説明

経口投与可能なフィルム

本発明は、粘膜付着性であり、消費者の口内で1から10分以内に完全に崩壊し、アルカリ性物質と場合により薬学的活性物質とを含む経口崩壊フィルムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食用であり薬学的活性物質を場合により含む経口崩壊フィルムに関する。特に、本発明は、アルカリ性物質を含む経口崩壊フィルムに関する。とりわけ、本発明は、アルカリ性物質を含み、消費者の口内で1から10分以内、好ましくは2から6分以内に完全に崩壊し、頬粘膜に付着する経口崩壊フィルムに関する。
【0002】
従って本発明の好ましい一実施形態は、口内で直ちに、例えば1から10秒以内で溶解することはないが、より長い時間、例えば1から10分を崩壊に要し、この時間にわたって頬粘膜によく付着する経口崩壊フィルムに関する。経口フィルムをこのようにゆっくりと崩壊させるためには種々の理由が存在し、例えば薬学的活性物質を頬粘膜によって効率的に吸収させるためであり、または例えばアルカリ性物質による唾液に対するより長い中和効果を得るためである。
【背景技術】
【0003】
粘膜付着性の徐崩壊性経口フィルムは当分野において公知である。しかし、前記徐崩壊性経口フィルムの組成物にアルカリ性物質を加えると、前記フィルムの粘膜付着性が大きく低下することが分かった。アルカリ性物質を組成物に含める必要性が種々の理由で高まることがあり、特に経口崩壊フィルムの投与後に口腔内のpHを増加させるために使用されることがある。このため、例えば塩の形態の薬学的活性物質をこの非イオン化形態(例えば酒石酸ニコチンをニコチン)に変化させることで、前記薬学的活性物質の粘膜による吸収を促進する必要が生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的の一つは、アルカリ性物質を含むにも関わらず粘膜付着性である徐崩壊性経口フィルムを提供することである。驚くべきことに、組成物にある種のポリマーを加えると、アルカリ性物質が存在するにも関わらずこのフィルムは粘膜付着性を維持することが分かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って本発明は、
(a)フィルム形成剤、
(b)クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチまたはこれらの混合物からなる群より選択されるポリマー、および
(c)アルカリ性物質
を含む層を含む経口崩壊フィルムに関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
さらなる薬学的活性物質を全く含まない前記経口崩壊フィルムは、例えば果実などの酸性食品(例えばリンゴ)を食べた後、または口内細菌によって分解されて酸となる糖を含有する食品を食べた後に、頬粘膜に付着して、例えば数分間唾液を中和させることによって有用となり得る。前記酸によって歯牙酸蝕症が生じ得る場合、アルカリ性物質を含む経口崩壊フィルムは、吸収または形成された酸を中和するのに有益となる。
【0007】
好ましくは本発明による経口崩壊フィルムは少なくとも1種類の薬学的活性物質(d)をさらに含む。
【0008】
薬学的活性物質(d)は、経口投与可能なあらゆる薬学的活性物質であり得る、この物質は、例えば消化管中または頬粘膜を介して吸収されることが意図される。頬粘膜を介して吸収される薬学的活性物質が好ましく、例えばブプレノルフィン、ニトログリセリン、またはニコチンである。ニコチンへの言及から分かるように、用語「薬学的活性物質」は、経口投与が意図される生理活性物質も含むように広く理解すべきである。
【0009】
本発明の特定の一実施形態においては、薬学的活性物質(d)はアルカリ性物質(c)と化学反応する傾向にあり、そのため前記経口崩壊フィルム内で後者から分離され、これによって経口投与前のあらゆる時期尚早の化学反応が回避される。(d)と(c)との間の「分離」とは、両成分で、投与前に経口崩壊フィルム内で互いの化学反応が起こるのが妨害されることを意味し、多くの異なる方法、例えば2層フィルム中に物理的に分離することによって行うことができる。
【0010】
薬学的活性物質(d)は好ましくはニコチン活性物質(nicotine active)である。ニコチン活性物質は、例えば遊離ニコチン塩基、ニコチン塩、ニコチン錯体、またはこれらの混合物である。ニコチン塩、特に酒石酸ニコチンが好ましい。
【0011】
フィルム形成剤(a)は、例えばセルロース、セルロースエーテル誘導体、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールコポリマー、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、メタクリル酸ポリマー、メタクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、カルボキシビニルポリマー、加工デンプン、アミロース、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質分離物、乳清タンパク質分離物、カゼイン、合成または天然のゴム、カラジーナン(carrageanan)、アルギン酸、アルギン酸塩またはこれらの混合物である。
【0012】
好ましいフィルム形成剤(a)は、セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、メタクリル酸ポリマー、メタクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、加工デンプン、アミロース、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質分離物、乳清タンパク質分離物、カゼイン、キサンタンガム、トラガカントゴム、グアーガム、アカシアゴム、アラビアゴム、カラジーナン、アルギン酸、アルギン酸塩およびこれらの混合物である。
【0013】
特に好ましいフィルム形成剤(a)は、セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、加工デンプン、アミロース、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質分離物、乳清タンパク質分離物、カゼイン、キサンタンガム、トラガカントゴム、グアーガム、アカシアゴム、アラビアゴム、カラジーナン、アルギン酸、アルギン酸塩およびこれらの混合物である。
【0014】
セルロースエーテル誘導体は、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースまたはメチルセルロースである。
【0015】
好ましくはフィルム形成剤(a)は水溶性である。
【0016】
ポリマー(b)としてはクロスカルメロースナトリウムが好ましい。コーンスターチはトウモロコシデンプンと同義語である。
【0017】
アルカリ性物質(c)は、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはこれらのあらゆる混合物である。
【0018】
好ましいアルカリ性物質(c)は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはこれらのあらゆる混合物である。
【0019】
本発明の特定の一実施形態は、フィルム形成剤(a)として
(a1)水溶性フィルム形成ポリマー、および
(a2)親水コロイド/生体高分子ゴム0.1から20重量%
を含む経口崩壊フィルムを特徴とする。
【0020】
後者について、親水コロイド/生体高分子ゴム(a2)0.1から15重量%、より好ましくは0.3から5重量%、および特に0.5から3重量%を含む経口崩壊フィルムが好ましい。
【0021】
水溶性フィルム形成ポリマー(a1)は、例えばセルロース、セルロースエーテル誘導体、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールコポリマー、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、メタクリル酸ポリマー、メタクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、カルボキシビニルポリマーまたはこれらの混合物である。
【0022】
好ましい水溶性フィルム形成ポリマー(a1)は、セルロース、セルロースエーテル誘導体、ポリアルキレングリコールコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーまたはこれらの混合物である。
【0023】
より好ましい水溶性フィルム形成ポリマー(a1)は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコールまたはこれらの混合物である。特に、水溶性フィルム形成ポリマー(a1)はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0024】
親水コロイド/生体高分子ゴム(a2)は、例えば合成または天然のゴム、カラジーナン、アルギン酸、アルギン酸塩またはこれらの混合物である。
【0025】
好ましくは親水コロイド/生体高分子ゴム(a2)は、キサンタンガム、トラガカントゴム、グアーガム、アカシアゴム、アラビアゴムまたはこれらの混合物である。特に、親水コロイド/生体高分子ゴム(a2)はキサンタンガムである。
【0026】
本発明の経口崩壊フィルム中に存在することができる他の成分は、例えば可塑剤である。可塑剤としては、例えば多価アルコール、例えばグリセロール、ポリエチレングリコール、エチレングリコールまたはプロピレングリコール;脂肪酸、例えばn−オクタン酸またはオレイン酸とのグリセロールモノエステル;ソルビトール、ポリソルベート80[=ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート]、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチルまたはフタル酸ジエチルが考慮される。
【0027】
可塑剤としては、グリセロール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、クエン酸トリエチルまたはこれらのあらゆる混合物が好ましく、特にグリセロールが好ましい。
【0028】
可塑剤は、最終食用フィルム(乾燥質量)の0.1から15、好ましくは1から8、およびさらにより好ましくは1.5から7重量%の範囲の量で典型的には存在する。本発明の特定の一実施形態においては、可塑剤(B)がグリセロールであり、フィルム(乾燥質量)の1から12、好ましくは1から7、およびより好ましくは1.5から6重量%の範囲の量で存在する。
【0029】
さらに、本発明の食用フィルムは、例えば香料、甘味料、酸化防止剤、安定剤、着色剤、可溶化剤または保存料などの当分野において公知の通常の助剤を場合により含む。
【0030】
一般に、頬粘膜に付着する経口崩壊フィルムが好ましい。
【0031】
一般に、消費者の口内で1から10、好ましくは2から6、および特に3から4分以内に完全に崩壊する経口崩壊フィルムが好ましい。
【0032】
「完全に崩壊」とは、患者の口内に巨視的な残留物が残らないことを意味する。実用的な見地から、本発明の経口崩壊フィルムは記載の時間内に口内で完全に溶解するが、ただし厳密に科学的な見地では、明らかに、唾液に対して可溶性でないフィルム成分は溶解せずに固体状態で分散して残存する。
【0033】
本発明による経口崩壊フィルムは、一つ以上の層を有することができ、5から3000、好ましくは10から1000、より好ましくは20から500、および特に30から300マイクロメートルの厚さを典型的には有することができる。別の一実施形態においては、これらのフィルムは5から250マイクロメートルの厚さを有する。
【0034】
本発明による経口崩壊フィルムは、任意の特定の大きさに限定されるものではなく、好ましくはこれらは長方形、正方形または円形であり、特に長方形または正方形であり、典型的には2から20、好ましくは2から12、より好ましくは3から12、および特に4から7平方センチメートルの面積を有し、典型的には長方形または正方形の場合それぞれ0.5から3cmおよび2から20cm、好ましくは1から3cmおよび2から5cmの辺長を有する。特に好ましい寸法の一つは2.2cm×2.2cm(正方形)である。
【0035】
本発明の経口崩壊フィルムの有益な特徴は、例えば以下の試験によって示すことができる。
【0036】
(a)フィルムの崩壊:フィルムの崩壊時間は、例えばインビトロおよび患者の口内の臨床試験で測定される。
【0037】
(b)フィルムの粘膜付着性:フィルムの粘膜付着性は、例えば引張強度試験機を使用して測定される。ブタの切除粘膜上に人工唾液とともにフィルムを適用し、フィルムが粘膜からはがれるまでの引張強度(=mNの単位における剥離のための最大力)が測定される。例えば実施例1のフィルムは、838±119mNの高い粘膜付着力を示し、この値は、アルカリ性物質の炭酸ナトリウムが存在しないことを除けば実施例1と同一である比較例フィルムと同じ粘膜付着力の大きさである。このように、実施例1のフィルム中に追加の炭酸ナトリウムが存在しても、驚くべきことに、この粘膜付着力は低下しない。
【0038】
(c)安定性試験:フィルムの化学的および物理的安定性が、例えば厳密に制御された条件(温度/湿度)下で3か月または1年間の試験において確認される。
【0039】
本発明の経口崩壊フィルムは、例えば以下の実施例において概説されるようなこれ自体公知の様式によって製造することができる。
【0040】
以下の実施例により本発明を説明する。
【実施例1】
【0041】
炭酸ナトリウムおよびクロスカルメロースを含有する経口崩壊フィルム(口腔内のpH調整用)[=炭酸ナトリウムおよび酒石酸ニコチンを含有する2層経口崩壊フィルムの「層1」]
【0042】
【表1】

【0043】
方法:炭酸ナトリウム、アセスルファムKおよびメントールを水中に溶解させる。次にグリセロールおよびエタノールを加える(炭酸ナトリウムが沈殿する。)。強く撹拌しながらHPMC、クロスカルメロースナトリウムおよびキサンタンガムをゆっくりと加える。得られた粘稠混合物が均一になるまでゆっくり撹拌を続ける。この粘稠混合物を均一な厚さの層として板上に広げ、オーブン中で乾燥させる(=「層1」)。
【0044】
口腔内のpH調整用の完成経口崩壊フィルムを得るために、前記「層1」を例えば2cm×3cmの長方形にさらに切断し、得られたものを個別に小袋中に入れる。
【実施例2】
【0045】
酒石酸ニコチン3.067mg(=ニコチン塩基1mg)、炭酸ナトリウムおよびクロスカルメロースナトリウムを含有する2層経口崩壊フィルム
(A)酒石酸ニコチンを含有する(クロスカルメロース含有)フィルム層の作製
【0046】
【表2】

【0047】
方法:酒石酸ニコチン、アセスルファムKおよびメントールを水−エタノール混合物中に溶解させる。次にグリセロールおよび液体ミント香料を加える。強く撹拌しながらHPMC、クロスカルメロースナトリウムおよびキサンタンガムをゆっくりと加える。得られた粘稠混合物が均一になるまでゆっくり撹拌を続ける。この粘稠混合物を均一な厚さの層として板上に広げ、オーブン中で乾燥させる。
【0048】
(A1)酒石酸ニコチンを含有する(クロスカルメロース含有せず)フィルム層の作製:
【0049】
【表3】

【0050】
方法:酒石酸ニコチン、アセスルファムKおよびメントールを水−エタノール混合物中に溶解させる。次にグリセロールおよび液体ミント香料を加える。強く撹拌しながらHPMCおよびキサンタンガムをゆっくりと加える。得られた粘稠混合物が均一になるまでゆっくり撹拌を続ける。この粘稠混合物を均一な厚さの層として板上に広げ、オーブン中で乾燥させる。
【0051】
(B)「層1」(実施例1参照)と層(A)または(A1)のそれぞれとの組み合わせ:最初に「層1」にエタノールスプレーを噴霧し、次に「層1」に対して層(A)[または別々に(A1)]を弱い圧力で押し付けることによって、両方の層を組み合わせる。得られた二重層を乾燥させて、規定の大きさ(例えば2cm×3cmの長方形)の2層経口崩壊フィルムに切断し、得られたものを個別に小袋中に入れる。
【実施例3】
【0052】
炭酸ナトリウムおよびコーンスターチを含有する経口崩壊フィルム(口腔内のpH調整用)
【0053】
【表4】

【0054】
方法:炭酸ナトリウム、アセスルファムKおよびメントールを水中に溶解させる。グリセロール、液体ミント香料およびエタノールを加える(炭酸ナトリウムが沈殿する。)。強く撹拌しながらHPMC、コーンスターチおよびキサンタンガムをゆっくりと加える。得られた粘稠混合物が均一になるまでゆっくり撹拌を続ける。この粘稠混合物を均一な厚さの層として板上に広げ、オーブン中で乾燥させる。最後に、前記層を例えば2cm×3cmの長方形に切断し、得られたものを個別に小袋中に入れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)フィルム形成剤、
(b)クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチまたはこれらの混合物からなる群より選択されるポリマー、および
(c)アルカリ性物質
を含む層を含む、経口崩壊フィルム。
【請求項2】
(d)薬学的活性物質をさらに含む、請求項1に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項3】
薬学的活性物質(d)は、アルカリ性物質(c)と化学反応する傾向にあり、そのため前記経口崩壊フィルム内で後者から分離され、これによって経口投与前のあらゆる時期尚早の化学反応が回避される、請求項2に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項4】
フィルム形成剤(a)が、セルロース、セルロースエーテル誘導体、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールコポリマー、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、メタクリル酸ポリマー、メタクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、カルボキシビニルポリマー、加工デンプン、アミロース、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質分離物、乳清タンパク質分離物、カゼイン、合成または天然のゴム、カラジーナン、アルギン酸、アルギン酸塩、およびこれらのあらゆる混合物からなる群より選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項5】
ポリマー(b)がクロスカルメロースナトリウムである、請求項1から4のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項6】
アルカリ性物質(c)が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはこれらのあらゆる混合物からなる群より選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項7】
薬学的活性物質(d)がニコチン活性物質である、請求項2から6のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項8】
フィルム形成剤(a)として、
(a1)水溶性フィルム形成ポリマー、および
(a2)親水コロイド/生体高分子ゴム0.1から20重量%
を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項9】
親水コロイド/生体高分子ゴム(a2)0.3から5重量%を含む、請求項8に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項10】
頬粘膜に付着する、請求項1から9のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項11】
消費者の口内で1から10分以内に完全に崩壊する、請求項1から10のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項12】
5から250マイクロメートルの厚さを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項13】
薬学的活性物質(a)がニコチン活性物質である、請求項8から12のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項14】
前記ニコチン活性物質がニコチン塩である、請求項13に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項15】
前記ニコチン塩が酒石酸ニコチンである、請求項14に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項16】
水溶性フィルム形成ポリマー(a1)が、セルロース、セルロースエーテル誘導体、ポリアルキレングリコールコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーおよびこれらのあらゆる混合物からなる群より選択される、請求項8から15のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項17】
水溶性フィルム形成ポリマー(a1)がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項8から15のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項18】
親水コロイド/生体高分子ゴム(a2)が、合成または天然のゴム、カラジーナン、アルギン酸、アルギン酸塩およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項8から17のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。
【請求項19】
親水コロイド/生体高分子ゴム(a2)がキサンタンガムである、請求項8から17のいずれか一項に記載の経口崩壊フィルム。

【公表番号】特表2010−520287(P2010−520287A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552732(P2009−552732)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/002985
【国際公開番号】WO2008/112124
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】