説明

細胞保護剤を得るための3,5−セコ−4−ノル−コレスタン誘導体の使用

本発明は、神経保護剤、特に心臓保護剤又は肝臓保護剤を除いて、細胞保護薬物を得るための3,5−セコ−4−ノル−コレスタン誘導体の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経保護剤を除いて、細胞保護剤を得るための3,5−セコ−4−ノル−コレスタン誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞変性プロセスは、多くの場合、望ましくない細胞活性及び細胞死を引き起こす細胞の機能障害によって特徴付けられる。
【0003】
細胞は、ストレスに反応して適応機能を発生させ、それらの寿命を伸ばし、又は細胞死を遅延若しくは阻害する(細胞保護機構)。
【0004】
しかしながら、これらの細胞保護機構は、ある場合には不十分であり、不適切であり、又は非常に遅くなって誘導されるため、有効でなく、細胞が死滅する。したがって、細胞保護を促進する新規な細胞保護剤を有することに関心が高いことが分かってきた。
【0005】
用語「細胞保護」は、細胞死、特に病的な細胞死及び/又は細胞死へ導く細胞の機能障害に対して細胞を保護する自然力又は保護しない能力を意味する。これらの細胞の機能障害は、例えば、ATPを発生させる能力の減少、カルシウムを捕捉及び/又は保持する無能力、又はフリーラジカルの発生などのミトコンドリア起源のものであってもよい。細胞死の主要なメカニズムの中では、壊死、アポトーシス、及びネクロトーシスで本質的に区別がなされている。
【0006】
壊死は、組織に障害がある場合に起こるいわゆる「偶発的な」細胞死である。細胞のホメオスタシスの変化を引き起こす、大部分に影響を及ぼされるのは、細胞の原形質膜である。細胞は、それらの原形質膜の溶解を引き起こすまで水を吸収する。この細胞溶解は、周囲の培地に細胞質成分の放出をもたらす。壊死は、炎症過程を起源とする。
【0007】
壊死は、一連の細胞又は組織に影響を及ぼし、他の隣接する部分は生存し続ける。結果としての変形は、細胞又は組織の変化である。換言すれば、壊死は、細胞が、臓器での血液供給の中断又は減少、高熱(温度の有意な上昇)、化合物による中毒、身体的衝撃などの重大な事象の結果としてその生命の終端に到達する場合に起こる形態的変化によって定義される。最も知られている壊死の1つは、冠状動脈の閉塞(妨害)による梗塞(心筋での血流供給の阻害)過程での心筋のものである。
【0008】
アポトーシスは、生物の正常な生理学の不可欠な部分である。それは、細胞死の非常に制御された生理学的形態であり、例えば細胞生物の生存に不可欠である。アポトーシスは、胚形成過程で根本的な役割を果たすプロセスである。
【0009】
アポトーシスにある細胞、即ちアポトーシスを起こした細胞は、それ自体、他の細胞から区別される。アポトーシスは、通常、組織中の個々の細胞に関係し、炎症を引き起こさない。アポトーシスの特徴的な形態学的ポイントの1つは、細胞容積の有意な減少を誘導する核及び細胞質の両方の有意な凝縮である。次に、核は断片化し、各断片は、二重エンベロープによって取り囲まれる。その後、アポトーシス小体は(細胞質及び核のエレメント)が放出され、隣接する細胞によるファゴサイトシーシスを介して吸収される。
【0010】
アポトーシスは、様々な方法で誘導され得る。例えば、放射線、化合物又はホルモンの存在は、細胞におけるアポトーシスイベントのカスケードを誘導し得る刺激物である。細胞内のシグナル、例えば不完全な有糸分裂又はDNA損傷もアポトーシスを誘導し得る。
【0011】
アポトーシスはまた、遺伝毒性物質の作用後又は疾患中に起こる。ある種の病原体は、ある種の細胞群の喪失を引き起こす異常なアポトーシス、例えば肝毒性、網膜症、心臓毒性によって特徴付けられる。
【0012】
したがって、生理学的なアポトーシスと病的なアポトーシスとは区別される。本発明は、病的アポトーシスに焦点が当てられる。
【0013】
例えば、壊死とアポトーシスの特徴をもつネクロトーシスなどの細胞死の他のメカニズムも存在する。ネクロトーシスによって死にかかっている細胞は、壊死によって死にかかっている細胞と同様の特徴を有するが、このメカニズムの生化学的段階は、アポトーシスとより類似している。細胞死のこのメカニズムは、例えば、虚血において発生する。
【発明の開示】
【0014】
したがって、本発明の目的の1つはまた、利用可能な新規な薬物を作製することであって、それを用いて、壊死及び/又は病的アポトーシス及び/又はネクロトーシスの予防及び/又は治療を可能にし得る(抗壊死剤及び/又は抗アポトーシス剤及び/又は抗ネクロトーシス剤)。
【0015】
細胞の変性過程は、とりわけ、変性弛緩又は作用、外傷又は種々の因子への曝露の条件で分類される病的な刺激に起因する場合がある。
【0016】
これらの外傷及び因子には、例えば、照射(UV、γ線照射)、低酸素又は酸素欠乏、栄養素の欠如、増殖因子の欠如、毒物、細胞毒素、衰弱、環境毒素、フリーラジカル、反応性酸素又はさらにある種の医療イベント及び/又は処置、例えば細胞、組織及び臓器移植を含む外科的外傷が含まれ得る。また、化合物又は生物薬物が言及され、例えば細胞増殖抑制剤又は抗炎症剤などの医療処置の範囲にある治療薬として用いられる場合がある。
【0017】
本発明の目的は、細胞死ではるが、実際には病理過程の細胞レベル又は該病原体の細胞レベルでの結果に至る病原体又は変性過程の細胞外の原因を処置すること、特に該結果に対する細胞を保護することではない。
【0018】
変性過程によって特徴付けられる最も有意な病的状態のうち、本発明が指向していない神経障害又は神経変性障害以外であって、下記の状態が見出される:
骨、関節、結合組織の疾患、軟骨の疾患、例えば、骨粗鬆症、骨髄炎、例えば骨関節炎、関節リウマチ及び乾癬性関節炎を含む関節炎、虚血壊死、進行性骨化性線維形成異常症、くる病、クッシング症候群;
【0019】
筋疾患、例えば筋ジストロフィー、例えばデュシェーヌ筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー、ミオパシー及び筋無力症;
【0020】
皮膚疾患、例えば皮膚炎、湿疹、乾癬、老化又はさらに瘢痕化の変化;
心臓血管疾患、例えば心虚血及び/又は血管虚血、心筋梗塞、虚血性心臓病、慢性又は急性うっ血性心不全、不整脈、心房細動、心室細動、発作性頻脈、うっ血性心不全、肥大性心臓病、酸素欠乏症、低酸素症、抗癌剤を用いた治療による副次的効果;
【0021】
循環器疾患、例えばアテローム性動脈硬化症、動脈硬化症及び末梢血管疾患、脳血管発作、動脈瘤;
【0022】
血液疾患及び血管疾患、例えば貧血、血管アミロイドーシス、出血、鎌形赤血球症、赤血球断片化症候群、神経減少症、白血球減少症、骨髄無形成症、全血球減少症、トロンボ血球減少症、血友病;
【0023】
肺疾患、例えば肺炎、喘息;例えば慢性気管支炎及び肺気腫などの肺の閉塞性慢性疾患;
胃腸管疾患、例えば潰瘍;
【0024】
肝臓の疾患、例えば肝炎、特にウイルス起源の肝炎又は原因物質として他の感染物質を有するもの、自己免疫肝炎、劇症肝炎、ある種の遺伝性代謝疾患、ウィルソン病、肝硬変、非アルコール性脂肪肝、毒素及び薬物による肝臓の疾患;
【0025】
膵臓疾患、例えば急性又は慢性膵炎;
代謝疾患、例えば真性糖尿病及び尿崩症、甲状腺炎;
腎臓疾患、例えば急性腎障害又は糸球体腎炎;
【0026】
ウイルス性及び細菌性感染、例えば敗血症;
化合物、毒素又は薬物による重篤な中毒;
後天性免疫不全症候群(AIDS)と関連した変性疾患;
【0027】
老化と関連した障害、例えば促進老化の症候群;
炎症性疾患、例えばクローン病、リウマチ様多発性関節炎;
自己免疫疾患、例えば紅斑性狼瘡;
【0028】
歯科障害、例えば歯周炎などの組織変性に帰着するもの;
眼科疾患又は障害、例えば糖尿病性網膜症、緑内障、黄斑変性症、網膜変性、網膜症、色素変性症、網膜裂孔又は裂傷、網膜剥離、網膜虚血、外傷に関連した急性網膜症、炎症性変性、術後合併症、薬剤性網膜症、白内障;
【0029】
聴覚管の障害、例えば耳硬化症及び抗生物質によって誘導された難聴;
ミトコンドリアに関連した疾患(ミトコンドリア病)、例えばフリードリッヒ運動失調症、構造的ミトコンドリア異常を伴う先天型筋ジストロフィー症、ある種のミオパシー(MELAS症候群、MERFF症候群、パーキンソン症候群)、MIDD(ミトコンドリア糖尿病及び難聴)症候群、ウォルフラム症候群、ジストニア。
【0030】
本発明はまた、移植前、移植中(摘出、輸送及び/又は再移植)又は移植後のいずれかで細胞、組織及び/又は臓器を保護することを対象とする。
【0031】
薬理学的に活性な化合物は、上述した変性過程を調節するためになお探求される。
本発明は、細胞保護化合物に対するこの要求を満たす。実際に、本出願人は、3,5−セコ−4−ノルコレスタン誘導体、及び、特に3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール及びそのエステルが顕著な細胞保護特性を持って提供される。
【0032】
これは、本発明の目的が式I:
【0033】
【化1】

【0034】
(式中、
X及びYは一緒になって、ケトン基(=O)、オキシム貴(=NOH)又はメチルオキシム基(=NHOMe)を表すか、又はXはヒドロキシルを表し、Yは水素原子を表し;
Bは、ヒドロキシルラジカルを表し、C及びDは、同一であるか又は異なっていて、水素原子又は1〜4個の炭素原始を含む直鎖状若しくは分岐状のアルキルラジカルを表し;
又はB及びCは一緒になって、ケトン基を表し、Dはメチル、ヒドロキシ若しくはメチルアミンラジカルを表し;
又はB及びCは、水素原子を表し、及びDはメチルアミンラジカルを表し;
又はB及びCは、一緒になって、オキシム基を表し、Dはメチルラジカルを表し;及び
Rは、1〜10個の炭素原子を含む直線状又は分岐状のアルキルラジカルを表す)
で表される化合物の少なくとも1つ、あるいは医薬として許容される酸との付加塩の1つ、又はそのエステルの1つ若しくは該エステルの医薬として許容される酸との付加塩の1つの使用であるためであり、神経保護剤は除かれる。
【0035】
本発明によれば、医薬として許容される酸との付加塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グリオキシル酸、アスパラギン酸、アルカン・スルホン酸、例えばメタン又はエタンスルホン酸、アリールスルホン酸、例えばベンゼン若しくはパラトルエンスルホン酸又はカルボン酸で形成された塩であってもよい。
【0036】
本発明によれば、オキシム基は、純粋又は混在したsyn及びanti異性体を表し、二重結合のC=Nに対して、N−O結合の配向と関連している。
【0037】
使用することができる式Iで表される化合物のラジカルRは、優先的には、式II:
【0038】
【化2】

【0039】
で表されるコレスタンラジカルである。
【0040】
本発明の他の特定の態様によれば、X及びYが一緒になってケトン基を表すか又はオキシム基を表す式Iで表される化合物が、優先的に使用される。
【0041】
本発明のさらに他の特定の態様によれば、Bがヒドロキシルラジカルを表し、C及びDが同一であるか又は異なっていて、水素原子又は1〜4個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状のアルキルラジカルを表すか、又はさらにB及びCが一緒になってケトン基を表し、Dがメチルラジカルを表す式Iで表される化合物が、優先的に使用される。
【0042】
最も優先的には、式Iで表される化合物の少なくとも1つが、
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール、
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−メチルアルコール、又は
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−ジメチルアルコール
から選択され、あるいは医薬として許容される酸との付加塩の1つ、あるいはそのエステルの1つ、又は該エステルの医薬として許容される酸との付加塩の1つから選択される本発明に従って使用される。
【0043】
式Iで表される化合物の対象とする細胞保護特性は、細胞保護剤を調製するためのそれらの使用を正当化し、特に、壊死、及び/又は病的アポトーシス、及び/又はネクロトーシス(necroptosis)(抗壊死剤及び/又は抗アポトーシス剤及び/又は抗ネクロトーシス剤)、又は、さらに
【0044】
骨、関節、結合組織及び軟骨の疾患、
筋肉疾患、
皮膚疾患、
心臓血管疾患、
循環器系疾患、
血液疾患及び血管疾患、
肺疾患、
胃腸管疾患、
肝疾患、
膵臓疾患、
代謝疾患、
【0045】
腎疾患、
ウイルス感染及び細菌感染、
重篤な中毒、
後天性免疫不全症候群(AIDS)に関連した変性疾患、
老化に関連した障害、
炎症性疾患、
自己免疫疾患、
歯科疾患、
眼科疾患又は障害、
聴覚管の疾患、
ミトコンドリアに関連した疾患(ミトコンドリア病)
などの疾患を治療又は予防するために意図される。
【0046】
本発明はまた、移植前、移植中(摘出、輸送及び/又は再移植)又は移植後のいずれかで細胞、組織及び/又は臓器を保護することを対象とする。
【0047】
好都合には、式Iで表される化合物は、心臓細胞を保護するため(心臓保護剤)、肝細胞を保護するため(肝臓保護剤)に意図された薬物、又はミトコンドリアに関連した疾患を治療又は予防するために意図された薬物の調製において使用されてもよい。
【0048】
本発明によれば、式Iの化合物は、好都合には、生理学的に有効な服用量で細胞保護剤に存在する;該薬物は、特に、少なくとも1つの、式Iで表される化合物の有効な細胞保護服用量を含む。
【0049】
薬物として、式Iで表される化合物、それらのエステル、医薬として許容される酸とのそれらの付加塩、及び該エステルの医薬として許容される酸との付加塩は、消化管経路又は非経口経路溶に製剤化されてもよい。
【0050】
本発明に係る薬物は、少なくとも1つの他の医薬として有効な成分をさらに含むことができ、それは、特に、前述の病気の1つによって影響される被験者を治療する場合に、同時に、別々の使用、又は時間的に間隔のある使用のために、同一であるか又は異なった病気に活性である。
【0051】
本発明によれば、式Iで表される化合物は、1以上の不活性な、即ち医薬として不活性であり、無毒性な賦形剤又は担体と混合して薬物において用いることができる。言及は、例えば、医薬的な使用で適合可能であり、当業者に既知である食塩水、生理学的、等張、緩衝化された溶液などで作製されてもよい。この組成物は、分散剤、可溶化剤、安定化剤、防腐剤などの1以上の薬物又は担体を含んでもよい。製剤(液体及び/又は注射可能な及び/又は固形製剤)に用いることができる薬物又は担体は、特に、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、シクロデキストリン、ポリソルベート80、マンニトール、ゼラチン、ラクトース、植物油又は動物油、アカシアなどである。好ましくは、植物油が使用される。組成物は、注射可能な懸濁液、ゲル、油、錠剤、坐剤、粉末、ゼラチンカプセル、カプセルなどとして、場合により、長期及び/又は遅延放出を提供する剤形又はデバイスの手段で製剤化されてもよい。この種類の製剤については、セルロース、カルボネート又はスターチなどの薬物が好都合に使用される。
【0052】
投与は、当業者に既知のいずれかの方法によって行うことができ、好ましくは経口又は注射により、典型的には腹腔内、大脳内、髄腔内、静脈内、動脈内又は筋内経路による。経口投与が好ましい。これは、長期間の治療であれば、好ましい投与経路は舌下、経口又は経皮である。
【0053】
注射用には、化合物は、一般に、液体懸濁液として包装され、例えば、シリンジ又は緩流の手段で注射することができる。流速及び/又は注射される服用量又は一般には投与される量は、患者、病理学、投与法などに依存して当業者によって適応されてもよい。投与が繰り返し行われることは理解され、場合により、他の有効成分又は任意の医薬として許容される担体(バッファー、食塩水、等張液、安定化剤の存在など)と組み合わせられる。
【0054】
本発明は、動物、特にヒトに用いることができる。
一般に、化合物の毎日の服用量は、所望の治療効果を得るために最小の服用量である。上述される化合物、例えば3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールの服用量は、一般に、ヒトに対しては、1日に0.001〜100mg/キログラムで含まれる。
【0055】
必要に応じて、毎日の服用は、1日当たり2、3、4、5、6回又はそれを超える摂取で投与されてもよく、その日中に適切な間隔をおいて投与される複数回の副投与であってもよい。
【0056】
選択される量は、複数の因子、特に投与経路、投与期間、投与量、化合物の排出速度、化合物と組み合わせて用いられる種々の製造物、患者の年齢、体重及び身体状態、並びに彼/彼女の病歴、及び医学において知られているいずれかの他の情報に依存する。
【0057】
医師の処方は、一般に使用されるよりも少ない服用量で開始され、次に、これらの服用量は、可能な副次的効果の発生をより良く調節するために徐々に増加される。
【0058】
本発明に係る組成物、特に、医薬組成物又は薬物は、前述の式Iで表される化合物の少なくとも1つ、あるいは医薬として許容される酸とのその付加塩の1つ、又はそのエステルの1つ若しくは該エステルの医薬として許容される酸との付加塩の1つを含む。
【0059】
本発明に係る医薬組成物は、特に、前述の病原体の1つで影響された患者を治療する際、同時に、別々の使用、又は時間的に間隔のある使用のために、少なくとも1つの他の治療的に有効な成分をさらに含むことができる。
【0060】
本発明に係る医薬組成物は、好都合には、1以上の不活性な、即ち、医薬として不活性であり、無毒性の賦形剤又は担体を含んでもよい。
【0061】
式Iで表される化合物
本発明に使用される式Iで表される化合物は、式III:
【0062】
【化3】

【0063】
(式中、Rは、前述に示された意味を有する)
で表される化合物を反応させることによって合成することができ、この化合物は、
−式I(Rは前述に示された意味を有し、X及びYは一緒になってオキシム基を表し、BはCと一緒になってケトン基を表し、Dはメチルアミン基を表す)で表される化合物を得るために、メチルアミン、次にヒドロキシルアミンの作用に置かれるか、又は
−式IV:
【0064】
【化4】

【0065】
(式中、Rは、前述に示された意味を有する)
で表される化合物を得るためにメチル化に置かれ、この化合物は、式V:
【0066】
【化5】

【0067】
(式中、Rは、前述に示された意味を有する)
で表される化合物を得るために、5位のケトン基を保護する試薬の作用に置かれ、この化合物は、
−式I(式中、Rは前述に示された意味を有し、X及びYはオキシム基を表し、Bはヒドロキシル基を表し、C及びDは1〜4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のアルキルラジカルを表す)で表される化合物を得るために、メチルリチウムと反応させ、次に5位のケトン基を脱保護するための試薬の作用に置かれ、次にヒドロキシルアミンと反応されるか、又は
−式VI:
【0068】
【化6】

【0069】
で表される化合物を得るために、鹸化し、次に式HC−NH−OCHで表される化合物と反応させ、次にメチルリチウムと反応させ、
【0070】
この化合物は、式I(Rは前述に示された意味を有し、X及びYは一緒になってオキシム基を表し、Bはヒドロキシル基を表し、Cは任意に置換された、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状のアルキルラジカルを表し、Dは水素原子を表す)で表される化合物を得るために、ケトン基の還元に置かれ、次に5位のケトン基を脱保護するための試薬の作用に置かれ、次にヒドロキシルアミンと反応されるか、若しくは
−式VII:
【0071】
【化7】

【0072】
(式中、Rは前述に示された意味を有し、Bはヒドロキシル基を表し、C及びDは水素原子を表す)
で表される化合物を得るために還元され、この化合物は、
【0073】
式VIII:
【0074】
【化8】

【0075】
(式中、Rは前述に示された意味を有し、このシッフ塩基は調製され、次に還元される)
で表される化合物を得るために酸化剤の作用に置かれ、その後、式I(式中、Rは前述に示された意味を有し、X及びYは一緒になってオキシム基を表し、Bはメチルアミン基を表し、C及びDは水素原子を表す)で表される化合物を得るために、5位のケトン基を脱保護するための試薬の作用に置かれ、次にヒドロキシルアミンと反応させるか、又は
−式I(式中、Rは前述に示された意味を有し、X及びYは一緒になって、オキシム、メチルオキシム及びカルボキシメチルオキシム基を表し、Bはヒドロキシル基を表し、C及びDは水素原子を表す)で表される化合物を得るために、5位のケトン基を脱保護するための試薬の作用に置かれ、次に、それぞれ、ヒドロキシルアミン、メチルヒドロキシルアミン及びカルボキシメチルヒドロキシルアミンから選択されるアミンと反応させることによって合成され、
そして、式Iで表される化合物が単離され、所望により加塩又はエステル化されて単離され、次に所望により加塩される。
【0076】
上述した方法を適用するための優先的な条件下で、
−式IIIで表される化合物とメチルアミンとの反応は、特にジクロロメタン又はジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中で、好都合にはN−メチルモルホリンなどの塩基の存在下で、BOP(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート)又はTBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニム・テトラフルオロボレート)などの酸性基を活性化するカップリング試薬の存在下で実行される。好ましくは、ジクロロメタン中の4−ジメルアミノピリジンと関連付けられたEDCI(1−エチル−3−(3’−ジメチル−アミノプロピル)カルボジイミド)の存在下で実行され、混合物は室温で24時間撹拌に供される。次に、この製造物は、溶液、好ましくはピリジン中に設置され、次に、5〜7、特に6当量のヒドロキシルアミン塩酸塩が添加される。
【0077】
−式IIIで表される化合物のメチル化は、塩化チオニルの存在下でメタノールとの反応によって、好ましくは70%メタノールと30%ジクロロメタンの混合物の適切な容積で式IIで表される酸を可溶化することによって達成される。0℃に冷却後、3当量の塩化チオニルを滴下して添加する。次に、2時間室温で撹拌する。この化合物に関して、ケトン基の保護は、好ましくは、過剰の、例えば10当量のトリメチルオルトホルメートと適切な容積のエチレングリコール中で該製造物を溶解し、次に無水p−トルエン−スルホン酸を添加することによって行われる。
【0078】
−式Vで表される化合物とメチルリチウムとの反応は、好ましくは、無水THF中で行われ、次に、約−45℃まで冷却し、過剰のメチルリチウムを滴下して添加することによって行われる。5位のケトン基をブロックするジオキソランの脱保護は、硫酸の存在下でアセトン中で達成される。好ましくは、これは、1/1の水/酢酸混合物の存在下でジオキサン中で実行される。ケトンのオキシムは、好都合には上記のように作製される。
【0079】
−式Vで表される化合物の鹸化は、ソーダを用いて、好ましくはジオキサン中で達成される。特に、約2当量のソーダ水が添加される。この製造物は、例えば、ジクロロメタン又はジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中で、N−メチルモルホリンなどの塩基の存在下でBOP又はTBTUなどの酸性基を活性化するカップリング試薬の存在下で、式HC−NH−OCHで表される化合物と反応される。好ましくは、これは、ヒドキシベンゾトリアゾールと関連付けられたEDCIの存在下で行われ、トリエチルアミンが溶媒中に滴下して添加される。この製造物は、上述した手順に従って、アルゴン雰囲気下でメチルリチウムと反応させ、次に、3位のケトン基を水素化ホウ素ナトリウムによって還元される。その後、得られた製造物は、5位のケトン基の脱保護に供し、上述したように同じ手順に従ってヒドロキシルアミンと反応させる。
【0080】
−式VIIで表される化合物を得るために、式Vで表される化合物の還元が、好ましくは、リチウムアルミニウム水素化物を用いて、特にテトラヒドロフランの懸濁液中に設置することによって達成される。それは、硫酸ナトリウム溶液を注意深く添加することによって加水分解される。
【0081】
−式VIIで表される化合物の酸化は、ピリジニウム・クロロクロム酸塩を用いて達成される。この製造物に関して、シッフ塩基が得られ、瞬時に、特に、トリエチルアミン、メチルアミン塩酸塩とチタニウム・テトラ−イソプロポキシドの存在下で、好ましくはエタノール中、アルゴン下で可溶化することによって、次に、水素化ホウ素ナトリウムを添加することによって還元される。5位のケトン基の脱保護及びヒドロキシルアミンとの反応は、前述の条件下で実行される。
【0082】
下記の実施例は、本出願を例示するが、それを限定するものではない。
【実施例】
【0083】
実施例
以下の反応時間は、分+分の百分のいくつかで表される。
【0084】
全製造物に用いられる液体クロマトグラフィー法は、下記の通りである:
カラム:Macherey−Nagel−Nucleosil(登録商標)300−6 C4−150×4.6mm
勾配;水(+0.05%のトリフルオロ酢酸)/アセトニトリル(+0.05%のトリフルオロ酢酸)
【0085】
t=0分;60%アセトニトリル、40%H
t=6分;100%アセトニトリル、0%H
t=11分;100%アセトニトリル、0%H
t=13分;60%アセトニトリル、40%H
t=15分;60%アセトニトリル、40%H
【0086】
質量分析器のイオン化条件は下記の通りである:
ソース温度:250℃
円錐電圧:50V
キャピラリー電圧:3kV
Rfレンズ:0.3V
【0087】
実施例1:3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−メチルアミドの合成
工程A:第1段階では、250mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−酸、38mgのメチルアミン塩酸塩、250mgのEDCI、100mgのDMAP及び2.5mLのジクロロメタンをフラスコに導入される。この溶液を24時間室温で撹拌し、次に、反応媒体をジクロロメタンを添加することによって希釈し、10%重炭酸ナトリウムで洗浄する。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次に、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(CHCl/MeOH 95/5)によって精製する。176mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−メチルアミドを収率68%で回収する。
【0088】
分析
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:4.42分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=418;[2M+H]=835
【0089】
工程B:次に、1mL中のピリジン中の50mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オン−3−メチルアミド、50mgのヒドロキシルアミン塩酸塩をフラスコに導入する。反応媒体を16時間室温で撹拌し、次に、減圧下で濃縮する。得られた残渣をCH2Cl2/H2O混合物中に採取する;有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。40.6mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−メチルアミドを収率78%で回収する。
【0090】
分析
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:3.70分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=433;[2M+H]=865
【0091】
実施例2:3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オン−3−ジメチルアルコールの合成
工程A:フラスコにおいて、10.5gの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オン−3−酸を378mLのメタノールと146mLのジクロロメタンに溶解させる。混合物を0℃に冷却し、5.7mLの塩化チオニルを滴下して添加する。次に、2時間室温で撹拌する。反応媒体を減圧下で濃縮し、トルエン、次にジクロロメタンとの同時蒸発させある。10.3gの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オン−3−メチルエステルは、収率94%で得られる。この製造物は、いずれの精製なしにそのまま用いる。
【0092】
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:4.69分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=419;[2M+H]=785
【0093】
工程B:フラスコにおいて、9.62gの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オン−3−メチルエステルを25mLのトリメチルオルトホルメート及び53mLのエチレングリコールの溶液に置かれる。400mg(2.3mmol)の無水p−トルエン−スルホン酸を添加し、次に、一晩室温で撹拌する。酢酸エチルを反応媒体に添加する;洗浄は10%炭酸水素ナトリウム溶液を用いて行う。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。9.95gの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5−(エチレンジオキシ)−3−メチルエステルを収率93%で得た。この製造物はいずれの精製なしに用いられる。
【0094】
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:5.76分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=463
【0095】
工程C:フラスコにおいて、300mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5−(エチレンジオキシ)−3−メチルエステルを5mLの無水THFに溶解させる。媒体を−45℃まで冷却し、次に、エーテル中の1.36mLの1.6Mメチルリチウムを滴下して添加する。−45℃で30分の撹拌後、数滴のメタノールを反応媒体に添加し、後者を室温に戻す。20mLのジエチルエーテルを採取し、重炭酸ナトリウムで飽和した溶液で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次に、減圧下で濃縮する。295mgの3,5−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−ジメチルアルコール(MW=462)を収率98%で得る。
【0096】
保持時間:5.56分
質量分析の検出ピーク:[M(CHOH−CHOH+HO)+H]=401
【0097】
工程D:フラスコにおいて、6mLの水/酢酸(1/1)混合物及び295mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−ジメチルアルコールを添加し、1時間30分間還流する。冷却後、反応媒体を酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリウムで飽和した溶液で洗浄し、次に、重炭酸ナトリウムで飽和した溶液で洗浄する。最後に、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮させる。得られた原産物は、フラッシュ・クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(8/2))によって精製する。180mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オン−3−ジメチルアルコールを収率68%で得る。
【0098】
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:5.08分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=419;[M−HO+H]=401;[2M+H]=837
【0099】
実施例3:3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−ジメチルアルコールの合成
53mLのピリジン及びケトンを溶解させるための数mLのジクロロメタン中の1gの実施例2の化合物、1gのヒドロキシルアミン塩酸塩をフラスコに導入する。反応媒体を室温で16時間撹拌し、次に、減圧下で濃縮する。得られた残渣をCHCl/HO混合物中に採取する;有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。814mgの3,5−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−ジメチルアルコールを収率78%で得る。
【0100】
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:5.09分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=434;[2M+H]=867
【0101】
実施例4:3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−メチルアルコールの合成
工程A:26mLのジオキシ中の3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−メチルエステルをフラスコに設置する。8.6mLの1Nソーダ溶液を添加する。反応媒体を1時間30分還流し、ジオキシを減圧下で蒸発させる。得られた溶液をpH=1になるまで1N塩酸溶液を添加することによって酸性にし、トルエンで2回抽出する。有機層を回収し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。1.92gの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−酸を収率99%で回収し、いずれかの追加の処置なしに次の工程で用いる。
【0102】
工程B:30mLのジクロロメタン中の1.9gの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−酸をフラスコに設置する。この溶液に、1.6gのEDCI、743mgのHOBT、537mgのN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩、及び、次に1.37mLのトリエチルアミンを滴下して添加する。室温で16時間撹拌する。CHCl/HO混合物を反応媒体に添加し、後者をジクロロメタンで3回抽出する。有機層を回収し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(CHCl/酢酸エチル(8/2))によって精製する。1.46gの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−(N,N−メトキシ−メチル)アミドを収率70%で回収する。
【0103】
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:5.31分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=492
【0104】
工程C:20mLの無水テトラヒドロフラン中の1.4gの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−(N,N−メトキシ−メチル)アミドをアルゴン下で導入し、0℃まで冷却する。次に、エタノール中の3.38mLの1.6Mのメチルリチウム溶液を滴下して添加する。反応媒体を3時間40分間、0℃で撹拌し、その後、7.28mLの水中の0.72mLの濃塩酸の溶液を滴下して添加する。テトラヒドロフランを減圧下で蒸発させる;得られた水溶液をpH=10になるまで1Nソーダを添加することによって塩基性にする。ジエチルエーテルで抽出する;有機層を回収し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(9/1))によって精製する。930mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−メチルケトンを収率73%で回収する。
【0105】
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:5.65分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=403
【0106】
工程D:1.5mLのメタノール中の119mgの工程Cの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−メチルケトンをフラスコに設置する。混合物を0℃に冷却し、10mgの水素化ホウ素ナトリウムを添加する。反応媒体を1時間、0℃で撹拌し、次に、減圧下で濃縮する。残渣を水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。94mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−メチルアルコールを収率78%で回収し、この製造物をそのまま用いる。
【0107】
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:5.22分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=387
【0108】
工程E:5位のケトン基を脱保護するために、実施例2の工程Dとように操作を行う。
【0109】
工程F:121mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オン−3−メチルアルコール、1.5mLのピリジン、及び121mgのヒドロキシルアミン塩酸塩をフラスコに導入する。この溶液を2日間室温で撹拌する。反応媒体を減圧下で濃縮し、水中に採取し、ジクロロメタンで抽出する。次に、有機層を水で洗浄し、その後、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。それによって得られた製造物は、フラッシュ・クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(9/1))によって精製する。66mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−メチルアルコールを収率53%で得る。
【0110】
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:4.91分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=420
【0111】
実施例5:3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−メチルアミンの合成
工程A:615mgのLiAlHをフラスコにおいて57mLのTHFに懸濁させる。懸濁液を0℃に冷却し、57mLのテトラヒドロフラン中の3.0gの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−メチルエステルの溶液を滴下して添加する。次に、0℃で5時間撹拌する。加水分解は、硫酸ナトリウム溶液を注意深く添加することによって行う;得られた白色の溶液を30分間撹拌し、次に濾過する。濾過物を減圧下で濃縮し、水中に採取し、酢酸エチルで抽出する。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。2.55gの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−オールを収率85%で得て、製造物をそのまま用いる。
【0112】
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:4.82分
質量分析の検出ピーク:[M−(CHOH−CHOH+HO)+H]=373
【0113】
工程B:アルゴン下のフラスコにおいて、3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−オールを7mLのジクロロメタンに溶解させ、次に、189mgの中和アルミナ及び399mgのピリジニム・クロロクロム酸塩を添加する;室温で3時間30分撹拌する。反応媒体は、Celite(登録商標)上でろ過する;ろ過物を減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル 9/1及び次に8/2)によって精製する。328mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−アールを収率69%で得る。
【0114】
保持時間:5.57分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=433
【0115】
工程C:アルゴン下のフラスコにおいて、323mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−アールを3mLのエタノールに溶解させ、次に、209μLのトリエチルアミン、100mgのメチルアミン塩酸塩及び444μLのチタニウム・テトライソプロポキシドを添加する。反応媒体を6時間室温で撹拌し、次に、42.5mgの水素化ホウ素ナトリウムを添加する。16時間室温で撹拌する。反応媒体をろ過し、ジクロロメタンで洗浄する。ろ過物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られる残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール 9/1〜5/5)によって精製する。84mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−オキシム−3−メチルアミンを収率25%で得る。
【0116】
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:3.93分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=448
【0117】
工程D:50mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5,5(エチレンジオキシ)−3−メチルアミン及び976μLの水/酢酸 1/1混合物をフラスコに添加する。混合物を6時間還流する。冷却後、反応媒体を酢酸エチルで希釈し、塩化ナトリムで飽和した溶液で洗浄し、次に、5%重炭酸ナトリム溶液で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた製造物をフラッシュ・クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール(95/5))によって精製する;5mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オン−3−メチルアミンを収率11%で得る。
【0118】
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:3.68分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=404
【0119】
工程E:5mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オン−3−メチルアミン、5mgのヒドロキシルアミン塩酸塩及び287μLのピリジンをフラスコに導入する。混合物を16時間室温で撹拌する。それをジクロロメタンに採取し、水で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。5mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−メチルアミンを収率91%で得る。
【0120】
保持時間:3.66分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=419
【0121】
実施例6:3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンメチルオキシム−3−オールの合成
1mLのピリジン中の20mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オン−3−オール、20mgのO−メチル−ヒドロキシルアミン塩酸塩をフラスコに導入する。36時間室温で撹拌し、10mgのO−メチル−ヒドロキシルアミン塩酸塩を再び添加する。16時間室温で撹拌し、反応媒体を減圧下で濃縮する。得られた残渣をCHCl/HO混合物中に採取する;有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル(9/1))によって精製し、18mgの黄色油状物を得る。5.8mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンメチルオキシム−3−オールを収率72%で得る。
【0122】
分析
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:5.50分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=420
【0123】
実施例7:3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンカルボキシ−メチルオキシム−3−オールの合成
0.5mLのピリジン中の52mgのケトン、25mgのカルボキシメチルヒドロキシルアミン・半塩酸塩をフラスコに導入する。2日間、室温で撹拌し、次に、反応混合物を減圧下で濃縮する。得られた残渣をCHCl/水混合物に採取する;有機層を分離し、水で洗浄し、その後、2%塩酸溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸(8/2))によって精製する。24mgは、カルボキシメチルオキシから収率39%で得られる。
【0124】
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:4.40分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=464;[2M+H]=927
【0125】
実施例8
懸濁液を調製し、式3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールを20mg/mlに合わせる。
賦形剤:油性エマルジョン
【0126】
実施例9
乾燥型を調製し、式3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−N,N−ジメチルオキシム−3−N,N−ジメチルグリシンエステル・塩酸塩 250mgを合わせる。
賦形剤:qsp 750mgに終了させたゲル化カプセル
【0127】
実施例10:3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−N,N−ジメチルグリシンエステルの合成:3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールのプロドラッグ
【0128】
10〜15mLのジクロロメタン中の509mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オン−3−オール、182mgのN,N−ジメチルグリシン・塩酸塩、275mgのEDCI及び207mgのDMAPをフラスコに置く。室温で16時間撹拌する。5%重炭酸ナトリウム溶液を反応媒体に添加し、後者をジクロロメタンで抽出する。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル(8/2))によって精製する。488mgは、収率78%で回収される。
【0129】
分析
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:3.77分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=476
【0130】
次に、製造物は、下記の反応に使用される:
23mLのピリジン中の488mgの得られた製造物及び488mgのヒドロキシルアミン塩酸塩をフラスコに導入する。16時間、室温で撹拌し、次に、反応媒体をCHCl/水混合物に採取する;有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。378mgのオキシムを収率75%で回収する。次に、製造物は、塩酸塩として製造物を得るために、HCl溶液によって酸性にしたエーテル溶液の存在下で加塩される。
【0131】
分析
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:3.43分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=491
【0132】
実施例11:3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−(4−メチル−1−ピペラジン)プロパン酸エステルの合成:3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールのプロドラッグ
2〜3mLのジクロロメタン中の264mgの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オン−3−オール、リチウム塩として121mgの4−メチル−1−ピペラジン−プロパン酸、14.25mgのEDCI及び106mgのDMAPをフラスコに置く。室温で一晩撹拌する。水を反応媒体に添加し、媒体をジクロロメタンで抽出する。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル(98/2))によって精製する。所望の製造物の54mgは、収率15%で回収される。
【0133】
分析
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:3.66分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=545
【0134】
次に、製造物を下記の反応に関与させる:
1.2mLピリジン中の30mgの得られた製造物及び30mgのヒドロキシルアミン塩酸塩をフラスコに導入する。5時間30分室温で撹拌し、次に、反応媒体をCHCl/HO混合物に採取する;有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。19mgのオキシムを収率13%で回収する。
【0135】
分析
H−NMR(CDCl):共通
保持時間:3.62分
質量分析の検出ピーク:[M+H]=560
【0136】
次に、製造物を二塩酸塩として製造物を得るために、塩酸水溶液によって酸性にしたエーテル溶液の存在下で加塩される。
【0137】
実施例12:3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールの抗アポトーシス効果:ウサギ心室心筋細胞の収縮性及びアポトーシス
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールの抗アポトーシス効果(アザステロイダル・アルカロイド。A−ノル−B−ホモ−5−アザコレスタンの合成。Rodewald,W.J.;Wicha,J.Univ.Warsaw,Bulletin of the Polish Science Academy,Chemical Science Series(1993),11(8),pp.437−441)をドキソルビシンによって誘導された収縮不全試験によって、心筋細胞で分析した。
【0138】
材料及び方法
試験される化合物
100%DMSO中の10mMの濃度で、3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールのストック溶液を用いた。
DMSO中の最終濃度は、使用さえるモル濃度とは独立して、全ての実験点に関して同じであった。
【0139】
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールは、Tyrode溶液(組成(mmol/L):NaCl 135,KCl 5.4,NaHPO 0.33,CaCl 1.2,MgCl 1.0,HEPES 10;NaOHで7.4に調整されたpH)に希釈された、0.1及び0.3μMの濃度で試験された。
【0140】
ウサギ心室心筋細胞の単離された細胞を得ること
単離された心室細胞は、A.d’Anglemont de Tassignyら,Fund.Clin.Pharmacol,18:531−38,2004に記載される雄性New Zealandウサギの心臓から得た。要約すると、ウサギ(2.0〜2.5kg)をペントバルビタール溶液(50mg/kg)で麻酔し、次に、ヘパリン(200IU/kg)を摂取する。心臓を摘出し、即座に、酸素化Tyrode(カルシウム不含)等張溶液(95%、2〜5%CO)(mM:NaCl 135,KCl 5.4,NaPO 0.33,MgCl 1.0,HEPES 10,1N NaOHで7.4に調整されたpH、37℃、280〜300mOsmol/kg HO)を用いて、再還流なしに、Langendorff装置の手段により10〜15分間緩流させる。次に、心臓全てを1mg/mLのII型コラゲナーゼ及び0.28mg/mLのXIV型プロテアーゼを添加した同じカルシウム不含のTyrode溶液(冠血流速度、10〜15mL/分)である「再緩流」モードで3分間緩流する。最後に、全ての心臓は、0.3mMのCaCl2を補足したTyrode溶液の同溶液を用いて、いずれの再緩流がないモードで10分間緩流される。左心室を取り出し、小片に切断する;細胞分離は、穏やかな機械的撹拌によって達成される。細胞外カルシウムは、1.0mMの生理的濃度を達するために、15分毎の増加によって添加される。単離された筋細胞は、実験前の最大1時間30分に至るまで、NaCl 110,KCl 5.4,NaPO 0.33,NaHCO 25,グルコース 5,MgCl 0.8,CaCl 1(mM),7.4に調整されたpHを含む血清不含培地中で維持される。全ての細胞は棒状であり、蒼く交差した横紋があり、光学顕微鏡下で表面にはいずれのビヒクルはない。
【0141】
アネキシンXによるマーキング
ホスファチジルセリンのアネキシンXによるマーキングは、MiniMacs細胞分離キット(Miltenyi Biotec,Bergisch,Gladbach,Germany)を使用することによって、アポトーシスを測定するための定量的な方法として用いた。要約すると、ホスファチジルセリンに晒されている細胞は、アネキシンX微粒子を用いて磁気的にマークされ、次に、磁場に置かれたカラムに通過される。マークされた細胞(磁気的にマークされたホスファチジルセリンを有する)はカラムに保持され、マークされていない細胞(壊死及び非アポトーシス細胞)は、保持されない。カラムを磁場から外され、磁気的に保持されたホスファチジルセリンに晒されている細胞は、正の分画として溶出され、Mallassezセルカウンターでカウントされる。次に、アポトーシス細胞の割合は、初期の細胞数に参照される。
【0142】
カスパーゼ−3活性の測定
カスパーゼ−3活性は、アポトーシスを測定するための定量的な方法として使用される。要約すると、細胞を溶解し、上清を用い、AK−005キット(Biomol Research Laboratories,Plymouth Meeting,PA,USA)を用いることによってカスパーゼ−3活性を測定する。カスパーゼ−3活性を測定するための蛍光基質(DEVD)は、蛍光色素である7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC)でマークされ、これは、360/460nmで210分間、UV光で検出可能な黄色−緑色蛍光を生じる。AMCは、カスパーゼ−3による開裂によって基質から放出され、酵素発現がfmol/分で表される。
【0143】
収縮性の測定
筋細胞は、37℃で連続的に緩流したチャンバーに移し、倒立顕微鏡のステージ上で配置される。チャンバーは、NaCl 140,KCl 5.4,CaCl 1;MgCl 0.8;HEPES 10(eM)及びグルコース5.6(pH=7.4;290mOsmol/kg H2O)を含む生理学的バッファーを用いて緩流される。
【0144】
筋細胞の収縮は、チャンバーに設置され、刺激機に接続された白金電界電極で1秒間に1回(1Hz)で誘導される。画像は、a×20の対象で連続的に捕捉され、240試料/秒の速度でCCDカメラに送信される。CCDカメラの画像は、ビデオスクリーン上に投影される。
【0145】
筋細胞は、下記の基準に従って、試験のために選択される:非常にはっきりとした横紋を有し、液胞のない棒状の様相であって、1mM Ca2+で刺激した場合に自発収縮がなく、一定の静止長及び収縮振幅を有する様相。筋節の長さは、ビデオ画像分析プログラムによって測定され、データは、240試料/秒の速度で獲得された。カメラ画像は、筋節長の測定に変換した。収縮率は、筋節の長さに基づくこれらのデータから計算される。
【0146】
データ分析
全てのデータは、平均±標準偏差として表された。種々のグループ間のデータの比較は、ANOVA、続くスチューデント試験によって実行され、有意差はp<0.05であった。
【0147】
実験手順
アポトーシスは、NaCl 110,KCl 5.4,NaPO 0.33,NaHCO 25,グルコース 5,MgCl 0.8,CaCl 1(mM),7.4に調整されたpHを含む等張溶液に添加された1μMのドキソルビシンへの3〜8時間の暴露によって単離された心筋細胞において誘導される。アネキシンXによるマーキングは、ドキソルビシンの暴露開始の3時間後に達成された。これは、この化粧は、アポトーシスのカスパーゼの非常に初期に見られるためである。カスパーゼ−3活性の測定は、ドキソルビシンの暴露開始の8時間後に実行される。これは、この現象は、アポトーシス現象の後期に起こるためである。全ての処理後、細胞は、ドキソルビシンに暴露されていない対照の心筋細胞と比較した。
【0148】
心筋細胞は、ドキソルビシンによる暴露前の15分間3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール化合物で前処理された。2つの濃度のこの化合物は、この実験中に試験された:0.1及び0.3μM。
【0149】
結果
この実験で使用される細胞の筋節の平均長は、これらのグループの間であまり相違していなかった。
【0150】
○心筋細胞の収縮性及びアポトーシスにおけるドキソルビシンの効果
ドキソルビシンの暴露は、筋節の短縮の経過時間の減少をもたらした。ドキソルビシン下でのピークの短縮は、最初の3時間、対照と同じであり、次に、暴露の4時間後に有意に減少した(ドキソルビシンのベースラインと対照のベースラインを比較して、それぞれ−53.20±7.70%対−19.49±2.06%(p<0.05,n=5))。
【0151】
1μMのドキソルビシンの処理は、アポトーシスを誘導し、アネキシンXによるマーキング及びカスパーゼ−3活性において有為な増加を伴った。
【0152】
○ドキソルビシンによって誘導された収縮性のレベルでの機能障害及びアポトーシスにおける3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールの効果
1μMのドキソルビシンの処理は、3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール(0.1及び0.3μM)の存在下で止められる心室心筋細胞ピークの短縮の有意な減少をもたらした。実際に、暴露4時間後、ドキソルビシン下でのピークの短縮(−53.20±7.70%)は、ベースラインと比較して、0.1μM(18.9±5.4%)及び0.3μM(−8.1±9.6%)の化合物で有意に減少した。
【0153】
さらに、ドキソルビシンによるアネキシンXによるマーキング及びカスパーゼ−3活性増加は、0.1μM及び0.3μMの3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールによってブロックされた。
【0154】
ドキソルビシンの3時間後のアネキシンXによるマーキングのa%変化として評価されたアポトーシスは、下記の結果を与えた:対照:100%;ドキソルビシン:320%±48.7;ドキソルビシン+0.1μM3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール:116.3%±15.1;ドキソルビシン+0.3μM3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール:137.3%±19.3。カスパーゼ−3活性測定に関する結果は、下記のとおりである:対照:19±9fmol/分;ドキソルビシン:120±15fmol/分;ドキソルビシン+0.1μM 3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール:27±20fmol/分;ドキソルビシン+0.3μM 3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール:15±7fmol/分。
【0155】
コメント及び結論
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール化合物は、単離されたウサギ心室細胞における、ドキソルビシンによって誘導された収縮障害及びアポトーシスの心臓保護効果を示す。この分子は、適切な服用量で用いた場合、実際には、このアントラサイクリンで癌患者の治療において制限因子となることが知られているドキソルビシンによって誘導される心臓毒性に対して保護を提供することができる。したがって、3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール化合物は、これらの患者におけるドキソルビシン心臓毒性を制限するために用いることができる。
【0156】
実施例13:マウスの心筋梗塞のインビボモデルにおける化合物3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール及び3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−N,N−ジメチルグリシンエステルの効果
この実験の目的は、インビボにおいて、マウスの冠動脈閉塞再緩流モデルにおける、化合物3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール及び3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−N,N−ジメチルグリシンエステルの心臓保護特性を試験することである。
【0157】
試験される化合物は、予め虚血にした心筋の再緩流5分後、マウスにおいて静脈投与される。対照として、それぞれ化合物β−シクロデキストリン(以下、βCDと呼ぶ)及び水の担体は、前記化合物と同じ条件下で投与された。
【0158】
試験化合物の効果を測定するために、梗塞の大きさを24時間の再緩流後に測定される。
【0159】
動物のための外科器具
6〜8週齢の雄性C57BL6マウスは、ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg i.p.)で麻酔され、実験を通じて、O/CO(95%/5%)で挿管後、酸素を供給する。表面の心電図(ECG)は、全ての外科処理を通じて記録され、オシロスコープ上で視察される。厳格な無菌条件下で、頸静脈は、化合物の静脈投与のためにカテーテルを挿入される。左側面開胸術を行い、心膜切開術後、左冠状動脈の主要なブランチは、左心室の側面後部領域に位置される。プロレン8番縫合糸は、一時的な冠動脈閉塞を作るための移動ループを形成するためにこの動脈周辺に配置される。
【0160】
実験手順
全てのマウスは、30分の一時的な冠動脈閉塞に供した。心筋領域の虚血は、心筋表面のチアノーゼ及び心電図のSTセグメントの逸脱によって確かめられる。
【0161】
化合物(処置群、n=10)又はその溶媒和物(対照群、n=10)の各々は、30分の冠動脈閉塞を解除する5分前に、静脈投与された。
【0162】
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールは、飽和し、遠心分離によって調製されたリン酸バッファーの30%βCD溶液中の0.46mg/mlの最終濃度になるように予め溶解させ、1mg/kgの服用量で投与される。
【0163】
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−N,N−ジメチルグリシンエステルは、撹拌及び超音波処理によって無菌水中で1.56mg/mlの最終濃度になるように予め溶解させ、3.9mg/kgの服用量で投与される。
【0164】
同容積の担体が、対応する対照群において投与される。
再緩流は、心電図のQRSセグメントの様相によって確かめた。
【0165】
面ごとに(plane by plane)胸部を閉じ、ドレインによる吸引によって気胸を排出した後、マウスを徐々に覚醒させ、正常な自然呼吸を再開するまで、呼吸支援を取り上げる。必要に応じて、ブプレノルフィン(1mg/kg)は、効果的な鎮痛適用を提供するために腹腔内に投与される。
【0166】
冠動脈閉塞の終了の24時間後、マウスを再度、ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg i.p.)で麻酔させ、ヘパリンを静脈投与する(Choay(著作権)ヘパリン 1,000IU/kg)。冠状動脈の結紮は、以前の最初の閉塞24時間に供されたのと同じ位置で達成される。次に、マウスは、塩化カリウムの致死的に飽和した服用量で安楽死させ、心臓を迅速に摘出し、その後、Langendorff型の逆行性緩流システムで大動脈を通じて開始する。
【0167】
5%のエヴァンズ・ブルー溶液は、健常な心筋を青色に着色するために、逆に緩流させる;冠動脈閉塞中の虚血された部分、即ち「危険性のあるARの領域」は、デフォルトによって着色されないままである。
【0168】
次に、左心室は、マウスの心臓用に特別に設計されたスライサー(Les Isolants de Paris,Palaiseau)によって等しい厚さ(1mm)の5スライスに切断され、その後、計量される。
【0169】
これらのスライスは、pH7.4、20分間、37℃で1%の塩化トリフェニルテトラゾリウム溶液(TTC,Sigma,Poole,UK)中でインキュベートされ、次に、4%ホルモルに置かれる。TTCは、梗塞していない心筋を赤色に着色する性質を有し、そのため、梗塞された領域を白色で示す。各心臓スライスは、高解像度写真を撮影するために立体顕微鏡下に置かれる。
【0170】
梗塞及び危険領域の定量化は、面積測定によって実行され(Scion Image,Scion,Federick MD,USA)、各スライスの重量を意味する。
【0171】
危険領域(青色でない領域)は、左心室の重量率として表される。梗塞サイズは、危険領域の重量率として表される。
【0172】
梗塞サイズ及び危険領域の全ては、平均±SEMとして表される。1因子のANOVA、続く、Bonferonni補正を伴う非対のスチューデントt試験は、実験群の間で、危険領域及び梗塞サイズを比較するために使用され、有意な閾値は、p<0.05になっている。
【0173】
結果及び結論
前記化合物で処理されたマウスの梗塞サイズは、担体で処理されたマウスのものとは有意に相違している。
【0174】
下記の表に示される結果は、一方で危険領域、他方で梗塞サイズによって表される。
【0175】
【表1】

【0176】
使用された実験モデルでは、試験された両方の化合物は、梗塞サイズを減少させる。さらに、結果は、該化合物が危険領域の拡張にかかわらず、梗塞サイズを減少させる。
【0177】
したがって、これらの結果は、これらの化合物の両方がインビボにおいて心臓保護効果を有することを示す。
【0178】
実施例14:急性肝毒性のインビボモデルにおける3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールの効果
この実験では、3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール化合物の肝細胞の保護能力が試験される。
【0179】
多くの他の細胞のように肝細胞は、細胞質膜上にFas/CD95受容体を担持する。Fasルートの刺激は、カスパーゼのカスケードを活性化することによって、細胞死を誘導する。
【0180】
肝障害の急性モデルは、Jo2抗Fas抗体の1回注射によって誘導することができ(Ogasawaraら,Nature,August 1993)、重篤な肝障害を生じさせ、ウイルス性、自己免疫性又は薬物誘導の肝炎と似ている。
【0181】
血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)とも呼ばれるアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALAT)は、肝細胞に存在する酵素である。その活性は、肝溶解後の血漿中に有意に増加し、したがって、肝障害を評価するための良好なマーカーである。
【0182】
材料及び方法
動物
ブリーダー「Elevage Janvier」(Le Genest−Saint−Isle,France)から雄性成体CD1マウスを用いた。動物は、個別に隔離され、水及び餌に自由な接近とした。
【0183】
設置は、光の調節サイクル(7:00am−7:00pm)、20±2℃の温度、50±20%の湿度で維持された。
【0184】
Jo2抗体の調製
モノクローナル・ハムスター抗マウスCD95(Fas)抗体のストック溶液は、Jo2と呼ばれ、Pharmingen(BD Biosciences,ref.554254、バッチ32699)からのものであり、水で1mg/mLの濃度に調製される。使用された希釈は、水中の0.9%塩化ナトリウムで行った。
【0185】
試験されるべき化合物の調製
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールの所望の量を計量し、微粉末に粉砕し、次に、Cremophore EL(Sigma C5135)及び無水エタノール(Carlo Erba RPE 41571)(それぞれ、最終容積の5%及び10%)と混合した。完全な溶解後、水中の0.9%塩化ナトリウムを即座に添加する(最終容積の85%)。
【0186】
2種類の実験を行う:Jo2による中毒と続くALAT評価、及びJo2による致死的な中毒。
【0187】
−Jo2による中毒及びALAT評価:
手順
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールでの前処理は、Jo2抗体を投与する1時間前に、腹腔内投与による10及び30mg/kgの服用量で実行される。Jo2抗体は、体重1kg当たり5mLの容積で125μg/kgの服用量を腹腔内に注射することによって投与される。
【0188】
対照は、化合物なしで、試験されるべき化合物を調製するために使用したのと同一の容積の抗体を投与する1時間前に、腹腔内投与による前処理を受ける動物を用いて得られる。
【0189】
ALAT評価
Jo2を投与して24時間後、麻酔したマウスから血液を採取する。ALATアッセイは、IFCC(International Federation of Clinical Chemistry)によって標準化された方法に従って、分光光度計(Hitachi Modular)を用いて、キット(Roche Diagnostics)の使用によって行った。
【0190】
結果及び結論
125μg/kg服用量でのJo2の腹腔内投与は、注射後の24時間以内にマウスのいずれの死亡を誘導しない。
【0191】
ALAT活性は、10及び30mg/kgで化合物3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールによって有意に減少させる。
【0192】
【表2】

【0193】
Jo2投与の1時間前に10及び30mg/kgで投与された3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールにより、致死下の抗体服用量によって誘導される細胞死は制限され得る。
【0194】
ALAT活性は、血漿中の肝細胞崩壊のバイオマーカーであり、未処理の対照マウスよりも、3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールで処理されたマウスにおいて有意に低い。
【0195】
−Jo2抗体による致死的な中毒
この実験では、致死的服用量のJo2抗体を投与後の動物の生存における3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールの効果を評価する。
【0196】
手順
Jo2抗体は、5mL/kg体重の容積で200又は250μg/kgの服用量で腹腔内注射によって投与される。
【0197】
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールは、前処理として、Jo2投与の1時間前、後処理として、Jo2投与の1時間後に10及び30mg/kgで試験される。
【0198】
対照は、化合物なしで、試験されるべき化合物を調製するために用いられた溶液と同一の容積である、抗体投与の1時間前又は1時間後に腹腔内投与によって前処理を受ける動物を用いて得られる。
【0199】
結果及び結論
【0200】
【表3】

【0201】
投与される服用量で、Jo2抗体は、対照群における24時間以内の実質的な致死率(動物の70〜100%)を誘導する。
【0202】
投与された服用量で3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールでの前処理及び/又は後処理は、動物の生存率の増加を誘導する。
【0203】
したがって、抗体の致死的服用量(200又は250μg/kg)が使用される場合、抗体の1時間前又は後、10及び30mg/kgで投与された3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールは、24時間でマウスの生存率を増加させる。
【0204】
結論
抗Fas(Jo2)抗体によってマウスにおいて誘導された急性肝毒性のモデルを用いて、3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オールの肝臓保護特性を示すことができた。
【0205】
これらの顕著な効果を用いて、式Iで表される化合物の使用は、一般的な細胞保護薬物の調製に意図され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経保護剤を除く細胞保護剤を得るための、式I:
【化1】

(式中、
X及びYは一緒になって、ケトン基(=O)、オキシム基(=NOH)又はメチルオキシム基(=NHOMe)を表すか、又はXはヒドロキシルを表し、Yは水素原子を表し;
Bは、ヒドロキシルラジカルを表し、C及びDは、同一であるか又は異なっていて、水素原子又は1〜4個の炭素原始を含む直鎖状若しくは分岐状のアルキルラジカルを表し;
又はB及びCは一緒になって、ケトン基を表し、Dはメチル、ヒドロキシル若しくはメチルアミンラジカルを表し;
又はB及びCは、水素原子を表し、及びDはメチルアミンラジカルを表し;
又はB及びCは一緒になって、オキシム基を表し、Dはメチルラジカルを表し;及び
Rは、1〜10個の炭素原子を含む直線状又は分岐状のアルキルラジカルを表す)
で表される化合物の少なくとも1つ、あるいは医薬として許容される酸との付加塩の1つ、又はそのエステルの1つ若しくは該エステルの医薬として許容される酸との付加塩の1つの使用。
【請求項2】
式Iにおいて、Rが、式II:
【化2】

で表されるコレスタン(cholestane)ラジカルを表すことによって特徴付けられる、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
式Iにおいて、X及びYが一緒になって、ケトン基を表すことによって特徴付けられる、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
式Iにおいて、Bがヒドロキシルラジカルを表し、C及びDが同一であるか又は異なっていて、水素原子又は1〜4個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状のアルキルラジカルを表すことによって特徴付けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
式Iにおいて、B及びCが一緒になって、ケトン基を表し、Dがメチルラジカルを表すことによって特徴付けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
式Iにおいて、X及びYが一緒になって、オキシム基を表すことによって特徴付けられる、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項7】
式Iで表される化合物が、
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−オール、
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−メチルアルコール、又は
3,5−セコ−4−ノル−コレスタン−5−オンオキシム−3−ジメチルアルコール
から選択され、あるいは医薬として許容される酸との付加塩の1つ、又はそのエステルの1つ若しくは該エステルの医薬として許容される酸との付加塩の1つであることによって特徴付けられる、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
前記薬物が、壊死、及び/又は病的アポトーシス、及び/又はネクロトーシス(necroptosis)を治療又は予防するために意図され(抗壊死剤及び/又は抗アポトーシス剤及び/又は抗ネクロトーシス剤)、又は
骨、関節、結合組織及び軟骨の疾患、
筋肉疾患、
皮膚疾患、
心臓血管疾患、
循環器系疾患、
血液疾患及び血管疾患、
肺疾患、
胃腸管疾患、
肝疾患、
膵臓疾患、
代謝疾患、
腎疾患、
ウイルス感染及び細菌感染、
重篤な中毒、
後天性免疫不全症候群(AIDS)に関連した変性疾患、
老化に関連した障害、
炎症性疾患、
自己免疫疾患、
歯科疾患、
眼科疾患又は障害、
聴覚管の疾患、
ミトコンドリアに関連した疾患
などの更なる疾患を治療又は予防するために意図されることによって特徴付けられる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
前記薬物が、心臓細胞を保護するために意図される(心臓保護剤)ことによって特徴付けられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
前記薬物が、肝細胞を保護するために意図される(肝臓保護剤)ことによって特徴付けられる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
前記薬物が、ミトコンドリアに関連した疾患を治療又は予防することによって特徴付けられる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
前記薬物が、移植前、移植中若しくは移植後の組織又は器官の細胞を保護するために意図されることによって特徴付けられる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
請求項1に記載の式Iで表される化合物の1つ、あるいは医薬として許容される酸との付加塩の1つ、又はそのエステルの1つ若しくは該エステルの医薬として許容される酸との付加塩の1つを含む組成物、特に医薬組成物又は薬物。

【公表番号】特表2009−529517(P2009−529517A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557788(P2008−557788)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【国際出願番号】PCT/FR2007/000330
【国際公開番号】WO2007/101925
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(505342058)
【Fターム(参考)】