説明

細長い電極を有する半導体デバイス用のワイヤボンドデバイスパッケージ

デバイスパッケージは、細長い長さの少なくとも1つの電極を有する、少なくとも1つの半導体デバイスを含んでいる。デバイスパッケージはまた、電極の細長い長さに平行に延びる、少なくとも1つの導電性パッドも含んでいる。端子リードは、導電性パッドと一体であるのがよい。複数の大体同じ長さのワイヤボンドにより、導電性パッドおよび半導体デバイスの細長い電極に電気的に接続するのがよい。別の案として、第2半導体デバイスを、導電性パッドに取り付け、複数のワイヤボンドを、この第2デバイスおよび第1半導体デバイスの細長い電極に電気的に接続するのがよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「窒化ガリウムをベースとするデバイス用のワイヤボンドパッケージ」という発明の名称の2005年5月3日に提出の米国仮特許願第60/677308号に関連するものである。
【0002】
本発明は、半導体デバイスに関し、より詳細には細長い電極を含む半導体デバイスを有するワイヤボンド半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
窒化ガリウム(GaN)をベースとするデバイスのような、窒化III属元素をベースとする電力半導体デバイスは、電力の応用にとって好ましいものである。例えば、窒化III属元素をベースとするデバイスは、ダイオード、一方向スイッチ、および双方向スイッチを含んでいる。これらのデバイスは、横方向導電デバイスであり、電力電極および制御電極は、デバイスの上面に沿って配置され、デバイスの底面は非導電性である。
【0004】
図1Aは、窒化III属元素の一方向スイッチングデバイス10の平面図である。このデバイス10は、ドレイン電極22およびソース電極23を備え、これらは、互いに入り込む部分として配列されている。
【0005】
図示のように、これらの各電極は、デバイスのほぼ長さ方向にそれぞれの縁に沿って延びる細長いランナー21または24も有している。ランナー21は、ドレイン電極22の互いに入り込む部分に接続され、ランナー24は、ソース電極23の互いに入り込む部分に接続されている。ワイヤボンドは、電極とインターフェースをとるためにランナーに形成されるのがよい。デバイス10はまた、ドレイン電極22とソース電極23との間に蛇行する形状で形成されたゲート電極20も備えている。
【0006】
図1Bは、窒化III属元素の双方向スイッチングデバイス30の平面図である。デバイス30は、ダニエル M キンツァー(Daniel M.Kinzer)らにより、かつ本出願の譲受人に譲渡された「窒化III属元素の双方向スイッチ」という名称の発明に関する非特許文献1に開示されているようなものであるのがよい。非特許文献1の内容は、そっくりそのまま本明細書に記載されているかのように、参照のために、本明細書に組み込まれる。
【0007】
デバイス30は、第1および第2電力電極25および26を有し、これらは、互いに入り込むように配列されている。この場合も、前のものと同様に、各電力電極は、デバイスのほぼ長さに沿って延びる細長いランナー42または40を有し、ランナー42は、電力電極25のそれぞれの部分に接続され、ランナー40は、電力電極26の個別の部分に接続されている。
【0008】
上と同様に、ワイヤボンドは、電力電極とインターフェースをとるために、このランナーに形成されているのがよい。デバイス30はまた、第1および第2ゲート電極32および34も備え、各電極の部分は、電力電極の間に配置されている。細長いランナー46および48も設けられ、ランナー46は、ゲート電極32の部分に電気的に接続され、ランナー48は、ゲート電極34の部分に電気的に接続されている。
【0009】
各ゲート電極を制御することによって、スイッチは、電流を、順方向または逆方向のいずれかに導通させることができる。従って、どちらの電力電極も、ドレインまたはソース電極としての機能を果たすことができる。
【0010】
同様に、窒化III属元素をベースとするダイオードの場合には、デバイスは、電力電極だけを備えている。
【0011】
一般に、TO−220およびSIPパッケージ形式のような従来のデバイスパッケージ形式を、窒化III属元素をベースとする半導体デバイスを収容するように適合させることが望ましい。
【0012】
例えば、図2には、先行技術のTO−220デバイスパッケージ100が示され、このパッケージに、窒化III属元素をベースとするデバイス101が配置されている。この例では、デバイス101は、ソース電極23、ドレイン電極22、およびゲート電極20を有する窒化III属元素をベースとする一方向スイッチングデバイスである。
【0013】
デバイスパッケージ100はまた、ダイパッド104と、リード110〜118のような複数の端子リードとを有するリードフレーム102を備えている。図2に示すように、これらの端子リードの個別のボンドパッド110a〜118aは、通常、ダイパッド104の下端に隣接して、デバイスパッケージの底部を横切るように配列されている。デバイスパッケージ100はまた、デバイス101およびリードフレーム102の上面の一部を覆う保護ケース05を備えている。
【0014】
図2に示すように、デバイス101の非導電性底面は、はんだ、エポキシ接着剤などの接着剤を用いてパッド104に取り付けられ、電極をデバイスの上面に沿って露出させる。デバイス101のソース電極23は、電極のランナーからボンドパッド112aへ延びる複数のワイヤボンド120を通して端子リード112に電気的に接続される。
【0015】
同様に、デバイス101のドレイン電極22は、電極のランナーからボンドパッド118aへ延びる複数のワイヤボンド121を通して、端子リード118に電気的に接続される。デバイスのゲート電極20は、ワイヤボンド122を通して、端子リード112のボンドパッド112aに電気的に接続される。
【非特許文献1】米国公告第US2005−0189561号(米国仮特許願第11/056062号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
重要なことであるが、図2に示すように、窒化III属元素をベースとするデバイスの電力電極のランナーが細長いので、かつ従来のデバイスパッケージの端子リードのボンドパッドが通常パッケージの底面に沿って形成されるので、個別の電力電極とボンドパッドとの間の複数のワイヤボンドは長く、長さがさまざまで同じでなく、そのため、デバイスパッケージは不適切なものとなる。
【0017】
例えば、図2に示すように、ソース電極23の複数のワイヤボンド120およびドレイン電極22の複数のワイヤボンド121は長く、長さがさまざまで同じではない。特に、ワイヤボンドの長い長さは、パッケージ抵抗を増大させ、不要なインダクタンスを追加し、またコストを増大させる。ワイヤボンドの長さはまた、保護ケース105を形成するモールドプロセス中にワイヤスイープを起こしやすくする。さらに、所与の電極の個別のワイヤボンドの長さが異なっていると、ワイヤボンドの抵抗はさまざまに異なり、そのため、ワイヤボンドを越えて不均等電流分布が引き起こされる。
【0018】
重要なことであるが、ワイヤボンドのさまざまな長さはまた、窒化III属元素をベースとするデバイスにおいて、不均等電流分布をもたらす。
【0019】
上述の問題と同様の問題は、1つまたは複数の細長い電極を有するシリコンをベースとするデバイスをパッケージする場合にも、起こることに留意するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
従って、パッケージ抵抗を減らし、ワイヤボンドを越えた電流を均等にし、かつデバイスの電流を均等にすることによって、先行技術の上記および他の欠点を克服しうる、細長い電極を有する半導体デバイス用の半導体デバイスパッケージを提供することが望ましい。
【0021】
本発明の実施形態によれば、半導体デバイスパッケージは、少なくとも1つのダイパッド、および複数の端子リードを有するリードフレーム102を含んでいる。窒化III属元素スイッチングデバイスのような、少なくとも1つの細長い電極を有する、少なくとも1つの半導体デバイスは、細長い電極がデバイスの上面に沿って露出するように、ダイパッド上に配置される。
【0022】
本発明の実施形態によれば、細長い電極に接続されることを目的とする端子リードのボンドパッドは、長いことがよく、細長い電極と平行に、かつ好ましくは、それに隣接して延びているのがよい。さらに、ボンドパッドは、電極のほぼ全長に沿って延びているのがよい。
【0023】
次に、複数のワイヤボンドが、延長したボンドパッドと細長い電極との間に形成される。このようなやり方でボンドパッドを構成することによって、電極とボンドパッドとの間の複数のワイヤボンドは、電極およびボンドパッドに沿ってほぼ平行に配置され、ほぼ同じ長さとなる。
【0024】
長さがほぼ同じ長さであるため、複数のワイヤボンドは、ほぼ同じ抵抗を有し、そのため、ワイヤボンドを越えた電流は均等となり、さらに重要なことには、デバイスの電流は均等となる。さらに、このように、ボンドパッドを長くすることによって、ワイヤボンドの長さを短くすることが可能であり、それによって、デバイスパッケージの抵抗、インダクタンス、およびコストは減らされる。
【0025】
本発明の別の実施形態によれば、第2半導体デバイスは、伸ばされたボンドパッド上に配置される。ここで、複数のワイヤボンドは、第2半導体デバイスの電極および第1デバイスの電極に接続することができる。この場合も、先と同様に、ボンドパッドを、第1デバイスの細長い電極と平行に延びるように構成することによって、第2デバイスを、この電極に隣接して取り付けることが可能であり、それによって、ワイヤボンドをほぼ平行に、同じ長さとし、しかも長さを短くすることができる。
【0026】
以下、本発明の他の特徴および利点について、添付図面に基づく本発明の次の説明により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図3は、本発明の実施形態による半導体デバイスパッケージ200の平面図である。デバイスパッケージ200は、ヘッダー203と一体であるダイパッド204を有し、かつリード210〜214のような、複数の端子リードをさらに有するリードフレーム202を備えている。図示のように、リード212のような、1つ以上の端子リードは、ダイパッド204と一体であるのがよい。
【0028】
当業者は、デバイスパッケージ200が、単一のダイパッドおよび5つの端子リードを有するとして示されているのに対して、本発明のこの実施形態によるデバイスパッケージは、1つ以上のダイパッドを有していればよく、かつ5つ位の端子リードを有しているのがよいことを理解しうると思う。
【0029】
デバイスパッケージ200はまた、ダイパッド204に取り付けられた少なくとも1つの半導体デバイス201も備えている。このデバイス201は、1つ以上の細長い電極を有する、GaNをベースとするデバイスのような、窒化III属元素をベースとする電力半導体デバイスであるのがよい。すなわち、一方向スイッチ、双方向スイッチ、またはダイオードであるのがよい。
【0030】
またこのデバイスは、また温度検出電極または電流検出電極をも有することがあるが、このような電極は絶対必要ではない。また、デバイス201は、1つ以上の細長い電極を有するシリコンをベースとするデバイスであるのがよい。本発明のこの実施形態例においては、デバイス201は、第1および第2電力電極25および26ならびに第1および第2ゲート電極34および32を有する、窒化III属元素の双方向スイッチングデバイスである。
【0031】
デバイスパッケージ200はまた、デバイス201と、リードフレーム202の上面の少なくとも一部とを覆う保護/絶縁ケース205も備えている。ケース205は、オーバーモールドされ、リードフレーム202の底面の少なくとも一部を覆いうるようになっている。
【0032】
図3に示すように、本発明のこの実施形態は、デバイスパッケージ200は、TO−200パッケージ形式に準拠している。ここで、端子リード210〜214は、相互に平行で同一平面にあり、パッケージ200の同じ縁から、保護ケース205の周縁を越えて延びている。
【0033】
しかし、当業者は、本発明のこの実施形態は、TO−200パッケージ形式に限定されず、デバイスパッケージ200は、TO−247パッケージ形式のような、他のTO形式に準拠するのがよく、より一般には、SIPパッケージ形式のような、他のパッケージ形式に準拠するのがよいことを理解しうると思う。
【0034】
デバイス201を再び参照すると、上に示したように、本発明のこの実施形態例においては、デバイスは、窒化III属元素の双方向スイッチングデバイスである。図3に示すように、デバイスの非導電性底面は、はんだ、エポキシ接着剤などのような接着剤を用いてダイパッド204に取り付けられ、それによって、デバイスの上面に電極は露出されている。特に、デバイス201の底面をダイパッド204に取り付けることは、デバイスの底面から熱を取り除くのに都合が良い。
【0035】
図3にさらに示すように、デバイス201の第1電力電極25の細長いランナーは、複数のワイヤボンド220を経由して、端子リード210のボンドパッド210aに電気的に接続されているのがよく、第2電力電極26の細長いランナーは、複数のワイヤボンド222を経由して、端子リード214のボンドパッド214aに電気的に接続されているのがよい。
【0036】
同様に、デバイス201の第1ゲート電極34は、ワイヤボンド224を経由して、端子リード211のボンドパッド211aに電気的に接続されているのがよく、第2ゲート電極32は、ワイヤボンド226を経由して、端子リード213のボンドパッド213aに電気的に接続されているのがよい。ワイヤボンド220〜226は、例えば、金またはアルミニウムから形成されるのがよい。当業者は、デバイスパッケージ200の他の電極・端子リード配置が、本発明から逸脱することなく可能であることを理解しうると思う。
【0037】
重要なことは、本発明の実施形態においては、デバイス201の細長い電力電極25および26に接続された導電性ボンドパッド210aおよび214aは、図3に示すように、長さが延びていることである。具体的に言うと、これらのボンドパッドは、ダイパッド204の対向する周辺縁まで、好ましくは隣接して延び、すなわちデバイス201の電力電極25および26の細長い長さに平行して、隣接して延びている。
【0038】
図3にさらに示すように、これらのボンドパッドは、電力電極の全長にほぼ沿って延びているのがよい。このようなやり方でボンドパッドを構成することによって、個別の電力電極とボンドパッドとの間の複数のワイヤボンド220の各々および複数のワイヤボンド222の各々は、電極およびボンドパッドに沿って、ほぼ平行に配置されることが可能となり、ほぼ同じ長さである。
【0039】
ほぼ等しい長さのために、所与の電極/ボンドパッドの複数のワイヤボンドは、ほぼ同じ抵抗を有することとなり、それによって、ワイヤボンドを越える電流を均等にし、さらに重要なことには、デバイス201の電流を均等にする。さらに、この延長したやり方でボンドパッドを構成することによって、ワイヤボンド220および222の長さを短くすることができ、それによって、デバイスパッケージ200の抵抗、インダクタンス、およびコストを減らすことができる。
【0040】
当業者は、ボンドパッドを電極の細長い長さと平行に延びる他の構成が、本発明から逸脱することなく可能であることを理解しうると思う。特定の配置は、例えば、デバイス201の種類、デバイスパッケージ内のデバイスの配置、および目的とする用途に依存する。
【0041】
さらに、図3に示すように、所与の細長い電極に平行であるパッドをそれぞれ有する、2つの端子リードを有するよりもむしろ、唯一の端子リードのボンドパッドがそのように構成されているのがよい。同様に、3つ以上の端子リードは、個別の細長い電極に平行であるボンドパッドを有してもよい。さらに、複数の端子リードは、所与の細長い電極に平行である単一のボンドパッドと一体であるのがよく、それによって、電極は、複数のリードに電気的に接続される。
【0042】
同一の符号が同一の部材を示している図4は、本発明の別の実施形態によるデバイスパッケージ300の平面図を示している。このデバイスパッケージ300は、デバイスパッケージ200とほぼ類似しているが、TO−220フルパック(Full−Pak)パッケージ形式に準拠している。
【0043】
デバイスパッケージ300は、ヘッダー303と一体であるダイパッド304を有し、かつパッケージ300の同じ縁から、保護ケース305の周辺を越えて延びる複数の端子リード310〜314を有するリードフレームを有し、保護ケース305は、リードフレームの上面および底面の部分を覆って延びている。この場合も、先と同様に、当業者は、デバイスパッケージ300が、1つより多いダイパッドを含むことが可能であり、本発明から逸脱せずに、5つ位の端子リードを有することができることを理解しうると思う。
【0044】
デバイスパッケージ300は、また少なくとも1つの半導体デバイス301も備えている。本発明のデバイスパッケージ200に類似するこの実施形態例においては、デバイス301は、細長い電力電極25および26を有する窒化III属元素の双方向スイッチングデバイスである。
【0045】
しかし、当業者は、デバイスパッケージ300が、他の種類の窒化III属元素をベースとする半導体デバイスを含むか、または1つ以上の細長い電極を有するシリコンをベースとするデバイスを含むことができることを理解しうると思う。デバイスパッケージ200と同様に、デバイス301は、ダイパッド304に取り付けられ、端子リード310および314のボンドパッド310aおよび314aにそれぞれワイヤボンドされた、第1および第2電力電極25および26の細長いランナーを有する。
【0046】
同様に、デバイス301の第1および第2ゲート電極34および32は、端子リード311および313のボンドパッド311aおよび313aにそれぞれワイヤボンドされる。この場合も、先と同様に、当業者は、デバイスパッケージ300が、図4に示す電極・端子リード配置に限定されないことを理解しうると思う。
【0047】
本発明のデバイスパッケージ200と類似するこの実施形態によれば、ボンドパッド310aおよび314aは、デバイス301の電力電極25および26の細長い長さと平行に延びるように構成され、それによって、個別のワイヤボンド220および222はほぼ平行で同じ長さに、また長さを短くできる。当業者は、この場合も、先と同様に、他のボンドパッド配置が上述と同様に可能であることを理解しうると思う。
【0048】
同一の符号が同一の部材を示す図5は、本発明の別の実施形態によるデバイスパッケージ400の平面図である。他のパッケージ形式も使用することもできるが、デバイスパッケージ400は、デバイスパッケージ200とほぼ同一であり、TO−220パッケージ形式に準拠している。
【0049】
本発明のこの実施形態によれば、デバイスパッケージ400は、6つ位の端子リードを有することができるけれども、デバイスパッケージ400は、第6追加端子リード215を有するリードフレーム402を含んでいる。デバイスパッケージ400はまた、ダイパッド204に取り付けられた少なくとも1つの半導体デバイス401も含んでいる。本発明のこの実施形態においては、デバイス401は、デバイス401によって電流を検出する電流検出電極50を含んでいる。本発明のこの実施形態例においては、デバイス401は、第1および第2電力電極25および26ならびに第1および第2ゲート電極34および32を有する、窒化III属元素の双方向スイッチングデバイスである。
【0050】
しかし、当業者は、デバイス401がさまざまな種類の半導体デバイス、例えば1つ以上の細長い電極を有する窒化III属元素の一双方向スイッチングデバイス、またはシリコンをベースとするスイッチングデバイスなどであってもよいことを理解しうると思う。
【0051】
デバイスパッケージ200と同様に、デバイス401の第1および第2電力電極25、および26ならびに第1および第2ゲート電極34および32は、リードフレーム402の端子リード210、211、213、および214に電気的に接続されている。さらに、電流検出電極50は、ワイヤボンド228を通じて端子リード215のボンドパッド215aに電気的に接続されている。この場合も先と同様に、当業者は、デバイスパッケージ400が図5に示す電極・端子リード配置に限定されないことを理解しうると思う。また当業者は、他のボンドパッド配置が、上述のように可能であることを理解しうると思う。
【0052】
図6は、本発明の別の実施形態による半導体デバイスパッケージ500の平面図である。このデバイスパッケージ500は、SIP15パッケージ形式のもので、ヘッダー503と一体であるダイパッド504を有し、かつ平行で同一平面内にあり、パッケージ500の同じ縁から、保護ケースの周辺を越えて延びる複数の端子リード510〜524を有するリードフレーム502を有している。図6では、簡単にするために保護ケースを示していない。
【0053】
デバイスパッケージ500は、図示した窒化III属元素をベースとするダイの変体のような、より大きいダイを収容するために使用できる。当業者は、デバイスパッケージ500が、図6に示すように、単一のダイパッドおよび15の端子リードに限定されないことを理解しうると思う。また当業者は、本発明のこの実施形態が、SIP15パッケージ形式に限定されず、他のパッケージ形式に準拠できることを理解しうると思う。例えば、修正TO−247パッケージ形式も、図6に示す窒化III属元素をベースとするダイの変体のような、より大きいダイを収納するために使用できる。
【0054】
上述の実施形態と同様に、このパッケージは、その上に取り付けられたダイパットと、デバイス電極の細長い長さに平行に、かつ隣接して延びる1つ以上のボンドパッドとを備えることがある。
【0055】
再び図6を参照すると、デバイスパッケージ500はまた、ダイパット504に取り付けられた少なくとも1つの半導体デバイス501も備えている。本発明のこの実施形態例においては、このデバイス501は、電流検出電極および温度検出電極が絶対必要ではないが、第1および第2電力電極25および26、第1および第2ゲート電極34および32、電流検出電極50、ならびに温度検出電極52を有する窒化III属元素の双方向スイッチングデバイスである。当業者はまた、デバイスパッケージ500が、窒化III属元素の双方向スイッチングデバイスに限定されず、さまざまな種類の窒化III属元素をベースとするデバイス、または例えば1つ以上の細長い電極を有する、シリコンをベースとするデバイスを含むことができることを理解しうると思う。
【0056】
本発明のこの実施形態例によれば、デバイス501の非導電性底面は、接着剤を用いて、ダイパット504に取り付けられ、それによって、電極をデバイスの上面に露出させてある。図6に示すように、デバイス501の第1ゲート電極34は、ワイヤボンド224を通して、端子リード514のボンドパッド514aに電気的に接続され、第2ゲート電極32は、ワイヤボンド226を通して、端子リード524のボンドパッド524aに電気的に接続される。同様に、電流検出電極50は、ワイヤボンド228を通して、端子リード515のボンドパッド515aに電気的に接続され、温度検出電極52は、ワイヤボンド230を通して、端子リード516のボンドパッド516aに電気的に接続される。
【0057】
さらに、デバイス501の第1電力電極25の細長いランナーは、複数のワイヤボンド220を通してボンドパッド510aに電気的に接続され、第2電力電極26は、複数のワイヤボンド222を通してボンドパッド521aに電気的に接続される。上述のデバイスパッケージと同様に、ボンドパッド510aおよび512aは、図6に示すように、デバイス501の第1電力電極25および26の細長い長さに平行に延びるように構成され、これらの電力電極のほぼ全長に沿って延びているのがよい。この場合も、先と同様に、この配置によって、複数のワイヤボンド220および222を、ほぼ平行で同じ長さに、かつ長さを短くできる。
【0058】
さらに、本発明のこの実施形態によれば、ボンドパッド510aおよび521aもまた、リード510〜512およびリード521〜523のような、複数の端子リードとそれぞれ一体であり、それによって、各電力電極を複数の端子リードに電気的に接続しうる。この場合も、先と同様に、当業者は、上述のように、他の電極・端子リード配置が可能であり、他のボンドパッド配置が可能であることを理解しうると思う。
【0059】
同一の符号が同一の部材を示している図7は、本発明の別の実施形態による半導体デバイスパッケージ600の平面図である。デバイスパッケージ600は、他のパッケージ形式も使用できるけれども、デバイスパッケージ200とほぼ同一であり、TO−220パッケージ形式に準拠している。当業者はまた、デバイスパッケージ600が、図7に示すように、単一のダイパッド204、および5つの端子リード210〜214に限定されないことを理解しうると思う。
【0060】
本発明のこの実施形態によれば、デバイスパッケージ600は、デバイス601およびデバイス610のような、2つ以上の半導体デバイスを有し、これらのデバイスは、相互に接続されて回路を形成しうる。各デバイスは、例えば、窒化III属元素をベースとする半導体デバイス、シリコンをベースとするデバイス、またはその組合せであるのがよい。
【0061】
本発明のこの実施形態例によれば、デバイス601は、第1および第2電力電極25および26、ならびに第1および第2ゲート電極34および32を有する窒化III属元素の双方向スイッチングデバイスである。またデバイス610は、デバイスの両面にアノード電極611およびカソード電極612を有するシリコンをベースとする縦方向導通ダイオードである。デバイス601および610は、図8に模式的に示すように、相互接続されて回路620を形成している。この場合も、先と同様に、当業者は、本発明がこの回路構成に限定されず、他の構成も可能であることを理解しうると思う。
【0062】
本発明のこの実施形態によれば、ダイオード610のアノード電極611が端子リード210と電気的に接触するように、ダイオード610は、導電性接着剤を用いて、延長したボンドパッド210aにフリップチップ配置で直接取り付けられる。デバイスパッケージ200と同様に、双方向スイッチングデバイス601はダイパッド204に取り付けられ、端子リード214の延長したボンドパッド214aにボンドされた、その第2電力電極26の細長いランナーを有する。同様に、デバイス601の第1および第2ゲート電極34および32は、端子リード211および213のボンドパッド211aおよび213aに、それぞれボンドされる。
【0063】
本発明のこの実施形態によれば、デバイス601の第1電力電極25の細長いランナーは、複数のワイヤボンド220によって、ダイオード610のカソード電極612にボンドされる。
【0064】
重要なことに、図7に示すように、ボンドパッド210aを、デバイス601の第1電力電極25の細長い長さに隣接して平行に延びるように形成することによって、ダイオード610を、この電力電極に隣接して取り付けるのがよく、それによって、ワイヤボンド220をほぼ平行で同じ長さに、かつ長さを短くできることである。この場合も、先と同様に、抵抗、インダクタンス、およびコストは減少され、また、ワイヤボンドを越えた、デバイス601内の電流の均等化が可能となる。
【0065】
この場合も先と同様に、当業者は、デバイスパッケージ600の他の電極・端子リード配置が可能であり、上述のように、他のボンドパッド配置も可能であることを理解しうると思う。
【0066】
以上本発明を、その特定の実施形態に即して説明したが、多くの他の変形例と変更態様、および他の用途が当業者には明らかであると思う。従って本発明は、本明細書の特定の開示によってではなく、添付の特許請求の範囲によってだけ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1A】先行技術の窒化III属元素をベースとする一方向スイッチングデバイスの平面図である。
【図1B】先行技術の窒化III属元素をベースとする双方向スイッチングデバイスの平面図である。
【図2】先行技術の半導体デバイスパッケージの平面図であり、パッケージは、窒化III属元素をベースとするデバイスを有し、電力電極は、さまざまな長さの細長いワイヤボンドによって個別の端子リードにワイヤボンドされている。
【図3】本発明の実施形態による半導体デバイスパッケージの平面図であり、パッケージは、窒化III属元素をベースとするデバイスを有し、電力電極は、短縮したほぼ同じ長さのワイヤボンドによって個別の端子リードにワイヤボンドされている。
【図4】本発明の別の実施形態による半導体デバイスパッケージの平面図であり、パッケージは、図3のパッケージと類似している。
【図5】本発明の別の実施形態による半導体デバイスパッケージの平面図であり、パッケージは、図3のパッケージと類似している。
【図6】本発明の別の実施形態による半導体デバイスパッケージの平面図であり、パッケージは、窒化III属元素をベースとするデバイスを有し、電力電極は、短縮したほぼ同じ長さのワイヤボンドによって複数の端子リードにワイヤボンドされている。
【図7】本発明の別の実施形態による半導体デバイスパッケージの平面図であり、パッケージは、2つの半導体デバイスを有し、これらの半導体デバイスは、回路を形成するために相互接続されている。
【図8】本発明の実施形態による、図7の半導体デバイスパッケージの相互接続されたデバイスによって形成した回路の図である。
【符号の説明】
【0068】
10 一方向スイッチングデバイス
20 ゲート電極
22 ドレイン電極
23 ソース電極
21 ランナー
24 ランナー
25 第1電力電極
26 第2電力電極
30 双方向スイッチングデバイス
32 第1ゲート電極
34 第2ゲート電極
40 ランナー
42 ランナー
46 ランナー
48 ランナー
50 電流検出電極
52 温度検出電極
100 TO−220デバイスパッケージ
101 一方向スイッチングデバイス
102 リードフレーム
104 ダイパッド
105 保護ケース
110〜118 リード
110a〜118a ボンドパッド
120 ワイヤボンド
121 ワイヤボンド
122 ワイヤボンド
200 デバイスパッケージ
201 デバイス
202 リードフレーム
203 ヘッダー
204 ダイパッド
205 保護ケース
210〜215 リード
210a ボンドパッド
211a ボンドパッド
213a ボンドパッド
214a ボンドパッド
215a ボンドパッド
220〜226 ワイヤボンド
228 ワイヤボンド
300 デバイスパッケージ
301 デバイス
303 ヘッダー
304 ダイパッド
305 保護ケース
310〜314 リード
310a ボンドパッド
311a ボンドパッド
313a ボンドパッド
314a ボンドパッド
400 デバイスパッケージ
401 デバイス
402 リードフレーム
500 デバイスパッケージ
501 デバイス
502 リードフレーム
503 ヘッダー
504 ダイパッド
510〜524 リード
510a ボンドパッド
514a ボンドパッド
515a ボンドパッド
521a ボンドパッド
524a ボンドパッド
600 デバイスパッケージ
601 デバイス
610 デバイス
611 アノード電極
612 カソード電極
620 回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い電極を有する電力半導体デバイスと、
前記電極から間隔をおいて配置され、かつ前記電極の長さと平行をなす導電性パッドを有するリードフレームと、
前記電極を前記ボンドパッドに電気的に接続する、ほぼ同じ長さの複数のワイヤボンドと、
前記電力半導体デバイスおよび前記リードフレームの一部を包囲する保護ケース、
とを備える半導体デバイスパッケージ。
【請求項2】
電極が、電力半導体デバイスの長さにほぼ沿って延びている請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項3】
導電性パッドは伸ばされた長さであり、電極の長さにほぼ沿って延びている請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項4】
複数のワイヤボンドは、ほぼ平行である請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項5】
複数のワイヤボンドは、ほぼ同じ電気抵抗を有している請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項6】
電力半導体デバイスは、窒化III属元素をベースとするデバイスである請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項7】
電力半導体デバイスは、GaNをベースとするデバイスである請求項6に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項8】
電力半導体デバイスは、スイッチングデバイスである請求項6に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項9】
リードフレームは、導電性パッドと一体である少なくとも1つの端子リードをさらに含んでいる請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項10】
デバイスパッケージが、TO−220パッケージ形式に準拠している請求項9に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項11】
デバイスパッケージは、TO−247パッケージ形式に準拠している請求項9に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項12】
デバイスパッケージは、フルパック(Full-Pak)パッケージ形式に準拠している請求項9に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項13】
デバイスパッケージは、SIPパッケージ形式に準拠している請求項9に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項14】
電力半導体デバイスに配置され、細長い第2電極と、
前記第2電極から間隔をおいて配置され、かつ前記第2電極の長さと平行に延びる、リードフレームの第2導電性パッド、
前記第2電極を前記第2導電性パッドに電気的に接続し、おおむね同じ長さである第2複数のワイヤボンド、
とをさらに備える請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項15】
電力半導体デバイスは、電流検出電極をさらに含んでいる請求項14に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項16】
電力半導体デバイスは、温度検出電極をさらに含んでいる請求項15に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項17】
細長い電極を有する第1電力半導体デバイスと、
前記電極から間隔を設けて配置され、かつそれと平行に延びる導電性パッドを有するリードフレームと、
前記導電性パッド上に配置され、かつ上面に電極を有する第2電力半導体デバイスと、
前記第1電力半導体デバイスの電極を、前記第2電力半導体デバイスの電極に電気的に接続している、複数のワイヤボンドと、
前記第1および第2電力半導体デバイス、および前記リードフレームの一部を密閉している保護ケース、
とを備える半導体デバイスパッケージ。
【請求項18】
リードフレームは、導電性パッドと一体である少なくとも1つの端子リードをさらに含む請求項17に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項19】
第1電力半導体デバイスは、窒化III属元素の双方向スイッチングデバイスであり、第2電力半導体デバイスはダイオードであり、前記ダイオードの電極はカソード電極である請求項17に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項20】
第1電力半導体デバイスに配置されている、細長い第2電極と、
前記第2電極から間隔をおいて配置され、かつ前記第2電極の長さと平行に延びる、リードフレームの第2導電性パッドと、
前記第2電極を前記第2導電性パッドに電気的に接続し、ほぼ同じ長さである第2複数のワイヤボンド、
とをさらに備える請求項17に記載の半導体デバイスパッケージ。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2008−541435(P2008−541435A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510242(P2008−510242)
【出願日】平成18年5月3日(2006.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/017346
【国際公開番号】WO2006/119485
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(504392083)インターナショナル レクティファイアー コーポレイション (107)
【Fターム(参考)】