説明

終点検出装置及びドライエッチング装置

【課題】 光の強度低下に対する処置を容易にした終点検出装置及びドライエッチング装置を提供する。
【解決手段】 密閉可能なチャンバ10を有するドライエッチング装置100の当該チャンバ10内でのエッチング処理の終点を検出する終点検出装置であって、チャンバ10の壁部に設けられた検出窓30と、チャンバ10の外側から検出窓30を通してその内側へ光を投射するために当該チャンバ10の該外側に配置された発光部50と、チャンバ10の内側から検出窓30を通してその外側へ反射してくる光を検出するために当該チャンバ10の該外側に配置された検出部60と、検出部60で得られる光の強度が最適値となるときの当該検出部60及び発光部50のそれぞれの配置位置を探索し、探し当てた配置位置に検出部60と発光部50とをそれぞれ移動させるコントローラ70と、を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、終点検出装置及びドライエッチング装置に関し、特に、チャンバ内でのプラズマ発光や、ウエーハ表面からの干渉光を検出することで、エッチングプロセスの終点を検出する終点検出装置において、光の強度低下に対する処置を容易にした技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図5(A)は、従来例に係るドライエッチング装置400の構成例を示す概念図である。このドライエッチング装置400は、チャンバ410内部にプラズマ雰囲気を形成して、ウエーハW表面のシリコンや、ポリシリコン、シリコン酸化膜、又はシリコン窒化膜等をエッチングする装置である。
図5(A)に示すように、このドライエッチング装置400は、チャンバ410と、このチャンバ410内でウエーハWを支持するためのステージ420と、検出窓430と、反射鏡440と、発光部450と、検出部460とを含んだ構成となっている。
【0003】
このドライエッチング装置400では、そのエッチングプロセスの終点を検出するために、発光部450から光が発せられ、この光は反射鏡440で検出窓430方向に反射し、検出窓430を通ってウエーハW表面に入射する。そして、この光はウエーハW表面で反射し、検出窓430を通ってその上方にある検出部460に到達するようになっている。
【0004】
また、この種の従来技術として、例えば特許文献1の図5に開示されたものがある。即ち、特許文献1にあっては、検出窓(光学窓)の形状を粗面にすること、及び、検出窓の取り付け位置をチャンバ上面から離れた位置に設定することで、検出部で検出される光の強度低下を防止するようになっている。
【特許文献1】特表2003−510845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来例に係るドライエッチング装置によれば、検出窓430がチャンバ410の内部に露出した構造となっている。このため、図5(B)に示すように、検出窓430のチャンバ410の内部に面した表面は、プラズマ化されたエッチングガスによってエッチングされてしまい、エッチング時間の累積に伴って、検出部460で検出される光の強度が低下する現象(以下、「光の強度低下現象」という。)があった。
【0006】
従来例では、このような光の強度低下現象に対して、作業者が発光部450や、検出部460の配置位置を小まめに調整することで対処していたが、その調整には手間がかかるという問題があった。さらに、上記位置調整でも対処できない場合には検出窓430を新品に交換するしかなく、その交換サイクルが短かった。
本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、光の強度低下に対する処置を容易にした終点検出装置及びドライエッチング装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の終点検出装置は、密閉可能なチャンバを有するドライエッチング装置の当該チャンバ内でのエッチング処理の終点を検出する終点検出装置であって、前記チャンバの壁部に設けられた検出窓と、前記チャンバの内側から前記検出窓を通してその外側へ出てくる光を検出するために当該チャンバの該外側に配置された検出手段と、前記検出手段で得られる前記光の強度が基準値以上となるときの当該検出手段の配置位置を探索し、探し当てた前記配置位置に前記検出手段を移動させる検出位置制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
ここで、「チャンバの内側から検出窓を通してその外側へ出てくる光」とは、例えば、チャンバ内のプラズマ発光(即ち、プラズマによって生成された発光)や、ウエーハ表面の干渉光(即ち、ウエーハ表面における反射層の差異から干渉しあう光)等である。このような光は、エッチングの終点時に波長や、その波長における強さ、干渉パターン等が変化する。また、「検出手段」は、例えば、フォトダイオード、分光計、またはCCDカメラに結合されたバンドパスフィルタ等である。さらに、「基準値」とは、例えばフォトダイオードにおいて、光電変換が行われるのに必要な最小限の光の強度値である。この値は、フォトダイオードの種類によってそれぞれ異なる。また、上記配置位置の探索と、探し当てた配置位置への検出手段の移動は、例えばモニターウエーハまたはプロダクションウエーハに対するエッチング処理時に行う。
発明1の終点検出装置によれば、検出手段の位置調整を自動で行うことができるので、作業者の上記位置調整に係る手間を低減することができる。
【0009】
〔発明2〕 発明2の終点検出装置は、密閉可能なチャンバを有するドライエッチング装置の当該チャンバ内でのエッチング処理の終点を検出する終点検出装置であって、前記チャンバの壁部に設けられた検出窓と、前記チャンバの外側から前記検出窓を通してその内側へ光を投射するために当該チャンバの該外側に配置された光源手段と、前記チャンバの内側から前記検出窓を通してその外側へ反射してくる光を検出するために当該チャンバの該外側に配置された検出手段と、前記検出手段で得られる前記光の強度が基準値以上となるときの前記光源手段の配置位置を探索し、探し当てた前記配置位置に前記光源手段を移動させる光源位置制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
ここで、上記配置位置の探索と、探し当てた配置位置への光源手段の移動は、例えばモニターウエーハまたはプロダクションウエーハに対するエッチング処理時に行う。
発明2の終点検出装置によれば、光源手段の位置調整を自動で行うことができるので、作業者の上記位置調整に係る手間を低減することができる。
【0011】
〔発明3〕 発明3の終点検出装置は、密閉可能なチャンバを有するドライエッチング装置の当該チャンバ内でのエッチング処理の終点を検出する終点検出装置であって、前記チャンバの壁部に設けられた検出窓と、前記チャンバの外側から前記検出窓を通してその内側へ光を投射するために当該チャンバの該外側に配置された光源手段と、前記チャンバの内側から前記検出窓を通してその外側へ反射してくる光を検出するために当該チャンバの該外側に配置された検出手段と、前記検出手段で得られる前記光の強度が基準値以上となるときの当該検出手段及び前記光源手段のそれぞれの配置位置を探索し、探し当てた前記配置位置に前記検出手段と前記光源手段とをそれぞれ移動させる位置制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構成であれば、検出手段と光源手段のそれぞれの位置調整を自動で行うことができるので、作業者の上記位置調整に係る手間を低減することができる。
【0012】
〔発明4〕 発明4の終点検出装置は、密閉可能なチャンバを有するドライエッチング装置の当該チャンバ内でのエッチング処理の終点を検出する終点検出装置であって、前記チャンバの壁部に設けられた検出窓と、前記チャンバの内側から前記検出窓を通してその外側へ出てくる光を検出するために当該チャンバの該外側に配置された検出手段と、前記検出手段と前記検出窓との間に設けられて前記光の進行方向を修正する光路修正手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
ここで、光路修正手段としては、例えば、水や、溶液又はガス等を透明な容器に封入した封入体等が挙げられる。被封入材に溶液を選択した場合にはその溶質や溶媒の種類を変えることで、封入体の屈折率を変えることができ、光の進行方向を修正することが可能である。また、被封入材に水、溶液、ガスの何れを選択した場合、その容量(封入体の厚さ)を変えることで光路長を変えることができ、光の進行方向を修正することが可能である。
【0014】
発明4の終点検出装置によれば、エッチングの進行によって、検出窓の光学特性が変動した場合でも、検出窓を通った後の光の進行方向を光路修正手段で修正することによって、この光を検出手段に到達させることが可能である。従って、検出手段の位置調整に係る作業者の手間を低減することができる。
【0015】
〔発明5〕 発明5の終点検出装置は、密閉可能なチャンバを有するドライエッチング装置の当該チャンバ内でのエッチング処理の終点を検出する終点検出装置であって、前記チャンバの壁部に設けられた検出窓と、前記チャンバの内側から前記検出窓を通してその外側へ出てくる光を検出するために当該チャンバの該外側に配置された検出手段と、前記検出手段から反れた前記光を前記検出手段に向けて反射させる反射手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0016】
ここで、反射手段は、例えば、チャンバの外側であって、検出窓と検出手段とを結ぶ光路の延長線上に設けられた半円鏡である。
発明5の終点検出装置によれば、検出窓を通って出てきた光が検出手段から反れる方向に散乱している場合でも、この反れる方向に散乱した光(散乱光)を検出手段に集めることが可能である。従って、従来例と比べて、光の回収効率を高めることができ、検出窓の交換頻度を少なくすることが可能である。これにより、例えば、検出窓自体の購入コストを減らすことができる。また、検出窓の交換に伴うドライエッチング装置の停止時間を減らすことができるので、その生産能力の向上に貢献することができる。
【0017】
〔発明6〕 発明6のドライエッチング装置は、発明1から発明5の何れか一の終点検出装置を備えたことを特徴とするものである。
このような構成であれば、発明1から発明5の何れか一の終点検出装置が応用されるので、光の強度低下に対する処置が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る終点検出装置及びドライエッチング装置100について説明する
(1)第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態に係るドライエッチング装置100の構成例を示す概念図である。このドライエッチング装置100は、半導体装置の前工程で、シリコンや、ポリシリコン、シリコン酸化膜をプラズマ雰囲気中でエッチングする装置である。図1に示すように、このドライエッチング装置100は、密閉可能なチャンバ10と、ウエーハWを支持するためのステージ20と、検出窓30と、反射鏡40と、発光部50と、検出部60と、コントローラ70とを含んだ構成となっている。
【0019】
検出窓30はチャンバ10の上方壁部に設けられている。この検出窓30は、チャンバ10の内側から外側との間を貫通する開口部に、サファイヤガラスがはめ込まれた構造となっている。発光部50は、光をチャンバ10内に投射するものであり、チャンバ10の外側に配置されている。この発光部50は、コントローラ70の制御下でその位置を調整することが可能となっている。反射鏡40は、チャンバ10の外側であって、検出窓30の近くに設けられている。この反射鏡40は、検出窓30の表面を通る垂線に対して例えば45゜の傾きを持った状態で配置されている。この反射鏡40によって、発光部50から投射される光は検出窓30側に反射される。
【0020】
検出部60は、チャンバ10の内側から検出窓30を通してその外側へ反射してくる光を検出するものである。この検出部60は、フォトダイオード、分光計、またはCCDカメラに結合されたバンドパスフィルタ等である。この検出部60は、コントローラ70の制御下でその位置を調整することが可能となっている。
コントローラ70は、ドライエッチング装置100の終点検出を含む処理動作全てを制御する装置であり、例えばCPUとメモリ等から構成されている。このコントローラ70は、検出部60で得られる光の強度がその検出に最適な値(この最適な値は、少なくとも、光電変換に必要な最小限の強度値以上の値である。)となるときのそれぞれの配置位置を探索し、探し当てた配置位置に検出部60と発光部50とをそれぞれ移動させる機能を有する。このコントローラ70は、チャンバ10の外側に配置されており、例えば信号線を介して検出部60や、発光部50等にそれぞれ接続している。
【0021】
このドライエッチング装置100では、チャンバ10の上方壁部に設けられた検出窓30と、反射鏡40と、発光部50と、検出部60と、コントローラ70とによって、終点検出装置が構成されている。
このドライエッチング装置100も、従来例で示したドライエッチング装置400(図5(A)及び(B)参照。)と同様に、検出窓30がチャンバ10内部に露出した構造となっている。そのため、検出窓30のチャンバ10内部に面した表面は、プラズマ化されたエッチングガスによってエッチングされてしまい、エッチング時間の累積に伴って、光の強度低下現象が顕著となる。
【0022】
このような光の強度低下現象に対応するため、このドライエッチング装置100では、例えばモニターウエーハまたはプロダクションウエーハに対するプラズマエッチング時に、発光部50と、検出部60について、それぞれ位置調整を行う。次に、これら発光部50と、検出部60の位置調整の手順について説明する。
図2は、終点検出装置における発光部50と、検出部60のそれぞれの位置調整の手順を示すフローチャートである。
【0023】
まず始めに、図2のステップS1では、コントローラ70の制御下で発光部50から光を投射させる。すると、発光部50から出た光は、反射鏡40で90゜曲がる方向に反射して検出窓30方向に進み、検出窓30を通ってチャンバ10内に入る。次に、チャンバ10内に入った光(入射光)は、ステージ20上のウエーハW表面で反射する。そして、反射した光(反射光)は、チャンバ10の内側から検出窓30を通ってその外側に配置された検出部60に到達する。
【0024】
検出部60は、この光を光電変換し、その変換後の電気信号をコントローラ70に送信する。コントローラ70は、この検出部60から送られてきた電気信号に基づいて、検出部60に到達した光がエッチングの終点検出を行うに十分な強度を有するか否か(即ち、光の強度低下が有るか無いか)を判断する。光の強度が十分である場合(即ち、光の強度低下が無い場合)には、発光部50や、検出部60の位置調整は不要である。従って、図2のフローチャートを終了する。
【0025】
一方、光の強度が十分でない場合(即ち、光の強度低下が有る場合)には、図2のステップS2へ進む。ステップS2では、コントローラ70の制御下で、発光部50と検出部60とをそれぞれの可動範囲内で移動させる。このような可動範囲内での移動動作を一定時間繰り返して行い、この間、検出部60で検出される光の強度が最適となるときの、検出部60と発光部50のそれぞれの配置位置(以下、「最適位置」という。)を探索する。この探索では、発光部50からの光を連続して投射させる。また、検出部60では、光電変換を常時行い、その光電変換により得られる電気信号をコントローラ70に送信する。
【0026】
ステップS3では、この検出部60から送られてきた信号に基づいて、検出部60と発光部50のそれぞれの最適位置を決定する。ここで、最適位置とは、例えば光の強度が最も大きくなるときの、検出部60と発光部50のそれぞれの配置位置である。そして、検出部60と発光部50とをそれぞれ最適位置に移動させ、図2のフローチャートを終了する。
【0027】
このように、本発明の第1実施形態に係るドライエッチング装置100によれば、検出部60で検出される光の強度をコントローラ70にフィードバックする。そして、コントローラ70はこのフィードバックされた結果に基づいて、検出部60と発光部50のそれぞれの最適位置を探索する。
このような構成であれば、検出部60と発光部50のそれぞれの配置位置を自動調整することができるので、作業者の上記位置調整に係る手間を低減することができる。また、上記自動調整により、ドライエッチング装置100における製品処理の中断時間を減少させることが可能であり、その生産能力の向上を期待することができる。
【0028】
この第1実施形態では、発光部50が本発明の「光源手段」に対応し、検出部60が本発明の「検出手段」に対応している。また、コントローラ70が本発明の「位置制御手段」、「検出位置制御手段」、「光源位置検出手段」にそれぞれ対応している。
【0029】
(2)第2実施形態
図3は本発明の第2実施形態に係るドライエッチング装置200の構成例を示す概念図である。図3において、図1に示したドライエッチング装置100と同一の構成を有する部分には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0030】
図3に示すように、このドライエッチング装置200では、チャンバ10の上方壁部に設けられた検出窓30と、反射鏡40と、発光部50と、検出部60と、コントローラ70と、光路修正装置80とによって、終点検出装置が構成されている。
光路修正装置80は、検出部60と検出窓30との間に設けられており、チャンバ10の内側から検出窓30を通ってその外側へ出てきた光の進行方向を修正するものである。
【0031】
この光路修正装置80は、例えば、水や、溶液又はガス等を透明な容器に封入した封入体である。被封入材に溶液を選択した場合にはその溶質や溶媒の種類を変えることで、封入体の屈折率を変えることができ、光の進行方向を修正することが可能である。また、被封入材に水、溶液、ガスの何れかを選択した場合、その容量(封入体の厚さ)を変えることで光路長が変え、光の進行方向を修正することが可能である。
【0032】
このドライエッチング装置200では、検出窓30を新品に交換してからのエッチングの累積時間と、光の進行方向の変化との関係を実験等を通して求めておく。次に、この実験結果に基づいて、上記光の進行方向の変化をキャンセルするような屈折率の異なる複数の封入体を用意する。そして、上記実験の履歴から、エッチングの累積時間に対する各封入体の交換のタイミングを決めておく。
【0033】
このような構成であれば、エッチングの進行によって、検出窓30の光学特性(屈折率等)が変動した場合でも、検出窓30を通った後の光の進行方向を光路修正装置80で修正し、この光を検出部60に到達させることが可能である。従って、検出部60の位置調整に係る作業者の手間を低減することができる。
また、検出窓30自体のエッチングを止めることはできないが、光路修正装置80を組み合わせて使用することにより、従来技術では使用できない程度までエッチングされた検出窓30をその後も引き続き使用することが可能である。これにより、検出窓30のロングライフ化が可能である。
【0034】
この第2実施形態では、光路検出装置80が本発明の「光路修正手段」に対応している。その他の対応関係は、第1実施形態と同様である。
なお、この第2実施形態では、光路修正装置80が、例えば、水や、溶液又はガス等を透明な容器に封入した封入体である場合について説明した。しかしながら、光路修正装置80は、これに限られることはない。例えば、検出窓30と同素材であるサファイヤガラス製のプレートでも良い。このように検出窓30と同素材であるプレートを用いる場合には、厚さを変えることで、その光路長を変えることができる。従って、厚さの異なる(つまり、光路長の異なる)プレートを複数枚用意しておき、エッチングの累積時間に合わせてこれらプレートを入れ替えすることで、封入体の場合と同様に、光の進行方向を修正することが可能である。
【0035】
(3)第3実施形態
図4は本発明の第3実施形態に係るドライエッチング装置300の構成例を示す概念図である。図4において、図1に示したドライエッチング装置100と同一の構成を有する部分には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0036】
図4に示すように、このドライエッチング装置300では、チャンバ10の上方壁部に設けられた検出窓30と、反射鏡40と、発光部50と、検出部60と、半円鏡90とによって、終点検出装置が構成されている。
図4に示すように、半円鏡90は、チャンバ10の外側であって、検出窓30と検出部60とを結ぶ光路の延長線上に設けられている。この半円鏡90は、検出部60と向かい合う面側に、回転放物面(即ち、放物線をその軸のまわりに回転して得られる曲面)状の鏡面を備えており、この鏡面で検出部60から反れた光を検出部60に向けて反射させるものである。
【0037】
このような構成であれば、検出窓30を通って出てきた光が検出部60から反れる方向に散乱している場合でも、この反れる方向に散乱した光(散乱光)を検出部60に集めることが可能である。従って、従来例と比べて、光の回収効率を高めることができ、検出窓30の交換頻度を少なくすることが可能である。これにより、例えば、検出窓30のロングライフ化が可能であり、検出窓30自体の購入コストを減らすことができる。また、検出窓30の交換に伴うドライエッチング装置の停止時間を減らすことができるので、その生産能力の向上に貢献することができる。
【0038】
この第3実施形態では、半円鏡90が本発明の「反射手段」に対応している。その他の対応関係は、第1実施形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第1実施形態に係るドライエッチング装置100の構成例を示す図。
【図2】発光部50と検出部60のそれぞれの位置調整の手順を示すフローチャート。
【図3】第2実施形態に係るドライエッチング装置200の構成例を示す図。
【図4】第3実施形態に係るドライエッチング装置300の構成例を示す図。
【図5】従来例に係るドライエッチング装置400の構成例を示す図。
【符号の説明】
【0040】
10 チャンバ、20 ステージ、30 検出窓、40 反射鏡、50 発光部、60検出部、70 コントローラ、80 光路修正装置、90 半円鏡、100,200,300 ドライエッチング装置、W ウエーハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉可能なチャンバを有するドライエッチング装置の当該チャンバ内でのエッチング処理の終点を検出する終点検出装置であって、
前記チャンバの壁部に設けられた検出窓と、
前記チャンバの内側から前記検出窓を通してその外側へ出てくる光を検出するために当該チャンバの該外側に配置された検出手段と、
前記検出手段で得られる前記光の強度が基準値以上となるときの当該検出手段の配置位置を探索し、探し当てた前記配置位置に前記検出手段を移動させる検出位置制御手段と、を備えたことを特徴とする終点検出装置。
【請求項2】
密閉可能なチャンバを有するドライエッチング装置の当該チャンバ内でのエッチング処理の終点を検出する終点検出装置であって、
前記チャンバの壁部に設けられた検出窓と、
前記チャンバの外側から前記検出窓を通してその内側へ光を投射するために当該チャンバの該外側に配置された光源手段と、
前記チャンバの内側から前記検出窓を通してその外側へ反射してくる光を検出するために当該チャンバの該外側に配置された検出手段と、
前記検出手段で得られる前記光の強度が基準値以上となるときの前記光源手段の配置位置を探索し、探し当てた前記配置位置に前記光源手段を移動させる光源位置制御手段と、を備えたことを特徴とする終点検出装置。
【請求項3】
密閉可能なチャンバを有するドライエッチング装置の当該チャンバ内でのエッチング処理の終点を検出する終点検出装置であって、
前記チャンバの壁部に設けられた検出窓と、
前記チャンバの外側から前記検出窓を通してその内側へ光を投射するために当該チャンバの該外側に配置された光源手段と、
前記チャンバの内側から前記検出窓を通してその外側へ反射してくる光を検出するために当該チャンバの該外側に配置された検出手段と、
前記検出手段で得られる前記光の強度が基準値以上となるときの当該検出手段及び前記光源手段のそれぞれの配置位置を探索し、探し当てた前記配置位置に前記検出手段と前記光源手段とをそれぞれ移動させる位置制御手段と、を備えたことを特徴とする終点検出装置。
【請求項4】
密閉可能なチャンバを有するドライエッチング装置の当該チャンバ内でのエッチング処理の終点を検出する終点検出装置であって、
前記チャンバの壁部に設けられた検出窓と、
前記チャンバの内側から前記検出窓を通してその外側へ出てくる光を検出するために当該チャンバの該外側に配置された検出手段と、
前記検出手段と前記検出窓との間に設けられて前記光の進行方向を修正する光路修正手段と、を備えたことを特徴とする終点検出装置。
【請求項5】
密閉可能なチャンバを有するドライエッチング装置の当該チャンバ内でのエッチング処理の終点を検出する終点検出装置であって、
前記チャンバの壁部に設けられた検出窓と、
前記チャンバの内側から前記検出窓を通してその外側へ出てくる光を検出するために当該チャンバの該外側に配置された検出手段と、
前記検出手段から反れた前記光を前記検出手段に向けて反射させる反射手段と、を備えたことを特徴とする終点検出装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の終点検出装置を備えたことを特徴とするドライエッチング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−196578(P2006−196578A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−4989(P2005−4989)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】