統合医薬注入/検体モニタリングシステムを提供するための方法及びシステム
【課題】インスリン注入ポンプのような注入デバイスの機能と連続糖モニタリングシステムのような検体モニタリングシステムの機能が複合されている統合システムを提供する。
【解決手段】
第1のチューブチャネルを有する第1のチューブ、及び、第2のチューブチャネルを有する第2のチューブであって、第2のチューブチャネル内に配置された複数の電極を有する第2のチューブを有し、第1のチューブの少なくとも一部分及び第2のチューブの少なくとも一部分が皮膚層下の皮下組織に配置される。
【解決手段】
第1のチューブチャネルを有する第1のチューブ、及び、第2のチューブチャネルを有する第2のチューブであって、第2のチューブチャネル内に配置された複数の電極を有する第2のチューブを有し、第1のチューブの少なくとも一部分及び第2のチューブの少なくとも一部分が皮膚層下の皮下組織に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は注入システムと検体モニタリングシステムを統合するための方法及びシステムに関する。さらに詳しくは、本発明はインスリン注入デバイスを連続検体モニタリングシステムと統合するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
I型糖尿病患者には、生理学的状態を維持するために、定期的にインスリンが投与されなければならない。一般に、これらの患者は日々、食前に、及び/または、例えばフィンガースティック検査を用いる血糖レベル検査にしたがう適切な時間に、例えば、ニードルタイプの注射器を用いて適量の速効性または遅効性のインスリンを投与する。インスリンが適切に投与されないと、糖尿病患者は身体への致命的な傷害には至らないにしても重大な危険にさらされる。
【0003】
近年の外部注入ポンプ療法における継続的な開発及び改善には、とりわけ、より優れたインスリンの摂取の定期化及び摂取量の制御による糖尿病の改善された管理のため、糖尿病患者はかなりの関心を寄せてきた。一般に、患者には、外部ポンプに取り付けられた注入チューブに接続されたカニューレが挿入され、あらかじめプログラムされた基礎プロフィールに基づいてインスリンが投与される。さらに、現在利用できる外部注入デバイスは、患者の基礎プロフィールを実施している注入デバイスとともに、投与されるべき、例えば、糖質ボーラス及び補正ボーラスのような、ボーラスの適切な投与量を決定できるコンピュータ能力を有する。
【0004】
基礎プロフィールは一般に患者の医師または介護者によって決定され、患者のインスリン感受性及び、例えば患者の医師によって診断された、患者の生理学的状態を含む多くの要因に基づき、患者がインスリンを注入しているあらかじめ定められた期間にわたる患者の糖レベルを正確に評価することが一般に目的とされている。糖レベルは、米国カリフォルニア州アラメーダ(Alameda)のAbbott Diabetes Care, Inc.から入手できる、試験片及びFreestyle(登録商標)糖メータのような血糖メータを用いる患者の定期的な個別検査に基づいて評価することができる。しかし、そのような評価は間違いをおこしやすく、患者の実際の生理学的状態を正確に反映しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、上記の観点から、インスリン注入ポンプのような注入デバイスの機能と連続糖モニタリングシステムのような検体モニタリングシステムの機能が複合されている統合システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記及びその他の課題、特徴及び利点は、以下の詳細な実施形態の説明、添付される特許請求の範囲及び添付図面から、さらに十分に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図2】本発明の別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図3】本発明のまた別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図4】本発明のさらに別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図5】本発明のさらにまた別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図6】本発明のさらになおまた別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図7A】本発明の一実施形態の図6に示される統合注入デバイス/モニタリングシステムをさらに詳細に示す。
【図7B】本発明の一実施形態にしたがう図7Aに示される統合注入デバイス/モニタリングシステムの患者インターフェースにおかれたアナログフロントエンドを示す。
【図7C】図7Aに示される本発明の一実施形態にしたがう統合注入デバイス/モニタリングシステムの集成ポンプ部品におかれたアナログフロントエンドを示す。
【図8A】本発明の一実施形態にしたがう連続検体モニタリングシステムに用いるための受動センサ構成を示す。
【図8B】本発明の一実施形態にしたがう統合注入デバイス/モニタリングシステム患者インターフェースにおいて用いるための能動センサ構成の一実施形態を示す。
【図8C】本発明の一実施形態にしたがう統合注入デバイス/モニタリングシステム患者インターフェースにおいて用いるための能動センサ構成の別の実施形態を示す。
【図9】本発明の一実施形態にしたがう患者が着用する単一パッチに組み込まれた注入デバイス/モニタリング送信器を備える統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図10】本発明の一実施形態にしたがう、検体モニタリングシステムセンサ電極が組み込まれた注入デバイスカニューレの詳細図である。
【図11A】本発明の一実施形態にしたがう、検体モニタリングシステムセンサ電極が組み込まれた注入デバイスカニューレの斜視分解組立図を示す。
【図11B】本発明の一実施形態にしたがう、注入デバイスが組み込まれた検体モニタリングシステム送信器ユニットの上面図を示す。
【図12A】本発明の一実施形態にしたがう、図10の連続検体モニタリングシステムセンサ電極とが組み込まれた注入デバイスカニューレの断面図を示す。
【図12B】本発明の別の実施形態にしたがう、図10の連続検体モニタリングシステムセンサ電極が組み込まれた注入デバイスカニューレの断面図を示す。
【図12C】本発明のまた別の実施形態にしたがう、図10の連続検体モニタリングシステムセンサ電極が組み込まれた注入デバイスカニューレの断面図を示す。
【図13】一実施形態における統合注入デバイス/モニタリングシステムによる血糖値測定及びインスリン送出の時間間隔を示すためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は本発明の一実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図1を参照すれば、本発明の一実施形態における統合注入デバイス/検体モニタリングシステム100は、輸液または注入のための注入チューブ130に連結されている注入デバイス110を備え、注入チューブ130はさらにカニューレ170に連結されている。図1からわかるように、カニューレ170は送信器ユニット150に装着可能な態様で結合されるように構成され、送信器ユニット150には検体センサ160も装着可能な態様で結合されている。通信路140を通じて送信器ユニットと無線通信するように構成された検体モニタリングユニット120も備えられる。
【0009】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態において、送信器ユニット150は通信路140を通じる検体モニタリングユニット120への一方向無線通信のために構成される。一実施形態において、検体モニタリングユニット120は通信路140を通じる双方向通信のためのトランシーバユニット(図示せず)を備えるように構成することができる。一実施形態において送信器ユニット120は検体センサ160で検出される検体レベルに関連付けられる信号を検体モニタリングユニット120に定期的及び/または断続的に送信するように構成することができる。検体モニタリングユニット120は送信器ユニット150からの信号を受信するように構成することができ、一実施形態において、データの格納及び、1つまたはそれより多くのあらかじめプログラムされているかまたはあらかじめ定められたプロセスに基づく、処理を実施するように構成される。
【0010】
例えば、一実施形態において、検体モニタリングユニット120は検体レベルに関連付けられた受信信号をデータ格納ユニット(図示せず)に格納するように構成される。あるいは、またはさらに、検体モニタリングユニット120は、例えば検体モニタリングユニット120のディスプレイユニット121上の出力表示のための線グラフまたは角変位アイコンベース表示の目視表示による、傾向指標を生成するために検体レベルに関連付けられた信号を処理するように構成することができる。実質的にセンサ160で検出されると同時に送信器ユニット150から受信された、患者の実質的に実時間の検体レベルを含むが、これには限定されない、付加情報を検体モニタリングユニット120のディスプレイユニット121上に出力表示することができる。実時間検体レベルは、数値フォーマットまたは、センサ160で検出される実質的実時間検体レベルの正確な測定値を患者に提供するに適する、別のいずれかのフォーマットで表示することができる。
【0011】
センサ160でモニタまたは判定することができる検体には他に、例えば、アセチルコリン、アミラーゼ、ビリルビン、コレステロール、絨毛性ゴナドトロピン、クレアチンキナーゼ(例えば、CK-MB)、クレアチン、DNA、フルクトサミン、糖、グルタミン、成長ホルモン、ホルモン、ケトン、乳酸塩、過酸化物、前立腺特異抗原、プロトロンビン、RNA、甲状腺刺激ホルモン及びトロポニンがある。例えば、抗生物質(例えば、ゲンタミシン、バンコマイシン等)、ジギトキシン、ジゴキシン、乱用薬物、テオフィリン及びワルファリンのような、薬物の濃度も判定することができる。
【0012】
図1を改めて参照すれば、センサ160には、予定された有効寿命後に交換される短期間(例えば、3日間、5日間または7日間)検体センサを含めることができる。さらに、一実施形態において、センサ160は、検体センサの少なくとも一部分の、例えば間質液または血液のような、患者の検体との液体接触が維持されるように患者の皮下に配置するために構成することができる。さらに、同様に患者の皮下に配置されるように構成されたカニューレ170は、患者にインスリンのような医薬を送出するように、注入デバイス110の注入チューブ130に連結される。さらに、一実施形態において、カニューレ170はセンサ160の交換とともに交換されるように構成される。本発明の一態様において、カニューレ170及びセンサ160は、例えば患者の皮下にカニューレ170及びセンサ160をかなり正確に配置するためのバネバイアス印加型またはバネ荷重印加型の挿入機構を含めることができる、挿入銃のような挿入機構(図示せず)を用いて患者の皮下に配置されるように構成することができる。この態様において、カニューレ170及びセンサ160は患者が痛みを実質的にほとんどまたは全く感じずに皮下に配置することができる。あるいは、カニューレ170及び/またはセンサ160は患者の皮膚を通して患者によって手で挿入されるように構成することができる。カニューレ170及びセンサ160の配置後、カニューレ170及びセンサ160は、センサ160及びカニューレ170が皮下に配置されている間の期間を通して患者の皮膚に接着するように構成された接着層180によって所定の位置にかなり堅固に保持することができる。
【0013】
さらに、一実施形態において、センサ160及びカニューレ170の皮下配置後、センサ電極と電気的に接続するように、送信器ユニット150を取り付けることができる。同様に、カニューレ170と合せるために正確に配置され、実質的に水密に封止される態様で、注入チューブ130を送信器ユニット150のハウジングに動作可能な態様で連結するように構成することができる。センサ160,送信器ユニット150及び検体モニタリングユニット120を備える検体モニタリングシステムのさらなる詳細な説明は、本発明の譲受人である、Abbott Diabetes Care, Inc.に譲渡された、米国特許第6175752号の明細書に与えられている。
【0014】
改めて図1を参照すれば、注入デバイス110は基礎プロフィールをプログラムして、注入デバイス110を用いて患者が実施することができ、また患者のインスリン感受性、搭載インスリン、(例えば食事前の糖質ボーラス計算のための)意図された糖質摂取量、測定または検出された患者の糖レベル及び患者の糖傾向情報を含む、1つまたはそれより多くの要因に基づくことができる、補正ボーラス、糖質ボーラス、拡張ボーラス及び二重ボーラスを含むがこれらには限定されない、ボーラス投与量の計算をできる能力を有することができる。別の実施形態において、ボーラス計算能力は検体モニタリングユニット120に与えることもできる。
【0015】
一実施形態において、検体モニタリングユニット120は患者が容易に持ち運ぶことができるかなり小型のハウジングに収めて構成される。さらに、注入デバイス110も同様に、容易に便宜よく患者の衣服に着けることができる(例えば患者のベルトまたは衣服の別の部分に着けるかまたはクリップ止めされるホルスターまたは携帯用具に収められる)かなり小型のデバイスとして構成される。また改めて図1を参照すれば、検体モニタリングユニット120及び/または注入デバイス110は患者による情報入力機構及び、例えば検体モニタリングユニット120上のディスプレイユニット121または注入デバイス110上の同様のディスプレイユニット111を含む、データ出力のような、ユーザインターフェースを備えることができる。
【0016】
注入デバイス110または検体モニタリングユニット120に関連付けられた1つまたはそれより多くのあらかじめ定められた状態の発生に基づいて可聴警報または警告音を出力するように、例えばスピーカーまたはブザーのような、1つまたはそれより多くの音響出力デバイスを注入デバイス110及び/または検体モニタリングユニット120のハウジングに組み込むことができる。例えば、注入デバイス110は、注入チューブ130の閉塞または、カニューレ170の交換時の注入チューブへの液充填の注意換気等のような、定期イベントの発生に際して患者に可聴警告音または警報を出力するように構成することができる。検体モニタリングユニット120も同様に、あらかじめ定められた状態または、例えばセンサ160をその(3日、5日または7日の)有効寿命後の交換の注意喚起またはモニタされた患者の検体レベルに対応する送信器ユニット150から受信されたデータに関連付けられた1つまたはそれより多くの警報のような、あらかじめプログラムされたイベントが発生したときに、可聴警告音または警報を出力するように構成することができる。そのような警報または警告音には、検出された検体レベルがあらかじめ定められた閾レベルをこえているか、または与えられた時間内に検出された検体レベルの傾向が、注意または補正行動を必要とする、高血糖または低血糖になり得るような重大な状態の徴候を示していることの患者への注意警報を含めることができる。これらの可聴警告音及び/または警報の例は説明の目的で上述したに過ぎず、本発明の範囲内において、他のイベントまたは状態を、そのようなイベントまたは状態が発生しているかまたは発生する可能性があることを患者に警告または告知するように、注入デバイス110または検体モニタリングユニット120に、またはいずれにも、プログラムできることに注意すべきである。
【0017】
さらに、本発明の範囲内において、可聴警告音は単独で、あるいは注入デバイス110または検体モニタリングユニット120のそれぞれのディスプレイユニット111,121上の出力表示のような1つまたはそれより多くの可視警報、または患者に触覚表示を与えるであろう、関連付けられた警告音及び/または警報の、振動警報と組み合わせて、出力することができる。
【0018】
さらに、また改めて図1を参照すれば、1つの検体モニタリングユニット120及び1つの送信器ユニット150が示されているが、本発明の範囲内において、例えば、複数の検体モニタリングユニットに実質的に同時に送信するように送信器ユニット150を構成できるように、追加の検体モニタリングユニットまたは送信器ユニットを備えることができる。あるいは、同時に患者の検体と液体接触している複数のセンサに接続された複数の送信器ユニットを、検体モニタリングユニット120または複数の検体モニタリングユニットに送信するように構成することができる。例えば、追加のセンサと接続された追加の送信器ユニットを、カニューレ170を備えず、センサ較正、センサデータ検証等のようなセンサ160に付随する機能を果たすために用いることができる統合注入デバイス/検体モニタリングシステム100に備えることができる。
【0019】
一実施形態において、送信器ユニット150は、送信されたサンプリングデータ信号を受信した検体モニタリングユニット120からの受領確認無しに、センサ160から受け取ったサンプリングデータ信号を送信するように構成される。例えば、送信器ユニット150は、初期電源投入手順の完了後に、固定レートで(例えば1分間隔で)コード化サンプリングデータ信号を送信するように構成することができる。同様に、検体モニタリングユニット120は、そのような送信されたコード化サンプリングデータ信号をあらかじめ定められた時間間隔で検出するように構成することができる。あるいは、送信器ユニット150及び検体モニタリングユニット120は、通信路140を通じる双方向通信のために構成することができる。
【0020】
さらに、一態様において、検体モニタリングユニット120は2つの区画を有することができる。検体モニタリングユニット120の第1の区画は通信路140を介して送信器ユニット150と通信するように構成されたアナログインターフェース区画を有することができる。一実施形態において、アナログインターフェース区画は送信器ユニット150からのデータ信号を受信及び増幅するためのRF受信器及びアンテナを有することができ、データ信号は、受信及び増幅後、局部発振器によって復調され、帯域フィルタを通してフィルタリングされる。検体モニタリングユニット120の第2の区画は送信器ユニット150から受信したデータ信号を、例えば、データデコード、エラー検出及び補正、データクロック発生及びデータビット再生を実施することによるような、処理を行うように構成されたデータ処理区画を有することができる。
【0021】
動作において、検体モニタリングユニット120は、電源投入手順完了時に、例えば、送信器ユニットから送信された検出データ信号の強度あるいはあらかじめ定められた送信器識別情報に基づいて、検体モニタリングユニット120の有効範囲内の送信器ユニット150の存在を検出するように構成される。検体モニタリングユニット120は、送信器ユニット150との同期化に成功すると、検出された患者の検体、例えば糖のレベルに対応するデータ信号を送信器ユニット150からの受信を開始するように構成される。
【0022】
改めて図1を参照すれば、検体モニタリングユニット120または注入デバイス110は、あるいはいずれも、さらに、それぞれが有線または無線接続を介するデータ通信のために構成することができる、デスクトップコンピュータ端末、データ通信可能電話ボックス、ラップトップコンピュータ、電子手帳(PDA)のような小型コンピュータデバイスまたはデータ通信可能移動電話等を含めることができる、データ処理端末(図示せず)と通信するように構成することができる。データ処理端末には、例えば、病院環境における医師の端末または臨床端末を含めることができる。
【0023】
図1の送信器ユニット150と検体モニタリングユニット120の間のデータ通信のための通信路140には、RF通信リンク、ブルートゥース通信リンク、赤外線通信リンクあるいは、2つまたはそれより多くの電子デバイスの間の適するその他のいずれかのタイプの無線通信接続を含めることができる。データ通信リンクには、例えば、RS232接続、USB接続またはシリアルケーブル接続のような、ただしこれらには限定されない、有線ケーブル接続も含めることができる。
【0024】
また改めて図1を参照すれば、本発明の別の態様において、検体モニタリングユニット120または注入デバイス110は(あるいはいずれも)糖レベル判定のために患者の血液を個別にサンプリングするための血糖試験片を受け入れるように構成された試験片ポートを備えることもできる。血糖試験片メータユニットの機能の一例は、本発明の譲受人である、Abbott Diabetes Care, Inc.から入手できるFreestyle血糖メータに見ることができる。
【0025】
上述した態様では、本発明の一実施形態において、インスリンまたはその他の適切な医薬を注入するためのカニューレ170は、検体モニタリングシステムのセンサ160及び送信器ユニット150のための接着パッチ180と一体化される。したがって、患者は、注入デバイスカニューレ170及び(送信器ユニット150を含む)検体モニタリングシステムセンサ160のための2つの個別のパッチではなく、ただ1つの皮膚密着パッチを(例えば腹の皮膚上に)着けることができる。すなわち、I型糖尿病患者は、患者の皮膚上の接着パッチ180部位におこり得る皮膚刺激を最小限に抑えながら、したがってより多くの低刺激注入部位を設けて、注入療法を実時間糖モニタリングとともに簡便に実施することができる。
【0026】
さらに、図1に示されるような統合注入デバイス/検体モニタリングシステム100は、患者が、必要に応じて、注入デバイス110の機能を停止させてシステムを連続検体モニタリングシステムとして構成できるように、注入チューブ130を注入デバイス110からも送信器ユニット150のハウジング(または接着パッチ180)からも取り外すことができるように構成することができる。
【0027】
さらに、本発明の一実施形態にしたがえば、患者は、実質的に連続の実時間糖データ、実質的に連続な実時間糖データに基づく傾向情報を得ることによって糖尿病にともなう生理学的状態をより良く管理することができ、したがって、注入デバイス110が実施するように構成されているあらかじめプログラムされた基礎プロフィールから注入デバイス110によって送出される注入レベルを修正または調節することができる。
【0028】
図2は本発明の別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図2を参照すれば、本発明の一実施形態における統合注入デバイス/検体モニタリングシステム200は、カニューレ260に連結されている注入チューブ220に連結された一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット210を備える。図2には、検体センサ250と電気的に接続している送信器ユニット240も示され、ここで、カニューレ260及び検対センサ250は患者の皮膚下の皮下組織に配置され、接着層またはパッチ270によって所定の位置に保持される。
【0029】
図2を参照すれば、一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット210は、RF通信リンクのような通信路230を通じて送信器ユニット240と無線通信するように構成される。図1に示される実施形態と比較すれば、図2に示される実施形態においては、注入デバイス及び検体モニタが単一ハウジング210に組み込まれていることがわかる。この態様では、送信器ユニット240は、検体センサ250から受け取った検出検体レベルに対応する信号を、データ解析及び処理のために、一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット210に送信するように構成することができる。
【0030】
したがって患者は、簡便に、送信器ユニット240から実時間糖レベルを受け取り、よって、それにしたがってインスリンが患者に送出される既存の基礎プロフィールを修正するべきか否かを決定することができる。この態様では、例えば、患者がインスリンポンプの注入レートに対するいかなる適切な修正も躊躇せずに容易に決定できるように、注入デバイスのユーザインターフェースに実時間糖データを糖傾向データのようなその他の該当情報とともに与えることによって、患者にさらなる簡便さを提供するために、検体モニタリングユニットの機能を注入デバイスの小型ハウジングに組み込むことができる。
【0031】
一実施形態において、カニューレ260,検体センサ250,送信器ユニット240,接着層270,通信路230及び注入チューブ220も含む、図2に示されるそれぞれのコンポーネントの構成並びに注入デバイス及び検体モニタの機能は、図1に関して上述したような、対応するそれぞれのコンポーネントと実質的に同様である。
【0032】
したがって、本発明の一実施形態において、例えば、患者が一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット210の単一ユーザインターフェースシステムを用いてインスリン療法を容易に操作及び管理することが可能になるであろう、一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット210のような単一一体型デバイスを有することにより、糖尿病管理を維持及び強化する上でさらなる簡便さを患者に提供することができる。実際、1つのデバイスにおいて糖レベルに関連付けられる多くの情報及びインスリン注入情報を提供することにより、糖尿病管理及びインスリン療法改善におけるさらなる簡便さを患者に提供することができる。
【0033】
図3は本発明のまた別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図3を参照すれば、本発明の一実施形における統合注入デバイス/検体モニタリングシステム300は、カニューレ370に連結されている注入チューブ340に連結された注入デバイス310を備える。カニューレ370は患者の皮膚下の皮下組織に配置され、接着層380によって所定の位置に実質的に保持されるように構成される。上述したように、また図1〜2に関して説明された実施形態と同様に、検体センサ360も、患者の皮膚下の皮下組織に配置され、所定の位置に保持されて、患者の検体との液体接触が維持される。送信器ユニット350が検体センサ360の電極と電気的に接続されるように備えられる。また、図3からわかるように、一実施形態において、注入チューブ340は、患者の皮膚下に配置されたカニューレ370に連結するように、送信器ユニット350のハウジングに連結される。
【0034】
図3を参照すれば、検体センサ360で検出された患者の検体レベルに関連付けられたデータを送信器ユニット350から受信するために送信器ユニット350と無線通信するように構成された検体モニタリングユニット320も備えられる。図3を参照すれば、一実施形態において、注入デバイス310はディスプレイユニット及び/またはボタンまたはジョグダイアルのような入力ユニットのようなユーザインターフェースを備えていない。代りに、注入デバイス310の動作を無線制御し、さらに、あらかじめプログラムされた基礎プロフィールを実施するために注入デバイス310を適切にプログラムし、その他にも注入デバイス310の機能を制御するように検体モニタリングユニット320が構成されるように、ユーザインターフェース及び制御機構が検体モニタリングシステム320上に備えられる。
【0035】
さらに詳しくは、注入デバイス310のためのプログラミング及び制御機構の全ては、患者が注入デバイス310を着けているときに、注入デバイス310を(腹のような)患者の皮膚上の注入部位の近くで衣服の下に個別に着けることができ、それでも検体モニタリングユニット320を介して注入デバイス310を制御するための簡便なアクセスを患者に提供することができるように、検体モニタリングシユニット320に備えられる。
【0036】
さらに、一実施形態において、カニューレ370,検体センサ360,送信器ユニット350,接着層380,通信路330及び注入チューブ340も含む、図3に示されるそれぞれのコンポーネントの構成並びに注入デバイス及び検体モニタリングユニット320の機能は、図1に関して上述したような、対応するそれぞれのコンポーネントと実質的に同様である。しかし、図3に示される実施形態における注入デバイス310は、検体モニタリングユニット320と通信するためのトランシーバーまたは等価な通信機構をもって構成される。
【0037】
この態様では、本発明の一実施形態において、ユーザインターフェースのない注入デバイス310の構成は、患者が注入デバイス310を着用及び/または携帯する際の快適性を高めるであろう、より小さく、より軽い、注入デバイス310のためのハウジング及び構成を提供する。さらに、注入デバイス310の制御機能及びプログラミング機能は検体モニタリングユニット320に備えられるから、患者は、患者の皮膚下に配置されているカニューレ370に取り付けられた注入チューブ340に煩わされずに、注入デバイス310の機能及び動作を簡便にプログラム及び/または制御することができる。さらに、注入デバイス310のプログラミング及び制御は離れた検体モニタリングユニット320上で行われるから、注入チューブ304をより短くすることができ、したがって煩わしさが軽減され得る。
【0038】
図4は本発明のさらに別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図4を参照すれば、本発明の一実施形態における統合注入デバイス/検体モニタリングシステム400は、RF(無線周波数)リンクのような通信路430を通じて検体モニタリングユニット420と無線通信するように構成された注入デバイス410を備える。さらに、図4からよくわかるように、注入デバイス410は検体センサ電極に接続されているリード線が内蔵された注入チューブ440に接続される。以下でさらに詳細に論じられるように、測定された患者の検体レベルは注入チューブ440を介して注入デバイス410で受け取られ、さらなる処理及び解析のために検体モニタリングユニット420に送信される。
【0039】
さらに詳しくは、図4を参照すれば、統合注入デバイス/検体モニタリングシステム400はカニューレ470及び検体センサ460が設けられたパッチ450を備える。カニューレ470は注入デバイス410から患者にインスリンのような医薬を送出または注入するように構成される。すなわち、一実施形態において、カニューレ470及び検体センサ460は患者の皮膚下の皮下組織に配置されるように構成される。検体センサ460は患者の検体と液体接触にある状態で配置されるように構成される。
【0040】
この態様では、検体センサ460は、患者の測定または検出された検体レベルに対応する信号が注入デバイス410に与えられるように、注入チューブ440に内蔵されたリード線に電気的に接続される。一実施形態において、注入デバイス410は、ディスプレイユニット411上に実時間測定糖レベルを患者に対して表示するように注入デバイス410を構成できるように、データ解析及び格納を行うように構成される。さらにまたはあるいは、注入デバイス410は検体センサ460から受け取った信号を、データ解析、表示及び/または格納のために、検体モニタリングユニット420に無線送信するように構成され、検体モニタリングユニット420は注入デバイス410の機能及び特徴を離れて制御するように構成することができ、ユーザにさらなる簡便さ及び自由性を提供することができる。
【0041】
改めて図4を参照すれば、一実施形態において、パッチ450は通信機ユニットが搭載されていないからかなり小さく構成することができ、患者の皮膚に取り付けるための面積を比較的小さくすることができる。この態様では、インスリンのような医薬を注入するため、及び検体センサ460による連続検体モニタリングのために、かなり小型のハウジングを皮膚に(例えば接着層で取り付けられて)着けていられることでさらなる快適性を患者に提供することができる。
【0042】
図5は本発明のさらにまた別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図4に示される実施形態と比較すると、図5の統合注入デバイス/検体モニタリングシステム500は一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット510を備える。したがって、一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット510のハウジング上に設けられたディスプレイユニット511及び入力ボタン512を有する1つのユーザインターフェースがユーザに提供される。図5には、患者の検体と液体接触している検体センサ540の電極に接続されているリード線が内蔵された注入チューブ520も示される。さらに、図5からわかるように、カニューレ550及び検体センサ540の皮下部分を患者の皮膚下の所望の位置に保持するための接着パッチ530が備えられる。
【0043】
必要に応じて、一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット510には、例えば、RF通信リンクのような無線通信路を通じるかまたはUSB接続のようなケーブル接続を通じて患者のコンピュータ端末のような遠隔端末と通信するための無線または有線通信能力を備えることができる。改めて図5を参照すれば、本発明の一実施形態において、注入療法を用いている糖尿病患者にはより少数のコンポーネントが提供され、よって、インスリン療法並びに糖レベルのモニタリング及び管理の取扱または操作がさらに簡易化される。
【0044】
図6は本発明のさらになおまた別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図6を参照すれば、統合注入デバイス/検体モニタリングシステム600はユーザインターフェースをもたない注入デバイスを備え、RFリンクのような通信路630を通じて検体モニタリングユニット620と無線通信するように構成される。ユーザインターフェースに付帯するコンポーネントが組み込まれていないことから小型ハウジングに収めることができる注入デバイス610は、患者の検体と液体接触している検体センサ660の電極と対応して接続されているリード線を内蔵する注入チューブ640に接続される。さらに、一実施形態において、患者の皮膚下の所望の位置にカニューレ670及び検体センサ660を保持するように、小さな接着パッチ650が構成される。
【0045】
図3に示される実施形態と同様に、検体モニタリングユニット620は通信リンク630を通じて注入デバイス610の制御及びプログラミングを行うように構成される。この態様では、注入デバイス610の制御及びプログラミング機能は検体モニタリングユニット620によって離れて実施することができ、患者に簡便性を提供することができる。
【0046】
図7Aは、本発明の一実施形態の図6に示される統合注入デバイス/検体モニタリングシステムをさらに詳細に示し、図7B〜7Cはそれぞれ、本発明の一実施形態にしたがう図7Aに示される統合注入デバイス/検体モニタリングシステムの患者インターフェース及び集成ポンプ部品に配置されるアナログフロントエンド回路を示す。図7Aを参照すれば、検体センサの電極への接続のためのリード線が内蔵されている注入チューブ720に連結された注入デバイス710が示される。注入チューブ720はさらに患者の皮膚下の皮下組織の所望の位置にカニューレ750及び検体センサ740を保持するように構成された接着パッチ730に連結されている。
【0047】
図7Aを参照すれば、本発明の一実施形態において、注入デバイス710に第1のアナログフロントエンド回路ユニット711を備えることができ、接着パッチに第2のアナログフロントエンド回路ユニット731を備えることができる。検体センサ740からの内蔵リード線は注入チューブ720を介して注入デバイス710から接着層730まで延びるように構成される。一実施形態において検体センサ740は受動コンポーネントであるから検体センサの作用電極及び参照電極上の信号は、電極が高インピーダンスであって、内蔵リード線が長くなれば(数cmをこえれば)、雑音を受ける。この雑音はさらに作用電極及び参照電極上の信号に悪影響を与える可能性があり、検体センサ740で検出される測定検体レベルを歪ませ得る。
【0048】
内蔵リード線の長さが注入チューブ720の長さに相当する場合、一実施形態において、雑音による悪影響を最小限に抑えるために作用電極及び参照電極からの信号を低インピーダンス信号に変換することができる。したがって、図7B及び7Cに関して以下で詳細に論じられるように、注入デバイス710に第1のアナログフロントエンド回路ユニット711を備え、接着パッチ730に第2のアナログフロントエンド回路ユニット731を備えることができる。
【0049】
図7Bを参照すれば、患者の皮膚上の接着パッチ730に配置された、第2のアナログフロントエンド回路ユニット731は、一実施形態において、作用電極(W)の電流を電圧(VW)に変換し、ガード信号(G)を提供するように構成されたインピーダンス変換増幅器(電流−電圧コンバータまたは“I-V”変換)731A及び参照電極(R)の電圧に基づいてカウンター電極(C)の電圧(VC)を駆動するためのサーボセグメント731Bを備える。図7Bに、それぞれがI-V段及びサーボ段に続き、一実施形態において、中央処理ユニット(CPU)711Dのようなコントローラによってその結果が読み取られるA/D(アナログ−デジタル)コンバータユニット711Cを駆動するように構成された低域フィルタ(LPF)及び利得段711Aも示される。A/Dコンバータユニット711C及びCPU711D及びその他の周辺素子は組み合せて、MSP430製品系列のようなマイクロコントローラ(μC)として知られる1チップ集積回路(IC)にすることができる。
【0050】
次に図7Cを参照すれば、一実施形態において、第2のアナログフロントエンド回路ユニット731は、一対の演算増幅器(731A及び731B)、4つの抵抗器(R1,R2,R3,Rf)及びバイパスコンデンサ(Cb)で実施することができる。演算増幅器731Aを用いるI-V段は、帰還抵抗器(Rf)を通って流れ、低インピーダンス信号VWとして演算増幅器731Aによって駆動される電圧差をつくる、作用電極(W)からの入力電流の作用によって生成される。VW信号に対するオフセットは、ガード信号(G)−作用電極(W)と同じ電位または電圧にある信号−の電圧もつくる、R1,R2及びR3からなる抵抗分圧器によって確立される。
【0051】
演算増幅器731Bを用いるサーボは、一実施形態において、参照電極(R)が抵抗器R1,R2及びR3からなる抵抗分圧器によって設定される第2の値にあるように、センサへのカウンター電極(C)を駆動する。これは作用電極(W)電圧を参照電極(R)より「ポイズ電圧」として知られる設定量(すなわち40mV)だけ高い電圧に維持する。バイパスコンデンサ(Cb)は、局所エネルギーを供給し、回路の雑音を低減するように作用する、0.1μF(100nF)多層セラミック(MLC)コンデンサのような、容量が小さく等価直列抵抗(ESR)が低いコンデンサとすることができる。この回路のための電圧源はV+とV−の間の電位差によって与えることができ、ここで、例えば、V+は5Vとすることができ、V−は接地電位(GND)とすることができる。あるいは、V+を+3Vとすることができ、V−を−3Vとすることができる。
【0052】
一実施形態において、演算増幅器731A,731Bは、単一の小型−8ピンSOT23-8パッケージ(3mm×3mm)内のOPA2349のような表面実装技術(SMT)パッケージに収められた、双演算増幅器集積回路(IC)として入手することができる。同様の双演算増幅器製品は、さらに小型のボール−グリッドアレイ(BGA)パッケージで入手でき、「フリップチップ」及びワイアボンディングのような手法を用いて、プリント回路基板(PCB)またはフレキシブル回路のような回路基板に直接実装できるチップとして入手できる。
【0053】
図8A〜8Cは、本発明の一実施形態にしたがう統合注入デバイス/モニタリングシステムにおいて、連続検体モニタリングシステムに用いるための受動センサ構成及び患者インターフェースに用いるための能動センサ構成の2つの実施形態をそれぞれ示す。図8Aを参照すれば、検体センサ810は作用電極811,ガードトレース812,参照電極813及びカウンター電極814を有する。一実施形態において、検体センサ810の「テール」セグメント815が患者と液体接触するように患者の皮膚下の皮下組織に配置されるように構成される。
【0054】
次に図8Bを参照すれば、検体センサ820は、それぞれが作用電極811,ガードトレース812,参照電極913及びカウンター電極814の役割を果たす、図示される4つのコンタクトが本発明にしたがうV+,V−,VW及びVCである、アナログフロントエンド部分821を備える。この態様では、本発明の一実施形態において、能動検体センサ820の3つの信号が低インピーダンスであり、したがって受動センサ信号ほど雑音を受けることはない。さらに、一実施形態において、検体センサ820の構成にはフレキシブル回路を含めることができる。
【0055】
次に図8Cを参照すれば、別の実施形態において、図8Bの能動センサ820と同様の構成であるが、寸法がかなり小さい、能動センサが示される。さらに詳しくは、検体センサ830には、図8A〜8Bに示される先の2つのセンサ構成において大コンタクト面積で表されるような機械的コンタクトシステムではなく、直接ワイアボンディング用に構成された4つのコンタクトが設けられる。検体センサ830の形状が縮小されるから、カニューレ(例えば図4のカニューレ470)の周りにセンサ830を巻き付けることができ、したがって患者の検体モニタリング及びインスリン注入のために必要な挿入部位を1箇所だけにすることができる。さらに、本発明の範囲内において、センサ回路及びカニューレが、回路831が表面上に作成されているカニューレのような、単一集成部品としてつくられた、別のセンサ/カニューレ構成を提供することができる。
【0056】
図9は、本発明の一実施形態にしたがう、注入デバイス及びモニタリングシステム送信器が患者に着けられる単一パッチに組み込まれた、統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図9を参照すれば、統合注入デバイス/検体モニタリングシステム900は、患者の皮膚下の皮下組織にカニューレ950及び検体センサ940を確実に配置するために患者の皮膚上に着けられるように構成された接着層960上に与えられた組込みパッチポンプ/送信器ユニット910を備える。組込み注入ポンプ/送信器ユニット910のハウジングは、一実施形態において、カニューレ950を通してインスリンのような医薬を患者に送出するための注入機構を備えるように構成される。
【0057】
さらに、組込み注入ポンプ/送信器ユニット910は、RFリンクのような無線通信路930を通じて、検体センサ940で測定された検出検体レベルに関連付けられた信号を送信するように構成される。信号は身体密着組込み注入ポンプ/送信器ユニット910から、組込みパッチポンプ/送信器ユニット910の動作を制御するように構成され、患者の検出検体レベルに対応する、組込みパッチポンプ/送信器ユニット910からの送信信号を受信するようにも構成された、コントローラユニット920に送信される。
【0058】
改めて図9を参照すれば、一実施形態において、組込みパッチポンプ/送信器ユニット910の注入機構には、本発明の譲受人である、Abbott Diabetes Care, Inc.に譲渡された、米国特許第6916159号の明細書に説明されるタイプの注入デバイスを含めることができる。さらに、コントローラユニット920への有線接続を与えるための一組のリード線で無線通信路930を置き換えることができる。
【0059】
この態様では、本発明の一実施形態において、統合注入デバイス/検体モニタリングシステム900に注入チューブが用いられず、これは、煩わしいチューブをもはや着けずに済むことから、患者にさらに快適性及び簡便性を提供することができる。
【0060】
図10は、本発明の一実施形態にしたがう、検体モニタリングシステムセンサ電極が組み込まれた注入デバイスカニューレの詳細図である。図10を参照すれば、検体センサ電極1020がその中に配置され、患者の所定の位置に確実に保持されるように接着パッチ1010に取り付けられた、注入デバイスカニューレが示されている。さらに詳しくは、図10からわかるように、検体センサ電極1020をもつカニューレは、それぞれがカニューレ先端1020内に設けられ、さらに、患者の検体との液体接触を維持するように配置された、(それぞれ、作用電極、参照電極及びカウンター電極に対応できる)センサ電極1021,1022,1023を有する。
【0061】
図12A〜12Cはそれぞれ、本発明の様々な実施形態のそれぞれにしたがう、図10の連続検体モニタリングシステムセンサ電極が組み込まれた注入デバイスカニューレの断面図を示す。図12Aを参照すれば、一実施形態において、チューブ壁1220,インスリン流用内腔1224,リード線外装1220及び個別絶縁リード線1221,1222,1223が、図12Aに示されるように、実質的与えられるように、平行に、リード線及びチューブが与えられる。さらに詳しくは、図から、3本の絶縁リード線のそれぞれには、それぞれの絶縁リード線1221,1222,1223を個別に囲むチューブ壁の絶縁層1220が与えられ、さらに、3本の絶縁リード線1221,1222,1223は続いてチューブ壁1220で囲まれていることがわかる。
【0062】
次に図12Bを参照すれば、本発明の一実施形態において、それぞれがセンサ電極に接続された絶縁リード線1221,1222,1223は、インスリン送出用チューブ内腔1224及び絶縁リード線1221,1222,1223が実質的に図12Bに示されるように構成されて、チューブ壁1220内に同時押出成形される。次に図12Cを参照すれば、本発明のさらにまた別の実施形態において、絶縁リード線1221,1222,1223はそれぞれチューブ1220に巻き付けられて外装1210で覆われ、よって、チューブ壁1220,インスリン送出用内腔1224、個々の絶縁リード線1221,1222,1223,及び、電子雑音を排除するための電磁シールドとしてもはたらくことができる、保護外装1210が、実質的に図12Cに示されるように、与えられる。
【0063】
改めてこれらの図を参照すれば、図12A及び12Cに示される実施形態は、より大きな断面積を有し得るが(したがって、患者の皮膚にパンチで開けられるべき穴をより大きくする必要があるが)、製造がより容易であり、検体センサエレクトロニクスへの接続がより確実で容易になるであろう。さらに、本発明の範囲内において、センサとポンプの間のインスリン送出チューブに沿う光データ通信(例えば光ファイバ)を上で論じた内蔵リード線の代りに備えることができる。
【0064】
図11Aは、本発明の別の実施形態にしたがう、注入デバイスのカニューレに組み込まれる検体モニタリングシステムセンサ電極の斜視分解組立図を示し、図11Bは、本発明の一実施形態にしたがう、注入デバイスに組み込まれた検体モニタリングシステム送信器ユニットの上面図を示す。図11A〜11Bを参照すれば、本発明の一実施形態において、一体型検体センサ/注入デバイスカニューレ1100は、上部絶縁層1101,電極トレースを載せている導電層1102及びこれに続く、注入カニューレ1103が組み込まれた、3層基板を含む5層の積層からなる。
【0065】
一実施形態において、注入カニューレ1103が組み込まれた3層基板は、センサ電極を注入カニューレから絶縁するための分離/絶縁層1103A,インスリンまたはその他いずれかの適する医薬の流れを誘導するように構成されたチャネル層1103B及び流入/流出層1103Cからなる。図11Aには、一体型検体センサ/注入デバイスカニューレ1100の組立図も示されている。
【0066】
次に図11Bを参照すれば、一実施形態に示されるようなパッチポンプに送信器ユニット1110及び、インスリン貯槽1120に連結され、送信器ユニット1110に動作可能な態様で結合または搭載された、インスリンポンプ1130が備えられていることがわかる。図11Bには、一体型注入カニューレ/検体センサ1100のそれぞれの電極との電気的接触を確立するように構成された検体センサコンタクト1140も示されている。図11Bには、一体型注入デバイスカニューレ/検体センサ1100のチャネル層1103Bに連結されたインスリンポート1150も示されている。
【0067】
この態様では、本発明の一実施形態において、パッチポンプは、患者が皮膚上に着けることができ、インスリン注入機構を検体センサ及び送信器ユニットともに備える。
【0068】
図13は、一実施形態における、統合注入デバイス/モニタリングシステムによる血糖測定及びインスリン送出の時間間隔を示すためのタイミング図である。さらに詳しくは、インスリンポンプは一般に定期的態様で2〜3分の範囲の送出時間内にインスリンを送出し、それぞれの送出時の送出持続時間は数秒のオーダーないしさらに短い。それぞれの送出時に送出されるインスリン量は、望ましい総インスリン送出レートにしたがって変わり得る。検体データは(例えば連続糖酸化カレントとして)連続的に収集されるが、一般には定期的にユーザに報告される。検体報告間隔は一般に1〜10分であり、報告可能な糖値を生成するためには、糖酸化カレントは(フィルタリング等を可能にするため)10〜30秒間収集される必要がある。
【0069】
実際、検体モニタリングとインスリン送出の統合には、検体センサを身体上のインスリン注入カニューレの極めて近くに配置することが必要になり得る。そのように極めて近いと、インスリン送出が検体測定と干渉する可能性が生じる。例えば、インスリン注入が注入部位近くの身体領域における糖濃度の局所的減少をおこさせるはずであれば、その領域における糖測定は全体としての身体内の糖濃度を表すことにならないであろう。したがって、本発明の一実施形態において、インスリン注入と糖測定の間の可能な干渉を緩和するための血糖測定時刻とインスリン送出時刻を隔てる方法が提供されている。
【0070】
一実施形態にしたがえば、検体測定時刻とインスリン送出時刻を隔てる方法には、インスリン送出後検体測定値をとるまでの時間間隔をできるだけ大きくすることを含めることができる。検体測定とインスリン送出はいずれも定期的に行われるから、最大時間間隔は、検体測定がインスリン送出の実質的に直前である場合に達成され得る。インスリン送出とその後の糖測定の間の時間中に、注入されたインスリンが拡散し、間質液の通常の循環によって注入部位から運び去られる余裕が得られる。検体測定とインスリン送出の時間間隔のスケジュールの一例が図13に示される。インスリン送出時点間で複数の検体測定値がとられる場合、糖測定読み値への注入インシュリンの影響を最小限に抑えるため、必ず、インスリン送出直前及びインスリン送出直後のいずれにおいても読み値をとるべきである。
【0071】
読み値は一般に処理を簡単にするために定期的にとられるが、ある読み値は他の読み値と異なるタイミングでとることができ、読み値の総平均をとるために適切に比例増減することができる。同様に、読取はより長時間にわたって作用することが意図されている注入よりはるかに頻繁に行われるから、読取の影響がほとんどまたは全くなくなった後までインスリン注入時刻を若干遅らせることができる。さらに、測定された検体レベルにおこり得る誤差及び/または注入デバイスの注入レートに導入される雑音またはおこり得る悪影響を最小限に抑えるため、本発明の範囲内において、統合注入デバイス/検体モニタリングシステムが患者によって用いられる環境に依存して、他のタイミング要件を考慮することができる。
【0072】
さらに詳しくは、例えば電池または関連配電回路を含む、注入デバイス及び/または検体モニタリングシステムの電源における変動は、検体モニタリングシステムにともなう測定読み値に悪影響を与え得る電気的雑音効果を導入し得る。例えば、検体モニタリングシステムがデータを送信または受信するために活動状態にあるように構成されている場合、あるいは注入デバイスのポンプサイクルが起動されている場合、電源はデータ送信/受信あるいはポンプサイクルによる負荷の影響を受け得る。電源の悪影響は、電子回路のその他のコンポーネントからの雑音に加えて、望ましくない雑音を導入し、検体センサ測定の確度に悪影響を与え得る。
【0073】
したがって、例えば送信器ユニット150(図1)は、検体センサ160から受け取る検体レベル測定値のタイミングまたは発生及び送信器ユニット150のデータ送信タイミングを、2つのイベントが実質的に重なるかまたは実質的に同時におこることのないように、モニタするように構成することができる。あるいは、検体モニタリングユニット120(図1)は、検体センサ160の測定タイミングと送信器ユニット150からのデータ送信タイミングを比較し、検体センサ160による検体測定タイミングと一致する、送信器ユニット150から受け取った検体関連データを棄却するように構成することができる。
【0074】
さらに、一実施形態において、配管内の気泡によるような無液状態も検出するであろう、液体運動モニタリングによるインスリンチューブ内の気泡検出も提供することができる。一実施形態において、気泡が存在するときにゼロ電流を生じるように流量センサを構成することができる。
【0075】
さらに、チューブ内の気泡検出のためにインスリンの着色を提供することができる。医薬用インスリンは無色透明な液体であるから、インスリンポンプからカニューレにインスリンを運ぶチューブ内のインスリンと空気を目視で弁別することは困難である。インスリンを着色することにより、チューブ内の気泡を目視で識別することがかなり容易になり、問題をおこす前に気泡を取り除くことが可能になるであろう。一実施形態において、インスリン着色剤は生体適合性であり、インスリン相溶性である。
【0076】
したがって、本発明の一実施形態において、注入デバイス及び検体モニタリングユニットを備えるシステムは、注入デバイス、データ送信区画を有する身体密着ユニット、及び身体密着ユニットに動作可能な態様で接続された受信器ユニットを備え、身体密着ユニットはさらに注入デバイスに結合され、身体密着ユニットは1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号を受け取るように構成され、さらに、身体密着ユニットは注入デバイスから受け取る液体を注入するように構成され、受信器ユニットは身体ユニットからデータを受信するように構成され、受信データは検体レベルに関連付けられる。
【0077】
システムはさらに、少なくとも第1の部分が患者の検体と液体接触する検体センサを備え、さらに、検体センサの第2の部分はデータ送信区画と信号通信している。
【0078】
データ送信区画は、一実施形態において、1つまたはそれより多くのあらかじめ定められた時間間隔で実質的に定期的に1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号を送信するように構成することができ、1つまたはそれより多くのあらかじめ定められた時間間隔には30秒、1分または90秒の内の1つまたはそれより多くを含めることができる。
【0079】
一態様において、身体密着ユニットは、少なくとも一部が皮膚層下の皮下組織に配置されるカニューレを備えることができ、さらに、身体密着ユニットに液体を送出するために注入デバイスに連結された注入チューブも備えることができる。別の態様において、注入チューブと身体密着ユニットは実質的に水密に封止された態様で連結することができる。
【0080】
また別の実施形態において、注入チューブは液体を送出するために動作可能な態様でカニューレに連結するように構成することができる。
【0081】
身体密着ユニットは1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号を受信器ユニットに無線送信するように構成することができ、身体密着ユニット及び受信器ユニットは、RF通信リンク、ブルートゥース通信リンクまたは赤外線通信リンクの内の1つまたはそれより多くを通じて無線通信するように構成することができる。
【0082】
さらに、別の実施形態において、注入デバイスは、受信器ユニットで受信される1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号に基づいて、液体の送出レートを制御するように構成することができ、さらに、注入デバイスは、1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号に関連付けられる情報に基づいて、インスリンのような液体を送出するための修正送出プロトコルを決定するように構成することができる。
【0083】
また別の態様において、修正送出プロトコルは、補正ボーラス、修正基礎プロフィール、糖質ボーラス、拡張ボーラスまたはこれらの組合せの内の1つまたはそれより多くを含むことができる。
【0084】
一実施形態において、受信器ユニットは、注入デバイスと無線通信するように構成することができる。
【0085】
別の実施形態において、受信器ユニットは注入デバイスのハウジングに組み込むことができる。
【0086】
本発明の別の実施形態において、検体モニタリングと液体注入を統合する方法は、あらかじめ定められた送出レートで液体を注入する段階、1つまたはそれより多くの検体レベルを検出する段階、検出された1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに関連付けられる1つまたはそれより多くの信号を送信する段階、及び送信された1つまたはそれより多くの信号に基づいて修正送出レートを決定する段階を含む。
【0087】
一態様において、1つまたはそれより多くの信号は、関連付けられる1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれの検出の実質的に直後に送信することができる。
【0088】
さらに、一実施形態において、送信する段階は、RF通信リンク、ブルートゥース通信リンク、赤外線通信リンクまたはこれらの組合せの内の1つまたはそれより多くを通じて無線送信される1つまたはそれより多くの信号を無線送信する段階を含むことができる。
【0089】
別の態様において、方法は、送信された1つまたはそれより多くの信号を受信する段階及び受信した1つまたはそれより多くの信号を表示する段階も含むことができる。
【0090】
さらに、方法は修正送出レートを表示する段階も含むことができる。さらに、方法は修正送出レートを実施する段階も含むことができ、あらかじめ定められた送出レートは1つまたはそれより多くの基礎送出レートを含むことができる。
【0091】
修正送出レートは、別の実施形態において、補正ボーラス、修正基礎プロフィール、糖質ボーラス、拡張ボーラスまたはこれらの組合せの内の1つまたはそれより多くを含むことができる。
【0092】
検体センサ及び液体送出チャネルを有する装置は、本発明のまた別の実施形態において、内壁及び外壁を有し、その外壁と内壁の間に配置された複数の電極を有する、流体送出ユニットを有し、液体送出ユニットの一部分及び複数の電極の一部分は皮膚層下の皮下組織に配置される。
【0093】
一態様において、複数の電極には、例えば、作用電極、カウンター電極、参照電極またはこれらの組合せの内の少なくとも1つまたはそれより多くを有する、検体センサを含めることができる。
【0094】
液体送出ユニットはインスリンのような液体を送出するためのチャネルを有することができ、チャネルは実質的に内壁で形成される。
【0095】
本発明のさらに別の実施形態にしたがう検体センサ及び液体送出チャネルを有する装置は、第1のチューブチャネルを有する第1のチューブ及び内部に複数の電極が配されている第2のチューブチャネルを有する第2のチューブを有し、第1のチューブの少なくとも一部分及び第2のチューブの少なくとも一部分は皮膚層下の皮下組織に配置される。
【0096】
一実施形態において複数の電極は実質的及び全面的に互いに絶縁されている。
【0097】
別の実施形態において、第1のチューブ及び第2のチューブは、第1のチューブの外表面が第2のチューブの外表面に実質的に接するように一体で形成することができる。
【0098】
本発明のさらにまた別の実施形態にしたがう注入デバイス及び検体モニタリングユニットを備えるシステムは、注入及びモニタリングデバイス、データ送信区画を有する身体密着ユニット及び、第1の末端で注入デバイスに連結され、さらに第2の末端で身体密着ユニットに連結された、コネクタを有し、身体密着ユニットはさらに注入/モニタリングデバイスに連結され、身体密着ユニットは1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号を受け取るように構成され、さらに、身体密着ユニットは注入/モニタリングデバイスから受け取る液体を注入するように構成され、コネクタは注入デバイスからの液体を身体密着ユニットに流すように構成され、さらに、1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号を注入/モニタリングデバイスに与えるように構成される。
【0099】
一態様において、注入/モニタリングデバイスは患者への液体送出を実行するように構成することができ、さらに、あらかじめ定められた期間にわたって患者の検体レベルを検出するようにするように構成することができる。
【0100】
別の態様において、注入/モニタリングデバイスは連続糖モニタリングシステムを有することができる。
【0101】
また別の態様において、注入/モニタリングデバイスはインスリンポンプを有することができる。
【0102】
本発明のまた別の実施形態にしたがう液体送出及び検体モニタリングの方法は液体注入のための、それぞれがあらかじめ定められた時間間隔で時間的に隔てられた、あらかじめ定められた複数の個別の液体注入を有する、送出プロフィールを決定する段階及び、あらかじめ定められた複数の個別の液体注入のそれぞれの実質的に直前に、検体レベルをサンプリングする段階を含む。
【0103】
方法はさらに、あらかじめ定められた個別の液体注入のそれぞれの実質的に直後に、検体レベルをサンプリングする段階を含むことができる。
【0104】
本発明の構造及び動作方法において、本発明の範囲及び精神を逸脱しない様々なその他の改変及び別形が当業者には明らかであろう。特定の好ましい実施形態に関して本発明を説明したが、特許請求される本発明がそのような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことは当然である。
【符号の説明】
【0105】
100 統合注入デバイス/検体モニタリングシステム
110 注入デバイス
111,121 ディスプレイユニット
120 検体モニタリングユニット
130 注入チューブ
140 通信路
150 送信器ユニット
160 検体センサ
170 カニューレ
180 接着層
【技術分野】
【0001】
本発明は注入システムと検体モニタリングシステムを統合するための方法及びシステムに関する。さらに詳しくは、本発明はインスリン注入デバイスを連続検体モニタリングシステムと統合するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
I型糖尿病患者には、生理学的状態を維持するために、定期的にインスリンが投与されなければならない。一般に、これらの患者は日々、食前に、及び/または、例えばフィンガースティック検査を用いる血糖レベル検査にしたがう適切な時間に、例えば、ニードルタイプの注射器を用いて適量の速効性または遅効性のインスリンを投与する。インスリンが適切に投与されないと、糖尿病患者は身体への致命的な傷害には至らないにしても重大な危険にさらされる。
【0003】
近年の外部注入ポンプ療法における継続的な開発及び改善には、とりわけ、より優れたインスリンの摂取の定期化及び摂取量の制御による糖尿病の改善された管理のため、糖尿病患者はかなりの関心を寄せてきた。一般に、患者には、外部ポンプに取り付けられた注入チューブに接続されたカニューレが挿入され、あらかじめプログラムされた基礎プロフィールに基づいてインスリンが投与される。さらに、現在利用できる外部注入デバイスは、患者の基礎プロフィールを実施している注入デバイスとともに、投与されるべき、例えば、糖質ボーラス及び補正ボーラスのような、ボーラスの適切な投与量を決定できるコンピュータ能力を有する。
【0004】
基礎プロフィールは一般に患者の医師または介護者によって決定され、患者のインスリン感受性及び、例えば患者の医師によって診断された、患者の生理学的状態を含む多くの要因に基づき、患者がインスリンを注入しているあらかじめ定められた期間にわたる患者の糖レベルを正確に評価することが一般に目的とされている。糖レベルは、米国カリフォルニア州アラメーダ(Alameda)のAbbott Diabetes Care, Inc.から入手できる、試験片及びFreestyle(登録商標)糖メータのような血糖メータを用いる患者の定期的な個別検査に基づいて評価することができる。しかし、そのような評価は間違いをおこしやすく、患者の実際の生理学的状態を正確に反映しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、上記の観点から、インスリン注入ポンプのような注入デバイスの機能と連続糖モニタリングシステムのような検体モニタリングシステムの機能が複合されている統合システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記及びその他の課題、特徴及び利点は、以下の詳細な実施形態の説明、添付される特許請求の範囲及び添付図面から、さらに十分に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図2】本発明の別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図3】本発明のまた別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図4】本発明のさらに別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図5】本発明のさらにまた別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図6】本発明のさらになおまた別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図7A】本発明の一実施形態の図6に示される統合注入デバイス/モニタリングシステムをさらに詳細に示す。
【図7B】本発明の一実施形態にしたがう図7Aに示される統合注入デバイス/モニタリングシステムの患者インターフェースにおかれたアナログフロントエンドを示す。
【図7C】図7Aに示される本発明の一実施形態にしたがう統合注入デバイス/モニタリングシステムの集成ポンプ部品におかれたアナログフロントエンドを示す。
【図8A】本発明の一実施形態にしたがう連続検体モニタリングシステムに用いるための受動センサ構成を示す。
【図8B】本発明の一実施形態にしたがう統合注入デバイス/モニタリングシステム患者インターフェースにおいて用いるための能動センサ構成の一実施形態を示す。
【図8C】本発明の一実施形態にしたがう統合注入デバイス/モニタリングシステム患者インターフェースにおいて用いるための能動センサ構成の別の実施形態を示す。
【図9】本発明の一実施形態にしたがう患者が着用する単一パッチに組み込まれた注入デバイス/モニタリング送信器を備える統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。
【図10】本発明の一実施形態にしたがう、検体モニタリングシステムセンサ電極が組み込まれた注入デバイスカニューレの詳細図である。
【図11A】本発明の一実施形態にしたがう、検体モニタリングシステムセンサ電極が組み込まれた注入デバイスカニューレの斜視分解組立図を示す。
【図11B】本発明の一実施形態にしたがう、注入デバイスが組み込まれた検体モニタリングシステム送信器ユニットの上面図を示す。
【図12A】本発明の一実施形態にしたがう、図10の連続検体モニタリングシステムセンサ電極とが組み込まれた注入デバイスカニューレの断面図を示す。
【図12B】本発明の別の実施形態にしたがう、図10の連続検体モニタリングシステムセンサ電極が組み込まれた注入デバイスカニューレの断面図を示す。
【図12C】本発明のまた別の実施形態にしたがう、図10の連続検体モニタリングシステムセンサ電極が組み込まれた注入デバイスカニューレの断面図を示す。
【図13】一実施形態における統合注入デバイス/モニタリングシステムによる血糖値測定及びインスリン送出の時間間隔を示すためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は本発明の一実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図1を参照すれば、本発明の一実施形態における統合注入デバイス/検体モニタリングシステム100は、輸液または注入のための注入チューブ130に連結されている注入デバイス110を備え、注入チューブ130はさらにカニューレ170に連結されている。図1からわかるように、カニューレ170は送信器ユニット150に装着可能な態様で結合されるように構成され、送信器ユニット150には検体センサ160も装着可能な態様で結合されている。通信路140を通じて送信器ユニットと無線通信するように構成された検体モニタリングユニット120も備えられる。
【0009】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態において、送信器ユニット150は通信路140を通じる検体モニタリングユニット120への一方向無線通信のために構成される。一実施形態において、検体モニタリングユニット120は通信路140を通じる双方向通信のためのトランシーバユニット(図示せず)を備えるように構成することができる。一実施形態において送信器ユニット120は検体センサ160で検出される検体レベルに関連付けられる信号を検体モニタリングユニット120に定期的及び/または断続的に送信するように構成することができる。検体モニタリングユニット120は送信器ユニット150からの信号を受信するように構成することができ、一実施形態において、データの格納及び、1つまたはそれより多くのあらかじめプログラムされているかまたはあらかじめ定められたプロセスに基づく、処理を実施するように構成される。
【0010】
例えば、一実施形態において、検体モニタリングユニット120は検体レベルに関連付けられた受信信号をデータ格納ユニット(図示せず)に格納するように構成される。あるいは、またはさらに、検体モニタリングユニット120は、例えば検体モニタリングユニット120のディスプレイユニット121上の出力表示のための線グラフまたは角変位アイコンベース表示の目視表示による、傾向指標を生成するために検体レベルに関連付けられた信号を処理するように構成することができる。実質的にセンサ160で検出されると同時に送信器ユニット150から受信された、患者の実質的に実時間の検体レベルを含むが、これには限定されない、付加情報を検体モニタリングユニット120のディスプレイユニット121上に出力表示することができる。実時間検体レベルは、数値フォーマットまたは、センサ160で検出される実質的実時間検体レベルの正確な測定値を患者に提供するに適する、別のいずれかのフォーマットで表示することができる。
【0011】
センサ160でモニタまたは判定することができる検体には他に、例えば、アセチルコリン、アミラーゼ、ビリルビン、コレステロール、絨毛性ゴナドトロピン、クレアチンキナーゼ(例えば、CK-MB)、クレアチン、DNA、フルクトサミン、糖、グルタミン、成長ホルモン、ホルモン、ケトン、乳酸塩、過酸化物、前立腺特異抗原、プロトロンビン、RNA、甲状腺刺激ホルモン及びトロポニンがある。例えば、抗生物質(例えば、ゲンタミシン、バンコマイシン等)、ジギトキシン、ジゴキシン、乱用薬物、テオフィリン及びワルファリンのような、薬物の濃度も判定することができる。
【0012】
図1を改めて参照すれば、センサ160には、予定された有効寿命後に交換される短期間(例えば、3日間、5日間または7日間)検体センサを含めることができる。さらに、一実施形態において、センサ160は、検体センサの少なくとも一部分の、例えば間質液または血液のような、患者の検体との液体接触が維持されるように患者の皮下に配置するために構成することができる。さらに、同様に患者の皮下に配置されるように構成されたカニューレ170は、患者にインスリンのような医薬を送出するように、注入デバイス110の注入チューブ130に連結される。さらに、一実施形態において、カニューレ170はセンサ160の交換とともに交換されるように構成される。本発明の一態様において、カニューレ170及びセンサ160は、例えば患者の皮下にカニューレ170及びセンサ160をかなり正確に配置するためのバネバイアス印加型またはバネ荷重印加型の挿入機構を含めることができる、挿入銃のような挿入機構(図示せず)を用いて患者の皮下に配置されるように構成することができる。この態様において、カニューレ170及びセンサ160は患者が痛みを実質的にほとんどまたは全く感じずに皮下に配置することができる。あるいは、カニューレ170及び/またはセンサ160は患者の皮膚を通して患者によって手で挿入されるように構成することができる。カニューレ170及びセンサ160の配置後、カニューレ170及びセンサ160は、センサ160及びカニューレ170が皮下に配置されている間の期間を通して患者の皮膚に接着するように構成された接着層180によって所定の位置にかなり堅固に保持することができる。
【0013】
さらに、一実施形態において、センサ160及びカニューレ170の皮下配置後、センサ電極と電気的に接続するように、送信器ユニット150を取り付けることができる。同様に、カニューレ170と合せるために正確に配置され、実質的に水密に封止される態様で、注入チューブ130を送信器ユニット150のハウジングに動作可能な態様で連結するように構成することができる。センサ160,送信器ユニット150及び検体モニタリングユニット120を備える検体モニタリングシステムのさらなる詳細な説明は、本発明の譲受人である、Abbott Diabetes Care, Inc.に譲渡された、米国特許第6175752号の明細書に与えられている。
【0014】
改めて図1を参照すれば、注入デバイス110は基礎プロフィールをプログラムして、注入デバイス110を用いて患者が実施することができ、また患者のインスリン感受性、搭載インスリン、(例えば食事前の糖質ボーラス計算のための)意図された糖質摂取量、測定または検出された患者の糖レベル及び患者の糖傾向情報を含む、1つまたはそれより多くの要因に基づくことができる、補正ボーラス、糖質ボーラス、拡張ボーラス及び二重ボーラスを含むがこれらには限定されない、ボーラス投与量の計算をできる能力を有することができる。別の実施形態において、ボーラス計算能力は検体モニタリングユニット120に与えることもできる。
【0015】
一実施形態において、検体モニタリングユニット120は患者が容易に持ち運ぶことができるかなり小型のハウジングに収めて構成される。さらに、注入デバイス110も同様に、容易に便宜よく患者の衣服に着けることができる(例えば患者のベルトまたは衣服の別の部分に着けるかまたはクリップ止めされるホルスターまたは携帯用具に収められる)かなり小型のデバイスとして構成される。また改めて図1を参照すれば、検体モニタリングユニット120及び/または注入デバイス110は患者による情報入力機構及び、例えば検体モニタリングユニット120上のディスプレイユニット121または注入デバイス110上の同様のディスプレイユニット111を含む、データ出力のような、ユーザインターフェースを備えることができる。
【0016】
注入デバイス110または検体モニタリングユニット120に関連付けられた1つまたはそれより多くのあらかじめ定められた状態の発生に基づいて可聴警報または警告音を出力するように、例えばスピーカーまたはブザーのような、1つまたはそれより多くの音響出力デバイスを注入デバイス110及び/または検体モニタリングユニット120のハウジングに組み込むことができる。例えば、注入デバイス110は、注入チューブ130の閉塞または、カニューレ170の交換時の注入チューブへの液充填の注意換気等のような、定期イベントの発生に際して患者に可聴警告音または警報を出力するように構成することができる。検体モニタリングユニット120も同様に、あらかじめ定められた状態または、例えばセンサ160をその(3日、5日または7日の)有効寿命後の交換の注意喚起またはモニタされた患者の検体レベルに対応する送信器ユニット150から受信されたデータに関連付けられた1つまたはそれより多くの警報のような、あらかじめプログラムされたイベントが発生したときに、可聴警告音または警報を出力するように構成することができる。そのような警報または警告音には、検出された検体レベルがあらかじめ定められた閾レベルをこえているか、または与えられた時間内に検出された検体レベルの傾向が、注意または補正行動を必要とする、高血糖または低血糖になり得るような重大な状態の徴候を示していることの患者への注意警報を含めることができる。これらの可聴警告音及び/または警報の例は説明の目的で上述したに過ぎず、本発明の範囲内において、他のイベントまたは状態を、そのようなイベントまたは状態が発生しているかまたは発生する可能性があることを患者に警告または告知するように、注入デバイス110または検体モニタリングユニット120に、またはいずれにも、プログラムできることに注意すべきである。
【0017】
さらに、本発明の範囲内において、可聴警告音は単独で、あるいは注入デバイス110または検体モニタリングユニット120のそれぞれのディスプレイユニット111,121上の出力表示のような1つまたはそれより多くの可視警報、または患者に触覚表示を与えるであろう、関連付けられた警告音及び/または警報の、振動警報と組み合わせて、出力することができる。
【0018】
さらに、また改めて図1を参照すれば、1つの検体モニタリングユニット120及び1つの送信器ユニット150が示されているが、本発明の範囲内において、例えば、複数の検体モニタリングユニットに実質的に同時に送信するように送信器ユニット150を構成できるように、追加の検体モニタリングユニットまたは送信器ユニットを備えることができる。あるいは、同時に患者の検体と液体接触している複数のセンサに接続された複数の送信器ユニットを、検体モニタリングユニット120または複数の検体モニタリングユニットに送信するように構成することができる。例えば、追加のセンサと接続された追加の送信器ユニットを、カニューレ170を備えず、センサ較正、センサデータ検証等のようなセンサ160に付随する機能を果たすために用いることができる統合注入デバイス/検体モニタリングシステム100に備えることができる。
【0019】
一実施形態において、送信器ユニット150は、送信されたサンプリングデータ信号を受信した検体モニタリングユニット120からの受領確認無しに、センサ160から受け取ったサンプリングデータ信号を送信するように構成される。例えば、送信器ユニット150は、初期電源投入手順の完了後に、固定レートで(例えば1分間隔で)コード化サンプリングデータ信号を送信するように構成することができる。同様に、検体モニタリングユニット120は、そのような送信されたコード化サンプリングデータ信号をあらかじめ定められた時間間隔で検出するように構成することができる。あるいは、送信器ユニット150及び検体モニタリングユニット120は、通信路140を通じる双方向通信のために構成することができる。
【0020】
さらに、一態様において、検体モニタリングユニット120は2つの区画を有することができる。検体モニタリングユニット120の第1の区画は通信路140を介して送信器ユニット150と通信するように構成されたアナログインターフェース区画を有することができる。一実施形態において、アナログインターフェース区画は送信器ユニット150からのデータ信号を受信及び増幅するためのRF受信器及びアンテナを有することができ、データ信号は、受信及び増幅後、局部発振器によって復調され、帯域フィルタを通してフィルタリングされる。検体モニタリングユニット120の第2の区画は送信器ユニット150から受信したデータ信号を、例えば、データデコード、エラー検出及び補正、データクロック発生及びデータビット再生を実施することによるような、処理を行うように構成されたデータ処理区画を有することができる。
【0021】
動作において、検体モニタリングユニット120は、電源投入手順完了時に、例えば、送信器ユニットから送信された検出データ信号の強度あるいはあらかじめ定められた送信器識別情報に基づいて、検体モニタリングユニット120の有効範囲内の送信器ユニット150の存在を検出するように構成される。検体モニタリングユニット120は、送信器ユニット150との同期化に成功すると、検出された患者の検体、例えば糖のレベルに対応するデータ信号を送信器ユニット150からの受信を開始するように構成される。
【0022】
改めて図1を参照すれば、検体モニタリングユニット120または注入デバイス110は、あるいはいずれも、さらに、それぞれが有線または無線接続を介するデータ通信のために構成することができる、デスクトップコンピュータ端末、データ通信可能電話ボックス、ラップトップコンピュータ、電子手帳(PDA)のような小型コンピュータデバイスまたはデータ通信可能移動電話等を含めることができる、データ処理端末(図示せず)と通信するように構成することができる。データ処理端末には、例えば、病院環境における医師の端末または臨床端末を含めることができる。
【0023】
図1の送信器ユニット150と検体モニタリングユニット120の間のデータ通信のための通信路140には、RF通信リンク、ブルートゥース通信リンク、赤外線通信リンクあるいは、2つまたはそれより多くの電子デバイスの間の適するその他のいずれかのタイプの無線通信接続を含めることができる。データ通信リンクには、例えば、RS232接続、USB接続またはシリアルケーブル接続のような、ただしこれらには限定されない、有線ケーブル接続も含めることができる。
【0024】
また改めて図1を参照すれば、本発明の別の態様において、検体モニタリングユニット120または注入デバイス110は(あるいはいずれも)糖レベル判定のために患者の血液を個別にサンプリングするための血糖試験片を受け入れるように構成された試験片ポートを備えることもできる。血糖試験片メータユニットの機能の一例は、本発明の譲受人である、Abbott Diabetes Care, Inc.から入手できるFreestyle血糖メータに見ることができる。
【0025】
上述した態様では、本発明の一実施形態において、インスリンまたはその他の適切な医薬を注入するためのカニューレ170は、検体モニタリングシステムのセンサ160及び送信器ユニット150のための接着パッチ180と一体化される。したがって、患者は、注入デバイスカニューレ170及び(送信器ユニット150を含む)検体モニタリングシステムセンサ160のための2つの個別のパッチではなく、ただ1つの皮膚密着パッチを(例えば腹の皮膚上に)着けることができる。すなわち、I型糖尿病患者は、患者の皮膚上の接着パッチ180部位におこり得る皮膚刺激を最小限に抑えながら、したがってより多くの低刺激注入部位を設けて、注入療法を実時間糖モニタリングとともに簡便に実施することができる。
【0026】
さらに、図1に示されるような統合注入デバイス/検体モニタリングシステム100は、患者が、必要に応じて、注入デバイス110の機能を停止させてシステムを連続検体モニタリングシステムとして構成できるように、注入チューブ130を注入デバイス110からも送信器ユニット150のハウジング(または接着パッチ180)からも取り外すことができるように構成することができる。
【0027】
さらに、本発明の一実施形態にしたがえば、患者は、実質的に連続の実時間糖データ、実質的に連続な実時間糖データに基づく傾向情報を得ることによって糖尿病にともなう生理学的状態をより良く管理することができ、したがって、注入デバイス110が実施するように構成されているあらかじめプログラムされた基礎プロフィールから注入デバイス110によって送出される注入レベルを修正または調節することができる。
【0028】
図2は本発明の別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図2を参照すれば、本発明の一実施形態における統合注入デバイス/検体モニタリングシステム200は、カニューレ260に連結されている注入チューブ220に連結された一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット210を備える。図2には、検体センサ250と電気的に接続している送信器ユニット240も示され、ここで、カニューレ260及び検対センサ250は患者の皮膚下の皮下組織に配置され、接着層またはパッチ270によって所定の位置に保持される。
【0029】
図2を参照すれば、一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット210は、RF通信リンクのような通信路230を通じて送信器ユニット240と無線通信するように構成される。図1に示される実施形態と比較すれば、図2に示される実施形態においては、注入デバイス及び検体モニタが単一ハウジング210に組み込まれていることがわかる。この態様では、送信器ユニット240は、検体センサ250から受け取った検出検体レベルに対応する信号を、データ解析及び処理のために、一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット210に送信するように構成することができる。
【0030】
したがって患者は、簡便に、送信器ユニット240から実時間糖レベルを受け取り、よって、それにしたがってインスリンが患者に送出される既存の基礎プロフィールを修正するべきか否かを決定することができる。この態様では、例えば、患者がインスリンポンプの注入レートに対するいかなる適切な修正も躊躇せずに容易に決定できるように、注入デバイスのユーザインターフェースに実時間糖データを糖傾向データのようなその他の該当情報とともに与えることによって、患者にさらなる簡便さを提供するために、検体モニタリングユニットの機能を注入デバイスの小型ハウジングに組み込むことができる。
【0031】
一実施形態において、カニューレ260,検体センサ250,送信器ユニット240,接着層270,通信路230及び注入チューブ220も含む、図2に示されるそれぞれのコンポーネントの構成並びに注入デバイス及び検体モニタの機能は、図1に関して上述したような、対応するそれぞれのコンポーネントと実質的に同様である。
【0032】
したがって、本発明の一実施形態において、例えば、患者が一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット210の単一ユーザインターフェースシステムを用いてインスリン療法を容易に操作及び管理することが可能になるであろう、一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット210のような単一一体型デバイスを有することにより、糖尿病管理を維持及び強化する上でさらなる簡便さを患者に提供することができる。実際、1つのデバイスにおいて糖レベルに関連付けられる多くの情報及びインスリン注入情報を提供することにより、糖尿病管理及びインスリン療法改善におけるさらなる簡便さを患者に提供することができる。
【0033】
図3は本発明のまた別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図3を参照すれば、本発明の一実施形における統合注入デバイス/検体モニタリングシステム300は、カニューレ370に連結されている注入チューブ340に連結された注入デバイス310を備える。カニューレ370は患者の皮膚下の皮下組織に配置され、接着層380によって所定の位置に実質的に保持されるように構成される。上述したように、また図1〜2に関して説明された実施形態と同様に、検体センサ360も、患者の皮膚下の皮下組織に配置され、所定の位置に保持されて、患者の検体との液体接触が維持される。送信器ユニット350が検体センサ360の電極と電気的に接続されるように備えられる。また、図3からわかるように、一実施形態において、注入チューブ340は、患者の皮膚下に配置されたカニューレ370に連結するように、送信器ユニット350のハウジングに連結される。
【0034】
図3を参照すれば、検体センサ360で検出された患者の検体レベルに関連付けられたデータを送信器ユニット350から受信するために送信器ユニット350と無線通信するように構成された検体モニタリングユニット320も備えられる。図3を参照すれば、一実施形態において、注入デバイス310はディスプレイユニット及び/またはボタンまたはジョグダイアルのような入力ユニットのようなユーザインターフェースを備えていない。代りに、注入デバイス310の動作を無線制御し、さらに、あらかじめプログラムされた基礎プロフィールを実施するために注入デバイス310を適切にプログラムし、その他にも注入デバイス310の機能を制御するように検体モニタリングユニット320が構成されるように、ユーザインターフェース及び制御機構が検体モニタリングシステム320上に備えられる。
【0035】
さらに詳しくは、注入デバイス310のためのプログラミング及び制御機構の全ては、患者が注入デバイス310を着けているときに、注入デバイス310を(腹のような)患者の皮膚上の注入部位の近くで衣服の下に個別に着けることができ、それでも検体モニタリングユニット320を介して注入デバイス310を制御するための簡便なアクセスを患者に提供することができるように、検体モニタリングシユニット320に備えられる。
【0036】
さらに、一実施形態において、カニューレ370,検体センサ360,送信器ユニット350,接着層380,通信路330及び注入チューブ340も含む、図3に示されるそれぞれのコンポーネントの構成並びに注入デバイス及び検体モニタリングユニット320の機能は、図1に関して上述したような、対応するそれぞれのコンポーネントと実質的に同様である。しかし、図3に示される実施形態における注入デバイス310は、検体モニタリングユニット320と通信するためのトランシーバーまたは等価な通信機構をもって構成される。
【0037】
この態様では、本発明の一実施形態において、ユーザインターフェースのない注入デバイス310の構成は、患者が注入デバイス310を着用及び/または携帯する際の快適性を高めるであろう、より小さく、より軽い、注入デバイス310のためのハウジング及び構成を提供する。さらに、注入デバイス310の制御機能及びプログラミング機能は検体モニタリングユニット320に備えられるから、患者は、患者の皮膚下に配置されているカニューレ370に取り付けられた注入チューブ340に煩わされずに、注入デバイス310の機能及び動作を簡便にプログラム及び/または制御することができる。さらに、注入デバイス310のプログラミング及び制御は離れた検体モニタリングユニット320上で行われるから、注入チューブ304をより短くすることができ、したがって煩わしさが軽減され得る。
【0038】
図4は本発明のさらに別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図4を参照すれば、本発明の一実施形態における統合注入デバイス/検体モニタリングシステム400は、RF(無線周波数)リンクのような通信路430を通じて検体モニタリングユニット420と無線通信するように構成された注入デバイス410を備える。さらに、図4からよくわかるように、注入デバイス410は検体センサ電極に接続されているリード線が内蔵された注入チューブ440に接続される。以下でさらに詳細に論じられるように、測定された患者の検体レベルは注入チューブ440を介して注入デバイス410で受け取られ、さらなる処理及び解析のために検体モニタリングユニット420に送信される。
【0039】
さらに詳しくは、図4を参照すれば、統合注入デバイス/検体モニタリングシステム400はカニューレ470及び検体センサ460が設けられたパッチ450を備える。カニューレ470は注入デバイス410から患者にインスリンのような医薬を送出または注入するように構成される。すなわち、一実施形態において、カニューレ470及び検体センサ460は患者の皮膚下の皮下組織に配置されるように構成される。検体センサ460は患者の検体と液体接触にある状態で配置されるように構成される。
【0040】
この態様では、検体センサ460は、患者の測定または検出された検体レベルに対応する信号が注入デバイス410に与えられるように、注入チューブ440に内蔵されたリード線に電気的に接続される。一実施形態において、注入デバイス410は、ディスプレイユニット411上に実時間測定糖レベルを患者に対して表示するように注入デバイス410を構成できるように、データ解析及び格納を行うように構成される。さらにまたはあるいは、注入デバイス410は検体センサ460から受け取った信号を、データ解析、表示及び/または格納のために、検体モニタリングユニット420に無線送信するように構成され、検体モニタリングユニット420は注入デバイス410の機能及び特徴を離れて制御するように構成することができ、ユーザにさらなる簡便さ及び自由性を提供することができる。
【0041】
改めて図4を参照すれば、一実施形態において、パッチ450は通信機ユニットが搭載されていないからかなり小さく構成することができ、患者の皮膚に取り付けるための面積を比較的小さくすることができる。この態様では、インスリンのような医薬を注入するため、及び検体センサ460による連続検体モニタリングのために、かなり小型のハウジングを皮膚に(例えば接着層で取り付けられて)着けていられることでさらなる快適性を患者に提供することができる。
【0042】
図5は本発明のさらにまた別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図4に示される実施形態と比較すると、図5の統合注入デバイス/検体モニタリングシステム500は一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット510を備える。したがって、一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット510のハウジング上に設けられたディスプレイユニット511及び入力ボタン512を有する1つのユーザインターフェースがユーザに提供される。図5には、患者の検体と液体接触している検体センサ540の電極に接続されているリード線が内蔵された注入チューブ520も示される。さらに、図5からわかるように、カニューレ550及び検体センサ540の皮下部分を患者の皮膚下の所望の位置に保持するための接着パッチ530が備えられる。
【0043】
必要に応じて、一体型注入デバイス/検体モニタリングユニット510には、例えば、RF通信リンクのような無線通信路を通じるかまたはUSB接続のようなケーブル接続を通じて患者のコンピュータ端末のような遠隔端末と通信するための無線または有線通信能力を備えることができる。改めて図5を参照すれば、本発明の一実施形態において、注入療法を用いている糖尿病患者にはより少数のコンポーネントが提供され、よって、インスリン療法並びに糖レベルのモニタリング及び管理の取扱または操作がさらに簡易化される。
【0044】
図6は本発明のさらになおまた別の実施形態にしたがう統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図6を参照すれば、統合注入デバイス/検体モニタリングシステム600はユーザインターフェースをもたない注入デバイスを備え、RFリンクのような通信路630を通じて検体モニタリングユニット620と無線通信するように構成される。ユーザインターフェースに付帯するコンポーネントが組み込まれていないことから小型ハウジングに収めることができる注入デバイス610は、患者の検体と液体接触している検体センサ660の電極と対応して接続されているリード線を内蔵する注入チューブ640に接続される。さらに、一実施形態において、患者の皮膚下の所望の位置にカニューレ670及び検体センサ660を保持するように、小さな接着パッチ650が構成される。
【0045】
図3に示される実施形態と同様に、検体モニタリングユニット620は通信リンク630を通じて注入デバイス610の制御及びプログラミングを行うように構成される。この態様では、注入デバイス610の制御及びプログラミング機能は検体モニタリングユニット620によって離れて実施することができ、患者に簡便性を提供することができる。
【0046】
図7Aは、本発明の一実施形態の図6に示される統合注入デバイス/検体モニタリングシステムをさらに詳細に示し、図7B〜7Cはそれぞれ、本発明の一実施形態にしたがう図7Aに示される統合注入デバイス/検体モニタリングシステムの患者インターフェース及び集成ポンプ部品に配置されるアナログフロントエンド回路を示す。図7Aを参照すれば、検体センサの電極への接続のためのリード線が内蔵されている注入チューブ720に連結された注入デバイス710が示される。注入チューブ720はさらに患者の皮膚下の皮下組織の所望の位置にカニューレ750及び検体センサ740を保持するように構成された接着パッチ730に連結されている。
【0047】
図7Aを参照すれば、本発明の一実施形態において、注入デバイス710に第1のアナログフロントエンド回路ユニット711を備えることができ、接着パッチに第2のアナログフロントエンド回路ユニット731を備えることができる。検体センサ740からの内蔵リード線は注入チューブ720を介して注入デバイス710から接着層730まで延びるように構成される。一実施形態において検体センサ740は受動コンポーネントであるから検体センサの作用電極及び参照電極上の信号は、電極が高インピーダンスであって、内蔵リード線が長くなれば(数cmをこえれば)、雑音を受ける。この雑音はさらに作用電極及び参照電極上の信号に悪影響を与える可能性があり、検体センサ740で検出される測定検体レベルを歪ませ得る。
【0048】
内蔵リード線の長さが注入チューブ720の長さに相当する場合、一実施形態において、雑音による悪影響を最小限に抑えるために作用電極及び参照電極からの信号を低インピーダンス信号に変換することができる。したがって、図7B及び7Cに関して以下で詳細に論じられるように、注入デバイス710に第1のアナログフロントエンド回路ユニット711を備え、接着パッチ730に第2のアナログフロントエンド回路ユニット731を備えることができる。
【0049】
図7Bを参照すれば、患者の皮膚上の接着パッチ730に配置された、第2のアナログフロントエンド回路ユニット731は、一実施形態において、作用電極(W)の電流を電圧(VW)に変換し、ガード信号(G)を提供するように構成されたインピーダンス変換増幅器(電流−電圧コンバータまたは“I-V”変換)731A及び参照電極(R)の電圧に基づいてカウンター電極(C)の電圧(VC)を駆動するためのサーボセグメント731Bを備える。図7Bに、それぞれがI-V段及びサーボ段に続き、一実施形態において、中央処理ユニット(CPU)711Dのようなコントローラによってその結果が読み取られるA/D(アナログ−デジタル)コンバータユニット711Cを駆動するように構成された低域フィルタ(LPF)及び利得段711Aも示される。A/Dコンバータユニット711C及びCPU711D及びその他の周辺素子は組み合せて、MSP430製品系列のようなマイクロコントローラ(μC)として知られる1チップ集積回路(IC)にすることができる。
【0050】
次に図7Cを参照すれば、一実施形態において、第2のアナログフロントエンド回路ユニット731は、一対の演算増幅器(731A及び731B)、4つの抵抗器(R1,R2,R3,Rf)及びバイパスコンデンサ(Cb)で実施することができる。演算増幅器731Aを用いるI-V段は、帰還抵抗器(Rf)を通って流れ、低インピーダンス信号VWとして演算増幅器731Aによって駆動される電圧差をつくる、作用電極(W)からの入力電流の作用によって生成される。VW信号に対するオフセットは、ガード信号(G)−作用電極(W)と同じ電位または電圧にある信号−の電圧もつくる、R1,R2及びR3からなる抵抗分圧器によって確立される。
【0051】
演算増幅器731Bを用いるサーボは、一実施形態において、参照電極(R)が抵抗器R1,R2及びR3からなる抵抗分圧器によって設定される第2の値にあるように、センサへのカウンター電極(C)を駆動する。これは作用電極(W)電圧を参照電極(R)より「ポイズ電圧」として知られる設定量(すなわち40mV)だけ高い電圧に維持する。バイパスコンデンサ(Cb)は、局所エネルギーを供給し、回路の雑音を低減するように作用する、0.1μF(100nF)多層セラミック(MLC)コンデンサのような、容量が小さく等価直列抵抗(ESR)が低いコンデンサとすることができる。この回路のための電圧源はV+とV−の間の電位差によって与えることができ、ここで、例えば、V+は5Vとすることができ、V−は接地電位(GND)とすることができる。あるいは、V+を+3Vとすることができ、V−を−3Vとすることができる。
【0052】
一実施形態において、演算増幅器731A,731Bは、単一の小型−8ピンSOT23-8パッケージ(3mm×3mm)内のOPA2349のような表面実装技術(SMT)パッケージに収められた、双演算増幅器集積回路(IC)として入手することができる。同様の双演算増幅器製品は、さらに小型のボール−グリッドアレイ(BGA)パッケージで入手でき、「フリップチップ」及びワイアボンディングのような手法を用いて、プリント回路基板(PCB)またはフレキシブル回路のような回路基板に直接実装できるチップとして入手できる。
【0053】
図8A〜8Cは、本発明の一実施形態にしたがう統合注入デバイス/モニタリングシステムにおいて、連続検体モニタリングシステムに用いるための受動センサ構成及び患者インターフェースに用いるための能動センサ構成の2つの実施形態をそれぞれ示す。図8Aを参照すれば、検体センサ810は作用電極811,ガードトレース812,参照電極813及びカウンター電極814を有する。一実施形態において、検体センサ810の「テール」セグメント815が患者と液体接触するように患者の皮膚下の皮下組織に配置されるように構成される。
【0054】
次に図8Bを参照すれば、検体センサ820は、それぞれが作用電極811,ガードトレース812,参照電極913及びカウンター電極814の役割を果たす、図示される4つのコンタクトが本発明にしたがうV+,V−,VW及びVCである、アナログフロントエンド部分821を備える。この態様では、本発明の一実施形態において、能動検体センサ820の3つの信号が低インピーダンスであり、したがって受動センサ信号ほど雑音を受けることはない。さらに、一実施形態において、検体センサ820の構成にはフレキシブル回路を含めることができる。
【0055】
次に図8Cを参照すれば、別の実施形態において、図8Bの能動センサ820と同様の構成であるが、寸法がかなり小さい、能動センサが示される。さらに詳しくは、検体センサ830には、図8A〜8Bに示される先の2つのセンサ構成において大コンタクト面積で表されるような機械的コンタクトシステムではなく、直接ワイアボンディング用に構成された4つのコンタクトが設けられる。検体センサ830の形状が縮小されるから、カニューレ(例えば図4のカニューレ470)の周りにセンサ830を巻き付けることができ、したがって患者の検体モニタリング及びインスリン注入のために必要な挿入部位を1箇所だけにすることができる。さらに、本発明の範囲内において、センサ回路及びカニューレが、回路831が表面上に作成されているカニューレのような、単一集成部品としてつくられた、別のセンサ/カニューレ構成を提供することができる。
【0056】
図9は、本発明の一実施形態にしたがう、注入デバイス及びモニタリングシステム送信器が患者に着けられる単一パッチに組み込まれた、統合注入デバイス/検体モニタリングシステムを示す。図9を参照すれば、統合注入デバイス/検体モニタリングシステム900は、患者の皮膚下の皮下組織にカニューレ950及び検体センサ940を確実に配置するために患者の皮膚上に着けられるように構成された接着層960上に与えられた組込みパッチポンプ/送信器ユニット910を備える。組込み注入ポンプ/送信器ユニット910のハウジングは、一実施形態において、カニューレ950を通してインスリンのような医薬を患者に送出するための注入機構を備えるように構成される。
【0057】
さらに、組込み注入ポンプ/送信器ユニット910は、RFリンクのような無線通信路930を通じて、検体センサ940で測定された検出検体レベルに関連付けられた信号を送信するように構成される。信号は身体密着組込み注入ポンプ/送信器ユニット910から、組込みパッチポンプ/送信器ユニット910の動作を制御するように構成され、患者の検出検体レベルに対応する、組込みパッチポンプ/送信器ユニット910からの送信信号を受信するようにも構成された、コントローラユニット920に送信される。
【0058】
改めて図9を参照すれば、一実施形態において、組込みパッチポンプ/送信器ユニット910の注入機構には、本発明の譲受人である、Abbott Diabetes Care, Inc.に譲渡された、米国特許第6916159号の明細書に説明されるタイプの注入デバイスを含めることができる。さらに、コントローラユニット920への有線接続を与えるための一組のリード線で無線通信路930を置き換えることができる。
【0059】
この態様では、本発明の一実施形態において、統合注入デバイス/検体モニタリングシステム900に注入チューブが用いられず、これは、煩わしいチューブをもはや着けずに済むことから、患者にさらに快適性及び簡便性を提供することができる。
【0060】
図10は、本発明の一実施形態にしたがう、検体モニタリングシステムセンサ電極が組み込まれた注入デバイスカニューレの詳細図である。図10を参照すれば、検体センサ電極1020がその中に配置され、患者の所定の位置に確実に保持されるように接着パッチ1010に取り付けられた、注入デバイスカニューレが示されている。さらに詳しくは、図10からわかるように、検体センサ電極1020をもつカニューレは、それぞれがカニューレ先端1020内に設けられ、さらに、患者の検体との液体接触を維持するように配置された、(それぞれ、作用電極、参照電極及びカウンター電極に対応できる)センサ電極1021,1022,1023を有する。
【0061】
図12A〜12Cはそれぞれ、本発明の様々な実施形態のそれぞれにしたがう、図10の連続検体モニタリングシステムセンサ電極が組み込まれた注入デバイスカニューレの断面図を示す。図12Aを参照すれば、一実施形態において、チューブ壁1220,インスリン流用内腔1224,リード線外装1220及び個別絶縁リード線1221,1222,1223が、図12Aに示されるように、実質的与えられるように、平行に、リード線及びチューブが与えられる。さらに詳しくは、図から、3本の絶縁リード線のそれぞれには、それぞれの絶縁リード線1221,1222,1223を個別に囲むチューブ壁の絶縁層1220が与えられ、さらに、3本の絶縁リード線1221,1222,1223は続いてチューブ壁1220で囲まれていることがわかる。
【0062】
次に図12Bを参照すれば、本発明の一実施形態において、それぞれがセンサ電極に接続された絶縁リード線1221,1222,1223は、インスリン送出用チューブ内腔1224及び絶縁リード線1221,1222,1223が実質的に図12Bに示されるように構成されて、チューブ壁1220内に同時押出成形される。次に図12Cを参照すれば、本発明のさらにまた別の実施形態において、絶縁リード線1221,1222,1223はそれぞれチューブ1220に巻き付けられて外装1210で覆われ、よって、チューブ壁1220,インスリン送出用内腔1224、個々の絶縁リード線1221,1222,1223,及び、電子雑音を排除するための電磁シールドとしてもはたらくことができる、保護外装1210が、実質的に図12Cに示されるように、与えられる。
【0063】
改めてこれらの図を参照すれば、図12A及び12Cに示される実施形態は、より大きな断面積を有し得るが(したがって、患者の皮膚にパンチで開けられるべき穴をより大きくする必要があるが)、製造がより容易であり、検体センサエレクトロニクスへの接続がより確実で容易になるであろう。さらに、本発明の範囲内において、センサとポンプの間のインスリン送出チューブに沿う光データ通信(例えば光ファイバ)を上で論じた内蔵リード線の代りに備えることができる。
【0064】
図11Aは、本発明の別の実施形態にしたがう、注入デバイスのカニューレに組み込まれる検体モニタリングシステムセンサ電極の斜視分解組立図を示し、図11Bは、本発明の一実施形態にしたがう、注入デバイスに組み込まれた検体モニタリングシステム送信器ユニットの上面図を示す。図11A〜11Bを参照すれば、本発明の一実施形態において、一体型検体センサ/注入デバイスカニューレ1100は、上部絶縁層1101,電極トレースを載せている導電層1102及びこれに続く、注入カニューレ1103が組み込まれた、3層基板を含む5層の積層からなる。
【0065】
一実施形態において、注入カニューレ1103が組み込まれた3層基板は、センサ電極を注入カニューレから絶縁するための分離/絶縁層1103A,インスリンまたはその他いずれかの適する医薬の流れを誘導するように構成されたチャネル層1103B及び流入/流出層1103Cからなる。図11Aには、一体型検体センサ/注入デバイスカニューレ1100の組立図も示されている。
【0066】
次に図11Bを参照すれば、一実施形態に示されるようなパッチポンプに送信器ユニット1110及び、インスリン貯槽1120に連結され、送信器ユニット1110に動作可能な態様で結合または搭載された、インスリンポンプ1130が備えられていることがわかる。図11Bには、一体型注入カニューレ/検体センサ1100のそれぞれの電極との電気的接触を確立するように構成された検体センサコンタクト1140も示されている。図11Bには、一体型注入デバイスカニューレ/検体センサ1100のチャネル層1103Bに連結されたインスリンポート1150も示されている。
【0067】
この態様では、本発明の一実施形態において、パッチポンプは、患者が皮膚上に着けることができ、インスリン注入機構を検体センサ及び送信器ユニットともに備える。
【0068】
図13は、一実施形態における、統合注入デバイス/モニタリングシステムによる血糖測定及びインスリン送出の時間間隔を示すためのタイミング図である。さらに詳しくは、インスリンポンプは一般に定期的態様で2〜3分の範囲の送出時間内にインスリンを送出し、それぞれの送出時の送出持続時間は数秒のオーダーないしさらに短い。それぞれの送出時に送出されるインスリン量は、望ましい総インスリン送出レートにしたがって変わり得る。検体データは(例えば連続糖酸化カレントとして)連続的に収集されるが、一般には定期的にユーザに報告される。検体報告間隔は一般に1〜10分であり、報告可能な糖値を生成するためには、糖酸化カレントは(フィルタリング等を可能にするため)10〜30秒間収集される必要がある。
【0069】
実際、検体モニタリングとインスリン送出の統合には、検体センサを身体上のインスリン注入カニューレの極めて近くに配置することが必要になり得る。そのように極めて近いと、インスリン送出が検体測定と干渉する可能性が生じる。例えば、インスリン注入が注入部位近くの身体領域における糖濃度の局所的減少をおこさせるはずであれば、その領域における糖測定は全体としての身体内の糖濃度を表すことにならないであろう。したがって、本発明の一実施形態において、インスリン注入と糖測定の間の可能な干渉を緩和するための血糖測定時刻とインスリン送出時刻を隔てる方法が提供されている。
【0070】
一実施形態にしたがえば、検体測定時刻とインスリン送出時刻を隔てる方法には、インスリン送出後検体測定値をとるまでの時間間隔をできるだけ大きくすることを含めることができる。検体測定とインスリン送出はいずれも定期的に行われるから、最大時間間隔は、検体測定がインスリン送出の実質的に直前である場合に達成され得る。インスリン送出とその後の糖測定の間の時間中に、注入されたインスリンが拡散し、間質液の通常の循環によって注入部位から運び去られる余裕が得られる。検体測定とインスリン送出の時間間隔のスケジュールの一例が図13に示される。インスリン送出時点間で複数の検体測定値がとられる場合、糖測定読み値への注入インシュリンの影響を最小限に抑えるため、必ず、インスリン送出直前及びインスリン送出直後のいずれにおいても読み値をとるべきである。
【0071】
読み値は一般に処理を簡単にするために定期的にとられるが、ある読み値は他の読み値と異なるタイミングでとることができ、読み値の総平均をとるために適切に比例増減することができる。同様に、読取はより長時間にわたって作用することが意図されている注入よりはるかに頻繁に行われるから、読取の影響がほとんどまたは全くなくなった後までインスリン注入時刻を若干遅らせることができる。さらに、測定された検体レベルにおこり得る誤差及び/または注入デバイスの注入レートに導入される雑音またはおこり得る悪影響を最小限に抑えるため、本発明の範囲内において、統合注入デバイス/検体モニタリングシステムが患者によって用いられる環境に依存して、他のタイミング要件を考慮することができる。
【0072】
さらに詳しくは、例えば電池または関連配電回路を含む、注入デバイス及び/または検体モニタリングシステムの電源における変動は、検体モニタリングシステムにともなう測定読み値に悪影響を与え得る電気的雑音効果を導入し得る。例えば、検体モニタリングシステムがデータを送信または受信するために活動状態にあるように構成されている場合、あるいは注入デバイスのポンプサイクルが起動されている場合、電源はデータ送信/受信あるいはポンプサイクルによる負荷の影響を受け得る。電源の悪影響は、電子回路のその他のコンポーネントからの雑音に加えて、望ましくない雑音を導入し、検体センサ測定の確度に悪影響を与え得る。
【0073】
したがって、例えば送信器ユニット150(図1)は、検体センサ160から受け取る検体レベル測定値のタイミングまたは発生及び送信器ユニット150のデータ送信タイミングを、2つのイベントが実質的に重なるかまたは実質的に同時におこることのないように、モニタするように構成することができる。あるいは、検体モニタリングユニット120(図1)は、検体センサ160の測定タイミングと送信器ユニット150からのデータ送信タイミングを比較し、検体センサ160による検体測定タイミングと一致する、送信器ユニット150から受け取った検体関連データを棄却するように構成することができる。
【0074】
さらに、一実施形態において、配管内の気泡によるような無液状態も検出するであろう、液体運動モニタリングによるインスリンチューブ内の気泡検出も提供することができる。一実施形態において、気泡が存在するときにゼロ電流を生じるように流量センサを構成することができる。
【0075】
さらに、チューブ内の気泡検出のためにインスリンの着色を提供することができる。医薬用インスリンは無色透明な液体であるから、インスリンポンプからカニューレにインスリンを運ぶチューブ内のインスリンと空気を目視で弁別することは困難である。インスリンを着色することにより、チューブ内の気泡を目視で識別することがかなり容易になり、問題をおこす前に気泡を取り除くことが可能になるであろう。一実施形態において、インスリン着色剤は生体適合性であり、インスリン相溶性である。
【0076】
したがって、本発明の一実施形態において、注入デバイス及び検体モニタリングユニットを備えるシステムは、注入デバイス、データ送信区画を有する身体密着ユニット、及び身体密着ユニットに動作可能な態様で接続された受信器ユニットを備え、身体密着ユニットはさらに注入デバイスに結合され、身体密着ユニットは1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号を受け取るように構成され、さらに、身体密着ユニットは注入デバイスから受け取る液体を注入するように構成され、受信器ユニットは身体ユニットからデータを受信するように構成され、受信データは検体レベルに関連付けられる。
【0077】
システムはさらに、少なくとも第1の部分が患者の検体と液体接触する検体センサを備え、さらに、検体センサの第2の部分はデータ送信区画と信号通信している。
【0078】
データ送信区画は、一実施形態において、1つまたはそれより多くのあらかじめ定められた時間間隔で実質的に定期的に1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号を送信するように構成することができ、1つまたはそれより多くのあらかじめ定められた時間間隔には30秒、1分または90秒の内の1つまたはそれより多くを含めることができる。
【0079】
一態様において、身体密着ユニットは、少なくとも一部が皮膚層下の皮下組織に配置されるカニューレを備えることができ、さらに、身体密着ユニットに液体を送出するために注入デバイスに連結された注入チューブも備えることができる。別の態様において、注入チューブと身体密着ユニットは実質的に水密に封止された態様で連結することができる。
【0080】
また別の実施形態において、注入チューブは液体を送出するために動作可能な態様でカニューレに連結するように構成することができる。
【0081】
身体密着ユニットは1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号を受信器ユニットに無線送信するように構成することができ、身体密着ユニット及び受信器ユニットは、RF通信リンク、ブルートゥース通信リンクまたは赤外線通信リンクの内の1つまたはそれより多くを通じて無線通信するように構成することができる。
【0082】
さらに、別の実施形態において、注入デバイスは、受信器ユニットで受信される1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号に基づいて、液体の送出レートを制御するように構成することができ、さらに、注入デバイスは、1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号に関連付けられる情報に基づいて、インスリンのような液体を送出するための修正送出プロトコルを決定するように構成することができる。
【0083】
また別の態様において、修正送出プロトコルは、補正ボーラス、修正基礎プロフィール、糖質ボーラス、拡張ボーラスまたはこれらの組合せの内の1つまたはそれより多くを含むことができる。
【0084】
一実施形態において、受信器ユニットは、注入デバイスと無線通信するように構成することができる。
【0085】
別の実施形態において、受信器ユニットは注入デバイスのハウジングに組み込むことができる。
【0086】
本発明の別の実施形態において、検体モニタリングと液体注入を統合する方法は、あらかじめ定められた送出レートで液体を注入する段階、1つまたはそれより多くの検体レベルを検出する段階、検出された1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに関連付けられる1つまたはそれより多くの信号を送信する段階、及び送信された1つまたはそれより多くの信号に基づいて修正送出レートを決定する段階を含む。
【0087】
一態様において、1つまたはそれより多くの信号は、関連付けられる1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれの検出の実質的に直後に送信することができる。
【0088】
さらに、一実施形態において、送信する段階は、RF通信リンク、ブルートゥース通信リンク、赤外線通信リンクまたはこれらの組合せの内の1つまたはそれより多くを通じて無線送信される1つまたはそれより多くの信号を無線送信する段階を含むことができる。
【0089】
別の態様において、方法は、送信された1つまたはそれより多くの信号を受信する段階及び受信した1つまたはそれより多くの信号を表示する段階も含むことができる。
【0090】
さらに、方法は修正送出レートを表示する段階も含むことができる。さらに、方法は修正送出レートを実施する段階も含むことができ、あらかじめ定められた送出レートは1つまたはそれより多くの基礎送出レートを含むことができる。
【0091】
修正送出レートは、別の実施形態において、補正ボーラス、修正基礎プロフィール、糖質ボーラス、拡張ボーラスまたはこれらの組合せの内の1つまたはそれより多くを含むことができる。
【0092】
検体センサ及び液体送出チャネルを有する装置は、本発明のまた別の実施形態において、内壁及び外壁を有し、その外壁と内壁の間に配置された複数の電極を有する、流体送出ユニットを有し、液体送出ユニットの一部分及び複数の電極の一部分は皮膚層下の皮下組織に配置される。
【0093】
一態様において、複数の電極には、例えば、作用電極、カウンター電極、参照電極またはこれらの組合せの内の少なくとも1つまたはそれより多くを有する、検体センサを含めることができる。
【0094】
液体送出ユニットはインスリンのような液体を送出するためのチャネルを有することができ、チャネルは実質的に内壁で形成される。
【0095】
本発明のさらに別の実施形態にしたがう検体センサ及び液体送出チャネルを有する装置は、第1のチューブチャネルを有する第1のチューブ及び内部に複数の電極が配されている第2のチューブチャネルを有する第2のチューブを有し、第1のチューブの少なくとも一部分及び第2のチューブの少なくとも一部分は皮膚層下の皮下組織に配置される。
【0096】
一実施形態において複数の電極は実質的及び全面的に互いに絶縁されている。
【0097】
別の実施形態において、第1のチューブ及び第2のチューブは、第1のチューブの外表面が第2のチューブの外表面に実質的に接するように一体で形成することができる。
【0098】
本発明のさらにまた別の実施形態にしたがう注入デバイス及び検体モニタリングユニットを備えるシステムは、注入及びモニタリングデバイス、データ送信区画を有する身体密着ユニット及び、第1の末端で注入デバイスに連結され、さらに第2の末端で身体密着ユニットに連結された、コネクタを有し、身体密着ユニットはさらに注入/モニタリングデバイスに連結され、身体密着ユニットは1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号を受け取るように構成され、さらに、身体密着ユニットは注入/モニタリングデバイスから受け取る液体を注入するように構成され、コネクタは注入デバイスからの液体を身体密着ユニットに流すように構成され、さらに、1つまたはそれより多くの検体レベルのそれぞれに対応する1つまたはそれより多くの信号を注入/モニタリングデバイスに与えるように構成される。
【0099】
一態様において、注入/モニタリングデバイスは患者への液体送出を実行するように構成することができ、さらに、あらかじめ定められた期間にわたって患者の検体レベルを検出するようにするように構成することができる。
【0100】
別の態様において、注入/モニタリングデバイスは連続糖モニタリングシステムを有することができる。
【0101】
また別の態様において、注入/モニタリングデバイスはインスリンポンプを有することができる。
【0102】
本発明のまた別の実施形態にしたがう液体送出及び検体モニタリングの方法は液体注入のための、それぞれがあらかじめ定められた時間間隔で時間的に隔てられた、あらかじめ定められた複数の個別の液体注入を有する、送出プロフィールを決定する段階及び、あらかじめ定められた複数の個別の液体注入のそれぞれの実質的に直前に、検体レベルをサンプリングする段階を含む。
【0103】
方法はさらに、あらかじめ定められた個別の液体注入のそれぞれの実質的に直後に、検体レベルをサンプリングする段階を含むことができる。
【0104】
本発明の構造及び動作方法において、本発明の範囲及び精神を逸脱しない様々なその他の改変及び別形が当業者には明らかであろう。特定の好ましい実施形態に関して本発明を説明したが、特許請求される本発明がそのような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことは当然である。
【符号の説明】
【0105】
100 統合注入デバイス/検体モニタリングシステム
110 注入デバイス
111,121 ディスプレイユニット
120 検体モニタリングユニット
130 注入チューブ
140 通信路
150 送信器ユニット
160 検体センサ
170 カニューレ
180 接着層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体センサ及び液体送出チャネルを有する装置において、
第1のチューブチャネルを有する第1のチューブ、及び
第2のチューブチャネルを有する第2のチューブであって、前記第2のチューブチャネル内に配置された複数の電極を有する、第2のチューブ、
を有し、
前記第1のチューブの少なくとも一部分及び前記第2のチューブの少なくとも一部分が皮膚層下の皮下組織に配置されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記複数の電極のそれぞれが実質的及び全面的に相互に絶縁されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のチューブ及び前記第2のチューブが、前記第1のチューブの外表面が前記第2のチューブの外表面に実質的に接するような、一体態様で形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の電極が検体センサを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項1】
検体センサ及び液体送出チャネルを有する装置において、
第1のチューブチャネルを有する第1のチューブ、及び
第2のチューブチャネルを有する第2のチューブであって、前記第2のチューブチャネル内に配置された複数の電極を有する、第2のチューブ、
を有し、
前記第1のチューブの少なくとも一部分及び前記第2のチューブの少なくとも一部分が皮膚層下の皮下組織に配置されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記複数の電極のそれぞれが実質的及び全面的に相互に絶縁されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のチューブ及び前記第2のチューブが、前記第1のチューブの外表面が前記第2のチューブの外表面に実質的に接するような、一体態様で形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の電極が検体センサを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【公開番号】特開2012−20176(P2012−20176A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229489(P2011−229489)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【分割の表示】特願2008−503129(P2008−503129)の分割
【原出願日】平成18年3月21日(2006.3.21)
【出願人】(500211047)アボット ダイアベティス ケア インコーポレイテッド (43)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT DIABETES CARE INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【分割の表示】特願2008−503129(P2008−503129)の分割
【原出願日】平成18年3月21日(2006.3.21)
【出願人】(500211047)アボット ダイアベティス ケア インコーポレイテッド (43)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT DIABETES CARE INC.
【Fターム(参考)】
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