体有無の状態を取得(ステップS101)し、その状態を記憶する(ステップS102)。回収庫24内に媒体があれば(ステップS103:Yes)、窓口端末装置1は、回収庫24に媒体がある事を窓口対応者に通知するための回収庫残存通知画面203(図7(D)参照)を表示部に表示し、回収庫24内に媒体がなければ(ステップS103:No)、ステップS106へ処理を進める。この回収庫残存通知画面203により、運用中に回収庫24に集積されたリジェクト紙幣を回収庫回収動作前に抜き取るか否か、言い換えれば回収庫回収動作によって回収庫24に集約する正常紙幣と混ざってもよいか否かを選択させることで、混合可否選択を許容する。
【0021】
窓口対応者によって回収庫24内の媒体が抜き取られる場合は(ステップS104:Yes)、窓口対応者による回収庫24の手動抜き取りを許容し(ステップS105)、回収庫24内の媒体が抜き取られない場合は(ステップS104:No)、そのまま次のステップへ処理を進める。このように集約回収処理としての回収庫回収動作前に回収庫24内の媒体を抜き取る事により、回収庫24内に残っているリジェクト紙幣と、後の回収庫回収動作にて識別部22により正常と判断した紙幣とが混ざることを防止できる。
【0022】
各収納庫23a〜23d内に媒体がない場合(ステップS106:No)、窓口端末装置1は、紙葉類搬送装置2に対して回収庫回収動作を指示せずに精査(回収)処理を終了する。
【0023】
各収納庫23a〜23d内に媒体がある場合(ステップS106:Yes)、窓口端末装置1は、回収庫24内に既に収納しているリジェクト紙幣と、回収庫回収動作の際に各収納庫23a〜23dから集約する紙葉類とを区別するための間仕切り紙を投入するかどうかを選択するための間仕切り紙投入有無選択画面204(図7(E)参照)を窓口端末装置1に表示し、窓口対応者に選択させる間仕切り紙要否選択を受け付ける(ステップS107)。
【0024】
間仕切り紙を投入する場合(ステップS107:Yes)、窓口端末装置1は、回収庫回収動作前に窓口対応者によって入金口5に間仕切り紙が投入されることを受け付け(ステップS108)、紙葉類搬送装置2に対して間仕切り紙入金動作を指示する(ステップS109)。この動作によって、紙葉類搬送装置2は、入金口5に投入された間仕切り紙を搬送路へ繰り出し搬送して回収庫24に集積する間仕切り紙集積処理を実行する。
【0025】
この間仕切り紙の入金動作が正常終了すれば(ステップS110:Yes)、窓口端末装置1は次のステップS111へ処理を進め、正常終了しなければ(ステップS110:No)、異常終了する。
【0026】
窓口端末装置1は、各収納庫23a〜23d内の媒体を回収庫24に移動させる際、識別部22によりリジェクトと判断した紙幣の搬送先を窓口対応者に選択させるリジェクト紙幣搬送先指定画面205(図7(F)参照)を表示し、搬送先を記憶する(ステップS111)。このリジェクト紙幣搬送先指定画面205では、出金口ボタンと回収庫ボタンを表示し、いずれか一方を操作入力させることで、搬送先として出金口6と回収庫24のいずれか一方を選択させる。
【0027】
窓口端末装置1は、紙葉類搬送装置2に対し、集約回収処理としての回収庫回収動作を指示する(ステップS112)。この指示を受けると、紙葉類搬送装置2は、全ての収納庫23a〜23dに収納している全ての紙幣を、回収庫24へ搬送して集積する回収庫回収動作を実行する。この回収庫回収動作の際、紙葉類搬送装置2は、各収納庫23a〜23dから繰り出した紙幣を識別部22で識別し、正常紙幣は回収庫24に搬送して集約する、識別結果がリジェクト紙幣であれば、ステップS111で選択された搬送先(出金口6と回収庫24のいずれか一方)へ搬送する。
【0028】
窓口端末装置1は、回収庫回収動作が終了すると、動作結果を参照し、動作結果が異常であれば(ステップS113:No)、異常終了する。動作結果が正常終了であれば(ステップS113:Yes)、窓口端末装置1は、紙葉類搬送装置2内の各収納庫23a〜23d及び回収庫24内の媒体有無の状態を取得し(ステップS114)、その状態を記憶する(ステップS115)。
【0029】
窓口端末装置1は、取得した媒体有無の状態から判断して回収庫24が満杯であれば(ステップS116:Yes)、中断情報として窓口対応者に回収庫24から媒体を取り出す事を通知するための回収庫媒体取出要求画面200(図7(A)参照)を表示する中断情報報知処理を行い、窓口対応者に回収庫24から媒体を抜き取らせる(ステップS117)。
【0030】
出金口6の状態が満杯であれば(ステップS118:Yes)、窓口端末装置1は、中断情報として窓口対応者に対して出金口6から媒体を取り出す事を促す文言を表示する出金口媒体抜取要求画面202(図7(C)参照)を表示する中断情報報知処理を行い、窓口対応者に出金口6からの媒体の抜取を実行させる(ステップS119)。このとき、窓口端末装置1は、紙葉類搬送装置2に対し、出金口シャッタオープンを指示し、窓口対応者が出金口6から媒体を抜き取ることを許容する。
【0031】
このように回収庫24及び出金口6の媒体状態を窓口対応者に通知し、媒体の取り出しを促すことにより、各収納庫23a〜23dの媒体がなくなるまで継続して回収庫回収動作を行うことができる。この回収庫回収動作において、紙葉類搬送装置2は、各収納庫23a〜23dに収納されている紙幣のサイズが異なっていても、これらの異サイズ紙幣を1つの回収庫24にまとめて集積し集約することができる。
【0032】
窓口端末装置1は、各収納庫23a〜23dの媒体有無を確認し、媒体があれば(ステップS120:Yes)、窓口対応者に対し、回収継続情報として回収庫回収動作を継続する事を通知する回収継続通知画面201(図7(B)参照)を表示する回収継続情報を行う。窓口端末操作1は、紙葉類搬送装置2に対し、回収庫回収動作を指示する(ステップS112)。これ以降、窓口端末装置1は、各収納庫23a〜23d内に媒体がなくなるまで、ステップS112〜ステップS120を繰り返す。
【0033】
各収納庫23a〜23dに媒体がなくなれば(ステップS120:No)、窓口端末装置1は、出金口6の媒体状態を判断し、出金口6に媒体があれば(ステップS121:Yes)、窓口対応者が出金口6から媒体を取り出す事を促す文言を示す出金口媒体抜取要求画面202(図7(C)参照)を窓口端末装置1に表示し、出金口6からの媒体の抜取を窓口対応者に実施させる(ステップS122)。窓口端末装置1は、紙葉類搬送装置2に対し、出金口シャッタオープンを指示し、窓口対応者が出金口6から媒体を取り出すことを許容する。
【0034】
以上の構成および動作により、精査時(回収時)に各収納庫23a〜23d内の全ての紙幣を、回収庫24及び出金口6へ搬送し、各収納庫23a〜23dを空にすることができる。これにより、紙幣の抜取りは回収庫24及び出金口6からのみとし、抜き取る手間を最小限に抑える事ができる。
【0035】
また、通常の運用中に識別部22で払い出しに適さないと判断した紙葉類を回収する回収庫24を、業務終了時に行う回収庫回収動作で各収納庫23a〜23dの紙幣の回収にも使用するため、紙幣カセット(収納庫23a〜23dや回収庫24など)を増加させることなく、設けられている紙幣カセットを有効活用できる。このため、紙葉類搬送装置2のサイズの大型化を防止できる。
【0036】
また、回収庫回収動作の際に識別部22により金種判別できなかった紙幣を出金口6に搬送して分離する事が可能となる。これにより、正常紙幣とリジェクト紙幣が混ざることを防止できる。
【0037】
回収庫24は、回収庫回収動作の際に、異サイズ紙幣を詰まり無く集積して片寄せ状態で押圧板50上に積層できるため、収納庫23a〜23dに収納されている紙幣サイズに関わらずまとめて集約することができる。これにより、日本紙幣よりもサイズ差の大きい外国紙幣を適切に取り扱うことができる。また、この回収庫回収動作の際に押圧板50上に紙幣を整列状態で積層することによって、回収庫24内に多量の紙幣を集積することができる。
【0038】
回収庫回収動作の際に、リジェクト紙幣を回収庫24と出金口6のどちらに搬送するかステップS111で選択させ、これに従ってリジェクト紙幣を搬送するため、用途に応じた運用が可能となる。つまり、リジェクト紙幣を正常紙幣と混ぜても良い場合は、回収庫24に正常紙幣とまとめて回収することができ、リジェクト紙幣と正常紙幣を分けたい場合は、正常紙幣を回収庫24に回収してリジェクト紙幣を出金口6へ集積してそれぞれ分離して回収することができる。
【0039】
また、回収庫残存通知画面203の表示によって、既に回収庫24に集積しているリジェクト紙幣とこれから集約する正常紙幣とが混ざって良いか窓口対応者に確認させることができる。これにより、混ざってはいけない場合に、窓口対応者が回収庫24を抜き取ってリジェクト紙幣を取り出せ、混ざってよい場合にそのまま回収庫回収動作を実行できる。
【0040】
また、回収庫24に既に集積されているリジェクト紙幣と、回収庫回収動作で集約する正常紙幣との間に間仕切り紙を挟むことができるため、リジェクト紙幣と正常紙幣とを明瞭に分離することができる。また、この間仕切り紙を挿入するか否か窓口担当者が選択できるため、用途に応じた運用ができる。つまり、例えばリジェクト紙幣と正常紙幣が混ざってはいけなければ、間仕切り紙を使用して分離でき、混ざってもよければ間仕切り紙を使用せずに回収作業を容易にできる。
【0041】
また、間仕切り紙は、入金口5に投入させて、これを搬送して使用する構成であるため、間仕切り紙専用の構造体が不要であり、低コストで簡便に実現することができる。
【0042】
また、回収庫24が満杯になった場合や出金口6が満杯になった場合に、回収庫回収動作を一時的に中断して回収庫媒体取出要求画面200によって回収庫24や出金口6から紙幣の取り出しを求めるため、紙幣を集積しすぎて紙詰まりを起こすことを防止できる。また、このように回収庫24や出金口6から満杯の紙幣の取り出しを行っても収納庫23a〜23dに未だ紙幣が残っている場合、回収庫残存通知画面203を表示することで、紙幣が残存していて回収庫回収動作がまだ必要であることを通知でき、回収庫回収動作を継続できる。
【0043】
このような紙葉類取扱装置10により、現状の機器構成を保ちつつ、窓口対応者の精査(紙葉類の取り出し)の負担を軽減する事が可能となる。
【0044】
なお、回収庫回収動作は、各収納庫23a〜23dに集積されている紙幣を、1つの収納庫単位で回収庫24に集約する構成にすることが好ましい。この場合、回収庫24に集約した紙幣を回収する際に、金種別にまとまった状態で回収でき、回収後の仕分け作業などを容易にすることができる。
【0045】
なお、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】紙葉類取扱装置の構成図。
【図2】紙葉類搬送装置の概略構成図。
【図3】回収庫の概略構成図。
【図4】紙葉類搬送装置の制御ブロック図。
【図5】回収時の窓口端末装置の動作を示すフローチャート。
【図6】回収時の窓口端末装置の動作を示すフローチャート。
【図7】窓口端末装置の表示部に表示する係員操作通知画面のイメージ図。
【符号の説明】
【0047】
1a…表示部、1b…入力部、5…入金口、6…出金口、10…紙葉類取扱装置、20…制御部、22…識別部、23a〜23d…収納庫、24…回収庫、25〜34…各種搬送路、36…ゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類の受け入れに使用される入金口と、
該紙葉類の払い出しに使用される出金口と、
該紙葉類の種別と枚数を判別する識別部と、
前記各部位の間をつなぎ該紙葉類を搬送する搬送路と、
該識別部で判別した結果に応じて紙葉類の集積先を切り替える切替部と、
該識別部で判別した結果により払い出しに適さないと判断した紙葉類を回収する回収庫と、
受け入れた紙葉類や払い出す紙葉類を収納する複数の収納庫と、
各部位を制御する制御部と、を有して、主に紙葉類の受け入れや払い出しを行う紙葉類取扱装置であって、
各収納庫に集積されている紙葉類を回収する回収操作入力を係員から受け付ける操作入力受付部を備え、
前記制御部は、前記回収操作入力を受け付けると、前記各収納庫に分散して収納されている各紙葉類をすべて繰り出し搬送して前記回収庫に集約する集約回収処理を実行する構成である
紙葉類取扱装置。
【請求項2】
前記回収庫は、
異サイズの紙葉類を積層して収納する構成である
請求項1記載の紙葉類取扱装置。
【請求項3】
前記操作入力受付部は、
前記集積処理の際にリジェクト紙幣を出金口と回収庫のいずれに搬送するか選択させる選択入力を受け付ける構成であり、
前記制御部が実行する前記集約回収処理は、
前記各収納庫から繰り出した紙葉類を前記識別部へ搬送して該識別部で判別し、該判別によりリジェクト紙幣と判定した紙葉類を前記出金口と前記回収庫のうち選択入力により選択された方へ搬送し、リジェクト紙幣でないと判定した紙葉類を前記回収庫に集約する構成である
請求項1または2記載の紙葉類取扱装置
【請求項4】
前記操作入力受付部は、
前記集約回収処理にて前記各収納庫から紙葉類を集約するにあたって、該集約回収処理の前に既に回収庫に回収している紙葉類と、前記各収納庫から集約する紙葉類とが混ざってもよいか否かの混合可否選択を許容する構成である
請求項1、2または3記載の紙葉類取扱装置
【請求項5】
前記操作入力受付部は、
既に回収庫に回収している紙葉類と前記各収納庫から前記回収庫に集約する紙葉類とを区別する間仕切り紙を使用するか否かの間仕切り紙要否選択を受け付ける構成であり、
前記制御部は、
前記集約回収処理にて前記各収納庫から紙葉類を集約する前に前記操作入力受け付け部により間仕切り紙要否選択を受け付け、
該間仕切り紙要否選択の結果が間仕切り紙必要であれば間仕切り紙を前記回収庫へ集積する間仕切り紙集積処理を実行してから前記集約回収処理を実行し、間仕切り紙が不要であれば間仕切り紙を前記回収庫へ集積せずに前記集約回収処理を実行する
紙葉類取扱装置。
【請求項6】
前記制御部が実行する間仕切り紙集積処理は、
前記入金口に投入された間仕切り紙を繰り出して搬送し前記回収庫に集積する構成である
請求項5記載の紙葉類取扱装置
【請求項7】
情報の報知を行う報知部を備え、
前記制御部は、
前記集約回収処理を途中で中断した場合に中断情報を前記報知部により報知する中断情報報知処理と、
前記各収納庫にまだ回収できていない紙葉類がある場合に回収を継続する回収継続情報を前記報知部により報知する回収継続情報報知処理とを実行する構成である。
請求項1から6のいずれか1つに記載の紙葉類取扱装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−129002(P2010−129002A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305740(P2008−305740)
【出願日】平成20年11月29日(2008.11.29)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】