説明

給湯装置

【課題】器体のコンパクト化を図りキッチンユニット内の空間への設置性を向上させた給湯装置を提供することを目的とする。
【解決手段】器体4と、水を収容する加熱容器5と、その蓋体32と、加熱手段6と、加熱容器への給水制御する給水弁9と、加熱容器5の湯を器体外へ吐出する吐出ユニット21と、加熱容器内の湯を輸送する導出手段26とを備え、蓋体32は、その内部に、給水を一時的に貯め、徐々に加熱容器5内に投入する給水バッファ37の水受け部33を形成した。これによって、給水バッファ37を独立して加熱容器5内に配するための余分なスペースなどが不要となり、加熱容器5の大きさを必要最低限にすることができ、その結果、器体4がコンパクトになりキッチンユニット内の空間への設置性が向上するのである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭の台所や業務用の厨房などで使用される、水道管に接続された給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の給湯装置は、キッチンユニット内に組み込まれた加熱容器内に、水道からの水を供給し、加熱容器の底部に取付けられた加熱手段によって加熱容器内の水を加熱・保温して、必要な時にキッチンユニット上部に設けられた水栓の操作によって加熱容器内の湯を、内蔵されたポンプよりなる導出手段によって汲み上げて使用するものである。そして、給水中も高温の湯が取り出せるよう、給水は加熱容器内に設けられた給水皿(給水バッファ)に一旦、貯えられ、給水皿底面に設けられた滴下パイプによって加熱容器底部近傍に導水される。導出手段の取水口は、一度の給水により加熱容器の底部近傍に滞留する水の上限位置より上方に設置されており、温度の上昇していない給水を直接吸い込まないようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−195652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、加熱容器内に給水皿を設けるためのスペースが必要で、その分、加熱容器が大型化し、結果として器体が大きくなってしまう。そのため、キッチンユニット内に設置しようとする際に、例えば、前後にスライドする収納用の引き出しを有するキッチンユニットの場合、器体が設置できるのはキッチンユニット内の奥側の壁面と引き出しの後ろ側との隙間であり、この限られた空間に器体を設置できないといった事態が発生する。このため、改造して設置する必要が生じたり、時には設置できないために機器の販売機会の損失を招いてしまったりするといった問題があった。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、器体のコンパクト化を図りキッチンユニット内の空間への設置性を向上させた給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の給湯装置は、器体と、器体内に装備され水を収容する加熱容器と、加熱容器の開口部を覆う蓋体と、加熱容器の底部に配され加熱容器内の水を加熱する加熱手段と、水道管から加熱容器への給水経路に設けられ、加熱容器への給水を制御する給水弁と、加熱手段で加熱した湯を器体外へ吐出する出湯口を有する吐出ユニットと、加熱容器と出湯口とを連通する出湯経路と、加熱容器内の湯を、出湯経路を介して出湯口に輸送する導出手段とを備え、前記蓋体は、その内部に、給水弁からの給水を一時的に貯め、徐々に加熱容器内に水を投入するための給水バッファの水受け部を形成したものである。これによって、蓋体の内部に給水バッファの水受け部を形成するため、給水バッファを独立して加熱容器内に配するための余分なスペース、例えば、蓋体を器本に取付ける際に給水バッファとの干渉を避けるための隙間を設けることなどが不要となり、加熱容器の大きさを必要最低限にすることができ、その結果、器体がコンパクトになりキッチンユニット内の空間への設置性が向上するのである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の給湯装置は、器体のコンパクト化を図りキッチンユニット内の空間への設置性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第1の発明は、器体と、器体内に装備され水を収容する加熱容器と、加熱容器の開口部を覆う蓋体と、加熱容器の底部に配され加熱容器内の水を加熱する加熱手段と、水道管から加熱容器への給水経路に設けられ、加熱容器への給水を制御する給水弁と、加熱手段で加熱した湯を器体外へ吐出する出湯口を有する吐出ユニットと、加熱容器と出湯口とを連通する出湯経路と、加熱容器内の湯を、出湯経路を介して出湯口に輸送する導出手段とを備え、前記蓋体は、その内部に、給水弁からの給水を一時的に貯め、徐々に加熱容器内に水を投入するための給水バッファの水受け部を形成した給湯装置としたものである。これによって、蓋体の内部に給水バッファの水受け部を形成するため、給水バッファを独立して加熱容器内に配するための余分なスペース、例えば、蓋体を器本に取付ける際に給水バッファとの干渉を避けるための隙間を設けることなどが不要となり、加熱容器の大きさを必要最低限にすることができ、その結果、器体がコンパクトになりキッチンユニット内の空間への設置性が向上するのである。
【0008】
第2の発明は、特に、第1の発明において、加熱容器の内側に突出して配された前記加熱容器への給水口の下側に、給水バッファの水受け部の一部を潜り込ませ、給水口の一部と水受け部の一部とが、鉛直上方から見てオーバーラップした状態に配置したことにより、給水口から水受け部に給水する際に、給水が水受け部から溢れて加熱容器内に直接投入されて加熱容器内の湯と混ざり、その温度が低下するのを防止できるので、第1の発明の効果に加えて、加熱容器への給水中も高温の湯が取り出せる給湯装置の利点を確実に発揮できるのである。
【0009】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、水受け部を合成樹脂により形成したことにより、射出成形などの加工法で製造する際に、水受け部の形状の自由度が高いので、蓋体内の空間を有効に活用でき、加熱容器並びに器体を小型化するのに更に有利となる。
【0010】
第4の発明は、特に、第1または第2の発明において、水受け部をステンレスにより形成したことにより、耐食性や強度を保ちつつ、水受け部を薄肉化できるので、その分、蓋体の下面を上方に位置させることができ、結果として加熱容器並びに器体を小型化することができる。
【0011】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、蓋体内でかつ給水バッファの水受け部の上方に断熱層を形成したことにより、水受け部の遮蔽効果により断熱層への蒸気が直接当るのを防げるので、蒸気による断熱層へのダメージを軽減しながら、加熱容器全体の保温性能を高めることができ、第1の発明の効果に加えて、省エネ性能の長期的な維持も図れる。
【0012】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、給水バッファの水受け部の上方に、加熱容器内の湯沸かしによる蒸気を排出するための、器体外に連通する蒸気吸入口を配したことにより、水受け部が蒸気の流れの障壁となるので、蒸気が器体外に出にくくすることができ、第1の発明の効果に加えて、キッチンユニット内に湿気が充満するのを軽減できる。
【0013】
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明において、給水弁を器体内に配したことにより、給水弁から水受け部への給水口に至る経路を短くできるとともに、万が一、給水弁の接続部などから水漏れが発生しても、僅かな水漏れであれば器体内に貯めることができ、第1の発明の効果に加えて、構造の簡素化および信頼性の向上が図れる。
【0014】
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明において、水道管から供給される水道水を浄化する水質浄化手段を、器体内の加熱容器下方に配したことにより、加熱容器内の高温湯の影響をなくして浄水の温度上昇が低減でき、第1の発明の効果に加えて、加熱せずに利用する浄水が温かくなってしまい、飲用に際しての清涼感が阻害されるといったことをなくすことができる。
【0015】
第9の発明は、特に、第1〜第8のいずれか1つの発明において、器体の底部内面への水の堆積を検知する漏水検知手段を配したことにより、給水弁や水質浄化手段といった配管経路中に配設する部品の、各々の接続部などからの、万が一の水漏れなどを漏水検知手段で一括して検知できるので、漏水検知手段の数を最小限にすることができ、第1の発明の効果に加えて、構成を簡素化しつつ、信頼性を向上できる。
【0016】
第10の発明は、特に、第1〜第9のいずれか1つの発明において、蓋体の上面に開口部を形成し、開口部を一端として加熱容器内に連通する経路を設け、その他端の開口を加熱容器内の液面上方に臨む位置に配し、蓋体の上面の開口部に第2の蓋体を開閉自在に配したことにより、第2の蓋体を開けて、蓋体上面の開口部から、例えば、クエン酸の水溶液などの洗浄剤を投入することで、洗浄剤を加熱容器に到達させることができ、第1の発明の効果に加えて、加熱容器内の手入れを簡便に行なうことができる。
【0017】
第11の発明は、特に、第10の発明において、他端の開口が給水バッファの水受け部の液面上方に臨む位置に配したことにより、蓋体上面の開口部から、洗浄剤を投入することで、洗浄剤が先ず水受け部に投入され、続いて水受け部から加熱容器の底部までの通常の給水経路を経て、洗浄剤は最終的には加熱容器内に到達するので、第1および第10の発明の効果に加えて、水受け部の洗浄も用意に行なうことができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における給湯装置をキッチンユニットに組込んだ状態を示している。
【0020】
キッチンユニット1内に配された水道管2は、チーズ3によって分岐されている。給湯装置の器体4の内部には水道水を収容して加熱する加熱容器5が装備されている。加熱容器5の底部には、収容した水道水を加熱するための加熱手段6および加熱容器5内の水温を検知するための温度検知手段である湯温センサ7が取付けられており、制御回路8によって湯温センサ7からの温度情報を取り込んで加熱手段6をON−OFF制御することによって湯沸かしおよび所定の水温での保温を行なう。
【0021】
加熱容器5への給水の制御は給水弁9によって行なわれ、給水弁9から加熱容器5内部への給水口10に至る第1の給水経路11の途中には、水道水を浄化する着脱式の水質浄化手段12(浄水カートリッジ)が配されており、水質浄化手段12の通水部には活性炭13や中空糸膜14といった濾材が装填されている。水質浄化手段12は可動式の固定部材15によりその所定の取付け位置で固定されている。水質浄化手段12が所定の位置に固定された状態で、その外郭に形成された突起16は水質浄化手段有無検知用のスイッチ17のアクチュエータを押圧し、スイッチ17をON状態にしている。このスイッチ17がOFF状態の時は、水質浄化手段12が所定の位置に固定されていないと判断して機器の運転は開始されず、また運転の途中であればそれを停止させる。
【0022】
給水経路11の途中には、通過する水の量を計量する流量計18が配されており、後述する給水の制御のための計量を行なう。流量計18と給水口10との間には、分岐部が設けられ、一方は第2の給水経路19を介して給水口10へ、他方は出水経路20を介して、キッチンユニット1上面に設置された吐出ユニット21の出水口22に接続されている。分岐部には切替え弁23が配されおり、切替え弁23の切替え動作により第1の給水経路11から切替え弁23、第2の給水経路19を経て給水口10に至る経路と、第1の給水経路11から切替え弁23、出水経路20を経て吐出ユニット21の出水口22に至る経路とが択一的に選択される。
【0023】
加熱容器5と、吐出ユニット21に配された出湯口24とを連通する出湯経路25の途中には、加熱容器5内の湯を導出する電動式のポンプである導出手段26が配されており、その吸込み管27は、加熱容器5の内面底部において上方に伸長している。
【0024】
吐出ユニット21には、出水スイッチ28および出湯スイッチ29が配されており、出水スイッチ28の押圧操作時には、切替え弁23を切替えて、第1の給水経路11と出水経路20を連通状態にした後、給水弁9を開き、水道圧により水道水を圧送する。その結果、水道水は出水口22より器体4外に導出されるが、この時、水道水は水質浄化手段12内を通過するので、浄化された水を利用できるのである。
【0025】
出湯スイッチ29の押圧操作時には、導出手段26を運転して吸込み管27より加熱容器5内の湯を吸い込んで、出湯経路25に圧送し、その結果、湯は出湯口24より器体外に導出され、これを利用できるのである。
【0026】
加熱容器5内の水位の検知は、その側面に取付けられた水位検知手段30で行なわれる。水位検知手段30は導電性材質からなるコモン電極棒31をはじめとする複数の電極棒を有しており、加熱容器5内の水面の昇降によって、コモン電極棒31と水を介して電気的な接続の有無、つまりコモン電極棒31と各電極棒間に流れる電流の変化を制御回路で判断することによって水位を検知する。
【0027】
加熱容器5の上部の開口部は蓋体32で覆われており、蓋体32の下部には有底状の空洞を有する水受け部33が形成されており、蓋体32の側面は、給水口10に相対するよう構成されている。
【0028】
給水弁9の開放により圧送された水道水は給水口10より水受け部33に給水される。この時、第1の給水経路11の途中に配された流量計18によって経路を通過する水量が計量される位置に受水用の開口34が形成されている。水受け部33の下面には小孔35が形成され、加熱容器5底部近傍まで伸長する滴下パイプ36が接続されており、この水受け部33と滴下パイプ36とにより、加熱容器5内に水を徐々に投入するための給水バッファ37が構成され、水受け部33の容量を超えない所定量の水が通過した時点で、給水弁9を閉止する。
【0029】
ここで、計量された水が、1回の給水で加熱容器5内に投入される量で、この水は滴下パイプ36を通して加熱容器5の底部に徐々に投入され、加熱容器5底部に滞留する。この滞留した水を加熱手段6により、加熱容器5内に既に貯えられている湯と同等の温度にまで加熱するのである。
【0030】
導出手段26の吸込み管27の上端にある開口38の位置は、1回の給水で加熱容器5底部に滞留する水の層の上端位置よりも高い位置に配されているので、出湯時に導出手段26を運転して加熱容器5内の湯を吸込む際に、冷たい水を一緒に吸い込むことがないので、器体4外に導出する湯の温度が下がることはないのである。
【0031】
ここで、給水バッファ37の水受け部33を蓋体32内部に形成したことにより、給水バッファ37を独立して加熱容器5内に配した場合に生じる余分なスペース、例えば、蓋体32を器体4に取付ける際に、給水バッファ37との干渉を避けるための隙間を設けることなどが不要となり、加熱容器5の大きさを必要最低限にすることができ、その結果、器体4がコンパクトになりキッチンユニット内の空間への設置性が向上するのである。また、コンパクト化することにより、削減した分を利用して使い勝手や信頼性を高める機能の拡充に充てることができるのである。
【0032】
また、加熱容器5の内側に突出して配された給水口10の下側に水受け部33の一部を潜り込ませて庇部39を形成し、給水口10の一部と庇部39とが、鉛直上方から見てオーバーラップした状態に配置してあり、これにより給水口10から水受け部33に給水する際に、給水が水受け部33から溢れて加熱容器5内に直接投入されて加熱容器5内の湯と混ざり、その温度が低下するのを防止できるので、加熱容器5への給水中も高温の湯が取り出せる給湯装置の利点を確実に発揮できるのである。
【0033】
また、水受け部33の材質は合成樹脂で形成してあり、これにより、射出成形などの加工法で製造する際に、水受け部33の形状の自由度が高いので、蓋体32内の空間を有効に活用でき、加熱容器5並びに器体4を小型化するのに更に有利となる。
【0034】
また、水受け部33をステンレスにより形成した場合も、耐食性や強度を保ちつつ、水受け部33を薄肉化できるので、その分、蓋体32の下面を上方に位置させることができ、結果として加熱容器5並びに器体4を小型化することができる。
【0035】
また、蓋体32内の上部には、断熱材40が内包されて、断熱層41が形成されており、水受け部33の遮蔽効果により断熱層41への蒸気が直接当るのを防げるので、蒸気による断熱層41へのダメージを軽減しながら、加熱容器5全体の保温性能を高めることができ、省エネ性能の長期的な維持も図れる。
【0036】
また、水受け部33上方には、加熱容器5内での湯沸かしによる蒸気を排出するために、器体4外に連通する蒸気吸入口42が形成されており、発生した蒸気は、蒸気吸入口42から蒸気排出経路43を経て蒸気排出口44より排出される。ここで、水受け部33上方に、蒸気吸入口42を配したことにより、水受け部33が蒸気の流れの障壁となるので、蒸気が器体4外に出にくくすることができ、キッチンユニット1内に湿気が充満するのを軽減できる。
【0037】
また、ここで給水弁9は器体4の内部に配されているので、給水弁9から給水口10に至る経路を短くできるとともに、万が一、給水弁9の接続部などから水漏れが発生しても、僅かな水漏れであれば器体4内に貯めることができ、構造の簡素化および信頼性の向上が図れる。
【0038】
また、水道管2から供給される水道水を浄化する水質浄化手段12は加熱容器5の下方に配してあり、これにより水道水を加熱せずに浄水として利用する際に、加熱容器5内の高温湯からの熱的影響をなくして浄水の温度上昇を低減でき、加熱せずに利用する浄水が温かくなってしまい、飲用に際しての清涼感が阻害されるといったことをなくすことができる。
【0039】
また、器体4の底面近傍には導電性材料から成る一対の端子45で構成される漏水検知手段46が配されており、この一対の端子45の間には微小電圧が印加されており、この端子45同士が水によって短絡した場合に微弱電流が流れるので、これを検出することによって漏水を発見できる。器体4の低部は傾斜面47が形成されており、その傾斜は漏水検知手段46の端子45の近傍が最も低い位置になるように形成されている。これによって少量の水でも電極近傍に集まるので、早期の漏水検知ができる。
【0040】
このように、器体4底部内面への水の堆積を検知する漏水検知手段46を配したことにより、給水弁9や水質浄化手段12といった配管経路中に配設する部品の、各々の接続部などからの、万が一の水漏れなどを1つの漏水検知手段46で一括して検知できるので、検知手段の数を最小限にすることができ、構成を簡素化しつつ信頼性を向上できる。
【0041】
(実施の形態2)
図2、図3は、本発明の実施の形態2における給湯装置の要部構成を示している。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0042】
本実施の形態における給湯装置は、蓋体50の上面には第1の開口部51が形成されており、第1の開口部51を一端として、加熱容器5内に連通する誘導経路52が形成されている。誘導経路52における他端の第2の開口部53は、加熱容器5内の液面上方に臨む位置に配されており、第1の開口部51には第2の蓋体54を開閉自在に取付けてある。
【0043】
この構成により、第2の蓋体54を開けて、第1の開口部51から、例えば、クエン酸の水溶液などの洗浄剤55を投入することができる。
【0044】
このように、本実施の形態では、洗浄剤55を加熱容器5に到達させることができ、実施の形態1の効果に加えて、加熱容器5内の手入れを簡便に行なうことができる。
【0045】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における給湯装置の要部構成を示している。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
本実施の形態における給湯装置は、第2の開口部56は給水バッファ37の水受け部33の液面上方に臨む位置に配されている。
【0047】
これにより、第1の開口部57から、洗浄剤55を投入することで、洗浄剤55が先ず水受け部33に投入され、続いて水受け部33から加熱容器5底部までの通常の給水経路を経て、最終的には加熱容器5内に到達する。
【0048】
このように、本実施の形態では、洗浄剤55を投入することで、実施の形態1の効果に加えて、水受け部33の洗浄も用意に行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明にかかる給湯装置は、器体のコンパクト化を図りキッチンユニット内の空間への設置性を向上することができるので、据え置き型の給湯装置、あるいは、その他の建造物などに組み込むような給湯装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1における給湯装置の断面図
【図2】本発明の実施の形態2における給湯装置の要部を示す断面図
【図3】同給湯装置の洗浄状態を示す要部の断面図
【図4】本発明の実施の形態3における給湯装置の洗浄状態を示す要部の断面図
【符号の説明】
【0051】
2 水道管
4 器体
5 加熱容器
9 給水弁
10 給水口
12 水質浄化手段
21 吐出ユニット
24 出湯口
25 出湯経路
26 導出手段
32、50 蓋体
33 水受け部
37 給水バッファ
41 断熱層
42 蒸気吸入口
46 漏水検知手段
51 第1の開口部
52 誘導経路
53、56 第2の開口部
54 第2の蓋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器体と、器体内に装備され水を収容する加熱容器と、加熱容器の開口部を覆う蓋体と、加熱容器の底部に配され加熱容器内の水を加熱する加熱手段と、水道管から加熱容器への給水経路に設けられ、加熱容器への給水を制御する給水弁と、加熱手段で加熱した湯を器体外へ吐出する出湯口を有する吐出ユニットと、加熱容器と出湯口とを連通する出湯経路と、加熱容器内の湯を、出湯経路を介して出湯口に輸送する導出手段とを備え、前記蓋体は、その内部に、給水弁からの給水を一時的に貯め、徐々に加熱容器内に水を投入するための給水バッファの水受け部を形成した給湯装置。
【請求項2】
加熱容器の内側に突出して配された前記加熱容器への給水口の下側に、給水バッファの水受け部の一部を潜り込ませ、給水口の一部と水受け部の一部とが、鉛直上方から見てオーバーラップした状態に配置した請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
水受け部を合成樹脂により形成した請求項1または2に記載の給湯装置。
【請求項4】
水受け部をステンレスにより形成した請求項1または2に記載の給湯装置。
【請求項5】
蓋体内でかつ給水バッファの水受け部の上方に断熱層を形成した請求項1〜4のいずれか1項に記載の給湯装置。
【請求項6】
給水バッファの水受け部の上方に、加熱容器内の湯沸かしによる蒸気を排出するための、器体外に連通する蒸気吸入口を配した請求項1〜5のいずれか1項に記載の給湯装置。
【請求項7】
給水弁を器体内に配した請求項1〜6のいずれか1項に記載の給湯装置。
【請求項8】
水道管から供給される水道水を浄化する水質浄化手段を、器体内の加熱容器下方に配した請求項1〜7のいずれか1項に記載の給湯装置。
【請求項9】
器体の底部内面への水の堆積を検知する漏水検知手段を配した請求項1〜8のいずれか1項に記載の給湯装置。
【請求項10】
蓋体の上面に開口部を形成し、開口部を一端として加熱容器内に連通する経路を設け、その他端の開口を加熱容器内の液面上方に臨む位置に配し、蓋体の上面の開口部に第2の蓋体を開閉自在に配した請求項1〜9のいずれか1項に記載の給湯装置。
【請求項11】
他端の開口が給水バッファの水受け部の液面上方に臨む位置に配した請求項10に記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−308216(P2006−308216A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−131969(P2005−131969)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】