説明

組換え血小板コラーゲン受容体糖タンパク質VIおよびその薬学的使用

【課題】血栓症的疾患および心臓血管疾患などの血液凝固異常に直接的または間接的に相間する異常および病理学的事象の処置におけるGPVI、好ましくは組換えGPVIを提供する。
【解決手段】医薬品としての組換えヒトタンパク質VI、その単離、精製および組換え製造法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖タンパク質VI(GPVI)、その単離、精製および組換え製造法に関する。特に、本発明は、血栓症的疾患および心臓血管疾患などの血液凝固異常に直接的または間接的に相関する異常および病理学的事象の処置におけるGPVI、好ましくは組換えGPVIの使用に関する。この細胞外組換えタンパク質は、血小板およびコラーゲンの相互作用を阻害するための、膜結合型GPVIの潜在的な阻害剤を見出すスクリーニングアッセイを確立するためにも使用することができる。血小板表面のGPVIは、血小板の寿命期間中に生体内で変化を受け、従って血小板老化プロファイルのマーカーとして使用することができる。
【背景技術】
【0002】
糖タンパク質VIは、Fcγの共通したサブユニットと一緒に複合体を形成する62/65kDa(それぞれ、非還元/還元型)の血小板膜糖タンパク質である。GPVIサブユニットはコラーゲン結合部位を含有し、Fcγサブユニットはシグナル伝達に関与している。この複合体は、コラーゲンに応じて血小板の活性化に重要な、血小板表面の主要なコラーゲン受容体の1つを形成している。コラーゲン上の認識配列は(GlyProHyp)nの配列からなる。GPVIの遺伝子的欠損を有する患者が日本から知られている。その患者らは軽度の出血の問題を有しており、患者の血小板は、おそらくは他の受容体を介して、コラーゲンに弱く応答するだけである。非常に多くことが、GPVIから出発するシグナル伝達カスケードについて突き止められており、このシグナル伝達カスケードは、T細胞受容体、B細胞受容体およびナチュラルキラー細胞受容体を含む免疫受容体に由来するシグナル伝達カスケードと著しく類似している。これらのカスケードには、p72SYKと同様にFynおよびLynなどのsrcファミリーのチロシンキナーゼ、ならびに多くの他のチロシンキナーゼおよびホスファターゼ、およびLATなどのアダプタータンパク質が含まれる。これらのカスケードの主要な標的は、リン脂質を切断して二次メッセンジャーのジアシルグリセロールおよびIP3を生じさせるホスホリパーゼCγ2の活性化である。GPVIは、損傷を受けた血管壁に対する血小板接着における主要な役割を有する血小板インテグリンα2β1の活性化に関与していると考えられる。Fcγサブユニットが「ノックアウト」されたマウスは、コラーゲンに対する応答を依然として示す血小板を有する。このことは、α2β1の休止状態もまたGPVI/Fcγ複合体によって調節されているかもしれないことを意味している。
【0003】
血小板のコラーゲン受容体GPVIは、FcαRと同様に、p58KARファミリーのナチュラルキラー活性化受容体に非常に関連している。
【0004】
循環している休止血小板の血管傷害部位における接着および活性化は、止血栓に伝達される血栓が形成されるプロセスの第1段階である。コラーゲンは、血小板の活性化に関わる血管壁の主要な成分の1つである。コラーゲンには多くのタイプが存在し、これらのうちの7つが内皮下層で見出されている。コラーゲンに対するいくつかの異なる受容体が血小板において同定されているが、主要な受容体は、現在、インテグリンα2β1および非インテグリンのGPVIであると見なされている。α2β1は十分な特徴付けが行われ、そして両方のサブユニットが数年前にクローン化および配列決定されたが、GPVIの構造は、いくつかの特徴が同定されているにもかかわらず、解明されないままである。GPVIは、分子量が60kDa〜65kDaの範囲にあり、酸性のpIを有する主要な血小板糖タンパク質であることが約20年前に明らかにされた。推定的なコラーゲン受容体としてのその役割は、血小板がコラーゲンへの応答の特異的な欠如を示し、この受容体を有しない、軽度の出血異常患者が日本で確認された後に確立された。この患者はその不完全な受容体に対する自己抗体をも発達させていたので、この自己抗体を使用してこの分子の特徴付けがさらに行われた。より近年には、GPVIが、複合体のシグナル伝達部として作用する共通のFcγサブユニットと非共有結合的に会合していることが明らかにされた。GPVIに対するコラーゲン上の認識配列がコラーゲンの三重らせん構造内の反復したGly−Pro−Hypトリプレットであること、そしてこの構造に基づく合成ペプチドがGPVIに対する特異的なアゴニストとして使用され得ることもまた明らかにされた。GPVI/Fcγ複合体は、p72SYKの活性化を含み、キナーゼ/ホスファターゼ/アダプタータンパク質の相互作用のカスケードによりPLCγ2を活性化させ、従って顆粒の放出および血小板の凝集に至る免疫受容体様の機構によって血小板内部にシグナル伝達することが明らかにされた。この分子を特徴付けることにおけるさらなる段階は、熱帯ガラガラヘビCrotalus durissus terrificusから得られたヘビC型レクチンのコンブルキシン(convulxin)が、多量体相互作用によりGPVIをクラスター化することによって血小板を活性化し得るということが明らかにされたことであった。コンブルキシンは、GPVIに特異的に結合することを示し、確立された方法と組み合わせてこの受容体を精製する方法を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、GPVIは、とりわけコラーゲン−血小板の相互作用に依存する血液凝固事象に、直接的または間接的に関連する適用に関する多くの治療分野において、非常に興味深い化合物であると考えられることは先行技術から明らかである。従って、GPVIを組換え形態で提供し、かつ直接的な治療標的としてのその効力、または小さな化合物、特に、自然のコラーゲン−血小板相互作用を阻害または阻止する能力を有する化学合成化合物または化学合成可能な化合物、をスクリーニングするためのツールとしてのその効力を示すことは本発明の目的であった。
【0006】
本発明はまた、コラーゲンに結合する、という生物学的活性を保持しているGPVIタンパク質の一部分またはフラグメントに関する。
【0007】
本発明は、予備的な特徴付けおよびペプチドの配列決定に十分な量のGPVIを精製することに成功した。その配列を使用して、DNAライブラリーにおける陽性配列を同定するためのPCR用プライマーを設計した。このDNA配列は、その後、ほぼ完全なcDNA配列をライブラリーから単離するためのプローブとして使用され、そして足りない5'−配列が、血小板のcDNAライブラリーからRACE法を使用して得られた。
【0008】
本発明はまた、例えば、損傷を受けた血管壁を有する患者において投与されたときに、コラーゲンに結合し、従って、膜結合型GPVIを有する血小板が前記コラーゲンに結合しないようにし得る治療に適用可能な化合物として、組換えGPVIが使用されることを示すことにも成功した。GPVIのこの組換え可溶性細胞外ドメインは、コラーゲン結合部位を含有し、コラーゲンによる血小板の活性化を妨げることができる。従って、このドメインは、アテローム硬化性斑破裂などの、コラーゲンにより増大した血小板活性化を含む疾患状態の処置に、あるいは不安定狭心症などの疾患において、あるいは血管壁に対する相当の損傷および血小板の大きな活性化を生じさせ、そして多くの場合には血管の再閉鎖を後で生じさせる、バルーンカテーテルの膨張によって動脈が再開通される経皮冠動脈管腔拡張術(PTCA)などの手術的処置のときに適用することができると考えられる。組換えGPVIフラグメントの利点は、現在の処置法と比較した場合、フラグメントが、GPIIb−IIIaアンタゴニストによる凝集などの血小板活性化後の事象を抑制することによるのではなく、むしろ血小板の活性化を妨げるか、または血小板の活性化を低下させることによって、より早い段階で作用するということである。従って、より少ない量の血小板顆粒内容物が放出される。これには、外傷修復だけでなく、平滑筋遊走による血管壁の再構築、およびアテローム性動脈硬化症の一因であることが知られている単球などの食細胞の引き寄せにも関与している増殖因子およびケモカインが含まれる。GPVIに対するヒト化マウスモノクローナル抗体のFabフラグメントは、上記のような類似する適用で血小板表面のGPVIを阻止するために類似した効果で使用することができる。
【0009】
本発明による組換えGPVIはまた、この相互作用を阻害することができ、かつコラーゲン−血小板相互作用の阻害剤である治療化合物を開発するために使用され得る(例えば、コンビナトリアルライブラリーの)小さな分子をスクリーニングするために、コラーゲンに対する結合アッセイにおいて使用することができる。好適な誘導体化により、これらの化合物は経口的に利用することができる。再度ではあるが、主要な目的は、GPVI−コラーゲンの相互作用を低下させ、従って、血小板がコラーゲンと接触する状況で血小板の活性化を低下させる化合物を調製することである。そのため、本発明において使用されているスクリーニング技術自体は、先行技術において十分に確立されている。そのようなスクリーニングアッセイにより、本発明は、血小板表面に存在する天然の膜結合型GPVIをコラーゲンアンタゴニストとして阻害し得る新しい標的の発見および開発を可能にする。小さな化学物質分子であり得るそのような標的は、その後さらなる発明の基礎となり得る。
【0010】
GPVIおよびGPVIの特定ドメインを認識する試薬の別の主要な適用は、血小板の老化および機能性のマーカーとしての適用である。若い血小板は、一般に、老化した血小板よりも活性であり、かつ機能的であると考えられる。若い血小板は、GPVIに特異的なヘビ毒液C型レクチンのコンブルキシンに結合し、かつコンブルキシンにより活性化され、そして血小板は老化するに従って、その結合および活性化度はともに低下する。これは、循環における血小板の活性化または損傷によるGPVIにおけるタンパク質分解的または立体配座的な変化あるいはFcγとのその会合のいずれかのためであり得る。これは、医学的に管理されている患者ならびに健常者における血小板の老化プロファイルおよび機能プロファイルを測定するための有用なパラメータであり得る。血小板の老化プロファイルは、骨髄または免疫系を冒す多くの疾患において変化し、そのより良好な決定方法が得られる場合には重要な診断基準になり得る。例えば、血小板の増大した代謝回転が関与する疾患患者はより多くの若い血小板を示し、これに対して、化学療法または放射線処置を受けている患者は一様に老化した集団を示す。従って、そのような老化プロファイルは、処置の精密なモニターリングに使用することができる。正常である健康な集団では、老化プロファイル分布について、そして健康における変化を予測するものとしてのその役割についてはほとんど知られていていない。GPVIの変化が止血事象における血小板の部分的な関与であるかどうか、そして変化が広範囲の心臓血管疾患を有する患者でより顕著であり得るかどうかは知られていない。現在、チアゾールオレンジが、mRNAを含有する若い網状化血小板を検出するために使用されている。このmRNAはすぐに崩壊し、このため、この方法は最も若い血小板のみに制限されている。そのようなアッセイにおいて使用され得る試薬には、コンブルキシンなどのGPVI特異的なヘビ毒液タンパク質、あるいはGPVIのN末端領域を認識するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体、あるいは無傷の分子に存在し、かつ老化した分子には存在しない、またはその逆のN末端ドメインまたは特定の立体配置のタンパク質分解により露出した新しい部位または立体配置を認識するモノクローナル抗体、あるいは無傷のGPVIを特異的に認識する選択された小さな化学的実体またはその改変形態が含まれる。これらの試薬は、血小板の結合プロファイルを測定するために、蛍光マーカーで標識されるか、あるいは蛍光標識された二次抗体またはアフィニティ試薬と一緒にされてフローサイトメトリーにおいて使用される。代替可能な後者の段階では、血小板プロファイルの自動化された測定に基づくあまり手間のかからない測定技術を採用することができる。フローサイトメトリーまたは磁気ビーズによる細胞選別を使用することによって、若い血小板および老化した血小板を単離して、老化した血小板の循環からの除去に関与する因子を調べることが可能になるはずである。GPVIの特定の形態を認識する試薬は、そのような研究にとって重要である。
【0011】
従って、糖タンパク質VIまたはその生物学的活性フラグメントをコードするDNA、特に図2の配列を提供することは本発明の目的である。
【0012】
図1aおよび図1bのアミノ酸配列を含む糖タンパク質VIをコードするDNAを提供することは本発明のさらなる目的である。
【0013】
組換えGPVIを、薬学的に許容される希釈剤、担体または賦形剤と一緒に含む医薬組成物、ならびに血小板−コラーゲン間の相互作用に関連する血栓症的および心臓血管系の事象および異常の治療分野における医薬品を製造するためのその使用を提供することは本発明の別の目的である。
【0014】
本発明の別の目的は、血小板−コラーゲン間の相互作用の特異的な阻害剤を検出するスクリーニングツールにおける組換えGPVIの使用である。
【0015】
本発明の別の目的は、心臓血管疾患に対する血小板の老化および露出のマーカーとしてのGPVIの使用である。
【0016】
考えられる医学的な症状および適用にはそれぞれ、例えば、不安定狭心症、PTCA、この分野におけるステントの使用、冠状動脈血管に対する手術、血管に対する一般的な手術、股関節手術などのより大きな血管に損傷を与え得る手術がある。さらに、血管壁と、血栓形成および血管閉塞のリスクが高い凝固系との相互作用の異常によって生じる血栓塞栓性事象に関連するすべての適応症が含まれる。
【0017】
上記に示されているように、本発明によるGPVIタンパク質またはそのフラグメントは、医薬組成物および配合物における薬学的に効果的な化合物として好適である。
【0018】
本発明による医薬配合物は必要に応じて、ヒルジンまたはヘパリンなどの抗凝固剤、あるいはプラスミノーゲン活性化因子またはヘメンチンなどの血栓溶解剤、あるいはアブシキマブ(abciximab)またはエプチフィバチドのようなGPIIb−IIIaアンタゴニストなどの他の血小板受容体に対するアンタゴニスト、あるいはクロピドグレルなどのADP受容体アンタゴニストのようなさらなる有効成分を含むことができる。
【0019】
本発明による新規タンパク質およびその生物学的活性フラグメントは、それぞれ、任意の非毒性の有機酸または無機酸との薬学的に許容される塩を形成し得る。無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸またはリン酸、ならびにオルトリン酸一水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムなどの酸金属塩である。有機酸の例には、酢酸、グルコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸などのモノカルボン酸、ジカルボン酸およびトリカルボン酸、ならびにメタンスルホン酸などのスルホン酸がある。カルボキシ末端アミノ酸残基の塩には、任意の好適な無機塩基または有機塩基によって形成される非毒性のカルボン酸塩が含まれる。これらの塩は、例えば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムを含むIIIA族の軽金属、ならびにトリエチルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、1−エテンアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、ジヒドロアビエチルアミンおよびN−アルキルピペリジンを含む、トリアルキルアミンなどの、有機の第一級、第二級、および第三級アミンを含む。
【0020】
本明細書中で使用されている用語「薬学的に許容される担体」は、活性化合物または患者と逆に反応を起こさない、不活性で非毒性の固体または液体の充填剤材料、希釈剤材料またはカプセル化材料を意味する。好ましい液体担体はこの分野ではよく知られており、例えば、滅菌水、生理食塩水、デキストロース水溶液、糖の溶液、エタノール、グリコールおよびオイル(石油起源、動物起源、植物起源または合成起源のものを含み、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油およびミネラルオイル)などである。
【0021】
本発明による配合物は、非経口投与に関して典型的な従来の非毒性の薬学的に許容される担体、希釈剤、補助剤およびビヒクルを含有する単位用量物として投与され得る。
【0022】
用語「非経口」は、本明細書中では、皮下、静脈内、動脈内および気管内への注射技術および注入技術を含む。また、経口投与および局所適用などの他の投与法も好適である。非経口用の組成物および配合物は、最も好ましくは知られている手法により、ボーラス剤の形態でまたは一定の注入物として静脈内投与される。経口投与される錠剤およびカプセル剤は、結合剤、充填剤、希釈剤、錠剤化剤、滑沢剤、崩壊剤および湿潤化剤などの従来の賦形剤を含有する。錠剤は、この分野でよく知られている方法に従ってコーティングされ得る。
【0023】
経口用の液体調製物は、水性または油状の懸濁物、溶液、エマルション、シロップまたはエリキシル剤の形態であり得るか、あるいは使用前に水または他の好適なビヒクルで再構成される乾燥製剤として提供され得る。そのような液体調製物は、懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクルおよび保存剤のような従来の添加剤を含有させることができる。
【0024】
局所適用剤は、水性または油状の懸濁物、溶液、エマルション、ゼリー、または好ましくはエマルション軟膏の形態であり得る。
【0025】
本発明による単位用量物は、本発明によるタンパク質の1日必要量、あるいは所望の用量を構成するその部分分割量を含有することができる。特定の患者(ヒトを含む哺乳動物)に対する最適な治療的に受け入れられる投薬量および投薬割合は、用いられる特定の活性物質の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間および投与経路、クリアランス速度、処置目的(すなわち、治療または予防)、ならびに処置される血栓症的疾患の性質、抗血小板活性または抗凝固活性などの様々な要因に依存する。
【0026】
従って、(in vivo)処置される患者で抗凝固剤として有用な組成物および配合物において、本発明のポリペプチドの薬学的に効果的な日用量は、約0.01mg/kg体重と100mg/kg体重との間であり、好ましくは約0.1mg/kg体重と10mg/kg体重との間である。適用形態に従って、1回の単回用量物は、0.5mgと10mgとの間のコラーゲン阻害剤を含有することができる。体外の血液において抗凝固作用を達成するためには、本発明のペプチドの薬学的に効果的な量は、0.2mg/l体外血液と150mg/l体外血液との間であり、好ましくは1mg/l体外血液と20mg/l体外血液との間である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】GPVIのタンパク質配列(1文字表記)を示す図である。図1a:リーダー配列、図1b:成熟タンパク質、オープンリーディングフレーム:339アミノ酸、アステリクス:グリコシル化部位、二重下線部:膜貫通ドメイン、下線部:配列決定定されたペプチド。
【図2】1017bpのオープンリーディングフレームならびに3'領域および5'領域を含むGPVIヌクレオチド配列(総数:1249bp)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
遺伝暗号における最も低い縮重度を示す7アミノ酸の2つの配列を、PCRによってGPVIのcDNAの一部を増幅するためのDNAプライマーを合成するために選んだ。タンパク質内の両ペプチドの位置は全く不明であったので、そのそれぞれについて、1つのセンスと1つのアンチセンスの2つの縮重プライマーを調製した。これらのプライマーを使用して、ヒト骨髄ライブラリーを増幅した。配列PAMKRSLをコードするセンスプライマー5'TYATHCCNGCNATGAARMG3'と、DQFALYKに対応するアンチセンスプライマー5'TTRTANARNGCRAAYTGRTC3'との組合せにより、221bpのDNAフラグメントが増幅された。選択されたペプチドに加えて、増幅されたDNAは、LysC/AspNペプチドのDQLELVATGVFAKPSLSAQPGPAVSSをコードした。これにより、この配列はGPVIのcDNAに明らかに連結された。
【0029】
この221bpのDNAフラグメントを用いて骨髄ライブラリーから600.000pfuをスクリーニングすることにより、4個の陽性pfuが得られた。3つは、制限酵素SalIまたはEcoRIで切断しても1350bpの挿入断片を有し、IgGスーパーファミリーに属した。4個目は、SalI消化による4.6kbの挿入断片を有し、EcoRIで処理したときにそれぞれ2300bpおよび1300bpの2つのフラグメントをもたらした。そのDNAは、GPVIのアミノ酸配列決定に由来する10個のペプチドに対する配列をコードしていたが、アミノ末端に達しないところで停止していた。開始メチオニンまたはリーダー配列を見出すことができなかったが、Alu配列で終了する、以前に配列決定された非リーディングフレームDNAの2000bp以上が存在していた。5'末端RACE実験を、それらのペプチドの配列によって裏付けられたGPVI配列の一部分内に位置するプライマーを用いて血小板のポリA RNAに対して行った。4番目のクローンの配列における278bpを含む348bpのフラグメント、および最初のメチオニンを含む14アミノ酸に対応する1987bpに由来する新しい70bpが見出され、その後、確立されたGPVI配列に達した。従って、合計で1249bp、すなわち、開始コドンの上流の25bpの5'配列、リーダー配列を含み、339アミノ酸を有するタンパク質をコードする1017bpのオープンリーディングフレーム、および停止コドンを含む207bpの3'領域を含有するcDNAを配列決定することができた。
【0030】
血小板GPVIをコードするcDNAが、不足する5'配列を補充するための血小板mRNAを用いたRACEを使用して、ヒト骨髄のcDNAライブラリーからクローン化され、そして配列決定された。1017bpのオープンリーディングフレームは339個のアミノ酸をコードし、非翻訳3'領域を有する。アミノ酸配列の疎水性分析により、2つの推定的な膜貫通ドメイン、推定的な20アミノ酸シグナル配列、および成熟タンパク質の残基247と残基265との間の19アミノ酸ドメインが存在することが明らかにされた。配列およびそのアミノ酸翻訳を図2および図1に示す。GenBankの検索において見出された最も類似する分子のアミノ酸配列と比較することにより、GPVIは免疫グロブリンスーパーファミリーに属すること、およびその細胞外ドメインは、2つのジスルフィド架橋により形成された2つのIgC2ドメインループを含有することが明瞭にされる。GPVIは、N末端を外側に有する膜横断タンパク質クラスの分子であり、膜を1回横断する。最も近縁の分子は、阻害タイプおよび活性化タイプの両方を含有するナチュラルキラー受容体クラスに属する。GPVIは、その機能によるだけでなく、阻害クラスとは異なり、ITIM配列をその細胞質ドメインに含有しないために活性化サブクラスに属することは明らかである。GPVIは、リン酸化に関与し得るチロシン残基を1つも含有しない。このドメインには数個のトレオニン残基およびセリン残基が存在するが、それらは、キナーゼのコンセンサス配列に対する基準を何ら満たさない。NK受容体の活性化クラスと同様に、GPVIは、Fcγサブユニットとの複合体形成に関与する膜横断ドメインの3番目のアミノ酸としてアルギニン残基を含有する。細胞質ドメインは、このファミリーの他のメンバーの細胞質ドメインに対する(膜のすぐ下流の領域における)わずかな類似性のみを示す51個のアミノ酸を含有する。このことは、GPVIにおけるこのドメインは、それ以外のファミリーメンバーとは異なるタイプの細胞質分子と会合し得ることを示唆している。GPVIは、1個の推定的なN−グリコシル化部位をAsn69に含有するだけである。しかし、Igドメインのβシートが終了した後の膜のすぐ上流のドメインは、GPIbαおよびGPVにおいて見出されているようなO−グリコシル化部位を提供し得るトレオニン残基およびセリン残基が多い。このO−グリコシル化の主要な機能は、その嵩張ったリガンドとの相互作用を容易にするために血小板表面から十分に広がった受容体構造体を提供することであると考えられる。GPVIはシアロ糖タンパク質としてより以前には明らかにされていたので、理論的なアミノ酸質量(37kDa)とゲル電気泳動で決定された質量(65kDa、還元)との分子量の差は、このグリコシル化のためであるに違いない。
【0031】
この2つのドメインタイプのナチュラルキラー受容体の構造が、X線結晶学研究によって明らかにされ、そして2つのIgドメインが、ひじ部の外側に位置するペプチド保有HLA抗原の受容体部位とともに鋭角を形成していることが示された。HLAペプチド結合部位の構造をコラーゲンの構造と直接比較することにより、それが含有するHLA結合部位およびペプチドの多数のα−らせん構造がコラーゲンの三重らせん構造に非常に類似しているので、直ちに、なぜこれらの受容体が共通の起源を有するかが示唆される。ナチュラルキラー受容体は、ナチュラルキラー細胞が調べている細胞における2つの離れたHLA部位を認識する2つの受容体による二量体化機構によって作用することが推定される。おそらくは、この二量体化は、受容体のクラスに依存した活性化機構または失活化機構の一部である。GPVIの場合、2つのGPVI分子が1つのFcγと会合する可能性があり得る。これは、Fcγダイマーの各モノマーが認識部位を有するからである。しかしながら、化学量論は未だ知られておらず、そしてコラーゲンの構造、GPVIおよびコンブルキシンを介して作用するコラーゲン様ペプチドとの構造に基づいて、シグナルの強さが、一緒にクラスター化しているGPVI/Fcγ複合体の数に関連することは確からしい。このIgファミリーに属する他の血小板受容体には、ICAM−2(CD102)およびPECAM(CD31)が含まれる。
【0032】
請求された発明に関連して直接的に明細書中に記載されていない微生物、細胞株、発現システム、発現宿主、プラスミド、プロモーター、耐性マーカー、複製起源、ベクターの制限部位あるいは他のフラグメントまたは部分は、すべて市販されているか、そうでなければ、一般に手に入れることができる。他の示唆が与えられていない場合、それらは例として使用されるだけであり、本発明に関して必須ではなく、従って他の好適なツールおよび生物学的材料によりそれぞれ置き換えることができる。
【0033】
本発明により必須である技術は、下記および上記に詳しく記載されている。詳しく記載されていない他の技術は、当業者によく知られている、知られた標準的な方法に対応しているか、あるいは引用された参考文献および特許明細書に、そして標準的な文献(例えば、Sambrook他、1989、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor;Harlow、Lane、1988、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor)にさらに詳しく記載されている。
【実施例】
【0034】
実施例1:材料−プロテインA−セファロース、ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウス抗体およびペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギ抗体、ウシ血清アルブミン、Crotalus durissus terrificus毒液、コムギ胚芽凝集素(wheat germ aggulutinin;WGA)、N−ヒドロキシスクシンイミジルクロロホルマート活性化架橋4%ビーズ状アガロースならびにトリトンX−114をSigma Chemicals Co.(St Louis、MO)から入手した。オクタノイル−N−メチルグルカミド(ONMG)およびノナノイル−N−メチルグルカミド(NNMG)をOxyl Chemie(Bobingen、ドイツ)から入手した。
【0035】
実施例2:血小板からのGPVIの単離−膜糖タンパク質を、以前に記載されたようにして血小板から単離した。簡単に記載すると、血小板(40の軟膜に由来)を洗浄し、プロテアーゼ阻害剤の存在下、2%トリトンX−114中で溶解した。トリトンX−114および水相を分離し、界面活性剤相を、セファロース4Bに結合させたコムギ胚芽凝集素のカラムに負荷した。血小板糖タンパク質を、10mM Tris HCl(pH7.4)、30mM NaCl、0.2%オクタノイル−N−メチルグルカミド(ONMG)および2%N−アセチルグルコサミンにおいて溶出した。透析および濃縮を行った後、糖タンパク質の溶液を、N−ヒドロキシスクシンアミジル−p−ニトロフェニルクロロホルマート活性化架橋4%ビーズ状アガロースに結合させたコンブルキシンのカラム(1mg/ml)に負荷した。カラムを、4容量の10mM TrisHCl(pH7.4)、30mM NaCl、0.2%ノナノイル−N−メチルグルカミド(NNMG)で洗浄し、次いで4容量の10mM Tris HCl(pH7.4)、30mM NaClおよび2%NNMGで洗浄した。GPVIを、0.08%SDSを含む10mMのTris/HCl(pH7.4)で溶出した。溶液を濃縮し、491型Prep Cell(BioRad、CA)を使用する8.5%ポリアクリルアミドの調製用ゲルに負荷した。調製用電気泳動を製造者の説明書に従って非還元条件下で行った。GPVIは65kDaの単一バンドとして溶出した。この画分をまとめ、Centricon−30(Amicon、Beverly、MA)で濃縮し、10mM Tris/HCl(pH7.4)および0.1%ONMGに再懸濁した。
【0036】
実施例3:GPVIのアミノ酸分析−GPVIをエンドプロテイナーゼLysCおよびエンドプロテイナーゼAspN(Boehringer Mannheim、ドイツ)で消化した。得られた10個のペプチドを逆相HPLCで分離し、120A型オンラインフェニルチオヒダントインアミノ酸分析計を備えたApplied Biosystem社の477A型パルス液相タンパク質シーケンサで配列決定した。
【0037】
実施例4:GPVIの一部をコードする221bpフラグメントのλgt11cDNAライブラリーからの増幅−
ヒト骨髄ライブラリー(Clonetech、Palo Alto、CA)に由来するサンプル(1010pfu)(プラーク形成単位)を、4つの縮重プライマーの2つの組合せを使用して増幅した。プライマーの最終濃度は2μMであり、dNTP濃度は200μMであり、2U/100μl反応物のAmpliTaq Gold(Perkin Elmer、Rotkreuz、スイス)を使用した。PCR条件は、37℃での5サイクル、その後、44℃での30サイクルであった。5'TYATHCCNGCNATGAARMG3'のセンス19merおよび5'TTRTANARNGCRAAYTGRTC3'のアンチセンス20merにより、221bpのフラグメントが増幅され、これをBluescriptKS+(Stratagene、La Jolla、CA)にサブクローン化し、T7Sequenase kit(Amersham、スイス)を使用して配列決定した。
【0038】
実施例5:221bpのGPVIプローブを用いたλgt11cDNAライブラリーのスクリーニング−221bpのフラグメントをプラスミドから切断し、清浄化し、High Prime Labelling kit(Boehringer Mannheim、スイス)を使用してα32P−ATP(20MBq/50μl、Hartmann Analytik、Braunschweig、ドイツ)で標識した。ヒト骨髄ライブラリーを製造者の説明書に従ってスクリーニングした。陽性ファージを増殖させ、そのDNAを単離し、EcoRI部位またはSalI部位のいずれかを使用してBlueScriptにサブクローン化し、配列決定した。配列決定を、RACEのABSシステムを用いて行った。血小板のポリA RNAを、以前に記載されたようにして調製した(Power他、Cytokine、7、479〜482、1995)。逆転写(30μl)を、5μgのポリA RNAを、プライマー5'TGAATGAGACGGTCAGTTCAGC3'(20μM)、dNTP(1mM)、RNAsin(40U)、1X AMV緩衝液、および20UのAMV逆転写酵素とともに使用して45℃で20分間行い、その後、52℃で20分間行った。反応混合物を2μlの6N NaOHで65℃において30分間処理し、2μlの6N酢酸で中和して、Centricon30(Amicon)で濃縮した。アンカーをAptesおよびSiebertのプロトコル(BioTechniques、15:890〜893、1993)に従って第1鎖DNAに連結した。ネスティッドPCRを、アンカーに相補的なプライマーおよびプライマー5'TTGTACAGAGCAAATTGGTC3'を使用して行い(35サイクル、55℃)、その後、プライマー5'GACCAGAGGCTTCCGTTCTG3'を使用して行った(53℃で30サイクル)。最も大きなバンド(350bp)を、それよりも小さいバンドからアガロース電気泳動で分離し、BlueScriptにサブクローン化して、配列決定した。
【0039】
実施例6:抗GPVIFabおよびF(ab')2の調製−ヒトGPVIに対するポリクローナル抗血清をウサギにおいて生成させた。IgGを、ウサギ抗GPVI抗血清から、記載されたようにして精製した。Fabフラグメントを生成させるための固定化パパイン(Pierce)によるIgGの消化を供給者の標準的なプロトコルに従って行った。Fabフラグメントを、固定化プロテインA(Sigma)カラムを使用して未消化IgGおよびFcフラグメントから分離した。素通り部分を透析チューブに移し、固体のポリエチレングリコール20,000を使用して濃縮し、20mMのHepes、140mMのNaCl、4mMのKCl、pH7.4に対して徹底的に透析し、そして使用するまで4℃で保存した。F(ab')2フラグメントを、0.5M酢酸塩緩衝液(pH4.0)中における37℃で18時間にわたるIgGのペプシン消化(1:50の酵素対基質比(w/w))によって調製した。pHを希NaOHで7.4に調節し、サンプルを20mMリン酸塩(pH7.4)に対して透析し、その後、F(ab')2フラグメントを、プロテインAクロマトグラフィーを使用して未消化IgGおよびFcフラグメントから分離した。素通り部分を透析チューブに移し、固体のポリエチレングリコール20,000を使用して濃縮し、20mMのHepes、140mMのNaCl、4mMのKCl、pH7.4に対して徹底的に透析し、小分けして−20℃で保存した。洗浄した血小板をトリトンX−114中で溶解し、相分離を可溶物に対して行い、その後、トリトンX−114相と会合した膜糖タンパク質を、以前に記載されたようにしてコムギ胚芽凝集素−セファロース4Bでのアフィニティークロマトグラフィーで分離した。GPVIは血小板膜糖タンパク質プールの非常に小さな画分を示すので、本発明者らは、この受容体を分離するために、ヘビC型レクチンのコンブルキシンの特異性を使用した。セファロース4Bに結合させたコンブルキシンでのアフィニティークロマトグラフィーにより、65kDaのタンパク質が主生成物として得られた。しかし、それよりも大きなMrおよびそれよりも小さなMrの両方の特徴付けられない物質がGPVIと同時に溶出し、これらはカラムの徹底的な洗浄で除去できなかった。8.5%ポリアクリルアミドでの調製用ゲル電気泳動を精製の最終ステップとして加えた。GPVIを含有する画分をまとめ、これは再分析で単一バンドを示した。精製GPVIを、コラーゲンによる血小板凝集を阻止するその能力について試験した。わずかな阻害作用が、GPVI溶液の一部を血小板懸濁液に加えたときに認められた。しかし、混合物を血小板懸濁物に加える前にGPVIをコラーゲンとプレインキュベーションすることによって、凝集は用量依存的に阻害された。これらの血小板は、新たなコラーゲンが添加されたときにもやはり凝集した。非還元条件下において、この単離されたタンパク質は62kDaのMrを有し、還元条件下ではわずかに大きなMr(65kDa)に変化した。GPVIのアミノ末端はブロックされていることが見出されたので、タンパク質を、配列が得られる4個のペプチドおよび6個のペプチドをそれぞれもたらす酵素LysCおよび酵素LysC/AspNで消化した。これらのペプチドをC4カラムでの逆相HPLCで分離し、エドマン法を使用して配列決定した。これらのペプチドのアミノ酸配列には、翻訳されたcDNA配列(図1)において下線が引かれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖タンパク質VIまたはその生物学的活性フラグメントをコードするDNA。
【請求項2】
図2の配列の一部または全体を含む請求項1に記載のDNA。
【請求項3】
図2の配列を有するDNA。
【請求項4】
図1aおよび図1bのアミノ酸配列を含む糖タンパク質VIをコードする請求項1から3に記載のDNA。
【請求項5】
図1bのアミノ酸配列を含む、医薬品としての組換えヒト糖タンパク質VI。
【請求項6】
請求項5に記載されるタンパク質と、それに対する薬学的に許容される希釈剤、担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項7】
薬理学的に活性な化合物をさらに含む医薬組成物。
【請求項8】
血小板−コラーゲン間の相互作用の特異的な阻害剤を検出するためのスクリーニングツールにおける組換えGPVIの使用。
【請求項9】
血小板−コラーゲン間の相互作用に関連する血栓症的および心臓血管系の事象および異常の治療分野における医薬品を製造するための組換えGPVIの使用。
【請求項10】
血栓症的および心臓血管系の状態または事象に対する血小板老化および血小板露出のマーカーとしてのGPVIにおける変化の使用。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−97948(P2011−97948A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283409(P2010−283409)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【分割の表示】特願2000−616343(P2000−616343)の分割
【原出願日】平成12年4月25日(2000.4.25)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】