説明

組電池制御装置

【課題】基準電圧を多段に切り替えるための回路の規模の増大を抑制することができる組電池制御装置を提供する。
【解決手段】切替部40に複数の電圧切替回路41を設け、基準電圧を複数段に相対変化させて基準電圧の自発変化を検出する構成とする。ここで、複数の電圧切替回路41による基準電圧の相対変化の範囲を、各セル1a〜1dの全電圧範囲80のうち一部の使用電圧範囲81、82内に設定する。これにより、セル1a〜1dの電圧の全電圧範囲80に対して基準電圧が相対変化させられるように電圧切替回路41を設けなくても良いので、各セル1a〜1dに対する検出電圧切替回路41の数が必要最小限で済み、ひいては組電池制御装置2の回路規模の増大が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組電池制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、組電池の過充電や過放電を検出するための基準電圧が自発変化したことを検出する機能を備えた組電池制御装置が、例えば特許文献1で提案されている。この組電池制御装置では、組電池を構成する単位セルの電圧と基準電圧とを比較するに際し、基準電圧が特定の電圧に1段階だけ相対変化させられる。そして、基準電圧が相対変化させられたにもかかわらず基準電圧と単位セルの電圧との大小関係が逆転しないときには、基準電圧の自発変化が大きいと判定される。このようにして、基準電圧の自発変化が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−92840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、基準電圧を相対変化させる場合、セル電圧が特定の電圧である必要があり、組電池の使用状況により必ずしも特性ずれを検出できないので、基準電圧の自発変化の判定の信頼性が低いという問題があった。
【0005】
そこで、基準電圧を多段に切り替え、多段に切り替えた基準電圧と単位セルの電圧との大小関係をそれぞれ比較することにより、基準電圧の自発変化を検出することが考えられる。しかし、単位セルの電圧は0Vから最大値までの電圧範囲を持っているので、基準電圧を多段にしようとすると、基準電圧切替回路が切替段数分だけ必要となる。このため、基準電圧を多段にすると、組電池制御装置の回路規模が増大するという問題があった。
【0006】
本発明は上記点に鑑み、基準電圧を多段に切り替えるための回路の規模の増大を抑制することができる組電池制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、互いに直列接続されて組電池を構成する複数のセルの電圧を監視する組電池制御装置であって、
セルの電圧を検出する電圧検出手段と、
基準電圧を発生する基準電圧発生手段と、
セルの電圧を基準電圧と比較する電圧比較手段と、
基準電圧を相対変化させる電圧切替回路を複数有する切替手段と、
電圧比較手段が出力する比較結果に基づいて組電池の状態を判定する一方、電圧検出手段により検出されたセルの電圧と基準電圧との比較結果と複数の電圧切替回路により基準電圧が複数段に相対変化させられたときの電圧比較手段の比較結果とに基づいて基準電圧の自発変化の有無を判定する判定手段と、を備え、
複数の電圧切替回路による基準電圧の相対変化の範囲は、セルの最小電圧から最大電圧までの全電圧範囲のうちセルで使用される使用電圧範囲に設定されており、
判定手段は、複数の電圧切替回路により切り替えられた複数段の基準電圧とセルの電圧との各比較に基づいて基準電圧の自発変化を検出することを特徴とする。
【0008】
このように、基準電圧を相対変化させる電圧の範囲がセルで使用される電圧の範囲内に限定されているので、切替手段に設けられる検出電圧切替回路の数を必要最小限とすることができる。したがって、組電池制御装置の回路規模の増大を抑制することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、基準電圧の相対変化の範囲は、当該範囲の上限値がセルの過充電を示す電圧に設定されており、判定手段は、基準電圧の相対変化の範囲の上限値を上回る場合、セルが過充電であるという異常判定を行うことを特徴とする。
【0010】
これにより、セルの過充電による故障を防止することができる。したがって、セルの安全性の向上を図ることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、基準電圧の相対変化の範囲は、当該範囲の下限値が前記セルの過放電を示す電圧に設定されており、判定手段は、基準電圧の相対変化の範囲の下限値を下回ると判定した場合、セルの動作を停止させることを特徴とする。
【0012】
これにより、過放電の際にはセルの動作が停止されるので、さらなるセルの放電を防止することができる。したがって、セルの信頼性の向上を図ることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、基準電圧発生手段、電圧比較手段、および切替手段を備えて構成される回路を過充放電検出回路とすると、
過充放電検出回路は、複数のセルのうちの1つのセルに対して複数設けられていることを特徴とする。
【0014】
これによると、1つのセルの過放電は複数の過充放電検出回路により監視されるので、セルの電圧監視の冗長性を高めることができる。このように、1つのセルに対して複数の切替手段を設けたとしても、基準電圧を相対変化させる電圧の範囲はセルで使用される電圧の範囲内に限定されているので、各切替手段に備えられる電圧切替回路の数をそれぞれ必要最小限とすることができる。したがって、過充放電の監視の冗長性を高めたとしても、組電池制御装置の回路規模の増大を抑制することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、使用電圧範囲は、全電圧範囲のうちの最も使用頻度が高い電圧を中心に設定された範囲であることを特徴とする。
【0016】
これにより、最も使用頻度が高い電圧に対して過充電および過放電を適切に判定することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、セルは、内燃機関から出力される駆動力および走行用電動モータから出力される駆動力の少なくとも一方により走行可能な車両に搭載され、セルで使用される使用電圧範囲は、セルの満充電電圧に対して60%を中心とし±20%以下の範囲であることを特徴とする。
【0018】
上記の内燃機関の駆動力および走行用電動モータの駆動力の少なくとも一方により走行可能な車両いわゆるハイブリッド車では、セルの満充電電圧に対して60%前後の電圧の使用頻度が高いので、基準電圧を相対変化させる電圧の範囲をこの60%±20%の範囲に限定することで過充放電を適切に判定できる。
【0019】
請求項7に記載の発明では、セルは、走行用電動モータから出力される駆動力により走行可能な車両に搭載され、セルで使用される使用電圧範囲は、セルの満充電電圧に対して40%から80%までの範囲であることを特徴とする。
【0020】
上記の走行用電動モータの駆動力により走行可能な車両すなわち電気自動車では、セルの満充電電圧に対して80%の電圧の使用頻度が高いので、基準電圧を相対変化させる電圧の範囲をこの80%から−40%以下までの範囲に限定することで過充放電を適切に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る組電池制御装置を含んだ組電池制御システムの全体構成図である。
【図2】リチウムイオン電池の電圧特性を示した図である。
【図3】電圧切替回路の数を説明するための図である。
【図4】過充電を検出する異常検出処理の内容を表すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る組電池制御装置を含んだ組電池制御システムの全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態で示される組電池制御装置は、例えば、内燃機関から出力される駆動力および走行用電動モータから出力される駆動力の少なくとも一方により走行可能な車両すなわちハイブリッド車(HV車)や走行用電動モータから出力される駆動力により走行可能な車両すなわち電気自動車(EV車)等に搭載される車載バッテリの監視に適用することができる。
【0024】
図1は、本実施形態に係る組電池制御装置を含んだ組電池制御の全体構成図である。図1に示されるように、組電池制御システムは、組電池1と組電池制御装置2とを備えて構成されている。
【0025】
組電池1は、複数のセル1a、1b、1c、1dが互いに直列接続されて構成された電圧源である。セル1a〜1dは、例えば、充電可能なリチウムイオン二次電池である。また、組電池1は、例えばHV車の場合、車両加速時にモータでエンジンをアシストする際の電力供給源として用いられる。一方、EV車の場合、組電池1は走行用電動モータの駆動力を発生させるモータの電力供給源として用いられる。
【0026】
組電池制御装置2は、セル1a〜1dの電圧と規定値(閾値)とを比較することによりセル1a〜1dそれぞれの電圧の監視を行うように構成された装置である。セル1a〜1dは二次電池であるので、組電池制御装置2はセル1a〜1dの過充電および過放電を監視することとなる。このような組電池制御装置2は、過充放電検出回路3と電池ECU4とを備えて構成されている。
【0027】
過充放電検出回路3は、複数個のセル1a〜1dを1つのブロックとして、このブロックの状態を監視するように構成された回路である。本実施形態では4つのセル1a〜1dが1つのブロックとされ、この1つのブロックに1つの過充放電検出回路3が接続されている。
【0028】
なお、実際には複数のブロックが直列接続されている。そして、過充放電検出回路3が各ブロックにそれぞれ接続され、各過充放電検出回路3が電池ECU4に接続されている。図1ではそのうちの1つのブロックおよび1つの過充放電検出回路3が示されている。
【0029】
また、過充放電検出回路3はブロックの両端の電圧を入力し、当該両端の電圧を電池ECU4に出力している。このため、過充放電検出回路3はブロックの正極側の電圧(VBB1)を出力するための正極端子10と、ブロックの負極側の電圧(VBB2)を出力するための負極端子11と、を備えている。正極端子10および負極端子11は、過充放電検出回路3と電池ECU4との間に設けられたスイッチ20およびスイッチ21が電池ECU4によりオン/オフされることで電池ECU4に接続される。
【0030】
過充放電検出回路3は、基準電圧源30、31、32、33と、切替部40と、比較器50、51、52、53と、OR回路60と、AND回路61と、I/F部70と、を備えている。
【0031】
基準電圧源30〜33は、セル1a〜1dの負極側の電位を基準として一定の基準電圧(Vref)を発生させる電圧源である。この基準電圧源30〜33は、各比較器50〜53の反転入力端子(−)と各セル1a〜1dの負極側との間にそれぞれ接続されている。
【0032】
切替部40は、セル1a〜1dの電圧から閾値に相当する閾値電圧を生成するように構成されたスイッチ手段である。言い換えると、基準電圧を相対変化させる役割を果たすものである。この閾値電圧は、比較器50〜53の非反転入力端子(+)に出力される。
【0033】
また、切替部40は、基準電圧を相対変化させるべく1つのセル1a〜1dに対して複数の電圧切替回路41をそれぞれ有している。各電圧切替回路41は、pnp型のトランジスタ42、抵抗43、44、45、およびダイオード46を備えている。
【0034】
各セル1a〜1dに対する電圧切替回路41の構成は共通しているので、以下、1つのセル1aに対する構成について説明する。
【0035】
セル1aの正極側にトランジスタ42のエミッタが接続され、トランジスタ42のコレクタが抵抗43を介して比較器50の非反転入力端子に接続されている。また、トランジスタ42のベースとセル1aの正極側との間に抵抗44が接続され、さらに当該ベースに抵抗45およびダイオード46が接続されている。
【0036】
ダイオード46は、切替部40に設けられたトランジスタ47のコレクタに接続され、当該トランジスタ47のコレクタおよびエミッタを介してセル1aの負極側に接続されている。なお、トランジスタ47は、直列接続された各セル1a〜1dに係る各電圧切替回路41に対して共通になっている。
【0037】
そして、トランジスタ47は、過充放電検出回路3に設けられたクロック端子12に入力されるクロック信号CLK1に応じて駆動される。すなわち、クロック端子12とセル1dの負極側との間に直列接続された抵抗62、63の接続点がトランジスタ47のベースに接続され、クロック信号CLK1が論理「H」であるときに、トランジスタ47が導通状態となる。なお、クロック信号CLK1の論理「H」や「L」は過充放電検出回路3と電池ECU4との間のスイッチ22が電池ECU4によりオン/オフされることで生成される。
【0038】
このような電圧切替回路41が1つのセル1aに対して複数設けられている。そして、セル1aの両端に抵抗48および抵抗49が直列接続されており、1つのセル1aに対して複数設けられた電圧切替回路41の各抵抗43が抵抗48、49の接続点にそれぞれ接続されている。この接続点は、比較器50の非反転入力端子に接続されている。
【0039】
また、上述のように、各電圧切替回路41はトランジスタ47に接続され、各トランジスタ47に対してクロック信号CLK1〜CLKnがそれぞれ入力される。nは1つのセル1aに設けられた電圧切替回路41の数に相当する。
【0040】
クロック信号CLK2〜CLKnについては、クロック信号CLK1と同様に、過充放電検出回路3に設けられたクロック端子13、14、15にそれぞれ接続された抵抗62、63の接続点から各トランジスタ47のベースにそれぞれ入力される。各クロック端子13、14、15はスイッチ23、24、25を介して電池ECU4に接続されており、電池ECU4により各スイッチ23、24、25がオン/オフされることで各クロック信号CLK2〜CLKnが生成されるようになっている。
【0041】
以上のように、1つのセル1aに対して複数の電圧切替回路41が設けられ、例えばクロック信号CLK1が論理「H」とされると、1つのトランジスタ47が導通状態となる。これにより、複数の電圧切替回路41のうちの1つのトランジスタ42がオン状態となるため、抵抗48、49の接続点の電位が変化する。これは、セル1aの両端の電圧と比較する閾値電圧を低下させるのと同一の効果がある。
【0042】
本実施形態では、1つのセル1aに対して複数の電圧切替回路41が設けられているので、各電圧切替回路41の各トランジスタ42のオン/オフが制御されることで、閾値電圧の値を段階的に切り替えることが可能となる。閾値電圧が段階的に切り替えられる範囲の最大値および最小値は、過充電を示す閾値電圧および過放電を示す閾値電圧である。
【0043】
そして、上記のように1つのセル1aに対して複数の電圧切替回路41が設けられている構成は、他のセル1b〜1dについても共通している。
【0044】
比較器50〜53は、セル1a〜1dの電圧を基準電圧と比較するものである。各比較器50〜53の非反転入力端子には切替部40において切り替えられた閾値電圧が入力され、反転入力端子には各基準電圧源30〜33の基準電圧がそれぞれ入力される。すなわち、各比較器50〜53の反転入力端子には各セル1a〜1dの負極側の電圧を基準とする基準電圧が入力され、非反転入力端子には各セル1a〜1dの両端の電圧の所定の分圧(つまり閾値電圧)が入力される。
【0045】
OR回路60は、各比較器50〜53の各出力の論理和信号を生成する論理回路である。また、AND回路61は、各比較器50〜53の各出力の論理積信号を生成する論理回路である。これら論理和信号と論理積信号とクロック信号CLK1〜CLKnとの組み合わせにより、電池ECU4にて過充電または過放電が判定される。
【0046】
具体的には、クロック信号CLK1〜CLKnが論理「L」である過充電状態検出時において、クロック信号CLK1〜CLKn、OR回路60の出力、およびAND回路61の出力の論理和が論理「H」であるとき、セル1a〜1dのすべてが過充電ではなく正常であることを意味する。また、クロック信号CLK1〜CLKn、OR回路60の出力、およびAND回路61の出力の論理和が論理「L」であるとき、セル1a〜1dのうち少なくとも1つが過充電状態であるか、切替部40、基準電圧源30〜33、比較器50〜53のいずれかが異常であることを意味する。
【0047】
一方、クロック信号CLK1〜CLKnが論理「H」である過放電検出時において、クロック信号CLK1〜CLKn、OR回路60の出力、およびAND回路61の出力の論理和が論理「L」であるとき、セル1a〜1dのすべてが過放電ではなく正常であることを意味する。また、クロック信号CLK1〜CLKn、OR回路60の出力、およびAND回路61の出力の論理和が論理「H」であるとき、セル1a〜1dのうち少なくとも1つが過放電状態であるか、切替部40、基準電圧源30〜33、比較器50〜53のいずれかが異常であることを意味する。
【0048】
I/F部70は、OR回路60とAND回路61との出力に基づいて、上記の論理和信号と論理積信号とを電池ECU4にそれぞれ出力する定電流回路である。このようなI/F部70は、抵抗71、ダイオード72、pnp型のトランジスタ73、抵抗74、抵抗75、および抵抗76を備えている。このうちの抵抗75および抵抗76は直列接続され、抵抗75はブロック(4つのセル1a〜1dを直列接続したもの)の正極側に接続されている。
【0049】
OR回路60に対しては、抵抗71は、OR回路60の出力端子とブロックの正極側との間に接続されている。ダイオード72は、ブロックの正極側とOR回路60の出力端子との間に接続されている。
【0050】
また、トランジスタ73のベースはOR回路60の出力端子に接続され、トランジスタ73のエミッタは抵抗74を介してブロックの正極側に接続されている。さらに、トランジスタ73のコレクタは、抵抗76に接続されている。
【0051】
I/F部70において、AND回路61に対する構成は、上記のOR回路60に対する構成と同じになっている。このような構成によると、OR回路60やAND回路61の出力により各トランジスタ73がオン/オフするので、I/F部70の合成抵抗値が変化する。
【0052】
そして、I/F部70の抵抗76は過充放電検出回路3に設けられた抵抗64を介してブロックの負極側に接続され、抵抗76と抵抗64との接続点が過充放電検出回路3に設けられた出力端子16に接続されている。出力端子16は、過充放電検出回路3と電池ECU4との間に設けられたスイッチ26が電池ECU4によりオン/オフされることで電池ECU4に接続される。これにより、I/F部70から出力された論理和信号や論理積信号が過充放電検出回路3の出力(OCDS)とされ、電池ECU4に入力される。
【0053】
電池ECU4は、比較器50〜53が出力する比較結果に基づいて組電池1の状態を判定する機能を備えている。すなわち、電池ECU4は、過充放電検出回路3の出力(OCDS)やクロック信号CLK1〜CLKnの論理の組み合わせに基づいて、セル1a〜1dの電圧が一定の電圧範囲内であるかを判定する。これにより、電池ECU4は、セル1a〜1dの過充電または過放電を検出し、ひいては組電池1の状態を判定する。
【0054】
また、電池ECU4は、ブロック電圧検出部4aにより検出されたセル1a〜1dの電圧と複数の電圧切替回路41により基準電圧が複数段に相対変化させられたときの比較器50〜53の出力とに基づいて基準電圧の自発変化の有無を判定する機能も備えている。このため、電池ECU4はブロック電圧検出部4aを備えている。
【0055】
ブロック電圧検出部4aは、ブロックの電圧、すなわち4つのセル1a〜1dが直列接続された電圧を検出するものである。このため、ブロック電圧検出部4aはスイッチ20を介して正極端子10に接続されていると共に、スイッチ21を介して負極端子11に接続されている。そして、ブロック電圧検出部4aは、検出したブロックの電圧をセル1a〜1dの数で割ることにより、1つのセルの電圧の平均値を取得する。こうして得られたセル1a〜1dの電圧の推定値が、切替部40における基準電圧の自発変化を検出するために用いられる。
【0056】
具体的に、電池ECU4は以下のようにして基準電圧の自発変化を検出する。まず、ブロック電圧検出部4aによりブロックの電圧を検出する。また、電池ECU4は、切替部40の各電圧切替回路41を切り替えて基準電圧を相対変化させていったときの比較器50〜53の出力を得る。すなわち、電池ECU4はOR回路60およびAND回路61の出力を取得する。
【0057】
そして、電池ECU4はブロック電圧検出部4aにより検出したセル1a〜1dの電圧の推定値と基準電圧との大小関係を比較した比較結果と、複数の電圧切替回路41により基準電圧が複数段に相対変化させられたときの過充放電検出回路3の比較結果(つまりOR回路60およびAND回路61の出力)とを比較する。その結果、各比較結果が一致していれば異常はなく、各比較結果が一致していなければ基準電圧の自発変化が起こっていると判定する。
【0058】
このような電池ECU4は、図示しないCPU、ROM、EEPROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを備え、マイクロコンピュータに記憶されたプログラムに従ってブロックの各セル1a〜1dの過充放電の監視や基準電圧の自発変化を検出する。
【0059】
以上が、本実施形態に係る組電池制御システムおよび組電池制御装置2の全体構成である。
【0060】
次に、上記過充放電検出回路3において、1つのセル1a〜1dに対する電圧切替回路41の数について、図2および図3を参照して説明する。
【0061】
図2は、リチウムイオン電池の電圧特性を示した図であり、横軸はセル間の充電状態(SOC)、縦軸はセル端子電圧(1つのセルの両端の電圧)を示している。また、図3は、電圧切替回路41の数を説明するための図である。
【0062】
ここで、SOCが100%であるということは、1つのセル1a〜1dが満充電状態になっていることに相当する。
【0063】
図2に示されるように、リチウムイオン電池の電圧特性は、SOCが0〜数%まではセル端子電圧が3.3V程度まで急激に増加する。また、SOCが数%〜100%まではセル端子電圧は一定の上昇率で上昇し、SOCが100%を超えると、SOCが120%程度になるまで数%〜100%の上昇率よりも大きな上昇率で上昇する。SOCが120%のときのセル端子電圧は5.0V程度である。
【0064】
このようなリチウムイオン電池の電圧特性において、当該電池の全電圧範囲80は最小電圧から最大電圧までの範囲であるから、全電圧範囲80は0V〜5.0Vである。すなわち、上記の各セル1a〜1dそれぞれの全電圧範囲80は0V〜5.0Vである。これは、SOCが0%〜120%の範囲に相当する。
【0065】
そして、組電池1は、上述のように例えばHV車やEV車に搭載される。これらHV車やEV車によって全電圧範囲80に対する使用電圧範囲81、82が設定される。すなわち、セル1a〜1dの全電圧範囲80は0〜5.0Vであるが、この範囲のうちの一部の範囲が用いられるのである。
【0066】
使用電圧範囲81、82は、全電圧範囲80のうちセル1a〜1dで使用される電圧範囲であり、全電圧範囲80のうちの最も使用頻度が高い電圧を中心に設定された範囲である。これにより、最も使用頻度が高い電圧に対して過充電および過放電を適切に判定できるようにする。
【0067】
具体的には、組電池1がHV車に搭載される場合、図2に示されるように、各セル1a〜1dで使用される使用電圧範囲81は、セル1a〜1dの満充電電圧に対して例えば60%±20%の範囲である。つまり、HV車におけるセル1a〜1dの使用電圧範囲81は、SOCが40%〜80%に相当するセル端子電圧に相当する。このセル端子電圧の範囲は、例えば3.6V〜3.8Vである。
【0068】
HV車の場合、全電圧範囲80のうちの最も使用頻度が高い電圧すなわちSOCは60%であるので、使用電圧範囲81はセル1a〜1dの満充電電圧に対して60%±20%の範囲に限定することが好ましい。さらには使用頻度に従い限定すれば、±20%以下、例えば±10%とすることにより、使用電圧範囲をさらに限定することが可能である。
【0069】
一方、組電池1がEV車に搭載される場合、図2に示されるように、各セル1a〜1dで使用される使用電圧範囲82は、セル1a〜1dの満充電電圧に対して例えば20%から90%までの範囲である。つまり、使用電圧範囲82は、SOCが20%〜90%に相当するセル端子電圧に相当する。
【0070】
EV車の場合、全電圧範囲80のうちの最も使用頻度が高い電圧すなわちSOCは80%であるので、使用電圧範囲82はセル1a〜1dの満充電電圧に対して80%から−40%までの範囲(80%に対して−40%〜+0%)であることが好ましい。このセル端子電圧の範囲は、例えば3.5V〜4.0Vである。さらには使用頻度に従い限定すれば、−40%以下、例えば−20%とすることにより、使用電圧範囲をさらに限定することが可能である。
【0071】
また、HV車およびEV車におけるセル1a〜1dの電圧が使用電圧範囲81、82を上回る場合は異常電圧とされ、使用電圧範囲81、82を下回る場合は動作禁止電圧とされる。
【0072】
そして、複数の電圧切替回路41による基準電圧の相対変化の範囲は、セル1a〜1dの全電圧範囲80のうち一部の使用電圧範囲81、82内に設定される。この基準電圧の相対変化の範囲は、当該範囲の上限値がセル1a〜1dの過充電を示す電圧に設定され、当該範囲の下限値がセル1a〜1dの過放電を示す電圧に設定されている。言い換えると、複数の電圧切替回路41は、全電圧範囲80に対応した数のうちの一部すなわち使用電圧範囲81、82に対応した範囲となるように設定され、電圧切替回路41の数も使用電圧範囲81、82に適した数に設定される。
【0073】
以上のことから、全電圧範囲80すなわち0V〜5.0Vの範囲で電圧の切り替え間隔を0.2Vとすると電圧切替回路41は25個必要となるが、例えば使用電圧範囲81、82が3.1V〜4.1Vである場合には電圧切替回路41の数は5個で済む。このように、基準電圧の相対変化の範囲を使用電圧範囲81、82に限定すれば、電圧切替回路41の数および回路規模を抑制できる。
【0074】
なお、電圧切替回路41を複数設ける際の数については、切替部40における過充放電検出閾値の切り替えの精度を考慮しても良い。1つの電圧切替回路41の電圧切替精度が±3%(=0.97Vから1.03V)とすると、過充電検出閾値=4.0Vと設定した場合で±0.12Vである。したがって、電圧切替回路41を0.24V≒0.2V間隔で設定すれば、使用電圧範囲81、82を網羅的にカバーできる。すなわち、図3に示されるように、4.0V±0.2V、3.8V±0.2V、3.6V±0.2V、3.4V±0.2V、3.2V±0.2Vとなる。
【0075】
そして、例えば、4.0Vで上側判定(過充電判定)としたとき、図3に示されるように、「第1判定電圧>第1測定電圧」であれば正常、「第1測定電圧+最大0.2V」であれば異常である。また、「第1判定電圧>第2測定電圧」であれば正常、「第1測定電圧+最大0.4V」であれば異常である。したがって、基準電圧が最大0.4Vまで異常判定のずれ量となる。
【0076】
さらに、電圧切替回路41による電圧の切り替え幅は、当該切り替え幅の上限で過充電を検出する場合、使用上限4.0Vから0.4Vずれると4.4Vとなり、異常検出性が低下する。そこで、使用上限によっては、電圧切替間隔を0.1Vにすれば、図3に示されるように、異常判定は「第1測定電圧+最大0.2V」となり、異常検出は使用上限4.0Vで4.2Vまで抑制できる。
【0077】
次に、電池ECU4の異常検出の作動について、図4を参照して説明する。図4は、過充放電を検出する異常検出処理の内容を表すフローチャートである。この異常検出処理は電池ECU4に記憶されたプログラムが実行されることにより行われる。なお、異常検出処理は、例えば、電池ECU4の電源がオンされたときやオフされたとき、電池ECU4が外部からの指令を受けたとき等に開始される。
【0078】
まず、フローチャートが開始されると、ステップ100では、電圧測定が行われる。すなわち、切替部40の各電圧切替回路41にクロック信号CLK1〜CLKnが入力されて閾値電圧が段階的に切り替えられたときの過充放電検出回路3の出力(OCDS)が電池ECU4に入力される。
【0079】
ステップ110では、ステップ100で得られた出力(OCDS)およびクロック信号CLK1〜CLKnに基づいて使用電圧範囲81、82であるか否かが判定される。言い換えると、各セル1a〜1dの電圧が過充電または過放電になっているか、それとも正常値であるかが判定される。そして、使用電圧範囲81、82内ではない場合すなわち過充電または過放電のいずれかである場合はステップ150に進み、使用電圧範囲81、82内である場合はステップ120に進む。
【0080】
ステップ120〜ステップ140は、基準電圧の自発変化を検出する処理である。まず、ステップ120では、測定電圧に切り替えられる。具体的には、ブロック電圧検出部4aによりセル1a〜1dの電圧が検出され、さらに1つ当たりの電圧が推定されると共に基準電圧との大小関係が比較される。また、切替部40の複数の電圧切替回路41により基準電圧が複数段に相対変化させられたときのセル1a〜1dの電圧と基準電圧との大小関係が比較される。
【0081】
ステップ130では、判定処理が行われる。すなわち、上記の各比較結果が一致しているか否かが判定される。そして、各比較結果が一致していれば異常はなく、一致していなければ基準電圧の自発変化が起こっていると判定される。
【0082】
ステップ140では、ステップ130で得られた判定の結果が保存される。こうして異常検出処理は終了する。
【0083】
ステップ150〜ステップ170は、セル1a〜1dの電圧が異常時の処理である。ステップ150では、ステップ110で使用電圧範囲81、82内ではないと判定された電圧が、使用電圧範囲81、82の上限つまり過充電の閾値電圧を超えているか否かが判定される。本ステップで使用電圧範囲81、82の上限を超えていると判定された場合はステップ160に進み、超えていないと判定された場合はステップ170に進む。
【0084】
ステップ160では、ステップ150で使用電圧範囲81、82の上限を超えていると判定された場合、つまりセル1a〜1dの電圧が基準電圧の相対変化の範囲の上限値を上回る場合、セル1a〜1dは過充電になっているので、この異常状態が保存される。
【0085】
一方、ステップ170では、ステップ150で使用電圧範囲81、82の上限を超えていないと判定された場合、つまり基準電圧の相対変化の範囲の下限値を下回ると判定された場合、セル1a〜1dの動作を禁止(停止)させる動作禁止処理が行われる。こうして、異常検出処理は終了する。
【0086】
以上説明したように、本実施形態では、切替部40に複数の電圧切替回路41を設け、基準電圧を複数段に相対変化させて基準電圧の自発変化を検出することが特徴となっている。これにより、基準電圧を1段階だけ切り替えて基準電圧の自発変化を検出する場合よりも基準電圧を細かく分割できるので、基準電圧の自発変化の判定精度を向上させることができる。
【0087】
このように、基準電圧の自発変化の判定精度が向上するので、安全・信頼性を確保したいHV車やEV車で使用する組電池1に対して基準電圧の自発変化を確実に判定することができる。
【0088】
また、複数の電圧切替回路41による基準電圧の相対変化の範囲を、各セル1a〜1dの全電圧範囲80のうち一部の使用電圧範囲81、82内に設定したことが特徴となっている。これにより、セル1a〜1dの全電圧範囲80に対して基準電圧が相対変化させられるように電圧切替回路41を設けなくても良いので、各セル1a〜1dに対する検出電圧切替回路41の数を必要最小限とすることができる。したがって、組電池制御装置2の回路規模の増大を抑制することができる。
【0089】
さらに、セル1a〜1dの過充電または過放電を検出し、過充電の場合は異常判定を行うことでセル1a〜1dの過充電による故障を防止することができる。したがって、セル1a〜1dの安全性の向上を図ることができる。一方、過放電の場合はセル1a〜1dの動作を停止するので、さらなるセル1a〜1dの放電を防止でき、セル1a〜1dの信頼性の向上を図ることができる。
【0090】
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、ブロック電圧検出部4aが特許請求の範囲の「電圧検出手段」に対応し、基準電圧源30〜33が特許請求の範囲の「基準電圧発生手段」に対応する。また、比較器50〜53、OR回路60、およびAND回路61が特許請求の範囲の「電圧比較手段」に対応し、電池ECU4が特許請求の範囲の「判定手段」に対応する。さらに、切替部40が特許請求の範囲の「切替手段」に対応する。
【0091】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、1つのブロックに対して複数の過充放電検出回路3を設けたことが特徴となっている。
【0092】
図5は、本実施形態に係る組電池制御装置2を含んだ組電池制御システムの全体構成図である。この図に示されるように、1つのブロックに対して、第1〜第N過充放電検出回路3が並列にN個設けられている。すなわち、複数のセル1a〜1dのうちの1つのセル1a〜1dに対して、基準電圧源30〜33、比較器50〜53、および切替部40が複数設けられている。
【0093】
したがって、電池ECU4では、各過充放電検出回路3の検出結果からそれぞれ過充電および過放電の検出を行い、相互の結果を比較することとなる。なお、ブロック電圧検出部4aは各過充放電検出回路3に対応させて複数備えていても良い。
【0094】
以上の構成とすると、1つのセル1a〜1dの過放電は複数の過充放電検出回路3により監視されるので、セル1a〜1dの過充放電検出の冗長性を高めることができる。また、いずれかの過充放電検出回路3において基準電圧の自発変化が起こったとしても、他の過充放電検出回路3の結果を採用することにより、電圧監視を継続することが可能となる。
【0095】
そして、1つのセル1a〜1dに対して複数の切替部40を設けたとしても、上述のように1つの過充放電検出回路3において複数の電圧切替回路41による基準電圧の相対変化の範囲を各セル1a〜1dの全電圧範囲80のうち一部の使用電圧範囲81、82内に設定しているので、複数の過充放電検出回路3の各切替部40に備えられる電圧切替回路41の数をそれぞれ必要最小限とすることができる。したがって、組電池制御装置2の回路規模の増大を抑制することができる。
【0096】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、組電池1を構成する各セル1a〜1dとしてリチウムイオン二次電池を例に説明したが、他の二次電池を採用しても良い。また、組電池1はHV車やEV車に搭載されるものでなくても良い。言い換えると、組電池制御装置2は、車両に搭載されなくても良い。
【0097】
上記各実施形態では、ブロック電圧検出部4aは1つのブロックの電圧を検出していたが、例えば1つのセル1aの電圧を検出するように構成されていても良い。
【0098】
上記各実施形態で示された過充放電検出回路3の回路構成は一例を示すものであり、他の回路構成でも構わない。
【0099】
上記各実施形態では、組電池1はHV車やEV車における電力供給源として用いられるものであると説明したが、組電池1は車両外部の外部電源(商用電源)からの電力供給を可能に構成された車両いわゆるプラグインハイブリッド車(PHV車)の電池として用いられるものでも良い。この場合、使用電圧範囲はHV車の使用電圧範囲81とEV車の使用電圧範囲82との中間を取る範囲となる。
【符号の説明】
【0100】
1 組電池
1a〜1d セル
4a ブロック電圧検出部(電圧検出手段)
30〜33 基準電圧源(基準電圧発生手段)
50〜53 比較器(電圧比較手段)
60 OR回路(電圧比較手段)
61 AND回路(電圧比較手段)
41 電圧切替回路
40 切替部(切替手段)
4 電池ECU(判定手段)
80 セルの全電圧範囲
81 HV車の使用電圧範囲
82 EV車の使用電圧範囲


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直列接続されて組電池を構成する複数のセルの電圧を監視する組電池制御装置であって、
前記セルの電圧を検出する電圧検出手段と、
基準電圧を発生する基準電圧発生手段と、
前記セルの電圧を前記基準電圧と比較する電圧比較手段と、
前記基準電圧を相対変化させる電圧切替回路を複数有する切替手段と、
前記電圧比較手段が出力する比較結果に基づいて前記組電池の状態を判定する一方、前記電圧検出手段により検出された前記セルの電圧と前記基準電圧との比較結果と前記複数の電圧切替回路により前記基準電圧が複数段に相対変化させられたときの前記電圧比較手段の比較結果とに基づいて前記基準電圧の自発変化の有無を判定する判定手段と、を備え、
前記複数の電圧切替回路による前記基準電圧の相対変化の範囲は、前記セルの最小電圧から最大電圧までの全電圧範囲のうち前記セルで使用される使用電圧範囲に設定されており、
前記判定手段は、前記複数の電圧切替回路により切り替えられた複数段の基準電圧と前記セルの電圧との各比較に基づいて前記基準電圧の自発変化を検出することを特徴とする組電池制御装置。
【請求項2】
前記基準電圧の相対変化の範囲は、当該範囲の上限値が前記セルの過充電を示す電圧に設定されており、
前記判定手段は、前記基準電圧の相対変化の範囲の上限値を上回る場合、前記セルが過充電であるという異常判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の組電池制御装置。
【請求項3】
前記基準電圧の相対変化の範囲は、当該範囲の下限値が前記セルの過放電を示す電圧に設定されており、
前記判定手段は、前記基準電圧の相対変化の範囲の下限値を下回ると判定した場合、前記セルの動作を停止させることを特徴とする請求項1または2に記載の組電池制御装置。
【請求項4】
前記基準電圧発生手段、前記電圧比較手段、および前記切替手段を備えて構成される回路を過充放電検出回路とすると、
前記過充放電検出回路は、前記複数のセルのうちの1つのセルに対して複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の組電池制御装置。
【請求項5】
前記使用電圧範囲は、前記全電圧範囲のうちの最も使用頻度が高い電圧を中心に設定された範囲であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の組電池制御装置。
【請求項6】
前記セルは、内燃機関から出力される駆動力および走行用電動モータから出力される駆動力の少なくとも一方により走行可能な車両に搭載され、
前記セルで使用される使用電圧範囲は、前記セルの満充電電圧に対して60%±20%以下の範囲であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の組電池制御装置。
【請求項7】
前記セルは、走行用電動モータから出力される駆動力により走行可能な車両に搭載され、
前記セルで使用される使用電圧範囲は、前記セルの満充電電圧に対して80%から−40%以下までの範囲であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の組電池制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−78163(P2011−78163A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224952(P2009−224952)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】