説明

組成物および口臭を打ち消す方法

本発明は、フレーバ組成物を含む嗜好上好ましい口臭除去組成物およびオーラルケア製品、該組成物を形成せしめる方法および口臭を打ち消す方法に関する。前記組成物は、4種または5種以上の口臭低減活性成分を含み、総濃度はフレーバの総濃度を基準として少なくとも20%(w/w)以上であり、それぞれの濃度は、フレーバの総濃度を基準として、経口悪臭除去剤あたり1%である。各OMC活性成分の最大濃度は、経口悪臭除去活性成分の総濃度を基準として、70%である。規定された経口悪臭除去活性成分は、種々のフレーバ化合物および天然の成分である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口臭(oral malodour)を打ち消す(counteracting)方法、口臭低減(OMC)組成物であってOMC活性成分を含有することによって形成されるオーラルケア製品に関する。
【背景技術】
【0002】
口臭に関与する、鍵となる揮発成分には、種々の硫黄分子が包含され、とくに硫化水素(HS)、メタンエチオール(MeSH)およびジメチルスルフィド(Me−S−Me)である。これらのうち、MeSHは最も低い臭い閾値を有し、そのため最も重大な関連性を有している。
【0003】
オーラルケア製品、例えば練り歯磨き、口すすぎ剤およびチューインガム、は、旧来、強いフレーバ類を含有して口臭、あるいはそれを感知することのマスクを、優占的なフレーバまたは匂いを用いて行う。この際、悪臭は存在し続けるが、共存したときには検出されにくくなる。例えば、JP 2004018431には種々のフレーバ組成物として、ミントオイルまたは化合物であって、ミント植物に含まれていることが知られているものが記載されている。それらは、口臭に対する活性成分として知られていているところ(例えばメントール)、マスキングフレーバ化合物とともに含まれている。
【0004】
口臭は、グラム陰性細菌により、口の中で生成される。口臭を減じるための他の旧来のアプローチは、これらの細菌を攻撃することであり、例えばトリクロサン、塩化セチルピリジニウムおよびクロルヘキシジンのような、古典的な抗細菌剤によるものである。
天然成分またはフレーバ化合物の抗細菌効果が用いられる場合もある。これらには、例えば、チモール、ウィンターグリーンオイル、サリチル酸メチル、ユーカリプトールならびにミントオイルおよびミント植物に生じる化合物、とくにメントール、が知られている。さらなる天然成分として悪臭を打ち消す効果を有するものに包含されるのは、パセリがあるところ、これは口臭に対して古代より用いられている。イオノンと亜鉛塩との組み合わせも、口臭を打ち消すために用いられている(アルファ−イオノン、ベータ−イオノン、ガンマ−イオノン、ジヒドロイオノン、アルファ−メチルイオノン、イロン)。また、ある種の高級アルコール類、とくにノナノールは、酵母等の微生物を殺し、C1〜C4低級アルコール類と組み合わせるとオーラルケア組成物として有用である(WO 99/51093)ことが知られている。興味深いことに、オクタノールは効果を有しないことが見出された。
【0005】
しかし、これらの細菌の完全な阻止または根絶は不可能かもしれないし、天然由来の、阻害するとさらに有害な微生物に置き換わるかもしれない口内細菌を阻害しないようにするために、望ましくない場合が多い。
代替は、口内細菌の大部分をそのままにして口臭を減じることであり、とくに、悪臭揮発性物質を反応性化学物質に化学的に捕捉することによる。例えば、緑茶抽出物に含有されているようなポリフェノール化合物が、揮発性の硫黄化合物を捕捉することが知られている。同じ作用機構が、オーラルケア製品類に通常用いられる亜鉛塩類も認められている。さらなる化学的アプローチは、悪臭硫黄揮発性物質の分解を、酸化物質の適用によって行うことである。しかし、これらの化学的アプローチの欠点は、それぞれの臭気性硫黄化合物分子に対し、化学論量の結合分子または分解分子が必要であり、そのため、口臭の打ち消しに成功するためには、反応性化学物質の量として比較的高い量が必要となることである。
【0006】
もう一つのアプローチは、関係する細菌酵素に対する酵素的阻害により、悪臭硫黄揮発物が、そもそも生成されないようにするものである。例えば、ある種の植物抽出物(トマト、Uncaria gambier、Quillaja saponaria、Hamamelis virginiana、Eriobotrya japonica、Equisetum arvense、Crataegus oxyacantha、Diospyros kaki、Curcuma domestica、Ginkgo biloba、緑茶、紅茶および/またはウーロン茶)は、メチオニネーゼ酵素を阻害することが知られているところ、該酵素はMeSHを生成する。例えば、口すすぎ剤として、トマト抽出物0.001、シンナムアルデヒド0.0001、塩化セチルピリジニウム0.0001、クロルヘキシジングルコネート0.0001、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油2、グリセロール8、エタノール5、サッカリンナトリウム0.04および水100%を含有するものが知られている。
【0007】
上記アプローチの全ては、口臭低減効果を完全には奏していず、とくに次のような欠点を克服できていない。フレーバ添加によるマスキングアプローチでは、悪臭は完全にマスクすることはできず、持続性も短い。抗菌剤は口内細菌の数を減らすが、口腔を完全に消毒することは不可能であるかまたは必要とは限らない。化学結合または化学分解には多量の化学物質が必要であり、そのため効果に乏しく、実用的でない。
【0008】
公知の成分、例えばチモール、オイゲノール、シンナムアルデヒドおよびメントール、の使用における他の欠点は、それらが優占的なフレーバを、効果に必要な比較的高い濃度で用いたときに有することである。次に、これは、製品の嗜好上の好ましさを害し、消費者に受け容れられがたくなる。また、アルキル悪の活性物質、とくに抗菌性活性物質は、苦味または渋味を有しているところ、トリクロサンまたは亜鉛塩類が例示される。
現在知られている口臭低減成分では、フレーバリストが、オーラルケア製品として十分な活性および受け容れられるフレーバをものを与えることは困難である。このことがとくに困難な成分は、組成物の中に高濃度で取り込んで初めて十分な口臭低減効果を有するものである。抗菌化合物または成分は、多くの場合好ましくない味を有している。フレーバ化合物または成分であって優占的なフレーバ化合物を含有しているものは、高濃度で用いられると、消費者には「薬」の味かまたは強すぎる味(overpowering)が感じられることとなる。好ましくない味を避けるために低濃度で用いると、該濃度は口臭を十分効果的に打ち消すことができない可能性がある。強すぎる好ましくない味は、とくにチモール、オイゲノール、シンナムアルデヒドおよびメントールに当てはまる。また、メントールは、高濃度で焼け付くような刺激を与える一方、低濃度では冷感が感じられる(いずれの効果も三叉神経によって媒介されるものであって、フレーバ受容体によるものではない)。ある消費者群に受け容れられてはいるものの、他の群、とくに子供は、より高い感受性を、とくにメントールに対して有する。したがって、子供用練り歯磨きを包含有するある種の製品には、代替するものが必要である。
【0009】
したがって、嗜好的に受け容れられる組成物であって、十分に高い悪臭除去効果を与えるものに対する需要が存在し続けている。
このような組成物の成分を特定する際の他の問題は、適切な試験系にある。本出願人は、ある成分が、インビトロおよび単一種の細菌を用いた試験において十分に酵素を阻害すると思われても、同成分を、唾液/舌掻き取りサンプル中の全舌細菌群について試験すると、結果は多くの場合異なったものとなる。これらの生体外(ex vivo)サンプルは、種々の異なる細菌種を包含し、生体内の状況をよりよく反映するからである。したがって、重要なことは、口臭低減活性成分の効果を試験する際には、混合細菌群を、F. nucleatumのような単一の関連する細菌種の代わりに(または追加して)用いることである。また、舌からの混合細菌サンプルは、唾液からの全てのタンパク質を含有していて、該タンパク質は活性成分を吸着し、また、唾液の加水分解酵素も含有するところ、それは例えばエステルのようなある種の成分を不活性化する。実験と結果については、例において詳細に記載してある。
【0010】
上記試験系を用いて、驚くべきことに、数多くの食品グレードの成分であってフレーバ化合物を含むものが、口臭低減活性成分として、本発明のフレーバ組成物またはオーラルケア製品において有用であることが認められた。これらの特定された口臭低減成分または化合物(「OMC活性成分」)は、十分な口臭低減活性を有するため、フレーバ組成物およびオーラルケア製品の形成が、強すぎるフレーバを伴わずに可能であることが見出された。これらのOMC活性成分として、本発明のフレーバ組成物およびオーラルケア製品に有用なものは、以下からなる群から選択される。5−イソプロピル−2−メチル−フェノール、オクタン−1−オール、3,7−ジメチル−オクト−6−エン−1−オール、3,7−ジメチル−オクタン−1−オール、1−イソプロピル−4−メチル−シクロヘキス−3−エノール、3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエン−1−オール、2−(4−メチル−シクロヘキス−3−エニル)プロパン−2−オール、3,7−ジメチル−オクタ−1,6−ジエン−3−オール、ノナ−2,4−ジエナール、ノン−2−エナール、2,6,6−トリメチル−シクロヘキス−1−エンカルブアルデヒド、3−(4−イソプロピル−フェニル)−2−メチル−プロピオンアルデヒド、4−イソプロペニル−シクロヘキス−1−エンカルブアルデヒド、5−メチル−2−フェニル−ヘクス−2−エナール、4−メトキシ−ベンズアルデヒド、2,6−ジメチル−ヘプト−5−エナール、デク−2−エナール、フェニル−アセトアルデヒド、2−フェニル−プロピオンアルデヒド、3,7,11−トリメチル−ドデカ−1,3,6,10−テトラエン、3,7−ジメチル−オクタ−1,3,6−トリエン、1−イソプロピル−4−メチル−シクロヘキサ−1,3−ジエン、1−メチル−4−(5−メチル−1−メチレン−ヘクス−4−エニル)−シクロヘキセン、1−イソプロピル−4−メチルベンゼン、デク−3−エン−2−オン、3−メチル−2−ペンチル−シクロペント−2−エノン、6−メチル−ヘプタ−3,5−ジエン−2−オン、
【0011】
オクト−2−イン酸メチルエステル、ノン−2−イン酸メチルエステル、オクト−2−エン酸エチルエステル、オクト−2−エン酸メチルエステル、酢酸オクチルエステル、酢酸オクト−2−エニルエステル、2−メチル−ブト−2−エン酸ヘクス−3−エニルエステル、ノン−2−エン酸メチルエステル、酢酸ノニルエステル、酢酸ヘプチルエステル、酪酸3−フェニル−アリルエステル、ヘキス−2−エン酸エチルエステル、酢酸1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、酢酸4−アリル−2−メトキシ−フェニルエステル、酢酸1−メチル−1−(4−メチル−シクロヘキス−3−エニル)−エチルエステル、ヘキス−2−エン酸メチルエステル、酢酸2−イソプロペニル−5−メチル−シクロヘキシルエステル、ノン−2−イン酸エチルエステル、ノン−2−エン酸エチルエステル、ヘプト−2−エン酸エチルエステル、ヘプト−2−エン酸メチルエステル、5−オクチル−ジヒドロ−フラン−2−オン、1,1−ジメトキシ−3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエン、1−アリル−4−メトキシ−ベンゼン、6−ヘキシル−テトラヒドロ−ピラン−2−オン、3−ブチル−3H−イソベンゾフラン−1−オン、2−ペンチル−フラン、(2E,5E/Z)−5,6,7−トリメチルオクタ−2,5−ジエン−4−オン、4−メチル−デク−3−エン−5−オール、1−シクロプロピルメチル−4−メトキシ−ベンゼン、オレガナム精油、ガルバナム精油、リツェアクベバ精油、タゲテ精油、ジャスミンアブソルート、ラバンダ精油、ラバンディン精油、ローズマリー精油およびベチベル精油(化合物の慣用名または別称は例における表1と対比されたい)。
【0012】
上記において特定されたOMC活性成分によって、フレーバリストは、効果的なOMC組成物として消費者が受け容れ得るフレーバを有するものを、少なくとも4種のOMC活性成分をOMC組成物中において用いることによって与えることができる。嗜好上より好ましいOMC組成物は、5種以上のOMC活性成分を用いることによって達成することができる。
したがって、本発明は、組成物として、口臭に対する高い効果と、同時に消費者にとっての嗜好上の好ましさのいずれをも有するものを与える。また、本発明は、該OMC組成物を生成する方法および該OMC組成物を用いて口臭を低減する方法を与える。
本発明のOMC組成物は、組成物のOMC効果を維持しながら既知の口臭低減成分の濃度を低くするのに用いてもよく、または既知の口臭低減成分の濃度を保ったまま、組成物の効果を高めるのに用いてもよい。
【0013】
第一の側面において、本発明は、下記組成物を指向している:
(a)4種または5種以上の口臭低減活性成分であって、
4種の口臭低減活性成分は、全フレーバを基準として1%(w/w)以上の濃度をそれぞれ有し、4種または5種以上の口臭低減活性成分の総濃度は、フレーバの総濃度を基準として20%(w/w)以上であり、各OMC成分は、OMC活性成分の総濃度を基準として、それぞれ最大70%までの濃度を有し、および
(b)任意成分として、上記添加剤、賦形剤、溶媒およびフレーバ成分から選択されるもの。
【0014】
ある態様において、OMC活性成分は以下からなる群から選択される:3−(4−イソプロピル−フェニル)−2−メチル−プロピオンアルデヒド5−メチル−2−フェニル−ヘクス−2−エナール、デク−2−エナール、2−フェニル−プロピオンアルデヒド、デク−3−エン−2−オン、オクト−2−イン酸メチルエステル、ノン−2−イン酸メチルエステル、オクト−2−エン酸エチルエステル、オクト−2−エン酸メチルエステル、酢酸オクチルエステル、酢酸E−オクト−2−エニルエステル、2−メチル−ブト−2−エン酸(Z)−ヘクス−3−エニルエステル、ノン−2−エン酸メチルエステル、ノン−2−イン酸エチルエステル、ヘプト−2−エン酸エチルエステルヘプト−2−エン酸メチルエステル、5−オクチル−ジヒドロ−フラン−2−オン、(2E,5E/Z)−5,6,7−トリメチルオクタ−2,5−ジエン−4−オン、4−メチル−デク−3−エン−5−オール、1−シクロプロピルメチル−4−メトキシ−ベンゼンおよび1−アリル−4−メトキシ−ベンゼン。
【0015】
他の態様において、本OMC組成物は、前段落において特定された4種または5種以上のOMC活性成分の特定の群から選択されたOMC活性成分を少なくとも3種含む。
他の態様において、ここで特定されるOMC組成物は、1種または2種以上の追加成分として、イオノン、アルファイオノン、ベータイオノン、亜鉛塩類、ポリフェノール化合物および抗菌剤からなる群から選択されるものをさらに含む。
【0016】
抗菌剤は、以下からなる群から選択してよい:トリクロルサン、エンカセチルピリジニウム、ポリヘキシジンビスグアニド、クロルヘキシジンおよび抗菌フレーバ材料。抗菌フレーバ材料には、とくにチモール、カルバクロール、オイゲノール、イソオイゲノール、シンナムアルデヒド、メントールが包含される。フレーバ材料は、これらの成分を含有する精油の形態で与えてよい。好ましい精油には、タイム、オレガナム、クローブ、シナモン葉、シナモン樹皮、パセリ種子、ミント、スペアミントおよびペパーミントからのオイルが包含される。
【0017】
有用なポリフェノール化合物は、例えば、没食子酸部を含むものであり、とりわけエピガロカテキン没食子酸塩である。これらはある種の天然成分の形態でよく、緑茶およびその抽出物であり、例えばエピガロカテキン没食子酸塩について濃縮した緑茶抽出物である。とくに、微粒子形状の形成は、OMCフレーバ組成物を緑茶粒子にスプレー・ドライし、微粒子材料/パウダーを形成せしめることによって行ってよい。得られる微粒子材料は、OMC製品製剤に、容易に混合することができる。
【0018】
他の態様において、4種または5種以上のOMC活性成分の総濃度は、少なくとも30%、40%、50%、60%、または少なくとも70%(w/w)以上である。当該濃度は、OMC組成物中のフレーバの総濃度を基準としたもの(溶媒等の賦形剤および添加剤を除く)である。
他の態様において、上記において特定された前記OMC組成物および各個別のOMC成分の最高濃度は、60%、50%、40%、30%および20%までであり、かかる濃度によってフレーバが「化学的」、「人工的」、好ましくない、強すぎるまたはバランスが取れていない、と感じられることがとりわけ回避される。
フレーバのバランスがとくに良好な組成物には、5種または6種以上のOMC活性成分を用いる。
【0019】
本発明の組成物は、OMCフレーバ組成物およびOMCオーラルケア製品を含む。OMCフレーバ組成物は、オーラルケア製剤に添加してOMCオーラルケア製品に形成してよい。もしくは、OMC化合物をオーラルケア製品製剤に直接添加してOMCオーラルケア製品に形成してよい。
他の側面において、本発明が指向しているのは、4種または5種以上のOMC活性成分(任意に本明細書において上記のOMCフレーバ組成物の形態で)を混合してOMC組成物を生成せしめ、本明細書において上記のOMCオーラルケア製品として、OMC活性成分の濃度がOMCオーラルケア製品の総重量を基準として、約0.1〜約2%(w/w)であるものを生成する方法である。
【0020】
さらに他の側面において、本発明が指向しているのは、本明細書において上記のOMCオーラルケア製品を経口的に(orally)用いて口臭を低減する方法である。
オーラルケア製品に十分なOMC効果を付与するために、前記OMC活性成分またはOMCフレーバ組成物を用いる濃度は、オーラルケア製品中のOMC活性成分の総濃度が十分なOMC活性を付与するようにし、例えば下記において示す濃度である。
オーラルケア製品は、本明細書の上記において規定したOMC活性成分を、総濃度約0.1%〜約2%、約0.2%〜約1.5%、または約0.3%〜約0.8%含む(オーラルケア製品の総重量を基準としたw/w)。後者の濃度は、とくに、同時に、消費者が好ましいと知覚する優れた活性およびフレーバを与える。示したより高い濃度によって活性が向上するところ、大部分の消費者になお受け容れられるフレーバも与える。示したより低い濃度によって、優れたフレーバが与えられるとともに、依然として十分な効果を示す活性も伴う。
【0021】
オーラルケア製品の生成は、上記OMC活性成分またはOMCフレーバ組成物を、既知のオーラルケア製品製剤に添加することによって行ってよい。オーラルケア製品に包含されるのは、例えば、練り歯磨き、口腔すすぎ剤、口腔洗浄剤および携帯「オン・ザ・ゴー」口臭制御製品であって、チューインガム、キャンディ、トローチ、可食フィルムおよび口腔スプレーが包含される。上記オーラルケア製品の製剤は、本技術分野において周知である。オーラルケア製品が含有するものは、賦形剤、例えば界面活性剤、乳化剤、溶媒、着色剤、保存料、抗酸化剤、抗微生物剤、酵素、植物性またはミネラルオイル、脂質、タンパク質、溶解剤、糖誘導体、ビタミン、ソルビトールを包含するポリオール類、有機酸、人工甘味料、ポリマー、増粘剤、チューインガムベース、フッ素化合物を包含するオーラルケア活性成分および亜鉛塩類(例えばグルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、亜クエン酸鉛、である。オーラルケア製品には、アルコール、とくに低級アルコール(C1〜C4)を含むものもある。本発明の前記化合物は、低級アルコールが存在しなくても活性を示し、C1〜C4低級アルコールを含まない水ベース組成物中においても活性を有する。有利なことは、アルコールを含まない組成物、とくに低級アルコール(C1〜C4)を含まないものを生成することができる。このことが望ましいのは、例えばこれらのアルコールが上皮に対して有し得る乾燥の影響(drying-out effect)を回避することにおいてである。
【0022】
特定のオーラルケア製品には、ある濃度幅を選択して良好な活性とともに好ましいと知覚されるフレーバを付与してよい。
例えば、練り歯磨きには、濃度0.2%〜1.25%、または0.5%〜1.25%(w/w全容)の、本明細書の上記において規定したOMC活性成分が有用である。
例えば、口腔洗浄剤には、濃度0.1%〜1.25%、または0.1〜0.5%(w/w全容)の、本明細書の上記において規定したOMC活性成分が有用である。
例えば、チューインガムには、濃度0.2%〜2%、または0.4%〜1.5%(w/w全容)の、本明細書の上記において規定したOMC活性成分が有用である。
【0023】
OMC組成物は、さらに本技術分野で周知の成分および賦形剤を含んでよく、とくに追加のフレーバ成分によって所望のフレーバアコードを付与する。既知のフレーバ成分の例を知ることができるのは、FEMA(Flavour and Extracts Manufacturers Association of the United States)の刊行物またはそれらの編集物としてFEMAから入手可能であり、そして発行され、全てのFEMA GRAS(generally regarded as safe、一般に安全とみなされているもの)刊行物として1965年〜現在までのもの、とくにGRAS 1〜21(最新のものは2003年に発行されたGRAS 21)刊行物、またはAllured's Flavor and Fragrance Materials 2004, Allured Publishing Inc出版、である。オーラルケア製品の既知の賦形剤の例は、Gaffar, Abdul, Advanced Technology, Corporate Technology, Department of Oral Care, Colgate-Palmolive Company, Piscataway, NJ, USA. Editor(s): Barel, Andre O.; Paye, Marc; Maibach, Howard I.,Handbook of Cosmetic Scienceおよび Technology (2001), 619〜643, Publisher: Marcel Dekker, Inc., New York,N. Y、およびCosmetics: Science and technology, 2nd edition, p.423 - 563. Edited by M.S. Balsam and E. Sagarin, Wiley Interscience, 1972.、から見出してよい。
【0024】

例1
酵素阻害でのスクリーニングによる、潜在的OMC活性成分の特定
メチオニン-γ-リアーゼは、メチオニンを開裂してメタンチオール(MeSH)、アンモニウムおよびα-ケト酪酸にする。ゲノムDNAの抽出を、上記酵素を発現する細菌、例えばFusobacterium nucleatum、DSMZ 2048メチオニン-γ-リアーゼをコードしている遺伝子の増幅を、適切なプライマーとして細菌によって異なるものを用いて行うFusobacterium nucleatumには、下記プライーマーを用い:CATGCCATGGAAATGAAAAAATCTGGTおよびCGGAATTCCCAATTTTTTCTAGTCCTTGTTC、標準のPCR条件にて、SIGMA(Buchs, Switzerland)から入手した試薬を用いる。
【0025】
増幅した領域を精製し、制限酵素NcoIおよびEcoRIを用いて切断する。次に、オープン・リーディング・フレームを除去して6 x Histidine-Tagをコードする配列とし、発現ベクターpET-3a(Studier and Moffatt, 1986)にクローンする。得られたプラスミドをE. coliホスト株BL21(DE3)にトランスフォームする。組み替え株を標準の成長培地(LB)において成長せしめ、IPTG(イソプロピル-ベータ-D-チオガラクトピラノシド)によって誘導し、4時間後に細胞の溶解を、イミダゾールを10mM含有するリン酸バッファ(50mM、pH8)中にて、加圧型細胞破壊装置に3回通して行う。細胞溶解物の分離を10,000gの遠心分離を15分間行うことによって行い、上清をNi-NTAアフィニティカラム(Qiagen, Hilden, Germany)に担持せしめる。該カラムを同じバッファでイミダゾールを20mM含むものによって洗浄し、最終的に同じバッファで250mMの濃度のイミダゾールを含むものによって溶離せしめる。得られた溶離液は組み替え酵素を>90%の純度で含有し、以下のようにスクリーニングアッセイに用いる:
試験対象である成分または化合物をDMSOに溶解し、最終濃度を4%とし、連続的に同じ溶媒で希釈する。異なる阻害剤の溶液(2.5ml)の分画を、マイクロタイタープレートの各ウェルに分散せしめる。組み替え酵素の希釈は、50mMリン酸バッファ、pH7(バッファA)中にて20倍で行い、100μlを各ウェルに添加する。反応の開始を、基質であるメチオニン(バッファA中、100μl、濃度2mM)を添加して行う。1時間インキュベーションした後、放出されたMeSHの誘導体化を、マイクロタイタープレートの各ウェルにモノブロモバイメーン(monobromobimane)(Fluka, Buchs, Switzerlandから入手)ストック溶液(0.5mM、1M NaCO中、pH8.8)を添加して行う。10分後に、マイクロタイタープレートのウェルの蛍光の測定を、Flex-station(Molecular devices, Sunnyvale, CA, USA)上にて、励起波長385nmおよび放射波長480nmにて行う。
【0026】
蛍光の決定の後、全てのセルからブランク値として、バッファ、DMSOおよび酵素のみを含有し、基質を添加していないものを減じる。次に、酵素、基質およびDMSOのみを有するコントロールウェルの蛍光を、潜在的な阻害剤を含有するウェルの蛍光と比較して阻害パーセントを計算する。ここに示す下記表1および2に、特定されたOMC活性成分として、酵素を阻害するもの(例2において特定されたことが記載されている以下の活性成分は除く:5−イソプロピル−2−メチル−フェノール、オクタン−1−オール、3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエン−1−オール、1−メチル−4−(5−メチル−1−メチレン−ヘクス−4−エニル)シクロヘキセン、酢酸オクチルエステル、酢酸1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、酢酸4−アリル−2−メトキシ−フェニルエステル、5−オクチル−ジヒドロ−フラン−2−オン、5−ヘプチル−ジヒドロ−フラン−2−オン)および本発明の組成物において有用なものを記載する。特定されたOMC活性成分は、IC50(concentration giving 50%enzyme inhibition)として体積あたり重量として0.01%を有し、唾液サンプルから成長せしめた混合細菌サンプルにおいても活性を示す。例3を参照されたい。
【0027】
例2
F. nucleatum cultures培地におけるMeSH生成阻害剤のイン・ビトロスクリーニング法による、潜在的なOMC活性成分の特定
F. nucleatum DSMZ 20482を、培地104(微生物および培養細胞のドイツにおける収集物, Braunschweig, Germany)を含有する寒天プレート上にて48時間、嫌気条件下、37℃にて成長せしめる。細胞を回収し、リン酸バッファ(50mM、pH7)として2.92g/LのNaClを含有するものの中に懸濁せしめ、最終光学密度を、600nmにおける測定にて1にする。嫌気条件は窒素流を細胞懸濁液に適用することによって作製し、基質であるメチオニンを添加して最終濃度1mMにする。試験化合物をDMSOに溶解して2%(w/v)とし、溶液10μlを5mlのヘッドスペース(headspace)GCバイアルに添加する。バイアルを封止し、窒素流を適用して酸素を除去する。各バイアルに1mlのメチオニンを細胞懸濁液を含有せしめて添加し、培地を4時間、37℃にてインキュベートする。次に培地の殺菌を80℃の加熱、15分間にて行い、ヘッドスペース中のMeSHレベルをガスクロマトグラフィによってに決定する:サンプルを75℃に加熱し、ヘッドスペースの1mlを硫黄化合物の分離に好適なカラム(SPW1-sulfur, Supelco)にインジェクションする。温度プログラムを初期温度1分間、50℃、加熱速度10℃/minにて100℃にし、さらに20℃/min糞の加熱によって200℃となるように設定する。
生成したMeSHの濃度を、DMSO溶媒のみを含有するコントロール培地と比較し、MeSH生成%阻害を計算する。表1および2に、MOC活性成分としてMeSH生成を阻害するものを記載する。特定されたOMC活性成分は、平均%阻害として少なくとも60%を、0.02%(w/w)の濃度で示し、表1および2に含める。これらの表は特定された該活性成分は、例1および/または2の方法によって示された酵素を阻害し、唾液サンプルから成長せしめた混合細菌サンプルにおいても活性を示す。OMC活性成分として本発明の組成物において有用なものを記載する。例3を参照されたい。
【0028】
例3
インキュベートした唾液から成長せしめた混合細菌培地中におけるMeSH生成阻害剤の生体外スクリーニング法による、潜在的なOMC活性成分の特定
唾液サンプルを、パネリストから集めた。該パネリストには、舌の細菌生物膜の収集を、舌の上を歯で掻き取って行うように指示する。唾液と細菌を含有する収集物を4人のドナーからプールし、リン酸バッファ(50mM、pH7)として2.92g/LのNaClを2:1の比率で含有し、メチオニンを補足したものを用いて、最終濃度1mMに希釈する。試験化合物をDMSOに溶解して2%(w/v)とし、溶液10μlを5mlのヘッドスペース(headspace)GCバイアルに添加する。バイアルを封止し、窒素流を適用して酸素を除去する。各バイアルに1mlのメチオニンを唾液サンプルを含有せしめて添加し、培地を4時間、37℃にてインキュベートする。次に培地を殺菌し、ヘッドスペース中のMeSHレベルを上記のように決定する。
生成したMeSHの濃度を、DMSO溶媒のみを含有するコントロール培地と比較し、MeSH生成%阻害を計算する。表1および2に、MOC活性成分としてMeSH生成を阻害するものを記載する。特定されたOMC活性成分は、平均%阻害として少なくとも50%を、0.02%(w/w)の濃度で示す。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
【表3】

【0032】
例4a
培養した唾液中(例3)におけるおよびF. nucleatum試験(例2)における、OMCフレーバ組成物の評価
OMCフレーバ組成物の作製を下表に示した成分を混合することによって行う。量は全て%濃度(w/w)で示す。OMC活性成分を含むフレーバ組成物は、A〜Gで表す。比較例として、OMC活性成分を含まないウィンターグリーンフレーバを用いる(フレーバH)。
【0033】
【表4】

【0034】
OMCフレーバ組成物A〜Gおよび例Hの試験を、上記2および3に記載のように行い、結果を下表に示す。フレーバA〜Gは、良好なOMC活性を、フレーバ組成物濃度0.01%という低濃度でも示し、OMC活性成分の限界濃度(end concentration)は0.0056%〜0.009%を示す。唾液の流入(salivary flow)による希釈を埋め合わせるには、製品中における濃度は、この試験における最小量の20〜50倍高い必要がある。したがって、配合物を0.2〜1%含み、限界濃度0.01%〜0.02%で良好な活性を示すものは、消費者が用いた場合に持続的な効果を与える。下表に示す結果を比較されたい。OMC活性成分を0.0112%〜0.018含む、本OMCフレーバ組成物濃度0.02%におけるOMC活性は優れている。下表に示す結果を比較されたい。
【0035】
【表5】

【0036】
例4b
例4aのOMCフレーバ組成物A〜Gを用いたミントフレーバ組成物
OMCフレーバ組成物A〜Gをミントオイル(スペアミントおよびペパーミント精油)と組み合わせる。比率は、下記に示すとおり、1:1、1:2および1:3(OMCフレーバ組成物:ミントオイル)である。
【0037】
【表6】

OMCミントフレーバ組成物は、口臭に対する効果を示し、また、好ましい味を有する。
【0038】
例5
エピガロカテキン没食子酸塩を40%(w/w)含む緑茶抽出物を、例4のフレーバ組成物AおよびFと組み合わせたものにつき、上記培養唾液試験を行う。下表に得られた結果を示す:MeSHレベルを顕著に低下せしめるのに十分でない緑茶の濃度(0.005%)において、本フレーバ組成物の活性は顕著に向上する。
【表7】

【0039】
例6
OMC活性成分を含むOMCオーラルケア製品
【表8】

上記において特定されたOMC活性成分の、オーラルケア製品中の濃度:0.39%。当該製品は、使用時に良好な口臭低減効果を示す。
【0040】
【表9】

上記において特定されたOMC活性成分の、オーラルケア製品中の濃度:0.36%。当該製品は、使用時に良好な口臭低減効果を示す。
【0041】
【表10】

上記において特定されたOMC活性成分の、オーラルケア製品中の濃度:0.1%。当該製品は、使用時に良好な口臭低減効果を示す。
【0042】
【表11】

上記において特定されたOMC活性成分の、オーラルケア製品中の濃度:0.65%。当該製品は、使用時に良好な口臭低減効果を示す。
【0043】
【表12】

上記において特定されたOMC活性成分の、オーラルケア製品中の濃度:0.78%。当該製品は、使用時に良好な口臭低減効果を示す。
【0044】
【表13】

【0045】
【表14】

上記において特定されたOMC活性成分の、オーラルケア製品中の濃度:0.78%。40%のEGCGを含有する緑茶抽出物と組み合わせると、当該製品は、使用時に良好な口臭低減効果を示す。
【0046】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む組成物:
(a)4種または5種以上の口臭低減活性成分であって、
4種の口臭低減活性成分はそれぞれ、全フレーバ成分を基準として1%(w/w)以上の濃度を有し、
4種または5種以上の口臭低減活性成分の総濃度は、フレーバ成分の総濃度を基準として20%(w/w)以上であり、
各OMC成分は、OMC活性成分の総濃度を基準として、それぞれ最大70%までの濃度を有し、および
(b)任意成分として、添加剤、賦形剤、溶媒およびフレーバ成分から選択されるもの;
ここで、4種の口臭低減活性成分は、以下からなる群から選択される:5−イソプロピル−2−メチル−フェノール、オクタン−1−オール、3,7−ジメチル−オクト−6−エン−1−オール、3,7−ジメチル−オクタン−1−オール、1−イソプロピル−4−メチル−シクロヘキス−3−エノール、3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエン−1−オール、2−(4−メチル−シクロヘキス−3−エニル)−プロパン−2−オール、3,7−ジメチル−オクタ−1,6−ジエン−3−オール、ノナ−2,4−ジエナール、ノン−2−エナール、2,6,6−トリメチル−シクロヘキス−1−エンカルブアルデヒド、3−(4−イソプロピル−フェニル)−2−メチル−プロピオンアルデヒド、4−イソプロペニル−シクロヘキス−1−エンカルブアルデヒド、5−メチル−2−フェニル−ヘクス−2−エナール、4−メトキシ−ベンズアルデヒド、2,6−ジメチル−ヘプト−5−エナール、デク−2−エナール、フェニル−アセトアルデヒド、2−フェニル−プロピオンアルデヒド、3,7,11−トリメチル−ドデカ−1,3,6,10−テトラエン、3,7−ジメチル−オクタ−1,3,6−トリエン、1−イソプロピル−4−メチル−シクロヘキサ−1,3−ジエン、1−メチル−4−(5−メチル−1−メチレン−ヘクス−4−エニル)シクロヘキセン、1−イソプロピル−4−メチルベンゼン、デク−3−エン−2−オン、3−メチル−2−ペンチル−シクロペント−2−エノン、6−メチル−ヘプタ−3,5−ジエン−2−オン、オクト−2−イン酸メチルエステル、ノン−2−イン酸メチルエステル、オクト−2−エン酸エチルエステル、オクト−2−エン酸メチルエステル、酢酸オクチルエステル、酢酸オクト−2−エニルエステル、2−メチル−ブト−2−エン酸ヘクス−3−エニルエステル、ノン−2−エン酸メチルエステル、酢酸ノニルエステル、酢酸ヘプチルエステル、酪酸3−フェニル−アリルエステル、ヘキス−2−エン酸エチルエステル、酢酸1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、酢酸4−アリル−2−メトキシ−フェニルエステル、酢酸1−メチル−1−(4−メチル−シクロヘキス−3−エニル)−エチルエステル、ヘキス−2−エン酸メチルエステル、酢酸2−イソプロペニル−5−メチル−シクロヘキシルエステル、ノン−2−イン酸エチルエステル、ノン−2−エン酸エチルエステル、ヘプト−2−エン酸エチルエステル、ヘプト−2−エン酸メチルエステル、5−オクチル−ジヒドロ−フラン−2−オン、1,1−ジメトキシ−3,7−ジメチル−オクタ−2,6−ジエン、1−アリル−4−メトキシ−ベンゼン、6−ヘキシル−テトラヒドロ−ピラン−2−オン、3−ブチル−3H−イソベンゾフラン−1−オン、2−ペンチル−フラン、(2E,5E/Z)−5,6,7−トリメチルオクタ−2,5−ジエン−4−オン、4−メチル−デク−3−エン−5−オール、1−シクロプロピルメチル−4−メトキシ−ベンゼン、オレガナム精油、ガルバナム精油、リツェアクベバ精油、タゲテ精油、ジャスミンアブソルート、ラバンダ精油、ラバンディン精油、ローズマリー精油およびベチベル精油。
【請求項2】
少なくとも3種の口臭低減活性成分が、以下からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物:3−(4−イソプロピル−フェニル)−2−メチル−プロピオンアルデヒド、5−メチル−2−フェニル−ヘクス−2−エナール、デク−2−エナール、2−フェニル−プロピオンアルデヒド、デク−3−エン−2−オン、オクト−2−イン酸メチルエステル、ノン−2−イン酸メチルエステル、オクト−2−エン酸エチルエステル、オクト−2−エン酸メチルエステル、酢酸オクチルエステル、酢酸トランス−オクト−2−エニルエステル、2−メチル−ブト−2−エン酸ヘクス−3−エニルエステル、ノン−2−エン酸メチルエステル、ノン−2−イン酸エチルエステル、ヘプト−2−エン酸エチルエステル、ヘプト−2−エン酸メチルエステル、5−オクチル−ジヒドロ−フラン−2−オン、(2E,5E/Z)−5,6,7−トリメチルオクタ−2,5−ジエン−4−オン、4−メチル−デク−3−エン−5−オール、1−シクロプロピルメチル−4−メトキシ−ベンゼンおよび1−アリル−4−メトキシ−ベンゼン。
【請求項3】
さらに下記からなる群から選択される活性成分を1種または2種以上含む、請求項1または2に記載の組成物:ポリフェノール化合物、没食子酸エステル部分を含むポリフェノール化合物、エピギャロカテキン没食子酸エステル、緑茶、エピギャロカテキン没食子酸エステル中において濃縮された緑茶抽出物、イオノン、アルファイオノン、ベータイオノン、亜鉛塩、抗菌剤、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、ポリヘキシジンビスグアニド(polyhexidine bisguanide)、クロロヘキシジン、抗菌フレーバ材料、チモール、カルバクロール、オイゲノール、イソオイゲノール、シンナムアルデヒド、メントール、精油であってタイム、オレガナム、クローブ、シナモン葉、シナモン樹皮、パセリ種、パセリ葉、ミント、スペアミントおよびペパーミントからの精油を含む活性成分を含むもの。
【請求項4】
フレーバ組成物およびオーラルケア製品からなる群から選択される請求項1、2または3に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1に定義された口臭低減活性成分の濃度が、口臭低減オーラルケア製品の総重量を基準として0.1%〜2%(w/w)である、請求項4に記載のオーラルケア製品。
【請求項6】
練り歯磨き、口腔すすぎ剤、口腔洗浄剤、チューインガム、キャンディ、トローチ、可食フィルムおよび口腔スプレーからなる群から選択される請求項5に記載のオーラルケア製品。
【請求項7】
練り歯磨きであり、請求項1に定義された口臭低減活性成分の濃度が、口臭低減オーラルケア製品の総重量を基準として0.2%〜1.25%(w/w)である、請求項7に記載のオーラルケア製品。
【請求項8】
口腔すすぎ剤または口腔洗浄剤であり、請求項1に定義された口臭低減活性成分の濃度が、口臭低減オーラルケア製品の総重量を基準として0.1%〜1.25%(w/w)である、請求項6に記載のオーラルケア製品。
【請求項9】
チューインガムであり、請求項1に定義された口臭低減活性成分の濃度が、口臭低減オーラルケア製品の総重量を基準として0.2%〜2%(w/w)である、請求項6に記載のオーラルケア製品。
【請求項10】
口臭低減組成物を生成する方法であって、請求項1に定義された4種または5種以上の口臭低減活性成分を混合してオーラルケア製品製剤とし、口臭低減オーラルケア製品の濃度を口臭低減オーラルケア製品の総重量を基準として0.1%〜2%(w/w)とする、方法。
【請求項11】
請求項5、6、7、8、9および10のいずれかに記載の口臭低減オーラルケア製品を経口的に適用して、口臭を低減する方法。

【公表番号】特表2009−506081(P2009−506081A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528313(P2008−528313)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000459
【国際公開番号】WO2007/025401
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】