説明

紫外線遮断用複合分散液、及びその製造方法

【課題】分散質として微粒の酸化亜鉛と酸化チタンを共分散させ、長波長紫外線(UV−A)と中波長紫外線(UV−B)の両方の波長域の紫外線に対して效果的な紫外線遮断ができるようにし、かつ安全で、製造が容易な紫外線遮断用複合分散液、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】紫外線遮断用複合分散液は、平均粒径が30〜80nmの範囲にある酸化亜鉛を、酸化亜鉛の重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングされた酸化亜鉛と、平均粒径が30〜80nmの範囲にある酸化チタンを、酸化チタンの重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングされた酸化チタンとでなり、コーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンを、最終組成で40〜60重量%の範囲でシリコーンオイル中に共分散させてなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紫外線遮断用複合分散液及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、分散質として微粒の酸化亜鉛と酸化チタンを共分散させて長波長紫外線(Ultraviolet−a;UV−A)及び中波長紫外線(Ultraviolet−b;UV−B)の領域に対して效果的な紫外線遮断ができるようにし、安全性が優秀であり、生産が容易な紫外線遮断用複合分散液及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球環境変化によるオゾン層の崩壊で紫外線の地表面到達量が増加して、生物界に対して突然変異、癌誘発、老化促進、肌しわ形成など多くの問題が発生している。元気な生活と、寿命延長を追い求める一般人にとって、紫外線による人体の被害と予防が生活の知恵として認識され、これまで夏のシーズンにのみに主に使われてきた紫外線遮断剤が、最近では一年間を通しての使用されるのが一般になってきている。また、高齢人口層の増加と生活水準の向上に伴い、生活の質(Quality of Life、QOL)に対する関心が増え、化粧品市場も多くの機能を持つ高級化製品が増大している。特に、紫外線遮断機能のある化粧品は、紫外線による肌老化を防止し、若くて弾力ある肌を渇求する女性の要望がかみ合って化粧品業界の焦眉の関心分野になっている。
【0003】
現在使われる紫外線遮断剤は、紫外線を吸収する有機紫外線吸収剤と、紫外線を散乱、分散する無機紫外線遮断剤に分類される。
【0004】
有機紫外線吸収剤は、ベンゼン環のオルト位またはパラ位にアミノ基、メトキシ基などの電子供与基がある芳香族カルボン酸化合物であり。短波長で高エネルギーの紫外線を吸収し、人体に害の少ない低エネルギーに変換させて放出している。これは、この化学構造が紫外線の吸収に有利な共鳴構造を持っているからである。しかし、パラアミノ安息香酸(PABA)、パラアミノ安息香酸グルリセリル(Glyceryl p−Aminobenzoate)などは、紫外線吸収效果が優秀であるが、安全性に問題がある。
【0005】
紫外線吸収剤は、化合物により遮断效果のある波長域が異なるので、種類の異なる紫外線吸収剤を組合わせて使うことで、遮断領域を広くすることができる長所があるが、種類や使用量を増やすことによって肌に対して刺激を強め、肌を痛めることがあり、使用可能な紫外線吸収剤の範囲と使用量が厳格に制限されている。PABAとその誘導体、サリチル酸誘導体、ケイ皮酸誘導体は、古くから使われている紫外線遮断剤である。このうち、ケイ皮酸誘導体であるオクチルメトキシけい皮酸(Octylmethoxy Cinnamate、OMC)、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(Butyl Methoxydibenzoyl Methane、BMDM)は、広く使われる物質であり、ベンゾフェノン(Benzophenone)系物質も長波長紫外線吸収剤として使われるが、これらは、肌に対する安全性が問題視されている。特に、1940年代以後最も一般的に使用されてきたPABAとその誘導体は、このような理由で使用量が減少する趨勢である。代表的な紫外線吸収剤の紫外線吸収スペクトルを図1に示した。
【0006】
無機紫外線遮断剤は、紫外線と可視光線を反射または分散させる不透明な物質であり、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)が主として使われている。一般的な無機物質を原料としてする無機紫外線遮断剤は、肌塗布後に紫外線遮断效果の低下がなく、配合量に対する規制が少なく、無機物質を原料として使用することで安全性が高く、紫外線吸収波長域が広いという長所がある。酸化チタンや酸化亜鉛は、隠蔽效果は優秀であるが、化粧品としての機能を損なうことがあるので過剰な量の配合は不可能である。しかし、平均粒径が小さな超微粒子酸化チタンは、図2に示したように、紫外線防御效果が優れ、超微粒子であるから、塗った後に肌を浮き立ったように見えないようにするので、自然な仕上げ效果を得ることができる。
【0007】
酸化チタンは、粒子径が小くなると、紫外線散乱效果は減少するが、紫外線を吸収する性質が現われてくる。このように、超微粒子酸化チタンが紫外線吸収能を現わすことは、超微粒子状態では低いエネルギー状態の酸化チタンが紫外線を吸収して高いエネルギー状態へ変わることによっている。酸化亜鉛の場合、長波長紫外線遮断效果が優秀なので、超微粒子酸化チタンと酸化亜鉛とを適当に混合すれば、肌をやや濁っているようにすることなく、長波長紫外線と中波長紫外線を遮断することができる效果を得ることができる。
【0008】
無機紫外線遮断剤は、次のような長所が挙げられる。
−肌に塗った後、時間の経過による紫外線遮断效果の低下が少ない。
−配合限度に対する法的な規制が少ない。
−安全性が高い。
−紫外線吸収波長域が広い。
【0009】
特に、化粧品の製造では、無機紫外線遮断剤として酸化チタンと酸化亜鉛が広く使われている。酸化チタンと酸化亜鉛は、光に対する高い屈折率で紫外線を散乱させ、酸化チタンは主に中波長紫外線を遮断し、酸化亜鉛は主に長波長紫外線を遮断するようになる。表1には、無機紫外線遮断剤として酸化チタンと酸化亜鉛との屈折率を示した。
【0010】
【表1】

【0011】
無機紫外線遮断剤は、物質が持つ光学特性である高屈折率による紫外線散乱效果が優れているが、粒子が小くなると、紫外線散乱能力は減るが、紫外線吸収能力を持つようになって広範囲な紫外線遮断效果が可能であり、肌塗布時、使用質感が改善する特性も持っていて無機界微粒子紫外線遮断剤の需要と使用量が増加している。
【0012】
しかし、これら無機物質の高い屈折率による紫外線遮断效果は、比較的優れているが、濃度が高くなるほど化粧品としての使用質感が悪くなると共に、化粧品の白濁現象を誘発する短所がある。また、無機紫外線遮断剤は、肌塗布後に肌に白く残るようになる白濁現象が発生するようになる問題点があり、無機粒子が微細になると分散性も悪くなり、分散液の製造が難しくなる。また、微粒子無機物の触媒作用によって活性酸素が発生して肌に有害となることもある。
【0013】
化粧品に使われる酸化亜鉛は、長波長紫外線領域の紫外線遮断效果以外に、優秀な収斂效果と薬理作用があるが、化粧品の乳化、分散系製品での使用が難しい最大の理由は、殆どの化粧品用粉体は、粒子表面がマイナス(−)に荷電されているのに対し、酸化亜鉛はプラス(+)に強く荷電されていることにある。従って、酸化チタンなどと酸化亜鉛を混用して使うためには、予めて酸化亜鉛の表面を処理する特別な措置が必要である。
【0014】
また、酸化チタンと酸化亜鉛微粒粉体間の分散特性の差により一般的な化粧品製造設備では分散效率と分散液品質が低くなり、分散性向上のための3段ローラー処理などの前処理分散工程が追加的に必要になって化粧品製造工程が増えるという問題点がある。また、このような前処理工程を経た分散液でも、粉体の再凝集、さらに沈降することがあり、白濁現象による化粧品の保存性、使用質感の低下などさまざまな問題が発生するようになる。
【0015】
現在常用化されている無機紫外線遮断剤の中で、酸化チタン分散液は酸化チタンの含量が40%内外、酸化亜鉛分散液は50%内外で流通しており、分散液に使われる粉体の粒子径は凡そ50ないし80nmである。しかし、現在の紫外線遮断用無機界分散液は、紫外線遮断と、使用質感改善、白濁現象防止を同時に満足しようとするには未だ改善の余地が多い。
【0016】
この問題点の解決には、酸化チタンと酸化亜鉛などの粒子の分散、安定性を改善し、化粧品の成分として好ましい形態にすることである。酸化チタンと酸化亜鉛を化粧品に適用するという観点から、酸化亜鉛、酸化チタンのそれぞれを、シリカ被覆して配合した化粧品〔特許文献1参照〕、酸化チタンや酸化亜鉛を用いて粒子の表面に酸化セリウムを被覆した化粧品原料〔特許文献2参照〕などの報告がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2007−016111号公報
【特許文献2】特開2000−119152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、分散質として微粒の酸化亜鉛と酸化チタンを共分散させ、長波長紫外線(Ultraviolet−a;UV−A)と中波長紫外線(Ultraviolet−b;UV−B)の両方の波長域の紫外線に対して效果的な紫外線遮断ができるようにし、かつ安全で、製造が容易な紫外線遮断用複合分散液、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明による紫外線遮断用複合分散液は、平均粒径が30〜80nmの範囲にある酸化亜鉛を、酸化亜鉛の重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングされた酸化亜鉛と、平均粒径が30〜80nmの範囲にある酸化チタンを、酸化チタンの重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングされた酸化チタンとでなり、コーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンを、最終組成で40〜60重量%の範囲でシリコーンオイル中に共分散させてなっている。
【0020】
紫外線遮断用複合分散液中のシリコーンオイルは、メチコン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシカプリルイルシラン(Triethoxycarpryrylsilane)、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、アクリレートトリデシルアクリレートトリエトキシシリルプロピルメタクリレートジメチコンコポリマー、アクリルシリコーン,セチルジメチコン共重合体、アミノ−プロピルジメチコン、これらからの2種以上の混合物、でなるグループから選択されるのが好ましい。
【0021】
紫外線遮断用複合分散液中の脂肪酸は、マグネシウムミリスタート、アルミニウムミリスタート、ナトリウムミリスタート、カルシウムミリスタート、マグネシウムステアラート、アルミニウムステアラート、ナトリウムステアラート、カルシウムステアラート、これらからの2種以上の混合物、でなるグループから選択されるのが好ましい。
【0022】
酸化亜鉛と酸化チタンがコーティングされるコーティング剤は、シリコーンオイルであるのが好ましい。
【0023】
紫外線遮断用複合分散液中のコーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンは、重量比が[0.1:99.9]〜[99.9:0.1]の範囲であるのが好ましい。
【0024】
本発明による紫外線遮断用複合分散液の製造方法は、(1)30〜80nmの範囲の平均粒径を持つ酸化亜鉛に、酸化亜鉛の重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてをコーティングさせる酸化亜鉛のコーティング段階、(2)30〜80nmの範囲の平均粒径を持つ酸化チタンに、酸化チタンの重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングさせる酸化チタンのコーティング段階、及び(3)コーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンを、最終分散液の重量を基準に40〜60重量%の範囲でシリコーンオイルを分散媒として共分散させる共分散段階、を含んでなっている。
【0025】
紫外線遮断用複合分散液の製造方法で用いられるシリコーンオイルは、メチコン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシカプリルイルシラン(Triethoxycarpryrylsilane)、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、アクリレートトリデシルアクリレートトリエトキシシリルプロピルメタクリレートジメチコンコポリマー、アクリルシリコーン、セチルジメチコン共重合体、アミノ−プロピルジメチコン、これらからの2種以上の混合物、でなるグループから選択されるのが好ましい。
【0026】
紫外線遮断用複合分散液の製造方法で用いられる脂肪酸は、マグネシウムミリスタート、アルミニウムミリスタート、ナトリウムミリスタート、カルシウムミリスタート、マグネシウムステアラート、アルミニウムステアラート、ナトリウムステアラート、カルシウムステアラート、これらからの2種以上の混合物、でなるグループから選択されるのが好ましい。
【0027】
紫外線遮断用複合分散液の製造方法において酸化亜鉛と酸化チタンがコーティングされるコーティング剤は、シリコーンオイルであるのが好ましい。
【0028】
紫外線遮断用複合分散液の製造方法において、コーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンは、重量比が[0.1:99.9]〜[99.9:0.1]の範囲とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、分散質として微粒の酸化亜鉛と酸化チタンを共分散させて長波長紫外線と中波長紫外線の両領域の紫外線に対して紫外線遮断が效果的に行われ、かつ安全性が優れ、製造が容易な紫外線遮断用複合分散液及びその製造方法が提供される.
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】代表的な有機紫外線吸収剤の紫外線吸収スペクトルを示している。
【図2】酸化チタンの粒子径による紫外線遮断率を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、紫外線遮断効果と使用質感が優れた紫外線遮断化粧品を製造するために、平均粒径30〜80nmの酸化亜鉛と酸化チタンを使った高濃度、高機能の複合分散液を開発するものである。
【0032】
従来の技術により製造される分散液の場合、酸化チタンと酸化亜鉛が高濃度の場合には分散質である粉体の比表面積が大きくなると分散性が低下して、化粧品製造の效率が悪くなり、例えば、粒子径が30nm以下であると、肌に塗布されたとき、紫外線の過度な散乱により青っぽい色合いの感じを与え、この化粧品を使用した人に病人のような印象を与えるようになる恐れがある。さらに、酸化チタンは粉体表面がマイナス(−)に荷電され、そして酸化亜鉛はプラスに(+)荷電されているので、この二つの粉体をそのまま使用すれば、二つの粉体間の凝集作用により、白濁現象及び沈降現象が発生するようになる問題点がある。従って、本発明は、この問題を解決すべく、酸化チタンと酸化亜鉛それぞれの粉体表面をシリコーンオイル、脂肪酸などで表面改質して、酸化チタンと酸化亜鉛が共分散できるようにしたことに特徴がある。
【0033】
共分散を可能にするには、無機粉体の含量と無機粉体の粒径及び形状、無機粉体の表面状態などを適切に制御するのが必須であり、特に、紫外線遮断用分散液の製造工程と品質管理において重要な管理要素となる。本発明では、このような管理要素の制御において、特に無機粉体表面を適切に改質することによって、これまで報告されていない高粉体含量と、微細な酸化チタンと酸化亜鉛が複合分散液となるようにした。本発明による粉体表面処理技術と分散技術を活用して、酸化チタンと酸化亜鉛の間で凝集なしに長波長紫外線と中波長紫外線とを同時に遮断して、使用質感の改善と白濁現象がない高濃度複合分散液を提供するようにする。
【0034】
本発明による紫外線遮断用複合分散液は、シリコーンオイルまたは脂肪酸でコーティングされた酸化亜鉛と、シリコーンオイルまたは脂肪酸でコーティングされた酸化チタンを、シリコーンオイル中に共分散させてなっている。
【0035】
ここで、シリコーンオイルまたは脂肪酸でコーティングされた酸化亜鉛は、シリコーンオイル中への分散に先立って、平均粒径が30〜80nmの範囲の酸化亜鉛を、酸化亜鉛の重量に対して4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングさせたものである。
【0036】
同様に、シリコーンオイルまたは脂肪酸でコーティングされた酸化チタンは、シリコーンオイル中への分散に先立って、平均粒径が30〜80nmの範囲の酸化チタンを、酸化チタンの重量に対して4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングさせたものである。
【0037】
そして、コーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンを、最終分散液に対して40〜60重量%の範囲で、シリコーンオイル中に共分散させる。
【0038】
原材料となる酸化亜鉛は、平均粒径が30〜80nmの範囲であり、この酸化亜鉛微粒子を、コーティング剤としてシリコーンオイルまたは脂肪酸でコーティングさせる。この時、コーティング剤のコーティング量は、酸化亜鉛の重量を基準にして4〜10%の範囲となるようにする。酸化亜鉛の平均粒径の範囲が30nm未満であると、粉体の比表面積が大きくなって、分散媒で使われるシリコーンオイルの吸油量が大きくなり、分散性が低下する問題点があり、反対に80nmを超えると、分散後に白濁が生じ、使用質感が低下し、さらに紫外線遮断效果が悪くなる問題点がある。
【0039】
一方、原材料となる酸化チタンは、平均粒径が30〜80nmの範囲であり、この酸化チタン微粒子を、コーティング剤としてシリコーンオイルまたは脂肪酸でコーティングさせる。この時、コーティング剤のコーティング量は、酸化チタンの重量を基準にして4〜10%の範囲となるようにする。酸化チタンの平均粒径の範囲が30nm未満であると、化粧品として肌に塗布されたときに紫外線散乱により青っぽい色合い感で、病人のような印象を与え、さらに粉体の比表面積が大きくなることで、分散媒で使われるシリコーンオイルの吸油量が大きくなって分散性が低下する問題点があり、反対に80nmを超えると、分散後に白濁が生じ、使用質感が低下し、さらに紫外線遮断效果が悪くなる問題点がある。
【0040】
酸化亜鉛、酸化チタンのコーティング方法は、大きく乾式法、湿式法及び溶剤コーティング法などで実施でき、当該技術分野で通常の知識を持った者にはこれらの中で適切なコーティング法を選択できる。好ましいコーティング方法として溶剤コーティング法を挙げることができる。すなわち、先ずコーティング剤の種類によって適切な溶剤を選択し、この溶剤にコーティング剤を溶解させ、次いで酸化亜鉛または酸化チタンを浸漬、含浸させる。次いで、酸化亜鉛または酸化チタンを溶液から取り出し、ろ過した後、減圧蒸溜などの通常の方法によって溶剤を除いて、無機粉体の表面上にコーティング剤が残るようにする。溶剤として好ましくは、分子中に親水性部と疎水性部を適切なバランスで持つものがよく、具体的にはイソプロピルアルコール(IPA)が好ましく選ばれる。しかし、本発明がイソプロピルアルコールに限定されるものではなく、コーティングしようとするコーティング剤の種類によって、すなわちシリコーンオイルや脂肪酸を溶解させるために適切な溶剤が選択される。乾式法でコーティングをする場合、沈降が起きることができるが、化粧品の製造直前に一般的に使われる化粧品製造用分散設備を利用して再分散することで使用が可能になる。
【0041】
コーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンは、分散媒としてシリコーンオイル中に、最終分散液を基準に40〜60重量%の範囲で共分散され、複合分散液が製造される。ここで、共分散は、2種またはその以上の物質が、一つの分散システム、すなわち一分散媒内に一緒に分散することを意味する。従来の技術による酸化亜鉛と酸化チタンを一緒に分散させると、酸化亜鉛がプラスに荷電され、酸化チタンがマイナスに荷電されていることにより、粉体間の静電気的引力によって凝集され、粒子の集合現象が発生して分散させるのが難しく、共分散させるために工程の追加及び設備の追加などを行わねばならず、製造が難しく、生産費が増加し、生産性の低下といった短所があった。
【0042】
本発明では、酸化亜鉛と酸化チタンを、分散前に予めシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてでコーティングさせており、これにより互いに反対の極性に帯電した粒子が静電気的に凝集する現象を避けることができる。従って、共分散が可能であり、分散手続きすなわち、複合分散液を作るのが容易になるという長所を持っている。
【0043】
コーティング剤として使用されるシリコーンオイルは、メチコン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシカプリルイルシラン(Triethoxycarpryrylsilane)、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、アクリレートトリデシルアクリレートトリエトキシシリルプロピルメタクリレートジメチコンコポリマー、アクリルシリコーン、セチルジメチコン共重合体、アミノ−プロピルジメチコン、これらからの2種以上の混合物、でなるグループから選択することができる。
【0044】
脂肪酸は、マグネシウムミリスタート、アルミニウムミリスタート、ナトリウムミリスタート、カルシウムミリスタート、マグネシウムステアラート、アルミニウムステアラート、ナトリウムステアラート、カルシウムステアラート、これらからの2種以上の混合物、でなるグループから選択することができる。
【0045】
好ましくは、コーティング剤はシリコーンオイルである。これは、後続の共分散において、分散媒としてシリコーンオイルが使われるので、その混和性が良いことと、その安全性に優れていることにある。シリコーンオイルは、低粘度のさわやかな感触を提供することができるオイルとして、シリコーンオイルを分散媒で使用する分散系は、粒子の表面電荷に大きく影響されずに分散が可能であり、サンスクリーンなどの化粧品の油分として広く使われていて化粧品としての処方が容易くできるという長所を持つ。
【0046】
特に、シリコーンオイルを分散媒で使うとき、好ましくは、シリコーン系界面活性剤を一緒に使って分散を促進させることができる。シリコーン系界面活性剤としては、PEG−11 メチルエーテルジメチコン、PEG/PPG−20/22 ブティルエテルジメチコン、PEG−3ジメチコン、PEG−9ジメチコン、PEG−10 ジメチコン、PEG−32 メチルエーテルジメチコン、PEG−9 ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリグルリセリル−3 デ−シルロックサンジメチコン、ポリグルリセリル−3 ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリル ポリグルリセリル−3 ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなどが挙げられる。
【0047】
本発明では、無機粉体として酸化亜鉛と酸化チタンをコーティングして使うので、これら無機粉体間の静電気的な凝集現象を避けることができる。すなわち、一種の無機粉体を分散させることと同じまたは類似の方法で共分散をさせるのが可能である。従って、当業者に公知な分散法を用いて分散媒としてシリコーンオイル内にコーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンを共分散させることは容易に実施することができる。
【0048】
コーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンは、混合比が重量比で[0.1:99.9]〜[99.9:0.1]の範囲で共分散される。このコーティングされた酸化亜鉛と酸化チタンの混合比が広いことは、これらの無機粉体間の混合比が共分散に影響を与えないからであり、これは予め酸化亜鉛と酸化チタンをコーティング剤でコーティングして、表面特性をお互いに同一または近似に調整したからである。特に、酸化亜鉛と酸化チタンの混合比は、これを含む化粧品製品を適切に選択することができ、特に、主に遮断しようとする紫外線の波長によって長波長紫外線遮断用と中波長紫外線遮断用で特化させるか、またはこれら長波長紫外線と中波長紫外線の全域に対して遮断することができる化粧品用に選択して使うことができ、当業者には、その選択幅が広いことが理解できるであろう。
【0049】
本発明による紫外線遮断用複合分散液の製造方法は、(1)30〜80nmの範囲の平均粒径を持つ酸化亜鉛に、酸化亜鉛の重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてをコーティングさせる酸化亜鉛のコーティング段階、(2)30〜80nmの範囲の平均粒径を持つ酸化チタンに、酸化チタンの重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングさせる酸化チタンのコーティング段階、及び(3)コーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンを、最終分散液の重量を基準に40〜60重量%の範囲でシリコーンオイルを分散媒として共分散させる共分散段階、を含んでなっている。
【0050】
(1)の酸化亜鉛のコーティング段階は、30〜80nmの範囲の平均粒径を持つ酸化亜鉛に、酸化亜鉛の重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングさせ、次いで、コーティングされた酸化亜鉛を分離することでなる。
【0051】
(2)の酸化チタンコーティング段階は、30〜80nmの範囲の平均粒径を持つ酸化チタンに、酸化チタンの重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングさせ、次いでコーティングされた酸化チタンを分離することでなる。
【0052】
(3)の共分散段階は、コーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンを、最終分散液の重量を基準に40〜60重量%の範囲でシリコーンオイルを分散媒として分散させることでなる。
【0053】
コーティング量、コーティング方法、分散量及び分散方法は、上記した本発明の紫外線遮断用複合分散液に対して説明したと同じであり、繰り返しの説明は省略する。
【0054】
シリコーンオイルは、メチコン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシカプリルイルシラン(Triethoxycarpryrylsilane)、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、アクリレートトリデシルアクリレートトリエトキシシリルプロピルメタクリレートジメチコンコポリマー、アクリルシリコーン、セチルジメチコン共重合体、アミノ−プロピルジメチコン、これらからの2種以上の混合物、でなるグループから選択することができる。
【0055】
脂肪酸は、マグネシウムミリスタート、アルミニウムミリスタート、ナトリウムミリスタート、カルシウムミリスタート、マグネシウムステアラート、アルミニウムステアラート、ナトリウムステアラート、カルシウムステアラート、これらからの2種以上の混合物、でなるグループから選択することができる。
【0056】
好ましくは、コーティング剤は、シリコーンオイルである。
【0057】
コーティングされた酸化亜鉛微粒子とコーティングされた酸化チタン微粒子の共分散は、コーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンのそれぞれの微粒子を、混合比が重量比で[0.1:99.9]〜[99.9:0.1]の割合とすることができる。
【0058】
以下、本発明の実施例を、比較例を挙げながら記載する。
以下の実施例は、本発明を例示するためであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0059】
〔粒子径による分散への影響〕
酸化亜鉛と酸化チタンの粒子径による分散への影響を実験した。
原料としては酸化亜鉛と酸化チタンを用い、粒子径及び分散割合を下記の表2のように条件を変えてシリコーンオイル中に共分散させた。この共分散液をさらにシクロペンタシロキサン(Cyclopentasiloxane)に分散させ、試験管内での紫外線遮断指数(SPF;Sun Protection Factor)、及びUV−A遮断指数(PA;Protection Grade of UV−A)を測定した。
【0060】
紫外線遮断指数(SPF)は、次のように計算した。
【数1】

式中、MEDは、最小紅斑量(Minimal Erythema Dose)であり、SPF値の1は、紫外線UV−Bを30分位遮断することができることであり、値が大きい程紫外線UV−Bの遮断がよい。
【0061】
UV−A遮断指数(Protection Grade of UVA)は次のように計算した。
【数2】

式中、MPPDは、最小持続型即時黒化量(Minimal Persistent Pigment Darkening Dose)であり、PAは、3段区分法で表記され、PFAが2〜4未満は、 PA“+”、4〜8未満は、PA“++”、8以上は、PA“+++”と区分する。すなわち、“+”はUV−A遮断效果あり、“++”、“+++”の順にUV−A遮断效果がさらに高い。
白濁度は、白濁の発生有無を肉眼観測した。
【0062】
結果を表2に示す。
【表2】

【0063】
通常200nm以上の酸化チタンと酸化亜鉛は、紫外線遮断よりは肌欠点の隠蔽力と色素の稀釈の用途で使用され、紫外線遮断效果は大きく期待できない。表2に示したように、粒子径が35〜50nmの微粒子を使うことで白濁が生じないことが確認できた。
【実施例2】
【0064】
〔コーティング剤の影響〕
酸化亜鉛と酸化チタンについて、コーティング剤による分散への影響を実験した。
原料として平均粒子径35nmの酸化亜鉛と平均粒子径50nmの酸化チタンを用い、それぞれシリコーンオイルとしてハイドロゲンジメチコンに、または脂肪酸としてマグネシウムステアラートをコーティング剤としてコーティングし、コーティングされた酸化亜鉛あるいはコーティングされた酸化チタンを、分散割合50重量%あるいは60重量%でシリコーンオイル中に共分散させた。この共分散液をさらにシクロペンタシロキサンに分散させた後に、沈降の有無を肉眼判定した。
【0065】
結果を表3に示す。
【表3】

【0066】
表3に示したように、ハイドロゲンジメチコンでも、マグネシウムステアラートでも、適切にコーティングされて、分散液は、沈降が生じない安定であることが確認できた。
【実施例3】
【0067】
〔コーティング量の影響〕
酸化亜鉛と酸化チタンのコーティング量による分散での影響を実験した。
原料としては平均粒子径35nmの酸化亜鉛と平均粒子径50nmの酸化チタンを用い、それぞれシリコーンオイルとしてハイドロゲンジメチコンに、または脂肪酸としてマグネシウムステアラートをコーティング剤として、コーティング量を変えてコーティングし、コーティングされた酸化亜鉛あるいはコーティングされた酸化チタンを、分散割合50重量%あるいは60重量%でシリコーンオイル中に共分散させた。この共分散液をさらにシクロペンタシロキサンにさらに分散させた後に、沈降の有無を肉眼判定した。
【0068】
結果を表4に示す。
【表4】

【0069】
表4に示したように、ハイドロゲンジメチコン、マグネシウムステアラートのいずれの場合でも、適切なコーティング量(4〜10重量%)であれば、沈降現象が生じない安定した分散が可能であり、適切な範囲の外では、沈降が発生する程に不安定性であることが観察された。
【実施例4】
【0070】
〔コーティング方法の影響〕
酸化亜鉛と酸化チタンのコーティング方法による分散への影響を実験した。
原料としては平均粒子径35nmの酸化亜鉛と平均粒子径50nmの酸化チタンを用い、それぞれシリコーンオイルとしてハイドロゲンジメチコンに、または脂肪酸としてマグネシウムステアラートをコーティング剤としてそれぞれ4〜10重量%を、乾式コーティング、湿式コーティング、溶剤コーティングのそれぞれでコーティングし、コーティングされた酸化亜鉛あるいはコーティングされた酸化チタンを、分散割合50重量%あるいは60重量%でシリコーンオイル中に共分散させた。この共分散液をさらにシクロペンタシロキサンにさらに分散させた後に、沈降の有無を肉眼判定した。
【0071】
結果を表5に示す。
【表5】

【0072】
表5に示したように、コーティング剤の種類(シリコーンオイル、脂肪酸)及びコーティング量を問わず、溶剤コーティング方法が、沈降が起きず適切なコーティング方法であることが確認できた。
【実施例5】
【0073】
〔分散濃度の影響〕
実施例1から実施例4の結果を参照して、実施例5では、平均粒子径35nmの酸化亜鉛と平均粒子径50nmの酸化チタンを、シリコーンオイルとしてハイドロゲンジメチコンをコーティング剤として溶剤コーティング法(溶剤はイソプロピルアルコールを使用)で、6重量%コーティングした。そして、このコーティングされた酸化亜鉛とコーティングされた酸化チタンをハイドロゲンジメチコンに共分散させて複合分散液とし、日焼け止めクリーム(実施例5)に配合した。一方、比較例として、従来の方法によってコーティングされないまま酸化チタンの50%分散液(分散媒:シクロペンタシロキサン)と酸化亜鉛の50%分散液(分散媒:シクロペンタシロキサン)を単純混合した混合分散液を用意し、これを日焼け止めクリーム(比較例1)に配合した。日焼け止めクリームにおけるその他の成分は、通常の日焼け止めクリームヨング処方のものを配合した。各成分は、表6に記載した通りである。日焼け止めクリームを製造した後、試験管内での紫外線遮断指数とUV−A遮断指数の測定結果、及び肉眼判定による白濁の発生有無の結果を表6(比較例1の日焼け止めクリーム)及び表7(実施例5の日焼け止めクリーム)に示した。
【0074】
【表6】

【0075】
【表7】

【0076】
表6及び表7に示したように、本発明による複合分散液(実施例、表7)は、等しい無機粉体含量を持つ従来の単純分散液を混合した場合(比較例、表6)に比べて優れた效果を与えていることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は紫外線遮断用化粧品を製造してこれを使う産業で利用されることができる。
【0078】
以上、本発明を実施例によって詳細に説明したが、本発明は実施例によって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒径が30〜80nmの範囲にある酸化亜鉛を、酸化亜鉛の重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングされた酸化亜鉛と、
平均粒径が30〜80nmの範囲にある酸化チタンを、酸化チタンの重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングされた酸化チタンと、
前記コーティングされた酸化亜鉛と前記コーティングされた酸化チタンを、最終組成で40〜60重量%の範囲でシリコーンオイル中に共分散させてなることを特徴とする紫外線遮断用複合分散液。
【請求項2】
前記シリコーンオイルが、メチコン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシカプリルイルシラン(Triethoxycarpryrylsilane)、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、アクリレートトリデシルアクリレートトリエトキシシリルプロピルメタクリレートジメチコンコポリマー、アクリルシリコーン,セチルジメチコン共重合体、アミノ−プロピルジメチコン、これらからの2種以上の混合物、でなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の紫外線遮断用複合分散液。
【請求項3】
前記脂肪酸が、マグネシウムミリスタート、アルミニウムミリスタート、ナトリウムミリスタート、カルシウムミリスタート、マグネシウムステアラート、アルミニウムステアラート、ナトリウムステアラート、カルシウムステアラート、これらからの2種以上の混合物、でなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の紫外線遮断用複合分散液。
【請求項4】
前記コーティング剤が、シリコーンオイルであることを特徴とする請求項1に記載の紫外線遮断用複合分散液。
【請求項5】
前記コーティングされた酸化亜鉛と前記コーティングされた酸化チタンは、重量比が[0.1:99.9]〜[99.9:0.1]の範囲でであることを特徴とする請求項1に記載の紫外線遮断用複合分散液。
【請求項6】
(1)30〜80nmの範囲の平均粒径を持つ酸化亜鉛に、酸化亜鉛の重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてをコーティングさせる酸化亜鉛のコーティング段階、
(2)30〜80nmの範囲の平均粒径を持つ酸化チタンに、酸化チタンの重量を基準に4〜10重量%のシリコーンオイルまたは脂肪酸をコーティング剤としてコーティングさせる酸化チタンのコーティング段階、及び
(3)前記コーティングされた酸化亜鉛と前記コーティングされた酸化チタンを、最終分散液の重量を基準に40〜60重量%の範囲でシリコーンオイルを分散媒として共分散させる共分散段階、
を含んでなることを特徴とする紫外線遮断用複合分散液の製造方法。
【請求項7】
前記シリコーンオイルが、メチコン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシカプリルイルシラン(Triethoxycarpryrylsilane)、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、アクリレートトリデシルアクリレートトリエトキシシリルプロピルメタクリレートジメチコンコポリマー、アクリルシリコーン、セチルジメチコン共重合体、アミノ−プロピルジメチコン、これらからの2種以上の混合物、でなるグループから選択されることを特徴とする請求項5に記載の紫外線遮断用複合分散液の製造方法。
【請求項8】
前記脂肪酸が、マグネシウムミリスタート、アルミニウムミリスタート、ナトリウムミリスタート、カルシウムミリスタート、マグネシウムステアラート、アルミニウムステアラート、ナトリウムステアラート、カルシウムステアラート、これらからの2種以上の混合物、でなるグループから選択されることを特徴とする請求項5に記載の紫外線遮断用複合分散液の製造方法。
【請求項9】
前記コーティング剤が、シリコーンオイルであることを特徴とする請求項5に記載の紫外線遮断用複合分散液の製造方法。
【請求項10】
前記コーティングされた酸化亜鉛と前記コーティングされた酸化チタンは、重量比が[0.1:99.9]〜[99.9:0.1]の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の紫外線遮断用複合分散液の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−77081(P2012−77081A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199689(P2011−199689)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(509191388)イストヒル 株式会社 (3)
【Fターム(参考)】