説明

組立体の製造方法

【課題】緩衝材と緩衝材の外側の箱体を同時に製造することができ、該緩衝材を1つのブランクで製造することができるとともに、該箱体を1つのブランクで形成することができ、緩衝材の緩衝機能を向上させた組立体の製造方法を提供する。
【解決手段】外側構成部10の上に内側構成部60を重ねて糊代部84、86、88の領域を介して接着し、その後、接着剤塗布領域N3に接着剤を塗布し、板状部30と板状部68を折り返すことにより糊代部90、92と板状部30を接着させ、その後、糊代部80、82と糊代部22と糊代部70に設けられた接着剤塗布領域に接着剤を塗布して、板状部22、24と板状部62を折り返すことにより、糊代部22と板状部30を接着させ、糊代部70と板状部62を接着させ、糊代部80、82と板状部24を接着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙材(特に、段ボール材)により組み立てられ、内部に緩衝材を有する組立体に関するものであり、特に、該組立体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、箱体の内部に収納する仕切り等の緩衝材を製造する方法として、特許文献1や特許文献2に示すものが知られている。特許文献1は、折り畳み式厚紙ボックスの仕切りの製造方法に関するものであり、また、特許文献2は、仕切体の製造方法に関するものであり、仕切体の外周壁部の一部と内部壁部の一部とからなる同形のセグメントを2個用意し、該セグメントの外周壁部と内部壁部とを渦巻状に同一方向に折曲線に沿って折曲げ形成したものを点対称的に組合せ箱型となし、次で内部壁部に設けた切欠き部内に一体の中央分離体を挿入して仕切体を形成するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−40431号公報
【特許文献2】特開平7−232708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1や特許文献2においては、仕切り自体を製造するものであり、製造された仕切りは、別体の箱体内に収納して使用するものであり、仕切りと仕切りの外側の箱体とを同時に製造することはできず、仕切りの製造工程と、外側の箱体の製造工程を別々に設ける必要がある。
【0005】
また、上記特許文献1や特許文献2においては、仕切り自体が複数のブランクにより形成されているので、該複数のブランクをそれぞれ製造する手間を要する。
【0006】
また、製造された仕切りの外側の部材を箱体とみなした場合でも、箱体は複数のブランクで製造されることになり、1つのブランクでは製造されず、箱体としての見栄えや強度は十分ではない。つまり、仕切りの外側は略筒状に形成されるのであるが、その筒状部分は1つのブランクで形成することはできない。
【0007】
また、箱体の内部に設けられる仕切り等の緩衝材の緩衝機能をより向上させることも要望されていた。
【0008】
そこで、仕切り等の緩衝材と緩衝材の外側の箱体(特に、筒状部分)を同時に製造することができ、該緩衝材を1つのブランクで製造することができるとともに、該箱体(特に、筒状部分)を1つのブランクで形成することができ、さらには、緩衝材の緩衝機能を向上させた組立体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、4つの板状部により筒状に形成された外側構成部と、外側構成部の内側に設けられた筒状の内側構成部とを有する組立体の製造方法であって、1枚のシート状のブランクにより形成された外側構成部で、外側構成部用糊代部と、外側構成部用糊代部の辺部である第1折れ線から連設された外側構成部用第1板状部と、外側構成部用第1板状部の外側構成部用糊代部とは反対側で第1折れ線と平行な辺部である第2折れ線から連設された外側構成部用右側面第2板状部と、外側構成部用第2板状部の外側構成部用第1板状部とは反対側で第2折れ線と平行な辺部である第3折れ線から連設された外側構成部用第3板状部と、外側構成部用第3板状部の外側構成部用第2板状部とは反対側で第3折れ線と平行な辺部である第4折れ線から連設された外側構成部用第4板状部とを有し、外側構成部用糊代部と外側構成部用第1板状部と外側構成部用第2板状部と外側構成部用第3板状部と外側構成部用第4板状部の並び方向が左右方向とした場合に、第1折れ線と第2折れ線間の左右方向の長さである第1長さと、第2折れ線と第3折れ線間の左右方向の長さである第2長さと、第3折れ線と第4折れ線間の左右方向の長さである第3長さと、第4折れ線と外側構成部用第4板状部の第4折れ線と反対側の端部間の左右方向の長さである第4長さとが略同一である外側構成部における組立体とした場合に内側となる面に、1枚のシート状のブランクにより形成された内側構成部で、折れ線を介して隣接した内側構成部用第2板状部側に略方形状の第1切欠部を有する内側構成部用第1板状部と、内側構成部用第1板状部の該第1切欠部が形成された側の辺部である第5折れ線から連設された内側構成部用第2板状部で、第5折れ線とは反対側の第6折れ線側に略方形状の2つの第2切欠部を有するとともに、内側構成部用第1板状部の第1切欠部内に突出して形成された第1凸状部と、第6折れ線から連設された第3内側構成部用板状部の第2内側構成部用板状部側に形成された第3切欠部内に突出して形成された第2凸状部とを有する内側構成部用第2板状部と、第5折れ線と平行な第6折れ線から連設された内側構成部用第3板状部で、内側構成部用第2板状部側に第3切欠部を有するとともに、内側構成部用第2板状部の第2切欠部内に突出して形成された第3凸状部と、内側構成部用第3板状部の第6折れ線とは反対側の辺部である第7折れ線から連設された内側構成部用第4板状部の内側構成部用第3板状部側に形成された第4切欠部内に突出して形成された第4凸状部とを有する内側構成部用第3板状部と、第6折れ線と平行な第7折れ線から連設された内側構成部用第4板状部で、内側構成部用第3板状部側に第4切欠部を有する内側構成部用第4板状部と、内側構成部用第4板状部の第7折れ線とは反対側の辺部であり第7折れ線と平行な第8折れ線から連設された内側構成部用糊代部と、を有し、第1凸状部の先端から第1切欠部内に突出して形成された外側構成部接着用第1糊代部と、第2凸状部の先端から第3切欠部内に突出して形成された外側構成部接着用第2糊代部と、第3凸状部の先端から第2切欠部内に突出して形成された外側構成部接着用第3糊代部と、第4凸状部の先端から第4切欠部内に突出して形成された外側構成部接着用第4糊代部とを有し、第5折れ線と第6折れ線間の左右方向の長さである第5長さと、第6折れ線と第7折れ線間の左右方向の長さである第6長さと、第7折れ線と第8折れ線間の左右方向の長さである第7長さとが、互いに略同一に形成され、第1長さと第2長さと第3長さと第4長さよりも小さく形成され、外側構成部接着用第1糊代部の先端と第6折れ線間の左右方向の長さが第2長さ以下であり、外側構成部接着用第4糊代部の先端と第6折れ線間の左右方向の長さが第3長さ以下であり、第1凸状部の先端と第2凸状部の先端間の左右方向の長さが第2長さと略同一であり、第3凸状部の先端と第4凸状部の先端間の左右方向の長さが第3長さと略同一である内側構成部を、第3折れ線と第6折れ線とが一致し、外側構成部用糊代部側が内側構成部用第1板状部となるように配置して、外側構成部接着用第3糊代部を外側構成部用第2板状部に接着するとともに、外側構成部接着用第2糊代部を外側構成部用第3板状部に接着する接着工程と、内側構成部の外側構成部接着用第4糊代部に接着剤を塗布する第1接着剤塗布工程と、外側構成部において第4折れ線を中心に外側構成部用第4板状部を回動して折り畳むとともに、内側構成部において第7折れ線を中心に内側構成部用第4板状部を回動して折り畳むことにより、外側構成部接着用第4糊代部を外側構成部用第4板状部に接着する第2接着工程と、外側構成部用糊代部又は外側構成部用第4板状部における外側構成部用糊代部が接着する領域と、内側構成部用糊代部又は内側構成部用第1板状部における内側構成部用糊代部が接着する領域と、内側構成部の外側構成部接着用第1糊代部に接着剤を塗布する第2接着剤塗布工程と、外側構成部において第2折れ線を中心に外側構成部用第1板状部と外側構成部用糊代部とを回動して折り畳むとともに、内側構成部において第5折れ線を中心に内側構成部用第1板状部を回動して折り畳むことにより、外側構成部用糊代部と外側構成部用第4板状部とを接着し、内側構成部用糊代部と内側構成部用第1板状部とを接着し、外側構成部接着用第1糊代部を外側構成部用第1板状部に接着する第3接着工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
この第1の構成の組立体の製造方法においては、外側構成部接着用第4糊代部の先端と第6折れ線間の左右方向の長さが第3長さ以下であるので、第2接着工程において外側構成部用第4板状部を折り畳むと、外側構成部接着用第4糊代部が外側構成部用第4板状部に接着する。また、同様に、外側構成部接着用第1糊代部の先端と第6折れ線間の左右方向の長さが第2長さ以下であるので、第3接着工程において、外側構成部用第1板状部を折り畳むと、外側構成部接着用第1糊代部が外側構成部用第1板状部に接着する。また、接着工程において、外側構成部接着用第3糊代部が外側構成部用第2板状部に接着し、外側構成部接着用第2糊代部が外側構成部用第3板状部に接着するので、各外側構成部接着用糊代部は、外側構成部用第1板状部から外側構成部用第4板状部にそれぞれ接着することになる。また、第5長さから第7長さが略同一であり、第1凸状部の先端と第2凸状部の先端間の左右方向の長さが第2長さと略同一であり、第3凸状部の先端と第4凸状部の先端間の左右方向の長さが第3長さと略同一であるので、内側構成部は、組立体を組み立てた場合に、外側構成部の内側に略筒状となって形成され、内側構成部の各板状部は、外側構成部の各板状部に沿って間隔を介して設けられ、筒状の外側構成部の内側に筒状の内側構成部が浮いたような状態とできる。
【0011】
以上のように、外側構成部と緩衝材としての内側構成部とを同時に製造することができ、外側構成部の製造工程と内側構成部の製造工程とを別々に設ける必要がない。特に、外側構成部と内側構成部とをともに展開状態にして貼り合わせた後に、所定の接着剤塗布領域に接着剤を塗布して所定の片部を折り返すことにより製造することができ、極めて容易に製造することができる。また、内側構成部を1つのブランクで製造することができるので、内側構成部の製造に際して手間が掛からず容易に製造することができる。また、外側構成部を1つのブランクで形成することができるので、外側構成部の見栄えや強度に支障を来すことがない。
【0012】
また、内側構成部の各板状部は、外側構成部の各板状部に沿って間隔を介して設けられ、筒状の外側構成部の内側に筒状の内側構成部が浮いたような状態とできるので、緩衝材としての内側構成部の緩衝機能を向上させることができる。
【0013】
また、第2には、上記第1の構成において、外側構成部用第4板状部には、第4折れ線とは反対側の端部に該端部に沿って切欠部が形成され、上記第4長さは、第4折れ線と外側構成部用第4板状部の第4折れ線とは反対側の端部間の切欠部の位置を除く位置の左右方向の最大長さであり、内側構成部用第4板状部の内側構成部用第3板状部側とは反対側の端部から挿通用凸状部が形成され、内側構成部用糊代部は、該挿通用凸状部が形成された領域には形成されておらず、内側構成部用第1板状部の左右方向の最大長さが第5長さ、第6長さ及び第7長さよりも長く形成され、挿通用凸状部に対応する位置に開口部が形成されて、内側構成部を筒状に形成した際には、挿通用凸状部が、開口部に挿通することを特徴とする。
【0014】
よって、内側構成部を筒状に形成した際には、挿通用凸状部が開口部に挿通した構成となるので、内側構成部を筒状に形成した際の強度を向上させることができ、また、挿通用凸状部と内側構成部用第1板状部の先端が外側に突出することにより、内側構成部用第1板状部と内側構成部用第4板状部間の角部の緩衝効果を得ることができる。
【0015】
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、内側構成部において、内側構成部を組み立てて筒状とした場合に軸線方向の端部における角部から隣接する板状部に第5折れ線と直角な切込みと切込みの端部から折れ線が軸線方向の端部に向けて形成されていて、切込みと折れ線とで囲まれた領域を内側に押し込むことにより、筒状に形成された内側構成部内に収納された被収納物の脱落を防止可能とする。
【0016】
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、外側構成部における外側構成部用第1板状部と外側構成部用第2板状部と外側構成部用第3板状部と外側構成部用第4板状部の少なくともいずれかの上端と下端から、筒状に形成された外側構成部の開口部を閉じる蓋部が形成されていることを特徴とする。
【0017】
なお、第5の構成として以下の構成としてもよい。すなわち、「4つの板状部により筒状に形成された外側構成部と、外側構成部の内側に設けられた筒状の内側構成部とを有する組立体であって、1枚のシート状のブランクにより形成された外側構成部で、外側構成部用糊代部と、外側構成部用糊代部の辺部である第1折れ線から連設された外側構成部用第1板状部と、外側構成部用第1板状部の外側構成部用糊代部とは反対側で第1折れ線と平行な辺部である第2折れ線から連設された外側構成部用右側面第2板状部と、外側構成部用第2板状部の外側構成部用第1板状部とは反対側で第2折れ線と平行な辺部である第3折れ線から連設された外側構成部用第3板状部と、外側構成部用第3板状部の外側構成部用第2板状部とは反対側で第3折れ線と平行な辺部である第4折れ線から連設された外側構成部用第4板状部とを有し、外側構成部用糊代部と外側構成部用第1板状部と外側構成部用第2板状部と外側構成部用第3板状部と外側構成部用第4板状部の並び方向が左右方向とした場合に、第1折れ線と第2折れ線間の左右方向の長さである第1長さと、第2折れ線と第3折れ線間の左右方向の長さである第2長さと、第3折れ線と第4折れ線間の左右方向の長さである第3長さと、第4折れ線と外側構成部用第4板状部の第4折れ線と反対側の端部間の左右方向の長さである第4長さとが略同一である外側構成部と、
1枚のシート状のブランクにより形成された内側構成部で、折れ線を介して隣接した内側構成部用第2板状部側に略方形状の第1切欠部を有する内側構成部用第1板状部と、内側構成部用第1板状部の該第1切欠部が形成された側の辺部である第5折れ線から連設された内側構成部用第2板状部で、第5折れ線とは反対側の第6折れ線側に略方形状の2つの第2切欠部を有するとともに、内側構成部用第1板状部の第1切欠部内に突出して形成された第1凸状部と、第6折れ線から連設された第3内側構成部用板状部の第2内側構成部用板状部側に形成された第3切欠部内に突出して形成された第2凸状部とを有する内側構成部用第2板状部と、第5折れ線と平行な第6折れ線から連設された内側構成部用第3板状部で、内側構成部用第2板状部側に第3切欠部を有するとともに、内側構成部用第2板状部の第2切欠部内に突出して形成された第3凸状部と、内側構成部用第3板状部の第6折れ線とは反対側の辺部である第7折れ線から連設された内側構成部用第4板状部の内側構成部用第3板状部側に形成された第4切欠部内に突出して形成された第4凸状部とを有する内側構成部用第3板状部と、第6折れ線と平行な第7折れ線から連設された内側構成部用第4板状部で、内側構成部用第3板状部側に第4切欠部を有する内側構成部用第4板状部と、内側構成部用第4板状部の第7折れ線とは反対側の辺部であり第7折れ線と平行な第8折れ線から連設された内側構成部用糊代部と、を有し、第1凸状部の先端から第1切欠部内に突出して形成された外側構成部接着用第1糊代部と、第2凸状部の先端から第3切欠部内に突出して形成された外側構成部接着用第2糊代部と、第3凸状部の先端から第2切欠部内に突出して形成された外側構成部接着用第3糊代部と、第4凸状部の先端から第4切欠部内に突出して形成された外側構成部接着用第4糊代部とを有し、第5折れ線と第6折れ線間の左右方向の長さである第5長さと、第6折れ線と第7折れ線間の左右方向の長さである第6長さと、第7折れ線と第8折れ線間の左右方向の長さである第7長さとが、互いに略同一に形成され、第1長さと第2長さと第3長さと第4長さよりも小さく形成され、外側構成部接着用第1糊代部の先端と第6折れ線間の左右方向の長さが第2長さ以下であり、外側構成部接着用第4糊代部の先端と第6折れ線間の左右方向の長さが第3長さ以下であり、第1凸状部の先端と第2凸状部の先端間の左右方向の長さが第2長さと略同一であり、第3凸状部の先端と第4凸状部の先端間の左右方向の長さが第3長さと略同一である内側構成部と、を有し、外側構成部用糊代部と外側構成部用第4板状部とが接着され、内側構成部用糊代部と内側構成部用第1板状部とが接着され、外側構成部接着用第1糊代部を外側構成部用第1板状部に接着され、外側構成部接着用第4糊代部が外側構成部用第4板状部に接着され、外側構成部接着用第3糊代部が外側構成部用第2板状部に接着され、外側構成部接着用第2糊代部が外側構成部用第3板状部に接着されることにより、外側構成部用第1板状部と外側構成部用第2板状部と外側構成部用第3板状部と外側構成部用第4板状部とにおける互いに隣接する板状部を直角にして外側構成部を筒状にした場合に、内側構成部用第1板状部と内側構成部用第2板状部と内側構成部用第3板状部と内側構成部用第4板状部とが筒状に形成されることを特徴とする組立体。」としてもよい。
【0018】
また、第6の構成として以下の構成としてもよい。すなわち、「上記第5の構成において、外側構成部用第4板状部には、第4折れ線とは反対側の端部に該端部に沿って切欠部が形成され、上記第4長さは、第4折れ線と外側構成部用第4板状部の第4折れ線とは反対側の端部間の切欠部の位置を除く位置の左右方向の最大長さであり、内側構成部用第4板状部の内側構成部用第3板状部側とは反対側の端部から挿通用凸状部が形成され、内側構成部用糊代部は、該挿通用凸状部が形成された領域には形成されておらず、内側構成部用第1板状部の左右方向の最大長さが第5長さ、第6長さ及び第7長さよりも長く形成され、挿通用凸状部に対応する位置に開口部が形成されて、内側構成部を筒状に形成した際には、挿通用凸状部が、開口部に挿通することを特徴とする。」としてもよい。
【0019】
また、第7の構成として以下の構成としてもよい。すなわち、「上記第5又は第6の構成において、内側構成部において、内側構成部を組み立てて筒状とした場合に軸線方向の端部における角部から隣接する板状部に第5折れ線と直角な切込みと切込みの端部から折れ線が軸線方向の端部に向けて形成されていて、切込みと折れ線とで囲まれた領域を内側に押し込むことにより、筒状に形成された内側構成部内に収納された被収納物の脱落を防止可能とすることを特徴とする。」としてもよい。
【0020】
また、第8の構成として以下の構成としてもよい。すなわち、「上記第5から第7までのいずれかの構成において、外側構成部における外側構成部用第1板状部と外側構成部用第2板状部と外側構成部用第3板状部と外側構成部用第4板状部の少なくともいずれかの上端と下端から、筒状に形成された外側構成部の開口部を閉じる蓋部が形成されていることを特徴とする。」としてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に基づく組立体の製造方法によれば、外側構成部と緩衝材としての内側構成部とを同時に製造することができ、外側構成部の製造工程と内側構成部の製造工程とを別々に設ける必要がない。特に、外側構成部と内側構成部とをともに展開状態にして貼り合わせた後に、所定の接着剤塗布領域に接着剤を塗布して所定の片部を折り返すことにより製造することができ、極めて容易に製造することができる。また、内側構成部を1つのブランクで製造することができるので、内側構成部の製造に際して手間が掛からず容易に製造することができる。また、外側構成部を1つのブランクで形成することができるので、外側構成部の見栄えや強度に支障を来すことがない。
【0022】
また、内側構成部の各板状部は、外側構成部の各板状部に沿って間隔を介して設けられ、筒状の外側構成部の内側に筒状の内側構成部が浮いたような状態とできるので、緩衝材としての内側構成部の緩衝機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】収納箱の前方斜視図である。
【図2】収納箱の後方斜視図である。
【図3】収納箱の上面を開状態にした状態を示す前方斜視図である。
【図4】収納箱を組み立てた状態において、内側に設けられた内側構成部の前方斜視図である。
【図5】収納箱を組み立てた状態において、内側に設けられた内側構成部の後方斜視図である。
【図6】外側構成部の展開図である。
【図7】内側構成部の展開図である。
【図8】収納箱の製造方法を示す説明図である。
【図9】収納箱の製造方法を示す説明図である。
【図10】収納箱の製造方法を示す説明図である。
【図11】収納箱の製造方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に基づく組立体としての収納箱5は、図1〜図7に示すように構成され、外側構成部10と、外側構成部10の内側に設けられた内側構成部60とを有している。外側構成部10と、内側構成部60とは、ともに1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール材(好適には、薄型段ボール材)又は厚紙)により形成されている。
【0025】
外側構成部10は、図1〜図7に示すように、スリーブ状部(筒状部)20と、底面部40と、上面部50とを有している。外側構成部10の展開状態は、図6に示すようになる。
【0026】
ここで、スリーブ状部20は、糊代部(外側構成部用糊代部)22と、側面部(外側構成部用第1板状部)24と、側面部(外側構成部用第2板状部)26と、側面部(外側構成部用第3板状部)28と、側面部(外側構成部用第4板状部)30とを有している。収納箱5を組み立てた際には、側面部24と側面部28とは互いに平行となり、側面部26と側面部30とは互いに平行となり、スリーブ状部20は全体に四角筒状となる。
【0027】
糊代部22は、略縦長長方形状を呈し、具体的には、縦長長方形状の上側と下側の一方の角部を斜めに欠切した形状を呈し、上下方向に帯状を呈している。糊代部22は、側面部30の外側の面に接着されている。すなわち、糊代部22の左右方向の幅A0は、側面部24〜30の左右方向の幅A1〜A4よりも小さく形成されている(A0<A1〜A4)。この糊代部22には、接着剤塗布領域N1が形成され、側面部30の側端に切欠部30aが設けられているので、製造に際して図11の状態において、接着剤塗布領域N1が切欠部30aの領域と重ならないように、接着剤塗布領域N1は、糊代部22における先端側(折れ線C1とは反対側)の領域に形成される。
【0028】
また、側面部24は、糊代部22の長手辺から折れ線C1(第1折れ線)を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。
【0029】
また、側面部26は、側面部24の糊代部22とは反対側の辺部から折れ線C2(第2折れ線)を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。
【0030】
この側面部26には、ホットメルト糊塗布領域M1、M2が設けられ、製造に際して、該ホットメルト糊塗布領域M1、M2にホットメルト糊が塗布される。このホットメルト糊塗布領域M1は、製造に際して、展開状態の内側構成部60を展開状態の外側構成部10の上面に配置した際に、糊代部86に対応する位置に形成され、ホットメルト糊塗布領域M2は、糊代部88に対応する位置に形成される。
【0031】
また、側面部28は、側面部26の側面部24とは反対側の辺部から折れ線C3(第3折れ線)を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。
【0032】
この側面部28には、ホットメルト糊塗布領域M3が設けられ、製造に際して、該ホットメルト糊塗布領域M3にホットメルト糊が塗布される。このホットメルト糊塗布領域M3は、製造に際して、展開状態の内側構成部60を展開状態の外側構成部10の上面に配置した際に、糊代部84に対応する位置に形成され
また、側面部30は、側面部28の側面部26とは反対側の辺部から折れ線C4(第4折れ線)を介して連設され、略方形状(具体的には、長方形状)を呈している。なお、側面部30には、側面部28側とは反対側の端部に帯状の切欠部30aが形成されている。この切欠部30aは、収納箱5の製造に際して、板状部62の凸部62bが位置するものである。
【0033】
ここで、側面部24〜28は同大同形状に形成され、側面部24の左右方向の幅A1と側面部26の左右方向の幅A2と側面部28の左右方向の幅A3と側面部30の左右方向の幅A4とは同一の長さに形成されている(A1=A2=A3=A4)。また、折れ線C1〜C4は互いに平行に形成されている。
【0034】
また、底面部40は、底面板部42と、フラップ部44と、底面板部46と、フラップ部48とを有している。
【0035】
底面板部42は、側面部24の下辺から折れ線を介して連設され、正方形状を呈している。この底面板部42の一辺の長さは、側面部24の左右方向の長さと略同一となっている。
【0036】
また、フラップ部44は、側面部26の下辺から折れ線を介して連設され、底面板部42と略同一の幅を有しているが、その長さは、底面板部42の長さの半分以外の長さとなっている。
【0037】
また、底面板部46は、側面部28の下辺から折れ線を介して連設され、底面板部42と同様の構成となっている。
【0038】
また、フラップ部48は、側面部30の下辺から折れ線を介して連設され、フラップ部44と同様の構成となっている。
【0039】
底面部40を閉状態とする場合には、フラップ部44、48を側面部26、30に対して折り曲げ、その後、底面板部42、46の一方を側面部に対して折り曲げた後に他方を側面部に対して折り曲げる。底面板部42と底面板部46とは接着剤等により接着させる。
【0040】
また、上面部50は、上面板部52と、フラップ部54と、上面板部56と、フラップ部58とを有している。上面板部52は、側面部24の上辺から折れ線を介して連設され、底面板部42と線対称に形成されている。また、フラップ部54は、側面部26の上辺から折れ線を介して連設され、フラップ部44と線対称に形成されている。また、上面板部56は、側面部28の上辺から折れ線を介して連設され、底面板部46と線対称に形成されている。また、フラップ部58は、側面部30の上辺から折れ線を介して連設され、フラップ部48と線対称に形成されている。上面部50を閉状態とする場合の方法は、底面部40の場合と同様である。
【0041】
なお、下面板部42と下面板部44と上面板部52と上面板部54とは、筒状に形成された外側構成部の開口部を閉じる蓋部として機能する。
【0042】
次に、内側構成部60は、図4、図5に示すように、板状部62、64、66、68により略筒状を呈するとともに、周囲から凸状部64b、64c、64d、66b、66c、66d、66eとこれらの凸状部の先端に形成された糊代部80、82、84、86、88、90、92が形成された形状を呈している。
【0043】
内側構成部60の展開状態は図7に示すように構成され、板状部(内側構成部用第1板状部)62と、板状部(内側構成部用第2板状部)64と、板状部(内側構成部用第3板状部)66と、板状部(内側構成部用第4板状部)68と、糊代部(内側構成部用糊代部)70とを有している。
【0044】
板状部62は、方形状(具体的には、長方形状)の一方が凸状に形成された形状を呈し、凸状に形成された側とは反対側の辺部に略方形状の2つの切欠部(第1切欠部)J1が間隔を介して形成されている。すなわち、板状部62は、長方形状の本体部62aと、本体部62aの一方の辺部から突出した凸部62bとを有し、凸部62bが形成されている側とは反対側には、略方形状の2つの切欠部J1が間隔を介して形成されている。本体部62aの左右方向の幅B1aは、板状部64、66、68の左右方向の長さB2、B3、B4と略同一に形成されている。また、板状部62の凸部62b側の端部領域には、2つの方形状の開口部62−1、62−2が形成されている。開口部62−1は、上下方向において凸状部68bに対応する位置に形成されており、内側構成部60の組立て時に凸状部68bが開口部62−1に挿通する。同様に、開口部62−2は、上下方向において凸状部68cに対応する位置に形成されており、内側構成部60の組立て時に凸状部68cが開口部62−2に挿通する。なお、開口部62−1、62−2は、同大同形状に形成されているが、内側構成部の組立て時に、凸状部68b、68cが開口部62−1、62−2から突出するように、開口部62−1は、凸状部68bよりも大きく形成され、開口部62−2は、凸状部68cよりも大きく形成されている。
【0045】
なお、板状部62においては、凸部62bの上辺を延長して形成された直線状の切込みK1と、該切込みK1の端部から上方に連設された折れ線(折れ線に沿って2本の切込みが形成されている)により方形状の片部62a−1が形成され、また、凸部62bの下辺を延長して形成された直線状の切込みK2と、該切込みK2の端部から下方に連設された折れ線(折れ線に沿って2本の切込みが形成されている)により方形状の片部62a−2が形成されている。
【0046】
また、板状部64は、板状部62の凸部62b側とは反対側の辺部から折れ線(第5折れ線)C5を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)に3つの凸状部を設けるとともに、2つの切欠部J2を設けた形状を呈している。
【0047】
すなわち、板状部64は、板状部62側とは反対側に略方形状の2つの切欠部(第2切欠部)J2が間隔を介して形成された本体部64aと、本体部64aから板状部62に形成された切欠部J1内に突出して形成された略方形状(略長方形状)の凸状部(第1凸状部)64b、64cと、板状部66に形成された切欠部J3内に突出して形成された略方形状(略長方形状)の凸状部(第2凸状部)64dとを有している。この凸状部64dは、上下方向において、板状部64に形成された2つの切欠部J2の間の位置から突出して形成されている。
【0048】
なお、凸状部64bの先端からは折れ線(該折れ線に沿って切込みが形成されている)を介して略方形状(略長方形状)の糊代部(外側構成部接着用第1糊代部)80が形成され、凸状部64bと糊代部80とが切欠部J1内にスリット状の開口部を介して形成されている。また、凸状部64cの先端からは折れ線(該折れ線に沿って切込みが形成されている)を介して略方形状(略長方形状)の糊代部(外側構成部接着用第1糊代部)82が形成され、凸状部64cと糊代部82とが切欠部J1内にスリット状の開口部を介して形成されている。また、凸状部64dの先端からは折れ線(該折れ線に沿って切込みが形成されている)を介して略方形状(略長方形状)の糊代部(外側構成部接着用第2糊代部)84が形成され、凸状部64dと糊代部84とが切欠部J3内にスリット状の開口部を介して形成されている。糊代部80、82の図7における表側の面には、接着剤塗布領域N2が設けられる。
【0049】
また、板状部64においては、切込みK1と同じ高さの位置に板状部62側とは反対側の辺部から板状部62側に左右方向に形成された直線状の切込みK3と、該切込みK3の端部から上方に連設された折れ線(該折れ線に沿って2本の切込みが形成されている)により方形状の片部64a−1が形成され、また、切込みK2と同じ高さの位置に板状部62側とは反対側の辺部から板状部62側に左右方向に形成された直線状の切込みK4と、該切込みK4の端部から下方に連設された折れ線(該折れ線に沿って2本の切込みが形成されている)により方形状の片部64a−2が形成されている。
【0050】
また、板状部66は、板状部64の板状部62側とは反対側の辺部から折れ線(第6折れ線)C6を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)に4つの凸状部を設けるとともに、1つの切欠部J3を設けた形状を呈している。
【0051】
すなわち、板状部66は、板状部64側に略方形状の1つの切欠部(第3切欠部)J3が形成された本体部66aと、本体部66aから板状部64に形成された切欠部J2内に突出して形成された略方形状(略長方形状)の凸状部(第3凸状部)66b、66cと、板状部68に形成された切欠部J4内に突出して形成された略方形状(略長方形状)の凸状部(第4凸状部)66d、66eとを有している。板状部66に形成された切欠部J3は、上下方向において、凸状部66bと凸状部66cの間の位置に形成されている。
【0052】
なお、凸状部66bの先端からは折れ線(該折れ線に沿って切込みが形成されている)を介して略方形状(略長方形状)の糊代部(外側構成部接着用第3糊代部)86が形成され、凸状部66bと糊代部86とが切欠部J2内にスリット状の開口部を介して形成されている。また、凸状部66cの先端からは折れ線(該折れ線に沿って切込みが形成されている)を介して略方形状(略長方形状)の糊代部(外側構成部接着用第3糊代部)88が形成され、凸状部66cと糊代部88とが切欠部J2内にスリット状の開口部を介して形成されている。また、凸状部66dの先端からは折れ線(該折れ線に沿って切込みが形成されている)を介して略方形状(略長方形状)の糊代部(外側構成部接着用第4糊代部)90が形成され、凸状部66dと糊代部90とが切欠部J4内にスリット状の開口部を介して形成されている。また、凸状部66eの先端からは折れ線(該折れ線に沿って切込みが形成されている)を介して略方形状(略長方形状)の糊代部(外側構成部接着用第4糊代部)92が形成され、凸状部66eと糊代部92とが切欠部J4内にスリット状の開口部を介して形成されている。糊代部90、92の図7における表側の面には、接着剤塗布領域N3が設けられる。
【0053】
また、板状部66においては、切込みK3と同じ高さの位置に板状部64側の辺部から板状部68側に左右方向に形成された直線状の切込みK5と、該切込みK5の端部から上方に連設された折れ線(該折れ線に沿って2本の切込みが形成されている)により方形状の片部66a−1が形成され、また、切込みK4と同じ高さの位置に板状部64側の辺部から板状部68側に左右方向に形成された直線状の切込みK6と、該切込みK6の端部から下方に連設された折れ線(該折れ線に沿って2本の切込みが形成されている)により方形状の片部66a−2が形成されている。
【0054】
また、板状部68は、板状部66の板状部64側とは反対側の辺部から折れ線(第7折れ線)C7を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)に2つの凸状部を設けるとともに、2つの切欠部(第4切欠部)J4を設けた形状を呈している。
【0055】
すなわち、板状部68は、板状部66側に略方形状の切欠部J4が間隔を介して形成された本体部68aと、板状部66側とは反対側の辺部から突出して形成された略方形状(略長方形状)の凸状部68b、68cとを有している。
【0056】
また、板状部68においては、切込みK1と同じ高さの位置に板状部66側とは反対側の辺部から板状部66側に左右方向に形成された直線状の切込みK7と、該切込みK7の端部から上方に連設された折れ線(該折れ線に沿って2本の切込みが形成されている)により方形状の片部68a−1が形成され、また、切込みK2と同じ高さの位置に板状部66側とは反対側の辺部から板状部66側に左右方向に形成された直線状の切込みK8と、該切込みK8の端部から下方に連設された折れ線(該折れ線に沿って2本の切込みが形成されている)により方形状の片部68a−2が形成されている。
【0057】
また、糊代部70は、板状部68の板状部66側とは反対側の辺部から折れ線(第8折れ線)C8を介して連設され、凸状部68bの上側の辺部から連設された糊代部72と、凸状部68bと凸状部68cの間の位置の辺部から連設された糊代部74と、凸状部68cの下側の辺部から連設された糊代部76とを有している。糊代部72、74、76は、ともに略台形形状の帯状を呈している。また、糊代部72には、切込みK7と同一直線状に糊代部72の一方の端部から他方の端部にまで形成された切込みK9が形成され、また、糊代部76には、切込みK8と同一直線状に糊代部76の一方の端部から他方の端部にまで形成された切込みK10が形成されている。また、糊代部70の図7における裏側の面には、接着剤塗布領域N4が設けられる。なお、折れ線C5〜C8は互いに平行に形成されている。
【0058】
なお、内側構成部60の組立て状態においては、板状部62〜68が筒状に形成されて筒状部61が形成され、糊代部70は、板状部62に接着される。特に、糊代部72は、板状部62の上側の領域(開口部62−1よりも上側の領域)に接着され、特に、糊代部72の切込みK9よりも上側の領域は、片部62a−1に接着される。また、糊代部74は、板状部62の上下方向の中間領域(開口部62−1と開口部62−2間の領域)に接着され、また、糊代部76は、板状部62の下側の領域(開口部62−2よりも下側の領域)に接着され、特に、糊代部76の切込みK10よりも下側の領域は、片部62a−2に接着される。
【0059】
板状部64の左右方向の長さ(第5長さ)B2と、板状部66の左右方向の長さ(第6長さ)B3と、板状部68の左右方向の長さ(第7長さ)B4は互いに略同一(同一としてもよい)に形成され、板状部62の左右方向の長さは、長さB2、B3、B4よりも若干長く形成されている。また、長さB1、B2、B3、B4は、いずれも外側構成部10の側面部24〜30の長さA1、A2、A3、A4の長さよりも小さく形成されている。
【0060】
また、糊代部80、82の先端と折れ線C6間の左右方向の長さD1が長さA2と略同一(又は長さA2以下)であり、糊代部90、92の先端と折れ線C6間の左右方向の長さD2が長さA3と略同一(又は長さA2以下)であり、凸状部64b、64cの先端と凸状部64dの先端間の左右方向の長さD3が長さA2と略同一であり、凸状部66b、66cの先端と凸状部66d、66eの先端間の左右方向の長さD4が長さA3と略同一となっている。
【0061】
また、板状部62、64、66、68の上下方向の長さは略同一(同一としてもよい)に形成され、板状部62、64、66、68の上辺は同一直線状に形成され、板状部62、64、66、68の下辺は同一直線状に形成されている。また、板状部62、64、66、68の上下方向の長さは、側面部24〜30の上下方向の長さより以下に形成されている。
【0062】
なお、内側構成部60において、凸状部64b、64c、66b、66c、66d、66eの長さ(基端から先端(糊代部側の先端)までの長さ)は、糊代80、82、84、86、88、90、92が外側構成部10の内側に接着できる程度の長さとする。具体的には、(長さA1(=A2、A3、A4)−長さB2(=B1a、B3、B4))/2とする。
【0063】
また、収納箱5を組み立てた状態では、糊代部80、82は側面部24に接着し、糊代部86、88は側面部26に接着し、糊代部84は側面部28に接着し、糊代部90、92は側面部30に接着する。
【0064】
また、糊代部80、82の長さ(基端から先端までの長さ)は、外側構成部10と内側構成部60とを図9の状態に配置した際に、糊代部80、82が外側構成部10の折れ線C2から側面部24側に突出しない長さになっている。同様に、糊代部90、92の長さ(基端から先端までの長さ)は、外側構成部10と内側構成部60とを図9の状態に配置した際に、糊代部90、92が外側構成部10の折れ線C4から側面部30側に突出しない長さになっている。
【0065】
上記構成の収納箱5の製造方法について説明する。まず、図6に示す展開状態の外側構成部10と、図7に示す展開状態の内側構成部60を製造する。なお、折れ線箇所には、予め罫線を形成しておくことが好ましい。
【0066】
まず、図8に示すように、予め外側構成部10におけるホットメルト糊塗布領域M1、M2、M3にホットメルト糊を塗布しておく。そして、外側構成部10を展開した状態で、かつ、完成時の外側の面が下側となるように配置し、外側構成部10の上面に、内側構成部60を展開した状態で、かつ、接着剤塗布領域N2、N3が上側を向くように配置する。その際、図9に示すように、左右方向においては、内側構成部60の折れ線C6と外側構成部10の折れ線C3とが一致し、左右方向において、外側構成部10における糊代部22側が、内側構成部60における板状部62側となるようにする。また、上下方向においては、内側構成部60の上辺の高さが外側構成部10のスリーブ状部20の上辺の高さと一致するか又はやや下側となるようにし、少なくとも、内側構成部60が上下方向に外側構成部10のスリーブ状部20からはみ出さないようにする。そして、ホットメルト糊が冷却して固化する前にホットメルト糊塗布領域M1、M2、M3の領域を押圧して、ホットメルト糊塗布領域M1、M2、M3の領域で外側構成部10と内側構成部60とを接着する(接着工程)。つまり、側面部26と糊代部86、88とを接着し、側面部28と糊代部84とを接着する。なお、内側構成部60における外側構成部10側の領域で、糊代部84、86、88の領域にホットメルト糊を塗布してもよい。
【0067】
その後、糊代部90、92の接着剤塗布領域N3に接着剤を塗布する(第1接着剤塗布工程)。
【0068】
その後、外側構成部10における折れ線C4よりも外側の部分(つまり、側面部30とフラップ部48、58を折れ線C4を中心にして折り返す。すると、同時に、内側構成部60における板状部68が折れ線C7を中心にして折り返されて、図10に示す状態となる。すると、糊代部90、92が外側構成部10の折り返された側面部30に接着する(第2接着工程)。
【0069】
その後、外側構成部10の糊代部22の接着剤塗布領域N1と、内側構成部60の糊代部80、82の接着剤塗布領域N2と、糊代部70の接着剤塗布領域N4に接着剤を塗布する(第2接着剤塗布工程)。なお、接着剤塗布領域N1の代わりに、側面部30において接着剤塗布領域N1が接着する領域に接着剤を塗布してもよく、また、接着剤塗布領域N4の代わりに、板状部62において糊代部70が接着する領域に接着剤を塗布してもよい。
【0070】
その後、外側構成部10の折れ線C2よりも外側の部分(つまり、側面部24と糊代部22と底面板部42と上面板部52)を折れ線C2を中心に折り返す。すると、同時に、内側構成部60における板状部62が折れ線C5を中心に折り返されて、図11に示す状態となる。すると、外側構成部10の糊代部22が側面部30に接着し、内側構成部の糊代部70が板状部62に接着し、糊代部80、82が外側構成部10の折り返された側面部24に接着する(第3接着工程)。
【0071】
以上のようにして、収納箱5が形成されるが、上記のように製造された段階では、図11に示すように、収納箱5を平板状に折り畳んだ状態で形成される。なお、上記の製造は、組立て装置により自動で製造される。
【0072】
なお、接着剤塗布領域N1、N2への接着剤の塗布は、接着剤塗布領域N3と同時に行ってもよい。
【0073】
上記のように製造された収納箱5の使用方法について説明する。収納箱5を保管又は運搬する際には、図11に示すように収納箱5を折り畳んだ状態としておく。収納箱5を折り畳んだ状態では、側面部24と糊代部22と側面部30とが1つの板状を呈するとともに、側面部26と側面部28とが1つの板状を呈していて、側面部24及び側面部30は、側面部26及び側面部28と略平行となっている。また、内側構成部60においても、板状部64と板状部66と糊代部80、82、84、86、88、90、92とが1つの板状を呈するとともに、板状部62と板状部68と糊代部70とが1つの板状を呈していて、全体に平板状に折り畳まれた状態となっている。
【0074】
次に、収納箱5を使用する際には、外側構成部10のスリーブ状部20について、隣接する部材が互いに直角となるようにして四角筒状とする。スリーブ状部20を四角筒状に組み立てると、これに伴い、内側構成部60も図4、図5に示す状態に組み立てられ、板状部62〜68が筒状に形成される。つまり、内側構成部60は、外側構成部10の内側に略筒状となって形成され、内側構成部60の各板状部62〜68は、外側構成部10の各板状部24〜30に沿って間隔を介して設けられ、筒状の外側構成部10の内側に筒状の内側構成部60が浮いたような状態とできる。
【0075】
なお、凸状部68bは、開口部62−1から挿通して突出し、凸状部68cは、開口部62−2から挿通して突出する。また、板状部62の凸部62bが板状部68の外面よりも突出する。このように、凸状部68b、68cや、凸部62bが外側に突出することにより、内側構成部60の板状部62と板状部68間の角部の緩衝機能を得ることができる。
【0076】
そして、内側構成部60において板状部62〜68により筒状に形成された筒状部61に細長形状の被収納物を収納する。
【0077】
被収納物を収納したら、片部64a−1と片部66a−1からなる帯状部分を内側に折り曲げるとともに、片部62a−1と片部68a−1からなる帯状部分を内側に折り曲げて筒状部61の一方の端部から被収納物が脱落しないようにし、また、片部64a−2と片部66a−2からなる帯状部分を内側に折り曲げるとともに、片部62a−2と片部68a−2からなる帯状部分を内側に折り曲げて筒状部61の他方の端部から被収納物が脱落しないようにする。
【0078】
その後、外側構成部10の底面部40を閉状態とするとともに、上面部50を閉状態とする。
【0079】
なお、収納箱5に収納された被収納物を取り出すには、底面部40又は上面部50を開状態とし(底面部40の場合には、接着されている底面板部42、46を互いに剥がすようにし、上面部50の場合には、接着されている上面板部52、56を互いに剥がすようにする)、筒状部61において内側に折り曲げられている帯状部分を外側に戻して、被収納物を筒状部61から取り出す。
【0080】
以上のように、収納箱5の製造においては、外側構成部と内側構成部とを同時に製造することができ、外側構成部の製造工程と内側構成部の製造工程とを別々に設ける必要がない。特に、外側構成部10と内側構成部60とをともに展開状態にして貼り合わせた後に、所定の接着剤塗布領域に接着剤を塗布して所定の部材を折り返すことにより製造することができ、極めて容易に製造することができる。
【0081】
また、内側構成部を1つのブランクで製造することができるので、内側構成部の製造に際して手間が掛からず容易に製造することができる。また、外側構成部を1つのブランクで形成することができるので、外側構成部の見栄えや強度に支障を来すことがない。
【0082】
また、収納箱5においては、内側構成部60の筒状部61が外側構成部10の側面部24〜30の内側の面から間隔を介して浮いたような状態となり、緩衝材の緩衝機能を向上させることができる。
【0083】
なお、上記の説明では、板状部64の板状部62側から2つの凸状部64b、64cが形成され、板状部64の板状部66側から1つの凸状部64dが形成され、板状部66の板状部64側から2つの凸状部66b、66cが形成され、板状部66の板状部68側から2つの凸状部66d、66eが形成され、各凸状部の先端から糊代部が連設されているとしたが、各凸状部及び該凸状部から連設された糊代部の数は任意である。その場合、凸状部と糊代部が設けられる切欠部の数も凸状部及び該凸状部から連設された糊代部の数に応じて設けられることになる。
【0084】
なお、上記の説明においては、図9に示すように、外側構成部10の糊代部22を平面視で左右方向の左端に配置した状態で製造するものとして説明したが、図9における外側構成部10の表裏を逆にして糊代部22を左右方向の右端に配置し、同様に、内側構成部60も図9の状態に対して表裏逆にして、上記と同様に、折れ線C3とC6を一致させて外側構成部10の上面に設置して、製造してもよい。
【符号の説明】
【0085】
5 収納箱
10 外側構成部
20 スリーブ状部
22、70、72、74、76、80、82、84、86、88、90、92 糊代部
24、26、28、30 側面部
40 底面部
50 上面部
60 内側構成部
62、64、66、68 板状部
62a、64a、66a、68a 本体部
62b、64b、64c、64d、66b、66c、66d、66e、68b、68c 凸状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの板状部により筒状に形成された外側構成部と、外側構成部の内側に設けられた筒状の内側構成部とを有する組立体の製造方法であって、
1枚のシート状のブランクにより形成された外側構成部で、外側構成部用糊代部と、外側構成部用糊代部の辺部である第1折れ線から連設された外側構成部用第1板状部と、外側構成部用第1板状部の外側構成部用糊代部とは反対側で第1折れ線と平行な辺部である第2折れ線から連設された外側構成部用右側面第2板状部と、外側構成部用第2板状部の外側構成部用第1板状部とは反対側で第2折れ線と平行な辺部である第3折れ線から連設された外側構成部用第3板状部と、外側構成部用第3板状部の外側構成部用第2板状部とは反対側で第3折れ線と平行な辺部である第4折れ線から連設された外側構成部用第4板状部とを有し、外側構成部用糊代部と外側構成部用第1板状部と外側構成部用第2板状部と外側構成部用第3板状部と外側構成部用第4板状部の並び方向が左右方向とした場合に、第1折れ線と第2折れ線間の左右方向の長さである第1長さと、第2折れ線と第3折れ線間の左右方向の長さである第2長さと、第3折れ線と第4折れ線間の左右方向の長さである第3長さと、第4折れ線と外側構成部用第4板状部の第4折れ線と反対側の端部間の左右方向の長さである第4長さとが略同一である外側構成部における組立体とした場合に内側となる面に、1枚のシート状のブランクにより形成された内側構成部で、折れ線を介して隣接した内側構成部用第2板状部側に略方形状の第1切欠部を有する内側構成部用第1板状部と、内側構成部用第1板状部の該第1切欠部が形成された側の辺部である第5折れ線から連設された内側構成部用第2板状部で、第5折れ線とは反対側の第6折れ線側に略方形状の2つの第2切欠部を有するとともに、内側構成部用第1板状部の第1切欠部内に突出して形成された第1凸状部と、第6折れ線から連設された第3内側構成部用板状部の第2内側構成部用板状部側に形成された第3切欠部内に突出して形成された第2凸状部とを有する内側構成部用第2板状部と、第5折れ線と平行な第6折れ線から連設された内側構成部用第3板状部で、内側構成部用第2板状部側に第3切欠部を有するとともに、内側構成部用第2板状部の第2切欠部内に突出して形成された第3凸状部と、内側構成部用第3板状部の第6折れ線とは反対側の辺部である第7折れ線から連設された内側構成部用第4板状部の内側構成部用第3板状部側に形成された第4切欠部内に突出して形成された第4凸状部とを有する内側構成部用第3板状部と、第6折れ線と平行な第7折れ線から連設された内側構成部用第4板状部で、内側構成部用第3板状部側に第4切欠部を有する内側構成部用第4板状部と、内側構成部用第4板状部の第7折れ線とは反対側の辺部であり第7折れ線と平行な第8折れ線から連設された内側構成部用糊代部と、を有し、第1凸状部の先端から第1切欠部内に突出して形成された外側構成部接着用第1糊代部と、第2凸状部の先端から第3切欠部内に突出して形成された外側構成部接着用第2糊代部と、第3凸状部の先端から第2切欠部内に突出して形成された外側構成部接着用第3糊代部と、第4凸状部の先端から第4切欠部内に突出して形成された外側構成部接着用第4糊代部とを有し、第5折れ線と第6折れ線間の左右方向の長さである第5長さと、第6折れ線と第7折れ線間の左右方向の長さである第6長さと、第7折れ線と第8折れ線間の左右方向の長さである第7長さとが、互いに略同一に形成され、第1長さと第2長さと第3長さと第4長さよりも小さく形成され、外側構成部接着用第1糊代部の先端と第6折れ線間の左右方向の長さが第2長さ以下であり、外側構成部接着用第4糊代部の先端と第6折れ線間の左右方向の長さが第3長さ以下であり、第1凸状部の先端と第2凸状部の先端間の左右方向の長さが第2長さと略同一であり、第3凸状部の先端と第4凸状部の先端間の左右方向の長さが第3長さと略同一である内側構成部を、第3折れ線と第6折れ線とが一致し、外側構成部用糊代部側が内側構成部用第1板状部となるように配置して、外側構成部接着用第3糊代部を外側構成部用第2板状部に接着するとともに、外側構成部接着用第2糊代部を外側構成部用第3板状部に接着する接着工程と、
内側構成部の外側構成部接着用第4糊代部に接着剤を塗布する第1接着剤塗布工程と、
外側構成部において第4折れ線を中心に外側構成部用第4板状部を回動して折り畳むとともに、内側構成部において第7折れ線を中心に内側構成部用第4板状部を回動して折り畳むことにより、外側構成部接着用第4糊代部を外側構成部用第4板状部に接着する第2接着工程と、
外側構成部用糊代部又は外側構成部用第4板状部における外側構成部用糊代部が接着する領域と、内側構成部用糊代部又は内側構成部用第1板状部における内側構成部用糊代部が接着する領域と、内側構成部の外側構成部接着用第1糊代部に接着剤を塗布する第2接着剤塗布工程と、
外側構成部において第2折れ線を中心に外側構成部用第1板状部と外側構成部用糊代部とを回動して折り畳むとともに、内側構成部において第5折れ線を中心に内側構成部用第1板状部を回動して折り畳むことにより、外側構成部用糊代部と外側構成部用第4板状部とを接着し、内側構成部用糊代部と内側構成部用第1板状部とを接着し、外側構成部接着用第1糊代部を外側構成部用第1板状部に接着する第3接着工程と、
を有することを特徴とする組立体の製造方法。
【請求項2】
外側構成部用第4板状部には、第4折れ線とは反対側の端部に該端部に沿って切欠部が形成され、上記第4長さは、第4折れ線と外側構成部用第4板状部の第4折れ線とは反対側の端部間の切欠部の位置を除く位置の左右方向の最大長さであり、内側構成部用第4板状部の内側構成部用第3板状部側とは反対側の端部から挿通用凸状部が形成され、内側構成部用糊代部は、該挿通用凸状部が形成された領域には形成されておらず、内側構成部用第1板状部の左右方向の最大長さが第5長さ、第6長さ及び第7長さよりも長く形成され、挿通用凸状部に対応する位置に開口部が形成されて、内側構成部を筒状に形成した際には、挿通用凸状部が、開口部に挿通することを特徴とする請求項1に記載の組立体の製造方法。
【請求項3】
内側構成部において、内側構成部を組み立てて筒状とした場合に軸線方向の端部における角部から隣接する板状部に第5折れ線と直角な切込みと切込みの端部から折れ線が軸線方向の端部に向けて形成されていて、切込みと折れ線とで囲まれた領域を内側に押し込むことにより、筒状に形成された内側構成部内に収納された被収納物の脱落を防止可能とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の組立体の製造方法。
【請求項4】
外側構成部における外側構成部用第1板状部と外側構成部用第2板状部と外側構成部用第3板状部と外側構成部用第4板状部の少なくともいずれかの上端と下端から、筒状に形成された外側構成部の開口部を閉じる蓋部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の組立体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−84010(P2011−84010A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−239850(P2009−239850)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(000129493)株式会社クラウン・パッケージ (21)
【Fターム(参考)】