説明

給水装置の制御装置、及び制御装置構成方法

【課題】制御部を構成する制御基板の能力を無駄にすることなく、低コストの給水装置の制御装置、及び制御装置構成方法を提供すること。
【解決手段】複数台のポンプ、該複数台のポンプを制御する制御部を具備し、1台のポンプを制御するのにセンサ入力と出力信号を必要とする給水装置の制御装置であって、制御部をポンプの台数に応じて、奇数台のポンプを制御する奇数台用制御基板又はその組合せ、又は偶数台のポンプを制御する偶数台用制御基板又はその組合せ、又は奇数台用制御基板と偶数台用制御基板の組合せで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台のポンプを具備する給水装置の制御装置、特に1台のポンプを制御するため複数個のセンサ入力と複数個の信号出力が必要な場合における制御装置、制御装置構成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来のこの種の給水装置の制御装置の構成例を示す図である。図示するように、本給水装置は、No.1〜No.8の8台のポンプ10を具備し、それぞれのポンプ10をインバータ11で駆動するようになっている。各インバータ11には漏電ブレーカ12及び電磁開閉器13を通して電源端子14から電源が供給されるようになっている。各インバータ11と制御部20の間は通信線21を介して信号が送受されるようになっている。制御部20はNo.1〜No.8の8台のポンプ10を制御できる8台用制御基板22で構成され、圧力センサ23で検出された吐出圧力信号SP、No.1〜No.8のフロースイッチ24で検出された各ポンプ10の吐出流量信号SF、及びNo.1〜No.8の漏電ブレーカ12からの信号SELBが入力されるようになっている。
【0003】
図2は、従来のこの種の給水装置の制御装置の構成例を示す図である。図示するように、本給水装置は、No.1、No.2の2台のポンプ10を具備し、制御部20は8台のポンプ10を制御できる8台用制御基板22で構成され、圧力センサ23で検出された吐出圧力信号SP、No.1、No.2のフロースイッチ24で検出された各ポンプ10の吐出流量信号SF、及びNo.1、No.2の漏電ブレーカ12からの信号SELBが入力されるようになっている。
【0004】
図3は、従来のこの種の給水装置の制御装置の構成例を示す図である。図示するように、本給水装置は、No.1〜No.3の3台のポンプ10を具備し、制御部20は2台のポンプ10を制御できる2台用制御基板25−1、25−2を2個で構成し、圧力センサ23で検出された吐出圧力信号SP、No.1〜No.3のフロースイッチ24で検出された各ポンプ10の吐出流量信号SF、及びNo.1〜No.3の漏電ブレーカ12からの信号SELBが入力されるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1に示す従来の給水装置の制御装置の構成では制御部20は8台のポンプ10を8台用制御基板22で構成されいるから、8台用制御基板22の能力は充分に発揮され無駄がないが、図2に示す給水装置の制御装置の構成では2台のポンプ10を制御するのに、8台のポンプ10を制御できる8台用制御基板22で制御部20を構成しているから、6台分の入力・出力部を使用しないことになり無駄が多く、その分コストが高くなる。また、図3に示す給水装置の制御装置の構成では3台のポンプ10を制御するのに、2台のポンプ10を制御できる2台用制御基板25−1を2個で制御部20を構成しているから、1台分の入力・出力部を使用しないことになり無駄があり、その分コストが高くなる。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、制御部を構成する制御基板の能力を無駄にすることなく、低コストの給水装置の制御装置、及び制御装置構成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、複数台のポンプ、該複数台のポンプを制御する制御部を具備し、1台のポンプを制御するのにセンサ入力と出力信号を必要とする給水装置の制御装置であって、前記制御部を前記ポンプの台数に応じて、奇数台のポンプを制御する奇数台用制御基板又はその組合せ、又は偶数台のポンプを制御する偶数台用制御基板又はその組合せ、又は前記奇数台用制御基板と前記偶数台用制御基板の組合せで構成することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給水装置の制御装置において、前記奇数台用制御基板は3台のポンプを制御する3台用制御基板であり、前記偶数台用制御基板は2台のポンプを制御する2台用制御基板であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、複数台のポンプ、該複数台のポンプを制御する制御部を具備し、1台のポンプを制御するのにセンサ入力と出力信号を必要とする給水装置の制御装置構成方法であって、奇数台のポンプを制御する奇数台用制御基板と、偶数台のポンプを制御する偶数台用制御基板を用意し、前記制御部を前記ポンプの台数に応じて、前記奇数台用制御基板と前記偶数台用制御基板の中から選択し、該選択した制御基板を組合せて構成することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の給水装置の制御装置構成方法において、前記奇数台用制御基板は3台のポンプを制御する3台用制御基板であり、前記偶数台用制御基板は2台のポンプを制御する2台用制御基板であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1及び2に記載の発明によれば、制御部をポンプの台数に応じて、奇数台のポンプを制御する奇数台用制御基板又はその組合せ、又は偶数台のポンプを制御する偶数台用制御基板又はその組合せ、又は奇数台用制御基板と偶数台用制御基板の組合せで構成するので、各制御基板の能力を充分に発揮できるように、制御部を構成できるから、低コストで複数台のポンプを制御できる給水装置の制御装置を提供できる。
【0012】
請求項3及び4に記載の発明によれば、奇数台のポンプを制御する奇数台用制御基板と、偶数台のポンプを制御する偶数台用制御基板を用意し、制御部をポンプの台数に応じて、各制御基板の能力を充分に発揮できるように、奇数台用制御基板と偶数台用の制御基板の中から選択して構成するので、低コストで複数台のポンプを制御できる給水装置の制御装置構成方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の実施の形態例を図面に基いて説明する。図4は本発明に係る給水装置の構成例を示す図である。図示するように、本給水装置は、No.1〜No.5の5台のポンプ10を具備し、それぞれのポンプ10をインバータ11で駆動するようになっている。各インバータ11には漏電ブレーカ12及び電磁開閉器13を通して電源端子14から電源が供給されるようになっている。制御部20は2台のポンプ10を制御できる2台用制御基板31と3台のポンプ10を制御できる3台用制御基板32を組合せて構成されている。
【0014】
No.1及びNo.2のポンプ10、10をそれぞれ駆動するインバータ11、11は通信線21−1を介して2台用制御基板31の間で信号が送受されるようになっており、No.3〜No.5のポンプ10、10、10をそれぞれ駆動するインバータ11、11、11は通信線21−2を介して3台用制御基板32の間で信号が送受されるようになっている。2台用制御基板31には、圧力センサ23で検出された吐出圧力信号SP、No.1、No.2のフロースイッチ24で検出されたNo.1、No.2の各ポンプ10の吐出流量信号SF、及びNo.1、No.2の各漏電ブレーカ12からの信号SELBが入力されるようになっている。また、3台用制御基板32には、圧力センサ23で検出された吐出圧力信号SP、No.3〜No.5のフロースイッチ24で検出されたNo.3〜No.5の各ポンプ10の吐出流量信号SF、及びNo.1〜No.3の漏電ブレーカ12、12、12からの各信号SELBが入力されるようになっている。
【0015】
上記のように、2台用制御基板31、3台用制御基板32を用意しておき、給水装置が備えるポンプ10の台数に応じて、該2台用制御基板31及び3台用制御基板32の中から、制御部20が当該給水装置が備えるポンプ10を運転するのに必要で且つ充分な能力を備える制御基板を選択し、該選択した制御基板を組合せて制御部20を構成することにより、制御基板が有する能力を無駄なく利用することができ、低コストの給水装置の制御装置が実現できる。
【0016】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、制御基板を2台のポンプを制御できる2台用制御基板と3台のポンプを制御できる3台用制御基板を用い、給水装置のポンプ台数に応じて選択し、組合せて制御部を構成する例を示したが、これに限定されるものではなく、偶数台のポンプを制御できる偶数台用制御基板と奇数台のポンプを制御できる奇数台用制御基板を用意し、給水装置のポンプ台数に応じて各制御基板が有する能力を無駄なく充分発揮できるように選択し、組合せて制御部を構成してもよい。
【0017】
また、図5に示すように、2台用(又は偶数台用)制御基板31と3台用(又は奇数台用)制御基板32を備え、どちらか一方、例えば2台用(又は偶数台用)制御基板31を
親基板として全ポンプ10の制御を行い、他方の3台用(又は奇数台用)制御基板32を子基板として入力・出力部だけの機能に限定した使い方にしてもよい。この時、親基板と子基板を互いに通信線21を介して監視していれば、子基板を親基板のバックアップ用として使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来のこの種の給水装置の制御装置の構成例を示す図である。
【図2】従来のこの種の給水装置の制御装置の構成例を示す図である。
【図3】従来のこの種の給水装置の制御装置の構成例を示す図である。
【図4】本発明に係る給水装置の制御装置の構成例を示す図である。
【図5】本発明に係る給水装置の制御装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
10 ポンプ
11 インバータ
12 漏電ブレーカ
13 電磁開閉器
14 電源端子
20 制御部
21 通信線
23 圧力センサ
24 フロースイッチ
31 2台用制御基板
32 3台用制御基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台のポンプ、該複数台のポンプを制御する制御部を具備し、1台のポンプを制御するのにセンサ入力と出力信号を必要とする給水装置の制御装置であって、
前記制御部を前記ポンプの台数に応じて、奇数台のポンプを制御する奇数台用制御基板又はその組合せ、又は偶数台のポンプを制御する偶数台用制御基板又はその組合せ、又は前記奇数台用制御基板と前記偶数台用制御基板の組合せで構成することを特徴とする給水装置の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給水装置の制御装置において、
前記奇数台用制御基板は3台のポンプを制御する3台用制御基板であり、前記偶数台用制御基板は2台のポンプを制御する2台用制御基板であることを特徴とする給水装置の制御装置。
【請求項3】
複数台のポンプ、該複数台のポンプを制御する制御部を具備し、1台のポンプを制御するのにセンサ入力と出力信号を必要とする給水装置の制御装置構成方法であって、
奇数台のポンプを制御する奇数台用制御基板と、偶数台のポンプを制御する偶数台用制御基板を用意し、
前記制御部を前記ポンプの台数に応じて、前記奇数台用制御基板と前記偶数台用制御基板の中から選択し、該選択した制御基板を組合せて構成することを特徴とする給水装置の制御装置構成方法。
【請求項4】
請求項3に記載の給水装置の制御装置構成方法において、
前記奇数台用制御基板は3台のポンプを制御する3台用制御基板であり、前記偶数台用制御基板は2台のポンプを制御する2台用制御基板であることを特徴とする給水装置の制御装置構成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−97662(P2006−97662A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288123(P2004−288123)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【出願人】(000140111)株式会社荏原電産 (51)
【Fターム(参考)】