説明

組立台車

【課題】連結容易な組立台車を提供する。
【解決手段】4個のかど部材と4個の接続部材とで台車を構成し、各かど部材を接続部材により接続して直角四辺形の枠からなる台板を構成し、各かど部材の下方に車輪を付設してなる台車において、1つの台車にはかど部材の側面上に側面から突出して上方に向かう凸部を形成し、他の台車にはかど部材の側面上に側面から突出して下方に向かう上記凸部と咬み合う凹部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は特願2008−000503の分割出願である。特願2008−000503は、伸縮と連結とが容易な台車の発明を記載しているところ、この出願は、そのうちの連結容易な台車の発明を分割して出願するものであるが、明細書は特願2008−000503の記載をそのままに引用し、特許請求の範囲において連結容易な台車に関する発明であることを明確にする。
ここで、伸縮とは台車の台板に相当する部分を大きく又は小さくすることを指し、連結とは台車同士を接続することを意味している。
【背景技術】
【0002】
台車は台板の下に車輪を付設して移動可能としたものである。台板はもとは板状のものであったが、近頃は直角四辺形の枠だけで作られたものもある。台板の上には形状、大きさ、重量などの異なった色々な物品が載せられる。大きな物品を載せるときには、台板は広いことが必要とされ、小さな物品を載せるときには、台板は狭いもので足りる。また重量の大きい物品を載せるときは、車輪間の間隔を狭めることが望ましい。従って、台板は載せる物品に応じて大きさを変更できることが望ましい。
それとは別に、物品を載せない台車を大量に移動させたり、嵩の大きい軽い物品を大量に運ぶ場合には、台車同士を連結して運ぶことが好ましい。このためには台車同士を容易に連結できることが好ましい。
【0003】
特開2000−355276号公報は、台板そのものを伸縮させることはできないが、台車同士を互いに連結することが容易な台車を提案している。その台車は、下部にキャスターを付設した4個のコーナー部材と、4本の枠材とを接続して直角四辺形の枠を作り、この枠を台板としたものである。この台車は台板を構成している枠材が表面に露出していることを利用して、枠材同士を密接させ、密接した2つの枠材に跨って断面がコの字状の連結部材を被せ、離れないようにして台車同士を連結できるとしている。だから、連結には連結部材という別の部品が必要とされる。従って、連結が容易であるとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−355276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、台車における台板に相当する部分を容易に大きくも小さくもすることができるようにし、また台車同士を容易に連結できるようにし、さらには小さく畳んで収納できるようにして、使用及び収納に便利な組立台車を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、台車の台板に相当する部分を前記特許文献1が記載しているような、4個のかど部材と4個の接続部材とで構成する。しかし、この発明はかど部材と接続部材との間の接続機構を改良して、両部材で構成する直角四辺形の台板を大きくも小さくもできるようにしたものである。
すなわち、かど部材には接続部材を丁度嵌め込むに足る溝を設け、溝底にはボルト孔を設けておき、他方、接続部材は横断面がコの字状のチャンネル材で構成し、コの字状に連なる3片のうちの中央片には長手方向に延びる長孔を設けておく。また、中央片を溝底に向けて接続部材をかど部材の溝内に入れたとき、接続部材は溝内で長手方向に摺動可能としておく。
【0007】
こうして接続部材を溝内に入れ、かど部材のボルト孔からボルトを差し込み、接続部材の長孔へ貫通させる。接続部材がわは長孔であるから、接続部材はこの状態でなお溝内で長手方向に摺動可能となっている。そこで、接続部材を溝内で摺動させて、かど部材から突出する接続部材の長さを調整する。接続部材の突出長が所望の長さになったとき、接続部材のコの字状の開口からナットを挿入して、ボルトとナットとで接続部材とかど部材とを固定する。こうして1つの接続部材の両端にかど部材を固定して、かど部材間の間隔を所望の長さにする。こうして、直角四辺形の枠を作ることにより、所望の大きさの台板を容易に作ることができる。
【0008】
その上で、この発明は各かど部材に、各溝に垂直な側面を設けるとともに、各側面に噛み合う凸部又は凹部を設けておき、隣接する台車の間で凹部と凸部とを噛み合わせるだけで、台車同士を連結できるようにするものである。すなわち、この発明は連結容易な台車を提供するものである。
こうして、この発明は一面では伸縮容易な組立台車を提供し、他面では連結容易な組立台車を提供するものである。
【0009】
伸縮容易な組立台車は、4個のかど部材と、4個の接続部材とで構成される台車であって、各かど部材は下部に車輪を突出させ、横方向に互いに垂直に延びる2個の溝を備え、溝は一様な断面を持ち、溝底にボルト孔を設けたもので構成され、各接続部材はかど部材の溝内に嵌まり、溝の延びる方向に摺動できるチャンネル材からなり、チャンネル材を構成する中央片には端近くから長手方向に延びる長孔を設けたもので構成され、各接続部材の端をかど部材の溝内に入れ、かど部材のボルト孔に挿入したボルトを接続部材の長孔内に通し、接続部材を溝内で摺動させてかど部材から突出する接続部材の長さを調整し、適所でナットによりボルトを固定して、かど部材間の間隔を変えるようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
また、連結容易な組立台車は、上記の伸縮容易な組立台車において、各かど部材には各溝の延びる方向に垂直な2個の側面を設けるとともに、各側面には凸部又は凹部の一方を設け、凸部と凹部とが噛み合う構造にしたことを特徴とするものである。
【0011】
すなわち、連結容易な組立台車は、4個のかど部材と4個の接続部材とで構成される台車であって、各かど部材に下面に車輪を突出させ、横方向に互いに垂直に延びる溝を備え、溝底にボルト孔を設けるとともに、溝の延びる方向に垂直な2個の側面を設け、さらに各側面には互いに噛み合う凸部又は凹部を設けたもので構成され、各接続部材はかど部材の溝内に嵌まり、溝の延びる方向に摺動可能なチャンネル材からなり、チャンネル材を構成している中央片に長手方向の端近くから長手方向に延びる長孔を設けたもので構成され、各接続部材の端をかど部材の溝内に入れ、かど部材のボルト孔に挿入したボルトを接続部材の長孔内に通し、長孔に沿った適所でボルトを固定して、かど部材間の間隔を調整して台車とし、この台車を互いに近接させ、かど部材の側面に設けた凸部と凹部とを噛み合わせて連結可能としたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、台車は4個のかど部材と4個の接続部材とで構成され、各かど部材は下部に車輪を突出させ、横方向には互いに垂直に延びる溝を備え、溝底にボルト孔が設けられたもので構成され、他方、各接続部材はかど部材の溝内に嵌まり、溝の延びる方向に摺動できるチャンネル材からなり、チャンネル材を構成する中央片には長手方向の端近くから長手方向に延びる長孔が設けられたもので構成されているので、各接続部材を構成するチャンネル材の中央片をかど部材の溝底がわに向けて、各接続部材の端を溝内に入れ、かど部材のボルト孔から接続部材の長孔にボルトを通し、この状態で接続部材を溝内で長手方向に移動させることができる。こうして、接続部材が適当な所に位置したときに、ボルトにナットを嵌めて固定するだけで、台板の大きさを所望の大きさにすることができる。その移動中には、ボルトの嵌め変えをする必要がないから、固定は極めて容易である。
【0013】
こうして組み立てたあとで、台車が必要でなくなったときは、ボルトをゆるめてボルトを除くだけで、4個のかど部材と接続部材とに分解することができるので分解が容易である。また分解したときは小さな体積のものとなるから収納に便利である。
また、この発明によれば各かど部材には溝の延びる方向に垂直な2個の側面が設けられているので、この側面は台板の辺と平行に延びている。しかも、各側面には互いに噛み合う凸部又は凹部が設けられているので、凸部と凹部との選択を適当にすることにより、2個の台車を互いに接触させるだけで凸部と凹部とを噛み合わせることができる。従って、台車の連結が容易である。この発明はこのような効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明に係る台車の一部切欠斜視図である。
【図2】この発明で用いられるかど部材と、一部切欠接続部材との分解斜視図である。
【図3】この発明で用いられるかど部材の斜視図である。
【図4】この発明に係る台車の連結状態を示す斜視図である。
【図5】この発明で用いられる他のかど部材の斜視図である。
【図6】この発明に係る台車の積み重ね状態を示す一部切欠断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、この発明に係る組立台車の一例を図面に基づき説明する。図1は、この発明に係る台車を斜め上方から見たときの斜視図である。図2は、車輪を除いたかど部材と接続部材の一部とを分解して斜め下方から見たときの拡大斜視図である。図3は、凸部と凹部とを側面に設けたかど部材の斜視図である。図4は、この発明に係る台車の連結状態を示した斜視図である。
図1に示されたこの発明に係る組立台車Xは、4個のかど部材Aと4個の接続部材Bとで構成されている。かど部材Aは、下部に車輪Cを突出させ、下方に向かって開口する2つの溝2と溝3とを備えている。溝2と溝3とは何れも横方向にしかも互いに垂直に延びている。溝2と溝3の底にはボルト孔4が設けられている。
【0016】
接続部材Bはチャンネル材からなり、その横断面は3片がコの字状に連なる形状となっている。3片のうちの中央片11には長孔12が設けられている。長孔12は、中央片11の長手方向の端近くから中央部近くまで長手方向に延びている。長孔12の幅はボルト孔4の直径にほぼ等しいものとされている。
図2は、かど部材Aに接続部材Bが接続される関係を示している。かど部材Aは、上述のように、下面1に溝2と溝3とが設けられ、溝2と溝3とは同一平面上にあって互いに垂直に延びている。溝2と溝3との中には、接続部材Bが中央片11を溝底がわに向けて挿入されて、溝内で長手方向に摺動できるようになっている。
【0017】
接続部材Bは、図1に示されているように、チャンネル材の中央片11が平面となっていてもよいが、図2に示されているように、中央片11が幅方向の中央部において一様に窪み、その窪みが長手方向に延びていることが好ましい。このようにすると、長孔12の付近が溝底に直接接触していないので、接続部材Bを溝内で摺動させ易く、長孔12内にボルトを挿入し易く、また接続部材Bが撓みにくくなる。また、接続部材Bは、図2に示されているように、コの字状断面の開口を構成している2片の長手方向に延びている端が、開口がわに折曲されて僅かに突出していることが好ましい。このようにすると、接続部材Bは一層撓みにくく強固なものとなる。
【0018】
溝底には2個のボルト孔4が付設されている。ボルト孔4は何れもかど部材のかど9から遠く離れた縁辺近くに位置している。ボルト孔4にボルト(図示していない)を挿入すると、挿入されたボルトは溝内に挿入された接続部材Bの長孔12を貫通するようにされている。長孔12は接続部材Bの長手方向に延びているために、ボルトが貫通した状態で、接続部材Bは溝内で長手方向に摺動できることとなっている。
【0019】
そこで、接続部材Bを溝2又は溝3内で長手方向に摺動させて、接続部材Bがかど部材Aから突出する長さを調整することができる。こうして突出長を調整することにより、かど部材Aと接続部材Bとで構成する枠の辺の長さを調整することができる。
接続部材Bがかど部材Aから所望の長さだけ突出するに至ったとき、接続部材B内に調整板Eを挿入する。調整板Eは接続部材Bの中央片11に密接する形状にされた小片で、ボルト4と連通できる2個のボルト孔41を備えている。また、調整板Eは側部に点状の小さな突出部42を備えている。
【0020】
突出部42は、接続部材Bの中央片11に向かって突出している。これに対応して、接続部材Bは、中央片11の側部に多数の小孔13が短い間隔をおいて穿設されており、小孔13は突出部42を丁度受け入れるだけの大きさとされている。そこで、接続部材Bを溝内で摺動させ、突出部42を小孔13内に陥入させることによって、調整板Eを溝内で一時的に静止させて、ボルトを挿入すべき長孔12内の位置を短い間隔で選定することができる。こうして、溝内の適所で接続部材Bをボルトで容易に固定することができる。
【0021】
図2では接続部材Bがわに小孔13を穿設し、調整板Eがわに突出部42を設けたが、逆に接続部材Bがわに突出部42を設け、調整板Eがわに小孔13を設けてもよい。
こうして、かど部材Aから適度に突出した接続部材Bをかど部材Aに固定することによって、かど部材Aと接続部材Bとからなる直角四辺形の枠の大きさを所望の大きさにすることができる。従って、こうして台板を伸縮させることができる。
図2では、説明の便宜のために車輪を除いたかど部材Aを示したが、実際には点線Dで示す位置に自在キャスターの基板が固定されて、かど部材Aは車輪を下部に突出させたものとなっている。
【0022】
また、図2のかど部材Aは、台車同士を容易に連結できるようにするための機構を備えている。すなわち、図2のかど部材Aは、溝2の延びる方向に垂直な側面5と、溝3の延びる方向に垂直な側面6とを備えている。このため、かど部材Aと接続部材Bとで組み立てられた直角四辺形の枠は、枠辺に平行な側面5と6とを備えていることになり、従って、枠同士を密接させることのできるかど部を備えていることになる。さらに、側面5は凹部7を備え、側面6は図2では基板61に隠れて見えないが凸部を備えている。
【0023】
図3は、凹部7と凸部8とが付設されたかど部材Aを示している。凸部8は側面6上に突出して付設された基板61の上に乗った形となって突設されている。他方、凹部7は側面5上に隆起部51を突設し、隆起部51の下端中央部から上に向かって隆起部の一部を切削した形で作られている。従って、図3の凸部8は上方からこれと噛み合う凹部を嵌め込むことができ、凹部7は下方からこれと噛み合う凸部を嵌め込むことができる。
【0024】
凹部7の下端の開口面と、凸部8の下端面とは、かど部材Aの上面から同じ高さの一つの平面上に位置している。
凸部8は、図3に示したように、側面6から矢印P方向に進むに従って、左右方向の幅は大きくなるが、高さは変わらない形状とされている。他方、凹部7は、側面5から矢印Q方向に進むに従って、左右方向の幅は小さくなるが、高さは変わらない形状とされている。
【0025】
図3に示したかど部材Aの側面6がわに別のかど部材を連結する場合には、側面6に別のかど部材の凹部の設けられた側面を近接させ、かど部材Aの上方から別のかど部材を降
下させる。すると、凸部8は別のかど部材の凹部内に嵌まり込むので、2つの台車は連結される。連結状態では凸部8が先広がりになっており、他方、別のかど部材の凹部は先細となっているため、両者は強く接続されて離れなくなっている。こうして、強固な連結を容易に行うことができる。
【0026】
同様に、図3に示したかど部材Aの側面5がわに他のかど部材を連結するには、側面5に他のかど部材の凸部が設けられた側面を近接させ、かど部材Aを他のかど部材の上方から降下させて、凹部7内に他のかど部材の凸部を嵌め込んで連結する。こうして、2つのかど部材を容易に強固に連結させることができる。
上述のようにしてかど部材を連結させるから、この発明では直角四辺形の台板の1つの辺に沿っては、両端に凸部同士又は凹部同士が並ぶように、かど部材を作ることとする。すなわち、図1に示したように、左側の辺では凹部が並び、右側の辺では凸部が並んでいるようにする。
【0027】
かど部材Aとしては、合成樹脂とくにポリプロピレンなどの硬質合成樹脂を材料として図示した形状に一体に成形したものを用い、接続部材Bとしては金属とくにステンレススチールで作られたものを用いるのが適している。かど部材を合成樹脂で成形するときには、かど部材Aを図1及び図3の形状にするよりは、図5に示したような形状に一体に成形することが好ましい。
【0028】
図5に示したかど部材Aが、図3に示したかど部材Aと異なるのは、かど部材Aの上面にこぼれ止め14が付設されている点である。こぼれ止め14は、かど部材Aに載せた物品が、台車の移動中に台車から落下しないようにするためのものである。こぼれ止め14は、平板が平面視でL字状に折れ曲がった形状のもので、その外側面は側面5と6との延長面となっている。こぼれ止め14の上端は、かど9に近接する部分が一様な高さHを持つように作られている。
【0029】
また、図5に示したかど部材Aが図3に示したかど部材Aと異なるのは、凹部7及び凸部8の形状が異なる点である。図5の凸部8は、平面視で平行四辺形となっており、側面6から突出する横面81と82とが、何れも矢印R方向に向って延びていて、互いに平行となっている。矢印Rの向く方向は側面5及び6に対して垂直でなくて斜めになっている。同様に、凹部7も水平断面が平行四辺形となっており、側面5から突出する壁面71と72とは何れも矢印Sの方向に向って延びており、互いに平行となっている。矢印Sの向く方向は側面5と6に対して垂直でなくて斜めになっている。矢印RとSとは平行になっていることが好ましい。そのほかの点、例えば凹部7の下端の開口面と凸部8の下端面とが、かど部材Aの上面から同じ高さの一つの平面上に位置していることなどは、図3のかど部材Aと同じである。
【0030】
図3に示したかど部材Aでは、例えば凸部8が側面6から矢印P方向に進むに従って左右方向の幅が大きくされているために、成形後にかど部材を成形型から取り出す際に、右側の横面に接する型面と左側の横面に接する型面とを別々に移動させなければならず、従ってかど部材の製作が容易でないという欠点がある。ところが、図5に示したかど部材Aの凸部8は成形型を一体としたまま、矢印Rの方向に移動させて一挙に成形型から取り出すことができるから、成形が容易である。その上に、図5に示したかど部材Aは、かど部材同士を水平方向に移動させて嵌め合わせることができるから、台車同士を床面上で水平に移動させて連結することができるので、連結が容易である。
【0031】
さらに、図5に示したかど部材Aは下面から垂下する案内片15を備えている。案内片15は、水平断面がL字状を呈する小片で、側面5及び6の内側壁面に密接してかど9に付設され、内側壁面より突出している。そこで、図5に示すかど部材Aと接続部材Bとからなるこの発明に係る台車を上下に積み重ねると、図6に示したように下の台車のこぼれ止め14が上の台車の案内片15に案内されて、上下に確実に重ねられる。このとき、車輪Cの下面1からの突出長Jを2つの台車の底面間の間隔Kよりも小さくすることにより2つの台車を安定に積み重ねることができる。
【0032】
こうして、この発明に係る台車では、一方の台車の台板の一辺を他方の台車の台板の一辺に近づけ、一方の台車を上方から降下させるか、又は水平に移動させるだけで、台車同士を連結することができることとなる。従って、台車同士の連結が容易であって、例えば図4に示したように容易に連結することができる。逆に、連結を解除するには、一方の台車を持ち上げ又は水平に移動させるだけで台車を分解できるから、連結の解除も容易である。そのほか台車同士を上下に安定に積み重ねておくことができる。
【0033】
このように、この発明に係る台車は台板を容易に伸縮させることができ、また台車同士を容易に連結又は分解することができるから、物品に応じた物の輸送ができ、また分解して小さな体積のものとして収納保管をすることができる。従って、実用上の価値が大きい。
【符号の説明】
【0034】
A かど部材
B 接続部材
C 車輪
D 車輪の基板の付設位置
E 調整板
X 組立台車
1 下面
2、3 溝
4、41 ボルト孔
5、6 側面
7 凹部
8 凸部
9 かど
11 中央片
12 長孔
13 小孔
14 こぼれ止め
15 案内片
42 突出部
51 隆起部
61 基板
71、72 壁面
81、82 横面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4個のかど部材と、4個の接続部材とからなり、各かど部材を接続部材により接続して直角四辺形の枠からなる台板を構成し、各かど部材の下方に車輪を付設してなる台車において、1つの台車にはかど部材の側面上に側面から突出して上方に向かう凸部を形成し、他の台車には、かど部材の側面上に側面から突出して下方に向かう凹部を形成し、凸部と凹部とを互いに咬み合う形状にしたことを特徴とする、連結容易な台車。
【請求項2】
前記凸部と前記凹部とが、台車の等しい高さの位置で互いに咬み合うように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の連結容易な台車。
【請求項3】
前記1つの台車と他の台車とが、等しい大きさの台板を持ち、台板の等しい長さの辺上に台板のかどから等しい距離のところに前記凸部と凹部とが形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の連結容易な台車。
【請求項4】
前記台板の1つの辺上に複数個の凸部又は凹部を形成する場合には、その1つの辺上には凸部のみ又は凹部のみを形成したことを特徴とする、請求項1−3の何れか1つの項に記載の連結容易な台車。
【請求項5】
前記かど部材には鉛直方向に延びて互いに直交する2つの側面を設け、そのうちの1つの側面上に上記凸部を形成するとともに、他の側面上に上記凹部を形成したことを特徴とする、請求項1−4の何れか1つの項に記載の連結S容易な台車。
【請求項6】
前記凸部と凹部とが、平面視で台板から突出するに従って次第に幅を大きくする先広がりの台形となっていることを特徴とする、請求項1−5の何れか1つの項に記載の連結容易な台車。
【請求項7】
前記凸部と凹部とが、平面視で台板から突出する平行四辺形の形状とされ、平行四辺形の斜辺が何れも互いに平行になっていることを特徴とする、請求項1−5の何れか1つの項に記載の連結容易な台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−230761(P2011−230761A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154461(P2011−154461)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【分割の表示】特願2008−503(P2008−503)の分割
【原出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【出願人】(593087248)株式会社アサヒ (13)
【Fターム(参考)】