説明

組電池

【課題】組立性の向上を図ることができ、軽量、低コストで信頼性の高い組電池を提供する。
【解決手段】組電池は、一端が正極、他端が負極の単電池14を複数保持する枠体を備えている。枠体は、同一形状の2つの外枠2と中枠3とで構成されている。中枠3の両側には組電池1を構成する単電池14が配設されており、単電池14を中枠3との間で挟むように、一方の外枠2と他方の外枠2が配置されている。2つの外枠2は、側面結合部23と上下結合部24とで中枠3に結合されている。中枠3には、単電池14を電気的に直列に接続するための正極端子ブスバ5、負極端子ブスバ6および単電池間ブスバ7と、単電池14の電圧を検出するためのコネクタ付き電圧検出用リード線4とが固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組電池に係り、特に、一端が正極、他端が負極の単電池を複数保持する枠体を備えた組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、組電池(集合電池)では、複数個の二次電池(単電池)を電気的に直列あるいは並列接続して高電圧化や高容量化が図られている。複数個の単電池を集合化するには、単電池の端子を導通部材のブスバに溶接して単電池間を直列ないし並列接続したり、正、負極端子に予め加工されたネジ部を設け、または、加工されたネジ部を有する導通部材を正、負極端子に接合し、これらネジ部にブスバを締結固定することにより、直列、並列接続する方法が考案されている。
【0003】
一般に、組電池を構成する単電池が、有底金属電池缶を用いた場合のように、容器全体が一方の極性を示すときには、短絡を防止すると共に、組立時の安全性等を確保するために、単電池の容器表面(側周面)は熱収縮チューブまたは絶縁膜等で被覆される。また、各単電池は、絶縁性を有する枠体に保持されることにより、遊動することなく固定される。
【0004】
上述した被覆は導通部材を接続後、あるいは接続前になされ、枠体で各単電池を保持することにより、被覆および導通部材との接続(接合)箇所を振動等の外的な力から保護する組電池が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、本発明者らは、円形窪み状に成形された2つのホルダで4本の円柱状単電池を縦2列横2列に配列し直列接続した組電池を先に提案している(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−182583号公報
【特許文献2】特開2002−373710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、自動車用電源等の移動体用電源のように、高電力の電源を必要とする場合に、単電池の総数は数十個に及ぶ。この数十個の単電池を上記の導通部材を介して直列接続する作業は、大変な工数を必要とし、短絡を防ぐという観点からは高コストの電源となってしまう。また、これら導通部材の部品数を低減させるために、単電池間を繋ぐ導通部品、例えば、ブスバを直接溶接あるいは塑性変形等により接続するものが望ましいが、反面、接続された単電池が何らかの不具合を生じた場合、接続された数十個の単電池全てが不良品となってしまう。これに対し、例えば、上述したネジ締結式であれば、電気接続を複数回に亘って行うことができ、不具合を生じた単電池のみを取り替えることが可能である。しかし、この接続形態では締結部品数が増加するため、部品コスト、組立加工費、重量増加等に問題がある。
【0007】
また、単電池がリチウムイオン電池の場合には、各単電池の電圧を検出して監視するためのリード線が接続されなければならず、その接続作業も大変煩雑である。更に、組電池が移動体用電源の場合には、単電池と、導通部材との接続箇所、電圧検出部材との接続箇所や、単電池あるいは複数個の集合電池その物の固定箇所、導通部材や電圧検出部材その物の固定箇所等は耐振性を有していなければならず、この耐振性は個々の形状を、その使用される環境において常に確保しなければならない。とりわけ、移動体用電源においては、その使用される地域、季節等で、その環境は大きく変化する。このため、単電池の外装を構成する電池容器、導通部材、これらを保持固定する絶縁性の枠体等を含む多種多用な部材の集合体である組電池は、振動等の外的応力だけでなく、それらの持つ膨張率の違いから生じる熱応力に対しても考慮する必要がある。一方、多くの単電池で構成された組電池は、各単電池の充放電時の発熱を抑え性能を均一化させるために、各単電池間に形成した空間に冷却風を通過させる必要もある。
【0008】
更に、工業的に生産される部品は、それ自体に寸法バラツキが生じる。このため、部品間に生じる空間が振動の影響を大きく受け、接続部分や絶縁部の破壊により、電力供給の停止、あるいは短絡による発熱、発火等の問題を引き起こす原因ともなる。また、数十個におよぶ単電池を一括して保持固定する枠は、その形状も複雑であり高コストとなり、それらの組み立て作業も大変煩雑なものとなるため、作業にかかる費用も高価なものとなると共に、各単電池を一括固定した組電池をリサイクルする際には、その組み立て作業以上に解体作業が煩雑化するという問題も生じる。
【0009】
本発明は上記事案に鑑み、組立性の向上を図ることができ、軽量、低コストで信頼性の高い組電池を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、一端が正極、他端が負極の単電池を複数保持する枠体を備えた組電池であって、前記枠体は、第1の外枠と、中枠と、第2の外枠とを有し、前記中枠の両側に前記複数の単電池が配設され、該単電池を前記中枠との間で挟むように、一方の側に第1の外枠、他方の側に第2の外枠が配置されて該第1の外枠と第2の外枠とが前記中枠に結合されており、前記中枠に、前記単電池を電気的に接続するための端子ブスバおよび単電池間ブスバと、前記単電池の電圧を検出するための電圧検出用リード線とが固定されていることを特徴とする。
【0011】
本発明では、第1または第2の外枠を基準に単電池を配設して中枠と第1または第2の外枠とで単電池を挟み、中枠と第2または第1の外枠とで単電池を挟むことで中枠の両側に単電池が配設され、中枠と第1および第2の外枠とを結合することで、組電池を構成する複数の単電池が枠体に保持されるので、組電池の組立作業が簡便になり、枠体で単電池が保持されるので、単電池間に冷却風を流通させるための空間を組立時に形成することが可能となると共に、中枠に、端子ブスバおよび単電池間ブスバと電圧検出用リード線とを予め固定しておくことができるので、組立速度が格段に向上し、かつ、接続作業が容易となる。
【0012】
本発明において、第1の外枠と第2の外枠とが同一形状であれば、組電池を構成する部品種を少なくすることができ、部品管理が容易になる。また、枠体が、単電池の正、負極端部に当接する2つの保持部と該保持部間の間隔を画定する支持部とを有すれば、枠体の保持部が単電池の両端部に位置し単電池の側面の大部分が露呈するため、冷却風との接触面積を大きくとることができ、単電池の冷却性能を向上させることができると共に、枠体の支持部が2つの保持部間の間隔を画定するため、組電池の外径寸法が一律となるので、組み立て作業による寸法のバラツキを少なくすることができる。
【0013】
上記態様において、第1の外枠および第2の外枠の保持部にそれぞれ第1の嵌合穴および第1の突起が形成されており、中枠の保持部に第1の嵌合穴に嵌合する第2の突起および第1の突起に嵌合される第2の嵌合穴が形成されており、第1および第2の突起がそれぞれ第2および第1の嵌合穴に嵌合することで第1の外枠と第2の外枠とが中枠に結合されるようにすれば、保持治具等の作業治具を用いることなく枠体間の結合を素早く行うことができ、組立性が向上する。このとき、第1の突起が第2の嵌合穴に嵌合する方向と第2の突起が第1の嵌合穴に嵌合する方向とが直交する方向であれば、嵌合強度を高めることができる。
【0014】
また、電圧検出用リード線が、中枠の支持部に沿って配線されており、該中枠の支持部に固定されていれば、振動や冷却風による電池検出用リード線のばたつきや、ばたつきに起因する断線を防止することができる。また、端子ブスバと単電池間ブスバとが、中枠の保持部に固定されていれば、中枠に接続用の導電部材を集中配置することができるので、枠体全体を構成する部品コストの低減と組電池の小型化を図ることができると共に、正、負極端子に端子ブスバおよび単電池間ブスバを接触配置ないし近接配置することができる。更に、電圧検出用リード線が、中枠の保持部に固定された端子ブスバと単電池間ブスバとに接続されていれば、組立時の接続作業を大幅に低減できるばかりでなく、作業時の短絡を防止することができる。また、電圧検出用リード線に先端が棒状または円柱状をなす圧着端子が接続されており、端子ブスバおよび単電池間ブスバに圧着端子を保持するための嵌合部が形成されており、圧着端子と嵌合部とを塑性変形させて、電圧検出用リード線と端子ブスバおよび単電池間ブスバとを接続するようにすれば、電圧検出用リード線と端子ブスバおよび単電池間ブスバとの接続作業を迅速に行うことができる。
【0015】
更に、保持部が、単電池の正負極端の面位置を画定するための位置決め部を有すれば、単電池の位置決め作業を省くことができるので、組立作業が格段に速くなると共に、枠体に保持された複数の単電池の正、負極端の面位置が同一位置となるため、単電池の正、負極端と端子ブスバおよび単電池間ブスバとの接合作業のバラツキを最小限に抑えることができる。また、単電池が円柱状であり、保持部が単電池の端部周面に当接する円弧状の当接部を有すれば、保持部の当接部に単電池の端部周面が両側で当接するため、枠体内での単電池の遊動を防止することができる。このとき、当接部に接合材を充填するための溝部が形成されていれば、当接部と単電池の端部周面との間に製造バラツキによる空間が生じても、溝部に接合材を充填することで、接合材がこの空間に充填され単電池が枠体に保持固定されるので、振動に強い組電池を得ることができると共に、接合材の弾性力で熱応力を緩和することができる。また、当接部に形成された溝部が、当接部の円弧状に沿う方向に形成された第1の溝部と、第1の溝部に直角に交差する方向に形成された第2の溝部とを有すれば、第1の溝部に直交する方向に形成された第2の溝部に、当接部の円弧状に沿う方向に形成された第1の溝部に充填された接合材の余剰分が移動するため、余剰の接合材で組立作業を阻害することなく、移動した余剰の接合材で接合面を大きく確保できると共に、第1の外枠および第2の外枠が中枠に結合されるため、接合材がその接合力の発現までに時間を要しても、作業冶具を必要せず加工費を低減できる。
【0016】
更に、単電池の一端および他端を除く側面が絶縁性の被覆材で被覆されており、端子ブスバと単電池間ブスバとが中枠の保持部に固定され単電池の正極および負極のいずれか一方に接合されており、保持部が単電池の端部側面に当接する当接部を有していれば、端子ブスバと単電池間ブスバを切断または単電池とこれらのブスバの接合箇所を破壊し、被覆材を切断剥離し、枠体の支持部を切断するだけで、単電池と枠体とを分離解体することができる。
【0017】
また、中枠に固定された端子ブスバが雄ネジ部または雌ネジ部を有していれば、組電池を複数個並べて電気接続する際に、雄ネジ部または雌ネジ部に、組電池間を導通させる組電池間ブスバをネジ締結するだけで可能となり、必要とされる電力を組電池の数を増減させるだけで得ることができる。更に、第1および第2の外枠に、位置決めないし固定用の穴または切り欠き溝部が形成されていれば、組電池を固定するための架台上に設けられた突出部に嵌合させることにより、位置決めが可能となり作業効率が向上し、組電池または組電池を複数個ならべた集合組電池の耐振動性能を付与できるため、移動体用電源に適した性能を発揮させることができると共に、組電池内の単電池に何らかの不具合が生じた場合に、この不具合単電池が属する組電池のみを、新たな組電池と取り替えることが可能となり、その被害の程度を集合組電池全体から組電池単位まで下げることができる。更にまた、電圧検出用リード線の一方にコネクタが取り付けられていれば、コネクタにより、各単電池に接続された電圧検出用リード線が集結されるので、集合組電池での配線接続が容易で、かつ、誤配線等による短絡を防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第1または第2の外枠を基準に単電池を配設して中枠と第1または第2の外枠とで単電池を挟み、中枠と第2または第1の外枠とで単電池を挟むことで中枠の両側に単電池が配設され、中枠と第1および第2の外枠とを結合することで、組電池を構成する複数の単電池が枠体に保持されるので、組電池の組立作業が簡便になり、枠体で単電池が保持されるので、単電池間に冷却風を流通させるための空間を組立時に形成することが可能となると共に、中枠に、端子ブスバおよび単電池間ブスバと電圧検出用リード線とを予め固定しておくことができるので、組立速度が格段に向上し、かつ、接続作業が容易となる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明が適用可能な実施形態の電池モジュールの外観斜視図である。
【図2】実施形態の電池モジュールを構成する組電池の正面側から見た外観斜視図である。
【図3】実施形態の電池モジュールを構成する組電池の背面側から見た外観斜視図である。
【図4】組電池の中枠の外観斜視図である。
【図5】コネクタ付き電圧検出線が固定された中枠の外観斜視図である。
【図6】正面側から見た組電池の分解斜視図である。
【図7】背面側から見た組電池の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明を電気自動車用の電池モジュール(集合組電池)に適用した実施の形態について説明する。
【0021】
(構成)
図1に示すように、本実施形態の電池モジュール50は、3個の組電池を備え、これらの組電池1が直列に接続されている。
【0022】
図2および図3に示すように、組電池1は、4個の円柱状リチウムイオン電池14(以下、単電池14という。)、単電池14を保持する枠体、単電池14間を接続する接続部材(ブスバ)、単電池14の電圧を検出するための電圧検出用リード線を有して構成されている。
【0023】
各単電池14は、有底円筒状の金属容器内に正極および負極を、セパレータを介して捲回した電極群が配置されており、電極群は非水電解液に浸潤されている。図6および図7に示すように、金属容器17の上部は、円盤状の正極蓋16とガスケットを介してカシメ封口されている。捲回群を構成する正極は上蓋16に接続されており、負極は電池容器17に接続されている。また、単電池14の側周面は熱収縮チューブ15で覆われている。このため、外部に露出し単電池14の両端に位置する正極蓋16の端面および金属容器17の底部端面が外部端子としての機能を有している。
【0024】
上述した枠体には電気絶縁性の樹脂製材料が用いられている。枠体は、同一形状の2つの外枠2と、中枠3とで構成されている。単電池14は、中枠3と一方の外枠2および該一方の外枠2と上下対称に配置された他方の外枠2で挟まれており、中枠3を介して、隣接する単電池2間で端子方向(図6、7の左右方向)が逆方向となるように2行2列の正方直交状に配設されている。
【0025】
外枠2は、単電池14の正、負極端部に外側から当接して単電池14を保持する2つの外枠保持部18と、これらの外枠保持部18間の間隔を画定し、外枠保持部18と一体成形された外枠支持部19とを有している。2つの外枠保持部18は同一形状を有しており、外枠支持部19に左右対称に固定されている。外枠支持部19は、組電池1の軽量化を図ると共に、所定の強度を持たせるために、断面略U字状の形状を有している。
【0026】
外枠保持部18の単電池14の正、負極端部に当接する箇所(2箇所)には円弧状の当接部32が形成されている。当接部32には、単電池14の正、負極端部を当接部32に固定するために、接着剤等の接合材を充填するための溝部が形成されている。この溝部は、当接部32の円弧状に沿う方向に形成された円弧状溝部20と、円弧状溝部20の中央および両端で円弧状溝部20に直角に交差する方向に形成された交差溝部21とを有している。
【0027】
外枠保持部18には、外枠支持部19が固定された反対面側(外側)で上述した当接部32に沿う方向に、円弧状で、単電池14の正負極端の面位置(単電池の先端位置)を画定するための位置決め部29が一体形成されている。また、外枠保持部18には、当接部32が形成された反対面側の両隅部に、組電池1の位置決めないし組電池1の固定をするためのU字状の位置決め溝部28が形成されている。更に、外枠保持部18には、雌ネジからなり、組電池1を外枠支持部19が固定された反対面側から固定するための組電池固定部27が形成されている。
【0028】
また、外枠保持部18の外枠支持部19と直交する側の端部両側は中枠3側に向けて延出されている。この中枠3側に延出された端部の先端部には矩形状の第1の嵌合穴33が形成されている。外枠2は2つの外枠保持部18を有しているため、外枠2には4つの第1の嵌合穴33が形成されている。更に、外枠保持部18には、外枠支持部19が固定された反対面側で上述した位置決め部29間を繋ぐ中央の端部に矩形状の窪みが形成されており、この矩形状の窪みには第1の突起34が突設されている。なお、外枠保持部18の当接部32間を繋ぐ中央は、軽量化を図るため、矩形溝状に肉抜きが施されている。
【0029】
図4〜図7に示すように、中枠3は、単電池14の正、負極端部に内側から当接して単電池14を保持する2つの中枠保持部30と、これらの中枠保持部30間の間隔を画定し、中枠保持部30と一体成形された中枠支持部10とを有している。2つの中枠保持部30はほぼ同一形状を有しており、中枠支持部10に向き合うように固定されている。
【0030】
中枠支持部10は、所定の強度を持たせ軽量化を図ると共に、電圧検出用リード線が沿い、かつ、電圧検出用リード線が組電池1内を流通する冷却風でばたつかないように、更に、冷却風を整流するために、短冊状の形状を有している。中枠支持部10には、複数のリード線固定部12が形成されており、電圧検出用リード線は図示しない結束バンドで中枠支持部10に固定されている。電圧検出用リード線の一側には、複数の電圧検出用リード線を集結するためのコネクタが予め取り付けられており、コネクタ付き電圧検出用リード線4として一体に取り扱われる。なお、中枠支持部10が中枠保持部30間を画定する間隔と、外枠支持部19が外枠保持部18間を画定する間隔とは同一寸法に設定されている。
【0031】
中枠保持部30の単電池14の正、負極端部に当接する箇所(4箇所)には円弧状の当接部32が形成されている。この当接部32には、上述した外枠2の当接部32と同様に、単電池14の正、負極端部を当接部32に固定するために、接着剤等の接合材を充填するための溝部が形成されており、当接部32の円弧状に沿う方向に形成された円弧状溝部20と、円弧状溝部20の中央および両端で円弧状溝部20に直角に交差する方向に形成された交差溝部21とを有している。
【0032】
中枠保持部30には、中枠保持部30に形成された当接部32を中枠支持部10が固定された反対面側(外側)で塞ぎ、単電池14の正負極端の面位置(単電池の先端位置)を画定するための位置決め部29が一体形成されている。ただし、コネクタ付き電圧検出用リード線4が導出された側の中枠保持部30の下方2箇所には、上述した外枠保持部18と同様に、円弧状の位置決め部29が一体形成されている。また、中枠保持部30の中枠支持部10と直交する側の端部両側の上下には、外枠保持部18から延出された端部が収容可能な矩形溝部が形成されている(合決構造が採られている)。この矩形溝部には、上述した第1の嵌合穴33に嵌合する第2の突起35が突設されている。中枠3は2つの中枠保持部30を有しており、中枠支持部10と直交する側の端部両側の上下に第2の突起35が突設されているため、中枠3には8つの第2の突起35が突設されている。
【0033】
また、中枠保持部30には、中枠保持部30に形成された当接部32を中枠支持部10が固定された反対面側で塞ぐ位置決め部29間の中央に、位置決め部29と同じ厚さで外枠2側に向けて延出した上下延出部が一体形成されている。上下延出部の先端部は、外枠保持部18の位置決め部29間を繋ぐ中央の端部に形成された溝部に収容されるように合決構造が採られており、第1の突起34が嵌合する矩形状の第2の嵌合穴36が形成されている。
【0034】
中枠保持部30には、4個の単電池14を直列接続するために複数のブスバが固定されている。すなわち、コネクタ付き電圧検出用リード線4が導出された側の中枠保持部30(図6の左側の中枠保持部30)には、中枠支持部10が固定された反対面側に、位置決め部29の上方に延出され略逆L字(鈍角)状の正極端子ブスバ5と、位置決め部29の上方に延出され略L字(鈍角)状の負極端子ブスバ6と、上下延出部の下部側で略水平方向の両側に延出された単電池間ブスバ7とが、それぞれ、突出したブスバ固定部13により固定されている。正極端子ブスバ5および負極端子ブスバ6は、ブスバ固定部13より外側の位置にそれぞれ雌ネジ部11を有しており、これら雌ネジ部11の中心は略水平直線上に配置されている。
【0035】
一方、コネクタ付き電圧検出用リード線4が導出された側の中枠保持部30に対向する側の中枠保持部30(図6の右側の中枠保持部30)には、中枠支持部10が固定された反対面側に、位置決め部29の上下(略垂直)方向の両側に延出された2つの単電池間ブスバ7が、それぞれ、突出したブスバ固定部13により固定されている。なお、2つの単電池間ブスバ7のうち位置決め部29の上方に(単電池14の端子側に)延出された部分は、それぞれ、正極端子ブスバ5、負極端子ブスバ6の位置決め部29の上方に延出された部分に対向する位置に配設されている。
【0036】
正極端子ブスバ5、負極端子ブスバ6および単電池間ブスバ7の単電池14の端子側に延出された部分は二股に分かれており、二股に分かれたそれぞれの延出部分には単電池14の端子とスポット溶接を行うための円形穴が形成されている。
【0037】
コネクタ付き電圧検出用リード線4は、リード線先端部に棒状圧着端子9を有している。正極端子ブスバ5、負極端子ブスバ6および単電池間ブスバ7は、それぞれ、棒状圧着端子9が接続固定される(棒状圧着端子9を保持する)略円筒状の圧着端子嵌合部8を有している。
【0038】
また、中枠保持部30にも、コネクタ付き電圧検出用リード線4のリード線部が振動等の外力によるばたつきを防止するために、リード線部を固定するためのリード線固定部12が突設されている。なお、中枠保持部30の中枠支持部10が固定された反対面側の略中央は、コネクタ付き電圧検出用リード線4のリード線部を貫通させると共に、組電池1の軽量化を図るために、肉抜きが施されている。
【0039】
図2および図3に示すように、組電池1は、上述した円弧状溝部20および交差溝部21に接合材が充填されており、4個の単電池14が、中枠3を介して、同一側および上下側でその極性が交互となるように配設され枠体に固定されている。また、側面結合部23で上述した第1の突起34は第2の嵌合穴36に嵌合しており、上下結合部24で第2の突起35は第1の嵌合穴33に嵌合し、2つの外枠2と中枠3とで構成された枠体は一体化されている。なお、第1の突起34と第2の嵌合穴36との嵌合する方向と、第2の突起35が第1の嵌合穴33に嵌合する方向とは直交している。
【0040】
更に、単電池14の外部に露出した正極端子、負極端子は、それぞれ、正極端子ブスバ5、負極端子ブスバ6および単電池間ブスバ7に接合(スポット溶接)されている。また、コネクタ付き電圧検出用リード線4のリード線部はリード線固定部12に固定され、リード線先端部の棒状圧着端子9が圧着端子嵌合部8に圧着されている。従って、棒状圧着端子9と圧着端子嵌合部8とは塑性変形されて接続されている。なお、組電池1を構成する単電池14間は離間しており、側面側から組電池1の上部、組電池14間、下部を冷却風が流通するように、冷却通風路22が形成されている。
【0041】
図1に示すように、電池モジュール50は、3個の組電池1が横並びに配設されており、隣接する組電池1同士の負極端子ブスバ6と正極端子ブスバ5とが組電池間ブスバ25で導通されている。組電池間ブスバ25は、両側で、負極端子ブスバ6の雌ネジ部11および正極端子ブスバ5の雌ネジ部11に螺合するキャップボルト26で締結されている。上述した組電池1は4個の単電池1が直列接続されているため、約12Vの定格電圧となり、電池モジュール50は、組電池1を3個備えているので、約36Vの定格電圧を有している。
【0042】
電池モジュール50を構成する各組電池1は、図示を省略したレール状の架台に固定されている。各組電池1には外枠保持部18に位置決め溝部28が形成されているので、架台に位置決め溝部28に係合する突起を形成することで各組電池1の位置決めないし固定がなされている。
【0043】
また、電池モジュール50は、図示を省略したケーシング内に収容されており、上述した冷却通風路22には外部から冷却風が導入可能な構造を有している。なお、図示を省略したレール状の架台はケーシングに固定されている。最上位の組電池1の正極端子ブスバ5および最下位の組電池1の負極端子ブスバ5には、不図示のキャップボルトを介して電池モジュール50の正極外部出力端子および負極外部出力端子まで導出される。電池モジュール50の仕様に応じて、この導出経路中にヒューズ等が挿入される場合もある。なお、各組電池1のコネクタ付き電圧検出用リード線4のコネクタは、電池モジュール50を構成する単電池1の電圧を監視するためのセルコントローラから導出されたコネクタ(不図示)に接続されている。
【0044】
(組立手順)
次に、本実施形態の電池モジュール50の組立手順について、組電池1の組立手順を中心に説明する。なお、組立前に、正極端子ブスバ5、負極端子ブスバ6、単電池間ブスバ7およびコネクタ付き電圧検出線用リード線4は中枠3に固定されており、コネクタ付き電圧検出線用リード線4のリード線部は中枠支持部10および中枠保持部30のリード線固定部12に固定されていると共に、棒状圧着端子9は圧着端子嵌合部8に嵌合されており、中枠3は正極端子ブスバ5、負極端子ブスバ6、単電池間ブスバ7およびコネクタ付き電圧検出線用リード線4を有するアセンブリないしユニットとして部品管理がなされている。
【0045】
図6および図7に示すように、2つの外枠2のうち一方の外枠2を当接部32側が上方を向くように載置して、円弧状溝部20および交差溝部21に接合材を充填し、位置決め部29を基準に(単電池14の端面が当接するように)当接部32上に2つの単電池14を極性が交互となるように載置する。続いて、中枠保持部30の下側の円弧状溝部20および交差溝部21に接合材を充填し、位置決め部29を基準に、外枠2に保持された単電池14の正、負極端部に中枠保持部30の当接部32を当接させ、側面結合部23および上下結合部24で一方の(下側に載置された)外枠2と中枠3とを一体化させる。
【0046】
次に、中枠保持部30の上側の円弧状溝部20および交差溝部21に接合材を充填し、位置決め部29を基準に、当接部32上に2個の単電池14を、既に外枠2に載置した2つの単電池14との間でも極性が交互となるように載置する。当然、正極端子ブスバ5には単電池14の正極蓋16が位置し、負極端子ブスバ6には負極容器17が位置する。続いて、2つの外枠2のうち他方の外枠2の外枠保持部18の円弧状溝部20および交差溝部21に接合材を充填し、当接部32を下側に向けて、位置決め部29を基準に、中枠3に保持された単電池14の正、負極端部に外枠保持部18の当接部32を当接させ、側面結合部23および上下結合部24で中枠3と他方の外枠2とを一体化させる。なお、接合材がその接合力を発現するまでに時間を要しても、側面結合部23、上下結合部24の結合力で中枠3と2つの外枠2が維持固定される。
【0047】
次いで、正極端子ブスバ5、負極端子ブスバ6、単電池間ブスバ7と単電池14とをそれぞれ2箇所でスポット溶接して電気的接続を行い、組電池1の組立が完了する。
【0048】
以上のように組み立てた3個の組電池1を、ケーシングに固定されたレール状の架台に形成された突起に位置決め溝部28を係合・固定させ、雄ネジにより組電池固定部27をケーシング内で固定する。次いで、組電池1間を組電池間ブスバ25とキャップボルト26とで接続すると共に、不図示のキャップボルトを介して電池モジュール50の正極外部出力端子および負極外部出力端子まで導出する。続いて、セルコントローラから導出されたコネクタを各組電池1のコネクタ付き電圧検出用リード線4のコネクタに接続して、電池モジュール50の組立が完了する。なお、電池モジュール50は、不図示の充電器を介して各単電池14を初充電することにより、電池モジュールとしての機能が付与される。
【0049】
(作用等)
次に、本実施形態の電池モジュール50の作用等について、組電池1の作用等を中心に説明する。
【0050】
本実施形態の電池モジュール50を構成する組電池1は、中枠3を介して2つの外枠2で4個の単電池14を保持固定できるので、組電池の組み立て作業が簡便になる。また、2つの外枠2と中枠3とで構成される枠体で保持固定されるため、単電池14間に冷却風を流すための空間を、組立時に形成することが可能となる。更に、枠体の当接部32は単電池14の両端部に位置するため、単電池14の側面の大部分が露呈するため、冷却風との接触面が大きく取ることができ、冷却性能が向上する。
【0051】
また、中枠3に、コネクタ付き電圧検出線用リード線4、正極端子ブスバ5、負極端子ブスバ6、単電池間ブスバ7を予め固定したため、組立の作業速度が格段に向上し、かつ、その接続作業が簡便になる。更に、コネクタ付き電圧検出線用リード線4は予め正極端子ブスバ5、負極端子ブスバ6、単電池間ブスバ7と接続されているため、作業の簡便さだけでなく、作業時の短絡防止に大いに効果がある。更には、中枠3に接続用の導電部材を集中することができるため、枠体全体を構成する部品コストを低減できると共に、組電池1の小型化を図ることができる。
【0052】
また、2つの外枠2を同一形状のものを用いたため、組電池1を構成する部品種を少なくすることができ、部品管理が容易となる。更に、外枠保持部18、中枠保持部30には、単電池14の端面および端部側周面が当接する位置決め部29、当接部32が形成されているため、単電池14の配置、位置決め作業を効率的に行うことができる。また、これら外枠保持部18、中枠保持部30間の間隔を画定する外枠支持部19、中枠支持部10を設けたことにより、組み上がった組電池1の外形寸法を決定することができるので、組立作業によるバラツキを少なくすることができる。更にまた、中枠支持部10にコネクタ付き電圧検出用リード線4を固定することにより、振動や冷却風のばたつきによるリード線の磨耗、断線等を防止することができる(信頼性を高めることができる)。
【0053】
また、中枠保持部18、外枠保持部19の円弧状の当接部32に形成された円弧状溝部20に接着剤等の接合材を充填して、単電池14を保持固定することにより、振動に強い組電池1を得ることができ、かつ、接合材の弾性力にて熱応力を緩和できる利点がある。更に、当接部32と単電池14の端部側周面の間に、製造バラツキによる空間が生じても、円弧状溝部20に位置する接合材がこの空間に充填されるため、接合力を堅持できる。また、円弧状溝部20と直角に交差する方向に形成された交差溝部21に、円弧状溝部20に充填された接合材の余剰分が移動するため、過剰な接合材で組立時の嵌合作業を阻害することなく、移動した余剰の接合材にて接合面を大きく確保できる。
【0054】
更に、側面結合部23および上下結合部24で外枠2が中枠3に結合(嵌合)するため、保持冶具等の作業冶具を必要とせず、接合材がその接合力の発現までに時間を要しても、外枠2と中枠3とで構成される枠体の結合が維持されるので、組立加工費を低減することができる。また、側面結合部23と上下結合部24とによる結合(嵌合)方向が直交する方向のため、外枠2と中枠3との結合(嵌合)強度を高めることができる。
【0055】
また、外枠保持部18、中枠保持部30に形成された位置決め部29により、単電池14の両端面が、既に当接部32に保持された単電池14のいずれか一方の端面と同水準の位置となる(同一面に位置する)ため、溶接等の作業バラツキを最小限に抑えることができ、更に、この位置決め作業を省くことができるので、組立作業が格段に速くなる。
【0056】
また、組電池1の解体作業は、組電池1の正面および背面に位置する正極端子ブスバ5、負極端子ブスバ6、単電池間ブスバ7の切断または単電池14とこれらブスバの接合部を破壊し、単電池14を覆う熱収縮チューブ15を切断剥離し、外枠支持部10を切断するだけで単電池14と枠体とを分離解体できる。更に、ブスバ固定部13を破壊すれば中枠3とブスバ類を分離解体できる。従って、本実施形態の組電池1は、分別解体が簡易で分別回収が容易な環境に優しい組電池である。
【0057】
また、本実施形態の電池モジュール50は、上述した組電池1を複数個並べて電気接続する際に、中枠3に固定された正極端子ブスバ5および負極端子ブスバ6に形成した雌ネジ部11に、組電池1間を導通させる組電池間ブスバ25をネジ締結するだけで可能となり、必要とされる電力は組電池1の数を増減させるだけで得られるため、工業的に価値が大きい。更に、コネクタ付き電圧検出用リード線4のコネクタにより、上述のような集合組電池(電池モジュール50)での配線接続が容易で、かつ、誤配線等による短絡を防止することができる。
【0058】
また、組電池1の外枠2には位置決め溝部29が形成されており、この位置決め溝部29を基準に固定できると共に、組電池1そのもの、または、組電池1を複数個ならべた集合組電池に耐振動性能を付与できるため、自動車用電源等の移動体用電源に適した性能を発揮できる。また更に、組電池1を構成する単電池14に何らかの不具合が生じた場合には、この不具合単電池14が属する組電池1のみを、新たな組電池1と取り替えることが可能となり、その被害の程度を集合組電池全体から組電池1の単位まで低くすることができる。更にまた、位置決め溝部29を、これら組電池1を搭載するための架台上に設けた突起と嵌合させることにより、位置決めが可能となるので作業効率が格段に向上する。
【0059】
なお、本実施形態では、組電池1を3個備え、定格電圧が約36Vの電池モジュール50を例示したが、それ以上の電圧が必要なときは、組電池1の数を増加するだけでよいため、容易に高電圧化を図ることができる。また、本実施形態では、組電池1を4個の単電池14で構成した例を示したが、中枠3および外枠2の当接部32を増減するだけで、組電池1を構成する単電池14の数を増減可能である。
【0060】
また、本実施形態では、円柱状電池を単電池として説明したが、角型電池においても、当接部32の形状を角型電池の側面部に沿うようにすれば、同様の効果を得ることができる。また、単電池14には、上述したリチウムイオン電池のみならず、ニッケル水素電池等と充放電可能な電池に利用が可能で、更に、これら電池を主電源、あるいは、ハイブリッド電源とする移動体電源等に用いることができる。
【0061】
更に、本実施形態では、リード線先端部に棒状圧着端子9を有するコネクタ付き電圧検出用リード線4を例示したが、円柱状の圧着端子を用いるようにしてもよい。また、圧着端子嵌合部8と圧着端子9との圧着に代えて、抵抗溶接で接合したり、ハンダ等の低融点金属で接合するようにしてもよい。更に、本実施形態では、正極端子ブスバ5、負極端子ブスバ6に雌ネジ部11を形成した例を示したが、雄ネジ部を形成しても同様の効果を奏する。また更に、本実施形態では、外枠2に位置決め溝部28を(一体)形成した例を示したが、固定用の穴を形成し、または、外枠保持部18に溝部を切り欠いても同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は組立性の向上を図ることができ、軽量、低コストで信頼性の高い組電池を提供するものであるため、組電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0063】
1 組電池
2 外枠
3 中枠
4 コネクタ付き電圧検出用リード線(電圧検出用リード線)
5 正極端子ブスバ(端子ブスバ)
6 負極端子ブスバ(端子ブスバ)
7 単電池間ブスバ
8 圧着端子嵌合部(嵌合部)
9 棒状圧着端子(圧着端子)
10 中枠支持部(支持部)
11 雌ネジ部
14 単電池
15 熱収縮チューブ(被覆材)
18 外枠保持部(保持部)
19 外枠支持部(支持部)
20 円弧状溝部(第1の溝部)
21 交差溝部(第2の溝部)
28 位置決め溝部
29 位置決め部
30 中枠保持部(保持部)
32 当接部
33 第1の嵌合穴
34 第1の突起
35 第2の突起
36 第2の嵌合穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が正極、他端が負極の単電池を複数保持する枠体を備えた組電池であって、前記枠体は、第1の外枠と、中枠と、第2の外枠とを有し、前記中枠の両側に前記複数の単電池が配設され、該単電池を前記中枠との間で挟むように、一方の側に第1の外枠、他方の側に第2の外枠が配置されて該第1の外枠と第2の外枠とが前記中枠に結合されており、前記中枠に、前記単電池を電気的に接続するための端子ブスバおよび単電池間ブスバと、前記単電池の電圧を検出するための電圧検出用リード線とが固定されていることを特徴とする組電池。
【請求項2】
前記第1の外枠と前記第2の外枠とは同一形状であることを特徴とする請求項1に記載の組電池。
【請求項3】
前記枠体は、前記単電池の正、負極端部に当接する2つの保持部と該保持部間の間隔を画定する支持部とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組電池。
【請求項4】
前記第1の外枠および前記第2の外枠の保持部にはそれぞれ第1の嵌合穴および第1の突起が形成されており、前記中枠の保持部には前記第1の嵌合穴に嵌合する第2の突起および前記第1の突起に嵌合される第2の嵌合穴が形成されており、前記第1および第2の突起がそれぞれ前記第2および第1の嵌合穴に嵌合することで前記第1の外枠と前記第2の外枠とが前記中枠に結合されていることを特徴とする請求項3に記載の組電池。
【請求項5】
前記第1の突起が前記第2の嵌合穴に嵌合する方向と前記第2の突起が前記第1の嵌合穴に嵌合する方向とが直交する方向であることを特徴とする請求項4に記載の組電池。
【請求項6】
前記電圧検出用リード線は、前記中枠の支持部に沿って配線されており、該中枠の支持部に固定されていることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項7】
前記端子ブスバと前記単電池間ブスバとは、前記中枠の保持部に固定されていることを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項8】
前記電圧検出用リード線は、前記中枠の保持部に固定された端子ブスバと単電池間ブスバとに接続されていることを特徴とする請求項3ないし請求項7のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項9】
前記電圧検出用リード線には先端が棒状または円柱状をなす圧着端子が接続されており、前記端子ブスバおよび前記単電池間ブスバには前記圧着端子を保持するための嵌合部が形成されており、前記電圧検出用リード線と前記端子ブスバおよび前記単電池間ブスバとは、前記圧着端子と前記嵌合部とを塑性変形させて接続されたことを特徴とする請求項3ないし請求項8のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項10】
前記保持部は、前記単電池の正負極端の面位置を画定するための位置決め部を有することを特徴とする請求項3ないし請求項9のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項11】
前記単電池は円柱状であり、前記保持部は前記単電池の端部周面に当接する円弧状の当接部を有することを特徴とする請求項3ないし請求項10のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項12】
前記当接部には接合材を充填するための溝部が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の組電池。
【請求項13】
前記当接部に形成された溝部は、前記当接部の円弧状に沿う方向に形成された第1の溝部と、前記第1の溝部に直角に交差する方向に形成された第2の溝部とを有することを特徴とする請求項12に記載の組電池。
【請求項14】
前記単電池は前記一端および他端を除く側面が絶縁性の被覆材で被覆されており、前記端子ブスバと前記単電池間ブスバとは前記中枠の保持部に固定され前記単電池の正極および負極のいずれか一方に接合されており、前記保持部は前記単電池の端部側面に当接する当接部を有することを特徴とする請求項3ないし請求項13に記載の組電池。
【請求項15】
前記中枠に固定された端子ブスバは、雄ネジ部または雌ネジ部を有していることを特徴とする請求項3ないし請求項14に記載の組電池。
【請求項16】
前記第1の外枠および前記第2の外枠には、位置決めないし固定用の穴または切り欠き溝部が形成されたことを特徴とする請求項3ないし請求項15のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項17】
前記電圧検出用リード線の一方にコネクタが取り付けられていることを特徴とする請求項3ないし請求項16のいずれか1項に記載の組電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−119284(P2011−119284A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60718(P2011−60718)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【分割の表示】特願2005−360310(P2005−360310)の分割
【原出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(505083999)日立ビークルエナジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】