説明

絵付装置

【課題】ワークの表面に絵柄フィルムの絵柄層を絵付けする絵付装置において、ワークの表面形状に拘わらず、絵柄フィルムが密着された部位に良好に絵付けすることを可能とする。
【解決手段】真空引きによりワークWの表面に転写フィルムFを密着させた状態で、該ワークWの周囲を仕切壁部材50によって囲い、該仕切壁部材50によって囲われたワーク周囲の閉じた空間Sに、蒸気発生器で発生させた蒸気を供給する。その際、該蒸気の温度を絵柄フィルムFにおける絵柄層の反ベースフィルム側に設けられた接着層をベースフィルム側から溶融可能な温度とし、この蒸気を転写フィルムのベースフィルムに接触させることにより、その熱で前記転写フィルムFの接着層を溶融させ絵柄層をワークWの表面に転写する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの表面に絵柄フィルムの絵柄層を絵付けする絵付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークの表面に絵柄フィルムの絵柄層を絵付けする方法として、ワークの表面に転写フィルムの絵柄層を転写する方法や絵柄層を有する貼着フィルムを貼着する方法が知られている。ワークの表面に転写フィルムの絵柄層を転写する際に用いる熱転写装置として、例えば、特許文献1には、転写フィルムが上面に載置されたワークを加熱されたラバー部材で上方から押し付けることにより、転写フィルムの絵柄層をワークの表面に熱転写するようにしたものが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、ワークが載置される下側チャンバ部材、該下側チャンバ部材の上に前記転写フィルムを挟んで載置される上側チャンバ部材、両チャンバ部材間に挟まれた前記転写フィルムを加熱する加熱手段、及び前記転写フィルムにより仕切られた下側チャンバ部材内の空間を真空状態とする真空引き手段を有し、この真空引きによって前記転写フィルムをワークの表面に密着させた状態で、転写フィルムに加えられた熱により該転写フィルムの絵柄層をワークの表面に転写する熱転写装置が開示されている。
【0004】
さらに、真空引きにより、ワークの表面に転写フィルムを密着させる技術として、まず、前記転写フィルムによって仕切られた上側チャンバ部材内の空間と下側チャンバ部材内の空間のいずれも真空状態とし、次いで、上側チャンバ部材内の空間のみに大気を導入させることにより、ワークの表面から完全に空気を除去した上で転写フィルムを密着させるものが知られており、これによれば、ワークの表面形状に拘わらず、該ワークの表面に転写フィルムを確実に密着させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−120817号公報
【特許文献2】特開2007−168121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の熱転写装置においては、ワークをラバー部材で上方から押し付ける構造とされているので、ワークが例えばアンダーカット部を有している場合、このアンダーカット部にラバー部材を当接させることができず、したがって、アンダーカット部に転写することができないという欠点がある。
【0007】
これに対し、特許文献2に記載の熱転写装置のように、転写フィルムを真空引きするものは、アンダーカット部を有するワークの場合にも該ワークの表面に転写フィルムを確実に密着させることが可能となるが、この場合においても、ワークの形状によっては、転写フィルムに対する加熱が良好に行われないため、部分的に転写不良を生じる場合がある。
【0008】
つまり、図13、14に示すように、ワークWの表面に転写フィルムFを密着させた状態で、周囲に配置したヒータHによって、該ワークWの転写面を加熱することにより、転写フィルムFの絵柄層をワークWの表面に転写する場合に、該ワークWのヒータHに対向する上面Wや周囲の側面Wについては、十分に加熱することができて良好に転写することができるが、ヒータHから距離が離れた切込み部W’の奥の面Wは加熱量が少なくなり、また、ヒータHに対向しない周辺部の下面Wや、前記切込み部W’の側面WなどのヒータHと対向しない面は、さらに加熱量が少なくなる。特に、前記周辺部の下面Wや切込み部W’の側面Wにおいては加熱量が不足し、良好に転写することができないのである。
【0009】
これに対しては、ヒータHの温度を上げ、或いは加熱時間を長くすることが考えられるが、このようにすると、ヒータHに直接対向する上面Wや側面Wが加熱過剰となり、転写フィルムFに悪影響を及ぼして、新たな転写不良を生じることになる。このことは、輻射熱によって転写フィルムを加熱するヒータに代えて、温風ヒータを用いた場合も同様である。
【0010】
なお、このことは、転写フィルムの絵柄層をワークの表面に転写する場合に限らず、ワークの表面に絵柄層を有する貼着フィルムを貼着する場合など、熱を用いてワークの表面に絵柄フィルムの絵柄層を絵付けする場合にも生じるものである。
【0011】
そこで、本発明は、ワークの表面形状に拘わらず、絵柄フィルムが密着した面に対して、常に良好に絵付けすることができる絵付装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本願の請求項1に記載の発明は、ワークの表面にベースフィルムの一方の面に絵柄層と接着層とが順次積層された転写フィルム又は貼着フィルムのいずれか一方の絵柄フィルムを用いて絵付けする絵付装置であって、ワークが載置されるワーク載置台が内部に配設され、且つ開口した上面に前記接着層側をワークに向けて絵柄フィルムが配置される下側チャンバ部材と、開口した下面が前記下側チャンバ部材の開口した上面に前記絵柄フィルムを挟んで対接され、下側チャンバ部材とで閉じた空間を形成する上側チャンバ部材と、前記下側チャンバ部材内の絵柄フィルムにより仕切られた空間を真空状態とすることにより、前記絵柄フィルムをワークの表面に密着させる真空引き装置と、前記上側及び下側チャンバ部材で形成される空間内で下面が前記ワーク載置台に接することにより、ワークの周囲を囲う閉じた空間を形成する仕切壁部材と、該仕切壁部材によって形成された閉じた空間に、ワークの表面に密着された絵柄フィルムの接着層をベースフィルム側から溶融可能な温度の蒸気を供給する蒸気供給装置とを有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記仕切壁部材は、ワークの上面を覆う天板と側面を覆う側板とを備え、該天板と側板とに、蒸気を供給する供給通路と、該蒸気を仕切壁部材内の空間に噴出する蒸気噴出穴とがそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記天板と側板とに、前記供給通路を通過する蒸気をそれぞれ加熱するヒータが設けられ、天板に設けられたヒータと側板に設けられたヒータとが独立して温度制御可能に構成されていることを特徴とする。
【0015】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記蒸気噴出穴は、仕切壁部材に複数設けられ且つ選択的に閉塞可能とされていることを特徴とする。
【0016】
そして、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記仕切壁部材の内面に遠赤外線セラミックコーティングが施されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
次に、本発明の効果について説明する。
【0018】
まず、請求項1に記載の発明によれば、周知の技術によってワークの表面に絵柄フィルムが密着された状態で、仕切壁部材によって形成されたワークの周囲を囲う閉じられた空間に蒸気が供給され、この蒸気がワークの表面に密着した絵柄フィルムの外側の面、即ちベースフィルム側の面に接触することになる。その際、この蒸気の温度は、絵柄フィルムにおける絵柄層の反ベースフィルム側に設けられた接着層をベースフィルム側から溶融可能な温度とされているから、該蒸気の熱が絵柄フィルムの接着層に伝達されることにより前記接着層を形成する接着剤が溶融し、絵柄層がワークの表面に絵付けされることになる。
【0019】
その場合に、ワークの周囲に供給された蒸気は、該ワークの表面のあらゆる部位にほぼ均等にいきわたって熱を伝えるから、例えばワークの周辺部下面や切込み部の側面等の周囲に配置したヒータでは十分加熱することができない部位でも、十分に加熱することが可能となる。これにより、絵柄フィルムが密着した部位に対しては、該フィルムの絵柄層が良好に絵付けされることになり、ワークの表面形状にかかわらず、常に良好な絵付けが行われることになる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明によれば、基本的には請求項1に記載の発明と同様の効果を奏することができる。特に、仕切壁部材は、ワークの上面を覆う天板とワークの側面を覆う側板とを備え、天板と側板とにそれぞれ蒸気を供給する供給通路が形成されるとともに、仕切壁部材内の空間に蒸気を噴出する蒸気噴出穴が形成されていることにより、前記効果をより具体的に実現することができる。
【0021】
また、請求項3に記載の発明によれば、基本的には請求項2に記載の発明と同様の効果を奏することができる。特に、天板と側板にそれぞれ蒸気を加熱するヒータが設けられ、天板に設けられたヒータと側板に設けられたヒータとが独立して温度制御可能に構成されていることにより、絵柄フィルムの種類やワークの形状に応じた温度制御を行うことができる。
【0022】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、基本的には請求項2又は請求項3に記載の発明と同様の効果を奏することができる。特に、前記蒸気噴出穴は、仕切壁部材に複数設けられ且つ選択的に閉塞可能とされていることにより、ワークの形状に応じて蒸気の供給位置を調節することができる。
【0023】
そして、請求項5に記載の発明によれば、基本的には請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明と同様の効果を奏することができる。特に、仕切壁部材の内面に、遠赤外線セラミックコーティングが施されていることにより、絵柄フィルムをより効率良く加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の参考例に係る絵付装置の概略断面図である。
【図2】同絵付装置における蒸気供給装置の概略断面図である。
【図3】同絵付装置で用いられる転写フィルムの断面図である。
【図4】同絵付装置による真空引き状態を示す概略断面図である。
【図5】同蒸気供給状態を示す概略断面図である。
【図6】図5のX−X線による断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る絵付装置の概略断面図である。
【図8】図7のZ−Z線による断面図である。
【図9】同絵付装置におけるスチームプレートの上面図である。
【図10】同絵付装置による転写フィルム配設状態を示す概略断面図である。
【図11】同真空引き状態を示す概略断面図である。
【図12】同蒸気供給状態を示す概略断面図である。
【図13】従来の熱転写装置の問題点を示す平面図である。
【図14】図13のY−Y線による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態に係る絵付装置について説明する。
【0026】
まず、実施形態の前提となる構成と作用を備えた参考例について説明すると、図1に示すように、この参考例に係る絵付装置としての熱転写装置1は、上面が開口された下側チャンバ部材2と、該下側チャンバ部材2の上方に配置され、下面が開口された上側チャンバ部材3とを有し、該上側チャンバ部材3を下側チャンバ部材2の上方に設置して両チャンバ部材2、3によって箱状に閉じた空間を形成した状態と、上側チャンバ3を下側チャンバ部材2の上方から退避させて該下側チャンバ部材2の上方を開放した状態とに切り替えられるようになっている。
【0027】
なお、下側チャンバ部材2の内部底面にはワーク載置台4が備えられ、該載置台4上にワークWが載置されるようになっている。
【0028】
また、該下側チャンバ部材2の上面を塞ぐように転写フィルムFが供給されるようになっており、上側チャンバ部材3が下側チャンバ部材2の上方に設置されたときに、図1に示すように、下側チャンバ部材2の上面と上側チャンバ部材3の下面との間に転写フィルムFを挟んで両チャンバ部材2、3が閉じ、このとき、両チャンバ部材2、3内の空間が転写フィルムFによって仕切られるようになっている。
【0029】
また、この熱転写装置1には、圧力制御装置10が備えられている。この圧力制御装置10は、真空ポンプ11と、圧空ポンプ12と、真空ポンプ11から分岐して前記下側チャンバ部材2内及び上側チャンバ部材3内に通じる真空通路13と、圧空ポンプ12から延びて上側チャンバ部材3内に通じる圧空通路14と、前記真空通路13の分岐通路13a、13bにそれぞれ配置された開閉弁15a、15bと、前記圧空通路14に配置された開閉弁16とを備えている。
【0030】
さらに、この熱転写装置1は、図2に示すような蒸気供給装置20を有する。この蒸気供給装置20は、前記下側チャンバ部材2の上方から上側チャンバ部材3が退避した状態で、下側チャンバ部材2内に配置され、前記載置台4上のワークWを囲う仕切壁部材21と、この仕切壁部材21の上部に配置された蒸気発生器22とを有する。
【0031】
そして、該蒸気供給装置20を下側チャンバ部材2内に設置したときに、前記ワークWの周囲に閉じた空間Sが形成されると共に、この空間内に、前記蒸気発生器22から蒸気が供給されるようになっている。
【0032】
ここで、前記転写フィルムFは、図3に示すように、ベースフィルムFの一方の面に剥離層F、絵柄層F及び接着層Fを順次積層した構成とされている。そして、前記蒸気発生器22から供給される蒸気の温度は、この蒸気が前記転写フィルムFにベースフィルムF側から接触したときに、該ベースフィルムF、剥離層F及び絵柄層Fを介して接着層Fを構成する接着剤を溶融可能な温度とされている。
【0033】
なお、この蒸気の温度は一般に使用されている転写フィルムの場合、120〜200℃ぐらいであるが、必ずしもこの範囲の温度に限られることはなく、該フィルムを構成する各層の材質や厚さなどによって、接着剤を溶融可能な最適の温度に設定される。また、転写フィルムとしては、常温で伸びるものや常温で伸びないものなど種々の転写フィルムを使用することができる。
【0034】
次に、この熱転写装置1の作用を説明する。
【0035】
まず、図1に示すように、下側チャンバ部材2内のワーク載置台4にワークWを載置すると共に、該下側チャンバ部材2の上面に、ベースフィルムF側を上に向けて転写フィルムFを供給する。そして、この状態で、該下側チャンバ部材2の上方に上側チャンバ部材3を設置し、下側チャンバ部材2の上面と上側チャンバ部材3の下面との間に転写フィルムFを挟んだ状態で、両チャンバ部材2、3を閉じる。
【0036】
次に、この状態で、真空通路13の分岐通路13a、13bにそれぞれ配置された開閉弁15a、15bを開き、圧空通路14に配置された開閉弁16を閉じた上で、真空ポンプ11を作動させることにより、転写フィルムFによって仕切られた下側チャンバ部材2内の空間と、上側チャンバ部材3内の空間とを同時に真空状態とする。このとき、転写フィルムFの両側の圧力はほぼ等しい状態が維持されるので、図1に示すように、該フィルムFは両チャンバ部材2、3の間に張り渡された状態のままである。
【0037】
次に、前記真空通路13の分岐通路13b上の開閉弁15bを閉じ、圧空通路14上の開閉弁16を開き、圧空ポンプ12を作動させることにより、転写フィルムFによって仕切られた上側チャンバ部材3内の空間のみに圧空を供給する。
【0038】
これにより、図4に示すように、転写フィルムFの下側の空間は真空状態、上側の空間は圧空供給状態となって、該フィルムFの両側に大きな圧力差が生じ、この圧力差により、転写フィルムFがワークWの表面に密着されることになる。その場合に、該ワークWとフィルムFとの間からは予め空気が排除されているから、転写フィルムFはワークWの上面Wや側面Wだけでなく、例えば側部の下面Wや切込み部W’の奥面W、側面Wなどにも完全に密着することになる。
【0039】
次に、上側チャンバ部材3を下側チャンバ部材2の上方から退避させた上で、図5、6に示すように、下側チャンバ部材2内に、前記載置台4上のワークWを囲うように蒸気供給装置20を設置し、該装置20の仕切壁部材21とその上部に設けられた蒸気発生器22とで、ワークWの周囲に閉じた空間Sを形成する。
【0040】
そして、この状態で、前記蒸気発生器22で蒸気を発生させ、前記空間Sに蒸気を供給する。その場合に、この蒸気の温度は、その熱により、転写フィルムFにおけるベースフィルムF、剥離層F及び絵柄層Fを介して接着層Fを構成する接着剤を溶融可能な温度に設定される。
【0041】
したがって、前記空間S内で、ワークWの表面に密着した転写フィルムFのベースフィルムFに蒸気が接触した際に、その熱により、転写フィルムFの接着層Fが溶融するまで加熱されることになり、該フィルムFが大きな圧力差でワークWの表面に密着した状態で、前記接着層Fが溶融することにより、該フィルムの絵柄層FがワークWの表面に転写されることになる。
【0042】
その場合に、蒸気は、前記空間S内の隅々まで供給されて、ワークWの側部下面Wや、切込み部W’の奥面Wや側面Wなどにも熱を運び、転写フィルムFのこれらの部位に密着した部分に対しても、他の部位と同様に加熱することになる。
【0043】
これにより、ワークWの転写フィルムFが密着した表面がほぼ均等に加熱され、上記のような従来十分加熱することができなかった側部下面Wや切込み部W’の側面Wなどにおいても、上面Wや側面Wと同様に、良好に転写することが可能となる。
【0044】
次に、本発明の実施形態に係る絵付装置としての熱転写装置について説明する。
【0045】
この実施形態に係る絵付装置としての熱転写装置は、転写フィルムをワークの表面に密着させた後に、上側チャンバ部材を退避させることなく仕切壁部材によってワーク載置台上のワークの周囲に閉じた空間を形成し、該空間に蒸気を供給するように構成したものである。なお、前記参考例と同様の構成について同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
図7に示すように、この実施形態に係る熱転写装置31は、上面が開口された下側チャンバ部材32と、下面が開口された上側チャンバ部材33とを有し、上側チャンバ部材33は、駆動シリンダ35のロッド部35aに連結されて上下方向に移動可能に構成されている。これにより、熱転写装置31では、両チャンバ部材32、33によって箱状に閉じた空間を形成した状態と、上側チャンバ部材33を下側チャンバ部材32から退避させて下側チャンバ部材32の上方を開放した状態とに切り替えられるようになっている。
【0047】
下側チャンバ部材32は、その内部底面にワーク載置台34を備え、該ワーク載置台34上にワークWが載置されるようになっている。ワーク載置台34は、駆動シリンダ36のロッド部36aに連結されて上下方向に移動可能に構成されている。これにより、ワーク載置台34上のワークWは、下側チャンバ部材32内で上下方向に移動できるようになっている。
【0048】
また、下側チャンバ部材32の上面を塞ぐように転写フィルムFが供給されるようになっている。上側チャンバ部材33を下側チャンバ部材32から退避させて下側チャンバ部材32の上方を開放した状態で下側チャンバ部材32の上面に転写フィルムFを供給した後に、上側チャンバ部材33を下方へ移動させることにより、転写フィルムFを挟んで両チャンバ部材32、33が閉じられるようになっている。
【0049】
熱転写装置31はまた、蒸気供給装置を有し、前記蒸気供給装置は、図示しない蒸気供給源としての蒸気発生器と、ワーク載置台34上のワークWを囲う仕切壁部材50とを備え、前記蒸気発生器からの蒸気を仕切壁部材50内の空間に供給するようになっている。
【0050】
前記蒸気発生器は、上側チャンバ部材33の外部に配設され、仕切壁部材50は、上側チャンバ部材33内に配設されている。この仕切壁部材50は、ワーク載置台34上のワークWの上面を覆い略水平方向に延びる天板51と、ワーク載置台34上のワークWの側面を覆い略上下方向に延びる側板52とによって箱状に形成されている。
【0051】
図8に示すように、天板51は、略平板状に形成された底面56aと該底面56aの周縁部において上方に延びる側面56bとを備えて箱状に形成されたスチームプレート56と、その上面を塞ぐようにスチームプレート56に組み付けられる熱盤57とを有し、天板51に、スチームプレート56と熱盤57とによって仕切壁部材50内の空間に蒸気を供給する供給通路51aが形成されている。なお、供給通路51aには、管状部材47を介して上側チャンバ部材33の外部に配設された前記蒸気発生器で発生させた蒸気が供給されるようになっている。
【0052】
天板51にはまた、スチームプレート56の底面56aに複数の開口部56cが形成され、該開口部56cに穴あきボルト58が取り付けられている。穴あきボルト58は、内部に貫通穴58aを有し、該穴あきボルト58の頭部58bがスチームプレート56の底面56aから突出して該穴あきボルト58の軸部58cが開口部56cに組み付けられた状態で取り付けられている。このようにして、天板51には、供給通路51aから仕切壁部材50内の空間に蒸気を噴出する複数の蒸気噴出穴58aが形成されている。
【0053】
天板51では、供給通路51aから蒸気噴出穴58aへの蒸気の入口部がスチームプレート56の底面56aより高い位置に設けられているので、仕切壁部材50内の空間に蒸気を供給する際に供給通路51a内で蒸気が凝集して水滴が生じた場合に、この水滴が仕切壁部材50内の空間に落下することを防止することができる。
【0054】
熱盤57は、例えばアルミ板などによって形成され、該熱盤57には、蒸気を加熱するためのヒータ57aが内蔵されている。熱盤57に内蔵されたヒータ57aは、後述する制御ユニット(不図示)によって温度制御可能に構成されている。熱盤57はまた、上側チャンバ部材33に固定された駆動シリンダ37のロッド部37aに連結ロッド38を介して連結されて上下方向に移動可能に構成されている。これにより、仕切壁部材50は、上側チャンバ部材33に昇降可能に支持されている。なお、仕切壁部材50には熱盤57の周囲を覆う保護カバー54が備えられている。
【0055】
側板52は、その内部に仕切壁部材50内の空間に蒸気を供給する供給通路52aが形成され、この供給通路52aは、上下方向に延びてスチームプレート56に設けられた連通路56dを通じて天板51に形成された供給通路51aと連通するようになっている。側板52にはまた、供給通路52aから仕切壁部材50内の空間に蒸気を噴出する複数の蒸気噴出穴52bが形成されている。
【0056】
さらに、側板52には、蒸気を加熱するためのヒータ52cが内蔵され、このヒータ52cは、前記制御ユニットによって温度制御可能に構成されている。側板52に設けられたヒータ52cと天板51、具体的には熱盤57に設けられたヒータ57aとはそれぞれ独立して温度制御可能に構成されている。
【0057】
熱転写装置31では、仕切壁部材50内の空間を2つの空間に区画する分割板53が設けられている。分割板53は、側板52と同様に構成され、該2つの空間にそれぞれ蒸気を供給する供給通路が形成されるとともに該供給通路から該2つの空間に蒸気を噴出する蒸気噴出穴が形成され、且つ、蒸気を加熱するためのヒータが内蔵されている。このヒータもまた、前記制御ユニットによって独立して温度制御可能に構成されている。これにより、2つのワークWへの絵付けを略同一の条件で行うことができる。なお、側板52及び分割板53の下端面にはそれぞれ、仕切壁部材50によってワークWの周囲を囲んだ際にフィルムFが溶断されることを防止するための断熱材55が備えられている。
【0058】
本実施形態では、供給通路51aからスチームプレート56に設けられた連通路56dの入口部がスチームプレート56の底面56aから突出して形成され、図9に示すように、その突出部56eの両端部にねじ穴部56fが形成されている。必要に応じて、図8に示すように、連通路56dを塞ぐカバープレート68を突出部56eの上面に配設して締結ボルト69をねじ穴部56fに組み付けることにより、仕切壁部材50内の空間に蒸気を供給する際に、天板51からのみ蒸気を供給し、側板52から蒸気を供給しないようにすることができる。なお、分割板53についても側板52と同様にして、蒸気を供給しないようにすることができる。
【0059】
また、仕切壁部材50の内面には、遠赤外線セラミックコーティングが施されている。具体的には、仕切壁部材50の内面を構成するスチームプレート56、側板52、分割板53の表面に遠赤外線セラミックコーティングが施されている。これにより、フィルムをより効率良く加熱することができる。
【0060】
熱転写装置31にはまた、圧力制御装置40が備えられ、圧力制御装置40は、真空ポンプ41と、圧空ポンプ42と、真空ポンプ41から分岐して下側チャンバ部材32内及び上側チャンバ部材33内に通じる真空通路43と、圧空ポンプ42から延びて上側チャンバ部材33内に通じる圧空通路44と、真空通路43の分岐通路43a、43bにそれぞれ配置された開閉弁45a、45bと、圧空通路44に配置された開閉弁46とを備えている。
【0061】
また、圧力制御装置40は、真空通路43の分岐通路43a、43bにそれぞれ配置された流量調整弁48a、48bを備えている。さらに、圧力制御装置40は、下側チャンバ部材32内の空間を大気開放するための大気開放弁49aと、上側チャンバ部材33内の空間を大気開放するための大気開放弁49bを備えている。
【0062】
また、熱転写装置31には、該熱転写装置31に関係する構成を総合的に制御する制御ユニット(不図示)が備えられ、前記制御ユニットは、駆動シリンダ35、36、37、真空ポンプ41、圧空ポンプ42、開閉弁45a、45b、46、流量調整弁48a、48b、大気開放弁49a、49b、ヒータ52c、57a、前記蒸気発生器などの各種作動を制御する。なお、前記制御ユニットは、例えばマイクロコンピュータを主要部として構成されている。
【0063】
次に、この熱転写装置31の作用を説明する。
【0064】
まず、図7に示すように上側チャンバ部材33を下側チャンバ部材32から退避させて下側チャンバ部材32の上方を開放するとともに開閉弁45a、45b、46と大気開放弁49a、49bを閉じた状態において、下側チャンバ部材32内のワーク載置台34にワークWの上面が下側チャンバ部材33の上端面よりも下方となるように載置し、下側チャンバ部材32の上面に、ベースフィルムF側を上に向けて転写フィルムFを供給する。
【0065】
そして、図10に示すように、仕切壁部材50の下端面が上側チャンバ部材33の下端面より上方に配置された状態で上側チャンバ部材33を下方に移動し、下側チャンバ部材32の上面と上側チャンバ部材33の下面との間に転写フィルムFを挟んだ状態で両チャンバ部材32、33を閉じる。
【0066】
次に、この状態で、真空通路43の分岐通路43a、43bにそれぞれ配置された開閉弁45a、45bを開き、真空ポンプ41を作動させることにより、転写フィルムFによって仕切られた下側チャンバ部材32内の空間と上側チャンバ部材33内の空間とを同時に真空状態とする。このとき、流量調整弁48a、48bを調整して吸引速度を調整することにより、下側チャンバ部材32内の空間と上側チャンバ部材33内の空間の真空圧力を調整して転写フィルムFをほぼ水平状態に維持することができるので、該フィルムFは両チャンバ部材32、33の間に張り渡された状態のままである。
【0067】
両チャンバ部材32、33内の空間が真空状態になると、開閉弁45bを閉じた上で、圧空通路44に配置された開閉弁46を開き、圧空ポンプ42を作動させることにより、転写フィルムFによって仕切られた上側チャンバ部材33内の空間のみに圧空を供給する。また、本実施形態では、これに限定するものではないが、圧空ポンプ42を作動させるとともにワーク載置台34を下側チャンバ部材32の上面と略面一になるまで上方へ移動させる。
【0068】
これにより、図11に示すように、転写フィルムFの下側の空間は真空状態、上側の空間は圧空供給状態となって、該フィルムFの両側に大きな圧力差が生じ、この圧力差により、転写フィルムFがワークWの表面に密着されることになる。前述したように、その場合、該ワークWとフィルムFとの間からは予め空気が排除されているから、転写フィルムFはワークWの上面や側面だけでなく、例えば側部の下面や切込み部の奥面、側面などにも完全に密着することになる。
【0069】
次に、開閉弁46を閉じ、上側チャンバ部材33を退避させることなく両チャンバ部材32、33を閉じた状態のまま、上側チャンバ部材33内に配置された仕切壁部材50を下方へ移動させ、図12に示すように、該仕切壁部材50によってワーク載置台34上のワークWの周囲に閉じた空間Sを形成する。
【0070】
そして、天板51、側板52、分割板53にそれぞれ設けられたヒータ57a、52cを加熱制御するとともに、前記蒸気発生器を作動させて該蒸気発生器からの蒸気を供給通路51a、52aに供給し、蒸気噴出穴58a、52bから前記空間S内に供給する。この蒸気の温度は、その熱により、転写フィルムFにおけるベースフィルムF、剥離層F、及び絵柄層Fを介して接着層Fを構成する接着剤を溶融可能な温度に設定される。
【0071】
したがって、前記空間S内で、ワークWの表面に密着した転写フィルムFのベースフィルムFに蒸気が接触した際に、その熱により、転写フィルムFの接着層Fが溶融するまで加熱されることになり、該フィルムFが大きな圧力差でワークWの表面に密着した状態で、前記接着層Fが溶融することにより、該フィルムFの絵柄層FがワークWの表面に転写されることとなる。
【0072】
その場合に、蒸気は、前記空間S内の隅々まで供給されて、ワークWの側部下面や、切込み部の奥面や側面などにも熱を運び、転写フィルムFのこれらの部位に密着した部分に対しても、他の部位と同様に加熱することになる。
【0073】
これにより、ワークWの転写フィルムFが密着した表面がほぼ均等に加熱され、上記のような従来十分加熱することができなかった側部下面Wや切込み部W’の側面Wなどにおいても、上面Wや側面Wと同様に、良好に転写することが可能となる。
【0074】
ワークWの表面に転写フィルムFの絵柄層Fが転写されると、両チャンバ部材32、33を閉じた状態で前記蒸気発生器の作動を停止するとともに天板51、側板52、分割板53にそれぞれ設けられたヒータ57a、52cの加熱を停止する。そして、仕切壁部材50を上方へ移動した後に、大気開放弁49a、49bを開いて下側チャンバ部材32内の空間と上側チャンバ部材33内の空間とを同時に大気開放し、その後、上側チャンバ部材33を下側チャンバ部材32から退避させて下側チャンバ部材32の上方を開放する。
【0075】
このようにして、ワークWの表面に転写フィルムFの絵柄層Fが転写された後に、転写フィルムFのベースフィルムFを剥がすことによりワークWの表面に絵柄層Fが絵付けされる。なお、熱転写装置31では、ワークWの表面に転写フィルムFの絵柄層が転写された後に、前記空間S内の蒸気が凝集して転写フィルムFに水滴を付着させることができ、転写フィルムFを素早く冷却させることができる。
【0076】
また、熱転写装置31では、仕切壁部材50が上側チャンバ部材33に昇降可能に支持されることにより、上側チャンバ部材33を移動させることなく転写フィルムFが密着されたワークWの周囲を仕切壁部材50によって囲むことができるので、絵付けの作業性を向上させるとともにサイクルタイムを短縮することができる。
【0077】
さらに、天板51と側板52にそれぞれ蒸気を加熱するヒータ57a、52cが設けられ、天板51に設けられたヒータ57aと側板52に設けられたヒータ52cとが独立して温度制御可能に構成されていることにより、転写フィルムFの種類やワークWの形状に応じた温度制御を行うことができる。前記蒸気発生源からの蒸気の温度が低下した場合においてもヒータ57a、52cによって蒸気を加熱することができ、前記効果をより有効に得ることができる。
【0078】
なお、この実施形態においても、圧空ポンプ42を用いて上側チャンバ部材33内の空間に圧空を供給しているが、大気開放弁49bを開いて真空状態とされた上側チャンバ部材33内の空間を大気に開放するようにしてもよい。また、大気開放弁49bを開いて上側チャンバ部材33内の空間を大気に開放した後に、開閉弁46を開くとともに圧空ポンプ42を作動させ、所定のタイミングで上側チャンバ部材33内の空間にさらに圧空を供給することも可能である。
【0079】
また、必要であれば、両チャンバ部材32、33を閉じてから前記空間S内に蒸気を供給するまでの間、仕切壁部材50を少し下方へ移動するとともに天板51に設けられたヒータ57aを作動させて、予め転写フィルムFを熱して軟化させておくようにしてもよい。さらに、必要であれば、両チャンバ部材32、33を閉じる前に、天板51に設けられたヒータ57aを作動させて、上側チャンバ部材33を予熱するようにしてもよい。
【0080】
さらに、必要に応じて、複数の穴あきボルト58の一部を内部に貫通穴を備えていない穴なしボルトに代え、該穴なしボルトをスチームプレート56の開口部56cに取り付けるようにしてもよい。これにより、ワークの形状に応じて蒸気の供給位置を調節することができる。
【0081】
熱転写装置31では、スチームプレート56の底面56aの上方側から穴あきボルト58や前記穴なしボルトが取り付けられるが、穴あきボルト58や前記穴なしボルトをスチームプレート56の底面56aの下方側から取り付けるようにしてもよい。かかる場合においても、水滴が仕切壁部材50内の空間に落下することを防止すべく、好ましくは、穴あきボルト58や前記穴なしボルトの軸部58cがスチームプレート56の底面56aから突出した状態で取り付けられる。この場合は、スチームプレート56と熱盤57とを組み付けた状態のまま、穴あきボルト58や前記穴なしボルトを組み付けたり取り換えたりすることができるので、作業性を向上させることができる。
【0082】
前述した実施形態では、絵付装置として、ベースフィルムFの一方の面に剥離層F、絵柄層F及び接着層Fを順次積層した転写フィルムFを用いる熱転写装置について記載しているが、この装置は、転写フィルムFに代えて、剥離層Fを備えていない、ベースフィルムFの一方の面に絵柄層F及び接着層Fを順次積層した貼着フィルムを用いることができ、この場合、ベースフィルムFを剥離することなく絵付けされることになり、前述した転写フィルムFを用いる場合と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明によれば、ワークの表面に絵柄フィルムの絵柄層を絵付けする際に、該フィルムを蒸気によって加熱することにより、ワークの表面形状に拘わらず、絵柄フィルムが密着された部位には良好に絵付けすることが可能となり、したがって、絵付装置の製造産業や絵付印刷を行う産業分野において好適に利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0084】
1、31 熱転写装置
2、32 下側チャンバ部材
3、33 上側チャンバ部材
11、41 圧空ポンプ
12、42 真空ポンプ
20 蒸気供給装置
21、50 仕切壁部材
22 蒸気発生器
51 天板
51a、52a 供給通路
52 側板
52b、58a 蒸気噴出穴
52c、57a ヒータ
W ワーク
F 転写フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの表面にベースフィルムの一方の面に絵柄層と接着層とが順次積層された転写フィルム又は貼着フィルムのいずれか一方の絵柄フィルムを用いて絵付けする絵付装置であって、
ワークが載置されるワーク載置台が内部に配設され、且つ開口した上面に前記接着層側をワークに向けて絵柄フィルムが配置される下側チャンバ部材と、
開口した下面が前記下側チャンバ部材の開口した上面に前記絵柄フィルムを挟んで対接され、下側チャンバ部材とで閉じた空間を形成する上側チャンバ部材と、
前記下側チャンバ部材内の絵柄フィルムにより仕切られた空間を真空状態とすることにより、前記絵柄フィルムをワークの表面に密着させる真空引き装置と、
前記上側及び下側チャンバ部材で形成される空間内で下面が前記ワーク載置台に接することにより、ワークの周囲を囲う閉じた空間を形成する仕切壁部材と、
該仕切壁部材によって形成された閉じた空間に、ワークの表面に密着された絵柄フィルムの接着層をベースフィルム側から溶融可能な温度の蒸気を供給する蒸気供給装置とを有することを特徴とする絵付装置。
【請求項2】
前記仕切壁部材は、ワークの上面を覆う天板と側面を覆う側板とを備え、該天板と側板とに、蒸気を供給する供給通路と、該蒸気を仕切壁部材内の空間に噴出する蒸気噴出穴とがそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の絵付装置。
【請求項3】
前記天板と側板とに、前記供給通路を通過する蒸気をそれぞれ加熱するヒータが設けられ、
天板に設けられたヒータと側板に設けられたヒータとが独立して温度制御可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の絵付装置。
【請求項4】
前記蒸気噴出穴は、仕切壁部材に複数設けられ且つ選択的に閉塞可能とされていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の絵付装置。
【請求項5】
前記仕切壁部材の内面に遠赤外線セラミックコーティングが施されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の絵付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−101549(P2012−101549A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−281889(P2011−281889)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【分割の表示】特願2010−118459(P2010−118459)の分割
【原出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000110642)ナビタス株式会社 (15)
【Fターム(参考)】