紙製液体容器の天板構造及びその製造方法
【課題】本発明は、果汁飲料、コーヒー、液体スープなどの内容物を収納した紙製液体容器の天板に形成された飲み口部である開口部を覆うタブ材を剥がす際、指掛かりが容易に得られる紙製液体容器の天板構造及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】紙を主体とした積層材料(A)からなる底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有する天板(2)を備えた容器本体と、前記飲み口部(3)を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材(7)とを具備し、内容物(9)を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)が接着する前記天板(2)の接着部の一部分に隆起部分(4a)を備えていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【解決手段】紙を主体とした積層材料(A)からなる底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有する天板(2)を備えた容器本体と、前記飲み口部(3)を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材(7)とを具備し、内容物(9)を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)が接着する前記天板(2)の接着部の一部分に隆起部分(4a)を備えていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果汁飲料、コーヒー、液体スープなどの内容物を収納した紙製液体容器の天板に形成された飲み口部である開口部を覆うタブ材を剥がす際、指掛かりが容易に得られる紙製液体容器の天板構造及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、飲み口部が開封用のタブ材で覆われた、例えば、図13〜14に示すような、円筒形状の紙製液体容器(1)が、従来の缶容器の代替品として、使い易さと、使用後の廃棄処理のし易さから、果汁飲料、コーヒー、液体スープなどの液体食品分野で広く使用されている。
【0003】
また、図15に示すように、トップ、又はボトム部分から内容物を充填し、容器の天板に設けられた飲み口部(3)を開封用のタブ材(7)で覆い、該タブ材(7)の掴み部(8)が跳ね上がった状態の矩形形状の紙製液体容器(20)も普及している。
【0004】
特に、前述の図13〜14に示すような、円筒形状の紙製液体容器(1)の場合は、天板(2)に形成された飲み口部(3)から内容物を充填し、その後、該飲み口部(3)を開封用のタブ材(7)で覆い、密封する。このタイプの該飲み口部(3)の構造は、例えば、該紙製液体容器(1)の天板(2)に形成された該飲み口部(3)である開口部をアルミニウム箔とポリエチレン等のプラスチックフィルムの積層フィルムからなる開封用のタブ材(7)で外側から覆い、該タブ材(7)の下面のプラスチックフィルムと、開口部の上面外周縁部のポリエチレンとの接触面を摘み部(8)となる開封開始部の一部未シール部を残して熱融着し、密封したものであった。
【0005】
そして、あらかじめ成形した容器に、天板(2)に設けた該飲み口部(3)である開口部から果汁飲料等の内容物(9)を充填し、その後、該開口部をタブ材(7)で覆って密封し、該開口部を飲み口部(3)とする充填密封方式においては、例えば、該熱融着部は、該タブ材(7)を一旦該容器(1)に擬似接着させる仮シール工程と完全に接着させる本シール工程の2工程で構成されている。
【0006】
ところが、この仮シール工程で該タブ材(7)の掴み部(8)が該容器(1)の天板(2)に擬似接着してしまい、該タブ材(7)を容易に開封できない場合があり、その解決策が種々提案されている。
【0007】
例えば、該容器の天板にタブ材を覆い、該タブ材の全面積をシールするのではなく、周辺に未シール部を設け、本シールあるいは本シールと仮シールの形状を改良して掴み部の引き剥がす方向と同一方向上に設けることにより、易開封性の飲み口部構造を提供する提案(例えば、特許文献1参照。)がある。
【0008】
しかしながら、この提案の場合は、タブ材の材質の関係で摘み部の一端を指で引っ掛けるのが容易でなく、使用者が折り返してから、その開封のきっかけを作る必要があり、非常に合理的でない。また、シール金型が複雑な形状をしており高価になり、さらにシールの位置制御が非常に難しく、トータル的に生産コストが高くなる。
【0009】
また、その他の提案として、タブ材を共締め部側に延設し、その延設部を共締め部の内面に沿って立ち上げ、エンボス加工よりなる膨らみ部を備えた紙製液体容器の提案(例えば、特許文献2参照。)があるが、生産工程が若干複雑になる。
【0010】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開平10−129699号公報
【特許文献2】特開平9−48418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、果汁飲料、コーヒー、液体スープなどの内容物を収納した紙製液体容器の天板に形成された飲み口部である開口部を覆うタブ材を剥がす際、指掛かりが容易に得られる紙製液体容器の天板構造及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、紙を主体とした積層材料(A)からなる底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有する天板(2)を備えた容器本体と、前記飲み口部(3)を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材(7)とを具備し、内容物(9)を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)が接着する前記天板(2)の接着部の一部分に隆起部分(4a)を備えていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【0013】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の紙製液体容器の天板構造において、前記隆起部分(4a)が前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の紙製液体容器の天板構造である。
【0014】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の紙製液体容器の天板構造において、前記隆起部分(4a)が凹凸形状、鋸刃形状、波形形状のいずれかの断面形状からなることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【0015】
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造において、前記接着するタブ材(7)の部分が前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上であることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【0016】
本発明の請求項5に係る発明は、紙を主体とした積層材料(A)からなる底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有する天板(2)を備えた容器本体と、前記飲み口部(3)を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材(7)とを具備し、内容物(9)を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)が接着する前記天板(2)の接着部の一部分に未接着部(12)を備えていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【0017】
本発明の請求項6に係る発明は、請求項5記載の紙製液体容器の天板構造において、前記未接着部(12)が前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に設けられていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【0018】
本発明の請求項7に係る発明は、請求項5又は6記載の紙製液体容器の天板構造において、前記接着するタブ材(7)の部分が前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上であることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【0019】
本発明の請求項8に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の紙製液体容器の
天板構造の製造方法において、容器(1)の飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に該タブ材(7)を移動させ、また該飲み口部(3)を覆うようにトランスファー(10)を移動させ、該タブ材(7)のうち該飲み口部(3)を覆う部分を該トランスファー(10)の上を覆うように、及び該飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に接着する部分の一部が隆起部分(4a)上になるようにタブ材(7)を送り込み、仮シールコテ(11)を該トランスファー(10)と該隆起部分(4a)の間に挿入して、該飲み口部(3)の上部の天板(2)に該タブ材(7)を接着させ、該トランスファー(10)を接着と同時、または接着後に該仮シールコテ(11)に沿って上昇させ、最後に該仮シールコテ(11)を移動させることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0020】
本発明の請求項9に係る発明は、請求項8記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記隆起部分(4a)をターンローラー(R1)と送りローラー(R2)との間に備えられた隆起付けローラー(E)により形成することを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0021】
本発明の請求項10に係る発明は、請求項9記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記隆起付けローラー(E)が凸部(T)を有するローラーと凹部(U)を有するローラーとから形成されていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0022】
本発明の請求項11に係る発明は、請求項8乃至10のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記隆起部分(4a)を前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に形成することを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0023】
本発明の請求項12に係る発明は、請求項8乃至11のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記隆起部分(4a)を凹凸形状、鋸刃形状、波形形状のいずれかの断面形状に形成することを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0024】
本発明の請求項13に係る発明は、請求項8乃至12のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記接着するタブ材(7)の部分を前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上にすることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0025】
本発明の請求項14に係る発明は、請求項5乃至7のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、容器(1)の飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に浮きブロック(4b)を移動させ、また該飲み口部(3)を覆うようにトランスファー(10)を移動させ、該タブ材(7)のうち該飲み口部(3)を覆う部分を該トランスファー(10)の上を覆うように、及び該飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に接着する部分の一部が浮きブロック(4b)上になるようにタブ材(7)を送り込み、仮シールコテ(11)を該トランスファー(10)と該浮きブロック(4b)の間に挿入して、該飲み口部(3)の上部の天板(2)に該タブ材(7)を接着させ、該トランスファー(10)を接着と同時、または接着後に該仮シールコテ(11)に沿って上昇させ、最後に該仮シールコテ(11)と該浮きブロック(4b)を移動させることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0026】
本発明の請求項15に係る発明は、請求項14記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記浮きブロック(4b)が正方形、長方形、二等辺三角形のいずれかの断面を有する立方体形状からなることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法であ
る。
【0027】
本発明の請求項16に係る発明は、請求項14又は15記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記接着するタブ材(7)の部分を前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上にすることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る1実施例の紙製液体容器の天板構造は、紙を主体とした積層材料からなる底板、側壁及び飲み口部を有する天板を備えた容器本体と、前記飲み口部を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材とを具備し、内容物を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器の飲み口部を覆って、該容器を密封する前記タブ材が接着する前記天板の接着部の一部分に隆起部分を備えていること、及び前記隆起部分が前記タブ材の掴み部に対応する位置に設けられていることにより、果汁飲料、コーヒー、液体スープなどの内容物を収納した紙製液体容器の天板に形成された飲み口部である開口部を覆うタブ材を剥がす際、指掛かりが容易に得られる。
【0029】
また、本発明に係るその他の実施例の紙製液体容器の天板構造は、紙を主体とした積層材料からなる底板、側壁及び飲み口部を有する天板を備えた容器本体と、前記飲み口部を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材とを具備し、内容物を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器の飲み口部を覆って、該容器を密封する前記タブ材が接着する前記天板の接着部の一部分に未接着部を備えていること、及び前記未接着部が前記タブ材の掴み部に対応する位置に設けられていることにより、果汁飲料、コーヒー、液体スープなどの内容物を収納した紙製液体容器の天板に形成された飲み口部である開口部を覆うタブ材を剥がす際、指掛かりが容易に得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明に係る紙製液体容器の天板構造及びその製造方法についての実施の形態を図1〜図12に基づいて詳細に説明するが、それに限定されるものではない。尚、本発明に係る紙製液体容器の形状は、円筒状に限定されるものではなく、角筒状、カップ状、円錐状等各種の形状が考えられる。
【0031】
図1は本発明に係る紙製液体容器の天板構造の1実施例を示す側断面図であり、図2は本発明に係る紙製液体容器の天板構造の1実施例を示す斜視図であり、図3〜図5は本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法の1実施例を示す説明図であり、図6は本発明に係る紙製液体容器の天板構造のその他の実施例を示す側断面図であり、図7は本発明に係る紙製液体容器の天板構造のその他の実施例を示す斜視図であり、図8〜10は本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法のその他の実施例を示す説明図であり、図11は本発明に係る紙製液体容器の天板に隆起部分を形成する方法の1実施例を示す説明図であり、図12は本発明に係る紙製液体容器の天板に隆起部分を形成する隆起付けローラーの部分拡大図である。
【0032】
本発明の1実施例の紙製液体容器の天板構造は、図1及び図2に示すように、紙を主体とした積層材料(A)からなる底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有する天板(2)を備えた容器本体と、前記飲み口部(3)を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材(7)とを具備し、内容物(9)を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)が接着する前記天板(2)の接着部の一部分に隆起部分(4a)を備えている紙製液体容器の天板構造である。
【0033】
前記隆起部分(4a)は、凹凸形状、鋸刃形状、波形形状のいずれかの断面形状からな
るものが好ましい。また、前記隆起部分(4a)が前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に設けられていることにより、例えば、該隆起部分(4a)が凹凸形状の場合には、前記タブ材(7)が凹状の部分は接着せず、凸状の部分のみ接着して、その接着面積が少なくなり、従来のように、仮シール工程で該タブ材(7)の掴み部(8)が該容器(1)の天板(2)に完全に擬似接着せず、該タブ材(7)を剥がす際、指掛かりが容易に得られ、該タブ材(7)を容易に剥離することが可能になる。
【0034】
すなわち、本発明の紙製液体容器の天板構造が該容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)の掴み部(8)の接着を妨げる構造になっているものである。尚、前記容器(1)の密封性を考慮すると、前記接着するタブ材(7)の部分が前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上であることが好ましい。
【0035】
ここで、本発明に係る1実施例の紙製液体容器の天板構造の天板(2)に前記隆起部分(4a)を形成する方法について、図11に基づいて説明する。
【0036】
紙を主体とした積層材料(A)をターンローラー(R1)を介して、送りローラー(R2)に受け渡すが、その際、前記ターンローラー(R1)と前記送りローラー(R2)との間に備えられている隆起付けローラー(E)により隆起部分(4a)を形成する。
【0037】
特に、前記隆起付けローラー(E)を送りセンサー(S)によるピッチ制御により、前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に前記隆起部分(4a)を形成することが好ましい。
【0038】
次に、成形マンドレル(M)と打ち抜き部(C)を有する成形機による成形工程で積層材料(A)を通常通り打ち抜き・成形を行って底板(6)、側壁(5)、及び飲み口部(3)を有し、隆起部分(4a)を備えた天板(2)からなる容器本体を作製する。
【0039】
前記隆起付けローラー(E)は、例えば、図12に示すように、凸部(T)を有するローラーと凹部(U)を有するローラーとを組み合わせた形態で形成されており、アイマークなどを検知して定位位置で凹凸を形成することができるようになっている。
【0040】
次に、本発明に係る1実施例の紙製液体容器の天板構造の製造方法は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、図3に示すように、容器(1)の飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に該タブ材(7)を移動させ、また該飲み口部(3)を覆うようにトランスファー(10)を移動させ、該タブ材(7)のうち該飲み口部(3)を覆う部分を該トランスファー(10)の上を覆うように、及び該飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に接着する部分の一部が隆起部分(4a)上になるようにタブ材(7)を送り込み、図4に示すように、仮シールコテ(11)を該トランスファー(10)と該隆起部分(4a)の間に挿入して、図5に示すように、該飲み口部(3)の上部の天板(2)に該タブ材(7)を接着させ、該トランスファー(10)を接着と同時、または接着後に該仮シールコテ(11)に沿って上昇させ、最後に該仮シールコテ(11)を移動させてなる紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0041】
そして、図1及び図2に示すように、最後に該容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該タブ材(7)を天板(2)に完全に接着し、該容器(1)を密封するものである。尚、前記容器(1)の密封性を考慮すると、前記接着されるタブ材(7)の部分を前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上にすることが好ましい。また、前記隆起部分(4a)を凹凸形状、鋸刃形状、波形形状のいずれかの断面形状に形成することが好ましい。
【0042】
本発明のその他の実施例の紙製液体容器の天板構造は、図6及び図7に示すように、紙
を主体とした積層材料(A)からなる底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有する天板(2)を備えた容器本体と、前記飲み口部(3)を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材(7)とを具備し、内容物(9)を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)が接着する前記天板(2)の接着部の一部分に未接着部(12)を備えている紙製液体容器の天板構造である。
【0043】
前記未接着部(12)が前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に設けられていることにより、前記タブ材(7)が未接着部(12)の部分は接着せず、従来のように、仮シール工程で該タブ材(7)の掴み部(8)が該容器(1)の天板(2)に完全に擬似接着せず、該タブ材(7)を剥がす際、指掛かりが容易に得られ、該タブ材(7)を容易に剥離することが可能になる。
【0044】
すなわち、本発明の紙製液体容器の天板構造が該容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)の掴み部(8)の接着を妨げる構造になっているものである。尚、前記容器(1)の密封性を考慮すると、前記接着するタブ材(7)の部分が前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上であることが好ましい。
【0045】
次に、本発明に係るその他の実施例の紙製液体容器の天板構造の製造方法は、請求項5乃至7のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、図8に示すように、容器(1)の飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に浮きブロック(4b)を移動させ、また該飲み口部(3)を覆うようにトランスファー(10)を移動させ、該タブ材(7)のうち該飲み口部(3)を覆う部分を該トランスファー(10)の上を覆うように、及び該飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に接着する部分の一部が浮きブロック(4b)上になるようにタブ材(7)を送り込み、図9に示すように、仮シールコテ(11)を該トランスファー(10)と該浮きブロック(4b)の間に挿入して、図10に示すように、該飲み口部(3)の上部の天板(2)に該タブ材(7)を接着させ、該トランスファー(10)を接着と同時、または接着後に該仮シールコテ(11)に沿って上昇させ、最後に該仮シールコテ(11)と該浮きブロック(4b)を移動させてなる紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0046】
そして、図6及び図7に示すように、最後に該容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該タブ材(7)を天板(2)に完全に接着し、該容器(1)を密封するものである。尚、前記容器(1)の密封性を考慮すると、前記接着するタブ材(7)の部分を前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上にすることが好ましい。また、前記浮きブロック(4b)が正方形、長方形、二等辺三角形のいずれかの断面を有する立方体形状からなることが好ましい。
【0047】
ここで、前記容器本体を形成する底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有する天板(2)は、主に坪量240g/m2以上の剛性を有する紙を使用し、少なくとも内側にポリエチレン等の熱接着可能な樹脂層を備えた柔軟な積層材料(A)からなる。
【0048】
また、天板(2)の飲み口部(3)を覆って接着し、密封するタブ材(7)は、片面に熱接着可能な樹脂層を備えた柔軟な積層材料からなる。
【0049】
尚、更には、容器本体を構成する積層材料(A)に、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン等のガスバリヤー性フィルム、または、プラスチックフィルムに酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着した蒸着フィルムからなるガスバリヤー性フィルムを配置することで、内容物の保存性を高めることができる。
【0050】
タブ材(7)は、片面の樹脂の上方にアルミニウム箔、プラスチックフィルム、薄紙等の基材を設けた構成からなり、前記のような剛性を有する紙を含まない構成である。
【実施例】
【0051】
以下に、本発明に係る紙製液体容器の天板構造及びその製造方法について、具体的に実施例を挙げて、さらに詳しく説明するが、それに限定されるものではない。
【0052】
<実施例1>
本発明に係る紙製液体容器本体の材質構成は、天板(2)材として、(容器外側)ポリエチレン/印刷/紙/ポリエチレン/ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/酸化珪素蒸着フィルム/ポリエチレン(容器内側)、側壁(5)材として、(容器外側)ポリエチレン/印刷/紙/ポリエチレン/ポリエチレン/酸化珪素蒸着フィルム/酸化珪素蒸着フィルム/ポリエチレン(容器内側)、底板(6)材として、(容器外側)ポリエチレン/紙/ポリエチレン/ポリエチレン/酸化珪素蒸着フィルム/酸化珪素蒸着フィルム/ポリエチレン(容器内側)構成からなるロール状の積層材料(A)を準備した。
【0053】
次に、天板(2)の飲み口部(3)を覆って接着し、密封するタブ材(7)は、印刷/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレート/無延伸ポリプロピレン構成からなるロール状の積層材料を準備した。
【0054】
次に、図11に示すように、前記積層材料(A)をターンローラー(R1)を介して、送りローラー(R2)に受け渡し、その際、前記ターンローラー(R1)と前記送りローラー(R2)との間に備えられている送りセンサー(S)によるピッチ制御された凸部(T)を有するローラーと凹部(U)を有するローラーとを組み合わせた形態で形成され、アイマークなどを検知して定位位置で凹凸を形成することができる隆起付けローラー(E)により、前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に凹凸形状の隆起部分(4a)を形成した。
【0055】
引き続き、成形マンドレル(M)と打ち抜き部(C)を有する成形機による成形工程で前記積層材料(A)を通常通り打ち抜き・成形を行って、底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有し、隆起部分(4a)を備えた天板(2)からなる容器本体を作製した。
【0056】
次に、図3に示すように、前記飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に該タブ材(7)を移動させ、また該飲み口部(3)を覆うようにトランスファー(10)を移動させ、該タブ材(7)のうち該飲み口部(3)を覆う部分を該トランスファー(10)の上を覆うように、及び該飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に接着する部分の一部が隆起部分(4a)上になるようにタブ材(7)を送り込み、図4に示すように、仮シールコテ(11)を該トランスファー(10)と該隆起部分(4a)の間に挿入して、図5に示すように、該飲み口部(3)の上部の天板(2)に該タブ材(7)を接着させた。
【0057】
そして、前記トランスファー(10)を接着と同時に仮シールコテ(11)に沿って上昇させた後、該仮シールコテ(11)を移動させて、図1及び図2に示すように、最後に該容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該タブ材(7)を天板(2)に完全に接着させて、密封した該容器(1)を得た。
【0058】
<評価>
実施例1で得た天板構造を有する紙製液体容器を用いて、飲み口部を覆うタブ材の剥がし易さを評価したところ、指掛かりが容易に得られ、剥離性に優れていた。
【0059】
<実施例2>
実施例1と同一の材質構成の容器本体のロール状の積層材料(A)とタブ材(7)を準備し、まず、成形マンドレル(M)と打ち抜き部(C)を有する成形機による成形工程で前記積層材料(A)を通常通り打ち抜き・成形を行って、底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有し、プレーンな天板(2)を備えた容器本体を作製した。
【0060】
次に、図8に示すように、前記飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に長方形の断面を有する立方体形状からなる浮きブロック(4b)を移動させ、また該飲み口部(3)を覆うようにトランスファー(10)を移動させ、該タブ材(7)のうち該飲み口部(3)を覆う部分を該トランスファー(10)の上を覆うように、及び該飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に接着する部分の一部が浮きブロック(4b)上になるようにタブ材(7)を送り込み、図9に示すように、仮シールコテ(11)を該トランスファー(10)と該浮きブロック(4b)の間に挿入して、図10に示すように、該飲み口部(3)の上部の天板(2)に該タブ材(7)を接着させ、該トランスファー(10)を接着と同時に該仮シールコテ(11)に沿って上昇させ、最後に該仮シールコテ(11)と該浮きブロック(4b)を移動させて、図6及び図7に示すように、最後に該容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該タブ材(7)を天板(2)に完全に接着させて、密封した該容器(1)を得た。
【0061】
<評価>
実施例2で得た天板構造を有する紙製液体容器を用いて、飲み口部を覆うタブ材の剥がし易さを評価したところ、指掛かりが容易に得られ、剥離性に優れていた。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る紙製液体容器の天板構造の1実施例を示す側断面図である。
【図2】本発明に係る紙製液体容器の天板構造の1実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法の1実施例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法の1実施例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法の1実施例を示す説明図である。
【図6】本発明に係る紙製液体容器の天板構造のその他の実施例を示す側断面図である。
【図7】本発明に係る紙製液体容器の天板構造のその他の実施例を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法のその他の実施例を示す説明図である。
【図9】本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法のその他の実施例を示す説明図である。
【図10】本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法のその他の実施例を示す説明図である。
【図11】本発明に係る紙製液体容器の天板に隆起部分を形成する方法の1実施例を示す説明図である。
【図12】本発明に係る紙製液体容器の天板に隆起部分を形成する隆起付けローラーの部分拡大図である。
【図13】従来の紙製液体容器の天板構造の1実施例を示す側断面図である。
【図14】従来の紙製液体容器の天板構造の1実施例を示す斜視図である。
【図15】従来の紙製液体容器の天板構造のその他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0063】
1・・・紙製液体容器
2・・・天板
3・・・飲み口部
4a・・・隆起部分 4b・・・浮きブロック
5・・・側壁
6・・・底板
7・・・タブ材
8・・・掴み部
9・・・内容物
10・・・トランスファー
11・・・仮シールコテ
20・・・紙製液体容器
A・・・積層材料
R1・・・ターンローラー
R2・・・送りローラー
E・・・隆起付けローラー
S・・・送りセンサー
T・・・凸部
U・・・凹部
C・・・打ち抜き部
M・・・成形マンドレル
【技術分野】
【0001】
本発明は、果汁飲料、コーヒー、液体スープなどの内容物を収納した紙製液体容器の天板に形成された飲み口部である開口部を覆うタブ材を剥がす際、指掛かりが容易に得られる紙製液体容器の天板構造及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、飲み口部が開封用のタブ材で覆われた、例えば、図13〜14に示すような、円筒形状の紙製液体容器(1)が、従来の缶容器の代替品として、使い易さと、使用後の廃棄処理のし易さから、果汁飲料、コーヒー、液体スープなどの液体食品分野で広く使用されている。
【0003】
また、図15に示すように、トップ、又はボトム部分から内容物を充填し、容器の天板に設けられた飲み口部(3)を開封用のタブ材(7)で覆い、該タブ材(7)の掴み部(8)が跳ね上がった状態の矩形形状の紙製液体容器(20)も普及している。
【0004】
特に、前述の図13〜14に示すような、円筒形状の紙製液体容器(1)の場合は、天板(2)に形成された飲み口部(3)から内容物を充填し、その後、該飲み口部(3)を開封用のタブ材(7)で覆い、密封する。このタイプの該飲み口部(3)の構造は、例えば、該紙製液体容器(1)の天板(2)に形成された該飲み口部(3)である開口部をアルミニウム箔とポリエチレン等のプラスチックフィルムの積層フィルムからなる開封用のタブ材(7)で外側から覆い、該タブ材(7)の下面のプラスチックフィルムと、開口部の上面外周縁部のポリエチレンとの接触面を摘み部(8)となる開封開始部の一部未シール部を残して熱融着し、密封したものであった。
【0005】
そして、あらかじめ成形した容器に、天板(2)に設けた該飲み口部(3)である開口部から果汁飲料等の内容物(9)を充填し、その後、該開口部をタブ材(7)で覆って密封し、該開口部を飲み口部(3)とする充填密封方式においては、例えば、該熱融着部は、該タブ材(7)を一旦該容器(1)に擬似接着させる仮シール工程と完全に接着させる本シール工程の2工程で構成されている。
【0006】
ところが、この仮シール工程で該タブ材(7)の掴み部(8)が該容器(1)の天板(2)に擬似接着してしまい、該タブ材(7)を容易に開封できない場合があり、その解決策が種々提案されている。
【0007】
例えば、該容器の天板にタブ材を覆い、該タブ材の全面積をシールするのではなく、周辺に未シール部を設け、本シールあるいは本シールと仮シールの形状を改良して掴み部の引き剥がす方向と同一方向上に設けることにより、易開封性の飲み口部構造を提供する提案(例えば、特許文献1参照。)がある。
【0008】
しかしながら、この提案の場合は、タブ材の材質の関係で摘み部の一端を指で引っ掛けるのが容易でなく、使用者が折り返してから、その開封のきっかけを作る必要があり、非常に合理的でない。また、シール金型が複雑な形状をしており高価になり、さらにシールの位置制御が非常に難しく、トータル的に生産コストが高くなる。
【0009】
また、その他の提案として、タブ材を共締め部側に延設し、その延設部を共締め部の内面に沿って立ち上げ、エンボス加工よりなる膨らみ部を備えた紙製液体容器の提案(例えば、特許文献2参照。)があるが、生産工程が若干複雑になる。
【0010】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開平10−129699号公報
【特許文献2】特開平9−48418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、果汁飲料、コーヒー、液体スープなどの内容物を収納した紙製液体容器の天板に形成された飲み口部である開口部を覆うタブ材を剥がす際、指掛かりが容易に得られる紙製液体容器の天板構造及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、紙を主体とした積層材料(A)からなる底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有する天板(2)を備えた容器本体と、前記飲み口部(3)を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材(7)とを具備し、内容物(9)を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)が接着する前記天板(2)の接着部の一部分に隆起部分(4a)を備えていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【0013】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の紙製液体容器の天板構造において、前記隆起部分(4a)が前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の紙製液体容器の天板構造である。
【0014】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の紙製液体容器の天板構造において、前記隆起部分(4a)が凹凸形状、鋸刃形状、波形形状のいずれかの断面形状からなることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【0015】
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造において、前記接着するタブ材(7)の部分が前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上であることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【0016】
本発明の請求項5に係る発明は、紙を主体とした積層材料(A)からなる底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有する天板(2)を備えた容器本体と、前記飲み口部(3)を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材(7)とを具備し、内容物(9)を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)が接着する前記天板(2)の接着部の一部分に未接着部(12)を備えていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【0017】
本発明の請求項6に係る発明は、請求項5記載の紙製液体容器の天板構造において、前記未接着部(12)が前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に設けられていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【0018】
本発明の請求項7に係る発明は、請求項5又は6記載の紙製液体容器の天板構造において、前記接着するタブ材(7)の部分が前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上であることを特徴とする紙製液体容器の天板構造である。
【0019】
本発明の請求項8に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の紙製液体容器の
天板構造の製造方法において、容器(1)の飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に該タブ材(7)を移動させ、また該飲み口部(3)を覆うようにトランスファー(10)を移動させ、該タブ材(7)のうち該飲み口部(3)を覆う部分を該トランスファー(10)の上を覆うように、及び該飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に接着する部分の一部が隆起部分(4a)上になるようにタブ材(7)を送り込み、仮シールコテ(11)を該トランスファー(10)と該隆起部分(4a)の間に挿入して、該飲み口部(3)の上部の天板(2)に該タブ材(7)を接着させ、該トランスファー(10)を接着と同時、または接着後に該仮シールコテ(11)に沿って上昇させ、最後に該仮シールコテ(11)を移動させることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0020】
本発明の請求項9に係る発明は、請求項8記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記隆起部分(4a)をターンローラー(R1)と送りローラー(R2)との間に備えられた隆起付けローラー(E)により形成することを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0021】
本発明の請求項10に係る発明は、請求項9記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記隆起付けローラー(E)が凸部(T)を有するローラーと凹部(U)を有するローラーとから形成されていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0022】
本発明の請求項11に係る発明は、請求項8乃至10のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記隆起部分(4a)を前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に形成することを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0023】
本発明の請求項12に係る発明は、請求項8乃至11のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記隆起部分(4a)を凹凸形状、鋸刃形状、波形形状のいずれかの断面形状に形成することを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0024】
本発明の請求項13に係る発明は、請求項8乃至12のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記接着するタブ材(7)の部分を前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上にすることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0025】
本発明の請求項14に係る発明は、請求項5乃至7のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、容器(1)の飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に浮きブロック(4b)を移動させ、また該飲み口部(3)を覆うようにトランスファー(10)を移動させ、該タブ材(7)のうち該飲み口部(3)を覆う部分を該トランスファー(10)の上を覆うように、及び該飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に接着する部分の一部が浮きブロック(4b)上になるようにタブ材(7)を送り込み、仮シールコテ(11)を該トランスファー(10)と該浮きブロック(4b)の間に挿入して、該飲み口部(3)の上部の天板(2)に該タブ材(7)を接着させ、該トランスファー(10)を接着と同時、または接着後に該仮シールコテ(11)に沿って上昇させ、最後に該仮シールコテ(11)と該浮きブロック(4b)を移動させることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0026】
本発明の請求項15に係る発明は、請求項14記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記浮きブロック(4b)が正方形、長方形、二等辺三角形のいずれかの断面を有する立方体形状からなることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法であ
る。
【0027】
本発明の請求項16に係る発明は、請求項14又は15記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、前記接着するタブ材(7)の部分を前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上にすることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る1実施例の紙製液体容器の天板構造は、紙を主体とした積層材料からなる底板、側壁及び飲み口部を有する天板を備えた容器本体と、前記飲み口部を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材とを具備し、内容物を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器の飲み口部を覆って、該容器を密封する前記タブ材が接着する前記天板の接着部の一部分に隆起部分を備えていること、及び前記隆起部分が前記タブ材の掴み部に対応する位置に設けられていることにより、果汁飲料、コーヒー、液体スープなどの内容物を収納した紙製液体容器の天板に形成された飲み口部である開口部を覆うタブ材を剥がす際、指掛かりが容易に得られる。
【0029】
また、本発明に係るその他の実施例の紙製液体容器の天板構造は、紙を主体とした積層材料からなる底板、側壁及び飲み口部を有する天板を備えた容器本体と、前記飲み口部を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材とを具備し、内容物を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器の飲み口部を覆って、該容器を密封する前記タブ材が接着する前記天板の接着部の一部分に未接着部を備えていること、及び前記未接着部が前記タブ材の掴み部に対応する位置に設けられていることにより、果汁飲料、コーヒー、液体スープなどの内容物を収納した紙製液体容器の天板に形成された飲み口部である開口部を覆うタブ材を剥がす際、指掛かりが容易に得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明に係る紙製液体容器の天板構造及びその製造方法についての実施の形態を図1〜図12に基づいて詳細に説明するが、それに限定されるものではない。尚、本発明に係る紙製液体容器の形状は、円筒状に限定されるものではなく、角筒状、カップ状、円錐状等各種の形状が考えられる。
【0031】
図1は本発明に係る紙製液体容器の天板構造の1実施例を示す側断面図であり、図2は本発明に係る紙製液体容器の天板構造の1実施例を示す斜視図であり、図3〜図5は本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法の1実施例を示す説明図であり、図6は本発明に係る紙製液体容器の天板構造のその他の実施例を示す側断面図であり、図7は本発明に係る紙製液体容器の天板構造のその他の実施例を示す斜視図であり、図8〜10は本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法のその他の実施例を示す説明図であり、図11は本発明に係る紙製液体容器の天板に隆起部分を形成する方法の1実施例を示す説明図であり、図12は本発明に係る紙製液体容器の天板に隆起部分を形成する隆起付けローラーの部分拡大図である。
【0032】
本発明の1実施例の紙製液体容器の天板構造は、図1及び図2に示すように、紙を主体とした積層材料(A)からなる底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有する天板(2)を備えた容器本体と、前記飲み口部(3)を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材(7)とを具備し、内容物(9)を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)が接着する前記天板(2)の接着部の一部分に隆起部分(4a)を備えている紙製液体容器の天板構造である。
【0033】
前記隆起部分(4a)は、凹凸形状、鋸刃形状、波形形状のいずれかの断面形状からな
るものが好ましい。また、前記隆起部分(4a)が前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に設けられていることにより、例えば、該隆起部分(4a)が凹凸形状の場合には、前記タブ材(7)が凹状の部分は接着せず、凸状の部分のみ接着して、その接着面積が少なくなり、従来のように、仮シール工程で該タブ材(7)の掴み部(8)が該容器(1)の天板(2)に完全に擬似接着せず、該タブ材(7)を剥がす際、指掛かりが容易に得られ、該タブ材(7)を容易に剥離することが可能になる。
【0034】
すなわち、本発明の紙製液体容器の天板構造が該容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)の掴み部(8)の接着を妨げる構造になっているものである。尚、前記容器(1)の密封性を考慮すると、前記接着するタブ材(7)の部分が前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上であることが好ましい。
【0035】
ここで、本発明に係る1実施例の紙製液体容器の天板構造の天板(2)に前記隆起部分(4a)を形成する方法について、図11に基づいて説明する。
【0036】
紙を主体とした積層材料(A)をターンローラー(R1)を介して、送りローラー(R2)に受け渡すが、その際、前記ターンローラー(R1)と前記送りローラー(R2)との間に備えられている隆起付けローラー(E)により隆起部分(4a)を形成する。
【0037】
特に、前記隆起付けローラー(E)を送りセンサー(S)によるピッチ制御により、前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に前記隆起部分(4a)を形成することが好ましい。
【0038】
次に、成形マンドレル(M)と打ち抜き部(C)を有する成形機による成形工程で積層材料(A)を通常通り打ち抜き・成形を行って底板(6)、側壁(5)、及び飲み口部(3)を有し、隆起部分(4a)を備えた天板(2)からなる容器本体を作製する。
【0039】
前記隆起付けローラー(E)は、例えば、図12に示すように、凸部(T)を有するローラーと凹部(U)を有するローラーとを組み合わせた形態で形成されており、アイマークなどを検知して定位位置で凹凸を形成することができるようになっている。
【0040】
次に、本発明に係る1実施例の紙製液体容器の天板構造の製造方法は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、図3に示すように、容器(1)の飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に該タブ材(7)を移動させ、また該飲み口部(3)を覆うようにトランスファー(10)を移動させ、該タブ材(7)のうち該飲み口部(3)を覆う部分を該トランスファー(10)の上を覆うように、及び該飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に接着する部分の一部が隆起部分(4a)上になるようにタブ材(7)を送り込み、図4に示すように、仮シールコテ(11)を該トランスファー(10)と該隆起部分(4a)の間に挿入して、図5に示すように、該飲み口部(3)の上部の天板(2)に該タブ材(7)を接着させ、該トランスファー(10)を接着と同時、または接着後に該仮シールコテ(11)に沿って上昇させ、最後に該仮シールコテ(11)を移動させてなる紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0041】
そして、図1及び図2に示すように、最後に該容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該タブ材(7)を天板(2)に完全に接着し、該容器(1)を密封するものである。尚、前記容器(1)の密封性を考慮すると、前記接着されるタブ材(7)の部分を前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上にすることが好ましい。また、前記隆起部分(4a)を凹凸形状、鋸刃形状、波形形状のいずれかの断面形状に形成することが好ましい。
【0042】
本発明のその他の実施例の紙製液体容器の天板構造は、図6及び図7に示すように、紙
を主体とした積層材料(A)からなる底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有する天板(2)を備えた容器本体と、前記飲み口部(3)を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材(7)とを具備し、内容物(9)を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)が接着する前記天板(2)の接着部の一部分に未接着部(12)を備えている紙製液体容器の天板構造である。
【0043】
前記未接着部(12)が前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に設けられていることにより、前記タブ材(7)が未接着部(12)の部分は接着せず、従来のように、仮シール工程で該タブ材(7)の掴み部(8)が該容器(1)の天板(2)に完全に擬似接着せず、該タブ材(7)を剥がす際、指掛かりが容易に得られ、該タブ材(7)を容易に剥離することが可能になる。
【0044】
すなわち、本発明の紙製液体容器の天板構造が該容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該容器(1)を密封する前記タブ材(7)の掴み部(8)の接着を妨げる構造になっているものである。尚、前記容器(1)の密封性を考慮すると、前記接着するタブ材(7)の部分が前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上であることが好ましい。
【0045】
次に、本発明に係るその他の実施例の紙製液体容器の天板構造の製造方法は、請求項5乃至7のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、図8に示すように、容器(1)の飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に浮きブロック(4b)を移動させ、また該飲み口部(3)を覆うようにトランスファー(10)を移動させ、該タブ材(7)のうち該飲み口部(3)を覆う部分を該トランスファー(10)の上を覆うように、及び該飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に接着する部分の一部が浮きブロック(4b)上になるようにタブ材(7)を送り込み、図9に示すように、仮シールコテ(11)を該トランスファー(10)と該浮きブロック(4b)の間に挿入して、図10に示すように、該飲み口部(3)の上部の天板(2)に該タブ材(7)を接着させ、該トランスファー(10)を接着と同時、または接着後に該仮シールコテ(11)に沿って上昇させ、最後に該仮シールコテ(11)と該浮きブロック(4b)を移動させてなる紙製液体容器の天板構造の製造方法である。
【0046】
そして、図6及び図7に示すように、最後に該容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該タブ材(7)を天板(2)に完全に接着し、該容器(1)を密封するものである。尚、前記容器(1)の密封性を考慮すると、前記接着するタブ材(7)の部分を前記飲み口部(3)を覆わない範囲の三分の一以上にすることが好ましい。また、前記浮きブロック(4b)が正方形、長方形、二等辺三角形のいずれかの断面を有する立方体形状からなることが好ましい。
【0047】
ここで、前記容器本体を形成する底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有する天板(2)は、主に坪量240g/m2以上の剛性を有する紙を使用し、少なくとも内側にポリエチレン等の熱接着可能な樹脂層を備えた柔軟な積層材料(A)からなる。
【0048】
また、天板(2)の飲み口部(3)を覆って接着し、密封するタブ材(7)は、片面に熱接着可能な樹脂層を備えた柔軟な積層材料からなる。
【0049】
尚、更には、容器本体を構成する積層材料(A)に、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン等のガスバリヤー性フィルム、または、プラスチックフィルムに酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着した蒸着フィルムからなるガスバリヤー性フィルムを配置することで、内容物の保存性を高めることができる。
【0050】
タブ材(7)は、片面の樹脂の上方にアルミニウム箔、プラスチックフィルム、薄紙等の基材を設けた構成からなり、前記のような剛性を有する紙を含まない構成である。
【実施例】
【0051】
以下に、本発明に係る紙製液体容器の天板構造及びその製造方法について、具体的に実施例を挙げて、さらに詳しく説明するが、それに限定されるものではない。
【0052】
<実施例1>
本発明に係る紙製液体容器本体の材質構成は、天板(2)材として、(容器外側)ポリエチレン/印刷/紙/ポリエチレン/ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/酸化珪素蒸着フィルム/ポリエチレン(容器内側)、側壁(5)材として、(容器外側)ポリエチレン/印刷/紙/ポリエチレン/ポリエチレン/酸化珪素蒸着フィルム/酸化珪素蒸着フィルム/ポリエチレン(容器内側)、底板(6)材として、(容器外側)ポリエチレン/紙/ポリエチレン/ポリエチレン/酸化珪素蒸着フィルム/酸化珪素蒸着フィルム/ポリエチレン(容器内側)構成からなるロール状の積層材料(A)を準備した。
【0053】
次に、天板(2)の飲み口部(3)を覆って接着し、密封するタブ材(7)は、印刷/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレート/無延伸ポリプロピレン構成からなるロール状の積層材料を準備した。
【0054】
次に、図11に示すように、前記積層材料(A)をターンローラー(R1)を介して、送りローラー(R2)に受け渡し、その際、前記ターンローラー(R1)と前記送りローラー(R2)との間に備えられている送りセンサー(S)によるピッチ制御された凸部(T)を有するローラーと凹部(U)を有するローラーとを組み合わせた形態で形成され、アイマークなどを検知して定位位置で凹凸を形成することができる隆起付けローラー(E)により、前記タブ材(7)の掴み部(8)に対応する位置に凹凸形状の隆起部分(4a)を形成した。
【0055】
引き続き、成形マンドレル(M)と打ち抜き部(C)を有する成形機による成形工程で前記積層材料(A)を通常通り打ち抜き・成形を行って、底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有し、隆起部分(4a)を備えた天板(2)からなる容器本体を作製した。
【0056】
次に、図3に示すように、前記飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に該タブ材(7)を移動させ、また該飲み口部(3)を覆うようにトランスファー(10)を移動させ、該タブ材(7)のうち該飲み口部(3)を覆う部分を該トランスファー(10)の上を覆うように、及び該飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に接着する部分の一部が隆起部分(4a)上になるようにタブ材(7)を送り込み、図4に示すように、仮シールコテ(11)を該トランスファー(10)と該隆起部分(4a)の間に挿入して、図5に示すように、該飲み口部(3)の上部の天板(2)に該タブ材(7)を接着させた。
【0057】
そして、前記トランスファー(10)を接着と同時に仮シールコテ(11)に沿って上昇させた後、該仮シールコテ(11)を移動させて、図1及び図2に示すように、最後に該容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該タブ材(7)を天板(2)に完全に接着させて、密封した該容器(1)を得た。
【0058】
<評価>
実施例1で得た天板構造を有する紙製液体容器を用いて、飲み口部を覆うタブ材の剥がし易さを評価したところ、指掛かりが容易に得られ、剥離性に優れていた。
【0059】
<実施例2>
実施例1と同一の材質構成の容器本体のロール状の積層材料(A)とタブ材(7)を準備し、まず、成形マンドレル(M)と打ち抜き部(C)を有する成形機による成形工程で前記積層材料(A)を通常通り打ち抜き・成形を行って、底板(6)、側壁(5)及び飲み口部(3)を有し、プレーンな天板(2)を備えた容器本体を作製した。
【0060】
次に、図8に示すように、前記飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に長方形の断面を有する立方体形状からなる浮きブロック(4b)を移動させ、また該飲み口部(3)を覆うようにトランスファー(10)を移動させ、該タブ材(7)のうち該飲み口部(3)を覆う部分を該トランスファー(10)の上を覆うように、及び該飲み口部(3)の上部となる天板(2)部分に接着する部分の一部が浮きブロック(4b)上になるようにタブ材(7)を送り込み、図9に示すように、仮シールコテ(11)を該トランスファー(10)と該浮きブロック(4b)の間に挿入して、図10に示すように、該飲み口部(3)の上部の天板(2)に該タブ材(7)を接着させ、該トランスファー(10)を接着と同時に該仮シールコテ(11)に沿って上昇させ、最後に該仮シールコテ(11)と該浮きブロック(4b)を移動させて、図6及び図7に示すように、最後に該容器(1)の飲み口部(3)を覆って、該タブ材(7)を天板(2)に完全に接着させて、密封した該容器(1)を得た。
【0061】
<評価>
実施例2で得た天板構造を有する紙製液体容器を用いて、飲み口部を覆うタブ材の剥がし易さを評価したところ、指掛かりが容易に得られ、剥離性に優れていた。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る紙製液体容器の天板構造の1実施例を示す側断面図である。
【図2】本発明に係る紙製液体容器の天板構造の1実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法の1実施例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法の1実施例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法の1実施例を示す説明図である。
【図6】本発明に係る紙製液体容器の天板構造のその他の実施例を示す側断面図である。
【図7】本発明に係る紙製液体容器の天板構造のその他の実施例を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法のその他の実施例を示す説明図である。
【図9】本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法のその他の実施例を示す説明図である。
【図10】本発明に係る紙製液体容器の天板構造を製造する方法のその他の実施例を示す説明図である。
【図11】本発明に係る紙製液体容器の天板に隆起部分を形成する方法の1実施例を示す説明図である。
【図12】本発明に係る紙製液体容器の天板に隆起部分を形成する隆起付けローラーの部分拡大図である。
【図13】従来の紙製液体容器の天板構造の1実施例を示す側断面図である。
【図14】従来の紙製液体容器の天板構造の1実施例を示す斜視図である。
【図15】従来の紙製液体容器の天板構造のその他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0063】
1・・・紙製液体容器
2・・・天板
3・・・飲み口部
4a・・・隆起部分 4b・・・浮きブロック
5・・・側壁
6・・・底板
7・・・タブ材
8・・・掴み部
9・・・内容物
10・・・トランスファー
11・・・仮シールコテ
20・・・紙製液体容器
A・・・積層材料
R1・・・ターンローラー
R2・・・送りローラー
E・・・隆起付けローラー
S・・・送りセンサー
T・・・凸部
U・・・凹部
C・・・打ち抜き部
M・・・成形マンドレル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙を主体とした積層材料からなる底板、側壁及び飲み口部を有する天板を備えた容器本体と、前記飲み口部を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材とを具備し、内容物を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器の飲み口部を覆って、該容器を密封する前記タブ材が接着する前記天板の接着部の一部分に隆起部分を備えていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造。
【請求項2】
前記隆起部分が前記タブ材の掴み部に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の紙製液体容器の天板構造。
【請求項3】
前記隆起部分が凹凸形状、鋸刃形状、波形形状のいずれかの断面形状からなることを特徴とする請求項1又は2記載の紙製液体容器の天板構造。
【請求項4】
前記接着するタブ材の部分が前記飲み口部を覆わない範囲の三分の一以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造。
【請求項5】
紙を主体とした積層材料からなる底板、側壁及び飲み口部を有する天板を備えた容器本体と、前記飲み口部を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材とを具備し、内容物を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器の飲み口部を覆って、該容器を密封する前記タブ材が接着する前記天板の接着部の一部分に未接着部を備えていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造。
【請求項6】
前記未接着部が前記タブ材の掴み部に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項5記載の紙製液体容器の天板構造。
【請求項7】
前記接着するタブ材の部分が前記飲み口部を覆わない範囲の三分の一以上であることを特徴とする請求項5又は6記載の紙製液体容器の天板構造。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、容器の飲み口部の上部となる天板部分に該タブ材を移動させ、また該飲み口部を覆うようにトランスファーを移動させ、該タブ材のうち該飲み口部を覆う部分を該トランスファーの上を覆うように、及び該飲み口部の上部となる天板部分に接着する部分の一部が隆起部分上になるようにタブ材を送り込み、仮シールコテを該トランスファーと該隆起部分との間に挿入して、該飲み口部の上部の天板に該タブ材を接着させ、該トランスファーを接着と同時、または接着後に該仮シールコテに沿って上昇させ、最後に該仮シールコテを移動させることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項9】
前記隆起部分をターンローラーと送りローラーとの間に備えられた隆起付けローラーにより形成することを特徴とする請求項8記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項10】
前記隆起付けローラーが凸部を有するローラーと凹部を有するローラーとから形成されていることを特徴とする請求項9記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項11】
前記隆起部分を前記タブ材の掴み部に対応する位置に形成することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項12】
前記隆起部分を凹凸形状、鋸刃形状、波形形状のいずれかの断面形状に形成することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項13】
前記接着するタブ材の部分を前記飲み口部を覆わない範囲の三分の一以上にすることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項14】
請求項5乃至7のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、容器の飲み口部の上部となる天板部分に浮きブロックを移動させ、また該飲み口部を覆うようにトランスファーを移動させ、該タブ材のうち該飲み口部を覆う部分を該トランスファーの上を覆うように、及び該飲み口部の上部となる天板部分に接着する部分の一部が浮きブロック上になるようにタブ材を送り込み、仮シールコテを該トランスファーと該浮きブロックとの間に挿入して、該飲み口部の上部の天板に該タブ材を接着させ、該トランスファーを接着と同時、または接着後に該仮シールコテに沿って上昇させ、最後に該仮シールコテと該浮きブロックとを移動させることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項15】
前記浮きブロックが正方形、長方形、二等辺三角形のいずれかの断面を有する立方体形状からなることを特徴とする請求項14記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項16】
前記接着するタブ材の部分を前記飲み口部を覆わない範囲の三分の一以上にすることを特徴とする請求項14又は15記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項1】
紙を主体とした積層材料からなる底板、側壁及び飲み口部を有する天板を備えた容器本体と、前記飲み口部を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材とを具備し、内容物を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器の飲み口部を覆って、該容器を密封する前記タブ材が接着する前記天板の接着部の一部分に隆起部分を備えていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造。
【請求項2】
前記隆起部分が前記タブ材の掴み部に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の紙製液体容器の天板構造。
【請求項3】
前記隆起部分が凹凸形状、鋸刃形状、波形形状のいずれかの断面形状からなることを特徴とする請求項1又は2記載の紙製液体容器の天板構造。
【請求項4】
前記接着するタブ材の部分が前記飲み口部を覆わない範囲の三分の一以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造。
【請求項5】
紙を主体とした積層材料からなる底板、側壁及び飲み口部を有する天板を備えた容器本体と、前記飲み口部を覆って接着し、密封する柔軟性を有するタブ材とを具備し、内容物を充填密封してなる紙製液体容器の天板構造において、前記容器の飲み口部を覆って、該容器を密封する前記タブ材が接着する前記天板の接着部の一部分に未接着部を備えていることを特徴とする紙製液体容器の天板構造。
【請求項6】
前記未接着部が前記タブ材の掴み部に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項5記載の紙製液体容器の天板構造。
【請求項7】
前記接着するタブ材の部分が前記飲み口部を覆わない範囲の三分の一以上であることを特徴とする請求項5又は6記載の紙製液体容器の天板構造。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、容器の飲み口部の上部となる天板部分に該タブ材を移動させ、また該飲み口部を覆うようにトランスファーを移動させ、該タブ材のうち該飲み口部を覆う部分を該トランスファーの上を覆うように、及び該飲み口部の上部となる天板部分に接着する部分の一部が隆起部分上になるようにタブ材を送り込み、仮シールコテを該トランスファーと該隆起部分との間に挿入して、該飲み口部の上部の天板に該タブ材を接着させ、該トランスファーを接着と同時、または接着後に該仮シールコテに沿って上昇させ、最後に該仮シールコテを移動させることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項9】
前記隆起部分をターンローラーと送りローラーとの間に備えられた隆起付けローラーにより形成することを特徴とする請求項8記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項10】
前記隆起付けローラーが凸部を有するローラーと凹部を有するローラーとから形成されていることを特徴とする請求項9記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項11】
前記隆起部分を前記タブ材の掴み部に対応する位置に形成することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項12】
前記隆起部分を凹凸形状、鋸刃形状、波形形状のいずれかの断面形状に形成することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項13】
前記接着するタブ材の部分を前記飲み口部を覆わない範囲の三分の一以上にすることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項14】
請求項5乃至7のいずれか1項記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法において、容器の飲み口部の上部となる天板部分に浮きブロックを移動させ、また該飲み口部を覆うようにトランスファーを移動させ、該タブ材のうち該飲み口部を覆う部分を該トランスファーの上を覆うように、及び該飲み口部の上部となる天板部分に接着する部分の一部が浮きブロック上になるようにタブ材を送り込み、仮シールコテを該トランスファーと該浮きブロックとの間に挿入して、該飲み口部の上部の天板に該タブ材を接着させ、該トランスファーを接着と同時、または接着後に該仮シールコテに沿って上昇させ、最後に該仮シールコテと該浮きブロックとを移動させることを特徴とする紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項15】
前記浮きブロックが正方形、長方形、二等辺三角形のいずれかの断面を有する立方体形状からなることを特徴とする請求項14記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【請求項16】
前記接着するタブ材の部分を前記飲み口部を覆わない範囲の三分の一以上にすることを特徴とする請求項14又は15記載の紙製液体容器の天板構造の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−81132(P2008−81132A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−260307(P2006−260307)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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